説明

ニューマチックケーソンの回収ロック

【課題】ニューマチックケーソンにおいて鉄筋コンクリートのスラブを不要とし、圧気作業室からケーソン掘削機を回収して修理点検を行うための加減圧可能な高耐圧性空間をもつ回収ロックの提供。
【解決手段】圧気作業室を区画する圧気スラブの圧気扉付開口部を囲んで、圧気スラブ上面に取外し可能に固定した気密空間をなす回収ロックが、ほぼ半円筒型耐圧形状の殻体で形成され、殻体は少なくともそのほぼ半円筒形周面と軸線方向端面を含む全表面について分解と気密組立を可能とする分解片でなる。ほぼ半円筒形殻体は圧気扉付開口部の両側から軸線方向両端に続く広い作業域を提供し、この作業域において気密にマンロックと接続される。望ましくはほぼ半円筒形殻体の軸線方向端面は、対向するニューマチックケーソン側壁内面との間に支保材を設置して耐圧性が補強される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はニューマチックケーソンの回収ロック、より詳しくは、ニューマチックケーソンの圧気作業室にその天井をなす圧気スラブを介して隣接し、ケーソン掘削機を圧気作業室から回収して修理、点検を行うために加減圧可能な整備作業空間を区画する回収ロックを有するニューマチックケーソンに関する。
【背景技術】
【0002】
ニューマチックケーソンにおいては、従来ケーソン躯体の下部に掘削地盤の崩落や地下水の噴出を防ぐために高気圧に圧気した圧気作業室を区画する圧気スラブを設け、圧気スラブの下面すなわち圧気作業室の天井に設置したレールにケーソン掘削機を懸架して移動させ、掘削を行う。ケーソン躯体の沈下工事の初期段階では圧気作業室はいまだ大気圧またはそれに近い気圧にあるので、作業員が圧気作業室に入りケーソン掘削機に搭乗するなどして直接掘削操作を行うこともできるが、工事進行とともに圧気作業室は加圧されるため、減圧症防止のため安全基準による諸条件の下で作業員は操作を行うことになるので、安全性と能率の面から、掘削作業は地上からの遠隔制御操作によって行うことが近年の大勢となっている。しかしながら、一旦ケーソン掘削機が故障した場合の点検修理をも遠隔制御操作で実施するまでには至っていない。また、望ましくは、点検修理を行うにも作業員が圧気作業室に入る必要を回避可能とすることが求められる。
【0003】
その求めに応じて提案されたニューマチックケーソンにおいては、圧気作業室に隣接してケーソン掘削機を回収し作業員が大気圧環境下で点検修理を行う空間が構成される。そのため、この空間をなす回収ロックの下スラブとして圧気スラブを用い、その上方に平行に上スラブを形成する、鉄筋コンクリート等により構成される二重スラブ構造によって回収ロックを形成したものがある。この二重スラブ構造において、ケーソン掘削機を回収ロックに回収するためには、ケーソン掘削機が通過可能な開口部が下スラブを貫通して形成され、この開口部を開閉する開閉扉を介して圧気作業室と回収ロックの間でケーソン掘削機を移動させる吊上げ装置と、開閉扉を閉じてケーソン掘削機を回収ロックの床上で移動させる回収架台と、回収ロック内の気圧を調整する気圧調整手段とが設けられ、それによって、ケーソン掘削機の組立、点検、修理ないしはケーソン沈下工事完了後の解体等の、遠隔制御不能な作業を、作業員が圧気作業室の高気圧に曝されることなく遂行可能となる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3470894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の二重スラブ構造による回収ロックは、上スラブが、下スラブを含むケーソン躯体と一体に鉄筋コンクリートによって製作するため、次のような問題を含んでいる。それは、図7(a)、(b)に例示するように、埋設されたニューマチックケーソンが例えばシールドトンネル掘削工事における立坑として用いられる場合、あるいは雨水貯留槽等として用いられる場合には、ニューマチックケーソンの沈設が完了した後に少なくとも回収ロックが不要となり、そのため少なくとも上スラブを撤去しなければならない場合が生じる。図7(a)は小口径のニューマチックケーソンを単独のシールドトンネル掘削発進用の立坑として、図7(b)は大口径のニューマチックケーソンを2本のシールドトンネル掘削発進用の立坑としてそれぞれ用いたときの、トンネル発進口Tと撤去すべき上スラブUの重複する位置関係を示す。いずれの場合も、鉄筋コンクリート製のスラブを撤去することは多大の労力と時間、費用等を要し、同時に多量のコンクリート塊と鉄筋屑という産業廃棄物を発生することとなり、全体構築物の工期の延引と全般的なコストの増大を余儀なくされる。
