説明

ナノ粒子の成長制御方法

本発明は三角形のナノプリズムの溶解を含む銀のナノ構造のためのプラズモン駆動成長メカニズムの新規な方式を提供する。プラズモン励起駆動が作用するこのメカニズムは、二峰性の粒子の大きさ分布を生じる。この方法において、ナノ粒子の二重光線を使った成長プロセスは二峰性分布と単峰性分布の間で選択的に切り替えられる。ナノ構造の成長に関する光制御は粒子の大きさを制御するために、二峰性の成長をやめるためにある光線と他の光線(450−700nmの範囲で変化する)を使うことによって、30−120nmの範囲内にある予め選択された端部長さを有する単調分散のナノプリズムの合成が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナノ粒子に関し、特に大きさが変化する銀のナノプリズムを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノクラスターは、化学および生化学的検知、触媒、光学およびデータメモリーを含む様々な応用分野に大きな影響を及ぼす重要な材料である。そのような粒子が使用され始めたのは中世に遡り、その科学的な研究は1世紀を超えて行われてきた。これらのナノ構造は典型的には分子前駆体から作製され、成分、大きさ及び形状に関して幅広い種類がある。これらの独特で潜在的に有用な光学特性のために、特にナノプリズム構造は多くの研究グループの近年の総合的な調査対象となっている。我々は銀のナノ球体から三角形のナノプリズムを調製するための高効率の光合成法について最近報告した。多くのナノ粒子を合成するために、低コストで大きなクラスターが成長するオストワルド成長メカニズムが成長プロセスのモデルとして使用されている。この成長方式は典型的には単峰性の粒子の成長となる。かくして、その構造の成長と最終の大きさを制御する方法が所望されている。その方法は必然的に公知のオストワルド成長メカニズムを外れるものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、約60時間より短い時間の間、約400nmから約700nmの範囲の波長を有する光に銀粒子を晒すことによってナノプリズムを形成する方法を提供する。形成されるナノプリズムは、二峰性の大きさ分布を有する。好ましくは、銀粒子は、還元剤、安定剤および界面活性剤を含有するコロイド状態で存在している。もし、コロイドが安定剤と界面活性剤を含有するならば、安定剤の界面活性剤に対する比率は約0.3対1であるのが好ましい。ナノ粒子の出発材料は0.2nmから約15nmの間の直径を有する。形成されるナノプリズムは単結晶であり、ナノプリズムの基底面に{111}結晶面を有し、ナノプリズムの側面に{110}結晶面を有し、640nmと1065nmにλmaxを有するプラズモンバンドと、340nmと470nmにλmaxを有するプラズモンバンドを示す。
【0004】
本発明の別の実施形態は、光の主波長と二次波長の一方が銀粒子に四極子プラズモン共振を励起するように、光の主波長と二次波長に銀のナノ粒子を晒すことによってナノプリズムを形成する方法を提供する。この実施形態において、光の主波長と二次波長の一方が銀のナノプリズムの面外四極子共振と一致する。この方法の好ましい実施形態において、光の二次波長は約340nmであり、光の主波長は約450nmから約700nmの範囲にある。
【0005】
本発明のこれらの実施形態で使用される光の主波長を調整することによって、作製されるナノプリズムの端部長さを制御することができる。光の二次波長が約340nmであり、光の主波長が約450nmから約700nmの範囲にあるとき、作製されるナノプリズムの端部長さは約31nmから約45nmの間である。もし、光の主波長が約470nmから約510nmの範囲にあれば、ナノプリズムは約53nmから約57nmの間の端部長さを有する。もし、光の主波長が約500nmから約540nmの範囲にあれば、ナノプリズムは約53nmから約71nmの間の端部長さを有する。もし、光の主波長が約530nmから約570nmの範囲にあれば、ナノプリズムは約64nmから約80nmの間の端部長さを有する。また、光の主波長が約580nmから約620nmの範囲にあれば、ナノプリズムは約84nmから約106nmの間の端部長さを有する。もし、光の主波長が約650nmから約690nmの範囲にあれば、ナノプリズムは約106nmから約134nmの間の端部長さを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は表面プラズモンの励起によって金属コロイドから形成されるナノプリズムの成長と大きさを制御する方法を提供する。この方法は狭い周波数帯の光源の励起波長を制御することによって、好ましい端部長さを有するナノプリズムの単調分散試料の合成を可能とするナノ粒子の成長制御方法を提供する。正確な励起波長を有する光源に晒すことで、金属ナノ粒子の表面にプラズモン励起を起こす。単一光線(例えば、550±20nm)が使用されたとき、形成されるナノプリズムの懸濁物は、小さい方のナノプリズムとして約55nmから約85nmの範囲にある平均端部長さを有するもの(タイプ1と称する)と、大きい方のナノプリズムとして約130nmから約170nmの範囲にある平均端部長さを有するもの(タイプ2と称する)との2つの異なる大きさの分布からなることは驚きであった(図1A)。
