説明

ネットワークインタフェースルータ

加入者敷地内への且つ(或いは)加入者敷地内の内部における通信信号の選択的ワイヤード及び(又は)ワイヤレス伝送を可能にするシステム及び方法論が提供される。ネットワークインタフェース装置が、ネットワークインタフェース装置のハウジング内に設けられていて、ワイヤレス及びワイヤード通信サービスのうちの1つ又は2つ以上を加入者に選択的に提供するワイヤレスルータを有する。ネットワークインタフェース装置は、加入者の敷地の外に設けられても良い。ワイヤレスルータをネットワークインタフェース装置内に設けることによって、ワイヤレスサービスを加入者及び加入者のすぐ近くに位置する新規加入者に提供する能力がサービスプロバイダに与えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、加入者敷地(構内)で用いられるワイヤレスルータの提供に関する。本発明は、特に、ネットワークインタフェース装置(NID)と関連する場合があり且つ外部回線と加入者の敷地内機器との間のワイヤレス信号伝送を可能にするよう構成されたワイヤレスルータに関する。
【背景技術】
【0002】
電話会社は、データ及びビデオ提供を含む高帯域幅サービスに移行しているので、新規且つ独特な仕方で便利さを付加し又は技術進歩を活用する要望が増大している。VoIPは、最近かなり認識されるようになっていて、アナログ音声信号を、インターネット又は例えば企業イントラネットネットワークを含む他のディジタルデータ伝送ネットワークにより伝送可能なディジタルデータに変換する方法論に関する用語である。
【0003】
POTS(Plain Old Telephone Service:従来の普通の電話サービス)は、かなり長い期間用いられており、その動作周波数が比較的低いので、最近導入され、共存した状態で提供されているディジタル加入者回線(DSL)サービスと極めて両立した状態で稼働している。DSLサービスは、種々の形態の全てを表すようひとまとめに“xDSL”と表示されている多くの形態で提供可能である。一般に住居加入者の敷地まで配備又は布設されている一般的な形式は、非対称ディジタル加入者回線(ADSL)サービスという表示を備えている。
【0004】
最近、DSLサービスは、もっぱらPOTSと従来共有されている通信回線により提供されるよう提案された。このPOTSを使用しないこのDSLデータサービス(「ネイキッドDSL」と呼ばれることもある)は、従来POTSと共有の同一の通信回線を用いて良好に稼働し続けている。
【0005】
上述のことに加えて、同軸ケーブルは、テレビ番組の形態をしたメディア信号を住居用と商用の両方の種々の敷地に持って来るために長年にわたって用いられている。最近、かかる同軸ケーブルは、従来送られているメディア番組と一緒にデータサービスを提供するために用いられている。
【0006】
ごく最近、光ファイバケーブルが、銅線と同軸ケーブルの両方によって従来及び現在提供されているサービスのうちの幾つか又は全てを提供すると共にかかるサービスを提供すると同時に大幅に強化された帯域幅機能を提供する契約によりこれら同一の住居用及び商用の場所まで布設された。
【0007】
加入者敷地への種々のサービスの提供を含む上述の問題を考慮して、加入者に銅線及びケーブルを含む加入者の敷地内配線を使用し続けるというオプションを提供するエレクトロニクスパッケージを提供すると共に敷地内伝送媒体に何ら追加物を設置する必要なく追加の機能を提供することが望ましい。種々の構成のアダプタが開発されたが、一般に、本発明に従って以下において提供されるような所望の特性の全てを含む設計は、依然として出現していない。
【発明の概要】
【0008】
先行技術において見受けられ、本発明によって取り込まれる認識されている欠点を考慮して、本発明は、加入者敷地まで布設された種々の伝送媒体からの信号結合を可能にする改良型ネットワークインタフェース装置(NID)システムを提供する。
【0009】
本発明の一実施形態では、加入者が既存のアナログPOTS機器の使用を維持しながらDSLサービスを自分の敷地で得ることができるようにするNIDシステムが提供される。
【0010】
単純な形態では、加入者敷地において一般的に提供できるように、ネットワークインタフェース装置に設けることができる信号結合エレクトロニクスが提供される。
【0011】
この種のアダプタの別の肯定的な態様は、加入者敷地まで布設されている通信信号伝送キャリア又は媒体の種類に対応して様々な信号結合エレクトロニクスを提供できるということにある。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、追加の信号伝送媒体を加入者敷地内に設置する必要なく、加入者敷地内の拡張された信号伝送を可能にするシステムが提供される。
【0013】
本発明の更に別の実施形態によれば、加入者敷地内での選択された信号のワイヤレス伝送を可能にするシステムが提供される。
【0014】
