説明

ナフサの分留方法、及びナフサ製品生産方法、並びにナフサ製品生産支援方法及び支援システム

【課題】 用途が多岐にわたるナフサを原料用途別に最適な比率で分留が行えるナフサ分留方法、ナフサ製品を経済的に有利となる分配をするナフサ製品生産方法、ナフサ製品の生産を支援して生産効率を向上させるナフサ製品生産支援方法及び支援システムを提供する。
【解決手段】
原油に含まれるナフサを常圧蒸留法により分留して取り出すナフサの分留方法であって、分留の留出温度の違いにより、ナフサを、軽質ナフサと、重質ナフサと、重質ナフサの初留点から前記軽質ナフサの終点までの留出温度範囲を持つ中間ナフサとの少なくとも3成分に分留する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、常圧蒸留法によりナフサ製品を分留するナフサの分留方法、及びナフサ製品生産方法、並びにナフサ製品生産支援方法及び支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図8に示すように、脱硫セクションを含む常圧蒸留装置により高温に加熱した原油を、各炭化水素の沸点の違いを利用してLPG(液化石油ガス)、ナフサ、灯油、軽油、重油等の各留分に分離する際に、分留して得られる直留ナフサ留分は、沸点範囲の違いによって軽質ナフサ、重質ナフサの2種類に区分されている。軽質ナフサの用途としては、エチレン、プロピレン等の石油化学製品の原料や、自動車ガソリンの調合用の基材として使用されている。重質ナフサは、接触改質装置の原料となり、接触改質装置で改質ガソリンが製造されている。
【0003】
軽質ナフサを自動車ガソリンの調合用の基材として使用する場合は、硫黄分を取り除いてそのままガソリン基材として使用する以外に、異性化装置に供給し、異性化反応により、オクタン価の高いガソリン基材に異性化させて使用する場合がある等、軽質ナフサは様々な形態で使用されている。
【0004】
石油精製から得られるナフサの用途をまとめると、
(1) エチレン、プロピレン等の石油化学製品を製造するための原料として使用する。
(2) 脱硫装置で脱硫し、ガソリン製造用の基材として使用する。または、異性化装置で異性化反応を行い、オクタン価の高いガソリン基材を得る。
(3) 接触改質装置で改質反応を行い、ガソリン製造用の改質ガソリンを得る。
等が挙げられる。
通常、常圧蒸留装置から得られる直留ナフサ留分は、軽質ナフサと重質ナフサの2成分に分留して用途別に振り分けており、軽質ナフサと重質ナフサは80〜90℃の温度で分留している。
【0005】
また、ナフサを軽質ナフサと重質ナフサに分留し、ガソリン基材として使用する従来の方法を改善した方法が提案されている(特許文献1参照)。これによれば、75〜95℃の範囲から選ばれる任意の温度で、原料ナフサを軽質留分と重質留分とに分留し、その軽質留分を水素と共に第1接触改質装置(リフォーマー)に供給して改質生成物を得ると共に、重質ナフサを水素と共に第2接触改質装置(リフォーマー)に供給して改質生成物を得て、第1改質生成物と第2改質生成物を混合している。
【0006】
【特許文献1】特開平7−166172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが上記の方法においても、ナフサを2成分だけに分留しており、接触改質装置には良質ではない炭素数5(沸点が60℃以下)の低沸点留分も併せて改質させることになり、接触改質装置の効率低下が懸念される。従って、ナフサを有効に活用するには更なる効率的な方法が望まれる。
図9に示すように、軽質ナフサは、ガソリン基材や異性化装置原料として使用が好適であり、石油化学製品の原料としても好適であるが、改質装置原料としては不適である。また、重質ナフサは、改質装置原料として好適であるが、他の用途には不適である。このように、ナフサ製品は、用途毎に原料となるナフサの最適な成分が決まっており、軽質ナフサと重質ナフサの2成分だけの分留では真の最適化は困難である。
【0008】
また、ナフサ製品を原料とする生成品の市場価格は変動するため、生産するタイミングにおいて最も経済的効果の高い得率で各ナフサ成分を生産することが好ましい。そこで、図10に示すように、軽質ナフサを主原料とするガソリン基材の単価と、重質ナフサを用いて接触改質装置で生成する接触改質ガソリンの単価とを分留の留出温度毎に求めた評価曲線に基づいて、各評価曲線の交点を分留温度として設定することがなされている。これにより、軽質ナフサと重質ナフサを経済的効果を高めて生産することができる。しかし、重質ナフサについては、炭素数が10以下のナフサが接触改質装置にとって高効率で処理可能であり、かつ、炭素数が多いほど良質であるが、留出温度の低い重質ナフサが優先的に使用され、炭素数10のナフサが使用されない場合がある。また、留出温度の低い重質ナフサを選択的に除去しても、その除去分がガソリン基材の原料として使用されることになると、ガソリン基材の単価が低いことから経済的に不利な配分となる事態を生じる。
