説明

ナノ粒子を用いる蛍光が改善された透明蛍光構造体、その製造方法、及び使用

マトリックスと、マトリックス内に配置される蛍光性ナノ粒子と、を含む透明蛍光構造体。各蛍光性ナノ粒子は、表面を有する基材ナノ粒子と、蛍光を発する1つ以上の蛍光性分子と、を含む。各蛍光性分子は、基材ナノ粒子の表面上の少なくとも1つ以上の反応性結合部位と結合する。蛍光性分子は、蛍光性分子の自己消光を解消する、又は少なくとも低減するように、基材ナノ粒子間に分布している。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0001】
本発明の一態様によれば、マトリックスとマトリックス内に配置された複数の蛍光性ナノ粒子とを含む透明蛍光構造体であって、かかる蛍光性ナノ粒子が複数の基材ナノ粒子と蛍光性分子とを含む、透明蛍光構造体が提供される。各蛍光性ナノ粒子が、表面を有する基材ナノ粒子と蛍光を発する1つ以上の蛍光性分子とを含み、各蛍光性分子が基材ナノ粒子の表面上の少なくとも1つの反応性結合部位に結合する。蛍光性分子は、蛍光性分子の自己消光を解消する、又は少なくとも低減するように基材ナノ粒子間に分布している。
【0002】
所望の出力光強度を生じさせるために高濃度の蛍光性分子を使用すると、蛍光性分子が大いに集結されるため自己消光現象が増大される。本発明は、基材ナノ粒子上への蛍光性分子の結合により自己消光を少なくとも低減できるため、基材ナノ粒子上に結合されていない蛍光性分子を用いる類似の構造体と比較すると、同じ光強度を生じさせるのに必要な蛍光性分子は極めて少ない。更に、比較的低濃度の蛍光性分子でも、本発明の基材ナノ粒子の使用により、より低い濃度の蛍光性分子で、多くを含むものよりも非常に強い光を示すことが可能になる。
【0003】
マトリックスは、連続固体材料、非連続固体材料、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。マトリックスは、1つ以上の有機材料、無機材料、又はこれらの複合体を含んでよい。基材ナノ粒子は、最大約100nmの平均粒子径を有する。
【0004】
本発明の別の態様では、液体と、少なくとも1つの高分子要素と、液体に分散された蛍光性ナノ粒子と、を含む、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体が提供される。高分子要素は、液体中に溶解される、液体中に別の相として懸濁される、又はその両方である。分散体は、液体の除去(例えば蒸発による)、液体の固化(例えば高分子要素との反応による)、又はこれらの組み合わせの実施により、上述のような蛍光構造体を形成できる。一実施形態では、基材ナノ粒子、及び蛍光性ナノ粒子に代わる蛍光性分子を液体中に個々に分散させてもよい。
【0005】
本発明の更なる態様では、少なくとも1つの粉末材料と、粉末材料に分散された蛍光性ナノ粒子と、を含む、蛍光性ナノ粒子/マトリックス分散体が提供される。分散体は、蛍光構造体を形成するか、蛍光性ナノ粒子分散体を結合して1つの塊にすることにより蛍光構造体に形成され得るかのいずれかである。
【0006】
本発明の更なる態様では、本発明による透明蛍光構造体を含む物品が提供される。本発明の物品は、透明蛍光構造体が物品を認証する仕組みを規定する、例えば、書類、有形形態の識別証票、又は通貨であってよい。透明蛍光構造体は、例えば、アップリケ、乾燥した隠顕インク、乾燥した塗料、硬化した接着剤、硬化したクリアコート、硬化したハードコート、又はこれらの組み合わせの形態であってよい。物品はまた、蛍光性ナノ粒子/マトリックス分散体も含んでよい。
【0007】
透明蛍光構造体が発する光は、例えば、光の強度が弱すぎるため、光が正常な人間の裸眼で見える光の外側の波長帯域を有するため、又はこれらの組み合わせにより、人間の裸眼で可視的に検出できない光であってよい。
【0008】
本発明の更に別の態様では、透明蛍光構造体を製造する方法が提供される。この方法は、複数の基材ナノ粒子を提供する工程と、複数の蛍光性分子を提供する工程と、基材ナノ粒子の少なくとも一部の表面上の反応部位に蛍光性分子の少なくとも一部をそれぞれ結合させる工程と、蛍光性ナノ粒子用マトリックスを形成するのに好適なマトリックス前駆体を提供する工程と、蛍光性ナノ粒子の少なくとも一部をマトリックス前駆体内に配置する工程と、透明蛍光構造体を形成するために得られた蛍光性ナノ粒子分散体を処理する工程と、を含む。蛍光性分子を含むマトリックス中の蛍光性ナノ粒子が、透明蛍光構造体内の蛍光性分子の自己消光を解消する、又は少なくとも低減するように、対応する基材ナノ粒子間に分布している。
【0009】
定義
本発明の文脈において、「不可逆的な共有結合」又は「不可逆的に共有結合されている」は、生理学的条件下で不可逆的である共有結合を意味する。これは、結合した基が1つの粒子から別の粒子へと移動するのを許容する金−硫黄結合などの、生理学的条件下で平衡状態にある結合を含まない。また、−SH又は−S−S−を含有する任意の異質種は、金−硫黄結合を介して金粒子上で代わりのものを置換する可能性がある。結果として、表面組成パターンが崩れることがある。
【0010】
「ナノ粒子」は、本明細書においてナノメートルサイズの粒子と定義する。ナノ粒子は、約200ナノメートル(nm)以下の平均粒子径を有することが望ましい。ナノ粒子は、約100nm以下、及び好ましくは、約5nm〜最大約75nmの範囲内である平均粒子径を有することが望ましい。ナノ粒子は、約20nm以下の平均粒子径を有することが更により好ましい場合がある。本明細書で用いるとき、粒子の「サイズ」又は「直径」に関する場合、両者とも粒子(又はその凝集体)の最大直径を言う。
【0011】
この文脈において、「凝集体」又は「凝集」は、電荷又は極性により保持一体化されている可能性があり、更に小さい粒子の集団及び/又は個々の粒子に分解され得る、粒子間に弱い結合を有する粒子の塊を言う。
【0012】
「分散性」ナノ粒子は、ナノ粒子に溶媒中への分散性を与えるに十分な量で粒子に結合される(例えば共有結合的に)溶媒−分散性基を有するナノ粒子である。この文脈において、「溶媒分散性」は、粒子が個別の粒子の形態にあり、凝集体ではないことを意味する。
【0013】
「分散性基」は、溶媒環境でナノ粒子の過剰な凝集及び沈殿を低減並びに好ましくは防止する親水性表面を供給することができる1価の基である。好適な溶媒として、例えば、水、テトラヒドロフラン(thf)、トルエン、エタノール、メタノール、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ヘプタン、エチルアセテートなどを挙げてよい。
【0014】
本明細書で用いるとき、蛍光性ナノ粒子からの光が構造体の外側から検出できる場合、本発明による蛍光構造体は「透明」であるとみなされる。好ましくは、本発明に従って使用されるマトリックス材料は、基材ナノ粒子上の蛍光性材料により送出される光を透過する。例えば、光が正常な人間の裸眼で見えるとき、透明構造体は、半透明(すなわち、少なくとも一部の検出可能な可視光線がある)から無色明澄(すなわち、約100%の光を透過できる)の範囲のものを含んでよい。あるいは、蛍光性材料の光が正常な人間の裸眼で見える帯域内にない(例えば、紫外線(UV)又は赤外(IR)光である)ときに、透明構造体は、可視光線を通さない(すなわち、それを通過する可視光線の透過率が約0%である)が、依然として蛍光性材料からの光を「透過」するとみなされる。
