説明

ネットワークトポロジ処理方法および異ネットワーク間接続処理方法

【課題】ノード間に必要な分のパスでネットワークトポロジを抽象化すること。ドメイン境界において異プロトコルによるメッセージの転送を可能にすること。
【解決手段】他ドメイン20に対してパス設定が可能なNode5からNode4に至るLSPのリソースのみに基づいて自ドメイン10のトポロジを抽象化して仮想リンクとする。Node5からOIF UNIシグナリングによるメッセージを受信したNode1は、当該メッセージのGeneralized UNIオブジェクトに含まれる宛先TNAに従い、Node1-Node4間に構築された仮想リンクと自および他ドメイン間のリンクならびに他ドメインから広告されたリソース情報に基づく経路計算を行い、セッションの宛先をNode4としたGMPLSシグナリングメッセージに、独自に決定したTunnel IDを付与してをNode4へ送出する。これによりOIF UNIプロトコルとGMPLSプロトコルの変換処理が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークトポロジ処理方法および異ネットワーク間接続処理方法に関し、特に、MPLS(multi protocol label switching)またはGMPLS(generalized MPLS)に基づくネットワークにおけるネットワークトポロジ処理方法およびプロトコルが互いに異なる異ネットワーク間の接続処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模なネットワークは、プロトコルが互いに異なる複数のネットワーク(このネットワーク領域を以下ではドメインと称する。)を接続することにより構成される。複数のドメインを相互に接続して大規模なネットワークを構成する場合、他ドメインとの通信に提供し得る自ドメインのリソースを抽象化して自ドメインあるいは他ドメインに広告することが考えられる。また、そのように複数のドメインから構成されるネットワークにおいては、OIF(optical internetworking forum) UNI(user network interface)/NNI(network-network interface, network-node interface)やGMPLSなどの異種プロトコル間を連携することが必要となる。
【0003】
ネットワークの抽象化に関しては、例えば、特許文献1にはネットワーク内における隣接する2つのノード間において、その隣接関係をハロープロトコルにより検出することにより、複数存在するリンクを仮想的に1つのリンクとみなす技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、複数のPNNI(Private NNI)層からなるATM(Asynchronous transfer mode)PNNIネットワークにおいて、対等グループの境界ノードの対の間のコストを計算するPNNIトポロジ抽象化方法が記載されている。
【0005】
また、非特許文献1および2にはそれぞれ、OIF UNIならびにE−NNIに関する仕様が記載されており、非特許文献3にはGMPSに関するアーキテクチャならびに仕様概要が記載されている。
【特許文献1】特開平9−36873号公報
【特許文献2】特開2000−69005号公報
【非特許文献1】User Netwark Interface (1.0) Signaling Specification, Implementation Agreement, Optical Internetworking Forum (OIF)
【非特許文献2】Intra-Carrier E-NNI Signaling Specification, Implementation Agreement, Optical Internetworking Forum (OIF)
【非特許文献3】E. Mannie, Generalized Multi-Protocol Label Switching Architecture Internet Draft, Internet Engineering Task Force (IETF)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術によれば、隣接するノード間に複数のリンクが存在する場合、それらのリンクは仮想的に1つのリンクとみなされるので、2つのノード間におけるリンク数を減らすことができ、リンクステート情報を削減することが可能となる。しなしながら、ネットワーク領域自体、つまりドメイン自体のトポロジの抽象化は行われないため、ドメイン間でトポロジを広告することを考えた場合、広告されるトポロジは余り抽象化されたものにはならないという課題がある。
