説明

ネギ属植物の可食部の辛さを推定する方法

【課題】本発明は、ネギ属植物の辛さの程度を精度よく推測する方法を提供することを目的とする。本発明はまた、多検体処理に適した、ネギ属植物の辛さの程度の簡便かつ迅速な推定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明はタマネギ等のネギ属植物中の催涙成分生成酵素(LFS)の量に基づいて該ネギ属植物の可食部の辛さを推定する方法に関する。指標とするLFS量は、ELISA法を用いて測定されることが特に好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はネギ属植物の可食部の辛さを推定する方法、所望の辛さの可食部を有するネギ属個体を選抜する方法、及びこれらの方法に用いるためのキット、並びにタマネギ中のLFSの量を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タマネギを含むネギ属植物を生のまま食した時には独得の香りと合わせて、辛味を感じる。この辛味発現には、組織破砕が必須であることや充分加熱した上で組織破砕した時は辛味を感じないことから、組織破砕に伴って始まる酵素反応によって、辛味が発現すると考えられている。
【0003】
さらに、組織破砕時に生成されるピルビン酸生成量が官能評価による辛味評価結果と正の相関を示す(非特許文献1)ことから、辛味発現には、ネギ属植物で含有量が多いアミノ酸である、アリルシステインスルフォキシド(Alkyl cystein sulfoxide)やアルケニルシステインスルフォキシド(Alkenyl cystein sulfoxide)を基質としたアリイナーゼ(alliinase)による分解から始まる一連の反応経路が関係していることが示唆されているが、辛味本体の特定はなされていない。
【0004】
ネギ属植物の辛味について、園芸・育種の面から見ると、子供にも食べやすい野菜を提供することや健康志向の消費者による生野菜摂取の風潮に応えることを目指した、「辛味が弱いタマネギやネギ属植物の作出」がそれらの野菜の品種改良の一つの流れとなっている。
【0005】
タマネギを初めとしたネギ属植物の辛さを推定する方法としては、主に、組織破砕時のピルビン酸生成量測定が利用されている。この方法は、辛味発現に関与している一連の反応のうちの第一段階の反応である、アリイナーゼ(alliinase)によるアリルシステインスルフォキシド(Alkyl cystein sulfoxide)やアルケニルシステインスルフォキシド(Alkenyl cystein sulfoxide)(以下、両者を合わせて、ACSOsとする)の分解反応の副産物として生成されるピルビン酸の生成量を測定するものである。
【0006】
この方法では、基質(ACSOs)も酵素alliinaseも試料に用いたネギ属植物組織に内在している分が反応した結果を分析することになる。このことから、サンプルサイズが大きい(20g以上)必要があり、また、タマネギ球のどの部位を用いるかによって測定値がぶれてしまうことが問題点だった。さらに、同じタマネギを異なる研究室で分析した時、測定値に約2倍の差が出る場合があることが報告されており、いくつかの研究機関で共同で育種を進める時には使いにくい方法だった。(非特許文献2)
【0007】
ネギ属植物の辛さを判定する方法として、ピルビン酸測定法の他には、試料を官能評価して判定することも試みられているが、官能評価を基にした方法は、育種集団のような数百〜数千個体から、短時間のうちに、辛さが弱い個体を選抜するという場面においては、パネラーの疲労が問題になり、実用的ではなかった。
【0008】
催涙因子合成酵素(Lachrymatory factor synthase 以下LFSとする)はタマネギ組織中から発見された酵素であり、食品製造過程でのタマネギ加工時や家庭での調理時にタマネギを切った時に感じられる催涙性の原因物質である催涙因子の生成を直接触媒している(非特許文献3)。また、タマネギ以外の催涙性を示すネギ属植物からも推定アミノ酸配列がタマネギLFSと高い一致度を示す遺伝子が見つかっており、LFSはタマネギのみならず、ネギ属植物全体の催涙性発現に関与した酵素(遺伝子)であることが強く示唆されている(特許文献1)。
【0009】
ACSOsを基質とした初期の2段階の酵素反応を詳細に説明すると以下の様である。