【0015】
「自己消光」は、2つの同一又は類似の蛍光性分子が極めて接近しているときに、分子間相互作用による蛍光発光の消光を意味する。一般に、2つの分子間の距離が増大すると、それらの相互作用が減少し、それにより蛍光強度が増加する。
【0016】
基材ナノ粒子の外面に結合された蛍光性材料の量は、蛍光性分子から放出される光が所望の程度(例えば人間の目で見える光)で検出できるよう蛍光性分子が基材ナノ粒子間に十分に分散されているとき、「自己消光性」ではないと考えられが、実際には同量の蛍光性分子は、蛍光性分子が基材ナノ粒子間にそれほど分布していない場合には自己消光性であろう(例えば、同量の蛍光染料材料が、基材ナノ粒子上にあるときにもたらされる程度まで離れているのではなく、単一の基材の表面上に集結している場合)。言いかえれば、蛍光性分子が基材ナノ粒子間にそれほど分布していない場合は、この同量の蛍光性分子から発光される光は検出されないであろう。ナノ粒子への1つ以上の蛍光性分子を結合させることは、実質的な自己消光を防ぐのに必要な蛍光性分子間の間隔を得るために用いられる仕組みである。基材ナノ粒子の使用により、結合した蛍光性材料の光強度を、透明蛍光構造体の所望の用途又は使用において検出可能であるのに必要な少なくとも最低量にできるとき、自己消光が実質的に低減されたとみなされる。
【0017】
用語「ポリマー」又は「ポリマー性」は、ポリマー、コポリマー(例えば、2つ以上の異なるモノマーを使用して形成されるポリマー)、オリゴマー及びこれらの組み合わせ、並びに混和性ブレンド中に形成され得るポリマー、オリゴマー、又はコポリマーを包含するとして理解されるであろう。
【0018】
用語「含む」及びその変化形は、これらの用語が説明文及び特許請求の範囲において現れる場合、限定的な意味を有するものではない。
【0019】
語句「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の環境において特定の利益を供し得る発明の実施形態を示す。しかしながら、同じ、又は他の状況下において他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の引用は、他の実施形態が有用でないことを含意するものではなく、本発明の範囲内から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0020】
本明細書で使用されるように、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は、同じ意味で使用される。更に、単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容が特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を有する実施形態を包含する。したがって、例えば、「a」表面結合基を含むナノ粒子は、ナノ粒子が「1つ以上の」表面結合基を含むという意味であると解釈され得る。
【0021】
本明細書で使用されるように、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は、同じ意味で使用される。したがって、例えば、「a」蛍光性分子結合基を含むナノ粒子は、ナノ粒子が「1つ以上の」蛍光性分子結合基を含むという意味であると解釈され得る。
【0022】
用語「及び/又は」は、列挙されている要素の1つ又は全て、あるいは、列挙されている要素の任意の2つ以上の組み合わせを意味する(例えば、疾患の予防及び/又は治療は、疾患の予防、治療、又は疾患を更に治療し予防することの両方を意味する)。
【0023】
本明細書で使用する時、用語「又は」は、その内容によって別段の明確な指示がなされていない場合は、一般に「及び/又は」を含む意味で用いられている。
【0024】
他に指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴の大きさ、量、物理特性を表わす数字は全て、どの場合においても用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて得ようとする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。
【0025】
終点による数の範囲の記述は、その範囲内(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)及びその範囲内の任意の範囲に包含される全ての数を含む。
【0026】
上記の本発明の概要は、開示される実施形態のそれぞれ、又は本発明のすべての実施の態様を述べることを目的としたものではない。以下の説明文は、実例となる実施形態をより詳細に例示するものである。本出願の複数の箇所において一連の実施例によって指標が与えられるが、各実施例は異なる組み合わせとして使用することができる。それぞれの場合において記載される一覧はあくまで代表的な群として与えられるものであって、排他的な羅列として解釈されるべきものではない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の好ましい実施形態を説明する際、明瞭化のために特定の技術用語が使用される。しかし、本発明は、そのように選択された特定の用語に制限されることを意図するものではなく、また、そのように選択された各用語は、同様に作動する又は類似の機能を実行する全ての技術的同等物を包含する。
【0028】
本発明の実施に関して、連続又は非連続構造の形態の固体マトリックスと、マトリックス内にカプセル化された、入れられた、埋め込まれた、包囲された、ないしは別の方法で配置された複数の蛍光性ナノ粒子と、を含む、透明蛍光フィルム、層、コーティング、又はその他構造体が提供され得る。蛍光性ナノ粒子は、複数の基材ナノ粒子と蛍光性分子とを含む。代表的な基材ナノ粒子として、シリカ、チタニア及びジルコニア、アルミナ酸化亜鉛、酸化鉄、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。各蛍光性ナノ粒子は、表面を有する基材ナノ粒子と、好ましくは有機物である1つ以上の蛍光性分子(例えば、蛍光染料分子)と、を含む。各蛍光性分子は、1つ以上の中間体分子(例えば、表面結合基)を介して直接的又は間接的に、基材ナノ粒子の表面上の反応性結合部位に、共有結合的に結合され、好ましくは非可逆性共有結合的に結合され、ないしは別の方法(例えば、化学吸着による)で結合される。蛍光性分子は、ナノ粒子に結合しない状態で共に配置される同量の蛍光性分子と比較して、蛍光性分子の自己消光が解消される又は少なくとも著しく低減されるように、基材ナノ粒子間に十分に分布している。蛍光性分子がマトリックス中にあるが基材ナノ粒子に結合していない場合、マトリックス中の蛍光性分子の量が十分に検出可能な光強度(すなわち、透明蛍光構造体の所望の用途又は使用において好適な光強度)の蛍光を発しないとき、このような自己消光が著しく低減すると考えられる。