【0007】
また、特許文献2によれば、行列更新アルゴリズムを用いてPNNIネットワークトポロジの抽象化を自動的に実行することが可能となるが、これは、ある1つのポリシーに従う1つのドメイン内での経路決定を意図するものであり、ポリシーの異なるドメイン間でのトポロジのやり取りは考慮されていない。また、GMPLSなどのネットワークにおけるトポロジを、運用者の意図あるいはビジネス的な要請からくる柔軟なポリシーに基づいて決定し、自ネットワークの外部に必要に応じて広告することができないという課題がある。
【0008】
また、非特許文献1および2によれば、LSPを最初に要求する装置がUNIプロトコルによりLSPを要求するための仕様と、ドメイン間においてLSP要求を確立するためのE−NNIプロトコルの仕様が規定されているが、ドメイン内部のプロトコルが、例えばGMPLSなど異なるプロトコルである場合のプロトコル変換処理やLSP要求メッセージの処理や転送方法を如何にするかの課題が残っている。
【0009】
また、非特許文献3によれば、LSPを確立する際のシグナリングメッセージは同一レイヤを構成する全てのGMPLSノードに転送させる必要があり、ネットワークが大規模になるにつれて処理が肥大化し、LSP確立に多くの時間を要するという課題がある。
【0010】
さらに、非特許文献1〜3によれば、複数のドメインを跨ってLSPを構築する際、ドメイン内部のリンクとドメイン間を接続する外部リンクを区別する方法が規定されていないため、ドメイン内部とドメイン間においてOSPFのような同一のプロトコルを用いる場合、自ドメインの内部においてLSPを構築する必要があっても、他ドメインを経由するLSPを構築してしまう可能性があるという課題がある。また、複数のドメインを跨るLSPを構築する際にドメイン毎に異なるセッションを確立する場合、セッションを確立するノードが、その宛先を判定することが不可能になるという課題もある。
【0011】
本発明の目的は、ネットワークを構成するノード間に必要な分のパスでネットワークトポロジを抽象化し、該パスを必要に応じて自および他ネットワークに広告することができるネットワークトポロジ処理方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の目的は、ドメイン境界において異なるプロトコルによるメッセージを転送することができ、また、LSPの構築に際しドメイン内部のリンクとドメイン間のリンクを判定することができる異ネットワーク間接続処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明のネットワークトポロジ処理方法は、他ネットワーク間に跨るLSPを構築する自ネットワークのノード間にLSPを設定し、該LSPを仮想的なリンクとして該リンクに関するリソース情報のみに基づいて自ネットワークのトポロジを抽象化することを特徴としている。
【0014】
ここで、自ネットワークのノード間に構築されたLSPが他ネットワーク間に跨るLSPであることは、LSPの構築に先立って、あるいはLSPの構築後に指示することができる。また、前記リソース情報は、他ネットワークとの通信を行うのに必要な分だけの帯域情報を含むものであればよい。
【0015】
また、抽象化されたトポロジを他ネットワークに広告することができる。さらに、他ネットワーク間に跨らないLSPに関するリソース情報を、自ネットワーク内でのみLSPを構築するノードに広告するようにもできる。
【0016】
本発明の異ネットワーク間接続処理方法は、GMPLSプロトコルである自ネットワークとOIF UNIプロトコルである他ネットワークとを接続するための異ネットワーク間接続処理方法であって、自および他ネットワークそれぞれに設定された仮想リンクが互いに広告されており、他ネットワークからOIF UNIシグナリングによるメッセージを受信した自ネットワークのノードは、当該メッセージのGeneralized UNIオブジェクトに含まれる宛先TNAに従い、仮想リンクである自ネットワークのノード間に設定されたLSPと自および他ドメイン間のリンクならびに他ドメインから広告されたリンク情報に基づく経路計算を行い、セッションの宛先を、仮想リンクを他方で収容するノードとしたGMPLSシグナリングメッセージに、独自に決定したTunnel IDを付与してを該ノードへ送出することにより、OIF UNIプロトコルとGMPLSプロトコルの変換処理を実行することを特徴としている。
