説明

ナビゲーション装置

【目的】本発明は、地図上に自車輛の位置を表示するナビゲーション装置に関し、地図認識性とスクロール操作性とを高めたナビゲーション装置を実現することを目的とする。
【構成】地図データを記憶した地図データ記憶手段20と、自車輛の位置を検出する自車輛位置検出手段21と、自車輛の進行方位を検出する自車輛方位検出手段22と、地図と自車輛の位置とを描画する表示手段23と、表示地図をスクロールさせる為の指令を与えるスクロールスイッチ25と、地図データを読み出して表示し、併せて、自車輛位置を前記表示手段23に表示した地図に重ねて表示し、また、前記自車輛方位検出手段22から得られる進行方位に合わせて前記表示手段23に表示する地図の向きを変えると共に、該表示方向の変化に合わせて前記表示地図スクロールスイッチ25に定義する方位も変えて表示した地図のスクロールを行う表示制御手段24と、を備えて成るように構成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地図上に自車輛の位置を表示するナビゲーション装置に関する。
【0002】ナビゲーション装置は、移動体の位置を出力することによって該移動体の航行を支援する装置であり、道路上を走行する車輛にあってはその位置が地表面上に限られる為、2次元平面における位置を求めることで自車輛の位置を確定することができる。
【0003】位置を求める手段は種々あるが、大別すると自立航法システムと航行援助システムとがある。
【0004】自立航法システムは推測航法であり、原点位置を出発点として移動体の移動速度と移動方向とから当該時刻における位置を求める方法である。また、航行援助システムは、複数の無線局から発射される電波を利用して位置情報を得る方法であり、代表的なシステム例としてはGPS(Global Positioning System) がある。
【0005】しかし、何れのシステムにおいても位置確定誤差に原因する長所と短所とを有していて、車輛に搭載して航行支援に使用するナビゲーション装置においては、推測航法システムとGPSとを併用した装置も多々存在する。
【0006】ところで、道路上を走行する車輛の進行方位は当該道路の敷設方位によって規定される。その為、しばしばその進行方位を変えることになる。したがって、ナビゲーション装置に表示される自車輛位置の移動方向も、その進行方位の変化に合わせて変わることになる。
【0007】そこで、ナビゲーション装置が表示する地図の方向を車輛の進行方位に合わせて回転させることによって、地図上における自車輛の進行方向と実際の車輛の進行方向とを一致させ、車輛運転者の地図認識性を高めたナビゲーション装置がある。例えばそれは、平成3年特許願第278085号に開示されている。
【0008】しかし、地図の表示方向を変えることによって新たな問題が発生する。すなわち、表示された地図をスクロールする場合に、操作パネル上に定義されたスクロールスイッチのスクロール方向と、表示された地図のスクロール方向とが一致しなくなるのである。そのため、スクロール操作を行う車輛運転者は、スクロール方向を混乱する事態となる。
【0009】したがって、ナビゲーション装置の地図表示方向が変わると、スクロールスイッチで指定される地図スクロール方向も整合して変わるナビゲーション装置が求められている。
【0010】
【従来の技術】
(1)ナビゲーション装置の構成例図4は、ナビゲーション装置の構成を説明するブロック図である。
【0011】1)構成の大別ナビゲーション装置の構成部分を大別すると、概ね次の■〜■に分けることができる。
【0012】■地図データを記憶している地図データ記憶部2
【0013】■自車輛の位置を検出するロケーション検出部3
【0014】■地図および自車輛位置を描画する為の表示器6とその駆動回路5
【0015】■前記■〜■の各部2,3,5 の統括制御を行うと共に表示器6に目的とする地図および自車輛位置を表示させるメインマイコン(Main-Microcomputer)1
【0016】■前記■のメインマイコン1に指令を与えてナビゲーション装置14を操作する為の操作スイッチ4