【0009】
そこで本発明者は、ナフサの性状、用途、ナフサ製品に適した原料の性状を調査し、用途毎に適した原料ナフサを得るためのナフサの供給方法を鋭意研究した。また、ナフサ製品の価格についても調査し、得られたナフサをどの用途に使用することが経済的であるかを判定するシステムについても鋭意研究し、本発明を提案するに至った。
【0010】
即ち、本発明は上記従来の状況に鑑み、第1に、用途が多岐にわたるナフサを原料用途別に最適な比率で分留が行えるナフサ分留方法を提供すること、第2に、ナフサ製品を経済的に有利となる分配をするナフサ製品生産方法を提供すること、第3に、ナフサ製品の生産を支援して生産効率を向上させるナフサ製品生産支援方法及び支援システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は本発明に係る下記構成により達成される。
(1)原油に含まれるナフサを常圧蒸留法により分留して取り出すナフサの分留方法であって、分留の留出温度の違いにより、前記ナフサを、軽質ナフサと、重質ナフサと、前記重質ナフサの初留点から前記軽質ナフサの終点までの留出温度範囲を持つ中質ナフサとの少なくとも3成分に分留することを特徴とするナフサの分留方法。
【0012】
このナフサ分留方法によれば、原油に含まれるナフサを軽質ナフサ、中質ナフサ、重質ナフサの3成分に分留することにより、中質ナフサをその利用目的に応じて製品原料として供することができ、原料用途別に最適な比率の分留が実施できる。
【0013】
(2) (1)記載のナフサの分留方法であって、前記軽質ナフサの分留範囲が、沸点30℃以上を初留点とし、沸点70〜80℃を終点とする範囲であることを特徴とするナフサの分留方法。
【0014】
このナフサ分留方法によれば、軽質ナフサの分留の留出温度範囲が、沸点30℃以上、沸点70〜80℃までの範囲となる。
【0015】
(3) (2)記載のナフサの分留方法であって、前記中質ナフサの分留範囲が、前記軽質ナフサの終点を初留点とし、沸点105℃以下を終点とする範囲であることを特徴とするナフサの分留方法。
【0016】
このナフサ分留方法によれば、中質ナフサの分留の留出温度範囲が、軽質ナフサの終点以上、沸点105℃以下の範囲となる。
【0017】
(4) (3)記載のナフサの分留方法であって、前記重質ナフサの分留範囲が、前記中質ナフサの終点を初留点とし、沸点180℃以下を終点とする範囲であることを特徴とするナフサの分留方法。
【0018】
このナフサ分留方法によれば、重質ナフサの分留の留出温度範囲が、中質ナフサの終点から、沸点180℃以下の範囲となる。
【0019】
(5) (1)〜(4)のいずれか1項記載のナフサの分留方法であって、原油を常圧蒸留法により前記軽質ナフサと前記重質ナフサとに分留した後、この分留された重質ナフサを脱硫処理して前記中質ナフサを抽出することを特徴とするナフサの分留方法。
【0020】
このナフサ分留方法によれば、軽質ナフサと重質ナフサとに分留した後、この分留された重質ナフサを脱硫処理して中質ナフサを抽出することにより、従前からの設備を活かして分留することができ、設備コストの増大を抑制できる。
【0021】
(6) (1)〜(5)のいずれか1項記載のナフサの分留方法を用いて、常圧蒸留法によりナフサ成分を少なくとも前記軽質ナフサ、前記中質ナフサ、前記重質ナフサに分留する際に、前記軽質ナフサの留出温度範囲の終点及び前記中質ナフサの初留点を表す第1の温度と、前記中質ナフサの留出温度範囲の終点及び前記重質ナフサの初留点を表す第2の温度とを調整して、前記軽質ナフサ、前記中質ナフサ、前記重質ナフサのそれぞれに対する原油からの各得率を変更することを特徴とするナフサ製品生産方法。
【0022】
このナフサ製品生産方法によれば、第1の温度と第2の温度を調整することにより簡単に得率を変更することができる。
【0023】
(7) (1)〜(5)のいずれか1項記載のナフサの分留方法を用いて、常圧蒸留法によりナフサ成分を少なくとも前記軽質ナフサ、前記中質ナフサ、前記重質ナフサに分留し、前記中質ナフサの留分の少なくとも一部を、前記軽質ナフサ又は前記重質ナフサのいずれかに混合して、前記軽質ナフサ、前記中質ナフサ、前記重質ナフサの各得率を変更することを特徴とするナフサ製品生産方法。
【0024】
このナフサ製品生産方法によれば、分留して得た中質ナフサの少なくとも一部を軽質ナフサや重質ナフサに混合することにより、軽質ナフサや重質ナフサ、及び中質ナフサの各得率を適切に調整することができる。
