説明

トナー定着ベルト

【課題】ヒーター加熱方式、誘導加熱方式のいずれにも対応できるニッケル電鋳ベルト基体を備えたトナー定着ベルトであって、ますます増大する高耐久性の要求を満足するトナー定着ベルトを提供する。
【解決手段】トナー定着ベルト(10)は、リンを0.05質量%以上、0.4質量%未満の含有率で、硫黄を0.005質量%以上の含有率で含有するニッケル電鋳ベルト基体(11)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンター等の画像形成装置のトナー定着部で使用される、ニッケル電鋳製の無端状ベルト基体を備えたトナー定着ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、画像形成装置の小型化、省エネルギー化、印字・複写の高速化等の要求に応えるために、定着ローラの代わりに無端状の定着ベルト(エンドレスベルトまたはエンドレスフィルム)を使用したベルト定着方式が採用されている。
【0003】
このよう定着ベルトのベルト基体として、ポリイミド等の樹脂製ベルト基体やステンレス鋼製ベルト基体が知られている。これら樹脂またはステンレス鋼製ベルト基体は、ヒーターによる加熱方式では加熱することが可能であるが、電磁誘導による渦電流で定着ベルトを自己発熱させる誘導加熱方式を採用することができない。
【0004】
これに対し、ニッケル電鋳ベルト基体は、ヒーターによる加熱方式、誘導加熱方式のいずれをも採用することができる。ニッケル電鋳ベルト基体を備える定着ベルトは、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されている。
【0005】
しかしながら、ニッケル電鋳をベルト基体として有する従来の定着ベルトは、高温下での耐熱疲労強度が十分でなく、耐久性(耐疲労特性)に乏しい。ニッケル電鋳は、母型からの脱型性が良好であることも重要な要素である。この脱型性を向上させ、しかも耐疲労特性を向上させるために、特許文献3には、リンを0.4〜1.6質量%の含有率で含有するニッケル電鋳ベルトが開示されている。
【0006】
近時、複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンター等の画像形成装置では、オンデマンド性(クイックスタート性)と省電力性を併せ持った高速プリント化が進み、要求される耐印刷枚数性(耐久性)も増加している。上記従来のニッケル電鋳ベルト基体を有する定着ベルトは、高温下での長期にわたる繰り返し使用でクラックが発生し、耐久性が不十分な場合があった。
【特許文献1】特開2002−148975号公報
【特許文献2】特開2003−57981号公報
【特許文献3】特開2000−26990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明は、ヒーター加熱方式、誘導加熱方式のいずれにも対応できるニッケル電鋳ベルト基体を備えたトナー定着ベルトであって、ますます増大する高耐久性の要求を満足するトナー定着ベルトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、ニッケル電鋳ベルト基体について鋭意研究した結果、ニッケル電鋳ベルト基体にリンと硫黄をそれぞれ所定の含有率で含有させることにより、ニッケル電鋳ベルトの耐久性が飛躍的に向上し、しかもニッケル電鋳ベルトの脱型も良好に行えることを見いだし、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明によれば、リンを0.05質量%以上、0.4質量%未満の含有率で、硫黄を0.005質量%以上の含有率で含有するニッケル電鋳からなるベルト基体を備えるトナー定着ベルトが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のトナー定着ベルトは、耐久性にきわめて優れ、ニッケル電鋳ベルト基体の脱型性も良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の種々の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の1つの実施の形態に係るトナー定着ベルト10の概略正面図であり、図2は、図1のII−IIに沿う断面部分を拡大して示す図である。