【0017】■前記■の地図データ記憶部2および■のロケーション検出部3、■のメインマイコン1、間の通信を行う媒体である通信バス7
【0018】2)地図データ記憶部の構成図4に例示したナビゲーション装置14においては、記憶媒体としてCD−ROM(Compact Disk − Read-Only Memory)を用い、デコーダ9を介して地図データを読み出す仕組みである。尚、地図データのアクセス管理はCD−ROM制御マイコン10が行う。すなわち、メインマイコン1から地図データのアクセスがあると、当該地図データを読み出して通信バス7上へ送信する。
【0019】3)ロケーション検出部の構成図4に例示したナビゲーション装置14は、推測航法を用いて自車輛位置を検出するシステムである。
【0020】すなわち、車輪速センサ11で車輛の走行速度を検出し、地磁気センサ12で車輛の進行方位を検出する。そして、それらを時間で積分して原点位置となる出発位置からの移動方位と移動距離を演算する仕組みである。つまり、該演算は、ロケーション演算マイコン13が行う。
【0021】そして、その演算結果は周期的(例えば1sec 周期) に通信バス7上へ送信する。
【0022】ちなみに、メインマイコン1は自車輛位置を表す前記演算結果を受信し、表示器6に表示した地図に重ねて自車輛位置を表示する。
【0023】尚、GPSをロケーション検出部として使用する場合は、GPS電波を受信する受信機を前記車輪速センサ11および地磁気センサ12に代えて用いることになる。また、GPSを併用する場合は、GPS電波を受信する受信機を追加して備える構成とする。
【0024】4)操作スイッチの構成図5は、スクロールスイッチの配置例と表示編集画面を説明する図で、(a)はスクロールスイッチの配置例をキーボードの正面から見た図、(b) は表示編集画面と表示画面との関係をメモリ空間上でモデル的に表現した図、である。
【0025】図5(a) に例示した操作スイッチ4は、表示地図をスクロールするためのスイッチ群16-1, 16-2, ・・・, 16-8の配置例を示している。すなわち、表示地図を東西南北の4方位にスクロールさせることができると共に、北東、南東、南西、北西の4方位にもスクロールさせ、合計8方位にスクロール可能とした仕様例である。
【0026】ちなみに、操作スイッチ4の図上の上方向を北方位であると定義すれば、スクロールスイッチ16-1が表示地図を北方位にスクロールさせる為の指令を与える操作スイッチとなる。
【0027】尚、図上において地図表示と記載した操作スイッチ15は、自車輛位置に係わらず任意の地図を表示させる場合に操作するスイッチであることを示す。
【0028】5)画像編集用メモリの構成図5(b) は、メインマイコン1(図4)のメモリ空間上に設けた画像編集用メモリ空間を示している。
【0029】この仕様例においては、編集画面17を論理上9個のブロック17-1, 17-2, ・・・, 17-9から構成し、各ブロック17-1, 17-2, ・・・, 17-9の大きさを表示出力画面18の大きさと等しくしている。
【0030】すなわち、地図データ記憶部2(図4)に対する地図データのアクセスは、各論理ブロック17-1, 17-2, ・・・, 17-9の1ブロック単位で行い、それらのブロック17-1, 17-2, ・・・, 17-9をメインマイコンのメモリ空間上で繋ぎ合わせて1つの編集画面17を構成している。
【0031】そして、該編集画面17の目的とする位置部分を読み出し、表示出力画面18を得る仕組みである。また、そのことによって、表示地図のスクロール制御をリアルタイムで行うことができる。
【0032】ちなみに、一般的には自車輛の位置19を表示出力画面18の中央に配置して表示し、車輛の移動に伴って地図を移動させて該車輛の位置を表示する。
【0033】(2)ナビゲーション装置の作動(図4および図5参照)
1)作動概要ナビゲーション装置の作動は、メインマイコン1による統括制御と地図および自車輛位置の表示制御に代表することができる。
