説明

ネットワークスキャナ、スキャニング方法及びコンピュータ読取可能な媒体

【課題】ユーザが必要に応じてPSP設定を変更できるようにすること。
【解決手段】本発明によるシステム及び方法は、ネットワークスキャナ(NWスキャナ)のスキャン設定機能を分散スキャン管理(DSM)機能に統合することでDSMを拡張する設計論理を提供し、指定された検索条件に基づいてポストスキャンプロセス(PSP)を速やかに見出す手段を提供することで、DSMの機能を強化する。NWスキャナは、DSMプロトコルのPSPにより制御可能である。NWスキャナのU/Iは、PSPへのアクセスを許可する際に使用されるユーザのログイン情報を受信する。NWスキャナは命令を保存するストレージモジュールを含み、命令はアクセスしたPSPが上書き可能な設定を有するか否かをプロセッサに判断させ、アクセスしたPSPをユーザが選択できるよう提示することをプロセッサに指示する。ユーザは選択したPSPの設定をU/Iを通じて上書きする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にマイクロソフト(登録商標)の分散スキャン管理(Distributed Scan Management: DSM)の機能をネットワークスキャナに提供することに関連する。
【背景技術】
【0002】
マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)サーバ2008R2リリースによりDSMが導入された。DSMは(例えば、スキャナや複合機(MFP)等のような)様々な装置を共通の環境に統合し、システム管理者が大きな組織に対してスキャニングサービスを管理できるようにする。DSMは比較的簡易かつ全社的なスキャニングに関する管理されたスキャン環境を企業にもたらす。
【0003】
DMS環境は、典型的には、ディレクトリサービス(すなわち、マイクロソフトアクティブディレクトリ(Microsoft Active Directory)、DSMスキャナ又はMFP(分散スキャン処理(Distributed Scan Processing: DSP)をサポートしているもの)、分散スキャン装置(Distributed Scan Device: DSD)及びスキャン管理コンソール(Scan Management Console: SMC)を含む。この場合において、ネットワーク装置は分散スキャンサーバ(Distributed Scan Server: DSS)と通信を行い、スキャンデータのスキャン処理及び後処理のための手段を提供する。例えば、DSMスキャナは、DSM(DSD及びDSP)を実装しかつDSS及びSMCとやり取りを行い、マイクロソフト環境におけるスキャニング機能を提供する。ネットワーク装置は、DSD及びDSPコンプライアントサービス(DSD及びDSPに従うサービス)を利用して、DSS及びSMCと通信する。DSDの仕様は、スキャン装置及びサービスが分散スキャニング環境の中でどのように動作するかを記述し、デバイスコントロールモデルを指定している。DSPの仕様は、管理者が作成した「ポストスキャンプロセス(Post Scan Processes: PSP)により、スキャン装置、サーバ及びスキャンデータの後処理がDSM環境の中でどのように行われるかを記述している。
【0004】
PSPは、DSMスキャナ又はMFPにより画像を取得及び処理するためにシステム管理者が作成した一群の命令である。各々のPSPは、名前又は名称により特定され、宛先(送信先、転送先又は出力先)及び電子メール情報に加えて、予め決められている一群のスキャン設定(例えば、色、スキャン解像度(インチ当たりのドット数又は「dpi」)、及びファイルフォーマットタイプ(例えば、tiff、PDF等))を含んでいる。PSPの各々はスキャン設定が無効に又は上書きされてもよいか否かも指定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、PSPによっては利用可能でない或るタイプのスキャン及び/又はポストスキャンプロセスの実行をユーザが希望する場合に問題が生じる。例えば、特定のスキャナにユーザがログインすると、PSPがユーザに伝えられる。そのPSPは、ユーザが使用することを希望していない解像度で画像をスキャンするようにスキャナを指図するかもしれない。PSPの設定を変更する適切な方法は今のところ存在していないので、ユーザはその解像度を利用するように強制される。従って、ユーザが必要に応じてPSP設定を変更できるようにすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例によるネットワークスキャナは、
コンピュータネットワーク内で動作しかつ分散スキャン管理(DSM)プロトコルのポストスキャンプロセス(PSP)により制御可能なネットワークスキャナであって、前記PSPは、スキャンの処理及びポストスキャンの命令の実行に使用される設定を含み、当該ネットワークスキャナは、
プロセッサと、
前記コンピュータネットワークに通信可能に結合されたネットワークインタフェースと、
1つ以上の前記PSPへのアクセスを許可する際に使用されるユーザに関連するログイン情報を受信するユーザインタフェースと、
スキャナソフトウェア命令を保存するストレージモジュールと
を有し、前記スキャナソフトウェア命令は、前記プロセッサにより実行された場合に、1つ以上のアクセスした前記PSPが上書き可能な設定を有するか否かをプロセッサに判定させるものであり、
前記ソフトウェア命令は、1つ以上のアクセスした前記PSPを前記ユーザが選択できるように前記ユーザインタフェースを通じて提示することを前記プロセッサに実行させ、
前記ユーザインタフェースは、選択されたPSPの少なくとも1つの設定を上書きするのに使用される上書き情報を前記ユーザから受信する、ネットワークスキャナである。
【発明の効果】
【0007】
一実施例によれば、ユーザが必要に応じてPSP設定を変更できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】DSMスキャン環境の一例を示すブロック図。
【図2】DSMネットワークスキャナの一例を示すブロック図。
【図3】DSM環境におけるDSMネットワークスキャナの動作例を示すシーケンス図。