【0007】
これらのナノプリズムはスタックを形成する。それゆえ、端部形状からナノプリズムの厚さの正確な決定が可能である(図1B−C)。タイプ1とタイプ2のナノプリズムの平均端部長さは明らかに異なるけれども、それらの厚さは約8nmと約11nmの間にあって、殆ど等しい。ナノプリズムの両タイプは面心立方構造(fcc)の単結晶である。{111}結晶面はナノプリズムの頂面と基底面を形成し、3つの{110}結晶面はナノプリズムの側面を形成する。
【0008】
形成反応中、タイプ1およびタイプ2のナノプリズムと一緒になって640nmと1065nmにλmaxを有する2つの新しい強力な周波数帯が現れる一方、球形の銀粒子と一緒になった約395nmのプラズモン周波数帯は消滅する。タイプ1のナノプリズムの周波数帯は、最初λmax=680nmに中心があり、徐々にλmax=640nmの青側にシフトする。この青シフトは、丸くなると青シフトすることが知られているように、ナノプリズムの特徴である尖端の鋭利さと関係している。λmax=1065nmである第2の強力な周波数帯はタイプ2の粒子に割り当てられる。図2Aの曲線6によって示されるように、340nmと470nmにλmaxを有する2つの弱い共振が2つの強力な表面プラズモンバンドに加えて観察される。
【0009】
不連続の双極子近似(DDA)として知られている有限要素ベースの方法を使う理論モデルは、実験的に観察されるスペクトルを再生するプラズモンバンドを示す。例えば、図2Bと図2Aの曲線6を比較することによって、不明瞭なピークを決めることができる。タイプ1とタイプ2の粒子を含有するコロイドのスペクトルにおける最初の3つのピーク、340nm(面外四極子共振)、470nm(面内四極子共振)および640nm(面内双極子共振)はタイプ1のナノプリズムによって起こる。タイプ2のナノプリズムの場合、1065nmにおける強力な双極子共振のみが明らかに観察される。図2Bは、タイプ2のナノプリズムの分解において340nmと600nmで起こる四極子共振は、タイプ1のナノプリズムのプラズモンバンドと重複していることを示す。これらの時間依存光学的スペクトルは、従来技術の一般的なオストワルド成長に期待されている単峰性成長プロセスではなく、むしろ二峰性のプロセスと一致している。
【0010】
ナノプリズムは、銀のコロイドの出発材料に存在する銀からなる。銀の塩が銀のナノ粒子を形成するために使用される。好ましくは、銀の塩は、AgNO3、CH3CO2Ag、AgClO4、Ag2SO4またはこれらの銀の塩の混合物である。銀のナノプリズムを得るために使用される銀のナノ粒子は直径が約15nm未満であり、好ましくは直径が約10nm未満である。より好ましくは、銀のナノ粒子は直径が約2nmと約6nmの間にある。最も好ましくは、銀のナノ粒子は直径が4.8nmである。
【0011】
出発材料を形成する銀のコロイドの懸濁物は好ましい大きさの範囲の銀のナノ粒子を含有する手段によって形成することができる。銀のコロイドを形成する多くの方法は、当業者によって知られており、そのすべてがコロイド粒子を得るための異なる撹拌形態を備えている。コロイドの懸濁物はナノプリズムを形成する反応に関与しない他の化学物質を含むことができる。例えば、還元剤、懸濁剤、界面活性剤、粒子安定剤などは、本発明の方法におけるナノプリズムの形成に悪影響を与えないで懸濁物の形成に使用することができる。コロイドは、ビス(パラ−スルホネートフェニル)フェニルホスフィン−ディヒドレート−ディポタシウム(BSPP)の添加および付加的な撹拌を伴う水素化ホウ素ナトリウムの存在下で強力な撹拌をすることを含む、CaO等(CaO, Y.W.;Jin, R.;Mirkin, C.A.J.Am. Chem. Soc. 123, 7961(2001))によって記載された方法を使って容易に調製することができる。ナノ球体の懸濁物を形成するために使用される界面活性剤は、ナノ球体をナノプリズムに転化する程度に影響を与えることなく広く濃度を変えることができる。しかし、反応速度は界面活性剤の影響を受け、転化率に基づいて転化反応を制御する付加的手段を備えることができる。好ましくは、クエン酸三ナトリウムは銀ナノ球体の懸濁物において界面活性剤として存在する。そして、ビス(パラ−スルホネートフェニル)フェニルホスフィン−ディヒドレート−ディポタシウム(BSPP)は粒子安定剤として懸濁物に添加される。ナノプリズムは界面活性剤の濃度の全範囲において形成されるけれども、転化反応の速度は約0.01から約1の範囲にわたるBSPPのクエン酸に対する比率を増すとともに減少する。最も速い転化速度は、BSPPのクエン酸に対する比率が0.3対1のときに得られる。かくして、反応速度は界面活性剤の濃度および懸濁物に転化される界面活性剤対安定剤の比率を変えることによって最適化することができる。
