説明

ニオイ送出装置およびこれを用いた配管不良部検出方法

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばキッチンおよび風呂場などの床下の給湯管などや地中に埋設されている水道管およびガス管などの配管に生じた漏水などの不具合部分を発見するために用いられるニオイ送出装置およびこれを用いた配管不良部検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば建造物および地中などの内部に設けられている配管の修理は、大掛かりになることが多く、できるだけその補修部分が少ないほうが良い。
【0003】例えば建造物でいうならば、キッチンの床下などに配設されている給湯設備に生じた漏水などを修理するときは、まず、給湯設備の中のどの部分に漏水が起こっているかを調査しその部分を特定する必要がある。
【0004】そこで、従来は、屋外に設けられている給湯設備の元栓から圧力、例えば水圧などを加え、その水圧のかかり具合で給湯管から蛇口に至るまでの漏水の程度を調査する。
【0005】ところで、この場合、給湯管から蛇口までの範囲内で、漏水の程度を知ることはできるものの漏水位置を特定するまでには至らない。したがって、続く作業として、床下へ内視鏡などを挿入し、目視により給湯管表面の漏水箇所、例えば微細な亀裂などの不良部分を見つけ出す作業が行われる。
【0006】しかしながら、この検出方法では、内視鏡などの精密機械を用いることから検出作業に多大な時間が消費されるにも拘らず、不具合部分の判定を人間の視覚に頼ることになるため微細な不良部分の検出が難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように上述した従来の配管不良部検出方法では、配管の不良部の判定を人間の視覚に頼るため、微細な不良部分の検出が難しいという問題があった。
【0008】本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、配管の微細な不良部を確実に検出しその部分を特定することのできるニオイ送出装置およびこれを用いた配管不良部検出方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のニオイ送出装置は上記した目的を達成するために、圧縮した気体を送出するコンプレッサと、ニオイ発生体が収容され、前記コンプレッサより送出された気体を導入し、この気体にニオイを含ませて通過させるニオイ発生部と、このニオイ発生部からの気体の流量を制御しつつ外部に送出するニオイ送出部とを具備している。
【0010】また、このニオイ送出装置は、前記ニオイ送出部に設けられ、ニオイを含んだ気体の温度を調節する温度調節手段をさらに具備している。
【0011】さらに、このニオイ送出装置は、前記コンプレッサと前記ニオイ発生部との間の通気部に逆止弁を設け、この逆止弁と前記ニオイ発生部との間の前記通気部に外部より気体を導入可能な気体導入弁を設けている。
【0012】本発明の配管不良部検出方法は、少なくとも一つの開口部を有する配管の不良部の位置を検出する配管不良部検出方法において、前記配管を一つの開口部のみを残して封止し、この一つの開口部より前記配管内にニオイを含んだ気体を充填する一方、前記配管の表面上のニオイを測定し、そのニオイの強度に基づき前記配管の不良部の位置を検出する配管不良部検出方法である。
【0013】また、他の配管不良部検出方法としては、少なくとも一つの開口部を有する配管の不良部の位置を検出する配管不良部検出方法において、前記配管を一つの開口部のみを残して封止する一方、前記配管の上方に所定間隔のニオイ測定ポイントを設け、前記一つの開口部より配管内にニオイを含み、かつ加熱された気体を充填しつつ前記ニオイ測定ポイントにて前記配管より上昇するニオイを測定し、各ポイントのニオイの強度に基づき前記配管の不良部の位置を検出する配管不良部検出方法がある。
【0014】さらに、他の配管不良部検出方法としては、液体中にニオイを含んだ気体を導入しつつ前記液体を配管内に送出して前記配管の表面上のニオイを測定し、そのニオイの強度に基づき前記配管の不良部の位置を検出する配管不良部検出方法がある。
【0015】
【作用】本発明のニオイ送出装置では、コンプレッサより圧縮されて送出された気体は、ニオイ発生部を通過することによりニオイが含まれる。そして、この気体はニオイ送出部より流量制御されて外部に送出される。
【0016】また、このニオイ送出装置では、内部のコンプレッサを用いずに、気体導入弁より外部の気体を導入し、逆止弁によりコンプレッサ側に逆流させることなく気体をニオイ送出部より外部に送出できる。