【0029】
本発明に従って用いられるマトリックスは、連続固体材料、非連続固体材料、又はこれらの任意の組み合わせの形状であり得るか、又は少なくともこれらを含み得る。マトリックス材料は、1つ以上の有機材料、無機材料、又はこれらの複合体を含む固体材料であり得る。マトリックス材料が天然又は合成ポリマー材料から製造され、例えば、プラスチック、硬化した接着剤、乾燥した塗料、又は乾燥したインクの形態であることが望ましい場合もある。更に、マトリックスは、1つ以上の有機材料、無機材料、又はこれらの複合体を含んでよい。連続構造形態の場合、マトリックスは、例えば、ウェブ、シート、フィルム、層、コーティング、押出品、鋳造品、成形品、任意のその他連続構造、又はこれらの任意の組み合わせの形態であることができる。非連続構造形態の場合、マトリックスは、例えば、織布又は不織布の繊維ウェブ、スクリム、シート、層、紙、布地、布、又はこれらの任意の組み合わせの形態であることができる。マトリックスはまた、有機粉末(例えば、ポリマー粉末、木材パルプ、デンプン、炭水化物、多糖類)、無機粉末(例えば、炭酸カルシウム粉末、シリカ、チタニア及びジルコニア、アルミナ酸化亜鉛、酸化鉄、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト)、又はこれらの任意の組み合わせの形態であってもよい。
【0030】
蛍光性ナノ粒子はマトリックス内に以下のように配置されていると考えられる。蛍光性ナノ粒子の表面が、(a)マトリックス材料で十分に被覆されている(例えば、連続マトリックス構造中に蛍光性ナノ粒子が完全に又は実質的に閉じ込められる、入れられる、埋め込まれる、又は包囲される場合)、(b)マトリックス材料と十分に結合されている(例えば、蛍光性ナノ粒子がマトリックス構造体に接着される場合)、及び/又は(c)相当数の蛍光性ナノ粒子がマトリックス材料によって完全に又は少なくとも部分的に空間的に保持一体化されるに十分量のマトリックス材料中に十分に機械的に保持される(例えば、蛍光性ナノ粒子が織布又は不織布の繊維マトリックス構造体中の繊維間の孔又はその他の空隙に事実上固定される場合)。特定の用途又は使用に所望される蛍光強度を発するのに必要な蛍光性ナノ粒子の少なくとも最低数がある場合には、保持一体化された蛍光性ナノ粒子の数は十分であるとみなされる。
【0031】
蛍光性ナノ粒子はマトリックスによって完全に又は少なくとも部分的に空間的に保持一体化されることができ、例えば、(a)マトリックス材料と化学的に結合されることによって(例えば、蛍光性ナノ粒子と接着結合するマトリックス材料の使用により)、(b)マトリックス材料による物理的包囲により機械的に保持一体化されることによって(例えば、繊維マトリックス材料を形成する繊維間の適所の中への固定により、又は蛍光性ナノ粒子と化学的できる若しくはできない連続的マトリックス材料中への埋め込みにより)、又は(c)これらの組み合わせによって、行われる。各蛍光性ナノ粒子の表面積が、完全に、又は部分的にのみ(例えば、90%、80%、70%、60%、50%、又は40%未満)マトリックスにより被覆される、若しくは別の方法でマトリックス内に配置されることが、望ましい場合もある。
【0032】
このようなマトリックス材料及び構造体の任意の有効な組み合わせを用いてよい。例えば、蛍光性ナノ粒子は、繊維マトリックス層中の繊維間に配置し、得られた繊維/ナノ粒子複合体層が2つの固体層間に配置される又は挟まれる状態にすることができる。このように、蛍光性ナノ粒子を繊維マトリックス層内に事実上固定し又は保持し、蛍光性ナノ粒子をマトリックス中の繊維に結合する又は結合しない状態にすることができる。当然ながら、蛍光性ナノ粒子を、好適な接着剤(例えば、透明アクリル感圧性接着剤など)を用いて繊維マトリックスに単純に接着させることができるであろう。蛍光性分子がナノ粒子に結合する場合、得られた蛍光性ナノ粒子は、蛍光性分子が繊維マトリックス上にあると同じ位の繊維マトリックス(例えば、紙)の深部で見出されることが少ないとわかっている。したがって、基材ナノ粒子の使用により、繊維マトリックスの表面付近へ蛍光性分子を保持するのに役立つと思われる。
【0033】
蛍光性分子又は蛍光性基の例として、クマリン、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、ローダミン、及びローダミン誘導体を挙げることができる。所望の場合、異なる蛍光性分子の組み合わせを利用できる。異なる粒子と同一又は異なる蛍光性分子との組み合わせを使用することが可能である。例えば、混合物中の1種類のナノ粒子がフルオレセインと結合でき、別の種類の粒子がローダミンと結合できる。
【0034】
各蛍光性分子は、基材ナノ粒子の表面上の少なくとも1つ以上の反応性結合部位と直接結合(例えば、共有結合)することができる。蛍光性分子は、ナノ粒子の表面に直接共有結合でき、又は、別の分子(例えば、アビジン)を介して、非共有結合的にナノ粒子の表面に蛍光性分子を結合することが可能である。イオン性又は疎水性相互作用を介して蛍光性分子(例えば、カルボキシフルオレセイン及びアミノフルオレセイン)を結合することも可能である。あるいは、表面結合基を介して反応性結合部位の少なくとも1つ以上に各蛍光性分子を結合することもできる。すなわち、各蛍光性分子は、基材ナノ粒子の表面上の少なくとも1つ以上の反応性結合部位に結合される表面結合基に結合することができる。このような表面結合基として、例えば、シラノール、アルコキシシラン(例えば、トリアルコキシシラン)、又はクロロシランを挙げることができる。更に、あるいは、基材ナノ粒子の表面上の少なくとも1つ以上の反応性結合部位に、1つ以上の蛍光性分子を非共有結合的に結合(例えば、化学吸着により)することができる。
【0035】
蛍光性化合物の例は、トリエトキシシリル置換フルオレセインである。その他様々な蛍光性化合物が本発明で有用であることを、当業者は認識するであろう。このような蛍光性化合物の基材ナノ粒子との反応における代表的な条件を本明細書に記載する。
【0036】
基材ナノ粒子は、最大約100nmの平均粒子径を有することが望ましい。蛍光構造体の透明性を上げるため、基材ナノ粒子が、約5nmから最大約75nmの範囲内の平均粒子径を有することが好ましい場合がある。約20nmを超える平均サイズを有するナノ粒子を用いるとき、透明な構造体を有するために、マトリックス及びナノ粒子の屈折率を一致させなければならない場合がある。したがって、基材ナノ粒子が約20nm未満の平均粒子径を有することが好ましい場合がある。本発明の好適なナノ粒子は、典型的には、非常に多くの使用し得る反応性結合部位を有する。例えば、シリカナノ粒子は多くの反応性シラノール結合部位を有する(例えば、5nmの粒子は最大約270個の利用し得るシラノール基を有することができ、20nmの粒子は最大約3200個の利用し得るシラノール基を有することができ、90nmの粒子は最大約50,000個の利用し得るシラノール基を有することができる)。したがって、分散性基又はその他表面修飾剤による被覆率が高くても、有効数の蛍光性化合物の結合機構を不可能にしない。