【0012】
二峰性の大きさ分布を有するナノプリズムを製造するために使用される光源は、ナノプリズムの形成と成長が起こるプラズモン励起を生成する波長を有しなければならない。励起波長は約400nmと約700nmの間にある。好ましくは、励起波長は約530nmと約570nmの間にある。より好ましくは、励起波長は約550nmである。しかし、ナノプリズムの二峰性成長は励起光線の波長の分散によっては起こされない。例えば、532.8nmの波長を有する単色レーザ光線(Nd:YAGレーザの第二高調波)が銀のコロイドを光分解するために使用されるとき、二峰性の成長がまた観察される。好ましくは狭い周波数帯の光源が銀のコロイドに放射するために使用される。当業者は好ましい範囲内の波長を有する光を生み出す多くの適切な光源が本発明の方法に使用できるということを認識するであろうけれども、550nmの中心波長と40nmの幅を有する光学帯域フィルターを伴う約12ワットの出力を有する150ワットのキセノンランプが本発明の方法での使用に適している。コロイドは光に晒されるが、その時間は使用される光の強度に依存する。その露光時間は一般的に約100時間より短く、代表的には露光時間は約60時間である。
【0013】
単一理論によって縛られることなく、観察される二峰性の成長プロセスは端部選択粒子溶解メカニズムによって起こり、4つの小さなタイプ1のナノプリズムが段階的に一緒になって、図6の陰影をつけた領域に記載されている大きなタイプ2のナノプリズムを形成する。いくつかの観察例がこのメカニズムと一致している。第一に、二峰性の成長がタイプ1とタイプ2のプリズムにおいて起こり、前者の4つのプリズムが一緒になって累積的端部長さが140±17nmの大きさであるプリズムを形成する。この大きさは、端部長さが150±16nmの大きさである後者と十分に比肩しうる。第二に、端部選択成長が、タイプ1からタイプ2のナノプリズムへと進行するときのナノ構造の厚さに明らかな変化を伴うことなく起こる。第三に、図2Aに示すように、時間依存UV−VIS−NIRの詳細な測定は、(タイプ2に割り当てられる)1065nmの周波数帯の成長の開始が、タイプ1のナノプリズムが集積した後にのみナノプリズムの溶解が起こることを示す(タイプ1に割り当てられる)640nmの周波数帯の成長に比べて明らかに遅くなることを示している。第四に、図7に示すように、二量体および三量体の中間種(図6において、それぞれ2および3として示す)が、タイプ2のナノプリズムの成長の早い段階において観察される。溶解成長プロセスにおける中間種の電流力計算によって、タイプ1のナノプリズムと二量体/三量体の中間種がすべて600nmを吸収することができることを意味する、二量体および三量体の中間種が600mと1065nmに近いプラズモン励起を有することを示す。これは粒子の溶解に必要とされる励起状態につながる。しかし、タイプ2のナノプリズムはその波長を吸収しない。というのは、そのナノプリズムはナノ粒子の成長過程の端部に現れるからである。
【0014】
この端部選択および結晶面選択(側面={110}格子面)溶解成長は一般的ではなく、特に、陰影領域の外側にある図6に示されたタイプ1のナノプリズムのオリゴマー化によって起こる多くの他の可能な物質を考慮すれば、一般的ではない。もし、これらの形態が存在すれば、それらはTEMによって観察されないので、(機構1において陰影を付された)主たる成長ルートと速く平衡状態にならなければならない。表面配位子の除去の後、球形ナノ粒子をナノワイヤ構造(CdTeまたはPbSe)に溶解する方法は、球形粒子の溶解を含む他の例とともに、当業者において知られており、本発明の方法は端部選択および結晶面選択粒子溶解プロセスを成し遂げるために光化学を使用する唯一の方法である。
【0015】
二峰性の成長は、一般的な蛍光管からの可視光線が励起光源として使用されたとき、単峰性のナノプリズムの成長が観察された従来の結果と矛盾するように見える(米国特許出願No.10/256,875;公報No.20030136223A1)。しかし、これらのナノ構造の光学的特性と光分解の効果を注意深く検討すると、表面プラズモンの共同作用は銀のナノプリズムの光化学において認められる。図3Aに示すように、2つの波長、550±20nm(主波長)と450±5nm(二次波長)(I550:I450=2:1、図3A)における銀のナノ粒子の溶解の励起は完全にタイプ2のナノプリズムの形成を抑制する。この処理によって、より小さいタイプ1のナノプリズムの独占的な形成が行われる。二次光線の波長を変えることによって、340nmの光がタイプ1とタイプ2のナノプリズムの面外四極子共振と一致する550nm/340nmの連結光はタイプ2のナノプリズムの成長を抑制することができる。しかし、図8に示すように、550nm/395nm、550nm/610nmおよび550nm/650nmの連結光の場合に、二次波長は銀のナノ球体(395nm)とタイプ1のナノプリズム(610nmと650nm)の双極子共振内にあり、それぞれ、二峰性成長が観察される。このように、四極子プラズモンモードを励起することができる二次波長のみが二峰性成長を抑制することができる。励起源としての蛍光管とともに観察される結果はこの光共同作用によるものである。興味深いことに、図9に示す蛍光管の放出スペクトルは、光合成共同作用と単峰性成長を成し遂げるために、546nmと440nmに周波数帯を示し、適切な強度比(100%:40%)を有している。この結論に矛盾することなく、光合成転化を成し遂げるために550±20nmの周波数帯のフィルターが蛍光管とともに使用されるとき、二峰性成長が観察される。
