説明

ドラム用ペダル

【課題】重量や材料コストを増大させることなく撓みを抑えることができ、ビータの打撃タイミングや打撃力もずれも生じなく、演奏者の思い通りの音のメリハリを付けることができるとともに、操作性もよくペダル全体が安定化した姿勢を維持し、踏み込み力がそのままビータに伝わるダイレクト感を得ることができるドラム用ペダルを提供せんとする。
【解決手段】基台部20、左右一対の支柱部21及びヒール部22を有するペダルフレーム2と、ドラムヘッドを打撃するビータ5が取り付けられ、前記支柱部21の上端部21a間に水平に軸支される回動軸3と、前記ヒール部22に基端側が回動可能に支持され、演奏者の踏み込み操作により先端側から延びる連結部材40を介して前記回動軸3を回動させるフットボード4とを少なくとも備え、ペダルフレーム2を構成する前記基台部20と左右一対の支柱部21とを、鋳造により金属材料で一体形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスドラムのドラムヘッドを打撃するドラム用ペダルに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のドラム用ペダルとしては、従来、床面に載置されるスチール製等の剛性を有する基台プレートと、該基台プレートの前側寄りに取り付けられるアルミダイカスト製の金属製の支柱フレームと、基台プレートの後端部に取り付けられるアルミダイカスト製のヒール部と、支柱フレームの上端部に水平に設けられる回動軸と、この回動軸に取り付けられるビータと、同じく回動軸と一体に回転するホイール部材と、ヒール部に基端部が上下回動可能に支持されるとともに、先端部が前記ホイール部材の外周に巻き掛けたチェーンの一端に連結されたフットボードとより構成したものが提供されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0003】
このような従来のドラム用ペダルにおいては、ビータを有する回動軸を支持するための前記支柱フレームが基台プレートの上面にネジ止めして固定されているが、この支柱フレームには、回動軸を通じてフットボードからチェーンを介して作用する踏み込み力やビータから作用するドラムヘッドからの反力が前後に繰り返し作用するためほぼ垂直に起立した重厚なフレームとされている。しかし、支柱フレームに加わる力は基台プレートに伝達され、具体的には支柱フレームから前後に倒れる方向に力が繰り返し作用し、基台プレートに当該力が集中して大きな撓みが生じ、これにより支柱フレームも前後に大きく揺れる。支柱フレームが揺れるとビータがドラムヘッドを打撃するタイミングや打撃力にもずれが生じ、演奏者の思い通りの音のメリハリを付けることができなくなるという問題が生じる。また、基台プレートが撓むとペダル全体が暴れて不安定化し、踏み込み力をそのままビータに伝えることができずにダイレクト感がなくなり、演奏に集中できない原因ともなる。
【0004】
このような問題を低減するために、従来から基台プレートを圧肉に形成したり補強リブを施して基台プレート自体を補強したり、支柱フレームを基台プレート前端部よりも若干後ろ側の位置に設け、支持フレーム根元部よりも後ろ側に延びる基台プレートの残部の長さを短くして撓みをできるだけ小さくするといった工夫が施されている。しかしながら、基台プレート自体の補強はその重量の増大を招き、持ち運びに支障が生じるとともに、材料コストも嵩んでしまう。また、支持フレームを後ろ側に立設しすぎると演奏者の足が当たり、操作性が低下するという問題も生じ、これら従来からの対策には限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−248949号公報
【特許文献2】特開平8−44346号公報
【特許文献3】特開平10−39860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、重量や材料コストを増大させることなく撓みを抑えることができ、ビータの打撃タイミングや打撃力もずれも生じなく、演奏者の思い通りの音のメリハリを付けることができるとともに、操作性もよくペダル全体が安定した姿勢を維持し、踏み込み力がそのままビータに伝わるダイレクト感を得ることができるドラム用ペダルを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述の課題解決のために、床面に置かれる前後に長い基台部、該基台部の前端部から上方に延びる左右一対の支柱部、及び前記基台部の後端部に設けられるヒール部を有するペダルフレームと、ドラムヘッドを打撃するビータが取り付けられ、前記支柱部の上端部に水平に軸支される回動軸と、前記ヒール部に基端側が回動可能に支持され、演奏者の踏み込み操作により先端側から延びる連結部材を介して前記回動軸を回動させるフットボードとよりなり、前記ペダルフレームを構成する前記基台部と支柱部を、鋳造により金属材料で一体形成したことを特徴とするドラム用ペダルを構成した。
