ドライブレコーダ設定値反映方法
【課題】ドライブレコーダの設定データの変更を効率的に行い、マスタデータと車載機のデータとが異なっている場合にこれを認識する。
【解決手段】ドライブレコーダの複数の設定項目のうち少なくとも1つを変更した車載機側設定値をコンピュータに読み込ませるステップと、車載機側設定値をコンピュータに保存されているマスタデータに含まれるセンタ側設定値と並べて、コンピュータに接続された表示装置に表示するステップと、車載機側設定値をセンタ側設定値と比較するステップと、を有し、ドライブレコーダで設定された車載機側設定値と、マスタデータのセンタ側設定値とが異なっている項目に関する設定値の少なくとも一方について、車載機側設定値とセンタ側設定値とが同一の項目に関する設定値とは異なった表示方法で表示することを特徴とする。
【解決手段】ドライブレコーダの複数の設定項目のうち少なくとも1つを変更した車載機側設定値をコンピュータに読み込ませるステップと、車載機側設定値をコンピュータに保存されているマスタデータに含まれるセンタ側設定値と並べて、コンピュータに接続された表示装置に表示するステップと、車載機側設定値をセンタ側設定値と比較するステップと、を有し、ドライブレコーダで設定された車載機側設定値と、マスタデータのセンタ側設定値とが異なっている項目に関する設定値の少なくとも一方について、車載機側設定値とセンタ側設定値とが同一の項目に関する設定値とは異なった表示方法で表示することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダの設定値の反映方法に関し、特にドライブレコーダ本体で変更した設定値の外部のコンピュータに記憶したマスタデータへの反映方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライブレコーダは車両に発生した事故を事後的に検証するための装置として業務用や民生用に普及が進んでいる。ドライブレコーダは、1つまたは複数のカメラを接続し、衝撃を検知するセンサを内蔵しており、車両が他の車両と衝突した際に発生する衝撃をセンサで検知して、その際に記録していた映像を保存する(例えば特許文献1)。ここで、ドライブレコーダの設置カメラ台数や、記録を開始する衝撃の閾値等の設定値はユーザが設定することができる。
【0003】
ここで、従来のドライブレコーダの設定値の変更方法について説明する。図1は従来のドライブレコーダの設定値の設定手順を示すフローチャートであり、図2はドライブレコーダの斜視図である。まず、ステップS101において、ドライブレコーダ本体とは接続されていない外部のコンピュータ等においてドライブレコーダの各種設定値を格納した設定データを設定する。次に、ステップS102において、設定した設定データをメモリカード等に保存する。次にステップS103において、図2に示すように車両に搭載したドライブレコーダ1(以下、「車載機」という)のメモリカードスロット3に、コンピュータで設定した設定データを格納したメモリカード2を挿入し、車載機内のFROM(登録商標)等のメモリ4に設定データを書き込む。このような手順を踏むことによって、例えば車両が複数台ある場合に、設定データの管理をコンピュータで一元的に行うことができる。
【0004】
例えば車両が複数台存在する場合、各車両に搭載したドライブレコーダである車載機101、102、103に同一の設定データAを書き込む場合の手順について図3を用いて説明する。まず、ステップS301において、車載機の外部に設置したコンピュータにおいて車載機101〜103に共通に使用する設定データAを設定する。次に、ステップS302において設定データAをメモリカードに保存する。次に、ステップS303において、車載機101にメモリカードを挿入しメモリに設定データAを書き込む。同様にして、ステップS304において、車載機102のメモリに設定データAを書き込み、ステップS305において、車載機103のメモリに設定データAを書き込む。このようにして、複数台の車両に搭載した車載機101〜103において共通に使用する設定データAの修正、変更をコンピュータで1回修正することによって、複数の車載機において使用する共通の設定データの設定操作を簡略化することができる。
【0005】
一方、上記のように車載機の外部に設置したコンピュータで変更した設定データを車載機に読み込ませる方法以外に車載機側で設定データを変更する方法も知られている。図4は、端末を備えた車載機の斜視図である。車載機1には端末5が接続されている。端末5は表示部7と、データを入力するためのテンキー等のキー6を備えている。さらに、車載機1はFROM(登録商標)等のメモリ4を内蔵しており、車載機の設定データを保存することができる。車載機1の設定データの変更は、メモリ4に格納された設定データを表示部7に表示させ、キー6を操作することによって行っていた。このようにして、車載機側で設定データを変更することによって、ユーザが個別に車載機の設定データを変更することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2007−4378
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のコンピュータで設定した設定データを、メモリカードを用いて各車両の車載機に読み込ませる方法では、コンピュータが車両とは離れた場所に設置してある場合には、設定変更のたびに車両とコンピュータの設置場所との間を往復する必要があり、効率的ではないという問題が生じていた。
さらに、コンピュータを介さずに各車載機で設定データを変更可能であるため、コンピュータのマスタテーブルに記録されている設定値と車載機に設定されている設定値とが異なることを認識できないという問題も生じていた。
【0008】
一方、車載機に接続した端末を用いて設定データを変更する方法では、コンピュータ等の外部機器において管理していなかったため、同一の設定データを使用する同一車種に属する車両に搭載した個々の車載機に対して同様の設定データの変更操作を行う必要があり、効率的ではないという問題が生じていた。
【0009】
そこで、本発明は、車両に搭載した車載機の設定データの変更を効率的に行う方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のドライブレコーダ設定値反映方法は、ドライブレコーダの複数の設定項目に関する設定データの各々の設定値のうち少なくとも1つを変更した車載機側設定値をコンピュータに読み込ませるステップと、車載機側設定値をコンピュータに保存されているマスタデータに含まれるセンタ側設定値と並べて、コンピュータに接続された表示装置に表示するステップと、車載機側設定値をセンタ側設定値と比較するステップと、を有し、ドライブレコーダで設定された車載機側設定値と、マスタデータのセンタ側設定値とが異なっている項目に関する設定値の少なくとも一方について、車載機側設定値とセンタ側設定値とが同一の項目に関する設定値とは異なった表示方法で表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ドライブレコーダの設定データの変更を効率的に行うことができる。また、マスタデータと車載機のデータとが異なっている場合にこれを認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明に係るドライブレコーダ設定値反映方法について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【実施例1】
【0013】
