説明

ネットワーク構築演習装置及びその制御方法並びにプログラム及び記録媒体

【課題】学習者が効率的にネットワーク構築演習を行うことができるネットワーク構築演習装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】演習課題ファイル13−nは、仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報に誤りがある演習課題となる演習用仮想ネットワークの設定情報、及び、演習課題の正答となる仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報を含む。CPU2は、学習者が入力した仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報に基づいて、仮想デバイス4−1〜4−M毎に設定情報ファイル14−1〜14−Mを生成し、設定情報ファイル14−1〜14−Mを答案ファイル15に変換し、演習課題ファイル13−nに含まれる演習課題の正答となる仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報と、答案ファイル15に含まれる仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報とを比較し、比較結果をディスプレイ6に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト装置及びルータなどの通信機器の機能を仮想的に実現するための仮想デバイス(以下、仮想機器又は仮想マシンともいう。)を用いて、例えばIPネットワークなどのパケット交換ネットワークを構築するネットワーク構築演習装置及びその制御方法に関する。また、上記ネットワーク構築演習装置のための制御方法における各ステップを含むプログラム、並びに、当該プログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、IPネットワークなどのパケット交換ネットワークの学習において、学習者は、講義によって習得した知識を、ネットワークを構築する実技を通して実践することが重要である。多くの教育機関では、ネットワーク技術者の育成を目的として、シスコネットワーキングアカデミー(非特許文献1)に代表される演習が実施されている。これらの演習では、学習者は、ルータなどの実機の通信機器を実際に操作して、ネットワークを構築する。これにより、学習者は実践的なネットワーク構築技能を習得できる。しかしながら、実機を用いたネットワークの構築演習を行うためには、構築するネットワークに応じて機材を用意する必要がある。このため、学習者に対していつでも手軽に演習できる環境を提供することは難しいという課題があった。
【0003】
この課題を解決するために、仮想化技術を用いたネットワーク構築の学習環境の提供、又は、ソフトウェアのテスト環境の構築を目的とした研究が行われている(非特許文献3〜9参照。)。例えば、非特許文献10に記載のネットワーク動作可視化システムは、ユーザモードリナックス(UserModeLinux(UML))を利用したネットワーク学習のためのシステムであり、ウェブサーバの構築とそのトラブルシューティングを学習内容としている。ここで、ユーザモードリナックスは、リナックス(Linux(登録商標))をOS(Operating System)として動作する実ホスト装置において、別のリナックス(登録商標)をユーザモードプロセスとして実行するためのプログラムである。しかしながら、非特許文献10の記載のネットワーク動作可視化システムでは、ルータ及びスイッチなどのネットワーク構成要素を用いたネットワーク構築を行うことができなかった。
【0004】
また、非特許文献11には、実ネットワークの通信データを取得し可視化して教材として利用し、データ構造と通信処理の手順について学習するためのツールが記載されている。しかしながら、学習者が使用しているパーソナルコンピュータが送受信したデータを取得して可視化するツールであるため、ルータ及びスイッチなどのネットワーク機器が送受信したデータを学習者に提示できなかった。また、ツールの性質上、ネットワークの構成を学習者が任意に変更できないため、ネットワーク機器の設定変更などに応じて通信データがどのように変化するかを確認できなかった。
【0005】
さらに、非特許文献12には、仮想マシン環境ソフトウェアであるヴイエムウェア(VMware(登録商標))ワークステーションを利用して、個々の学習者がLAN(Local Area Network)の設計から構築及び運用までを学習するためのシステムを開発している。しかしながら、このシステムを利用するためには実機のルータが必要であるため、学習環境の構築作業が学習者の負担となった。また、通信を可視化する機能を備えていないため、ネットワーク構築による通信プロトコルに関する知識の定着と、手軽な学習環境の提供という点で、課題があった。
【0006】
これに対して、本願の発明者は、これまでに、ユーザモードリナックスを利用するネットワーク構築演習装置を開発してきた(例えば、非特許文献2参照。)。このネットワーク構築演習装置を用いることで、学習者は1台のパーソナルコンピュータ(以下、実ホスト装置という。)上で仮想的なネットワークを構築してネットワークの構築演習を実施できる。具体的には、リナックス(登録商標)をOSとする実ホスト装置において、複数の仮想デバイスにそれぞれ対応する複数のユーザモードリナックスを実行することにより複数の仮想デバイスを動作させる。そして、ユーザモードリナックス用のユーティリティツールを利用して、各仮想デバイスに対してネットワークインタフェースを追加し、複数の仮想デバイスどうしを通信できるように接続した。これにより、仮想デバイスとしては、仮想的なルータ(以下、仮想ルータという。)及びクライアントやサーバとして動作する仮想的なホスト装置(以下、仮想ホストという。)を実現できる。なお、仮想ルータは、ルーティングプロトコルデーモンであるクアッガ(Quagga)を用いて実現した。さらに、仮想ルータでは、静的ルーティング機能、及びRIP(Routing Information Protocol)又はOSPF(Open Shortest Path First)による動的ルーティング機能を実現できる。
【0007】
図17は、従来技術に係るネットワーク構築演習装置のディスプレイに表示されるネットワーク構築支援ウィンドウの表示例である。学習者が、ネットワーク構築演習装置においてネットワーク構築演習プログラム(e-Netlab(イーネットラボ))を起動すると、ネットワーク構築支援GUI(Graphic User Interface)プログラムが実行され、図17に示すように、ディスプレイにネットワーク構築支援ウィンドウが表示される。学習者は、ネットワーク構築支援ウィンドウに対して、マウス及びキーボードを用いた直感的な操作を行うことによりネットワークを構築し、構築したネットワークを視覚的に把握できる。具体的には、図17のネットワーク構築支援ウィンドウは、機器追加ボタンと、ネットワーク図と、コンソールウィンドウと、機器情報一覧とを含む。学習者が機器追加ボタンから通信機器を選択してネットワーク図へドラッグアンドドロップすると、ネットワーク構築演習装置は、ユーザモードリナックスを実行することにより、選択された通信機器に対応する仮想デバイスの機能を実行する。また、ネットワーク図上には、通信機器で構成される仮想トポロジが表示される。ここで、各通信機器は対応するアイコン画像で表され、通信機器どうしの接続は通信機器間を線で接続することで表現されている。学習者が、ネットワーク図上で2つの通信機器のアイコン間をマウスによって選択すると、通信機器間が線で接続される。さらに、ネットワーク構築演習装置は、学習者によって接続動作が行われた2つの通信機器に対応する仮想デバイスを互いに通信可能なように接続する。
【0008】
さらに、図17において、学習者がコンソールウィンドウのコマンド入力欄に設定のためのコマンドを入力すると、ネットワーク構築演習装置は、学習者によって入力されたコマンドに基づいて、各仮想デバイスの設定を行う。各仮想デバイスからの出力メッセージは、コンソールウィンドウ上に表示される。また、機器情報一覧には、仮想デバイス名、仮想デバイスの種類、インタフェース名、IP(Internet Protocol)アドレス、ネットマスク、インタフェースの状態、ポートの設定及びVLAN(Virtual Local Area Network)などの各仮想デバイスのインタフェースの情報が表示される。
【0009】
さらに、従来技術に係るネットワーク構築演習装置は、以下の機能を有する。
