説明

トリム屑誘導装置

【課題】従来構成は、スクラップボーラにトリム屑が巻き取られていない場合に、作業員がトリム屑の端部をスクラップボーラまで搬送する必要があるので、慎重な作業が必要となり、作業員の負担が大きくなっている。
【解決手段】トリム屑4を把持する把持器具10を設けるとともに、把持器具10にワイヤー11を接続し、把持器具10の移動経路にスクラップボーラ1の軸1aの近傍が含まれるようにシーブ12a,12bを配置する。そして、把持器具10によりトリム屑4を把持した後に、巻取機13によりワイヤー11を巻き取ることで、トリム屑4をスクラップボーラ1まで誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状対象物の幅方向端部をトリムすることで発生したトリム屑をスクラップボーラまで誘導するためのトリム屑誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記の特許文献1等に示されているように、製鋼所等では、圧延過程で鋼板に生じた板幅寸法の不均一を整えるために、鋼板の幅方向端部をトリム(切除)することが行われている。図7は、従来のトリミング設備を示す構成図である。図において、トリミング装置5は、回転丸刃等により構成される切断部5aを有するものであり、鋼板6の幅方向端部をトリムする。トリミング装置5の下部には、鋼板6の幅方向端部がトリムされることで発生したトリム屑4が落下されるトリム屑ピット7が形成されている。トリム屑ピット7には、トリム屑4を巻き取るためのスクラップボーラ1が設けられている。
【0003】
スクラップボーラ1に巻き取られているトリム屑4が存在する場合、トリム屑ピット7の内部又は外部において、先行するトリム屑4の後端4aと、後続のトリム屑4の先端4bとを連結することで、後続のトリム屑4がスクラップボーラ1まで誘導される。一方で、例えばスクラップボーラ1を取り替えた直後等、スクラップボーラ1にトリム屑4が巻き取られていない場合には、作業員がトリム屑ピット7に入り、トリム屑ピット7に落下したトリム屑4の端部を探し出す。そして、防刃手袋を装着した状態で作業員がトリム屑4の端部を把持し、当該端部をスクラップボーラ1まで搬送することで、トリム屑4をスクラップボーラ1まで誘導する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−198753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来構成では、スクラップボーラ1にトリム屑4が巻き取られていない場合に、作業員が人手によりトリム屑4をスクラップボーラ1まで搬送する必要があるので、作業員の負担が大きくなっている。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、作業員の負担を低減でき、作業効率を向上できるトリム屑誘導装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るトリム屑誘導装置は、帯状対象物の幅方向端部をトリムすることで発生したトリム屑を把持する把持器具と、把持器具に接続されたワイヤーと、ワイヤーを巻き取る巻取機とを備え、把持器具によりトリム屑が把持された後に、巻取機にワイヤーが巻き取られることで、トリム屑がスクラップボーラまで誘導されるように構成されている。
【0008】
また、把持器具は、長手状の基板と、基板に取付けられた把持器具本体とを有しており、把持器具本体は、基板の長手方向に沿って延在された長孔、及び長手方向に沿って長孔から離れた位置に設けられた第1軸孔をそれぞれ有するとともに、互いに基板の短手方向に離間して基板に固定された一対の腕部と、腕部間に配置されるとともに軸体を介して長孔に軸支されたレバー部材と、レバー部材の先端部が基板に近づく方向へのレバー部材の回動を所定の回動位置にて規制する回動規制部と、長手方向に関して長孔と第1軸孔との間に位置する第2軸孔を有するとともに、レバー部材と一体に設けられた軸支部と、短手方向に沿う軸支部の両端に配置されるとともに、一端が第2軸孔に軸支された一対のリンク部材と、腕部間に配置されるとともに、第1軸孔及び各リンク部材の他端に軸支された把持部材とを有しており、長孔に軸支された軸体を中心として、先端部が基板に近づく方向にレバー部材が回動されることで、把持部材の外面と基板との間にトリム屑を挟み込むように把持部材の外面が基板に近接され、レバー部材が長孔に沿って長手方向に進退されることで、回動規制部によりレバー部材の回動が規制される回動位置での把持部材の外面と基板との間のギャップ幅が調節されるように構成されている。
また、把持器具本体は、ボルト孔を有するボルト孔ブロック部と、ボルト孔に螺着されたボルト体とをさらに有しており、ボルト孔ブロック部は腕部間に配置されており、ボルト体の先端部はレバー部材の後端部に当接されており、ボルト体が軸方向に沿って進退されることで、レバー部材が長手方向に進退される。