【0012】
定着ベルト10は、ニッケル電鋳ベルト基体として、所定のニッケル電鋳ベルト基体11を備える以外は通常のトナー定着ベルトと同様の構成のものである。定着ベルト10は、通常、図1および図2に示すように、ベルト基体11の外周面に直接またはシリコーンゴム等の弾性層12を介してフッ素樹脂等の離型層13が最外層として被覆形成されるとともに、必要に応じてベルト基体1の内周面に摺動層(例えば、ポリイミド、フッ素樹脂等)14が形成される。弾性層12の厚さは、通常、20〜1000μmであり、好ましくは150〜450μmである。離型層13の厚さは、通常、1〜150μmであり、好ましくは5〜50μmである。また、摺動層14の厚さは、通常、5〜100μmであり、好ましくは10〜60μmである。
【0013】
ベルト基体11の厚さは、定着ベルトの加熱に電磁誘導加熱方式を用いる場合は、1μm〜100μmであることが好ましい。ベルト基体11の厚さが1μm未満であると、ベルト基体がほとんどの電磁エネルギーを吸収しきれなくなり、加熱効率が低下してくる傾向にある。一方、ベルト基体11の厚さが100μmを超えると、剛性が大きくなり、柔軟性が低下してくるので、屈曲性が損なわれて定着ベルトとして使用しにくくなる傾向にある。
【0014】
これに対し、定着ベルトの加熱にハロゲンヒータを熱源として用いる場合は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、ベルト基体11の厚さは、通常10〜100μm、好ましくは15〜80μm、より好ましくは20〜60μm程度である。熱容量、熱伝導性、機械的強度、可撓性等のバランスの観点から、30〜50μm程度の厚さが最も好ましい。
【0015】
さて、本発明のニッケル電鋳ベルト基体11は、リンを0.05質量%以上、0.4質量%未満の含有率で、硫黄を0.005質量%以上の含有率で含有する。リンの含有率を0.05質量%以上0.4質量%未満と低い範囲に設定すると同時に、硫黄含有率を0.005質量%以上の設定するという特定の条件の下で、予想外にも、ニッケル電鋳ベルト基体の耐熱疲労特性が飛躍的に向上するとともに、脱型性も良好なものとなることが見いだされた。
【0016】
ニッケル電鋳ベルト基体11中のリン含有率が0.05質量%未満であると、硫黄含有率を0.005質量%以上に設定してもニッケル電鋳ベルト基体の耐熱疲労特性が十分に向上せず、他方リンの含有率が0.4質量%以上であると、ニッケル電鋳ベルト基体の脱型性が悪くなる。リンの含有率は、0.1質量%以上、0.4質量%未満であることが好ましい。
【0017】
また、ニッケル電鋳ベルト基体11中の硫黄含有率が0.005質量%未満であると、リンの含有率を0.05質量%以上、0.4質量%未満に設定してもニッケル電鋳ベルト基体の耐熱疲労特性および脱型性が十分に向上しない。硫黄含有率は、0.016質量%以下であることが好ましい。硫黄含有率が0.016質量%を超えると、ニッケル電鋳ベルト基体は、硬くて脆くなり、耐熱疲労特性も低下する傾向を示す。硫黄含有率は、0.01〜0.016質量%であることが特に好ましい。
【0018】
本発明のニッケル電鋳ベルト基体11は、その炭素含有率が0.04質量%以下であると、リンおよび硫黄がもたらす耐熱疲労特性の向上効果を減殺させることなく脱型性がより良好になることがわかった。脱型性向上の観点からは、ニッケル電鋳ベルト基体は、炭素を含まなくてもよい(炭素含有率0%)が、炭素は、ニッケル電鋳ベルト基体の製造に使用される電鋳浴中の成分(例えば、一次光沢剤、二次光沢剤)に由来して不可避的に含有され得る。従って、通常、ニッケル電鋳ベルト基体の炭素含有率は0質量%を超える。本発明において、炭素の含有率は、0.01質量%以下であることがより好ましい。炭素含有率は、0.005〜0.01質量%であることが特に好ましい。
【0019】