(1)通信ログ表示機能:通信ログ表示機能は、各仮想デバイスのネットワークインタフェースを通過したパケットを一覧表示し、選択されたパケットの持つ情報を、プロトコルの仕様と合わせて表示する機能である。この機能により、学習者は、構築した仮想ネットワークの通信情報を用いて、書籍や資料によって得られた通信プロトコルに関する知識を視覚的に確認できる。具体的には、通信ログは、簡易表示画面、詳細表示画面、又は16進数表示画面に表示される。簡易表示画面には、宛先IPアドレス及び用いられている通信プロトコルなどの基本的な情報が表示される。また、詳細表示画面には、各パケットの全ての情報が表示される。さらに、16進数表示画面には、パケットのヘッダ情報が16進数で項目ごとに色分けして表示されるので、学習者は、通信プロトコルに応じて定められたデータ構造と合わせてパケットの内容を確認できる。また、各ログ表示画面において、プロトコル、レイヤ及び入出力の方向でフィルタリングして通信ログを表示できる。
【0010】
(2)アニメーション機能:アニメーション機能は、パケットを、プロトコル名が付記されたアイコン画像で表現してネットワーク図上を移動させることで,パケットの通信経路を視覚的に表示する機能である。アニメーション機能は、各仮想デバイスをパケットが通過するときに、パケットのヘッダ情報をダイアログ表示する機能を含む。これにより、学習者は、ルータやスイッチのルーティングの設定変更によるパケットの通信経路の変化を視覚的に確認できる。図18は、従来技術に係るネットワーク構築演習装置のディスプレイに表示されるアニメーションの表示例である。
【0011】
(3)学習者が構築した仮想ネットワークの情報をネットワーク定義ファイルとして保存する一方、保存されたネットワーク定義ファイルを読み込んで仮想ネットワークを再現するネットワーク保存及び再現機能。
【0012】
従来技術に係るネットワーク構築演習装置によれば、学習者は、実機を用いたネットワークの構築演習と比較して、高価な実習用機材を用意することなく、たった1台の実ホスト装置を用意するだけで、より手軽にかつ低コストでネットワーク構築演習を実施できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−6235号公報。
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Cisco System Incorporated, "Cisco Networking Academy", [online],[2010年6月11日検索], インターネット<http://www.cisco.com/web/learning/netacad>。
【非特許文献2】上田拓実ほか、「仮想Linux環境を用いたネットワーク教育システムにおける通信可視化機能とネットワーク保存・再現機能の開発」、マルチメディア、分散、協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2008)、2008年7月、p.545−552。
【非特許文献3】早川正昭ほか、「LAN構築シュミレータの開発と教育手法の改善」、教育システム情報学会第26回全国大会講演論文集、2001年8月、第E5−4巻、pp.367−368。
【非特許文献4】宮地利幸ほか、「ネットワーク実験支援ソフトウェアの汎用アーキテクチャの提案」、情報処理学会論文誌、2007年4月、第48巻、第4号、pp.1695−1709。
【非特許文献5】Abler, R. et al., "Georgia tech information security center hands-on network security laboratory", Education, February 2006, IEEE Transactions, Vol.49, No.1, pp. 82-87.
【非特許文献6】Bruce, K. et al., "A Virtual Learning Environment for Real-World networking", June 2003, Proceeding of Informing Science + IT Education Conference 2003.
【非特許文献7】Steve, L. et al., "Virtual Networking Lab(VNL):its concepts and implementation", June 2001, Proceedings of the 2001 American Society for Engineering Education Annual Conference & Exposition.
【非特許文献8】Fermin, G. et al., "Distributed Virtualization Scenarios Using VNUML", October 2007, Proceedings of the First System and Virtualization Management Workshop (SVM'07).
【非特許文献9】Benamin, A. et al., "Xen Worlds; Xen and the Art of Computer Engineering Education", June 2006, Proceedings of 2006 ASEE Annual Conference and Exposition.
【非特許文献10】立岩佑一郎ほか、「仮想環境ソフトウェアに基づくLAN 構築技能とTCP/IP理論の関連付けのためのネットワーク動作可視化システムの開発、情報処理学会論文誌、2007年4月、第48巻、第4号、pp.1684−1694。
【非特許文献11】荒井正之ほか、「TCP/IPプロトコル学習ツールの開発と評価」、2003年12月、情報処理学会論文誌、第44巻、第12号、pp.3442−3251。
【非特許文献12】中川泰宏ほか「VMwareを利用した学習用LAN構築支援システムの開発、2007年4月、教育システム情報学会誌、第24巻、第2号、pp.126−136。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従来技術に係るネットワーク構築演習装置によって、学習者はいつでも手軽に演習を行うことができるようになった。しかしながら、従来技術に係るネットワーク構築演習装置によれば、学習者は、構築した仮想ネットワークにおいて所望の通信が行われるか否かを確認できたものの、所望の通信が行われないときに、仮想ネットワーク内のどの仮想デバイスのどの設定をやり直せばよいのか判断することが難しかった。
【0016】
また、トラブルシューティングは、技術者が通信の障害箇所の特定及び修復などのネットワークトラブルを早期に解決する能力を養う上で重要な学習である。しかしながら、従来技術に係るネットワーク構築演習装置では、指導者が、所定のネットワークトラブルを解決する課題を複数の学習者に対して課したい場合、各学習者のネットワーク構築演習装置において、パケットデータの送受信を行えない不完全な仮想ネットワークをあらかじめ構築しておく必要があった。このため、指導者は学習者に対して効率的にネットワーク構築の課題を課すことができず、学習者は効率的に学習を行うことができなかった。
【0017】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して効率的に学習者に対してネットワーク構築演習の課題を課し、学習者が効率的にネットワーク構築演習を行うことができるネットワーク構築演習装置及びその制御方法を提供することにある。さらに、本発明の別の目的は、上記ネットワーク構築演習方法のステップを含むプログラム、並びに、当該プログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
第1の発明に係るネットワーク構築演習装置は、パケットデータを用いて通信を行うパケット交換ネットワークを構築する演習を行うネットワーク構築演習装置であって、
所定の演習課題の正答となる複数の仮想デバイスの設定項目毎の設定情報を含む演習課題ファイルを格納する第1の記憶手段と、
上記ネットワーク構築演習装置の動作を制御する制御手段と、
学習者又は指導者により入力される指示コマンド及びデータを入力するための入力手段とを備え、
上記演習課題ファイルは、仮想デバイスの設定情報を設定項目毎にタグ付けして階層的に記述したテキストファイルであり、
上記制御手段は、
上記学習者により、上記入力手段から、上記各仮想デバイスの設定項目毎に、上記演習課題に対する解答として入力される設定情報を設定するための設定コマンドに基づいて、上記各仮想デバイス毎に当該仮想デバイスの設定情報を含む設定情報ファイルを生成するステップと、
上記各仮想デバイス毎に生成された設定情報ファイルを、上記各仮想デバイスの設定情報を対応する設定項目毎にタグ付けして階層的に記述したテキストファイルである答案ファイルに変換するステップと、
上記演習課題ファイルに含まれる上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報と、上記答案ファイルに含まれる上記各仮想デバイスの設定情報とを比較して、上記比較の結果を出力し又は表示するステップとを実行することを特徴とする