【0034】すなわち、操作スイッチ4で自車輛の位置が操作・指定されることにより、メインマイコン1は地図データ記憶部2をアクセスして当該地域の地図データを読み出し、駆動回路5を介して表示器6に表示させる。また、自車輛の現在位置を表示地図上に操作・指定することにより、自車輛の位置を表す記号を当該地図上に出力させる。
【0035】他方、車輛が移動すると、車輪速センサ11によって移動距離が検出され、地磁気センサ12によって移動方位が検出される。そこで、これらの値をロケーション演算マイコン13において経過時間で積分することで、出発位置からの移動方位と移動距離とを求める。そしてそのロケーション情報は、周期的に通信バス7上に送信する。
【0036】そこで、メインマイコン1は、受信したロケーション情報を基に表示地図上の自車輛位置を更新し、該表示地図上に自車輛の現在位置をリアルタイム表示する。
【0037】また、表示器6に表示する地図の方向を自車輛の進行方位によって変化させ、表示地図上に於ける自車輛の進行方向と実際の車輛の進行方向とを一致させている。例えば北へ向かって進行していた自車輛が東へ向かって進行するようになった場合は、表示器6に表示する地図の方向を左方向へ90°回転させる。すなわち、そのことによって車輛運転者の地図認識性を高めている。
【0038】ちなみに、一般的な地図表示方法としては、表示器6の上方に東西南北の4方位のうちの何れかを選択・制御して表示する方法と、南北の2方位のうちの何れかを選択・制御して表示する方法とがあり、その他に、表示器6の上方を北のみに固定して表示しているナビゲーション装置もある。
【0039】2)メインマイコンの処理作業図6は、メインマイコンの基本的な処理作業を説明するYAC II チャートである。
【0040】ナビゲーション装置が起動すると、先ずステップ S101 で地図を表示してステップ S102 へ移行する。
【0041】ステップ S102 では、操作スイッチ4が操作されたか否かを判断し、操作されていればステップ S103 で当該操作スイッチ4の定義・指定された処理を行ってステップ S105 へ移行する。また、操作スイッチ4が操作されていなければ、ステップ S104 で操作スイッチ4の操作終了処理を行ってステップ S105 へ移行する。
【0042】ステップ S105 では、ロケーション検出部3から自車輛のロケーション情報を送信して来たか否かを判断し、自車輛のロケーション情報を受信した場合は、ステップ S106 で当該ロケーション情報に基づいて表示地図上の自車輛位置の更新を行う。また、自車輛の実際の進行方向と地図上の進行方向とが相違する場合は、当該表示地図の表示方向を回転して該両方向を一致させる。
【0043】そして、ステップ S102 へ戻り、以後ステップ S102 〜ステップ S106 を繰り返し実行する。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】ナビゲーション装置が表示する地図の方向を車輛の進行方位に合わせて回転させることによって、地図上における自車輛の進行方向と実際の車輛の進行方向とを一致させ、車輛運転者の地図認識性を高めることができた。
【0045】しかし、表示された地図をスクロールする場合に、操作パネル上に定義されたスクロールスイッチのスクロール方向と、表示された地図のスクロール方向とが一致しなくなる問題がある。そのため、表示地図のスクロール操作を行う車輛運転者は、スクロール方向を混乱する事態となる。
【0046】図7は、地図表示方向の回転とスクロール操作との関係を説明する図で、(a)はスクロールスイッチに定義したスクロール方向と表示器に表示される地図の方向が一致している場合を示す図、(b) はスクロールスイッチに定義したスクロール方向と表示器に表示される地図の方向が不一致の場合を示す図、である。尚、操作スイッチと表示器とは、装置の同一パネル面上に併設しているものとする。
【0047】図7(a) の場合は、スクロールスイッチ16-1, 16-2, ・・・, 16-8に定義したスクロール方向(北、北東、東、南東、南、南西、西、北西)と、表示器6に表示している地図の方向とが一致しているので、該スクロールスイッチ16-1, 16-2, ・・・, 16-8を操作するとその表記した方向へ表示地図がスクロールする。
