説明

ナンバーカード

【課題】使用時の手間を低減すると共に、使用時に発生するゴミを低減できるナンバーカード及びナンバーカード用シートを提供する。
【解決手段】ナンバーカード10aは、表面11aと、表面11aと反対側の裏面11bとを含む基材11と、基材11の表面11aに形成された表示部と、基材11の裏面11bに形成された裏面側粘着部12と、基材11の裏面11bに形成された剥離部13とを備え、基材11の裏面11bにおいて、裏面側粘着部12と剥離部13とが線対称に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナンバーカードに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、マラソン等のスポーツを行う際や、学校で体操着を着用する際に、個体の識別などを目的としてナンバーカードが用いられている。
【0003】
この種のナンバーカードとして、例えば特開2009−244680号公報(特許文献1)、実開平1−128370号公報(特許文献2)などが挙げられる。特許文献1のナンバーカードは、四隅に安全ピン等の取付具を挿通するための挿通孔が形成されている。特許文献2のナンバーカードは、ゼッケン本体の裏面に接着テープが取り付けられ、この接着テープは被覆紙で覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−244680号公報
【特許文献2】実開平1−128370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のナンバーカードを競技者、生徒等の衣服に取り付ける場合には、ナンバーカードの4つの挿通孔に安全ピン等の取付具をそれぞれ挿通すると共に、それぞれの取付具を衣服に取り付ける必要がある。このため、特許文献1のナンバーカードを衣服に取り付けるために、手間がかかるという問題がある。
【0006】
また、上記特許文献2のナンバーカードを競技者、生徒等の衣服に取り付ける場合には、被覆紙を剥がして粘着テープを衣服に取り付ける必要がある。このため、特許文献2のナンバーカードを衣服に取り付けるためには、被覆紙が不要物となり、ゴミが生じてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、使用時の手間を低減すると共に、使用時に発生するゴミを低減できるナンバーカード及びナンバーカード用シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面におけるナンバーカードは、表面と、該表面と反対側の裏面とを含む基材と、該基材の該表面に形成された表示部と、該基材の該裏面に形成された裏面側粘着部と、該基材の該裏面に形成された剥離部とを備え、該基材の該裏面において、該裏面側粘着部と該剥離部とが線対称に形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の他の局面におけるナンバーカードは、表面と、該表面と反対側の裏面とを含む基材と、該基材の該表面に形成された表面側粘着部と、該表面側粘着部上に形成された表示部材と、該基材の該裏面に形成された裏面側粘着部と、該基材の該裏面に形成された剥離部とを備え、該基材の該裏面において、該裏面側粘着部と該剥離部とが線対称に形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の一及び他の局面におけるナンバーカードによれば、基材の裏面において裏面側粘着部と剥離部とが線対称に形成されているため、基材の裏面側が対向するように対称軸で折り畳むと、裏面側粘着部と剥離部とが互いに重なり合うので、裏面側粘着部を被覆するための剥離紙を要しない。このため、使用時に裏面側粘着部を覆う剥離紙がゴミとして生じない。
また、裏面側粘着部を衣服等の被取付部に貼り付けることで、ナンバーカードを被取付部に取り付けることができる。このため、複数の安全ピン等の取付具のそれぞれを被取付部に取り付ける場合に比べて、手間を低減してナンバーカードを被取付部に取り付けることができる。
以上より、本発明は、使用時の手間を低減すると共に、使用時に発生するゴミを低減できるナンバーカードを提供することができる。
【0011】
本発明のナンバーカード用シートは、上記他の局面におけるナンバーカードに用いられるシートであって、表面と、該表面と反対側の裏面とを有する基材と、該基材の該表面に形成された表面側粘着部と、該表面側粘着部を覆うように形成された剥離部材と、該基材の該裏面に形成された裏面側粘着部と、該基材の該裏面に形成された剥離部とを備え、該基材の該裏面において、該裏面側粘着部と該剥離部とが線対称に形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のナンバーカード用シートによれば、剥離部材を表面側粘着部から取り外し、ナンバーカードの表示部を表面側粘着部に貼り付けることにより、本発明の他の局面におけるナンバーカードを形成することができる。このため、本発明は、使用時の手間を低減すると共に、使用時に発生するゴミを低減できるナンバーカードとなるナンバーカード用シートを提供することができる。
【0013】
上記ナンバーカードにおいて好ましくは、裏面側粘着部及び剥離部がストライプ状に交互に形成されていることを特徴とする。
【0014】
上記ナンバーカード用シートにおいて好ましくは、裏面側粘着部及び剥離部がストライプ状に交互に形成されていることを特徴とする。
【0015】
これにより、裏面側粘着部及び剥離部を容易に形成することができるので、工業的に有利である。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、使用時の手間を低減すると共に、使用時に発生するゴミを低減できるナンバーカード及びナンバーカード用シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す背面図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す平面図であり、図1における矢印IIIから見たときのナンバーカードを示す。
