説明

ナットの緩み止め方法およびナットの緩み止め構造

【課題】 ナットの緩み止めを確実に行えるようにする。
【解決手段】 ナット7が螺合し得るネジ部63と、ネジ部63の近傍に配置されたキー溝62aとを有する軸6を用意する。ネジ部63にナット7を螺合させ、キー溝62aにキー64を係合させる。ナット7に相対回転不能に係合し得る切欠き80を有する係合部材8を用意して、係合部材8の切欠き80をナット7に係合させる。軸6が挿通し得る貫通穴90およびキー64が係合し得るキー溝9aを有するプレート9を用意して、プレート9の貫通穴90に軸6を通すとともに、キー溝9aにキー64を係合させる。その後、プレート9を係合部材8に溶接により固着する。この場合、ナット7に係合部材8が相対回転不能に固定されかつ軸6のキー溝62aにプレート9が固定された状態で、プレート9がナット7に固定されることで、ナット7の緩み止めがなされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナットの緩み止めを確実に行える緩み止め方法および緩み止め構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ナットの緩み止めを行うための構造として、例えば実公平7−41932号公報には、ナットの座面に尖鋭な複数の突起を設け、ナットの締付時にこれらの突起をナットの取付面に喰い込ませることにより、ナットの回り止め(緩み止め)を行うようにしたものが開示されている(当該公報の第1図〜第10図参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の構成では、低コストで簡易にナットの緩み止めを行うことが可能であるが、その一方、ナットの座面に設けた突起を取付面に喰い込ませる必要があるため、取付面が高硬度の材料で構成されている場合には、ナットの緩み止めを確実に行うことは困難である。また、取付面を過度に加圧することができないような構造の場合、例えば、軸の両端が軸受により回転自在に支持されており、軸の先端に螺合するナットを適度に締め付けて両端の軸受に適度の加圧力を作用させることで、軸をガタつきなく滑らかに回転させるようにしている場合には、ナット座面の突起を取付面に喰い込ませるために、ナットを過度に締め付けると、軸両端の軸受に軸方向の過度の力が作用し、その結果、軸受の回転が阻害されて、軸が滑らかに回転しなくなるという問題が発生する。
【0004】
そこで、ナットに半径方向のネジ孔を貫通形成して該ネジ穴に止めネジを螺合させ、ナットを適度に締め付けた後、止めネジを締付方向に回転させることで、止めネジの先端を軸の外周面に喰い込ませるようにすることも考えられるが、この場合、軸の外周面の硬度が高いと、止めネジの先端を軸の外周面に喰い込ませることができず、その結果、ナットの緩み止めを確実に行うことができない。
【0005】
この場合、止めネジの位置に合わせて軸の外周面に後加工で係合孔を形成し、該係合孔に止めネジの先端を係合させるようにすれば、止めネジを介してナットの緩み止めを行うことが可能になるが、この場合には、軸の外周面に後加工で係合孔を形成する必要があるため、軸が高硬度の材料で構成されている場合には、後加工が容易ではない。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、ナットの取付面または軸が高硬度の材料から構成されている場合でも、ナットの緩み止めを確実に行えるようにすることにある。また、本発明は、ナットを適度に締め付けた状態で、後加工を必要とすることなく、ナットの緩み止めを簡単に行えるようにしようとしている。さらに、本発明は、ナットを軸に対して任意の回転位置(つまり締付位置)で保持した状態でナットの緩み止めを行おうとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係るナットの緩み止め方法は、以下の工程を備えている。すなわち
i)ナットが螺合し得るネジ部と、ネジ部の近傍に配置されたキー溝とを有する軸を用意して、ネジ部にナットを螺合させる工程。
ii) ナットに相対回転不能に係合し得る切欠きを有する係合部材を用意して、係合部材の切欠きをナットに係合させる工程。
iii)軸が挿通し得る穴と、キー溝に挿入されるキーが係合し得るキー係合部とを有するプレートを用意して、プレートの穴に軸を通すとともに、キー溝およびキー係合部にキーを係合させる工程。
iv) プレートを係合部材に固着させる工程。
【0008】
請求項1の発明によれば、軸のネジ部に螺合するナットを締め付けた状態で、軸のキー溝に挿入されるキーに係合するプレートを、ナットに係合する係合部材に固着させているので、ナットが係合部材、プレートおよびキーを介して軸に固定されている。これにより、軸に対するナットの緩み止めを行える。
【0009】