【0025】
(8) 原油に含まれるナフサを常圧蒸留法により分留の留出温度範囲の異なる複数種のナフサ製品に分留し生産するためのナフサ製品の生産計画を作成し、ナフサ製品の生産工程を支援するナフサ製品生産支援方法であって、前記ナフサ製品が、分留の留出温度の違いにより、軽質ナフサと、重質ナフサと、前記軽質ナフサの終点から前記重質ナフサの初留点までの留出温度範囲を持つ中質ナフサとを少なくとも有し、前記ナフサ製品それぞれを主原料とする生成品の単価と、そのナフサ製品の留出温度との関係を表す価格評価曲線を、前記ナフサ製品のそれぞれに対して求めるナフサ成分価格評価ステップと、前記生成品の価格評価曲線のうち同一留出温度において高単価となる価格評価曲線を、それぞれ全留出温度に亘って連結して生産計画曲線を設定する生産計画曲線設定ステップと、前記生産計画曲線上における前記価格評価曲線同士の交点を求め、該交点に対する留出温度に基づいて前記各ナフサ製品の分留温度範囲を決定する分留温度範囲設定ステップと、を有することを特徴とするナフサ製品生産支援方法。
【0026】
このナフサ製品生産支援方法によれば、生成品毎の価格評価曲線から生産計画曲線を設定し、価格評価曲線同士の交点から分留温度範囲を決定することで、ナフサ製品の価格を加味した経済効果の高い生産計画を作成することができる。
【0027】
(9) (8)記載のナフサ製品生産支援方法であって、前記価格評価曲線が、前記軽質ナフサを主原料とする生成品の価格を表す第1価格評価曲線、前記中質ナフサを主原料とする生成品の価格を表す第2価格評価曲線、前記重質ナフサを主原料とする生成品の価格を表す第3価格評価曲線からなり、前記第1価格評価曲線と前記第2価格評価曲線との交点に対する留出温度を前記中質ナフサの初留点とし、前記第2価格評価曲線と前記第3価格評価曲線との交点に対する留出温度を前記中質ナフサの終点として、各ナフサ製品に対する分留の抽出温度範囲を設定することを特徴とするナフサ製品生産支援方法。
【0028】
このナフサ製品生産支援方法によれば、軽質ナフサを主原料とする例えばガソリン基材の価格を表す第1価格評価曲線、中質ナフサを主原料とする例えば石油化学原料の価格を表す第2価格評価曲線、重質ナフサを主原料とする例えば接触改質装置の原料(接触改質ガソリン)の価格を表す第3価格評価曲線から、各ナフサ製品に対して、経済効果を高めて分留するための抽出温度範囲を簡単に設定することができる。
【0029】
(10) 原油に含まれるナフサを常圧蒸留法により分留の留出温度範囲の異なる複数種のナフサ製品に分留し生産するためのナフサ製品の生産計画を作成する生産計画作成手段を備え、前記ナフサ製品の生産工程を支援するナフサ製品生産支援システムであって、前記ナフサ製品が、分留の留出温度の違いにより、軽質ナフサと、重質ナフサと、前記重質ナフサの初留点から前記軽質ナフサの終点までの留出温度範囲を持つ中間ナフサとを少なくとも有し、前記生産計画作成手段が、前記ナフサ製品それぞれを主原料とする生成品の単価と、そのナフサ製品の留出温度との関係を表す価格評価曲線を、前記ナフサ製品のそれぞれに対して求めるナフサ成分価格評価機能と、前記生成品の価格評価曲線のうち同一留出温度において高単価となる価格評価曲線を、それぞれ全留出温度に亘って連結して生産計画曲線を設定する生産計画曲線設定機能と、前記生産計画曲線上における前記価格評価曲線同士の交点を求め、該交点に対する留出温度に基づいて前記各ナフサ製品の分留温度範囲を決定する分留温度範囲設定機能と、を有することを特徴とするナフサ製品生産支援システム。
【0030】
このナフサ製品生産支援システムによれば、生成品毎の価格評価曲線から生産計画曲線を設定し、価格評価曲線同士の交点から分留温度範囲を決定することで、ナフサ製品の価格を加味した経済効果の高い生産計画を作成することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、用途が多いナフサの運用において、ナフサ製品にとって最適な原料組成のナフサを供給できる。また、価値が高いナフサ製品に対して優先的に原料として最適なナフサを供給でき、経済的で効率の良いナフサの活用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に、本発明に係るナフサの分留方法及びナフサ製品生産方法、並びに、ナフサ製品生産支援方法及び支援システムの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、常圧蒸留装置から得られるナフサ留分を、軽質ナフサ、中質ナフサ、重質ナフサの3成分に分離することで、各ナフサ成分の生産効率を高め、良質な原料として供給可能にすることを基幹技術としている。
