トリミング装置とこれに用いられるカッター交換装置
【課題】トリミング装置の稼働効率を改善でき、さらに煩雑な交換作業による作業員の負担を軽減できるようにする。
【解決手段】トリミング装置に用いられるカッター交換装置である。複数のカッター(22)を収納する収納部(31)と、カッター(22)の保持部(32)と、保持部(32)にてカッター(22)を押圧する押圧手段(33)と、収納部(31)から保持部(32)へカッター(22)を搬送するスライダー(34)を有する。スライダー(34)に平面部(35)を形成し、平面部(35)と押圧手段(33)とでカッター(22)を保持する。スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されると、カッター(22a)が重力により排出される。スライダー(34)が後退姿勢(B)から前進姿勢(F)となると、カッター(22b)が保持される。
【解決手段】トリミング装置に用いられるカッター交換装置である。複数のカッター(22)を収納する収納部(31)と、カッター(22)の保持部(32)と、保持部(32)にてカッター(22)を押圧する押圧手段(33)と、収納部(31)から保持部(32)へカッター(22)を搬送するスライダー(34)を有する。スライダー(34)に平面部(35)を形成し、平面部(35)と押圧手段(33)とでカッター(22)を保持する。スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されると、カッター(22a)が重力により排出される。スライダー(34)が後退姿勢(B)から前進姿勢(F)となると、カッター(22b)が保持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明ガラス等の基板に貼付されたシート部材等からなる平面状部材を切断するカッターを有するトリミング装置に関し、さらに詳しくは、稼働効率を改善でき、さらに交換作業を簡略にして作業員の負担を軽減できるトリミング装置とこれに用いられるカッター交換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、光電変換モジュールはガラス基板の片面に接着層を介して、バックシート(平面状部材の一例)が貼付されているが、このバックシートはそのガラス基板の周囲からはみ出た状態に貼付されたのち、カッター等でガラス基板に沿って切断され、そのはみ出た余剰部が接着剤層とともに切除されている。この余剰部を切除するトリミング装置には、従来、搬送経路に沿って搬送される平面状部材を真空吸着部等で構成された作業台にて保持した後、この平面状部材に沿って移動され、平面状部材の余剰部を切除するトリミングユニットを備えたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。このトリミングユニットには、トリミングユニットの移動に伴い平面状部材を切断する金属製等のカッターが取り付けられている。
【0003】
また上記トリミング装置は、上記トリミングユニットを基板の周縁部に沿って水平方向へ移動可能に支持する支持用移動台を備えており、作業台に保持された基板の周縁部が所定の位置検出手段で検出され、その検出結果に基づいた制御で支持用移動台によりトリミングユニットが移動される。すなわち上記カッターが基板の周縁に沿って移動されるとともにカッターにより平面状部材が切断され、平面状部材の余剰分である基板からはみ出たシート部材等が切除されている。
【0004】
このようなトリミング装置では、平面状部材の切断が繰り返し実施されると、当然切断部材であるカッターに劣化が生じる。そのため、上記のカッターが使用限度となると、トリミング装置を停止させ、トリミングユニットに取り付けられているカッターを取り外し、新しいカッターをトリミングユニットに取り付け、トリミング装置が再起動され、カッターの交換作業が実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−320069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記交換作業は、シートあるいはカッターの材質、および切断速度によっても異なるが、例えば2時間に1度の割合で実施するのであれば、トリミング装置を1日使用する間の交換作業に係るトリミング装置の停止時間は多大なものとなり、トリミング装置の稼働効率を大幅に低下させる原因となっている。さらにこの交換作業は、作業員が手作業で行う等煩雑であり、作業員にとって大きな負担となっている。
【0007】
そこで本発明は、稼働効率を改善でき、さらに交換作業を簡略にして作業員の負担を軽減できるトリミング装置とこの装置に用いられるカッター交換装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するために、例えば本発明の実施の形態を示す図1から図15に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
即ち、本発明1はトリミング装置に用いられるカッター交換装置に関し、平面状部材(6)を切断するカッター(22)を備えたトリミング装置(1)に用いられるカッター交換装置(30)であって、前記カッター(22)を複数収納可能な収納部(31)と、前記カッター(22)を1つ保持する保持部(32)と、前記保持部(32)にて前記カッター(22)を押圧するよう出退自在に付勢された押圧手段(33)と、前記収納部(31)と前記保持部(32)との間で前記収納部(31)側から出退動され、出動時に前記収納部(31)から前記保持部(32)へカッター(22)を搬送するスライダー(34)を有し、前記スライダー(34)に、前記スライダー(34)が前進姿勢(F)にあるとき、前記押圧手段(33)とでカッター(22)を保持する平面部(35)を形成し、前記スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されると、前記平面部(35)と前記押圧手段(33)とで保持されたカッター(22)を解放することを特徴とするものである。
【0009】
本発明2はトリミング装置に関し、移動に伴い平面状部材(6)を切断するカッター(22)を備えた少なくとも1つのトリミングユニット(9)と、前記トリミングユニット(9)を平面状部材(6)の余剰部を切除する所定形状に沿って水平方向へ移動可能に支持する支持用移動台(8)を有するトリミング装置(1)であって、前記トリミングユニット(9)に、上記の本発明1のカッター交換装置(30)を設けたことを特徴とする。
【0010】
上記の本発明1または本発明2では、平面部と押圧手段とで保持されたカッターは、スライダーが前進姿勢から退動されると保持状態から解放され、重力の作用によりカッター交換装置から排出される。また収納部に収納されたカッターは、前記スライダーが後退姿勢から出動されると保持部へ搬送され、続けて前記スライダーが前進姿勢となるとスライダーの前記平面部と前記押圧手段により保持される。
【0011】
上記スライダーは、その出動時に収納部から保持部へカッターを1枚づつ搬送する構成であればよい。例えば、前記収納部へ収納されたカッターをスライダーへ向けて付勢する付勢手段を収納部に配設し、スライダーの平面部に先端から順に受取平面部と阻止平面部とを形成する構成としてもよい。この構成によれば、収納部に収納されたカッターがスライダーへ向けて付勢され、受取平面部が収納部とカッターの厚さ幅を設けて近接され、阻止平面部が収納部と密接されるため、前記スライダーが後退姿勢にあると、前記収納部から前記受取平面部へカッターを1枚づつ受け渡すことができ、このカッターを前記スライダーの出動にともなって保持部へ1枚づつ搬送することができる。また前記スライダーが後退姿勢にないとき、前記収納部と前記阻止平面部とが密接され、前記収納部からカッターが抜け落ちることを阻止することができる。
【0012】
上記付勢手段は、特定の材質や形状、用途のものに限定されるものではなく、収納部に収納されたカッターをスライダーへ向けて付勢する構成であればよい。例えば、内部に収納部を形成する箱体を設け、この箱体の底部にバネやゴム等の弾性体を設ける構成、または前記箱体の底部に出退自在なシリンダ装置、あるいはエアを噴出する噴出口を設ける構成としてもよい。これらの構成によれば、収納部に収納されたカッターをスライダーへ向けて付勢することができる。
【0013】
上記のカッターは平面状部材を切断する有形のものであればよく、特定の形状や構成のものに限定されない。例えば、このカッターの柄部に係止部を形成するものであってもよく、受取平面部に前記係止部へ出退自在に付勢され前記係止部を係止する落下防止バーを設け、押圧手段に前記係止部へ出退動され前記係止部を係止する保持安定バーを設ける。この構成によれば、スライダーが前進姿勢から退動される際に、保持安定バーに係止されたカッターは、摩擦等により受取平面部に連動されることがなく、保持部はカッターを良好に解放することができる。またスライダーが後退姿勢から出動される際に、カッターが落下防止バーに係止され、受取平面部に配置されたカッターの落下を防止することができる。なお落下防止バーは、スライダーが前進姿勢となると出動される保持安定バーにより押されて退動される。また保持安定バーは、スライダーが退動され次に前進姿勢となるまでの間で任意に退動される。
【0014】
上記の保持安定バーは、出退動される構成のものに限定されない。例えば、カッターの柄部に係止部を形成し、受取平面部に前記係止部へ出退自在に付勢され前記係止部を係止する落下防止バーを設け、押圧手段に前記係止部へ出退自在に前記落下防止バーより強く付勢され前記係止部を係止する保持安定バーを設ける構成としてもよい。この構成によれば、上記出退動される保持安定バーを設けた構成と同様の作用・効果を奏するとともに、保持安定バーを出退動させる構成を要せず、比較的安価に実施することができる。なお落下防止バーは、スライダーが前進姿勢となると、より強く付勢された保持安定バーにより退動される。また保持安定バーは、スライダーに搬送されるカッターと接触する際にカッターに押されて退動される。
【0015】
上記の押圧手段は、出退自在に付勢された構成のものであればよいが、例えば、スライダーに搬送されたカッターが押圧手段と最初に接触する前記押圧手段の接触面を、カッターの搬送方向に対して斜面に形成する構成としてもよい。この構成によれば、スライダーに搬送されるカッターと接触した押圧手段は、前記カッターの搬送にともない斜面に沿って押されて退動されるため、比較的スムーズに退動される。
【0016】
上記スライダーを出退動させて実施されるカッターの交換作業は、作業員による判断により、あるいは平面状部材の材質や切断速度等から設定される平面状部材の切断量により、または時間毎に実施してもよいが、例えば、保持状態のカッターを検出する刃折検出手段と、前記刃折検出手段に検出されるカッターの異常を判断し、前記スライダーを出退動させる制御装置を設ける構成としてもよい。この構成によれば、カッターに異常が起こるとスライダーが出退動されてカッターの交換作業が実施されるので、作業員による煩雑な作業を要することなくカッターの交換作業を実施することができる。
【0017】
上記収納部に収納されるカッターを補充するタイミングは、収納部を内部に形成する箱体に収納部を目視可能とする小窓を設け、この小窓から作業員により目視にて判断する、あるいは収納部にカッターを収納した枚数から、スライダーが出退動された回数を減算して判断してもよいが、例えば、収納部に収納されたカッターを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて報知する制御装置を設けて判断してもよい。この構成によれば、収納部からカッターが無くなると、収納部にカッターが無いことを報知できるとともに、例えば、収納部に収納されたカッターの枚数を検出すれば、収納部に収納されたカッターの残り枚数を報知することができ、これらの報知に応じて収納部へカッターを補充するタイミングを判断できる。
【0018】
上記の平面状部材は、特定の材質や形状、用途のものに限定されない。例えば、光電変換モジュールに用いられる、基板の一面側に被着されたシート部材等であってもよく、あるいは、ガラス基板等に被着された熱反射膜等の薄膜等であってもよい。この平面状部材がこれら基板に被着されたシート部材である場合、上記の所定形状はこの基板の周縁部で形成され、上記の切断手段がこの所定形状に沿って移動しながらシート部材を切断することにより、この基板の周縁からはみ出た余剰部が切除されて、余剰部を除いたシート部分が切り出される。また上記の平面状部材は、基板に被着されたシート部材に限らず、ガラスや金属、木材、合成樹脂などの板材や、布、合成樹脂フィルム、紙などのシート材であってもよく、上記の切断手段で切断可能な任意の材料のものを対象とすることができる。
【0019】