【0008】
ここで、前記支柱部を、前記基台部の前端の左右側縁部より上方に延出させ、各支柱部の根元部の前端面が基台部の前端面とほぼ面一に連続した形状となるように構成したものが好ましい。
【0009】
また、前記支柱部を、上端側ほど後方に位置するように傾斜した形状とし、且つ下端側ほど前後に幅広に構成することにより、該支柱部の根元部の後端面が基台部の上面に側面視略C字状に緩やかな曲線を描いて連続した形状となるように構成したものが好ましい。
【0010】
さらに、前記ヒール部も前記金属鋳造時に一体形成するとともに、該ヒール部に形成される前記フットボードの基端側を支持する支持部に、軸受部材を内装するための金属製の筒体を別途装着したものが好ましい。この場合、前記筒体を、前記金属鋳造時に鋳型内に予めインサートして一体的に形成することにより装着したものが好ましい。
【0011】
また、前記ペダルフレームの基台部の前端部に、バスドラムのフープを挟持するためのクランプ手段を設けるとともに、該クランプ手段が設けられる左右位置を変更可能としたものが好ましい。
【0012】
また本発明は、第1、第2のビータと、該ビータがそれぞれ固定された第1、第2の回動軸と、これら回動軸を独立に回動させることで各ビータを独立に作動させる第1、第2のフットボードと、これらのフットボードが設けられる第1、第2のペダルフレームとを備え、第1のペダルフレーム側に、第1、第2のビータ、第1、第2の回動軸、及び第1のフットボードが設けられ、第2のペダルフレーム側に、連結軸を介して前記第2の回動軸に連動される回動軸、及びこれを回動させる第2のフットボードが設けられた二連式のドラム用ペダルにおいて、前記第1、第2のペダルフレームを、いずれも床面に置かれる前後に長い基台部、該基台部の前端部から上方に延びる左右一対の支柱部、及び前記基台部の後端部に設けられるヒール部を備えさせ、且つ前記基台部と支柱部を鋳造により金属材料で一体形成してなり、第1のペダルフレームの一方の支柱部で第1の回動軸の一端側を軸支し、他方の支柱部に軸支される第2の回動軸の前記第1の回動軸側に突出した端部に軸受け部を設け、該軸受け部に第1の回動軸の他端側を軸支してなることを特徴とする二連式のドラム用ペダルをも構成した。
【0013】
また本発明は、第1、第2のビータと、該ビータがそれぞれ固定された第1、第2の回動軸と、これら回動軸を独立に回動させることで各ビータを独立に作動させる第1、第2のフットボードと、これらのフットボードが設けられる第1、第2のペダルフレームとを備え、第1のペダルフレーム側に、第1、第2のビータ、第1、第2の回動軸、及び第1のフットボードが設けられ、第2のペダルフレーム側に、連結軸を介して前記第2の回動軸に連動される回動軸、及びこれを回動させる第2のフットボードが設けられた二連式のドラム用ペダルにおいて、前記第1、第2のペダルフレームを、いずれも床面に置かれる前後に長い基台部、該基台部の前端部から上方に延びる左右一対の支柱部、及び前記基台部の後端部に設けられるヒール部を備えさせ、且つ前記基台部と支柱部を鋳造により金属材料で一体形成してなり、第1のペダルフレームの一方の支柱部で第1の回動軸の一端側を軸支し、他方の支柱部に軸支される第2の回動軸の端部に、その全部又は基端側の一部が支柱部の内部に挿入された状態で軸受部材により回転可能に支持される軸受け部を設け、第1の回動軸の他端側も、同じく支柱部の内部の位置まで前記軸受け部内に挿入された状態で該軸受け部により軸支してなることを特徴とする二連式のドラム用ペダルをも構成した。
【0014】
更に本発明は、第1、第2のビータと、該ビータがそれぞれ固定された第1、第2の回動軸と、これら回動軸を独立に回動させることで各ビータを独立に作動させる第1、第2のフットボードと、これらのフットボードが設けられる第1、第2のペダルフレームとを備え、第1のペダルフレーム側に、第1、第2のビータ、第1、第2の回動軸、及び第1のフットボードが設けられ、第2のペダルフレーム側に、連結軸を介して前記第2の回動軸に連動される回動軸、及びこれを回動させる第2のフットボードが設けられた二連式のドラム用ペダルにおいて、前記第1、第2のペダルフレームを、いずれも床面に置かれる前後に長い基台部、該基台部の前端部から上方に延びる左右一対の支柱部、及び前記基台部の後端部に設けられるヒール部を備えさせ、第1のペダルフレームの一方の支柱部で第1の回動軸の一端側を軸支し、他方の支柱部に軸支される第2の回動軸の端部に、その全部又は基端側の一部が支柱部の内部に挿入された状態で軸受部材により回転可能に支持される軸受け部を設け、第1の回動軸の他端側も、同じく支柱部の内部の位置まで前記軸受け部内に挿入された状態で該軸受け部により軸支してなることを特徴とする二連式のドラム用ペダルをも構成した。
【発明の効果】
【0015】