【0033】
まず、常圧蒸留装置から得られるナフサについて説明する。
常圧蒸留装置とは、250〜350℃に加熱した原油を、大気圧下で各炭化水素の沸点の違いを利用して、LPG(液化石油ガス)、ナフサ・ガソリン、灯油、軽油、常圧重質油等の各留分に分離する装置である。
【0034】
ナフサは、原油を常圧蒸留装置で蒸留した際、沸点範囲が30〜180℃程度の温度範囲で得られる留分であり、このうち沸点範囲が約30〜85℃のものを軽質ナフサ、沸点範囲が約85〜180℃のものを重質ナフサと呼び、これらと区別するためナフサ全留分をフルレンジナフサまたはホールナフサと呼んでいる。
【0035】
本発明においては、従来の軽質ナフサ、重質ナフサ以外に、特定の沸点範囲にあるナフサを中質ナフサとして抜き出すことを特徴としている。本発明に係るナフサの運用について、図1に本発明に係るナフサ生産の工程説明図、図2にナフサの主な用途と適性を表す説明図を示した。
【0036】
本発明の特徴である中質ナフサは、留出開始温度となる初留点から留出終了温度となる終点までの範囲を70〜105℃として設定する。例えば、軽質ナフサの終点が75℃、重質ナフサ留分の初留点が105℃である場合、中質ナフサ留分の初留点は75℃、終点は105℃となる。
【0037】
軽質ナフサは、ガソリン製造用の基材として使用する場合、脱硫してガソリン製造用の基材として使用する場合と、異性化装置で異性化反応を行い、オクタン価の高いガソリン基材を得る場合がある。軽質ナフサを異性化する方法については、従来から多くの研究がなされており、異性化反応に用いられる触媒も種々のものが知られているが、その中でも有用な異性化触媒としては固体酸触媒を挙げることができる。固体酸触媒を用いた異性化方法は例えば特公平6−29199号公報に開示されている。
【0038】
異性化装置の原料としてナフサを使用する場合、炭素数5〜6の炭化水素が異性化装置の原料として好適に用いられる。炭素数7以上の炭化水素は、プロパン、ブタン留分に分解され、この分解に伴って触媒上にコークが堆積し、触媒活性が低下するため、一般的には炭素数7以上の炭化水素を2%以下とすることが望ましい。
【0039】
ナフサを軽質と重質の2成分だけに分留する場合、その軽質ナフサの終点は80〜90℃であり、異性化装置の原料としては好ましくない炭素数7の成分も含まれる。しかし、ナフサを軽質と中質と重質の3成分に分留する場合には、軽質ナフサの終点を80℃以下に設定することにより、炭素数6以下の成分が軽質ナフサの主成分となり、異性化反応には好適な原料となる。このように、軽質ナフサの終点は80℃以下が好ましい。この温度以下ならば、異性化反応を高効率で行うことができる。
【0040】
上記の中質ナフサは、エチレン、プロピレン等の石油化学製品を製造するための原料として最適に使用することができる。
石油化学製品は、基礎製品、中間製品、最終製品に分類でき、基礎製品としてはエチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィンのほか、芳香族であるBTX等の合成原料がある。中間製品にはエチレンから生成する塩化ビニル、プロピレンから生成するアクリロニトリル、ブタジエンから生成するアジピン酸、ヘキサメチレンジアミン等がある。最終製品としては、基礎製品、中間製品を原料として、ポリエチレン等のプラスチック、ナイロン6、6等の合成繊維、ブタジエンゴム等が挙げられる。
【0041】
また、ナフサを軽質と重質の2成分だけに分留した場合では、石油化学製品を製造する原料として最適な成分ではない場合もある。しかし、ナフサを軽質と中質と重質の3成分に分留することで、石油化学製品を製造する原料として好ましい留分を任意に選択することが可能となる。
【0042】
重質ナフサ留分は、接触改質装置で改質反応を行い、ガソリン製造用の改質ガソリンを得るために使用する。
接触改質装置とは、原料となる重質ナフサを、触媒を用いて高オクタン価ガソリンに改質する装置である。接触改質装置の代表的な装置としては、プラットフォーマー(白金を触媒とする接触改質装置)があり、重質ナフサ中のパラフィン系の炭化水素を改質することにより、オクタン価の高い芳香族系の炭化水素に改質している。接触改質装置により得られる改質ナフサをリフォーメートと呼んでいる。
【0043】
接触改質装置の原料としては、炭素数10以下のナフサが適しており、その中でも炭素数が多いほど良質な原料として好適に用いられる。従来のような2成分に分留した重質ナフサでは、初留点が80〜90℃となるため接触改質装置の能力から原料として良質な炭素数が多い成分を配合することができなかった。本発明の場合、中質ナフサを抜き出すことにより、接触改質装置の原料として好適な炭素数10以下の重質ナフサを優先的に配合することができる。