【0016】
このように、本発明の好ましい実施形態において、銀のコロイドの出発材料が二重光線の励起と単峰性成長を達成するために2つの異なる波長の光に晒される。この方法を使用して、単峰性の成長プロセス中に、二峰性成長が固定の二次光線によって選択的に消滅し、好ましい端部長さを有するナノプリズムの形成が可能になる。この種のナノ粒子の成長についての光制御は、主光線の励起波長を制御することによって約30nmから約120nmの範囲に好ましい端部長さを有するナノプリズムの単調分散試料の合成につながる。それゆえ、この実施形態は要素として光線を使って粒子の大きさと形状を制御する第一の方法を提供する。約450nmと約700nmの間の波長の主光源を変えることによって、面外四極子プラズモン励起に対応する固定二次波長とともに、単峰性成長が好ましい平均サイズのナノプリズムの分解を起こすようになる。
【0017】
この方法を使って、約30nmから約120nmの範囲の端部長さを有する面内双極子プラズモン共振を伴うナノプリズムを合成することが可能である。その結果生成するナノプリズムの平均端部長さは主励起光源の波長とよく関連し、より長い主励起波長は励起波長に対して赤側にシフトする面内双極子プラズモン(各スペクトルにおいて赤の最大ピークを示す)を有する大きな粒子を生成する。例えば、光の二次波長が340nmで固定され、光の主波長が約430nmと約470nmの間にあるとき、ナノプリズムは約31nmと約45nmの間の端部長さを有する。光の二次波長が340nmで固定され、光の主波長が約470nmと約510nmの間にあるとき、ナノプリズムは約53nmと約57nmの間の端部長さを有する。光の二次波長が340nmで固定され、光の主波長が約500nmと約540nmの間にあるとき、ナノプリズムは約53nmと約71nmの間の端部長さを有する。光の二次波長が340nmで固定され、光の主波長が約530nmと約570nmの間にあるとき、ナノプリズムは約64nmと約80nmの間の端部長さを有する。光の二次波長が340nmで固定され、光の主波長が約580nmと約620nmの間にあるとき、ナノプリズムは約84nmと約106nmの間の端部長さを有する。光の二次波長が340nmで固定され、光の主波長が約650nmと約690nmの間にあるとき、ナノプリズムは約106nmと約134nmの間の端部長さを有する。この種の成長は必ずしも粒子の溶解の結果ではない。
【0018】
形成されるナノプリズムの大きさを制御するために波長を使用する別の特徴は、図10に示すように、ナノプリズムのコロイドに銀の球形ナノ粒子を付加することはナノプリズムを大きくすることにはつながらないが、粒子を付加することは、励起波長によって決定される、存在するナノプリズムと同じような大きさのナノプリズムを成長させる。これは粒子の大きさを制御するための一般的な熱的手段と対照をなすものであって、前駆体を付加することによってより大きな粒子を得ることができる。それゆえ、本発明の方法は波長変調によって粒子の大きさを制御する基本的に新規な方法を提示する。
【0019】
これまでに観察されている粒子の大きさの制御は光熱(または光学的燃焼)の結果ではなく、これらの結果は金属のナノ構造の強烈なパルスレーザ放射を含む他の手段によってもたらされたものである。それにひきかえ、本発明の方法によってナノ粒子の転化を成し遂げるために使用される光源は非常に弱く、約0.2ワット未満の出力である。式で示せば、△T=△H/CPであり、ここに、△Hは吸収される光子エネルギー、CPは銀の熱容量(0.235J・K-1・g-1)であり、タイプ1のプリズムによる550nmの光子の吸収は無視しうる程度の温度の上昇につながり、光分解(550±20nm)の50時間後に実験によって累積的に決定される温度の上昇は10℃未満であった。このように、光によって誘導される熱的効果は本発明の方法における粒子の成長と大きさの制御に関与しない。
【0020】
表面プラズモンは粒子の成長と粒子の大きさを制御する化学的な手段としてではなく、むしろ、金属のナノ構造の物理的特性として研究されている。本発明の方法は、最初に得られるコロイド粒子が双極子プラズモン波長に依存する大きさまで成長するタイプ1の粒子と、その成長が双極子プラズモン励起を必要とし、四極子プラズモン励起によって抑制されるタイプ2の粒子との両方に対して、ナノプリズムの成長プロセスにおけるプラズモン励起の利点を活用するものである。一つの理論によってしばられることなく、プラズモン励起は粒子の端部に配位子の解離をもたらし、局部的な電場は最も強力であり、タイプ1の粒子は銀の原子またはクラスターの付加によって成長し、タイプ2の粒子は粒子の溶解によって形成される。以下の実施例において示される結果は、光で開始され、強力に駆動され、表面プラズモンが生成する粒子の成長と大きさの制御についての基本的に新規な方法である。