なお、上記の平面状部材が基板に被着されたシート部材である場合、これらのシート部材も特定の構造や材質のものに限定されない。例えば接着性を有するシート部材のみからなる1層構造のものであってもよく、或いは、接着性を有する第1シート部材と、この第1シート部材の表面に被着された耐候性向上のための第2シート部材とからなる2層構造のものであってもよい。またシート部材の材質としては、具体的には、例えばシリコン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルブチラール等の透明な合成樹脂が挙げられる。また上記の第2封止部としては、一枚構造のものと積層構造のものがあるが、一枚構造の第2封止部としては、商品名テドラー等のフッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等からなるシートが使用され、積層構造の第2封止部としては、前記フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等からなるシートの一面にアルミニューム等の金属フィルムやSiO2等の薄膜をラミネートした積層シートであってもよく、アルミニューム合金の薄膜の両面にEVAを積層してなる積層シートや、PETにEVAを積層してなる積層シート等であってもよい。
【0020】
さらに、上記の基板は透明ガラスに限らず、金属やその他の材質で形成されたものであってもよく、この基板に光電変換要素や電極等を付設したものであってもよい。これらの基板は、通常は四角形に形成されるが、四隅が円弧状など滑らかな曲線に形成されたものであってもよく、さらには、例えば長円形など、周縁が曲線形状であってもよい。またこの基板には、側面と上記の被着面との間に、周縁に沿って面取り部が形成してあってもよい。
【0021】
上記の所定形状は、四角形のほか、任意の形状に設定することができ、例えば、トリミングユニットを制御する制御手段にその所定形状を入力して設定することも可能である。しかし、上記の平面状部材が上記の基板の一面側に被着されたシート部材であり、基板の周縁からはみ出た余剰部を切除する場合は、その基板の周縁部が上記の所定形状となるので、その基板の形状を計測することで上記の所定形状を設定してもよい。例えばトリミング装置に基板の形状を検出する形状検出手段を付設しておき、上記のトリミングユニット等の移動に先立って、前記形状検出手段により上記の平面状部材の周縁位置等を検出し、その検出結果に基づき上記の所定形状を設定することができる。
【0022】
上記のトリミングユニットは、少なくとも1つ備えれば良いが、1台の支持用移動台に複数のトリミングユニットを付設してもよい。また、上記の支持用移動台を複数備え、例えば、一方の支持用移動台に1台のトリミングユニットを付設するとともに、他方の支持用移動台に2台のトリミングユニットを付設してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明のトリミング装置とこれに用いられるカッター交換装置によれば、上記のスライダーが出退動を1回行うことで、きわめて簡単に、且つ短時間でカッターを交換でき、カッターの交換作業を終了できることから、カッターの交換作業に掛かる時間を大幅に短縮でき、この交換作業に掛かるトリミング装置の停止時間を大幅に短縮でき、トリミング装置の稼働効率を改善できる。さらに煩雑なカッターの取り付けおよび取り外しの交換作業を要せず、交換作業を簡略にして作業員の負担を軽減できる。
【0024】
また本発明のトリミング装置とこの装置に用いられるカッター交換装置によれば、前進姿勢のスライダーが退動されるとカッターが解放されるので、このカッターを重力の作用により落下させることができ、この結果カッター交換装置からカッターが排出されるので、カッター交換装置から使用済のカッターを排出させる特別な構成を設ける必要がなく、カッター交換装置を安価に実施することができる。また収納部には複数のカッターが収納されることにより、カッターを収納部に補充することなく複数回連続してカッターを交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1におけるトリミング装置の平面図である。
【図2】同トリミング装置の縦断側面図である。
【図3】同トリミング装置のカッターの斜視図である。
【図4】同トリミング装置のトリミングユニットの側面図である。
【図5】同トリミング装置のカッター交換装置の正面図である。
【図6】(a)は、図5のA−A矢視断面図であり、(b)は、要部拡大図である。
【図7】同トリミング装置のカッター交換装置の概略平面図である。
【図8】同トリミング装置の収納部の(a)正面図、(b)側断面図、(c)一部切欠き平面図である。
【図9】図6のC−C矢視断面図である。
【図10】同トリミング装置のカッター交換装置の動作説明図である。
【図11】本発明の実施例2におけるトリミング装置のカッター交換装置の正面図である。
【図12】(a)は、図11のA−A矢視断面図であり、(b)は、要部拡大図である。
【図13】本発明の変形例を示すカッターの斜視図である。
【図14】本発明の実施例1の面取りユニットの平面図である。
【図15】同面取りユニットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図10は、本発明のカッター交換装置の第1実施例を示す。
図1・図2に示すように、このトリミング装置(1)は1台の作業台(2)を備えており、矩形に形成された光電変換モジュールなどの基板(5)が、この作業台(2)の上面(2a)に水平状態に載置される。この作業台上面(2a)には、基板(5)の搬送経路として水平方向に複数並設された搬送ベルト(3)と真空吸着部(4)とが設けてある。この真空吸着部(4)は、図2の仮想線に示すように上記の搬送ベルト(3)による移送面(3a)よりも上方の吸着位置(U)へ進出して、上記の基板(5)を持ち上げることができる。この真空吸着部(4)の吸着により、上記の基板(5)はその所定位置で移動不能に保持される。またこの真空吸着部(4)は、上記の吸着を解除して、その基板(5)の移動を阻害しないように上記の移送面(3a)よりも下方の退避位置(D)へ後退することができる。これにより、上記の基板(5)は搬送ベルト(3)の移送面(3a)に受け止められ、任意の位置や他の工程等へ移送される。
【0027】
なお、この第1実施例では上記の作業台は、移送手段として搬送ベルト(3)を備えた場合について説明したが、本発明はこの第1実施例のものに限定されない。例えば、作業台の上面に多数のエア噴出口を開口して、このエア噴出口から噴出されるエアにより、上記の基板(5)を浮上させて容易に移動できるようにしたものであってもよい。
【0028】
上記の搬送ベルト(3)で作業台(2)上に搬入された上記の基板(5)には、平面状部材の一例であるシート部材(6)が片面に貼付してある。このシート部材(6)の周縁部には、基板(5)の側面(5a)よりも外側にはみ出た余剰部(7)が形成されている。上記のトリミング装置(1)でこの余剰部(7)を切除することにより、上記の基板(5)の一面側に貼付されたシート部分(6a)が切り出される。
【0029】
上記のトリミング装置(1)は、シート部材(6)を切断するカッター(22)を備えた少なくとも1つのトリミングユニット(9)と、このトリミングユニット(9)を水平方向へ移動可能に支持する支持用移動台(8)を有している。この支持用移動台(8)に前記トリミングユニットが、シート部材(6)の余剰部(7)を切除する所定形状に沿って移動され、シート部材(6)から余剰部(7)が切除される。詳しくは、上記作業台(2)の上方に、作業台上面(2a)に沿って一方向へ移動可能に2台の支持用移動台(8)を設けてある。一方の第1支持用移動台(8a)には1台のトリミングユニット(9)を付設し、他方の第2支持用移動台(8b)には2台のトリミングユニット(9)を付設してある。第1支持用移動台(8a)に付設したユニット(9)と、第2支持用移動台(8b)に付設した2台のユニット(9)はそれぞれ、上記一方向とは直交する他方向へ、それぞれを支持する支持用移動台(8)に沿って移動可能に構成しており、これらの各トリミングユニット(9)と上記の各支持用移動台(8a,8b)は、作業台(2)の側方に配置された制御装置(10)で制御される。
【0030】
ここで上記のカッター(22)は、例えば、金属製のカッター(22)であって、図3に示すように前記カッター(22)には、カッター(22)を保持するための柄部(24)と、この柄部(24)の一端に線状の刃先(23)を形成している。また前記柄部(24)には、この柄部(24)を貫通する係止部の一例として孔部(25)を形成している。またカッター(22)は所定の厚さ幅(t)にて形成している。このカッター(22)によりシート部材(6)が切断される。
【0031】
図4に示すように、上記の各トリミングユニット(9)は、下面を開放したカバー(11)と、このカバー(11)の上方に配置されたモータ(12)と、このモータ(12)にギヤ部(13)を介して連動連結され上記のカバー(11)の上壁を貫通する回動軸(14)と、この回動軸(14)の下端に固定された支持部本体(15)と、この支持部本体(15)に支持された旋回部(16)とを備える。上記の回動軸(14)の回動軸心(18)は、上記の作業台上面(2a)と直交するよう設けられ、この回動軸(14)の回動により、上記の支持部本体(15)は上記の回動軸心(18)周りに回動される。
【0032】
上記の旋回部(16)は、支持部本体(15)に支持された旋回装置(21)と、この旋回装置(21)により旋回中心(19)にて旋回される旋回板(20)を備えている。また旋回板(20)には、上記のカッター(22)を保持する一対のカッター交換装置(30)を付設してある。よってカッター交換装置(30)に保持された各カッター(22)は、この旋回部(16)を介して上記の支持部本体(15)に支持されている。また各カッター(22)は、上記の回動軸心(18)を挟んで互いに進行方向の反対側に、それぞれの刃先を互いに対向する進行方向へ向けた状態で各カッター交換装置(30)に保持されている。
【0033】
上記の各カッター(22)の刃先(23)には、上記のシート部材(6)を切断する切断ポイント(P)が設定されている。この切断ポイント(P)は、回動軸心(18)を下方へ延長した同軸上に設定され、上記の支持部本体(15)が回動されても、上記のトリミングユニット(9)に対し同じ相対的位置に維持される。また切断ポイント(P)は、旋回中心(19)を通過するよう設定され、上記の旋回板(20)が旋回されても、上記のトリミングユニット(9)に対し同じ相対的位置に維持される。従って、このトリミングユニット(9)が前記の基板(5)の周縁に沿って移動されることで、カッター(22)の刃先(23)に設定された切断ポイント(P)が基板(5)の周縁に沿って移動され、この切断ポイント(P)の位置でシート部材(6)が切断される。
【0034】
図5〜図7に示すように、上記の各カッター交換装置(30)は、カッター(22)を複数収納可能な収納部(31)と、カッター(22)を1つ保持する保持部(32)と、この保持部(32)にてカッター(22)を押圧する押圧手段(33)と、収納部(31)と保持部(32)との間で収納部(31)側から出退動されるスライダー(34)を有している。前記スライダー(34)が後退姿勢(B)から出動されると、収納部(31)から保持部(32)へカッター(22)が搬送される。また前記スライダー(34)には、平面部(35)が形成され、スライダー(34)が前進姿勢(F)にあるとき、平面部(35)と押圧手段(33)とでカッター(22)が保持され、スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されると、平面部(35)と押圧手段(33)とで保持されたカッター(22)が解放される。
【0035】
またカッター交換装置(30)は、収納部(31)と保持部(32)とを連結するレール部材(36)と、スライダー(34)を出退動するシリンダ装置(37)を有している。前記レール部材(36)は内部に、前記スライダー(34)の出退動を案内するレール(36a)を有しており、上記のスライダー(34)は、シリンダ装置(37)によりレール(36a)に沿って出退動される。ここで上下方向を(Y)、上記のカッター(22)の進行方向を(X)、この進行方向(X)と直交する直交方向を(Z)とする。また上記の前進姿勢(F)は、シリンダ装置(37)に出動される上記のスライダ(34)が、最も出動された姿勢にあることを示し、上記の後退姿勢(B)は、シリンダ装置(37)に退動される上記のスライダ(34)が、最も退動された姿勢にあることを示す。
【0036】
またカッター交換装置(30)は、旋回板(20)に固定された昇降バー(40)と、この昇降バー(40)に沿って昇降される昇降板(41)と、この昇降板(41)と上記のレール部材(36)とを連結する固定部材(42)を有しており、旋回板(20)に付設されている。またカッター交換装置(30)は、上記の昇降板(41)を昇降する昇降用シリンダ(43)を有しており、前記昇降用シリンダ(43)が上記の旋回板(20)に固定されている。この昇降用シリンダ(43)と、上記の昇降バー(40)と、上記の昇降板(41)とから昇降装置(44)が構成され、この昇降装置(44)により、図5に仮想線で示すように、カッター交換装置(30)が上昇される。