【0044】
ナフサを3成分に分留する方法としては、常圧蒸留装置から軽質、中質、重質ナフサの3成分の抜き出す場合と、常圧蒸留装置から軽質、重質ナフサの2成分に分留後、ナフサ脱硫装置により更に中質ナフサのみを分留する場合がある。本発明はこれらの方法には影響を受けないが、既存の常圧蒸留装置を改造せず、3成分を分留できる意味から、常圧蒸留装置から軽質、重質ナフサの2成分に分留後、ナフサ脱硫装置から中質ナフサのみを分留する方法が好ましい。
【0045】
次に、ナフサを生産し出荷するまでのナフサ製品生産管理システムに組み込まれた本発明に係るナフサ製品生産及び生産支援方法について詳細に説明する。
本ナフサ製品生産及び生産支援方法は、ナフサを最適に有効利用するための方法であり、ナフサを各種のナフサ製品に使用する際、どの製品に使用するかを判定する方法である。なお、ナフサは原油から得られる製品の一部であり、ナフサ以外の製品も同様な分留により生成しているが、ここでは特にナフサ成分についてのみ言及し、他の製品ついては省略することにする。
【0046】
図3はナフサ製品生産管理システムの概要を示す説明図である。
ナフサ製品生産システム10は、主にコンピュータ装置からなり、各機能毎に端末コンピュータ等を配置して、それぞれの端末コンピュータをネットワーク接続した構成をとっている。ネットワークとしては、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet protocol)等の汎用のプロトコルに基づくインターネットやイントラネット等として構成される。
【0047】
ナフサ製品生産管理システム10は、発注や入荷状況等を管理する入荷管理手段13、生産工程を管理する生産管理手段15、出荷や納品状況等を管理する出荷管理手段17、そして、生産計画作成手段19を有して構成され、原油供給元21から生産設備23に原油を入荷させ、所定の生産計画に基づいて生産処理して、顧客25に向けて出荷するシステムである。本発明に係るナフサ製品生産方法は、主に生産管理手段15により実施され、ナフサ製品生産支援方法は、生産計画作成手段19により実施され、この生産計画作成手段19がナフサ製品生産支援装置に相当する。ナフサ製品生産支援装置は、コンピュータ装置から構成され、図示は省略するが、各種情報を入力するための入力部と、演算結果等の情報を表示する表示部や他の機器に信号を出力する出力部、各種データを記憶するメモリ装置等の記憶部等が接続されている。
【0048】
以下、具体的なナフサの生産方法及び生産支援方法について、図4に示す処理手順のフローチャートと、図5に示すデータブロック図を用いて説明する。
<性状データベース準備工程>
まず、原油種毎にナフサ成分を集計したナフサ性状データベース31を準備する(ステップ11、以降はS11と略記する)。このナフサ性状データベース31には、ナフサ成分の沸点が3〜5℃刻みに分析された性状の結果が集計されており、そのデータとしては、得率、オクタン価(RON)、密度、蒸気圧、ナフテン、アロマ含有量、炭素分子数等がある。
【0049】
<原料(ナフサ)評価工程>
次に、実際の常圧蒸留装置では、複数の原油種を混合して処理するため、混合原油から得られるナフサ留分の性状を、ナフサ性状データベース31から推定により評価する(S12)。つまり、混合原油の性状を表す原油性状データ33に対して、ナフサ性状データベース31を参照し、この混合原油の評価結果をナフサ留分性状評価データ35として生成する。
【0050】
<ナフサ製品評価工程>
次に、ナフサ成分の沸点を3〜5℃で刻み、それぞれの留出温度範囲に対して、各留分をガソリン基材として使用した場合、石油化学原料として使用した場合、接触改質装置の原料(接触改質ガソリンの原料)として使用した場合の3ケースで価格を算出する。
【0051】
(1)ガソリン基材として評価する場合は、輸入等により入荷するナフサとリフォーメート資材のそのときの価格及びオクタン価を調査し、その結果としてのナフサ価格、性状、異性化装置運転条件を生産計画作成手段19に入力して登録する(S13)。そして、混合原油から得られるナフサ留分(沸点が3〜5℃刻みの各留分)の性状より、ガソリン基材価格を算出する(S14)。
【0052】
(2)石油化学製品の原料として評価する場合は、ナフサの価格及びその性状を調査し、その結果をナフサ価格・性状データ39として生産計画作成手段19に入力して登録する(S15)。そして、混合原油から得られるナフサ留分(沸点が3〜5℃刻みの留分)の密度を基に、石油化学製品の原料としての価格を算出する(S16)。
【0053】
