説明

トナー用低温定着性及び耐ブロッキング性改善剤

【課題】
トナーの低温定着性、耐ブロッキング性、印字耐久性を改善すること、及び低温定着性、耐ブロッキング性、印字耐久性を改善するポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するバインダー樹脂、及びバインダー樹脂を含有し、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐ブロッキング性、印字耐久性に優れたトナーを提供することを目的とする。
【解決手段】
炭素数16〜18の飽和脂肪酸(a)、及び炭素数20〜22の飽和脂肪酸(b)を含有する混合脂肪酸と、水酸基価から算出される重合度が4〜10であるポリグリセリンとから構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルをトナーに配合することにより、トナーの低温定着性、耐ホットオフセット性、耐ブロッキング性、印字耐久性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像の現像に使用するトナーの低温定着性、及び耐ブロッキング性改善剤、及びこれを含有するトナー用バインダー樹脂、及びトナーに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による普通紙のコピー機、レーザープリンターなどの現像剤として、トナーが用いられている。トナーの製造方法には、機械的粉砕法、重合法、粉霧乾燥法などがあり、それぞれ特徴を持っている。しかし、安全性、品質の安定性、生産効率の面で、全体の8割から9割のトナーは機械的粉砕法で生産されている。機械的粉砕法とは、バインダー樹脂中に結着樹脂や着色剤などの各成分を溶融混練させ、粉砕、分級してトナーを製造する方法であるが、粉砕法で製造されたトナーは、最終的に機械的な力で微粒子化されるため、トナー粒子の粒径が不均一となる。粒径が不均一であると、トナーの流動性や摩擦帯電性が悪化するため、良好な繊細画像は得られにくい欠点を持つ。一方、重合法は粒子の均一性を向上できる方法であり、均一な球形のトナーが得られるため、従来の粉砕法トナーよりも高性能の機能を有するトナーを製造できる方法として、近年普及してきている。重合法とは、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で、重合性単量体、着色剤、帯電制御剤、離型剤などを含有する単量体混合物を重合することによりトナーを得る方法であり、スチレン−アクリル系の樹脂の場合では、乳化重合法、懸濁重合法などの製法が知られており、ポリエステル系の樹脂の場合では、エステル伸長重合法、溶解懸濁法、CM(ケミカルミリング法)などが知られている。
【0003】
ところで、最近パソコンの普及と共に、レーザープリンター、デジタル複合機用のトナーとして、省エネルギー化に寄与できること、印字及び複写の高速化に対応できること、フルカラー化に対応できること、環境対応型であることなどトナーに要求される項目が高度なものになってきている。コピー機やプリンターで最もエネルギーを消費する部分はトナーの紙への定着工程であるが、一般に、この定着工程では、ヒーターを内包する定着ローラと加圧ローラの間に転写材を通して、熱と圧力の併用で定着を行なう熱ローラ定着方式が採用されている。しかしながら、熱ローラ定着方式では、ローラと転写材上のトナーが圧着するため、溶融したトナーがローラ表面に付着して後続の転写材を汚す、いわゆるオフセット現象が生じ易くなる。
【0004】
また、熱ローラ定着方式を採用する定着工程では、通常、定着ローラの温度を150℃以上にする必要があり、エネルギー源として多くの電力を消費する。近年、画像形成装置における、消費電力の低減化、印字速度及び複写速度の高速化への要求の高まりにより、定着時の定着ローラの温度(定着温度)を下げることが求められている。
【0005】
上記画像形成装置の消費電力の低減化、及び高速化の要請に対し、定着ローラの温度が、低温でも転写材に定着可能なトナー(低温定着化トナー)の設計が検討されている。例えば、トナーを構成する樹脂として、低分子量の成分を有する樹脂を用いる試み、低融点の成分を有する樹脂を用いる試み等が行われてきた。
【0006】
しかしながら、トナーを構成する樹脂の分子量や融点を低下させ過ぎてしまうと、トナーのガラス転移温度の低下に繋がる。これに伴って、低温定着化は改善されるものの、定着工程におけるオフセット現象が悪化しやすくなる。これは、定着時のトナーの流動性が低くなり過ぎるためであり、一定の範囲のメルトインデックスを有することが望まれる。
【0007】
また、ガラス転移温度が低すぎると、トナーの保存時においては、ブロッキングという現象が引き起こされ、トナーの融着によって保存性を悪化させる問題も生じやすくなる。
【0008】
これらの理由から、トナーの保存時においては、ガラス転移温度を一定温度以上に保持することにより、トナーの保存性(耐ブロッキング性)を保ち、トナーの定着時においては、適度なメルトインデックスを有することにより低温定着化を可能とし(低温定着性)、さらに、オフセット現象が発生せず(耐オフセット性)、大量の印刷を行なってもカブリの発生がない(印字耐久性)などの印字性能に優れたトナーの開発が求められている。