【0037】
蛍光性分子は、正常な人間の裸眼で見える光(すなわち、正常な人間の裸眼で見える波長帯域と少なくとも重なり合う波長帯域を有する光)、又は正常な人間の裸眼で見えない光(すなわち、正常な人間の裸眼で見える光の外側の波長帯域を有する光、例えば、紫外線(UV)及び/又は赤外(IR)光など)のいずれかの蛍光を発する。透明蛍光構造体はまた、可視光線を通さない(すなわち、それを通して可視光線を約0%通過させる)が、蛍光性分子からの光を通すこともできる。
【0038】
蛍光性分子が自己消光性を示さないように(すなわち、蛍光性分子が検出可能な最大の光強度を生じるように)、蛍光性分子を基材ナノ粒子に結合させることが好ましい。しかし、蛍光性分子の自己消光については、低減するのみである(すなわち、蛍光性分子が透明蛍光構造体の所望の用途又は使用に好適な光強度を生じる)ことが商業的に受け入れられる。したがって、蛍光性分子がマトリックス中にあるが基材ナノ粒子に結合されていない場合、マトリックス中の蛍光性分子の量が蛍光を発しない、ないしは別の方法で十分に検出可能な光強度を生じないように、蛍光性分子を基材ナノ粒子中に分布させることができる。
【0039】
透明蛍光構造体は、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体(例えば、混合物、懸濁液、又は溶液の形態の)から形成できる。このような分散体は、液体と、少なくとも1つの高分子要素と、液体に分散される蛍光性ナノ粒子と、を含むことができる。高分子要素は、液体中に溶解される、液体中に別の相として懸濁される、又はその両方である。更に、透明蛍光構造体のマトリックスは、液体の除去(例えば液体の蒸発により)、液体の固化(例えば液体と高分子要素との反応により)、又は両方の組み合わせにより形成できる。一実施形態では、透明蛍光構造体はまた、基材ナノ粒子及び蛍光性分子が個別に液体中に分散されており、引き続いて一体となり、液体中のその場で蛍光性ナノ粒子を形成する、分散体などの形態であることもできる。このような分散体(すなわち、マトリックス内で蛍光性ナノ粒子のその場での形成が可能)は、例えば、水性反応媒体中でラテックス高分子要素を用いることにより、又は有機溶媒中にポリマー基材を溶媒和させるだけでなくナノ粒子表面に蛍光性分子を結合させる基材ナノ粒子を用いることにより生成できる。いずれの場合にも、基材ナノ粒子は粒子表面上のフィルム形成官能基だけでなく、蛍光性分子と反応し結合する官能基を有することができる。
【0040】
このような分散体中の液体は、例えば1気圧の圧力環境下で容易に蒸発する溶媒であってよい。このような液体溶媒の例として、水、テトラヒドロフラン(thf)、トルエン、エタノール、メタノールなどが挙げることができるが、これらに限定されない。あるいは、又は加えて、液体は未硬化のポリマー性材料であってよい。すなわち、液体は、蛍光性ナノ粒子又は基材ナノ粒子と蛍光性分子とを液体内に分散できるのに十分な低粘度の、溶融熱可塑性ポリマー材料又は非架橋モノマー材料、オリゴマー材料及び/若しくはその他ポリマー性材料であってもよい。
【0041】
液体中のナノ粒子の分散を容易にするため、基材ナノ粒子の表面に1つ以上の分散性基を結合することが望ましい場合がある。このような分散性基は、ナノ粒子と共有結合、及び好ましくは非可逆性共有結合を形成することが望ましい。分散性基は、上述のもののように、液体溶媒中のナノ粒子の分散に役立つ。分散性基として、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、塩、脂肪族又は芳香族部分、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態では、分散性基として、ポリ(アルキレンオキシド)含有基を挙げることもできる。
【0042】
透明蛍光構造体はまた、少なくとも1つの粉末材料と、粉末材料中に好ましくは全体的に均一に分散される蛍光性ナノ粒子とを含む、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体から(例えば、混合物、懸濁液、又は溶液の形態で)形成することもできる。粉末材料は、例えば、粉末ポリマー材料、又は1つの塊に形成できるその他任意の粉末材料を含む。この分散体は、蛍光性ナノ粒子分散体を1つの塊に結合できる、融解、融着、焼結、凝集、又は別の方法(例えば、適切な温度で適切な時間適切な加圧下で分散体を加熱することにより)で、透明蛍光構造体に形成できる。ナノ粒子は同じ材料のより大きな塊よりも低い温度で焼結できるため、このような分散体は、例え蛍光性分子が一般的に蛍光性分子の光出力及び強度の熱劣化を受けやすい場合でも、熱を利用して蛍光構造体に形成できると考えられている。
【0043】
代替の実施形態では、透明蛍光構造体は蛍光性ナノ粒子/マトリックス分散体の形態(例えば、混合物、懸濁液、又は溶液の形態)であってもよい。この分散体は、少なくとも1つの粉末材料と、粉末材料に分散される蛍光性ナノ粒子と、を含む。粉末材料はマトリックスを形成し、有機粉末材料(例えば、粉末ポリマー材料、木材パルプ、デンプン、炭水化物、多糖類など)、無機粉末材料(例えば、炭酸カルシウム、シリカ、チタニア及びジルコニア、アルミナ酸化亜鉛、酸化鉄、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイトなど)、その他任意の粉末材料又はこれらの組み合わせを含んでよい。好ましくは、少なくとも一部の実施形態では、蛍光性ナノ粒子は粉末材料全体に均一に分散されている。このような粉末分散体を用いて物品(例えば、化粧品、医薬品など)を製造できる。
【0044】
本発明による透明蛍光構造体を含むその他様々な物品を製造できる。このような物品として、透明蛍光構造体が、化学的に(例えば、接着剤で結合)、機械的に(例えば、2つの基材間に積層、ないしは別の方法で挟み込み)、ないしは別の方法で基材表面に取付けられた層である、基材表面を有する透明基材(例えば、フィルム、層、シートなど)を挙げることができる。あるいは、このような物品として、少なくとも1つの基材が透明であり、透明蛍光構造体が、化学的に(例えば、接着剤で結合)、機械的に(例えば、2つの基材間に積層、ないしは別の方法で挟み込み)、ないしは別の方法で基材間に結合された層である、2つの基材(例えば、フィルム、層、シートなど)を挙げることができる。
【0045】
このような物品は、透明蛍光構造体が書類を認証するセキュリティの仕組みを規定する、書類(例えば、注文書又はその他契約書、原稿、研究論文、脚本、台本、極秘の又はその他報告書、処方箋など)の形態であってもよい。例えば、蛍光構造体が発する蛍光を用い、書類の出典及び/又は著者としての特定の団体(例えば、政府機関、企業、集団、又は個人)を識別でき、それにより書類の正当性及び/若しくは所有者を確認でき、並びに/又は書類中の情報の正確さを検証できる。