【図4】本発明の実施の形態1におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す右側面図であり、図1における矢印IVから見たときのナンバーカードを示す。
【図5】本発明の実施の形態1におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す左側面図であり、図1における矢印Vから見たときのナンバーカードを示す。
【図6】本発明の実施の形態1におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態1におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す平面図であり、図6における矢印VIIから見たときのナンバーカードを示す。
【図8】本発明の実施の形態1におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す右側面図であり、図6における矢印VIIIから見たときのナンバーカードを示す。
【図9】本発明の実施の形態1におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す左側面図であり、図6における矢印IXから見たときのナンバーカードを示す。
【図10】図6における線分X−Xに沿った断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1の変形例1におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す正面図である。
【図12】本発明の実施の形態1の変形例1におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す平面図であり、図11における矢印XIIから見たときのナンバーカードを示す。
【図13】本発明の実施の形態1の変形例1におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す底面図であり、図11における矢印XIIIから見たときのナンバーカードを示す。
【図14】本発明の実施の形態1の変形例1におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す右側面図であり、図11における矢印XIVから見たときのナンバーカードを示す。
【図15】本発明の実施の形態1の変形例1におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す正面図である。
【図16】本発明の実施の形態1の変形例1におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す平面図であり、図15における矢印XVIから見たときのナンバーカードを示す。
【図17】本発明の実施の形態1の変形例1におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す底面図であり、図15における矢印XVIIから見たときのナンバーカードを示す。
【図18】本発明の実施の形態1の変形例1におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す右側面図であり、図15における矢印XVIIIから見たときのナンバーカードを示す。
【図19】図15における線分XIX−XIXに沿った断面図である。
【図20】本発明の実施の形態1の変形例2におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す正面図である。
【図21】本発明の実施の形態1の変形例2におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す平面図であり、図20における矢印XXIから見たときのナンバーカードを示す。
【図22】本発明の実施の形態1の変形例2におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す平面図である。
【図23】本発明の実施の形態1の変形例3におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す正面図である。
【図24】本発明の実施の形態1の変形例3におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す右側面図であり、図23における矢印XXIVから見たときのナンバーカードを示す。
【図25】本発明の実施の形態1の変形例3におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す右側面図である。
【図26】本発明の実施の形態1の変形例4におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す正面図である。
【図27】本発明の実施の形態1の変形例4におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す右側面図であり、図26における矢印XXVIIから見たときのナンバーカードを示す。
【図28】本発明の実施の形態1の変形例4におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す正面図である。
【図29】本発明の実施の形態1の変形例4におけるナンバーカードの折り畳んだ状態を概略的に示す右側面図であり、図28における矢印XXIXから見たときのナンバーカードを示す。
【図30】本発明の実施の形態2におけるナンバーカードの開いた状態を概略的に示す平面図である。
【図31】本発明の実施の形態3におけるナンバーカード用シートを概略的に示す平面図である。