【0037】
上記の昇降バー(40)の底部には、カッター(22)の刃先(23)を検出する刃折検出手段(45)が固定されている。この刃折検出手段(45)は、上記の昇降装置(44)に上昇された状態にあるカッター交換装置(30)の保持部(32)で保持されたカッター(22)の刃先(23)、特に上記の切断ポイント(P)を検出し、この検出結果を上記の制御装置(10)へと送信する。この検出結果に基づいて制御装置(10)が異常を判断すると、スライダー(34)が駆動され、カッター(22)の交換作業を実施することができる。
【0038】
また上記のスライダー(34)の平面部(35)には、先端から順に受取平面部(35a)と阻止平面部(35b)が形成されている。この受取平面部(35a)は上記の収納部(31)とカッター(22)の厚さ幅(t)を設けて近接するよう形成され、また阻止平面部(35b)は上記の収納部(31)と密接するよう形成されている。すなわち上記の受取平面部(35a)と上記の阻止平面部(35b)とは、上記の平面部(35)に、カッター(22)の厚さ幅(t)の段差を有して連設されている。この構成によれば、スライダー(34)が後退姿勢(B)にないとき、収納部(31)からカッター(22)が抜け落ちることを阻止できるとともに、スライダー(34)が後退姿勢(B)にあるとき、カッター(22)を取出すことができる。また受取平面部(35a)が、収納部(31)とカッター(22)の厚さ幅(t)でのみ近接しているので、収納部(31)から受取平面部(35a)へカッター(22)を1枚づつ受け渡すことができる。
【0039】
上記のスライダー(34)の受取平面部(35a)には、受取平面部(35a)へ受け渡されたカッター(22)の孔部(25)へ嵌め合わされる落下防止バー(46)を設けている。詳しくは図6の要部拡大図に示すように、落下防止バー(46)を、バー(46a)と、受取平面部(35a)に形成された孔より大径な頭部(46b)から形成するとともに、この頭部(46b)を付勢する板ばね(46c)がボルト(46d)等でスライダー(34)に固定されている。すなわち落下防止バー(46)は、スライダー(34)から抜け落ちることなく、かつ受取平面部(35a)を貫通して形成された孔から出退自在に付勢されている。よってスライダー(34)が後退姿勢(B)のとき、受取平面部(35a)に配置されたカッター(22)の孔部(25)が落下防止バー(46)に係止され、カッター(22)が受取平面部(35a)から落下することを防止できる。
【0040】
また上記の収納部(31)は、箱体のカートリッジ(48)の内部に空間として形成されている。すなわち収納部(31)が、カッター(22)のサイズに合わせて形成されるとともに、カッター(22)が例えば10枚程度重ねて収納可能に形成されている。図8(a)〜(c)に示すように、上記のカートリッジ(48)は、左右一対の側面および上下の面から形成された枠体(49)と、この枠体(49)の一方の解放面にボルト(50)等で着脱自在な蓋体(50)から形成されている。この蓋体(50)の内側には、収納部(31)に収納されたカッター(22)を付勢する板ばね(51)と、この板ばね(51)を固定するボルト(52)等が付設されている。また枠体(49)の側面にはそれぞれ、収納部(31)からカッター(22)の厚さ幅(t)を設けてカギ部(53)が形成されている。このカギ部(53)により、前記板ばね(51)に付勢されたカッター(22)が他方の解放面から抜け落ちることを防止できる。
【0041】
上記のカートリッジ(48)の蓋体(50)には、枠体(49)を貫通する左右一対の取付ハンドル(54)が設けられている。カートリッジ(48)は、各取付ハンドル(54)により、上記のレール部材(36)に着脱自在に構成されている。これにより収納部(31)からカッター(22)が無くなった際には、カートリッジ(48)を取り外した後、複数のカッター(22)が収納されたカートリッジ(48)と交換できる。また上記のカートリッジ(48)の構成では、カートリッジ(48)に収納されたカッター(22)は、板ばね(51)に付勢され収納部(31)からカギ部(53)へと送られ、このカッター(22)だけを上下の面の方向から取り出すことができる。
【0042】
また上記の保持部(32)は、図9に示すように、押圧手段(33)を付勢するばね体(56)と、このばね体(56)とともに押圧手段(33)をレール部材(36)に付設する一対の付勢ボルト(57)を有している。これにより上記の押圧手段(33)は、スライダー(34)の受取平面部(35a)に対して出退自在に付勢されている。このとき押圧手段(33)は、スライダー(34)に搬送されるカッター(22)の刃先(23)の先端と接触しない位置に迄出動される(実施例1にあっては、カッター(22)の厚さ幅(t)の半分以下で出動される)。これによりカッター(22)の搬送に伴い、カッター(22)の刃先(23)の側面で押圧手段(33)が押されて、押圧手段(33)が退動されるとともに、スライダー(34)に搬送されたカッター(22)を、受取平面部(35a)と押圧手段(33)との間で保持できる。
【0043】
上記の押圧手段(33)には、この押圧手段(33)を貫通する保持安定バー(58)を設けている。この保持安定バー(58)は、シリンダ装置(59)に連結され、このシリンダ装置(59)により出退動される。よってスライダー(34)に搬送されたカッター(22)が、スライダー(34)の受取平面部(35a)と押圧手段(33)との間で保持された後、保持安定バー(58)が、カッター(22)の孔部(25)に嵌め合わされた落下防止バー(46)を退動させるとともに、カッター(22)の孔部(25)へ嵌め合わされる。よってスライダー(34)が前進姿勢(F)(孔部(25)に保持安定バー(58)が嵌め合わされた状態)から退動されても、カッター(22)は保持安定バー(58)に係止され、摩擦等により受取平面部(35a)に連動されず、その後カッター(22)を重力の作用により落下させることができる。
【0044】
上記の押圧手段(33)は、スライダー(34)に搬送されたカッター(22)と最初に接触する接触面を、カッター(22)の搬送方向に対して斜面(38)に形成している。この構成により、スライダー(34)に搬送されるカッター(22)と、付勢されて出動状態の押圧手段(33)とが接触すると、押圧手段(33)をよりスムーズに退動できる。なおこの斜面(38)は例えば局面としてもよく、同様に押圧手段(33)をよりスムーズに退動できる。また例えば押圧手段(33)を弾性体から形成するのであれば、スライダー(34)に搬送されるカッター(22)が押圧手段(33)を押す際に、押圧手段(33)に変形が起こり、押圧手段(33)をよりスムーズに退動できる。
【0045】
また上記のカートリッジ(48)の蓋体(50)には、カートリッジ(48)内を目視可能にする小窓(55)が形成されている。また上記のシリンダ装置(59)の上部には、前記小窓(55)からカートリッジ(48)に収納されたカッター(22)の有無を検出する検出手段(60)が設けられている。この検出手段(60)の検出結果は上記の制御装置(10)へと送信され、制御装置(10)では、カートリッジ(48)に収納されたカッター(22)の枚数が判断される。なお検出手段(60)は、例えば板ばね(51)の変形量を検出し、あるいはカートリッジ(48)に収納される複数のカッター(22)の厚さ幅(t)の総量を検出するものとしてもよく、制御装置(10)ではこれらの検出結果に基づいて、カートリッジ(48)に収納されたカッター(22)の枚数が判断される。よって制御装置(10)から収納部(31)に収納されたカッター(22)の枚数、あるいは収納部(31)に収納されたカッター(22)の有無を報知でき、これに応じてカートリッジ(48)の交換、あるいはカートリッジ(48)にカッター(22)を補充するタイミングを判断することができる。
【0046】
以下、上記のように構成された本発明の第1実施例におけるトリミング装置(1)に用いるカッター交換装置(30)の動作を図10(a)〜(d)に基づいて説明する。
図10(a)は、スライダー(34)が前進姿勢(F)にあり、カッター(22a)が受取平面部(35a)と押圧手段(33)との間で保持されている。また保持安定バー(58)がカッター(22a)の孔部(25a)に嵌め合わされ、落下防止バー(46)が保持安定バー(58)により退動されている状態を示す。このときカートリッジ(48)内の複数のカッター(22b,22c,22d…)は、板ばね(51)に付勢されてはいるものの、阻止平面部(35b)に阻止されて、収納部(31)内に収納されている。
【0047】
上記の図10(a)に示す状態から昇降用シリンダ(43)が駆動され、刃折検出手段(45)の検出結果に基づいて、制御装置(10)にてカッター(22a)の異常が判断されると、制御装置(10)は、シリンダ装置(37)によりスライダー(34)を退動させる。これにより図10(b)に示すように、受取平面部(35a)と押圧手段(33)との間で保持されたカッター(22a)は、一方の保持を無くして解放され、カッター交換装置(30)より重力の作用により落下される。また板ばね(46c)に付勢された落下防止バー(46)が出動される。このときカートリッジ(48)内の複数のカッター(22b,22c,22d…)は、板ばね(51)に付勢されてはいるものの、未だ阻止平面部(35b)に阻止されて、収納部(31)内に収納されている。
【0048】
図10(c)に示すように、スライダー(34)がさらに退動され、スライダー(34)が後退姿勢(B)となると、阻止平面部(35b)が収納部(31)の上方に位置される。よって板ばね(51)に付勢されたカートリッジ(48)内の複数のカッター(22b,22c,22d…)の内カッター(22b)が、収納部(31)からカギ部(53)、すなわち受取平面部(35a)に受け渡される。このときカッター(22b)の孔部(25b)には、板ばね(46c)に付勢された落下防止バー(46)が嵌め合わされる。また保持安定バー(58)が退動された状態となっているが、保持安定バー(58)は、スライダー(34)が退動された時から、後記するスライダー(34)が出動される迄の間に退動されればよい。
【0049】
図10(d)に示すように、後退姿勢(B)にあるスライダー(34)が出動されると、受取平面部(35a)のカッター(22b)が保持部(32)へ向けて搬送される。このときカッター(22b)の刃先(23b)の側面が押圧手段(33)と接触すると、押圧手段(33)がカッター(22b)に押されて退動される。またカートリッジ(48)内の複数のカッター(22c,22d…)は、阻止平面部(35b)に阻止されて、収納部(31)内に収納されている。この後、図10(a)に示すように、スライダー(34)が前進姿勢(F)となると、保持安定バー(58)が出動され、保持安定バー(58)がカッター(22b)の孔部(25b)に嵌め合わされた落下防止バー(46)を退動させるとともに、保持安定バー(58)がカッター(22b)の孔部(25b)へ嵌め合わされ、カッター(22)の交換が終了される。
【0050】
以上のように、本発明の第1実施例によれば、スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されるとカッター(22)は、平面部(35)の受取平面部(35a)と押圧手段(33)とで保持された状態から解放されて重力の作用により落下される。またスライダー(34)が後退姿勢(B)から出動されると、収納部(31)からカッター(22)が保持部(32)へ搬送され、スライダー(34)が前進姿勢(F)となると、カッター(22)がスライダー(34)の平面部(35)と押圧手段(33)により保持される。すなわちスライダー(34)が出退動を1回行うことで、きわめて簡単に、且つ短時間でカッターを交換でき、カッター(22)の交換作業を終了できることから、カッター(22)の交換作業に掛かる時間を大幅に短縮でき、この交換作業に掛かるトリミング装置(1)の停止時間を大幅に短縮でき、トリミング装置(1)の稼働効率を改善できる。さらに煩雑なカッター(22)の取り付けおよび取り外しの交換作業を要せず、交換作業を簡略にして作業員の負担を軽減できる。
【0051】
また本発明の第1実施例によれば、前進姿勢(F)のスライダー(34)が退動されるとカッター(22)が解放されるので、このカッター(22)を重力の作用により落下させることができ、この結果カッター交換装置(30)からカッター(30)が排出されるので、カッター交換装置(30)から使用済のカッター(22)を排出させる特別な構成を設ける必要がなく、カッター交換装置(30)を安価に実施することができる。
【0052】
図11と図12は、本発明のカッター交換装置の第2実施例を示す。