この場合には、ナットの座面を取付面に対して過度に加圧する必要がないので、ナットの取付面が高硬度の材料で構成されている場合でも、ナットの緩み止めを確実に行える。また、ナットを過度に締め付ける必要がないので、ナットを適度に締め付けた状態でナットの緩み止めを行える。さらに、軸に後加工を施す必要がないので、軸が高硬度の材料から構成されている場合でも、ナットの緩み止めを簡単かつ確実に行える。また、この場合、ナットを軸に対して所定の回転位置に位置決めする必要はなく、ナットを軸に対して任意の回転位置(つまり締付位置)で保持できる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1において、キー溝およびこれに挿入されるキーが、軸に回転不能に固定される固定部材を取り付けるためのものである。
【0011】
この場合には、プレートのキー係合部に係合するキーのための専用のキー溝を軸に予め形成しておくのではなく、軸に固定される固定部材(例えばスプロケットやギア等(請求項5参照))のためのキー溝およびキーを利用して、プレートが軸に取り付けられることになる。これにより、製造コストを低減でき、構造を簡略化できる。
【0012】
請求項3の発明に係るナットの緩み止め方法は、以下の工程を備えている。すなわち
i)ナットが螺合し得るネジ部と、ネジ部の近傍に配置されたスプラインまたはセレーションとを有する軸を用意して、ネジ部にナットを螺合させる工程。
ii) ナットに相対回転不能に係合し得る切欠きを有する係合部材を用意して、係合部材の切欠きをナットに係合させる工程。
iii)軸が挿通し得る穴と、スプラインまたはセレーションが係合し得るスプライン穴またはセレーション穴とを有するプレートを用意して、プレートの穴に軸を通すとともに、プレートのスプライン穴またはセレーション穴に軸のスプラインまたはセレーションを係合させる工程。
iv) プレートを係合部材に固着させる工程。
【0013】
請求項3の発明によれば、軸のネジ部に螺合するナットを締め付けた状態で、軸のスプラインまたはセレーションに係合するプレートを、ナットに係合する係合部材に固着させているので、ナットが係合部材、プレート、スプライン穴(またはセレーション穴)およびスプライン(またはセレーション)を介して軸に固定されている。これにより、軸に対するナットの緩み止めを行える。
【0014】
この場合には、ナットの座面を取付面に対して過度に加圧する必要がないので、ナットの取付面が高硬度の材料で構成されている場合でも、ナットの緩み止めを確実に行える。また、ナットを過度に締め付ける必要がないので、ナットを適度に締め付けた状態でナットの緩み止めを行える。さらに、軸に後加工を施す必要がないので、軸が高硬度の材料から構成されている場合でも、ナットの緩み止めを簡単かつ確実に行える。また、この場合、ナットを軸に対して所定の回転位置に位置決めする必要はなく、ナットを軸に対して任意の回転位置(つまり締付位置)で保持できる。
【0015】
請求項4の発明では、請求項3において、スプラインまたはセレーションが、軸に回転不能に固定される固定部材を取り付けるためのものである。
【0016】
この場合には、プレートのスプライン穴またはセレーション穴に係合する専用のスプラインまたはセレーションを軸に予め形成しておくのではなく、軸に固定される固定部材(例えばスプロケットやギア等(請求項5参照))のためのスプラインまたはセレーションを利用して、プレートが軸に取り付けられることになる。これにより、製造コストを低減でき、構造を簡略化できる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項2または4において、固定部材がスプロケットまたはギアである。
【0018】
請求項6の発明では、請求項1または3において、係合部材の切欠きがナットの外側面に係合し得るように設けられている。
【0019】
この場合には、係合部材の切欠きがナットの外側面に係合することで、係合部材がナットに相対回転不能に取り付けられる。
【0020】
請求項7の発明では、請求項6において、ナットが六角ナットであって、係合部材の切欠きが係合し得る六角ナットの外側面が、六角ナットの相対する2つの対向面である。
【0021】
この場合には、係合部材の切欠きが六角ナットの相対する2つの対向面に係合することで、係合部材がナットに相対回転不能に取り付けられる。また、この場合、六角ナットには3組の対向面があるため、係合部材は、六角ナットに対して3方向のいずれかの方向からも係合可能である。
【0022】
請求項8の発明では、請求項1または3において、プレートが係合部材に溶接または接着されている。
【0023】
この場合には、プレートの係合部材に対する固着が溶接または接着によりなされるので、係合部材をナットに係合させ、プレートを軸に取り付けた後、プレートを係合部材に確実に固着することができる。
【0024】
請求項9の発明では、請求項1または3において、軸が軸受により回転自在に支持されており、ナットが、軸受を軸方向に加圧することによって、軸をガタつきなく滑らかに回転させるための部材である。
【0025】
この場合には、ナットの締付量を適度に調整することにより、軸がガタつきなく滑らかに回転できるようになる。
【0026】
請求項10の発明では、請求項1または3において、軸が産業車両のアタッチメントの旋回部を構成している。
【0027】
