説明

ネットワークおよびモバイル・デバイスによって設定されるサービス品質

サービス品質(QoS)設定を担当するエンティティを明確に示すことにより、リソース割当の二重化および/または誤ったサービス課金を回避することを容易にするシステムおよび方法が記載される。一例では、ネットワークによって設定されるQoSの優先度、あるいは、デバイスによって設定されるQoSの優先度を示すインジケーションが、モバイル・デバイスへ提供される。このインジケーションにしたがって、データ・フローのQoSが確立されうる。例えば、このインジケーションが、デバイスによって設定されるQoSの優先度を示す場合、モバイル・デバイスが、QoSを設定し、ネットワークによって設定されるQoSの優先度を示す場合、ネットワークが、QoSを設定する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願に対する相互参照】
【0001】
本願は、2008年9月19日に出願され“METHOD AND APPARATUS FOR DETERMINING WHETHER RADIO NETWORK OR MOBILE DEVICE INITIATES QUALITY OF SERVICE(QOS) FOR APPLICATIONS SUPPORTING BOTH OPTIONS”と題された米国仮特許出願61/098,647号の利益を主張する。上記出願の全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
以下の記載は、一般に無線通信に関し、さらに詳しくは、ネットワークによって設定されるサービス品質(QoS)またはデバイスによって設定されるQoSのうちの少なくとも1つの優先度を明示することに関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムは、例えば音声およびデータのようなさまざまなタイプの通信コンテンツを提供するために広く開発された。一般的な無線通信システムは、(例えば、帯域幅、送信電力等のような)利用可能なシステム・リソースを共有することにより、複数のユーザとの通信をサポートすることができる多元接続システムでありうる。そのような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、および直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム等を含む。さらに、これらシステムは、例えば第3世代パートナシップ計画(3GPP)、3GPP2、3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)、LTEアドバンスト(LTE−A)等のような仕様に準拠しうる。
【0004】
一般に、無線多元接続通信システムは、複数のモバイル・デバイスのための通信を同時にサポートすることができる。モバイル・デバイスはおのおのの、順方向リンクおよび逆方向リンクによる送信を介して1または複数の基地局と通信することができる。順方向リンク(すなわち、ダウンリンク)は、基地局からモバイル・デバイスへの通信リンクを称し、逆方向リンク(すなわち、アップリンク)は、モバイル・デバイスから基地局への通信リンクを称する。
【0005】
高レート・サービスおよびマルチメディア・データ・サービスに対する需要が急速に増大するとともに、増強されたパフォーマンスを備えた効率的かつロバストな通信システムの実現に向けた努力がなされている。例えば、近年、ユーザは、固定線通信をモバイル通信と置き換え、優れた音声品質、信頼できるサービス、および低価格をますます要求し始めた。
【0006】
増加する要求に対応するために、無線通信システムのコア・ネットワークの発展が、ラジオ・インタフェースの発展に続く。例えば、3GPPによって導かれるシステム・アーキテクチャ・イボリューション(SAE)は、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーション(GSM(登録商標))/汎用パケット・ラジオ・サービス(GPRS)コア・ネットワークを発展させることを目標としている。その結果得られる発展型パケット・コア(EPC)は、インターネット・プロトコル(IP)に基づく多元接続コア・ネットワークである。これによって、オペレータは、複数のラジオ・ネットワーク技術を用いて、1つの共通のパケット・ベースのコア・ネットワークを開発および利用できるようになる。EPCは、モバイル・デバイスのために最適化されたモビリティを提供し、異なるラジオ・アクセス技術間(例えば、LTEと、高レート・パケット・データ(HRPD)との間)の効率的なハンドオーバを可能にする。それに加えて、標準化されたローミング・インタフェースによって、オペレータは、さまざまな接続技術にわたって、加入者にサービスを提供できるようになる。それに加えて、EPCは、エンド・トゥ・エンド・サービス品質(QoS)概念を含む。これによって、オペレータは、高度なQoS機能を監視および課金するためのオペレータ能力を保持しながら、高度なQoS機能を備えることができる。
【発明の概要】
【0007】
以下は、1または複数の実施形態の基本的な理解を与えるために、そのような実施形態の簡略化された概要を示す。この概要は、考えられるすべての実施形態の広範囲な概観ではなく、すべての実施形態の重要要素や決定的要素を特定することも、何れかまたはすべての実施形態のスコープを線引きすることも意図されていない。その唯一の目的は、後に示されるより詳細な記載に対する前置きとして、簡略化された形式で1または複数の実施形態のいくつかの概念を表すことである。
【0008】
1または複数の実施形態および対応する開示によれば、さまざまな態様は、ネットワークによって設定されるQoS、または、モバイル・デバイス(例えばユーザ機器(UE))ベースのQoSに対する優先度を示すことに関して記載される。例えば、いくつかのアプリケーションは、QoSを意識しないので、コア・ネットワークが、これらアプリケーションに関連付けられた通信セッションのためのQoSを確立する。その他のアプリケーションは、QoSを意識しうるので、無線通信ネットワークのコア・ネットワークとのQoSフローを確立するために、下部プロトコル・レイヤ(例えば、データ・サービス・レイヤ等)のQoSアプリケーション・プログラム・インタフェース(API)へアクセスし利用できるようになる。特定のネットワークは、デバイスによって設定されるQoSをサポートすることができないか、および/または、ネットワーク側でQoSを確立することを好む。このような場合、コア・ネットワークは、QoSを意識するアプリケーションのためにさえもQoSを確立する。したがって、冗長なリソース割当および/または誤ったサービス課金を回避するために、QoS設定優先度が、明示的に示されうる。1つの態様では、ネットワークによって設定されるQoSの優先度、または、デバイスによって設定されるQoSの優先度を示すインジケーションが、モバイル・デバイスに提供される。別の態様では、コア・ネットワークは、QoSを自分自身で確立することを好む場合、デバイスがQoSを設定するとの要求に対して、拒否メッセージをもって応答する。また別の態様では、モバイル・デバイスは、ネットワーク設定QoSフローに関連付けられたパケット・フィルタを、デバイス設定QoSフローに関連付けられたパケット・フィルタと比較しうる。これらフィルタがマッチした場合、モバイル・デバイスは、不必要なリソースを解放するために、マッチした、デバイス設定QoSフローを解放しうる。
【0009】
態様によれば、サービス品質の確立を担当するエンティティを決定する方法が提供される。この方法は、ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つに対する無線ネットワークの優先度を示すインジケータを受信することを備えうる。この方法はまた、デバイスによって設定されるサービス品質に対する優先度をインジケータが示す場合、データ・フローのためのサービス品質を要求することを含みうる。それに加えて、この方法は、ネットワークによって設定されるサービス品質に対する優先度をインジケータが示す場合、サービス品質を無線ネットワークが確立することを待つことを備えうる。
【0010】
別の態様は、ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つに対する無線ネットワークの優先度を示すインジケータを受信することと、デバイスによって設定されるサービス品質の優先度をインジケータが示す場合、データ・フローのためのサービス品質を要求することと、ネットワークによって設定されるサービス品質の優先度をインジケータが示す場合、無線ネットワークが、サービス品質を確立することを可能にすることと、のための命令群を保持するメモリを備えうる装置に関する。この装置はさらに、メモリに接続され、メモリに保持された命令群を実行するように構成されたプロセッサをも含みうる。
【0011】
また別の態様は、無線通信装置に関する。この無線通信装置は、ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つに対する無線ネットワークの優先度を示すインジケータを受信する手段を含みうる。この無線通信装置はさらに、デバイスによって設定されるサービス品質の優先度をインジケータが示す場合、データ・フローのサービス品質を要求する手段を備えうる。それに加えて、この無線通信装置は、ネットワークによって設定されるサービス品質の優先度をインジケータが示す場合、無線ネットワークが、サービス品質を確立することを可能にする手段を備えうる。
【0012】
また別の態様は、コンピュータ読取可能媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品に関する。このコンピュータ読取可能媒体は、少なくとも1つのコンピュータに対して、ネットワークからインジケータを取得させるためのコードを含みうる。このインジケータは、デバイスによって設定されるサービス品質、または、ネットワークによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つについて、ネットワークによる優先度を示す。それに加えて、このコンピュータ読取可能媒体は、少なくとも1つのコンピュータに対して、このインジケータにしたがって、データ・フローのためのサービス品質を確立させるためのコードを備えうる。
【0013】
別の態様は、ネットワークからインジケータを取得するように構成された無線通信装置に関する。このインジケータは、デバイスによって設定されるサービス品質、または、ネットワークによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つについて、ネットワークによる優先度を示す。このインジケータが、デバイスによって設定されるサービス品質の優先度を示す場合、データ・フローのためのサービス品質を要求するようにプロセッサが構成されうる。それに加えて、このプロセッサはさらに、ネットワークによって設定されるサービス品質の優先度をインジケータが示す場合、データ・フローのためネットワークによって設定されるサービス品質を受け取るように構成されうる。
【0014】
別の態様によれば、サービス品質を確立することを担当するエンティティを示すためにパラメータを利用する方法が記載される。この方法は、モバイル・デバイスにインジケータを送信することを含みうる。このインジケータは、ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つの優先度を示す。この方法はまた、このインジケータが、ネットワークによって設定されるサービス品質の優先度を示す場合、アプリケーションのデータ・フローのためのサービス品質を設定することをも備えうる。それに加えて、この方法は、デバイスによって設定されるサービス品質の優先度をインジケータが示す場合、データ・フローのためのサービス品質を求める要求を、モバイル・デバイスから受け取ることを含みうる。
【0015】
また別の態様は、メモリを備える装置に関する。このメモリは、ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つの優先度を示すインジケータをモバイル・デバイスへ送信することと、インジケータが、ネットワークによって設定されるサービス品質に対する優先度を示す場合、アプリケーションのデータ・フローのためのサービス品質をモバイル・デバイスで設定することと、インジケータが、デバイスによって設定されるサービス品質に対する優先度を示す場合、データ・フローのためのサービス品質を求める要求を、モバイル・デバイスから受け取ることと、のための命令群を保持しうる。この装置はさらに、メモリに接続されたプロセッサを含みうる。このプロセッサは、メモリに保持された命令群を実行するように構成される。
【0016】
また別の態様は、無線通信装置に関する。この無線通信装置は、モバイル・デバイスへインジケータを送信する手段を含みうる。このインジケータは、ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つの優先度を示す。この無線通信装置は、インジケータが、ネットワークによって設定されるサービス品質の優先度を示す場合、アプリケーションのデータ・フローのためのサービス品質を、モバイル・デバイスにおいて設定する手段をも備えうる。それに加えて、この無線通信装置は、インジケータが、デバイスによって設定されるサービス品質の優先度を示す場合、データ・フローのサービス品質を求める要求を、モバイル・デバイスから受け取る手段を含みうる。
【0017】
別の態様は、コンピュータ読取可能媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品に関する。このコンピュータ読取可能媒体は、少なくとも1つのコンピュータに対して、モバイル・デバイスへインジケータを送信させるためのコードを含みうる。このインジケータは、デバイスによって設定されるサービス品質、または、ネットワークによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つのための、ネットワークによる優先度を示す。このコンピュータ読取可能媒体はさらに、少なくとも1つのコンピュータに対して、このインジケータにしたがって、モバイル・デバイスに関連付けられたデータ・フローのためのサービス品質を確立させるためのコードを備えうる。