【0048】すなわち、図7(a) では、図上の上方向を示して表記したスクロールスイッチ16-1が北側へのスクロール操作・指令を表し、他方、表示器6の図上の上方向が北である。
【0049】したがって、スクロールスイッチ(北)16-1を操作すれば、表示器6に表示している地図は図上の下方へスクロールし、進行方位前方の地図を見ることができる。
【0050】ところで、図7(a) の表示地図に例示するように、車輛が前方の交差点を右方向すなわち東の方位へ進行方向を変えた場合は、表示器6に表示する地図の方向が回転して図7(b) の表示器6に示すような表示地図となる。したがって、車輛運転者は常に表示地図上を前方へ進む認識が得られ、地図認識性は良い。
【0051】しかし、そのことによって表示器6の図上の上方向が東となり、スクロールスイッチ16-1, 16-2, ・・・, 16-8に定義したスクロール方向と、表示地図のスクロール方向とが相違することになる。
【0052】そのため、スクロールスイッチ(北)16-1を操作すれば、表示器6に表示している地図は図上の右側へスクロールし、図上の上方向を示して表記した方向とは異なる方向にスクロールすることになる。
【0053】本発明の技術的課題は、地図の表示方向が変わっても、スクロールスイッチに表記された方向へ表示地図がスクロールするナビゲーション装置を実現することによって、地図認識性とスクロール操作性とを高め、優れた航行支援を可能とすることにある。
【0054】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の基本構成を説明する図で、(a) は構成を示すブロック図、(b) は表示手段の表示画面と表示地図スクロールスイッチとの関係を示す図、である。
【0055】本発明は、表示地図の回転に伴って、スクロールスイッチに定義するスクロール方位も変えるところに特徴がある。
【0056】すなわち、次の■〜■の構成要件を備えたナビゲーション装置である。
【0057】■地図データを記憶した地図データ記憶手段20
【0058】■自車輛の位置を検出する自車輛位置検出手段21
【0059】■自車輛の進行方位を検出する自車輛方位検出手段22
【0060】■地図と自車輛の位置とを描画する表示手段23
【0061】■前記■の表示手段23に表示された地図を、予め定義した方位にスクロールさせる為の指令を与える表示地図スクロールスイッチ25
【0062】■前記■の地図データ記憶手段20をアクセスして必要とする地図データを読み出すと共に前記■の表示手段23で当該地図を表示し、併せて、前記■の自車輛位置検出手段21から得られる自車輛位置を前記表示手段23に表示した地図に重ねて表示し、また、前記■の自車輛方位検出手段22から得られる進行方位に合わせて前記表示手段23に表示する地図の向きを変えると共に、該表示方向の変化に合わせて前記表示地図スクロールスイッチ25に定義する方位も変えて表示した地図のスクロールを行う表示制御手段24
【0063】
【作用】本発明の構成上における特徴は、表示制御手段24にある。すなわち、自車輛方位検出手段22から得られる進行方位に合わせて前記表示手段23に表示する地図の向きを変えると、該表示方向の変化に合わせて前記表示地図スクロールスイッチ25に定義する方位も変えて表示した地図のスクロールを行う。
【0064】したがって、表示地図の方向が如何なる方向であっても、スクロールスイッチ25に表記されたスクロール方向へ表示地図をスクロールすることができる。そのため、車輛運転者はスクロールスイッチを操作する際に、表示地図上における方位を考慮することなく、表示地図のスクロールを行うことができる。
【0065】このことは、図1(b) に例示するように、表示手段23に表示する地図の方位には関係無く、車輛運転者から見た方向(前方側F,後方側R、左方側L、右方側R)にのみ合わせて、表示地図スクロールスイッチ25-1, 25-2, 25-3, 25-4に定義するスクロール方向(前方、後方、左方、右方)を定義することを意味する。