この場合、旋回部は、アタッチメントを鉛直面内または水平面内で旋回させる部材である。例えば、フォークリフトのCフックアタッチメントの旋回部においては、鉛直軸の上下部がそれぞれ軸受により回転自在に支持されており、鉛直軸の上端に螺合するナットを適度に締め付けて各軸受を軸方向に適度に加圧した状態で、プレートおよび係合部材が取り付けられている。これにより、軸をガタつきなく滑らかに回転させるように加圧するナットの緩み止めを確実に行えるようになる。
【0028】
請求項11の発明に係るナットの緩み止め構造は、ネジ部およびその近傍に配置されたキー溝を有する軸と、軸のネジ部に螺合するナットと、ナットに相対回転不能に係合する切欠きを有する係合部材と、キー溝に挿入されたキーが係合するキー係合部、および軸が挿通する穴を有するプレートとを備えており、プレートが係合部材に固着されている。
【0029】
請求項11の発明によれば、軸のネジ部に螺合するナットを締め付けた状態で、軸のキー溝に挿入されるキーに係合するプレートを、ナットに係合する係合部材に固着させているので、ナットが係合部材、プレートおよびキーを介して軸に固定されている。これにより、軸に対するナットの緩み止めを行える。
【0030】
この場合には、ナットの座面を取付面に対して過度に加圧する必要がないので、ナットの取付面が高硬度の材料で構成されている場合でも、ナットの緩み止めを確実に行える。また、ナットを過度に締め付ける必要がないので、ナットを適度に締め付けた状態でナットの緩み止めを行える。さらに、軸に後加工を施す必要がないので、軸が高硬度の材料から構成されている場合でも、ナットの緩み止めを簡単かつ確実に行える。また、この場合、ナットを軸に対して所定の回転位置に位置決めする必要はなく、ナットを軸に対して任意の回転位置(つまり締付位置)で保持できる。
【0031】
請求項12の発明では、請求項11において、軸には、キー溝に挿入されたキーを介して、固定部材が回転不能に固定されている。
【0032】
この場合には、プレートのキー係合部に係合するキーのための専用のキー溝を軸に予め形成しておくのではなく、軸に固定される固定部材(例えばスプロケットやギア等(請求項15参照))のためのキー溝およびキーを利用して、プレートが軸に取り付けられることになる。これにより、製造コストを低減でき、構造を簡略化できる。
【0033】
請求項13の発明に係るナットの緩み止め構造は、ネジ部およびその近傍に配置されたスプラインまたはセレーションを有する軸と、軸のネジ部に螺合するナットと、ナットに相対回転不能に係合する切欠きを有する係合部材と、スプラインまたはセレーションが係合するスプライン穴またはセレーション穴を有するとともに、軸が挿通する穴を有するプレートとを備えており、プレートが係合部材に固着されている。
【0034】
請求項13の発明によれば、軸のネジ部に螺合するナットを締め付けた状態で、軸のスプラインまたはセレーションに係合するプレートを、ナットに係合する係合部材に固着させているので、ナットが係合部材、プレート、スプライン穴(またはセレーション穴)およびスプライン(またはセレーション)を介して軸に固定されている。これにより、軸に対するナットの緩み止めを行える。
【0035】
この場合には、ナットの座面を取付面に対して過度に加圧する必要がないので、ナットの取付面が高硬度の材料で構成されている場合でも、ナットの緩み止めを確実に行える。また、ナットを過度に締め付ける必要がないので、ナットを適度に締め付けた状態でナットの緩み止めを行える。さらに、軸に後加工を施す必要がないので、軸が高硬度の材料から構成されている場合でも、ナットの緩み止めを簡単かつ確実に行える。また、この場合、ナットを軸に対して所定の回転位置に位置決めする必要はなく、ナットを軸に対して任意の回転位置(つまり締付位置)で保持できる。
【0036】
請求項14の発明では、請求項13において、軸には、スプラインまたはセレーションを介して、固定部材が回転不能に固定されている。
【0037】
この場合には、プレートのスプライン穴またはセレーション穴に係合する専用のスプラインまたはセレーションを軸に予め形成しておくのではなく、軸に固定される固定部材(例えばスプロケットやギア等(請求項15参照))のためのスプラインまたはセレーションを利用して、プレートが軸に取り付けられることになる。これにより、製造コストを低減でき、構造を簡略化できる。
【0038】
請求項15の発明では、請求項12または14において、固定部材がスプロケットまたはギアである。
【0039】
請求項16の発明では、請求項11または13において、係合部材の切欠きがナットの外側面に係合している。
【0040】
この場合には、係合部材の切欠きがナットの外側面に係合することで、係合部材がナットに相対回転不能に取り付けられている。
【0041】
請求項17の発明では、請求項16において、ナットが六角ナットであって、係合部材の切欠きが六角ナットの相対する2つの対向面に係合している。
【0042】
この場合には、係合部材の切欠きが六角ナットの相対する2つの対向面に係合することで、係合部材がナットに相対回転不能に取り付けられている。また、この場合、六角ナットには3組の対向面があるため、係合部材は、六角ナットに対して3方向のいずれかの方向からも係合可能である。
【0043】
請求項18の発明では、請求項11または13において、プレートが係合部材に溶接または接着されている。
【0044】