【図32】本発明の実施の形態3の変形例におけるナンバーカード用シートを概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0019】
(実施の形態1)
図1〜図10を参照して、本発明の一実施の形態におけるナンバーカード10aについて説明する。
【0020】
図1〜図10に示すように、本実施の形態におけるナンバーカード10aは、表面11aと、表面11aと反対側の裏面11bとを含む基材11と、基材11の表面11aに形成された表示部11a1(図2参照)と、基材11の裏面11bに形成された裏面側粘着部12と、基材11の裏面11bに形成された剥離部13とを備えている。
【0021】
基材11の表面11aは、個体を識別するための文字、数字等が記載された表示部11a1を表示するための面である。本実施の形態では、表面11aの一部に表示部11a1が形成されており、表面11aと表示部11a1との間には、別の層が設けられていない。表面11aを表示部11a1として用いる場合には、表示部11a1は、表面11aの一部であってもよく、全体であってもよい。
基材11の裏面11bは、衣服等にナンバーカード10aを貼り付けるための粘着部を形成するためのものである。
本実施の形態の基材11は、平面形状が横長の長方形であるが、基材11の平面形状は特に限定されず、他の多角形、円形、楕円形などであってもよい。
【0022】
裏面側粘着部12は、衣服にナンバーカード10aを貼り付けるためのものである。
剥離部13は、ナンバーカード10aを対称軸Xで折り畳んだ際、裏面側粘着部12と積層される(互いに重なり合う)ことでナンバーカード10aの使用時まで裏面側粘着部12を保護すると共に、ナンバーカード10aの使用時(折り畳んだナンバーカード10aを展開する際)においては、剥離部13から裏面側粘着部12を容易に剥離するためのものである。
【0023】
基材11の裏面11bにおいて、裏面側粘着部12と剥離部13とが線対称に形成されている。ここで、本願明細書における線対称とは、対称軸Xを折り目として、裏面側粘着部12及び剥離部13の少なくとも一部が重なり合うことを意味する。図7及び図10に示すように、対称軸Xで折り畳んだときに、剥離部13が裏面側粘着部12の全体を包含することが好ましい。なお、本実施の形態の対称軸Xは、対向する長辺の中心を結ぶ線である。
【0024】
本実施の形態では、図1に示すように、対称軸Xが短辺(縦)に平行に位置し、裏面側粘着部12及び剥離部13はこの対称軸Xと平行に延在している。つまり、裏面側粘着部12及び剥離部13は、ストライプ状に交互に形成されている。
本実施の形態において、裏面側粘着部12及び剥離部13は、各々1以上形成され、基材の面積等に応じて複数形成することができる。
また、基材11の裏面11bにおいて対称軸Xにより区画される領域の各々には、裏面側粘着部12及び剥離部13の両方が形成されている。
また、裏面側粘着部12と剥離部13との間には、両方とも形成されていない領域があり、この領域では基材11の裏面11bが露出している。つまり、基材11の裏面11b側から見ると、裏面側粘着部12、剥離部13、及びその間の基材11がストライプ状に形成されている。
【0025】
次に、基材11、裏面側粘着部12及び剥離部13を構成する材料について説明する。
【0026】
基材11を構成する材料は、特に限定されず、例えば、紙、布、プラスチックフィルム、不織布などを用いることができる。基材11は、1層であっても、複数層で構成されていてもよい。
【0027】
裏面側粘着部12を構成する粘着剤は、特に限定されず、例えば、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤(アクリルウレタン系粘着剤)、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤を用いることができる。また、上記粘着剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でも、ゴム系粘着剤、ウレタン(アクリルウレタン)系粘着剤が特に好ましい。
【0028】
上記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴムや各種の合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤が挙げられる。合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤としては、例えば、スチレン・ブタジエン(SB)ゴム、スチレン・イソプレン(SI)ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)ゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)ゴム、スチレン・エチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIPS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)ゴムなどのスチレン系ゴム(スチレン系エラストマーともいう)、ポリイソプレンゴム、再生ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンや、これらの変性体などが挙げられる。中でも、スチレン系エラストマーの粘着剤が好ましく、さらに好ましくは、SIS、SBSである。
これらの1種又は2種以上の混合物を適宜選択して用いることができる。
また、合成ゴム系粘着剤には、軟化剤、粘着付与樹脂、充填剤等を添加することができる。
【0029】