以上にしてなる本願発明に係るドラム用ペダルは、ペダルフレームを構成する基台部と支柱部を鋳造により金属材料で一体形成したので、組み付け部分による音の逃げを無くすことができるとともに、踏み込み力やドラムヘッドからの反力を支柱部と基台部の全体で平均化して受け止めることができ、一部に力が集中して撓みを生じることがない構造とすることができる。したがって、ビータの打撃タイミングや打撃力にもずれが生じなく、演奏者の思い通りの音のメリハリを付けることができる。また、ペダル全体が安定した姿勢を維持し、踏み込み力がそのままビータに伝わるといったダイレクト感を得ることができる。更に、従来のように力が集中する部分を補強するようなことが不要となり、材料コストの低減化は勿論のこと、ペダル全体の重量も軽量化でき、持ち運びに便利なものとすることができる。
【0016】
また、前記支柱部を、前記基台部の前端の左右側縁部より上方に延出させ、各支柱部の根元部の前端面が基台部の前端面とほぼ面一に連続した形状となるように構成したので、フットボード上に載せる演奏者の足が演奏中に左右にずれても支柱部に当たらず、ペダルの安定した姿勢が維持され、操作性が向上する。
【0017】
また、前記支柱部を、上端側ほど後方に位置するように傾斜した形状とし、且つ下端側ほど前後に幅広に構成することにより、該支柱部の根元部の後端面が基台部の上面に側面視略C字状に緩やかな曲線を描いて連続した形状となるように構成したので、回動軸がドラムヘッドに近づきすぎることなく適当な距離を維持できるとともに根元部が十分な支持強度を維持でき、支柱部全体がフットボードの先端が回動する円弧状の軌跡に沿った湾曲形状となり、演奏者による演奏中にフットボードの先端側が支柱部の間に隠れた状態で揺動し、美観の点でも優れた形状となる。
【0018】
また、ヒール部も金属鋳造時に一体形成するとともに、該ヒール部に形成される前記フットボードの基端側を支持する支持部に、軸受部材を内装するための金属製の筒体を別途装着したので、軸受部材を精度よく装着できる。特に、前記筒体を、前記金属鋳造時に鋳型内に予めインサートして一体的に形成することにより装着したので、効率よく製造できる。
【0019】
また、ペダルフレームの基台部の前端部に、バスドラムのフープを挟持するためのクランプ手段を設けるとともに、該クランプ手段が設けられる左右位置を変更可能としたので、同一のペダルフレームをシングル型、ツイン型の双方に用いることが可能となる。
【0020】
また、第1、第2のビータと、該ビータがそれぞれ固定された第1、第2の回動軸と、これら回動軸を独立に回動させることで各ビータを独立に作動させる第1、第2のフットボードと、これらのフットボードが設けられる第1、第2のペダルフレームとを備え、第1のペダルフレーム側に、第1、第2のビータ、第1、第2の回動軸、及び第1のフットボードが設けられ、第2のペダルフレーム側に、連結軸を介して前記第2の回動軸に連動される回動軸、及びこれを回動させる第2のフットボードが設けられた二連式のドラム用ペダルにおいて、前記第1、第2のペダルフレームを、いずれも床面に置かれる前後に長い基台部、該基台部の前端部から上方に延びる左右一対の支柱部、及び前記基台部の後端部に設けられるヒール部を備えさせ、且つ前記基台部と支柱部を鋳造により金属材料で一体形成してなり、第1のペダルフレームの一方の支柱部で第1の回動軸の一端側を軸支し、他方の支柱部に軸支される第2の回動軸の前記第1の回動軸側に突出した端部に軸受け部を設け、該軸受け部に第1の回動軸の他端側を軸支してなることを特徴とする二連式のドラム用ペダルによれば、上記と同様、重量や材料コストを増大させることなく撓みを抑えることができ、演奏者の思い通りの音のメリハリを付けることができ、ダイレクト感を得ることができるペダルを提供できるとともに、従来のような補助支柱部が不要となり、シングル型とツイン型のフレームを共通に用いて製作でき、コスト削減も可能とされている。
【0021】
また、第1のペダルフレームの一方の支柱部で第1の回動軸の一端側を軸支し、他方の支柱部に軸支される第2の回動軸の端部に、その全部又は基端側の一部が支柱部の内部に挿入された状態で軸受部材により回転可能に支持される軸受け部を設け、第1の回動軸の他端側も、同じく支柱部の内部の位置まで前記軸受け部内に挿入された状態で該軸受け部により軸支したことにより、第1の回動軸の荷重が作用する軸受け部自体が支柱部によって支持されるため、第2の回動軸にモーメント力として作用することがなく、したがって第2の回動軸の回転を振れさせて動作を妨げるといったことがなくなり、第1の回動軸の動作に影響されることなくビータをスムーズに作動させることができ、ビータも同じくスムーズに作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係るドラム用ペダルを示す側面図。
【図2】同じくドラム用ペダルの要部を示す側面図。
【図3】同じくドラム用ペダルを前側から見た正面図。
