説明

トレーラ用小物類収容ボックス

【課題】 小物類を安全にかつ自動車内を汚したり嫌な臭いを付けずに小型舟艇等を一緒に持ち運ぶことができるトレーラ用小物類収容ボックスを提供すること。
【解決手段】 小型舟艇S等を積んだ状態で自動車Cに牽引されて走行可能なトレーラ1に用いられるものであって、上部が開口した箱型形状の収容本体11を有し、この収容本体11をその底面12の貫通穴15を介してトレーラ1のフレーム2の前部の空き空間5に脱離可能に固定する係止具21を備えるとともに、収容本体11の上部の開口部分を覆って当該本体11に収容された小物類を保持可能なネット31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型舟艇等を自動車で牽引して運搬する際に用いられるトレーラ用小物類収容ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、小型舟艇〔例えば、ジェットスキー(登録商標),ボートなど〕等を操縦して海水面等を走り回るマリーンスポーツが盛んである。小型舟艇等は、大型船舶に比べて運搬しやすいが、一般乗用車には積み込み難いので、専用のトレーラに積み、当該トレーラを一般乗用車で牽引して、目的地(着水場所)まで運搬するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。この際、小型舟艇等を快適に使用するために、一緒に小物類(予備の燃料が入ったタンク、ウォータータンク、応急修理等するための工具、ウエットスーツなど)持って行くのが普通である。これらの小物類は、通常、自動車の荷物室(トランクルーム)に積み込まれる。目的地からの帰りにも、使い残りの燃料が入ったタンク、使用済みのウエットスーツ、飲食で出たゴミなどは、自動車の荷物室に積み込まれることになる。
【特許文献1】特開2004−26016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、トレーラを牽引する自動車に小物類を積み込むのは問題がある。例えば、燃料が入ったタンクの蓋が運搬中に何らかの原因で緩んだり外れてしまった場合には、荷物室に燃料が撒きつらされることになり車輌火災や爆発の原因ともなる。また、使用済みのウエットスーツには海水や砂などが付いており、自動車の荷物室内を汚す原因となる。また、ウエットスーツが密閉した荷物室内で蒸れて嫌な臭いを発することがある。ゴミなどを持ち帰る場合にも同様な悪臭の問題が発生する。この臭いは、ウエットスーツなどを外に出した後も残りやすく、後の清掃処理も大変である。
【0004】
本発明の目的は、上記事情に鑑み、小物類を安全にかつ自動車内を汚したり嫌な臭いを付けずに小型舟艇等を一緒に持ち運ぶことができるトレーラ用小物類収容ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、フレームと、このフレームの後部に回転自在に取り付けられた車輪とを有し、当該フレームに小型舟艇等を積んだ状態で自動車に牽引されて走行可能なトレーラに用いられるものであって、上部が開口した箱型形状であるとともに少なくとも底面に複数の貫通穴が形成された収容本体を有し、この収容本体は、前記フレームの前部の空き空間に載置可能かつその内空間に小物類を収容可能とされており、当該収容本体を底面の貫通穴を介して前記フレームの前部の空き空間に脱離可能に固定する係止具を備えるとともに、前記収容本体の上部の開口部分を覆って当該収容本体に収容された小物類を保持可能なネットとを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
上記請求項1の発明の場合、小物塁、例えば使い残りの燃料が入ったタンクや使用済みのウエットスーツは、トレーラ前部に固定された収容本体の内空間に収容されて運ばれるので、当該トレーラを牽引する自動車内を汚したり嫌な臭いを付けない。この際、小物類は上からネットで確実に保持されるので、当該収容本体から落ちたりすることはない。また、収容本体の底面には貫通穴が形成されているので、使用済みのウエットスーツに付いた海水等は当該管通穴を介して落下してしまうとともに、自動車走行中の風によって乾かされるので蒸れることはなく嫌な臭いを出さない。また、燃料が入ったタンクは自動車の外にあって運ばれることになり安全である。また、収容本体は、トレーラのフレームから取り外すこともできるので、汚くなった場合には、取り外して洗うこともでき、いつも綺麗な状態を保てる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、燃料が入ったタンクやウエットスーツなどの小物類を安全にかつ自動車内を汚したり嫌な臭いを付けずに持ち運ぶことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0009】
本発明に係るトレーラ用小物類収容ボックス10は、図7に示すジェットスキー(登録商標)などの小型舟艇Sを運搬するトレーラー1に用いられるものであって、小物類を安全にかつ当該トレーラー1を牽引する自動車C内を汚したり嫌な臭いを付けずに持ち運び可能な構成とされている。
【0010】
ここで、トレーラー1は、図6および図7に示すように、フレーム2と、このフレーム2の後部に回転自在に取り付けられた車輪3とを有しており、当該フレーム2に小型舟艇S等を積んだ状態で自動車Cに牽引されて走行可能なものである。ここで、小物類とは、小型舟艇S等を快適に使用するために用いられる用品類を意味し、例えば、燃料が入ったタンク、ウォータータンク、応急修理等するための工具、ウエットスーツ、飲食した後に出るゴミ(生ゴミ,空き缶)などである。
【0011】
具体的には、本トレーラ用小物類収容ボックス10は、図2および図3に示すように、上部が開口した箱型形状とされており小物類K(図6参照)を収容可能な収容本体11と、この収容本体11をトレーラ1のフレーム2の前部の空き空間5に脱離可能に固定するための係止具21と、収容本体11の上部の開口部分を覆って小物類を保持可能なネット31とを備えた構成とされている。