【0005】
本発明は上記の課題を解決するために提案されたものであり、ニューマチックケーソンにおいて二重スラブ構造によることなく有効な回収ロックを形成し、しかもその撤去作業も全体の工期延長を来たすことなく、作業も簡単で産業廃棄物を発生しない回収ロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、ニューマチックケーソンの圧気作業室と圧気スラブを介して隣接し、圧気スラブの圧気扉付開口部を介して連通して、圧気作業室内で使用するケーソン掘削機を回収して修理点検作業を行うために大気圧と圧気圧との間で加減圧可能とした気密空間を区画する回収ロックにおいて、回収ロックは圧気スラブ上面に気密に定着し、断面をほぼ半円形ないし馬蹄形としたほぼ半円筒型耐圧形状の殻体で構成され、殻体は少なくともほぼ半円筒型の周面と軸線方向端面を含む全表面について分解と気密組立を可能とする複数の分解片でなることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1記載のニューマチックケーソンの回収ロックにおいて、ほぼ半円筒型の殻体でなる回収ロックがマテリアルシャフトと圧気スラブの圧気扉付開口部との間に配置され、圧気扉付開口部の両側から殻体の軸線方向に広がる作業域を形成するとともに、作業域において、鋼板で加減圧可能な耐圧形状に形成されマンシャフトに接続したマンロックの圧気扉付出入通路と接続されることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2記載のニューマチックケーソンの回収ロックにおいて、ほぼ半円筒型の殻体でなる回収ロックが軸線方向端面の外壁とニューマチックケーソンの内壁との間に支保材を設置してなり、支保材は支保構、無筋コンクリート、または繊維入りコンクリートでなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の本発明によれば、ニューマチックケーソンの圧気作業室と圧気スラブを介して隣接し、圧気スラブの圧気扉付開口部を介して連通して、圧気作業室内で使用するケーソン掘削機を回収して修理点検作業を行うために大気圧と圧気圧との間で加減圧可能とした気密空間を区画する回収ロックにおいて、回収ロックは圧気スラブ上面に気密に定着し、断面をほぼ半円形ないし馬蹄形としたほぼ半円筒型耐圧形状の殻体で構成され、殻体は少なくともほぼ半円筒型の周面と軸線方向端面を含む全表面について分解と気密組立を可能とする複数の分解片でなることを特徴とするので、回収ロック形成のために従来必要とした圧気スラブ上方の上スラブの設置が不要となり、二重スラブ構造を不要とする。同時に、回収ロックがその役目を終えて撤去を必要とする場合にも、従来の上スラブのように破壊による撤去ではなく、構成要素である分解片への分解、あるいは、少なくとも幾つかの運搬容易な寸法のブロックへの分解による撤去であるため、鉄筋コンクリートの破壊による撤去と比較すれば遥かに少ない労力と時間で済み、しかも産業廃棄物の生成がなく、他の地点における再組立てと再利用が可能となり、工期の短縮とコストの削減における利点は顕著となる。また、外形が弧状をなすため、内圧や外圧に対する耐圧性に富む。
【0008】