【図4】同じくドラム用ペダルを上方から見た一部省略説明図。
【図5】ペダルフレームを底面から見た説明図。
【図6】ヒール部の要部を示す説明断面図。
【図7】クランプ手段の要部を示す説明断面図。
【図8】スパイクを設けた変形例を示す側面図。
【図9】ヒール側のスパイクの取り付け構造を示す説明断面図。
【図10】同じくスパイクを示す説明断面図。
【図11】第2実施形態に係るドラム用ペダルを示す側面図。
【図12】第1のペダルフレーム側のペダル構成を示す説明図。
【図13】同じく第1のペダルフレーム側のペダルの要部を示す説明図。
【図14】同じく第1のペダルフレーム側の支持構造の変形例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明に係るドラム用ペダルの全体構成を示す側面図であり、図1〜図7はシングル型の第1実施形態、図11〜図14はツイン型の第2実施形態を示し、図中符号1はドラム用ペダル、2はペダルフレーム、3は回動軸、4はフットボード、5はビータをそれぞれ示している。
【0025】
本発明のドラム用ペダル1は、図1〜3に示すように、床面に置かれる前後に長い基台部20、該基台部20の前端部から上方に延びる左右一対の支柱部21、及び前記基台部20の後端部に設けられるヒール部22を有するペダルフレーム2と、ドラムヘッドを打撃するビータ5が取り付けられ、前記支柱部21の上端部21a間に水平に軸支される回動軸3と、前記ヒール部22に基端側が回動可能に支持され、演奏者の踏み込み操作により先端側から延びる連結部材40を介して前記回動軸3を回動させるフットボード4とを少なくとも備え、ペダルフレーム2を構成する前記基台部20と左右一対の支柱部21とを、鋳造により金属材料で一体形成したことを特徴とする。鋳造は金型鋳造法や砂型鋳造法を用いることができ、ダイカスト鋳造法でもよい。ここではアルミニウム合金材料を用いた金型鋳造法で強度に優れたものとされている。尚、金属材料もアルミニウム合金に限定されず種々の材料を用いることが可能である。
【0026】
ペダルフレーム2を構成している基台部20は、前後寸法及び幅寸法がフットボード4よりも大きい寸法を有し、前端側が後述のクランプ手段6によってバスドラムのフープに固定され、後端側にフットボード4の基端部が回動可能に支持される支持構造を有している。本発明ではヒール部に至る長尺な基台部20が支柱部21と一体形成されており、基台部20と支柱部21よりなるフレーム全体でビータの反力を受けるため、従来の基台プレートのように撓みを防ぐための複雑で厚肉なスチール製にする必要がなく、全体として軽量化も図れる構造とされている。
【0027】
支柱部21は、基台部20の前端の左右側縁部より上方に延出しており、各支柱部21の根元部の前端面が基台部20の前端面とほぼ面一に連続した形状となるように構成されている。これによりペダルフレーム2は側面視で略L字型に構成されている。このように支柱部21を基台部20の前端に設けることで、フットボード4上に載せる演奏者の足が演奏中に左右にずれても支柱部21に当たらず、ペダルの安定した姿勢が維持され、操作性を向上できる。従来のように基台プレートに支柱フレームを取り付ける構造では、プレート前端に支柱フレームを立設した構造を採用すると、支柱根元部より後方に延びる基台プレートの長さが長くなり、その分撓みも大きくなってしまうが、本発明ではヒール部22に至る基台部20を支柱部21とともに金属材料で鋳造により一体形成しているので、長くても撓んだりすることがなく、このような形態が可能となっている。
【0028】
また、支柱部21は、回動軸3が存在する上端側ほど後方に位置するように傾斜した形状とし、且つ下端側ほど前後に幅広に構成することで、支柱部21の根元部の後端面が基台部20の上面に側面視略C字状に緩やかな曲線を描いて連続する形状とされている。本例は一例であり必ずしもこのような形状に限定されるものではないが、このように後方に傾斜させれば回動軸3がドラムヘッドに近づきすぎることなく適当な距離を維持できるとともに根元部が上記のとおり基台部20に連続することで十分な支持強度を維持でき、しかも支柱部21全体がフットボード4の先端が回動する円弧状の軌跡に沿った湾曲形状となり、演奏者による演奏中にフットボード4の先端側が常に支柱部21の間に隠れた状態で揺動し、美観の点でも優れた形状となる。
【0029】
基台部20の後端側には、図4及び図6にも示すように、演奏者の足のかかとが載置されるヒール部22が形成されている。本例では、ヒール部22も前記鋳造時に基台部20の後端部に一体形成されており、部品点数が少なく、軽量化も図れる構造とされている。これは従来と異なり、基台部20を支柱部21と同じ金属材料で鋳造により一体形成したことによりはじめて可能となった構造であり、従来のようなスチール製の基台プレートを設けていたものでは実現できない。このヒール部22には、フットボード4の基端側を回動可能に支持する支持部22aが構成されている。支持部22aには軸受部材41が内装されるが、鋳造により一体形成される関係上、軸受部材41を精度よく装着するべく、軸受内装用の金属製の筒体42が別途装着されている。この筒体42は、好ましくは前記ペダルフレームの鋳造時に鋳型内に予めインサートすることで、フレーム鋳造時に同時に装着される。尚、ヒール部22は別体形成して取り付けることも勿論可能である。
