説明

トラックの荷役装置及びトラック

【課題】簡単な構成によって軽量チップを積込み及び積降ろしできるトラックの荷役装置を提供する。
【解決手段】トラック1の荷台13に軽量チップを積載するトラックの荷役装置2である。
そして、このトラックの荷役装置2は、荷台13の車両前端部又は車両後端部のいずれか一方に原動車31を有し他方に従動車32を有して無端部材33が掛け回された巻掛け伝導機構3と、傾倒自在に形成されるとともに、無端部材33に取り付けられて原動車31の正逆回転により荷台13内を車両前後方向に往復移動する移動壁4と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックの荷役装置及びトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資源の有効活用や環境保全の観点から、使用済みの廃プラスチックなどを有効活用するために、廃プラスチックや古紙などを原料とする固形燃料の使用が推奨されている。
【0003】
この固形燃料は、専用の再生設備を有する工場で軽量チップと称する小片に加工された後に、ダンプやトラックなどによって使用する事業所まで運搬される。
【0004】
このような軽量チップの荷役装置として、例えば特許文献1には、荷台内にコンベア及びコンベアと共に移動する移動壁を設置する構成が開示されている。この構成によれば、コンベアと共に移動壁を移動させることで、軽量チップを押し出して排出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−112152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成は、移動壁駆動機構とコンベア駆動機構を備えるため、装置の構成が複雑となり、装置自体の重量が重くコストも高い、という問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、簡単な構成によって軽量チップを積込み及び積降ろしできるトラックの荷役装置と、このトラックの荷役装置を備えるトラックと、を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明のトラックの荷役装置は、トラックの荷台に軽量チップを積載するトラックの荷役装置である。そして、荷台の車両前端部又は車両後端部のいずれか一方に原動車を有し他方に従動車を有して無端部材が掛け回された巻掛け伝導機構と、傾倒自在に形成されるとともに、前記無端部材に取り付けられて前記原動車の正逆回転により荷台内を車両前後方向に往復移動する移動壁と、を備えている。
【0009】
ここにおいて、本発明における軽量チップとは、軽量物で最大長さが数十mm程度の粒状又は小片状のものをいうものとする。具体的には、廃プラスチックの破砕片、古紙の破片、古木の破片、草木の裁断片、又は、これらの混合物などを円柱状に加工したものなどをいう。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明のトラックの荷役装置は、荷台に原動車と従動車を有して無端部材が掛け回された巻掛け伝導機構と、傾倒自在に形成されるとともに無端部材に取り付けられて原動車の正逆回転により荷台内を車両前後方向に往復移動する移動壁と、を備えている。
【0011】
このため、巻掛け伝導機構と移動壁という簡単な構成を用いて、原動車の逆回転によって移動壁を車両前方側に移動させて軽量チップを積み込み、原動車の正回転によって移動壁を車両後方側に移動させて軽量チップを積降ろすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例のトラックの荷役装置の構成を説明する側面図である。
【図2】スプロケットとモータの取付構造を説明する説明図である。(a)は平面図であり、(b)は正面図である。
【図3】移動壁の構成を説明する説明図である。(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
【図4】実施例のトラックの荷役装置の積込み時の手順を説明する側面図である。(a)は重機による積込み、(b)は移動壁による押込み、(c)は積載完了状態を表している。
【図5】実施例のトラックの荷役装置の積降ろし時の手順を説明する側面図である。(a)は初期状態、(b)は移動壁の軽量チップへの突入、(c)は移動壁による押出しを表している。