【0018】
別の態様によれば、無線通信装置が提供される。この無線通信装置は、モバイル・デバイスへインジケータを送信するように構成されたプロセッサを備えうる。このインジケータは、デバイスによって設定されるサービス品質、または、ネットワークによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つのための、ネットワークによる優先度を示す。このプロセッサはさらに、このインジケータが、デバイスによって設定されるサービス品質を示す場合、データ・フローのためのサービス品質を求める要求を、モバイル・デバイスから受け取るように構成されうる。それに加えて、このプロセッサは、インジケータが、ネットワークによって設定されるサービス品質の優先度を示す場合、アプリケーションのデータ・フローのサービス品質を、モバイル・デバイスにおいて確立するように構成されうる。
【0019】
別の態様によれば、方法が提供される。この方法は、データ・フローのためのサービス品質を設定する要求をモバイル・デバイスから受信することと、この要求に応答して、モバイル・デバイスへ軟拒否(soft rejection)を発行することと、データ・フローのためのサービス品質を、ネットワーク要求によって確立することと、を含みうる。
【0020】
また、別の態様は、データ・フローのセットのためのサービス品質を無線通信ネットワークが確立するのを待つことと、サービス品質が確立されるデータ・フローのセットから、データ・フローを特定することと、無線通信ネットワークによってサービス品質が確立されていないデータ・フローのセットから、データ・フローのサービス品質を設定することと、を備える方法に関連する。ここで、待つことは、予め決定された期間に設定されたタイマを開始することを備える。また、特定することは、確立されたサービス品質に関連付けられたパケット・フィルタを比較して、対応するデータ・フローを特定することを備える。
【0021】
前述した目的および関連する目的を達成するために、1または複数の実施形態は、以下に十分説明され、特に特許請求の範囲で指摘される特徴を備える。次の記載および添付図面は、1または複数の実施形態のある実例となる態様を詳細に記載する。しかしながら、これらの態様は、さまざまな実施形態の原理が適用されるさまざまな方法のうちの僅かしか示しておらず、記載された実施形態は、そのような全ての局面およびそれらの均等物を示すことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本明細書に記載されたさまざまな態様にしたがう無線通信システムの例示である。
【図2】図2は、さまざまな態様にしたがって、デバイスによって設定されるか、あるいは、ネットワークによって設定されうるエンド・トゥ・エンドQoSを容易にする無線通信システムの例を示す。
【図3】図3は、1または複数の態様にしたがって、無線通信ネットワークにおけるサービス品質機能を容易にするシステムの例示である。
【図4】図4は、さまざまな態様にしたがって、デバイスによって設定されるQoSを適用するか、ネットワークによって設定されるQoSを適用するかに関する判定を容易にするシステムの例示である。
【図5】図5は、1または複数の態様にしたがって、QoS確立におけるコンフリクトを示すコール・フローの例示である。
【図6】図6は、さまざまな態様にしたがって、異なる無線通信ネットワーク間のハンドオーバがなされた場合、QoSフローの再確立を容易にするシステムの例示である。
【図7】図7は、さまざまな態様にしたがって、ネットワークによって設定されるリソース割当パラメータをモバイル・デバイスへとシグナルするための方法の例示である。
【図8】図8は、さまざまな態様にしたがい、パラメータにしたがってQoSを確立する方法の例示である。
【図9】図9は、さまざまな態様にしたがって、サービス・データ・フローのためのサービス品質(QoS)を要求することを担当するエンティティを決定するために、軟拒否を適用する方法の例示である。
【図10】図10は、さまざまな態様にしたがって、ネットワークによって設定されるQoSの優先度を示すために、軟拒否を利用する方法の例示である。
【図11】図11は、さまざまな態様にしたがって、サービス品質を確立することを担当するエンティティの決定を容易にするシステムの例示である。
【図12】図12は、サービス品質を担当するエンティティを示すパラメータの送信を容易にするシステムの例示である。
【図13】図13は、本明細書に記載された機能のさまざまな態様を実現するために利用されうる無線通信デバイスのブロック図である。
【図14】図14は、本明細書に記載された機能のさまざまな態様を実現するために利用されうる無線通信デバイスのブロック図である。
【図15】図15は、本明細書に記載されたさまざまな態様が機能しうる無線通信システムを例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
さまざまな実施形態が、全体を通じて同一要素を示すために同一の参照番号が使用される図面を参照して説明される。次の記述では、説明の目的のために、多数の特定の詳細が、1または複数の実施形態についての完全な理解を提供するために記述される。しかしながら、そのような実施形態は、これら具体的な詳細無しで実現されうることが明からである。他の事例では、1または複数の実施形態の記載を容易にするために、周知の構成およびデバイスがブロック図形式で示される。
【0024】
本願で使用されるように、用語「構成要素」、「モジュール」、「システム」等は、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または、実行中のソフトウェアのようなコンピュータ関連エンティティを称することが意図される。例えば、構成要素は、限定される訳ではないが、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行形式、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータでありうる。例示によれば、コンピュータ・デバイス上で実行中のアプリケーションと、コンピュータ・デバイスとの両方が構成要素になりえる。1または複数の構成要素は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し、構成要素は、1つのコンピュータに局在化されるか、および/または、複数のコンピュータに分散されうる。さらに、これらの構成要素は、さまざまなデータ構造を格納したさまざまなコンピュータ読取可能媒体から実行可能である。これら構成要素は、(例えば、信号によってローカル・システムや分散システム内の他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ、および/または、他のシステムを備えた例えばインターネットのようなネットワークを経由して他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータのような)1または複数のデータのパケットを有する信号にしたがって、ローカル処理および/またはリモート処理によって通信することができる。
【0025】
本願で使用されるように、用語「構成要素」、「モジュール」、「システム」等は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、あるいは実行中のソフトウェアのうちの何れかであるコンピュータ関連エンティティを称することが意図されている。例えば、構成要素は、限定される訳ではないが、プロセッサ上で実行中のプロセス、集積回路、オブジェクト、実行形式、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータでありうる。例示によれば、コンピュータ・デバイス上で実行中のアプリケーションと、コンピュータ・デバイスとの両方が構成要素になりえる。1または複数の構成要素は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し、構成要素は、1つのコンピュータに局在化されるか、および/または、複数のコンピュータに分散されうる。さらに、これらの構成要素は、さまざまなデータ構造を格納したさまざまなコンピュータ読取可能媒体から実行可能である。これら構成要素は、(例えば、信号によってローカル・システムや分散システム内の他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ、および/または、他のシステムを備えた例えばインターネットのようなネットワークを経由して他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータのような)1または複数のデータのパケットを有する信号にしたがって、ローカル処理および/またはリモート処理によって通信することができる。
【0026】
さらに、さまざまな態様は、本明細書において、無線端末および/または基地局に関して記載される。無線端末は、ユーザに音声および/またはデータ接続を提供するデバイスを称しうる。無線端末は、例えばラップトップ・コンピュータまたはデスクトップ・コンピュータのようなコンピュータ・デバイスに接続されるか、あるいは、例えば携帯情報端末(PDA)のような自己完結型デバイスでありえる。無線端末はまた、システム、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル、遠隔局、アクセス・ポイント、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、ユーザ・エージェント、ユーザ・デバイス、あるいはユーザ機器(UE)とも称されうる。無線端末は、加入者局、無線デバイス、セルラ電話、PCS電話、コードレス電話、セッション初期化プロトコル(SIP)電話、無線ローカル・ループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、無線接続機能を有するハンドヘルド・デバイス、あるいは、無線モデムに接続されたその他の処理デバイスでありうる。基地局(例えば、アクセス・ポイント、ノードB、あるいは発展型ノードB(eNB))は、1または複数のセクタを介して、無線端末と、エア・インタフェースによって通信する、アクセス・ネットワーク内のデバイスを称する。基地局は、受信したエア・インタフェース・フレームをIPパケットに変換することによって、インターネット・プロトコル(IP)ネットワークを含みうるアクセス・ネットワークの無線端末とその他との間のルータとして動作することができる。基地局はまた、このエア・インタフェースのための属性管理をも調整する。
【0027】
さらに、本明細書に記載のさまざまな機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、あるいはこれらの組み合わせによって実現されうる。ソフトウェアで実現される場合、これら機能はコンピュータ読取可能媒体に格納されうるか、あるいは、コンピュータ読取可能媒体上の1または複数の命令群またはコードとして送信されうる。コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体との両方を含む。これらは、コンピュータ・プログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスすることが可能なあらゆる利用可能な媒体でありうる。例として、限定することなく、そのようなコンピュータ読取可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望のプログラム・コード手段を命令群またはデータ構造の形式で搬送または格納するために使用され、しかも、コンピュータによってアクセスされうるその他任意の媒体を備えうる。さらに、いかなる接続も、コンピュータ読取可能媒体と適切に称される。同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者線(DSL)、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、あるいはその他の遠隔ソースからソフトウェアが送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、DSL、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術が、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるようなディスク(diskおよびdisc)は、コンパクト・ディスク(disc)(CD)、レーザ・ディスク(disc)、光ディスク(disc)、ディジタル多目的ディスク(disc)(DVD)、フロッピ(登録商標)ディスク(disk)およびblu−ray(登録商標)ディスク(disc)(BD)を含んでいる。ここで、diskは通常磁気的にデータを再生し、discは、レーザを用いてデータを光学的に再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0028】