請求項2に記載の本発明によれば、ほぼ半円筒型の殻体でなる回収ロックが、上下関係にあるマテリアルシャフトと圧気スラブの圧気扉付開口部との間に接続配置され、圧気扉付開口部の両側から殻体の軸線方向に広がる広い作業域を形成するとともに、作業域において、鋼板で加減圧可能な耐圧形状に形成されマンシャフトに接続したマンロックの圧気扉付出入通路と接続されることを特徴とするので、特にニューマチックケーソンが大口径で複数のケーソン掘削機の使用のために圧気スラブに複数の圧気扉付開口部が設けられている場合、圧気扉付開口部ごとに広い回収ロックを設置することができ、その広い作業域においてマンロックと接続されるため、作業性が極めて高くなる。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、ほぼ半円筒型の殻体でなる回収ロックが軸線方向端面の外壁とニューマチックケーソンの内壁との間に支保材を設置してなり、支保材は支保構、無筋コンクリート、または繊維入りコンクリートでなることを特徴とするので、耐圧性の低い平面でなるほぼ半円筒型回収ロックの軸線方向端面部分が支保材によって補強され、ほぼ半円筒型形状の本来の高耐圧性が更に高められて、圧気作業室と連通されたときに受ける高気圧の内圧と、ニューマチックケーソンの沈下促進用の水荷重としてケーソン内部に溜められる水からの外圧のいずれにも耐えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明が最も特徴とするのは、鉄筋コンクリートの二重スラブ構造によることなく、圧気スラブ上面に高耐圧性のほぼ半円筒型の回収ロックを、分解片の組立によって構築する点にあり、以下にそのための最良の実施例1〜3を添付の図1〜6に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1〜4に示す本発明による実施例1は、図7(b)に例示した2連設トンネル掘削発進用の立坑として用いる比較的大口径のニューマチックケーソンにおける回収ロック10の構成にかかる。図において、ニューマチックケーソンAはその下端周囲に設けた刃口Fとともに圧気作業室Eを区画する圧気スラブBで下端を閉じ、圧気スラブBを貫通するが圧気扉Iで開閉される開口部Hを介してのみ、圧気作業室Eは圧気スラブB上面の大気圧に保たれたケーソン内空間と連通する。圧気作業室Eには、その天井に施設した走行レールCに沿って移動可能な複数のケーソン掘削機Dが配置され、それぞれ、図示しない地上の操作司令室から遠隔制御操作されて地盤Gを掘り下げる。地盤掘り下げとともに発生する土砂は、マテリアルシャフトJを通過し、開口部Hと圧気扉Iとを介して、上端のマテリアルロックKにより加減圧されて大気中と掘削地盤Gとの間を上下する図示しない昇降バケットにより、地上に排出される。圧気作業室E内のケーソン掘削機Dについて遠隔制御操作が不能な点検整備ないし修理の際には、作業員の健康保全のため、ケーソン掘削機Dを開口部Hと圧気扉Iを介して圧気作業室Eから回収ロック10内に回収し、圧気扉Iを閉じて回収ロック内を減圧して大気圧とし、大気圧環境下で修理等を行う。図示はしないが、気圧加減制御装置が望ましくは地上に設置され、操作司令室からの遠隔操作により圧気作業室E内の気圧を掘削地盤Gの安定化と地下水湧出防止等に必要な高気圧に維持する。
【0012】
圧気扉Iを開放して昇降バケットまたはケーソン掘削機Dが開口部Hを通過する間、ないしは掘削が継続して行われて昇降バケットが反復通過する間、開口部Hの外側つまり上部を圧気作業室Eと同じ高気圧状態とし、圧気扉Iを閉鎖して作業員が点検修理作業を行う間は大気圧状態とするため、本発明は開口部Hを、断面がほぼ半円形のほぼ半円筒型耐圧形状を有し、気密に組立て、分解可能な回収ロック10を構成する殻体12で覆い、開口部Hを取囲む長方形の底辺をアンカーボルト11により圧気スラブBの上面に気密に締結する。回収ロック10の内部は気圧加減制御装置に接続され、大気圧と、圧気作業室の高気圧とのいずれかに設定制御される。
【0013】