この場合には、プレートの係合部材に対する固着が溶接または接着によりなされるので、係合部材をナットに係合させ、プレートを軸に取り付けた後、プレートを係合部材に確実に固着することができる。
【0045】
請求項19の発明では、請求項11または13において、軸が軸受により回転自在に支持されており、ナットが、軸受を軸方向に加圧することによって、軸をガタつきなく滑らかに回転させるための部材である。
【0046】
この場合には、ナットの締付量を適度に調整することにより、軸がガタつきなく滑らかに回転できるようになる。
【0047】
請求項20の発明では、請求項11または13において、軸が産業車両のアタッチメントの旋回部を構成している。
【0048】
この場合、旋回部は、アタッチメントを鉛直面内または水平面内で旋回させる部材である。例えば、フォークリフトのCフックアタッチメントの旋回部においては、鉛直軸の上下部がそれぞれ軸受により回転自在に支持されており、鉛直軸の上端に螺合するナットを適度に締め付けて各軸受を軸方向に適度に加圧した状態で、プレートおよび係合部材が取り付けられている。これにより、軸をガタつきなく滑らかに回転させるように加圧するナットの緩み止めを確実に行えるようになる。
【発明の効果】
【0049】
以上のように、本発明の第1の発明によれば、軸のネジ部に螺合するナットを締め付けた状態で、軸のキー溝に挿入されるキーに係合するプレートを、ナットに係合する係合部材に固着させるようにしたので、ナットを係合部材、プレートおよびキーを介して軸に固定することができ、これにより、軸に対するナットの緩み止めを行える。
【0050】
この場合には、ナットを取付面に対して過度に加圧する必要がなく、取付面が高硬度の材料で構成されている場合でも、ナットの緩み止めを確実に行える。また、ナットを過度に締め付ける必要がなく、ナットを適度に締め付けた状態でナットの緩み止めを行える。さらに、軸に後加工を施す必要がないので、軸が高硬度の材料から構成されている場合でも、ナットの緩み止めを簡単かつ確実に行える。また、この場合、ナットを軸に対して所定の回転位置に位置決めする必要はなく、ナットを軸に対して任意の回転位置(つまり締付位置)で保持できるようになる。
【0051】
また、本発明の第2の発明によれば、軸のネジ部に螺合するナットを締め付けた状態で、軸のスプラインまたはセレーションに係合するプレートを、ナットに係合する係合部材に固着させるようにしたので、ナットを係合部材、プレート、スプライン穴(またはセレーション穴)およびスプライン(またはセレーション)を介して軸に固定することができ。これにより、軸に対するナットの緩み止めを行える。
【0052】
この場合には、ナットを取付面に対して過度に加圧する必要がなく、取付面が高硬度の材料で構成されている場合でも、ナットの緩み止めを確実に行える。また、ナットを過度に締め付ける必要がないので、ナットを適度に締め付けた状態でナットの緩み止めを行える。さらに、軸に後加工を施す必要がないので、軸が高硬度の材料から構成されている場合でも、ナットの緩み止めを簡単かつ確実に行える。また、この場合、ナットを軸に対して所定の回転位置に位置決めする必要はなく、ナットを軸に対して任意の回転位置(つまり締付位置)で保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施例によるナット緩み止め構造を採用するフォークリフトのCフックアタッチメントおよびこれを前後方向スライド自在に支持するガイドフレームの側面図である。
【図2】図1の前面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】Cフックアタッチメント(図1)の旋回部の内部構造図である。
【図5】旋回部(図4)のナット緩み止め構造の分解組立図である。
【図6】ナット緩み止め構造(図5)の組立手順を説明するための図である。
【図7】ナット緩み止め構造(図5)の組立手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図7は、本発明の一実施例によるナット緩み止め構造を説明するための図である。ここでは、産業車両としてフォークリフトを例にとるとともに、フォークリフトのCフックアタッチメントの旋回部に本発明によるナット緩み止め構造が採用された場合を例にとって説明する。なお、図1および図4中、左側が車両前方側であり、右側が車両後方側である。
【0055】
図1および図2に示すように、フォークリフト1は、その前面部に配置される作業装置であるアタッチメントとして、Cフックアタッチメント2を有している。このCフックアタッチメント2は、車両前面部の左右両側にそれぞれ設けられる側面視C字状(またはコ字状)の部材であって、上下部にそれぞれ配置されて水平方向に延びる上下部延設部2A、2Bと、これらを上下方向に連結する垂設部2Cとから構成されている。
【0056】
Cフックアタッチメント2は、例えば自動車のボディ用の鋼板シートをロール状に巻いたコイル材を扱うのに適している。この場合、Cフックアタッチメント2の下部延設部2Bをコイル材の中央の穴に通すことで、コイル材を吊り下げて荷役作業を行う。
【0057】