【0019】
上記ネットワーク構築演習装置において、上記第1の記憶手段は、(a)上記ネットワーク構築演習装置の全体の動作を制御するためのオペレーティングシステムのプログラムと、(b)パケットデータを用いて通信を行う通信機器を仮想的に実現するための仮想デバイスの機能を実行する仮想デバイスプログラムとをさらに格納し、
上記ネットワーク構築演習装置は、上記仮想プログラムを実行したときに、上記仮想デバイスの機能を実行するために必要な実行プログラムとそれを実行するために必要なデータとを格納する第2の記憶手段をさらに備え、
上記演習課題ファイルは、上記各仮想デバイスの設定情報に誤りがあり演習課題となる演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報と、上記各仮想デバイス間の接続情報とをさらに含み、
上記制御手段は、上記設定情報ファイルを生成するステップを実行する前に、上記オペレーティングシステムのプログラムを実行し、上記演習課題ファイルに含まれる上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報及び上記各仮想デバイス間の接続情報に基づいて、上記オペレーティングシステム上で、上記各仮想デバイス毎に上記仮想デバイスプログラムを実行することにより、上記各仮想デバイスが動作するように、上記各仮想デバイスの機能を実行するために必要な実行プログラムとそれを実行するために必要なデータとを上記第2の記憶手段に格納し、これにより、上記演習用仮想ネットワークを構築するステップを実行し、
上記設定情報ファイルを生成するステップは、上記学習者により、上記入力手段から、上記各仮想デバイスの設定項目毎に、上記演習課題に対する解答として入力される設定情報を設定するための設定コマンドを実行することにより、上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報を変更するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0020】
また、上記ネットワーク構築演習装置において、上記制御手段は、上記演習用仮想ネットワークを構築するステップを実行する前に、上記指導者により上記入力手段から入力される(a)上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報及び上記各仮想デバイス間の接続情報と、(b)上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報とに基づいて、上記演習課題ファイルを自動的に生成して上記第1の記憶手段に格納するステップを実行することを特徴とする。
【0021】
さらに、上記ネットワーク構築演習装置において、上記オペレーティングシステムのプログラムはリナックス(登録商標)であり、
上記仮想デバイスプログラムはユーザモードリナックスであることを特徴とする。
【0022】
またさらに、上記ネットワーク構築演習装置において、上記比較の結果を出力し又は表示するステップは、上記各仮想デバイス毎に、上記各設定項目に対応するタグを階層的に比較することにより、上記演習課題ファイルに含まれる上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報と、上記答案ファイルに含まれる上記各仮想デバイスの設定情報とを比較することを特徴とする。
【0023】
また、上記ネットワーク構築演習装置において、上記演習課題ファイル及び上記答案ファイルは、XML(eXtensible Markup Language)形式で生成されたことを特徴とする。
【0024】
さらに、上記ネットワーク構築演習装置において、上記各仮想デバイスの機能は、ルーティング機能又はパケットデータの送受信機能であることを特徴とする。
【0025】
第2の発明に係るネットワーク構築演習装置のための制御方法は、パケットデータを用いて通信を行うパケット交換ネットワークを構築する演習を行うネットワーク構築演習装置のための制御方法であって、
上記ネットワーク構築演習装置は、
所定の演習課題の正答となる複数の仮想デバイスの設定項目毎の設定情報を含む演習課題ファイルを格納する第1の記憶手段と、
上記ネットワーク構築演習装置の動作を制御する制御手段と、
学習者又は指導者により入力される指示コマンド及びデータを入力するための入力手段とを備え、
上記演習課題ファイルは、仮想デバイスの設定情報を設定項目毎にタグ付けして階層的に記述したテキストファイルであり、
上記制御方法は、
上記学習者により、上記入力手段から、上記各仮想デバイスの設定項目毎に、上記演習課題に対する解答として入力される設定情報を設定するための設定コマンドに基づいて、上記各仮想デバイス毎に当該仮想デバイスの設定情報を含む設定情報ファイルを生成するステップと、
上記各仮想デバイス毎に生成された設定情報ファイルを、上記各仮想デバイスの設定情報を対応する設定項目毎にタグ付けして階層的に記述したテキストファイルである答案ファイルに変換するステップと、
上記演習課題ファイルに含まれる上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報と、上記答案ファイルに含まれる上記各仮想デバイスの設定情報とを比較して、上記比較の結果を出力し又は表示するステップとを含み、
上記制御方法の各ステップは上記制御手段により実行されることを特徴とする。
【0026】
上記ネットワーク構築演習装置のための制御方法において、上記第1の記憶手段は、(a)上記ネットワーク構築演習装置の全体の動作を制御するためのオペレーティングシステムのプログラムと、(b)パケットデータを用いて通信を行う通信機器を仮想的に実現するための仮想デバイスの機能を実行する仮想デバイスプログラムとをさらに格納し、
上記ネットワーク構築演習装置は、上記仮想プログラムを実行したときに、上記仮想デバイスの機能を実行するために必要な実行プログラムとそれを実行するために必要なデータとを格納する第2の記憶手段をさらに備え、
上記演習課題ファイルは、上記各仮想デバイスの設定情報に誤りがあり演習課題となる演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報と、上記各仮想デバイス間の接続情報とをさらに含み、
上記制御方法は、上記設定情報ファイルを生成するステップを実行する前に、上記制御手段により、上記オペレーティングシステムのプログラムを実行し、上記演習課題ファイルに含まれる上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報及び上記各仮想デバイス間の接続情報に基づいて、上記オペレーティングシステム上で、上記各仮想デバイス毎に上記仮想デバイスプログラムを実行することにより、上記各仮想デバイスが動作するように、上記各仮想デバイスの機能を実行するために必要な実行プログラムとそれを実行するために必要なデータとを上記第2の記憶手段に格納し、これにより、上記演習用仮想ネットワークを構築するステップを実行することをさらに含み、
上記設定情報ファイルを生成するステップは、上記学習者により、上記入力手段から、上記各仮想デバイスの設定項目毎に、上記演習課題に対する解答として入力される設定情報を設定するための設定コマンドを実行することにより、上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報を変更するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0027】
また、上記ネットワーク構築演習装置のための制御方法において、上記制御手段は、上記演習用仮想ネットワークを構築するステップを実行する前に、上記指導者により上記入力手段から入力される(a)上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報及び上記各仮想デバイス間の接続情報と、(b)上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報とに基づいて、上記演習課題ファイルを自動的に生成して上記第1の記憶手段に格納するステップを実行することを特徴とする。
【0028】
さらに、上記ネットワーク構築演習装置のための制御方法において、上記オペレーティングシステムのプログラムはリナックス(登録商標)であり、
上記仮想デバイスプログラムはユーザモードリナックスであることを特徴とする。
【0029】
またさらに、上記ネットワーク構築演習装置のための制御方法において、上記比較の結果を出力し又は表示するステップは、上記各仮想デバイス毎に、上記各設定項目に対応するタグを階層的に比較することにより、上記演習課題ファイルに含まれる上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報と、上記答案ファイルに含まれる上記各仮想デバイスの設定情報とを比較することを特徴とする。