【0017】
ここで、Tunnel IDが付与されたGMPLSシグナリングメッセージを、OIF UNIシグナリングによるメッセージを受信した自ネットワークのノードから仮想リンクを他方で収容するノードへ直接転送のが好ましい。
【0018】
また、仮想リンクを設定するために自ネットワーク内部においてLSPを構築する際、自ネットワークを構成するリンクと自ネットワークおよび他ネットワーク間を接続するリンクとを区別するために、自ネットワークと自ネットワークおよび他ネットワーク間とをそれぞれ異なるエリア番号とし、LSPを構築する自ネットワークのノードは、該エリア番号を参照し、同一エリアのノードから広告されたリソースを優先的に使用してLSPの経路計算を行うことも好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のネットワークトポロジ処理方法によれば、他ネットワークが使用し得る自ネットワークのリソースのみに基づいてトポロジを抽象化するので、運用上あるいはビジネス的な理由から他ドメインからの接続を受け付けないノードに至るリンクに関する情報などの不必要な情報を省略することができる。また、これにより抽象化されたトポロジが広告された他ネットワークは、シンプルにされた形態でのトポロジを知ることができ、ネットワーク間での通信に際しての処理が容易になる。
【0020】
本発明の異ネットワーク間接続処理方法によれば、OIF UNIによりLSP確立が要求された際、GMPLSノードがメッセージを変換した上で高速にメッセージを転送してLSPを構築することができる。また、自ネットワークを構成するリンクと自および他ネットワーク間を接続するリンクとを区別することができるので、他ネットワークのリンクを混在させることなく、自ネットワーク内部に閉じたLSPを構築することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明を説明する。図1は、本発明が適用されるネットワークの一例を示す構成図である。ネットワーク10は他のネットワーク20に接続される。以下では抽象化の対象として考えるネットワーク領域を自ドメインと称し、他のネットワーク領域を他ドメインと称する。自ドメイン10と他ドメイン20を接続することにより大規模ネットワークが構成される。例えば自ドメイン10はA社により提供され、他ドメイン20はB社により提供され、自および他ドメインではプロトコルが異なるのが普通である。自ドメイン10に対して1つの他ドメインだけでなく、複数の他ドメインが接続されることもある。
【0022】
ネットワークが光ネットワークの場合、自ドメイン10の内部は、スイッチングケーパビリティ(Swithing capability)の異なる、すなわち、レイヤが異なる装置から構成される。図1ではレイヤ構造をLayer1、Layer2として示している。例えば光クロスコネクト装置、光ファイバをスロット単位で切り替える切替装置、ADM装置、IPルータなどの装置が、光レイヤ、TDMレイヤ、IPレイヤなどのレイヤ構造をなすように配備される。
【0023】
自ドメイン10は複数のノードを備える。ノードNode1、Node2、Node3、Node4は、自ドメイン10のエッジとなるノードであり、これらのノードNode1、Node2、Node3、Node4は、ユーザにサービスを提供するためのサービスノードNode5と6、Node7、Node8、Node9をそれぞれ収容する。ノードNode4は、他ドメイン20との境界ノードであり、他ドメイン20の境界ノードをさらに収容する。各ノード間は1つあるいは複数のリンクによって接続される。
【0024】
サービスノードNode5〜Node9の中には、自ドメイン10内部のみでLSP(Label switched path)を構築する際の終端ノードとなるものもあれば、他ドメイン20と通信を行う、すなわち、自および他ドメイン10−20間を跨るLSPを構築する際の終端ノードとなるものもある。他ドメイン20に至るLSPを構築する終端ノードは、技術的には、自ドメイン10のプロトコルのみならず、他ドメイン20のプロトコルへの対応が可能なものであり、自ドメイン10内部のみでLSPを構築する終端ノードは、自ドメイン10のプロトコルのみへの対応が可能なものである。
【0025】