【実施例1】
【0021】
この実施例は本発明の方法において使用するに好適な銀のコロイドを作製する一つの方法を示す。AgNO3(99.998%)とNaBH4(99%)がAldrich社から購入され、ビス(パラ−スルホネートフェニル)フェニルホスフィン−ディヒドレート−ディポタシウム(BSPP)がStrem Chemical, INc.社から購入された。すべての水は、Barnstead Nanopure水浄化システム(抵抗=18.1MΩ・cm)によって浄化された。100ミリリットルのナノ純度の水と、1ミリリットルの30ミリモルクエン酸三ナトリウムと、2ミリリットルの5ミリモルAgNO3溶液が250ミリリットルの3つ首フラスコ内で混合された。そのフラスコは氷浴に浸漬され、その溶液は約30分間一定条件で撹拌されつつ、溶液内にアルゴンが吹き込まれた。1ミリリットルの50ミリモルNaBH4水溶液(氷で冷却され、新たに調製)が強烈に撹拌されつつ上記溶液に素速く注入された。その溶液は瞬間にして薄い黄色に変わった。反応は約15分間続行され、1ミリリットルの5ミリモルBSPP溶液と0.5ミリリットルの別のNaBH4水溶液が滴下するようにして上記溶液に添加された。暗い雰囲気で1晩中撹拌することによってコロイドが形成された。透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察すると、上記のようにして調製された粒子は平均直径が4.8±1.1nmであることが分かった。
【実施例2】
【0022】
この実施例は本発明の光開始プラズモン励起手段によってナノプリズム懸濁物を製造する場合を示す。キセノンランプ(Novalight system、150W、出力約12W、Photon Technology, Inc.社製)が光合成実験の光源として使用された。光学周波数フィルター(直径=25mm、周波数幅=10nmまたは40nm)がIntro, Inc.社から購入された。ナノ球体からナノプリズムへの光転化はガラスフラスコまたは水晶セル内で実行された。水晶セルは400nm未満の光が導入された二重光の実験においてのみ使用された。銀のコロイドはアルミニウムのホイルで包まれた反応器内でシールされた。単一光線の励起実験のために550±20nmの光線(緑、約100000ルックス、デジタル光度計で測定、モデルLM−1、Family Defense Products社製)がアルミニウムホイルの孔(直径が約20mm)を通して銀のコロイドに導入された。反応器と光を出力する窓との距離は約8cmであった。二重光線励起実験のために、2つの孔(直径が約20mm)がアルミニウムホイルに形成された。そして、2つの光線(550±20nmの主光線とFWHMによって約10nm波長が可変の二次光線)が2つのキセノンランプから銀のコロイドに90゜の角度を形成して同時に導入された。銀のコロイドは約50時間光源にさらされた(光の強度は可変である)。銀のナノプリズムの大きさ(端部長さ)を制御するために、二次光線(450nmまたは340nm、幅=10nm)と連結された主光線(450nm、490nm、520nm、550nm、600nmおよび670nm、それぞれ幅は40nmである)が銀のコロイドを光分解するために使用された。レーザ励起実験のために、レーザ光線(532.8nm、CW、出力約0.2W、Nd:YAG)が銀のコロイドを有する反応器に直接導入された。
【0023】
ナノプリズムのTEM像が200kVの日立 H8100で実行された。約400個の粒子が粒子の大きさの統計的解析のために使用された。高解像度TEM像がGatan像形成システムを備えた200kVの日立 HF2000電子顕微鏡で実行された。コロイドのUV−VIS−NIR分光学測定がCary500分光計で実行された。蛍光管(白日光タイプ、Philips社製のTLD 36W/865またはGeneral Electric社製の40 W)の放射スペクトルがHP8453ダイオード配置分光光度計で測定された。250nmから800nmの範囲において任意の設備が使用できる。
【実施例3】
【0024】
この実施例は、550±20nmの励起光線に晒される銀のナノ粒子における温度上昇の計算例を示す。銀のコロイドのパラメーターは、
100ミリリットルの銀のコロイド(銀の原子濃度=0.1ミリモル)
タイプ1のナノプリズム(端部長さ=70nm、厚さ=10nm)の容積=2.1×10-17cm3
タイプ1のナノプリズムの質量=2.1×10-17(cm3)×10.5(g/cm3)=2.2×10-16
100ミリリットルの銀のコロイド中のタイプ1のナノプリズムの数量=4.8×1012
550nmの光子のエネルギー=1240(eV・nm)/550(nm)=2.25eV=3.6×10-19