【0009】
このような課題を解決するワックスとして、特許文献1では、数平均分子量が2,000〜5,000のポリグリセリン脂肪酸エステルが用いられている。また、炭素数12〜28の飽和脂肪酸をエステル化したポリグリセリン脂肪酸エステルとされており、これを配合することにより、トナーの保存性、低温定着性のバランスに優れることが示されている。同様に、特許文献2、及び3においても、類似したポリグリセリン脂肪酸エステルが用いられており、何れも酸価、水酸基価が低い高純度のポリグリセリン脂肪酸エステルが、トナーワックスとして優れた機能を有することが示されている。しかし、これらのポリグリセリン脂肪酸エステルには欠点も存在し、高純度化に際しての精製工程が必要であること、或いはエステル化度が高過ぎることによる樹脂への微分散の難しさが挙げられる。ポリグリセリン脂肪酸エステルの高純度化に際しては、溶媒を用いた精製工程を実施する必要があり、廃液の生成や製造時間の延長など環境面においても不経済となる。また、エステル化度が高過ぎる場合では、バインダー樹脂との相溶性が極端に低くなるため、トナー中に分散する粒子径が大きくなる傾向がある。そのため、ワックスの効果が局在化してしまい、低温定着性の発現が不充分となることがあった。
【0010】
一方、特許文献4では、重合度が9〜30のポリグリセリンと炭素数が10〜40の脂肪酸からなるエステル化率50%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルが用いられている。これにより、トナーの着色剤と電荷制御剤の分散性を向上させ、帯電性能の低下とフィルミングとを防止できるとされている。しかし、重合度の高いポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合においては、バインダー樹脂への相溶性が低くなる傾向があり、また、バインダー樹脂中に微分散させることが難しくなる傾向もあるため、低温定着性の改善効果は充分とは言い難いものであった。
【0011】
さらに、特許文献5においては、ポリグリセリンと炭素数10〜40の脂肪酸との部分エステルが用いられており、このようなポリグリセリン脂肪酸エステルは、トナー中において加熱により速やかに溶融してトナーの溶融粘度を低下させ、低温での流動性が向上するとされている。また、部分エステル化合物の残存水酸基は、用紙との親和性を高めるため、用紙への低温定着性が向上するとされている。さらに、特許文献6においても、同様にポリグリセリンと炭素数10〜40の脂肪酸との部分エステルが用いられている。これらのポリグリセリンと炭素数10〜40の脂肪酸との部分エステルにおいても、低温定着性が改善されても耐ブロッキング性が不充分である場合や、耐ブロッキング性が優れていても低温定着性の改善効果が不充分である場合が存在し、近年の省エネルギー化、或いは高速印刷化に伴うトナーへの高い要望を完全に満足するものではなかった。さらに、単独の脂肪酸を用いたポリグリセリン脂肪酸エステルについては詳しく示されているものの、脂肪酸を混合することについては全く言及されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−85841号公報
【特許文献2】特開2008−89909号公報
【特許文献3】特開2006−268056号公報
【特許文献4】特開2004−177787号公報
【特許文献5】特許第2635441号公報
【特許文献6】特許第2697953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、トナーの製造方法、樹脂の種類に関わらず、バインダー樹脂とワックスとしての特定のポリグリセリン脂肪酸エステルとが適度な相溶性を有することにより、バインダー樹脂のガラス転移温度を低下させることなく、バインダー樹脂中にワックスを微分散させると同時に、トナーの定着温度においてはメルトインデックスを適度に向上させ、さらに、高温時のオフセットが生じず、高いガラス転移温度を保持することからブロッキングを防止する効果に優れたポリグリセリン脂肪酸エステルを提供することである。さらに、本発明は低温定着性、耐ホットオフセット性、耐ブロッキング性、印字耐久性を改善するポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するバインダー樹脂及びバインダー樹脂を含有し、これらの機能に優れたトナーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の課題を解決するために、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、炭素数16〜18の飽和脂肪酸(a)、及び炭素数20〜22の飽和脂肪酸(b)を含有する混合脂肪酸と、水酸基価から算出される重合度が4〜10であるポリグリセリンとから構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることによって、上記の課題を解決することができるという知見を見出した。さらに、上記混合脂肪酸において、飽和脂肪酸(a)と飽和脂肪酸(b)のモル比率が、(a)/(b)=0.2/0.8〜0.8/0.2の範囲内であり、さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルの水酸基価から算出されるエステル化率が60%〜95%であることによって、より優れた機能を有するトナーを提供できることを見出した。
