説明

トリガー式液体噴出器

【課題】操作性に優れたブラシ付きのトリガー式液体噴出器を提供することを目的とする。
【解決手段】噴出器本体2と、噴出器本体2の前端に設けられたノズル3と、が備えられ、噴出器本体2は、前後方向に揺動可能なトリガー20と、トリガー20の前後動に伴って作動するポンプ21と、を備え、ポンプ21の作動に伴って容器内から吸い上げられた内溶液がノズル3から噴出するトリガー式液体噴出器1において、前方に向かって突出したブラシ60を有するブラシ部材6が備えられ、ブラシ部材6は、ノズル3よりも前方にブラシ60を配置する前方位置とノズル3よりも後方にブラシ60を配置する後方位置との間で、前後方向にスライド可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガー式液体噴出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のトリガー式液体噴出器として、噴出器本体と、この噴出器本体の前端に設けられたノズルと、を備えたものが知られている。上記した噴出器本体は、前後方向に揺動可能なトリガーと、トリガーの前後動に伴って作動するポンプと、を備えている。また、上記した噴出器本体には、少なくとも例えば前記ポンプ等の機構部分を覆うように外郭部が設けられることがある。この種の外郭部としては、噴出器本体とは別体に構成されたもの(シュラウド)や、噴出器本体において、容器内から吸い上げられた内溶液がノズルに向かう途中に通過する縦筒や射出筒等と一体に形成されたものが知られている。また、上記したトリガー式液体噴出器としては、ノズルがノズル軸周りに回転可能に設けられ、このノズルを軸回転させることよりノズル孔を開放させたり閉塞させたりするものがある。また、ノズルの先端にヒンジを介して蓋が取り付けられているものもある。上記した構成からなるトリガー式液体噴出器では、まず、ノズルを軸回転させてノズル孔を開放したり、ノズル先端の蓋を開けたりして、ノズルを噴出可能な状態にする。続いて、ノズルを対象物に向け、指等でトリガーを後方に引く。これにより、噴出器本体内の内溶液がノズルから噴出し、対象物に内溶液が吹き付けられる。次に、トリガーから指を外すと、後方に引かれたトリガーが前方の位置に戻る。このとき、容器内から内溶液が噴出器本体内に吸い上げられる。
【0003】
また、従来、トリガー式液体噴出器として、例えば下記特許文献1に示されているような、ブラシ部材を備えたものが知られている。このトリガー式液体噴出器は、噴出器本体の外郭部の後端部(ブラシ部材)が着脱可能に形成され、この外郭部の後端部にブラシが付設された構成になっている。上記した構成からなるトリガー式液体噴出器では、対象物に内溶液を吹き付けた後、外郭部の後端部を取り外し、その外郭部の後端部に付設されたブラシで対象物に付着した汚れ等を擦り落とすことができる。
【特許文献1】特開2002−320887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1のトリガー式液体噴出器では、ブラシを使用する際、外郭部の後端部を取り外さなければならず、煩雑で使いにくいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、操作性に優れたブラシ付きのトリガー式液体噴出器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るトリガー式液体噴出器は、噴出器本体と、該噴出器本体の前端に設けられたノズルと、が備えられ、前記噴出器本体は、前後方向に揺動可能なトリガーと、該トリガーの前後動に伴って作動するポンプと、を備え、前記ポンプの作動に伴って容器内から吸い上げられた内溶液が前記ノズルから噴出するトリガー式液体噴出器において、前方に向かって突出したブラシを有するブラシ部材が備えられ、該ブラシ部材は、前記ノズルよりも前方に前記ブラシを配置する前方位置と前記ノズルよりも後方に前記ブラシを配置する後方位置との間で、前後方向にスライド可能に設けられていることを特徴としている。
【0007】
このような特徴により、ブラシを使用しないとき、ブラシ部材は後方位置に配置されている。そして、ブラシを使用する際、ブラシ部材を前方にスライドさせて前方位置に配置させる。これにより、ブラシがノズルよりも前方に突出した状態となり、ブラシにより汚れ等を擦り落とすことが可能である。