上記ウレタン系粘着剤としては、公知慣用のウレタン系粘着剤を用いることが可能で、特に限定されないが、例えば、特許第3860880号公報や特開2006−288690号公報で例示されているウレタン系粘着剤等を好適に用いることができる。中でも、イソシアネート/ポリエステルポリオールから構成されるアクリルウレタン系粘着剤が好ましい。また、ナンバーカード10aを貼り付けた衣服への影響を低減する観点から、上記アクリルウレタン系粘着剤は、気泡を有する発泡タイプの粘着剤であることが好ましい。このような発泡タイプの粘着剤は、例えば、粘着剤中に公知慣用の発泡剤を添加するなどの方法により作製することができる。
【0030】
また、粘着剤の形態は特に限定されず、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などを用いることができる。なお、上記の中でも、溶剤を用いなくても、熱により溶融させることにより塗工することができ、塗布面(裏面側粘着部を形成する裏面11b)が、多孔性の面(例えば、多孔質フィルムや不織布による面など)であっても、多孔性の面に直接塗布して裏面側粘着部を形成することができる利点から、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)が特に好ましく用いられる。
【0031】
また、粘着剤の特性は限定されず、例えば、加熱により架橋等が生じて硬化する熱硬化性を有している粘着剤(熱硬化性粘着剤)や、活性エネルギー線の照射により架橋等が生じて硬化する活性エネルギー線硬化性を有している粘着剤(活性エネルギー線硬化性粘着剤)などを用いることができる。中でも、無溶剤系であり、不織布や多孔質の基材などにも含浸しすぎない観点から、活性エネルギー線硬化性粘着剤が好適である。なお、熱硬化性粘着剤には、熱硬化性を発揮するための架橋剤や重合開始剤などが適宜添加されていてもよい。また、活性エネルギー線硬化性粘着剤には、活性エネルギー線硬化性を発揮するための架橋剤や光重合開始剤などが適宜添加されていてもよい。
【0032】
剥離部13を構成する剥離処理剤(離型剤)は、特に限定されず、裏面側粘着部12に対する剥離性を発現できるものであれば特に制限なく使用することができ、例えば、シリコーン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤等を例示できる。中でも本発明においては、シリコーン系剥離処理剤が特に好ましい。
【0033】
上記シリコーン系剥離処理剤としては、基材11が不織布などの多孔質基材の場合に含浸しすぎない観点から、無溶剤系のシリコーン系剥離処理剤が好ましい。このような無溶剤系シリコーン系剥離処理剤としては、例えば、熱硬化型シリコーン系剥離処理剤や、活性エネルギー線硬化型シリコーン系剥離処理剤などが挙げられる。中でも、基材11として多孔質フィルムに用いた場合に熱ダメージを与えない観点から、特に好ましくは、活性エネルギー線硬化型シリコーン系剥離処理剤である。上記無溶剤系シリコーン系剥離処理剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
上記活性エネルギー線硬化型シリコーン系剥離処理剤としては、活性エネルギー線(α線、β線、γ線、中性子線、電子線、紫外線など)により硬化が生じるタイプのシリコーン系剥離処理剤であれば特に制限されないが、電子線または紫外線照射による架橋(硬化反応)により硬化して剥離性皮膜を形成するタイプの剥離処理剤を好適に用いることができる。活性エネルギー線硬化型シリコーン系剥離処理剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0035】
上記紫外線照射により硬化することが可能なシリコーン系剥離処理剤としては、例えば、カチオン重合により硬化するカチオン重合型、ラジカル重合により硬化するラジカル重合型、ラジカル付加重合により硬化するラジカル付加型、ヒドロシリル化反応により硬化するヒドロシリル化反応型などの剥離処理剤を用いることができ、カチオン重合型が好適である。
【0036】
このような、剥離処理剤としては、市販品を用いることも可能であり、例えば、東芝シリコーン(株)製「UV−9300」などを用いることができる。
【0037】
次に、本実施の形態のナンバーカード10aの具体的寸法の一例を挙げる。基材11の縦長さ(短辺)は例えば200mmであり、横長さ(長辺)は例えば240mmであり、厚みは例えば200μm以上1000μm以下である。裏面側粘着部12の幅は例えば14mmであり、長さは例えば200mmであり、厚みは例えば40μm以上150μm以下である。剥離部13の幅は例えば18mmであり、長さは例えば200mmであり、厚みは例えば0.1μm以上5μm以下である。対称軸Xを挟まない裏面側粘着部12と剥離部13との間の距離は、例えば3mmである。対称軸Xを挟む裏面側粘着部12と剥離部13との距離は例えば9mmであり、図1において対称軸Xとその左に位置する裏面側粘着部12との距離は例えば6mmであり、図1において対称軸Xとその右に位置する剥離部13との距離は例えば3mmである。図1において左端に位置する剥離部13と基材11の左端縁との距離は、例えば3mmであり、図1において右端に位置する裏面側粘着部12と基材11の右端縁との距離は、例えば6mmである。
【0038】
続いて、本実施の形態におけるナンバーカード10aの製造方法について説明する。
まず、表示部11a1を有する表面11aと、表面11aと反対側の裏面11bとを含む基材11を準備する。
【0039】
次に、基材11の裏面11bに、裏面側粘着部12と剥離部13とが線対称に位置するように形成する。裏面側粘着部12及び剥離部13の形成方法は特に限定されず、例えば、ロールコーティング方法、ダイコーティング方法、グラビアコーティング方法、バーコーティング方法、メルトブローやカーテンスプレー方法等の適宜の塗工方式を利用することができる。通気性を良好に確保できる観点から、裏面側粘着部12及び剥離部13の形成方法は、スプレー式が好ましい。
【0040】
裏面側粘着部12及び剥離部13の塗布量(固形分)としては、粘着剤や離型処理剤の種類や、基材の種類などに応じて適宜選択することができるが、粘着剤の塗布量は、例えば10g/m2以上300g/m2以下であり、好ましくは50g/m2以上150g/m2以下であり、剥離処理剤の塗布量は、例えば0.03g/m2以上3g/m2以下であり、好ましくは0.3g/m2以上1.5g/m2以下である。