調理や加工に伴って、ネギ属植物の細胞破砕が引き起こされると、ACSOsがalliinaseによる分解を受け、一分子のACSOsからスルフェン酸、ピルビン酸、アンモニアがそれぞれ一分子ずつ生成される。ACSOsのうち、trans-1-propenyl cysteine sulfoxide(PRENCSO)については、生成されるスルフェン酸は1-propenyl sulfenic acidであり、次に、この1-propenyl sulfenic acidが催涙因子合成酵素(LFS)の働きによって、催涙因子(Lachrymatory factor LF)となる(非特許文献1)。従って、alliinase活性の強さやPRENCSO含有量が同じであれば、LFSの発現程度が低いタマネギほど催涙性が低くなることを示唆している。さらに、LFS量が少なくなるに従い、LFへ変換される1-propenyl sulfenic acidが少なくなり、1-propenyl sulfenic acidからの別の反応経路と考えられるthiosulfinate(s)生成に用いられるようになることも推測されている(非特許文献1)。
【0010】
一方、1-propenyl sulfenic acidは、LFSの作用によって、LFへと変換されるだけではなく、2分子が結合して、thiosulfinate類になるとされている。それらthiosulfinate類から派生するS-化合物には健康機能性を有する物質があることが示唆されている(非特許文献4)。従ってLFS活性が高いネギ属植物の個体は健康機能性が高い可能性がある。
【0011】
ELISA法は、試料の前処理が簡単であることや多検体処理が可能なことから、臨床検査においては、疾病関連タンパク質濃度の判定等で実用化された分析方法である。植物研究においても、玄米ないし精白した米が低グルテリン米であるか否かを、簡便、迅速、確実かつ高感度に判定する方法として報告されている(特許文献2)。
【0012】
【特許文献1】国際公開WO 03/74706 A1
【特許文献2】特開2007-170923号公報
【非特許文献1】Journal of the Science of Food and Agriculture vol.85 p.112 (2005)
【非特許文献2】HortScience vol.37 p.1086 (2002)
【非特許文献3】Nature vol.419 p.685 (2002)
【非特許文献4】J. Agri. Food Chem. vol.55 p.1280 (2007)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来、ネギ属植物においてLFS量と辛さとの関係は知られていない。
【0014】
本発明は、ネギ属植物の辛さの程度を精度よく推測する方法を提供することを目的とする。本発明はまた、多検体処理に適した、ネギ属植物の辛さの程度の簡便かつ迅速な推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は驚くべきことにネギ属植物においてLFS量と辛さとが相関すること、及びLFS量を辛さの指標とすることで辛さの程度を精度よく推測することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は以下の発明を包含する。
【0016】
(1) ネギ属植物中の催涙成分生成酵素(LFS)の量に基づいて該ネギ属植物の可食部の辛さを推定する方法。
(2) ネギ属植物がタマネギ、シャロット、ネギ、ラッキョウ又はリーキである、(1)の方法。
(3) ネギ属植物中のLFSの量を、LFSに特異的な抗体を用いる免疫測定法により測定し、測定されたLFSの量に基づいて該ネギ属植物の可食部の辛さを推定する、(1)又は(2)の方法。
(4) ネギ属植物の成長点を含む部位以外の部分を分析試料として、該分析試料中のLFSの量を測定し、測定されたLFSの量に基づいて該ネギ属植物の可食部の辛さを推定する、(1)〜(3)のいずれかの方法。
(5) (1)〜(4)のいずれかの方法により、ネギ属植物の可食部の辛さを推定し、所望の辛さの可食部を有する個体を選抜する、ネギ属植物個体の選抜方法。
(6) LFSに特異的な抗体を含む、ネギ属植物の可食部の辛さを推定するためのキット。
(7) タマネギ球を、球の上端から1/3〜1/2の高さで、球の上下方向軸に垂直な面に沿って2分割して得られる上側部分又は下側部分の切断面中心部の鱗葉から抽出した抽出液を分析試料として、該分析試料中のLFSの量を、LFSに特異的な抗体を用いる免疫測定法により測定する、タマネギ中のLFSの量を測定する方法。
【発明の効果】
【0017】
LFS量を指標として用いることにより、ネギ属植物の可食部の辛さを精度良く推定することが可能となる。LFS含有量や辛味の強さの点からのネギ属植物の品質評価を行うことができる。
【0018】
免疫測定法を用いることで、簡便、迅速且つ確実にLFS量の測定及び辛さの評価が可能となり、多検体処理が可能となる。このため、可食部の辛さに着目してネギ属植物の育種を行う場合に、個体選抜・系統選抜が容易となる。
【0019】
また本発明の方法によりネギ属植物中のLFS量を測定することにより、当該ネギ属植物の辛さのレベルを順位付けすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
1. ネギ属植物
