ドラム用フットペダル及びビーター
【課題】バスドラムのサイズやドラムヘッドの材質、ドラムヘッドの張力によって、フットペダルを踏み込んでビーターを打撃したときの感触や反力が各々違うものである。ライブハウスやレンタルスタジオなどの常備されたドラムセットを使用する場合、好みのバスドラムのサイズやドラムヘッドなどを容易には選択できない。また打撃時の反力調整はスプリングをフットペダルのフレームと回転軸部分に弾設した機構に限られている。
【解決手段】ビーターヘッド自体に弾性、衝撃吸収性、無反動性などの反力調整機能を持たせることにより、フットペダルのセットアップの幅が広がる。
【解決手段】ビーターヘッド自体に弾性、衝撃吸収性、無反動性などの反力調整機能を持たせることにより、フットペダルのセットアップの幅が広がる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドラム用フットペダル及びビーターに関する。
【背景技術】
【0002】
図1(A)はドラム用フットペダルがバスドラムにセットされた状態を表した側面図で、(B)はバスドラムの正面図(フットペダルは図示せず)であり、ドラム用フットペダルのビーターロッド1とビーターヘッド2を合わせたものをビーターといい、踏み込み時のフットボード3の動力を、ビーターロッド1を介してビーターヘッド2をドラムヘッド4に直接打撃するもので、ビーターヘッド2の材質はフェルト、木、プラスチック、ラバー製などがある。またひとつのビーターを2通りや3通りなどに分けてそれぞれの材質をフットペダルから離脱させず容易に選択使用できるものもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のドラム用フットペダルのビーターは材質や形状またはドラムヘッドへの接触部の角度などを選択できるものはあるが、ビーター自体に機能をもたせたものはない。本発明はドラム用フットペダルのビーターにドラムヘッドを打撃したとき足に感じるタッチのニュアンスや音量、また初期位置へ戻ろうとする反力等の調整機能を持たせたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、請求項1によると、フットボードの踏み込み動作によりビーターを回動させ、エネルギーをドラムヘッドに伝え打撃するフットペダルにおいて、前記ビーター部に弾性手段、衝撃吸収手段及び無反動手段の少なくともいずれか一つの手段を有するドラム用フットペダル及びビーターである。
【0005】
請求項2によると、請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙部に弾性部材を収納し、前記弾性部材を脱着可能にする手段を有する請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターである。
【0006】
請求項3によると、請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙に衝撃吸収部材を収納し、前記衝撃吸収部材を脱着可能にする手段を有する請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターである。
【0007】
請求項4によると、請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙部に粉粒体及び液体を収納する手段及び前記ビーターヘッド部及び前記ビーター打撃部のいずれか、あるいは両方に粉粒体及び液体を収納する収納部を設ける手段の少なくともいずれか一つの手段を有することを特徴とする請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターである。
【発明の効果】
【0008】
バスドラムのサイズやドラムヘッドの材質、ドラムヘッドの張力によって、フットペダルを踏み込んでビーターを打撃したときの感触や反力は違うものである。ライブハウスやレンタルスタジオなどの常備されたドラムセットを使用する場合、好みのバスドラムのサイズやドラムヘッドなどを容易には選択できないのが通常だが、このような固定化された条件下でフットペダルのビーターヘッド部の間隙に収納する素材を任意選択、及びビーターヘッドに反力調整機能を持ったものを任意選択し使用することにより、打撃したときの足に伝わる感触を調整することができ、セットアップの幅を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ドラム用フットペダルのビーターが用いられる周辺外観図。
【図2】本発明に係るドラム用フットペダルのビーターの一実施例の形態を示す側断面図。
【図3】間隙部7に収納する部材の脱着可能を示す側断面図。
【図4】無反動手段の脱着可能を示す側断面図。
【図5】ピストンを打撃部にした場合の側断面図。