また、レバー部材には、基板に当接される突部が設けられており、突部が基板に当接されることで、レバー部材の先端部が基板に近づく方向へのレバー部材の回動が規制される。
また、把持器具本体には、基板の表面に取付けられた第1本体と、基板の裏面に取付けられた第2本体とが含まれている。
また、把持器具は、基板及び把持器具本体を覆う筒状カバーをさらに有しており、筒状カバーが長手方向に沿って変位されることで、筒状カバー内への基板及び把持器具本体の収容、並びに筒状カバー外への基板及び把持器具本体の露出が行われるように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のトリム屑誘導装置によれば、把持器具によりトリム屑が把持された後に、巻取機にワイヤーが巻き取られることで、トリム屑がスクラップボーラまで誘導されるように構成されているので、作業員がトリム屑の端部をスクラップボーラまで搬送する必要性を無くすことができる。これにより、作業員の負担を低減でき、作業効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1によるトリム屑誘導装置を示す構成図である。
【図2】図1の把持器具の断面図である。
【図3】図2の第1本体を示す斜視図である。
【図4】図3の第1本体を分解して示す分解斜視図である。
【図5】図4の長孔に軸支された軸体を中心とするレバー部材の回動に応じた把持部材の挙動を示す説明図である。
【図6】図4の長孔に沿うレバー部材の進退に応じた把持部材の挙動を示す説明図である。
【図7】従来のトリミング設備を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるトリム屑誘導装置を示す構成図である。図において、スクラップボーラ1、トリム屑誘導装置2、及び押圧ローラ3は、トリム屑ピットの上に配置されている。トリム屑ピットとは、例えば鋼板等の帯状対象物の幅方向端部をトリムするトリミング装置の下部に形成された空間であり、トリム屑を溜めるためのピットである。スクラップボーラ1は、トリミング装置により帯状対象物の幅方向端部がトリムされたことで発生し、トリム屑ピットに溜められたトリム屑4を巻き取るものである。
【0012】
トリム屑誘導装置2は、トリム屑4をスクラップボーラ1まで誘導するためのものである。このトリム屑誘導装置2には、把持器具10、ワイヤー11、複数のシーブ12a,12b、及び巻取機13が含まれている。
【0013】
把持器具10は、トリム屑4を把持するための器具である。ワイヤー11は、把持器具10及び巻取機13に接続されている。また、ワイヤー11は、スクラップボーラ1の上方に配置されたシーブ12a,12bに巻き掛けられている。把持器具10は、ワイヤー11が巻取機13に巻き取られることで所定の経路に沿って移動される。把持器具10の移動経路には、クラップボーラ1の軸1aの近傍が含まれている。すなわち、把持器具10によりトリム屑4が把持された後に、巻取機13にワイヤー11が巻き取られることで、トリム屑4がスクラップボーラ1まで誘導される。
【0014】
押圧ローラ3は、スクラップボーラ1に巻き取られたトリム屑4に押し当てられるものであり、スクラップボーラ1の軸1aにトリム屑4を弛みなくボール状に巻回できるようにするためのものである。
【0015】
次に、図2は、図1の把持器具10の断面図である。図において、把持器具10は、基板100、把持器具本体110、及び筒状カバー120を有している。基板100は、長手状の板部材であり、一端にワイヤー11が取付けられている。
【0016】
把持器具本体110は、基板100の表面に取付けられた第1本体110aと、基板の裏面に取付けられた第2本体110bとを含んでいる。後に詳しく説明するように、トリム屑4は、基板100と各本体110a,110bとの間に挟み込まれることによって、把持器具10に把持される。すなわち、本実施の形態では、把持器具10は、基板100の表面側及び裏面側の両側において異なるトリム屑4を別々に把持できるように構成されている。
【0017】
筒状カバー120は、例えば樹脂等により構成されたものであり、基板100及び把持器具本体110を覆うように筒状に形成されたカバー部材である。筒状カバー120が基板100の長手方向100aに沿って変位されることで、筒状カバー120内への基板100及び把持器具本体110の収容、並びに筒状カバー120外への基板100及び把持器具本体110の露出が行われる。すなわち、基板100と各本体110a,110bとの間にトリム屑4を挟み込むときには、筒状カバー120が図中左側へとずらされて、基板100及び把持器具本体110が筒状カバー120外へと露出される。また、基板100と各本体110a,110bとの間にトリム屑4を挟み込んだ後に、ワイヤー11を介して把持器具10を牽引する際には、基板100及び把持器具本体110が筒状カバー120内に収容される。