左右のCフックアタッチメント2の各上部延設部2Aは、各Cフックアタッチメント2に対応して設けられた左右の支持フレーム組立体3、3’にそれぞれ連結されている。
【0058】
左側の支持フレーム組立体3は、前後方向(図1左右方向)に間隔を隔てて配置され、上下方向に延びる一対のステー30、31を有しており、各ステー30、31は、Cフックアタッチメント2の上部延設部2Aに固定されている。各ステー30、31には、Cフックアタッチメント2の上下部延設部2A、2Bの延設方向に沿って水平方向に延びる支軸32が挿通している。支軸32は、各ステー30、31間に設けられたフレーム33に支持されている。各ステー30、31は、支軸32の軸芯回りに回動自在になっている。
【0059】
支持フレーム組立体3はまた、各ステー30、31間において前後方向に間隔を隔てて配置されかつ左右方向(図2左右方向)に延設されたフレーム34、35を有している。フレーム34、35は、フレーム33に一体に連結されている。
【0060】
支持フレーム組立体3に対応してシリンダ4が設けられている。シリンダ4のピストンロッド40は、ステー30の上端に設けられたフランジ30aにヒンジ連結されている。
【0061】
この構成により、シリンダ4のピストンロッド40が伸長または縮退すると、ステー30、31を介してCフックアタッチメント2が支軸32の軸芯回りに揺動するようになっている(図2一点鎖線参照)。
【0062】
右側の支持フレーム組立体3’は、左側の支持フレーム組立体3と同様の構成を有しており、対応する部材には同等符号を付してある。シリンダ4’のピストンロッド40’は、ステー31’の上端のフランジ31a’にヒンジ連結されている点である。
【0063】
この場合においても、シリンダ4’のピストンロッド40’が伸長または縮退すると、ステー30’、31’を介してCフックアタッチメント2が支軸32’の軸芯回りに揺動するようになっている(図2一点鎖線参照)。
【0064】
図2および図3に示すように、前後方向にオフセットされた各シリンダ4、4’の間には、上下方向に延びるブラケット5が配設されている。
【0065】
ブラケット5の内部には、図4に示すように、上下方向に延びる軸6が挿入されており、軸6はブラケット5を挿通して上方および下方に延設されている。軸6は、ブラケット5の内部および上端にそれぞれ設けられた軸受50および51により、ブラケット5に回転自在に支持されている。
【0066】
軸6は、ブラケット5の下方に配置される下部60を有しており(図5参照)、下部60には、水平方向に延びる穴60aが貫通形成されている。穴60aには支軸61が挿通しており、支軸61は穴60aに回転自在に支持されている。支軸61の端部には、フレーム34、35の上端が連結されており、フレーム34、35は、支軸61の軸芯回りに揺動自在になっている。
【0067】
図5に示すように、軸6の上端62には、キー溝62aが形成されている。この例では、キー溝62aは、軸6の上端62において円周上で180°離れた2個所の位置に形成されている(図7参照)。キー溝62aには、キー64が係合している。
【0068】
これらのキー溝62aは、スプロケット10(図4)を軸6の上端62に取り付けるために設けられている。図4に示すように、軸6の側方には、駆動軸11が並設されている。駆動軸11の上端には、スプロケット12が取り付けられており、各スプロケット10、12の周りには、チェーン13が巻き掛けられている。また、図示していないが、スプロケット12の一部は、アクチュエータとしてのシリンダのピストンロッド先端に連結されており、シリンダのピストンロッドを伸長または縮退させることにより、スプロケット12が回転し、チェーン13を介してスプロケット10が回転する。すると、軸6が正転または逆転し、これにより、軸6の下端に支軸61およびフレーム34、35を介して連結された各Cフックアタッチメント2が軸6の軸芯回りに旋回するようになっている。すなわち、軸6は、Cフックアタッチメント2の旋回部として機能している。
【0069】
図5に示すように、軸6の上端62の下方には、ネジ部63が形成されている。キー溝62aは、ネジ部63の直近近傍位置まで下方に延びている。ネジ部63には、ナット(例えば六角ナット)7が螺合しており、ナット7の外周には、係合部材8が係合している(図4参照)。また、係合部材8の上には、プレート9が配置されている。プレート9は係合部材8に溶接または接着により固着されている。
【0070】
係合部材8は、図6に示すように、切欠き80を有するC字状またはU字状(あるいはコ字状)の部材であって、切欠き80は、ナット7に対して側方から係合し得る大きさに形成されるとともに、ナット7の外周面に対して相対回転不能に係合し得る形状に形成されている。この場合、切欠き80は、その開口部において相対する平行な2面80a、80bを有し、これら2面80a、80bの間隔がナット7の相対する平行な2面70、71の間隔よりもわずかに大きくなっている。切欠き80の対向2面80a、80bは、ナット7の対向2面70、71に係合している。なお、この例では、係合部材8の外周が多角形状に形成されているが、これは円形状でもよい。
【0071】