【0046】
このような物品はまた、透明蛍光構造体が識別証票の様式を認証するためのセキュリティの仕組みを規定する、有形形態の識別証票(例えば、運転免許証、パスポート、入国グリーンカード、写真など)であってもよい。例えば、蛍光構造体が発する蛍光を用いて、識別証票の様式で特定の団体(例えば、政府機関、企業、集団、又は個人)を識別でき、それにより識別証票の様式の正当性及び/若しくは所有者を検証でき、並びに/又は識別証票の様式中の情報の正確さを検証できる。
更に、このような物品は、透明蛍光構造体が通貨の様式を認証するためのセキュリティの仕組みを規定する、通貨(例えば、クレジットカード又はデビットカード、紙幣、硬貨、株式、債権又はその他の公社債、個人小切手、業務用小切手、又は銀行小切手、預金証書など)であってもよい。例えば、蛍光構造体が発する蛍光を用いて、通貨の様式で特定の団体(例えば、政府機関、企業、集団、又は個人)を識別でき、それにより通貨の様式の正当性及び/若しくは所有者を検証でき、並びに/又は通貨の様式上で識別される残高、口座番号、支払人、及び受取人の正確さを検証できる。
【0047】
上記の代表的な物品で用いられる透明蛍光構造体は、アップリケ、乾燥した隠顕インク、乾燥した塗料、硬化した接着剤、硬化したクリアコート、硬化したハードコート、又はこれらの組み合わせの形態であってよい。
【0048】
セキュリティ機能としての利用を促進するため、上記代表的な物品で用いられる透明蛍光構造体(例えば、書類、識別証票形態、通貨形態など)は、正常な人間の裸眼で可視的に検出できない光を発するように製造することができる。例えば、発光される光は、光の強度が弱すぎるため、光が正常な人間の裸眼で見える光の外側の波長帯域を有するため(例えば、紫外線(UV)及び/又は赤外(IR)光)、又はこれらの組み合わせにより、正常な人間の裸眼に見えないものであってよい。
【0049】
本発明による透明蛍光構造体を、例えば、複数の基材ナノ粒子を提供し、蛍光を発する複数の蛍光性分子を提供し、基材ナノ粒子の少なくとも一部の表面上の反応部位に、蛍光性分子の少なくとも一部をそれぞれ結合し、蛍光性ナノ粒子用マトリックスを形成するのに好適なマトリックス前駆体を提供し、蛍光性ナノ粒子の少なくとも一部をマトリックス前駆体内に配置し、透明蛍光構造体を形成するために得られた蛍光性ナノ粒子分散体を処理することにより、製造することができる。蛍光性分子を含むマトリックス中の蛍光性ナノ粒子が、透明蛍光構造体内の蛍光性分子の自己消光を解消する、又は少なくとも低減するように、対応する基材ナノ粒子間に十分に分布している。
【0050】
各基材ナノ粒子は、複数の反応性結合部位を含む表面を有する。蛍光性分子は、好ましくは有機蛍光性分子(例えば、蛍光染料分子)である。蛍光性分子は、複数の蛍光性ナノ粒子を形成するため、1つ以上の中間体分子(例えば、表面結合基)を介して直接的又は間接的に、少なくとも一部の基材ナノ粒子それぞれの表面上の反応性結合部位に共有結合的に結合でき、好ましくは非可逆性共有結合的に結合でき、ないしは別の方法で結合できる。マトリックス前駆体は、目的とする特定の透明蛍光構造体のマトリックスを形成するのに好適な乾燥形態又は液体形態の、例えば硬化可能な熱可塑性樹脂、又は熱硬化性プラスチック樹脂、接着剤、塗料、インク又はこれらの組み合わせであることができる。蛍光性ナノ粒子は、蛍光性ナノ粒子分散体を形成するために(例えば、混合物、懸濁液、又は溶液の形態で)、マトリックス前駆体(presursor)中に配置できる。得られる分散体は、透明蛍光フィルム、層、コーティング、又はその他構造体を形成するために、硬化でき(例えば、熱硬化性ポリマー材料の架橋により)、固化でき(例えば、溶融熱可塑性ポリマー材料の冷却により)、乾燥でき(例えば、液体塗料又はインクから溶媒を蒸発することにより)、ないしは別の方法で処理することができる。
蛍光性ナノ粒子分散体は、目的の透明蛍光構造体を形成するたに、分散体を処理するプロセス前に又はプロセス中に、所望の形状又は物品に押出成形、鋳造成形、型成形、コーティング成形、積層成形、ないしは別の方法で成形することができる。蛍光性ナノ粒子分散体が粉末分散体である場合、処理プロセス前又はプロセス中に粉末分散体を容器に詰める、ないしは別の方法で収容することにより、粉末ベースの物品(例えば、化粧品、医薬品など)を形成できる。
【0051】
蛍光性ナノ粒子分散体は、液体、少なくとも1つの高分子要素、及び蛍光性ナノ粒子、ナノ粒子並びに蛍光性分子、又はその両方のいずれか、を含むことができる。高分子要素は、液体中に溶解できる、液体中に別の相として懸濁できる、又はその両方であることができる。蛍光性ナノ粒子は、液体中に分散、好ましくは懸濁される。また、蛍光性ナノ粒子分散体の処理工程は、蛍光性ナノ粒子分散体から液体を除去する工程(例えば、液体が容易に蒸発するときは蒸発により)、又は液体を固体へ変換する工程(例えば、高分子要素との反応により)を更に含んでよい。
【0052】
液体は、例えば1気圧の圧力環境下で容易に蒸発する溶媒であってよく、処理が液体の蒸発を引き起こす。液体は、処理により液体の固化、及び任意に硬化が引き起こされる未硬化のポリマー性材料であってもよい。すなわち、液体は、溶融熱可塑性ポリマー材料、若しくは非架橋モノマー性、オリゴマー性、及び/又はその他ポリマー性材料である。
【0053】
別の実施形態では、蛍光性ナノ粒子分散体は少なくとも1つの粉末材料と蛍光性ナノ粒子とを含み、蛍光性ナノ粒子は粉末材料中に分散される。蛍光性ナノ粒子が粉末材料全体に均一に分散されていることが好ましい場合がある。蛍光性ナノ粒子分散体の処理工程は、蛍光性ナノ粒子分散体を1つの塊に形成する、融解工程、融着工程、焼結工程、凝集工程、容器詰め工程、又は別の方法(例えば、加圧下で分散体を加熱する、ある量の分散体を容器に入れることによる)を含んでもよい。
【0054】
代表的な実施形態
1.マトリックスと、
該マトリックス内に配置される複数の蛍光性ナノ粒子と、を含む、透明蛍光構造体であって、該蛍光性ナノ粒子が複数の基材ナノ粒子と蛍光性分子とを含み、該蛍光性ナノ粒子のそれぞれが、
表面を有する基材ナノ粒子と、
各蛍光性分子が該基材ナノ粒子の表面上の反応性結合部位に結合している、蛍光を発する1つ以上の蛍光性分子と、を含み、
該蛍光性分子が、該蛍光性分子の自己消光を少なくとも低減するように、該基材ナノ粒子間に分布している、透明蛍光構造体。
【0055】
2.前記マトリックスが、連続固体材料、非連続固体材料、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施形態1に記載の透明蛍光構造体。
【0056】
3.前記マトリックスが連続構造の形態である、実施形態1又は2に記載の透明蛍光構造体。
【0057】
4.前記マトリックスが、ウェブ、シート、フィルム、層、コーティング、押出品、鋳造品、成形品、又はこれらの任意の組み合わせの形態である、実施形態3に記載の透明構造体。
【0058】