本発明の第1の実施例について図面を用いて説明する。本発明の実施例1に係るドライブレコーダ設定値反映方法の実施に用いる車載機の斜視図を図5に示す。車載機1は、車載機の本体内部に設置されたFROM(登録商標)等のメモリ4と、SDカード等のメモリカード2を挿入するためのメモリスロット3と端末5とを備えている。端末5は、車載機1の各種設定データを変更することができる。設定データの変更は、メモリ4に格納されたデータを読み出して表示部7に表示し、変更したい項目をテンキー等のキー6で選択し、所望のデータを入力することによって行うことができる。また、変更した設定データはメモリ4に保存するだけでなく、メモリスロット3に挿入したメモリカード2にも保存することができる。設定を変更した設定データを外部のコンピュータ等で読み込む場合には、メモリカードを外部のコンピュータに接続することによって実行することができる。
【0014】
また、メモリカードに記録した設定値を別の車載機に読み込ませて設定することも可能である。これにより、センタ側のコンピュータを経由することなく直接他の車両の車載機の設定を変更することができる。
【0015】
図6は、本発明の実施例1に係るドライブレコーダ設定値反映方法を示すフローチャートである。実施例1に係るドライブレコーダ設定値反映方法においては、車載機で設定データを変更し、変更した設定データ(車載機側設定値)を、メモリカード等を介して外部のコンピュータに読み込み、これをコンピュータに予め保存されたマスタデータ(センタ側設定値)と比較する際に、車載機で変更した車載機側設定値がセンタ側設定値と異なっている項目の表示方法を変更していない他の項目の表示方法と異ならせて表示する点を特徴としている。そして、表示方法が異なっている項目に着目して、車載機で変更した設定データのうちの一部または全部をマスタデータへ反映させるか否かを決定する点を特徴としている。
【0016】
本発明の実施例1に係るドライブレコーダ設定値反映方法においては、まず、図6のステップS601において車載機側で設定データを変更する。具体的には、図5に示した車載機1において設定変更したい設定データを端末5の表示部7に読み出し、所望の項目を変更することによって行うことができる。ここで、設定変更した後の設定値を車載機側設定値と呼ぶ。次に、ステップS602において、端末5を用いて変更した車載機側設定値を含んだ設定データを車載機1のメモリロット3に挿入したメモリカード2に保存する。このときにメモリカード2に車載機側設定値を保存するだけでなく、車載機本体の内部のメモリ4に保存してもよい。
【0017】
次に、ステップS603において、メモリカード2を車載機1のメモリカードスロット3から取り出し、これを車載機1の外部に設置したコンピュータに接続し、コンピュータのメモリに車載機側設定値を書き込む。その後、ステップS604において、設定データを管理するための専用のアプリケーションソフトを実行し、コンピュータの表示部に車載機側設定値を含んだ設定データを表示する。このときに、コンピュータ内に予め車載機1の変更前の設定データが保存されている場合は、その設定データを読み出し、その両者の各項目の設定値が表示されるように、図9に示す如く表示装置に表示する。この車載機1で変更する前の設定データに含まれる設定値をセンタ側設定値と呼ぶ。
【0018】
尚、センタ側設定値の読み出し方法は次のようにしてなされる。即ち、センタ側のコンピュータには図7に示す車両マスタデータと、図8に示す車種マスタが予め記憶されている。
車両マスタは各車両番号とその車両番号に対応する車種を示すテーブルであり、車種マスタは各車種の設定データ、即ちセンタ側設定値を記憶したものである。図8(a)に車種Aについてのデータ構成例を示し、図8(b)に車種Bについてのデータ構成例を示す。
車載機側設定値には、車両番号が予め記憶されているため、メモリカード2から読み込んだ車載機側設定値から車両番号を抽出し、その車両番号を基に車両マスタから車種を特定する。特定した車種に基づき車種マスタからセンタ側設定値を抽出する。このようにして、センタ側設定値がマスタから読み出され車載機側設定値と共に表示装置に表示される。
【0019】
次に、ステップS605において、上記アプリケーションソフトは、車載機1で変更した車載機側設定値と、コンピュータに予め保存されていたマスタデータに含まれるセンタ側設定値の両者の各項目の設定値が同一であるか否かを判断する。同一でない項目がある場合にはステップS606において、同一である項目とは異ならせて表示を行う。具体的な表示方法については後述する。このように、設定データに含まれる複数の設定項目のうち設定値を変更した項目の表示方法を変更していない項目と異ならせることによって、変更した項目についてマスタデータに反映させるか否かをユーザは正確に判断することができ、作業効率を高めることができる。一方、車載機側設定値を含む設定データと、センタ側設定値を含むマスタデータの設定項目の設定値の全てが同一である場合には、設定データの変更が行われなかったものと判断することができるので、設定値の項目の表示方法を異ならせることなく、設置データのマスタデータへの反映も行わずに終了する。
【0020】
次に、ステップS607において、マスタデータの各々の項目を車載機1で変更した値に変更すべきか否かをコンピュータの操作キーによるユーザの指示に基づき決定する。本実施例では、変更した複数の項目を一括して変更するか否かをユーザが指示する例を示しているが、変更した項目が複数ある場合には個別にユーザが判断して、マスタデータへ反映するか否かを指示してもよい。変更の指示があった場合は、ステップS608において、表示装置に表示される変更前のセンタ側設定値を車載機で変更した値に書き換える。以上のようにして、車載機で変更した設定データをマスタデータに反映させるか否かを判断する際に、設定値を変更した項目に関して、車載機で変更した設定データとマスタデータとの相違を明確にすることができる。
【0021】
次に、車載機で変更した設定データに含まれる車載機側設定値と、マスタデータに含まれるセンタ側設定値とを並べてコンピュータの画面上に表示する際の表示方法について具体的に説明する。図9は、変更した設定値の文字の色を変えた場合のマスタ反映確認画面の概略図である。マスタ反映確認画面8は、主に車載設定登録確認部9と、設定データ表示部10からなる。車載設定登録確認部9においては、車載機で変更した設定データを新たなマスタデータとして新規に登録するか、設定を変更するか、登録しないかを選択する。ここで、新規に登録するか、既存のマスタデータの設定を変更する場合には車種名称と共に入力を行う。
【0022】
一方、設定データ表示部10は、車載機側で設定データを変更した車載機側設定値と、マスタデータであるセンタ側設定値とを複数の項目について対比して表示する。対比して表示する項目は、例えば項目名称にあるように、車両番号1001、取付方向1002、向け先1003、製品タイプ1004、衝撃検知1005、違反判定1006、カメラ設置台数107、撮影スイッチカテゴリ1008、撮影スイッチ上限回数1009、ブザー音量1010、ブザー音域1011等が挙げられる。車両番号1001は個々の車両番号を表示するものであり、この場合、1台の車両には通常1台のドライブレコーダを設置するため、車両番号は車載機側とセンタ側では一致している必要があり、本実施例においては、車両番号は両者共に「101」で一致している。本実施例においては、設定項目のうち、取付方向1002、向け先1003、衝撃検知1005、カメラ設置台数1007、撮影スイッチカテゴリ1008、撮影スイッチ上限回数1009及びブザー音域1011の車載機側設定値とセンタ側設定値で同一であり、表示方法も同一である。
【0023】