【図6】積込み時の移動壁の姿勢を説明する側面図である。(a)は重機による持上状態、(b)は嵌合ストッパへの嵌合状態を表す。
【図7】積降ろし時の移動壁の姿勢を説明する側面図である。(a)は軽量チップへの突入状態、(b)は軽量チップの抵抗を受けた起立状態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例】
【0014】
[トラックの構成]
まず、図1を用いて本発明のトラックの荷役装置2を備えるトラック1の全体構成を説明する。
【0015】
本実施例のトラック1は、図1に示すように、キャビン11を有し走行機能(牽引機能)を有するキャリア12と、キャリア12の上に設置された荷台13と、を備えている。
【0016】
この荷台13は、荷物を収容する空間を有するように形成されるもので、アルミなどの軽量金属によって形成された箱状の蓋14によって全体が覆われている。
【0017】
また、図示しないが、荷台13の後端近傍などの操作しやすい位置には、トラックの荷役装置2を操作する操作手段として、操作ボタン、操作レバー又は操作ボタンが設置されている。
【0018】
さらに、荷台の床には、車両前端側から車両後端側にかけて巻掛け伝導機構3が配置されており、移動壁4とともにトラックの荷役装置2を形成している。
【0019】
なお、荷台13は、キャリア12と別体のトレーラとして形成され、キャリア12に牽引されるものであってもよい。
【0020】
[荷役装置の構成]
次に、本実施例のトラックの荷役装置2の構成を説明する。本実施例のトラックの荷役装置2は、図1,2,3に示すように、荷台13の床内に設置される巻掛け伝導機構3と、巻掛け伝導機構3に取り付けられる移動壁4と、を備えている。
【0021】
この巻掛け伝導機構3は、荷台13の床において車両前端側に配置されるスプロケット31と、車両後端側に配置されるスプロケット32と、両方のスプロケット31,32に掛け回されるチェーン33と、を備えている。なお、スプロケット31,32はどちらか一方が原動車で他方が従動車であればよい。
【0022】
車両前端側に配置される原動車としてのスプロケット31は、図2に示すように、取付フレーム83,84を介してキャリア12に固定される。すなわち、シャシフレーム81,81に取付フレーム83,83を架け渡し、取付フレーム83,83に取付フレーム84,84を架け渡し、取付フレーム84,84にスプロケット31、減速機35及びモータ36を固定する。
【0023】
そして、スプロケット31は、減速機35を介してモータ36の回転を伝達されることで正逆両方向に回転し、チェーン33とともに移動壁4を車両前後方向に往復移動させる。なお、モータ36は電動モータ又はPTO(Power Take Off)駆動による油圧モータのいずれであってもよい。
【0024】
他方、車両後端側に配置される従動車としてのスプロケット32は、動力源と接続されておらず、チェーン33によって原動車であるスプロケット31の動力を伝達されて正逆両方向に回転する。
【0025】
なお、これら一対のスプロケット31,32間の距離が長く、チェーン33にたるみが生じる場合には、両方のスプロケット31,32の中間に、たるみ防止用のスプロケットを配置することもできる。
【0026】
また、無端部材としてのチェーン33は、金属製チェーンであり、原動車としてのスプロケット31の正逆回転によって、車両前方向又は車両後方向に移動する。そして、チェーン33の上側部分には移動壁4を連結するためのアタッチメント34が取り付けられている。なお、無端部材としては、チェーン33の他に、ベルトやワイヤなどを用いることができる。無端部材としてベルトを用いた場合には原動車及び従動車としてプーリーを用い、ワイヤを用いた場合には滑車を用いる。
【0027】
さらに、本実施例の移動壁4は、軽量チップを押して移動させるもので、図3に示すように、チェーン33に取り付けられる基礎部5と、基礎部5に対して傾倒自在に形成される壁体部6と、を備えている。
【0028】
この基礎部5は、鋼板によって台状に形成される本体部51と、本体部51の下部に回転自在に取り付けられるローラ52,52と、軽量チップの噛み込みを防止するスクレーパ53と、溝51aの下部を覆うカバー54と、壁体部6が回動(傾倒)する際の回転軸55と、軽量チップへの突入時の壁体部6の角度を水平に保持するストッパ56と、支持ストッパ部及び嵌合ストッパ部としてのストッパ57と、を備えている。
