説明

トースティングとベーキングを制御するための装置および方法

本発明のトースティングとベーキングとを制御する装置は、以下の構成を備える。トースティング度をその色調の関数として検出するように、トースティングを検出するためのトースティング感知手段(1)と、トースティング感知手段(1)から発信された信号を処理するための信号処理手段(2)と、ロジック処理制御手段(3)と、ロジック格納手段(4)と、複数のトースティング手段(5)とを少なくとも備える。さらに、上記トースティング感知手段と、上記信号処理手段と、上記ロジック格納手段と、上記複数のトースティング手段とがロジック処理制御手段(3)に接続されている。その結果、トーストされる、またはベークされる生産物の色調の変化に基づいて、トースティングまたはベーキングの制御を実行することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のトースティングとベーキングを制御する装置の目的は、最適な結果を得ることができるように、生産物のトースティング度あるいはベーキング度を感知すると共に、その生産物の均一性を感知することである。本発明のトースティングとベーキングを制御する装置は、食物のほかに他の生産物、例えば、陶器をトースティングあるいはベーキングするために用いられるどのようなアイテムにも使用することができる。
【背景技術】
【0002】
本発明の技術分野の現状では、ベークされた生産物がいつも同じ度合いのトースティングとなるようにする制御方法はない。ほぼすべてのシステムが、決まった時間だけ決まった温度でトースティングすることに基づいているが、トーストされる生産物は、しばしば異なるものであり、あるいは、違った状況にさらされる。トースティングの時間は、トーストあるいはベークされる生産物の種類に従って様々である。これは、適用される熱の強度や時間がいつも違うことを意味する。多くの場合において、生産物が真っ黒こげになるか、あるいは、十分にトーストされないのが現実である。本発明は、毎回トースティングの時間を計算しなければならないユーザへの要求を排除することを目的とする。
【0003】
もう一つの問題は、均一であるトースティングを成し遂げることである。通常トースティングの不均一は、熱源に対する生産物の接近度が必ずしも同じではないことのほかに、トーストされる生産物の材料が、これもまた必ずしも同じではないことにより起こる。
【発明の概要】
【0004】
本発明のトースティングとベーキングを制御する装置は、少なくとも以下の構成を備える。
(i)トースティング度をその色調の関数として検出するように、トースティングを検出するためのトースティング感知手段と、
(ii)上記トースティング感知手段から発信された信号を処理するための信号処理手段と、
(iii)ロジック処理制御手段と、
(iv)ロジック格納手段と、
(v)複数のトースティング手段。
【0005】
さらに、すべての上記構成要素がロジック処理制御手段に接続されている。トースティング手段は、どのような形状にでもすることができるが、小さければ小さい程、トースティング制御の均一性はより精確となる。本発明のトースティングとベーキングを制御するための装置はまた、もう一つの利点を有する。必要とされるトースティング手段のみが作動するので、エネルギーの節約になる点である。言い換えると、過度にトーストされたエリアをカバーするトースティング手段を停止させるだけでなく、トーストするためのものが何も無いエリアをカバーするトースティング手段もまた作動させない。
【0006】
本発明のトースティングとベーキングを制御する装置は、トースティングとベーキングを制御する方法を含み、この方法は、以下のステージ(i)〜(vi)を備える。
(i)上記装置が初期化された時点で、トースティング手段が作動し始める。
(ii)上記トースティング手段が使用温度に到達した時点で、トーストされる、あるいはベークされる生産物の最初のインプレッションが、トースティング感知手段によって取り込まれる。
(iii)n秒毎に、上記トースティング感知手段は、アイテムの状態を取り込んで、前ステージのオリジナルインプレッションと比較し、トースティングは色調の変化によって特定され、上記nの値は上記生産物の種類に依存している。
(iv)上記前ステージとの比較の間において、他のエリアよりも早く色が変わるエリアがあれば、すなわち、より強くトーストされたエリアがあれば、上記ロジック処理制御手段は、より強くトーストされているエリアをカバーしている上記トースティング手段の出力を停止する、あるいは出力を下げることが可能である。
(v)十分なトースティングを、以下のサブプロセスから選択された少なくとも1つのサブプロセスによって検出する。
上記ロジック処理制御手段が上記生産物に付いている焼き色と比較することができるようにするために、適当な度合いと共に最初から組み込まれているキャプチャー(取り込みデータ)との比較による検出。
ある特定の用途に使用するための最適なトースティング度と共にユーザによって保存されたセンシングと比較することによる検出。
適当な手段によりユーザによって暗くされた、あるいは明るくされたインプレッションと比較することによる検出。
上記装置が最初の色と、一連のキャプチャーを得ているあいだに生じた色の変化とを比較することによる、黒ずみのレベルによる検出。
(vi)最適な均一性はもちろん、上記トースティング度またはベーキング度に達した時点で、上記装置は、上記トースティングとベーキングを停止する。
【0007】
本発明のトースティングとベーキングとを制御するための装置と方法のおかげで、最初の生産物、あるいは形状および状態にかかわらず、我々はユーザにより選択されたトースティング度でこれ以上ない均一性を持つ最終生産物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の記載は、本発明をより理解するのに役立つ一連の図の簡単な説明である。この図は、本発明の実施形態と正確に関連しており、本発明を限定する意図のない、図によって説明された実施例を提供する。
【図1】図1は、本発明のトースティングとベーキングとを制御するための装置の目的の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の望ましい実施形態において、本発明の目的である、トースティングとベーキングとを制御するための装置は、以下の構成を備える。