図11または図12に示すように、本発明の第2実施例では、押圧手段(33´)に、落下防止バー(46)より強く付勢された出退自在な保持安定バー(58´)を設けている。すなわち図12の拡大断面図に示すように、一対のボールプランジャ(62,63)を設け、一方のボールプランジャ(62)は、一端が解放された円筒部材(64)と、この円筒部材(64)内に付勢手段としてのばね体(65)と、このばね体(65)に付勢された押圧体(66)から構成している。また他方のボールプランジャ(63)は、一端が解放された円筒部材(67)と、この円筒部材(67)内に付勢手段としてのばね体(68)と、このばね体(68)に付勢された保持安定バー(58´)から構成している。このばね体(68)は、保持安定バー(58´)を落下防止バー(46)より強く付勢する。また各円筒部材(64,67)にはネジ切加工がされ、一対のボールプランジャ(62,63)がレール部材(36)に取り付けられている。
【0053】
上記の実施例2によれば、上記の実施例1と同様の効果を奏するとともに、スライダー(34)が前進姿勢(F)となると、カッター(22)をスライダー(34)の受取平面部(35a)と押圧体(66)との間で保持できる。さらにこのとき保持安定バー(58´)により落下防止バー(46)を退動できるとともに、保持安定バー(58´)がカッター(22)の孔部(25)へ嵌め合わされ、スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されても、カッター(22)は保持安定バー(58)に係止され、摩擦等により受取平面部(35a)に連動されることなく解放され、その後カッター(22)を重力の作用により落下させることができる。なお、他の構成は上記の第1実施例と同様であり、同様に作用するので、その詳細な説明を省略する。
【0054】
なお上記の各実施例では、検出手段(60)の検出結果に基づいて制御装置(10)から、収納部(31)内のカッター(22)の有無、あるいは残数を報知する構成としているが、この構成はこれに限定されることなく、例えば、収納部(31)に収納されたカッター(22)の所定枚数から、スライダー(34)の駆動回数を減算して、カッター(22)の有無、あるいは残数を報知する構成、あるいは作業員が小窓(55)を目視して、収納部(31)内のカッター(22)の有無、あるいは残数を確認する構成としてもよい。
【0055】
また上記の各実施例では、刃折検出手段(45)の検出結果に基づいて制御装置(10)によりスライダー(34)を駆動する構成としているが、この構成はこれに限定されることなく、例えば、シート部材(6)の切断面を検出し、この切断面の形状に基づいて制御装置(10)によりスライダー(34)を駆動する構成、あるいは作業員にカッター(22)の刃こぼれが確認された場合や、前記切断面の異常が確認された場合に、スライダー(34)を駆動する構成としてもよい。
【0056】
また上記の各実施例では、カッター(22)の柄部(24)に、係止部としての孔部(25)を形成しているが、係止部を孔部(25)に限定するものではなく、例えば、図13に示すようなカッター(22)の係止部であってもよい。図13(a)は、カッター(22)の柄部(24)にカギ状の係止部が形成されたものである。また図13(b)は、少なくとも2つのカギ状の係止部が形成されたものである。また図13(c)は、少なくとも2つの孔部からなる係止部が形成されたものである。なお図13(b)または(c)に示すカッター(22)を用いる場合、係止部に嵌め合わされる、落下防止バー(46)および保持安定バー(58,58´)の形状は、各係止部の形状に応じて形成される。
【0057】
また上記の各実施例では、その詳細な説明を省略したが、トリミング装置(1)は、面取りされた基板(5)に貼付されたシート部材(6)の面取り作業を実施する少なくとも1つの面取りユニット(70)を備えてもよい。前記面取りユニット(70)は、図14または図15に示すように、保持された基板(5)の角に向けて設置されたレール(71)と、前記レール(71)に沿って出退動される基台(72)と、前記基台(72)に垂直方向の回転軸(73)を介して設けられた回転基台(74)と、前記回転基台(74)上でテーブル(75)に軸支された駆動軸(76)と、前記駆動軸(76)の一端に連動連結されたグラインダ(77)と、前記駆動軸(76)の他端に設けられたモータ(78)と、前記回転基台(74)の先端に設けられた一対の誘導輪(79)から構成されている。前記誘導輪(79)は、グラインダ(77)と等しい高さ位置に設けられている。またグラインダ(77)は、例えば、発泡バフ等のソフトな研削部を有し、基板(5)を研削することなくシート部材(6)を研削することができる。
【0058】
上記の面取りユニット(70)は、基板(5)に貼付されたシート部材(6)の面取り作業を実施する際に、モータ(78)により駆動軸(76)を介してグラインダ(77)が回転されて、レール(71)に沿って基台(72)が出動される。すなわち回転されたグラインダ(77)が、真空吸着部(4)に保持された基板(5)の角に向けて出動され、基板(5)に貼付されたシート部材(6)の面取りが開始される。次に面取り作業が実施され、基板(5)の側面(5a)と両方の誘導輪(79)とが接触すると、すなわちグラインダ(77)と基板(5)の面取りされた面とが接触する位置にまで基台(72)が出動され、シート部材(6)を基板(5)の面取りに沿って面取りできる。この後、基台(72)が退動されて、グラインダ(77)が停止される。
【0059】
また上記の面取り作業中に、一方の誘導輪(79)が基板(5)の側面(5a)と接触しても、すなわち保持された基板(5)にずれが生じていても、回転軸(73)を回転中心として回転基台(74)が旋回され、基板(5)の側面(5a)と両方の誘導輪(79)が接触するまで基台(72)が出動され、シート部材(6)を基板(5)の面取りに沿って面取りできる。
【0060】
上記の面取りユニット(70)によれば、基板(5)の形状に応じてシート部材(6)の面取りを実施できる。また例えば、面取りユニット(70)を複数台設置することにより、基板(5)の面取り作業が一度に実施でき、面取り作業に掛かる時間を大幅に短縮することができる。
【0061】
上記の各実施例で説明したトリミング装置(1)は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、各部の形状や寸法、構造、材質、操作手順などをこの実施形態のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
【0062】
例えば、上記の各実施例では、搬送ベルトと真空吸着部を水平方向に並設した作業台を用いたが、この作業台は他の構造であってもよく、その形状も矩形や他の任意の形状であってもよい。さらにこの作業台は、搬送ベルトに代えて他の移送手段を備えたものであってもよい。
【0063】
さらに上記の各実施例では、平面状部材として基板に貼付されたシート部材を用いたが、この基板や平面状部材は特定の形状や材質のものに限定されず、例えば熱線反射膜等を貼付した板ガラスなど、光電変換モジュール以外の基板であってもよく、上記のシート部材は一層からなるものであってもよい。上記の平面状部材から切り出す所定形状が、矩形や四角形に限定されないことは、いうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の、トリミング装置とこれに用いられるカッター交換装置は、トリミング装置の稼働効率を改善し、さらに交換作業を簡略にして作業員の負担を軽減しながら、しかも基板の周縁からはみ出たシート部材の余剰部を切除するので、光電変換モジュール等の基板に貼付されたシート部材のトリミング装置として特に好適であるが、他の用途の基板に貼付されたシート部材やその他の平面部材のトリミングにも好適である。
【符号の説明】
【0065】
1 …トリミング装置
6 …シート部材
8 …支持用移動台
9 …トリミングユニット
10 …制御装置
18 …回動軸心
22 …カッター
24 …柄部
25 …孔部(係止部の一例)
30 …カッター交換装置
31 …収納部
32 …保持部
33,33´…押圧手段
34 …スライダー
35 …平面部
35a …受取平面部
35b …阻止平面部
38 …斜面
45 …刃折検出手段
46 …落下防止バー
51 …板ばね
58,58´…保持安定バー
60 …検出手段
X …進行方向
Y …上下方向
Z …直交方向
F …前進姿勢
B …後退姿勢
t …幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明ガラス等の基板に貼付されたシート部材等からなる平面状部材を切断するカッターを有するトリミング装置に関し、さらに詳しくは、稼働効率を改善でき、さらに交換作業を簡略にして作業員の負担を軽減できるトリミング装置とこれに用いられるカッター交換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、光電変換モジュールはガラス基板の片面に接着層を介して、バックシート(平面状部材の一例)が貼付されているが、このバックシートはそのガラス基板の周囲からはみ出た状態に貼付されたのち、カッター等でガラス基板に沿って切断され、そのはみ出た余剰部が接着剤層とともに切除されている。この余剰部を切除するトリミング装置には、従来、搬送経路に沿って搬送される平面状部材を真空吸着部等で構成された作業台にて保持した後、この平面状部材に沿って移動され、平面状部材の余剰部を切除するトリミングユニットを備えたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。このトリミングユニットには、トリミングユニットの移動に伴い平面状部材を切断する金属製等のカッターが取り付けられている。
【0003】
また上記トリミング装置は、上記トリミングユニットを基板の周縁部に沿って水平方向へ移動可能に支持する支持用移動台を備えており、作業台に保持された基板の周縁部が所定の位置検出手段で検出され、その検出結果に基づいた制御で支持用移動台によりトリミングユニットが移動される。すなわち上記カッターが基板の周縁に沿って移動されるとともにカッターにより平面状部材が切断され、平面状部材の余剰分である基板からはみ出たシート部材等が切除されている。
【0004】
このようなトリミング装置では、平面状部材の切断が繰り返し実施されると、当然切断部材であるカッターに劣化が生じる。そのため、上記のカッターが使用限度となると、トリミング装置を停止させ、トリミングユニットに取り付けられているカッターを取り外し、新しいカッターをトリミングユニットに取り付け、トリミング装置が再起動され、カッターの交換作業が実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−320069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記交換作業は、シートあるいはカッターの材質、および切断速度によっても異なるが、例えば2時間に1度の割合で実施するのであれば、トリミング装置を1日使用する間の交換作業に係るトリミング装置の停止時間は多大なものとなり、トリミング装置の稼働効率を大幅に低下させる原因となっている。さらにこの交換作業は、作業員が手作業で行う等煩雑であり、作業員にとって大きな負担となっている。
【0007】
そこで本発明は、稼働効率を改善でき、さらに交換作業を簡略にして作業員の負担を軽減できるトリミング装置とこの装置に用いられるカッター交換装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するために、例えば本発明の実施の形態を示す図1から図15に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
即ち、本発明1はトリミング装置に用いられるカッター交換装置に関し、平面状部材(6)を切断するカッター(22)を備えたトリミング装置(1)に用いられるカッター交換装置(30)であって、前記カッター(22)を複数収納可能な収納部(31)と、前記カッター(22)を1つ保持する保持部(32)と、前記保持部(32)にて前記カッター(22)を押圧するよう出退自在に付勢された押圧手段(33)と、前記収納部(31)と前記保持部(32)との間で前記収納部(31)側から出退動され、出動時に前記収納部(31)から前記保持部(32)へカッター(22)を搬送するスライダー(34)を有し、前記スライダー(34)に、前記スライダー(34)が前進姿勢(F)にあるとき、前記押圧手段(33)とでカッター(22)を保持する平面部(35)を形成し、前記スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されると、前記平面部(35)と前記押圧手段(33)とで保持されたカッター(22)を解放することを特徴とするものである。
【0009】