【0029】
この本体部51は、鋼板によって三角形断面に形成されるもので、車幅方向の左右両端近傍には、壁体部6の支柱62が回動するための溝51aが形成されている。
【0030】
なお、以下では、溝51a及び支柱62は、車幅方向の左右両端近傍の2箇所に配置されるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、左右に加えて中央に配置してもよいし、4箇所以上に配置してもよい。
【0031】
また、スクレーパ53は、合成樹脂や合成ゴムなどの可撓性のある材料によって板状に形成されるもので、先端部分が荷台13の床面に接するように本体部51の前面下部及び後面下部に取り付けられる。
【0032】
さらに、回転軸55は、壁体部6が回動(傾倒)する際の支柱62の回転中心であり、三角形状の溝51aの頂点近傍に設置され、支柱62の下部の長孔部63を挿通している。
【0033】
また、ストッパ56は、積降ろし時において移動壁4を前方移動して軽量チップ内へ突入させる際に、支柱62後面に当接して壁体部6の水平を保持するものであり、溝51aにおいて回転軸55の後方に設置される。
【0034】
そして、支持ストッパ部及び嵌合ストッパ部としてのストッパ57は、積込み時に壁体部6の支柱62の下端の嵌合部64が嵌合するとともに、積降ろし時において移動壁4を後方移動して軽量チップを排出する際に支柱62の後面が当接するもので、溝51aにおいて回転軸55の直下に設置される。
【0035】
つまり、積込み時には、図6(b)に示すように、嵌合ストッパ部として機能するストッパ57に、上方から支柱62の下端の嵌合部64が嵌合する。また、積降ろし時には、図7(b)に示すように、支持ストッパ部として機能するストッパ57に、前方から支柱62の下端の側面が当接する。
【0036】
一方、壁体部6は、板状のプッシャ板61と、プッシャ板61を支持する支柱62と、支柱62の下部側面に貫通する長孔部63と、支柱62の下端に設けた嵌合部64と、プッシャ板61及び支柱62の先端近傍の反り部65と、プッシャ板61及び支柱62に取り付けられたフック部66と、を備えている。
【0037】
このプッシャ板61は、鋼板などによって荷台13の幅と同一幅の長方形に形成されるもので、左右両側に配置された支柱62,62によって支持されているため、支柱62,62の回動とともに傾倒する。
【0038】
また、支柱62は、型鋼などによって形成されるもので、下部には回転軸55を挿通する長孔部63が設けられ、下端にはストッパ57と嵌合する嵌合部64が設けられる。
【0039】
ここにおいて、プッシャ板61及び支柱62の高さによって定まる移動壁4の高さは、軽量チップから受ける抵抗力に抗して移動壁4を移動できるように設定される。すなわち、移動壁4の高さは、抵抗力を抑えるために荷台13の全高の途中までの高さ、好ましくは荷台13の全高の半分程度以下に形成される。
【0040】
さらに、長孔部63は、支柱62の下部の側面に軸方向に沿って細長い小判状に形成される開口であり、基礎部5に固定された回転軸55が挿通されている。したがって、図6(a)に示すように、積込み時において、嵌合部64をストッパ57に上方向から嵌合させる際には、この長孔部63の長さ分だけ壁体部6を持ち上げることができる。
【0041】
そして、嵌合部64は、積込み時において嵌合ストッパ部としてのストッパ57に嵌合するもので、支柱62の下端をU字状又はV字状に切欠いて形成される。
【0042】
また、反り部65は、プッシャ板61及び支柱62の上部を車両前方側に浅い角度(20度から50度程度)で折り曲げるようにして形成される。したがって、積降ろし時において前方移動後に水平となっている壁体部6を後方移動させることで、反り部65に略水平方向から軽量チップの抵抗力が作用し、プッシャ板61に垂直な方向の上向き分力によって壁体部6が起仰する。
【0043】
さらに、フック部66は、積込み時において嵌合部64をストッパ57の上方から嵌合させる際に、壁体部6を一時的に持ち上げるために設置されるもので、ホイールローダ9のバケット91が掛止しやすいように下向きのL字状に形成される。
【0044】
[作用]
次に、本実施例のトラックの荷役装置2の作用について、図4,5,6,7を用いて説明する。以下では、積込み時について図4,6を用いて説明し、積降ろし時について図5,7を用いて説明する。
【0045】
(積込み時)