5.前記マトリックスが非連続構造の形態である、実施形態1又は2に記載の構造体。
【0059】
6.前記マトリックスが、織布又は不織布の繊維ウェブ、スクリム、シート、層、紙、布地、布、又はこれらの任意の組み合わせの形態である、実施形態5に記載の透明蛍光構造体。
【0060】
7.前記マトリックスが粉末形態である、実施形態5に記載の透明蛍光構造体。
【0061】
8.前記マトリックスが、1つ以上の有機材料、無機材料、又はこれらの複合体を含む、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0062】
9.前記基材ナノ粒子が、最大約100nmの平均粒子径を有する、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0063】
10.前記基材ナノ粒子が、約5nmから最大約75nmの範囲内の平均粒子径を有する、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0064】
11.前記基材ナノ粒子が、約20nm以下の平均粒子径を有する、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0065】
12.各蛍光性分子が、前記基材ナノ粒子の表面上の少なくとも1つの反応性結合部位に共有結合される、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0066】
13.各蛍光性分子が、前記基材ナノ粒子の表面上の少なくとも1つの反応性結合部位に非共有結合される、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0067】
14.前記蛍光性分子のそれぞれが、表面結合基を介して前記反応性結合部位の少なくとも1つに結合する、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0068】
15.前記蛍光性分子のそれぞれが、前記反応性結合部位の少なくとも1つに直接結合する、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0069】
16.前記蛍光性分子のそれぞれからの光が、正常な人間の裸眼で見える波長帯域と少なくとも重なり合う波長帯域を有する、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0070】
17.前記蛍光性分子のそれぞれが、正常な人間の裸眼で見える光の外側の波長帯域を有する蛍光を発する、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0071】
18.前記透明蛍光構造体が可視光線を通さないが、前記蛍光性分子からの光を通す、実施形態17の透明蛍光構造体。
【0072】
19.前記蛍光分子が前記マトリックス中にあるが基材ナノ粒子に結合していない場合、前記マトリックス中の蛍光性分子の量で十分に検出可能な光強度を生じないように、前記蛍光性分子が前記基材ナノ粒子間に分布している、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0073】
20.前記蛍光性分子が自己消光を示さないように、前記蛍光性分子のそれぞれが前記基材ナノ粒子のうちの1つの表面に結合されている、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体。
【0074】
21.液体と、
少なくとも1つの高分子要素であって、該高分子要素が該液体に溶解されている、該液体中に別の相として懸濁されている、又はその両方である高分子要素と、
該液体に分散されている蛍光性ナノ粒子と、を含む、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体であって、
該分散体が、該液体を除去することにより、該液体を固化することにより、又はこれらの組み合わせにより、実施形態1〜20のいずれか1つに記載の蛍光構造体に形成できる、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体。
【0075】
22.液体と、
少なくとも1つの高分子要素であって、該高分子要素が該液体に溶解されている、該液体中に別の相として懸濁されている、又はその両方である高分子要素と、
該液体に分散されている基材ナノ粒子と、
該液体に分散されている蛍光性分子と、を含む、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体であって、
該分散体が、該液体を除去することにより、該液体を固化することにより、又はこれらの組み合わせにより、実施形態1〜20のいずれか1つに記載の蛍光構造体に形成できる、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体。
【0076】
23.前記液体が1気圧の圧力環境下で蒸発する、実施形態21又は22に記載の分散体。
【0077】
24.前記液体が未硬化のポリマー性材料である、実施形態21又は22に記載の分散体。
【0078】
25.少なくとも1つの粉末材料と、
該粉末材料に分散されている蛍光性ナノ粒子と、を含む、蛍光性ナノ粒子/マトリックス分散体であって、
該分散体が、実施形態1、2、5、及び7〜20のいずれか1つに記載の該蛍光構造体を形成する、蛍光性ナノ粒子/マトリックス分散体。
【0079】
26.少なくとも1つの粉末材料と、
該粉末材料に分散されている蛍光性ナノ粒子と、を含む、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体であって、
該分散体が、蛍光性ナノ粒子分散体を1つの塊に結合することにより実施形態1〜20のいずれか1つに記載の蛍光構造体に形成できる、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体。
【0080】
27.前記少なくとも1つの粉末材料が粉末ポリマー材料である、実施形態25又は26に記載の分散体。
【0081】
28.実施形態1〜20のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体を含む物品。
【0082】
29.基材表面を有する透明基材を更に含み、前記透明蛍光構造体が該基材表面に取付けられた層である、実施形態28に記載の物品。
【0083】
30.2つの基材を更に含み、該基材のうち少なくとも1つが透明であり、前記透明蛍光構造体が該基材間に取付けられた層である、実施形態28に記載の物品。
【0084】
31.前記物品が書類であり、かつ前記透明蛍光構造体が該書類を認証する仕組みを規定する、実施形態28〜30のいずれか1つに記載の物品。
【0085】
32.前記物品が有形形態の識別証票であり、前記透明蛍光構造体が前記識別証票の様式を認証する仕組みを規定する、実施形態28〜30のいずれか1つに記載の物品。
【0086】
