説明

トレー搬送装置

【課題】操作プッシュレバーの待機を回避してダイス分類機の効率を高めること。
【解決手段】緩衝ゾーンと操作ゾーンを含む搬送ステージと、搬送ステージに設置し緩衝ゾーンにあるトレーを押し上げて搬送ステージで移動させるための搬入用プッシュレバーと、搬送ステージに設置し操作ゾーンにあるトレーを押し上げて搬送ステージ上で移動させるための操作プッシュレバーと、搬送ステージから搬出されるトレーに載せるための搬出ステージとを含み、搬入用プッシュレバーと操作プッシュレバーは同様に作動し、操作プッシュレバーが操作ゾーンにあるトレーを搬出ステージに押し上げると、搬入用プッシュレバーは緩衝ゾーンにあるトレーを操作ゾーンに押し上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトレー搬送装置に関し、特にトレー搬送時の効率を改善するために同様に作動する二組のプッシュレバーを具備したトレー搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体部品は大部分が自動検査システム(ATE)によって検査を行っており、検査が完了したウェーハは切断してダイスとし、さらにダイス分類機でダイスをトレー上に置いているが、ダイス分類機上のトレー搬送装置はダイス分類機の処理効率に大きな影響を及ぼしている。
【0003】
図1A、図1Bはそれぞれ従来技術におけるトレー搬送装置の側面概略図と俯瞰概略図を示している。前記トレー搬送装置10はトレー保管槽11、搬送ステージ12、プッシュレバー13、操作プッシュレバー14、搬出ステージ16、搬出用プッシュレバー18及びトレー保管装置19を含み、この他にチップピックアップヘッド17を更に含む。
【0004】
トレー保管槽11は複数のトレー2を保管し、前記トレー保管槽11はトレー搬出装置112を具備し、毎回トレー2を搬出することができる。プッシュレバー13はトレー保管槽11下方に設置してトレー保管槽11から搬出するトレー2を搬送ステージ12へ押し送る。
【0005】
搬送ステージ12はトレー保管槽11から搬出したトレー2を載せるためのもので、また前記搬送ステージ12は緩衝ゾーン121と操作ゾーン122を含む。操作プッシュレバー14は搬送ステージ12に設置して搬送ステージ12のあるトレー2を押し上げて前記トレー2を搬送ステージ12上で移動させる。チップピックアップヘッド17は操作ゾーン122の上方に設置し、ウェーハ上のチップをトレー2に入れる。
【0006】
搬出ステージ16は搬送ステージ12から搬出したトレー2を載せるためのものである。搬出用プッシュレバー18は搬出ステージ16に設置して搬出ステージ16にあるトレー2を押し上げて搬出ステージ16上で移動させる。トレー保管装置19は複数のトレー2に保管する。
【0007】
図1C乃至図1Hは図1Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。そのうち、図1Cはプッシュレバー13がトレー保管槽11から搬出したトレー2を搬送ステージ12上の緩衝ゾーン121へ移動させることを示している。
【0008】
図1Dは操作プッシュレバー14が緩衝ゾーン121へ移動してトレー2を押し上げて搬送ステージ12上で移動させることを示しており、この時トレー保管槽11はトレー2をプッシュレバー13前方に搬出する。
【0009】
図1Eは操作プッシュレバー14がトレー2を操作ゾーン122に押し上げることを示しており、前記チップピックアップヘッド17はウェーハ上のチップをトレー2に入れることができ(図示せず)、このときプッシュレバー13はトレー保管槽11から搬出してトレー2を搬送ステージ12上の緩衝ゾーン121へ移動させる。
【0010】
図1Fは操作プッシュレバー14がチップを置き終えたトレー2を搬送ステージ12と搬出ステージ16の境界に移動させる。
【0011】
図1Gは操作プッシュレバー14がトレー2の側面に移動し、トレー2を押し上げて搬出ステージ16に向けて移動させると、トレー保管槽11はトレー2をプッシュレバー13前方に搬出させる。
【0012】
図1Hは操作プッシュレバー14がトレー2の側面を押し上げ、トレー2を搬出ステージ16へ移した後、搬出用プッシュレバー18がトレー2をトレー保管装置19へ移し、続いて操作プッシュレバー14が前記動作を繰り返し、緩衝ゾーン121へ移して次のトレー2を押し上げて搬送ステージ12上で移動させる。
【0013】