積込み時には、まず、図4(a)に示すように、荷台13の後部ドアを開け、ホイールローダ9などの重機によって軽量チップを後方から荷台13内に積載する。この際、移動壁4は、ストッパ56によって支持されて水平姿勢となっている(図7(a)参照)。
【0046】
次に、図4(b)に示すように、壁体部6を姿勢保持機構7によって起立させた状態で、スプロケット31の逆回転により移動壁4を車両前方に移動させて軽量チップを荷台13の奥へ押し込む。
【0047】
この際、移動前に、図6(a)に示すように、ホイールローダ9のバケット91をフック部66に引掛けて壁体部6を持ち上げた後に、図6(b)に示すように、ストッパ57に上方から支柱62下端の嵌合部64を嵌合させておく。その後、スプロケット31の正回転により移動壁4を車両後方に移動させ、移動後に再び壁体部6を持ち上げて起立姿勢から水平姿勢へ戻す。
【0048】
この要領で、重機による積載、移動壁4の起仰、移動壁4の前方移動、移動壁4の後方移動、移動壁4の倒伏、を数回繰り返すことで、図4(c)に示すように、荷台13を軽量チップにより充填し後部ドアを閉めて積込みが完了する。
【0049】
(積降ろし時)
積降ろし時には、はじめに、図5(a)に示すように、軽量チップによって充填されている荷台13の後部ドアを開けたうえで、起立姿勢の壁体部6を持ち上げて水平姿勢へと倒伏させる(図6(a)参照)。
【0050】
次に、図5(b)に示すように、壁体部6を水平姿勢に倒伏させた状態で、スプロケット31の逆回転により移動壁4を車両前方へ移動させて軽量チップ内に突入させる。この際、図7(a)に示すように、壁体部6は、支柱62がストッパ56に支持されることで水平姿勢となっている。
【0051】
そして、図5(c)に示すように、スプロケット31の正回転により移動壁4を車両後方に移動させると、壁体部6の反り部65が軽量チップからの抵抗を受けて移動とともに自動的に起立した状態となる。この際、図7(b)に示すように、反り部65と回転軸55について反対側の支柱62の下端部の後面が前方からストッパ57の前面に当接する。
【0052】
この要領で、移動壁4の前方移動と移動壁4の後方移動を数回繰り返して、荷台13から軽量チップを排出し、後部ドアを閉めて積降ろしが完了する。
【0053】
[効果]
次に、本実施例のトラックの荷役装置2の効果を列挙して説明する。
【0054】
(1)このように、本実施例のトラックの荷役装置2は、トラックの荷台13に軽量チップを積載するトラックの荷役装置2である。そして、荷台13の車両前端部又は車両後端部のいずれか一方に原動車としてのスプロケット31を有し他方に従動車としてのスプロケット32を有して無端部材としてのチェーン33が掛け回された巻掛け伝導機構3と、傾倒自在に形成されるとともに、チェーン33に取り付けられてスプロケット31の正逆回転により荷台13内を車両前後方向に往復移動する移動壁4と、を備えている。
【0055】
このため、巻掛け伝導機構3と移動壁4という簡単な構成を用いて、スプロケット31の逆回転によって移動壁4を車両前方側に移動させて軽量チップを荷台13の奥まで積み込み、スプロケット31の正回転によって移動壁4を車両後方側に移動させて軽量チップを積降ろすことができる。
【0056】
加えて、この巻掛け伝導機構3は、荷台13の床のみに配置されるものであるため、構成を簡略化できるうえに、重量も軽くなり、コストも抑制することができる。
【0057】
(2)また、移動壁4は、チェーン33に取り付けられる基礎部5及び基礎部5に対して傾倒する壁体部6を有し、壁体部6には後方への移動中に受ける軽量チップの抵抗を起仰方向に作用させる反り部65が形成され、基礎部5には抵抗を受けて起仰した移動壁4を支持する支持ストッパ部としてのストッパ57が形成される。
【0058】
したがって、移動壁4が車両後方へ移動する際には、反り部65に作用する軽量チップの抵抗力の上向き成分によって、壁体部6が起仰することとなり、起立した状態の壁体部6で効率よく軽量チップを排出することができる。
【0059】
つまり、移動壁4が車両前方へ移動する際には水平姿勢の壁体部6が受ける抵抗は少なくなり、移動壁4が車両後方へ移動する際には起立姿勢の壁体部6によって広い面積を用いて軽量チップを排出できる。
【0060】
加えて、車両前方から車両後方への移動中に作動する機構を、特別な作業を要することなく移動とともに自動的に作動するように構成すれば、車両前方における機械操作が不要となる。
【0061】