一方、設定項目のうち、製品タイプ1004、違反判定1006及びブザー音量1010の車載機側設定値とセンタ側設定値は、異なっている。本実施例においては両者の文字の色を変えることによって両者が異なっていることを明確にしている。例えば、製品タイプ1004を例に挙げると設定を変更した車載機側設定値である「高機能」の文字を赤色で表示し、センタ側設定値である「単機能」の文字を黒色で表示することによって両者が異なっていることを明確に表示することができる。また、両者が異なっていることを更に明確に表示するために、設定を変更した車載機側設定値である「高機能」の文字を赤色で表示し、センタ側設定値である「単機能」の文字を黒色ではなく青色で表示してもよい。もしくは、車載機側、センタ側共に同色(両方とも赤色)としてもよい。さらに、設定値の文字の色を変えるだけでなく、設定項目名である「製品タイプ」の文字の色を他の項目の色と変えて表示しても良い。例えば設定値が車載機側とセンタ側とで同一となっている「取付方向」、「向け先」の文字の色を黒色で表示し、「製品タイプ」の文字の色を赤色で表示してもよい。このように設定項目名の文字の色を変えることによって、変更された項目名をさらに明確に把握することができる。
【0024】
以上説明したとおり、車載機側で設定した設定データをコンピュータに読み込んで、専用アプリケーションソフトを用いてマスタデータと対比して表示する際に、設定データに含まれる複数の設定値のうち、設定値が車載機側とセンサ側とで異なっている項目の設定値のみを、設定値が同一である項目名の設定値と異なる色で表示することによって、設定変更が行われた項目名を明確に表示することができる。
【実施例2】
【0025】
次に、本発明の第2の実施例について図10を用いて説明する。実施例2においては、変更した設定値の表示方法を変更する方法として、文字の大きさを変更している点を特徴としている。図10は、変更した設定値の文字の大きさを変えた場合のマスタ反映確認画面を示している。本実施例では、車載機側設定値とセンタ側設定値とで設定値が異なっている項目の設定値の文字の大きさを、設定値が同一の項目の設定値の文字の大きさよりも大きく表示している。
【0026】
具体的には、車載機側とセンタ側とで設定値が異なっている項目である、製品タイプ1004、違反判定1006、カメラ設置台数1007、ブザー音量1010の各設定値の文字の大きさを設定値が同一となっている取付方向1002等の設定値の文字の大きさよりも大きく表示している。このように車載機側とセンタ側とで異なっている設定値について文字の大きさを大きくして表示することによって相違している項目を正確に認識することができるので車載機側で変更した設定値をマスタに反映するか否かの判断を正確に行うことができると共に作業効率を高めることができる。なお、本実施例においては、設定値の文字の大きさを変更するだけでなく、設定値が異なっている設定項目の文字の大きさを変更するようにしてもよい。
【実施例3】
【0027】
次に、本発明の第3の実施例について図11を用いて説明する。実施例3においては、変更した設定値の表示方法を変更する方法として、変更した設定値の文字以外の部分の色、即ち文字の背景色を変更している点を特徴としている。図11は、変更した設定値の文字以外の部分の色を変えた場合のマスタ反映確認画面を示している。本実施例では、車載機側設定値とセンタ側設定値とで設定値が異なっている項目の設定値の文字とその文字以外の部分である背景の色を、設定値が同一の項目の設定値の文字及び背景の色に対して反転した関係となるように表示している。
【0028】
具体的には、車載機側とセンタ側とで設定値が異なっている項目である、製品タイプ1004、違反判定1006、カメラ設置台数1007、ブザー音量1010の各設定値の文字の色及び背景の色を設定値が同一となっている取付方向1002等の設定値の文字の色及び背景の色と反転した関係となるように表示している。例えば車載機側設定値がセンタ側設定値と同一の項目の文字が黒色であり背景色が白色となっている場合に、車載機側設定値がセンタ側設定値と異なっている項目の設定値に関して文字を白色とし背景色を黒色とする。このように車載機側とセンタ側とで異なっている設定値について反転表示することによって相違している項目を正確に認識することができるので車載機側で変更した設定値をマスタに反映するか否かの判断を正確に行うことができると共に作業効率を高めることができる。なお、本実施例においては、設定値の文字を反転表示するだけでなく、設定値が異なっている設定項目の文字を反転表示するようにしてもよい。
【0029】
さらに、表示色の設定方法は上記の例に限られず、例えば車載機側設定値とセンタ側設定値が同一の設定値に関して文字の色を白色、背景色を黒色とした場合に、車載機側設定値とセンタ側設定値とが異なっている設定値に関しては、文字の色を青色、背景色を黄色となるように明暗状態を反転させたうえで色自体は任意に選択するようにしてもよい。
【0030】
また、車載機側設定値とセンタ側設定値が同一の設定値に関して文字の色を白色、背景色を黒色とした場合に、車載機側設定値とセンタ側設定値とが異なっている設定値に関しては、文字の色を白色のままとし、背景色のみを赤色となるように背景色のみを変更してもよい。
【0031】
上記のように、文字以外の部分の背景色を設定値の異同に基づいて異なる色で表示することにより、車載機側とセンタ側とで異なっている設定値の有無及びその値を瞬時に正確に読み取ることができるため、車載機側で設定した設定値をセンタ側のマスタデータに反映させるべきか否かの判断を効率的に行うことができるようになる。
【0032】
以上、車載機側設定値とセンタ側設定値が異なっている場合に、文字の色、文字の大きさ、背景の色を変更する例を示したが、これらを任意に組み合わせてもよい。例えば文字の色を変更しながら文字の大きさを変更してもよく、あるいは文字の大きさを変更するとともに背景色を変更するようにしてもよい。
【0033】
また、上記の実施例においては、車載機側設定値とセンタ側設定値が異なっている項目が複数ある場合に、変更した複数の設定値において変更する表示方法を一律とした例を示したが、任意に変更することも可能である。例えば、製品タイプ1004においては、文字の色のみを変えるように表示し、違反判定1006は文字の大きさと背景色を変えるように表示するようにしてもよい。このように設定項目ごとに変更する表示方法を異ならせることによって、重要な項目を強調して表示することが可能となり、車載機側設定値をセンタ側設定値に反映すべきか否かを判断する際に重要な項目に関して見落とすということを回避することができ、作業をさらに正確に行うことができるようになる。
【0034】
次に、ドライブレコーダを搭載した車両が複数台ある場合に、個々の車両に搭載された複数台の車載機の設定データを管理する手順について図面を用いて説明する。例えば、車両が3台ある場合を想定し、車両番号をそれぞれ101、102、103とする。仮に図7に示すように車両101及び103が車種Aに属し、車両102が車種Bに属していたと仮定する。この場合、車両101と103は同一の車種に属していることとなるが、設定データは図8に示すように車種毎に設定されているため、車両101の設定データを変更した場合に同じ車種である車両103の設定値も変更される。
【0035】
まず、車両103の所属車種を車両101と同一の車種に所属させる場合の手順について図12を用いて説明する。図12は、同一車種に属する他の車両の車載機の設定データを、車載機側で設定値を変更した車載機の設定データと同様に変更する場合の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS1001において、図7に示すように設定データ変更前の車両101、102、103の車載機の設定データをそれぞれ車種A、B、Aに設定する。次に、ステップS1002において車両101の車載機の設定データ、即ち図8に示す車種マスタデータを変更する。車両101の車載機の設定データは、変更前は車種Aに属していたため、変更後も同一の車種として登録する場合には変更後も車種Aに属している。ここで、設定を変更すると、車種はAのままであり、Aの元のデータをa1とするとa1が別のデータa2に置き換わる。