【発明の効果】
【0015】
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルをトナー樹脂に特定量配合することにより、トナー樹脂のガラス転移温度を低下させることなく、メルトインデックスを適度に向上することができ、さらに高温時のオフセットが生じないため、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐ブロッキング性、さらに印字耐久性に優れたトナーが得られ、電子複写機の省エネルギー化に適しており、さらには高速印刷用画像形成装置に好適に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルのポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度が4〜10のものを使用する。また、この範囲のポリグリセリンを単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。ここで、平均重合度は、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)である。詳しくは、次式(式1)および(式2)から平均重合度が算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
上記(式2)中の水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編纂、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)、2003年度版」に準じて算出される。
【0018】
また、前記の水酸基価から算出される平均重合度が4〜10のポリグリセリンにおいては、一般に分子量分布を有する組成物が使用される。また、平均重合度は大きいものほど好ましく、また、分子量分布が狭いものほど好ましい傾向がある。さらに、異なる分子量分布を有するポリグリセリンを2種以上混合してもよく、ポリグリセリン混合物の水酸基価から算出される平均重合度が4〜10であれば、平均重合度が4未満、及び10を超えるポリグリセリンも使用できる。なお、ポリグリセリンの水酸基価から算出される平均重合度が4未満である場合では、バインダー樹脂との相溶性が高くなる傾向にあり、脂肪酸の組成によっては、ガラス転移温度の低いトナーとなる可能性がある。また、平均重合度が10を超える場合では、バインダー樹脂との相溶性が低くなる傾向にあり、メルトインデックスが向上しにくく、低温定着性の発現が不充分となる可能性がある。
【0019】
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数16〜18の飽和脂肪酸(a)、及び炭素数20〜22の飽和脂肪酸(b)を含有する混合脂肪酸から構成されるが、これらが特定の割合で含有される混合脂肪酸を用いる必要がある。具体的には、飽和脂肪酸(a)と飽和脂肪酸(b)のモル比率が(a)/(b)=0.2/0.8〜0.8/0.2の範囲内であり、好ましくは(a)/(b)=0.3/0.7〜0.7/0.3の範囲内である。飽和脂肪酸(a)と飽和脂肪酸(b)のモル比率が上記の範囲を外れる場合では、ガラス転移温度が低下し過ぎることによる耐ブロッキング性の悪化を招く恐れがある、あるいは、メルトインデックスが向上し難くなることによる低温定着性の改善が不充分となる恐れがある。なお、炭素数16〜18の飽和脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸が挙げられ、炭素数20〜22の飽和脂肪酸としては、アラキジン酸、ベヘン酸が挙げられる。市販品の例としては、パルミチン酸98、STEARICACID98%、ベヘン酸85(何れもミヨシ油脂株式会社製)などが挙げられる。
【0020】
さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は60%〜95%であることが好ましく、さらに好ましくは70%〜90%である。エステル化率が60%未満の場合では、バインダー樹脂との相溶性が大き過ぎることからガラス転移温度の低下が生じやすく、耐ブロッキング性の悪化に繋がる、あるいは、メルトインデックスが向上し過ぎることによる耐ブロッキング性の悪化やオフセットの発生などの問題が生じる可能性がある。一方、エステル化率が95%を超える場合では、バインダー樹脂との相溶性が極端に低くなるため、トナー中に分散する粒子径が大きくなる傾向がある。そのため、ワックスの効果が局在化してしまい、低温定着性の発現が不充分となることがある。ここで、エステル化率とは、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)、このポリグリセリンが有する水酸基数(n+2)、ポリグリセリンに付加している脂肪酸のモル数(M)としたとき、(M/(n+2))×100=エステル化率(%)で算出される値である。また、水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編纂、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)、2003年度版」に準じて算出される。また、平均重合度は、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)である。詳しくは、次式(式1)および(式2)から平均重合度が算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