本明細書に記載されたさまざまな技術は、例えば符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングル・キャリアFDMA(SC−FDMA)システム、およびその他のシステムのようなさまざまな無線通信システムのために使用されうる。「システム」、「ネットワーク」という用語はしばしば置換可能に使用される。CDMAシステムは、例えばユニバーサル地上ラジオ・アクセス(UTRA)、CDMA2000等のようなラジオ技術を実現することができる。UTRAは、広帯域CDMA(W−CDMA)およびCDMAのその他の変形を含んでいる。さらに、CDMA2000は、IS−2000規格、IS−95規格、およびIS−856規格をカバーする。TDMAシステムは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM)のような無線技術を実現することができる。OFDMAシステムは、例えば発展型UTRA(E−UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、フラッシュ−OFDM(登録商標)等のような無線技術を実現することができる。UTRAおよびE−UTRAは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)の一部である。3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)は、ダウンリンクではOFDMAを適用し、アップリンクではSC−FDMAを適用するE−UTRAを用いるUMTSの最新のリリースである。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、LTE−A、SAE、EPC、およびGSMは、「第3世代パートシップ計画」(3GPP)と命名された組織からの文書に記載されている。さらに、CDMA2000およびUMBは、「第3世代パートナシップ計画2」(3GPP2)からの文書に記載されている。さらに、そのような無線通信システムは、しばしばアンペア(unpaired)な無許可のスペクトルを用いるピア・トゥ・ピア(例えば、モバイル・トゥ・モバイル)アド・ホック・ネットワーク・システム、802xx無線LAN、Bluetooth(登録商標)、および、その他任意の短距離または長距離の無線通信技術を含みうる。
【0029】
さらに、用語「または」は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味することが意図されている。すなわち、別に示されていない場合、あるいは、文脈から明らかではない場合、「XはAまたはBを適用する」という句は、自然な包括的な置き換えのうちの何れかを意味することが意図されている。すなわち、「XはAまたはBを使用する。」という句は、以下の例のうちの何れによっても満足される。XはAを使用する。XはBを使用する。あるいは、XはAとBとの両方を使用する。さらに、本願および特許請求の範囲で使用されているような冠詞“a”および“an”は、特に指定されていない場合、あるいは、単数を対象としていることが文脈から明らかではない場合、一般に、「1または複数」を意味するものと解釈されるべきである。
【0030】
多くのデバイス、構成要素、モジュール等を含みうるシステムの観点から、さまざまな態様が示されるだろう。さまざまなシステムは、追加のデバイス、構成要素、モジュール等を含みうるか、および/または、図面に関連して説明したようなデバイス、構成要素、モジュール等のうちのすべてを含む訳ではないことが理解および認識されるべきである。これらのアプローチの組み合わせもまた使用されうる。
【0031】
図1に示すように、本明細書に記載されたさまざまな実施形態にしたがった無線通信システム100が例示されている。システム100は、複数のアンテナ・グループを含みうる基地局(例えば、アクセス・ポイント)102を備える。例えば、1つのアンテナ・グループは、アンテナ104およびアンテナ106を含むことができ、別のグループはアンテナ108およびアンテナ110を備えることができ、さらに別のグループはアンテナ112およびアンテナ114を含むことができる。おのおののアンテナ・グループについて2本のアンテナしか例示されていないが、2本より多いアンテナ、または2本より少ないアンテナも、各グループのために利用されうる。基地局102はさらに、送信機チェーンおよび受信機チェーンを含みうる。それらおのおのは、当業者によって理解されるように、信号の送信および受信に関連する複数の構成要素(例えば、プロセッサ、変調器、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナ等)を備えうる。
【0032】
基地局102は、例えばUE116およびUE122のような1または複数のUEと通信しうるが、基地局102は、UE116およびUE122に類似の実質的に任意の数のUEと通信しうることが認識されるべきである。UE116、122は、例えば、セルラ電話、スマート・フォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルド・コンピューティング・デバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/または、無線通信システム100によって通信するその他任意の適切なデバイスでありうる。図示するように、UE116は、アンテナ112、114と通信し、アンテナ112、114は、ダウンリンク118によってUE116に情報を送信し、アップリンク120によってUE116から情報を受信する。さらに、UE122は、アンテナ104、106と通信し、アンテナ104、106は、ダウンリンク124によってUE122に情報を送信し、アップリンク126によってUE122から情報を受信する。周波数分割デュプレクス(FDD)システムでは、例えば、ダウンリンク118が、アップリンク120によって使用されるものとは異なる周波数帯域を利用し、ダウンリンク124が、アップリンク126によって適用されるものとは異なる周波数帯域を適用しうる。さらに、時分割デュプレクス(TDD)システムでは、ダウンリンク118とアップリンク120とが、共通の周波数帯域を利用し、ダウンリンク124とアップリンク126とが、共通の周波数帯域を利用しうる。
【0033】
通信するように指定された領域および/またはアンテナのおのおののグループは、基地局102のセクタと称されうる。例えば、アンテナ・グループは、基地局102によってカバーされた領域のセクタ内のUEへ通信するように設計されうる。ダウンリンク118、124による通信では、基地局102の送信アンテナは、UE116、122のためのダウンリンク118、124の信号対雑音比を向上するために、ビームフォーミングを利用しうる。さらに、基地局102は、関連付けられた有効通信範囲にわたってランダムに分散したUE116、112へ送信するためにビームフォーミングを利用している間、近隣セル内のUEは、すべてのUEに対して単一のアンテナによって送信している基地局と比べて、少ない干渉しか被らない。さらに、UE116、122は、ピア・トゥ・ビアまたはアド・ホック技術(図示せず)を使用して、互いにダイレクトに通信しうる。
【0034】
例によれば、システム100は、複数入力複数出力(MIMO)通信システムでありうる。さらに、システム100は、通信チャネル(例えば、ダウンリンク、アップリンク)を分割するために、例えばFDD、FDM、TDD、TDM、CDM等のような実質的に任意のタイプのデュプレクス技術を利用しうる。さらに、通信チャンネルは、チャネルによって複数のデバイスまたはUEとの同時通信を可能にするために直交化されうる。この観点において、一例としてOFDMが利用されうる。したがって、チャネルは、期間にわたる周波数の部分に分割されうる。さらに、フレームは、期間の集合にわたる周波数の部分として定義され、例えば、フレームは、多くのOFDMシンボルを含みうる。基地局102は、さまざまなタイプのデータのために生成されうるチャネルによってUE116、122へ通信しうる。例えば、チャネルは、さまざまなタイプの一般的な通信データ、制御データ(例えば、他のチャネルのための品質情報、チャネルを介して受信されたデータのためのアクノレッジメント・インジケータ、干渉情報、基準信号等)等を通信するために生成されうる。
【0035】
ユーザは、無線通信ネットワークおよび/または外部ネットワークにおけるいずれかのサーバまたは別のアプリケーションと通信するために、UE116および/またはUE122においてアプリケーションを適用しうる。いくつかのアプリケーションは、許容可能なエンド・ユーザ体験を可能にする特定のリソース要件(例えば、帯域幅要件、最大遅延要件等)を有しうる。例えばシステム100のような通信システムにおけるリソースは制限されている。したがって、セッションの期間中に保証されるべき最低のサービス品質(QoS)を可能にするために、通信セッションの設定前に、アプリケーションのためのリソースを確保する必要がありうる。1つの態様では、QoSは、アプリケーション(例えば、UE116および/またはUE122におけるアプリケーション)と、コア・ネットワーク128との間でネゴシエートされうる。
【0036】
態様では、コア・ネットワーク128は、3GPPによって、システム・アーキテクチャ・イボリューション(SAE)の一部として開発されうる。コア・ネットワーク128はすべて、すべてのデータおよび音声通信のためのパケット交換要素を利用するインターネット・プロトコル(IP)ネットワークでありうる。コア・ネットワーク128は、限定される訳ではないが、例えば、公衆交換電話網(PSTN)、IPマルチメディア・サブシステム(IMS)、外部IPネットワーク(例えば、インターネット、LAN、WAN等)等のようなさまざまな外部ネットワークとインタフェースするように構成されうる。
【0037】
UE116および/またはUE122において、アプリケーションのための最低QoSを可能にするために、エンド・トゥ・エンドQoSがネゴシエートされ、モバイル・デバイス(例えば、UE116またはUE122)から、コア・ネットワーク128内の、外部ネットワークとのインタフェースへと確立されうる。一例では、QoSネゴシエーション中に、リクエスタ(例えば、デバイスによって設定されたQoSのためのアプリケーション、および/または、ネットワークによって設定されたQoSのためのコア・ネットワーク128)は、QoSフローに関連付けられたパケット・フィルタを示す。パケット・フィルタによって、データ送信機(例えば、アプリケーション、サーバ等)は、特別なQoS処理を受信するIPパケットを識別できるようになる。パケット・フィルタは、例えば、TCPまたはIPヘッダ(例えば、IPアドレス、ポート番号、プロトコル・タイプ等)における任意の適切なフィールドに基づいて、パケットをフィルタしうる。
【0038】
態様では、UE116および/またはUE122のアプリケーションは、少なくとも3つのカテゴリのうちの1つに分類されうる。第1のカテゴリは、QoSを常に設定するアプリケーションを含みうる。第2のカテゴリは、QoSを決して設定しないアプリケーションを含みうる。第3のカテゴリは、QoSを設定することができるが、ネットワーク優先度またはネットワーク能力の観点から、設定を行わないアプリケーションを含む。最初の2つのカテゴリにおけるアプリケーションについては、どのエンティティがQoSを設定することを担当するか明らかでありうる。第3のカテゴリのアプリケーションについては、担当するイニシエータが、明確ではない。例によれば、システム100のオペレータは、(例えば、システム100のような)ホーム・ネットワークにある間、ネットワークによって設定されたQoSに依存するUE116およびUE122に対してアプリケーションを提供しうる。しかしながら、UE116あるいはUE122は、(例えば、非ホーム・ネットワークのような)別のオペレータに関連付けられたネットワークへロームしうる。非ホーム・ネットワークは、ネットワークによって設定されたQoSをサポートしない。そのような場合、UE116あるいはUE122におけるアプリケーションが、QoSを設定すべきである。
【0039】
許容可能なユーザ体験を保証するために、アプリケーションは、通信セッションがQoSによってサポートされていることを保証すべきである。(例えば、ネットワークによって設定されたQoSをも許可しながら、QoSを設定することも可能なアプリケーションのような)ミックス・モード・アプリケーションは、QoSを設定するか、または、ネットワークがQoSを設定することを可能にするかを決定する。一例において、コア・ネットワーク128は、どのパーティ(例えば、デバイスまたはネットワーク)がQoSの設定を担当するかを示すインジケーションを、UE116およびUE122へ示しうる。別の例において、UE116およびUE122は、コア・ネットワーク128を用いてQoSを設定することを試みうる。コア・ネットワーク128が、QoSを設定することが好ましい状況では、コア・ネットワーク128は、QoS要求が受信された場合に、UE116およびUE122に対して軟拒否(soft reject)をシグナルしうる。また別の例では、UE116およびUE122は、ネットワークによって設定されたQoSフローのパケット・フィルタを、デバイスによって設定されたQoSフローのパケット・フィルタへマッチさせる。UE116およびUE122が、フィルタのマッチングを認識した場合、UE116およびUE122は、マッチングされたデバイスによって設定されたQoSフローを解放するように要求しうる。
【0040】
図2に移って、さまざまな態様にしたがって、デバイスによって設定されるか、あるいは、ネットワークによって設定されるエンド・トゥ・エンドQoSを容易にする無線通信システム200が例示されている。図2に例示されるように、システム200は、UE212と発展型ノードB(eNB)(例えば、基地局、アクセス・ポイント等)との間に、無線ラジオ通信を提供するラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)210を含みうる。説明を単純にするために、図2は、ラジオ・アクセス・ネットワーク210において1つのUE212および1つのeNB214しか示していない。しかしながら、RAN210は、任意の数のUEおよび/またはeNBを含みうることが認識されるべきである。1つの態様によれば、eNB214は、順方向リンクすなわちダウンリンク・チャネルによってUE212へ情報を送信し、UE212は、逆方向リンクすなわちアップリンク・チャネルによってeNB214へ情報を送信しうる。RAN210は、限定される訳ではないが、例えばLTE、LTE−A、HSPA、CDMA、高レート・パケット・データ(HRPD)、発展型HRPD(eHRPD)、CDMA2000、GSM、GPRS、エンハンスト・データ・レート・フォーGSMイボリューション(EDGE)、UMTS等のような任意の適切なタイプのラジオ・アクセス技術を利用しうる。