【0036】
具体的な設定方法について図13を用いて説明する。図13は車種を指定して設定変更を行なう場合のマスタ反映確認画面の概略図である。マスタ反映確認画面で車載機側設定値とセンタ側の異同を確認した後、変更された設定データをマスタデータに反映する方法としては、図13の車載設定登録確認部9において、「新規に登録する」、「設定を変更する」、または「登録しない」の3通りの手段を選択することができる。ここでは、変更した設定データをマスタデータに同一の車種として反映する場合を想定しているので、車載設定登録確認部9の枠内の項目選択部91の「設定を変更する」を選択し、その右側の車種名称指定部92の欄に「A」と入力し、反映実行ボタン93をクリックする。これにより、車種Aのセンタ側設定値が車載機側設定値に変更される。
【0037】
上記のような手順によれば、変更後の車両101〜103の車載機の所属車種はステップS1003に示すように、車両101及び103は「車種A」に属し、車両102は「車種B」に属することになる。次に、ステップS1004において、車両103の車載機のメモリカードをコンピュータに挿入し、メモリカード内に保存された設定データを車種Aから変更後の車種Aの設定データに変更する。さらに、ステップS1005において、車両103の車載機にメモリカードを挿入し、変更後の設定データを車載機内のメモリに書き込む。
【0038】
以上のような手順を実行することによって、車種Aに属する車両101の車載機において変更した設定データを、直接的には変更していない車両103の車載機の設定データに反映することができる。このようにすれば、同一の車種に属する複数台の車両の車載機における設定データの変更を効率的に行うことができ、複数台の車両の車載機の設定データの一元的管理を正確に行うことができる。
【0039】
次に、車両101の所属車種を車両103とは異なる車種に所属させる場合の手順について図14を用いて説明する。図14は、同一車種に属する一部の車両の車載機の設定データを別の車種として設定する場合の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS1201において、設定データ変更前の車両101、102、103の車載機の設定データをそれぞれA、B、Aに設定する。次に、ステップS1202において車両101の車載機の設定データを変更する。車両101の車載機の設定データは、変更前は車種Aに属しているが、変更後は別の車種Cとして設定するものとする。
【0040】
具体的な設定方法について図15を用いて説明する。図15は車種を指定して設定変更を行なう場合のマスタ反映確認画面の概略図である。マスタ反映確認画面で車載機側設定値とセンタ側の異同を確認した後、変更された設定データをマスタデータに反映する方法としては、図15の車載設定登録確認部9において、「新規に登録する」、「設定を変更する」、または「登録しない」の3通りの手段を選択することができる。ここでは、変更した設定データをマスタデータに別の車種として反映する場合を想定しているので、車載設定登録確認部9の枠内の項目選択部91の「新規登録する」を選択し、その右側の車種名称指定部92の欄に「C」と記入し、反映実行ボタン93をクリックする。
【0041】
上記のような手順によれば、変更後の車両101〜103の車載機の所属車種はステップS1203に示すように、車両101は「車種C」に属し、車両102は「車種B」に属し、車両103は「車種A」に属することになる。
【0042】
以上のような手順を実行することによって、設定データ変更前に車種Aに属していた車両101の車載機の設定データを、車種Aに属する他の車両(例えば車両103)の設定データに影響を与えることなく、車両101の車載機の設定データを独立して変更することができる。このようにすれば、同一の車種に属していた複数台の車両の車載機のうちの一部の車載機のみの変更を効率的に行うことができ、複数台の車両の車載機の設定データの一元的管理を正確に行うことができる。
【0043】
以上説明したように、本発明によれば、車載機側で変更した設定データのマスタデータへの反映を効率的に行うことができるようになる。なお、上記の実施例においては、車載機からコンピュータへのデータの読み書きにはメモリカードを介して行う例を示したが、車載機側とコンピュータ側に通信手段が設けられている場合には、車載機とコンピュータとの間で直接的に、またはネットワークを介して間接的に設定データのやり取りを行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来の車載機へのデータ設定手順を示すフローチャートである。
【図2】従来の車載機の斜視図である。
【図3】車載機が複数台ある場合の従来の車載機へのデータ設定手順を示すフローチャートである。
【図4】端末を備えた従来の車載機の斜視図である。
【図5】本発明の実施に用いる車載機の斜視図である。
【図6】本発明の車載機へのデータ設定手順を示すフローチャートである。
【図7】車両マスタデータの一例である。
【図8】車種マスタデータの一例である。
【図9】変更した設定値の文字色を変えた場合のマスタ反映確認画面の概略図である。
【図10】変更した設定値の文字の大きさを変えた場合のマスタ反映確認画面の概略図である。
【図11】変更した設定値の背景色を変えた場合のマスタ反映確認画面の概略図である。
【図12】同一車種に属する他の車両の車載機の設定データを同様に変更する場合の手順を示すフローチャートである。
【図13】変更した設定データを同一の車種として反映する場合のマスタ反映確認画面の概略図である。
【図14】同一車種に属する一部の車両の車載機の設定データを別の車種として設定する場合の手順を示すフローチャートである。
【図15】変更した設定データを別の車種として反映する場合のマスタ反映確認画面の概略図である。
【符号の説明】
【0045】
1 車載機
2 メモリカード
3 メモリカードスロット
4 メモリ
5 端末
6 キー
7 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダの設定値の反映方法に関し、特にドライブレコーダ本体で変更した設定値の外部のコンピュータに記憶したマスタデータへの反映方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライブレコーダは車両に発生した事故を事後的に検証するための装置として業務用や民生用に普及が進んでいる。ドライブレコーダは、1つまたは複数のカメラを接続し、衝撃を検知するセンサを内蔵しており、車両が他の車両と衝突した際に発生する衝撃をセンサで検知して、その際に記録していた映像を保存する(例えば特許文献1)。ここで、ドライブレコーダの設置カメラ台数や、記録を開始する衝撃の閾値等の設定値はユーザが設定することができる。
【0003】