プレート9は、図7に示すように、例えば環状(つまり円板状)の部材であって、軸6の上端62が挿通し得る中央の貫通穴90と、円周上で180°離れた2個所の位置に形成され、キー64が係合し得るキー溝(キー係合部)9aとを有している。また、プレート9の外周縁部91は、ナット7の外周縁部72よりも大きくかつ係合部材8の外周縁部81よりも若干小さくなっている。これは、プレート9をナット7に溶接により固着する際に、溶接作業をし易くするためである。あるいは、プレートをナット7に接着する際の接着しろを確保するためである。
【0072】
上述のように、軸6のネジ部63にナット7を螺合させ、ナット7の外周に係合部材8を係合させた後、係合部材8の上にプレート9を配置して、プレート9を係合部材8に固着することにより、軸6に対するナット7の緩み止め構造が構成されている。
【0073】
図1に示すように、Cフックアタッチメント2の上方には、前後方向に延びるガイドフレーム110が設けられている。ガイドフレーム110は、その後端側に連結されたアーム120により下方から支承されている。アーム120は、その後方に配置された昇降装置130により、昇降可能に設けられている。
【0074】
ガイドフレーム110には、ガイドローラ101、102を介して、スライドフレーム100が前後方向スライド自在に設けられている。また、ガイドフレーム110上には、シリンダ140が前後方向に配設されており、シリンダ140のピストンロッド141は、スライドフレーム100の後端に連結されている。シリンダ140を駆動してピストンロッド141を伸長または縮退させることにより、スライドフレーム100がガイドフレーム110に沿って前後方向に移動するようになっている。
【0075】
図4に示すように、スライドフレーム100には、ブラケット5および駆動軸11が取り付けられており、スライドフレーム100の移動時には、これらの部材とともに、各Cフックアタッチメント2が移動するようになっている。
【0076】
次に、本実施例によるナット緩み止め構造の組立手順について、図4ないし図7を用いて説明する。
まず、軸6をブラケット5に挿入して軸受50、51により回転自在に支持させる(図4参照)。次に、軸6のネジ部63にナット7を螺合させ、ナット7を締め付ける(図5参照)。このとき、ナット7の締付けが弱いと、軸6が上下方向にガタつきを生じ、その一方、ナット7をあまり強く締め過ぎると、ナット7の締付けによる大きなスラストがナット7の座面から軸受51、50に作用することで各軸受50、51が回転しにくくなるので、ナット7の締付けに際しては、軸6がガタつきなくかつ滑らかに回転するように、ナット7の締付量を適宜調整する。
【0077】
ナット7の締付位置が決定した後、ナット7の側方から係合部材8を係合させる(図5参照)。このとき、ナット7が六角ナットなので、係合部材8は、ナット7の対向2辺に対して3方向のいずれの方向からでも取付可能になっている(図6参照)。
【0078】
係合部材8の取付後、軸6の上端62からプレート9を挿入して、プレート9を係合部材8の上に載置するとともに、軸6の上端62のキー溝62aとプレート9のキー溝9aとを位置合わせした状態で、これらのキー溝62a、9aにキー64を係合させる(図7参照)。このとき、プレート9が環状の部材なので、係合部材8がナット7に対して何れの方向から係合している場合でも、プレート9と係合部材8とのオーバラップ領域は変化しない。この状態から、プレート9の外周縁部91を係合部材8の上面に溶接により固着する。このようにして、ナット7の緩み止め構造の組立てが完了する。
【0079】
この場合には、ナット7に係合部材8が相対回転不能に固定されかつ軸6のキー溝62aにプレート9が固定された状態でプレート9がナット7に固定されることで、ナット7の緩み止めが行われている。
【0080】
次に、軸6の上端62に対して、スプロケット10が上方から挿入されて、上端62のキー溝62aに対してキー結合される。その後、スプロケット10の上端にエンドプレート14が固定されることで、スプロケット10の軸6からの抜け止めが行われている。
【0081】
次に、上述のように構成されたフォークリフト1による荷役作業について簡単に説明する。
荷役作業の際には、荷役対象物である、例えばコイル材に対してフォークリフト1を正対させ、コイル材に向かってフォークリフト1を前進させることで、各Cフックアタッチメント2を前方に移動させる。
【0082】
なお、各Cフックアタッチメント2を前方に移動させる際には、必要に応じて、シリンダ140(図1)を駆動してピストンロッド141を伸長させることにより、スライドフレーム100を前進させる。すると、スライドフレーム100とともにブラケット5および軸6が移動し(図1二点鎖線参照)、これにより、支軸61、フレーム34、35および支軸32、32’を介して、各Cフックアタッチメント2が前方に移動する。
【0083】
このとき、昇降装置130(図1)を適宜駆動することにより、Cフックアタッチメント2の下部延設部2Bをコイル材の中央の穴に通す。また、このとき、必要に応じて、シリンダ4、4’(図2)を駆動して、ピストンロッド40、40’を伸長または縮退させることにより、Cフックアタッチメント2を支軸32、32’の回りに揺動させて(図2一点鎖線参照)、Cフックアタッチメント2の傾斜角度を調整する。
