説明

トルク伝達装置

【課題】コンバータカバー14を備えたトルクコンバータ6を有し、前記コンバータカバー14がポンプインペラ20を介して、ディスクセット80を備えたディスククラッチとして構成されたトコンバータロックアップクラッチ35によってロックアップされるタービンホイール21に連結可能であり、前記ディスクセット80が、アウターディスクキャリヤ36に結合されたアウターディスク81,82と、インナーディスクキャリヤ34に結合されたインナーディスク83,84とを有している、トルク伝達装置を改良して、簡単な構造で、安価に製造できるものを提供する。
【解決手段】ディスクセット80が、ピストン64とは反対側に、前記アウターディスクキャリヤ36に固定された終端ディスク90;100を有し、該終端ディスク90;100がトルク伝達のために用いられ、かつ前記アウターディスクキャリヤ36に結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動ユニットと、回転軸特にトランスミッション入力軸との間でトルクを伝達するための、特に自動車のパワートレイン内のトルク伝達装置であって、ハイドロダイナミック式のトルクコンバータを有しており、該トルクコンバータが、駆動ユニットに結合可能若しくは結合されたコンバータカバーを有していて、このコンバータカバーが、トルクを伝達するためにポンプインペラを介してタービンホイールに連結可能であって、該タービンホイールがトルクを伝達するためにコンバータロックアップクラッチによってロックアップされ得るようになっており、該コンバータロックアップクラッチが、軸方向で限定的にシフト可能なピストンを有していて、ディスクセットを備えたディスククラッチとして構成されており、該ディスクセットが、アウターディスクキャリヤに相対回動不能に結合されたアウターディスクと、インナーディスクキャリヤに相対回動不能に結合されたインナーディスクとを有している形式のものに関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の課題は、以上のような形式の請求項1の上位概念部に記載したトルク伝達装置を改良して、簡単な構造で、安価に製造できるものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
この課題を解決した本発明のトルク伝達装置によれば、駆動ユニットと、回転軸特にトランスミッション入力軸との間でトルクを伝達するための、特に自動車のパワートレイン内のトルク伝達装置であって、ハイドロダイナミック式のトルクコンバータを有しており、該トルクコンバータが、駆動ユニットに結合可能若しくは結合されたコンバータカバーを有していて、このコンバータカバーが、トルクを伝達するためにポンプインペラを介してタービンホイールに連結可能であって、該タービンホイールがトルクを伝達するためにコンバータロックアップクラッチによってロックアップされ得るようになっており、該コンバータロックアップクラッチが、軸方向で限定的にシフト可能なピストンを有していて、ディスクセットを備えたディスククラッチとして構成されており、該ディスクセットが、アウターディスクキャリヤに相対回動不能に結合されたアウターディスクと、インナーディスクキャリヤに相対回動不能に結合されたインナーディスクとを有している形式のものおいて、前記ディスクセットが、ピストンとは反対側に、前記アウターディスクキャリヤに対して相対的に固定された終端ディスクを有しており、該終端ディスクがトルク伝達のために用いられ、かつ前記アウターディスクキャリヤに結合されている。堅固な終端ディスクによって、簡単な形式で、組み付け可能なトルク伝達装置が得られる。しかもこのトルク伝達装置はクラッチディスクを冷却するための冷却媒体例えばオイルを所望に貫流させることができる。
【発明の効果】
【0004】
トルク伝達装置の有利な実施例によれば、終端ディスクが、ねじり振動ダンパ装置の出力部に取り付けられており、該ねじり振動ダンパ装置がコンバータロックアップクラッチに前置接続されている。ねじり振動ダンパ装置は入力部を有しており、この入力部は有利な形式で壁部カバーに固定されている。
【0005】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、終端ディスクが軸方向で、ねじり振動ダンパ装置の出力部に支えられている。これによって、軸方向力の受容及び/又は伝達が可能である。
【0006】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、終端ディスクが、アウターディスクキャリヤ及び/又は出力部に相対回動不能に(つまり一緒に回転するように)結合されている。終端ディスクはアウターディスクキャリヤに直接又は間接的に結合されている。
【0007】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、前記終端ディスクが、アウターディスクキャリヤ及び/又は出力部に素材結合式(stofffluessige Verbindung)に結合されている。素材結合は、有利には溶接結合により実施される。
【0008】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、終端ディスクが、少なくとも1つの摩擦溶接結合部又はレーザ溶接結合部によって、アウターディスクキャリヤ及び/又は出力部に結合されている。レーザ溶接結合は、部分的に又は環状に構成されていてよい。