【0030】
また、上記ネットワーク構築演習装置のための制御方法において、上記演習課題ファイル及び上記答案ファイルは、XML形式で生成されたことを特徴とする。
【0031】
さらに、上記ネットワーク構築演習装置のための制御方法において、上記各仮想デバイスの機能は、ルーティング機能又はパケットデータの送受信機能であることを特徴とする。
【0032】
第3の発明に係るプログラムは、上記ネットワーク構築演習装置の制御方法における各ステップを含むことを特徴とする。
【0033】
第4の発明に係るコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、上記プログラムを格納したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係るネットワーク構築演習装置及びその制御方法によれば、演習課題ファイルに含まれる演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報と、答案ファイルに含まれる上記仮想デバイスの設定情報とを比較して、上記比較の結果を出力し又は表示するので、従来技術に比較して効率的に学習者に対してネットワーク構築演習の課題を課し、学習者が効率的にネットワーク構築演習を行うことができる。また、上記ネットワーク構築演習方法のステップを含むプログラム、並びに、当該プログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係るネットワーク構築演習装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のCPU2によって実行される、演習課題ファイル13−nを生成するための演習課題ファイル生成処理を示すフローチャートである。
【図3】図1のCPU2によって実行される自動採点処理を示すフローチャートである。
【図4】図1の演習課題ファイル13−1〜13−N及び答案ファイル15において用いられるタグの定義を示す表である。
【図5】図2の演習課題ファイル生成処理によって生成された演習課題ファイル13−1の一例を示すブロック図である。
【図6】図1において仮想デバイス4−1が仮想ホストHost0であるときの、設定情報ファイル14−1の一例を示すブロック図である。
【図7】図1において仮想デバイス4−2が仮想ルータRouter0であるときの、設定情報ファイル14−2の一例を示すブロック図である。
【図8】図6及び図7の設定情報ファイル14−1及び14−2に基づいて生成される答案ファイル15の一例を示すブロック図である。
【図9】図3のステップS18において、図5の演習課題ファイル13−1の正答仮想ネットワークの設定情報記述部103の内容と、図8の答案ファイル15の答案仮想ネットワークの設定情報記述部200の内容とを比較したときの、比較結果を示すブロック図である。
【図10】図2のステップS1においてディスプレイ6に表示される初期設定ウィンドウの表示例である。
【図11】図2のステップS1においてディスプレイ6に表示される演習用ネットワーク設定ウィンドウの表示例である。
【図12】図2のステップS1においてディスプレイ6に表示される、仮想ホストの正答情報設定ウィンドウの表示例である。
【図13】図2のステップS1においてディスプレイ6に表示される、仮想ルータの正答情報設定ウィンドウの表示例である。
【図14】図3のステップS11においてディスプレイ6に表示される自動採点ウィンドウの表示例である。
【図15】図3のステップS14においてディスプレイ6に表示される設定用コンソールウィンドウの表示例である。
【図16】図3のステップS19において、図5の演習課題ファイル13−1及び図8の答案ファイル15に基づいてディスプレイ6に表示されるチェックリスト欄の表示例である。
【図17】従来技術に係るネットワーク構築演習装置のディスプレイに表示されるネットワーク構築支援ウィンドウの表示例である。
【図18】従来技術に係るネットワーク構築演習装置のディスプレイに表示されるアニメーションの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0037】
図1は、本発明の実施形態に係るネットワーク構築演習装置1の構成を示すブロック図である。また、図2は、図1のCPU2によって実行される、演習課題ファイル13−nを生成するための演習課題ファイル生成処理を示すフローチャートであり、図3は、図1のCPU2によって実行される自動採点処理を示すフローチャートである。図1において、ネットワーク構築演習装置1は、例えばパーソナルコンピュータなどのディジタル計算機であって、学習者がパケットデータを用いて通信を行うパケット交換ネットワークを構築する演習を行うための端末装置として用いられる。ネットワーク構築演習装置1は、CPU(Central Processing Unit)2と、ROM(Read Only Memory)3と、RAM(Random Access Memory)4と、ハードディスクドライブ5と、ディスプレイ6と、操作入力部7とを備えて構成される。CPU2は、バスを介してROM3、RAM4、ハードディスクドライブ5、ディスプレイ6、及び操作入力部7と接続されていてそれらの各動作及びネットワーク構築演習装置1の全体の動作を制御するほか、種々のソフトウェアの機能を実行する。また、ディスプレイ6は、液晶表示装置(LCD(Liquid Crystal Display))又はCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの表示装置であり、ネットワーク構築演習装置1の動作状態の表示及び種々のGUIプログラムのための表示装置として機能する。さらに、操作入力部7は、例えば、マウスなどのポインティングデバイス及びキーボードなどの文字入力手段を含み、ネットワーク構築演習装置1のユーザ(指導者又は学習者)がデータ及び指示コマンドなどを入力するためのものである。
【0038】
図1において、ROM3は、ネットワーク構築演習装置1の動作に必要であってCPU2によって実行される種々のソフトウェアのプログラムを予め格納する。また、ハードディスクドライブ5は、記録媒体を内蔵する記憶装置であり、CPU2が実行するOSのプログラム8と、仮想デバイスプログラム9と、演習課題ファイル生成プログラム11及び自動採点プログラム12を含むネットワーク構築演習プログラム10とを予め格納する。また、ハードディスクドライブ5は、詳細後述するN個(Nは正の整数である。)の演習課題ファイル13−1,13−2,…,13−Nと、複数M個(Mは2以上の整数である。)の設定情報ファイル14−1,14−2,…,14−Mと、答案ファイル15とを格納する。さらに、RAM4は、SRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)、SDRAM(Synchronous DRAM)などで構成され、CPU2のワーキングエリアとして使用されて、各プログラムなど8〜12を実行したときに、当該実行するプログラムに対応する機能を実行するために必要な実行プログラムとそれを実行するために必要なデータ及び実行時に発生する一時的なデータを格納する。
【0039】
次に、ハードディスクドライブ5に格納される各プログラムなど8〜12を説明する。図1において、OSのプログラム8は、ネットワーク構築演習装置1の全体の動作を制御して、ネットワーク構築演習装置1のシステム管理を行い、基本的なユーザ操作環境を提供する基本ソフトウェアのプログラムである。CPU2は、ネットワーク構築演習装置1の電源が投入されると、OSのプログラム8を実行することにより、ネットワーク構築演習装置1の全体の動作を制御する。本実施形態において、OSのプログラム8は、リナックス(登録商標)のプログラムである。
【0040】
また、仮想デバイスプログラム9は、具体的には、ユーザモードリナックス(UserModeLinux。以下、UMLともいう。)であって、パケットデータを用いて通信を行う通信機器を仮想的に実現するための仮想デバイスの機能を実行する仮想OSのプログラムである。CPU2は、オペレーティングシステム上で仮想デバイスプログラム9を実行することにより、仮想デバイス4−m(m=1,2,…,M)が動作するように、仮想デバイス4−mの機能を実行するために必要な実行プログラムとそれを実行するために必要なデータとをRAM4のワーキングエリアに格納する。図1において、仮想デバイスプログラム9の実行時に用いられるワーキングエリアを、「仮想デバイス4−m」として示す。ここで、ユーザモードリナックスは、リナックス(Linux(登録商標))のプログラムをOSのプログラム8として実行する実ホスト装置において、別のリナックス(登録商標)をユーザモードプロセスとして実行するためのプログラムである。また、本実施形態において、仮想デバイス4−mの機能は、パケットデータのルーティング機能又はパケットデータの送受信機能である。以下、ルーティング機能を実行する仮想的なルータの仮想デバイス4−mを仮想ルータといい、パケットデータの送受信機能を実行する仮想的なホスト装置の仮想デバイス4−mを仮想ホストという。