【0030】
回動軸3は、図3に示すように、左右の支柱部21の上端部21aに組み込まれたベアリング等の軸受部材30により軸支されており、支柱部21間の中央位置には略円盤状のホイール31が固定されている。該ホイール31には連結部材40であるチェーンの一端が巻回された状態で固定され、同チェーンの他端がフットボード4の先端部に固定されている。ビータ5は、回転軸3のホイール31に隣接した中央位置寄りに取り付けられている。本例では連結部材40としてチェーンを用いた例を説明したが、従来と同様、皮革または合成樹脂製のバンドやタイミングベルト等を用いてもよい。また、回転軸3の支柱部21より外側に突出した部位には、図2にも示すように、カム32が固定されており、該カム32には支柱部21の外側面に沿って配設されたコイルばね33の上端が連結され、下端は支柱部21の根元側の外側面に突設された取付部23に調節ネジ24を介して連結されている。
【0031】
そして、フットボード4を足で踏み込むと、連結部材40が引き下げられ、ホイール31が回動軸3と一体に回動し、ビータ5がドラムヘッドを打撃する。この際、前記コイルばね33はカム32の回転により伸びた状態となる。フットボード4から踏み込み力を解除すると、回動軸3が前記コイルばね33の弾性復元力により反対方向に回動し、ビータ5およびフットボード4が初期位置に復帰し、次の打撃操作を可能にする。フットボード4は、ペダルフレーム2と同様、金属材料で鋳造された板状の鋳造物であるが、スチール製ボードや合成樹脂製ボードなどでも可能である。
【0032】
ペダルフレーム2の基台部20の前端部には、バスドラムのフープの最下点を挟持するためのクランプ手段6が設けられている。具体的には、図4及び図7に示すように、前方に突出するフープ受け片60が基台部20の前端下面に取り付けられ、同じく前方に突出して前記フープ受け片60との間にフープを挟み込むためのクランプ体61が、基台部20の前端上面に取り付けられ、更に該クランプ体61を操作するためのクランプ操作手段62が同じく基台部20の上面に設けられている。フープ受け片60は、基台部20と一体で形成してもよい。本例では、クランプ体61とともに別体構成された部材として基台部20に左右位置変更可能に取付ネジで固定されている。位置変更の手段としては、本例では選択しうるネジ穴を複数設けて構成しているが、スライド機構などを設けることも可能である。本実施形態のようにビータ5を1本のみ設けたシングル型ペダルにおいては、ビータ5がドラムヘッド中央付近に当たることが好ましく、フープ受け片60及びクランプ体61はビータ5と左右略同じ位置に固定される。クランプ体61は、その前後方向の中間部が基台部20の上面に回動可能に軸支されており、さらに斜め後方位置には該クランプ体61の後端部を持ち上げることで前端部を下方に回動させるクランプ操作手段62が設けられている。
【0033】
クランプ操作手段62は、図7に示すように基台部20上面に一体的に形成された軸受け部25に上下回動可能に載置されるカム部材63と、基台部20に立設され、前記カム部材63の後端部に設けられた上下貫通溝に挿通されるボルト軸64と、該ボルト軸64に螺合され、カム部材63の後端部を下方に押し下げる操作ナット65とより構成されている。カム部材63は前方に延びるアーム63aの先端部がクランプ体61後端部の下面に当接するように配置されており、操作ナット65を締め込んでカム部材63の後端部を押し下げるとアーム63aが持ち上がり、クランプ体61後端部を持ち上げて前端部が下方に回動し、フープ受け片60との間でバスドラムのフープを挟持することができる。カム部材63は基台部20の上面に一体的に形成された一対の挟持壁26の間に挟まれた状態で斜めに配置され、挟持壁26の間の軸受け部25の上に揺動可能に載置されている。クランプ体61の左右の位置を変更する際には、図4及び図13に示すように、軸受け部25からクランプ体61までの距離が変わることから、位置変更後のクランプ体61を操作できるように前記カム部材63もアーム63aの長さの異なる最適なものに変更すればよい。
【0034】