ここで、従来のドライブレコーダの設定値の変更方法について説明する。図1は従来のドライブレコーダの設定値の設定手順を示すフローチャートであり、図2はドライブレコーダの斜視図である。まず、ステップS101において、ドライブレコーダ本体とは接続されていない外部のコンピュータ等においてドライブレコーダの各種設定値を格納した設定データを設定する。次に、ステップS102において、設定した設定データをメモリカード等に保存する。次にステップS103において、図2に示すように車両に搭載したドライブレコーダ1(以下、「車載機」という)のメモリカードスロット3に、コンピュータで設定した設定データを格納したメモリカード2を挿入し、車載機内のFROM(登録商標)等のメモリ4に設定データを書き込む。このような手順を踏むことによって、例えば車両が複数台ある場合に、設定データの管理をコンピュータで一元的に行うことができる。
【0004】
例えば車両が複数台存在する場合、各車両に搭載したドライブレコーダである車載機101、102、103に同一の設定データAを書き込む場合の手順について図3を用いて説明する。まず、ステップS301において、車載機の外部に設置したコンピュータにおいて車載機101〜103に共通に使用する設定データAを設定する。次に、ステップS302において設定データAをメモリカードに保存する。次に、ステップS303において、車載機101にメモリカードを挿入しメモリに設定データAを書き込む。同様にして、ステップS304において、車載機102のメモリに設定データAを書き込み、ステップS305において、車載機103のメモリに設定データAを書き込む。このようにして、複数台の車両に搭載した車載機101〜103において共通に使用する設定データAの修正、変更をコンピュータで1回修正することによって、複数の車載機において使用する共通の設定データの設定操作を簡略化することができる。
【0005】
一方、上記のように車載機の外部に設置したコンピュータで変更した設定データを車載機に読み込ませる方法以外に車載機側で設定データを変更する方法も知られている。図4は、端末を備えた車載機の斜視図である。車載機1には端末5が接続されている。端末5は表示部7と、データを入力するためのテンキー等のキー6を備えている。さらに、車載機1はFROM(登録商標)等のメモリ4を内蔵しており、車載機の設定データを保存することができる。車載機1の設定データの変更は、メモリ4に格納された設定データを表示部7に表示させ、キー6を操作することによって行っていた。このようにして、車載機側で設定データを変更することによって、ユーザが個別に車載機の設定データを変更することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2007−4378
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のコンピュータで設定した設定データを、メモリカードを用いて各車両の車載機に読み込ませる方法では、コンピュータが車両とは離れた場所に設置してある場合には、設定変更のたびに車両とコンピュータの設置場所との間を往復する必要があり、効率的ではないという問題が生じていた。
さらに、コンピュータを介さずに各車載機で設定データを変更可能であるため、コンピュータのマスタテーブルに記録されている設定値と車載機に設定されている設定値とが異なることを認識できないという問題も生じていた。
【0008】
一方、車載機に接続した端末を用いて設定データを変更する方法では、コンピュータ等の外部機器において管理していなかったため、同一の設定データを使用する同一車種に属する車両に搭載した個々の車載機に対して同様の設定データの変更操作を行う必要があり、効率的ではないという問題が生じていた。
【0009】
そこで、本発明は、車両に搭載した車載機の設定データの変更を効率的に行う方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のドライブレコーダ設定値反映方法は、ドライブレコーダの複数の設定項目に関する設定データの各々の設定値のうち少なくとも1つを変更した車載機側設定値をコンピュータに読み込ませるステップと、車載機側設定値をコンピュータに保存されているマスタデータに含まれるセンタ側設定値と並べて、コンピュータに接続された表示装置に表示するステップと、車載機側設定値をセンタ側設定値と比較するステップと、を有し、ドライブレコーダで設定された車載機側設定値と、マスタデータのセンタ側設定値とが異なっている項目に関する設定値の少なくとも一方について、車載機側設定値とセンタ側設定値とが同一の項目に関する設定値とは異なった表示方法で表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ドライブレコーダの設定データの変更を効率的に行うことができる。また、マスタデータと車載機のデータとが異なっている場合にこれを認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明に係るドライブレコーダ設定値反映方法について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【実施例1】
【0013】
本発明の第1の実施例について図面を用いて説明する。本発明の実施例1に係るドライブレコーダ設定値反映方法の実施に用いる車載機の斜視図を図5に示す。車載機1は、車載機の本体内部に設置されたFROM(登録商標)等のメモリ4と、SDカード等のメモリカード2を挿入するためのメモリスロット3と端末5とを備えている。端末5は、車載機1の各種設定データを変更することができる。設定データの変更は、メモリ4に格納されたデータを読み出して表示部7に表示し、変更したい項目をテンキー等のキー6で選択し、所望のデータを入力することによって行うことができる。また、変更した設定データはメモリ4に保存するだけでなく、メモリスロット3に挿入したメモリカード2にも保存することができる。設定を変更した設定データを外部のコンピュータ等で読み込む場合には、メモリカードを外部のコンピュータに接続することによって実行することができる。
【0014】
また、メモリカードに記録した設定値を別の車載機に読み込ませて設定することも可能である。これにより、センタ側のコンピュータを経由することなく直接他の車両の車載機の設定を変更することができる。
【0015】
図6は、本発明の実施例1に係るドライブレコーダ設定値反映方法を示すフローチャートである。実施例1に係るドライブレコーダ設定値反映方法においては、車載機で設定データを変更し、変更した設定データ(車載機側設定値)を、メモリカード等を介して外部のコンピュータに読み込み、これをコンピュータに予め保存されたマスタデータ(センタ側設定値)と比較する際に、車載機で変更した車載機側設定値がセンタ側設定値と異なっている項目の表示方法を変更していない他の項目の表示方法と異ならせて表示する点を特徴としている。そして、表示方法が異なっている項目に着目して、車載機で変更した設定データのうちの一部または全部をマスタデータへ反映させるか否かを決定する点を特徴としている。
【0016】
本発明の実施例1に係るドライブレコーダ設定値反映方法においては、まず、図6のステップS601において車載機側で設定データを変更する。具体的には、図5に示した車載機1において設定変更したい設定データを端末5の表示部7に読み出し、所望の項目を変更することによって行うことができる。ここで、設定変更した後の設定値を車載機側設定値と呼ぶ。次に、ステップS602において、端末5を用いて変更した車載機側設定値を含んだ設定データを車載機1のメモリロット3に挿入したメモリカード2に保存する。このときにメモリカード2に車載機側設定値を保存するだけでなく、車載機本体の内部のメモリ4に保存してもよい。
【0017】