また、ビジネス的な理由で他ドメイン20に至るLSPを構築し得るノードとそれを構築し得ないノードとが区別される場合もある。ここでは、サービスノードNode5は、他ドメイン20に至るLSPを構築可能な終端ノードであり、サービスノードNode6は、自ドメイン10内部のみでLSPを構築する終端ノードであるとする。
【0026】
以上の構成において、自ドメイン10のトポロジを構成する全てのリンクに関するリソース、例えば、リンクの帯域やエンコーディングタイプ(Encoding type)、Swithing capabilityを他ドメイン20に広告すると、運用上(技術的な理由を含む)あるいはビジネス的な理由から他ドメイン20からの接続を受け付けないノードに至るリンクに関する情報などの不必要な情報までも広告することになり、不適切である。
【0027】
そこで、本発明では、他ドメイン20からのパスを受け付ける、または他ドメイン20へ発信(initiate)するノードから他ドメイン20に至るLSPのリソースのみに基づいて自ドメイン10のトポロジを抽象化し、該抽象化したトポロジを他ドメイン20に広告する。
【0028】
例えば、自ドメイン10のノードのうち、他ドメイン20からのパスを受け付ける、または他ドメイン10へ発信するノードがNode5である場合、まず、ノードNode5からノードNode4に至るLSPのリソースのみに基づいて自ドメイン10のトポロジを抽象化する。これは、サービスノードNode5を収容する自ドメイン10側のノードNode1とノードNode4の間にLSPを構築し、このLSPを仮想的なリンクとし、該リンクに関するリソースを自ドメイン10のトポロジとすることにより実現できる。
【0029】
この際、ノードNode1とノードNode4の間に構築するLSPの帯域は、他ドメイン20との通信で必要な帯域分、あるいはビジネス的な理由で制限した帯域分だけ確保すればよい。なお、ノードNode1とノードNode4の間に複数のLSPを構築し、これらの各LSPにおいて適当な割合(100%以下)の帯域を確保することも考えられる。
【0030】
次に、ノードNode4から他ドメイン20に対し自ドメイン10の抽象化されたトポロジを広告する。LSP構築に先だって、これから構築しようとするLSPが他ドメイ20ンに至るLSPであることを指示するパラメータを運用者が運用端末より入力したり、あるいはLSPが構築された後、そのLSPが他ドメイン20に至るLSPであることを運用者が運用端末より指示することによって、構築されたLSPを他ドメインに至るLSPとして設定することができ、そのLSPに関するリソースのみに基づいて自ドメイン10のトポロジを抽象化し、他ドメイン20に広告することができる。
【0031】
この広告は、他ドメイン20に至るLSPを構築する自ドメインのノードに対して行ってもよい。また、自ドメイン10内でのみ利用可能なLSPを構築し、そのLSPについてのトポロジをノードNode6のような自ドメイン10内でのみLSPを構築するノードに広告してもよい。
【0032】
図2は、本発明のネットワークトポロジ処理方法における動作の一例を示すフローチャートである。同図における符号は、図1と対応させてある。まず、サービスノードNode5を収容する自ドメイン10側のノードNode1からノードNode4にパス設定要求(PATH)をシグナリングにより送出する。このパス設定要求に対する応答(RESV)がノードNode4から返され、これによりノードNode1とノードNode4との間にLSPが構築される、
【0033】
次に、運用端末(PC)30よりポリシー(policy)を入力する。このポリシーの入力によりノードNode1およびノードNode4に対して上記で構築されたLSPが他ドメインに至るLSPであることが指示されたとする。
【0034】
ノードNode1、Node4は、相互に情報をやり取りすることにより(LS update)、互いの間に双方向で、かつ他ドメイン20に至るLSPを、例えば100Mbpsの帯域で確保する。確保されたLSPのリソースは、ノードNode4より抽象化されたトポロジとして他ドメイン20に広告される(LS update)。これによりノードNode5および他ドメイン20のノードは、相互にLSPを構築する場合に利用可能な自ドメイン10のリソースを知ることができる。
【0035】
ノードNode5および他ドメイン10のノードは、広告されたリソースを考慮して互いの間でのパスの設定を要求することができる。例えば、自ドメイン10のノードNode5から他ドメイン20のノードに対して、確保された帯域以下のパス設定が要求されれば、パス設定要求(PATH)とその応答(RESV)により上記LSPに沿ったパスが設定される。また、他ドメイン20のノードから自ノード10のノードNode5へのパス設定が要求された場合も同様である。