本発明において「ネギ属植物」とは、分類学的にネギ属(Allium)に属する植物を指し、典型的にはタマネギ、シャロット、ネギ、ラッキョウ、リーキ等を指す。
【0021】
2. 催涙成分生成酵素(LFS)
催涙成分生成酵素(LFS)は、ネギ属植物中に含まれる、1-propenyl sulfenic acidを催涙因子(Lachrymatory factor LF)に変換する酵素として公知である(非特許文献3)。
【0022】
3. LFSの測定方法
ネギ属植物中のLFSの量は、LFSに特異的な抗体を用いる免疫測定法により測定することが好ましい。免疫測定法は迅速かつ簡便に正確な測定を可能にする。免疫測定法によれば、実施例6に示すように分析試料を冷蔵又は冷凍にて長期保存した後でもLFS量の定量が可能であること、マルチウェルプレートを用いて一度に多数の試料を分析可能であることから、多検体分析に適している。
【0023】
免疫測定法としてはELISA (Enzyme-linked ImmunoSorbent Assay)法、放射性免疫測定法(RIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、Immumoblot法等が使用でき、ELISA法が特に好ましい。
【0024】
抗LFS抗体の製造のための免疫原としては、LFSのcDNAが遺伝子組み換えにより組み込まれた大腸菌を用いて発現された組換えLFSを使用することができる。タマネギのLFSのcDNAが遺伝子組み換えにより組み込まれた大腸菌を用いて発現された組換えLFS (以下「rLFS」という)は、国際公開WO 02/20808 A1に開示されている。rLFSを免疫原として得られた抗LFS抗体は、タマネギ中のLFSだけでなく他のネギ属植物中のLFSにも交差反応により結合するため、ネギ属植物中のLFSの定量に使用することが可能である(実施例10)。
【0025】
免疫測定法のための検量線は、rLFSの段階希釈液を試料として作成することが好ましい。試料植物中のLFS量をrLFS換算値として算出することが可能となり、LFS含有量の個体間の比較が容易となるからである。
【0026】
ネギ属植物中のLFSの量は、他の方法で求めることもできる。例えば、特許第3330305号公報に記載されているように、アリイナーゼとLFSを適当な割合で混合した後、PeCSOを添加して酵素反応させ、チオプロパナール−S−オキシドの生成をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)でLFSの活性を測定し、測定値からLFSの量を算出することもできる。
【0027】
3.1 ELISA法
本発明で使用するELISA法について説明する。
【0028】
使用する抗LFS抗体はモノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよい。ポリクローナル抗体としては未精製の抗血清を使用してもよいし、抗血清から精製したポリクローナル抗体を使用してもよい。2種類のモノクローナル抗体を用いてサンドイッチELISA法を行うこともできる。
【0029】
免疫する動物としてはウサギ、ラット、ヤギ、ニワトリ等が挙げられる。
【0030】
ELISA法における検出のための二次抗体としては、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等の検出可能な酵素を結合した二次抗体が使用できる。
【0031】
ELISA法に供する試料液は、ネギ属植物試料からの抽出液を、定量性を示す濃度まで希釈したものを用いる。タマネギ球からの抽出試料の場合、250倍希釈から8000倍希釈して分析するのがよく、好ましくは、500倍から2000倍希釈がよく、さらに好ましくは、1000倍から2000倍希釈がよい。
【0032】
4. 分析試料の調製
LFS量を測定するための分析試料はネギ属植物のいずれかの部位に由来する。可食部の辛さを推定する場合には、対象とする可食部から分析試料が採取されることが好ましい。
【0033】
測定されたLFS量に基づきネギ属植物個体を選抜する場合には、分析試料はネギ属植物の成長点を含む部位以外の部分に由来するものであることが好ましい。例えばタマネギの球(鱗茎)の底盤部には成長点が含まれる。成長点を含む部位を残しておくことにより、選抜された個体を、該部位から再生させることができる。
【0034】
ネギ属植物の各部位からの組織片からLFSを抽出し、LFS量の分析を行う。抽出に必要な植物組織の大きさには特に制限はなく、数十グラムを超えるような組織片であっても実施可能である。しかし、多検体処理を容易することを考えると、市販のサンプリングチューブ(1.5〜2ml容量)を用いたビーズミルでの破砕が有効であり、その場合は、数百ミリグラム〜1グラム程度の組織片が使用される。植物組織の破砕については、組織が均一になるのであれば、いかなる方法を用いることも可能であり、分析に用いる植物組織の大きさを基にして選択すればよい。破砕方法の例としては、家庭用のミキサーによる破砕、乳鉢と乳棒を用いた破砕に加えて、エッペンドルフチューブに入れた組織片をマイクロ乳棒を用いて破砕することやQIAGEN社MM300等のビーズミルを用いることも挙げられる。