【0041】
RAN210、および特にeNB214は、課金(例えば、サービスの利用に対する課金等)、セキュリティ(例えば、暗号および完全性の保護)、加入者管理、モビリティ管理、ベアラ管理、QoSハンドリング、データ・フローのポリシー制御、および/または、外部ネットワーク230との相互接続を可能にするコア・ネットワーク220と通信しうる。RAN210およびコア・ネットワーク220は、例えば、S1インタフェースを経由して通信しうる。コア・ネットワーク220は、RAN210からの制御シグナリングのエンド・ポイントでありうるモビリティ管理エンティティ(MME)222を含みうる。MME222は、例えば、モビリティ管理(例えばトラッキング)、認証、およびセキュリティのような機能を提供しうる。MME222は、S1インタフェースを経由してRAN210と通信しうる。コア・ネットワーク220はまた、コア・ネットワーク220をRAN210に接続するユーザ・プレーン・ノードでありうるサービス提供ゲートウェイ(SGW)224を含みうる。態様では、MME222は、S11インタフェースを経由して、SGW224と通信しうる。別の態様では、MME222およびSGW224は、ユーザのために単一のエンド・ノードを提供し、RAN210から始まり、および/または、RAN210で終了するシグナリングを制御するための単一のノードとして構成されうる。
【0042】
コア・ネットワーク220はまた、コア・ネットワーク220(およびRAN210)と外部ネットワーク230との間の通信を容易にするパケット・データ・ネットワーク(PDN)ゲートウェイ(GW)226を含みうる。PDN GW226は、パケット・フィルタリング、QoSポリシー、課金、IPアドレス割当、および、外部ネットワーク230へのトラフィックのルーティングを提供しうる。例において、SGW224およびPDN GW226は、S5インタフェースを経由して通信しうる。図2において個別のノードとして例示されているが、SGW224およびPDN GW226は、コア・ネットワーク220内のユーザ・プレーン・ノードを低減するために、単一のネットワーク・ノードとして動作するように構成されうることが認識されるべきである。
【0043】
図2に例示するように、コア・ネットワーク220は、PDN GW226を経由して外部ネットワーク230と通信しうる。外部ネットワーク230は、限定される訳ではないが、例えば、公衆交換電話網(PSTN)232、IPマルチメディア・サブシステム(IMS)234、および/または、IPネットワーク236のようなネットワークを含みうる。IPネットワーク236は、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、イントラネット等でありうる。
【0044】
態様によれば、UE212は、データを送信および受信するために、通信セッションを起動および利用しうるアプリケーション216を含みうる。一例では、この通信セッションは、アプリケーション216と、IPネットワーク236に関連付けられたアプリケーションまたはサーバ238との間に存在しうる。したがって、通信セッション中に交換されるデータは、ラジオ・アクセス・ネットワーク210およびコア・ネットワーク220を通って移動する。アプリケーション216は、許容可能なユーザ体験を保証するために必要なリソース要件を指定しうる。このリソース要件は、QoSフローの開始、および、このQoSフローへの通信セッションの関連付けによって保証されうる。QoSフローは、RAN210およびコア・ネットワーク220を通るエンド・トゥ・エンドQoSになりえる。
【0045】
図3に移って、1または複数の態様にしたがって、無線通信ネットワークにおけるサービス品質(QoS)機能を容易にするシステム300が例示される。アプリケーション間の通信は、アプリケーション・レイヤ302において、プロトコルを介してなされうる。例えば、アプリケーション216とアプリケーション/サーバ238との間の通信セッションは、例えば、セッション開始プロトコル(SIP)によって、アプリケーション・レイヤ302によってなされうる。アプリケーション間のインタラクションが、アプリケーション・レイヤ302のレベルにおいて概念化されうる一方、実際のデータは、図3に示すように、ラジオ・アクセス・ネットワークおよび/またはコア・ネットワークによって提供されるトランスポート・レイヤ、データ・レイヤ、および/または、物理レイヤを介して交換される。
【0046】
態様では、要件を満足するリソースを保証することによって、許容可能なエンド・ユーザ体験を提供するために、(例えば、通信セッション中、アプリケーション間で交換されるデータのような)情報フローに、QoSパラメータが提供されうる。一例では、情報フローにQoSパラメータを適用するために、EPSベアラが利用されうる。EPSベアラは、モバイル・デバイス(例えば、UE316)とPDN GW322との間に適合する論理的な概念である。EPSベアラは、例えば、UE316とeNB318との間のラジオ・ベアラ310のようなサブ・ベアラを含みうる。ラジオ・ベアラ310は、UE316とeNB318との間の、ラジオ・インタフェースを介したラジオ・リンク制御(RLC)接続でありうる。1つの態様では、1つのRLC接続は、1つのラジオ・ベアラに関連付けられうる。EPSベアラの別のサブ・ベアラは、eNB318およびSGW320との間でパケットをトンネルするS1ベアラ312でありうる。さらに、S5ベアラ314は、SGW320とPDN GW322との間でパケットをトンネルしうる。
【0047】
EPSベアラは、UE316とPDN GW322との間に、1または複数のデータ・フローをカプセル化する。例えば、アプリケーション・レイヤ302から開始されるUE316のサービス・データ・フロー304、および/または、外部アプリケーションまたはPDN GW322のアプリケーション・レイヤに関連付けられたサービス・データ・フロー306が、EPSベアラ内にカプセル化されうる。UE316とPDN GW322との間で、1または複数のEPSベアラが確立されうることが認識されるべきである。図3は、2つのEPSベアラしか示していないが、N個のベアラが存在しうることが認識されるべきである。ここで、Nは、1以上の整数である。図3の部分拡大部に示されるように、EPSベアラの一部324が示される。
【0048】
例によれば、おのおののEPSベアラは、単一のQoSコンテキストに関連付けられうる。例えば、EPSベアラはおのおのの、QoSを指摘するパラメータのセットによって特徴付けられうる。パラメータのセットは、割当保持優先度(ARP)、保証ビット・レート(GBR)、最大ビット・レート(MBR)、およびQoSクラス識別子(QCI)を含みうる。同様のQoS処理を受信するデータ・フローは、同じEPSベアラへグループ化あるいはカプセル化されうる。例において、図3の部分拡大部は、EPSベアラの一部324を示す。EPSベアラ324は、いくつかのデータ・フロー326をカプセル化しているものとして例示されている。これらいくつかのデータ・フロー326は、EPSベアラ324と連携して関連付けられているので、いくつかのデータ・フロー326は、同じQoS処理を受信する。ここで、QoS処理は、EPSベアラ324を特徴付けるパラメータのセットが少なくとも部分的に定義される。
【0049】
図2に戻って、EPSベアラまたはQoSは、UE212のアプリケーション216と、IPネットワークにおけるアプリケーション/サーバ238との間でデータ・フローを伝送するように確立されうる。EPSベアラまたはQoSコンテキストは、UE212からPDN GW226へ及ぶ。PDN GW226は、UE212からIPネットワーク236へパケットを送る。さらにPDN GW226は、IPネットワーク236からパケットを取得する。そして、これらパケットを、データ・フローをカプセル化するEPSベアラのQoSパラメータにしたがってUE212へ送る。
【0050】
態様では、EPSベアラまたはQoSは、アプリケーション216またはUE 212によって設定されうる。アプリケーションまたはUE212によって設定された場合、QoSは、デバイスによって設定されたQoSとして識別されうる。別の態様では、EPSベアラまたはQoSが、ネットワークによって(例えば、PDN GW226、MME222、および/またはSGW224によって)設定されうる。QoSがデバイスによって設定される場合、および、QoSがネットワークによって設定される場合、前述したように、アプリケーションの優先度、ネットワークの優先度、アプリケーションの能力、および/または、ネットワークの能力に少なくとも部分的に基づいて区別されうる。
【0051】
図4に移って、さまざまな態様にしたがって、デバイスによって設定されたQoSを適用するか、あるいは、ネットワークによって設定されたQoSを適用するかの判定を容易にするシステム400が例示される。システム400は、無線通信ネットワーク420を介して接続するUE410を含んでいる。UE410は様々なアプリケーションおよび/またはアプリケーション・タイプを含みうる。
【0052】
例によれば、アプリケーション412は、デバイスによって設定されたQoSのみをサポートする(例えば、ネットワーク420のオペレータによって提供されない)サード・パーティ・アプリケーションでありうる。アプリケーション414は、デバイスによって設定されたQoSと、ネットワークによって設定されたQoSとをサポートする、オペレータによって提供されたアプリケーションでありうる。しかしながら、アプリケーション414は、オペレータによって提供されたアプリケーションとして、ネットワークによって設定されたQoSを好む。アプリケーション416は、ネットワーク420がQoSを提供する、QoSを意識しないアプリケーションでありうる。アプリケーション418は、ネットワーク420がQoSを提供しない、QoSを意識しないアプリケーションでありうる。アプリケーション412、416、418については、QoS設定を担当するエンティティが明確でありうる。しかしながら、デバイスによって設定されたQoSおよびネットワークによって設定されたQoSとの両方をサポートするアプリケーション414にとって、QoSを担当するエンティティが曖昧である場合、非効率的なリソース割当がなされうる。
【0053】
例えば図5は、1または複数の態様にしたがって、QoS確立におけるコンフリクトを図示するコール・フロー500の例を示す。このコール・フロー500は、アプリケーション510、UE520、ネットワーク530、およびアプリケーション・サーバ540を含んでいる。この例によれば、アプリケーション510は、ネットワークによって設定されたQoSをサポートしながら、QoSを設定することができる。通信セッションは、アプリケーション510と、アプリケーション・サーバ540との間の接続ネゴシエーションで始まる。この接続ネゴシエーションは、SIPネゴシエーションでありうるが、任意の適切なプロトコルが適用されうることが認識されるべきである。この接続ネゴシエーションの後、アプリケーション510およびアプリケーション・サーバ540はともに、QoSの確立を要求しうる(例えば、アプリケーション・サーバ540が、ネットワークによって設定されるQoSを要求しながら、アプリケーション510が、デバイスによって設定されるQoSを開始する)。これら要求が処理され、ベアラ・セットアップ手順が完了すると、同じ通信セッションまたはデータ・フローのために、複数の専用ベアラ(例えば、QoSコンテキスト)が生成されうる。したがって、単一のデータ・フローに対して、リソースが二重に割り当てられる。これは、リソースの浪費をもたらす。
【0054】
図4に戻って、QoS確立のために信頼できるパーティを明示するためのメカニズムが、UE410および/またはネットワーク420の何れかによって適用されうる。1つの態様によれば、UE410がネットワーク420に接続し、登録する場合、ネットワーク420は、UE410へ、優先度インジケータをシグナルしうる。優先度インジケータは、ネットワークによって設定されるQoSのための優先度、デバイスによって設定されるQoSのための優先度、ネットワークによって設定されるQoSがサポートされていることを示すインジケーション、および/または、ネットワークによって設定されるQoSがサポートされていないことを示すインジケーションを示しうる。この信号は、技術に特有の制御プレーン・シグナリング(例えば、非アクセス階層(NAS)および/またはラジオ・リソース制御(RRC)シグナリング)によって伝送されうる。別の例において、優先度インジケータは、技術に依存しない制御プレーン・シグナリング(例えば、デフォルト・ベアラ・セットアップ中に送信されるプロトコル設定オペレーション)によって伝送されうる。また別の例では、優先度インジケータは、ユーザ・プレーン・シグナリングによってUE410へ提供されうる。例えば、優先度インジケータは、接続セットアップ(例えば、SIPシグナリング等)中に含まれうる。UE410は、デバイスによって設定されたQoS、および、ネットワークによって設定されたQoSが可能なアプリケーションが、QoSを要求するか、および/または、ネットワーク420がQoSを確立することを待つかを判定するために、優先度インジケータを評価しうる。例えば、優先度インジケータは、ネットワークによって設定されたQoSがサポートされているか、および/または、好ましいかを明示しうる。したがって、アプリケーション414は、QoSを要求せず、ネットワーク420にしたがわないであろう。別の例において、優先度インジケータは、デバイスによって設定されたQoSが好ましく、および/または、ネットワークによって設定されたQoSがサポートされていないことを示しうる。そのような状況では、アプリケーション414は、QoSを設定するであろう。