【0009】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、終端ディスクがかしめ加工(verstimm-en)によって、アウターディスクキャリヤ及び/又は出力部に結合されている。かしめ加工による結合部は、例えばスタンプ(型押し機)によって部分的に又は環状に形成される。
【0010】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、終端ディスクがローラバニッシング(Rollieren)によって、アウターディスクキャリヤ及び/又は出力部に固定されている。ローラバニッシングは、部分的に又は環状に形成される。
【0011】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、終端ディスクが異形成形された外径を有している。終端ディスクの外径は例えば、歯列、波形プロフィール又は溝プロフィールを備えている。有利な形式で、出力部は、相補的に形成された歯列、波形プロフィール又は溝プロフィールを備えている。
【0012】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、終端ディスクは、アウターディスクキャリヤに摩擦結合(kraftschluessig;摩擦による束縛)又は形状結合(formschluessig;形状による束縛)によって結合されている。摩擦結合又は形状結合は有利にはプレス嵌めとして構成されている。また摩擦結合又は形状結合は、ビーディング(押し込み変形部)及びスタンピング(圧刻成形部)によって形成されてもよい。
【0013】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、終端ディスクとアウターディスクキャリヤとの間にシール特にプラスチックシール、ペーパーシール、メタルシール又は軽金属シールが配置されている。これによって、冷却媒体が漏れ出すことは確実に避けられる。
【0014】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、終端ディスクが半径方向内側又は外側に、剛性を高めるエンボス加工部及び/又は深鍋状変形部(Topfung)を有している。
【0015】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、アウターディスクキャリヤが軸方向で、出力部と終端ディスクとの間に配置されている。それによって終端ディスクは、軸方向でアウターディスクキャリヤによって支えられる。
【0016】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、ねじり振動ダンパ装置が、コンバータカバーと出力部との間に作用する第1のねじり振動ダンパと、タービンホイールと軸との間に作用する第2のねじり振動ダンパとを有している。ねじり振動ダンパは、有利にはダブルダンパとして構成されている。
【0017】
トルク伝達装置の別の有利な実施例によれば、ハイドロダイナミック式のトルクコンバータが3チャンネルシステムを有しており、該3チャンネルシステムを介して、トルクコンバータクラッチの操作が制御される。各チャンネル(通路)は、1つの方向で、又はそれぞれ2つの方向で貫流される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のその他の利点、特徴及び詳細は、図面を用いて以下に説明されている。
【0019】
図1及び図2には、自動車のパワートレイン1のそれぞれ一部が示されている。内燃機関の駆動ユニット3(符号だけで示されていて、この駆動ユニット3からクランクシャフトが突き出している)と、トランスミッション5(同様に符号だけで示されている)との間にハイドロダイナミック式(haydorodynamisch;流体力学式)のトルクコンバータ6が配置されている。内燃機関3のクランクシャフトは例えばシートメタルドライブプレート(Antriebsblech)(このドライブプレートは、Flex Plate;フレックスプレートとも称呼されている)を介してトルクコンバータ6のハウジング10に相対回動不能に結合されている。トルクコンバータ6のハウジング10は、回転軸線12を中心にして回転可能であっって、駆動部近くのハウジング壁部14(コンバータカバーとも称呼されている)を備えている。
【0020】
コンバータカバー(ハウジング壁部)14にはパイロットベアリングピン15が固定されており、このパイロットベアリングピン15は、ハイドロダイナミック式のトルクコンバータ6を組み付ける際にクランクシャフトの中央の切欠内に前もってセンタリングする。半径方向外側でコンバータカバー14には接続金属薄板16が溶接されており、この接続金属薄板16からねじ山付きピン17が突き出しており、このねじ山付きピン17によって、コンバータカバー14がシートメタルドライブプレートに固定される。
【0021】