【図6】ビーターヘッドに無反動手段を用いた場合の側断面図。
【図7】本発明に係るドラム用フットペダルのビーターの一実施例の形態を示す三面図の側断面図。
【図8】間隙部に衝撃吸収部材を収納したときの側断面図。
【図9】収納部材を脱着可能にした側断面図。
【図10】ビーターヘッド衝撃吸収剤、弾性素材を固設した図。
【図11】ビーターロッドに無反動カートリッジを取り付けた図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【実施例1】
【0011】
図2は図1におけるドラム用フットペダルのビーターロッド1とビーターヘッド2を合わせた、いわゆるビーター部を本発明に基づいた実施例の図で、図2(A)はドラム用フットペダルのビーターの側断面図である。ビーターロッド1と、ビーターロッド1を通軸し、固定ボルト5で固定したビーターヘッド2と筒状に形成したビーター打撃部6とビーターヘッド2とビーター打撃部6の間に設けた間隙部7と間隙部7に収納するスプリング8とビーター打撃表面部材9で基本構成されている。ビーター打撃表面部材9はフェルト、ゴム、木などを使用する。ビーターヘッド2からビーター打撃部6が抜け落ちないようビーターヘッド2は突起、ビーター打撃部6には受け部分が設けてある。ビーターヘッド及びビーター打撃部の形状はどのような形状でもかまわない。
【0012】
演奏時の初期状態は図2(A)で、ペダルを踏み込んでドラムヘッドに打撃した瞬間は図2(B)に示すように、スプリング8が縮む。間隙部7には弾性部材としてスプリング、ゴム、またはゴムなどに密閉収納された空気などを収納、弾性を有しているものなら何でもかまわない。また衝撃吸収部材として無反発ゴム、ジェル状の衝撃吸収剤、スチレン系ポリマーウレタン、低反発ウレタンやソルボなどを収納、衝撃吸収性を有しているものなら何でもかまわない。
【実施例2】
【0013】
図3(C)は図2(A)のビーターの間隙部に収納している、弾性部材及び衝撃吸収部材を脱着可能にしたビーターで、ビーター打撃部6に開閉蓋10を螺合して取り付け開閉蓋10にビーター打撃表面部9を設ける。
【0014】
図3(D)はビーター打撃部6に螺合している開閉蓋10を外し、間隙部に収納している弾性部材及び衝撃吸収部材の脱着時を表した図である(図ではスプリング8)。上記同様、弾性部材、衝撃吸収部材は何でもかまわない。図3(E)は一例として衝撃吸収剤のソルボセイン(登録商標)11を収納した場合の図である。
【実施例3】
【0015】
図4(F)は密閉した砂10などの紛粒体やシリコンオイルなどの液体を適宜量収納した無反動カートリッジ13を間隙部7に収納し、図4(G)のようにビーター打撃部6の開閉蓋10を外し、無反動カートリッジ13を脱着可能にしたビーターである。
【0016】
上記実施例では、ビーターヘッドをピストン、ビーター打撃部はシリンダーの関係になっているが、図5のようにピストンにビーター打撃部6、シリンダーをビーターヘッド2にするのも有効であり、どちらでもかまわない。
【実施例4】
【0017】
図6(H)のようにビーターヘッド2に無反動カートリッジと一体化した開閉蓋10を設ける。また図6(I)のように間隙部7を設け、無反動手段と弾性手段及び衝撃吸収手段を組み合わせるのも有効である。図示はしていないが、ビーターヘッドとビーター打撃部を固定ボルト等で固定し、間隙部の空間を常時確保して前記空間に砂などの紛粒体および液体を直接収納するのも有効である。
【0018】
尚、本発明におけるドラム用フットペダルのビーターの形状や大きさ、材質、間隙部の形状や容積などは特定されるものではない。
【実施例5】
【0019】
図7は図1におけるドラム用フットペダルのビーターロッドとビーターヘッドを合わせた、いわゆるビーター部を本発明に基づいた実施例の図で、図7(A)はドラム用フットペダルのビーター部の上面断面図、(B)は正面断面図、(C)は側面断面図で、1はドラム用フットボードの動力をビーターヘッド2に伝えるビーターロッドで、ビーターヘッド2はカップ状の形態であり、ビーターヘッド止めボルト14で固定され、直接ドラムヘッドに触れるビーター打撃表面部9がビーター打撃部分6に設けられる。ビーター打撃部分6とビーターヘッド2は滑合する関係にある。
ビーター打撃部分6はビーターロッド1の軸通と可動範囲のための透穴15を設け、間隙部7にスプリング8を収納し、ビーターヘッド2とを弾設させる。
【実施例6】
【0020】
図8(D)はドラム用フットペダルのビーター部の側断面図で、間隙部7に衝撃吸収性のあるソルボセイン(登録商標)11を収納した図であり、打撃したとき衝撃反力を減少させることができる。衝撃吸収素材としてアルファゲルや無反発ゴム、低反発ウレタンなども利用できる。
【実施例7】
【0021】
図9は間隙部7に収納する弾性部材や衝撃吸収部材を脱着させる機能を有したドラム用フットペダルのビーターヘッド部の一実施例の図で、ここでは間隙部に収納する部材はスプリング8を使用する。