【0021】
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを合成するための触媒は、塩基性触媒と酸性触媒が挙げられる。塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好ましい。また、酸性触媒としては、(オルト)リン酸、ポリリン酸、及び、2−エチルヘキシルアシッドホスフェイト、オレイルアシッドホスフェイト、ステアリルアシッドホスフェイトなどの酸性リン酸エステルの何れかが好ましく、これらを単独で使用しても二種類以上を併用しても良い。この他に酸性触媒としては、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、また、塩化第一スズ、塩化第二スズ、ジブチルスズビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチルスズジアセテート、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタンなどのルイス酸触媒、クエン酸、リンゴ酸、乳酸などの脂肪族ヒドロキシ酸、さらにサリチル酸、没食子酸などの芳香族ヒドロキシ酸などが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0022】
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルの酸価は特に限定はされないが、5mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が5mgKOH/gを超えるとバインダー樹脂に対する分散性が低下する要因となり、トナーの低温定着性や耐ブロッキング性の悪化に繋がり所望の性能が得られない、あるいは使用量に制限が出てくるなどの問題が生じる可能性がある。ここで、酸価とは、試料1g中に含まれている遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数をいい、社団法人日本油化学会編纂、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)、2003年度版」に準じて算出される。
【0023】
本発明におけるバインダー樹脂として、スチレン・アクリル共重合樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂など、及びこれらを数種複合する樹脂、さらには生分解性樹脂などが挙げられるがこれに限定するものではない。
【0024】
本発明のトナーとは、乾式トナー、液体トナーの何れであっても良い。乾式トナーの場合は、着色剤や荷電制御剤、離型剤などをバインダー樹脂中に分散させたものが一般的であり、それが1成分トナーまたは2成分トナーであっても良い。さらには磁性を有するものであっても非磁性であっても良い。また、必要であれば二酸化ケイ素、金属石鹸、ポリオレフィンワックスなどのトナー用添加剤を配合しても良い。また、液体トナーの場合も同様に、着色剤、荷電制御剤に加え、キャリアとしての炭化水素油や植物油、また、これらに樹脂を分散させる為の分散剤などが配合されたものが一般的であり、1成分トナー、2成分トナー、磁性、非磁性などを問わない。
【0025】
また、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルが使用できるトナーの製造方法であるが、機械的粉砕法、粉霧乾燥法、重合法、マイクロカプセル法など限定されることなく適用することができる。
【実施例】
【0026】
次に、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、今回使用したポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度が2,4,6,8,10,14のものを使用した。以下、本発明の実施例及び比較例を示す。ただし、%は重量基準であり、エステル化率は上述の計算式により算出される値である。
【0027】
(ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1〜10)の合成)