【0041】
さらに、ネットワーク構築演習プログラム10は、非特許文献2に記載の従来技術に係るネットワーク構築演習プログラム(イーネットラボ(e-Netlab))に対して、図2を参照して詳細後述する演習課題ファイル生成プログラム11と、図3を参照して詳細後述する自動採点プログラム12とを追加したものである。ネットワーク構築演習プログラム10は、上述した通信ログ表示機能、アニメーション機能並びにネットワーク保存及び再現機能を実行するための各プログラムを含む。なお、ネットワーク構築演習プログラム10と、演習課題ファイル生成プログラム11と、自動採点プログラム12とは、それぞれ、プログラミング言語であるジャバ(Java(登録商標))で記述されている。
【0042】
次に、図2を参照して、CPU2によって実行される演習課題ファイル生成処理を説明する。演習課題ファイル生成処理は、図1の演習課題ファイル13−nを生成するための処理である。演習課題13−nは、(a)各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報に誤りがあり学習者に課される演習課題となる演習用仮想ネットワークにおける各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報と、各仮想デバイス4−1〜4−M間の接続情報と、(b)演習課題の正答となる仮想デバイス4−1〜4−Mの設定項目毎の設定情報とを含む。演習用仮想ネットワークでは、各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報に誤りがあるので、パケットデータの送受信ができず、又は、パケットデータが所望の通信経路を通らない。ここでは、仮想デバイス4−1及び4−2を含む演習用仮想ネットワークにおいて、仮想デバイス4−1に対応する仮想ホストHost0に対してIPアドレス192.168.0.1/24を割り当て、かつ、デフォルトゲートウェイを設定し、仮想デバイス4−2に対応する仮想ルータRouter0に対してIPアドレス192.168.0.101/24を割り当て、かつ、特権パスワードciscoを設定する演習課題を学習者に対して課すための演習課題ファイル13−1を生成する場合を例に挙げて、演習課題ファイル生成処理を説明する。
【0043】
図2のステップS1において、指導者がネットワーク構築演習装置1の操作入力部7を用いて、演習課題ファイル13−nを生成するための所定の操作(例えば、ディスプレイ6に表示されている所定のアイコンをクリックする、又は、ディスプレイ6に表示されているコンソールウィンドウにおいて所定のコマンドを入力するなど。)を行うと、これに応答して、CPU2は、演習課題ファイル生成プログラム11を実行する。これにより、ディスプレイ6に、初期設定ウィンドウ及び演習用ネットワーク設定ウィンドウが表示される。図10は、図2のステップS1においてディスプレイ6に表示される初期設定ウィンドウの表示例である。図10に示すように、初期設定ウィンドウは、指導者が課題名(図10では、「デモ用課題」である。)を入力するためのテキストボックスと、指導者が課題内容を入力するためのテキストボックスとを含む。
【0044】
また、図11は、図2のステップS1においてディスプレイ6に表示される演習用ネットワーク設定ウィンドウの表示例である。演習用ネットワーク設定ウィンドウは、学習者が、詳細後述する自動採点プログラム12を実行して演習課題ファイル13−nの演習課題に解答するときに始めに構築される、演習用仮想ネットワークのトポロジ(接続形態)の情報と各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報とを、指導者が設定するためのものである。図11に示すように、演習用ネットワーク設定ウィンドウは、機器追加リストと、ネットワーク図と、機器情報一覧とを含む。ここで、機器追加リストは、仮想ルータを表すルータボタン(Router)と、仮想ホストを表すホストボタン(Host)とを含む。指導者が機器追加リストのボタンを選択してネットワーク図にドラッグアンドドロップすると、ネットワーク図に、ドラッグアンドドロップされたボタンに対応する仮想デバイスのアイコンが表示される。また、指導者が、ネットワーク図上で2つの仮想デバイスのアイコン間をマウスによって選択すると、2つのアイコン間が線で接続される。図11の例では、ネットワーク図上に、ネットワークインタフェースeth0を有する仮想ホストHost0である仮想デバイス4−1と、ネットワークインタフェースeth0を有するルータRouter0である仮想デバイス4−2とが接続されて表示されている。また、機器情報一覧に、仮想ホストHost0及び仮想ルータRouter0の各ネットワークインタフェースの状態が「無効(down)」に設定されていることが示されている。
【0045】
図11において、指導者がネットワーク図上の仮想デバイスを右クリックすると、右クリックされた仮想デバイスに対応する正答情報設定ウィンドウがディスプレイ6に表示される。ここで、正答情報設定ウィンドウは、演習課題の正答(模範解答)となる各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報を設定項目毎に入力するためのものである。以下、正答となる設定情報をそれぞれ設定された仮想デバイス4−1〜4−Mを含む演習用仮想ネットワークを正答仮想ネットワークという。図12は、図2のステップS1においてディスプレイ6に表示される、仮想ホストの正答情報設定ウィンドウの表示例である。図12に示すように、仮想ホストの正答情報設定ウィンドウは、指導者が以下の設定項目の設定情報を入力できるように構成されている。
(a)ネットワークインタフェース。
(a1)IPアドレス、
(a2)ネットマスク、
(a3)デフォルトゲートウェイ、
(a4)状態(有効又は無効)、
(b)静的ルーティングの設定。
【0046】
図13は、図2のステップS1においてディスプレイ6に表示される、仮想ルータの正答情報設定ウィンドウの表示例である。図13に示すように、仮想ルータの正答情報設定ウィンドウは、指導者が以下の設定項目の設定情報を入力できるように構成されている。
(a)ネットワークインタフェース。
(a1)IPアドレス、
(a2)ネットマスク、
(a3)デフォルトゲートウェイ、
(a4)状態(有効又は無効)、
(b)特権パスワード。
(c)静的ルーティングの設定。
(d)動的ルーティングの設定(RIP又はOSPF)。
【0047】
図2に戻り参照すると、ステップS1に続いて、ステップS2において、指導者が初期設定ウィンドウと、演習用ネットワーク設定ウィンドウと、各仮想デバイスの正答情報設定ウィンドウを用いて、課題名と、課題内容と、演習用仮想ネットワークの設定情報と、正答仮想ネットワークの各仮想デバイス4−1〜4−Mの各設定情報(以下、正答仮想ネットワークの設定情報という。)とを入力したか否かが判断され、YESのときはステップS3に進む一方、NOのときはステップS2の処理を繰り返す。
【0048】
そして、ステップS3において、CPU2は、入力された課題名と、課題内容と、演習用仮想ネットワークの設定情報と、正答仮想ネットワークの設定情報とを含むXML形式の演習課題ファイル13−nを自動的に生成して、ハードディスクドライブ5に格納して、演習課題ファイル13−nを生成するための演習課題ファイル生成処理を終了する。
【0049】
図5は、図2の演習課題ファイル生成処理によって生成された演習課題ファイル13−1の一例を示すブロック図である。また、図4は、図1の演習課題ファイル13−1〜13−N及び答案ファイル15において用いられるタグの定義を示す表である。図1において、演習課題ファイル13−1〜13−N及び答案ファイル15はそれぞれ、仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報を設定項目毎に図4に示すようにタグ付けして階層的に記述したXML形式のテキストファイルである。図5に示すように、演習課題ファイル13−1は、課題名及び課題内容記述部101と、演習用仮想ネットワークの設定情報記述部102と、正答仮想ネットワークの設定情報記述部103とを含む。ここで、課題名及び課題内容記述部101は、課題名タグnameと、課題内容タグexplainとを含む。課題名タグnameの内容は、指導者が初期設定ウィンドウのテキストボックス(図10参照。)に入力した課題名「デモ用課題」であり、課題内容タグexplainの内容は、指導者が初期設定ウィンドウのテキストボックス(図10参照。)に入力した以下の課題内容である。
【0050】
以下のように設定せよ.
