説明

ドリップバッグ用シート

【課題】製袋充填機を用いてドリップバッグを製造する場合にも、掛止部材の上縁部の突出部が、袋本体の上端縁から突出することにより開口容易なドリップバッグを得られるようにするドリップバッグ製造用シートを提供する。
【解決手段】通水濾過性シート1から形成された袋本体2の対向する外表面に、一対の掛止部材10Aを備えるドリップバッグ100Aの製造用シート200Aが、該シートの幅方向の中央部を通り長手方向に伸びた易開裂線3と、該シートの長手方向に所定間隔で貼着された一対の掛止部材10Aを有する。各掛止部材は、ドリップバッグ製造用シート200Aから製造されるドリップバッグ100Aにおいて、掛止部材10Aの上縁部にあって通水濾過性シート1と貼着している部分(以下、掛止部材の上縁部という)14を有する。一対の掛止部材の上縁部14は易開裂線3を挟むように対向し、易開裂線3を互い違いに越える突出部15を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ等の容器の上部に掛止することにより、容易にドリップ式でコーヒー、紅茶、緑茶、漢方薬等の抽出液を得られるようにするドリップバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、手軽に本格的なコーヒーを楽しむことを可能とするコーヒーの入れ方として、ペーパードリップ方式が広く普及している。このペーパードリップ方式では、通常、数杯分のコーヒーが一度に抽出される。
【0003】
一方、近年、一人暮らしをする者が多くなり、また、核家族化や出生率の低下等により一家族の構成人数も少なくなっている。そのため、従来の数杯分のコーヒーを抽出することが基本とされているペーパードリップ方式に代えて、一杯分のコーヒーの抽出を手軽に行えるようにすることを目的とした、使い捨てのワンドリップコーヒーが種々の製品形態で市場に出回っている。
【0004】
中でも、簡略な構成を有するものとしては、図10に示すように、通水濾過性シート1からなる袋本体2と、袋本体2の対向する2面の外表面に貼着された紙製等の掛止部材10xとからなるドリップバッグ100xにコーヒー粉を充填したコーヒードリップバッグであって、掛止部材10xを特定形状にしたものが提案されている(特許文献1)。
【0005】
また、図11に示すように、袋本体2と掛止部材10yから形成され、片手で開口形状を形成でき、カップに係止できるようにしたドリップバッグ100yも提案されている(特許文献2)。このようなドリップバッグを工業的に製袋充填機を用いて製造する場合、同特許文献の図5に示されているように、帯状の通水濾過性シートの長手方向に掛止部材を所定間隔で貼付したドリップバッグ製造用シートが使用される。
【0006】
一方、袋本体の対向する外表面に貼着した掛止部材の上縁部から一対の突出部を袋本体の上端縁よりも外側に突出させ、その突出部を引き離すことによりドリップバッグを容易に開口できるようにすることが知られている(特許文献3、図11)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許3166151号公報
【特許文献2】特開2010−4897号広報
【特許文献3】特開2000−201823号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上縁部に突出部を有する掛止部材を、単に帯状の通水濾過性シートに所定間隔で貼着させてドリップバッグ製造用シートとし、それを製袋充填機にかけ、掛止部材の上縁部の突出部が袋本体の上端縁から突出したドリップバッグを製造しようとしても、目的とするドリップバッグは得られない。すなわち、製袋充填機では、一般に帯状の通水濾過性シートを長手方向に二つ折りして縁部同士を溶着(縦シール)することにより筒形状にし、それを幅方向に所定間隔で順次溶着溶断(横シール)する間に内容物を充填していく。このような製袋充填機にかけるドリップバッグ製造用シートにおいて、掛止部材の上縁部を、帯状の通水濾過性シートの幅方向に配置しても、得られるドリップバッグにおいて、掛止部材の上縁部の突出部を袋本体の上端縁から突出させることはできない。また、掛止部材の上縁部の突出部が、帯状の通水濾過性シートの長手方向の縁部から突出するように掛止部材を帯状の通水濾過性シート上に配置すると、その突出部で縦シールの接着強度が低下してしまう。
【0009】