水酸基価から算出される重合度が4のポリグリセリンを126.4gと炭素数16〜18の飽和脂肪酸(a)としてステアリン酸を217.5g、炭素数20〜22の飽和脂肪酸(b)としてベヘン酸を390.6g反応容器に入れ、水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて245℃で反応させ、平均エステル化率が約81%、酸価が0.3mgKOH/gであるポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)を得た。以下同様に、ポリグリセリンの平均重合度、混合脂肪酸のモル比率、ポリグリセリンに対する脂肪酸のモル比率、触媒の種類を変化させてPGFE2〜10を製造し、表1に示した。なお、PGFE2〜5、及び7〜10については、炭素数16〜18の飽和脂肪酸(a)としてステアリン酸を用い、炭素数20〜22の飽和脂肪酸(b)としてベヘン酸を使用した。また、PGFE6については、炭素数16〜18の飽和脂肪酸(a)としてパルミチン酸を用い、炭素数20〜22の飽和脂肪酸(b)としてベヘン酸を使用した。
【0028】
(ペンタエリスリトール脂肪酸エステル(PE)の合成)
ペンタエリスリトール72.6gとステアリン酸303.0g、ベヘン酸362.8gを反応容器に入れ、窒素気流下にて245℃で反応させ、平均エステル化率が100%、酸価が4.0mgKOH/gであるペンタエリスリトール脂肪酸エステル(PE)を得た。
【0029】
【表1】

【0030】
(実施例1)
スチレン80.5部及びn−ブチルアクリレート19.5部からなるコア用単量体と、カーボンブラック7部、帯電防止剤1部、ジビニルベンゼン0.3部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー0.5部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)15部を添加、混合、溶解してコア用重合性単量体組成物を得た。コア用重合性単量体組成物の調整は全て室温で行った。
【0031】
他方、室温でイオン交換水250部に塩化マグネシウム9.5部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム5.8部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調整した。この分散液の調整は全て室温で行った。上記コロイドの粒度分布をレーザー回折散乱法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製)にて、体積累計が50%に相当する体積平均粒子径であるDv50(単位μm)を測定したところ、0.30μmであった。
【0032】
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、室温で上記コア用重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌した。そこに重合開始剤としてt−ブチルパーオキシネオデカノエート6部添加後、インライン型分散機を用いて15,000rpmの回転数で30分間高せん断攪拌して、単量体混合物の液滴を造粒した。この造粒した単量体混合物の水分散液を10Lの反応器に入れ、60℃で重合反応を開始させた。次に、室温でメチルメタクリレート3部とイオン交換水30部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用重合性単量体の水分散液を得た。このシェル用重合性単量体と水溶性開始剤として過硫酸アンモニウム0.3部を蒸留水65部に溶解し、これを反応器に入れ、4時間重合を継続した後、反応を停止しトナー粒子の水分散液を得た。
【0033】
上記により得たコア・シェル型重合体粒子の水分散液を室温で攪拌しながら、硫酸により酸洗浄を行い、ろ過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えてスラリー化し、水洗浄を行った。その後、再度脱水と水洗浄を室温で数回繰り返し行って、固形分をろ過した後、乾燥機にて45℃で一昼夜乾燥を行い、重合体粒子を得た。この重合体粒子100部に、室温で疎水化処理したコロイダルシリカ0.6部を添加し、ヘンシルミキサーを用いて混合して重合法トナーを得た。
【0034】
(実施例2)
実施例1において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE2)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0035】
(実施例3)
実施例1において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE3)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0036】
(実施例4)
実施例1において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE4)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0037】
(実施例5)
実施例1において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE5)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0038】
(実施例6)