【0084】
そして、昇降装置130を駆動して、Cフックアタッチメント2の下部延設部2Bを上方に移動させることにより、下部延設部2Bでコイル材を上方に吊り上げる。このとき、コイル材の重量が、Cフックアタッチメント2からフレーム30、30’、34、34’に作用し、その結果、フレーム34、34’が支軸61の軸芯回りに若干量揺動して、重量バランスが調整される。
【0085】
また、このとき、シリンダ(図示せず)の駆動によりスプロケット12(図4)を回転させることにより、チェーン13を介してスプロケット10を回転させる。すると、軸6とともに支軸61が回転し、その結果、フレーム34、34’、35を介して、Cフックアタッチメント2が軸6の軸芯回りに旋回する。これにより、Cフックアタッチメント2に吊り下げられたコイル材の向きを変えることができる。
【0086】
<他の実施例1>
前記実施例では、軸6の上端62にキー結合される固定部材として、スプロケットを例にとって説明したが、スプロケットの代わりに、ギアやその他の部材であってもよい。
【0087】
<他の実施例2>
前記実施例では、軸6のネジ部63に螺合するナット7として、六角ナットを例にとって説明したが、六角ナット以外の外周形状を有するナットを用いるようにしてもよい。例えば、外周形状を円筒面にして、円筒面上で180°離れた2個所の位置に一対の平行面が形成されたナットを用いるようにしてもよい。
【0088】
<他の実施例3>
前記実施例では、プレート9を軸6に固定するのに、プレート9を軸6にキー結合させた例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
【0089】
キー結合のかわりに、スプライン結合やセレーション結合を採用するようにしてもよい。この場合には、軸6のネジ部63の直近近傍位置にスプラインまたはセレーションを形成するとともに、これらスプラインまたはセレーションに係合するスプライン穴またはセレーション穴をプレートに形成するようにすればよい。
【0090】
この場合、スプライン結合またはセレーション結合により軸6に固定されたプレートを、ナット7に係合する係合部材8に溶接や接着により固着することにより、前記実施例の場合と同様に、軸6のネジ部63に対するナット7の緩み止めを確実に行える。
【0091】
また、この場合においても、軸6に形成されるスプラインやセレーションが、軸6の上端62に固定される固定部材としてのスプロケットやギアを取り付けるためのものである場合、プレートのための専用のスプラインやセレーションを軸6に別途形成する必要がなく、軸6に元々形成されていたスプラインやセレーションを利用してナット7の緩み止めを行えるので、製造コストを低減でき、構造を簡略化できる。
【0092】
<他の適用例>
前記実施例では、本発明によるナット緩み止め構造がフォークリフトのCフックアタッチメントの旋回部に適用された例を示したが、本発明は、フォークリフトのその他のアタッチメントの回転部(旋回部およびヒンジ部)にも適用でき、さらには、海上コンテナの荷役作業等に用いられるスプレッダ仕様の大型フォークリフトのツイストロックシャフト部にも適用可能である。
【0093】
また、本発明は、フォークリフト以外の産業車両の回転部(旋回部およびヒンジ部)にも適用でき、さらには、フロントアクスルやリヤアクスルのハブナット締付部にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上のように、本発明によるナット緩み止め方法およびナット緩み止め構造は、産業車両とくにフォークリフトのアタッチメントの旋回部に適している。
【符号の説明】
【0095】
1: フォークリフト(産業車両)

2: Cフックアタッチメント(アタッチメント)

6: 軸
62a: キー溝
63: ネジ部
64: キー

7: ナット
70、71: 対向面

8: 係合部材
80: 切欠き

9: プレート
90: 貫通穴
9a: キー溝(キー係合部)

10: スプロケット(固定部材)

50、51: 軸受
【先行技術文献】
【特許文献】
【0096】
【特許文献1】実公平7−41932号公報(第1図〜第10図参照)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナットの緩み止め方法であって、
前記ナットが螺合し得るネジ部と、前記ネジ部の近傍に配置されたキー溝とを有する軸を用意して、前記ネジ部に前記ナットを螺合させ、
前記ナットに相対回転不能に係合し得る切欠きを有する係合部材を用意して、当該係合部材の前記切欠きを前記ナットに係合させ、
前記軸が挿通し得る穴と、前記キー溝に挿入されるキーが係合し得るキー係合部とを有するプレートを用意して、当該プレートの前記穴に前記軸を通すとともに、前記キー溝およびキー係合部に前記キーを係合させ、
前記プレートを前記係合部材に固着させるようにした、
ことを特徴とするナットの緩み止め方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記キー溝およびこれに挿入される前記キーが、前記軸に回転不能に固定される固定部材を取り付けるためのものである、