本発明の追加の実施形態によれば、加入者にワイヤレスサービスを提供し、しかも、加入者が既存の自宅配線を用いて種々のサービスを実行できるようにするシステムが開発された。
【0015】
本発明の追加の目的及び追加の利点は、本明細書の詳細な説明の項に記載されており又はかかる詳細な説明から当業者には明らかになろう。また、更に理解されるべきこととして、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の種々の実施形態及び使用において、具体的に図示し、参照すると共に説明した特徴及びその要素の改造及び変形を行うことができる。変形としては、図示し、参照し又は説明した手段、特徴又はステップと均等範囲の手段、特徴又はステップの置換及び種々の部品、特徴、ステップの機能的、作用的又は位置的な逆転等が挙げられるが、これらには限定されない。
【0016】
本発明の追加の特徴及び追加の利点は、以下の詳細な説明に記載されており、一部は、かかる詳細な説明から当業者には明らかであり或いは以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び添付の図面を含む本明細書に記載されている本発明を実施することにより認識されよう。
【0017】
上述の全体的説明と以下の詳細な説明の両方は、本発明の例示の実施形態を提供し、特許請求の範囲に記載された本発明の性質及び特性を理解するうえでの概観又は骨組みを提供するものであることは理解されるべきである。添付の図面は、本発明の一層深い理解を提供するために添付されており、本明細書に組み込まれてその一部をなしている。添付の図面は、本発明の種々の実施形態を記載しており、詳細な説明と一緒になって、本発明の原理及び作用を説明するのに役立つ。さらに、添付の図面及び明細書の内容は、例示であって、本発明を限定するものではない。
【0018】
当業者に提供される本発明の最適形態を含む本発明の十分且つ実行可能な開示内容が、添付の図面を参照する本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】住居環境へのネットワークインタフェース装置用アダプタ設備の例示の形態を示す図であり、同軸ケーブルが本発明の第1の実施形態に従って敷地まで通信信号キャリアとして布設されている状態を示す図である。
【図2】住居環境へのネットワークインタフェース装置用アダプタ設備の例示の形態を示す図であり、光ファイバケーブルが本発明の第2の実施形態に従って敷地まで通信信号キャリアとして布設されている状態を示す図である。
【図3】住居環境へのネットワークインタフェース装置用アダプタ設備の例示の形態を示す図であり、銅ケーブルが本発明の第3の実施形態に従って敷地まで通信信号キャリアとして布設されている状態を示す図である。
【0020】
本明細書及び添付の図面全体を通じて繰り返し用いられている参照符号は、本発明の同一又は類似の特徴又は要素を示すようになっている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上述したように、本発明は、特に、加入者敷地まで布設された種々の伝送媒体からの信号結合を可能にする改良型ネットワークインタフェース装置(NID)システムの提供に関する。
【0022】
本発明の態様の選択された組合せは、複数の互いに異なる好ましい実施形態に対応している。注目されるべきこととして、本明細書によって提供されて説明される例示の実施形態の各々は、本発明の限定を示すものではない。一実施形態の一部として図示され又は説明される特徴又はステップは、更に別の実施形態を構成するよう別の実施形態の態様と組み合わせて利用できる。さらに、或る特定の特徴は、同一又は類似の機能を実行する明示されてはいない類似の装置又は特徴と交換可能である。
【0023】
次に、本発明のネットワークインタフェース装置エレクトロニクスパッケージの現時点において好ましい実施形態を詳細に参照する。今、図面を参照すると、図1は、住居環境へのネットワークインタフェース装置(NID)100の設置の例示の形態を示しており、同軸ケーブル102が、本発明の例示の実施形態に従って敷地まで布設されている。本発明に従って構成されたNID100は、特定の加入者及びサービス提供者の要件に基づいて多くの形態を取ることができる。全ての場合において、NID100は、加入者敷地に設置可能であり、部分的にサービスプロバイダにより加入者敷地に提供されるサービス接続形式に応じて、様々に実行可能であろう。
【0024】
或る特定の場合には、NID100内に設けることができるよう設計された選択されたコンポーネントは、2006年5月23日に出願された共通譲渡された係属中の米国特許出願第11/439,086号明細書(発明の名称:VoIP ADAPTER FOR NETWORK INTERFACE DEVICE)に開示されているような加入者自身がコンポーネントを設置できる形態で提供されるのが良い。かかる場合、コンポーネントは、自己設置用キットとして加入者に郵送される場合がある。
【0025】