【0036】
次に、本発明の異ネットワーク間接続処理方法を説明する。ここでは、図1のNode5−Node1間がUNIプロトコル、自ドメインがGMPLSプロトコル、Node4−他ドメイン20間がNNIプロトコルであり、Node5から他ドメイン20へのLSPを構築する場合について説明する。
【0037】
図3は、本発明の異ネットワーク間接続処理方法における動作の一例を示すフローチャートである。まず、S31〜S34では、例えば上述のようにして自ドメイン10のトポロジが抽象化され、仮想リンクについてのリソース情報が広告される。本例の場合、Node1−Node4間に所定帯域の仮想リンクが設定され(S31)、該帯域を自ドメイン10の外部に広告するか内部に広告するかが広告種別入力により指示される(S32)。ここで、自ドメイン内部に広告することが指示された場合には、自ドメイン内部への広告を行い(S33)、自ドメイン外部への広告が指示された場合には自ドメイン外部、つまり他ドメインへの広告を行う(S34)。
【0038】
このようにして仮想リンクが設定された状態で、Node5からNode1に対しOIF UNIシグナリングにより、GMPLSプロトコルの自ドメイン10を介して他ドメイン20のノード宛へのLSP確立要求が送出されると(S35)、OIF UNIシグナリングによるメッセージを受信したNode1(GMPLSノード)は、当該メッセージのGeneralized UNIオブジェクトに含まれる宛先TNA情報を確認し(S36)、該宛先TNA情報に従い、自ネットワーク10のNode1−Node4間に設定されたLSP(仮想リンク)と自および他ドメイン10、20間のリンクならびに他ドメイン20から広告されたリソース情報に基づく経路計算を行う(S37)。
【0039】
次に、Node1は、セッションの宛先を、仮想リンクを他方で収容するノード、つまりNode4としたGMPLSシグナリングメッセージ(LSP要求)をNode4へ直接送信する(S38)。この際、Node1は、独自に決定したTunnel IDをGMPLSシグナリングメッセージに付与して送出する。以上により、OIF UNIとGMPLSプロトコルの変換処理が実現される。
【0040】
GMPLSシグナリングメッセージをNode1からNode4へ直接送信することにより、GMPLSノード全てをホップさせるよりも、各GMPLSノードにおけるメッセージのチェックおよび転送に要する時間を省ける分だけ、高速にLSPを確立することが可能になる。
【0041】
Node4は、Node1からのGMPLSシグナリングメッセージを受信し、Node1と同様な手続きに従い、独自に決定したTunnel IDを付与したシグナリングメッセージ(LSP作成要求)を他ドメイン20に対して送出する(S39)。これにより、GMPLSとOIF E−NNIプロトコルの変換処理が実行される。その後、他ドメインでの処理に移る。
【0042】
また、仮想リンクを設定するために自ドメイン10内部においてLSPを構築する際、自ドメイン10を構成するリンクと自および他ドメイン10、20間を接続するリンクとを区別するために、自ドメイン10内部と自および他ドメイン10、20間とをそれぞれ異なるエリア番号とするのがよい。これにより、LSPを構築するGMPLSノードは、同一エリアのノードから広告されたリソースを優先的に使用してLSPの経路を計算することにより、自ドメイン10内部に閉じたLSPを構築することが可能となるだけでなく、複数のセッションによりLSPを構築する場合、セッションを確立するノードが、セッションの宛先であるドメインの境界を、エリア境界から判定することが可能になる。従って、他ドメインのリンクを混在させることなく、自ドメイン内部に閉じたLSPを構築することが可能になる。
【0043】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、自ドメインと他ドメインを区別するものは、地域(リージョン)やAS(autonomous system)などネットワークを区切る範囲でありさせすればよい。また、ノード間に構築されるパスには、概念としてパスに含まれるもの全てが含まれ、LSPに限られない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明が適用されるネットワークの一例を示す構成図である。