本発明2はトリミング装置に関し、移動に伴い平面状部材(6)を切断するカッター(22)を備えた少なくとも1つのトリミングユニット(9)と、前記トリミングユニット(9)を平面状部材(6)の余剰部を切除する所定形状に沿って水平方向へ移動可能に支持する支持用移動台(8)を有するトリミング装置(1)であって、前記トリミングユニット(9)に、上記の本発明1のカッター交換装置(30)を設けたことを特徴とする。
【0010】
上記の本発明1または本発明2では、平面部と押圧手段とで保持されたカッターは、スライダーが前進姿勢から退動されると保持状態から解放され、重力の作用によりカッター交換装置から排出される。また収納部に収納されたカッターは、前記スライダーが後退姿勢から出動されると保持部へ搬送され、続けて前記スライダーが前進姿勢となるとスライダーの前記平面部と前記押圧手段により保持される。
【0011】
上記スライダーは、その出動時に収納部から保持部へカッターを1枚づつ搬送する構成であればよい。例えば、前記収納部へ収納されたカッターをスライダーへ向けて付勢する付勢手段を収納部に配設し、スライダーの平面部に先端から順に受取平面部と阻止平面部とを形成する構成としてもよい。この構成によれば、収納部に収納されたカッターがスライダーへ向けて付勢され、受取平面部が収納部とカッターの厚さ幅を設けて近接され、阻止平面部が収納部と密接されるため、前記スライダーが後退姿勢にあると、前記収納部から前記受取平面部へカッターを1枚づつ受け渡すことができ、このカッターを前記スライダーの出動にともなって保持部へ1枚づつ搬送することができる。また前記スライダーが後退姿勢にないとき、前記収納部と前記阻止平面部とが密接され、前記収納部からカッターが抜け落ちることを阻止することができる。
【0012】
上記付勢手段は、特定の材質や形状、用途のものに限定されるものではなく、収納部に収納されたカッターをスライダーへ向けて付勢する構成であればよい。例えば、内部に収納部を形成する箱体を設け、この箱体の底部にバネやゴム等の弾性体を設ける構成、または前記箱体の底部に出退自在なシリンダ装置、あるいはエアを噴出する噴出口を設ける構成としてもよい。これらの構成によれば、収納部に収納されたカッターをスライダーへ向けて付勢することができる。
【0013】
上記のカッターは平面状部材を切断する有形のものであればよく、特定の形状や構成のものに限定されない。例えば、このカッターの柄部に係止部を形成するものであってもよく、受取平面部に前記係止部へ出退自在に付勢され前記係止部を係止する落下防止バーを設け、押圧手段に前記係止部へ出退動され前記係止部を係止する保持安定バーを設ける。この構成によれば、スライダーが前進姿勢から退動される際に、保持安定バーに係止されたカッターは、摩擦等により受取平面部に連動されることがなく、保持部はカッターを良好に解放することができる。またスライダーが後退姿勢から出動される際に、カッターが落下防止バーに係止され、受取平面部に配置されたカッターの落下を防止することができる。なお落下防止バーは、スライダーが前進姿勢となると出動される保持安定バーにより押されて退動される。また保持安定バーは、スライダーが退動され次に前進姿勢となるまでの間で任意に退動される。
【0014】
上記の保持安定バーは、出退動される構成のものに限定されない。例えば、カッターの柄部に係止部を形成し、受取平面部に前記係止部へ出退自在に付勢され前記係止部を係止する落下防止バーを設け、押圧手段に前記係止部へ出退自在に前記落下防止バーより強く付勢され前記係止部を係止する保持安定バーを設ける構成としてもよい。この構成によれば、上記出退動される保持安定バーを設けた構成と同様の作用・効果を奏するとともに、保持安定バーを出退動させる構成を要せず、比較的安価に実施することができる。なお落下防止バーは、スライダーが前進姿勢となると、より強く付勢された保持安定バーにより退動される。また保持安定バーは、スライダーに搬送されるカッターと接触する際にカッターに押されて退動される。
【0015】
上記の押圧手段は、出退自在に付勢された構成のものであればよいが、例えば、スライダーに搬送されたカッターが押圧手段と最初に接触する前記押圧手段の接触面を、カッターの搬送方向に対して斜面に形成する構成としてもよい。この構成によれば、スライダーに搬送されるカッターと接触した押圧手段は、前記カッターの搬送にともない斜面に沿って押されて退動されるため、比較的スムーズに退動される。
【0016】
上記スライダーを出退動させて実施されるカッターの交換作業は、作業員による判断により、あるいは平面状部材の材質や切断速度等から設定される平面状部材の切断量により、または時間毎に実施してもよいが、例えば、保持状態のカッターを検出する刃折検出手段と、前記刃折検出手段に検出されるカッターの異常を判断し、前記スライダーを出退動させる制御装置を設ける構成としてもよい。この構成によれば、カッターに異常が起こるとスライダーが出退動されてカッターの交換作業が実施されるので、作業員による煩雑な作業を要することなくカッターの交換作業を実施することができる。
【0017】
上記収納部に収納されるカッターを補充するタイミングは、収納部を内部に形成する箱体に収納部を目視可能とする小窓を設け、この小窓から作業員により目視にて判断する、あるいは収納部にカッターを収納した枚数から、スライダーが出退動された回数を減算して判断してもよいが、例えば、収納部に収納されたカッターを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて報知する制御装置を設けて判断してもよい。この構成によれば、収納部からカッターが無くなると、収納部にカッターが無いことを報知できるとともに、例えば、収納部に収納されたカッターの枚数を検出すれば、収納部に収納されたカッターの残り枚数を報知することができ、これらの報知に応じて収納部へカッターを補充するタイミングを判断できる。
【0018】
上記の平面状部材は、特定の材質や形状、用途のものに限定されない。例えば、光電変換モジュールに用いられる、基板の一面側に被着されたシート部材等であってもよく、あるいは、ガラス基板等に被着された熱反射膜等の薄膜等であってもよい。この平面状部材がこれら基板に被着されたシート部材である場合、上記の所定形状はこの基板の周縁部で形成され、上記の切断手段がこの所定形状に沿って移動しながらシート部材を切断することにより、この基板の周縁からはみ出た余剰部が切除されて、余剰部を除いたシート部分が切り出される。また上記の平面状部材は、基板に被着されたシート部材に限らず、ガラスや金属、木材、合成樹脂などの板材や、布、合成樹脂フィルム、紙などのシート材であってもよく、上記の切断手段で切断可能な任意の材料のものを対象とすることができる。
【0019】
なお、上記の平面状部材が基板に被着されたシート部材である場合、これらのシート部材も特定の構造や材質のものに限定されない。例えば接着性を有するシート部材のみからなる1層構造のものであってもよく、或いは、接着性を有する第1シート部材と、この第1シート部材の表面に被着された耐候性向上のための第2シート部材とからなる2層構造のものであってもよい。またシート部材の材質としては、具体的には、例えばシリコン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルブチラール等の透明な合成樹脂が挙げられる。また上記の第2封止部としては、一枚構造のものと積層構造のものがあるが、一枚構造の第2封止部としては、商品名テドラー等のフッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等からなるシートが使用され、積層構造の第2封止部としては、前記フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等からなるシートの一面にアルミニューム等の金属フィルムやSiO2等の薄膜をラミネートした積層シートであってもよく、アルミニューム合金の薄膜の両面にEVAを積層してなる積層シートや、PETにEVAを積層してなる積層シート等であってもよい。
【0020】
さらに、上記の基板は透明ガラスに限らず、金属やその他の材質で形成されたものであってもよく、この基板に光電変換要素や電極等を付設したものであってもよい。これらの基板は、通常は四角形に形成されるが、四隅が円弧状など滑らかな曲線に形成されたものであってもよく、さらには、例えば長円形など、周縁が曲線形状であってもよい。またこの基板には、側面と上記の被着面との間に、周縁に沿って面取り部が形成してあってもよい。
【0021】
上記の所定形状は、四角形のほか、任意の形状に設定することができ、例えば、トリミングユニットを制御する制御手段にその所定形状を入力して設定することも可能である。しかし、上記の平面状部材が上記の基板の一面側に被着されたシート部材であり、基板の周縁からはみ出た余剰部を切除する場合は、その基板の周縁部が上記の所定形状となるので、その基板の形状を計測することで上記の所定形状を設定してもよい。例えばトリミング装置に基板の形状を検出する形状検出手段を付設しておき、上記のトリミングユニット等の移動に先立って、前記形状検出手段により上記の平面状部材の周縁位置等を検出し、その検出結果に基づき上記の所定形状を設定することができる。
【0022】
上記のトリミングユニットは、少なくとも1つ備えれば良いが、1台の支持用移動台に複数のトリミングユニットを付設してもよい。また、上記の支持用移動台を複数備え、例えば、一方の支持用移動台に1台のトリミングユニットを付設するとともに、他方の支持用移動台に2台のトリミングユニットを付設してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明のトリミング装置とこれに用いられるカッター交換装置によれば、上記のスライダーが出退動を1回行うことで、きわめて簡単に、且つ短時間でカッターを交換でき、カッターの交換作業を終了できることから、カッターの交換作業に掛かる時間を大幅に短縮でき、この交換作業に掛かるトリミング装置の停止時間を大幅に短縮でき、トリミング装置の稼働効率を改善できる。さらに煩雑なカッターの取り付けおよび取り外しの交換作業を要せず、交換作業を簡略にして作業員の負担を軽減できる。
【0024】
また本発明のトリミング装置とこの装置に用いられるカッター交換装置によれば、前進姿勢のスライダーが退動されるとカッターが解放されるので、このカッターを重力の作用により落下させることができ、この結果カッター交換装置からカッターが排出されるので、カッター交換装置から使用済のカッターを排出させる特別な構成を設ける必要がなく、カッター交換装置を安価に実施することができる。また収納部には複数のカッターが収納されることにより、カッターを収納部に補充することなく複数回連続してカッターを交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1におけるトリミング装置の平面図である。
【図2】同トリミング装置の縦断側面図である。
【図3】同トリミング装置のカッターの斜視図である。
【図4】同トリミング装置のトリミングユニットの側面図である。
【図5】同トリミング装置のカッター交換装置の正面図である。
【図6】(a)は、図5のA−A矢視断面図であり、(b)は、要部拡大図である。
【図7】同トリミング装置のカッター交換装置の概略平面図である。
【図8】同トリミング装置の収納部の(a)正面図、(b)側断面図、(c)一部切欠き平面図である。
【図9】図6のC−C矢視断面図である。
【図10】同トリミング装置のカッター交換装置の動作説明図である。
【図11】本発明の実施例2におけるトリミング装置のカッター交換装置の正面図である。
【図12】(a)は、図11のA−A矢視断面図であり、(b)は、要部拡大図である。
【図13】本発明の変形例を示すカッターの斜視図である。
【図14】本発明の実施例1の面取りユニットの平面図である。
【図15】同面取りユニットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図10は、本発明のカッター交換装置の第1実施例を示す。
図1・図2に示すように、このトリミング装置(1)は1台の作業台(2)を備えており、矩形に形成された光電変換モジュールなどの基板(5)が、この作業台(2)の上面(2a)に水平状態に載置される。この作業台上面(2a)には、基板(5)の搬送経路として水平方向に複数並設された搬送ベルト(3)と真空吸着部(4)とが設けてある。この真空吸着部(4)は、図2の仮想線に示すように上記の搬送ベルト(3)による移送面(3a)よりも上方の吸着位置(U)へ進出して、上記の基板(5)を持ち上げることができる。この真空吸着部(4)の吸着により、上記の基板(5)はその所定位置で移動不能に保持される。またこの真空吸着部(4)は、上記の吸着を解除して、その基板(5)の移動を阻害しないように上記の移送面(3a)よりも下方の退避位置(D)へ後退することができる。これにより、上記の基板(5)は搬送ベルト(3)の移送面(3a)に受け止められ、任意の位置や他の工程等へ移送される。