本発明によれば、種々の状況は、サービスプロバイダがサービスを加入者敷地に提供する手段としての方法論に起因して生じる場合がある。具体的に言えば、サービスプロバイダにより提供される伝送媒体並びに提供された特定のサービスセットは、NID100について様々なコンフィギュレーションに関する要件を生じさせる場合がある。しかしながら、全ての場合において、以下に詳細に説明するように、機能の或る特定の共通性が存在する。
【0026】
さらに図1に示すような本発明の例示の実施形態に関し、サービスは、同軸ケーブル102を介して加入者敷地に提供可能である。サービスプロバイダが電話、データ及びメディアサービスを加入者敷地に提供しようとする場合、同軸ケーブル102上に印加された種々の信号を分離して個々のサービスにアクセスできるようにするエレクトロニクスをNID100内に設けることが必要であろう。
【0027】
図1に示されているように、NID100は、NID100に適当に構成されたエントリーポートを経て同軸ケーブル102を受け入れるよう構成されているのが良い。同軸ケーブル102は、オプションとしてのプロテクタ104を介して、NID100内に収容された追加の電子デバイスに結合されるのが良い。オプションとしてのプロテクタ104が、NID100内の概略的に示された別個のチャンバ104′内に収容されるのが良く、かかるオプションとしてのプロテクタは、例えば雷又は他の一時的現象により生じる電気的サージに起因する損傷からNID100エレクトロニクスを保護するよう設計された種々の一時的抑制デバイス又はかかるデバイスの組合せに相当しているのが良い。ヒューズ、多重安全機能付き又はこれが着いていないガス管、シダクタ(sidactor)、PTC(正の温度係数)抵抗器又はヒューズ(可溶性)抵抗器を含む(ただし、これらには限定されない)追加の保護コンポーネントを回路設計に追加して追加の補助保護を提供すると共に性能を向上させるのが良い。或る特定の要件を満たすためにこれらコンポーネントの任意の組合せを利用できる。厳しい要件を満たすために、上述の列記したコンポーネントのうちの任意のものの組合せを利用することができる。本明細書において説明するような保護要素は、当業者には十分に理解されるように、線路間(line to line)形態、チップ接地間(tip to ground )形態とリング接地間(ring to ground)形態の両方を含む線路接地間(line to ground)形態として種々の組合せで結合可能である。
【0028】
オプションとしてのプロテクタ100が提供されているかどうかとは無関係に、ケーブル104により伝送された信号をNID100内に設けられたxDSL POTSスプリッタ110に結合するのが良い。当業者には理解されるように、xDSL POTSスプリッタ110は、一般に総称してxDSL信号と呼ばれているディジタル加入者線(DSL)信号の種々の形態を、一般にxDSL信号が同軸ケーブル102上に印加されているような通常の普通の電話サービス(POTS)信号から分離するために設けられている場合がある。次に、POTS信号をケーブル112により加入者敷地に設けられている電話機器114に提供するのが良い。
【0029】
或る特定の場合、サービスプロバイダは、POTSを利用しないxDSLデータサービスを加入者敷地に提供する場合がある。かかる場合、既存のアナログPOTS機器の利用の続行に関心のある加入者に回線保護シーリング電流提供する必要があるので、もしそうでなければ加入者敷地配線に印加されており、敷地内配線へのアナログPOTS機器の直接結合により劣化する場合のある高い周波数を隔離するための追加のエレクトロニクスを設けることが必要である。
【0030】
この追加のエレクトロニクスは、例えば、2006年5月23日に出願された共通譲渡された同時係属中の米国特許出願第11/439,087号明細書(発明の名称:xDSL VoIP ADAPTER DEVICE)に記載されている。
【0031】
さらに、図1に示す本発明の例示の実施形態を参照すると、ケーブル116によりxDSL POTSスプリッタ110の出力に結合された別のエレクトロニクスコンポーネントが図示されている。この別のコンポーネントは、図1では、ワイヤレスルータ付きモデムとして示されており、これを以下ワイヤレスルータ120として説明する。ワイヤレスルータ120は、NID100内へのワイヤレスルータ120の提供により、相当な費用節約並びに時間と労力の両方の設置上の節約を達成できるという点で本発明の顕著な利点に対応している。
【0032】
ワイヤレスルータ120は、加入者敷地内ケーブルを介してデータ利用装置144に結合されるのが良いケーブル122により信号をオプションとして形成するよう構成されているのが良い。かかるデータ利用装置144は、例えば図示していないホームネットワークを介して互いに結合された1つ又は2つ以上のパーソナルコンピュータに相当しているのが良い。さらに、ワイヤレスルータ120は、オプションとして、追加の加入者敷地内ケーブルに結合されているケーブル126により信号をメディア装置128に提供することができる。メディア装置128は、テレビジョン受信機、ビデオレコーダ又はケーブル102によりサービスプロバイダにより提供されているメディア信号を表示し、保存し又は違ったやり方で操作することができる他の装置に相当するのが良い。ケーブル122は、一般的に用いられている「カテゴリー5」(CAT5)ケーブル又は他のタイプのケーブルに相当し、ケーブル126は、同軸ケーブル又は他の適当なタイプのケーブルに相当するのが良い。