【0018】
次に、図3は図2の第1本体110aを示す斜視図であり、図4は図3の第1本体110aを分解して示す分解斜視図である。なお、第2本体110bは、以下説明する第1本体110aと同じ構成を有する。図3及び図4に示すように、第1本体110aには、支持部材200、レバー部材210、軸受部材220、一対のリンク部材230、把持部材240、及びボルト体250が含まれている。
【0019】
図4に特に現れているように、支持部材200には、支持板部201、一対の腕部202、及びボルト孔ブロック部203が設けられている。支持板部201は、基板100に固定される平板部である。各腕部202は、支持板部201と一体に設けられた長手状の板部材であり、互いに基板100の短手方向100bに離間して配置されている。すなわち、各腕部202は、支持板部201を介して基板100に固定される。各腕部202には、基板100の長手方向100aに沿って延在された長孔202aと、長手方向100aに沿って長孔202aから離れた位置に設けられた第1軸孔202bとが設けられている。ボルト孔ブロック部203は、支持板部201と一体に設けられるとともに腕部202間に配置されたブロック体である。ボルト孔ブロック部203には、ボルト体250が螺着されるボルト孔203aが設けられている。
【0020】
レバー部材210は、後端部に溝部210a及び第3軸孔210cを有している。軸受部材220は、短手方向100bに沿う両側にベアリングが内蔵された部品であり、レバー部材210の溝部210aに収容される。レバー部材210は、溝部210aに軸受部材220が収容された状態で、第3軸孔210c及びレバー部材210のベアリング開口220aに軸体220bが挿入されることで、長孔202aに軸支される。すなわち、レバー部材210は、長孔202aに軸支された軸体220bを中心として回動可能に設けられている。また、レバー部材210は、長孔202aに沿って長手方向100aに変位可能に設けられている。
【0021】
レバー部材210には、軸支部211及び突部212が一体に設けられている。軸支部211には、レバー部材210が長孔202aに軸支されているときに、長手方向100aに関して長孔202aと第1軸孔202bとの間に位置する第2軸孔211aが設けられている。突部212は、軸支部211の下部から突出された突起体であり、レバー部材210の回動に応じて基板100に当接されるものである。この突部212は、基板100に当接されることで、レバー部材210の先端部210bが基板100に近づく方向へのレバー部材210の回動を所定の回動位置にて規制するものである。本実施の形態では、突部212は回動規制部を構成している。
【0022】
リンク部材230は、短手方向100bに沿う軸支部211の両端に配置されている。各リンク部材230の一端230aは、第2軸孔211aに軸支される。把持部材240は、腕部202間に配置されるとともに、腕部202の第1軸孔202b及び各リンク部材230の他端230bに軸支される。なお、各部材を軸支する軸体の外周には溝が設けられており、各溝にイモねじが挿入されるか又はCリングが嵌められることで軸体の抜けが防止される。
【0023】
ボルト体250は、ボルト孔ブロック部203のボルト孔203aに螺着されている。ボルト体250の先端部は、レバー部材210の溝部210aに回動自在に収容された軸受部材220に螺着されている。すなわち、ボルト体250が軸方向に沿って進退されることで、レバー部材210が長手方向100aに沿って進退される。
【0024】
次に、図5は、図4の長孔202aに軸支された軸体220bを中心とするレバー部材210の回動に応じた把持部材240の挙動を示す説明図である。図に示すように、レバー部材210の先端部210bが基板100に近づく方向に、軸体220bを中心としてレバー部材210が回動されると(レバー部材210が、実線にて示す位置から一点鎖線にて示す位置まで回動されると)、リンク部材230の一端230aが軸体220bを中心として反時計回りに回動される。このリンク部材230の一端230aの回動に伴って、リンク部材230の他端230b及び把持部材240が、第1軸孔202bを中心として時計回りに回動される。すなわち、レバー部材210の先端部210bが基板100に近づく方向にレバー部材210が回動されることで、把持部材240の外面240aが基板100に近接され、この把持部材240の外面240aと基板100との間にトリム屑4(図1参照)を挟み込むことができる。このように把持部材240の外面240aと基板100との間にトリム屑4を挟み込むことで、把持器具10によってトリム屑4が把持される。