【0055】
別の態様によれば、ネットワーク420は、二重のリソース割当を低減するために、軟拒否メカニズムを使用しうる。アプリケーション414は、QoSを設定し、ネットワーク420は、ネットワークによって設定されたQoSがサポートされているか、および/または、好まれている場合、軟拒否をもって応答しうる。通常の拒否とは異なり、軟拒否は、UE410に対して、ネットワークによって設定されたQoSを待つように通知する。しかしながら、通常の拒否は、UE410に対して、接続を中止し、低い要件でQoSを再要求するようにトリガするだろう。
【0056】
軟拒否メカニズムの下では、UE410とネットワーク420との両方が、QoSを設定することを試みる。それぞれの試みは、同時に、あるいは、異なる時間になされうる。1つの例において、UE410は、ネットワーク420より前にQoSを要求しうる。一般に、UE410は、(例えば、アプリケーション414のような)アプリケーションによって利用される特定のパケット・フィルタのためにQoSがすでに設定されているかをチェックする。マッチング・フィルタが存在しない場合、UE410がQoSを設定する。QoSを設定することをネットワーク420が好む場合、ネットワーク420は、UE410からのQoS要求に応答して、軟拒否を送信しうる。軟拒否を受信すると、UE410は、ネットワーク420がQoSを設定するまで待つ。態様では、UE410は、タイマ・メカニズムを適用しうる。例えば、軟拒否が受信されると、UE41は、タイマを起動しうる。タイマが終了し、ネットワーク420がQoSを設定していない場合、アプリケーション414に、QoSが失敗したことが通知されうる。
【0057】
別の例によれば、ネットワーク420は、UE410より前にQoSを設定しうる。この例によれば、UE410は、パケット・フィルタとのマッチングを確認する場合、ネットワーク420によって設定されたQoSフローを発見することができる。したがって、UE410は、QoSを設定することを試みることはない。別の例において、UE410およびネットワーク420は、QoSを同時に設定するように試みうる。たとえUE410がQoSを設定することを試みても、UE410は、軟拒否を受信する前に、ネットワークによって設定されたQoS要求を受信しうる。したがって、UE410は、ネットワークによって設定された要求で継続しうる、デバイスによって設定されたQoS要求を中断しうる。
【0058】
図6に移って、さまざまな態様にしたがって、異なる無線通信ネットワーク間のハンドオーバがなされると、QoSフローの再確立を容易にするシステム600が例示される。システム600は、ネットワーク620に接続および登録されたUE610を含んでいる。一例において、UE610は、ネットワーク630へのハンドオーバが試みられた場合(例えば、UE610が、ネットワーク620からネットワーク630へロームした場合)、アクティブな1または複数のサービス・データ・フローを有しうる。この例によれば、ネットワーク620およびネットワーク630は、異なるラジオ・アクセス技術を利用しうる。例えば、ネットワーク620は、ネットワーク630がeHRPDを適用している間、E−UTRAを適用しうる。ハンドオーバがなされると、1または複数のサービス・データ・フローに関連付けられたQoSが再確立されうる。
【0059】
態様では、QoS設定を担当するパーティにシグナルするために優先度インジケータが適用される場合、ラジオ・アクセス技術にわたって移動すると、最初にQoSを要求したエンティティが、QoSを再要求しうる。1つの例において、ネットワーク620は、ネットワークによって設定されたQoSがサポートされているか、および/または、好まれていることを示すインジケーションをシグナルしうる。オリジナルのネットワーク620は、UE610に関連付けられたQoSフローを追跡し、どれがネットワークによって設定されてるか、どれがデバイスによって設定されているかを識別しうる。ネットワーク・ネットワーク620からネットワーク630へのハンドオーバがなされると、ネットワーク620のポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)が、ネットワーク630に対して、QoSフローのリストのみならず、各フローの(例えば、ネットワークによって設定されているか、デバイスによって設定されているかの)識別情報を提供しうる。ネットワーク630は、このリストから、ネットワークによって設定されているQoSフローのための専用ベアラを設定しうる。UE610は同様に、どのQoSフローがネットワークによって設定され、どのQoSフローがデバイスによって設定されているかを追跡しうる。したがって、UE610は、デバイスによって設定されているとして識別されたフローのためのQoSを再確立しうる。ネットワーク620および/またはネットワーク630が、ネットワークによって設定されるQoSをサポートしていない場合、あるいは、デバイスによって設定されるQoSを好む場合には、UE610は、ハンドオーバがなされると、すべてのアクティブなフローについてQoSを要求しうることが認識されるべきである。
【0060】
別の態様によれば、UE610は、QoSの再確立を容易にするために、タイマ・メカニズム612を利用しうる。ハンドオーバがなされると、ネットワーク630は、UE610とネットワーク620との間に存在する、ネットワークによって設定されたすべてのQoSフローを直ちに設定しうる。一例において、ネットワークによって設定されたすべてのQoSフローが、デフォルトのベアラ設定中に同時に確立されうる。別の例では、ネットワークによって設定されたQoSフローが、シーケンシャルに確立されうる。デフォルトのベアラが確立された場合、タイマ612が起動しうる。タイマが終了すると、UE610は、残りのすべてのフローについて、QoSを要求する。
【0061】
図7乃至10に示すように、アプリケーションが両オプションをサポートする場合に、ネットワークによって設定されたQoSを利用するのか、あるいは、デバイスによって設定されたQoSを利用するのかを決定することに関連する方法が記載される。説明を単純にする目的で、これら方法は、一連の動作として示され説明されているが、これら方法は、1または複数の実施形態にしたがって、幾つかの動作が本明細書で示され記載されたものとは異なる順序で、あるいは他の動作と同時に生じうるので、動作の順序によって限定されないことが理解され認識されるべきである。例えば、当業者であれば、これら方法はその代わりに、例えば状態図におけるように、一連の相互関連する状態またはイベントとして表されうることを理解し認識するだろう。さらに、1または複数の実施形態にしたがって方法を実現するために、必ずしも例示されたすべての動作が必要とされる訳ではない。
【0062】
図7に移って、さまざまな態様にしたがって、ネットワークによって設定されたリソース割当パラメータをモバイル・デバイスへシグナルするための方法700が例示される。参照番号702では、モバイル・デバイスへインジケータが送信されうる。このインジケータは、ネットワークによって設定されるサービス品質(QoS)のためのネットワークの優先度(例えば、サービス・データ・フローに関連付けられたQoSを求めるネットワークによって設定された要求)を示しうる。別の例において、このインジケータは、デバイスによって設定されるQoSのための優先度(例えば、サービス・データ・フローに関連付けられたQoSを求める、デバイスまたはアプリケーションによって設定された要求)を示しうる。別の態様では、このインジケータは、ネットワークが、ネットワークによって設定されるQoSをサポートしているか、サポートしていないかをモバイル・デバイスに対して通知しうる。
【0063】
参照番号704では、このインジケータが、ネットワークによって設定されるQoSに対する優先度および/またはサポートを示す場合、サービス・データ・フローについて、QoSが設定されうる。参照番号706では、インジケータが、デバイスによって設定されるQoSの優先度を示すか、あるいは、ネットワークによって設定されるQoSをサポートしていないことを示す場合、モバイル・デバイスから要求がなされると、サービス・データ・フローについてQoSが確立されうる。
【0064】
図8に示すように、パラメータにしたがってQoSを確立するための方法800が例示される。参照番号802では、優先度インジケータが、ネットワークから受信される。例によれば、優先度インジケータは、モバイル・デバイスがネットワークに接続および登録した場合に、ネットワークによって送信されうる。例えば、優先度インジケータは、デフォルト・ベアラが確立された場合、ネットワークから受信されたプロトコル設定オプションに含まれうる。別の例において、優先度インジケータは、ラジオ・アクセス・ネットワークを介したデータ接続の設定中に、制御プレーン・シグナリングによって受信されうる。
【0065】
参照番号804では、インジケータが、デバイスによって設定されるQoSの優先度を示す場合、あるいは、インジケータが、ネットワークによって設定されるQoSのためのサポートをしていないことを示す場合、サービス・データ・フローに対するQoSが要求される。代替案では、参照番号806において、インジケータが、ネットワークによって設定されているQoSの優先度を示す場合、モバイル・デバイスは、ネットワークが、サービス・データ・フローのためのQoSを確立するのを待つ。
【0066】
図9は、サービス・データ・フローのためのサービス品質(QoS)を要求することを担当するエンティティを決定するために軟拒否を適用する方法900を例示する。参照番号902では、サービス・データ・フローのためのQoSを求める要求が送信される。参照番号904では、ネットワークから軟拒否が受信されうる。参照番号906では、ネットワークによって設定されたQoSを求めて待機する。図10は、ネットワークによって設定されたQoSの優先度を示すために軟拒否を利用する方法1000を図示する。参照番号1002では、サービス・データ・フローのためのQoSを求める要求が受信される。参照番号1004では、軟拒否が送信されうる。参照番号1006では、サービス・データ・フローのために、ネットワークによって設定されたQoSが確立される。
【0067】
本明細書に記載された1または複数の態様にしたがって、ネットワークによって設定されるQoSであるか、デバイスによって設定されるQoSであるかを判定すること、ハンドオーバ時に、QoSが要求されるべきサービス・データ・フローを識別すること等に関して推論がなされうることが認識されるだろう。本明細書で使用されるように、「推論する」または「推論」なる用語は一般に、イベントおよび/またはデータによって取得されたような観察のセットから、システム、環境、および/または、ユーザの状態の推論あるいはそれらに関する推理のプロセスを称する。推論は、特定のコンテキストまたは動作を特定するために適用されるか、あるいは、例えば状態にわたる確率分布を生成しうる。推論は、確率論的、すなわち、データおよびイベントの考慮に基づいて、該当する状態にわたる確率分布を計算することでありうる。推論はまた、イベントおよび/またはデータのセットから、より高いレベルのイベントを構築するために適用される技術を称することができる。そのような推論によって、イベントが時間的に近接していようといまいと、これらイベントおよびデータが1または幾つかのイベント・ソースおよびデータ・ソースに由来していようと、観察されたイベントおよび/または格納されたイベント・データのセットから、新たなイベントまたは動作を構築することができる。
【0068】
図11を参照して、さまざまな態様にしたがって、サービス品質を確立することを担当するエンティティの決定を容易にするシステム1100が例示されている。例えば、システム1100は、ユーザ機器ユニット内に少なくとも部分的に存在しうる。システム1100は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックでありうる機能ブロックを含むものとして示されることが認識されるべきである。システム1100は、連携して動作しうる電子構成要素の論理グループ1102を含む。例えば、論理グループ1102は、インジケータを受信するための電子構成要素1104を含みうる。さらに、論理グループ1102は、このインジケータが、デバイスによって設定されたQoSの優先度を示す場合、データ・フローのQoSを要求するための電子構成要素1106を備えうる。さらに、論理グループ1102は、インジケータが、ネットワークによって設定されたQoSの優先度を示す場合、ネットワークがQoSを確立することを可能にする電子構成要素1108を備えうる。論理グループ1102はまた、1または複数のデータ・フローに関連付けられたQoSを、ネットワークによって設定されたものか、デバイスによって設定されたものかの1つとして識別するための電子構成要素1110を含みうる。オプションとして、論理グループ1102は、ハンドオーバがなされると、デバイスによって設定されると識別されたQoSに関連付けられた1または複数のデータ・フローのためのQoSを要求するための電子構成要素1112を含みうる。さらに、システム1100は、電子構成要素1104、1106、1108、1110および1112に関連付けられた機能を実行するための命令群を保持するメモリ1114を含みうる。メモリ1114の外側にあるとして示されているが、電子構成要素1104、1106、1108、1110、1112のうちの1または複数は、、メモリ1114内に存在しうることが理解されるべきである。
【0069】
