説明

トリガー式ポンプディスペンサー

【課題】揺動レバーの動きが安定し、ピストンを復帰させるための付勢手段が液体の影響を受けることがないカム機構を備えたトリガー式ポンプディスペンサーを提供すること。
【解決手段】容器本体の口部に取り付け可能なボディ部1と、該ボディ部1に一体化して設けられたシリンダー部2と、該シリンダー部2内を摺動可能なピストン部3と、該ピストン部3を上下に摺動させるためにボディ部1に枢着された天秤アーム部4と、該天秤アーム部4を回動させるトリガー部6と、天秤アーム部4を介してトリガー部6を復帰させるためのスプリング部5と、ボディ部1に取り付けられるカバー部材8と、を備え、前記トリガー部6の動きをカム機構によって天秤アーム部4に伝えるトリガー式ポンプディスペンサーA。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトリガー部が手前に引き込まれるとピストンがシリンダー内の液体を圧縮し、そのことによって液体をノズル部から噴射するトリガー式ポンプディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬液等の液体を所定の箇所に向かって噴射する手段として、トリガー式ポンプディスペンサーが使われている。
トリガー式ポンプディスペンサーでは、使用者がトリガーを握り、それを手前に引き込むと、内蔵されたピストンが可動して、シリンダー内に収容されている液体を圧縮する。
そして、圧縮された液体はノズルから噴射される。
このように、トリガー式ポンプディスペンサーは、トリガーを手前に引き込むという簡便な操作のみで使用可能であるため非常に有用性が高く、様々な分野で使用されている。
【0003】
このようなトリガーの操作によってピストンを可動させる形式のトリガー式ポンプディスペンサーでは、トリガーとピストンとを直接連結することで二つを連動させるものの他に、トリガーとピストンとを連動させる機構を備えたものも提供されている。
例えば、特許文献1に記載されているトリガー式ポンプディスペンサーにおいては、トリガーを引き込むと、カム機構により揺動レバーが傾き、その揺動レバーがピストンを押し下げる構造となっている。
【0004】
すなわち、このトリガー式ポンプディスペンサーのトリガーが引き込まれると、トリガーがカムによって揺動レバーを傾倒させ、傾倒した揺動レバーが移送ヘッドを下方に押し込む。
そして、下方に押し込まれた移送ヘッドは、これに結合されているピストンを押し込み、その結果ピストンはシリンダー内の液体を圧縮する。
圧縮された液体はピストンから移送ヘッドへと移動し、最終的に移送ヘッドに取り付けられたノズルから噴射される。
【0005】
なお、シリンダー内へと押し込まれたピストンは、シリンダー内に配設されたコイルスプリングの復帰力により元の位置へと押し戻される。
ピストンが元の位置へと戻るのに伴い、移送ヘッド及び揺動レバーも元の位置へ戻り、トリガーも揺動レバーとの間のカムによって元の位置へと戻る。
このように、カム機構を有するものは、トリガーとピストンとが直接連結していないので、トリガーに無理な力が加わるようなことがなく、動作が安定する。
【特許文献1】特許第3069393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献に記載されているトリガー式ポンプディスペンサーにおいては、揺動レバーの一方の端部をトリガー式レバーで押し上げ、揺動レバーの他方の端部で移送ヘッド(ピストンと同体)を押し下げる構造を採用しており、揺動レバーの自由端で大きな押圧力を加えることから揺動レバー自体に振れが生じ動きが安定しない。
一方では、コイルスプリングがシリンダー内に配設されているため、シリンダー内に収容された液体に常時浸かった状態となり、腐食し易い傾向がある。このことが原因となり、トリガー式ポンプディスペンサーとして、本来の使用耐用期間よりも短くなってしまう。
【0007】
本発明は上記の課題を解決すべく開発されたものである。
すなわち、揺動レバーの動きが安定し、ピストンを復帰させるための付勢手段が液体の影響を受けることがないカム機構を備えたトリガー式ポンプディスペンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、以上のような課題背景をもとに鋭意研究を重ねた結果、ピストンに対して付勢力を与えるための付勢手段を、天秤アームを介してシリンダーの外側に配設することで上記の課題を解決できることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0009】