【0025】
次に、図6は、図4の長孔202aに沿うレバー部材210の進退に応じた把持部材240の挙動を示す説明図である。ボルト体250が操作されることにより、レバー部材210が、図6の(a)に示す位置から図6の(b)に示す位置まで長孔202aに沿って長手方向100aに変位されると、リンク部材230の一端230aもレバー部材210の変位量と同じ量だけ長手方向100aに変位される。この変位に伴い、リンク部材230の他端230b及び把持部材240が第1軸孔202bを中心として時計回方向に回動され、把持部材240の外面240aと基板100との間のギャップ幅300が狭められる。すなわち、レバー部材210が長手方向100aに沿って進退されることで、突部212によりレバー部材210の回動が規制される回動位置での把持部材240の外面240aと基板100との間のギャップ幅300が調節される。換言すると、レバー部材210が長手方向100aに沿って進退されることで、軸体220bを中心とするレバー部材210の回動により把持部材240の外面240aが基板100に最も近接される際のギャップ幅300が調整される。このようにギャップ幅300が調節されることで、様々な厚みのトリム屑4を把持部材240の外面240aと基板100との間に挟み込むことができる。
【0026】
このようなトリム屑誘導装置2は、把持器具10によりトリム屑4が把持された後に、巻取機13にワイヤー11が巻き取られることで、トリム屑4がトリム屑ピットからスクラップボーラ1まで誘導されるように構成されているので、作業員がトリム屑4の端部をスクラップボーラ1まで搬送する必要性を無くすことができ、作業員の負担を低減できる。
【0027】
また、レバー部材210の先端部210bが基板100に近づく方向にレバー部材210が回動されることで、把持部材240の外面240aと基板100との間にトリム屑4を挟み込むように把持部材240の外面240aが基板100に近接され、レバー部材210が長孔202aに沿って長手方向100aに進退されることで、突部212によりレバー部材210の回動が規制される回動位置での把持部材240の外面240aと基板100との間のギャップ幅300が調節されるように構成されているので、様々な厚みのトリム屑4を容易に把持することができ、利便性を向上できる。このような構成は、トリム屑4が例えばステンレス鋼等の硬質の素材からなり、把持部材240の外面240aと基板100との間にトリム屑4を挟み込む際にトリム屑4を大きく塑性変形させることができない場合に特に有用である。
【0028】
さらに、把持器具本体110には、基板100の表面に取付けられた第1本体110aと、基板100の裏面に取付けられた第2本体110bとが含まれているので、基板100の表面及び裏面の両側において異なるトリム屑4を別々に把持できる。一般に、鋼板の幅方向両端がトリムされることで2つのトリム屑4が同時に発生するので、2つのトリム屑4を別々に把持できるように構成することで、作業効率を向上できる。
【0029】
さらにまた、筒状カバー120が長手方向100aに沿って変位されることで、筒状カバー120内への基板100及び把持器具本体110の収容、並びに筒状カバー120外への基板100及び把持器具本体110の露出が行われるように構成されているので、基板100及び把持器具本体110の収容及び露出を容易に行うことができ、利便性を向上できる。また、仮に筒状カバー120が設けられていない場合には、巻取機13にてワイヤー11を巻き取る際に、把持器具本体110が他の部材と衝突して破損することも考えられるが、本実施の形態のように筒状カバー120を設けることで、把持器具本体110が破損する可能性を低減できる。
【0030】
また、ボルト体250が軸方向に沿って進退されることでレバー部材210が長手方向100aに進退されるので、長手方向100aに沿うレバー部材210の位置決めを容易に行うことができ、ギャップ幅300の管理をより容易に行うことができる。
【0031】
なお、実施の形態では、突部212が回動規制部を構成するように説明しているが、回動規制部としては、所定の回動位置にてレバー部材の回動を規制できるものであればよく、例えば所定の回動位置にてレバー部材と干渉するように腕部に設けられた突起等の他の構成でもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 スクラップボーラ
2 トリム屑誘導装置
4 トリム屑
10 把持器具
11 ワイヤー
13 巻取機
100 基板
100a 長手方向
100b 短手方向
110 把持器具本体
110a,110b 第1及び第2本体
120 筒状カバー
202 腕部
202a 長孔
202b 第1軸孔
203 ボルト孔ブロック部
203a ボルト孔
210 レバー部材
210b 先端部
211 軸支部
211a 第2軸孔
