説明

ドアハンドル構造体及びドアハンドル構造体セット

【課題】ハンドルの外観上の一体性を損なうことなく、質感や体裁に優れ、またドアへの取り付け強度の確保と、脚部自体の小型化とを両立してデザイン性に優れたドアハンドルを提供する。
【解決手段】当接面内にて脚部2を厚さ方向に貫通する脚部固定孔21と、ハンドル本体1内にて前記脚部固定孔21と重なる穴形状で有底穴形成された本体固定穴11と、ボルト孔31Hを有して脚部固定孔21及び前本体固定穴11内に収容されるチャンネル31と、ボルト孔31H内から固定面のワッシャ33,34を介挿して取り付け対象側に先端突出するボルト32と、ボルト32をチャンネル31内でビス固定するビス固定手段を具備する。当接面側の穴開口が段状に拡大した拡大口212を有し、固定面のワッシャ33,34はこの拡大口212内に収容される。チャンネル31及び本体固定穴11は、前記固定面のワッシャ33,34よりも小幅の断面で形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築用扉等に取り付けるドアハンドル構造体及び複数のドアハンドル構造体からなるドアハンドル構造体セットであって、特に建築用の扉に取り付けるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、扉の前面に密着する複数の脚部間の空間に手指を挿入して把持する冷蔵庫用の把手装置として、脚部間に橋架される橋架部を有する樹脂製のハンドルベースと、橋架部の前面に取り付けられる金属製のハンドルサポートと、ハンドルサポートの前面を覆う樹脂製のハンドルトリムとを備えたものが開示される(特許文献1参照)。この把手装置は、ハンドルトリムの長手方向の両端に被せてハンドルトリムを係止する第1、第2ハンドルキャップをハンドルベースに設けたものであり、表面に配されるハンドルトリムの変形や破損の発生を防止できる、とされる。
【0003】
上記把手装置は冷蔵庫用という用途から、破損/変形防止のハンドルキャップを外面に取り付けたものであり、また脚部裏面に筒型の樹脂成形枠からなる挿通孔が形成された構造となっている。そしてドアへの取り付け時には、この挿通孔にタップネジを挿通させてドアに固定したのちにハンドル外面をキャップ等で覆うものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−250481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記把手装置のような外面取り付け式の別体のキャップ構造は、ハンドルの外観上の一体性を失わせ、体裁や質感に欠けるものとなってしまう。
【0006】
また上記把手装置を例えば比較的大型/高質量の建築用扉に採用する場合には、ネジの取り付け強度を高めるためにネジ径及び挿通孔の樹脂成形枠を拡径する必要があり、これに伴って所定以上の脚部の構成幅が求められる。このため、必要な取り付け強度を確保するためには脚部自体の小型化が困難であり、脚部のデザイン上の制限が生じていた。
【0007】
そこで本発明では、ハンドルの外観上の一体性を損なうことなく、質感や体裁に優れ、またドアへの取り付け強度の確保と、脚部自体の小型化とを両立してデザイン性に優れたドアハンドルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく(1)〜(4)の手段を講じている。
(1)本発明のドアハンドル構造体は、ハンドル本体1と、
ハンドル本体1の内側面の複数個所に配され、取り付け対象への当接面を有した複数の脚部2を有して構成され、内部に収容したボルト32をビス固定することで取り付けられるハンドル構造体であって、
前記当接面内にて脚部2を厚さ方向に貫通する脚部固定孔21と、
前記ハンドル本体1内にて前記脚部固定孔21と重なる穴形状で有底穴形成された本体固定穴11と、
厚さ方向に貫通するボルト孔31Hを少なくとも一本以上有すると共に前記脚部固定孔21及び前記本体固定穴11内に収容されるチャンネル31と、
前記ボルト孔31Hよりも大きいボルト頭部を有し、チャンネル31のボルト孔31H内から固定面のワッシャ33,34を介挿して取り付け対象側に先端突出するボルト32と、
ボルト32をチャンネル31内でビス固定するビス固定手段を具備してなり、
当接面側の穴開口が段状に拡大した拡大口212を有し、前記固定面のワッシャ33,34はこの拡大口212内に収容されるものであって、前記チャンネル31及び本体固定穴11は、前記固定面のワッシャ33,34よりも小幅の断面で形成されることを特徴とする。