ベルト基体11は、一般に、硫酸ニッケルや塩化ニッケルを主成分とするワット浴やスルファミン酸ニッケルを主成分とするスルファミン酸浴等のニッケル電鋳浴を用いて、電鋳法により形成することができる。電鋳法は、母型の表面にニッケルメッキを行ない、これを母型から剥離して製品を得るそれ自体周知の方法である。
【0020】
ニッケル電鋳浴には、当該分野で既知の各種電鋳浴を用いることができるが、スルファミン酸浴を用いることが好ましい。スルファミン酸浴としては、スルファミン酸ニッケル四水塩300〜600g/L、塩化ニッケル0〜30g/L、ホウ酸20〜40g/L、適量の一次光沢剤、二次光沢剤等を含有するものを挙げることができる。電鋳浴のpHは、好ましくは3.5〜4.5である。スルファミン酸浴は、ホウ酸、ギ酸、酢酸ニッケル等のpH緩衝剤、さらには、平滑化、ピット防止、結晶微細化、残留応力の低減等を目的として、例えば、光沢剤、ピット防止剤、内部応力減少剤等を含有することができる。
【0021】
本発明において、ニッケル電鋳ベルト基体に含まれるリンの供給源として、例えば次亜リン酸ナトリウムのような水溶性リン含有酸の塩をニッケル電鋳浴に添加する。水溶性リン含有酸の塩の量を調節することによって、本発明で規定するリン含有率を達成することができる。例えば、次亜リン酸ナトリウムを用いる場合、これを例えば40〜200mg/Lの濃度でスルファミン酸浴中に添加することができる。また、硫黄は、スルファミン酸ニッケルからもニッケル電鋳ベルト基体中に導入されるが、主に、一次光沢剤として使用されるナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム等が供給源となってニッケル電鋳ベルト基体中に導入される。従って、かかる一次光沢剤の割合を調節して、本発明で規定する硫黄含有率を達成することができる。炭素は、主に、上記一次光沢剤、および二次光沢剤として使用される2−ブチン−1,4−ジオール等がその供給源となってニッケル電鋳ベルト基体中に導入される。従って、一次光沢剤および二次光沢剤の量を調節することによって、上記炭素含有率を達成することができる。
【0022】
電鋳に際し、スルファミン酸浴の温度を好ましくは40〜60℃に設定し、電流密度を好ましくは0.5〜15A/dm2の範囲に設定する。高濃度浴の場合には、電流密度は、3〜40A/dm2の範囲とすることが好ましい。
【0023】
このようにして電鋳を行うことにより、所定量のリンおよび硫黄並びに必要に応じて所定量の炭素を含有するニッケル電鋳ベルト基体を得ることができる。
【実施例】
【0024】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明を限定するものではない。
トナー定着ベルトは、その内側から加熱されるものであり、ベルト基体は200℃あるいはそれ以上に加熱されることがある。以下の実施例の疲労特性評価で考慮されている250℃の加熱温度は、上記200℃の温度に対し余裕度を見込んだ温度である。
実施例1〜8、比較例1〜5
スルファミン酸ニッケル四水塩を500g/Lおよび硼酸を30g/Lの割合で含有する水溶液を作り、この水溶液を活性炭を充填した容器と電解槽との間を循環通液させながら低電流で電解精製した。こうして精製した水溶液に、一次光沢剤としてナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸三ナトリウム、二次光沢剤として2−ブチン−1,4−ジオール、リン源として次亜リン酸ナトリウム一水和物をそれぞれ下記表1に示す割合で添加し、さらにピット防止剤を水溶液の表面張力が36mN/mとなるように添加して所望のスルファミン酸浴(電鋳浴)を調製した
この電鋳浴を0.5μmフィルターで連続的にろ過しながら、浴温を60℃に、pHを4.5に維持しながら撹拌を続け、その電鋳浴中で、回転する外径34mmのステンレス鋼製の円筒状母型を陰極とし、ニッケルペレットを収容したチタン製バスケットを陽極として、表1に併記する電流密度の下で電鋳を行ない、母型の外周面に電析体を50μmの厚さに形成した。この電析体を有する母型を電鋳浴から取り出し、水洗した。電析体の両端部のバリを切り剥がした。この電析体を有する母型を水中に浸漬して電析体を母型から遊離させ、母型から引き抜いた後、十分に洗浄し、乾燥して内径34mm、厚さ50μmのニッケル電鋳ベルト基体を得た。