次に、ステップS603において、メモリカード2を車載機1のメモリカードスロット3から取り出し、これを車載機1の外部に設置したコンピュータに接続し、コンピュータのメモリに車載機側設定値を書き込む。その後、ステップS604において、設定データを管理するための専用のアプリケーションソフトを実行し、コンピュータの表示部に車載機側設定値を含んだ設定データを表示する。このときに、コンピュータ内に予め車載機1の変更前の設定データが保存されている場合は、その設定データを読み出し、その両者の各項目の設定値が表示されるように、図9に示す如く表示装置に表示する。この車載機1で変更する前の設定データに含まれる設定値をセンタ側設定値と呼ぶ。
【0018】
尚、センタ側設定値の読み出し方法は次のようにしてなされる。即ち、センタ側のコンピュータには図7に示す車両マスタデータと、図8に示す車種マスタが予め記憶されている。
車両マスタは各車両番号とその車両番号に対応する車種を示すテーブルであり、車種マスタは各車種の設定データ、即ちセンタ側設定値を記憶したものである。図8(a)に車種Aについてのデータ構成例を示し、図8(b)に車種Bについてのデータ構成例を示す。
車載機側設定値には、車両番号が予め記憶されているため、メモリカード2から読み込んだ車載機側設定値から車両番号を抽出し、その車両番号を基に車両マスタから車種を特定する。特定した車種に基づき車種マスタからセンタ側設定値を抽出する。このようにして、センタ側設定値がマスタから読み出され車載機側設定値と共に表示装置に表示される。
【0019】
次に、ステップS605において、上記アプリケーションソフトは、車載機1で変更した車載機側設定値と、コンピュータに予め保存されていたマスタデータに含まれるセンタ側設定値の両者の各項目の設定値が同一であるか否かを判断する。同一でない項目がある場合にはステップS606において、同一である項目とは異ならせて表示を行う。具体的な表示方法については後述する。このように、設定データに含まれる複数の設定項目のうち設定値を変更した項目の表示方法を変更していない項目と異ならせることによって、変更した項目についてマスタデータに反映させるか否かをユーザは正確に判断することができ、作業効率を高めることができる。一方、車載機側設定値を含む設定データと、センタ側設定値を含むマスタデータの設定項目の設定値の全てが同一である場合には、設定データの変更が行われなかったものと判断することができるので、設定値の項目の表示方法を異ならせることなく、設置データのマスタデータへの反映も行わずに終了する。
【0020】
次に、ステップS607において、マスタデータの各々の項目を車載機1で変更した値に変更すべきか否かをコンピュータの操作キーによるユーザの指示に基づき決定する。本実施例では、変更した複数の項目を一括して変更するか否かをユーザが指示する例を示しているが、変更した項目が複数ある場合には個別にユーザが判断して、マスタデータへ反映するか否かを指示してもよい。変更の指示があった場合は、ステップS608において、表示装置に表示される変更前のセンタ側設定値を車載機で変更した値に書き換える。以上のようにして、車載機で変更した設定データをマスタデータに反映させるか否かを判断する際に、設定値を変更した項目に関して、車載機で変更した設定データとマスタデータとの相違を明確にすることができる。
【0021】
次に、車載機で変更した設定データに含まれる車載機側設定値と、マスタデータに含まれるセンタ側設定値とを並べてコンピュータの画面上に表示する際の表示方法について具体的に説明する。図9は、変更した設定値の文字の色を変えた場合のマスタ反映確認画面の概略図である。マスタ反映確認画面8は、主に車載設定登録確認部9と、設定データ表示部10からなる。車載設定登録確認部9においては、車載機で変更した設定データを新たなマスタデータとして新規に登録するか、設定を変更するか、登録しないかを選択する。ここで、新規に登録するか、既存のマスタデータの設定を変更する場合には車種名称と共に入力を行う。
【0022】
一方、設定データ表示部10は、車載機側で設定データを変更した車載機側設定値と、マスタデータであるセンタ側設定値とを複数の項目について対比して表示する。対比して表示する項目は、例えば項目名称にあるように、車両番号1001、取付方向1002、向け先1003、製品タイプ1004、衝撃検知1005、違反判定1006、カメラ設置台数107、撮影スイッチカテゴリ1008、撮影スイッチ上限回数1009、ブザー音量1010、ブザー音域1011等が挙げられる。車両番号1001は個々の車両番号を表示するものであり、この場合、1台の車両には通常1台のドライブレコーダを設置するため、車両番号は車載機側とセンタ側では一致している必要があり、本実施例においては、車両番号は両者共に「101」で一致している。本実施例においては、設定項目のうち、取付方向1002、向け先1003、衝撃検知1005、カメラ設置台数1007、撮影スイッチカテゴリ1008、撮影スイッチ上限回数1009及びブザー音域1011の車載機側設定値とセンタ側設定値で同一であり、表示方法も同一である。
【0023】
一方、設定項目のうち、製品タイプ1004、違反判定1006及びブザー音量1010の車載機側設定値とセンタ側設定値は、異なっている。本実施例においては両者の文字の色を変えることによって両者が異なっていることを明確にしている。例えば、製品タイプ1004を例に挙げると設定を変更した車載機側設定値である「高機能」の文字を赤色で表示し、センタ側設定値である「単機能」の文字を黒色で表示することによって両者が異なっていることを明確に表示することができる。また、両者が異なっていることを更に明確に表示するために、設定を変更した車載機側設定値である「高機能」の文字を赤色で表示し、センタ側設定値である「単機能」の文字を黒色ではなく青色で表示してもよい。もしくは、車載機側、センタ側共に同色(両方とも赤色)としてもよい。さらに、設定値の文字の色を変えるだけでなく、設定項目名である「製品タイプ」の文字の色を他の項目の色と変えて表示しても良い。例えば設定値が車載機側とセンタ側とで同一となっている「取付方向」、「向け先」の文字の色を黒色で表示し、「製品タイプ」の文字の色を赤色で表示してもよい。このように設定項目名の文字の色を変えることによって、変更された項目名をさらに明確に把握することができる。
【0024】
以上説明したとおり、車載機側で設定した設定データをコンピュータに読み込んで、専用アプリケーションソフトを用いてマスタデータと対比して表示する際に、設定データに含まれる複数の設定値のうち、設定値が車載機側とセンサ側とで異なっている項目の設定値のみを、設定値が同一である項目名の設定値と異なる色で表示することによって、設定変更が行われた項目名を明確に表示することができる。
【実施例2】
【0025】
次に、本発明の第2の実施例について図10を用いて説明する。実施例2においては、変更した設定値の表示方法を変更する方法として、文字の大きさを変更している点を特徴としている。図10は、変更した設定値の文字の大きさを変えた場合のマスタ反映確認画面を示している。本実施例では、車載機側設定値とセンタ側設定値とで設定値が異なっている項目の設定値の文字の大きさを、設定値が同一の項目の設定値の文字の大きさよりも大きく表示している。
【0026】
具体的には、車載機側とセンタ側とで設定値が異なっている項目である、製品タイプ1004、違反判定1006、カメラ設置台数1007、ブザー音量1010の各設定値の文字の大きさを設定値が同一となっている取付方向1002等の設定値の文字の大きさよりも大きく表示している。このように車載機側とセンタ側とで異なっている設定値について文字の大きさを大きくして表示することによって相違している項目を正確に認識することができるので車載機側で変更した設定値をマスタに反映するか否かの判断を正確に行うことができると共に作業効率を高めることができる。なお、本実施例においては、設定値の文字の大きさを変更するだけでなく、設定値が異なっている設定項目の文字の大きさを変更するようにしてもよい。