【0012】
上記した本トレーラ用小物類収容ボックス10の各構成要素を詳細に説明する。
【0013】
まず、収容本体11は、図2および図3に示すように、上部が開口されるとともに、底面12および4つの側面13を有している。この収容本体11の底面12および各側面14には、それぞれ複数の貫通穴(15,16)が形成されている。この実施形態では、収容本体11に開けられた貫通穴(15,16)は、加工しやすいように、円形としたが、形状は任意である。また、この収容本体11は、ステンレス鋼製の板を板金加工して形成されているが、例えばプラスチック製としてもよい。この収容本体11の内空間19は、小物類Kを収容可能な大きさとされており、かつ、トレーラ1の最大幅部分よりも外側にはみ出すことがないような形態とされている。
【0014】
次に、係止具21は、図5(A),(B)に示すように、上記収容本体11を底面12の貫通穴15を介してトレーラ1のフレーム2前部の空き空間5に脱離可能に固定するものである。具体的には、係止具21は、止めボルト22と当て板23とナット24とから形成されている。ここで、止めボルト22を収容本体11を底面12の貫通穴15に通し、当て板23をフレーム2の下側から当てた状態で当該当て板23の通し長穴23hから突出した止めボルト22の雄ねじ部分にナット24を螺合させて締め付ければ、当該止めボルト22の頭とナット24とによって、収容本体11はフレーム2〔詳しくは図2(A)の先端部材2A〕に強く押し付けられることになり固定できる(フレーム2の横部材2Bへの固定も同様である)。収容本体11の底面12には、貫通穴15が多く開けられているので、任意の貫通穴15を選べばフレーム2部分の形態に合わせて確実に固定することができる。
【0015】
ネット31は、図4に示すように、収容本体11の上部の開口部分を覆って当該収容本体11に収容された小物類を上から押さえつけて保持可能に形成されている。この実施形態では、ネット31は、伸縮性に富んだ材料から形成されており縦横に編まれた複数本の紐(ゴム紐)32と、当該各紐32の先端に付けられたフック35とから成り、当該各フック35を収容本体11の各側面13の貫通穴16に引っ掛けることによって、当該収容本体11の上部開口部分を覆う構成とされている。
【0016】
上記構成の本トレーラ用小物類収容ボックス10の場合、小物塁K、例えば使い残りの燃料が入ったタンクや使用済みのウエットスーツさらにはゴミなどは、トレーラ1の前部に固定された本ボックス10の収容本体11の内空間19に収容されて運ばれるので、当該トレーラ1を牽引する自動車C内を汚したり嫌な臭いを付けない。この際、小物類Kは、その上からネット31で収容本体11に押さえつけられているので、当該収容本体11から落下したりすることはない。坂道を走行する際にも、落下することはない。
【0017】
また、収容本体11の底面12には貫通穴15が形成されているので、使用済みのウエットスーツに付いた海水等は当該貫通穴15を介して流れ落ちてしまうとともに、また、自動車Cの走行中に各貫通穴(15,16)および上部の開港部分から入る風によって乾かされるので蒸れることはなく嫌な臭いを出さない。また、燃料が入ったタンクは自動車Cの外にあって運ばれることになり安全である。また、収容本体11は、トレーラ1のフレーム2から取り外すこともできるので、汚くなった場合には、取り外して洗うこともでき、いつも綺麗な状態を保てる。また、ゴミなども積極的に持ち帰ろうという気持にもなり、環境保全にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る小物類収容ボックスの要部である収容本体を説明するための図である。
【図2】収容本体の斜視図である。
【図3】収容本体の側面図である。
【図4】ネットを示す平面図である。
【図5】係止具を説明するための図である。
【図6】自動車に牽引されるトレーラのフレームの空き空間を説明するための平面図である。
【図7】本小物類収容ボックスを装着したトレーラの全体構成図である。
【図8】トレーラの従来構成を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
1 トレーラ
2 フレーム
2A 先端部材
2B 横部材
3 フレーム後部側の車輪
5 空き空間
10 トレーラ用小物類収容ボックス
11 収容本体
12 底面
13 側面部
15,16 貫通穴
19 内空間
21 係止具
22 止めボルト
23 当て板
23h 通し穴
24 ナット
31 ネット
32 紐
35 フック
K 小物類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、このフレームの後部に回転自在に取り付けられた車輪とを有し、当該フレームに小型舟艇等を積んだ状態で自動車に牽引されて走行可能なトレーラに用いられるものであって、
上部が開口した箱型形状であるとともに少なくとも底面に複数の貫通穴が形成された収容本体を有し、この収容本体は、前記フレームの前部の空き空間に載置可能かつその内空間に小物類を収容可能とされており、当該収容本体を底面の貫通穴を介して前記フレームの前部の空き空間に脱離可能に固定する係止具を備えるとともに、前記収容本体の上部の開口部分を覆って当該収容本体に収容された小物類を保持可能なネットとを備えたことを特徴とするトレーラ用小物類収容ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−23576(P2009−23576A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−190461(P2007−190461)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(502229978)有限会社掛川メカトロニクス (1)