実施例1において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE6)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0039】
(比較例1)
実施例1において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE7)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0040】
(比較例2)
実施例1において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE8)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0041】
(比較例3)
実施例1において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE9)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0042】
(比較例4)
実施例1において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE10)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0043】
(比較例5)
実施例1において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をペンタエリスリトール脂肪酸エステル(PE)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0044】
(実施例7)
粉砕トナーの常法により、スチレン成分80%、メタクリル酸メチル5%、アクリル酸n−ブチル15%、架橋性モノマーであるジビニルベンゼン0.2%からなるビニル系共重合体を製造した。このビニル系共重合体25部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)10部、マグネタイト60部、ポリプロピレンワックス2部、カーボンブラック2部、帯電防止剤1部をボールミルで粉砕混合した。その後、オープンロールミルで溶融混練し、冷却、粗粉砕後、ジェットミルで微粉砕してトナー用組成物を得た。さらに、このトナー用組成物に、疎水性シリカ微粉末0.3部を添加して粉砕法トナーを調製した。
【0045】
(実施例8)
実施例7において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE2)に替えた。それ以外は実施例7と同様にしてトナーを得た。
【0046】
(実施例9)
実施例7において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE3)に替えた。それ以外は実施例7と同様にしてトナーを得た。
【0047】
(実施例10)
実施例7において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE4)に替えた。それ以外は実施例7と同様にしてトナーを得た。
【0048】
(実施例11)
実施例7において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE5)に替えた。それ以外は実施例7と同様にしてトナーを得た。
【0049】
(実施例12)
実施例7において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE6)に替えた。それ以外は実施例7と同様にしてトナーを得た。
【0050】
(比較例6)
実施例7において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE7)に替えた。それ以外は実施例7と同様にしてトナーを得た。
【0051】
(比較例7)
実施例7において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE8)に替えた。それ以外は実施例7と同様にしてトナーを得た。
【0052】
(比較例8)
実施例7において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE9)に替えた。それ以外は実施例7と同様にしてトナーを得た。
【0053】
(比較例9)
実施例7において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE10)に替えた。それ以外は実施例7と同様にしてトナーを得た。
【0054】
(比較例10)
実施例7において使用したポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE1)をペンタエリスリトール脂肪酸エステル(PE)に替えた。それ以外は実施例7と同様にしてトナーを得た。
【0055】
(試験方法)
各実施例、及び比較例で得られた重合体粒子、及びトナー用組成物については、以下に示すポリグリセリン脂肪酸エステルの分散状態、メルトインデックス、ガラス転移温度の測定、及びフローテスタによる評価を実施した。また、トナーについては、以下に示す最低定着温度、ホットオフセット温度、耐ブロッキング性、印字耐久性の評価を実施した。重合法トナーの試験結果を表2に示した。また、粉砕法トナーの試験結果を表3に示した。