【実施例3】
【0027】
次に、本発明の第3の実施例について図11を用いて説明する。実施例3においては、変更した設定値の表示方法を変更する方法として、変更した設定値の文字以外の部分の色、即ち文字の背景色を変更している点を特徴としている。図11は、変更した設定値の文字以外の部分の色を変えた場合のマスタ反映確認画面を示している。本実施例では、車載機側設定値とセンタ側設定値とで設定値が異なっている項目の設定値の文字とその文字以外の部分である背景の色を、設定値が同一の項目の設定値の文字及び背景の色に対して反転した関係となるように表示している。
【0028】
具体的には、車載機側とセンタ側とで設定値が異なっている項目である、製品タイプ1004、違反判定1006、カメラ設置台数1007、ブザー音量1010の各設定値の文字の色及び背景の色を設定値が同一となっている取付方向1002等の設定値の文字の色及び背景の色と反転した関係となるように表示している。例えば車載機側設定値がセンタ側設定値と同一の項目の文字が黒色であり背景色が白色となっている場合に、車載機側設定値がセンタ側設定値と異なっている項目の設定値に関して文字を白色とし背景色を黒色とする。このように車載機側とセンタ側とで異なっている設定値について反転表示することによって相違している項目を正確に認識することができるので車載機側で変更した設定値をマスタに反映するか否かの判断を正確に行うことができると共に作業効率を高めることができる。なお、本実施例においては、設定値の文字を反転表示するだけでなく、設定値が異なっている設定項目の文字を反転表示するようにしてもよい。
【0029】
さらに、表示色の設定方法は上記の例に限られず、例えば車載機側設定値とセンタ側設定値が同一の設定値に関して文字の色を白色、背景色を黒色とした場合に、車載機側設定値とセンタ側設定値とが異なっている設定値に関しては、文字の色を青色、背景色を黄色となるように明暗状態を反転させたうえで色自体は任意に選択するようにしてもよい。
【0030】
また、車載機側設定値とセンタ側設定値が同一の設定値に関して文字の色を白色、背景色を黒色とした場合に、車載機側設定値とセンタ側設定値とが異なっている設定値に関しては、文字の色を白色のままとし、背景色のみを赤色となるように背景色のみを変更してもよい。
【0031】
上記のように、文字以外の部分の背景色を設定値の異同に基づいて異なる色で表示することにより、車載機側とセンタ側とで異なっている設定値の有無及びその値を瞬時に正確に読み取ることができるため、車載機側で設定した設定値をセンタ側のマスタデータに反映させるべきか否かの判断を効率的に行うことができるようになる。
【0032】
以上、車載機側設定値とセンタ側設定値が異なっている場合に、文字の色、文字の大きさ、背景の色を変更する例を示したが、これらを任意に組み合わせてもよい。例えば文字の色を変更しながら文字の大きさを変更してもよく、あるいは文字の大きさを変更するとともに背景色を変更するようにしてもよい。
【0033】
また、上記の実施例においては、車載機側設定値とセンタ側設定値が異なっている項目が複数ある場合に、変更した複数の設定値において変更する表示方法を一律とした例を示したが、任意に変更することも可能である。例えば、製品タイプ1004においては、文字の色のみを変えるように表示し、違反判定1006は文字の大きさと背景色を変えるように表示するようにしてもよい。このように設定項目ごとに変更する表示方法を異ならせることによって、重要な項目を強調して表示することが可能となり、車載機側設定値をセンタ側設定値に反映すべきか否かを判断する際に重要な項目に関して見落とすということを回避することができ、作業をさらに正確に行うことができるようになる。
【0034】
次に、ドライブレコーダを搭載した車両が複数台ある場合に、個々の車両に搭載された複数台の車載機の設定データを管理する手順について図面を用いて説明する。例えば、車両が3台ある場合を想定し、車両番号をそれぞれ101、102、103とする。仮に図7に示すように車両101及び103が車種Aに属し、車両102が車種Bに属していたと仮定する。この場合、車両101と103は同一の車種に属していることとなるが、設定データは図8に示すように車種毎に設定されているため、車両101の設定データを変更した場合に同じ車種である車両103の設定値も変更される。
【0035】
まず、車両103の所属車種を車両101と同一の車種に所属させる場合の手順について図12を用いて説明する。図12は、同一車種に属する他の車両の車載機の設定データを、車載機側で設定値を変更した車載機の設定データと同様に変更する場合の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS1001において、図7に示すように設定データ変更前の車両101、102、103の車載機の設定データをそれぞれ車種A、B、Aに設定する。次に、ステップS1002において車両101の車載機の設定データ、即ち図8に示す車種マスタデータを変更する。車両101の車載機の設定データは、変更前は車種Aに属していたため、変更後も同一の車種として登録する場合には変更後も車種Aに属している。ここで、設定を変更すると、車種はAのままであり、Aの元のデータをa1とするとa1が別のデータa2に置き換わる。
【0036】
具体的な設定方法について図13を用いて説明する。図13は車種を指定して設定変更を行なう場合のマスタ反映確認画面の概略図である。マスタ反映確認画面で車載機側設定値とセンタ側の異同を確認した後、変更された設定データをマスタデータに反映する方法としては、図13の車載設定登録確認部9において、「新規に登録する」、「設定を変更する」、または「登録しない」の3通りの手段を選択することができる。ここでは、変更した設定データをマスタデータに同一の車種として反映する場合を想定しているので、車載設定登録確認部9の枠内の項目選択部91の「設定を変更する」を選択し、その右側の車種名称指定部92の欄に「A」と入力し、反映実行ボタン93をクリックする。これにより、車種Aのセンタ側設定値が車載機側設定値に変更される。
【0037】
上記のような手順によれば、変更後の車両101〜103の車載機の所属車種はステップS1003に示すように、車両101及び103は「車種A」に属し、車両102は「車種B」に属することになる。次に、ステップS1004において、車両103の車載機のメモリカードをコンピュータに挿入し、メモリカード内に保存された設定データを車種Aから変更後の車種Aの設定データに変更する。さらに、ステップS1005において、車両103の車載機にメモリカードを挿入し、変更後の設定データを車載機内のメモリに書き込む。
【0038】
以上のような手順を実行することによって、車種Aに属する車両101の車載機において変更した設定データを、直接的には変更していない車両103の車載機の設定データに反映することができる。このようにすれば、同一の車種に属する複数台の車両の車載機における設定データの変更を効率的に行うことができ、複数台の車両の車載機の設定データの一元的管理を正確に行うことができる。
【0039】
次に、車両101の所属車種を車両103とは異なる車種に所属させる場合の手順について図14を用いて説明する。図14は、同一車種に属する一部の車両の車載機の設定データを別の車種として設定する場合の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS1201において、設定データ変更前の車両101、102、103の車載機の設定データをそれぞれA、B、Aに設定する。次に、ステップS1202において車両101の車載機の設定データを変更する。車両101の車載機の設定データは、変更前は車種Aに属しているが、変更後は別の車種Cとして設定するものとする。