図8〜10は、ペダルフレーム2にスパイク70、71を設けた例を示す説明図である。従来から公知のドラム用ペダルでは、つま先側のみスパイクが設けられていたが、これではヒール側がバタついてしまう場合があった。そこで、本例では、つま先側のスパイク70とともに、ヒール側にもスパイク71が設けられている。スパイク70は、基台部20の各支柱部21根元部より後ろの位置に上下に貫通して形成された左右一対のネジ孔72に、それぞれ上方から螺合して設けられており、上側の突出した頭部を回転させて下側の先尖部をフレーム下面に出没できるように構成されている。スパイク71は、図9、10にも示すようにヒール部22の下面に開口する左右一対の有底孔73に、それぞれスパイク71を出没可能としたナット部材74をスパイク71とともに取り付けたものである。
【0035】
スパイク71は、基端側にナット部材74に螺合する雄ネジ部71aが形成され、且つナット部材74から突出する先端側に角ボルト部71b及び先尖部71cが形成されている。ナット部材74は、外側面に前記有底孔73の雌ネジ溝に螺合する雄ネジ溝74aが形成されるとともに、内部にスパイク71を収納する段差状の収納溝74bが設けられている。収納溝74bの下側にはスパイク71の雄ネジ部71aに螺合する雌ネジ部74dが設けられている。また、ナット部材74の下面には工具を係止して当該ナット部材74を回転させ、前記有底孔73にスパイク71とともに取り付けることのできる係合溝74cが形成されている。そして、図10に示すように、スパイク71先端側の角ボルト部71bを専用工具で回転させることで、先尖部71cがヒール部22の下面から出没できるように構成されている。勿論、従来と同様つま先側のスパイク70のみ設けたものや、或いはヒール側のスパイク71のみ設けたものとしてもよい。
【0036】
次に、図11乃至図14に基づき、本発明の第2実施形態を説明する。
【0037】
本実施形態は、二連式に構成したドラム用ペダル1であり、速い連打を可能にし演奏効果を高めるために第1、第2のビータ5A,5Bと、該ビータがそれぞれ固定された第1、第2の回動軸3A,3Bと、これら回動軸を独立に回動させることで各ビータ5A,5Bを独立に作動させる第1、第2のフットボード4A,4Bと、これらのフットボードが設けられる第1、第2のペダルフレーム2A,2Bとを備えている。
【0038】
第1、第2のビータ5A,5Bは、いずれもバスドラムに固定される第1のペダルフレーム2A側に設けられ、各ビータが固定される第1、第2の回動軸3A,3Bも第1のペダルフレーム2Aに互いに独立して回動できるように水平に軸支される。ここで、回動軸を支持する支柱部21は2本のみであるので、従来の二連式ペダルでは一方の支柱部で第1の回動軸の一端側を軸支し、他方の支柱部で第2の回動軸の一端側を軸支するとともに当該他方の支柱部から略L字状に分岐した補助支柱部で第1の回動軸の他端側を軸支する必要があった。しかしこのようなL字状に分岐した補助支柱部は、上記したようなシングル型のペダルでは邪魔になり、したがってシングル型とツイン型のフレームを共通に用いて製作することが困難であった。
【0039】
これに対し本実施形態は、図12に示すように、第2の回動軸3Bの支柱部21、21間に突出した端部に軸受け部34を設け、これにより第1の回動軸3Aの他端側を軸支するように構成したので、従来のような補助支柱部が不要となり、シングル型とツイン型のフレームを共通に使用することが可能とされている。すなわちペダルフレーム2A、2Bは、いずれも上記第1実施形態のペダルフレーム2と同じものが使用でき、基台部20と左右一対の支柱部21とが鋳造により金属材料で一体形成されている。第1実施形態のペダルフレーム2では、回動軸3が一つのみであることから、これを回転付勢させるコイルばね33を支持する取付部23も一方の支柱部21にのみ設けられていたが、本実施形態のペダルフレーム2Aは回動軸3A,3Bをそれぞれ独立に回転付勢するために左右双方に設けられ、ペダルフレーム2Bにはまったく設けられていない。しかしながら予めフレームを鋳造する際に左右双方に取付部23を形成しておき、商品目的に応じて削り取ったり、或いはもともと取付部23を一体で設けるのではなくネジ等で後付けすることも勿論可能である。
【0040】
図14は、第1の回動軸3Aの他端側の支持構造の変形例である。本例では、図14に示すように第2の回動軸3Bの端部の軸受け部34が、全部又は基端側の一部が支柱部21の内部に挿入された状態で軸受部材30aにより回転可能に支持され、且つ、第1の回動軸3Aの他端側も、同じく支柱部21の内部の位置まで前記軸受け部34内に挿入された状態で該軸受け部34により軸支されている。第2の回動軸3Bは軸受部材30bにより支柱部21内に回転可能に支持されている。
【0041】
上記した図12の例では、第1の回動軸3を支持する軸受け部34から第2の回動軸3Bに対してモーメント力が作用し、第2の回動軸3Bを振れさせる(偏心、ガタツキ)原因となる。したがって演奏者による踏み込み力が強いとこの振れが大きくなり、第2の回動軸3Bのスムーズな動作が妨げられてビータ5Bをスムーズに作動させることができなくなる虞がある。第2の回動軸3Bの振れが大きいと軸受け部34も振れるため、ビータ5Aの作動にも悪影響を与える。これに対し、図14に示した変形例では、第1の回動軸3Aの荷重が作用する軸受け部34自体が支柱部21によって支持されるため、第2の回動軸3Bにモーメント力として作用することはない。したがって、第2の回動軸3Bの回転を振れさせて動作を妨げるといったことがなくなり、第1の回動軸3Aの動作に影響されることなくビータ5Bをスムーズに作動させることができ、ビータ5Aも同じくスムーズに作動させることができる。