ハイドロダイナミック式のトルクコンバータ6は、ガイドホイール19とポンプインペラ20とタービンホイール21とを有している。タービンホイール21は、リベット結合部22によってサイドプレート24に堅固に結合されている。サイドプレート24は、ねじり振動ダンパ25の入力部を形成している。ねじり振動ダンパ25はダンパハブ26を有しており、このダンパハブ26の半径方向外側にサイドプレート24と、このサイドプレート24に固定されたタービンホイール21とが回転可能に取り付けられている。
【0022】
ダンパハブ26は半径方向内側で、トランスミッション入力軸28に相対回動不能に結合されている。ねじり振動ダンパ25の出力部は、ダンパフランジ29によって形成されており、このダンパフランジ29は、溶接継ぎ目30によってダンパハブ26に堅固に結合されている。ダンパフランジ29は、ばねエレメント31を介在させて一方のサイドプレート24及び他方のサイドプレート32に連結されている。ねじり振動ダンパ25の別の入力部を成すサイドプレート32は、リベット結合エレメント33によって、トルクコンバータロックアップクラッチ35の多板構造形式のインナーディスクキャリヤ34に堅固に結合されている。
【0023】
トルクコンバータロックアップクラッチ35は、さらにアウターディスクキャリヤ36を有しており、このアウターディスクキャリヤ40は、別のねじり振動ダンパ40の出力部38に固定されている。このねじり振動ダンパ40は入力部41を有しており、このねじり振動ダンパ40は、リベット固定部材42によってハウジング壁14に固定されている。リベット固定部材42は、ハウジング壁14から突き出すリベット突起によって形成されている。ねじり振動ダンパ40の入力部41は、ばねエレメント43を介して出力部38に連結されている。ねじり振動ダンパ40の出力部38とコンバータカバー14との間にローラベアリング44特に玉軸受が配置されている。ローラベアリング44によって、ねじり振動ダンパ40の出力部38はコンバータカバー14に回転可能に支承されている。ねじり振動ダンパ40とねじり振動ダンパ25とは1つのダブルダンパを形成している。
【0024】
ローラベアリング44とねじり振動ダンパ40の出力部38とは、ハブ部50に支えられている。ハブ部50内には、トランスミッション入力軸28の段付き端部がシール作用下で回転可能に配置されている。シール作用を改善するために、シールリング61が、トランスミッション入力軸28の段付き端部内に形成された環状溝内に部分的に受容されている。シールリング61にはハブ部50が当接している。また、別のシールリング62が、コンバータロックアップクラッチ35のピストン64に形成された環状溝内に部分的に受容されている。ピストン64は、シール作用下で軸方向に摺動可能であって、場合によっては、回転可能にハブ部50に支承されている。
【0025】
ハブ部50とダンパハブ26との間で軸方向に、軸受装置66が配置されている。この軸受装置66は、有利な形式で、軸方向力を支えるためのアキシャル軸受である。選択的に又は付加的に、ラジアル軸受を用いてもよい。この軸受装置66は、例えば滑り軸受又はローラベアリングとして構成されている。
【0026】
トランスミッション入力軸28は、液圧媒体を供給及び/又は導出するために内部に中央の中空室67を備えている。中空室67は、半径方向でハブ部50を通って延在する流路68を介して圧力室69に接続されている。圧力室69は、ねじり振動ダンパ40の出力部38とコンバータロックアップクラッチ35のピストン64とによって制限される。
【0027】
ねじり振動ダンパ40の出力部38は、半径方向外方で、ベース75を備えたほぼU字形の横断面を有している。脚76及び77は軸方向に延在している。ベース75は半径方向に延在している。U字形横断面は、内部でエネルギ蓄積エレメント43(ばねエレメント)のための少なくとも1つの受容室を仕切っている。エネルギ蓄積エレメント43と脚77との間にスライディングシェル70が配置されている。
【0028】
図1及び図2に示されたコンバータロックアップクラッチ35は、ディスクセット80を備えた多板クラッチとして構成されており、このディスクセット80は、アウターディスク81,82及びインナーディスク83,84を有している。アウターディスク81は、外歯列を介してアウターディスクキャリヤ36に相対回動不能に(つまり一緒に回転するように)結合されている。インナーディスク83,84は、内歯列を介して前記インナーディスクキャリヤ34に相対回動不能に結合されている。
【0029】
図1に示した実施例では、終端ディスク90が溶接結合91を用いてねじり振動ダンパ40の出力部38に固定されている。終端ディスク90は、クラッチディスク81乃至84がコンバータロックアップクラッチ35のピストン64によって負荷される時に、これらのクラッチディスク81乃至84のための軸方向のストッパを形成している。それと同時に、終端ディスク90は、アウターディスクキャリヤ36に気密に当接している。シール作用は、シール94によって改善される。このシール94は、アウターディスクキャリヤ36の環状溝内に受容されていて、このシール94に終端ディスク90が当接している。終端ディスク90は、ほぼ円環状ディスクの形状を有している。
【0030】