【0041】
裏面側粘着部12及び剥離部13は、同時に形成してもよく、いずれか一方を先に形成してもよい。
これにより、図1〜図5に示す開いた状態のナンバーカード10aを製造できる。
【0042】
次に、図6〜図10に示すように、対称軸Xを中心にして、基材11の裏面11bが重なり合うように折り畳む。基材11の裏面11bにおいて裏面側粘着部12と剥離部13とが線対称に形成されているため、対称軸Xで折り畳むと、裏面側粘着部12と剥離部13とが互いに重なり合うので、裏面11b側の裏面側粘着部12を被覆するための剥離紙等の別部材を挟み込む必要がない。つまり、折り畳んだ状態のナンバーカード10aは、剥離紙等の別部材を備えていない。
以上の工程を実施することで、図6〜図10に示すナンバーカード10aを製造することができる。
【0043】
続いて、本実施の形態のナンバーカード10aの使用方法として、ナンバーカード10aを衣服に貼り付ける方法について説明する。
【0044】
まず、図6〜図10に示す折り畳んだナンバーカード10aを図1〜図5に示すように開く。このとき、裏面側粘着部12を剥離部13が覆っているので、裏面側粘着部12と剥離部13との間に剥離紙等の別部材がないため、ゴミが生じない。
【0045】
次に、基材11の裏面11b側を衣服の所定の位置に対向させて、裏面側粘着部12を衣服に貼り付ける。このとき、衣服にナンバーカード10aを貼り付けるだけなので、複数の安全ピン、ホック等の取付具のそれぞれを衣服に取り付ける場合と比べて、手間を低減できる。また、安全ピンを用いる場合のようにナンバーカード及び衣服に穴をあける必要がないので、ナンバーカード10a及び衣服を傷めることを抑制できる。さらに、ナンバーカード10aを衣服に取り付ける場合には、安全ピンを用いる場合のようにピンが衣服を通って皮膚に刺さる等の危険を低減できる。さらには、ナンバーカード10aを衣服に貼り付ける場合には、ホック等を用いる場合のように衣服に凹凸が生じることを低減できると共に、肌に擦れることも抑制できる。
【0046】
上記の工程により、正面側には、基材11の表面11aが位置するので、表面11aの表示部11a1(図2参照)が衣服の表面に現れる。このため、ナンバーカードの表示部11a1に記載の文字、数字等により、固体を識別することができる。
【0047】
なお、本実施の形態のナンバーカード10aの使用後には、ナンバーカード10aを衣服から取り外す。このときにも、ナンバーカード10aを衣服に取り付けるときと同様の利点があり、容易にナンバーカード10aを取り外すことができる。
【0048】
また、ナンバーカード10aの使用方法として、ナンバーカード10aを衣服に取り付ける方法を説明したが、ナンバーカード10aを取り付ける被取付部材は、衣服に特に限定されない。ナンバーカード10aは、衣服以外の部材に取り付けてもよく、皮膚に直接貼り付けてもよい。
【0049】
(変形例1)
図11〜図19を参照して、本発明の実施の形態1の変形例1におけるナンバーカード10bについて説明する。
図11〜図19に示すように、変形例1のナンバーカード10bは、基本的には、実施の形態1のナンバーカード10aと同様の構成を備えているが、裏面側粘着部12、剥離部13及び対称軸Xが長辺に平行に、かつ裏面側粘着部12及び剥離部13がストライプ状に形成されている点において異なる。
【0050】
変形例1の表示部11a1は、文字、数字などの識別子が横書きであり、対称軸X上に識別子がないことが好ましい。この場合、対称軸Xにより表示部11a1に段差が生じた場合であっても、識別子に影響がないため、識別子が見やすくなる。
【0051】
変形例1のナンバーカード10bの具体的寸法の一例を挙げる。基材11の縦(短辺)長さ、横(長辺)長さ、及び厚みは、例えば実施の形態1と同様である。裏面側粘着部12の幅は例えば10mmであり、長さは例えば240mmであり、厚みは例えば40μm以上150μm以下である。剥離部13の幅は例えば15mmであり、長さは例えば240mmであり、厚みは例えば0.1μm以上5μm以下である。対称軸Xを挟まない裏面側粘着部12と剥離部13との間の距離は、例えば3mmである。対称軸Xを挟む裏面側粘着部12と剥離部13との距離は10mmであり、図11において対称軸Xとその上に位置する裏面側粘着部12との距離は例えば6mmであり、図11において対称軸Xとその下に位置する剥離部13との距離は例えば4mmである。図11において上端に位置する剥離部13と基材11の上端縁との距離は、例えば4mmであり、図11において下端に位置する裏面側粘着部12と基材11の下端縁との距離は、例えば6mmである。
【0052】
(変形例2)
図20〜図22を参照して、本発明の実施の形態1の変形例2におけるナンバーカード10cについて説明する。
図20〜図22に示すように、変形例2のナンバーカード10cは、基本的には、変形例1のナンバーカード10bと同様の構成を備えているが、裏面側粘着部12がドット状に形成されている点において異なる。
【0053】
具体的には、図20及び図21に示すように、変形例2の裏面側粘着部12のうち、右端に形成された裏面側粘着部12の右端縁は、短辺(右端縁)上に位置する。このため、図22に示すように、折り畳まれたナンバーカード10cは、一方の短辺に形成された裏面側粘着部で基材11同士が貼り合わされるので、端部が折れ曲がることを防止できる。
【0054】
変形例2のナンバーカード10cの具体的寸法の一例を挙げる。基材11の縦長さ、横長さ及び厚みは、例えば実施の形態1と同様である。1つの裏面側粘着部12の幅(図20における上下方向の長さ)は例えば10mmであり、長さ(図20における左右方向の長さ)は例えば20mmであり、厚みは例えば40μm以上150μm以下である。隣り合う裏面側粘着部12間の距離は、例えば20mmである。剥離部13の幅、長さ及び厚みは、変形例1と同様である。対称軸Xを挟まない裏面側粘着部12と剥離部13との間の距離、対称軸Xを挟む裏面側粘着部12と剥離部13との距離、図20において対称軸Xとその上に位置する裏面側粘着部12との距離、及び図11において対称軸Xとその下に位置する剥離部13との距離は、変形例1と同様である。図20において上端に位置する剥離部13と基材11の上端縁との距離、及び図20において下端に位置する裏面側粘着部12と基材11の下端縁との距離も変形例1と同様である。