550nmの光線の出力=約0.2ワット
550nmの光子の線束=0.2(J/sec)/3.6×10-19(J/photon)=5.6×1017(photons/sec)
銀のバルクの比熱容量=0.235J/g/K(CRC Handbook of Chemistry and Physics,83rded., London, New York)
タイプ1のナノプリズムの熱容量=0.235(J/g/K)×2.2×10-16(g/粒子)=5.2×10-17J/Kである。
【0025】
計算において、吸収された光子エネルギーは導入電子の間で急速に平衡に達し、熱電子ガスになると仮定する。熱電子は数ピコ秒の時間スケールでフォノンと平衡し、銀の格子の温度が上昇する。550±20nmの光線励起下での銀の粒子の温度上昇は、式△T=△H/CPで評価される。△Hは全吸収エネルギーであり、CPは銀のナノ粒子の熱容量である(バルク値CP=235J/(KgK)であると仮定される)。1つの光子がタイプ1のナノプリズムによって吸収されるならば、そのとき△T、すなわち光子エネルギー/熱容量は0.007Kである。
【0026】
第二の計算において、光線エネルギー(光線出力=0.2W、光度計によって測定)は100%吸収され(最大温度上昇の評価のために)、表面プラズモン励起状態から銀の格子への熱伝達のための時間は1ピコ秒であり、この時間のあいだに周囲に対する熱放散はないと仮定する。この場合、△H=0.2(W)×1×10-12(s)、CP=0.235(JK-1-1)×0.1(L)×0.1×10-3(molL-1)×108(gmol-1)であり、このように、△Tは約10-9Kに等しい。
【0027】
電子と格子が一旦平衡に達すると、熱は最終的にフォノン−フォノン結合によって周囲(水と空気中)に放散する。温度が上昇するときの銀の格子によるエネルギーの蓄積は、この方法における光子の線束が極めて少ないために無視しうる。そして、銀の格子は周囲に効率的に熱を放散することができる。さらに、極めて少ない光子の線束のために、多数の光子の吸収は統計的に無視しうる。
【実施例4】
【0028】
この実施例は本発明の方法による二峰性の大きさ分布を有するナノプリズムの懸濁物の製造例と特徴を示す。銀のコロイドのナノ粒子(直径が4.8±1.1nm)に対して、狭い周波数帯の光源(光学帯域フィルターを伴う150Wのキセノンランプ(出力=約12W)を使って、中心波長=550nm、幅=40nm)から約50時間放射された。TEMは、形成されるコロイドが2つの異なる大きさのナノプリズムの分布からなり(図1Aおよび挿入画)、小さい粒子と大きい粒子は、それぞれ平均端部長さが70±12nm、 150±16nmである。小さいナノプリズムと大きいナノプリズムの両方の厚さはほとんど9.8±1.0nmに等しい(図1Bおよび1C)。TEMの高解像度の調査によると、ナノプリズムの頂面と基底面には{111}結晶面が形成され、両方のナノプリズムの側面には3つの{110}結晶面が形成されているのが分かった。成長プロセスがUV−VIS−NIR分光器によってモニターされた(図2A)。反応中のプラズモンバンド(395nm付近)の消失は、球形銀粒子ならびにタイプ1およびタイプ2のナノプリズムに関連する2つの新しい強力な周波数帯(それぞれ、640nmおよび1065nm)の形成と関連している。タイプ1のナノプリズムの周波数帯は最初、λmax=680nmに中心があり、徐々に青側にシフトして、λmax=640nmになる。λmax=1065nmである第二の強力な周波数帯はタイプ2の粒子に割り当てられる。2つの強力な表面プラズモンバンドに加えて、他の2つの弱い共振がそれぞれ、340nmと470nmで観察される(図2Aの曲線6)。
【実施例5】
【0029】
この実施例は別々の大きさの銀のナノプリズムを形成するために二重光線プラズモン励起を使用する場合を示す。銀のナノ粒子(4.8±1.1nm)は2つの波長、550±20nm(主波長)と450±5nm(二次波長)で励起された(I550:I450=2:1、図3A)。これらの波長における二重光線励起は、UV−VIS−NIRスペクトルとTEM解析によって明らかなように(図3Bと図3C)、小さいタイプ1のナノプリズム(72±8nm)の独占的な形成につながる。340nm光線がタイプ1とタイプ2のナノプリズムの面外四極子共振と一致する550nm/340nm連結光線は、タイプ2のナノプリズムの成長を抑制し、最終のUV−VIS−NIRスペクトルは2つの光線550nm/450nmから得られるスペクトルに非常に類似している。しかし、550nm/395nm、550nm/610nmおよび550nm/650nm連結光線の場合に、二次波長は銀のナノ球体(395nm)およびタイプ1のナノプリズム(610nmおよび650nm)の双極子共振内にあり、二峰性成長が観察される(図8)。
【実施例6】
【0030】