前記トレー搬送装置10は操作プッシュレバー14を具備するだけで、前記操作プッシュレバー14によりトレー2を搬送ステージ12上へ移動させることができるものの、操作プッシュレバー14がトレー2を搬出ステージ16へ移した後、前記操作プッシュレバー14は長時間かけて、搬出ステージ16の位置から前記緩衝ゾーン121の位置へ移動して次のトレー2を取るが、このときダイス分類機は前記操作プッシュレバー14が動作を完了するのを待たねばならず、時間の浪費となっている。
【0014】
前記従来技術にある欠点を考慮して、ダイス分類機が操作プッシュレバーを待機しなければならない問題を改善し、ダイス分類機の効率を高めると共にトレー搬送装置を具備した類似した設備にも使用できるトレー搬送装置を提示する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的はダイス分類機が操作プッシュレバーを待機しなければならない問題を改善し、ダイス分類機の効率を高めるトレー搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的に基づき本発明では、緩衝ゾーンと操作ゾーンを含む搬送ステージと、搬送ステージに設置し緩衝ゾーンにあるトレーを押し上げて搬送ステージで移動させるための搬入用プッシュレバーと、搬送ステージに設置し操作ゾーンにあるトレーを押し上げて搬送ステージ上で移動させるための操作プッシュレバーと、搬送ステージから搬出されるトレーに載せるための搬出ステージとを含み、搬入用プッシュレバーと操作プッシュレバーは同様に作動し、操作プッシュレバーが操作ゾーンにあるトレーを搬出ステージに押し上げると、搬入用プッシュレバーは緩衝ゾーンにあるトレーを操作ゾーンに押し上げることができるトレー搬送装置を開示する。
【発明の効果】
【0017】
本発明のトレー搬送装置を使用するとトレーを搬出すると同時に緩衝ゾーンにあるトレーを操作ゾーンに移動させることができるが、操作プッシュレバーの移動距離が大幅に縮小することで、移動にかかる時間もこれに連れて短縮され、ダイス分類機が操作プッシュレバーを待機しなければならない問題を効率的に改善できるだけでなく、移動にかかる時間もこれに連れて短縮されることで、トレー搬送効率が大幅に高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に図面を参照しながら本発明の実施例について説明するが、本発明は以降の実施例に限定されない。
なお、本発明について一層明確に記述し理解しやすくするために、図面内各部分は相対的サイズに基づいておらず、またサイズとその他の関連尺度を比較した場合誇張されたものとなっており、図面を簡潔にするため関連のない細部についても完全に描いているわけではない。
【実施例】
【0019】
図2Aと図2Bはそれぞれ本発明の好ましい実施例のトレー搬送装置の側面概略図と俯瞰概略図を示している。前記トレー搬送装置20は、トレー保管槽21、搬送ステージ22、プッシュレバー23、搬入用プッシュレバー24、操作プッシュレバー25、搬出用プッシュレバー28、搬出ステージ26及びトレー保管装置29を含み、そのほかにさらに操作装置27を含む。
【0020】
トレー保管槽21は複数のトレー2を保管するためのもので、前記トレー保管槽21はトレー搬出装置212を具備し、毎回トレー2を搬出することができる。プッシュレバー23はトレー保管槽下方に設置してトレー保管槽21から搬出されるトレー2を搬送ステージ22に押し送る。
【0021】
搬送ステージ22はトレー保管槽から搬出されたトレー2を載せ、且つ前記搬送ステージ22は緩衝ゾーン221と操作ゾーン222を含む。操作装置27は操作ゾーン222上方に設置され、操作ゾーン222にあるトレー2を操作する。
前記操作装置27はウェーハ上のチップをトレー2に入れるためのチップピックアップヘッドであるか、又はトレー2上のチップを検査するためのチップ検査ヘッドであってもよい。搬入用プッシュレバー24は搬送ステージ22に設置して、前記搬入プッシュレバー24は緩衝ゾーン221にあるトレー2を押し上げて搬送ステージ22上を移動させるための第一搬入押し上げ端241と第二搬入押し上げ端242を含む。
操作プッシュレバー25は第一操作押し上げ端251と第二操作押し上げ端252を含み、搬送ステージ22に設置して操作ゾーン222にあるトレー2を押し上げて搬送ステージ22上で移動させる。
そのうち、搬入用プッシュレバー24と操作プッシュレバー25は同様に作動し、操作プッシュレバー25が操作ゾーン222にあるトレー2を搬出ステージ26に押し上げると、搬入用プッシュレバー24は緩衝ゾーン221にあるトレー2を操作ゾーン222へ押し上げることができる。
【0022】