【0055】
(変形例3)
図23〜図25を参照して、本発明の実施の形態1の変形例3におけるナンバーカード10dについて説明する。
図23〜図25に示すように、変形例3のナンバーカード10dは、基本的には、変形例1のナンバーカード10bと同様の構成を備えているが、長辺の端部に位置する裏面側粘着部12d及び剥離部13dのそれぞれの幅が、他の裏面側粘着部12及び剥離部13の幅よりも狭い点において異なる。
【0056】
長辺の端部に位置する裏面側粘着部12d及び剥離部13dとは、長辺と平行に延びる裏面側粘着部12及び剥離部13のうち、長辺に最も近い位置に形成されたものを意味する。本実施の形態では、図23において上側の長辺(上端)に最も近い位置に形成された剥離部13dと下側の長辺(下端)に最も近い位置に形成された裏面側粘着部12d、及び、図23において上側の長辺(上端)に最も近い位置に形成された裏面側粘着部12dと下側の長辺(下端)に最も近い位置に形成された剥離部13dとが、他の裏面側粘着部12及び剥離部13の幅よりも狭い。
【0057】
端部に位置する裏面側粘着部12d及び剥離部13dの幅が他の裏面側粘着部12及び剥離部13の幅よりも狭い場合、ナンバーカード10dを衣服に貼り付けると、剥離部13d側の端部において、端縁から裏面側粘着部12までの空隙を低減できる。このため、ナンバーカード10dを衣服に貼り付けた使用状態において、はがれることを抑制できる。
【0058】
変形例3のナンバーカード10dの具体的寸法の一例を挙げる。基材11の縦長さ(短辺)、横長さ(長辺)及び厚みは、例えば実施の形態1と同様である。長辺の端部以外の裏面側粘着部12の幅は例えば8mmであり、長辺の端部の裏面側粘着部12dの幅は例えば4mmであり、長さ及び厚みは実施の形態1と同様である。長辺の端部以外の剥離部13の幅は例えば12mmであり、長辺の端部の剥離部13dの幅は例えば9mmであり、長さ及び厚みは実施の形態1と同様である。対称軸Xを挟まない裏面側粘着部12と剥離部13との間の距離は、例えば3mmである。対称軸Xを挟む裏面側粘着部12と剥離部13との距離は6mmであり、図23において対称軸Xとその上に位置する裏面側粘着部12との距離は例えば4mmであり、図23において対称軸Xとその下に位置する剥離部13との距離は例えば2mmである。図23において上端部に最も近い位置の剥離部13dと基材11の上端縁との距離は、例えば2mmであり、図23において下端に最も近い位置の裏面側粘着部12dと基材11の下端縁との距離は、例えば4mmである。
【0059】
(変形例4)
図26〜図29を参照して、本発明の実施の形態1の変形例4におけるナンバーカード10eについて説明する。
図26〜図29に示すように、変形例4のナンバーカード10eは、基本的には、変形例1のナンバーカード10bと同様の構成を備えているが、対称軸Xを2つ有している点において異なる。
【0060】
それぞれの対称軸Xに対して、裏面側粘着部12と剥離部13とは線対称に位置するように形成されている。
【0061】
図28及び図29に示すように、変形例4のナンバーカード10eを折り畳んだ状態では、図26及び図27の基材11の上端11cが上側の対称軸Xで折り曲げられ、図26及び図27の基材11の下端11dが下側の対称軸Xで折り曲げられ、上端11cと下端11dとが近接される。かかる構成とすることで、折り畳み時にナンバーカード10eをよりコンパクト化することができる。
【0062】
変形例4のナンバーカード10eの具体的寸法の一例を挙げる。基材11の縦長さ、横長さ及び厚みは、例えば実施の形態1と同様である。裏面側粘着部12の幅は例えば6mmであり、長さは例えば240mmであり、厚みは例えば40μm以上150μm以下である。剥離部13の幅は例えば11mmであり、長さは例えば240mmであり、厚みは例えば0.1μm以上5μm以下である。対称軸Xを挟まない裏面側粘着部12と剥離部13との間の距離は、例えば3mmである。対称軸Xを挟む裏面側粘着部12と剥離部13との距離は6mmであり、図26において対称軸Xとその上に位置する裏面側粘着部12との距離は例えば4mmであり、図26において対称軸Xとその下に位置する剥離部13との距離は例えば2mmである。図26において上端に位置する剥離部13と基材11の上端11cとの距離は、例えば3mmであり、図26において下端に位置する裏面側粘着部12と基材11の下端11dとの距離は、例えば5mmである。
【0063】
ここで、上記実施の形態1及びその変形例1〜4を例に挙げて説明したが、裏面側粘着部12及び剥離部13は対称軸Xを中心として線対称に配置されていれば特に限定されず、裏面側粘着部12及び剥離部13は、基材11の裏面11bの外周に沿った方向以外の方向に並ぶように形成されてもよく、ランダムに形成されていてもよい。また、対称軸Xは2以下に限定されず、3つ以上設定されてもよい。
【0064】
(実施の形態2)
図30を参照して、本実施の形態におけるナンバーカード10gは、基本的には実施の形態1のナンバーカード10aと同様の構成を備えているが、基材11の表面11aに表示部11a1が形成されている代わりに、表面11aに表面側粘着部14を介して表示部材15が取り付けられている点において異なる。
【0065】
具体的には、表面11aと、この表面11aと反対側の裏面11bとを含む基材11と、基材11の表面11aに形成された表面側粘着部14と、この表面側粘着部14上に形成された表示部材15と、基材11の裏面11bに形成された裏面側粘着部12と、基材11の裏面11bに形成された剥離部13とを備えている。基材11の裏面11bにおいて、裏面側粘着部12と剥離部13とが線対称に形成されている。