これに対し、本発明は、製袋充填機を用いてドリップバッグを製造する場合にも、掛止部材の上縁部の突出部が、袋本体の上端縁から突出して開口容易なドリップバッグを得られるようにするドリップバッグ製造用シートを提供すること、及びそのシートを用いて製造されたドリップバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の目的を達成するため、通水濾過性シートから形成された袋本体の対向する外表面に、該袋本体をカップに掛止させる一対の薄板状材料から形成された掛止部材を備えたドリップバッグを製造するためのドリップバッグ製造用シートであって、
帯状の通水濾過性シートが、該シートの幅方向の中央部を通り長手方向に伸びた易開裂線と、該シートの長手方向に所定間隔で貼着された一対の掛止部材を有し、
一対の掛止部材を構成する各掛止部材は、ドリップバッグ製造用シートから製造されるドリップバッグにおいて掛止部材の上縁部に位置する部分(以下、掛止部材の上縁部という)と、通水濾過性シートから引き起こし可能に形成された掛止片を有し、
一対の掛止部材の上縁部は易開裂線を挟むように対向して通水濾過性シートに貼着され、易開裂線を互い違いに越える突出部を有するドリップバッグ製造用シートを提供する。
【0011】
また、本発明は、このドリップバッグ製造用シートから製造されるドリップバッグとして、通水濾過性シートから形成された袋本体と、該袋本体の対向する外表面に貼着された一対の掛止部材を有するドリップバッグであって、袋本体の上端縁が通水濾過性シートの折り山となり、該上端縁に易開裂線が形成され、一対の掛止部材は、それぞれ通水濾過性シートに貼着された上縁部と、通水濾過性シートから引き起こし可能に形成された掛止片と、袋本体の上端縁から互い違いに突出した突出部を有するドリップバッグを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のドリップバッグ製造用シートによれば、通水濾過性シートの幅方向の中央部を通り長手方向に伸びた易開裂線を有し、その易開裂線を挟むように、一対の掛止部材の上縁部が対向し、さらにその上縁部が、互い違いに易開裂線を超える突出部を有するので、帯状の通水濾過性シートを易開裂線で二つ折りにすると、その折り山から掛止部材の上縁部の突出部が突出する。したがって、このドリップバッグ製造用シートを製袋充填機にかけ、易開裂線で二つ折りにして縦シールし、次いで、内容物の充填と横シールを繰り返すことによりドリップバッグを製造すると、得られるドリップバッグは、易開裂線を袋本体の上端縁とし、そこから掛止部材の上縁部の突出部が突出した、開口容易なものとなる。よって、本発明によれば、製袋充填機を用いて、高い生産性で、開口容易なドリップバッグを製造することが可能となる。
【0013】
また、本発明のドリップバッグ製造用シートによれば、一対の掛止部材を構成する各掛止部材の上縁部から突出部を突出させるにあたり、一対の掛止部材の上縁部同士を対向させ、突出部が互い違いに易開裂線を超えるようにしたので、一対の掛止部材を長尺の薄板状材料から打ち抜いて製造するにあたり、薄板状材の抜きカスの発生を最低限に抑えることができる。
【0014】
一方、本発明のドリップバッグは、袋本体の対向する外表面の掛止部材の上縁部から突出部が突出しているので開口容易であり、さらに、上述のドリップバッグ製造用シートを製袋充填機にかけることにより工業的に製造することができるので、安価に得られるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、実施例のドリップバッグ製造用シート200Aの平面図である。
【図2】図2は、ドリップバッグ製造用シート200Aを易開裂線で二つ折りにした状態の平面図である。
【図3】図3は、二つ折りにしたドリップバッグ製造用シート200Aからドリップバッグを製造する方法の説明図である。
【図4A】図4Aは、ドリップバッグ製造用シート200Aから製造したドリップバッグ100Aの平面図である。
【図4B】図4Bは、ドリップバッグ製造用シート200Aから製造したドリップバッグ100Aの開口方法の説明図である。
【図4C】図4Cは、ドリップバッグ製造用シート200Aから製造したドリップバッグ100Aをカップに掛止させた状態の斜視図である。
【図5】実施例のドリップバッグ製造用シート200Bの平面図である。
【図6】実施例のドリップバッグ製造用シート200Cの平面図である。
【図7A】実施例のドリップバッグ製造用シート200Cから製造したドリップバッグ100Cの平面図である。
【図7B】実施例のドリップバッグ製造用シート200Cから製造したドリップバッグ100Cをカップに掛止させた状態の斜視図である