【0022】
図9(E)、(F)はスプリング8の脱着機能としてビーターヘッド2の後部に開閉蓋10を設けたもので、(E)は上面断面図、(F)は側面断面図で、ビーターヘッド2の後部に脱着用の穴を設け、ビーターヘッド2と開閉蓋10は蝶番16で回転自在に連結され、開閉蓋のロック機構として開閉蓋止めボルト17を設け、開閉蓋10は開閉蓋止めボルト17を通す穴加工、ビーターヘッドには開閉蓋止めボルトを受けるためのタップ加工がされている。
【0023】
開閉蓋止めボルト17を外し、開閉蓋を開けビーターヘッド2に収納しているスプリング8を交換する。
【実施例8】
【0024】
図9(G)、(H)はスプリング8を脱着させる機能としてビーターロッド1の上部に脱着ピン18を設けたもので、(G)は上面断面図、(H)は側面断面図で、ビーターロッド1に脱着ピン18を係止するための穴を設け、ビーターヘッド2はビーターヘッド止めボルト19で落下を防止し、スペーサー20と脱着ピン18で固定する。
【0025】
脱着ピン18とスペーサー20を外し、ビーターヘッド2とビーター打撃部6をビーターロッド1から抜き出し収納しているスプリング8を交換する。
【実施例9】
【0026】
ビーター打撃部とビーター表面部は便宜上分けているが、ビーター表面部は実質上ビーター打撃部であり、同一の部位と見てもかまわない。例えば図10(A)のようにビーター打撃部6をゴム素材として、ビーターヘッド2とビーター打撃部6の間に衝撃吸収部材、例えばソルボセイン(登録商標)11を直接接着するのも有効であり、ビーター打撃部6はフェルトや木、金属などでも良い。また一考として図10(B)のようにビーターヘッド2とビーター打撃部6の間隙に弾性部材として、例えばスプリング8を溶着させることも有効である。
【実施例10】
【0027】
また無反動手段として、図11(A)正面図断面図、(B)側断面図のように実施例3で説明した無反動カートリッジ13を通常のビーターのビーターロッド1に取り付け、固定ボルト5を弛めて無反動カートリッジ13の位置を変更させるのも有効である。図示はしないがビーターヘッドに無反動カートリッジを取り付けても良い。
【実施例11】
【0028】
また無反動手段として、図11(C)側断面図のように、無反動カートリッジ13自体をビーターヘッドにするのも有効である。
尚、本発明におけるドラム用フットペダルのビーターの形状や大きさ、材質、間隙部の形状や容積などは特定されるものではない。上記実施例では、ビーターヘッドをシリンダー、ビーター打撃部はピストンの関係になっているが、シリンダーにビーター打撃部、ピストンをビーターヘッドにするのも有効であり、どちらでもかまわない。
【符号の説明】
【0029】
1:ビーターロッド
2:ビーターヘッド
3:フットボード
4:ドラムヘッド
5:固定ボルト
6:ビーター打撃部
7:間隙部
8:スプリング
9:ビーター打撃部表面部
10:開閉蓋
11:ソルボセイン
12:砂
13:無反動カートリッジ
14:止めボルト
15:透穴
16:蝶番
17:開閉蓋止めボルト
18:脱着ピン
19:ビーターヘッド止めボルト
20:スペーサー
【技術分野】
【0001】
本発明はドラム用フットペダル及びビーターに関する。
【背景技術】
【0002】
図1(A)はドラム用フットペダルがバスドラムにセットされた状態を表した側面図で、(B)はバスドラムの正面図(フットペダルは図示せず)であり、ドラム用フットペダルのビーターロッド1とビーターヘッド2を合わせたものをビーターといい、踏み込み時のフットボード3の動力を、ビーターロッド1を介してビーターヘッド2をドラムヘッド4に直接打撃するもので、ビーターヘッド2の材質はフェルト、木、プラスチック、ラバー製などがある。またひとつのビーターを2通りや3通りなどに分けてそれぞれの材質をフットペダルから離脱させず容易に選択使用できるものもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のドラム用フットペダルのビーターは材質や形状またはドラムヘッドへの接触部の角度などを選択できるものはあるが、ビーター自体に機能をもたせたものはない。本発明はドラム用フットペダルのビーターにドラムヘッドを打撃したとき足に感じるタッチのニュアンスや音量、また初期位置へ戻ろうとする反力等の調整機能を持たせたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、請求項1によると、フットボードの踏み込み動作によりビーターを回動させ、エネルギーをドラムヘッドに伝え打撃するフットペダルにおいて、前記ビーター部に弾性手段、衝撃吸収手段及び無反動手段の少なくともいずれか一つの手段を有するドラム用フットペダル及びビーターである。
【0005】