【0042】
図14の変形例で示した上記支持構造は、本実施形態のペダルフレーム2A、2Bのように基台部20と左右一対の支柱部21とが鋳造により金属材料で一体形成されているものに適用が限定されるものではなく、スチール製の基台プレートの前側寄りにアルミダイカスト製の支柱フレームを取り付けたような従来から公知の二連式ドラム用ペダルに対しても同様に応用することができ、その場合には、上記と同様の作用効果を奏するのである。
【0043】
第1の回動軸3Aは、支柱部21間の中央位置にホイール31が固定され、該ホイール31に連結部材40のチェーン一端が巻回された状態で固定されるとともに、同チェーンの他端がフットボード4Aの先端部に固定されている。ビータ5Aは、回転軸3Aのホイール31と回転軸3Aを軸支している支柱部21との間に取り付けられている。また、回転軸3Aの支柱部21より外側に突出した部位にカム32が固定されている。該カム32には支柱部21の外側面に沿って配設されたコイルばね33の上端が連結され、下端は支柱部21の根元側の外側面に突設された取付部23に調節ネジ24を介して連結されている。
【0044】
第2の回動軸3Bは、軸支される支柱部21より内側に突出した位置、本例では軸受け部34の外周部にビータ5Bが取り付けられ、同じく支柱部21の外側に突出した部位にはカム32が固定されている。該カム32には支柱部21の外側面に沿って配設されたコイルばね33の上端が連結され、下端は支柱部21の根元側の外側面に突設された取付部23に調節ネジ24を介して連結されている。本実施形態のように2本のビータ5A,5Bを設けたツイン型ペダルにおいては、ドラムヘッド中央をはさんで左右対称の位置に各ビータが当たることが好ましく、フープ受け片60及びクランプ体61はビータ5A,5Bの左右略中央の位置に固定される。
【0045】
第2のペダルフレーム2Bは、支柱部21の上端部21a間に回動軸3Cが軸支され、該回動軸3Cの支柱部21間の中央位置にホイール31が固定され、該ホイール31に連結部材40のチェーン一端が巻回された状態で固定されるとともに、同チェーンの他端がフットボード4Bの先端部に固定されている。回動軸3Cは、前記第2の回動軸3Bにユニバーサルジョイントを備えた連結軸35によって連結されている。第2のフットボード4Bを踏み込み操作して回動軸3Cを回動させると、この回動は連結軸35を介して第2の回動軸3Bに伝達され、第2のビータ5Bがバスドラムのドラムヘッドを打撃する。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1 ドラム用ペダル
2,2A,2B ペダルフレーム
3,3A,3B,3C 回動軸
4,4A,4B フットボード
5,5A,5B ビータ
6 クランプ手段
20 基台部
21 支柱部
21a 上端部
22 ヒール部
22a 支持部
23 取付部
24 調節ネジ
25 軸受け部
26 挟持壁
30 軸受部材
31 ホイール
32 カム
34 軸受け部
35 連結軸
40 連結部材
41 軸受部材
42 筒体
60 フープ受け片
61 クランプ体
62 クランプ操作手段
63 カム部材
63a アーム
64 ボルト軸
65 操作ナット
70 スパイク
71 スパイク
71a 雄ネジ部
71b 角ボルト部
71c 先尖部
72 ネジ孔
73 有底孔
74 ナット部材
74a 雄ネジ溝
74b 収納溝
74c 係合溝
74d 雌ネジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に置かれる前後に長い基台部、該基台部の前端部から上方に延びる左右一対の支柱部、及び前記基台部の後端部に設けられるヒール部を有するペダルフレームと、
ドラムヘッドを打撃するビータが取り付けられ、前記支柱部の上端部に水平に軸支される回動軸と、
前記ヒール部に基端側が回動可能に支持され、演奏者の踏み込み操作により先端側から延びる連結部材を介して前記回動軸を回動させるフットボードとよりなり、
前記ペダルフレームを構成する前記基台部と支柱部を、鋳造により金属材料で一体形成したことを特徴とするドラム用ペダル。
【請求項2】
前記支柱部を、前記基台部の前端の左右側縁部より上方に延出させ、各支柱部の根元部の前端面が基台部の前端面とほぼ面一に連続した形状となるように構成した請求項1記載のドラム用ペダル。
【請求項3】