【図4】DSM環境におけるDSMネットワークスキャナの動作例を示すシーケンス図。
【図5】DSM環境におけるDSMネットワークスキャナの動作例を示すシーケンス図。
【図6】DSMネットワークスキャナを介してPSPを上書きする動作例を示すフローチャート。
【図7】PSPに関するユーザのやり取りを促すグラフィカルユーザインタフェースの画面例を示す図。
【図8】PSPに関するユーザのやり取りを促すグラフィカルユーザインタフェースの画面例を示す図。
【図9】PSPに関するユーザのやり取りを促すグラフィカルユーザインタフェースの画面例を示す図。
【図10】DSMネットワークスキャナの特徴を使用するコンピュータシステム例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本システム及び本方法は、ネットワークスキャナのスキャン設定機能をDSMに統合することでDSMを拡張する設計論理を提供する。また、本発明は、指定された検索条件に基づいてPSPを速やかに見出す手段を提供することで、DSMの機能を強化する。一実施例において、ネットワークスキャナは、コンピュータネットワーク内で動作しかつDSMプロトコルのPSPにより制御可能である。PSPは、スキャン実行及びポストスキャンの命令を実行するのに使用されるネットワークスキャナに関する設定を含む。ネットワークスキャナは、プロセッサと、コンピュータネットワークに通信可能に結合されたネットワークインタフェースとを含む。また、ネットワークスキャナは、ユーザに関連するログイン情報を受信するユーザインタフェースも含んでいる。ログイン情報は1つ以上のPSPへのアクセスを許可する際に使用される。ネットワークスキャナはスキャナソフトウェア命令を保存するストレージモジュールも含み、スキャナソフトウェア命令は、プロセッサにより実行された場合に、1つ以上のアクセスしたPSPが無効に又は上書きされる設定を有するか否かをプロセッサに判断させるものである。ソフトウェア命令は、1つ以上のアクセスされたPSPをユーザが選択できるようにユーザインタフェースを通じて提示するようにプロセッサを動作させる。ユーザインタフェースは、選択されたPSPの少なくとも1つの設定を無効に又は上書きするのに使用される無効情報又は上書き情報(override information)をユーザから受信する。
【0010】
ステトレージモジュールは、ユーザが以後に使用する上書き情報を保存する。この場合において、ソフトウェア命令は、以後にユーザがログインした場合に上書き情報を自動的に抽出することをプロセッサに実行させてもよい。ネットワークインタフェースは、ユーザが以後に使用することに備えて上書き情報をコンピュータネットワークに通知してもよい。この場合において、ソフトウェア命令は、以後にユーザがログインした場合に上書き情報をコンピュータネットワークから自動的に抽出することをプロセッサに実行させてもよい。ユーザインタフェースは、サーチパラメータをユーザから受信するように更に構築されていてもよく、ソフトウェア命令はユーザインタフェースを通じてユーザに提示する少なくとも1つのPSPを発見及び抽出することをプロセッサに実行させてもよい。サーチパラメータ及び/又は上書き情報は、スキャンされる画像の宛先(送信先、転送先又は出力先)、解像度、名称、出力ファイルフォーマット、スキャンされる画像のカラータイプ(color type)等でもよい。上記の形態はハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せによる機能的なプロセスとして実現されてもよいことを、当業者は認めるであろう。
【0011】
上記以外の形態については以下の説明から明らかになる。
【実施例1】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。図中、同一の参照番号は同一の要素又は同一のタイプの要素を表す。
【0013】
図1-10及び以下の説明は、本発明をどのように実施するかを当業者に教示するために、本発明の特定の実施例を記述している。この教示の目的の観点から、本発明に関する従来の部分については簡略化又は省略される。当業者はこれらの実施例に対する本発明の範囲内に該当する変形例を認めるであろう。また、以下に説明される特徴は本発明の様々な形態をなすように様々な方法で組み合わせ可能なことを、当業者は認めるであろう。従って、本発明は以下に示される具体的な実施例に限定されない。
【0014】
図1は、DSMスキャン環境100の一例を示すブロック図である。DSMスキャン環境100は、DSMネットワークスキャナ101、ネットワークスキャナ102(DSMスキャナであるとは限らない)、マイクロソフトDSS103、マイクロソフトアクティブディレクトリ104及びマイクロソフトSMC105を含み、それら各々はコンピュータネットワーク106内で動作する。マイクロソフトDSS103は、コンピュータネットワーク106に関するスキャン処理のセントラル/セキュアポイントを提供する。マイクロソフトDSS103は、企業におけるスキャンのためのユーザのログインを総合的に管理すること、スキャン処理を企業コンテンツ管理(ECM)手段に統合すること、及びスキャンしたファイルにファイル共有機能を与えること(例えば、ネットワーク共有フォルダ、マイクロソフト共有ポイント(Microsoft SharePoint)、電子メール、光学文字認識(OCR)処理等)が可能な如何なる装置であってもよい。マイクロソフトDSS103は、ユーザアカウントを管理しない又はファイル共有手段を提供しないが、スキャンした画像ファイルを処理する、保存する及び/又はスキャンの宛先(送信先、転送先又は出力先)へルーティングする。SMC105は、コンピュータネットワーク106における装置(例えば、スキャナ101及び102等)を管理すること、ネットワーク106における装置のコンフィギュレーション情報及び現在のステータス情報を抽出すること、及び管理者がユーザ毎にスキャンプロセス(すなわち、PSP)を作成できるようにすること等が可能な如何なる装置でもよい。PSPはグループ毎に作成されてもよい。アクティブディレクトリ104は、コンピュータネットワーク106における装置からユーザがPSPを抽出できるようにすること及びコンピュータネットワーク106におけるユーザのスキャン活動、スキャン行為又はスキャン処理(scanning activity)を制御すること等が可能な如何なる装置でもよい。アクティブディレクトリ104は、ユーザがPSPを保存できるようにするが、一般的にはユーザのスキャン処理を制御しない。一実施例において、ネットワークDSMスキャナ101は、アクティブディレクトリ104から抽出したPSPの上書き設定及び/又は最終的なスキャン設定(scan settings)を生成及び保存する機能をユーザに提供する。