請求項2によると、請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙部に弾性部材を収納し、前記弾性部材を脱着可能にする手段を有する請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターである。
【0006】
請求項3によると、請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙に衝撃吸収部材を収納し、前記衝撃吸収部材を脱着可能にする手段を有する請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターである。
【0007】
請求項4によると、請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙部に粉粒体及び液体を収納する手段及び前記ビーターヘッド部及び前記ビーター打撃部のいずれか、あるいは両方に粉粒体及び液体を収納する収納部を設ける手段の少なくともいずれか一つの手段を有することを特徴とする請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターである。
【発明の効果】
【0008】
バスドラムのサイズやドラムヘッドの材質、ドラムヘッドの張力によって、フットペダルを踏み込んでビーターを打撃したときの感触や反力は違うものである。ライブハウスやレンタルスタジオなどの常備されたドラムセットを使用する場合、好みのバスドラムのサイズやドラムヘッドなどを容易には選択できないのが通常だが、このような固定化された条件下でフットペダルのビーターヘッド部の間隙に収納する素材を任意選択、及びビーターヘッドに反力調整機能を持ったものを任意選択し使用することにより、打撃したときの足に伝わる感触を調整することができ、セットアップの幅を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ドラム用フットペダルのビーターが用いられる周辺外観図。
【図2】本発明に係るドラム用フットペダルのビーターの一実施例の形態を示す側断面図。
【図3】間隙部7に収納する部材の脱着可能を示す側断面図。
【図4】無反動手段の脱着可能を示す側断面図。
【図5】ピストンを打撃部にした場合の側断面図。
【図6】ビーターヘッドに無反動手段を用いた場合の側断面図。
【図7】本発明に係るドラム用フットペダルのビーターの一実施例の形態を示す三面図の側断面図。
【図8】間隙部に衝撃吸収部材を収納したときの側断面図。
【図9】収納部材を脱着可能にした側断面図。
【図10】ビーターヘッド衝撃吸収剤、弾性素材を固設した図。
【図11】ビーターロッドに無反動カートリッジを取り付けた図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【実施例1】
【0011】
図2は図1におけるドラム用フットペダルのビーターロッド1とビーターヘッド2を合わせた、いわゆるビーター部を本発明に基づいた実施例の図で、図2(A)はドラム用フットペダルのビーターの側断面図である。ビーターロッド1と、ビーターロッド1を通軸し、固定ボルト5で固定したビーターヘッド2と筒状に形成したビーター打撃部6とビーターヘッド2とビーター打撃部6の間に設けた間隙部7と間隙部7に収納するスプリング8とビーター打撃表面部材9で基本構成されている。ビーター打撃表面部材9はフェルト、ゴム、木などを使用する。ビーターヘッド2からビーター打撃部6が抜け落ちないようビーターヘッド2は突起、ビーター打撃部6には受け部分が設けてある。ビーターヘッド及びビーター打撃部の形状はどのような形状でもかまわない。
【0012】
演奏時の初期状態は図2(A)で、ペダルを踏み込んでドラムヘッドに打撃した瞬間は図2(B)に示すように、スプリング8が縮む。間隙部7には弾性部材としてスプリング、ゴム、またはゴムなどに密閉収納された空気などを収納、弾性を有しているものなら何でもかまわない。また衝撃吸収部材として無反発ゴム、ジェル状の衝撃吸収剤、スチレン系ポリマーウレタン、低反発ウレタンやソルボなどを収納、衝撃吸収性を有しているものなら何でもかまわない。
【実施例2】
【0013】
図3(C)は図2(A)のビーターの間隙部に収納している、弾性部材及び衝撃吸収部材を脱着可能にしたビーターで、ビーター打撃部6に開閉蓋10を螺合して取り付け開閉蓋10にビーター打撃表面部9を設ける。
【0014】
図3(D)はビーター打撃部6に螺合している開閉蓋10を外し、間隙部に収納している弾性部材及び衝撃吸収部材の脱着時を表した図である(図ではスプリング8)。上記同様、弾性部材、衝撃吸収部材は何でもかまわない。図3(E)は一例として衝撃吸収剤のソルボセイン(登録商標)11を収納した場合の図である。
【実施例3】
【0015】