【0066】すなわち、表示手段23に表示される地図の方向と、表示地図スクロールスイッチ25 (25-1, 25-2, 25-3, 25-4) に表記するスクロール方向とを常に一致するように表示制御を行うことにより、ナビゲーション装置の操作性が良好となる。
【0067】
【実施例】次に、本発明によるナビゲーション装置を、実際上どの様に具体化できるかを実施例で説明する。
【0068】(1)構成本実施例は、図4に例示したナビゲーション装置の構成をそのまま用いて本発明を実現する。但しこの場合、メインマイコン1の制御プログラムを変更する必要がある。
【0069】すなわち、メインマイコン1は駆動回路5を通して表示器6に表示する地図や自車輛位置の表示制御を行うが、操作スイッチ4のうちスクロールスイッチ16-1〜16-8(図5(a))に定義するスクロール方向を、地図表示方向に合わせて変える必要があるからである。
【0070】そして、変更を要するプログラム部分は、図6に例示する従来の処理作業のうち、ステップ S103 のスイッチ処理の部分である。
【0071】尚、地図の表示方向は、表示器6の上方向を北方位に表示する場合および南方位に表示する場合、東方位に表示する場合、西方位に表示する場合との4通りの表示方向を選択・制御することが可能な仕様とした。
【0072】そして、メインマイコン1のメモリ空間上に表示地図の方向を表すフラグを用意し、該メインマイコン1は、表示地図の方向を変えると該方向に合わせて該フラグを設定するように表示制御を行うプログラムとする。したがって、他のプログラム実行中においても前記フラグを参照すれば、何時でも表示地図の方向を知ることができる。
【0073】(2)作動図2は、実施例の作動を説明する図で、スクロールスイッチの処理作業を示すYAC II チャートである。尚、同図は、表示器に表示される地図の上方の方向が北方位の場合の処理作業を示している。
【0074】また、図3は、実施例の作動を説明する図表で、表示地図の方向に対するスクロール処理作業を一覧表形式で表した図表である。
【0075】尚、図2および図3共に、図5(b) にも例示したように表示地図を正面から見た場合の上方向をY座標とし、右方向をX座標としている。
【0076】1)表示地図の上方が北方位の場合のスクロール処理作業(図2参照)
■右方向のスクロールスイッチ16-3の処理作業すなわち、ステップ S201 で表示地図の上方向が北方位であるか否かを判断し、北方位であればステップ S202 へ移行して右方向のスクロールスイッチ16-3が操作されたか否かを判断する。そして、該スクロールスイッチ16-3が操作されていれば、ステップ S203 で表示出力画面18(図5(b))の読み出し座標をX座標方向へΔXだけ加算する。すなわち、予め決めた僅かな距離だけ移動する。
【0077】■右上方向のスクロールスイッチ16-2の処理作業また、ステップ S202 で右方向のスクロールスイッチ16-3が操作されていなければステップ S204 へ移行し、該ステップ S204 で右上方向のスクロールスイッチ16-2が操作されたか否かを判断する。そして、該スクロールスイッチ16-2が操作されていれば、ステップ S205 で表示出力画面18の読み出し座標をX座標方向へΔXだけ加算し、Y座標方向へΔYだけ加算する。
【0078】■上方向のスクロールスイッチ16-1の処理作業同様に、ステップ S204 で右上方向のスクロールスイッチ16-2が操作されていなければステップ S206 へ移行し、該ステップ S206 で上方向のスクロールスイッチ16-1が操作されたか否かを判断する。そして、該スクロールスイッチ16-1が操作されていれば、ステップ S207 で表示出力画面18の読み出し座標をY座標方向へΔYだけ加算する。
【0079】以下同様に、各スクロールスイッチについて操作されたか否かを判断し、読み出し座標を僅かづつ変える。