【0056】
(ポリグリセリン脂肪酸エステルの分散状態)
各実施例、及び比較例で得られた重合体粒子、及びトナー用組成物を金属コーティングし、エポキシ樹脂にて包括処理した後、超薄切片を作製した。次いで、四酸化ルテニウムにて染色後、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて、トナー樹脂に対するポリグリセリン脂肪酸エステルの分散状態を観察した。ポリグリセリン脂肪酸エステルの分散粒子径(μm)を測定した結果を表2、及び表3に示した。
【0057】
(メルトインデックス)
重合体粒子、及びトナー用組成物のMI値(メルトインデックス値)測定は、MELT INDEXER TYPE C−5059D(東洋精機製作所製)を用いて、試料5.0g、予熱時間360秒、試験時間600秒、試験温度125℃、試験荷重2.16kgf、A法(CUTT OFF法)の条件にて、JIS K−7210に準じて測定した。なお、重合体粒子、及びトナー用組成物のMI値が1.0〜3.5g/10min、好ましくは1.2〜3.0g/10min、さらに好ましくは1.5〜2.8g/10minであることにより定着温度範囲の広いトナーを得ることができる。測定結果を表2、表3に示した。
【0058】
(ガラス転移温度)
重合体粒子、及びトナー用組成物のガラス転移温度(Tg)の測定は、示差走査熱量計(Thermo Plus DSC8320、RIGAKU製)を用いて行った。アルミ製試料セルに試料と、対照物質としてα-アルミナをそれぞれ5mgずつ量り取り、窒素雰囲気下にて室温から140℃まで毎分5℃で昇温させた後、0℃まで毎分5℃で冷却させ、再び200℃まで毎分5℃の速度で昇温させた際の、二度目の昇温時における吸熱カーブ部分の接線と、ベースラインの延長線との交点からガラス転移温度を求めた。測定結果を表2、表3に示した。なお、ガラス転移温度が50℃以上、好ましくは55℃以上であることにより、耐ブロッキング性の良好なトナーを得ることができる。
【0059】
(フローテスタ)
重合体粒子、及びトナー用組成物について、フローテスタCFT−500D(株式会社島津製作所製)を用いて行った。試験法は昇温法とし、流動曲線から軟化温度(Ts)、流動開始温度(Tfb)、1/2法温度(T1/2)を求めた。試験温度は40℃〜160℃とし、昇温速度は3℃/min、押出し圧力は0.9807MPa、予熱時間は300秒、ダイ直径は1.0mm、ダイ長さは1.0mm、試料重量は1.0gの条件で行った。測定結果を表2、表3に示した。軟化温度(Ts)は、75℃以上であることで耐ブロッキング性は比較的良好なものとなる。一方、90℃以上となる場合では、低温定着性が得られなくなる傾向がある。また、流動開始温度(Tfb)は、105℃〜125℃であることによって低温定着性が発現しやすくなる傾向がある。105℃以下の場合では、耐ブロッキング性が悪化する傾向がある。さらに、1/2法温度(T1/2)は、120℃〜140℃であることによって低温定着性が発現しやすい傾向がある。なお、Ts、Tfb、T1/2の各温度が上述した範囲内である上においては、(Tfb−Ts)値、及び(T1/2−Ts)値が小さいほど、低温定着性と耐ブロッキング性のバランスが良好となる傾向がある。
【0060】
(最低定着温度、ホットオフセット温度)
市販のカラー複写機(IRC−6870 キヤノン製)の定着器を外部へ取り出し、複写機外でも動作し、定着ローラー温度、プロセススピード、加圧力を任意に設定可能になるように改造した外部定着器を用い、定着試験を行った。定着性は、プロセススピードを570mm/sec、加圧力30kgf/cm2の条件で80g/m2紙を用い、ベタ黒とハーフトーンの2種類の未定着画像を通紙することにより評価した。ベタ黒とハーフトーンの2種類の画像を温調した定着器に通し、50g/cm2の荷重をかけ、シルボン紙によりその定着画像を摺擦し、摺擦前後における画像濃度を反射式画像濃度測定機で測定し、その低下率が10%未満となる定着ロール温度を現像剤の最低定着温度として評価した。また、耐オフセット性はプロセススピードを50mm/sec、加圧力50kgf/cm2の条件で50g/m2紙を用い未定着画像を通紙することにより評価した。画像面積率約5%のサンプル画像をプリントアウトし、画像上に汚れが確認できた温度をホットオフセット温度とし、定着ロール温度240℃まで測定した。結果を表2、及び表3に示した。
【0061】
(耐ブロッキング性)
トナーを密閉可能な容器に入れて密閉した後、この容器を55℃の温度に保持した恒温水槽中に沈めた。1週間経過した後、恒温水槽から容器を取り出し、容器内のトナーを42メッシュの篩上に移した。この際、容器内でのトナーの凝集構造を破壊しないように、容器内からトナーを静かに取り出し、かつ注意深く篩上に移した。そして、粉体測定機を用いて、強度4.5の条件で30秒間振動した後、篩上に残ったトナーの状態を観察した。トナー粒子に凝集(ケーキ化)が全く認められない場合を○で示し、僅かに凝集が認められる場合を△、凝集が認められる場合を×で示した。結果を表2、及び表3に示した。
【0062】
(印字耐久性)