(3)接触改質装置の原料として評価する場合は、接触改質装置の運転条件データ(プロパン、ブタン、リフォーメート、水素の得率、性状と燃料ガス等の精製費)41を生産計画作成手段19に入力して登録する(S17)。そして、これを基に、混合原油から得られるナフサ留分(沸点が3〜5℃で刻みの留分)を接触改質装置で処理した場合、得られる製品の性状を推定し、製品の収率及び価格を算出する(S18)。
【0054】
このような作業により、3〜5℃の沸点毎にナフサをガソリン基材、石油化学原料、接触改質装置原料としてそれぞれ使用した場合の価格変化を表す3本の価格評価曲線43,45,47が作成される(S19)。そして、軽質ナフサ、中質ナフサ、重質ナフサの価格がそれぞれ最も高い値を示すように3成分のナフサを活用すれば、経済的なナフサの活用が可能となる。
【0055】
図6に沸点に対するガソリン基材の価格評価曲線、石油化学製品の価格評価曲線、接触改質装置による製品の価格評価曲線、及び生産計画曲線を示した。
ガソリン基材の価格評価曲線43、石油化学製品の価格評価曲線45、接触改質装置による製品の価格評価曲線47のうち、同一留出温度において高単価となる価格評価曲線を、それぞれ全留出温度に亘って連結した曲線が生産計画曲線49となる。即ち、図6に示す場合は、ガソリン基材の価格評価曲線43と石油化学製品の価格評価曲線45との交点P1、及び、と石油化学製品の価格評価曲線45と接触改質装置による製品の価格評価曲線47との交点P2を求め、この交点P1を軽質ナフサの終点(中質ナフサの初留点)とし、交点P2を中質ナフサの終点(重質ナフサの初留点)とする。
【0056】
このように、軽質ナフサはガソリン基材として使用し、中質ナフサは石油化学原料として使用し、重質ナフサは接触改質装置の原料として使用する場合が最も経済的であると判定される。輸入ナフサや輸入リフォーメートの価格によっては、これら曲線の上下関係が逆転するため、本システムを使用すればナフサの最適な用途が簡単に把握することができる。また、従来2成分で運用されていたナフサの価格(図10)と比べると、本発明による中質ナフサの活用により、図7の斜線領域Aが経済的なメリットとして得られることになる。
【0057】
<分留温度決定工程>
上記の図6において、各曲線の交点P1,P2は、軽質ナフサ、中質ナフサ、重質ナフサの分留温度を示している。そこで、これら交点P1,P2に対する温度を分留温度に設定する(S21)。即ち、交点P1,P2の示す温度でナフサを分留することで、経済的に価値のあるナフサが得られることになる。例えば、図6に示す場合は、軽質ナフサは終点が70℃になるよう分留し、ガソリン基材として使用する。中質ナフサは初留点70℃、終点105℃になるよう分留し、石油化学原料として使用する。重質ナフサは初留点が105℃となるよう分留し、接触改質装置の原料として使用するように一旦生産計画を仮設定する。
【0058】
<制約確認工程>
次に、このようにして生産計画を仮設定したナフサ製品においても、ガソリン基材として使用する場合は調合後のガソリン性状(蒸気圧や50%留出温度)の制約があるので、この制約を満足した生産計画であるかをガソリン性状規格データ51を参照して確認する。仮設定した生産計画がこの規格から外れていた場合には、分留温度を表す前述の交点P1,P2の位置を適宜変更し、ガソリン性状の規格を満足するまで再計算を行う(S22)。
【0059】
<最適生産計画作成工程>
以上の工程により、ナフサ製品が規格を満足していることが確認されれば、上記の仮生産計画をナフサの最適な生産計画として設定する(S23)。この生産計画は、図3における生産計画作成手段19から生産管理手段15に送られる。生産管理手段15は、この生産計画を受け取り、この生産計画に基づいて生産設備23を操業する。
【0060】
ガソリン基材の価格、石油化学の原料価格、接触改質装置の原料価格は変動し、ナフサをどの用途に使用するか判断するには、個々の製品価格を算出し、用途を定期的に見直す必要がある。しかし、本システムの場合、ナフサの性状、ナフサの収率、ガソリン価格、ガソリンの輸出入価格等を本発明のシステムに入力すると、モニタ等の出力装置に沸点毎の価格が図6のように表示され、中質ナフサをどの用途に使用し、何度で分留すれば最も経済的になるかを簡単に判断することができる。
【0061】
本システムの更なる活用方法として、装置が複数存在する場合、それぞれの装置毎に適した形態で、ナフサの処理を行うことが可能となる。
例えば、接触改質装置が複数器存在する場合、装置毎にLPG、リフォーメート、水素などの収率が異なるため、価格評価曲線も装置毎に特有の曲線を描くことができる。
各装置の特性を反映させた価格評価曲線に基づきナフサを活用することで、より経済的なナフサの活用が可能となる。
【実施例1】
【0062】
本発明の内容を更に具体的に説明するために、以下に実施例及び比較例を示す。
【表1】