【0015】
図2は、DSMネットワークスキャナのブロック図を示す。DSMネットワークスキャナ101は、他のネットワークスキャナにとって一般的である様々なモジュールを含んでいる。例えば、DSMネットワークスキャナ101は、DSMネットワークスキャナ101のハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアの要素を制御するオペレーティングシステムを含む。そのような要素は、物理スキャンモジュール207、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)211、システム制御サービスモジュール208、ネットワーク制御サービスモジュール209及び操作パネル制御サービスモジュール210を含む。
【0016】
DSMネットワークスキャナ101は、ログイン又はスマートカードを介するスキャン処理(例えば、PSP)に対するユーザのアクセセスを可能にする。例えば、DSMネットワークスキャナ101は、ユーザがユーザ認証情報を含むスマートカードを(リーダに)通した場合に、そのユーザを認証してもよい。DSMネットワークスキャナ101は、ユーザを認証し、そのユーザに関連する利用可能なPSPをアクティブディレクトリ104から抽出する。そして、ユーザはPSPを選択し、抽出したPSPのジョブスキャン設定を様々な方法で上書きする。例えば、PSPがDSMネットワークスキャナ101によってはサポートされていない予め決まっている設定を有していた場合、DSMネットワークスキャナ101は、デフォルトスキャン設定をスキャンジョブに適用するために使用してもよい。あるいは、ユーザが、選択したPSPの所定のスキャン設定を無効にする(又は上書きする)スキャン設定を生成してもよい。PSPの設定が上書きできなかった場合、DSMネットワークスキャナ101は無効PSPエラーを伝え、選択されたPSPを通じてユーザがスキャンできないようにする。その場合、DSMネットワークスキャナ101は、ユーザがスキャン設定を生成し、以後の使用に備えてそのスキャン設定を(例えば、DSMネットワークスキャナ101及び/又はアクティブディレクトリ104内に)保存する。これらの設定を保存する際に、ユーザは、以後使用する際に容易に識別できるようにPSPの命名法等に従ってその設定を命名してもよい。
【0017】
これらの上書き機能を支援するために、DSMネットワークスキャナ101はDSMサポートモジュール202を含み、DSMサポートモジュール202はDSM環境において動作する機能又は能力をネットワークスキャナ101に与える。DSMサポートモジュール202は複数のDSMモジュールを含み、その複数のDSMモジュールはDSMユーザインタフェースハンドラ206、DSM拡張ハンドラ205、DSMアクティブディレクトリハンドラ204及びDSMプロトコルハンドラ203等である。概して、DSMプロトコルハンドラ203は、クライアントからのウェブサービス記述言語(WSDL)DSDリクエストを処理し、DSP-WSDLリクエストメッセージを作成し、分散スキャンサーバ103と通信する。DSMプロトコルハンドラ203は、スキャナ及びジョブ関連イベントを生成し、その通知をサブスクライバ又は加入者に送る。
【0018】
DSMアクティブディレクトリハンドラ204は、アクティブディレクトリ104で規定されているPSP方式に関連する情報を含む。DSMアクティブディレクトリハンドラ204は、ライトウェイトディレクトリアクセスプロトコル(LDAP)処理部を実装し、アクティブディレクトリ104からPSPを抽出し、抽出したPSPデータ(例えば、スキャン設定)を解釈する。DSMアクティブディレクトリハンドラ204は、その後の使用中の効率化を図るために、抽出したPSPデータを保存してもよい。DSMアクティブディレクトリハンドラ204は、PSPをいったん抽出すると、スキャン設定、宛先(出力先又は送信先)、PSPが追加的な電子メールアドレスを許容しているか否か等のようなユーザが指定した判断基準又は検索条件に基づいてPSPを探してもよい。DSMユーザインタフェースハンドラ206は、ネットワークスキャナ101のGUI211を制御し、他のDSM要素と通信する。例えば、DSMユーザインタフェースハンドラ206は、抽出したPSPを上書きするユーザが提供した上書き情報を受信する。DSMユーザインタフェースハンドラ206は、この情報をDSMプロトコルハンドラ203に転送し、PSPが上書きされても良いか否かを判定する。DSM拡張ハンドラ205は、上書き設定(override settings)及び出力先サーチ等のようなDSM拡張機能を取り扱う。DSM拡張ハンドラ205に関する更なる詳細は、以下において提示及び説明される。ネットワークスキャナ101のモジュール各々は、ソフトウェアとして、ハードウェアとして、ファームウェアとして又はそれらの組み合せとして実現されてもよい。従って、DSMネットワークスキャナ101の様々なモジュールは、特定の如何なる実施形態や設計事項にも限定されない。
【0019】
図3-5は、DSM環境におけるネットワークスキャナ101の動作例を示すシーケンス図である。図3はアクティブディレクトリ104がPSPを使用する従来の動作例300を示す。図4は、抽出したPSPが上書きされる設定を有する場合の動作例400を示す。図5はユーザがスキャンジョブで使用するPSPを探す場合の動作例500を示す。図3を参照するに、動作例300は、ユーザがネットワークスキャナ101のGUI211にログインした場合に開始される。GUI211は、シーケンス301において情報をDSMユーザインタフェースハンドラ206に転送し、DSMユーザインタフェースハンドラ206はシーケンス302においてそのログイン情報をDSMアクティブディレクトリハンドラ204に転送する。DSMアクティブディレクトリハンドラ204は、シーケンス303において、アクティブディレクトリ104による認証に備えてユーザのログイン情報を転送する。この手順は、DSMアクティブディレクトリハンドラ204がLDAPを通じて認証情報を設定することを含む。