33.前記物品が通貨であり、前記透明蛍光構造体が前記通貨の様式を認証する仕組みを規定する、実施形態28〜30のいずれか1つに記載の物品。
【0087】
34.前記透明蛍光構造体が、アップリケ、乾燥した隠顕インク、乾燥した塗料、硬化した接着剤、硬化したクリアコート、硬化したハードコート、又はこれらの組み合わせの形態である、実施形態28〜33のいずれか1つに記載の物品。
【0088】
35.実施形態25に記載の蛍光性ナノ粒子/マトリックス分散体を含む物品。
【0089】
36.前記透明蛍光構造体が正常な人間の裸眼で可視的に検出できない光を発する、実施形態28〜35のいずれか1つに記載の物品。
【0090】
37.前記透明蛍光構造体が、光の強度が弱すぎるため、光が正常な人間の裸眼で見える光の外側の波長帯域を有するため、又はこれらの組み合わせにより、人間の肉眼で可視的に検出できない光を発する、実施形態36に記載の物品。
【0091】
38.実施形態1〜20のいずれか1つに記載の透明蛍光構造体の製造方法であって、該方法が、
それぞれの基材ナノ粒子が複数の反応性結合部位を含む表面を有する、複数の基材ナノ粒子を提供する工程と、
蛍光を発する複数の蛍光性分子を提供する工程と、
複数の蛍光性ナノ粒子を形成するために、少なくとも一部の各蛍光性分子を、少なくとも一部の基材ナノ粒子のそれぞれの表面上の反応部位に結合させる工程と、
蛍光性ナノ粒子用マトリックスの形成に好適なマトリックス前駆体を提供する工程と、
マトリックス前駆体(presursor)内に複数の蛍光性ナノ粒子の少なくとも一部を配置し、蛍光性ナノ粒子分散体を形成する工程と、
透明蛍光構造体を形成するために、蛍光性ナノ粒子分散体を処理する工程と、を含み、
蛍光性分子を含むマトリックス中の蛍光性ナノ粒子が、透明蛍光構造体内の蛍光性分子の自己消光を少なくとも低減するように対応する基材ナノ粒子間に分布している、透明蛍光構造体の製造方法。
【0092】
39.透明蛍光構造体の製造方法であって、該方法が、
それぞれの基材ナノ粒子が複数の反応性結合部位を含む表面を有する、複数の基材ナノ粒子を提供する工程と、
蛍光を発する複数の蛍光性分子を提供する工程と、
複数の蛍光性ナノ粒子を形成するために、少なくとも一部の各蛍光性分子を、少なくとも一部の基材ナノ粒子のそれぞれの表面上の反応部位に結合させる工程と、
蛍光性ナノ粒子用マトリックスの形成に好適なマトリックス前駆体を提供する工程と、
マトリックス前駆体(presursor)内に複数の蛍光性ナノ粒子の少なくとも一部を配置し、蛍光性ナノ粒子分散体を形成する工程と、
マトリックス前駆体が蛍光性ナノ粒子をその中に有するマトリックスとなり、かつそれにより透明蛍光構造体を形成するように、蛍光性ナノ粒子分散体を処理する工程と、を含み、
蛍光性分子を含むマトリックス中の蛍光性ナノ粒子が、透明蛍光構造体内の蛍光性分子の自己消光を少なくとも低減するように、対応する基材ナノ粒子間に分布している、透明蛍光構造体の製造方法。
【0093】
40.前記処理工程の前又は間に、蛍光性ナノ粒子分散体を形成する工程を更に含む、実施形態38又は39に記載の方法。
【0094】
41.前記処理工程の前又は間に蛍光性ナノ粒子分散体を物品に形成する工程を更に含む、実施形態38又は39に記載の方法。
【0095】
42.蛍光性ナノ粒子分散体が、液体と、少なくとも1つの高分子要素と、蛍光性ナノ粒子と、を含み、高分子要素が,液体に溶解されている、液体中に別の相として懸濁されている、又はその両方であり、蛍光性ナノ粒子が,液体に分散されており、蛍光性ナノ粒子分散体の前記処理工程が、蛍光性ナノ粒子分散体から液体を除去する工程、液体を固体に変換する工程、又はこれらの組み合わせの工程を更に含む、実施形態38〜41のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
43.蛍光性ナノ粒子分散体が、液体と、少なくとも1つの高分子要素と、基材ナノ粒子と、蛍光性分子と、を含み、高分子要素が,液体に溶解されている、液体中に別の相として懸濁されている、又はその両方であり、蛍光性ナノ粒子が液体に分散されており、蛍光性ナノ粒子分散体の前記処理工程が、蛍光性ナノ粒子分散体から液体を除去する工程、液体を固体に変換する工程、又はこれらの組み合わせの工程を更に含む、実施形態38〜41のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
44.液体が1気圧の圧力環境下で蒸発し、かつ前記処理工程が液体の蒸発を引き起こす、実施形態42又は43に記載の方法。
【0098】
45.液体が未硬化のポリマー性材料であり、前記処理工程が液体の固化、及び任意に硬化を引き起こす、実施形態42又は43に記載の方法。
【0099】
46.蛍光性ナノ粒子分散体が、少なくとも1つの粉末材料と、蛍光性ナノ粒子と、を含み、蛍光性ナノ粒子が粉末材料中に分散されており、かつ蛍光性ナノ粒子分散体の前記処理工程が蛍光性ナノ粒子分散体を1つの塊に形成する工程を更に含む、実施形態38〜41のいずれか1つに記載の方法。
【実施例】
【0100】
(実施例1)
蛍光カップリング剤の調製
蛍光染料ウンベリフェロン(等級II、Aldrich)0.4100g
溶媒、乾燥メチルスルホキシド(DMSO)20.06g
表面結合基、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(Gelest)、95% 0.61g
触媒、ジ−n−ブチルすずジラウレート(Aesar)>94% 1滴
まずウンベリフェロンをDMSOに溶解し、次にイソシアナトプロピルトリメトキシシランをこの溶液に加え、50℃で16時間混合させた。反応の完了を確実にするため、この溶液にジ−n−ブチルスズジラウレートを1滴加え、50℃で3時間混合させた。別の溶媒、すなわちTHFにおいても、この調製法を実施することができ、実施されている。
【0101】
親水性蛍光性ナノ粒子の調製
Nalco 2326(16.42%)(SiOナノ粒子)100g
Silquest A1230(分散基)10.18g
蛍光カップリング剤5.27g
反応は、攪拌しながら80℃で4時間行った。最終分散体は21.25%固形分であった。ブラックライト下で蛍光を発した。綿棒をこの溶液に浸け、この綿棒を用いて紙基材上に「Nano」と書いた。
【0102】
比較例
濃縮ウンベリフェロン溶液:
ウンベリフェロン0.0081g
エタノール9.9984g
この溶液は、比較のために、上述の粒子上で反応されるウンベリフェロンの量(粒子中の染料分子の数)を反映する。綿棒をこの溶液に浸け、この綿棒を用いて紙基材上に「Dye」と書いた。Teslinの上に書くと、サンプルの裏が緑色の蛍光を発することがわかるため、これを内部検証として利用できた。ウンベリフェロンでラベルした表面修飾ナノ粒子の、1%、5%、及び10%のシリカ固体の希釈溶液、並びにそれぞれウンベリフェロン単独の溶液も評価した。
【0103】
非修飾粒子の調製
蛍光カップリング剤0.5g
エタノール5g
Nalco 2326(16.42%)0.5mL