【0080】■左上方向のスクロールスイッチ16-8の処理作業すなわち、ステップ S206 で上方向のスクロールスイッチ16-1が操作されていなければステップ S208 へ移行し、該ステップ S208 で左上方向のスクロールスイッチ16-8が操作されたか否かを判断する。そして、該スクロールスイッチ16-8が操作されていれば、ステップ S209 で表示出力画面18の読み出し座標をX座標方向へ−(マイナス)ΔXだけ加算し、Y座標方向へΔYだけ加算する。
【0081】■左方向のスクロールスイッチ16-7の処理作業ステップ S208 で左上方向のスクロールスイッチ16-8が操作されていなければステップ S210 へ移行し、該ステップ S210 で左方向のスクロールスイッチ16-7が操作されたか否かを判断する。そして、該スクロールスイッチ16-7が操作されていれば、ステップ S211 で表示出力画面18の読み出し座標をX座標方向へ−ΔXだけ加算する。
【0082】■左下方向のスクロールスイッチ16-6の処理作業ステップ S210 で左方向のスクロールスイッチ16-7が操作されていなければステップ S212 へ移行し、該ステップS212 で左下方向のスクロールスイッチ16-6が操作されたか否かを判断する。そして、該スクロールスイッチ16-6が操作されていれば、ステップ S213 で表示出力画面18の読み出し座標をX座標方向へ−ΔX、Y座標方向へ−ΔYだけ加算する。
【0083】■下方向のスクロールスイッチ16-5の処理作業ステップ S212 で左下方向のスクロールスイッチ16-6が操作されていなければステップ S214 へ移行し、該ステップ S214 で下方向のスクロールスイッチ16-5が操作されたか否かを判断する。そして、該スクロールスイッチ16-5が操作されていれば、ステップ S215 で表示出力画面18の読み出し座標をY座標方向へ−ΔYだけ加算する。
【0084】■右下方向のスクロールスイッチ16-4の処理作業ステップ S214 で下方向のスクロールスイッチ16-5が操作されていなければステップ S216 へ移行し、該ステップS216 で右下方向のスクロールスイッチ16-4が操作されたか否かを判断する。そして、該スクロールスイッチ16-4が操作されていれば、ステップ S217 で表示出力画面18の読み出し座標をX座標方向へΔXだけ加算し、Y座標方向へ−ΔYだけ加算する。
【0085】以上の何れかのスイッチ処理作業を完了したらステップ S218 へ移行し、求めた座標(X,Y)を中心に地図を表示する。
【0086】尚、以上の■〜■に示した処理作業は、図3R>3に示す図表の2行目に整理して示している。すなわち、表示地図の上方向が北の場合のスクロール処理であり、スクロールスイッチの表記方向毎に読み出し座標を示している。
【0087】2)表示地図の上方が南、東、西方位の場合のスクロール処理作業前記1)で説明した処理作業は、表示地図の上方が南あるいは東や西の場合であってもそのルーチンは同じである。異なる点は、読み出し座標のシフト方向が異なるだけである。尚、ステップ S201 はそれぞれ対応する方位を判定する作業に変わる。
【0088】例えば、表示地図の上方が南の場合については、スクロールスイッチが操作された場合には、図3の3行目に整理して示してある座標を読み出し座標とすればよい。以下の■〜■に要約して説明する。
【0089】■右方向のスクロールスイッチ16-3の処理作業X座標方向へ−ΔXだけ加算する。
【0090】■右上方向のスクロールスイッチ16-2の処理作業X座標方向へ−ΔXだけ加算し、Y座標方向へ−ΔYだけ加算する。
【0091】■上方向のスクロールスイッチ16-1の処理作業Y座標方向へ−ΔYだけ加算する。
【0092】■左上方向のスクロールスイッチ16-8の処理作業X座標方向へΔXだけ加算し、Y座標方向へ−ΔYだけ加算する。
【0093】■左方向のスクロールスイッチ16-7の処理作業X座標方向へΔXだけ加算する。
【0094】■左下方向のスクロールスイッチ16-6の処理作業X座標方向へΔX、Y座標方向へΔYだけ加算する。
【0095】■下方向のスクロールスイッチ16-5の処理作業Y座標方向へΔYだけ加算する。
【0096】■右下方向のスクロールスイッチ16-4の処理作業X座標方向へ−ΔXだけ加算し、Y座標方向へΔYだけ加算する。