【0027】
なお、この第1実施例では上記の作業台は、移送手段として搬送ベルト(3)を備えた場合について説明したが、本発明はこの第1実施例のものに限定されない。例えば、作業台の上面に多数のエア噴出口を開口して、このエア噴出口から噴出されるエアにより、上記の基板(5)を浮上させて容易に移動できるようにしたものであってもよい。
【0028】
上記の搬送ベルト(3)で作業台(2)上に搬入された上記の基板(5)には、平面状部材の一例であるシート部材(6)が片面に貼付してある。このシート部材(6)の周縁部には、基板(5)の側面(5a)よりも外側にはみ出た余剰部(7)が形成されている。上記のトリミング装置(1)でこの余剰部(7)を切除することにより、上記の基板(5)の一面側に貼付されたシート部分(6a)が切り出される。
【0029】
上記のトリミング装置(1)は、シート部材(6)を切断するカッター(22)を備えた少なくとも1つのトリミングユニット(9)と、このトリミングユニット(9)を水平方向へ移動可能に支持する支持用移動台(8)を有している。この支持用移動台(8)に前記トリミングユニットが、シート部材(6)の余剰部(7)を切除する所定形状に沿って移動され、シート部材(6)から余剰部(7)が切除される。詳しくは、上記作業台(2)の上方に、作業台上面(2a)に沿って一方向へ移動可能に2台の支持用移動台(8)を設けてある。一方の第1支持用移動台(8a)には1台のトリミングユニット(9)を付設し、他方の第2支持用移動台(8b)には2台のトリミングユニット(9)を付設してある。第1支持用移動台(8a)に付設したユニット(9)と、第2支持用移動台(8b)に付設した2台のユニット(9)はそれぞれ、上記一方向とは直交する他方向へ、それぞれを支持する支持用移動台(8)に沿って移動可能に構成しており、これらの各トリミングユニット(9)と上記の各支持用移動台(8a,8b)は、作業台(2)の側方に配置された制御装置(10)で制御される。
【0030】
ここで上記のカッター(22)は、例えば、金属製のカッター(22)であって、図3に示すように前記カッター(22)には、カッター(22)を保持するための柄部(24)と、この柄部(24)の一端に線状の刃先(23)を形成している。また前記柄部(24)には、この柄部(24)を貫通する係止部の一例として孔部(25)を形成している。またカッター(22)は所定の厚さ幅(t)にて形成している。このカッター(22)によりシート部材(6)が切断される。
【0031】
図4に示すように、上記の各トリミングユニット(9)は、下面を開放したカバー(11)と、このカバー(11)の上方に配置されたモータ(12)と、このモータ(12)にギヤ部(13)を介して連動連結され上記のカバー(11)の上壁を貫通する回動軸(14)と、この回動軸(14)の下端に固定された支持部本体(15)と、この支持部本体(15)に支持された旋回部(16)とを備える。上記の回動軸(14)の回動軸心(18)は、上記の作業台上面(2a)と直交するよう設けられ、この回動軸(14)の回動により、上記の支持部本体(15)は上記の回動軸心(18)周りに回動される。
【0032】
上記の旋回部(16)は、支持部本体(15)に支持された旋回装置(21)と、この旋回装置(21)により旋回中心(19)にて旋回される旋回板(20)を備えている。また旋回板(20)には、上記のカッター(22)を保持する一対のカッター交換装置(30)を付設してある。よってカッター交換装置(30)に保持された各カッター(22)は、この旋回部(16)を介して上記の支持部本体(15)に支持されている。また各カッター(22)は、上記の回動軸心(18)を挟んで互いに進行方向の反対側に、それぞれの刃先を互いに対向する進行方向へ向けた状態で各カッター交換装置(30)に保持されている。
【0033】
上記の各カッター(22)の刃先(23)には、上記のシート部材(6)を切断する切断ポイント(P)が設定されている。この切断ポイント(P)は、回動軸心(18)を下方へ延長した同軸上に設定され、上記の支持部本体(15)が回動されても、上記のトリミングユニット(9)に対し同じ相対的位置に維持される。また切断ポイント(P)は、旋回中心(19)を通過するよう設定され、上記の旋回板(20)が旋回されても、上記のトリミングユニット(9)に対し同じ相対的位置に維持される。従って、このトリミングユニット(9)が前記の基板(5)の周縁に沿って移動されることで、カッター(22)の刃先(23)に設定された切断ポイント(P)が基板(5)の周縁に沿って移動され、この切断ポイント(P)の位置でシート部材(6)が切断される。
【0034】
図5〜図7に示すように、上記の各カッター交換装置(30)は、カッター(22)を複数収納可能な収納部(31)と、カッター(22)を1つ保持する保持部(32)と、この保持部(32)にてカッター(22)を押圧する押圧手段(33)と、収納部(31)と保持部(32)との間で収納部(31)側から出退動されるスライダー(34)を有している。前記スライダー(34)が後退姿勢(B)から出動されると、収納部(31)から保持部(32)へカッター(22)が搬送される。また前記スライダー(34)には、平面部(35)が形成され、スライダー(34)が前進姿勢(F)にあるとき、平面部(35)と押圧手段(33)とでカッター(22)が保持され、スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されると、平面部(35)と押圧手段(33)とで保持されたカッター(22)が解放される。
【0035】
またカッター交換装置(30)は、収納部(31)と保持部(32)とを連結するレール部材(36)と、スライダー(34)を出退動するシリンダ装置(37)を有している。前記レール部材(36)は内部に、前記スライダー(34)の出退動を案内するレール(36a)を有しており、上記のスライダー(34)は、シリンダ装置(37)によりレール(36a)に沿って出退動される。ここで上下方向を(Y)、上記のカッター(22)の進行方向を(X)、この進行方向(X)と直交する直交方向を(Z)とする。また上記の前進姿勢(F)は、シリンダ装置(37)に出動される上記のスライダ(34)が、最も出動された姿勢にあることを示し、上記の後退姿勢(B)は、シリンダ装置(37)に退動される上記のスライダ(34)が、最も退動された姿勢にあることを示す。
【0036】
またカッター交換装置(30)は、旋回板(20)に固定された昇降バー(40)と、この昇降バー(40)に沿って昇降される昇降板(41)と、この昇降板(41)と上記のレール部材(36)とを連結する固定部材(42)を有しており、旋回板(20)に付設されている。またカッター交換装置(30)は、上記の昇降板(41)を昇降する昇降用シリンダ(43)を有しており、前記昇降用シリンダ(43)が上記の旋回板(20)に固定されている。この昇降用シリンダ(43)と、上記の昇降バー(40)と、上記の昇降板(41)とから昇降装置(44)が構成され、この昇降装置(44)により、図5に仮想線で示すように、カッター交換装置(30)が上昇される。
【0037】
上記の昇降バー(40)の底部には、カッター(22)の刃先(23)を検出する刃折検出手段(45)が固定されている。この刃折検出手段(45)は、上記の昇降装置(44)に上昇された状態にあるカッター交換装置(30)の保持部(32)で保持されたカッター(22)の刃先(23)、特に上記の切断ポイント(P)を検出し、この検出結果を上記の制御装置(10)へと送信する。この検出結果に基づいて制御装置(10)が異常を判断すると、スライダー(34)が駆動され、カッター(22)の交換作業を実施することができる。
【0038】
また上記のスライダー(34)の平面部(35)には、先端から順に受取平面部(35a)と阻止平面部(35b)が形成されている。この受取平面部(35a)は上記の収納部(31)とカッター(22)の厚さ幅(t)を設けて近接するよう形成され、また阻止平面部(35b)は上記の収納部(31)と密接するよう形成されている。すなわち上記の受取平面部(35a)と上記の阻止平面部(35b)とは、上記の平面部(35)に、カッター(22)の厚さ幅(t)の段差を有して連設されている。この構成によれば、スライダー(34)が後退姿勢(B)にないとき、収納部(31)からカッター(22)が抜け落ちることを阻止できるとともに、スライダー(34)が後退姿勢(B)にあるとき、カッター(22)を取出すことができる。また受取平面部(35a)が、収納部(31)とカッター(22)の厚さ幅(t)でのみ近接しているので、収納部(31)から受取平面部(35a)へカッター(22)を1枚づつ受け渡すことができる。
【0039】
上記のスライダー(34)の受取平面部(35a)には、受取平面部(35a)へ受け渡されたカッター(22)の孔部(25)へ嵌め合わされる落下防止バー(46)を設けている。詳しくは図6の要部拡大図に示すように、落下防止バー(46)を、バー(46a)と、受取平面部(35a)に形成された孔より大径な頭部(46b)から形成するとともに、この頭部(46b)を付勢する板ばね(46c)がボルト(46d)等でスライダー(34)に固定されている。すなわち落下防止バー(46)は、スライダー(34)から抜け落ちることなく、かつ受取平面部(35a)を貫通して形成された孔から出退自在に付勢されている。よってスライダー(34)が後退姿勢(B)のとき、受取平面部(35a)に配置されたカッター(22)の孔部(25)が落下防止バー(46)に係止され、カッター(22)が受取平面部(35a)から落下することを防止できる。
【0040】
また上記の収納部(31)は、箱体のカートリッジ(48)の内部に空間として形成されている。すなわち収納部(31)が、カッター(22)のサイズに合わせて形成されるとともに、カッター(22)が例えば10枚程度重ねて収納可能に形成されている。図8(a)〜(c)に示すように、上記のカートリッジ(48)は、左右一対の側面および上下の面から形成された枠体(49)と、この枠体(49)の一方の解放面にボルト(50)等で着脱自在な蓋体(50)から形成されている。この蓋体(50)の内側には、収納部(31)に収納されたカッター(22)を付勢する板ばね(51)と、この板ばね(51)を固定するボルト(52)等が付設されている。また枠体(49)の側面にはそれぞれ、収納部(31)からカッター(22)の厚さ幅(t)を設けてカギ部(53)が形成されている。このカギ部(53)により、前記板ばね(51)に付勢されたカッター(22)が他方の解放面から抜け落ちることを防止できる。
【0041】
上記のカートリッジ(48)の蓋体(50)には、枠体(49)を貫通する左右一対の取付ハンドル(54)が設けられている。カートリッジ(48)は、各取付ハンドル(54)により、上記のレール部材(36)に着脱自在に構成されている。これにより収納部(31)からカッター(22)が無くなった際には、カートリッジ(48)を取り外した後、複数のカッター(22)が収納されたカートリッジ(48)と交換できる。また上記のカートリッジ(48)の構成では、カートリッジ(48)に収納されたカッター(22)は、板ばね(51)に付勢され収納部(31)からカギ部(53)へと送られ、このカッター(22)だけを上下の面の方向から取り出すことができる。
【0042】
また上記の保持部(32)は、図9に示すように、押圧手段(33)を付勢するばね体(56)と、このばね体(56)とともに押圧手段(33)をレール部材(36)に付設する一対の付勢ボルト(57)を有している。これにより上記の押圧手段(33)は、スライダー(34)の受取平面部(35a)に対して出退自在に付勢されている。このとき押圧手段(33)は、スライダー(34)に搬送されるカッター(22)の刃先(23)の先端と接触しない位置に迄出動される(実施例1にあっては、カッター(22)の厚さ幅(t)の半分以下で出動される)。これによりカッター(22)の搬送に伴い、カッター(22)の刃先(23)の側面で押圧手段(33)が押されて、押圧手段(33)が退動されるとともに、スライダー(34)に搬送されたカッター(22)を、受取平面部(35a)と押圧手段(33)との間で保持できる。
【0043】
上記の押圧手段(33)には、この押圧手段(33)を貫通する保持安定バー(58)を設けている。この保持安定バー(58)は、シリンダ装置(59)に連結され、このシリンダ装置(59)により出退動される。よってスライダー(34)に搬送されたカッター(22)が、スライダー(34)の受取平面部(35a)と押圧手段(33)との間で保持された後、保持安定バー(58)が、カッター(22)の孔部(25)に嵌め合わされた落下防止バー(46)を退動させるとともに、カッター(22)の孔部(25)へ嵌め合わされる。よってスライダー(34)が前進姿勢(F)(孔部(25)に保持安定バー(58)が嵌め合わされた状態)から退動されても、カッター(22)は保持安定バー(58)に係止され、摩擦等により受取平面部(35a)に連動されず、その後カッター(22)を重力の作用により落下させることができる。