【0063】
<比較例>
ナフサを2成分(軽質ナフサ、重質ナフサ)に分留する従来の方法を比較例とする。石油精製プラントの常圧蒸留装置から留出するナフサが200klとし、軽質ナフサ留分が100kl、重質ナフサ留分を100klとする。重質ナフサ留分は全量が接触改質装置の原料として使用され、軽質ナフサ留分は、30klがガソリン基材に使用され、70klが石油化学の原料として使用されると仮定する。なお、2成分に分留する場合は、軽質ナフサをタンクの切り替えによりガソリン基材または石油化学原料に振り分けるため、性状は変わらない。
ガソリン基材価格を32,000円/kl、石油化学の原料価格を33,000円/klとすると、軽質ナフサの価値は、3,270千円となる。
【0064】
【表2】

【0065】
<実施例>
本発明によりナフサを3成分(軽質ナフサ、中質ナフサ、重質ナフサ)に分留した。比較例の場合と同様に、石油精製プラントの常圧蒸留装置から留出するナフサが200klで、軽質ナフサ留分が50kl、中質ナフサを50kl、重質ナフサ留分が100klとする。軽質ナフサの30klが比較例と同様にガソリン基材原料として使用された場合、残りの20klが石油化学の原料となる。
一方、中質ナフサは軽質ナフサよりも沸点が高い成分(軽質ナフサが30〜70℃であるのに対して70〜90℃)で構成されているため、石油化学の原料として用いる場合、原料価格は高くなる。これは、石油化学原料に用いられるナフサが重量で評価されており、一般に沸点が高いほど評価額が高くなるためである。中質ナフサを原料とする石油化学の原料価格を34,000円/klとすると、軽質ナフサ及び中質ナフサの価値としては、3,330千円となり、2成分に分留した場合に比べ、60千円の経済的な効果が得られる。
【0066】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係るナフサ生産の工程説明図である。
【図2】ナフサの主な用途と適性を表す説明図である。
【図3】ナフサ製品生産管理システムの概要を示す説明図である。
【図4】ナフサの生産方法及び生産支援方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】ナフサの生産方法及び生産支援方法におけるデータブロック図である。
【図6】沸点に対するガソリン基材の価格評価曲線、石油化学製品の価格評価曲線、接触改質装置による製品の価格評価曲線、及び生産計画曲線を示すグラフである。
【図7】図6に示すグラフの経済的なメリットとして得られる領域を示す説明図である。
【図8】従来のナフサ生産の工程説明図である
【図9】従来のナフサ生産におけるナフサの主な用途と適性を表す説明図である。
【図10】従来における軽質ナフサを主原料とするガソリン基材の単価と、重質ナフサを用いて接触改質装置で生成する接触改質ガソリンの単価とを分留の留出温度毎に求めた評価曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
【0068】
10 ナフサ製品生産管理システム
15 生産管理手段
19 生産計画作成手段
21 原油供給元
23 生産設備
31 ナフサ性状データベース
33 原油性状データ
35 ナフサ留分性状評価データ
37 ナフサ・リフォーメート価格・オクタン価データ
39 ナフサ価格・密度データ
41 接触改質装置運転条件データ
43 ガソリン基材の価格評価曲線
45 石油化学製品の価格評価曲線
47 接触改質装置による製品の価格評価曲線
51 ガソリン性状規格データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原油に含まれるナフサを常圧蒸留法により分留して取り出すナフサの分留方法であって、
分留の留出温度の違いにより、前記ナフサを、軽質ナフサと、重質ナフサと、前記重質ナフサの初留点から前記軽質ナフサの終点までの留出温度範囲を持つ中質ナフサとの少なくとも3成分に分留することを特徴とするナフサの分留方法。
【請求項2】
請求項1記載のナフサの分留方法であって、
前記軽質ナフサの分留範囲が、沸点30℃以上を初留点とし、沸点70〜80℃を終点とする範囲であることを特徴とするナフサの分留方法。
【請求項3】
請求項2記載のナフサの分留方法であって、
前記中質ナフサの分留範囲が、前記軽質ナフサの終点を初留点とし、沸点105℃以下を終点とする範囲であることを特徴とするナフサの分留方法。
【請求項4】
請求項3記載のナフサの分留方法であって、
前記重質ナフサの分留範囲が、前記中質ナフサの終点を初留点とし、沸点180℃以下を終点とする範囲であることを特徴とするナフサの分留方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のナフサの分留方法であって、