図12を参照して、サービス品質を担当するエンティティを示すパラメータの送信を容易にするシステム1200が例示されている。例えば、システム1200は、ユーザ機器ユニット内に少なくとも部分的に存在しうる。システム1200は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックでありうる機能ブロックを含むものとして示されることが認識されるべきである。システム1200は、連携して動作しうる電子構成要素の論理グループ1202を含む。例えば、論理グループ1202は、モバイル・デバイスへインジケータを送信するための電子構成要素1204を含みうる。さらに、論理グループ1202は、モバイル・デバイスのアプリケーションのデータ・フローのためのQoSを設定するための電子構成要素1206を備えうる。さらに、論理グループ1202は、QoSを求める要求をモバイル・デバイスから受け取るための電子構成要素1208を備えうる。論理グループ1202はまた、インジケータを、プロトコル設定オプションのセットへ組み込むための電子構成要素1210を含みうる。オプションとして、論理グループ1202は、モバイル・デバイスに関連付けられたデフォルト・ベアラがアクティブである間、プロトコル設定オプションのセットを送信するための電子構成要素1212を含みうる。それに加えて、論理グループ1202は、おのおののデータ・フローのQoSを、ネットワークによって設定されたものか、あるいは、デバイスによって設定されたものとして識別するための電子構成要素1214を含みうる。さらに、論理グループ1202は、ハンドオーバがなされると、データ・フローのリストを、別のネットワークへ送信するための電子構成要素1216を含みうる。それに加えて、システム1200は、電子構成要素1204、1206、1208、1210、1212、1216に関連付けられた機能を実行するための命令群を保持するメモリ1218を含みうる。メモリ1218の外側にあるとして示されているが、電子構成要素1204、1206、1208、1210、1212、1216のうちの1または複数は、メモリ1218内に存在しうることが理解されるべきである。
【0070】
図13は、本明細書に記載された機能のさまざまな態様を実現するために利用されうる別のシステム1300のブロック図である。一例では、システム1300は、モバイル・デバイス1302を含んでいる。図示されるように、モバイル・デバイス1302は、1または複数の基地局1304から信号を受信し、1または複数のアンテナ1308を経由して1または複数の基地局1304へ送信しうる。それに加えて、モバイル・デバイス1302は、アンテナ1308から情報を受け取る受信機1310を備えうる。一例において、受信機1310は、受信した情報を復調する復調器(Demod)1312と動作可能に関連付けられうる。その後、復調されたシンボルは、プロセッサ1314によって分析されうる。プロセッサ1314は、モバイル・デバイス1302に関連するデータおよび/またはプログラム・コードを格納しうるメモリ1316に接続されうる。モバイル・デバイス1302はまた、送信機1320によるアンテナ1308を介した送信のために信号を多重化する変調器1318を含みうる。
【0071】
図14は、本明細書に記載された機能のさまざまな態様を実現するために利用されうるシステム1400のブロック図である。一例では、システム1400は、基地局すなわち基地局1402を含んでいる。例示するように、基地局1402は、1または複数の受信(Rx)アンテナ1406によって1または複数のUE1404から信号を受信し、1または複数の送信(Tx)アンテナ1408によって1または複数のUE1404へ送信しうる。それに加えて、基地局1402は、受信アンテナ1406から情報を受信する受信機1410を備えうる。一例において、受信機1410は、受信した情報を復調する復調器(Demod)1412と動作可能に関連付けられうる。その後、復調されたシンボルは、プロセッサ1414によって分析されうる。プロセッサ1414は、符号クラスタ、アクセス端末割当、これらに関連するルックアップ・テーブル、ユニークなスクランブリング・シーケンスに関連する情報、および/または、その他の適切なタイプの情報を格納しうるメモリ1416に接続されうる。基地局1402はまた、送信機1420による送信アンテナ1408を介した送信のために、信号を多重化しうる変調器1418を含みうる。
【0072】
無線多元接続通信システムは、複数の無線アクセス端末のための通信を同時にサポートすることができる。前述したように、おのおのの端末は、順方向リンクおよび逆方向リンクによる送信を介して1または複数の基地局と通信することができる。順方向リンク(すなわちダウンリンク)は、基地局から端末への通信リンクを称し、逆方向リンク(すなわちアップリンク)は、端末から基地局への通信リンクを称する。この通信リンクは、単一入力単一出力システム、複数入力複数出力(“MIMO”)システム、あるいは、その他いくつかのタイプのシステムによって確立されうる。
【0073】
MIMOシステムは、データ送信のために、複数(N個)の送信アンテナと、複数(N個)の受信アンテナとを使用する。N個の送信アンテナおよびN個の受信アンテナによって形成されるMIMOチャネルは、空間チャネルとも称されるN個の独立チャネルへ分割されうる。ここで、N≦{N,N}である。N個の独立チャネルのおのおのは、ディメンションに相当する。MIMOシステムは、複数の送信アンテナおよび受信アンテナによって形成された追加のディメンションが利用される場合、向上された性能(例えば、より高いスループット、および/または、より高い信頼性)を与えることができる。
【0074】
MIMOシステムは、時分割デュプレクス(“TDD”)および周波数分割デュプレクス(“FDD”)をサポートしうる。TDDシステムでは、相互原理によって、逆方向リンク・チャネルから順方向リンク・チャネルを推定できるように、順方向リンク送信および逆方向リンク送信が、同じ周波数領域にある。これによって、アクセス・ポイントは、アクセス・ポイントにおいて複数のアンテナが利用可能である場合、順方向リンクで、ビームフォーミング利得を送信できるようになる。
【0075】
図15は、無線通信システム1500の例を示す。無線通信システム1500は、簡潔さの目的のため、1つの基地局1510と1つのアクセス端末1550しか示していない。しかしながら、システム1500は、1より多い基地局、および/または、1より多いアクセス端末を含みうることが認識されるべきである。ここで、追加の基地局および/またはアクセス端末は、以下に示す基地局1510およびアクセス端末1550の例と実質的に類似しうるか、あるいは、異なりうる。それに加えて、基地局1510および/またはアクセス端末1550は、その間の無線通信を容易にするために、本明細書に記載されたシステム(図1乃至6および11乃至12)および/または方法(図7乃至10)を適用しうる
基地局1510では、多くのデータ・ストリームのためのトラフィック・データが、データ・ソース1512から送信(TX)データ・プロセッサ1514へ提供される。一例によれば、おのおののデータ・ストリームが、それぞれのアンテナを介して送信される。TXデータ・プロセッサ1514は、トラフィック・データ・ストリームをフォーマットし、このデータ・ストリームのために選択された特定の符合化スキームに基づいて符号化し、インタリーブして、符合化されたデータを提供する。
【0076】
おのおののデータ・ストリームの符合化されたデータは、直交周波数分割多重化(OFDM)技術を用いてパイロット・データと多重化されうる。さらに、あるいは、その代わりに、パイロット・シンボルは、周波数分割多重化(FDM)、時分割多重化(TDM)、あるいは符号分割多重化(CDM)されうる。パイロット・データは、一般には、周知の方式で処理される既知のデータ・パターンであり、チャネル応答を推定するために、アクセス端末1550において使用されうる。おのおののデータ・ストリームについて多重化されたパイロットおよび符号化されたデータは、データ・ストリームのために選択された特定の変調スキーム(例えば、バイナリ・フェーズ・シフト・キーイング(BPSK)、直交フェーズ・シフト・キーイング(QPSK)、Mフェーズ・シフト・キーイング(M−PSK)、M直交振幅変調(M−QAM)等)に基づいて変調(例えば、シンボル・マップ)され、変調シンボルが提供される。おのおののデータ・ストリームのデータ・レート、符号化、および変調は、プロセッサ1530によって実行または提供される指示によって決定されうる。
【0077】
データ・ストリームの変調シンボルは、(例えば、OFDMのために)変調シンボルを処理するTX MIMOプロセッサ1520に提供される。TX MIMOプロセッサ1520はその後、N個の変調シンボル・ストリームをN個の送信機(TMTR)1522a乃至1522tへ提供する。さまざまな実施形態において、TX MIMOプロセッサ1520は、データ・ストリームのシンボル、および、そのシンボルが送信されるアンテナへ、ビームフォーミング重みを適用する。
【0078】
おのおのの送信機1522は、1または複数のアナログ信号を提供するために、それぞれのシンボル・ストリームを受信して処理し、さらには、MIMOチャネルを介した送信に適切な変調信号を提供するために、このアナログ信号を調整(例えば、増幅、フィルタ、およびアップコンバート)する。さらに、送信機1522a乃至1522tからのN個の変調信号が、N個のアンテナ1524a乃至1524tからそれぞれ送信される。
【0079】
アクセス端末1550では、送信された変調信号が、N個のアンテナ1552a乃至1552rによって受信され、各アンテナ1552からの受信信号が、それぞれの受信機(RCVR)1554a乃至1554rへ提供される。おのおのの受信機1554は、それぞれの信号を調整(例えば、フィルタ、増幅、およびダウンコンバート)し、この調整された信号をデジタル化してサンプルを提供し、さらにこのサンプルを処理して、対応する「受信された」シンボル・ストリームを提供する。
【0080】
RXデータ・プロセッサ1560は、N個の受信機1554からN個のシンボル・ストリームを受信し、受信されたこれらシンボル・ストリームを、特定の受信機処理技術に基づいて処理して、N個の「検出された」シンボル・ストリームを提供する。RXデータ・プロセッサ1560は、検出されたおのおののシンボル・ストリームを復調し、デインタリーブし、復号して、そのデータ・ストリームのためのトラフィック・データを復元する。RXデータ・プロセッサ1560による処理は、基地局1510におけるTX MIMOプロセッサ1520およびTXデータ・プロセッサ1514によって実行されるものと相補的である。
【0081】
プロセッサ1570は、上述したように、利用可能などの技術を利用するのかを定期的に決定する。さらに、プロセッサ1570は、行列インデクス部およびランク値部を備えた逆方向リンク・メッセージを規定することができる。
【0082】
逆方向リンク・メッセージは、通信リンクおよび/または受信されたデータ・ストリームに関するさまざまなタイプの情報を備えうる。逆方向リンク・メッセージは、多くのデータ・ストリームのトラフィック・データをデータ・ソース1536から受信するTXデータ・プロセッサ1538によって処理され、変調器1580によって変調され、送信機1554a乃至1554rによって調整され、基地局1510へ送り戻される。
【0083】
基地局1510では、アクセス端末1550からの変調信号が、アンテナ1524によって受信され、受信機1522によって調整され、復調器1540によって復調され、RXデータ・プロセッサ1542によって処理されることにより、アクセス端末1550によって送信された逆方向リンク・メッセージが抽出される。さらに、プロセッサ1530は、ビームフォーミング重みを決定するためにどの事前符合化行列を使用するかを決定するために、この抽出されたメッセージを処理する。
【0084】
プロセッサ1530およびプロセッサ1570は、基地局1510およびアクセス端末1550それぞれにおける動作を指示(例えば、制御、調整、管理等)する。プロセッサ1530およびプロセッサ1570はそれぞれ、プログラム・コードおよびデータを格納するメモリ1532およびメモリ1572に関連付けられうる。プロセッサ1530およびプロセッサ1570はまた、アップリンクおよびダウンリンクそれぞれのための周波数およびインパルス応答推定値を導出する計算をも実行する。
【0085】
態様では、論理チャネルが、制御チャネルとトラフィック・チャネルとに分類される。論理制御チャネルは、システム制御情報をブロードキャストするためのDLチャネルであるブロードキャスト制御チャネル(BCCH)を含みうる。さらに、論理制御チャネルは、ページング情報を転送するDLチャネルであるページング制御チャネル(PCCH)を含みうる。さらに、論理制御チャネルは、1またはいくつかのMTCHのためにマルチメディア・ブロードキャストおよびマルチキャスト・サービス(MBMS)スケジュールおよび制御情報を送信するために使用されるポイント・トゥ・マルチポイントDLチャネルであるマルチキャスト制御チャネル(MCCH)を備えうる。一般に、ラジオ・リソース制御(RRC)接続を確立した後、このチャネルは、MBMS(例えば、旧MCCH+MSCH)を受信するUEによってのみ使用される。さらに、論理制御チャネルは、専用制御情報を送信するポイント・トゥ・ポイント双方向チャネルであり、RRC接続を有するUEによって使用される専用制御チャネル(DCCH)を含みうる。態様では、論理トラフィック・チャネルは、ユーザ情報を転送するために、1つのUEに専用のポイント・トゥ・ポイント双方向チャネルである専用トラフィック・チャネル(DTCH)を備える。さらに、論理トラフィック・チャネルは、トラフィック・データを送信するポイント・トゥ・マルチポイントDLチャネルのためのマルチキャスト・トラフィック・チャネル(MTCH)をも含みうる。
【0086】
態様では、伝送チャネルが、DLとULとに分類される。DL伝送チャネルは、ブロードキャスト・チャネル(BCH)、ダウンリンク共有データ・チャネル(DL−SDCH)、およびページング・チャネル(PCH)を備える。PCHは、セル全体にわたってブロードキャストされることにより、および、他の制御/トラフィック・チャネルのために使用されうる物理レイヤ(PHY)リソースにマップされることにより、UE節電をサポートする(例えば、不連続受信(DRX)サイクルが、ネットワークによってUEへ示される)。UL伝送チャネルは、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)、要求チャネル(REQCH)、アップリンク共有データ・チャネル(UL−SDCH)、および複数のPHYチャネルを含みうる。