(2)前記ドアハンドル構造体において、脚部2が、硬度60以上の弾性樹脂製材からなり、ハンドル本体1よりも小さい幅でハンドル本体1の内側面に貼り付け固定されることが好ましい。
(3)前記いずれかに記載のドアハンドル構造体において、ハンドル本体1は、平面状の取り付け対象に並走して配置される棒状体からなり、棒両端付近の内側面の少なくとも一部が、取り付け対象に対して互いに対称な方向へ傾斜するものであり、
前記脚部2は、それぞれが前記傾斜した内側面に沿う固定面を有して、前記ハンドル本体1の棒両端付近に一対または複数対が設けられることが好ましい。
(4)また本発明のドアハンドル構造体セットは、前記いずれかに記載のドアハンドル構造体、並びに、
当該ドアハンドル構造体と略対称または略同一形状の他面ハンドル本体1´及び複数の他面脚部2´を有した他面ドアハンドル構造体を備えてなる。
そして、前記他面ハンドル本体1´が前記ボルトの先部に螺合する他面雌ネジ孔を有してなり、
当該ドアハンドル構造体及び他面ドアハンドル構造体が、板状のドアからなる取り付け対象の一面及び他面に対向して配置され、取り付け対象のドアを貫通するボルトによって同位置に共取り付けされることを特徴とする。
【0009】
本発明は上記手段を講じており、ボルトとチャンネルからなる固定構造を、ハンドル本体及び脚部内に形成した固定穴の中に収容固定することで、脚部の小型化を可能としている。またチャンネルを比較的細幅として固定穴の構造強度を確保すると共に、ドアへの取り付け面では比較的大径のワッシャを段状形成した拡大口内に収容することで、取り付け後の面安定性を最大限に確保するものとしている。また前記固定構造は取り付け対象側に開口した固定穴内に収容固定されるため、ハンドル本体の外観上の一体性を損なうことなく、質感や体裁に優れ、またデザイン性に優れたドアハンドルの成形が可能となった。
【0010】
さらに脚部2を所定硬度の弾性樹脂製とすることで、ハンドル本体の取り付け部全体に緩衝機能が生じ、ガタつき等が生じにくく取り付けの安定性に優れるものとなる。すなわち弾性樹脂製の脚部2を用いることで、ボルト32の突出部にねじりモーメントが生じたときも、ボルト32を取り付け対象面と垂直に戻す弾性反力が自動的に働くこととなり、雌ネジ孔12H及びボルト32を脚部2と共に細く構成しても耐久性に問題が生じにくい。
【0011】
或いは脚部2を比較的細幅の樹脂製からなるものとすることで、ハンドル本体の美観性を強調する等といったデザイン性の向上を図ることができる。また、ハンドル本体の内側面の対向方向の傾斜面それぞれに沿って、対構成された複数の脚部が貼り付け固定されるものとすることで、取り付け部の応力を各対の脚部で均等化し、取り付けの安定性により優れたものとなる。
【0012】
また弾性樹脂製の脚部2は比較的加工が容易であり、段状の拡大口212を成形しやすく、拡大口212の2段口形状によってワッシャの上面及び側面を安定保持しうる。
【0013】
また本発明のドアハンドル構造体セットのように、ボルトで共取り付けによる両面保持を行うものであれば、ドアハンドル構造毎の固定用のボルトを用いた取り付け作業が不要となり、取り付け構造をコンパクトに構成することができる。また、前記固定構造や拡大口の構造によって、取り付け対象であるドアの貫通部分を比較的細いボルトで構成することで、ネジ穴加工や大径の固定穴加工が不要となって比較的容易にドア加工を行うことができる。特にドアハンドル構造体セットにおいては両面からの複雑な捩じれモーメントが発生するため、弾性樹脂製の脚部を使用することで取り付けの安定性を図ることできる。
【0014】
なお、複数の脚部2の取り付け対象への当接面積の総和が、ハンドル本体1の取り付け対象への投影面積の少なくとも50%以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
上記手段を講じることにより、ハンドルの外観上の一体性を損なうことなく、質感や体裁に優れ、またドアへの取り付け強度の確保と、脚部自体の小型化とを両立してデザイン性に優れたドアハンドルを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1のドアハンドル構造及びドアハンドル構造セットの取り付け状態を示す斜視説明図。
【図2】実施例1のドアハンドル構造及びドアハンドル構造セットの取り付け前後の状態を示す断面説明図。
【図3】実施例1のドアハンドル構造の斜視分解図。