212 突部(回動規制部)
220 軸受部材
220b 軸体
230 リンク部材
240 把持部材
250 ボルト体
300 ギャップ幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状対象物の幅方向端部をトリムすることで発生したトリム屑(4)を把持する把持器具(10)と、
前記把持器具(10)に接続されたワイヤー(11)と、
前記ワイヤー(11)を巻き取る巻取機(13)と
を備え、
前記把持器具(10)により前記トリム屑(4)が把持された後に、前記巻取機(13)に前記ワイヤー(11)が巻き取られることで、前記トリム屑(4)がスクラップボーラ(1)まで誘導されるように構成されていることを特徴とするトリム屑誘導装置。
【請求項2】
前記把持器具(10)は、長手状の基板(100)と、前記基板に取付けられた把持器具本体(110)とを有しており、
前記把持器具本体(110)は、
前記基板(100)の長手方向(100a)に沿って延在された長孔(202a)、及び前記長手方向(100a)に沿って前記長孔(202a)から離れた位置に設けられた第1軸孔(202b)をそれぞれ有するとともに、互いに前記基板(100)の短手方向(100b)に離間して前記基板(100)に固定された一対の腕部(202)と、
前記腕部(202)間に配置されるとともに軸体(220b)を介して前記長孔(202a)に軸支されたレバー部材(210)と、
前記レバー部材(210)の先端部(210b)が前記基板(100)に近づく方向への前記レバー部材(210)の回動を所定の回動位置にて規制する回動規制部(212)と、
前記長手方向(100a)に関して前記長孔(202a)と前記第1軸孔(202b)との間に位置する第2軸孔(211a)を有するとともに、前記レバー部材(210)と一体に設けられた軸支部(211)と、
前記短手方向(100b)に沿う前記軸支部(211)の両端に配置されるとともに、一端(230a)が前記第2軸孔(211a)に軸支された一対のリンク部材(230)と、
前記腕部(202)間に配置されるとともに、前記第1軸孔(202b)及び各リンク部材(230)の他端(230b)に軸支された把持部材(240)と
を有しており、
前記長孔(202a)に軸支された前記軸体(220b)を中心として、前記先端部(210b)が前記基板(100)に近づく方向に前記レバー部材(210)が回動されることで、前記把持部材(240)の外面(240a)と前記基板(100)との間に前記トリム屑(4)を挟み込むように前記把持部材(240)の外面(240a)が前記基板(100)に近接され、
前記レバー部材(210)が前記長孔(202a)に沿って前記長手方向(100a)に進退されることで、前記回動規制部(212)により前記レバー部材(210)の回動が規制される回動位置での前記把持部材(240)の外面(240a)と前記基板(100)との間のギャップ幅(300)が調節されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のトリム屑誘導装置。
【請求項3】
前記把持器具本体(110)は、ボルト孔(203a)を有するボルト孔ブロック部(203)と、前記ボルト孔(203a)に螺着されたボルト体(250)とをさらに有しており、
前記ボルト孔ブロック部(203)は前記腕部(202)間に配置されており、前記ボルト体(250)の先端部は前記レバー部材(210)の後端部に当接されており、前記ボルト体(250)が軸方向に沿って進退されることで、前記レバー部材(210)が前記長手方向(100a)に進退されることを特徴とする請求項2に記載のトリム屑誘導装置。
【請求項4】
前記把持器具本体(110)には、前記基板(100)の表面に取付けられた第1本体(110a)と、前記基板(100)の裏面に取付けられた第2本体(110b)とが含まれていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のトリム屑誘導装置。
【請求項5】
前記把持器具(10)は、前記基板(100)及び前記把持器具本体(110)を覆う筒状カバー(120)をさらに有しており、前記筒状カバー(120)が前記長手方向(100a)に沿って変位されることで、前記筒状カバー(120)内への前記基板(100)及び前記把持器具本体(110)の収容、並びに前記筒状カバー(120)外への前記基板(100)及び前記把持器具本体(110)の露出が行われるように構成されていることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載のトリム屑誘導装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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