【0035】
組織破砕前に行うビーズミル条件は、試料を十分に破砕することができる処理条件であればよく、例えば、エッペンドルフ社製セーフロックチューブ(2ml)に400〜600mgのタマネギ組織片と3mmφのジルコニアボールを3つ入れた場合、QIAGEN社製MM300型ビーズミルで30Hz×30秒以上の処理で破砕できる。ただし、試料によっては、30Hz×2分の破砕が必要なものもあり、破砕後の試料形状を観察しながら決定する必要がある。
【0036】
4.1 タマネギ球からの分析試料の採取方法
タマネギ球中のLFS量を測定する場合には、球の上端から1/3〜1/2の高さで、球の上下方向軸(タマネギ球の底盤部と先端部とを通る軸)に垂直な面に沿って2分割し、得られた上側部分(先端部を含む側)又は下側部分(底盤部を含む側)の切断面中心部の鱗葉から抽出した抽出液を分析試料とすることが好ましい(図2参照)。図2は、前記下側部の切断面表層の中心部鱗葉を用いる例を示す。「切断面中心部の鱗葉」とは、切断面上に現れる鱗葉のうち最内層の鱗葉(軸心に存在する芽を囲む鱗葉)又はその近傍の鱗葉の、切断面側の表層部を指す。「表層部」とは例えば切断面から厚さ2mm〜10mmの部分である。更に、切断面中心部の鱗葉を粉砕又は細切し、そのうち数百ミリグラム(例えば400〜600ミリグラム)分を用いて抽出を行うことが好ましい。本発明者らは驚くべきことに、こうして得られた抽出液中のLFS量が、タマネギ球全体のLFS量を反映していることを見出した。
【0037】
5. ネギ属植物個体の選抜方法
上記方法によるLFS量の測定結果または辛さの推定結果に基づいて、所望の辛さの可食部を生産するネギ属植物個体を選抜することができる。上述の通りLFS量の測定にELISA法を用いることにより多検体の処理が可能になることから、育種現場などの数百〜数千個体の集団から所望の個体を選抜することができる。このような育種の目的で使用できる辛さの推定方法は従来提供されていない。
【0038】
6. キット
ネギ属植物の可食部の辛さを推定するための本発明のキットはLFSに特異的な抗体を少なくとも含む。キットの他の構成要素としては、検量線を作成するための試料や、ELISA法を実施するための二次抗体、発色試薬、マルチウェルプレート、溶液等の各種試薬や、LFS量測定値と辛さとの関係を示す表またはグラフや、取り扱い説明書等の各種文書が挙げられる。
【0039】
7. 従来の辛さ推定法との組み合わせ
本発明によるネギ属植物可食部の辛さ推定法は、ピルビン酸生成量に基づく辛さ推定法と比較して精度が高く、なおかつ分析試料が少量で済むという点で有利である。しかも、本発明の辛さ推定法と従来の辛さ推定法とは観点が異なることから、両者を組み合わせて使用すれば、より高精度で辛さを推定することが可能となる。
【実施例1】
【0040】
抗LFS抗血清の調製
大腸菌を用いて発現させたタマネギ催涙因子合成酵素(rLFS)を凍結乾燥した。得られた凍結乾燥LFSを抗原として、ウサギ(日本白色種 メス)の皮内に0.2mgずつ2週間おきに免疫した。アジュバントには、1回目の免疫時にはFCAを用い、2回目〜6回目の免疫時にはIFAを用いた。3回目〜5回目のそれぞれの免疫後1週間経過後、少量採血し、抗体価の上昇を調べた。6回目の免疫後1週間たってから、全採血した。得られた血液を遠心分離し、抗LFS抗血清を得た。
【実施例2】
【0041】
抗LFS抗血清を用いたELISA法
試料を添付したELISAプレートを37℃に調温した恒温槽内に1時間静置した。1時間経過後、ELISAプレートを恒温槽から取り出し、以下の洗浄ステップに進めた。(i) 全てのwellsから溶液を除去した。(ii) 洗浄buffer(0.05% ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween-20同等品)in 140mM NaCl,10mM Na2HPO4-NaH2PO4(pH7.4))を各wellに300ulずつ加え、ただちに洗浄bufferを除去することを3回繰り返した。(iii) 3回目の洗浄bufferを除去した後で、ペーパータオルを敷いた実験台上にELISAプレートをたたきつけて、well内から洗浄bufferを完全に取り除いた。以上の洗浄ステップ((i)〜(iii))を経たELISAプレートの各wellにblocking 溶液(1%(w/v) BSA in coating buffer (50mM sodium carbonate-bicarbonate buffer (pH9.6))を300ulずつ添加した。