【0020】
認証されると、シーケンス304において、DSMユーザインタフェースハンドラ206はユーザに関連するPSPの名称をDSMアクティブディレクトリハンドラ204から抽出する。例えば、DSMアクティブディレクトリハンドラ204はユーザのログイン情報に関連するPSP名称を判定し、そのPSP名称が、DSMユーザインタフェースハンドラ206によるGUI211を通じてユーザに提示される。DSMアクティブディレクトリハンドラ204は、通常、ユーザ関連PSPをアクティブディレクトリ104から取得する。しかしながら、DSMアクティブディレクトリハンドラ204は、PSPをキャッシュし、定期的にそれらの同期をとり、以後アクティブディレクトリ104からそのPSPを抽出する必要がないようにしてもよい。シーケンス305において、認証情報及びPSP名称に基づいて、DSMアクティブディレクトリハンドラ204はユーザに関連するPSPをアクティブディレクトリ104から抽出する。例えば、アクティブディレクトリ104は、DSMアクティブディレクトリハンドラ204が要求しているユーザ関連PSPをDSMアクティブディレクトリハンドラ204に転送してもよい。
【0021】
DSMアクティブディレクトリハンドラ204において動作準備が整っている関連PSPに関し、シーケンス306において、ユーザは関連PSPの何れかを選択し、DSMアクティブディレクトリハンドラ204からその詳細情報を週出する。GUI211により特定のPSPがユーザにより選択されると、DSMユーザインタフェースハンドラ206は、選択されたPSPに関連する情報/設定をDSMアクティブディレクトリハンドラ204から抽出する。DSMユーザインタフェースハンドラ206は、選択したPSPの情報/設定を、GUI211を通じてユーザに提示し、使用されるスキャン手順にユーザが気付くようにする。シーケンス307において、PSPスキャン詳細情報をネットワークスキャナ101のスキャンモジュール207に送信することで、ユーザはスキャンを開始する。例えば、シーケンス308において、DSMユーザインタフェースハンドラ206は、PSPのスキャン設定をシステム制御サービス208に転送し、スキャンモジュール207による物理的なスキャンを実行してもよい。スキャンモジュール207は、シーケンス309において、スキャンした画像(スキャン画像)及び最終的なスキャン設定をDSMプロトコルハンドラ203に転送する。例えば、ユーザは、スキャン画像を電子メールアカウントに送信すること、及び/又はそのスキャン画像を他の何らかの手段(例えば、シェアポイント(Sharepoint))を通じて共有することを希望するかもしれない。この場合において、DSMプロトコルハンドラ203は、シーケンス310において、スキャン画像を出力先情報及びスキャン設定と共にスキャンサーバ103に送付し、それによりスキャンサーバ103がスキャン画像を転送できるようにする。
【0022】
図4の動作例の場合、図3に示されているように、ユーザは既にログインしていること、及びユーザはDSMアクティブディレクトリハンドラ204により認証されていることが仮定されている。認証されたユーザに関するPSPが抽出されていること、及びGUI211を通じてユーザに提示されていることも仮定されている。この例の場合、シーケンス401において、ユーザはネットワークスキャナ101がスキャンジョブを行う際に使用されるスキャン設定(情報)を作成する。これらの設定は、PSPにおける情報と同様に、スキャン処理に含まれるプロセスに関連する情報及び詳細情報(例えば、dpiによる解像度、画像サイズ、出力先、ファイルフォーマット等)を含んでもよい。ユーザは、これらの設定を後に使用することを選択し、後のスキャンジョブの際にロードされる「プログラム」としてそれらの画像をユーザが保存してもよい。その後、図3のシーケンス306において説明したのと同様に、シーケンス402において、認証されたユーザはユーザのログイン情報に関連する提示されたPSPを選択し、DSMユーザインタフェースハンドラ206がそのPSP及び詳細情報をDSMアクティブディレクトリハンドラ204から抽出できるようにする。抽出されたPSPに関し、選択されたPSPが上書きされてもよい属性又は内容(feature)を有していた場合、DSMユーザインタフェースハンドラ206はスキャン設定をPSPからロードする。例えば、選択されたPSPが300dpiという予め設定された解像度を有していたとする。しかしながら、ユーザは画像品質を向上させるように例えば600dpiのような高い解像度でスキャンすることを希望していたとする。この場合、ユーザは、選択したPSPの解像度を上書き又は無効にして解像度600dpiを含むスキャン設定を作成する。選択したPSPに予め設定されていた解像度が上書きされる場合、DSM拡張ハンドラ205は、そのスキャン設定(例えば、プログラム)を選択したPSPに適用し、シーケンス404において、ネットワークスキャナ101が最終的なスキャン設定の論理処理及びスキャン処理を実行するように強制する。そして、シーケンス406においてDSM拡張ハンドラ205は出力先及び最終的なスキャン設定の情報をスキャンモジュール207に転送し、物理的なスキャンを実行する。そして、スキャンモジュール207は、シーケンス408において、スキャン画像及び最終的なスキャン設定をDSMプロトコルハンドラ203に転送し、DSMプロトコルハンドラ203は、シーケンス409において、図3のシーケンス309及び310で実行されている手順と同様に、出力先及びスキャン設定の情報と共にスキャン画像をスキャンサーバ103に転送する。
【0023】