〈IPアドレスの割り当て〉
Host0:192.168.0.1/24
Router0:192.168.0.101/24
〈ホストの設定〉
デフォルトゲートウェイの設定
〈ルータの設定〉
特権パスワード:cisco
【0051】
また、図5において、演習用仮想ネットワークの設定情報記述部102は、仮想ホストHost0と仮想ルータRouter0の接続情報記述部102−1と、仮想ホストHost0の設定情報記述部102−2と、仮想ルータRouter0の設定情報記述部102−3とを含む。ここで、仮想ホストHost0と仮想ルータRouter0の接続情報102−1は、演習用仮想ネットワークのトポロジを指定するためのケーブルタグlineを含む。ケーブルタグlineの内容は、演習用ネットワーク設定ウィンドウ(図11参照。)のネットワーク図に基づいて記述される。例えば、図5に示す例では、図11の演習用ネットワーク設定ウィンドウのネットワーク図に基づいて、ケーブルタグlineを用いて、仮想ルータRouter0のネットワークインタフェースeth0と、仮想ホストHost0のネットワークインタフェースeth0とを接続することが記述されている。さらに、仮想ホストHost0の設定情報記述部102−2には、仮想デバイスタグvmを用いて、仮想ホストのホスト名Host0と、仮想ホストのネットワークインタフェースeth0を無効(down)に設定することとが記述されている。また、仮想ルータRouter0の設定情報記述部102−3には、仮想デバイスタグvmを用いて、仮想ルータのルータ名Router0と、仮想ルータのネットワークインタフェースeth0を無効(down)に設定することとが記述されている。仮想ホストHost0の設定情報記述部102−2及び仮想ルータRouter0の設定情報記述部102−3はそれぞれ、図11に示すような演習用ネットワーク設定ウィンドウの機器情報一覧の内容に基づいて、あるいは、所定のデフォルト値に基づいて記述される。
【0052】
さらに、図5において、正答仮想ネットワークの設定情報記述部103は、正答仮想ネットワークタグvm_caを用いて記述されており、仮想ホストHost0の設定情報記述部103−1と、仮想ルータRouter0の設定情報記述部103−2とを含む。ここで、仮想ホストHost0の設定情報記述部103−1の内容は、仮想ホストの正答情報設定ウィンドウ(図12参照。)に入力された設定値に基づいて記述され、仮想ルータRouter0の設定情報記述部103−2の内容は、仮想ルータの正答情報設定ウィンドウ(図13参照。)に入力された設定値に基づいて記述される。図5に示した例では、仮想ホストHost0の設定情報記述部103−1には、仮想ホストがホスト名Host0を有することと、有効(up)なネットワークインタフェースeth0を有することと、ネットワークインタフェースeth0のIPアドレスが192.168.0.1であることと、ネットマスクが255.255.255.0であることと、デフォルトゲートウェイが192.168.0.101であることとが記述されている。また、仮想ルータRouter0の設定情報記述部103−2には、仮想ルータが仮想ルータ名Router0を有することと、有効(up)なネットワークインタフェースeth0を有することと、ネットワークインタフェースeth0のIPアドレスが192.168.0.101であることと、ネットマスクが255.255.255.0であることと、特権パスワードがciscoであることとが記述されている。
【0053】
以上説明したように、CPU2は、図2の演習課題ファイル生成処理を実行することにより、指導者により操作入力部7から入力される(a)演習用仮想ネットワークにおける各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報及び各仮想デバイス4−1〜4−M間の接続情報と、(b)演習課題の正答となる各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報とに基づいて、演習課題ファイル13−nを自動的に生成してハードディスクドライブ5に格納する。
【0054】
次に、図3を参照して、CPU2によって実行される自動採点処理を説明する。自動採点処理は、図2の演習課題ファイル生成処理によって予めハードディスクドライブ5に格納された演習課題ファイル13−1〜13−Nを用いて、学習者が演習課題に解答し、解答結果を自動的に評価するための処理である。図3のステップS11において、学習者がネットワーク構築演習装置1の操作入力部7を用いて、自動採点プログラム12を実行するための所定の操作(例えば、ディスプレイ6に表示されている所定のアイコンをクリックする、又は、ディスプレイ6に表示されているコンソールウィンドウにおいて所定のコマンドを入力するなど。)を行うと、これに応答して、CPU2は、自動採点プログラム12を実行する。これにより、CPU2は、演習課題ファイル13−1〜13−Nをハードディスクドライブ5から読み出し、読み出された各演習課題ファイル13−1〜13−Nのファイル名と課題内容との関係を示す課題選択テーブル及び課題内容の説明文を含む課題選択タブと、結果タブと、ネットワーク図とを含む自動採点ウィンドウを、ディスプレイ6に表示する。図14は、図3のステップS11においてディスプレイ6に表示される自動採点ウィンドウの表示例である。図14に示す例では、課題選択テーブルには、ハードディスクドライブ5に格納されている2つの演習課題ファイル13−1及び13−2の各課題名及び課題内容記述部101の内容に基づいて、課題内容「RIPルーティング」及び「デモ用課題」が表示されている。学習者が、課題選択テーブルをクリックして1つの課題を選択すると、選択された課題の演習課題ファイル13−1の演習用仮想ネットワークの設定情報記述部102の内容に基づいて、自動採点ウィンドウにネットワーク図が表示され、課題名及び課題内容記述部101の内容に基づいて、自動採点ウィンドウに課題内容が表示される。さらに、「演習開始」ポップアップメニューが表示され、演習者は、「演習開始」ポップアップメニューを選択することにより、1つの演習課題ファイル13−nを選択できる。
【0055】
次に、図3において、ステップS11に続いて、ステップS12において、学習者が1つの演習課題ファイル13−nを選択したか否かが判断され、YESのときはステップS13に進む一方、NOのときはステップS12の処理を繰り返す。ステップS13において、CPU2は、選択された演習課題ファイル13−nの演習用仮想ネットワークの設定情報記述部102の内容に基づいて、演習用仮想ネットワークを構築する。具体的には、CPU2は、演習課題ファイル13−nの仮想デバイスタグvmに基づいて、演習用仮想ネットワークを構成する各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報を抽出し、抽出された各設定情報に基づいて各仮想デバイス4−1〜4−Mが動作するように、各仮想デバイス4−1〜4−M毎に仮想デバイスプログラム9を実行する。また、ケーブルタグlineを識別し、仮想スイッチの機能をRAM4上で実行して当該仮想スイッチを用いて仮想デバイス4−1〜4−M間を接続する。なお、この接続のために、リナックス(登録商標)のプログラムに含まれるコマンドの1つであるuml_switchを用いる。
【0056】
ステップS13に続いて、ステップS14において、CPU2は、ステップS11と同様に演習用仮想ネットワークのネットワーク図を自動採点ウィンドウに表示し、設定用コンソールウィンドウをディスプレイ6に表示する。図15は、図3のステップS14においてディスプレイ6に表示される設定用コンソールウィンドウの表示例である。図15において、設定用コンソールウィンドウは、仮想デバイス選択用のドロップダウンリストと、ドロップダウンリストを用いて選択された仮想デバイスの設定のための設定コマンドを入力するためのテキストボックスと、ドロップダウンリストを用いて選択された仮想デバイスの動作状態を表示する表示ウィンドウとを含む。学習者は、設定用コンソールウィンドウのコマンドを入力するためのテキストボックスに、仮想デバイス4−1〜4−Mの設定項目毎に、演習課題の解答として入力する設定情報を設定するための設定コマンドを入力する。
【0057】
例えば、ステップS12において演習課題ファイル13−1が選択された場合、学習者が、設定項目ごとに、演習課題の正答となる仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報を設定するためには、仮想ホストHost0用の設定用コンソールウィンドウにおいて、以下の設定コマンドを入力する必要がある。
【0058】
ifconfig eth0 192.168.0.1
route add default gw 192.168.0.101
【0059】
さらに、仮想ルータRouter0用の設定用コンソールウィンドウにおいて、以下の設定コマンドを入力する必要がある。
【0060】
configure terminal
interface eth0
ip address 192.168.0.101/24
no shutdown
exit
enable password cisco
copy run start
【0061】