【図4】実施例2のドアハンドル構造の斜視分解図。
【図5】実施例3のドアハンドル構造の斜視分解図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下にこの発明のドアハンドル構造体について、実施例1,2、3として示す各図と共に説明する。本発明のドアハンドル構造は基本的に、本発明のドアハンドル構造体は、ハンドル本体1と、
ハンドル本体1の内側面の複数個所に配され、取り付け対象への当接面を有した複数の脚部2を有して構成され、内部に収容したボルト32をビス固定手段によってビス固定することで取り付けられる。
【0018】
また取り付け対象への取り付け構造として、
厚さ方向に貫通するボルト孔31Hを少なくとも一本以上有すると共に前記脚部固定孔21及び前記本体固定穴11内に収容されるチャンネル31と、
前記ボルト孔31Hよりも大きいボルト頭部を有し、チャンネル31のボルト孔31H内から固定面のワッシャ33,34を介挿して取り付け対象側に先端突出するボルト32と、
ボルト32をチャンネル31内でビス固定するビス固定手段を具備してなる。
【0019】
本発明の特徴のひとつとして、ボルト32に介挿した比較的大径のワッシャ33,34を、脚部2に形成した2段口形状の拡大口212内に収容し、それよりも上方の脚部固定孔及び本体固定穴11を比較的小径の収容空間11Dで構成してなる。そしてこの収容空間11D内に、ボルト32を挿通した状態のチャンネル31が僅かな隙間を持ってぴったり収容される。この収容された挿通されたボルト32は、チャンネル31及びハンドル本体1を側方に貫通する複数本の固定ビス4によって側方からビス固定される。
【0020】
また本発明のドアハンドル構造体セットは、
取り付け対象のドアの一面に配置されるドアハンドル構造体と、取り付け対象のドアを挟んで他面に対向配置される他面ドアハンドル構造体とからなる。
他面ドアハンドル構造体は、ドアハンドル構造体と略対称または略同一形状の他面ハンドル本体1´、及び、ドアハンドル構造体と略対称または略同一形状の複数の他面脚部2´を備えてなる。以下、各実施例の構成につき詳述する。
【実施例1】
【0021】
実施例1のドアハンドル構造セットは図1に示すように、取り付け対象を透明のガラスドアとしてその一面及び他面の上下2カ所ずつを取り付け穴とし、実施例1のドアハンドル構造及び他面ドアハンドル構造によって挟み込んで、共通したボルトと一面側の固定構造によって取り付けられる。
【0022】
(ハンドル本体1)
ハンドル本体1は、平面状の取り付け対象に並走して配置される矩形断面の棒状体からなり、棒両端付近の内側面の少なくとも一部が、取り付け対象に対して互いに対称な方向へ傾斜し、長さ方向中央が上方へ緩やかに湾曲する。ハンドル本体1内には、脚部固定孔21と同位置かつ小径部211と同一の穴形状で、本体固定穴11が有底穴形成される。またこの本体固定穴11の位置の両側面には、固定ビス4が螺入しうるビス側孔11Hが形成される。このビス側孔11Hは穴先で本体固定穴11に連通する。ハンドル本体1の下面は曲面からなり、この曲面に沿って両面テープ1Aが張り付けられ、脚部2の上面を貼り付け固定する。
【0023】
(脚部2)
実施例の脚部2は、それぞれがハンドル本体の傾斜した内側面に沿う固定面を上面に有し、ハンドル本体1の内側面の複数個所に配され、取り付け対象への当接面を下面に有して、ハンドル本体1の棒両端付近に一対が設けられる。
【0024】
脚部2はまた、オレフィン系ポリマーを主剤とした硬度60以上90以下の樹脂製材からなり、ハンドル本体1よりも小さい幅でハンドル本体1の内側面に貼り付け固定される。硬度40〜50であれば取り付け時のボルト固定力によって挟まれることで弾性樹脂製の脚部が変形し、外形が膨らんでしまう一方、硬度が90を超えると取り付け対象の面になじみにくく、取り付け時或いは取り付け後の温度変化によってガタつき等が生じやすくなる。各面ヘのなじみやすさ、及び緩衝機能を考慮すると、硬度70〜80であることがより好ましい。
【0025】
ハンドル本体1の中央部側にあたる片端の上面が端に向かって緩やかに傾斜形成されることで、片端が膨らんだ略三角形状をしてなる。この膨らんだ片端の端面には、当接面側ヘ窪んだ略S字状の切り欠き2Eが形成される。この切り欠き2Eによって当接面を小さくすることで、ハンドルを把手しうる範囲を広く確保し、また脚部2の弾性変形による緩衝機能を発揮させやすいものとしている。