そのままELISAプレートを37℃に調温した恒温槽内に1時間静置した。1時間経過後、上記の洗浄ステップ((i)〜(iii))を繰り返した。洗浄後のELISA plateに一次抗体(抗LFS抗血清をdilution buffer(0.1% BSA in 140mM NaCl,10mM Na2HPO4-NaH2PO4(pH7.4))で1000倍に希釈したもの)を各wellに100ulずつ添加した。そのままELISAプレートを37℃に調温した恒温槽内を用いる場合は3時間、4℃冷蔵庫を用いる場合は一晩(16時間〜22時間)静置し、一次抗体を反応させた。一次抗体との反応時間後、ELISAプレートを上記の洗浄ステップ((i)〜(iii))に供した。洗浄後のELISA plateに二次抗体(POD conjugated anti-rabbit IgG whole molecule Sigma A0545をdilution bufferを5000倍〜20000倍希釈したもの)を各wellに200ulずつ添加した。二次抗体を添加したELISAプレートを37℃に調温した恒温槽内に1時間静置した。1時間経過後、上記の洗浄ステップ((i)〜(iii))を繰り返した。洗浄後のELISA plateに発色試薬(TBA ELISA基質溶液(Bio-Rad 172-1066)を100ulずつ添加した。添加後、ただちにELISAプレートを25℃恒温室内で、60rpmで振盪攪拌しながら発色反応を進めた。発色試薬添加後、10min〜60minの間にマイクロプレートリーダー(Emax モレキュラーダイナミクス社)を用いて650nmの吸光度を測定した。
【実施例3】
【0042】
rLFSの段階希釈液試料によるELISA
本実施例では遺伝子組み換え法により調製されたLFS(rLFS)を用いた。1.6mg/mlのrLFS溶液をPBSで100倍希釈した。出来上がった100倍希釈液を3倍ずつ9段階希釈し、100倍、300倍、900倍、2700倍、8100倍、24300倍、72900倍、218700倍、656100倍、1968300倍の10段階の試料(1.6ug/well〜0.08ng/well)を調製した。それら100ulをELISA plate (Maxisorb Immuno plate Nunc社)の各wellに添加し、ELISA試料とし、実施例2の方法で抗LFS抗血清を用いたELISAを行った。
【0043】
1.6ug/well〜0.08ng/wellのrLFSを用いたELISA結果を図1に示した。図1より、rLFSの濃度依存的にELISA発色量が増加することが示された。
【0044】
発色試薬を添加してから、10min後、30min後、60min後の測定したところ、30minと60minの発色程度には違いなかった。そこで、操作性の面から、発色試薬添加30-60min後にELISA発色程度をマイクロプレートリーダー測定することにした。また、ELISA発色が0.5〜2.0ぐらいの範囲で実験を進めることにした。
【実施例4】
【0045】
タマネギ球抽出液の段階希釈試料によるELISA
1)タマネギ球からのサンプリング方法(小片からの抽出)
(タマネギ小片の切り出し・計量)
電子天秤を用いて、タマネギ球(bulbs)の重さを測り記録してから、最外層の茶色の皮をはぎとり、個体識別のために、タマネギ球の下部に油性マジックで番号を書き込んだ。番号を書いたタマネギ球を、球の先端から1/3〜1/2の高さ位置において上下方向軸に垂直な面に沿って2分割し、下側2/3-1/2球側から、その切断面に平行に厚さ3〜5mmのタマネギスライスを一枚切り取った。出来上がったタマネギスライスの鱗葉をバラバラにしていき、いくつかの芽を取り囲んだ最内層のリングを取り出した(図-2の黒色部分)。取り出したリングをメス刃を用いて、12等分〜16等分して、1辺3−5mmの小片にした。こうしてできた小片をジルコニアビーズ(3mmφ)を3個入れた2ml容チューブ(safe lock tube eppendorf社)に400-600mg分サンプリングした。小片とビーズの入ったチューブを振って、サンプルとビーズができるだけ交互に位置するようにした。出来上がったサンプルを入れたチューブを氷上に置いた。
【0046】
(タマネギ小片の破砕)
タマネギ小片とビーズの入っているチューブをビーズミル(MM300 QIAGEN社)のラックにセットし、30Hz×60secの条件で破砕した。破砕後、タマネギ組織が塊りとして残っていないことを目視で調べながら、ラックからチューブを取り出し、氷上に移した。組織片が塊りとして残っていたチューブはもう一度30Hz×60sceで破砕した。破砕の完了したチューブを氷上に置いた。
【0047】
(破砕物からのPBS抽出)
破砕物の入ったチューブに1000ulずつのPBS(リン酸緩衝生理食塩水)を加え、タッチミキサーを用いて攪拌した。攪拌後、15000rpm x 5min, 4℃の遠心分離に供した。遠心によって得られた上清をタマネギ抽出液として新しいサンプリングチューブに回収した。出来上がったタマネギ抽出液を-80℃冷凍庫に入れ、ELISA分析当日まで冷凍保管した。