【図2】本発明のネットワークトポロジ処理方法における動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の異ネットワーク間接続処理方法における動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
10・・・自ドメイン、20・・・他ドメイン、30・・・運用端末(PC)、Node1〜Node4・・・自ドメインのノード、Node5〜Node9・・・サービスノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードから構成されるネットワークのトポロジを抽象化するネットワークトポロジ処理方法において、
他ネットワーク間に跨るLSPを構築する自ネットワークのノード間にLSPを設定し、該LSPを仮想的なリンクとして該リンクに関するリソース情報のみに基づいて自ネットワークのトポロジを抽象化することを特徴とするネットワークトポロジ処理方法。
【請求項2】
自ネットワークのノード間に構築されたLSPが他ネットワーク間に跨るLSPであることがLSPの構築に先立って指示されることにより、他ネットワーク間に跨るLSPを構築する自ネットワークのノード間にLSPが設定されることを特徴とする請求項1に記載のネットワークトポロジ処理方法。
【請求項3】
自ネットワークのノード間に構築されたLSPが他ネットワーク間に跨るLSPであることがLSPの構築後に指示されることにより、他ネットワーク間に跨るLSPを構築する自ネットワークのノード間にLSPが設定されることを特徴とする請求項1に記載のネットワークトポロジ処理方法。
【請求項4】
前記リソース情報は、他ネットワークとの通信を行うのに必要な分だけの帯域情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のネットワークトポロジ処理方法。
【請求項5】
さらに、抽象化されたトポロジを他ネットワークに広告することを特徴とする請求項1に記載のネットワークトポロジ処理方法。
【請求項6】
さらに、他ネットワーク間に跨らないLSPに関するリソース情報を、自ネットワーク内でのみLSPを構築するノードに広告することを特徴とする請求項5に記載のネットワークトポロジ処理方法。
【請求項7】
GMPLSプロトコルである自ネットワークとOIF UNIプロトコルである他ネットワークとを接続するための異ネットワーク間接続処理方法において、
自および他ネットワークそれぞれに設定された仮想リンクが互いに広告されており、他ネットワークからOIF UNIシグナリングによるメッセージを受信した自ネットワークのノードは、当該メッセージのGeneralized UNIオブジェクトに含まれる宛先TNAに従い、仮想リンクである自ネットワークのノード間に設定されたLSPと自および他ドメイン間のリンクならびに他ドメインから広告されたリンク情報に基づく経路計算を行い、セッションの宛先を、仮想リンクを他方で収容するノードとしたGMPLSシグナリングメッセージに、独自に決定したTunnel IDを付与してを該ノードへ送出することにより、OIF UNIプロトコルとGMPLSプロトコルの変換処理を実行することを特徴とする異ネットワーク間接続処理方法。
【請求項8】
Tunnel IDが付与されたGMPLSシグナリングメッセージは、OIF UNIシグナリングによるメッセージを受信した自ネットワークのノードから仮想リンクを他方で収容するノードへ直接転送されることを特徴とする請求項7に記載の異ネットワーク間接続処理方法。
【請求項9】
仮想リンクを設定するために自ネットワーク内部においてLSPを構築する際、自ネットワークを構成するリンクと自ネットワークおよび他ネットワーク間を接続するリンクとを区別するために、自ネットワークと自ネットワークおよび他ネットワーク間とをそれぞれ異なるエリア番号とし、LSPを構築する自ネットワークのノードは、該エリア番号を参照し、同一エリアのノードから広告されたリソースを優先的に使用してLSPの経路計算を行うことを特徴とする請求項7に記載の異ネットワーク間接続処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−128999(P2006−128999A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313805(P2004−313805)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】