【0066】
表面側粘着部14は、基材11の表面11aの一部に形成されていてもよく、全体を覆っていてもよい。
実施の形態2の表面側粘着部14及び裏面側粘着部12を構成する粘着剤は、実施の形態1の裏面側粘着部12と同様である。表面側粘着部14及び裏面側粘着部12を構成する粘着剤は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0067】
表示部材15は、表面側粘着部14の全体を覆っていることが好ましい。表示部材15は、個体を識別するための文字、数字等が記載された表示面15aを有する。表示部材15は、基材11と同様の材料を用いることができる。
【0068】
次に、本実施の形態のナンバーカード10gの具体的寸法の一例を挙げる。基材11、裏面側粘着部12及び剥離部13は、実施の形態1と同様である。表面側粘着部14の幅は例えば100mmであり、長さは例えば200mmであり、厚みは例えば40μm以上150μm以下である。表示部材15は、基材11と同様である。
【0069】
続いて、本実施の形態におけるナンバーカード10gの製造方法について説明する。
まず、表面11a及び裏面11bを有する基材11を準備する。
【0070】
次に、基材11の表面11a上に表面側粘着部14を形成する。表面側粘着部14の形成方法は、特に限定されず、実施の形態1の裏面側粘着部12の形成方法と同様の方法を採用できる。
次に、表面側粘着部14上に表示部材15を形成する。表示部材15の表示面15aと反対側の面を表面側粘着部14に貼り付ける。
【0071】
次に、基材11の裏面11b側に、裏面側粘着部12と剥離部13とを線対称に形成する。この工程は、実施の形態1と同様であるので、その説明は繰り返さない。
なお、基材11の裏面11bに裏面側粘着部12及び剥離部13を形成する工程は、基材11の表面11aに表面側粘着部14及び表示部材15を形成する工程に先立って行ってもよく、同時に行ってもよい。
【0072】
上記工程を実施することにより、図30に示すナンバーカード10gを製造することができる。
【0073】
次に、対称軸Xを中心にして、基材11の裏面11bが重なり合うように折り畳む。このとき、基材11の裏面11bにおいて裏面側粘着部12と剥離部13とが線対称に形成されているため、対称軸Xで折ると、裏面側粘着部12と剥離部13とが互いに重なり合うので、裏面11b側の裏面側粘着部12を被覆するための剥離紙等の別部材を要しない。
この工程を実施することにより、図30に示すナンバーカード10gを折り畳むことができる。
【0074】
本実施の形態におけるナンバーカード10gの使用方法は実施の形態1と同様であるので、その説明を繰り返さない。
【0075】
なお、本実施の形態のナンバーカード10gにおける基材11の裏面11b側の裏面側粘着部12及び剥離部13の構成は、図1〜図10の実施の形態1のナンバーカード10aの基材11の裏面11b側の裏面側粘着部12及び剥離部13の構成と同じである。同様に、実施の形態1の変形例1〜6のナンバーカード10b〜10fの基材11の裏面11b側の裏面側粘着部12及び剥離部13の構成を本実施の形態に適用してもよい。
【0076】
(実施の形態3)
図31を参照して、本発明のナンバーカード用シートの一実施の形態について説明する。本実施の形態のナンバーカード用シート20aは、実施の形態2のナンバーカード10gに用いられるシート(中間体)である。
【0077】
具体的には、表面11aと、表面11aと反対側の裏面11bとを有する基材11と、基材11の表面11aに形成された表面側粘着部14と、表面側粘着部14を覆うように形成された剥離面21aを有する剥離部材21と、基材11の裏面11bに形成された裏面側粘着部12と、基材11の裏面11bに形成された剥離部13と、裏面側粘着部12を覆うように形成された剥離面21aを有する剥離部材21とを備えている。基材11の裏面11bにおいて、裏面側粘着部12と剥離部13とが線対称に形成されている。
【0078】
ナンバーカード用シート20aは、長手方向に延在するテープ状であり、例えばロール状に巻き取られた形態で保持される。
基材11及び剥離部材21は、長手方向に延在する。表面側粘着部14は、基材11の表面11aの一部に形成されていてもよく、基材11と同様に長手方向に延在していてもよい(図示せず)。
【0079】
剥離部材21は、基材と、基材の少なくとも一方の表面に形成された剥離面21aとを有する。つまり、剥離部材21において表面側粘着部14及び裏面側粘着部12と対向する面には、剥離面21aが配置している。剥離面21aは、剥離部13と同様の離型処理がなされている。剥離部材21の基材は、基材11と同様である。剥離部材21として、例えば公知の剥離紙を用いてもよい。
【0080】
ナンバーカード用シート20aは、例えばロール状に巻き取られた形態で保持されている場合には、基材11の表面11aに形成された表面側粘着部14及び基材11の裏面11bに形成された裏面側粘着部12は、剥離部材21で覆われているので、この状態で積層しても、互いに貼り付くことを防止できる。
【0081】
基材11、表面側粘着部14、裏面側粘着部12、及び剥離部13を構成する材料は、実施の形態2と同様であるので、その説明は繰り返さない。
【0082】
続いて、本実施の形態におけるナンバーカード用シート20aの製造方法について説明する。
まず、表面11a及び裏面11bを有する基材11を準備する。次に、基材11の表面11aに表面側粘着部14を形成する。また、基材11の裏面11bに裏面側粘着部12及び剥離部13を形成する。これらの工程は、実施の形態1または2と同様であるので、その説明は繰り返さない。
【0083】
次に、表面側粘着部14及び裏面側粘着部12を剥離面21aで覆うように剥離部材21を形成する。
【0084】
以上の工程を実施することによって、図31に示すナンバーカード用シート20aを製造することができる。必要に応じて、さらに、ナンバーカード用シート20aをロール状に巻き取る。