回収ロック10は、組立と分解が容易な、例えばプレストレストコンクリート製や鉄骨コンクリート製、好適には鋼製の分解片で構成されるほぼ半円筒形のいわゆるカマボコ型ないし馬蹄形の殻体12でなり、ここでは好適に使用される鋼製のものについて述べるが、分解片は、図3(a)、(b)に見られるように細長い鋼板13の両側辺に設けた円周リブ14と両端辺に設けた横リブ15とを備える周面材、および図2に見られるようにほぼ半円筒形殻体12の両端面の円周リブ14に締結される端面部殻体16とこの端面部殻体16の外面に取付けた支保柱または桁材を含む支保構をなす補強鋼板17とを備える端面材でなる。互いに隣接する周面材の円周リブ14同士と横リブ15同士は気密シールを介して接続され、ボルトナットにより互いに締結される。分解片の周面材と端面材とはそれぞれ運搬可能な寸法と重量に設定されてブロック化され、組立、分解、移動と再利用を容易とする。
【0014】
ほぼ半円筒形の回収ロック10の長方形の底辺で囲まれた床面についても、ブロックとして適宜の寸法の例えば床鋼板による床殻体が形成され、補強用鋼桁が溶接されるが、圧気スラブBの上面が充分な床面を提供していれば、工期短縮とコスト削減のためには、床殻体は省略しても良い。
【0015】
各回収ロック10が覆う圧気スラブBの開口部Hに対応する上方位置でほぼ半円筒形殻体12をマテリアルシャフトJの下端に気密に接続し、地上に位置するマテリアルシャフトJ上端のマテリアルロックKを介して、地上のクレーン等により吊り下げられた土砂バケット(図示しない)の圧気作業室Eへの圧気状態での往復通過を可能とする。図示の場合、二つの開口部Hに対して二つの回収ロックl0がほぼ平行に配置され、その中間に、気圧加減制御装置に接続された鋼製円筒状のマンロックMが、安定設置用の架台Qを介して圧気スラブBの上面に設置され、ほぼ中央の圧力隔壁Oで二つに仕切られた一方の待機室Pから左右に突き出す出入通路Nの各々がそれぞれの回収ロック10の殻体12に気密に接続され、マンロックMの待機室Pに接続したマンシャフトLから待機室Pに入った作業員は回収ロック10の圧気が大気圧に減圧されるのを待ち、出入通路Nの圧気扉を開けて、回収ロック10内において一方の端面部殻体16に近接する開口部Hの両側から他方の端面部殻体16まで広がる作業域18に入り、前もって圧気作業室Eから回収してあるケーソン掘削機Dの点検修理に当たる。図では開口部Hを一方の端面部に接近させているが、これは他方の端面部側の作業域18を最大にし得るためであり、状況に応じて別の配置とし得ることは言うまでもない。なお、好適には、マンロックM、待機室P、出入通路Nは鋼製とする。マンシャフトLの作業員の昇降のため、内部にエレベーターを設置しても良い。
【0016】
マンロックM内を圧力隔壁Oが仕切る他方の圧気室Rは、圧気スラブBを貫通する圧気シャフトSを介して圧気作業室Eと連通するが通常は圧気扉Iで閉止され、大気圧に維持されており、作業員の圧気作業室Eへの出入が必要な時は高気圧に加圧される。
【実施例2】
【0017】
図5は本発明による回収ロック10の第2の実施例を示し、ニューマチックケーソンAと回収ロック10ならびにマンロックMのそれぞれの構成要素と要件はまったく実施例1と同じであり、それらの詳細な説明は煩雑を避けるため省略するが、本実施例2の特徴点は、断面をほぼ半円形とするほぼ半円筒形の回収ロック10の軸方向両端の端面部殻体16と、対向するニューマチックケーソンAの側壁との間に補強材19を多数設置して、ほぼ半円筒形の周面部に比して耐圧性が低い平坦な端面部殻体16を補強したことにある。補強材19としては、支保柱、桁材のような支保構が用いられ、これらを長手方向に水平に、あるいは斜めに、端面部殻体16と側壁との間に複数設け固定する。補強材19の本数、配置等は規模に応じ適宜選択される。
【実施例3】
【0018】
図6は本発明の回収ロック10の第3の実施例を示すが、実施例1および2と同一とする構成要素と要件の詳述は省略し、実施例3の特徴点について述べれば、断面をほぼ半円形とするほぼ半円筒形の回収ロック10の端面部殻体16の耐圧性補強をコンクリート支保体20で行う点である。このコンクリート支保体20は、回収ロック10の端面とニューマチックケーソンAの側壁との間の距離が短いとき、あるいは回収ロック10が側壁間の幅に接近するように長いときに用いて有利であり、通常は無筋コンクリートまたは繊維入りコンクリートを打設するが、特に高い耐圧性ないし強度を要するときは補強鉄筋を設置する場合もある。実施例1および2の構成と比較すれば、コンクリート支保体20は回収ロック10に対する内圧と外圧の双方について高い耐圧性を回収ロック10に付与する。