また、仮に、上記したブラシ部材がスライドできず前方位置に固定されていると、ノズルを軸回転させたりノズル先端の蓋を開閉したりする際に、ブラシが邪魔になり、使いにくい。また、ノズルが多角形状(例えば略三角形状)を成し、このノズルとブラシ部材との距離が近い場合には、ノズルを軸回転させる際にノズルの角部がブラシ部材に当接してノズルが軸回転できない場合が考えられる。また、ノズル等を摘む指がブラシに触れて汚れる場合もある。また、ブラシが常にノズルの前方に突出していると、ブラシが傷み易くなる。これに対し、上記したトリガー式液体噴出器では、ブラシ部材が後方位置にある状態で、ノズルを軸回転させたりノズル先端の蓋を開閉したりし、その後、ブラシ部材を前方にスライドさせる。これにより、ノズルを軸回転させたりノズル先端の蓋を開閉したりする際に、ブラシが邪魔にならず、また、ノズルがブラシ部材に当接することもなく、さらに、ノズル等を摘む指がブラシに触れることがなく、指等が汚れることもない。また、ブラシを使うとき以外は、ブラシ部材を後方位置に配置させておくことで、ブラシが傷むのが防止される。
【0008】
また、本発明に係るトリガー式液体噴出器は、前記噴出器本体及び該噴出器本体を覆う外郭部のうちの何れか一方に被着されるカバーが備えられ、前記ブラシ部材は、前記カバーの外面にスライド可能に設けられていることが好ましい。
【0009】
これにより、ブラシ部材がスライド可能に設けられたカバーを噴出器本体や外郭部に被着させることで、スライド可能なブラシ部材を備えたトリガー式液体噴出器が形成される。つまり、噴出器本体や外郭部の形状等を変更する必要がなく、従来のトリガー式液体噴出器に対して、ブラシ部材が設けられた新たなカバーを取り付けるだけでよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るトリガー式液体噴出器によれば、必要に応じてノズルの前方にブラシを突出させることができるので、そのブラシで汚れ等を擦り落とすことができる。しかも、必要がないときはブラシをノズルの後方に移動させることができるので、ノズルを操作する際に、ブラシ部材が邪魔にならず、操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係るトリガー式液体噴出器の実施の形態について、図面に基いて説明する。
図1は本発明の一例であるトリガー式液体噴出器1の斜視図であり、図2はトリガー式液体噴出器1の側面図であり、図3はトリガー式液体噴出器1を前方からみた正面図であり、図4は後述するブラシ部材6の平面図であり、図5はトリガー式液体噴出器1の平面図である。
【0012】
図1から図3に示すように、トリガー式液体噴出器1は、噴出器本体2と、噴出器本体2の前端に設けられたノズル3と、噴出器本体2を覆うシュラウド4(外郭部)と、シュラウド4に被着されてシュラウド4を覆うカバー5と、前方に向かって突出したブラシ60を有するブラシ部材6を備えている。
【0013】
噴出器本体2には、その前部に前後方向Aに揺動可能に垂設されたトリガー20と、トリガー20の前後動に伴って作動するポンプ21と、図示せぬ容器の口部に取り付けられる装着キャップ22と、装着キャップ22を図示せぬ容器の口部に取り付けた状態で、下端開口部が容器内の底部に配置されるパイプ23と、が備えられている。また、噴出器本体2には、パイプ23の上端部に連結される上下方向に延在する図示せぬ縦筒部と、縦筒部の上端部から前方に延設されるとともに先端にノズル3が連結され、その内部が上記縦筒部内及びノズル3内にそれぞれ連通した図示せぬ射出筒部と、が備えられており、パイプ23から吸い上げられた内溶液は、上記した縦筒部内から射出筒部内を通ってノズル3へ送られる。
【0014】
ノズル3は、前方に向けて液体を噴射させるためのものであり、正面視において略三角形状を成し、その中央部にノズル孔3aが形成されている。また、ノズル3は、噴出器本体2に対して、ノズル孔3aを開放する開位置とノズル孔3aを閉塞する閉位置との間を移動可能に設けられている。例えば、ノズル3は、噴出器本体2に対して、ノズル中心軸L周りに回転可能若しくは前後方向Aに進退可能に設けられている。
【0015】
シュラウド4は、噴出器本体2に支持され、噴出器本体2の上面、後端面、及び両側面をそれぞれ覆う部材である。シュラウド4の前面及び下面はそれぞれ開放されている。シュラウド4の後部は、装着キャップ22よりも後方に膨出しているとともに、前方から後方に向かうに従い下方に向けて円弧状に傾斜している。また、シュラウド4の前部の下側部分には、円弧状に切り欠いた切欠部4aが形成されている。