図2に示した実施例では、終端ディスク100が、ねじり振動ダンパ40の出力部38から半径方向内方に突き出す位置決め突起101によって、トランスミッション5に向かって半径方向に固定されている。終端ディスク100は、その駆動ユニット3に向いた側が、シール作用下でアウターディスク36に当接している。終端ディスク100と出力部38との間の相対回動不能な結合を得るために、終端ディスク100は外歯列を備えていて、この外歯列は出力部38の相補的な歯列と協働するようになっている。終端ディスク100は、半径方向内方に折り曲げられた縁部領域を有するほぼ円環状ディスクの形状を有している。
【0031】
図1及び図2に示したハイドロダイナミック式のトルクコンバータ6は、3チャンネルシステムを有している。つまり、トルクコンバータロックアップクラッチ35のオイル循環及び制御を実現するために、全部で3つの通路が設けられている。循環のためのオイルの流れは、2つの方向を有している。第1の通路107から冷却媒体特にオイルが、まずポンプインペラ20内に流入する。このポンプインペラ20はポンプとして示されている。次いでオイルの一部が、タービン21内及びガイドホイール19内で円環状の流れを継続する。オイルのその他の部分は、ポンプホイール20とタービンホイール21との間のギャップにおいて流出して、ハウジング10内の第1の室108の残りの領域内に流れ込む。
【0032】
中空のトランスミッション入力軸28から流路68を通って延在する第2の通路112は、圧力室69にオイルを供給する。圧力室69が油圧によって負荷されると、ピストン64が右に移動して、この際にディスク81乃至84が終端ディスク90;100に押し付けられることによって、コンバータロックアップクラッチ35が閉鎖する。しかしながら圧力室69(第2の室とも称呼される)が無圧で又は僅かな圧力で負荷されると、第1の室108からの油圧がコンバータロックアップクラッチ35を再び開放方向に押しやる。
【0033】
本発明の別の重要な観点によれば、終端ディスク90,100が、アウターディスクキャリヤ36(外側のディスクキャリヤとも称呼される)の歯列とアウターディスク81,82の歯列との間のオイルの流れをほぼ不可能にするようになっている。何故ならば、終端ディスク90;100はアウターディスクキャリヤ36に気密に接続されているからである。
【0034】
第3の通路117は室116に接続されている。室116は、間隔維持部材としてのスペーサリベット124によってピストン64に固定されている付加的な壁部119とピストン64との間に延在している。ピストン64と付加的な壁部119との間の環状ギャプによって、アウターディスク81,82の外歯列の、タービン21とは反対側に、循環するオイルのための貫流開口が形成される。付加的な壁部119はハブ26に対してシールしているので、第1の室108からオイルが第3の通路117(リターン通路とも称呼される)内に流入することはない。これによって、オイルはほぼディスク1乃至84若しくはロックアップクラッチ35だけを介して確実に循環する。またこれによって、ディスク81乃至84の摩擦ライニングの冷却が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1実施例によるトルク伝達装置を半分にした断面図である。
【図2】第2実施例によるトルク伝達装置を半分にした断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 パワートレイン(動力伝達機構)、 3 駆動ユニット、 5 トランスミッション(伝動装置)、 6 ハイドロダイナミック式のトルクコンバータ、 10 ハウジング、 12 回転軸線、 14 ハウジング壁(コンバータカバー)、 15 パイロットベアリングピン、 16 接続金属薄板、 17 ねじ山付きピン、 19 ガイドホイール、 20 ポンプインペラ、 21 タービンホイール、 22 リベット結合部材、 24 サイドプレート、 25 ねじり振動ダンパ、 26 ダンパハブ、 28 トランスミッション入力軸、 29 ダンパフランジ、 30 溶接継ぎ目、 31 ばねエレメント、 32 サイドプレート、 33 リベット結合エレメント、 34 インナーディスクキャリヤ、 35 トルクコンバータロックアップクラッチ、 36 アウターディスクキャリヤ、 38 出力部、 40 ねじり振動ダンパ、 41 入力部、 42 リベット固定部材、 43 ばねエレメント、 44 ローラベアリング、 50 ハブ部、 61 シールリング、 62 シールリング、 64 ピストン、 66 軸受装置、 67 中空室、 68 流路、 69 圧力室、 70 スライディングシェル、 75 ベース、 76,77 脚、 80 ディスクセット、 81,82 アウターディスク、 83,84 インナーディスク、 90 終端ディスク、 91 溶接結合部、 94 シール、 100 終端ディスク、 101 位置決め突起、 107 第1の通路、 108 第1の室、 112 第2の通路、 117 第3の通路、 119 付加的な壁部、 124 スペーサリベット(間隔保持リベット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ユニット(3)と、回転軸(28)との間でトルクを伝達するためのパワートレイン内のトルク伝達装置であって、ハイドロダイナミック式のトルクコンバータ(6)を有しており、該トルクコンバータ(6)が、駆動ユニット(3)に結合可能若しくは結合されたコンバータカバー(14)を有していて、このコンバータカバー(14)が、トルクを伝達するためにポンプインペラ(20)を介してタービンホイール(21)に連結可能であって、該タービンホイール(21)がトルクを伝達するためにコンバータロックアップクラッチ(35)によってロックアップされ得るようになっており、該コンバータロックアップクラッチ(35)が、軸方向で限定的にシフト可能なピストン(64)を有していて、ディスクセット(80)を備えたディスククラッチとして構成されており、該ディスクセット(80)が、アウターディスクキャリヤ(36)に相対回動不能に結合されたアウターディスク(81,82)と、インナーディスクキャリヤ(34)に相対回動不能に結合されたインナーディスク(83,84)とを有している形式のものにおいて、
