説明

ナノ・ダイヤモンド利用法

【課題】ナノ・ダイヤモンドを使って、疾病予防や疾病治療を果たし、さらに健康を維持増進させ、あわせて、美容の維持促進を達成することにより、生活の質(QOL)を向上させる。
【解決手段】本発明は、ナノ・ダイヤモンドの持っている、研磨性性質と、潤滑性性質の双方を体内で利用することによって、疾病予防や疾病治療を果たし、健康維持と健康増進、美容維持と美容促進を達成し、生活の質(QOL)を向上させたことを要旨とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ・ダイヤモンドの持つ、正反対の性質である、研磨性性質と潤滑性性質の双方を、ナノ・ダイヤモンドを体内に取り込ませて利用し、生活の質・QOLを高める方法に関するものである。取り込み方法は、経口、注射、吸入など、従来使われている方法である。
【0002】
本発明は、ナノ・ダイヤモンドが、他の物質と混ざった場合、999から100nm近辺の3桁サイズのナノ・ダイヤモンド粒子は研磨性性質を示し、99nm近辺、あるいはそれ以下のサイズのナノ・ダイヤモンド粒子は潤滑性性質を示す、サイズによるナノ・ダイヤモンド粒子の性質の違いに着目して、疾病治療、あるいは、健康維持と増進、あるいは美容維持と促進のために利用し、QOL・生活の質向上に資する方法である。
【0003】
研磨性性質を持つ、3桁サイズのナノ・ダイヤモンド粒子が動脈血管内に入った場合、そのダイヤモンド粒子は、血管内で研磨効果を表す。
【0004】
アテローマ・粥腫は、LDLや血液細胞の死骸によって血管平滑筋細胞に形成されるが、それを覆っている、血管内膜組織が破壊されると、血管内皮細胞を巻き込む潰瘍が形成され、血管内皮細胞に血栓が形成される。この血栓は動脈を狭窄し、あるときは閉塞しようとする。このような場合、3桁サイズのナノ・ダイヤモンドが動脈内を、血圧と血流速に乗って運ばれるなら、そのナノ・サイズ粒子の削り目サイズによる研磨性性質で、この血栓をナノ・サイズで緩やかに研磨するので、その研磨によって、血管内壁をせばめていた血栓は徐々に研磨され、なくなる。
【0005】
血管内壁を狭くする血栓などは、ナノ・ダイヤモンド粒子のナノ・サイズで削り取られるので、血管内皮表面は平坦に拡がり、内径が改善された血管内を血液は無理なく全身に運ばれる。血流がよくなることによる、全身機能のメリットは、健康増進や美容促進としてあらわれ、QOLを高めることになる。
【0006】
潤滑性性質を持つ、2桁サイズ以下のナノ・ダイヤモンドが他の物質に混ぜられるとき、混合された物質は、潤滑性を増し、滑りがよくなる。この性質を利用して、血管内の血流を改善することができる。
【0007】
コレステロール付着、あるいは血管内壁損傷の修理や改築完了などで、血管内直径が、すでに狭くなっている血管箇所において、2桁サイズ以下のナノ・ダイヤモンドを血管内に存在させることによって、血液自体の滑りをよくすることができる。従って、血管内の流動摩擦の増加と、高血圧による血管破裂による、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患のリスクを減らせる。又、2桁サイズ以下の微少ナノ・ダイヤモンドは、骨関節内では、その部位の滑りを増すので、日常生活動作・ADLがスムースになり、スポーツにおける持久力を増し、より優れた運動パフォーマンスが得られる。
【0008】
美容維持によるQOLに関しては、ナノ・ダイヤモンドの粒子の大きさによる,研磨性と潤滑性の、それぞれの性質を、場合に応じて利用するか、あるいは,全てのサイズの粒子を混用することで、研磨性性質と潤滑性性質を併せて利用することができる。例えば、嗜好品のガムには、研磨性のナノ・ダイヤモンドを添加することにより、それを噛むたびに、歯の表面の色素沈着や歯垢が取り除かれ、口腔内の衛生が保たれるとともに、審美歯科への応用としても用いることができる。
【0009】
チョコレートやキャラメル、あるいは清涼飲料水、コーヒー、紅茶、緑茶、酒類などの嗜好品の場合には、潤滑性性質を持つサイズのナノ・ダイヤモンドを添加することによって、体内に取り込まれ、血液の滑りを増すために、健康増進に寄与させることができる。主食品、副食品にナノ・ダイヤモンドを加えても、同様の効果が得られる。
【背景技術】
【0010】
血管内壁に蓄積される不要な付着物を、毛細血管や抹消血管までにわたって、ナノ・ダイヤモンドを使って削る、あるいは磨くという概念は、これまではなかった。今回この発明は、ナノ・ダイヤモンドが持つ研磨性性質と、同時に併せ持つ潤滑性性質に着目して、人体や動物の主要な血管はもちろんのこと、毛細血管や抹消血管までも含む全身の血管内壁の研磨、あるいは細かい磨きを、ナノ・ダイヤモンドを使って果たすものである。
【0011】