【0016】
カバー5は、シュラウド4の上面、後端面、及び両側面をそれぞれ覆う部材であり、その前面及び下面はそれぞれ開放され、その後部は前方から後方に向かうに従い下方に向けて円弧状に傾斜している。カバー5の内面には、シュラウド4に係止するための爪部5aが設けられている。具体的に説明すると、カバー5の後部には、シュラウド4の後部下面に係止される爪部5aが付設されており、また、カバー5の前部には、シュラウド4の切欠部4aに係止される爪部5aが付設されている。
【0017】
また、カバー5の上面には、ブラシ部材6が載置されるスライド面5bが形成されている。このスライド面5bは、前後方向Aに延在する水平面であり、その前端及び両側端はそれぞれ開放され、その後端はストッパー壁面5cが立設されて閉塞されている。また、スライド面5bの前部の上には、ブラシ部材6のスライドを案内するためのガイド50が設けられている。このガイド50は、スライド面5b上のブラシ部材6を両側から挟み込むようにスライド面5bの両側部にそれぞれ立設された対向する一対の壁部50a,50aにより構成されている。これら一対の壁部50a,50aは、前後方向Aにそれぞれ延在しており、間隔をあけて対向配置されている。また、壁部50aの上端部には、ブラシ部材6が上方に外れるのを防止するためにブラシ部材6を掛止する鉤部50bが内側に向けて突設されている。
【0018】
ブラシ部材6は、上記したガイド50により前後方向に案内されつつ、上記したスライド面5bに沿ってスライド可能な平板状部材である。詳しく説明すると、図4に示すように、ブラシ部材6は、板状のスライダー61と、スライダー61の前端面に突設されたブラシ60と、を備えている。
【0019】
スライダー61は、平面視略矩形の矩形部61aの後端に左右両側にそれぞれ拡幅された拡幅部61bが設けられた構成からなる。矩形部61はガイド50の一対の壁部50a,50a間に嵌め込まれており、拡幅部61bは上記したストッパー壁面5cと一対の壁部50a,50aの後端面との間に配設されている。また、スライダー61の前端部の上面には、左右方向に延在する断面視台形の壁部61cが立設されている。また、スライダー61の上面には、平面視三角形の凸部61dが突設されている。また、スライダー61(矩形部61a)の前端部の両側面には、側方に突出した前側突起61eがそれぞれ突設されている。また、矩形部61aの後端部の両側面には、側方に突出した後側突起61fがそれぞれ突設されている。上記した前側突起61eは、ブラシ部材6が後述する後方位置に配置されているとき、ガイド50の壁部50aの内側面に対して圧接する。また、上記した後側突起61fは、ブラシ部材6が後述する前方位置に配置されているとき、ガイド50の壁部50aの内側面に対して圧接する。
【0020】
図5(a)、(b)に示すように、上記したブラシ部材6は、拡幅部61bの両側部の前端面が上記した一対の壁部50a,50aの後端面に当接する位置まで前進が可能であり、また、拡幅部61bの後端面が上記したストッパー壁面5cに当接する位置まで後退可能である。また、図5(a)に示すように、拡幅部61bの両側部の前端面が上記した一対の壁部50a,50aの後端面に当接したとき、スライダー61の前端面がノズル3の上面に位置し、ブラシ60は、ノズル3の上方、且つノズル3の前端面よりも前方の位置に配置される。また、図5(b)に示すように、拡幅部61bの後端面がストッパー壁面5cに当接したとき、スライダー61の前端面がガイド50の中央位置にくるとともにブラシ60先端がノズル3の後端面の位置にきて、ブラシ60は、ノズル3の上方、且つノズル3の後端面よりも後方の位置に配置される。つまり、ブラシ部材は、ノズル3よりも前方にブラシ60を配置する前方位置(図5(a)に示す位置)と、ノズル3よりも後方にブラシ60を配置する後方位置(図5(b)に示す位置)との間で、前後方向にスライド可能に設けられている。
【0021】
ブラシ60は、スライダー61の前端面に植設された複数の毛束60aからなる。複数の毛束60aは、左右方向に横並びに配設されている。なお、ブラシ60の毛材としては、公知の毛材を用いることができ、例えば合成樹脂製の毛材や獣毛を用いることができる。
【0022】
次に、上記した構成からなるトリガー式液体噴出器1の作用について説明する。
【0023】
まず、ブラシ部材6を図5(b)に示す後方位置に配置させておく。これにより、ブラシ60がガイド50内に収納されてノズル3の後方に配置される。このとき、ブラシ部材6の前側突起61eがガイド50の壁部50aの内側面に圧接しており、ブラシ部材6のがたつきが防止されている。