【0019】
なお、上記実施例1ないし3のいずれにおいても回収ロック10を構成する殻体12の形状を、断面をほぼ半円形とするほぼ半円筒形耐圧形状としているが、この耐圧形状には、円を直径線に沿って切断した半円形、直径線に平行して直径線を含む位置(カマボコ形)又は含まない位置で切断したほぼ半円形、楕円形を短軸又は長軸に沿って切断した半楕円形、短軸又は長軸に平行していずれかの軸を含む位置(馬蹄形)または含まない位置で切断したほぼ半楕円形が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例1による回収ロックを、マンロックとともにニューマチックケーソン内に設置した全体構成で示す縦断面図。
【図2】図1のII−II線に沿う全体構成の横断面図。
【図3】図2のIII−III線に沿う全体構成の縦断面図。
【図4】(a)は本発明による回収ロックのやや拡大した断面図。(b)は図4(a)の回収ロックの部分側面図。
【図5】本発明の実施例2による全体構成の、図2と同様の横断面図。
【図6】本発明の実施例3による全体構成の、図2と同様の横断面図。
【図7】(a)は本発明を適用しうるトンネル掘削用立坑の一従来例の縦断面図。(b)は本発明を適用しうるトンネル掘削用立坑の他の従来例の縦断面図。
【符号の説明】
【0021】
A ニューマチックケーソン
B 圧気スラブ
C 走行レール
D ケーソン掘削機
E 圧気作業室
F 刃口
G 地盤
H 開口部
I 圧気扉
J マテリアルシャフト
K マテリアルロック
L マンシャフト
M マンロック
N 出入通路
O 圧力隔壁
P 待機室
Q 架台
R 圧気室
S 圧気シャフト
10 回収ロック
11 アンカーボルト
12 殻体
13 鋼板
14 円周リブ
15 横リブ
16 端面部殻体
17 補強鋼板(支保構)
18 作業域
19 補強材(支保材)
20 コンクリート支保体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューマチックケーソンの圧気作業室と圧気スラブを介して隣接し、圧気スラブの圧気扉付開口を介して連通して、圧気作業室内で使用するケーソン掘削機を回収して修理点検作業を行うために大気圧と圧気圧との間で加減圧可能とした気密空間を区画する回収ロックにおいて、
回収ロックは圧気スラブ上面に気密に定着し、断面をほぼ半円形ないしほぼ馬蹄形としたほぼ半円筒型耐圧形状の殻体で構成され、殻体は少なくともほぼ半円筒型の周面と軸線方向端面を含む全表面について分解と気密組立を可能とする複数の分解片でなることを特徴とするニューマチックケーソンの回収ロック。
【請求項2】
ほぼ半円筒型の殻体でなる回収ロックはマテリアルシャフトと圧気スラブの圧気扉付開口部との間に配置され、圧気扉付開口部の両側から殻体の軸線方向に広がる作業域を形成するとともに、作業域において、
鋼板で加減圧可能な耐圧形状に形成されマンシャフトに接続したマンロックの圧気扉付出入通路と接続されることを特徴とする、請求項1記載のニューマチックケーソンの回収ロック。
【請求項3】
ほぼ半円筒型の殻体でなる回収ロックは軸線方向端面の外壁とニューマチックケーソンの内壁との間に支保材を設置してなり、支保材は支保構、無筋コンクリート、または繊維入りコンクリートでなることを特徴とする、請求項1または2記載のニューマチックケーソンの回収ロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−150870(P2010−150870A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332516(P2008−332516)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000207780)大豊建設株式会社 (77)