【0017】このニオイ送出装置を用いた配管不良部検出方法は、配管を一つの開口部のみを残して封止し、この一つの開口部より配管内にニオイを含んだ気体を充填しつつ配管の表面上のニオイを測定し、そのニオイの強度に基づき配管上の不良部を検出するので、その不良部の位置が特定できる。
【0018】また、他の配管不良部検出方法では、配管の一つの開口部よりニオイを含み、かつ加熱された気体を配管内に充填しつつ配管の上方に設けた所定間隔のニオイ測定ポイントにて配管より上昇するニオイを測定するので、特に配管とニオイの測定ポイントが上下に離れているときなどに有効である。
【0019】さらに、他の配管不良部検出方法では、液体中にニオイを含んだ気体を導入しつつ液体を配管内に送出しつつ配管の表面上のニオイを測定するので、特に液体が充填されている中で配管の不良部を検出するのに有効である。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】図1は本発明に係る一実施例のニオイ送出装置の構成を示す図、図2は図1のニオイ送出装置の外観を示す斜視図である。
【0022】図中、1は圧縮した気体、例えば空気を送出するコンプレッサである。このコンプレッサ1には、このコンプレッサ1を冷却するためのファン2が設けられている。また、このコンプレッサ1には、通気路3を通じてニオイ発生部としての容器4が接続されている。この通気路3には、逆止弁5と気体導入弁6とが設けられており、気体導入弁6は逆止弁5と容器4との間に設けられている。
【0023】一方、容器4には、気体にニオイを含ませるニオイ発生体としてのニオイ玉7を収容する透明カプセル8が着脱自在に設けられている。なお、この容器4に変えてニオイ発生部としてフィオレ社製、商品名マイクロカセットを用いてもよい。この場合、マイクロカセット内にニオイ発生体が収容されている。また、この容器4には、通気路3を通じて圧縮された気体が導入される導入口9と、この気体を送出するめの送出口10とが設けられている。この送出口10以降の部分がニオイ送出部であり、送出口10に接続されている通気路3上には、所定量の気体を送出するための流量制御手段として圧力ゲージ11、圧力SW12a、12bおよび流量計13などが設けられている。この流量計13には、流量計13を通じて送られてきた空気が通過することにより加熱される螺旋状の加熱管14が接続されている。この加熱管14の近傍には、ヒーター15が設けられている。このヒーター15には、表示部を有する温度調節器16が接続されており、このヒーター15および温度調節器16により加熱管14を通過する空気が所定温度に加熱されるようになっている。この温度調節器16には、ヒータSW17が接続されており、空気の加熱が不要なときはヒーター15をオフできる。このヒーターSW17とAC100V用電源コンセント18との間には、このニオイ送出装置のパワースイッチ19が設けられている。
【0024】一方、このニオイ送出装置は、図2に示すように、その寸法が265 ×285 ×160 mmと小型なアルミハードケース21に内蔵されている。このアルミハードケース21内には、図1に示した加熱管14より先の部分が、ニオイ送出管22であり、このケース21より着脱自在に設けられている。このニオイ送出管22は、所望の部分、例えば給湯設備の元栓などに加熱管14からの空気を導くためのものであり、このニオイ送出管22には、さまざまな気体導入口、例えば給湯設備の元栓に係合するコネクタ23が設けられている。このアルミハードケース21には、携帯性を考慮して取手24および肩掛けベルト25などが装備されている。また、このアルミハードケース21には、このアルミハードケース21に着脱自在に蓋26が設けられている。
【0025】一方、この発明において、このニオイ送出装置とペアで用いられるのが、図3に示すようなポータブル型のニオイセンサ31、例えばアワーブレーン社製、商品型番Z−110(W=84×H=190×D=40mm、重量約550g)などであり、この寸法値などから小型・軽量なことが判る。このニオイセンサ31には、ニオイを吸引するための吸引口32と、吸引したニオイに基づきニオイのレベルをデジタル表示するLCD33とが設けられている。また、このニオイセンサ31には、図4に示すように、吸引口32より吸引されたニオイを検知するための熱線型焼成半導体センサ41が内蔵されている。
【0026】以下に、この熱線型焼成半導体センサ41の動作原理を簡単に説明する。
【0027】この熱線型焼成半導体センサ41は、白金線コイル42上に金属酸化物半導体(主にSnO2 を主成分とする)43を直径0.4mm の玉状に塗布した後、焼成させたものである。