【0024】
続いて、ノズル3を摘んで噴出器本体2に対して移動させ、ノズル3を閉位置から開位置に切り替える。このとき、ブラシ部材6のブラシ60がノズル3の後方に配置されているので、ブラシ部材6が邪魔になったりノズル3を摘む指がブラシ60に触れたりしない。また、ノズル3を軸回転させて閉位置から開位置に切り替えるものの場合、ノズル3とブラシ部材6との距離が近くてもノズル3の角部がブラシ部材6に当接することがない。
【0025】
次に、トリガー式液体噴出器1を持ち上げ、ノズル3を図示せぬ対象物に向ける。このとき、親指と人差し指との間の部分が、円弧状に傾斜したカバー5の後端面に当接するように、トリガー式液体噴出器1を把持する。これにより、トリガー式液体噴出器1の持ち上げが容易になり、操作性が向上する。
【0026】
次に、人差し指をトリガー20に掛けて引き、トリガー20を後方に揺動させる。これにより、ポンプ21のシリンダ内が加圧され、噴出器本体2内の内溶液がノズル3から噴出して上記した対象物に吹き付けられる。次に、トリガー20から人差し指を外すと、後方に引かれたトリガー20が図示せぬコイルスプリングの付勢力によって前方に揺動し、元の位置に戻る。これにより、ポンプ21のシリンダ内が減圧され、図示せぬ容器内の内溶液がパイプ23を通って噴出器本体2内に吸い上げられる。
【0027】
次に、ブラシ部材6を図5(b)に示す後方位置から図5(a)に示す前方位置に移動させる。詳しく説明すると、まず、後方位置にあるブラシ部材6のスライダー61を前方に押し出す。これにより、スライダー61の前側突起61eがガイド50の壁部50aの内側面から外れ、ブラシ部材6は前後方向に自由にスライド可能な状態となる。続いて、スライダー61をさらに前方に押し、ブラシ部材6をカバー5のスライド面5bに沿って前方にスライドさせる。そして、スライダー61の拡幅部61bの両側部の前端面がガイド50の後端面に当接或いは近接する位置までブラシ部材6を前進させ、ブラシ部材6を前方位置に配置させる。これにより、ブラシ60がノズル3の前方に突出した状態となる。また、スライダー61の後側突起61fがガイド50の壁部50aの内側面に圧接し、ブラシ部材6のがたつきが防止される。
【0028】
次に、上記したブラシ60によって対象物に付着した汚れ等を擦り落とす。具体的に説明すると、トリガー式液体噴出器1を把持し、ブラシ60を対象物の表面に沿って往復運動させる。これにより、対象物に付着した汚れ等はブラシ60によって擦り落とされる。
【0029】
次に、ブラシ60による擦り落とし作業が終了した後、ブラシ部材6を、図5(a)に示す前方位置から図5(b)に示す後方位置に戻す。詳しく説明すると、まず、前方位置にあるブラシ部材6のスライダー61を後方に引き戻す。これにより、スライダー61の後側突起61fがガイド50の壁部50aの内側面から外れ、ブラシ部材6は前後方向に自由にスライド可能な状態となる。続いて、スライダー61をさらに後方に引き戻し、ブラシ部材6をカバー5のスライド面5bに沿って後方にスライドさせる。そして、スライダー61(拡幅部61b)の後端面がストッパー壁面5cに当接或いは近接する位置までブラシ部材6を後退させ、ブラシ部材6を後方位置に配置させる。これにより、ブラシ60がガイド50の一対の壁部50a,50a間に収納されてノズル3の後方に配置される。また、スライダー61の前側突起61eがガイド50の壁部50aの内側面に圧接し、ブラシ部材6のがたつきが防止される。
【0030】
上記した構成からなるトリガー式液体噴出器1によれば、必要に応じてノズル3の前方にブラシ60を突出させることができるので、ノズル3から内溶液を噴射しつつブラシ60で汚れ等を擦り落とすことができる。しかも、ノズル3を開位置や閉位置に切り替える際に、ブラシ60をノズル3の後方に移動させることができるので、ブラシ部材6が邪魔になったり指がブラシ60に触れたりノズル3がブラシ部材6に当接したりせず、操作性を向上させることができる。また、必要なとき以外はブラシ60をノズル3の後方に配置させることで、ブラシ60の傷みを防止することができる。
【0031】