この実施例は、要素として光線を使ってナノプリズムの大きさと形状を制御する方法を示す。銀のコロイドは固定二次光線(340nm、面外四極子プラズモン励起に対応する)を伴う主光源(450−700nm)に晒された。6つの異なる平均端部長さ(38±7nm、50±7nm、62±9nm、72±8nm、95±11nmおよび120±14nm)を有するが、粒子厚さ(10±1nm)が類似している銀のナノプリズムがそれぞれ450±20nm、490±20nm、520±20nm、550±20nm、600±20nmおよび670±20nmの主励起波長を使ってコロイド粒子(4.8±1.1nm)から合成された。その結果生成されたナノプリズムの平均端部長さは主励起光線の波長と十分関連しており(図4B)、より長い主励起波長は、励起波長に対して赤側にシフトした面内双極子プラズモン(各スペクトルにおいて赤の最大ピークを示す)を伴う、より大きな粒子を製造することを示す(図4A)。
【0031】
本発明の上記議論は図示と説明の目的のためになされたものである。上記議論は、そこに開示されたものに本発明を限定するものではない。本発明の説明は一つ以上の実施例、変形例および修正例を含むけれども、当業者であれば、本発明を理解することによって他の変形例や修正例が本発明の技術的範囲内に含まれることが分かる。特許性のある技術的事項を公衆に供与することを意図したものではなく、代替え、交換可能および/または等価の構造、作用、範囲および段階が開示されていようとなかろうと、特許請求の範囲に記載されたものに対する代替え、交換可能および/または等価の構造、作用、範囲および段階を含んで、許可された範囲において別の実施形態を含む権利を主張することが許される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1(A)は単一光線の励起(550±20nm)を使って形成された銀のナノプリズムの試料の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示し、挿入図は二峰性の大きさ分布を特徴づけるために使用されたヒストグラムを示す。図1(B)と図1(C)はそれぞれほとんど同じ厚さ(9.8±1.0nm)を有する、2つの異なる大きさのナノプリズムを示すナノプリズムスタックのTEM画像である。
【図2】図2(A)は単一光線の励起(550±20nm)のもとで銀のコロイド(4.8±1.1nmの球体)の紫外線−可視光線−近赤外線(UV−VIS−NIR)のスペクトルの時間推移を示す。図において、曲線1は初期のコロイド、曲線2は10時間後のコロイド、曲線3は15時間後のコロイド、曲線4は19時間後のコロイド、曲線5は24時間後のコロイド、曲線6は55時間後のコロイドを示す。図2(B)は2つの異なる大きさのナノプリズム(タイプ1の端部長さ=70nm、タイプ2の端部長さ=150nm、厚さ=10nm)の光学的スペクトルの理論的モデルである。
【図3】図3(A)は二重光線の励起(主波長:550±20nm、二次波長:450±5nm)を概略的に示す。図3(B)は銀のコロイドのUV−VIS−NIRのスペクトルである。図3(C)は最終の銀のナノプリズムのTEM画像である(平均端部長さ=70±8nm、厚さ=10±1nm、プリズムスタック像は図示されていない)。挿入図は単峰性の分布を特徴づけるヒストグラムを示す。
【図4】図4(A)は二次波長(340nm、幅=10nm)と組み合わされた主励起波長(中央の波長がそれぞれ450nm、490nm、520nm、550nm、600nmおよび670nm、幅=40nm)を変えることによって調製された6つの異なる大きさのナノプリズム(端部長さ=38±7nm、50±7nm、62±9nm、72±8nm、95±11nmおよび120±14nm)の光学的スペクトルを示す。図4(B)は端部長さが主励起波長の関数としてプロットされている。図4(C)−(E)は、それぞれ平均端部長さが38±7nm、62±9nmおよび120±14nmである銀のナノプリズムのTEM画像を示す。
【図5】図5(A)は532.8nmのレーザ光線(Nd:YAG、約0.2W)を使った励起前(点線)の銀のコロイドのUV−VIS−NIRのスペクトルと励起後(実線)の銀のコロイドのUV−VIS−NIRのスペクトルを示す。図5(B)はレーザ導入転化によって二峰性の大きさ分布を示した後に起こるナノプリズムのTEM画像である。
【図6】図6は4つのタイプ1のナノプリズムが一緒になって段階的にタイプ2のナノプリズムを形成する端部選択的粒子溶解メカニズムにおける二峰性の成長メカニズムを概略的に示す図である。
【図7】図7(A)は図6に示した二量体および三量体の中間種を示すTEM画像である。図7(B)と図7(C)は二量体および三量体の光学的スペクトルの理論的モデルである。
【図8】図8は550nmと395nmの二重光線による励起の後の銀のコロイドの光学的スペクトルを示す。395nmは銀のナノ球体の双極子プラズモンに対応する。そのような連結した光線による励起パターンは、単峰性の成長プロセスに影響を与えない。
【図9】図9は蛍光管の放射スペクトルを示す。