【0048】
2)タマネギ小片抽出液の段階希釈液を用いたELISA
タマネギ抽出液を冷凍庫から取り出して、融解してからタッチミキサーで攪拌し、均一にした。均一にした抽出液を10ul取り、90ulのcoating bufferと混合し1/10濃度液を調製した。1/10濃度液を100ul取り、150ulのcoating bufferと混合し1/25濃度液を調製した。1/25濃度液を90ul取り、90ulのcoating bufferと混合し1/50濃度液を調製した。この後、coating bufferとの等量混合を繰り返して、1/100濃度液、1/200濃度液、1/400濃度液、1/800濃度液を調製した。こうして調製した1/25濃度液〜1/800濃度液(6段階)をあらかじめ90ulのcoating bufferを添加したELISAプレートの各wellに10ulずつ添加して、抗LFS抗血清を用いたELISA実験を行った。ELISAプレートへの添加時にさらに10倍希釈されるので、最終的な測定濃度は、1/250濃度〜1/8000濃度となった。ELISAの手順は実施例2記載の手順で進めた。
【0049】
得られたELISA結果を図3に示した。図3より、希釈程度が大きくなるにつれてELISA発色量が減少することが示された。また、タマネギ球からの抽出液をELISA試料とした場合、発色の強さと濃度依存性の両面から、おおよそ1/500濃度〜1/2000濃度での分析するのが最も適していると考えられた。
【実施例5】
【0050】
タマネギ球の切断面中心部の鱗葉からの抽出試料を用いた場合と球の上部1/3全体からの抽出試料を用いた場合のELISA結果の比較
実施例4-1)の手順で調製したタマネギ小片からの抽出試料でのELISA結果がタマネギ球の全体のLFSの濃度を反映しているかどうかを調べるために、以下の実験を行った。
【0051】
1)タマネギ上部1/3部分からの抽出試料の調製
図2のように、タマネギ球の上から1/3で2分割して得た上部1/3部分を1cm幅に刻んだ上で、全体が均一になるように混ぜ合わせ、その中から実施例4-1)で示した400-600mg分のサンプリングを行い、ビーズミルでの破砕を進めた。同じタマネギ球から実施例4-1)の手順どおりに球中央部小片からの試料調製も行った。
【0052】
2)中央部小片からの試料と上部1/3全体からの試料のELISA結果の比較
タマネギ3球(それぞれP, Q, Rと称する)について、中央部小片からの抽出試料と上部1/3全体からの抽出試料を調製し、その両方を用いたcoating bufferで200倍希釈した。それぞれの200倍希釈液をあらかじめ90ulのcoating bufferを入れたELISAプレートのwellに10ul添加して、実施例2の手順でELISA実験を進めた。
【0053】
得られた結果を図4に示した。3球とも、中央部小片からの試料を用いた場合と上部1/3全体からの試料を用いた場合で、ELISA結果には差がなかった。このことから、中央部小片からの試料を用いて、ELISAを行うことで、そのタマネギ球全体の結果を見積もることができると判断した。
【実施例6】
【0054】
タマネギ球抽出液の保管について
4つのタマネギ球(それぞれbulb S, bulb T, bulb U, bulb Vと称する)について、実施例4-1)の手順でその抽出液を調製し、3等分し、抽出当日ELSIAに供するもの(Dy=0)、4℃冷蔵庫に保管するもの、-80℃ freezerに冷凍保管するものに分けた。10日後に4℃保管品、-80℃保管品をELISAに供した結果を図5に示した。
【0055】
その結果、4つの球のELISA発色の順位は4℃保管、-80℃保管ともに、抽出当日と違いがないことがわかった(抽出当日のELISA発色が強いものは保管後も強く、弱いものは保管後も弱い)。この結果から、タマネギ抽出液は10日間の冷蔵保管、冷凍保管が可能だと判断した。実際に個体選抜を進めていくにあたっては、微生物の増殖を考えなくていい-80℃冷凍保管を選択することにした。
【実施例7】
【0056】
市販タマネギの分析
今回のELISA法が実際のタマネギの辛味や催涙性の強さの特性を区別できる方法であるかどうかを調べるために以下の実験を行った。
【0057】
辛味が弱いとされているタマネギとして極早生系統3種類(愛媛県産、熊本県産、宮崎県産)、サラダ用赤タマネギ(辛味の強さとしては中程度)、辛味が強いとされている長日系統(札幌黄)の4種類を試料とした。各系統の4球或いは5球からの切断面中心部の鱗葉を混合した上で、実施例4-1)の手順でそれぞれ抽出液を調製した。得られた抽出液をcoating bufferで200倍希釈した。それぞれの200倍希釈液をあらかじめ90ulのcoating bufferを入れたELISAプレートのwellに10ul添加して、実施例2の手順でELISA実験を進めた。同じELISAプレート内でrLFS段階希釈液を試料としたELISAも同時に進め、その発色量から検量線を作成し、それぞれの系統の発色量をrLFS濃度に換算して比較した。