また、上記した構成からなるトリガー式液体噴出器1によれば、ブラシ部材6は、カバー5のスライド面5bにスライド可能に設けられているので、ブラシ部材6が設けられたカバー5をシュラウド4に被着させることで、スライド可能なブラシ部材6を備えたトリガー式液体噴出器1が形成される。つまり、従来のトリガー式液体噴出器のシュラウドに対してブラシ部材6付きのカバー5を取り付けたり、従来のトリガー式液体噴出器のカバーをブラシ部材6付きのカバー5に付け替えたりするだけでよく、従来品の大部分をそのまま使用して上記したトリガー式液体噴出器1を製作することができる。これにより、コストダウンを図ることができる。
【0032】
以上、本発明に係るトリガー式液体噴出器の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、噴出器本体2を覆う外郭部として、噴出器本体2と別体で構成されたシュラウド4が備えられているが、本発明は、噴出器本体2と一体に形成された外郭部であってもよく、噴出器本体2と一体に形成された外郭部に上記したカバー5が被着された構成であってもよい。さらに、噴出器本体2を覆う外郭部(シュラウド4等)が備えられていない構成にすることも可能であり、カバー5が噴出器本体2に直接被着されていてもよい。
【0033】
また、上記した実施の形態では、カバー5に対してブラシ部材6がスライド可能に設けられているが、本発明は、カバー5が備えられてなく、シュラウド4等の外郭部に対してブラシ部材6がスライド可能に設けられた構成にすることも可能である。例えば、シュラウドの上面や上記した噴出器本体2と一体に形成された外郭部の上面にスライド面が形成され、このスライド面上にガイド50が形成されるとともにブラシ部材6が載置された構成にすることも可能である。
【0034】
また、上記した実施の形態では、カバー5の上面にスライド面5bが形成され、ブラシ部材6はカバー5の上面に配設されているが、本発明は、カバー5等の側面にスライド面が形成され、ブラシ部材6がカバー5等の側面に配設されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、平板状のブラシ部材6が用いられているが、本発明は、カバー5等の上面及び側面に沿って形成された断面視L字形状又は断面視コ字形状のブラシ部材を用いることも可能である。これにより、ブラシ60をノズル3の上方だけでなく、ノズル3の側方にも配設させることができる。
【0035】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態を説明するためのトリガー式液体噴出器の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態を説明するためのトリガー式液体噴出器の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態を説明するためのトリガー式液体噴出器の正面図である。
【図4】本発明の実施の形態を説明するためのブラシ部材の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態を説明するためのトリガー式液体噴出器の平面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 トリガー式液体噴出器
2 噴出器本体
3 ノズル
4 シュラウド(外郭部)
5 カバー
6 ブラシ部材
20 トリガー
21 ポンプ
60 ブラシ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴出器本体と、該噴出器本体の前端に設けられたノズルと、が備えられ、
前記噴出器本体は、前後方向に揺動可能なトリガーと、該トリガーの前後動に伴って作動するポンプと、を備え、
前記ポンプの作動に伴って容器内から吸い上げられた内溶液が前記ノズルから噴出するトリガー式液体噴出器において、
前方に向かって突出したブラシを有するブラシ部材が備えられ、
該ブラシ部材は、前記ノズルよりも前方に前記ブラシを配置する前方位置と前記ノズルよりも後方に前記ブラシを配置する後方位置との間で、前後方向にスライド可能に設けられていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
【請求項2】
請求項1記載のトリガー式液体噴出器において、
前記噴出器本体及び該噴出器本体を覆う外郭部のうちの何れか一方に被着されるカバーが備えられ、
前記ブラシ部材は、前記カバーの外面にスライド可能に設けられていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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