トナー400gをトナーカートリッジに入れ、前述の改造プリンターを用いて、23℃、50RH%の環境下で、定着ロール部の温度を150℃に設定し、初期から16,000枚まで連続印字を行ない、反射式画像濃度測定機で測定した印字濃度が1.3以上で、かつ、白色度計(日本電色工業株式会社製)で測定した非画像部のカブリが15%以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べ、16,000枚の連続印字が可能なものを○、10,000枚以上16,000枚未満で画質維持ができなくなるものを△、10,000枚未満で画質維持ができなくなるものを×で示した。結果を表2、及び表3に示した。
【0063】
(高温放置後の印字耐久性)
トナー400gをトナーカートリッジに入れ、このカートリッジをアルミ袋で密閉した後、50℃の温度に保持した恒温水槽の中に沈める。5日間経過した後、恒温水槽からカートリッジを取りだし、その後は前述と同様の方法で印字耐久性を試験した。結果を表2、及び表3に示した。
【0064】
【表2】

【0065】
【表3】

【0066】
本発明において、炭素数16〜18の飽和脂肪酸(a)、及び炭素数20〜22の飽和脂肪酸(b)を含有する混合脂肪酸と、水酸基価から算出される重合度が4〜10であるポリグリセリンとから構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルを添加したトナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐ブロッキング性、印字耐久性に優れることが分かった。また、飽和脂肪酸(a)と飽和脂肪酸(b)のモル比率が、(a)/(b)=0.2/0.8〜0.8/0.2の範囲内である混合脂肪酸から構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、その効果がより優れていることが分かった。さらに、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの水酸基価から算出されるエステル化率が60%〜95%であることによっても高い効果を示すことが分かった。
【0067】
本発明の効果の要因については明らかとなっていないが、炭素数16〜18の飽和脂肪酸(a)は、バインダー樹脂との相溶性が比較的高い骨格であり、バインダー樹脂に対して可塑性を付与する働きがあると考えられる。一方、炭素数20〜22の飽和脂肪酸(b)は、バインダー樹脂との相溶性が比較的低い骨格であり、バインダー樹脂に対して潤滑性を付与する働きがあると考えられる。また、ポリグリセリンの重合度が4〜10と特定の重合度であることによって、同一分子中に含有される2種の飽和脂肪酸骨格の樹脂への作用が最適に調整されるものと考えられ、低温定着性と耐ブロッキング性の両方の効果に優れたものになると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量配合することにより、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐ブロッキング性、印字耐久性に優れたトナーが得られることから、電子複写機の省エネルギー化に適しており、また、高画質、高速化が要望される高速印刷用画像形成装置に好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数16〜18の飽和脂肪酸(a)、及び炭素数20〜22の飽和脂肪酸(b)を含有する混合脂肪酸と、水酸基価から算出される重合度が4〜10であるポリグリセリンとから構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とするトナー用低温定着性及び耐ブロッキング性改善剤。
【請求項2】
飽和脂肪酸(a)と飽和脂肪酸(b)のモル比率が、(a)/(b)=0.2/0.8〜0.8/0.2の範囲内である混合脂肪酸から構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1記載のトナー用低温定着性及び耐ブロッキング性改善剤。
【請求項3】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの水酸基価から算出されるエステル化率が60%〜95%であることを特徴とする請求項1〜2何れかに記載のトナー用低温定着性及び耐ブロッキング性改善剤。
【請求項4】
酸性触媒により合成されることを特徴とする請求項1〜3何れかに記載のトナー用低温定着性及び耐ブロッキング性改善剤。
【請求項5】
請求項1〜4何れかに記載のトナー用低温定着性改善剤及び耐ブロッキング性改善剤を含有するトナー用バインダー樹脂組成物。
【請求項6】
請求項5記載のバインダー樹脂組成物を用いたトナー。

【公開番号】特開2012−78559(P2012−78559A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223646(P2010−223646)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(390028897)阪本薬品工業株式会社 (140)
【Fターム(参考)】