【0033】
ケーブル122,126を介するデータ及びメディア信号の本発明によるオプションとしての提供に加えて、ワイヤレスルータ120は、ワイヤレス信号をNID100から加入者敷地まで直接提供するよう構成されているのが良い。オプションとして、ケーブル102により受信され、ケーブル112により電話機器114に送信される信号の音声部分も又、或いは、変形例として、ワイヤレスリンクで送信することができる。
【0034】
ワイヤレス信号をNID100並びに後で説明するNID200,300内に設置されたワイヤレスルータ120から直接送信することによって、サービスプロバイダは、種々のサービスオプションを加入者に提供する機能を維持した状態で、加入者の敷地内に銅線、同軸ケーブル又は光ファイバケーブルを布設する時間及び費用を回避することができる。さらに、ワイヤレスルータを加入者のNID100,200及び(又は)300内に設けることにより、サービスプロバイダは、追加のNIDを実際に設置する必要なく、追加の近くの加入者にサービスを提供することができる場合がある。かかる場合として、アパート団地、公営住宅団地又は工場内の場所が挙げられる。
【0035】
本発明のこの態様は、先のデータ、メディア又はそれどころかPOTS配線が特定の加入者敷地内に存在していないレトロフィット用途において特に需要である。さらに、ワイヤレスルータ120は、任意のワイヤレス装置を取り扱うことができ、かかるワイヤレス装置としては、セットトップボックス(Settop Box)、コンピュータ、モデム、ソフトホン(Soft Phone)、ディジタルホン(Digital Phone)、ホンベースステーション(Phone Base Station)、ルータ、インテリジェントアプライアンス(Intelligent Appliance)、バーグラーアラーム(Burglar Alarm)等が挙げられるが、これらには限定されない。
【0036】
本発明の念頭に置かれるべきこととして、本発明のレトロフィット用途は、明確な利点を提供することができるが、本発明は、事実上任意の場所で利用できる。例えば、データ又はメディア器具のうちの幾分かの量を、加入者の敷地内、その周り又はその近くの更に追加の利用場所が要望される加入者の敷地内に布設することができる。かかる要望は、事実、そうでない場合に必要なケーブルを布設することが不可能な又は少なくとも困難なワイヤレス接続部を設けることにより容易に取り組み可能である。
【0037】
さらに図1を参照すると、ワイヤレスルータ120のワイヤレス観点をNID100の内部に設けられたアンテナ130によりサポートできるということは注目されよう。さらに、1つ又は2つ以上のオプションとしての又は別のアンテナ132をNID100の外部に設けてこれを例えばワイヤレスルータ120内に具体化されたダイバーシティ方式の一コンポーネントとして又はかかるダイバーシティ方式のための唯一のアンテナとして内部アンテナ130と関連して稼働させるのが良い。アンテナ132をNID100の外部に直接取り付けても良く、或いは、伝送範囲を拡大するためにNID100から遠く離れて、例えば、高い場所に設けても良い。いずれの場合においても、アンテナ132は、直接に又はアンテナ132に接続されたケーブルに結合される整合コネクタを備えたNID100の外部に取り付けられる適当な無線周波数(RF)結合コネクタ(図示せず)を介してケーブル134よりルータ120に結合されるのが良い。
【0038】
当業者には理解されるように、上述の特長は図示されていないが、NID100は、ロック可能なセキュリティカバーを備えるべきであるが、一般に提供されている加入者によりアクセス可能な部分を有しても良い。
【0039】
次に図2を参照して、本発明のネットワークインタフェース装置用アダプタ設備の第2の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態の場合と同様、ネットワークインタフェース装置用アダプタ設備は、図1を参照して説明したNID100内に設けられている種々のコンポーネントの機能とほぼ同じ機能のコンポーネントが取り付けられている光−電気(OE)回路板210を収容したNID200を有している。具体的に説明すると、OE回路板210は、オプションとしての光タップ204に到来している光ファイバケーブル202に結合されている。
【0040】