複数の脚部2の取り付け対象への当接面積の総和は、ハンドル本体1の取り付け対象への投影面積の少なくとも50%以上であることが好ましい。実施例では当接面積の総和が全投影面積の三分の二程度である65%となっている。これにより脚部2の弾性性能を効率的に発揮し、取り付け安定性に優れたものとしている。
【0026】
脚部2には、当接面内にて脚部2の厚さ方向に貫通する脚部固定孔21が形成される。この脚部固定孔21は、チャンネル31を挿通しうる上部の小径部と、当接面側の穴開口が段状に拡大した下部の拡大口212とからなる。固定面の硬質ワッシャ33及び弾性ワッシャ34はこの拡大口212内に収容されるものであって、チャンネル31及び本体固定穴11は、前記固定面の各ワッシャ33,34よりも小幅の断面で形成される。
【0027】
(チャンネル31)
チャンネル31は、厚さ方向に貫通するボルト孔31Hを少なくとも一本以上有すると共に前記脚部固定孔21及び前記本体固定穴11内に僅かの隙間をもって収容される。実施例1のチャンネル31は前記収容空間11Dに収容される円柱の外形であり、円形の同軸孔で上下に貫通形成されたボルト孔31Hを有した円筒形状からなる。
【0028】
(ボルト32)
ボルト32は、ボルト孔31Hよりも大きくかつ本体固定穴11よりも小さい径のボルト頭部を有し、チャンネル31のボルト孔31H内から固定面のワッシャ33,34を介挿した状態で、取り付け対象側に先端突出する。
【0029】
(ビス固定手段)実施例のビス固定手段は、ボルト32をチャンネル31の両側方から螺子固定する固定ビス4と、固定ビス4を挿通するチャンネル側孔31Sと、ハンドル本体の両側面に形成されたビス側孔11Hとで構成される。
【0030】
(取付け方法)
本発明のドアハンドル構造の取付け方法として、先ずチャンネル31に挿通したボルト32を、各ワッシャを介装させた状態として、取り付け対象の雌ネジ穴に螺合固定する。次にこの螺合固定されたボルト32を、頭部から脚部及びハンドル本体1の収容空間11Dで覆って、チャンネル31を脚部固定孔21、本体固定穴11内に収容する。この収容状態では、脚部2の当接面が取り付け対象の面と当接している。そして、ハンドル本体1の両側面に形成されたビス孔11Hから固定ビス4を差し込み、チャンネル31側面に形成したチャンネル側孔31Sを挿通した固定ビス4の先部がボルト32に圧締することでビス固定する。
【0031】
(他面ハンドル構造)
他面ハンドル構造を構成する他面ハンドル本体1´は、前記ボルトの先部に螺合する他面雌ネジ孔を有してなる。この他面雌ネジ孔12Hは、本体固定穴11内に嵌め込み固定された収容体12の内面に形成される。取り付け状態では、取り付け対象側に先端突出したボルト32の先部が、取り付け対象の貫通孔を介して他面側に突出し、他面雌ネジ孔12Hに螺合固定される。このようにして、ドアハンドル構造体及び他面ドアハンドル構造体が、板状のドアからなる取り付け対象の一面及び他面に対向して配置され、取り付け対象のドアを貫通するボルトによって同位置に共取り付けられる。
【実施例2】
【0032】
実施例2ではチャンネル31が断面矩形の立方体形状からなり、脚部固定孔21の孔形状及び段形成された拡大口212が前記矩形断面よりも一回り大きい方形状からなる(図4)。ワッシャ(硬質ワッシャ33,弾性ワッシャ34)はこの方形状の拡大口212内に収容される円形ワッシャである。また実施例2の脚部固定孔21は、当接面側の穴開口が段状に拡大した矩形の拡大口212を有し、固定面の円形のワッシャ33,34がこの拡大口212内に収容される。
【0033】
チャンネル31及び本体固定穴11は、前記固定面のワッシャ33,34の外形よりも小さい幅の矩形断面で形成される。また、チャンネル31上に配置される上ワッシャ35は、チャンネル31の矩形断面よりも小さい外形で形成される。
【実施例3】
【0034】
実施例3ではチャンネル31が断面矩形の直方体形状からなり、脚部固定孔21の孔形状及び段形成された拡大口212がこれよりも一回り大きい略同断面大の直方体形状からなる(図5)。固定面のワッシャ(硬質ワッシャ33,弾性ワッシャ34)、上ワッシャ35、ボルト32、固定ビス4、ビス固定孔11H、及びボルト孔31Hはそれぞれこの断面長方形状の長手方向に並んで二つずつ形成される。またハンドル本体1の下面は両端に接着剤1Aが塗布され、脚部2の上面に接着するものとしている。チャンネル31及び本体固定穴11を含む収容空間11Dが長方形断面で構成され、1つのチャンネル32において2本ずつのボルトで取り付けられるため、固定力に優れたものとなる。