【0028】このニオイセンサ31は、動作時に常時、白金線コイル42に電流が流され、金属酸化物半導体43をおよそ400 ℃に保持する。吸引口32より吸引されたニオイ分子がこの金属酸化物半導体43の表面に吸着すると、その電気伝導率がよくなると共に放熱により温度が下がり低抗値が低下する。これにより、抵抗値の変化を図示しないブリッジ回路の偏差電圧として取り出し、ニオイの強弱として0 〜2000のデジタル値でLCD33に即時表示するものである。
【0029】続いて、図5を参照して上記した2 つの装置を用いた配管不良部検出方法について説明する。
【0030】この場合、同図に示すように、まず、例えばキッチンなどの外部にある給湯設備の元栓51を閉めて給湯管52内の水抜きを行う。その後、この元栓51を残して他の開口部、例えば蛇口53などをすべて封止する。そして、この元栓51にニオイ送出管22のコネクタ23を係合させてニオイ送出装置を接続する。
【0031】次に、ニオイ送出装置の透明カプセル8にニオイ玉7を所定量収納し、容器4に透明カプセル8をセットして、パワースイッチ19をオンする。
【0032】すると、コンプレッサ1によって圧縮された気体、例えば空気が透明カプセル8に送出され、透明カプセル8内を通過し、ニオイが含まれて流量計13に送出される。この空気は圧力SW12aにより所定流量に制御されて加熱管14に送出される。この加熱管14では、ヒーター15によってニオイを含んだ空気が所定温度に加熱されて、ニオイ送出管22を通じて給湯管52に充填される。
【0033】一方、キッチンの床下では、ニオイセンサ31を用いて給湯管52に沿ってその表面のニオイが測定される。このとき、給湯管52に亀裂などが生じていれば、その不良部分からニオイが噴出するのでその部分を中心としたニオイの強度分布データが得られる。
【0034】この結果、このデータに基づき、給湯管52の漏水位置の特定はもとより、データの数値の大小からその位置に生じている亀裂の大きさなども診断することができる。
【0035】このように本実施例のニオイ送出装置およびこれを用いた配管不良部検出方法によれば、ニオイ送出装置より給湯管52にニオイを含んだ空気を充填する一方で、給湯管52の表面のニオイを測定することにより、給湯管52に生じた微細な亀裂などの位置を特定できるので、建造物の修繕工事を大規模に行うことなく給湯設備の漏水修理ができるようになる。
【0036】次に図6を参照して他の配管についての不良部検出方法について説明する。
【0037】上記したニオイ送出装置は、ニオイを含んだ空気を所定の温度に加熱して送出することができるので、同図に示すように、舗装路61の地下に埋設されている水道管62などに生じている微小な漏水、例えば舗装路上に水が染み出てこないような漏水を検出するときにも適用される。
【0038】この場合、まず、地中の水道管62に沿って舗装路61に所定間隔、例えば等間隔にニオイを測定するためのポイントとしての複数の穴、例えば穴a〜eを掘る一方、ニオイを含み、かつ地中の温度よりも高い温度に加熱した空気を水道管62に充填する。
【0039】水道管62に亀裂などが生じていれば、その部分からニオイを含んだ空気が漏れて、その空気は自身の熱で地表に向かって上昇する。したがって、ニオイセンサ31を用いてそれぞれの穴a〜eのニオイを測定すれば、特に穴cの部分にニオイが強く表れ、そこから離れるほど、例えば穴b、穴d…というようにニオイが弱くなるニオイの強度分布データが得られる。
【0040】この結果、舗装路61に等間隔に設けた隣接する穴bと穴cの範囲で地中に埋設されている水道管の不具合部分の位置を特定することができる。
【0041】この配管不良部検出方法によれば、舗装路61の地下に生じた微小な漏水、例えば舗装路61に水が染み出てこないような漏水についても、水道管62に沿って路面に等間隔に複数の穴a〜eを掘り、各穴a〜eのニオイを測定することにより、水道管62の漏水部分を確実に検出しその位置を穴a〜eの間隔の範囲で特定できるので舗装路61を大きな範囲で掘り起こすことなく漏水修復工事ができるようになる。
【0042】また、このニオイ送出装置は、ポータブル型として設計されているので、内蔵されているコンプレッサ1の気体圧力は、最高 2.5Kg/cm 2 程度である。規模の小さな配管設備であれば、このコンプレッサ1で対応可能であるが、大規模な配管設備に用いる場合、コンプレッサ1と容器4間に設けられている気体導入弁6に高出力の外部コンプレッサを接続するだけで対応可能である。なお、外部コンプレッサより導入された気体は、逆止弁5によりコンプレッサ1側には逆流しないようになっている。