前記ディスクセット(80)が、ピストン(64)とは反対側に、前記アウターディスクキャリヤ(36)に対して相対的に固定された終端ディスク(90;100)を有しており、該終端ディスク(90;100)がトルク伝達のために用いられ、かつ前記アウターディスクキャリヤ(36)に結合されていることを特徴とする、トルク伝達装置。
【請求項2】
前記終端ディスク(90;100)が、ねじり振動ダンパ装置の出力部(38)に取り付けられており、該ねじり振動ダンパ装置がコンバータロックアップクラッチ(35)に前置接続されている、請求項1記載のトルク伝達装置。
【請求項3】
前記終端ディスク(90;100)が軸方向で、ねじり振動ダンパ装置の出力部(38)に支えられている、請求項2記載のトルク伝達装置。
【請求項4】
前記終端ディスク(90;100)が、アウターディスクキャリヤ(36)及び/又は出力部(38)に相対回動不能に結合されている、請求項2又は3記載のトルク伝達装置。
【請求項5】
前記終端ディスク(90)が、アウターディスクキャリヤ及び/又は出力部(38)に素材結合式に結合されている、請求項4記載のトルク伝達装置。
【請求項6】
前記終端ディスク(90)が、少なくとも1つの摩擦溶接結合部又はレーザ溶接結合部によって、アウターディスクキャリヤ及び/又は出力部(38)に結合されている、請求項5記載のトルク伝達装置。
【請求項7】
終端ディスク(100)がかしめ加工によって、アウターディスクキャリヤ及び/又は出力部(38)に固定されている、請求項4記載のトルク伝達装置。
【請求項8】
終端ディスク(90;100)がローラバニッシングによって、アウターディスクキャリヤ及び/又は出力部に固定されている、請求項4記載のトルク伝達装置。
【請求項9】
終端ディスク(90;100)が異形成形された外径を有している、請求項2から8までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項10】
終端ディスク(90;100)が、アウターディスクキャリヤに摩擦結合又は形状結合によって結合されている、請求項2から9までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項11】
終端ディスク(90)とアウターディスクキャリヤ(36)との間にシール(94)殊にプラスチックシール、ペーパーシール、メタルシール又は軽金属シールが配置されている、請求項2から10までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項12】
終端ディスク(100)が半径方向内側又は外側にエンボス加工部及び/又は深鍋状変形部を有している、請求項2から11までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項13】
アウターディスクキャリヤ(36)が軸方向で、出力部(38)と終端ディスク(90;100)との間に配置されている、請求項2から12までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項14】
ねじり振動ダンパ装置が、コンバータカバー(14)と出力部(38)との間で働く第1のねじり振動ダンパ(40)と、タービンホイール(21)と軸(28)との間で働く第2のねじり振動ダンパ(25)とを有している、請求項1から13までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。
【請求項15】
ハイドロダイナミック式のトルクコンバータ(6)が3チャンネルシステムを有しており、該3チャンネルシステムを介して、トルクコンバータクラッチ(35)の操作が制御される、請求項1から14までのいずれか1項記載のトルク伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−138880(P2008−138880A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306784(P2007−306784)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(390009070)ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト (236)
【氏名又は名称原語表記】LuK Lamellen und Kupplungsbau  Beteiligungs KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 3, D−77815 Buehl, Baden, Germany