OE回路板210は、本発明の重要な態様によれば、図1に示す実施形態に関して説明したワイヤレスルータとほぼ同じワイヤレスルータ並びに電話信号をケーブル212により加入者敷地内電話機器214に提供し、ケーブル222によりデータ信号を加入者敷地内データ機器224に提供し、メディア信号ケーブル226により加入者施設内メディア機器228に提供するスプリッタ及びワイヤードルータコンポーネントを有する。本発明のこの第2の実施形態のこれらの特徴の各々は、第1の実施形態の上述した同一の特徴に相当しており、これ以上説明しない。
【0041】
第1の実施形態の場合と同様、本発明のこの第2の実施形態は又、1つ又は2つ以上のNID200の内部アンテナ230並びに上述したようにNID200に取り付けられたオプションとしてのコネクタを備え又は備えていないケーブル234を介してOE回路板210に結合された1つ又は2つ以上のオプションとしての外部アンテナ232を有している。かかるアンテナ並びにオプションとしてのコネクタ及び結合ケーブルを含む関連の要素の各々は、第1の実施形態に関して上述した機能と同一の機能を実行する。
【0042】
次に図3を参照して、本発明のネットワークインタフェース装置用アダプタ設備の第3の実施形態について説明する。本発明の第3の実施形態は、NID300が第1の実施形態のプロテクタ104と同様、NID300内に概略的に示されてた別個のチャンバ304′内に別々に収納可能なオプションとしてのプロテクタ装置304を有するよう構成されているので、多くの点において図1に示す第1の実施形態に一致している。さらに、オプションとしてのプロテクタ304は、プロテクタ104に関して上述した種々の形態に相当するのが良い。
【0043】
本発明の第1の実施形態に関するこれらの類似点に加えて、第3の実施形態は、xDSLスプリッタ310及び以下においてワイヤレスルータ320と称するモデムとワイヤレスルータの組合せを更に有している。ワイヤレスルータ320は、上述したワイヤレスルータ120の機能の全てを有し、かかるワイヤレスルータ320は、第1の実施形態のケーブル接続部並びにアンテナ接続部に相当していて、同一の参照符号に「300」を加えた参照符号が与えられているケーブル接続部並びにアンテナ接続部を有している。理解されるべきこととして、POTSが設けられておらず、電話サービスがVoIPによって提供されている用途の場合、図3のxDSLスプリッタ310が省かれ、VoIP情報は、ワイヤレスルータ320付きモデムによりデータ利用装置324により提供される。
第3の実施形態は、少なくとも2つの点において上述の実施形態とは異なっている。第1に、サービスプロバイダにより提供される種々のサービスは、撚り対線銅ケーブル302により加入者の敷地に到達する。第2に、第3の実施形態は、当業者であれば十分に理解されているように、NID300の部分をサービスプロバイダにとってアクセス可能な第1の部分と加入者にとってアクセス可能な第2の部分に分ける責任分界点308を提供する。図示されていないが、責任分界点は、それ自体、例示の形態では、RJ11型ジャック・プラグ組合せに相当するのが良い。ただし、他形式の相補形ジャック及びプラグ又は他のコネクタを用いることができる。
【0044】
第1の実施形態に関して説明したように、図示していないが、NID300は、サービスプロバイダによりアクセス可能な部分を適当なロック手段によって固定し、第2の部分が加入者にとって自由にアクセス可能であるように構成されても良い。さらに理解されるべきこととして、責任分界点308がプロテクタ304とxDSLスプリッタ310との間に位置決めされた状態で示されているが、これは本発明の必須の要件ではない。事実、責任分界点は、エレクトロニクスの前、後又は中間に配置することができる。
【0045】
本発明をその特定の実施形態に関して詳細に説明したが、理解されるように、当業者であれば、上記の内容を理解すると、かかる実施形態の改造例、変形例及び均等例を容易に想到できる。したがって、本発明に関する開示内容は、本発明の発明に関し、限定ではなく例示であり、当業者に容易に明らかな本発明のかかる改造例、変形例、均等例及び(又は)追加例を含むのを排除するわけではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークインタフェース装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に設けられたワイヤレスルータと、
前記ワイヤレスルータに結合された通信信号キャリアとを有し、
サービスプロバイダは、ワイヤレス及びワイヤード通信サービスのうちの1つ又は2つ以上を加入者に選択的に提供できる、ネットワークインタフェース装置。
【請求項2】
電気通信信号キャリアは、同軸ケーブル及び撚り対線ケーブルから成る群から選択される、請求項1記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項3】
前記通信信号キャリアは、光ファイバケーブルである、請求項1記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項4】