1つのPSPの設定(例えば、dpi)が上書きされる例が説明及び図示されているが、本発明はそのような例に限定されない。例えば、PSPは、解像度、出力先、送信先、画像カラー(例えば、白黒等)、単一ページのtiff画像、複数ページのtiff画像、単一ページのPDF画像、複数ページのPDF画像等を含む上書きされる複数のスキャン設定を含んでいてもよい。場合によっては、PSPは、そのPSPを規定した管理者が決定しているものを上書き又は無効にできないスキャン設定を含んでいてもよい。その場合において、DSM拡張ハンドラ205がユーザにより生成されたスキャン設定を適用しようとした場合、PSPにおいて上書きされないスキャン設定がそのまま残り、スキャン処理は上書きされていない内容で進行する。或いは、選択したPSPは、ネットワークスキャナ101と両立しないスキャン設定を含んでいてもよい。その場合、ユーザが設定したスキャン設定がスキャンを実行する際の設定として使用され、選択したPSPの内容は完全に無視される。或いは、両立しないスキャン設定は上書きされてもよい。この情報は、以後、出力先の設定情報と共にアクティブディレクトリ104に転送され、スキャンサーバ103はスキャン画像を適切に配布する。
【0024】
一実施例において、ユーザは、ユーザが作成したスキャン設定を後のスキャン処理での使用に備えて保存する。例えば、ユーザが作成したスキャン設定によって上書きされる内容を有するPSPを、ユーザが抽出したとする。ユーザが作成したスキャン設定の内容がPSPに適用されると、その設定は同一名称又は別の名称で保存され、後日のスキャン処理においてユーザがその設定を選択できるようにする。この場合において、DSMアクティブディレクトリハンドラ204は、ネットワークスキャナ101と共に編集したPSPを保存する。或いは、ユーザは、PSPと同様な命名法を利用してユーザが作成したスキャン設定を単に保存してもよい。例えば、選択されたPSPは未だ上書きされていない内容を含み、ユーザは、ユーザが作成したスキャン設定の内容を以後に使用するために保存することを希望している場合、ユーザが作成したスキャン設定は、ネットワークスキャナ101及び/又はアクティブディレクトリ104と共にインスタンス(instance)として保存されてもよい。いずれにせよ、ユーザは特定のPSPを探し出す、あるいは以後のスキャンに備えてGUI211を通じてスキャン設定を保存する。そして、図5の動作例500において、ユーザは所望の基準に基づいてスキャン設定及び/又はスキャンの出力先を探し、スキャンジョブの基準に合致するPSPを選択する。
【0025】
再び、ユーザは既にログインしていること、及びユーザはDSMアクティブディレクトリハンドラ204により認証されていることを仮定する。しかしながら、認証されたユーザイン関連するPSPは、ユーザがそのPSPの探索を実行した後にGUI211を通じてユーザに提示され抽出されている。例えば、ユーザは、選択するPSPフィルタを選別するために、GUI211を通じて或る何らかのパラメータを入力する。この場合において、DSMユーザインタフェースハンドラ206は、シーケンス501において、フィルタパラメータをDSMアクティブディレクトリハンドラ204に転送する。この場合において、DSMアクティブディレクトリハンドラ204は、シーケンス502において、ユーザが準備したフィルタによりPSPを探し、所望のPSPをユーザのために抽出する。これらのフィルタパラメータは様々な方法で設定されてもよい。例えば、ユーザは、GUI211及び/又はDSMユーザインタフェースハンドラ206において、アルファベット順の名称でPSPが提示されることを望んでいるかもしれない。別の例として、スキャン画像を特定の送信先に及び/又は特定の解像度で転送するためにPSPを探索してもよい。従って本発明は特定の如何なるフィルタパラメータにも限定されない。
【0026】
抽出されたPSPがいったんユーザに提示されると、ユーザはPSPを選択してもよい。シーケンス503において、DSMユーザインタフェースハンドラ206は、選択されたPSP及びそのスキャン処理に関する詳細情報をDSMアクティブディレクトリハンドラ204から抽出する。次に、シーケンス504において、DSMユーザインタフェースハンドラ206は出力先の情報及び最終的なスキャン設定の情報をスキャンモジュール207に転送し、シーケンス505においてスキャンモジュール207が物理的なスキャンを実行できるようにする。次に、シーケンス506において、スキャンモジュール207はスキャンした画像(スキャン画像)及びPSP情報をDSMプロトコルハンドラ203に転送する。そして、DSMプロトコルハンドラ203はシーケンス507において出力先情報及びスキャン設定と共にスキャン画像をスキャンサーバ103に転送し、スキャンサーバ103がPSPの出力先情報に従ってスキャン画像を配布できるようにする。
【0027】
図6は、ネットワークスキャナ101を介してPSPを上書きする動作例を示すフローチャートである。上記のシーケンス図に示されているように、概して本方法はプロセス要素601に示されているようにGUI2111によりユーザがログインした場合に開始され、その際にDSMユーザインタフェースハンドラ206はログイン情報を処理してユーザを認証し、特定の一群のPSPをユーザに関連付ける。次に、プロセス要素602において、ネットワークスキャナ101は、GUI211を介してユーザに提示する一群のPSPをアクティブディレクトリ104から抽出する(すなわち、DSMアクティブディレクトリハンドラ204を通じて抽出する)。ユーザが特定のPSPをグループの中から選択すると、PSPの設定が現在のスキャンジョブに適用可能になる。ユーザが別のスキャン及び/又は出力先の設定を入力することを希望する場合、ユーザはそれをGUI211を通じて入力してもよい。例えば、ユーザは、選択したPSPの所定のスキャン及び/又は出力先の設定を上書きするのに使用される情報が含まれているスキャン設定を作成してもよい。プロセス要素603において、DSMユーザインタフェースハンドラ206はその上書き設定の情報を抽出し、その上書き設定の情報をDSM拡張ハンドラ205に転送し、選択されたPSPにおける設定が上書きされても良いか否かが判定される。
【0028】