【0044】
上記の押圧手段(33)は、スライダー(34)に搬送されたカッター(22)と最初に接触する接触面を、カッター(22)の搬送方向に対して斜面(38)に形成している。この構成により、スライダー(34)に搬送されるカッター(22)と、付勢されて出動状態の押圧手段(33)とが接触すると、押圧手段(33)をよりスムーズに退動できる。なおこの斜面(38)は例えば局面としてもよく、同様に押圧手段(33)をよりスムーズに退動できる。また例えば押圧手段(33)を弾性体から形成するのであれば、スライダー(34)に搬送されるカッター(22)が押圧手段(33)を押す際に、押圧手段(33)に変形が起こり、押圧手段(33)をよりスムーズに退動できる。
【0045】
また上記のカートリッジ(48)の蓋体(50)には、カートリッジ(48)内を目視可能にする小窓(55)が形成されている。また上記のシリンダ装置(59)の上部には、前記小窓(55)からカートリッジ(48)に収納されたカッター(22)の有無を検出する検出手段(60)が設けられている。この検出手段(60)の検出結果は上記の制御装置(10)へと送信され、制御装置(10)では、カートリッジ(48)に収納されたカッター(22)の枚数が判断される。なお検出手段(60)は、例えば板ばね(51)の変形量を検出し、あるいはカートリッジ(48)に収納される複数のカッター(22)の厚さ幅(t)の総量を検出するものとしてもよく、制御装置(10)ではこれらの検出結果に基づいて、カートリッジ(48)に収納されたカッター(22)の枚数が判断される。よって制御装置(10)から収納部(31)に収納されたカッター(22)の枚数、あるいは収納部(31)に収納されたカッター(22)の有無を報知でき、これに応じてカートリッジ(48)の交換、あるいはカートリッジ(48)にカッター(22)を補充するタイミングを判断することができる。
【0046】
以下、上記のように構成された本発明の第1実施例におけるトリミング装置(1)に用いるカッター交換装置(30)の動作を図10(a)〜(d)に基づいて説明する。
図10(a)は、スライダー(34)が前進姿勢(F)にあり、カッター(22a)が受取平面部(35a)と押圧手段(33)との間で保持されている。また保持安定バー(58)がカッター(22a)の孔部(25a)に嵌め合わされ、落下防止バー(46)が保持安定バー(58)により退動されている状態を示す。このときカートリッジ(48)内の複数のカッター(22b,22c,22d…)は、板ばね(51)に付勢されてはいるものの、阻止平面部(35b)に阻止されて、収納部(31)内に収納されている。
【0047】
上記の図10(a)に示す状態から昇降用シリンダ(43)が駆動され、刃折検出手段(45)の検出結果に基づいて、制御装置(10)にてカッター(22a)の異常が判断されると、制御装置(10)は、シリンダ装置(37)によりスライダー(34)を退動させる。これにより図10(b)に示すように、受取平面部(35a)と押圧手段(33)との間で保持されたカッター(22a)は、一方の保持を無くして解放され、カッター交換装置(30)より重力の作用により落下される。また板ばね(46c)に付勢された落下防止バー(46)が出動される。このときカートリッジ(48)内の複数のカッター(22b,22c,22d…)は、板ばね(51)に付勢されてはいるものの、未だ阻止平面部(35b)に阻止されて、収納部(31)内に収納されている。
【0048】
図10(c)に示すように、スライダー(34)がさらに退動され、スライダー(34)が後退姿勢(B)となると、阻止平面部(35b)が収納部(31)の上方に位置される。よって板ばね(51)に付勢されたカートリッジ(48)内の複数のカッター(22b,22c,22d…)の内カッター(22b)が、収納部(31)からカギ部(53)、すなわち受取平面部(35a)に受け渡される。このときカッター(22b)の孔部(25b)には、板ばね(46c)に付勢された落下防止バー(46)が嵌め合わされる。また保持安定バー(58)が退動された状態となっているが、保持安定バー(58)は、スライダー(34)が退動された時から、後記するスライダー(34)が出動される迄の間に退動されればよい。
【0049】
図10(d)に示すように、後退姿勢(B)にあるスライダー(34)が出動されると、受取平面部(35a)のカッター(22b)が保持部(32)へ向けて搬送される。このときカッター(22b)の刃先(23b)の側面が押圧手段(33)と接触すると、押圧手段(33)がカッター(22b)に押されて退動される。またカートリッジ(48)内の複数のカッター(22c,22d…)は、阻止平面部(35b)に阻止されて、収納部(31)内に収納されている。この後、図10(a)に示すように、スライダー(34)が前進姿勢(F)となると、保持安定バー(58)が出動され、保持安定バー(58)がカッター(22b)の孔部(25b)に嵌め合わされた落下防止バー(46)を退動させるとともに、保持安定バー(58)がカッター(22b)の孔部(25b)へ嵌め合わされ、カッター(22)の交換が終了される。
【0050】
以上のように、本発明の第1実施例によれば、スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されるとカッター(22)は、平面部(35)の受取平面部(35a)と押圧手段(33)とで保持された状態から解放されて重力の作用により落下される。またスライダー(34)が後退姿勢(B)から出動されると、収納部(31)からカッター(22)が保持部(32)へ搬送され、スライダー(34)が前進姿勢(F)となると、カッター(22)がスライダー(34)の平面部(35)と押圧手段(33)により保持される。すなわちスライダー(34)が出退動を1回行うことで、きわめて簡単に、且つ短時間でカッターを交換でき、カッター(22)の交換作業を終了できることから、カッター(22)の交換作業に掛かる時間を大幅に短縮でき、この交換作業に掛かるトリミング装置(1)の停止時間を大幅に短縮でき、トリミング装置(1)の稼働効率を改善できる。さらに煩雑なカッター(22)の取り付けおよび取り外しの交換作業を要せず、交換作業を簡略にして作業員の負担を軽減できる。
【0051】
また本発明の第1実施例によれば、前進姿勢(F)のスライダー(34)が退動されるとカッター(22)が解放されるので、このカッター(22)を重力の作用により落下させることができ、この結果カッター交換装置(30)からカッター(30)が排出されるので、カッター交換装置(30)から使用済のカッター(22)を排出させる特別な構成を設ける必要がなく、カッター交換装置(30)を安価に実施することができる。
【0052】
図11と図12は、本発明のカッター交換装置の第2実施例を示す。
図11または図12に示すように、本発明の第2実施例では、押圧手段(33´)に、落下防止バー(46)より強く付勢された出退自在な保持安定バー(58´)を設けている。すなわち図12の拡大断面図に示すように、一対のボールプランジャ(62,63)を設け、一方のボールプランジャ(62)は、一端が解放された円筒部材(64)と、この円筒部材(64)内に付勢手段としてのばね体(65)と、このばね体(65)に付勢された押圧体(66)から構成している。また他方のボールプランジャ(63)は、一端が解放された円筒部材(67)と、この円筒部材(67)内に付勢手段としてのばね体(68)と、このばね体(68)に付勢された保持安定バー(58´)から構成している。このばね体(68)は、保持安定バー(58´)を落下防止バー(46)より強く付勢する。また各円筒部材(64,67)にはネジ切加工がされ、一対のボールプランジャ(62,63)がレール部材(36)に取り付けられている。
【0053】
上記の実施例2によれば、上記の実施例1と同様の効果を奏するとともに、スライダー(34)が前進姿勢(F)となると、カッター(22)をスライダー(34)の受取平面部(35a)と押圧体(66)との間で保持できる。さらにこのとき保持安定バー(58´)により落下防止バー(46)を退動できるとともに、保持安定バー(58´)がカッター(22)の孔部(25)へ嵌め合わされ、スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されても、カッター(22)は保持安定バー(58)に係止され、摩擦等により受取平面部(35a)に連動されることなく解放され、その後カッター(22)を重力の作用により落下させることができる。なお、他の構成は上記の第1実施例と同様であり、同様に作用するので、その詳細な説明を省略する。
【0054】
なお上記の各実施例では、検出手段(60)の検出結果に基づいて制御装置(10)から、収納部(31)内のカッター(22)の有無、あるいは残数を報知する構成としているが、この構成はこれに限定されることなく、例えば、収納部(31)に収納されたカッター(22)の所定枚数から、スライダー(34)の駆動回数を減算して、カッター(22)の有無、あるいは残数を報知する構成、あるいは作業員が小窓(55)を目視して、収納部(31)内のカッター(22)の有無、あるいは残数を確認する構成としてもよい。
【0055】
また上記の各実施例では、刃折検出手段(45)の検出結果に基づいて制御装置(10)によりスライダー(34)を駆動する構成としているが、この構成はこれに限定されることなく、例えば、シート部材(6)の切断面を検出し、この切断面の形状に基づいて制御装置(10)によりスライダー(34)を駆動する構成、あるいは作業員にカッター(22)の刃こぼれが確認された場合や、前記切断面の異常が確認された場合に、スライダー(34)を駆動する構成としてもよい。
【0056】
また上記の各実施例では、カッター(22)の柄部(24)に、係止部としての孔部(25)を形成しているが、係止部を孔部(25)に限定するものではなく、例えば、図13に示すようなカッター(22)の係止部であってもよい。図13(a)は、カッター(22)の柄部(24)にカギ状の係止部が形成されたものである。また図13(b)は、少なくとも2つのカギ状の係止部が形成されたものである。また図13(c)は、少なくとも2つの孔部からなる係止部が形成されたものである。なお図13(b)または(c)に示すカッター(22)を用いる場合、係止部に嵌め合わされる、落下防止バー(46)および保持安定バー(58,58´)の形状は、各係止部の形状に応じて形成される。
【0057】
また上記の各実施例では、その詳細な説明を省略したが、トリミング装置(1)は、面取りされた基板(5)に貼付されたシート部材(6)の面取り作業を実施する少なくとも1つの面取りユニット(70)を備えてもよい。前記面取りユニット(70)は、図14または図15に示すように、保持された基板(5)の角に向けて設置されたレール(71)と、前記レール(71)に沿って出退動される基台(72)と、前記基台(72)に垂直方向の回転軸(73)を介して設けられた回転基台(74)と、前記回転基台(74)上でテーブル(75)に軸支された駆動軸(76)と、前記駆動軸(76)の一端に連動連結されたグラインダ(77)と、前記駆動軸(76)の他端に設けられたモータ(78)と、前記回転基台(74)の先端に設けられた一対の誘導輪(79)から構成されている。前記誘導輪(79)は、グラインダ(77)と等しい高さ位置に設けられている。またグラインダ(77)は、例えば、発泡バフ等のソフトな研削部を有し、基板(5)を研削することなくシート部材(6)を研削することができる。
【0058】
上記の面取りユニット(70)は、基板(5)に貼付されたシート部材(6)の面取り作業を実施する際に、モータ(78)により駆動軸(76)を介してグラインダ(77)が回転されて、レール(71)に沿って基台(72)が出動される。すなわち回転されたグラインダ(77)が、真空吸着部(4)に保持された基板(5)の角に向けて出動され、基板(5)に貼付されたシート部材(6)の面取りが開始される。次に面取り作業が実施され、基板(5)の側面(5a)と両方の誘導輪(79)とが接触すると、すなわちグラインダ(77)と基板(5)の面取りされた面とが接触する位置にまで基台(72)が出動され、シート部材(6)を基板(5)の面取りに沿って面取りできる。この後、基台(72)が退動されて、グラインダ(77)が停止される。
【0059】
また上記の面取り作業中に、一方の誘導輪(79)が基板(5)の側面(5a)と接触しても、すなわち保持された基板(5)にずれが生じていても、回転軸(73)を回転中心として回転基台(74)が旋回され、基板(5)の側面(5a)と両方の誘導輪(79)が接触するまで基台(72)が出動され、シート部材(6)を基板(5)の面取りに沿って面取りできる。
【0060】
上記の面取りユニット(70)によれば、基板(5)の形状に応じてシート部材(6)の面取りを実施できる。また例えば、面取りユニット(70)を複数台設置することにより、基板(5)の面取り作業が一度に実施でき、面取り作業に掛かる時間を大幅に短縮することができる。
【0061】