図3において、ステップS14に続いて、ステップS15において、CPU2は、学習者が、設定用コンソールウィンドウを用いて、各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定項目毎に、演習課題に対する解答として入力する設定情報を設定するための設定コマンドを入力する毎に、入力された設定コマンドを実行して演習用仮想ネットワークにおける仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報を変更すると共に、入力された設定コマンドに基づいて、仮想デバイス4−1〜4−M毎に設定情報ファイル9−1〜9−Mを生成してハードディスクドライブ5に格納する。ここで、設定情報ファイル9−mは、学習者が仮想デバイス4−mに対して行った設定の情報を含む所定の形式のテキストファイルである。図6は、図1において仮想デバイス4−1が仮想ホストHost0であるときの、設定情報ファイル14−1の一例を示すブロック図である。図6に示す例では、仮想デバイス14−1のネットワークインタフェースeth0のIPアドレスが192.168.0.2に設定されている。また、図7は、図1において仮想デバイス4−2が仮想ルータRouter0であるときの、設定情報ファイル14−2の一例を示すブロック図である。図7に示す例では、仮想デバイス14−2の特権パスワードがciscoに設定され、仮想デバイス14−2のネットワークインタフェースeth0のIPアドレスが192.168.0.101に設定され、ネットマスクが255.255.255.0に設定されている。
【0062】
さらに、ステップS15に続いて、ステップS16において、学習者が、自動採点ウィンドウの結果タブを選択して採点要求ボタン(図16の「Check」ボタンである。)をクリックしたか否かが判断され、YESのときはステップS17に進む一方、NOのときはステップS20に進む。ステップS17では、CPU2は、ハードディスクドライブ5から全ての設定情報ファイル14−1〜14−Mを読み出し、XML形式の答案ファイル15に変換する。答案ファイル15において用いられるタグは、演習課題ファイル13−1〜13−nにおいて用いられるタグと同様に定義されている。答案ファイル15は、学習者によって入力された各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報を対応する設定項目毎にタグ付けして階層的に記述したテキストファイルであって、学習者によって設定が行われた各仮想デバイス14−1〜14−nによって構成される答案仮想ネットワークの設定情報記述部200を含む。図8は、図6及び図7の設定情報ファイル14−1及び14−2に基づいて生成される答案ファイル15の一例を示すブロック図である。図8に示す例では、答案仮想ネットワークの設定情報記述部200は、仮想ホストHost0の設定情報記述部201と、仮想ルータRouter0の設定情報記述部202とを含む。また、仮想ホストHost0の設定情報記述部201には、仮想ホストがホスト名Host0を有することと、有効(up)なネットワークインタフェースeth0を有することと、ネットワークインタフェースeth0のIPアドレスが192.168.0.2であることと、ネットマスクが255.255.255.0であることが記述されている。また、仮想ルータRouter0の設定情報記述部202には、仮想ルータが仮想ルータ名Router0を有することと、有効(up)なネットワークインタフェースeth0を有することと、ネットワークインタフェースeth0のIPアドレスが192.168.0.101であることと、ネットマスクが255.255.255.0であることと、特権パスワードがciscoであることとが記述されている。
【0063】
図3において、ステップS17に続いて、ステップS18において、CPU2は、選択された演習課題ファイル13−nの正答仮想ネットワークの設定情報記述部103の内容と、答案ファイル15の答案仮想ネットワークの設定情報記述部200の内容とを比較する。具体的には、CPU2は、正答仮想ネットワークの設定情報記述部103の各タグと、答案仮想ネットワークの設定情報記述部200の各タグの内容と、階層的に比較する。図9は、図3のステップS18において、図5の演習課題ファイル13−1の正答仮想ネットワークの設定情報記述部103の内容と、図8の答案ファイル15の答案仮想ネットワークの設定情報記述部200の内容とを比較したときの、比較結果を示すブロック図である。図9において、正答仮想ネットワークの仮想ホストHost0のIPアドレスタグの内容(IPアドレスが192.168.0.1で、ネットマスクが255.255.255.0である。)と、答案仮想ネットワークの仮想ホストHost0のIPアドレスタグの内容(IPアドレスが192.168.0.2で、ネットマスクが255.255.255.0である。)とは一致していない。また、正答仮想ネットワークの仮想ホストHost0では、デフォルトゲートウェイタグdefault_gatewayを用いてデフォルトゲートウェイの設定が行われているが、答案仮想ネットワークの仮想ホストHost0では、デフォルトゲートウェイタグdefault_gatewayが存在せず、デフォルトゲートウェイの設定が行われていない。さらに、正答仮想ネットワークの仮想ルータRouter0のタグ及びタグの内容と、答案仮想ネットワークのタグ及びタグの内容とは一致している。
【0064】
図3において、ステップS18に続いて、ステップS19において、CPU2は、比較結果を自動採点ウィンドウのチェックリスト欄に表示する。図16は、図3のステップS19において、図5の演習課題ファイル13−1及び図8の答案ファイル15に基づいてディスプレイ6に表示されるチェックリスト欄の表示例である。図16に示すように、チェックリスト欄には、ツリー形式で各仮想デバイス4−1〜4−Mの各設定項目の設定内容が正答仮想ネットワークにおける各仮想デバイス4−1〜4−Mの各設定項目の設定内容と一致するか否かが、各仮想デバイス4−1〜4−Mの各設定内容の正誤情報として示される。具体的には、図16のチェックリスト欄には、仮想ホストHost0のネットワークインタフェースeth0のIPアドレス及びデフォルトゲートウェイの各設定に誤りがあり、仮想ホストHost0のネットワークインタフェースeth0のサブネットマスク及び状態の各設定が正しく、仮想ルータRouter0のネットワークインタフェースeth0のIPアドレス、サブネットマスク、及び状態、並びに、特権パスワードの各設定が正しいことが示されている。さらに、設定情報を入力すべき設定項目の総数に対する、学習者によって正しく設定された(正答となる設定情報と一致する)設定項目の総数が、「6/8」のように表示されている。
【0065】
図3において、ステップS19に続いて、ステップS20において、学習者が自動採点ウィンドウを閉じるなどの所定の終了指示を行ったか否かが判断され、YESのときはステップS15に戻り、NOのときは自動採点処理を終了する。ステップS15に戻る場合には、学習者は全ての各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定が正しくなり、仮想ネットワークにおいてパケットデータが送受信されるように動作するまで、各設定をやり直すことができる。
【0066】
本実施形態によれば、学習者が演習に利用する演習課題ファイル13−nを選択すると、当該演習課題ファイル13−nに記述されている演習用仮想ネットワークの設定情報に基づいて、演習用仮想ネットワークが自動的に構築される。演習用仮想ネットワークの設定情報は、当該演習用仮想ネットワークのトポロジ(接続形態)の情報と各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報とを、ケーブルタグlineの内容及び仮想デバイスタグvmの内容として含む。演習用仮想ネットワーク内の各仮想デバイス4−1〜4−Mの各設定には誤りがあり、学習者は、表示された課題内容(例えば、図14参照。)に示された仕様を満たすように、各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定項目毎に設定情報を入力し、これにより、演習課題に解答する。さらに、学習者が演習課題に解答して設定を行った後の演習用仮想ネットワークである答案仮想ネットワークの情報は答案ファイル15に記述される。そして、答案ファイル15に含まれる各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報と、演習課題ファイル13−nに含まれる各仮想デバイス4−1〜4−Mの正答となる設定情報とは比較され、当該比較結果は、自動採点結果としてディスプレイ6に表示される。従って、本実施形態によれば、従来技術に係るネットワーク構築演習装置に対して、演習用仮想ネットワークに対して学習者が施した設定内容を自動的に採点する自動採点機能を提供できる。学習者は、採点結果を参照することで、ネットワークの構築手順を確認できる。これにより、演習と実践結果の確認を繰り返すことで、学習した知識の習熟、実践経験による技術の習得が期待できる。さらに、自動採点機能を利用することで、ネットワークトラブルの対応演習を行うこともできる。
【0067】
本実施形態に係る自動採点機能は、仮想ネットワーク構築処理(図3のステップS13の処理である。)と、ネットワーク設定情報比較処理(図3のステップS18の処理である。)とを含む。仮想ネットワーク構築処理では、選択された演習課題ファイル13−nから読み込んだ演習用仮想ネットワークの情報に基づいて、演習用仮想ネットワークを構築する。演習課題ファイル13−nはXML形式で記述されており、構築する演習用仮想ネットワークのトポロジの情報と、各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報と、正答となる各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報とを含む。CPU2は、選択された演習課題ファイル13−nを読み込み、構築する演習用仮想ネットワークの設定情報をタグに基づいて解析し、仮想デバイス4−1〜4−Mの起動と仮想デバイス4−1〜4−M間の接続処理を実行する。さらに。読み込んだ各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報に基づいて、仮想デバイス4−1〜4−Mにネットワークの設定を施す。
【0068】