原油を常圧蒸留法により前記軽質ナフサと前記重質ナフサとに分留した後、この分留された重質ナフサを脱硫処理して前記中質ナフサを抽出することを特徴とするナフサの分留方法。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項記載のナフサの分留方法を用いて、常圧蒸留法によりナフサ成分を少なくとも前記軽質ナフサ、前記中質ナフサ、前記重質ナフサに分留する際に、
前記軽質ナフサの留出温度範囲の終点及び前記中質ナフサの初留点を表す第1の温度と、
前記中質ナフサの留出温度範囲の終点及び前記重質ナフサの初留点を表す第2の温度とを調整して、
前記軽質ナフサ、前記中質ナフサ、前記重質ナフサのそれぞれに対する原油からの各得率を変更することを特徴とするナフサ製品生産方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項5のいずれか1項記載のナフサの分留方法を用いて、常圧蒸留法によりナフサ成分を少なくとも前記軽質ナフサ、前記中質ナフサ、前記重質ナフサに分留し、
前記中質ナフサの留分の少なくとも一部を、前記軽質ナフサ又は前記重質ナフサのいずれかに混合して、前記軽質ナフサ、前記中質ナフサ、前記重質ナフサの各得率を変更することを特徴とするナフサ製品生産方法。
【請求項8】
原油に含まれるナフサを常圧蒸留法により分留の留出温度範囲の異なる複数種のナフサ製品に分留し生産するためのナフサ製品の生産計画を作成し、ナフサ製品の生産工程を支援するナフサ製品生産支援方法であって、
前記ナフサ製品が、分留の留出温度の違いにより、軽質ナフサと、重質ナフサと、前記軽質ナフサの終点から前記重質ナフサの初留点までの留出温度範囲を持つ中質ナフサとを少なくとも有し、
前記ナフサ製品それぞれを主原料とする生成品の単価と、そのナフサ製品の留出温度との関係を表す価格評価曲線を、前記ナフサ製品のそれぞれに対して求めるナフサ成分価格評価ステップと、
前記生成品の価格評価曲線のうち同一留出温度において高単価となる価格評価曲線を、それぞれ全留出温度に亘って連結して生産計画曲線を設定する生産計画曲線設定ステップと、
前記生産計画曲線上における前記価格評価曲線同士の交点を求め、該交点に対する留出温度に基づいて前記各ナフサ製品の分留温度範囲を決定する分留温度範囲設定ステップと、
を有することを特徴とするナフサ製品生産支援方法。
【請求項9】
請求項8記載のナフサ製品生産支援方法であって、
前記価格評価曲線が、前記軽質ナフサを主原料とする生成品の価格を表す第1価格評価曲線、前記中質ナフサを主原料とする生成品の価格を表す第2価格評価曲線、前記重質ナフサを主原料とする生成品の価格を表す第3価格評価曲線からなり、
前記第1価格評価曲線と前記第2価格評価曲線との交点に対する留出温度を前記中質ナフサの初留点とし、前記第2価格評価曲線と前記第3価格評価曲線との交点に対する留出温度を前記中質ナフサの終点として、各ナフサ製品に対する分留の抽出温度範囲を設定することを特徴とするナフサ製品生産支援方法。
【請求項10】
原油に含まれるナフサを常圧蒸留法により分留の留出温度範囲の異なる複数種のナフサ製品に分留し生産するためのナフサ製品の生産計画を作成する生産計画作成手段を備え、前記ナフサ製品の生産工程を支援するナフサ製品生産支援システムであって、
前記ナフサ製品が、分留の留出温度の違いにより、軽質ナフサと、重質ナフサと、前記重質ナフサの初留点から前記軽質ナフサの終点までの留出温度範囲を持つ中間ナフサとを少なくとも有し、
前記生産計画作成手段が、
前記ナフサ製品それぞれを主原料とする生成品の単価と、そのナフサ製品の留出温度との関係を表す価格評価曲線を、前記ナフサ製品のそれぞれに対して求めるナフサ成分価格評価機能と、
前記生成品の価格評価曲線のうち同一留出温度において高単価となる価格評価曲線を、それぞれ全留出温度に亘って連結して生産計画曲線を設定する生産計画曲線設定機能と、
前記生産計画曲線上における前記価格評価曲線同士の交点を求め、該交点に対する留出温度に基づいて前記各ナフサ製品の分留温度範囲を決定する分留温度範囲設定機能と、
を有することを特徴とするナフサ製品生産支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−206646(P2006−206646A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17250(P2005−17250)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000105567)コスモ石油株式会社 (443)
【Fターム(参考)】