【図8】実施例のドリップバッグ製造用シート200Dの平面図である。
【図9A】実施例のドリップバッグ製造用シート200Dから製造したドリップバッグ100Dの平面図である。
【図9B】実施例のドリップバッグ製造用シート200Dから製造したドリップバッグ100Dをカップに掛止させた状態の斜視図である。
【図10】図10は従来のコーヒードリップバッグの斜視図である。
【図11】図11は従来のコーヒードリップバッグの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は、同一又は同等の構成要素を表している。
【0017】
図1は、本発明の一実施例のドリップバッグ製造用シート200Aの平面図である。このドリップバッグ製造用シート200Aは、図4A、図4B,図4Cに示すように、通水濾過性シート1から形成された袋本体2の対向する表裏の外表面に、薄板状材料から形成された一対の掛止部材10Aを備え、この掛止部材10Aで袋本体2をカップ300に掛止させるドリップバッグ100Aを工業的に製袋充填機で製造する場合に好ましく使用されるものである。
【0018】
ここで、通水濾過性シート1としては、所定量のコーヒー粉を充填し、注湯した場合にコーヒーの浸出が可能であるものを種々使用することができる。一般に、浸出用シートとしては、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロン等の合成繊維、レーヨン等の半合成繊維、コウゾ、ミツマタ等の天然繊維の単独又は複合繊維からなる織布あるいは不織布、マニラ麻、木材パルプ、ポリプロピレン繊維等からなる混抄紙、ティーバッグ原紙等の紙類が知られており、本発明においてもこれらを使用することができるが、ドリップバッグの使用後の廃棄性の点から、通水濾過性シート材料には生分解性繊維を含有させることが好ましい。生分解性繊維としては、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート等をあげることができる。また、ドリップ時にコーヒー粉に適度な蒸らし効果も付与できるようにするため、これらの繊維材料から通水濾過性シートを製造するに際しては、繊維層の空隙率を調整することによりコーヒー粉に直接接することとなる層を「疎」とし、直接には接しない層を「密」とする疎密の複層構造とし、かつコーヒー粉に直接接することとなる層では疎水性繊維の含有率を高め、コーヒー粉に直接接しない層では疎水性繊維の含有率を下げることが好ましい(特許第3674486号)。
【0019】
一方、掛止部材10Aを形成する薄板状材料は、板紙、プラスチックシートなどの打ち抜きにより形成される。掛止部材10Aも、ドリップバッグの使用後の廃棄性の点から、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート等の生分解性材料から形成したものが好ましい。
【0020】
本実施例のドリップバッグ製造用シート200Aでは、通水濾過性シート1に、その幅方向を二分するように中央部を通り、長手方向に伸びた易開裂線3が形成されている。易開裂線3としては、ミシン目、超音波や熱などで通水濾過性シート1にライン状に形成した脆弱部等をあげることができる。
【0021】
また、一対の掛止部材10A(10A1、10A2)が通水濾過性シート1の長手方向に所定間隔で貼着されている。図1において、ドットで塗りつぶした部分が、掛止部材10Aと通水濾過性シート1が貼着している領域である(以下、同様)。
【0022】
各掛止部材10Aは、このドリップバッグ製造用シート200Aから形成されるドリップバッグ100Aにおいて、カップ300の上縁に掛けられることとなる掛止片11を、通水濾過性シート1から引き起こし有している。より具体的には、各掛止部材10Aは、通水濾過性シート1に貼着されている中央貼着部12、通水濾過性シートから引き起こし可能に形成されたアーム部13及び掛止片11を有し、アーム部13はその一端が中央貼着部12と連続し、その連続する部分が中央貼着部12でコ字型に囲まれており、他端が掛止片11と連続している。また、上縁部14(即ち、ドリップバッグ製造用シート200Aから形成されるドリップバッグ100Aにおいて、掛止部材の上縁部に位置する部分)が、易開裂線3を挟むように対向して通水濾過性シート1に貼着されている。上縁部14の両端部には、易開裂線3から離れる方向に伸びた延設部16が延設されている。
【0023】