【0058】
得られた結果を図6に示した。辛味や催涙性が弱いとされている極早生系統やサラダ用赤タマネギの方が、長日型タマネギに比べてLFS濃度が低いという結果となり、本発明のELISA法はタマネギ系統の辛味や催涙性の特徴を示すことができる方法であることが示唆された。
【実施例8】
【0059】
市販タマネギのLFS量と辛味の関係
あらかじめ官能評価を行い、辛味程度を判定した市販タマネギについて今回のELISA法を実施し、タマネギの辛味程度とLFS量の間に相関があるかどうかを調べるために以下の実験を行った。愛媛県甘タマネギ、佐賀県産早生系統、静岡県産、北海道産(2種類)の5種類のタマネギについて、各系統の4球或いは5球からの中央小片を混合した上で、実施例4-1)の手順でそれぞれ抽出液を調製した。得られた抽出液をcoating bufferで100倍希釈した。それぞれの100倍希釈液をあらかじめ90ulのcoating bufferを入れたELISAプレートのwellに10ul添加して、実施例2)の手順でELISA実験を進めた。同じELISAプレート内でrLFS段階希釈液を試料としたELISAも同時に進め、その発色量から検量線を作成し、それぞれの系統の発色量をrLFS濃度に換算して比較した。
【0060】
上記ELISA実験に供したのと同じタマネギを6-7名のパネルで官能評価し、辛味強さと甘味強さについて判定した。
(結果)
6-7名の評価結果をまとめると以下のとおりだった。
【0061】
【表1】

【0062】
その結果、辛味程度とLFS量の間にはr2=0.8312(相関係数(r)=0.9117)の高い正の相関があった。このことは、LFS量が辛さの指標として利用可能なことを示唆していた。したがって、LFS量からタマネギの辛さのレベルを順位付けすることが可能である。
【実施例9】
【0063】
市販タマネギ抽出液のピルビン酸生成量、LFS量と辛味程度の関係
辛味が中程度と推測される国内産市販タマネギ17個体(淡路島産(系統(1):1個体、系統(2):2個体)、愛知県産(2個体)、熊本県産(3個体)、滋賀県産(3個体)、和歌山県産(3個体)、佐賀県産(赤タマネギ2個体))を試料とした。
【0064】
(ピルビン酸測定)
タマネギ球から20-40gを切り出し、1g当たり1mlの蒸留水を加えて破砕した。得られた破砕液から1mlを取り、15000rpm×5minの遠心分離を行い、遠心上清を回収した。破砕開始10分後に遠心上清15ulに2mlのDNPH溶液(12.5mg DNPH (dinitro phenyl hydrazine/0.5M HCl 100ml)を加え、攪拌してから、37℃に調温した恒温水槽中に10min置いた。10min後に、1mlの1.5M NaOHを加え、攪拌してから、分光光度計を用いて515nmの吸光度を測定した。抽出サンプルのかわりにピルビン酸Na溶液の希釈系列を用いて、同様に測定した値から、検量線を作成し、抽出サンプルでの吸光度測定値をピルビン酸量に換算した。
【0065】
(LFS ELISA)
実施例4-1)の手順でそれぞれのタマネギから抽出液を調製した。得られた抽出液をcoating bufferで100倍希釈した。それぞれの100倍希釈液をあらかじめ90ulのcoating bufferを入れたELISAプレートのwellに10ul添加して、実施例2の手順でELISA実験を進めた。同じELISAプレート内でrLFS段階希釈液を試料としたELISAも同時に進め、その発色量から検量線を作成し、それぞれの系統の発色量をrLFS濃度に換算して比較した。
【0066】
(タマネギの辛味の官能評価)
タマネギ球の中心付近の鱗葉1-2g分を用いて、辛味の有無・強さを判定した。辛味の強さは、実施例8と同じ5段階に分類した。
【0067】
(結果)
それぞれのタマネギ球の辛味強さを縦軸にとり、横軸にピルビン酸生成量、或いは、LFS量を取った結果を図8に示した。図8中、左側グラフがピルビン酸生成量を横軸にとったものであり、右側のグラフがLFS量を横軸に取ったものである。
【0068】
得られた結果の中で、舌が痛いほどの辛味(辛味3)を示した淡路(2)の2個体については、ピルビン酸生成量で見るとマイルド系統〜スイート系統に分類される値を示し(タマネギ研究者の中では、ピルビン酸生成量が4umole/g未満をスイート系統、4-7umole/gをマイルド系統と分類している)、LFS量では、辛味タマネギに分類される北海道タマネギと同等の0.2mg/mlを超えるLFS量を示した。このことは、淡路(2)の2個体の辛味推定にはピルビン酸生成量よりもLFS量測定の方が適していることを示している。