図4(F)は密閉した砂10などの紛粒体やシリコンオイルなどの液体を適宜量収納した無反動カートリッジ13を間隙部7に収納し、図4(G)のようにビーター打撃部6の開閉蓋10を外し、無反動カートリッジ13を脱着可能にしたビーターである。
【0016】
上記実施例では、ビーターヘッドをピストン、ビーター打撃部はシリンダーの関係になっているが、図5のようにピストンにビーター打撃部6、シリンダーをビーターヘッド2にするのも有効であり、どちらでもかまわない。
【実施例4】
【0017】
図6(H)のようにビーターヘッド2に無反動カートリッジと一体化した開閉蓋10を設ける。また図6(I)のように間隙部7を設け、無反動手段と弾性手段及び衝撃吸収手段を組み合わせるのも有効である。図示はしていないが、ビーターヘッドとビーター打撃部を固定ボルト等で固定し、間隙部の空間を常時確保して前記空間に砂などの紛粒体および液体を直接収納するのも有効である。
【0018】
尚、本発明におけるドラム用フットペダルのビーターの形状や大きさ、材質、間隙部の形状や容積などは特定されるものではない。
【実施例5】
【0019】
図7は図1におけるドラム用フットペダルのビーターロッドとビーターヘッドを合わせた、いわゆるビーター部を本発明に基づいた実施例の図で、図7(A)はドラム用フットペダルのビーター部の上面断面図、(B)は正面断面図、(C)は側面断面図で、1はドラム用フットボードの動力をビーターヘッド2に伝えるビーターロッドで、ビーターヘッド2はカップ状の形態であり、ビーターヘッド止めボルト14で固定され、直接ドラムヘッドに触れるビーター打撃表面部9がビーター打撃部分6に設けられる。ビーター打撃部分6とビーターヘッド2は滑合する関係にある。
ビーター打撃部分6はビーターロッド1の軸通と可動範囲のための透穴15を設け、間隙部7にスプリング8を収納し、ビーターヘッド2とを弾設させる。
【実施例6】
【0020】
図8(D)はドラム用フットペダルのビーター部の側断面図で、間隙部7に衝撃吸収性のあるソルボセイン(登録商標)11を収納した図であり、打撃したとき衝撃反力を減少させることができる。衝撃吸収素材としてアルファゲルや無反発ゴム、低反発ウレタンなども利用できる。
【実施例7】
【0021】
図9は間隙部7に収納する弾性部材や衝撃吸収部材を脱着させる機能を有したドラム用フットペダルのビーターヘッド部の一実施例の図で、ここでは間隙部に収納する部材はスプリング8を使用する。
【0022】
図9(E)、(F)はスプリング8の脱着機能としてビーターヘッド2の後部に開閉蓋10を設けたもので、(E)は上面断面図、(F)は側面断面図で、ビーターヘッド2の後部に脱着用の穴を設け、ビーターヘッド2と開閉蓋10は蝶番16で回転自在に連結され、開閉蓋のロック機構として開閉蓋止めボルト17を設け、開閉蓋10は開閉蓋止めボルト17を通す穴加工、ビーターヘッドには開閉蓋止めボルトを受けるためのタップ加工がされている。
【0023】
開閉蓋止めボルト17を外し、開閉蓋を開けビーターヘッド2に収納しているスプリング8を交換する。
【実施例8】
【0024】
図9(G)、(H)はスプリング8を脱着させる機能としてビーターロッド1の上部に脱着ピン18を設けたもので、(G)は上面断面図、(H)は側面断面図で、ビーターロッド1に脱着ピン18を係止するための穴を設け、ビーターヘッド2はビーターヘッド止めボルト19で落下を防止し、スペーサー20と脱着ピン18で固定する。
【0025】
脱着ピン18とスペーサー20を外し、ビーターヘッド2とビーター打撃部6をビーターロッド1から抜き出し収納しているスプリング8を交換する。
【実施例9】
【0026】
ビーター打撃部とビーター表面部は便宜上分けているが、ビーター表面部は実質上ビーター打撃部であり、同一の部位と見てもかまわない。例えば図10(A)のようにビーター打撃部6をゴム素材として、ビーターヘッド2とビーター打撃部6の間に衝撃吸収部材、例えばソルボセイン(登録商標)11を直接接着するのも有効であり、ビーター打撃部6はフェルトや木、金属などでも良い。また一考として図10(B)のようにビーターヘッド2とビーター打撃部6の間隙に弾性部材として、例えばスプリング8を溶着させることも有効である。
【実施例10】
【0027】
また無反動手段として、図11(A)正面図断面図、(B)側断面図のように実施例3で説明した無反動カートリッジ13を通常のビーターのビーターロッド1に取り付け、固定ボルト5を弛めて無反動カートリッジ13の位置を変更させるのも有効である。図示はしないがビーターヘッドに無反動カートリッジを取り付けても良い。
【実施例11】
【0028】
また無反動手段として、図11(C)側断面図のように、無反動カートリッジ13自体をビーターヘッドにするのも有効である。