【0043】次に、図7を参照して吸水管などに生じた微細な漏水の場合に、水抜きをせずに行う配管不良部検出方法について説明する。
【0044】同図に示すように、この検出方法は、液体中、例えば貯水層71内の水などの中にニオイ送出管22を沈め、ニオイ送出装置よりニオイを含んだ気体を導入することにより、水ににおいを溶け込ませ、この水が送出される吸水管72の表面上を、ニオイセンサ31を用いてニオイを測定し、そのニオイが強く表れた吸水管72の位置を不良部として特定する方法である。
【0045】この配管不良部検出方法によれば、吸水管72内の水抜きなどを行わずに排水管の漏水部分の位置を検出することができる。
【0046】なお、この発明はスプリンクラー、消火栓およびガス管などの配管の不良部検出にも用いることができる。例えばスプリンクラーなどの場合、通常状態では、スプリンクラーの末端まで放水のための水を充填しておく必要がないので、各部屋への分岐部で水を塞き止めておけば、それから先の不良部検出作業が早くでき、また、スプリンクラーの末端部分が腐食することがないので有事の際にスプリンクラーが動作しないようなことがなくなる。
【0047】次に、図8および図9を参照して上記したニオイ送出装置の応用例について説明する。図8はニオイ送出装置を示す図、図9は図8の外観斜視図である。
【0048】なお、既に説明した部分については同一の符号を付しその説明は省略する。
【0049】図8に示すように、通気部3には、ニオイ発生部としてのニオイカセット81が接続されている。また、この通気部3には、ニオイセンサ82が接続されており、ニオイ送出装置より外部に送出される前(送出元)のニオイを検出するためのものである。また、加熱管14の先端部には、絶縁抵抗センサ83を有する吸い込み防止機構、例えば水抜きドレーン84などが設けられている。これは、通気管3にニオイセンサ82を付加したことによって、ニオイを含んだ液体、例えば水などが装置内に逆流してニオイセンサ82に吸い込まれるのを防止するためのものである。
【0050】また、このニオイ送出装置には、ニオイセンサ82はもとよりそれ以外の計器類、例えば圧力ゲージ11、流量計13などが測定したデータを活用するためのデータ出力装置85が設けられている。このデータ出力装置85には、図示しない記憶手段、例えばICメモリカードなどが装着可能である。また、このデータ出力装置85は、シリアルデータを出力でき、入手したデータを外部プリンタなどにプリントアウトすることもできる。また、このニオイ送出装置には、パワースイッチ19と連動するタイマ86が設けられており、ニオイ送出装置の動作時間を計測する。
【0051】図9に示すように、このニオイ送出装置は、アルミハードケース90に内蔵されており、アルミハードケース90の開口部には、内部の機構を覆うように操作パネル91が設けられ、また、その側面には、装置内部と外部との連絡管92、例えば外部に気体を送出するための送出管や外部より気体を導入するための導入菅などが設けられている。
【0052】この操作パネル91には、経時的に変化する上記したデータを表示するための表示装置、例えば時間表示部93、ニオイレベル表示部94、圧力表示部95、流量表示部96、気体温度表示部97および水の吸い込み表示ランプ98などが配置されている。また、この操作パネル91には、内部のデータ出力装置85にICメモリカードを装着する挿入口99が設けられている。さらに、この操作パネル91には、ICメモリカードに記憶したデータ量が表示される容量インジケータ100が設けられている。また、この操作パネル91には、タイマ86が動作して所定時間になると、警報を発する警報発生手段、例えば赤い警告ランプ101などが設られており、始めに時間を設定しておけば、ニオイカセット81の交換時期が判るようになっている。この警報発生手段はブザーなどでもよい。
【0053】この場合、ニオイ送出装置より送出される前のニオイのレベルが、内蔵されているニオイセンサ82により検出されるので、外部のニオイセンサ31で配管表面を測定した後、互いのニオイレベルを比較することにより、他のニオイ、例えば配管自身のニオイなどと、ニオイ送出装置が送出したニオイとを識別することができる。これにより、配管表面のニオイが配管自身のものでなく、不具合部分より噴出したものであるということを適格に判定することができる。
【0054】また、このデータはICメモリカードに記憶できるほか、外部プリンタなどにプリントアウトすることができるので、配管の管理状態を過去からさかのぼって調べることもできる。
【0055】なお、この発明は、ニオイ送出装置のコンプレッサとニオイ送出部との間に、ニオイ発生部をバイパスする管を設けてエアのみを送出するようにして、初期時にニオイのないエアを送り、その後、ニオイを含んだ気体を送るようにしてもよい。