以上の結果は、ピルビン酸だけでは辛味が予想できないタマネギについて、LFS量を測定することで、官能評価結果に対応する辛味を予想できることを示していた。
【実施例10】
【0069】
タマネギ以外のネギ属植物の分析
今回用いている抗血清はタマネギLFSを抗原として調製したものである。催涙性を示すネギ属植物はタマネギの他にも知られており、それらがLFSを有しており、且つ、cDNAからの推定アミノ酸配列が類似していることも知られている(特許文献1)。そこで、今回のELISA法がタマネギ以外の催涙性を有するネギ属植物にも応用できるかどうかを以下の実験によって調べた。
【0070】
ネギ、ラッキョ、シャロット、タマネギの4種類の植物の可食部(10g)を20mlのPBSと合わせて、家庭用ミキサーで破砕し、得られた破砕液を遠心分離して得られた上清を試料として実施例2の手順でELISA実験を進めた。
【0071】
同じ抽出液をHPLCによるLFS活性測定にも供した。
【0072】
両方の実験によって得られた結果をブラッドフォード法を用いて測定した抽出液中のタンパク質量を元にして、抽出タンパク質1ngあたりに換算したものを図9に示した。
【0073】
図9より、タマネギ以外の催涙性を有するネギ属植物についても今回のELISA法が適用できることが示唆された。また、催涙性を有するネギ属植物において、それらのタマネギLFS関連タンパク質とLFS活性の強さの間に正の相関があることが示された。このことは、抗LFS抗血清を用いたELISAの値はその試料のLFS酵素活性の強さを反映していると言える。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、rLFSの段階希釈液シリーズを試料としたELISA結果を示す。
【図2】図2は、タマネギ球からの分析試料小片のサンプリング方法を模式的に示す。
【図3】図3は、タマネギ抽出液の段階希釈液を試料としたELISA結果を示す。
【図4】図4は、タマネギ球(P, Q, Rの3個)の切断面中心部の鱗葉からの抽出液を用いたELISA測定結果と球の上部1/3からの抽出液を用いたELISA結果とを示す。
【図5】図5は、タマネギ抽出液の保管とELISA結果の関係を示す。
【図6】図6は、辛味や催涙性に差があるとされている市販タマネギ系統のELISA結果を示す。
【図7】図7は、種々の辛味のタマネギとLFS量との関係を示す。
【図8】図8左図は、辛味が中程度までのタマネギの辛味強さとピルビン酸生成量との関係を示す。図8右図は、辛さが中程度までのタマネギの辛味強さとLFS量との関係を示す。
【図9】図9は、種々のネギ属植物のLFS量とLFS活性の強さの関係を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネギ属植物中の催涙成分生成酵素(LFS)の量に基づいて該ネギ属植物の可食部の辛さを推定する方法。
【請求項2】
ネギ属植物がタマネギ、シャロット、ネギ、ラッキョウ又はリーキである、請求項1の方法。
【請求項3】
ネギ属植物中のLFSの量を、LFSに特異的な抗体を用いる免疫測定法により測定し、測定されたLFSの量に基づいて該ネギ属植物の可食部の辛さを推定する、請求項1又は2の方法。
【請求項4】
ネギ属植物の成長点を含む部位以外の部分を分析試料として、該分析試料中のLFSの量を測定し、測定されたLFSの量に基づいて該ネギ属植物の可食部の辛さを推定する、請求項1〜3のいずれか1項の方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項の方法により、ネギ属植物の可食部の辛さを推定し、所望の辛さの可食部を有する個体を選抜する、ネギ属植物個体の選抜方法。
【請求項6】
LFSに特異的な抗体を含む、ネギ属植物の可食部の辛さを推定するためのキット。
【請求項7】
タマネギ球を、球の上端から1/3〜1/2の高さで、球の上下方向軸に垂直な面に沿って2分割して得られる上側部分又は下側部分の切断面中心部の鱗葉から抽出した抽出液を分析試料として、該分析試料中のLFSの量を、LFSに特異的な抗体を用いる免疫測定法により測定する、タマネギ中のLFSの量を測定する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−78361(P2010−78361A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244461(P2008−244461)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 刊行物 :園芸学会平成20年度春季大会研究発表要旨 発行日 :2008年3月28日 開催日 :2008年3月28日〜3月29日 開催場所 :東京農業大学 発行者 :園芸学会
【出願人】(000111487)ハウス食品株式会社 (262)