すなわち本発明は(1)、容器本体の口部に取り付け可能なボディ部と、該ボディ部に一体化して設けられたシリンダー部と、該シリンダー部内を摺動可能なピストン部と、該ピストン部を上下に摺動させるためにボディ部に枢着された天秤アーム部と、該天秤アーム部を回動させるトリガー部と、天秤アーム部を介してトリガー部を復帰させるためのスプリング部と、ボディ部に取り付けられるカバー部材と、を備え、前記トリガー部の動きをカム機構によって天秤アーム部に伝えるトリガー式ポンプディスペンサーに存する。
【0010】
また本発明は(2)、前記スプリング部がU字状基部と、該U字状基部から湾曲して突出し先端部で連結された湾曲バネ部とを有し、前記天秤アーム部が部分的に湾曲バネ部に収納された状態でその後方の一端が前記先端部に上から掛止されている上記(1)記載のトリガー式ポンプディスペンサーに存する。
【0011】
また本発明は(3)、前記天秤アーム部が間隔を隔てた一対の壁部を有し、該壁部に形成された各係合孔にピストン部の両側に形成された各係合突起が挿入されることにより両者が連結されている上記(1)記載のトリガー式ポンプディスペンサーに存する。
【0012】
また本発明は(4)、前記トリガー部に形成された突出曲面部が、天秤アーム部の前方の一端と接している上記(1)記載のトリガー式ポンプディスペンサーに存する。
【0013】
また本発明は(5)、前記トリガー部と天秤アーム部との接触点と、スプリング部のU字状基部に対する天秤アーム部の枢着点との距離が、常に一定となっている上記(1)記載のトリガー式ポンプディスペンサーに存する。
【0014】
また本発明は(6)、前記スプリング部と天秤アーム部とが切り離し可能な薄肉部を介して一体成形されたものである上記(1)記載のトリガー式ポンプディスペンサーに存する。
【0015】
なお、本発明の目的に添ったものであれば上記の発明を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明のトリガー式ポンプディスペンサーにおいては、ピストン部に対して付勢力を与えるための付勢手段であるスプリング部が、シリンダー部の外側に配設されているので、スプリング部がシリンダー部内の液体に浸ることが無い。
そのため、噴射させる液体がどのような種類の液体であっても、スプリング部へは全く影響を及ぼさない。
従って、本発明のトリガー式ポンプディスペンサーは従来のトリガー式ポンプディスペンサーに比べ耐久性に優れたものとなる。
【0017】
また、トリガー部に加えられた力をボディ部に枢着された天秤アーム部を介してピストンに伝達し、これを上下移動させる機構であるため、トリガー部に加えた力が安定的に且つ確実にピストン部に伝わる。このため、安定した吐出操作が可能になる。
【0018】
前記スプリング部がU字状基部と、該U字状基部から湾曲して突出し先端部で連結された湾曲バネ部とを有し、ピストン部に結合された天秤アーム部が部分的に湾曲バネ部に収納された状態でその後方の一端が湾曲バネ部の先端部に上から掛止されていることで、スプリング部がぐらつかず、スプリング部が発生させる付勢力が天秤アーム部へと確実に伝達される。
【0019】
天秤アーム部が間隔を隔てた一対の壁部を有し、該壁部に形成された各係合孔にピストン部の両側に形成された各係合突起が挿入されることにより、両部材が確実に連結され、天秤アーム部の動きを的確にピストン部に伝達することができる。
【0020】
前記トリガー部と天秤アーム部との接触点と、スプリング部のU字状基部に対する天秤アーム部の枢着点との距離とが、常に一定となっていることにより、トリガー部を引く力(引き込み力)も、常に一定となりムラが生じなく、手に余計な抵抗を感じることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略し、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0022】
図1及び図2は本発明のポンプディスペンサーの一実施形態を示す断面図であり、図1はトリガー部が引き込まれる前を示し、図2はトリガー部が引き込まれた後を示す。
【0023】
図3及び図4は本実施形態のピストンの内部構造を把握できるように示した断面図であり、図3はトリガー部が引き込まれる前を示し、図4はトリガー部が引き込まれた後を示す。
本実施形態のトリガー式ポンプディスペンサーAは、液体が収容された容器に取り付けられて使用される。
トリガー部6を手前に引き込むことにより、図示しない容器から液体を一旦シリンダー部2内へと吸い上げ、そこから液体に圧力を与えて噴出させる。
【0024】
このトリガー式ポンプディスペンサーAは、ボディ部1に枢着された天秤アーム部4とピストン部3とが連結しており、トリガー部6で天秤アーム部4を回動させてピストン部3を上下動させる機構になっている。
しかも天秤アーム部4は自由端ではない中間位置でピストン部3と接しているため、トリガー部6に加えられた力が確実にピストン部3に伝達され、安定的な吐出操作が可能になる。