【0087】
PHYチャネルは、DLチャネルとULチャネルとのセットを備える。例えば、DL PHYチャネルは、共通のパイロット・チャネル(CPICH)、同期チャネル(SCH)、共通制御チャネル(CCCH)、共有DL制御チャネル(SDCCH)、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)、共有UL割当チャネル(SUACH)、アクノレッジメント・チャネル(ACKCH)、DL物理共有データ・チャネル(DL−PSDCH)、UL電力制御チャネル(UPCCH)、ページング・インジケータ・チャネル(PICH)、および/または、負荷インジケータ・チャネル(LICH)を含みうる。さらなる実例として、UL PHYチャネルは、物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)、チャネル品質インジケータ・チャネル(CQICH)、アクノレッジメント・チャネル(ACKCH)、アンテナ・サブセット・インジケータ・チャネル(ASICH)、共有要求チャネル(SREQCH)、UL物理共有データ・チャネル(UL−PSDCH)、および/またはブロードキャスト・パイロット・チャネル(BPICH)を含みうる。
【0088】
本明細書で開示された実施形態に関連して記述されたさまざまな例示的なロジック、論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリート・ゲートあるいはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア構成要素、または上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現または実施されうる。汎用プロセッサとしてマイクロ・プロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロ・コントローラ、あるいは順序回路を用いることも可能である。プロセッサは、例えばDSPとマイクロ・プロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロ・プロセッサ、DSPコアと連携する1または複数のマイクロ・プロセッサ、またはその他任意のこのような構成である計算デバイスの組み合わせとして実現することも可能である。それに加えて、少なくとも1つのプロセッサは、上述したステップおよび/または動作のうちの1または複数を実行するように動作可能な1または複数のモジュールを備えうる。
【0089】
さらに、本明細書に開示された態様に関連して記載された方法またはアルゴリズムからなるステップおよび/または動作は、ハードウェア内に直接的に組み込まれるか、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールによって組み込まれるか、これら2つの組み合わせに組み込まれうる。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハード・ディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROM、あるいは、当該技術で周知のその他任意の形態の記憶媒体内に存在しうる。典型的な記憶媒体は、プロセッサに結合されており、これによって、プロセッサは、記憶媒体との間で情報を読み書きできるようになる。あるいは、この記憶媒体は、プロセッサに統合されうる。さらに、ある態様では、プロセッサと記憶媒体が、ASIC内に存在しうる。さらに、ASICは、ユーザ端末に存在することができる。あるいはプロセッサと記憶媒体とは、ユーザ端末内のディスクリート部品として存在することができる。さらに、いくつかの態様では、方法またはアルゴリズムのステップおよび/または動作は、機械読取可能媒体および/またはコンピュータ読取可能媒体上の1または任意の組み合わせ、または、コードおよび/または命令群のセットとして存在する。これらは、コンピュータ・プログラム製品に組み込まれうる。
【0090】
これら実施形態が、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアあるいはマイクロコード、プログラム・コードあるいはコード・セグメントで実現される場合、これらは、例えば記憶素子のような機械読取可能媒体に格納されうる。コード・セグメントは、手順、機能、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、または、命令、データ構造、あるいはプログラム文からなる任意の組み合わせを表すことができる。コード・セグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、あるいは記憶内容の引渡および/または受信を行うことによって、他のコード・セグメントまたはハードウェア回路に接続されうる。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージ引渡し、トークン引渡、ネットワーク送信などを含む任意の適切な手段を用いて引渡、転送、あるいは送信されうる。
【0091】
ソフトウェアで実現する場合、本明細書に記載のこれら技術は、本明細書に記載の機能を実行するモジュール(例えば、手続き、機能等)を用いて実現されうる。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニット内に格納され、プロセッサによって実行されうる。メモリ・ユニットは、プロセッサ内部またはプロセッサ外部に実装されうる。プロセッサ外部に実装される場合、メモリ・ユニットは、当該技術分野で周知のさまざまな手段によってプロセッサと通信可能に接続されうる。
【0092】
上述したものは、1または複数の実施形態の一例を含んでいる。もちろん、上述した実施形態を説明する目的で、構成要素または方法の考えられるすべての組み合わせを記述することは可能ではないが、当業者であれば、さまざまな実施形態のさらに多くの組み合わせおよび置き換えが可能であることを認識することができる。したがって、記載された実施形態は、特許請求の範囲の精神およびスコープ内にあるそのようなすべての変更、変更、および変形を含むことが意図される。さらにまた、用語「含む」が、詳細説明あるいは特許請求の範囲のうちの何れかで使用されている限り、その用語は、用語「備える」が、請求項における遷移語として適用される場合に解釈される用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス品質の確立を担当するエンティティを決定する方法であって、
ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つに対する無線ネットワークの優先度を示すインジケータを受信することと、
前記デバイスによって設定されるサービス品質に対する優先度をインジケータが示す場合、データ・フローのためのサービス品質を要求することと、
前記ネットワークによって設定されるサービス品質に対する優先度をインジケータが示す場合、前記サービス品質を無線ネットワークが確立することを待つことと
を備える方法。
【請求項2】
前記インジケータは、デフォルト・ベアラの設定中に取得されたプロトコル設定オプションによって受信される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インジケータは、ラジオ・リソース制御プレーン・シグナリングによって取得される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記インジケータは、アプリケーションのための通信セッションの確立中に、ユーザ・プレーン・シグナリングによって受信される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1または複数のデータ・フローに関連付けられたサービス品質を追跡することと、
前記1または複数のデータ・フローのサービス品質を、ネットワークによって設定されたものか、あるいは、デバイスによって設定されたものかのうちの1つとして識別することと、
ハンドオーバがなされると、新たなネットワークから、1または複数のデータ・フローのサービス品質を要求することとをさらに備え、
前記1または複数のデータ・フローは、デバイスによって設定されたものとして識別される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
データ・フローのためのサービス品質を要求することと、
この要求に応じて、軟拒否を受信することと
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
データ・フローのセットのサービス品質を前記無線ネットワークが確立することを待つことと、
前記サービス品質が確立されたデータ・フローのセットからのデータ・フローを識別することとを備え、
前記識別することは、前記確立されたサービス品質に関連付けられたパケット・フィルタを評価し、対応するデータ・フローを識別することを備え、
前記方法はさらに、
前記サービス品質が前記無線ネットワークによって確立されていないデータ・フローのセットからのデータ・フローのためのサービス品質を設定することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
装置であって、
ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つに対する無線ネットワークの優先度を示すインジケータを受信することと、
前記デバイスによって設定されるサービス品質に対する優先度をインジケータが示す場合、データ・フローのためのサービス品質を要求することと、
前記ネットワークによって設定されるサービス品質に対する優先度をインジケータが示す場合、前記無線ネットワークがサービス品質を確立することを可能にすることと、
のための命令群を保持するメモリと、
前記メモリに接続され、前記メモリに保持された命令群を実行するように構成されたプロセッサと
を備える装置。
【請求項9】
前記インジケータは、デフォルト・ベアラの設定中に取得されたプロトコル設定オプションによって受信される請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記インジケータは、ラジオ・リソース制御プレーン・シグナリングによって取得される請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記インジケータは、アプリケーションのための通信セッションの確立中に、ユーザ・プレーン・シグナリングによって受信される請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記メモリはさらに、
前記1または複数のデータ・フローに関連付けられたサービス品質を、ネットワークによって設定されたものか、あるいは、デバイスによって設定されたものかのうちの1つとして識別することと、
ハンドオーバがなされると、デバイスによって設定されたものとして識別されたサービス品質に関連付けられた1または複数のデータ・フローのためのサービス品質を要求することと、
のための命令群を保持する請求項8に記載の装置。
【請求項13】
無線通信装置であって、
ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つに対する無線ネットワークの優先度を示すインジケータを受信する手段と、
前記デバイスによって設定されるサービス品質に対する優先度をインジケータが示す場合、データ・フローのサービス品質を要求する手段と、
前記ネットワークによって設定されるサービス品質に対する優先度をインジケータが示す場合、サービス品質を前記無線ネットワークが確立することを可能にする手段と
を備える無線通信装置。
【請求項14】
前記インジケータは、デフォルト・ベアラの設定中に取得されたプロトコル設定オプションによって受信される請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項15】
前記インジケータは、ラジオ・リソース制御プレーン・シグナリングによって取得される請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項16】
前記インジケータは、アプリケーションのための通信セッションの確立中に、ユーザ・プレーン・シグナリングによって受信される請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項17】
前記1または複数のデータ・フローに関連付けられたサービス品質を、ネットワークによって設定されたものか、あるいは、デバイスによって設定されたものかのうちの1つとして識別する手段と、
ハンドオーバがなされると、デバイスによって設定されたものとして識別されたサービス品質に関連付けられた1または複数のデータ・フローのためのサービス品質を要求する手段と
をさらに備える請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項18】
コンピュータ読取可能媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品であって、
前記コンピュータ読取可能媒体は、
少なくとも1つのコンピュータに対して、デバイスによって設定されるサービス品質、または、ネットワークによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つに対する前記ネットワークによる優先度を示すインジケータを、ネットワークから取得させるためのコードと、
少なくとも1つのコンピュータに対して、前記インジケータにしたがって、データ・フローのためのサービス品質を確立させるためのコードと