尚、本発明におけるドラム用フットペダルのビーターの形状や大きさ、材質、間隙部の形状や容積などは特定されるものではない。上記実施例では、ビーターヘッドをシリンダー、ビーター打撃部はピストンの関係になっているが、シリンダーにビーター打撃部、ピストンをビーターヘッドにするのも有効であり、どちらでもかまわない。
【符号の説明】
【0029】
1:ビーターロッド
2:ビーターヘッド
3:フットボード
4:ドラムヘッド
5:固定ボルト
6:ビーター打撃部
7:間隙部
8:スプリング
9:ビーター打撃部表面部
10:開閉蓋
11:ソルボセイン
12:砂
13:無反動カートリッジ
14:止めボルト
15:透穴
16:蝶番
17:開閉蓋止めボルト
18:脱着ピン
19:ビーターヘッド止めボルト
20:スペーサー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フットボードの踏み込み動作によりビーターを回動させ、エネルギーをドラムヘッドに伝え打撃するフットペダルにおいて、前記ビーター部に弾性手段、衝撃吸収手段及び無反動手段の少なくともいずれか一つの手段を有することを特徴とするドラム用フットペダル及びビーター。
【請求項2】
請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙部に弾性部材を収納し、前記弾性部材を脱着可能にする手段を有することを特徴とする請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーター。
【請求項3】
請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙部に衝撃吸収部材を収納し、前記衝撃吸収部材を脱着可能にする手段を有することを特徴とする請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーター。
【請求項4】
請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙部に粉粒体及び液体を収納する手段及び前記ビーターヘッド部及び前記ビーター打撃部のいずれか、あるいは両方に粉粒体及び液体を収納する収納部を設ける手段の少なくともいずれか一つの手段を有することを特徴とする請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーター。
【請求項1】
フットボードの踏み込み動作によりビーターを回動させ、エネルギーをドラムヘッドに伝え打撃するフットペダルにおいて、前記ビーター部に弾性手段、衝撃吸収手段及び無反動手段の少なくともいずれか一つの手段を有することを特徴とするドラム用フットペダル及びビーター。
【請求項2】
請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙部に弾性部材を収納し、前記弾性部材を脱着可能にする手段を有することを特徴とする請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーター。
【請求項3】
請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙部に衝撃吸収部材を収納し、前記衝撃吸収部材を脱着可能にする手段を有することを特徴とする請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーター。
【請求項4】
請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーターにおいて前記ドラム用フットペダルの前記ビーター部をビーターヘッド部とビーター打撃部に分け、前記ビーターヘッド部と前記ビーター打撃部に間隙部を設け、前記間隙部に粉粒体及び液体を収納する手段及び前記ビーターヘッド部及び前記ビーター打撃部のいずれか、あるいは両方に粉粒体及び液体を収納する収納部を設ける手段の少なくともいずれか一つの手段を有することを特徴とする請求項1記載のドラム用フットペダル及びビーター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−243792(P2010−243792A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92591(P2009−92591)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(507345491)有限会社ファニィボーン (7)
【出願人】(508052787)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(507345491)有限会社ファニィボーン (7)
【出願人】(508052787)
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