ことを特徴とするナットの緩み止め方法。
【請求項3】
ナットの緩み止め方法であって、
前記ナットが螺合し得るネジ部と、前記ネジ部の近傍に配置されたスプラインまたはセレーションとを有する軸を用意して、前記ネジ部に前記ナットを螺合させ、
前記ナットに相対回転不能に係合し得る切欠きを有する係合部材を用意して、当該係合部材の前記切欠きを前記ナットに係合させ、
前記軸が挿通し得る穴と、前記スプラインまたはセレーションが係合し得るスプライン穴またはセレーション穴とを有するプレートを用意して、当該プレートの前記穴に前記軸を通すとともに、前記プレートの前記スプライン穴またはセレーション穴に前記軸のスプラインまたはセレーションを係合させ、
前記プレートを前記係合部材に固着させるようにした、
ことを特徴とするナットの緩み止め方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記スプラインまたはセレーションが、前記軸に回転不能に固定される固定部材を取り付けるためのものである、
ことを特徴とするナットの緩み止め方法。
【請求項5】
請求項2または4において、
前記固定部材がスプロケットまたはギアである、
ことを特徴とするナットの緩み止め方法。
【請求項6】
請求項1または3において、
前記係合部材の前記切欠きが、前記ナットの外側面に係合し得るように設けられている、
ことを特徴とするナットの緩み止め方法。
【請求項7】
請求項6において、
前記ナットが六角ナットであって、前記係合部材の前記切欠きが係合し得る前記六角ナットの外側面が、当該六角ナットの相対する2つの対向面である、
ことを特徴とするナットの緩み止め方法。
【請求項8】
請求項1または3において、
前記プレートが前記係合部材に溶接または接着されている、
ことを特徴とするナットの緩み止め方法。
【請求項9】
請求項1または3において、
前記軸が軸受により回転自在に支持されており、前記ナットが、前記軸受を軸方向に加圧することによって、前記軸をガタつきなく滑らかに回転させるための部材である、
ことを特徴とするナットの緩み止め方法。
【請求項10】
請求項1または3において、
前記軸が、産業車両のアタッチメントの旋回部を構成している、
ことを特徴とするナットの緩み止め方法。
【請求項11】
ナットの緩み止め構造であって、
ネジ部およびその近傍に配置されたキー溝を有する軸と、
前記軸の前記ネジ部に螺合するナットと、
前記ナットに相対回転不能に係合する切欠きを有する係合部材と、
前記キー溝に挿入されるキーが係合するキー係合部、および前記軸が挿通する穴を有するプレートとを備え、
前記プレートが前記係合部材に固着されている、
ことを特徴とするナットの緩み止め構造。
【請求項12】
請求項11において、
前記軸には、前記キー溝に挿入された前記キーを介して、固定部材が回転不能に固定されている、
ことを特徴とするナットの緩み止め構造。
【請求項13】
ナットの緩み止め構造であって、
ネジ部およびその近傍に配置されたスプラインまたはセレーションを有する軸と、
前記軸の前記ネジ部に螺合するナットと、
前記ナットに相対回転不能に係合する切欠きを有する係合部材と、
前記スプラインまたはセレーションが係合するスプライン穴またはセレーション穴を有するとともに、前記軸が挿通する穴を有するプレートとを備え、
前記プレートが前記係合部材に固着されている、
ことを特徴とするナットの緩み止め構造。
【請求項14】
請求項13において、
前記軸には、前記スプラインまたはセレーションを介して、固定部材が回転不能に固定されている、
ことを特徴とするナットの緩み止め構造。
【請求項15】
請求項12または14において、
前記固定部材がスプロケットまたはギアである、
ことを特徴とするナットの緩み止め構造。
【請求項16】
請求項11または13において、
前記係合部材の前記切欠きが、前記ナットの外側面に係合している、
ことを特徴とするナットの緩み止め構造。
【請求項17】
請求項16において、
前記ナットが六角ナットであって、前記係合部材の前記切欠きが当該六角ナットの相対する2つの対向面に係合している、
ことを特徴とするナットの緩み止め構造。
【請求項18】
請求項11または13において、
前記プレートが前記係合部材に溶接または接着されている、
ことを特徴とするナットの緩み止め構造。
【請求項19】
請求項11または13において、
前記軸が軸受により回転自在に支持されており、前記ナットが、前記軸受を軸方向に加圧することによって、前記軸をガタつきなく滑らかに回転させるための部材である、
ことを特徴とするナットの緩み止め構造。
【請求項20】
請求項11または13において、
前記軸が、産業車両のアタッチメントの旋回部を構成している、
ことを特徴とするナットの緩み止め構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−132517(P2012−132517A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285695(P2010−285695)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)