(3)さらに、移動壁4が、前方への移動中に起立した姿勢を保持する姿勢保持機構7をさらに備えることで、積込み時に起立した移動壁4によって軽量チップを押し込むことができる。
【0062】
(4)そして、姿勢保持機構7は、基礎部5に設けられる壁体部6の回転軸55と、壁体部6に設けられて回転軸55が挿通される長孔部63と、基礎部5に設けられて壁体部6の下端と嵌合する嵌合ストッパ部としてのストッパ57と、壁体部6に取り付けられ壁体部6を持ち上げるフック部66と、を有している。
【0063】
このため、ホイールローダ9等のバケット91によって、壁体部6を持ち上げて、支柱62下端の嵌合部64をストッパ57の上方から嵌合させることができる。
【0064】
(5)また、本実施例のトラック1は、上記したいずれかのトラックの荷役装置2を備えることで、軽量チップの荷役作業がしやすく、運送効率のよいトラックとなる。
【0065】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0066】
例えば、前記実施例では、姿勢保持機構7として、回転軸55、長孔部63、ストッパ57、フック部66を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、起立姿勢を保持できる構成であればどのような構成でもよい。
【0067】
また、前記実施例では、巻掛け伝導機構3を車幅方向の中央に1つだけ設置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、巻掛け伝導機構3は車幅方向の左右に1つずつ設置してもよい。
【0068】
さらに、前記実施例では、特に説明しなかったが、移動壁4の直進性を担保するために、移動壁4にはガイド機構を設置してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 トラック
2 トラックの荷役装置
3 巻掛け伝導機構
31 スプロケット(原動車)
32 スプロケット(従動車)
33 チェーン(無端部材)
4 移動壁
5 基礎部
55 回転軸
57 ストッパ(支持ストッパ部,嵌合ストッパ部)
6 壁体部
61 プッシャ板
62 支柱
63 長孔部
64 嵌合部
65 反り部
66 フック部
7 姿勢保持機構
9 ホイールローダ
91 バケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックの荷台に軽量チップを積載するトラックの荷役装置であって、
荷台の車両前端部又は車両後端部のいずれか一方に原動車を有し他方に従動車を有して無端部材が掛け回された巻掛け伝導機構と、
傾倒自在に形成されるとともに、前記無端部材に取り付けられて前記原動車の正逆回転により荷台内を車両前後方向に往復移動する移動壁と、を備えることを特徴とするトラックの荷役装置。
【請求項2】
前記移動壁は、前記無端部材に取り付けられる基礎部及び前記基礎部に対して傾倒する壁体部を有し、前記壁体部には後方への移動中に受ける軽量チップの抵抗を起仰方向に作用させる反り部が形成され、前記基礎部には前記抵抗を受けて起仰した前記移動壁を支持する支持ストッパ部が形成されることを特徴とする請求項1に記載のトラックの荷役装置。
【請求項3】
前記移動壁が、前方への移動中に起立した姿勢を保持する姿勢保持機構をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトラックの荷役装置。
【請求項4】
前記姿勢保持機構は、前記基礎部に設けられる前記壁体部の回転軸と、前記壁体部に設けられて前記回転軸が挿通される長孔部と、前記基礎部に設けられて前記壁体部の下端と嵌合する嵌合ストッパ部と、前記壁体部に取り付けられ前記壁体部を持ち上げるフック部と、を有することを特徴とする請求項3に記載のトラックの荷役装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のトラックの荷役装置を備えることを特徴とするトラック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−20596(P2012−20596A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157670(P2010−157670)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)