DSM拡張ハンドラ205が上書き設定の情報を受信すると、DSM拡張ハンドラ205は、プロセス要素604においてネットワークスキャナ101が上書き設定をサポートしているか否か(又は使用できるか否か)を判定する。ネットワークスキャナ101がその上書き設定をサポートしていなかった場合、DSM拡張ハンドラ205はプロセス要素605においてその設定を無視する。しかしながら、上書き設定がネットワークスキャナ101によりサポートされていた場合、DSM拡張ハンドラ205はプロセス要素606においてPSP自体が有効な選択であるか否かを判定する。例えば、DSM拡張ハンドラ205は、PSPの設定がネットワークスキャナ101によりサポートされているか否かを判定してもよい。判定結果が否定的であった場合、DSM拡張ハンドラ205は、スキャンジョブにデフォルト設定を適用するようにネットワークスキャナ101に指示し、スキャン処理が進行するようにしてもよい。PSPが有効であった場合(例えば、PSPがネットワークスキャナ101によりそのまま使用可能であった場合)、DSM拡張ハンドラ205はプロセス要素607において全てのPSP設定が上書きされても良いか否かを判定する。上書きされてよい場合、プロセス要素608において、ユーザが作成したスキャン設定を選択したPSPに適用し、スキャンジョブを開始する。例えば、PSPで規定されているスキャン設定が上書きに使用可能であった場合、そのスキャン設定が現在のスキャン設定に適用されてもよい。例えば、カラー(有色)、200dpi及びシングルtiff画像という設定のPSPをユーザが選択した場合において、カラー、400dpi及び複数ページのPDF画像というスキャン設定をユーザが適用した場合、ジョブに適用されるスキャン設定は、カラー、400dpi及び複数ページのPDF画像である。
【0029】
PSPにおける所定の設定が上書きされてはならない場合、プロセス要素609において、DSM拡張ハンドラ205はPSP設定の一部が上書きされても良いか否かを判定する。上書きされてはならない場合、プロセス要素605において、DSM拡張ハンドラ205はユーザが作成したスキャン設定を無視し、選択されたPSPの設定をそのままスキャンジョブに適用する。例えば、カラー、200dpi及びシングルtiff画像という設定のPSPをユーザが選択した場合において、カラー、400dpi及び複数ページのPDF画像という設定をユーザが適用した場合、ジョブに適用されるスキャン設定は、PSPで指定されている設定(カラー、200dpi及びシングルtiff画像)である。
【0030】
PSP設定の一部が上書きされてもよい場合、プロセス要素610において、DSM拡張ハンドラ205は、ユーザが生成したスキャン設定による設定を選択したPSPに適用し、上書きされてもよいPSPの部分を上書きする。例えば、選択したPSPで規定されているスキャン設定の一部が上書き可能であった場合(例えば、解像度及びファイルフォーマットは上書き可能であるが、カラーは許可されていない場合)、ユーザが生成したスキャン設定は、上書きの属性だけでなくネットワークスキャナ101の能力にも基づいて適用される。PSPスキャン設定とユーザが生成したスキャン設定との組み合わせがネットワークスキャナ101によりサポートされていなかった場合、ユーザが生成したスキャン設定はPSPスキャン設定を上書きしない。例えば、カラー、200dpi及びシングルtiff画像という設定のPSPをユーザが選択した場合において(カラーは上書き可能でないが、解像度及びファイルフォーマットは上書き可能であるものとする)、白黒、600dpi及び複数ページの圧縮されたtiff画像という上書き設定をユーザが適用した場合、ジョブに適用される最終的なスキャン設定は、カラー、600dpi及び複数ページのPDF画像である。「カラー」は上書きが許可されていないので上書きされず、ネットワークスキャナ101は圧縮された複数ページのカラーtiff画像をサポートしていないので、ネットワークスキャナ101は、複数ページのtiff画像の代わりにデフォルトの複数ページのPDF画像をファイルフォーマットに使用する。しかしながら、説明されている設定は単なる一例に過ぎず、ネットワークスキャナ毎に異なってもよいことに留意を要する。
【0031】
従って、スキャン処理を開始する前に、プロセス要素611において、DSM拡張ハンドラ205は、更新されたPSPがネットワークスキャナ101によりサポートされている設定の組合せで構成されているか否かを判定する。そのように構成されていなかった場合、プロセス要素612において、DSM拡張ハンドラ205はPSPにおける1つ以上の設定をネットワークスキャナ101のデフォルト設定に変更し、スキャンが禁止されずに進行するようにする。或いは(更新されたPSPがネットワークスキャナ101によりサポートされている設定の組合せで構成されていた場合)、プロセス要素613において、ユーザが生成した設定が現在のスキャンジョブに適用され、スキャンモジュール207によりスキャン処理が開始される。
【0032】
図7-9は、ユーザがPSPに関するやり取りを行うことを促すGUI211の画面例700、800及び900を示す。例えば、ユーザは、予めカラー設定が「カラー」でありかつ文書の出力先の設定が「Legal@abc.com」であるPSPを探す(サーチする)。ユーザが、図7の画面700における「出力先検索(Search Dest.)」ボタン701を選択すると、図8の画面800の検索ウィンドウが登場する。画面800の検索ウィンドウにおいて、ユーザは、検索条件として「カラー」をカラー設定801に及び「Legal@abc.com宛に電子メール」を文書出力先設定802に入力する。そして、ユーザは「検索」ボタン803を選択し、これらの検索条件に合致するPSPを抽出する。DSMアクティブディレクトリハンドラ204がそのようなPSPを発見すると、図9の画面900のようにそれらがGUI211によりユーザに提示される。この例の場合、DSMアクティブディレクトリハンドラ204は、PSP選択領域901において、上記2つの検索条件を含む「法務部-カラー200」という名称のPSPを発見している。提示されているこのPSPと共に、ユーザは、法務部-カラー200PSPを単に選択し、そのPSPの設定と共にスキャンジョブを開始する。
【0033】