【0025】
<脱型性>
ベルト基体の脱型性は、以下の基準で評価した。
【0026】
◎…上記母型の水中浸漬の時間が15分以下であっても母型から引き抜けたもの
○…上記水中浸漬の時間が15分を超えるが25分までで母型から引き抜けたもの
△…上記水中浸漬の時間が25分を超えるが1時間までで母型から引き抜けたもの
×…上記水中浸漬時間が1時間を越えても母型から引き抜けなかったもの。
【0027】
結果を表2に示す。
【0028】
<リン、硫黄および炭素含有率>
得られたそれぞれのニッケル電鋳ベルト基体について、リン、硫黄および炭素の含有率を測定した。リンの含有率は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析装置により測定し、硫黄および炭素含有率は、酸素気流中高周波加熱燃焼−赤外吸収法(酸素気流中で試料を加熱して酸化反応を行わせ、試料中の炭素を二酸化炭素と一酸化炭素に変換させるとともに、試料中の硫黄を二酸化硫黄に変換し、一定流量で赤外検出器に導入し、検出された二酸化炭素および一酸化炭素から試料中の炭素含有率を、検出された二酸化硫黄から試料中の硫黄含有率を算出する。検量線は、ブランクおよび標準物質の測定により作成する)により測定した。結果を表1に併記する。
【0029】
<熱疲労試験>
実施例1〜8、比較例1〜6で得たベルト基体からJIS Z2201に規定された13B号試験片を切り出し、INSTRON社製INSTRON8871システムを用いて熱疲労試験を以下の条件で行った。
【0030】
繰り返し最大張力:700MPa;繰り返し最小張力:80MPa;
雰囲気温度:250℃;繰り返し周期:15Hz。
【0031】
この熱疲労試験は、試験片が破断するまで行い、そのときまでの繰り返し回数を記録した(ただし、1千万回で試験を終了した;従って、1千万回の繰り返しでも破断しなかった場合は、「10000000以上」と表記される)。結果を表2に併記する。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
表2に示す結果から、実施例1〜8および比較例1〜5のニッケル電鋳ベルトの炭素含有率は大幅な違いがないが、本発明で規定するリン含有率:0.05%≦P<0.4%と硫黄含有率:0.005%≦Sを同時に満足する実施例1〜8のニッケル電鋳ベルト基体(表1参照)は、本発明で規定する耐熱疲労特性が非常に高く、脱型性も満足できるものであることがわかる。これに対し、本発明で規定するリン含有率:0.05%≦P<0.4%と硫黄含有率:0.005%≦Sを同時に満足しない比較例1〜2および比較例5のニッケル電鋳ベルト基体(表1参照)は、耐熱疲労特性が著しく劣っている。比較例3および4のニッケル電鋳ベルト基体は、脱型できなかった。
【0035】
ここで、脱型性について見ると、比較例1のニッケル電鋳ベルトは、リンが含有されておらず、しかも炭素含有率が比較的高い(表1参照)にも拘わらず、脱型性は良好である。また、比較例5のニッケル電鋳ベルトは、リンが含有されておらず、しかも炭素含有率が実施例1〜8のものの範囲内にあるにも拘わらず、脱型性は良好である。しながら、比較例3および比較例4のニッケル電鋳ベルトは、リンの含有率は本発明で規定する範囲内にあり、炭素含有率も実施例1〜8のものの範囲内にあるにも拘わらず、脱型が不可能であった。これは、比較例1および比較例5のニッケル電鋳ベルトは硫黄含有率が本発明で規定する範囲内にあるのに対し、比較例3および比較例4のニッケル電鋳ベルトは硫黄含有率が本発明で規定する範囲を逸脱していることによるものであることが表1のデータから明らかである。すなわち、脱型性には、炭素含有率よりも硫黄含有率の方が大きく影響することがわかる。
【0036】
次に、比較例1および比較例2のニッケル電鋳ベルトは、硫黄含有率が本発明で規定する範囲内にあるが、リン含有率が本発明で規定する範囲を逸脱している。その結果、表2に示すように、耐熱疲労特性が著しく劣ったものとなっている。
【0037】