(i)トースティング度をその色調の関数として検出するように、トースティングを検出するためのトースティング感知手段(1)と、
(ii)上記トースティング感知手段(1)から発信された信号を処理するための信号処理手段(2)と、
(iii)ロジック処理制御手段(3)と、
(iv)ロジック格納手段(4)と、
(v)複数のトースティング手段(5)と
を少なくとも備え、
上記トースティング感知手段と、上記信号処理手段と、上記ロジック格納手段と、上記複数のトースティング手段とが上記ロジック処理制御手段(3)に接続されている。
【0010】
本発明の第2の面は、トースティングとベーキングとを制御する方法であり、少なくとも以下のステージ(i)〜(vi)を備える。
(i)上記装置が初期化された時点で、トースティング手段(5)が作動し始める。
(ii)上記トースティング手段が使用温度に到達した時点で、トーストされる、あるいはベークされる生産物の最初のインプレッションは、トースティング感知手段(1)によって取り込まれる。
(iii)n秒毎に、上記トースティング感知手段(1)は、アイテムの状態を取り込んで、前ステージのオリジナルインプレッションと比較し、トースティングは色調の変化によって特定され、上記nの値は上記生産物の種類に依存している。
(iv)上記前ステージとの比較の間において、他のエリアよりも早く色が変わるエリアがあれば、すなわち、より強くトーストされたエリアがあれば、上記ロジック処理制御手段(3)は、より強くトーストされているエリアをカバーしている上記トースティング手段(5)の出力を停止する、あるいは出力を下げることが可能である。
(v)十分なトースティングの検出は、以下のサブプロセスから選択された少なくとも1つのサブプロセスによってもたらされる。
上記ロジック処理制御手段(3)が上記生産物に付いている焼き色と比較することができるようにするために、適当な度合いと共に最初から組み込まれているキャプチャー(取り込みデータ)との比較による検出。
ある特定の用途に使用するための最適なトースティング度と共にユーザによって保存されたセンシングと比較することによる検出。
適当な手段によりユーザによって暗くされた、あるいは明るくされたインプレッションと比較することによる検出。
上記装置が最初の色と、一連のキャプチャーを得ているあいだに生じた色の変化とを比較することによる、黒ずみのレベルによる検出。
(vi)最適な均一性はもちろん、上記トースティング度またはベーキング度に達した時点で、上記装置は、上記トースティングとベーキングを停止する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)トースティング度をその色調の関数として検出するように、トースティングを検出するためのトースティング感知手段(1)と、
(ii)上記トースティング感知手段(1)から発信された信号を処理するための信号処理手段(2)と、
(iii)ロジック処理制御手段(3)と、
(iv)ロジック格納手段(4)と、
(v)複数のトースティング手段(5)と
を少なくとも備え、
上記トースティング感知手段と、上記信号処理手段と、上記ロジック格納手段と、上記複数のトースティング手段とが上記ロジック処理制御手段(3)に接続されていることを特徴とするトースティングとベーキングとを制御するための装置。
【請求項2】
少なくとも以下のステージ(i)〜(v)を包含することを特徴とするトースティングとベーキングとを制御するための装置。
(i)上記装置が初期化された時点で、トースティング手段が作動し始める。
(ii)上記トースティング手段が使用温度に到達した時点で、トーストされる、あるいはベークされる生産物の最初のインプレッションは、トースティング感知手段によって取り込まれる。
(iii)n秒毎に、上記トースティング感知手段は、アイテムの状態を取り込んで、前ステージのオリジナルインプレッションと比較し、トースティングは色調の変化によって特定され、上記nの値は上記生産物の種類に依存している。
(iv)上記前ステージとの比較の間において、他のエリアよりも早く色が変わるエリアがあれば、すなわち、より強くトーストされたエリアがあれば、上記ロジック処理制御手段は、より強くトーストされているエリアをカバーしている上記トースティング手段の出力を停止する、あるいは出力を下げることが可能である。
(v)上記トースティング度またはベーキング度ならびに最適な均一性に達した時点で、上記装置は、上記トースティングとベーキングを停止する。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
上記ロジック処理制御手段が上記生産物に付いている焼き色と比較することができるようにするために、適当な度合いと共に最初から組み込まれているキャプチャーとの比較による検出と、
ある特定の用途に使用するための最適なトースティング度と共にユーザによって保存されたセンシングと比較することによる検出と、
適当な手段によりユーザによって暗くされた、あるいは明るくされたインプレッションと比較することによる検出と、
上記装置が最初の色と、一連のキャプチャーを得ているあいだに生じた色の変化とを比較することによる、黒ずみのレベルによる検出と
のサブプロセスのうちから選択された少なくとも1つのサブプロセスによって十分なトースティングを検出することを特徴とする方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−510673(P2011−510673A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545513(P2010−545513)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【国際出願番号】PCT/ES2009/000059
【国際公開番号】WO2009/098334
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(510213222)クランボ・ソシエダッド・アノニマ (4)
【氏名又は名称原語表記】CRAMBO, S.A.
【Fターム(参考)】