【0056】また、上述した実施例では、温度調節手段としてヒーターを用いた場合について説明したが、冷却装置を用いてもかまわない。
【0057】さらに、これら温度調節手段を装置本体外に設け、装置側より制御のみを行うようにしてもよい。
【0058】また、上述した実施例では、ニオイを検知するために熱線型焼成半導体センサを用いた場合について説明したが、基板型半導体センサでもよく、水晶振動子を用いてもかまわない。例えば水晶振動子を用いた場合は、センサー素子として合成二分子膜を特殊コーティングした水晶振動子を用いる。この場合、水晶振動子に吸着したニオイ物質の重量を振動数変化としてとらえることによりニオイを量化する。
【0059】さらに、上述した実施例では、気体の流量を制御した例を示したが、この他、気体の圧力、ニオイレベルおよび気体の温度なども制御可能である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明のニオイ送出装置およびこれを用いた配管不良部検出方法によれば、配管内にニオイを含んだ気体を充填する一方で、配管表面のニオイ測定を行し、その測定したニオイの強度に基づき配管に生じた微細な不良部分を確実に検出しその位置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例のニオイ送出装置の構成を示す図である。
【図2】図1のニオイ送出装置の外観を示す斜視図である。
【図3】配管不良部検出を行うときに、実施例のニオイ送出装置とペアで用いられるニオイセンサの外観を示す斜視図である。
【図4】図3のニオイセンサの原理を説明するための図である。
【図5】給湯管の不良部検出方法を説明するための図である。
【図6】他の配管の不良部検出方法を説明するための図である。
【図7】他の配管不良部検出方法を説明するための図である。
【図8】図1のニオイ送出装置の応用例を示す図である。
【図9】図8のニオイ送出装置の外観斜視図である。
【符号の説明】
1…コンプレッサ、4…容器、5…逆止弁、6…気体導入弁、7…ニオイ玉、8…透明カプセル、9…導入口、10…送出口、14…加熱管、15…ヒーター、16…温度調節器、17…ヒーターSW、21…アルミハードケース、22…ニオイ送出管、31…ニオイセンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮した気体を送出するコンプレッサと、本体に対して着脱自在に設けられ、ニオイ玉が収容される透明カプセルを有し、前記コンプレッサから送出された気体を前記透明カプセルに収容されたニオイ玉を通過させて排出するニオイ発生部と、このニオイ発生部より排出された気体の流量を制御する流量制御部と、この流量制御部より排出された気体を、上方に向けてニオイの指向性を持つ程度に加熱する加熱手段とと具備することを特徴とするニオイ送出装置。
【請求項2】 配管の不良部の位置を検出する配管不良部検出方法において、ニオイを含みかつ強制的に上方に向けてニオイの指向性を持つ程度に加熱された高圧の気体を前記配管の所定の開口部より送出する一方、前記配管の上部より前記配管の表面上のニオイの強度を検出していき、検出されたニオイの強度の分布に基づき配管の不良部の位置を特定することを特徴とする配管不良部検出方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図5】
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【図2】
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【図9】
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【図6】
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【図8】
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【特許番号】第2526345号
【登録日】平成8年(1996)6月14日
【発行日】平成8年(1996)8月21日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−116350
【出願日】平成4年(1992)5月8日
【公開番号】特開平6−186122
【公開日】平成6年(1994)7月8日
【前置審査】 前置審査
【出願人】(591105889)
【参考文献】
【文献】特開平4−79962(JP,A)