また、トリガー部6によって傾倒させられた天秤アーム部4を元の位置に復帰させるためのスプリング部5が、シリンダー部2の外側に配設されている。
そのためスプリング部5がシリンダー部2に収容された液体に全く接触することがない。
その結果、従来のトリガー式ポンプディスペンサーとは異なり、スプリング部5が液体の影響を受けて腐食するようなことが全くなくなり、長期間に渡る安定した使用が可能となる。
さらに、トリガー部6の動きがカム機構によって天秤アーム部4に伝えられるため、トリガー部で直接でピストン部3を押し下げるのと異なって、両部材の結合部分に無理な力が加わらず、機械疲労による破損等が生じ難い。
そのため、長期的な使用が可能になる。
【0025】
トリガー式ポンプディスペンサーAは、図1、図2、図3、及び図4に示すように、液体が収容された容器の口部に取り付け可能なボディ部1と、ボディ部1と一体に形成され、容器から吸い上げた液体を一時的に収容するためのシリンダー部2と、シリンダー部2内を摺動し、シリンダー部2内の液体を圧縮するためピストン部3と、ピストン部3を上下に摺動させるために回動する天秤アーム部4と、下向きに回動した天秤アーム部4を元の位置へと復帰させるために、天秤アーム部4に対して付勢力を加えるスプリング部5と、天秤アーム部4を回動させるためのトリガー部6と、圧縮された液体をポンプディスペンサーの外へと噴射させるための流路であるノズル部7と、を備える。
【0026】
そして、上述したこれらの部品は互いに結合し合い、ポンプディスペンサーの構造体として一つのモジュールを構成している。
なお、カバー部材8はポンプディスペンサーの構造体の内部構造を保護するためにそれを覆うもので、蓋の役割を果たし、外部から内部に異物が入ることを防ぐ。
【0027】
ボディ部1にはキャップ11が取り付けられており、キャップ11が容器の口部に螺合等で固定されることにより、トリガー式ポンプディスペンサーAは容器に固定される。
なお、キャップ11の上端には、内方に向かって傾斜して形成された爪部11Aが設けられており、トリガー式ポンプディスペンサーAをキャップ11に上方から押し込むように挿入すると、ボディ部1の側面に形成された係合溝1Aに爪部11Aが入り込み、ボディ部1とキャップ11とが確実に結合される。
【0028】
そして、シリンダー部2の下部には、ピストン部3が内蔵されるシリンダー本体部2Aよりも縮径して形成された第1縮径部2B、及びそれに続く更に縮径された第2縮径部2Cが設けられている。
第2縮径部2Cには、ファーストバルブFVが装着され、容器から吸い上げられた液体が逆流して、再び容器内へと戻ることを防止する。すなわち第2縮径部2Cのテーパー壁がファーストバルブFVの弁FV1に対する弁座となっている。
【0029】
また、シリンダー部2の下端部の第2縮径部2Cには、弁FV1に延設された十字形のリブFV2が装着され、ファーストバルブFVの上下移動をガイドする。
なお、第2縮径部2Cにはチューブ部10が取り付けられている。
【0030】
第1縮径部2Bには、リークバルブ9が装着されている。このリークバルブ9はポンプディスペンサーAが転倒した際に、液体がノズル部7から漏れ出ることを防止する(図3及び図4参照)。
【0031】
ピストン部3が上死点に位置するとき、リークバルブ9の先端部に形成された膨出部91は、ロッド筒部31の下端部にテーパーに形成された弁座32に当接する。
これにより、シリンダー部2とロッド筒部31との連通は完全に切断され、ポンプディスペンサーAが転倒した場合でも、液体はノズル部7から漏れ出さない。
【0032】
ノズル部7とピストン部3のロッド筒部31とは連通しており、ピストン部3がシリンダー部2内を移動することによってシリンダー本体部2A内の液体が圧縮されると、ノズル部7を通ってポンプディスペンサーAの外へと噴射される。
【0033】
ノズル部7は、ノズル口71、及び該ノズル口71とピストン部3とを連結するための連結部72を備えている。
さらに連結部72のノズル部側の内側には、液体の噴射後にノズル口71から液体が外気中へ漏れ出さないようにするためのセカンドバルブSVが設けられている。
セカンドバルブSVの形状は、ファーストバルブFVの形状と同様に、円盤状の弁及び十字形のリブが組み合わされた形状となっている。
【0034】
なお本実施形態のノズル口71には噴射口が一つだけしか形成されていないが、噴射させる液体の形状を変化させるために、ノズル口71に互いに形状の異なる噴射孔を複数個設けてもよい。
そのようにした場合、ポンプディスペンサーAの使用状況に応じて、その場に適した形状の液体を噴射させることができる。
【0035】
連結部72は周囲が蛇腹状(ベローズ状)になったチューブであり、一定の伸縮性及び屈曲性を有している。