さらに、一対の掛止部材10A1、10A2の上縁部14には、易開裂線3を超える突出部15が該易開裂線3を互い違いに超えるように、かつ隣接して形成されている。したがって、一対の掛止部材10A1、10Aは、一枚の薄板状材料から打ち抜きにより同時に形成され、かつ個々の掛止部材間の抜きカスを低減させることができる。また、突出部15は通水濾過性シート1と貼着していないが、上縁部14は通水濾過性シート1と貼着している。したがって、図2に示すように、このドリップバッグ製造用シート200Aを易開裂線3で二つ折りにすると、易開裂線3が縁辺となり、一対の掛止部材10Aの突出部15が交互に重なることなく突出することとなる。
【0024】
そこで、製袋充填機を用いてドリップバッグ製造用シート200Aからドリップバッグ100Aを製造する場合、まず、図2に示すように、ドリップバッグ製造用シート200Aを二つ折りにし、図3に示すように、その長手方向の縁辺4同士を溶着して筒状する。そして、長手方向に配列している掛止部材10A同士の間(破線の位置)で通水濾過性シート1を、その幅方向に溶着溶断することと、それにより形成される袋体にコーヒー粉などの内容物を充填することとを交互に繰り返し、ドリップバッグ100Aを得る。
【0025】
図4Aに示すように、こうして得られたドリップバッグ100Aは、その袋本体2の上端縁が通水濾過性シート1の折り山となって、その上端縁に易開裂線3を備え、また、袋本体2の対向する外表面に貼着された一対の掛止部材10Aは、上縁部14に互い違いに突出した突出部15を有する。したがって、このドリップバッグ100Aは、図4Bに矢印で示すように、突出部15を互いに反対方向に引き離すことにより、易開裂線3が容易に開口する。そこで、図4Cに示すように、掛止部材10Aに形成されている掛止片11を引き起こし、カップ300の上縁に掛けて袋本体2をカップ300に掛止させることにより開口部へ注湯ができ、ドリップバッグとして簡便に使用することが可能となる。
【0026】
本発明のドリップバッグ製造用シートは種々の態様をとることができる。例えば、図5ドリップバッグ製造用シート200Bは、上述のドリップバッグ製造用シート200Aにおいて、一対の掛止部材10A1、10A2の上縁部14同士を、掛止部材10Aの全幅にわたって当接させたものである。これにより、掛止部材10Aの打ち抜き時の抜きカスをさらに低減させることができる。
【0027】
本発明のドリップバッグ製造用シートにおいて、掛止片11などの構成自体には特に制限はない。したがって、例えば、図6に示すドリップバッグ製造用シート200Cのように、上述のドリップバッグ用製造用シート100Aの掛止部材から延設部16を省略し、中央貼着部12と上縁部14とを繋ぐ連結部17を設け、連結部17の両側に沿う一対のアーム部13で掛止片11と中央貼着部12とを連続させてもよい。連結部17は、その全部又は一部を通水濾過性シート1に貼着することが好ましい。この掛止部材10Cによれば、図1に示した掛止部材10Aに比して延設部16が省略されているので、掛止部材を構成する薄板状材料を節減することができる。また、掛止部材10Cを構成する各部分が連続しているので、掛止部材10Cを通水濾過性シートに貼着するときの位置ズレを低減させることができる。
【0028】
図7Aは、ドリップバッグ製造用シート200Cから製造されるドリップバッグ100Cの平面図、図7Bは、それをカップ300に掛止させた状態の斜視図である。このドリップバッグ100Cも袋本体2の上端縁に易開裂線3を有し、袋本体2の対向する外表面に貼着された一対の掛止部材10Cが、その上縁部14に、袋本体2の上端縁から突出した突出部15を有するので、突出部15を引き離すことにより容易に易開裂線3を開き、カップ300に掛止させることが可能となる。
【0029】
図8は、さらに異なる掛止部材10Dを備えたドリップバッグ製造用シート200Dの平面図である。また、図9Aは、このドリップバッグ製造用シート200Dから製造されるドリップバッグ100Dの平面図であり、図9Bはそれをカップ300に掛止させた状態の斜視図である。このドリップバッグ製造用シート200Dにおいても、通水濾過性シート1には、その中央部に長手方向に伸びた易開裂線3が形成され、一対の掛止部材10Dの上縁部14が易開裂線3を挟んで対向し、上縁部14には易開裂線3を超える突出部15が形成され、また、掛止部材10Dには引き起こし可能な掛止片11a、11bが形成されているが、この掛止片11a、11bは前述のドリップバッグ100Aの掛止片11と形成部位や引き起こし方向が異なっている。