を備えるコンピュータ・プログラム製品。
【請求項19】
前記コンピュータ読取可能媒体はさらに、
前記インジケータが、デバイスによって設定されるサービス品質の優先度を示す場合、少なくとも1つのコンピュータに対して、データ・フローのためのサービス品質を要求させるためのコードを備える請求項18に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項20】
前記コンピュータ読取可能媒体はさらに、
前記インジケータが、ネットワークによって設定される品質の優先度を示す場合、データ・フローのために、ネットワークによって設定されたサービス品質を受け取るためのコードを備える請求項18に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項21】
前記コンピュータ読取可能媒体はさらに、
少なくとも1つのコンピュータに対して、フローのセットにおける各サービス品質フローを、デバイスによって設定されたものか、あるいは、ネットワークによって設定されたものかのうちの1つとして識別させるためのコードと、
少なくとも1つのコンピュータに対して、デバイスによって設定されたものとして識別されたフローのセットにおける各フローのためのサービス品質を要求させるためのコードとを備え、
前記要求は、別の無線通信ネットワークへのハンドオーバがなされた場合に生じる請求項18に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項22】
前記コンピュータ読取可能媒体はさらに、
前記インジケータが、デバイスによって設定されるサービス品質の優先度を示す場合、少なくとも1つのコンピュータに対して、前記フローのセットにおけるすべてのフローのためのサービス品質を要求させるためのコードを備える請求項21に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項23】
無線通信装置であって、
デバイスによって設定されるサービス品質、または、ネットワークによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つについて、前記ネットワークによる優先度を示すインジケータをネットワークから取得し、
前記インジケータが、デバイスによって設定されるサービス品質の優先度を示す場合、データ・フローのためのサービス品質を要求し、
前記ネットワークによって設定されるサービス品質の優先度をインジケータが示す場合、データ・フローのために、ネットワークによって設定されたサービス品質を受け取る
ように構成されたプロセッサを備える無線通信装置。
【請求項24】
前記プロセッサはさらに、フローのセットにおける各サービス品質フローを、デバイスによって設定されたものか、あるいは、ネットワークによって設定されたものかのうちの1つとして識別し、デバイスによって設定されたものとして識別されたフローのセットにおける各フローのためのサービス品質を要求するように構成され、
前記要求は、別の無線通信ネットワークへのハンドオーバがなされた場合に生じる請求項23に記載の無線通信装置。
【請求項25】
サービス品質を確立することを担当するエンティティを示すためにパラメータを利用する方法であって、
ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つの優先度を示すインジケータを、モバイル・デバイスに送信することと、
前記インジケータが、前記ネットワークによって設定されるサービス品質の優先度を示す場合、アプリケーションのデータ・フローのためのサービス品質を設定することと、
前記デバイスによって設定されるサービス品質の優先度をインジケータが示す場合、前記データ・フローのためのサービス品質を求める要求を、前記モバイル・デバイスから受け取ることと
を備える方法。
【請求項26】
前記インジケータを送信することはさらに、
前記インジケータを、プロトコル設定オプションのセットへ組み込むことと、
前記モバイル・デバイスに関連付けられたデフォルト・ベアラがアクティブである間、前記プロトコル設定オプションのセットを送信することと
を備える請求項25に記載の方法。
【請求項27】
データ・フロー毎のサービス品質を追跡することと、
各データ・フローのサービス品質を、ネットワークによって設定されたものか、デバイスによって設定されたものかの1つとして識別することと
をさらに備える請求項25に記載の方法。
【請求項28】
ハンドオーバがなされると、データ・フローのリストを、別のネットワークへ提供することをさらに備え、
前記リストは、各データ・フローを、ネットワークによって設定されたものか、あるいは、デバイスによって設定されたものかのうちの1つとして示す請求項27に記載の方法。
【請求項29】
装置であって、
ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つの優先度を示すインジケータをモバイル・デバイスへ送信することと、
前記インジケータが、前記ネットワークによって設定されるサービス品質に対する優先度を示す場合、アプリケーションのデータ・フローのためのサービス品質を前記モバイル・デバイスにおいて設定することと、
前記インジケータが、デバイスによって設定されるサービス品質に対する優先度を示す場合、データ・フローのためのサービス品質を求める要求を、前記モバイル・デバイスから受け取ることと、
のための命令群を保持するメモリと、
前記メモリに接続され、前記メモリに保持された命令群を実行するように構成されたプロセッサと
を備える装置。
【請求項30】
前記メモリはさらに、
前記インジケータを、プロトコル設定オプションのセットへ組み込むことと、
前記モバイル・デバイスに関連付けられたデフォルト・ベアラがアクティブである間、前記プロトコル設定オプションのセットを送信することと、
のための命令群を保持する請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記メモリはさらに、
データ・フロー毎のサービス品質を追跡することと、
各データ・フローのサービス品質を、ネットワークによって設定されたものか、デバイスによって設定されたものかの1つとして識別することと
のための命令群をさらに備える請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記メモリはさらに、ハンドオーバがなされると、データ・フローのリストを、別のネットワークへ転送するための命令群を保持し、
前記リストは、各データ・フローを、ネットワークによって設定されたものか、あるいは、デバイスによって設定されたものかのうちの1つとして示す請求項29に記載の装置。
【請求項33】
無線通信装置であって、
ネットワークによって設定されるサービス品質、または、デバイスによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つの優先度を示すインジケータをモバイル・デバイスへ送信する手段と、
前記インジケータが、ネットワークによって設定されるサービス品質の優先度を示す場合、アプリケーションのデータ・フローのためのサービス品質を、前記モバイル・デバイスにおいて設定する手段と、
前記インジケータが、デバイスによって設定されるサービス品質の優先度を示す場合、データ・フローのサービス品質を求める要求を、前記モバイル・デバイスから受け取る手段と
を備える無線通信装置。
【請求項34】
前記インジケータを、プロトコル設定オプションのセットへ組み込む手段と、
前記モバイル・デバイスに関連付けられたデフォルト・ベアラがアクティブである間、前記プロトコル設定オプションのセットを送信する手段と
をさらに備える請求項33に記載の無線通信装置。
【請求項35】
各データ・フローのサービス品質を、ネットワークによって設定されたものか、デバイスによって設定されたものかのうちの1つとして識別する手段をさらに備える請求項33に記載の無線通信装置。
【請求項36】
ハンドオーバがなされると、データ・フローのリストを、別のネットワークへ送信する手段をさらに備え、
前記リストは、各データ・フローを、ネットワークによって設定されたものか、デバイスによって設定されたものかのうちの1つとして示す請求項33に記載の無線通信装置。
【請求項37】
コンピュータ読取可能媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品であって、
前記コンピュータ読取可能媒体は、
デバイスによって設定されるサービス品質、または、ネットワークによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つのための、ネットワークによる優先度を示すインジケータを、少なくとも1つのコンピュータに対して送信させるためのコードと、
少なくとも1つのコンピュータに対して、前記インジケータにしたがって、モバイル・デバイスに関連付けられたデータ・フローのためのサービス品質を確立させるためのコードと
を備えるコンピュータ・プログラム製品。
【請求項38】
前記コンピュータ読取可能媒体はさらに、
少なくとも1つのコンピュータに対して、前記インジケータを、プロトコル設定オプションのセットへ組み込ませるためのコードと、
少なくとも1つのコンピュータに対して、前記モバイル・デバイスに関連付けられたデフォルト・ベアラがアクティブである間、前記プロトコル設定オプションのセットを送信させるためのコードと
を備える請求項37に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項39】
前記コンピュータ読取可能媒体はさらに、
少なくとも1つのコンピュータに対して、各データ・フローのサービス品質を、ネットワークによって設定されたものであるか、デバイスによって設定されたものであるかのうちの1つとして識別させるためのコードを備える請求項37に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項40】
前記コンピュータ読取可能媒体はさらに、
ハンドオーバがなされると、少なくとも1つのコンピュータに対して、データ・フローのリストを、別のネットワークへ転送させるためのコードを備え、
前記リストは、各データ・フローを、ネットワークによって設定されたものであるか、あるいは、デバイスによって設定されたものかのうちの1つとして示す請求項37に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項41】
前記コンピュータ読取可能媒体はさらに、
前記インジケータが、ネットワークによって設定されたサービス品質の優先度を示す場合、少なくとも1つのコンピュータに対して、前記モバイル・デバイスにおけるアプリケーションのデータ・フローのためのサービス品質を設定させるためのコードを備える請求項37に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項42】
前記コンピュータ読取可能媒体はさらに、
前記インジケータが、デバイスによって設定されたサービス品質の優先度を示す場合、少なくとも1つのコンピュータに対して、前記モバイル・デバイスから、データ・フローのサービス品質の要求を受け取らせるためのコードを備える請求項37に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項43】
無線通信装置であって、
デバイスによって設定されるサービス品質、または、ネットワークによって設定されるサービス品質のうちの少なくとも1つのための、ネットワークによる優先度を示すインジケータをモバイル・デバイスへ送信し、
前記インジケータが、デバイスによって設定されるサービス品質を示す場合、データ・フローのためのサービス品質を求める要求を、モバイル・デバイスから受け取り、
前記インジケータが、ネットワークによって設定されるサービス品質に対する優先度を示す場合、アプリケーションのデータ・フローのサービス品質を、モバイル・デバイスにおいて確立する
ように構成されたプロセッサを備える無線通信装置。
【請求項44】
前記プロセッサはさらに、
前記インジケータを、プロトコル設定オプションのセットへ組み込み、
前記モバイル・デバイスに関連付けられたデフォルト・ベアラがアクティブである間、前記プロトコル設定オプションのセットを送信する
ように構成された請求項43に記載の無線通信装置。
【請求項45】
方法であって、
データ・フローのためのサービス品質を設定する要求をモバイル・デバイスから受信することと、
前記要求に応答して、前記モバイル・デバイスへ軟拒否(soft rejection)を発行することと、
前記データ・フローのためのサービス品質を、ネットワーク要求によって確立することと
を備える方法。
【請求項46】
方法であって、
データ・フローのセットのためのサービス品質を無線通信ネットワークが確立するのを待つことと、
前記サービス品質が確立されるデータ・フローのセットから、データ・フローを特定することと、
前記無線通信ネットワークによってサービス品質が確立されていないデータ・フローのセットから、前記データ・フローのサービス品質を設定することとを備え
前記待つことは、予め決定された期間に設定されたタイマを開始することを備え、前記特定することは、確立されたサービス品質に関連付けられたパケット・フィルタを比較して、対応するデータ・フローを特定することを備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−503447(P2012−503447A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528018(P2011−528018)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/057584
【国際公開番号】WO2010/033872
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】