このように連結部72が伸縮性及び屈曲性を有しているために、ノズル口71をボディ部1及びカバー部材8に固定した状態でピストン部3を上下に移動させることができる。
従って、トリガー式ポンプディスペンサーAでは、液体を噴射させる際にノズル口71が上下動せず、噴射対象物に向かって狙いを定め易い。
【0036】
ところで、本発明のスプリング部5は、天秤アーム部4を介してトリガー部6を復帰させるためのものであるが、シリンダー部2の外側に配設されている。
そのためスプリング部5がシリンダー部2に収容された液体に全く接触することがない。
図5は、スプリング部を示す斜視図である。
図に示すように、スプリング部5はU字状基部51と、U字状基部51から湾曲して突出し、その先端部53で連結された一対の湾曲バネ部52と、で構成されており、U字状基部51はボディ部1に形成された基部載置部1Bに配設される(図1参照)。
【0037】
一方、天秤アーム部4はトリガー部6の動きをピストン部3に伝えるためのものである。
図6は、天秤アーム部を示す斜視図である。
図に示すように、天秤アーム部4は、間隔を隔てた一対の壁部41A、41Bを有し、各壁部には係合突起42が形成されている。
この係合突起42がボディ部1の内壁に形成された係合孔12に嵌まり込むことにより、天秤アーム部4はボディ部1に枢着される(図7参照)。
天秤アーム部4の後方の一端43はスプリング部5の先端部53に上から掛止される。従って、天秤アーム部4とスプリング部5との接触部分は極めて少ない。
さらにこのとき、天秤アーム部4はスプリング部5が有する一対の湾曲バネ部52の間に挟まれるようにして部分的に収納された状態となるため、天秤アーム部4がスプリング部5に対してぐらつかない。
その結果、スプリング部5は天秤アーム部4に対して的確に復帰力を与えることができる。
【0038】
また、天秤アーム部4の各壁部41A、41Bにおいて、係合孔44が係合突起42の形成位置よりも後方に形成されている。
この係合孔44にピストン部3の両側に形成された係合突起33が挿入されることにより、天秤アーム部4はピストン部3に枢着される(図8)。
天秤アーム部4がボディ部1との枢着点P1を中心に回動すると、その動きに合わせてピストン部3がシリンダー部2内を上下動するようになっている。
このように天秤アーム部4が、ピストン部3を抱えるように配設されているので、両部材の連結が確実となり、天秤アーム部4は安定的にピストン部3を上下動させることができる。
【0039】
ところで、ポンプディスペンサーの重要な組み付け部品である天秤アーム部4とスプリング部5とは、同じ材料で同じように高品質となることが好ましい。
そのため、天秤アーム部4とスプリング部5とは、製造時には一体となって成形される。
すなわち、図9に示すように、一つの金型から切り離し可能な薄肉部Tを介して天秤アーム部4の後方の一端43とスプリング部5の先端部53とが一体に射出成形され、効率的に製造される。
【0040】
ここでカム機構について述べると、トリガー部6はボディ部1に枢着され、枢着点P2を中心に回動自在になっている。
トリガー部6に形成された突出曲面部6Aは、天秤アーム部4の前方端に形成された曲面部4Aに当接している(図1参照)。
いま、トリガー部6が手前に引き込まれると、突出曲面部6Aに当接している曲面部4Aを押し上げて天秤アーム部4を回動させる。
このようにトリガー部6の突出曲面部6Aはカム面として機能し、天秤アーム部4の曲面部4Aはフォロワーとして機能し、両者でカム機構を構成する。
【0041】
ところで、本発明においては、このようにトリガー部6の動きを、カム機構を使って天秤アーム部4に伝達する原理を採用しているため、極力、トリガー部6の動きがムラなく円滑に行われることが好ましい。
本発明のトリガー式ポンプディスペンサーAでは、トリガー部6と天秤アーム部4との接触点Q(詳しくは、突出曲面部6Aと曲面部4Aとの接触点)と、天秤アーム部4のボディ部1における枢着点P1との距離Lが、トリガー部6の動きの全行程で常に一定になるように設計されている。
【0042】
すなわち、図10(A)に示すように、トリガー部6が引き込まれる以前におけるトリガー部6と天秤アーム部4との接触点Qと、天秤アーム部4のボディ部1における枢着点P1との距離Lは、トリガー部6が完全に引き込まれた後も同じである(図10(B)参照)。
トリガー部6の回動中は、距離Lは常に一定であるので、トリガー部6を引く力(引き込み力)も、常に一定となりムラがない。
手に余計な抵抗を感じることがなく、疲れない。
これはトリガー部6の動きをカム機構によって天秤アーム部4に伝える構造としたことで可能となった。
上述したこれらの部品の材質は合成樹脂であり、主として射出成形により製造される。そして、シリンダー部2、ボディ部1、キャップ11にはポリプロピレン樹脂(PP)、トリガー部6にはポリオキシメチレン(ポリアセタール)樹脂(POM)、ピストン部3には直鎖状リニア低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が好適である。