搬出ステージ26は搬送ステージ22から搬出されるトレー2を載せるためのものである。搬出用プッシュレバー28は第一搬出押し上げ端281と第二搬出押し上げ端282を含み、搬出ステージ26に設置して搬出ステージ26にあるトレー2を押し上げて搬出ステージ26上を移動させる。トレー保管装置29は複数のトレー2を保管するものである。
【0023】
図2C乃至図2Fは図2Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。
そのうち、図2Cは操作プッシュレバー25がトレー2を押し上げて操作ゾーン222を移動させ、操作ゾーン222上方に設置された操作装置27(図示せず)は操作ゾーン222にあるトレー2を操作することができることを示している。
操作装置27がチップピックアップヘッドである場合、ウェーハ上のチップをトレー2に入れることができ、又は操作装置27がチップ検査ヘッドである場合、トレー2上のチップを検査することができる。
このとき、搬入用プッシュレバー24もトレー2を押し上げて緩衝ゾーン221で移動させると同時に、トレー保管槽21はトレーをプッシュレバー23前方へ搬出させる。
【0024】
図2Dは操作プッシュレバー25が操作を完了したトレー2を押し上げて搬送ステージ22と搬出ステージ26の境界へ移すと同時に、搬入用プッシュレバー24はトレー2を押し上げて操作ゾーン222へ移動させる。
【0025】
図2Eは操作プッシュレバー25がトレー2の側面に移動した場合、搬入用プッシュレバー24もトレー2の側面に移動することを示している。
【0026】
図2Fは操作プッシュレバー25がトレー2の側面に移動すると、トレー2を搬出ステージ26に移動させた後、搬出用プッシュレバー28からトレー2をトレー保管装置29に移し、このとき搬入用プッシュレバー24もトレー2の側面を押し上げて、トレー2を操作ゾーン222に移すと同時に、プッシュレバー23はトレー保管槽21から搬出したトレー2を搬送ステージ22上の緩衝ゾーン221に移した後、搬入用プッシュレバー24と操作プッシュレバー25は前記動作を繰り返して、搬入用プッシュレバー24が緩衝ゾーン221に移動して緩衝ゾーン221にあるトレー2を押し上げると同時に、操作プッシュレバー25は操作ゾーン222に移動して操作ゾーン222にあるトレー2を押し上げる。
【0027】
図3Aと図3Bはそれぞれ本発明による別途好ましい実施例のトレー搬送装置の側面概略図と俯瞰概略図を示している。
本実施例は搬入用装置50を具備しており、トレー2を搬送ステージ22の緩衝ゾーン221に移し、前記搬入用装置50は駆動装置51、支持バー52及び少なくとも一つの吸盤53を含む。前記支持バー52は前記駆動装置51に設置し、また前記支持バー52は吸盤53を具備し、トレー2を吸盤53で吸着させてから、駆動装置51より緩衝ゾーン221へ送る。
本実施例によると、前記支持バー52はL字型外型をしているが、この限りではなくL字型の支持バー52は移動工程で搬送ステージ22の構造と衝突が起きるのを防止することができ、搬送ステージ22のスペースを充分に利用することができ、ステージの設計に多大な効果をもたらすものである。
【0028】
本発明のトレー搬送装置を使用するとトレーを搬出すると同時に緩衝ゾーンにあるトレーを操作ゾーンに移動させることができるが、操作プッシュレバーの移動距離が大幅に縮小することで、移動にかかる時間もこれに連れて短縮され、ダイス分類機が操作プッシュレバーを待機しなければならない問題を効率的に改善できるだけでなく、移動にかかる時間もこれに連れて短縮されることで、トレー搬送効率が大幅に高められる。
【0029】
以上述べた実施例は本発明の技術趣旨及び特徴を説明したに過ぎず、その目的は当業者が本発明の内容を理解し実施することにあり、これを以って本発明の範囲を限定するものではなく、その他本発明で開示した趣旨により仕上がった各種等価変更若しくは修正についてもすべて、本発明に含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1A】それぞれ従来技術におけるトレー搬送装置の側面概略図を示している。
【図1B】それぞれ従来技術におけるトレー搬送装置の俯瞰概略図を示している。
【図1C】図1Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。
【図1D】図1Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。
【図1E】図1Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。