【0097】尚、表示地図の上方が東および西の場合においても、図3に示す図表にしたがって読み出し座標を求めればよい。その結果、表示地図の方向に関係なくスクロールスイッチ16-1〜16-8の表記方向へ表示地図をスクロールすることができる。
【0098】
【発明の効果】以上のように本発明のナビゲーション装置によれば、表示地図の方向にかかわらずスクロールスイッチに表記された方向へ表示地図をスクロールすることができる。
【0099】したがって、地図認識性とスクロール操作性が良好なナビゲーション装置を実現することができる。またその結果、優れた航行支援が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を説明する図で、(a) は構成を示すブロック図、(b) は表示手段の表示画面と表示地図スクロールスイッチとの関係を示す図、である。
【図2】実施例の作動を説明する図でスクロールスイッチの処理作業を示すYAC IIチャートである。
【図3】実施例の作動を説明する図表で、表示地図の方向に対するスクロール処理作業を一覧表形式で表した図表である。
【図4】ナビゲーション装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】スクロールスイッチの配置例と表示編集画面を説明する図で、(a)はスクロールスイッチの配置例をキーボードの正面から見た図、(b) は表示編集画面と表示画面との関係をメモリ空間上でモデル的に表現した図、である。
【図6】メインマイコンの基本的な処理作業を説明するYAC II チャートである。
【図7】地図表示方向の回転とスクロール操作との関係を説明する図で、(a) はスクロールスイッチに定義したスクロール方向と表示器に表示される地図の方向が一致している場合を示す図、(b) はスクロールスイッチに定義したスクロール方向と表示器に表示される地図の方向が不一致の場合を示す図、である。
【符号の説明】
1 メインマイコン(Main-Microcomputer)
2 地図データ記憶部
3 ロケーション検出部
4 操作スイッチ
5 駆動回路
6 表示器
7 通信バス
8 CD−ROM(Compact Disk − Read-Only Memory)
9 デコーダ
10 CD−ROM制御マイコン
11 車輪速センサ
12 地磁気センサ
13 ロケーション演算マイコン
14 ナビゲーション装置
15 地図表示スイッチ
16-1〜16-8 スクロールスイッチ
17 (17-1〜17-9) 表示編集画面
18 表示出力画面
19 自車輛の位置
20 地図データ記憶手段
21 自車輛位置検出手段
22 自車輛方向検出手段
23 表示手段
24 表示制御手段
25 (25-1〜25-4) 表示地図スクロールスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 地図データを記憶した地図データ記憶手段(20)と、自車輛の位置を検出する自車輛位置検出手段(21)と、自車輛の進行方位を検出する自車輛方位検出手段(22)と、地図と自車輛の位置とを描画する表示手段(23)と、前記表示手段(23)に表示された地図を、予め定義した方位にスクロールさせる為の指令を与える表示地図スクロールスイッチ(25)と、前記地図データ記憶手段(20)をアクセスして必要とする地図データを読み出すと共に前記表示手段(23)で当該地図を表示し、併せて、前記自車輛位置検出手段(21)から得られる自車輛位置を前記表示手段(23)に表示した地図に重ねて表示し、また、前記自車輛方位検出手段(22)から得られる進行方位に合わせて前記表示手段(23)に表示する地図の向きを変えると共に、該表示方向の変化に合わせて前記表示地図スクロールスイッチ(25)に定義する方位も変えて表示した地図のスクロールを行う表示制御手段(24)と、を備えて成ることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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