【図10】図10(A)は球形の銀粒子(4.8±1.1nm)がナノプリズムの既存コロイド(端部長さが38±7nm)に添加されるときの2つの可能なナノプリズムの成長ルートを示す図である。図10(B)の上位の線は図10(A)に記載の銀のナノ球体がナノプリズムに完全に転化された後のコロイドのNV−VIS−NIRスペクトルを示し、図10(B)の下位の線は38nmの出発時のナノプリズムのスペクトルに殆ど等しい状態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二峰性の大きさ分布を有する銀のナノプリズムを形成するために、約400nmから約700nmの範囲の波長を有する光に銀粒子を晒す工程を有するナノプリズムの形成方法。
【請求項2】
銀粒子はコロイドで存在している請求項1記載の方法。
【請求項3】
コロイドは還元剤を有する請求項2記載の方法。
【請求項4】
還元剤はNaBH4である請求項3記載の方法。
【請求項5】
コロイドは安定剤を有する請求項2記載の方法。
【請求項6】
安定剤はビス(パラ−スルホネートフェニル)フェニルホスフィン−ディヒドレート−ディポタシウムである請求項5記載の方法。
【請求項7】
コロイドは安定剤と界面活性剤を有する請求項2記載の方法。
【請求項8】
界面活性剤はクエン酸三ナトリウムである請求項7記載の方法。
【請求項9】
安定剤の界面活性剤に対する比率は約0.3対1である請求項7記載の方法。
【請求項10】
ナノ粒子は約15nm未満の直径を有する請求項1記載の方法。
【請求項11】
ナノ粒子は約10nm未満の直径を有する請求項1記載の方法。
【請求項12】
ナノ粒子は約2nmと約6nmの間の直径を有する請求項1記載の方法。
【請求項13】
ナノ粒子は約4.8nmの直径を有する請求項1記載の方法。
【請求項14】
ナノプリズムは単結晶である請求項1記載の方法。
【請求項15】
ナノプリズムは、ナノプリズムの基底面に〔111〕結晶面を有し、ナノプリズムの側面に〔110〕結晶面を有する請求項1記載の方法。
【請求項16】
晒す工程は、約60時間未満のあいだ実行される請求項1記載の方法。
【請求項17】
光の波長は約530nmから約570nmの範囲である請求項1記載の方法。
【請求項18】
光の波長は約550nmである請求項1記載の方法。
【請求項19】
光の波長は約532.8nmである請求項1記載の方法。
【請求項20】
銀のナノプリズムは640nmと1065nmにλmaxを有するプラズモンバンドを示す請求項1記載の方法。
【請求項21】
銀のナノプリズムは340nmと470nmにλmaxを有するプラズモンバンドを示す請求項1記載の方法。
【請求項22】
銀のナノプリズムは640nmにλmaxを有するプラズモンバンドを示す請求項1記載の方法。
【請求項23】
銀のナノプリズムを形成するために、光の主波長と二次波長に銀粒子を晒す工程を有するナノプリズムの形成方法。
【請求項24】
光の主波長と二次波長の一方が銀粒子に四極子プラズモン共振を励起する請求項23記載の方法。
【請求項25】
光の主波長と二次波長の一方が銀のナノプリズムの面外四極子共振と一致する請求項23記載の方法。
【請求項26】
光の二次波長が約340nmである請求項23記載の方法。
【請求項27】
光の主波長が約450nmから約700nmの範囲にある請求項26記載の方法。
【請求項28】
光の主波長が約430nmから約470nmの範囲にあり、ナノプリズムが約31nmから約45nmの間の端部長さを有する請求項27記載の方法。
【請求項29】
光の主波長が約470nmから約510nmの範囲にあり、ナノプリズムが約53nmから約57nmの間の端部長さを有する請求項27記載の方法。
【請求項30】
光の主波長が約500nmから約540nmの範囲にあり、ナノプリズムが約53nmから約71nmの間の端部長さを有する請求項27記載の方法。
【請求項31】
光の主波長が約530nmから約570nmの範囲にあり、ナノプリズムが約64nmから約80nmの間の端部長さを有する請求項27記載の方法。
【請求項32】
光の主波長が約580nmから約620nmの範囲にあり、ナノプリズムが約84nmから約106nmの間の端部長さを有する請求項27記載の方法。
【請求項33】
光の主波長が約650nmから約690nmの範囲にあり、ナノプリズムが約106nmから約134nmの間の端部長さを有する請求項27記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−524755(P2007−524755A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509658(P2006−509658)
【出願日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/010276
【国際公開番号】WO2004/089813
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(501273613)ノースウエスタン ユニバーシティ (2)
【氏名又は名称原語表記】NORTHWESTERN UNIVERSITY
【Fターム(参考)】