本発明の実施例は、完全なハードウェアの形態、完全なソフトウェアの形態又はハードウェア及びソフトウェア要素の組合せを含む形態を使用することができる。一実施例において、本発明はソフトウェアにより実現され、ソフトウェアは例えばファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等であるがこれらに限定されない。図10はコンピュータシステム1000を示すブロック図であり、コンピュータシステムは、プログラムされた命令を実行し、コンピュータ読取可能な記憶媒体1012に保存されているデータにアクセスすることで本発明の特徴及びその実施形態をもたらす。
【0034】
更に、本発明の実施例は、コンピュータ読取可能な記憶媒体1012を通じてアクセス可能なコンピュータプログラムの形式を取ることが可能であり、そのコンピュータプログラムはコンピュータ又は他の任意の命令実行システムで使用するプログラムコードを有する。本願において、記憶媒体1012は、コンピュータシステム1000で使用するプログラムコードを収容、保存、送受信又は転送することが可能な任意の装置とすることができる。記憶媒体1012は、電子的な、磁気的な、光学的な、電磁的な、赤外線式の又は半導体による装置又は素子とすることができる。記憶媒体1012の具体例は、ソリッドステートメモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、リジッド磁気ディスク及び光ディスク等を含む。光ディスクの具体例は、コンパクトディスク−リードオンリメモリ(CD-ROM))、コンパクトディスク−リード/ライト(CD-R/W)及びDVD等を含む。
【0035】
コンピュータシステム1000は、プログラムコードを保存及び/又は実行するのに適したものであり、システムバス1050を通じてメモリ要素1004に結合された少なくとも1つのプロセッサ1002を含む。メモリ要素1004は、プログラムコードの実際の実行時に使用されるローカルメモリ、バルクストレージ及びキャッシュメモリを含んでもよく、キャッシュメモリは、コード及び/又はデータが実行中にバルクストレージから抽出される回数を減らすために、少なくとも一部のプログラムコード及び/又はデータを一時的に保存する。
【0036】
入力/出力/I/O装置1006(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス等を含むがこれらに限定されない)は、介在するI/Oコントローラを通じて又は直接的にコンピュータシステム1000に結合可能である。ネットワークアダプタインタフェース1008もコンピュータシステム1000に結合され、コンピュータシステム1000が、介在するプライベート又はパブリックネットワークを介して他のデータ処理システム又はストレージ装置に結合できるようにする。モデム、IBMチャネルアタッチメント、SCSI、ファイバ(Fibre)チャネル及びイーサネット(登録商標)カードは、現在利用可能なタイプのネットワークアダプタインタフェースのいくつかの具体例である。プレゼンテーション装置インタフェース1010がコンピュータシステム1000に結合され、印刷システム及びディスプレイ等のような1つ以上のプレゼンテーション装置がプロセッサにより生成されたデータを提示する際のインタフェースとしての機能を果たす。
【0037】
以上、本願において特定の実施例が説明されてきたが、本発明の範囲はその特定の実施例に限定されない。すなわち、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定される。
【符号の説明】
【0038】
100 DSMスキャン環境
101 DSMネットワークスキャナ
102 ネットワークスキャナ
103 マイクロソフトDSS
104 マイクロソフトアクティブディレクトリ
105 マイクロソフトSMC
106 コンピュータネットワーク
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0039】
【非特許文献1】本願優先日前に公知の「Windows(登録商標) Server 2008 Standard」

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータネットワーク内で動作しかつ分散スキャン管理(DSM)プロトコルのポストスキャンプロセス(PSP)により制御可能なネットワークスキャナであって、前記PSPは、スキャンの処理及びポストスキャンの命令の実行に使用される設定を含み、当該ネットワークスキャナは、
プロセッサと、
前記コンピュータネットワークに通信可能に結合されたネットワークインタフェースと、
1つ以上の前記PSPへのアクセスを許可する際に使用されるユーザに関連するログイン情報を受信するユーザインタフェースと、
スキャナソフトウェア命令を保存するストレージモジュールと
を有し、前記スキャナソフトウェア命令は、前記プロセッサにより実行された場合に、1つ以上のアクセスした前記PSPが上書き可能な設定を有するか否かをプロセッサに判定させるものであり、
前記ソフトウェア命令は、1つ以上のアクセスした前記PSPを前記ユーザが選択できるように前記ユーザインタフェースを通じて提示することを前記プロセッサに実行させ、
前記ユーザインタフェースは、選択されたPSPの少なくとも1つの設定を上書きするのに使用される上書き情報を前記ユーザから受信する、ネットワークスキャナ。
【請求項2】
前記ストレージモジュールが、前記上書き情報を前記ユーザが以後に使用することに備えて保存する、請求項1記載のネットワークスキャナ。
【請求項3】
前記ソフトウェア命令は、前記ユーザが後にログインした場合に前記上書き情報を自動的に抽出することを前記プロセッサに指示する、請求項2記載のネットワークスキャナ。
【請求項4】
前記ネットワークインタフェースは、前記上書き情報を前記ユーザが以後に使用することに備えて前記コンピュータネットワークに転送する、請求項1記載のネットワークスキャナ。
【請求項5】
前記ソフトウェア命令は、前記ユーザが後にログインした場合に前記上書き情報を前記コンピュータネットワークから自動的に抽出することを前記プロセッサに指示する、請求項4記載のネットワークスキャナ。
【請求項6】
前記ユーザインタフェースは前記ユーザから検索パラメータを受信し、前記ソフトウェア命令は、前記検索パラメータに基づいて、前記ユーザインタフェースを介して前記ユーザに提示する少なくとも1つのPSPを検索及び抽出することを前記プロセッサに指示する、請求項1記載のネットワークスキャナ。