前記ハウジング内に設けられると共に前記ワイヤレスルータに結合されたモデムを更に有する、請求項1記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項5】
前記通信信号キャリアと前記ワイヤレスルータとの間に結合されたxDSLスプリッタを更に有する、請求項1記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項6】
前記xDSLスプリッタは、通信信号を前記ワイヤレスルータ及び加入者のPOTS機器に提供するよう構成されている、請求項5記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項7】
前記ワイヤレスルータに結合されると共に前記ハウジング内に設けられたアンテナを更に有する、請求項1記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項8】
前記ワイヤレスルータに結合されると共に前記ハウジングの外部に設けられたアンテナを更に有する、請求項1記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項9】
前記通信信号キャリアに結合され、それにより一時的な電気的現象からの保護を行うプロテクタを更に有する、請求項1記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項10】
前記プロテクタは、前記ハウジング内に設けられた別個のハウジング内に収納されている、請求項9記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項11】
前記通信信号キャリアと前記ワイヤレスルータとの間に結合された責任分界点を更に有する、請求項1記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項12】
前記ワイヤレスルータは、加入者機器へのワイヤード接続によりデータ及びメディア信号のうちの1つ又は2つ以上を提供するよう構成されている、請求項1記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項13】
ネットワークインタフェース装置であって、
ハウジングを有し、
前記ハウジング内に設けられた光−電気回路板を有し、前記光−電気回路板は、ワイヤレスルータを含み、
前記光−電気回路板に結合された光ファイバケーブルを有し、
サービスプロバイダは、ワイヤレス及びワイヤード通信サービスのうちの1つ又は2つ以上を加入者に選択的に提供できる、ネットワークインタフェース装置。
【請求項14】
前記ハウジングは、光タップを有し、前記光ファイバケーブルは、前記光タップを通って前記ネットワークインタフェース装置の前記ハウジングに入る、請求項13記載のネットワークインタフェース装置。
【請求項15】
通信信号を加入者に提供する方法であって、
加入者敷地にハウジングを用意するステップと、
ワイヤレスルータを前記ハウジング内に設置するステップと、
通信信号キャリアを前記ワイヤレスルータに結合するステップとを有し、
サービスプロバイダは、ワイヤレス及びワイヤード通信サービスのうちの1つ又は2つ以上を加入者に選択的に提供できる、方法。
【請求項16】
アンテナを前記ハウジングの内部に設けるステップと、
前記アンテナを前記ワイヤレスルータに結合するステップとを更に有する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
アンテナを前記ハウジングの外部に設けるステップと、
前記アンテナを前記ワイヤレスルータに結合するステップとを更に有する、請求項15記載の方法。
【請求項18】
通信信号キャリアを前記ワイヤレスルータに結合するステップは、同軸ケーブル及び撚り対線ケーブルのうちの一方を前記ワイヤレスルータに結合するステップから成る、請求項15記載の方法。
【請求項19】
通信信号キャリアを前記ワイヤレスルータに結合する前記ステップは、光ファイバケーブルを前記ワイヤレスルータに結合するステップから成る、請求項15記載の方法。
【請求項20】
モデムを前記ワイヤレスルータに結合するステップを更に有する、請求項15記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−503273(P2010−503273A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526745(P2009−526745)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/019203
【国際公開番号】WO2008/027553
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(501209863)コーニング ケーブル システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (65)
【Fターム(参考)】