蛍光カップリング剤をエタノールで希釈した。この溶液はブラックライト下で白色の蛍光を発した。ブラックライト下で、この溶液にNalco 2326を1滴添加し、蛍光が急に増大することを観察した。Nalco 2326の残量を溶液に添加した。蛍光の強度は同じままであった。
【0104】
疎水性蛍光性ナノ粒子の調製
Nalco 2326(16.42%)50g
イソオクチルトリメトキシシラン(分散基)3.27g
メチルトリメトキシシラン(95%)(分散基)0.36g
エタノール50g
メタノール12g
蛍光カップリング剤6.59g
まず蛍光カップリング剤をNalco 2326に添加し、80℃で1.5時間混合させた。次に、この反応物にシランを添加し、得られる混合物を80℃で16時間攪拌させた。この粒子はロータリーエバポレーターを用いて乾燥し、続いて乳鉢と乳棒ですりつぶした。オフホワイト色の粉末は、ブラックライトで蛍光を発した。この粉末を、炭酸カルシウム(10μm)中0.5%で混合し、振り混ぜ、ブラックライト下で評価した。ブラックライト下で蛍光を発する小点が見えた。
【0105】
本発明は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変形及び変更を加えられてもよい。したがって、本発明は、上記実施形態に限定されず、添付された「請求項」及び全てのその等価物に記述する制限によって規制される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックスと、
該マトリックス内に配置される複数の蛍光性ナノ粒子と、を含む、透明蛍光構造体であって、該蛍光性ナノ粒子が複数の基材ナノ粒子と蛍光性分子とを含み、該蛍光性ナノ粒子のそれぞれが、
表面を有する基材ナノ粒子と、
各蛍光性分子が該基材ナノ粒子の表面上の反応性結合部位に結合している、蛍光を発する1つ以上の蛍光性分子と、を含み、
該蛍光性分子が、該蛍光性分子の自己消光を少なくとも低減するように該基材ナノ粒子間に分布している、透明蛍光構造体。
【請求項2】
前記マトリックスが、連続固体材料、非連続固体材料、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の透明蛍光構造体。
【請求項3】
前記マトリックスが連続構造の形態であり、かつ前記マトリックスがウェブ、シート、フィルム、層、コーティング、押出品、鋳造品、成形品、又はこれらの任意の組み合わせの形態である、請求項1又は2に記載の透明蛍光構造体。
【請求項4】
前記マトリックスが非連続構造の形態であり、かつ前記マトリックスが織布又は不織布の繊維ウェブ、スクリム、シート、層、紙、布地、布、又はこれらの任意の組み合わせの形態である、請求項1又は2に記載の構造体。
【請求項5】
前記マトリックスが粉末形態である、請求項4に記載の透明蛍光構造体。
【請求項6】
前記基材ナノ粒子が最大約100nmの平均粒子径を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明蛍光構造体。
【請求項7】
前記蛍光性分子が自己消光を示さないように、前記蛍光性分子のそれぞれが、前記基材ナノ粒子のうちの1つの前記表面に結合している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の透明蛍光構造体。
【請求項8】
液体と、
少なくとも1つの高分子要素であって、該高分子要素が該液体に溶解されている、該液体中に別の相として懸濁されている、又はその両方である高分子要素と、
該液体に分散されている蛍光性ナノ粒子と、を含む、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体であって、
該分散体が、該液体を除去することにより、該液体を固化させることにより、又はこれらの組み合わせにより、請求項1〜7のいずれか一項に記載の蛍光構造体に形成できる、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体。
【請求項9】
液体と、
少なくとも1つの高分子要素であって、該高分子要素が該液体に溶解されている、該液体中に別の相として懸濁されている、又はその両方である、高分子要素と、
該液体に分散されている基材ナノ粒子と、
該液体に分散されている蛍光性分子と、を含む、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体であって、
該分散体が、該液体を除去することにより、該液体を固化させることにより、又はこれらの組み合わせにより、請求項1〜7のいずれか一項に記載の蛍光構造体に形成できる、蛍光性ナノ粒子/マトリックス前駆体分散体。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明蛍光構造体を含む、物品。
【請求項11】
基材表面を有する透明基材を更に含み、前記透明蛍光構造体が該基材表面に取付けられた層である、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記物品が書類であり、かつ前記透明蛍光構造体が該書類を認証する仕組みを規定する、請求項10又は11に記載の物品。
【請求項13】
前記物品が有形形態の識別証票であり、かつ前記透明蛍光構造体が該形態の識別証票を認証する仕組みを規定する、請求項10又は11に記載の物品。
【請求項14】
前記透明蛍光構造体が、アップリケ、乾燥した隠顕インク、乾燥した塗料、硬化した接着剤、硬化したクリアコート、硬化したハードコート、又はこれらの組み合わせの形態である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明蛍光構造体の製造方法であって、該方法が、
それぞれの基材ナノ粒子が複数の反応性結合部位を含む表面を有する、複数の基材ナノ粒子を提供する工程と、
蛍光を発する複数の蛍光性分子を提供する工程と、
複数の蛍光性ナノ粒子を形成するために、少なくとも一部の各蛍光性分子を、少なくとも一部の該基材ナノ粒子のそれぞれの該表面上の反応部位に結合させる工程と、
該蛍光性ナノ粒子用マトリックスの形成に好適なマトリックス前駆体を提供する工程と、
該マトリックス前駆体内に該複数の蛍光性ナノ粒子の少なくとも一部を配置し、蛍光性ナノ粒子分散体を形成する工程と、
透明蛍光構造体を形成するために、該蛍光性ナノ粒子分散体を処理する工程と、を含み、
蛍光性分子を含む該マトリックス中の該蛍光性ナノ粒子が、該透明蛍光構造体内の該蛍光性分子の自己消光を少なくとも低減するように、対応する基材ナノ粒子間に分布している、透明蛍光構造体の製造方法。

【公表番号】特表2012−532211(P2012−532211A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517822(P2012−517822)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/040177
【国際公開番号】WO2011/002704
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】