即ち、このドリップバッグ製造用シート200Dでは、該シート200Dから製造されるドリップバッグ100Dにおいて掛止部材10Dの底部側となる領域に、そのドリップバッグの側辺21a側に引き起こされる掛止片11a、11bが形成されている。また、掛止部材10Dの上縁部14の端縁から一方の掛止片11aの基部に向けて、く字形に屈曲した折れ線18が形成されており、その折れ線18の屈曲部から、該屈曲部に近い方の掛止部材10Dの側辺21aに向けて第2の折れ線19が形成されている。この第2の折れ線19と掛止部材10Dの側辺21aとの角度θは90°以上である。また、他方の掛止片11bの基部から掛止部材10Dの上縁部14の端縁へ略垂直に延びた第3の折れ線20が形成されている。
【0030】
図9Aに示すように、このドリップバッグ製造用シート200Dから製造されるドリップバッグ100Dにおいても、袋本体2の上縁部14に、袋本体2の上端縁から突出する突出部15が形成されている。したがって、突出部15を引き離すことにより容易に易開裂線3を開くことが可能となる。さらに、このドリップバッグ100Dによれば、特定の折れ線18、19、20が形成されているので、掛止部材10Dを、その両側の側辺21a、21bから押しつぶすように軽く押圧することで、図9Bに示すように袋本体が開口し、掛止片11a、11bが突出し、そのままカップ300に掛止させることのできる形状に変形することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 通水濾過性シート
2 袋本体
3 易開裂線
4 縁辺
10A、10A1、10A2、10C、10D、10x、10y 掛止部材
11、11a、11b 掛止片
12 中央貼着部
13 アーム部
14 掛止部材の上縁部又は上縁部となる部分
15 突出部
16 延設部
17 連結部
18 折れ線
19 第2の折れ線
20 第3の折れ線
21a、21b 掛止部材の側辺
100A、100C、100D、100x、100y ドリップバッグ
200A、200B、200C、200D ドリップバッグ製造用シート
300 カップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通水濾過性シートから形成された袋本体の対向する外表面に、該袋本体をカップに掛止させる一対の薄板状材料から形成された掛止部材を備えたドリップバッグを製造するためのドリップバッグ製造用シートであって、
帯状の通水濾過性シートが、該シートの幅方向の中央部を通り長手方向に伸びた易開裂線と、該シートの長手方向に所定間隔で貼着された一対の掛止部材を有し、
一対の掛止部材を構成する各掛止部材は、ドリップバッグ製造用シートから製造されるドリップバッグにおいて掛止部材の上縁部に位置する部分(以下、掛止部材の上縁部という)と、通水濾過性シートから引き起こし可能に形成された掛止片を有し、
一対の掛止部材の上縁部は易開裂線を挟むように対向して通水濾過性シートに貼着され、易開裂線を互い違いに越える突出部を有するドリップバッグ製造用シートを提供する。
【請求項2】
一対の掛止部材の上縁部の突出部が、隣接している請求項1記載のドリップバッグ製造用シート。
【請求項3】
掛止部材が、通水濾過性シートに貼着されている上縁部及び中央貼着部、並びにこれら上縁部と中央貼着部とを繋ぐ連結部を有し、連結部の両側に沿う一対のアーム部で中央貼着部と掛止片とが連続している請求項1又は2記載のドリップバッグ製造用シート。
【請求項4】
通水濾過性シートから形成された袋本体と、該袋本体の対向する外表面に貼着された一対の掛止部材を有するドリップバッグであって、袋本体の上端縁が通水濾過性シートの折り山となり、該上端縁に易開裂線が形成され、一対の掛止部材は、それぞれ通水濾過性シートに貼着された上縁部と、通水濾過性シートから引き起こし可能に形成された掛止片と、袋本体の上端縁から互い違いに突出した突出部を有するドリップバッグ。
【請求項5】
一対の掛止部材の上縁部が、突出部以外の部分で通水濾過性シートに貼着されている請求項4記載のドリップバッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−78748(P2011−78748A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200698(P2010−200698)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(396015057)大紀商事株式会社 (19)
【Fターム(参考)】