研磨性の性質を保有するナノ・ダイヤモンドを、食品や飲料に添加しても、当該の血管内壁研磨や血管内壁磨きの目的を達成できるが、摩擦によって研磨と磨きを達成する研磨性性質と、滑りによって、摩擦をへらす潤滑性を達成する潤滑性性質を、同一物質のナノ・ダイヤモンドが保持しているということは、両刃の剣を使うという課題を持つので、その使用順序と使用方法には注意が必要である。
【0012】
ダイヤモンドの固さは、モー硬度10であるが、モー硬度9のコランダムと比較すると、その硬さの差は、ビルの高さと、階段1段の高さ以上の差があるので、ナノ・ダイヤモンドで接触研磨するという概念は、接触時の研磨能力からいうなら、やすりで削り取るというより、むしろ刃物で削り取るという概念で考えられる。ナノ・ダイヤモンドが、経口、あるいは皮膚や血管を通して体内に入った場合は、体内や臓器内に永久滞在することなく、10日程で、ことごとく体外に排出されるので、通常状態での、人体への体内吸収については、安全である。ただし、呼吸によって、肺から直接体内に吸入される場合に関しては、その安全性については、更なる調査と、十分な注意が必要となる。
【0013】
血管内壁に蓄積されたコレステロールや、血管内壁のマイナーな損傷を、血小板や修復物資が損傷部に集積する際の、微少突起状態や、修復完了後の、修復部内壁直径縮小や、その他の、血管内壁への血液成分の微少な沈着物は、血管内径を細め、血流を悪くする。これらは血流にたいしては、流れを妨げる成長性障害物となり、それらにより、血管は劣化し、血圧は上がり、脳梗塞や、脳血栓、心筋梗塞、その他の血管障害を起こす原因となる。このように、血管が詰まり始めたために、血管自体が弱く脆くなって発生する諸血管の弊害を、ナノ・ダイヤモンド自体を使って防ぐという概念は、今まではなかった。今回この発明は、ナノ・ダイヤモンドが持つ潤滑性性質に着目して、潤滑性を持つナノ・ダイヤモンドを体内に取り込ませ、主要な血管はもちろんのこと、毛細血管や抹消血管までも含む全身の血液の流れを、潤滑性を持つナノ・ダイヤモンドを使ってスムーズにしようとするものである。
【0014】
潤滑性の性質を保有するナノ・ダイヤモンドを食品や飲料に添加して、体内に取り込むことにより、体内代謝を改善することができる。大腸にあっては、腸内の滑りをよくるすので、便秘は改善されるし、血液内にあっては、血液全体の流れを良くする目的を達成できる。食べ物に添加されて体内に入ったナノ・ダイヤモンドは、血液循環系にあっては、油の役目をなし、血液同士の摩擦および、血液と血管壁との摩擦をへらす。ナノ・ダイヤモンドは、血液の各成分それぞれの流動摩擦や血液と血管の接触摩擦の間で、潤滑油の役目を果たすので、血管がつまり気味の部位や場合でも、油の役を果たして、狭くなったその部分での血液粘性をおとし、滑り摩擦をへらす。従って、血圧は、潤滑性性質を持つナノ・ダイヤモンドが血液中に存在する場合は、しない場合に比べて低くなり、心臓への負担も下がる。
【0015】
ナノ・ダイヤモンド自体を使って、健康維持促進、美容維持促進に寄与させるという概念は今まではなかった。本発明は、ナノ・ダイヤモンドを食品や清涼飲料水や嗜好品、化粧品、衣料品などに添加して、当該の目的を達成するものである。
【0016】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、ナノ・ダイヤモンドを使って、疾病の予防や治療を果たし、かつ、健康の維持増進、および、美容の維持促進を成し、生活の質・QOLを向上させる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は前記目的を達成するため、人畜無害な、適切なサイズの3桁及び、2桁以下のナノ・ダイヤモンドを、その目的に応じて使用することを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0019】
これまではナノ・ダイヤモンド自体をして、疾病治療や予防、健康と美容の維持や増進に使うことは、考えられなかったが、この発明によって、疾病の予防や治療が果たされ、かつ、健康維持、健康増進、美容維持、美容促進など、QOLを高めることが可能となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ・ダイヤモンドの、研磨性性質と潤滑性性質を体内利用し、疾病の予防や治療を果たし、かつ、健康の維持増進、および、美容の維持促進を成し、生活の質・QOLを高める方法。

【公開番号】特開2010−254659(P2010−254659A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123554(P2009−123554)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(509140962)
【Fターム(参考)】