前記支柱部を、上端側ほど後方に位置するように傾斜した形状とし、且つ下端側ほど前後に幅広に構成することにより、該支柱部の根元部の後端面が基台部の上面に側面視略C字状に緩やかな曲線を描いて連続した形状となるように構成した請求項1又は2記載のドラム用ペダル。
【請求項4】
前記ヒール部も前記金属鋳造時に一体形成するとともに、該ヒール部に形成される前記フットボードの基端側を支持する支持部に、軸受部材を内装するための金属製の筒体を別途装着してなる請求項1〜3の何れか1項に記載のドラム用ペダル。
【請求項5】
前記筒体を、前記金属鋳造時に鋳型内に予めインサートして装着してなる請求項4記載のドラム用ペダル。
【請求項6】
前記ペダルフレームの基台部の前端部に、バスドラムのフープを挟持するためのクランプ手段を設けるとともに、該クランプ手段が設けられる左右位置を変更可能とした請求項1〜5の何れか1項に記載のドラム用ペダル。
【請求項7】
第1、第2のビータと、該ビータがそれぞれ固定された第1、第2の回動軸と、これら回動軸を独立に回動させることで各ビータを独立に作動させる第1、第2のフットボードと、これらのフットボードが設けられる第1、第2のペダルフレームとを備え、第1のペダルフレーム側に、第1、第2のビータ、第1、第2の回動軸、及び第1のフットボードが設けられ、第2のペダルフレーム側に、連結軸を介して前記第2の回動軸に連動される回動軸、及びこれを回動させる第2のフットボードが設けられた二連式のドラム用ペダルにおいて、
前記第1、第2のペダルフレームを、いずれも床面に置かれる前後に長い基台部、該基台部の前端部から上方に延びる左右一対の支柱部、及び前記基台部の後端部に設けられるヒール部を備えさせ、且つ前記基台部と支柱部を鋳造により金属材料で一体形成してなり、
第1のペダルフレームの一方の支柱部で第1の回動軸の一端側を軸支し、
他方の支柱部に軸支される第2の回動軸の前記第1の回動軸側に突出した端部に軸受け部を設け、
該軸受け部に第1の回動軸の他端側を軸支してなることを特徴とする二連式のドラム用ペダル。
【請求項8】
第1、第2のビータと、該ビータがそれぞれ固定された第1、第2の回動軸と、これら回動軸を独立に回動させることで各ビータを独立に作動させる第1、第2のフットボードと、これらのフットボードが設けられる第1、第2のペダルフレームとを備え、第1のペダルフレーム側に、第1、第2のビータ、第1、第2の回動軸、及び第1のフットボードが設けられ、第2のペダルフレーム側に、連結軸を介して前記第2の回動軸に連動される回動軸、及びこれを回動させる第2のフットボードが設けられた二連式のドラム用ペダルにおいて、
前記第1、第2のペダルフレームを、いずれも床面に置かれる前後に長い基台部、該基台部の前端部から上方に延びる左右一対の支柱部、及び前記基台部の後端部に設けられるヒール部を備えさせ、且つ前記基台部と支柱部を鋳造により金属材料で一体形成してなり、
第1のペダルフレームの一方の支柱部で第1の回動軸の一端側を軸支し、
他方の支柱部に軸支される第2の回動軸の端部に、その全部又は基端側の一部が支柱部の内部に挿入された状態で軸受部材により回転可能に支持される軸受け部を設け、
第1の回動軸の他端側も、同じく支柱部の内部の位置まで前記軸受け部内に挿入された状態で該軸受け部により軸支してなることを特徴とする二連式のドラム用ペダル。
【請求項9】
第1、第2のビータと、該ビータがそれぞれ固定された第1、第2の回動軸と、これら回動軸を独立に回動させることで各ビータを独立に作動させる第1、第2のフットボードと、これらのフットボードが設けられる第1、第2のペダルフレームとを備え、第1のペダルフレーム側に、第1、第2のビータ、第1、第2の回動軸、及び第1のフットボードが設けられ、第2のペダルフレーム側に、連結軸を介して前記第2の回動軸に連動される回動軸、及びこれを回動させる第2のフットボードが設けられた二連式のドラム用ペダルにおいて、
前記第1、第2のペダルフレームを、いずれも床面に置かれる前後に長い基台部、該基台部の前端部から上方に延びる左右一対の支柱部、及び前記基台部の後端部に設けられるヒール部を備えさせ、
第1のペダルフレームの一方の支柱部で第1の回動軸の一端側を軸支し、
他方の支柱部に軸支される第2の回動軸の端部に、その全部又は基端側の一部が支柱部の内部に挿入された状態で軸受部材により回転可能に支持される軸受け部を設け、
第1の回動軸の他端側も、同じく支柱部の内部の位置まで前記軸受け部内に挿入された状態で該軸受け部により軸支してなることを特徴とする二連式のドラム用ペダル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−39506(P2011−39506A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160514(P2010−160514)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(507353360)株式会社サカエリズム楽器 (5)