【請求項7】
前記検索パラメータが、スキャンされる画像の出力先、解像度、名称、出力ファイルフォーマット又はスキャンされる画像のカラー形式を示す、請求項6記載のネットワークスキャナ。
【請求項8】
前記上書き情報が、スキャンされる画像の出力先、解像度、名称、出力ファイルフォーマット又はスキャンされる画像のカラー形式を示す、請求項1記載のネットワークスキャナ。
【請求項9】
前記ソフトウェア命令は、PSPのスキャン設定とユーザが生成したスキャン設定との組み合わせが当該ネットワークスキャナによりサポートされているか否かを前記プロセッサに判定させる、請求項1記載のネットワークスキャナ。
【請求項10】
コンピュータネットワーク内で分散スキャン管理(DSM)プロトコルに従って動作するスキャニング方法であって、
ユーザを認証するために、ネットワークスキャナのユーザインタフェースを介して前記ユーザからログイン情報を受信するステップと、
前記ユーザに関連する1つ以上のポストスキャンプロセス(PSP)を抽出するステップであって、前記PSPは、スキャンの処理及びポストスキャンの命令の実行に使用される前記ネットワークスキャナの設定を含む、ステップと、
1つ以上の抽出したPSPが上書き可能な設定を有するか否かを判定するステップと、
1つ以上の抽出したPSPを前記ユーザが選択できるように前記ユーザインタフェースを介して提示するステップと、
前記ユーザインタフェースを介して前記ユーザから上書き情報を受信するステップと、
前記上書き情報に基づいて、選択したPSPの少なくとも1つの設定を上書きするステップと、
少なくとも1つの上書きされた設定に従ってスキャンを行うステップと
を有するスキャニング方法。
【請求項11】
前記上書き情報を前記ユーザが以後に使用することに備えて保存するステップを更に有する請求項10記載のスキャニング方法。
【請求項12】
前記ユーザが後にログインした場合に前記上書き情報を自動的に抽出するステップを更に有する請求項11記載のスキャニング方法。
【請求項13】
前記上書き情報を前記ユーザが以後に使用することに備えて保存して前記コンピュータネットワークに転送する、請求項10記載のスキャニング方法。
【請求項14】
前記ユーザが後にログインした場合に前記上書き情報を前記コンピュータネットワークから自動的に抽出する、請求項13記載のスキャニング方法。
【請求項15】
前記ユーザインタフェースを介して前記ユーザから検索パラメータを受信し、該検索パラメータに基づいて、前記ユーザインタフェースを介して前記ユーザに提示する少なくとも1つのPSPを抽出するステップを更に有する請求項10記載のスキャニング方法。
【請求項16】
前記検索パラメータが、スキャンされる画像の出力先、解像度、名称、出力ファイルフォーマット又はスキャンされる画像のカラー形式を示す、請求項15記載のスキャニング方法。
【請求項17】
前記上書き情報が、スキャンされる画像の出力先、解像度、名称、出力ファイルフォーマット又はスキャンされる画像のカラー形式を示す、請求項10記載のスキャニング方法。
【請求項18】
PSPのスキャン設定とユーザが生成したスキャン設定との組み合わせが前記ネットワークスキャナによりサポートされているか否かを判定するステップを更に有する請求項10記載のスキャニング方法。
【請求項19】
分散スキャン管理(DSM)を行うネットワークスキャナのプロセッサにスキャニング方法を実行させるソフトウェアを有するコンピュータ読取可能な媒体であって、前記スキャニング方法は、
ユーザを認証するために、ネットワークスキャナのユーザインタフェースを介して前記ユーザからログイン情報を受信するステップと、
前記ユーザに関連する1つ以上のポストスキャンプロセス(PSP)を抽出するステップであって、前記PSPは、スキャンの処理及びポストスキャンの命令の実行に使用される前記ネットワークスキャナの設定を含む、ステップと、
1つ以上の抽出したPSPが上書き可能な設定を有するか否かを判定するステップと、
1つ以上の抽出したPSPを前記ユーザが選択できるように前記ユーザインタフェースを介して提示するステップと、
前記ユーザインタフェースを介して前記ユーザから上書き情報を受信するステップと、
前記上書き情報に基づいて、選択したPSPの少なくとも1つの設定を上書きするステップと、
少なくとも1つの上書きされた設定に従ってスキャンを行うステップと
を有する、コンピュータ読取可能な媒体。
【請求項20】
前記スキャニング方法が、
前記上書き情報を前記ユーザが以後に使用することに備えて保存するステップと、
前記ユーザが後にログインした場合に前記上書き情報を自動的に抽出するステップと
を更に有する、請求項19記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項21】
前記スキャニング方法が、
前記上書き情報を保存のために前記コンピュータネットワークに転送するステップと、
前記ユーザが後にログインした場合に前記上書き情報を前記コンピュータネットワークから自動的に抽出するステップと
を更に有する、請求項19記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項22】
前記スキャニング方法が、
前記ユーザインタフェースを介して前記ユーザから検索パラメータを受信するステップと、
該検索パラメータに基づいて、前記ユーザインタフェースを介して前記ユーザに提示する少なくとも1つのPSPを抽出するステップと
を更に有する、請求項19記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【請求項23】
前記スキャニング方法が、PSPのスキャン設定とユーザが生成したスキャン設定との組み合わせが前記ネットワークスキャナによりサポートされているか否かを判定するステップを更に有する、請求項19記載のコンピュータ読取可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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