【0040】
具体的な設定方法について図15を用いて説明する。図15は車種を指定して設定変更を行なう場合のマスタ反映確認画面の概略図である。マスタ反映確認画面で車載機側設定値とセンタ側の異同を確認した後、変更された設定データをマスタデータに反映する方法としては、図15の車載設定登録確認部9において、「新規に登録する」、「設定を変更する」、または「登録しない」の3通りの手段を選択することができる。ここでは、変更した設定データをマスタデータに別の車種として反映する場合を想定しているので、車載設定登録確認部9の枠内の項目選択部91の「新規登録する」を選択し、その右側の車種名称指定部92の欄に「C」と記入し、反映実行ボタン93をクリックする。
【0041】
上記のような手順によれば、変更後の車両101〜103の車載機の所属車種はステップS1203に示すように、車両101は「車種C」に属し、車両102は「車種B」に属し、車両103は「車種A」に属することになる。
【0042】
以上のような手順を実行することによって、設定データ変更前に車種Aに属していた車両101の車載機の設定データを、車種Aに属する他の車両(例えば車両103)の設定データに影響を与えることなく、車両101の車載機の設定データを独立して変更することができる。このようにすれば、同一の車種に属していた複数台の車両の車載機のうちの一部の車載機のみの変更を効率的に行うことができ、複数台の車両の車載機の設定データの一元的管理を正確に行うことができる。
【0043】
以上説明したように、本発明によれば、車載機側で変更した設定データのマスタデータへの反映を効率的に行うことができるようになる。なお、上記の実施例においては、車載機からコンピュータへのデータの読み書きにはメモリカードを介して行う例を示したが、車載機側とコンピュータ側に通信手段が設けられている場合には、車載機とコンピュータとの間で直接的に、またはネットワークを介して間接的に設定データのやり取りを行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来の車載機へのデータ設定手順を示すフローチャートである。
【図2】従来の車載機の斜視図である。
【図3】車載機が複数台ある場合の従来の車載機へのデータ設定手順を示すフローチャートである。
【図4】端末を備えた従来の車載機の斜視図である。
【図5】本発明の実施に用いる車載機の斜視図である。
【図6】本発明の車載機へのデータ設定手順を示すフローチャートである。
【図7】車両マスタデータの一例である。
【図8】車種マスタデータの一例である。
【図9】変更した設定値の文字色を変えた場合のマスタ反映確認画面の概略図である。
【図10】変更した設定値の文字の大きさを変えた場合のマスタ反映確認画面の概略図である。
【図11】変更した設定値の背景色を変えた場合のマスタ反映確認画面の概略図である。
【図12】同一車種に属する他の車両の車載機の設定データを同様に変更する場合の手順を示すフローチャートである。
【図13】変更した設定データを同一の車種として反映する場合のマスタ反映確認画面の概略図である。
【図14】同一車種に属する一部の車両の車載機の設定データを別の車種として設定する場合の手順を示すフローチャートである。
【図15】変更した設定データを別の車種として反映する場合のマスタ反映確認画面の概略図である。
【符号の説明】
【0045】
1 車載機
2 メモリカード
3 メモリカードスロット
4 メモリ
5 端末
6 キー
7 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブレコーダの複数の設定項目に関する設定データの各々の設定値のうち少なくとも1つを変更した車載機側設定値をコンピュータに読み込ませるステップと、
前記車載機側設定値を前記コンピュータに保存されているマスタデータに含まれるセンタ側設定値と並べて、前記コンピュータに接続された表示装置に表示するステップと、
前記車載機側設定値をセンタ側設定値と比較するステップと、を有し、
前記ドライブレコーダで設定された車載機側設定値と、マスタデータのセンタ側設定値とが異なっている項目に関する設定値の少なくとも一方について、車載機側設定値とセンタ側設定値とが同一の項目に関する設定値とは異なった表示方法で表示することを特徴とするドライブレコーダ設定値反映方法。
【請求項2】
前記ドライブレコーダで変更した設定データを前記マスタデータに反映させるか否かを決定するステップをさらに有する、請求項1に記載のドライブレコーダ設定値反映方法。
【請求項3】
前記車載機において設定データを変更した後、前記マスタデータに反映させない場合には、前記車載機の起動時において、前記設定データを読み込む、請求項1または2に記載のドライブレコーダ設定値反映方法。
【請求項4】
前記車載機の車種が未設定の場合には、前記車載機の車種をデフォルトのグループに設定する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドライブレコーダ設定値反映方法。
【請求項5】
前記設定データを登録する際に、車両番号のみでなく車種も指定して登録する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のドライブレコーダ設定値反映方法。
【請求項1】
ドライブレコーダの複数の設定項目に関する設定データの各々の設定値のうち少なくとも1つを変更した車載機側設定値をコンピュータに読み込ませるステップと、
前記車載機側設定値を前記コンピュータに保存されているマスタデータに含まれるセンタ側設定値と並べて、前記コンピュータに接続された表示装置に表示するステップと、
前記車載機側設定値をセンタ側設定値と比較するステップと、を有し、
前記ドライブレコーダで設定された車載機側設定値と、マスタデータのセンタ側設定値とが異なっている項目に関する設定値の少なくとも一方について、車載機側設定値とセンタ側設定値とが同一の項目に関する設定値とは異なった表示方法で表示することを特徴とするドライブレコーダ設定値反映方法。
【請求項2】
前記ドライブレコーダで変更した設定データを前記マスタデータに反映させるか否かを決定するステップをさらに有する、請求項1に記載のドライブレコーダ設定値反映方法。
【請求項3】
前記車載機において設定データを変更した後、前記マスタデータに反映させない場合には、前記車載機の起動時において、前記設定データを読み込む、請求項1または2に記載のドライブレコーダ設定値反映方法。
【請求項4】
前記車載機の車種が未設定の場合には、前記車載機の車種をデフォルトのグループに設定する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドライブレコーダ設定値反映方法。
【請求項5】
前記設定データを登録する際に、車両番号のみでなく車種も指定して登録する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のドライブレコーダ設定値反映方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−128611(P2010−128611A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300125(P2008−300125)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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