さらに、実施例1〜8のニッケル電鋳ベルト基体を比較検討すると、リンと硫黄の好ましい含有率条件(0.01%≦P<0.4;0.005%≦S≦0.016%)を満足する実施例1〜6のニッケル電鋳ベルトは、リンと硫黄の含有率が本発明の規定する範囲内にあるが、この好ましい含有率条件外にある実施例7〜8のニッケル電鋳ベルトよりも耐熱疲労特性がはるかに優れている。また、脱型性の観点から炭素含有率を見ると、炭素含有率が0.04質量%以下であれば、脱型性は満足し得るものとなることがわかる。さらに、実施例1および2並びに比較例5の結果から、炭素含有率が0.005〜0.01質量%であると脱型性が特に優れたものとなることがわかる。また、実施例1および2の結果から、リン含有率が0.1質量%以上、0.4質量%未満、硫黄含有率が0.01〜0.016質量%であれば、きわめて優れた耐熱疲労特性を示すニッケル電鋳ベルト基体が得られることがわかる。
【0038】
次に、参考のため、実施例1〜8、および比較例1〜5で得たニッケル電鋳ベルト基体の熱履歴(未加熱、または300℃、350℃でそれぞれ2時間加熱後)によるベルト基体表面(外周面)および裏面(内周面)の硬さ(マイクロビッカース硬さ(Hv))を(株)アカシ製MVK−G1を用いて測定した。ビッカース硬さの測定に当たり、荷重を100gf、荷重保持時間を15秒とした。結果を下記表3に示す。
【0039】
【表3】

【0040】
表3に示す結果から、耐熱疲労特性に特に優れた実施例1〜6のニッケル電鋳ベルト基体は、未加熱で表裏いずれも330〜590のビッカース硬さを、300℃2時間加熱後および350℃で2時間加熱後で表裏いずれも360〜700のビッカース硬さを示すことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る定着ベルトの正面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面の一部を拡大して示す図。
【符号の説明】
【0042】
10…トナー定着ベルト
11…ベルト基体
12…弾性層
13…離型層
14…摺動層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンを0.05質量%以上、0.4質量%未満の含有率で、硫黄を0.005質量%以上の含有率で含有するニッケル電鋳ベルト基体を備えるトナー定着ベルト。
【請求項2】
前記リンの含有率が、0.10質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー定着ベルト。
【請求項3】
前記硫黄の含有率が、0.016質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー定着ベルト。
【請求項4】
前記硫黄の含有率が、0.01〜0.016質量%であることを特徴とする請求項3に記載のトナー定着ベルト。
【請求項5】
前記ベルト基体が、0.04質量%以下の含有率で炭素を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー定着ベルト。
【請求項6】
前記炭素の含有率が、0.005〜0.01質量%であることを特徴とする請求項5に記載のトナー定着ベルト。
【請求項7】
前記ベルト基体が、リンを0.1質量%以上、0.4質量%未満の含有率で、硫黄を0.01〜0.016質量%の含有率で、炭素を0.005〜0.01質量%の含有率で含有することを特徴とする請求項1に記載のトナー定着ベルト。
【請求項8】
最外層として離型層を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー定着ベルト。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−47766(P2006−47766A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229508(P2004−229508)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(000227412)日東工業株式会社 (99)
【Fターム(参考)】