【0043】
以上、本発明をその一実施形態を例に説明したが、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本実施形態のポンプディスペンサーを示す断面図である。
【図2】図2は、本実施形態のポンプディスペンサーを、トリガーを引き込んだ状態で示す断面図である。
【図3】図3は、本実施形態のポンプディスペンサーのピストン部の内部(トリガー部を引き込む前の状態)を断面で示した図である。
【図4】図4は、本実施形態のポンプディスペンサーのピストン部の内部(トリガー部を引き込んだ状態)を断面で示した図である。把握できるように、且つトリガー部を引き込んだ状態で示す断面図である。
【図5】図5は、スプリング部を示す斜視図である。
【図6】図6は、天秤アーム部を示す斜視図である。
【図7】図7は、天秤アーム、スプリング、及びボディ部の組付け関係を示す図である。
【図8】図8は、ピストン部と天秤アームとの連結状態を示す斜視図である。
【図9】図9は、天秤アーム部及びスプリング部を一体成形した状態を示す説明図である。
【図10】図10は、トリガー部の回動前と回動後におけるトリガー部と天秤アーム部との接触点から枢着点までの距離関係を示す説明図であり、(A)はトリガー部を引き込む前を示し、(B)はトリガー部を引き込んだ後を示す。
【符号の説明】
【0045】
A・・・ポンプディスペンサー
1・・・ボディ部
11…キャップ
11A…爪部
12…係合孔
1A・・・係合溝
1B・・・基部載置部
2・・・シリンダー部
2A・・・シリンダー本体部
2B・・・第1縮径部
2C・・・第2縮径部
3・・・ピストン部
31・・・ロッド筒部
32・・・弁座
33…係合突起
4・・・天秤アーム部
41A・・・壁部
41B・・・壁部
42・・・係合突起
43・・・後方の一端
44・・・係合孔
4A・・・曲面部
5・・・スプリング部
51・・・U字状基部
52・・・湾曲バネ部
53・・・先端部
6・・・トリガー部
6A・・・突出曲面部
7・・・ノズル部
71・・・ノズル口
72・・・連結部
8・・・カバー部材
9・・・リークバルブ
91・・・膨出部
10・・・チューブ部
FV・・・ファーストバルブ
FV1・・・弁
FV2・・・十字形のリブ
SV・・・セカンドバルブ
T・・・薄肉部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口部に取り付け可能なボディ部と、該ボディ部に一体化して設けられたシリンダー部と、該シリンダー部内を摺動可能なピストン部と、該ピストン部を上下に摺動させるためにボディ部に枢着された天秤アーム部と、該天秤アーム部を回動させるトリガー部と、天秤アーム部を介してトリガー部を復帰させるためのスプリング部と、ボディ部に取り付けられるカバー部材と、を備え、前記トリガー部の動きをカム機構によって天秤アーム部に伝えることを特徴とするトリガー式ポンプディスペンサー。
【請求項2】
前記スプリング部がU字状基部と、該U字状基部から湾曲して突出し先端部で連結された湾曲バネ部とを有し、前記天秤アーム部が部分的に湾曲バネ部に収納された状態でその後方の一端が前記先端部に上から掛止されていることを特徴とする請求項1記載のトリガー式ポンプディスペンサー。
【請求項3】
前記天秤アーム部が間隔を隔てた一対の壁部を有し、該壁部に形成された各係合孔にピストン部の両側に形成された各係合突起が挿入されることにより両者が連結されていることを特徴とする請求項1記載のトリガー式ポンプディスペンサー。
【請求項4】
前記トリガー部に形成された突出曲面部が、天秤アーム部の前方の一端と接していることを特徴とする請求項1記載のトリガー式ポンプディスペンサー。
【請求項5】
前記トリガー部と天秤アーム部との接触点と、スプリング部のU字状基部に対する天秤アーム部の枢着点との距離が、常に一定となっていることを特徴とする請求項1記載のトリガー式ポンプディスペンサー。
【請求項6】
前記スプリング部と天秤アーム部とが切り離し可能な薄肉部を介して一体成形されたものであることを特徴とする請求項1記載のトリガー式ポンプディスペンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−137129(P2010−137129A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313763(P2008−313763)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(390028196)キャニヨン株式会社 (42)
【Fターム(参考)】