なお、基材11の裏面11b側に裏面側粘着部12及び剥離部13を形成する工程、基材11の表面11a側に表面側粘着部14及び表示部材15を形成する工程、剥離部材21を形成する工程は、工程の順序は特に限定されず、いずれの工程を先に行ってもよく、同時に行ってもよい。
【0085】
続いて、本実施の形態におけるナンバーカード用シート20aを図30に示す実施の形態2のナンバーカード10gに用いる方法について説明する。
【0086】
個体を識別するための表示面15aを有する表示部材15(図30参照)を準備する。この表示部材15を取り付けることが可能な大きさにナンバーカード用シート20aを加工する。
【0087】
次に、表面11aに形成された表面側粘着部14を覆う剥離部材21を取り外し、表示部材15を貼り付ける。
【0088】
次に、裏面11bに形成された表面側粘着部14を取り外す。これにより、図30に示すナンバーカード10gの開いた状態になる。
【0089】
次いで、裏面側粘着部12と剥離部13とが重なり合うように、対称軸Xで折り畳む。これにより、図30に示すナンバーカード10gを折り畳むことができる。
【0090】
(変形例)
図32を参照して、本発明の実施の形態3の変形例におけるナンバーカード用シート20bについて説明する。ナンバーカード用シート20bは、実施の形態2のナンバーカード10gに用いられるシートである。
【0091】
本実施の形態におけるナンバーカード用シート20bは、基本的には実施の形態3のナンバーカード用シート20aと同様であるが、基材11の表面11a側のみに剥離部材21が配置され、剥離部材21の表面及び裏面に剥離面21a、21bがそれぞれ形成されている点において異なる。
【0092】
ナンバーカード用シート20bがロール状に巻き取られている場合には、剥離部材21において表面側粘着部14と対向している剥離面21aと反対側の剥離面21bが、基材11の裏面11bに形成された裏面側粘着部12を覆う。このため、積層した場合に、表面側粘着部14及び裏面側粘着部12により、互いに引っ付くことを防止できる。
【0093】
本変形例のナンバーカード用シート20bの製造方法は、基本的には実施の形態3のナンバーカード用シート20aと同様であるが、剥離部材21の両面に剥離面21a、21bを形成する点、及び、表面側粘着部14のみ剥離面21aで覆うように剥離部材21を形成する点において異なる。
【0094】
なお、本変形例では、剥離部材21は、表面11a上の表面側粘着部14を覆うように形成されているが、裏面11bの裏面側粘着部12を覆うように形成されていてもよい。
【0095】
また、実施の形態3及びその変形例のナンバーカード用シート20a、20bにおいて、基材11の裏面11b側の裏面側粘着部12及び剥離部13の構成は、図1〜図10の実施の形態1のナンバーカード10aの基材11の裏面11b側の裏面側粘着部12及び剥離部13の構成と同じである。同様に、実施の形態1の変形例1〜6のナンバーカード10b〜10fの基材11の裏面11b側の裏面側粘着部12及び剥離部13の構成を本実施の形態に適用してもよい。
【0096】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0097】
10a〜10e、10g ナンバーカード、11 基材、11a 表面、11a1 表示部、11b 裏面、11c 上端、11d 下端、12,12d 裏面側粘着部、13,13d 剥離部、14 表面側粘着部、15 表示部材、15a 表示面、20a、20b ナンバーカード用シート、21 剥離部材、21a,21b 剥離面、X 対称軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と、前記表面と反対側の裏面とを含む基材と、
前記基材の前記表面に形成された表示部と、
前記基材の前記裏面に形成された裏面側粘着部と、
前記基材の前記裏面に形成された剥離部とを備え、
前記基材の前記裏面において、前記裏面側粘着部と前記剥離部とが線対称に形成されていることを特徴とする、ナンバーカード。
【請求項2】
表面と、前記表面と反対側の裏面とを含む基材と、
前記基材の前記表面に形成された表面側粘着部と、
前記表面側粘着部上に形成された表示部材と、
前記基材の前記裏面に形成された裏面側粘着部と、
前記基材の前記裏面に形成された剥離部とを備え、
前記基材の前記裏面において、前記裏面側粘着部と前記剥離部とが線対称に形成されていることを特徴とする、ナンバーカード。
【請求項3】
前記裏面側粘着部及び前記剥離部がストライプ状に交互に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のナンバーカード。
【請求項4】
請求項2に記載のナンバーカードに用いられるシートであって、
表面と、前記表面と反対側の裏面とを有する基材と、
前記基材の前記表面に形成された表面側粘着部と、
前記表面側粘着部を覆うように形成された剥離部材と、
前記基材の前記裏面に形成された裏面側粘着部と、
前記基材の前記裏面に形成された剥離部とを備え、
前記基材の前記裏面において、前記裏面側粘着部と前記剥離部とが線対称に形成されていることを特徴とする、ナンバーカード用シート。
【請求項5】
前記裏面側粘着部及び前記剥離部がストライプ状に交互に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のナンバーカード用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2013−33144(P2013−33144A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169363(P2011−169363)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(501327662)日東ライフテック株式会社 (19)