【0035】
その他本発明は上述した実施例の構成に限定されることなく、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、各種の形態変更が可能である。たとえば実施例間の構成要素の組み換え、一部要素の抽出のほか、ボルト及びチャンネルからなる軸材、他面ハンドル本体における本体固定穴を伴わない他面雌ネジの形成、といった別構成間の一体構成化あるいは一体構成材の別部材構成化が可能であり、また環状ワッシャから2連孔を有する矩形プレートワッシャへの形態変更、あるいは脚部やハンドル本体における一部構成材の弾性樹脂材化、弾性樹脂材のカバー材付加などが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 ハンドル本体
11 本体固定穴
2 脚部
21 脚部固定孔
212 拡大口
32 ボルト
31H ボルト孔
31 チャンネル
33,34 ワッシャ
1´ 他面ハンドル本体
2´ 他面脚部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル本体(1)と、ハンドル本体(1)の内側面の複数個所に配され、取り付け対象への当接面を有した複数の脚部(2)を有して構成され、内部に収容したボルト(32)をビス固定することで取り付けられるドアハンドル構造であって、
前記当接面内にて脚部(2)を厚さ方向に貫通する脚部固定孔(21)と、
前記ハンドル本体(1)内にて前記脚部固定孔(21)と重なる穴形状で有底穴形成された本体固定穴(11)と、
厚さ方向に貫通するボルト孔(31H)を少なくとも一本以上有すると共に前記脚部固定孔(21)及び前記本体固定穴(11)内に収容されるチャンネル(31)と、
前記ボルト孔(31H)よりも大きいボルト頭部を有し、チャンネル(31)のボルト孔(31H)内から固定面のワッシャ(33,34)を介挿して取り付け対象側に先端突出するボルト(32)と、
ボルト(32)をチャンネル(31)内でビス固定する固定手段(4)を具備してなり、
前記脚部固定孔(21)は、当接面側の穴開口が段状に拡大した拡大口(212)を有し、前記固定面のワッシャ(33,34)はこの拡大口(212)内に収容されるものであって、前記チャンネル(31)及び本体固定穴(11)は、前記固定面のワッシャ(33,34)よりも小幅の断面で形成されることを特徴とするドアハンドル構造。
【請求項2】
前記脚部(2)が、オレフィン系ポリマーを主剤とした硬度60以上の弾性樹脂製材からなり、ハンドル本体(1)よりも小さい幅でハンドル本体(1)の内側面に貼り付け固定される請求項1記載のドアハンドル構造。
【請求項3】
前記ハンドル本体(1)は、平面状の取り付け対象に並走して配置される棒状体からなり、棒両端付近の内側面の少なくとも一部が、取り付け対象に対して互いに対称な方向へ傾斜するものであり、
前記脚部(2)は、それぞれが前記傾斜した内側面に沿う固定面を有して、前記ハンドル本体(1)の棒両端付近に一対または複数対が設けられる請求項1又は2記載のドアハンドル構造。
【請求項4】
請求項1、2又は3のいずれかに記載のドアハンドル構造体、並びに、当該ドアハンドル構造体と略対称または略同一形状の他面ハンドル本体(1´)及び複数の他面脚部(2´)を有した他面ドアハンドル構造体を備えたハンドル構造体セットであって、
前記他面ハンドル本体(1´)は、内側面の固定位置に、前記ボルトの先部に螺合する他面雌ネジ孔を有し、該ドアハンドル構造体及び他面ハンドル構造体が、板状の取り付け対象のそれぞれ一面及び他面に、取り付け対象を貫通して他面側に突出したボルト(32)によって共取り付けされることを特徴とするハンドル構造体セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−236559(P2011−236559A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106025(P2010−106025)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 刊行物名:カタログ「UNION ARCHISM SERIES 2010−2012」 発行年月日:平成22年4月1日 発行所:アサイ メディックス株式会社 該当頁:DH−037 公開者名:株式会社ユニオン 公開のタイトル:「ドアハンドル T1107」
【出願人】(000138613)株式会社ユニオン (42)