【図1F】図1Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。
【図1G】図1Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。
【図1H】図1Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。
【図2A】それぞれ本発明の好ましい実施例に基づくトレー搬送装置の側面概略図を示している。
【図2B】それぞれ本発明の好ましい実施例に基づくトレー搬送装置の俯瞰概略図を示している。
【図2C】図2Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。
【図2D】図2Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。
【図2E】図2Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。
【図2F】図2Bにおけるトレー搬送装置の操作工程を示している。
【図3A】それぞれ本発明の別途好ましい実施例に基づくトレー搬送装置の側面概略図を示している。
【図3B】それぞれ本発明の別途好ましい実施例に基づくトレー搬送装置の俯瞰概略図を示している。
【符号の説明】
【0031】
2 トレー
10 トレー搬送装置
11 トレー保管槽
12 搬送ステージ
13 プッシュレバー
14 操作プッシュレバー
16 搬出ステージ
17 チップピックアップヘッド
18 搬出用プッシュレバー
19 トレー保管装置
112 トレー搬出装置
121 緩衝ゾーン
122 操作ゾーン
20 トレー搬送装置
21 トレー保管槽
22 搬送ステージ
23 プッシュレバー
24 搬入用プッシュレバー
25 操作プッシュレバー
26 搬出ステージ
27 操作装置
28 搬出用プッシュレバー
29 トレー保管装置
50 搬入用装置
51 駆動装置
52 支持バー
53 吸盤
212 トレー搬出装置
221 緩衝ゾーン
222 操作ゾーン
241 第一搬入用押し上げ端
242 第二搬入用押し上げ端
251 第一操作用押し上げ端
252 第二操作用押し上げ端
281 第一搬出用押し上げ端
282 第二搬出用押し上げ端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緩衝ゾーンと操作ゾーンを含む搬送ステージと、
前記搬送ステージに設置し、前記緩衝ゾーンにあるトレーを前記搬送ステージに押し上げるための搬入用プッシュレバーと、
前記搬送ステージに設置し、前記操作ゾーンにある前記トレーを前記搬送ステージ上に移動するための操作プッシュレバーと、
前記搬送ステージから搬出される前記トレーを載せるための搬出ステージを含むトレー搬送装置であって、
前記搬入用プッシュレバーと前記操作プッシュレバーは同様に作動し、前記操作プッシュレバーが前記操作ゾーンにある前記トレーを前記搬出ステージに押し上げると、前記搬入用プッシュレバーは前記緩衝ゾーンにある前記トレーを前記操作ゾーンに押し上げることを特徴とするトレー搬送装置。
【請求項2】
前記搬入用プッシュレバーが第一搬入用押し上げ端と第二搬入用押し上げ端を含み、まず前記第一搬入用押し上げ端で前記トレーを押し上げ、次に前記第二搬入用押し上げ端で前記トレーを押し上げて、前記緩衝ゾーンにある前記トレーを前記操作ゾーンに押し上げることを特徴とする請求項1に記載するトレー搬送装置。
【請求項3】
前記操作ゾーン上方に設置し、前記操作ゾーンにある前記トレーに対して作動するための操作装置を更に含むことを特徴とする請求項1に記載するトレー搬送装置。
【請求項4】
前記搬出ステージ上に設置され、前記搬出ステージにある前記トレーを押し上げて前記搬出ステージ上を移動させるための搬出用プッシュレバーを更に含むことを特徴とする請求項1に記載するトレー搬送装置。
【請求項5】
前記トレーを前記緩衝ゾーンに移すための搬入用装置を更に含み、前記搬入用装置は前記トレーを送達するための支持バーを具備し、前記支持バーの外型がL字型の態様であることを特徴とする請求項1に記載するトレー搬送装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3A】
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【図3B】
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