上記の各実施例で説明したトリミング装置(1)は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、各部の形状や寸法、構造、材質、操作手順などをこの実施形態のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
【0062】
例えば、上記の各実施例では、搬送ベルトと真空吸着部を水平方向に並設した作業台を用いたが、この作業台は他の構造であってもよく、その形状も矩形や他の任意の形状であってもよい。さらにこの作業台は、搬送ベルトに代えて他の移送手段を備えたものであってもよい。
【0063】
さらに上記の各実施例では、平面状部材として基板に貼付されたシート部材を用いたが、この基板や平面状部材は特定の形状や材質のものに限定されず、例えば熱線反射膜等を貼付した板ガラスなど、光電変換モジュール以外の基板であってもよく、上記のシート部材は一層からなるものであってもよい。上記の平面状部材から切り出す所定形状が、矩形や四角形に限定されないことは、いうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の、トリミング装置とこれに用いられるカッター交換装置は、トリミング装置の稼働効率を改善し、さらに交換作業を簡略にして作業員の負担を軽減しながら、しかも基板の周縁からはみ出たシート部材の余剰部を切除するので、光電変換モジュール等の基板に貼付されたシート部材のトリミング装置として特に好適であるが、他の用途の基板に貼付されたシート部材やその他の平面部材のトリミングにも好適である。
【符号の説明】
【0065】
1 …トリミング装置
6 …シート部材
8 …支持用移動台
9 …トリミングユニット
10 …制御装置
18 …回動軸心
22 …カッター
24 …柄部
25 …孔部(係止部の一例)
30 …カッター交換装置
31 …収納部
32 …保持部
33,33´…押圧手段
34 …スライダー
35 …平面部
35a …受取平面部
35b …阻止平面部
38 …斜面
45 …刃折検出手段
46 …落下防止バー
51 …板ばね
58,58´…保持安定バー
60 …検出手段
X …進行方向
Y …上下方向
Z …直交方向
F …前進姿勢
B …後退姿勢
t …幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状部材(6)を切断するカッター(22)を備えたトリミング装置に用いられるカッター交換装置であって、
前記カッター(22)を複数収納可能な収納部(31)と、
前記カッター(22)を1つ保持する保持部(32)と、
前記保持部(32)にて前記カッター(22)を押圧するよう出退自在に付勢された押圧手段(33,33´)と、
前記収納部(31)と前記保持部(32)との間で前記収納部(31)側から出退動され、出動時に前記収納部(31)から前記保持部(32)へカッター(22)を搬送するスライダー(34)と
を有し、
前記スライダー(34)に平面部(35)を形成し、前記スライダー(34)が前進姿勢(F)にあるとき、前記平面部(35)と前記押圧手段(33,33´)とでカッター(22)を保持し、
前記スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されると、前記平面部(35)と前記押圧手段(33,33´)とで保持されたカッター(22)を解放すること
を特徴とする、トリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項2】
前記収納部(31)に、前記収納部(31)に収納されたカッター(22)を前記スライダー(34)へ向けて付勢する付勢手段(51)を配設し、
前記スライダー(34)の前記平面部(35)へ先端から順に受取平面部(35a)と阻止平面部(35b)とを形成し、
前記受取平面部(35a)は、前記収納部(31)とカッター(22)の厚さ幅(t)を設けて近接し、前記収納部(31)からカッター(22)を受け取り、前記阻止平面部(35b)は、前記収納部(31)と密接し、前記スライダー(34)が後退姿勢(B)にないときカッター(22)の取出しを阻止すること
を特徴とする、請求項1に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項3】
前記カッター(22)の柄部(24)に、前記柄部(24)を貫通する係止部(25)を形成し、
前記受取平面部(35a)に、前記係止部(25)へ出退自在に付勢され、前記収納部(31)から受け取ったカッター(22)の前記係止部(25)を係止する落下防止バー(46)を設け、
前記押圧手段(33)に、前記係止部(25)へ出退動され、前記スライダー(34)が前進姿勢(F)のときカッター(22)の前記係止部(25)を係止する保持安定バー(58)を設けたこと
を特徴とする、請求項2に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項4】
前記カッター(22)の柄部(24)に、前記柄部(24)を貫通する係止部(25)を形成し、
前記受取平面部(35a)に、前記係止部(25)へ出退自在に付勢され、前記収納部(31)から受け取ったカッター(22)の前記係止部(25)に嵌め合わされる落下防止バー(46)を設け、
前記押圧手段(33´)に、前記係止部(25)へ出退自在に前記落下防止バー(46)より強く付勢され、前記スライダー(34)が前進姿勢(F)のときカッター(22)の前記係止部(25)に嵌め合わされる保持安定バー(58´)を設けたこと
を特徴とする、請求項2に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項5】
前記スライダー(34)に搬送されたカッター(22)が、前記押圧手段(33,33´)と最初に接触する前記押圧手段(33,33´)の接触面を前記カッター(22)の搬送方向に対して斜面に形成すること
を特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項6】
保持状態のカッター(22)を検出する刃折検出手段(45)と、
前記刃折検出手段(45)の検出結果に基づいて、カッター(22)の異常を判断して前記スライダー(34)を出退動させる制御装置(10)と
を設けたこと
を特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項7】
前記収納部(31)に収納されたカッター(22)を検出する検出手段(60)と、
前記検出手段(60)の検出結果に基づいて報知する制御装置(10)と
を設けたこと
を特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項8】
移動に伴い平面状部材(6)を切断するカッター(22)を備えた少なくとも1つのトリミングユニット(9)と、前記トリミングユニット(9)を平面状部材(6)の余剰部(7)を切除する所定形状に沿って水平方向へ移動可能に支持する支持用移動台(8)を有するトリミング装置であって、
前記トリミングユニット(9)に、上記請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のカッター交換装置を設けたことを特徴とする、トリミング装置。
【請求項1】
平面状部材(6)を切断するカッター(22)を備えたトリミング装置に用いられるカッター交換装置であって、
前記カッター(22)を複数収納可能な収納部(31)と、
前記カッター(22)を1つ保持する保持部(32)と、
前記保持部(32)にて前記カッター(22)を押圧するよう出退自在に付勢された押圧手段(33,33´)と、
前記収納部(31)と前記保持部(32)との間で前記収納部(31)側から出退動され、出動時に前記収納部(31)から前記保持部(32)へカッター(22)を搬送するスライダー(34)と
を有し、
前記スライダー(34)に平面部(35)を形成し、前記スライダー(34)が前進姿勢(F)にあるとき、前記平面部(35)と前記押圧手段(33,33´)とでカッター(22)を保持し、
前記スライダー(34)が前進姿勢(F)から退動されると、前記平面部(35)と前記押圧手段(33,33´)とで保持されたカッター(22)を解放すること
を特徴とする、トリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項2】
前記収納部(31)に、前記収納部(31)に収納されたカッター(22)を前記スライダー(34)へ向けて付勢する付勢手段(51)を配設し、
前記スライダー(34)の前記平面部(35)へ先端から順に受取平面部(35a)と阻止平面部(35b)とを形成し、
前記受取平面部(35a)は、前記収納部(31)とカッター(22)の厚さ幅(t)を設けて近接し、前記収納部(31)からカッター(22)を受け取り、前記阻止平面部(35b)は、前記収納部(31)と密接し、前記スライダー(34)が後退姿勢(B)にないときカッター(22)の取出しを阻止すること
を特徴とする、請求項1に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項3】
前記カッター(22)の柄部(24)に、前記柄部(24)を貫通する係止部(25)を形成し、
前記受取平面部(35a)に、前記係止部(25)へ出退自在に付勢され、前記収納部(31)から受け取ったカッター(22)の前記係止部(25)を係止する落下防止バー(46)を設け、
前記押圧手段(33)に、前記係止部(25)へ出退動され、前記スライダー(34)が前進姿勢(F)のときカッター(22)の前記係止部(25)を係止する保持安定バー(58)を設けたこと
を特徴とする、請求項2に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項4】
前記カッター(22)の柄部(24)に、前記柄部(24)を貫通する係止部(25)を形成し、
前記受取平面部(35a)に、前記係止部(25)へ出退自在に付勢され、前記収納部(31)から受け取ったカッター(22)の前記係止部(25)に嵌め合わされる落下防止バー(46)を設け、
前記押圧手段(33´)に、前記係止部(25)へ出退自在に前記落下防止バー(46)より強く付勢され、前記スライダー(34)が前進姿勢(F)のときカッター(22)の前記係止部(25)に嵌め合わされる保持安定バー(58´)を設けたこと
を特徴とする、請求項2に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項5】
前記スライダー(34)に搬送されたカッター(22)が、前記押圧手段(33,33´)と最初に接触する前記押圧手段(33,33´)の接触面を前記カッター(22)の搬送方向に対して斜面に形成すること
を特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項6】
保持状態のカッター(22)を検出する刃折検出手段(45)と、
前記刃折検出手段(45)の検出結果に基づいて、カッター(22)の異常を判断して前記スライダー(34)を出退動させる制御装置(10)と
を設けたこと
を特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項7】
前記収納部(31)に収納されたカッター(22)を検出する検出手段(60)と、
前記検出手段(60)の検出結果に基づいて報知する制御装置(10)と
を設けたこと
を特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のトリミング装置に用いられるカッター交換装置。
【請求項8】
移動に伴い平面状部材(6)を切断するカッター(22)を備えた少なくとも1つのトリミングユニット(9)と、前記トリミングユニット(9)を平面状部材(6)の余剰部(7)を切除する所定形状に沿って水平方向へ移動可能に支持する支持用移動台(8)を有するトリミング装置であって、
前記トリミングユニット(9)に、上記請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のカッター交換装置を設けたことを特徴とする、トリミング装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−61573(P2012−61573A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208919(P2010−208919)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(392030162)株式会社尼崎工作所 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(392030162)株式会社尼崎工作所 (10)
【Fターム(参考)】
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