さらに、ネットワーク設定情報比較処理では、演習課題ファイル13−nに含まれる正答となる各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報と、正答ファイル15に含まれる学習者によって入力された各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報とを比較する。そして、その比較結果を自動採点ウィンドウのチェックリスト欄に表示する。なお、設定情報ファイル14−1〜14−Mは、各仮想デバイス4−1〜4−Mのネットワークに関する設定情報を含み、仮想デバイス4−1〜4−Mごとに作成される。例えば、仮想デバイス4−mのネットワークの設定が学習者によって、変更されると、変更内容は設定情報ファイル14−mに書き込まれる。本実施形態によれば、設定情報ファイル14−mに書き込まれた内容と、演習課題ファイル13−nに含まれる仮想デバイス14−mの正答情報とを比較することで、仮想デバイス14−mの設定情報の正誤を判断する。
【0069】
本実施形態によれば、指導者は、所定のネットワークトラブルを解決する課題を複数の学習者に対して課したい場合、当該ネットワークトラブルの原因となる仮想デバイスの設定情報を含む演習用仮想ネットワークの設定情報と、当該ネットワークトラブルが解決された正答仮想ネットワークの設定情報とを含む演習課題ファイル13−nを予め生成して、複数のネットワーク構築演習装置1のハードディスクドライブ5に格納するだけで、複数の学習者に対して上記課題を同時に課すことができる。
【0070】
さらに、本実施形態によれば、演習課題ファイル13−1〜13−N及び答案ファイル15は、仮想デバイスの設定項目毎にタグ付けされたテキストファイルであるので、各タグ内に記述される設定情報を比較的容易に比較できる。また、演習課題ファイル13−1〜13−N及び答案ファイル15には、指導者及び学習者の設定順序に従って各設定情報が記述されるが、設定順序に関係なく各タグ内に記述される設定情報を比較できる。
【0071】
なお、演習課題ファイル13−n及び答案ファイル15における各タグの記述の順序は図5及び8に示した順序に限らず、任意の順序であってよい。また、本実施形態において、指導者は、演習用ネットワーク設定ウィンドウ(図11参照。)を用いて、演習用仮想ネットワークのトポロジのみを設定できたが、本発明はこれに限らず、演習用仮想ネットワークを構成する各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報も設定してよい。この場合、例えば、図12又は図13に示すような設定ウィンドウをディスプレイ6に表示して、指導者に対して各仮想デバイス4−1〜4−の設定情報を入力させて、入力された設定情報を、演習課題ファイル13−nの演習用仮想ネットワークの情報設定部102(図5参照。)に仮想デバイスタグvmを用いて記述すればよい。
【0072】
また、図3の自動採点処理のステップS15において、学習者によって入力された設定コマンドを実行した後に、設定情報ファイル14−1〜14−Nに基づいて、上述した通信ログ表示機能を実行するためのプログラム又はアニメーション機能を実行するためのプログラムを実行してもよい。これにより、学習者は、学習者が設定情報を変更した演習用仮想ネットワークにおいてパケットデータが送受信されるか、及び、パケットデータの通信経路を確認できる。従って、学習者は、学習者が入力した仮想デバイス4−1〜4−M毎の各設定項目の設定情報の正誤を確認できるのみならず、正しい設定情報を入力したとき及び誤った設定情報を入力したときに演習用仮想ネットワークがどのような動作をするのかを自学自習できる。
【0073】
さらに、演習課題ファイル13−nは、演習用仮想ネットワークの設定情報記述部102及び正答仮想ネットワークの設定情報記述部103のうち、少なくとも正答仮想ネットワークの設定情報記述部103を含めばよい。演習課題ファイル13−nが演習用仮想ネットワークの設定情報記述部102を含まない場合、CPU2は、自動採点処理において、以下の各ステップを実行する。
(a)学習者により、操作入力部7から、各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定項目毎に、演習課題に対する解答として入力される設定情報を設定するための設定コマンドに基づいて、各仮想デバイス4−1〜4−M毎に当該仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報を含む設定情報ファイル14−1〜14−Mを生成するステップと、
(b)各仮想デバイス4−1〜4−M毎に生成された設定情報ファイル14−1〜14−Mを、各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報を対応する設定項目毎にタグ付けして階層的に記述したテキストファイルである答案ファイル15に変換するステップと、
(c)選択された演習課題ファイル13−nに含まれる演習課題の正答となる各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報と、答案ファイル15に含まれる各仮想デバイス4−1〜4−Mの設定情報とを比較して、比較の結果を出力し又は表示するステップ。
【0074】
また、図3のステップS19において、比較結果を含むデータをハードディスクドライブ5に出力して格納してもよい。
【0075】
さらに、上記実施形態において、演習課題ファイル13−1〜13−Nと、設定情報ファイル14−1〜14−Mと、答案ファイル15とをハードディスクドライブ5に格納したが、本発明はこれに限らず、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの他の不揮発性の記録媒体に格納してもよい。
【0076】
また、上記実施形態において、ネットワーク構築演習装置1のOSのプログラム8はリナックス(登録商標)のプログラムであり、仮想デバイスプログラム9は、ユーザモードリナックスのプログラムであった。リナックス(登録商標)及びユーザモードリナックスの各プログラムは、無償であり、ソースが公開されているので、安価なネットワーク構築演習装置1を実現するために適している。また、ユーザモードリナックスは、ユーザモードプロセスとして実行されるので耐障害性並びに管理及び改変のしやすさの点で、ゼン(Xen)又はヴイエムウェア(VMWare(登録商標))などの他の仮想デバイスプログラムに比較して、ネットワーク構築演習装置1を安定して動作させるために適している。しかしながら、本発明はこれに限らず、OSのプログラム8は、任意のOSのプログラムであってよく、仮想デバイスプログラム9は、RAM4上で仮想デバイス4−1〜4−Mの機能を実行できる任意の仮想デバイスプログラムであってもよい。
【0077】
さらに、本実施形態において、プログラムなど8〜12及びその実行のためのデータをそれぞれハードディスクドライブ5に予め格納した。しかしながら、本発明はこれに限らず、CD−ROM又はDVDなどの、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムなど8〜12及びその実行のためのデータをそれぞれ、コンピュータなどのコントローラを含む光ディスクドライブにより再生して、ネットワーク構築演習装置1の外部インタフェース又はインターネットを介してハードディスクドライブ5に格納してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上詳述したように、本発明に係るネットワーク構築演習装置及びその制御方法によれば、演習課題ファイルに含まれる演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報と、答案ファイルに含まれる上記仮想デバイスの設定情報とを比較して、上記比較の結果を出力し又は表示するので、従来技術に比較して効率的に学習者に対してネットワーク構築演習の課題を課し、学習者が効率的にネットワーク構築演習を行うことができる。また、上記ネットワーク構築演習方法のステップを含むプログラム、並びに、当該プログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体を提供できる。
【符号の説明】
【0079】
1…ネットワーク構築演習装置、
2…CPU、
3…ROM、
4…RAM、
4−1〜4−M…仮想デバイス、
5…ハードディスクドライブ、
6…ディスプレイ、
7…操作入力部、
8…OSのプログラム、
9…仮想デバイスプログラム、
10…ネットワーク構築演習プログラム、
11…課題ファイル生成プログラム、
12…自動採点プログラム、
13−1〜13−N…演習課題ファイル、
14−1〜14−M…設定情報ファイル、
15…答案ファイル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットデータを用いて通信を行うパケット交換ネットワークを構築する演習を行うネットワーク構築演習装置であって、
所定の演習課題の正答となる複数の仮想デバイスの設定項目毎の設定情報を含む演習課題ファイルを格納する第1の記憶手段と、
上記ネットワーク構築演習装置の動作を制御する制御手段と、
学習者又は指導者により入力される指示コマンド及びデータを入力するための入力手段とを備え、
上記演習課題ファイルは、仮想デバイスの設定情報を設定項目毎にタグ付けして階層的に記述したテキストファイルであり、
上記制御手段は、
上記学習者により、上記入力手段から、上記各仮想デバイスの設定項目毎に、上記演習課題に対する解答として入力される設定情報を設定するための設定コマンドに基づいて、上記各仮想デバイス毎に当該仮想デバイスの設定情報を含む設定情報ファイルを生成するステップと、
上記各仮想デバイス毎に生成された設定情報ファイルを、上記各仮想デバイスの設定情報を対応する設定項目毎にタグ付けして階層的に記述したテキストファイルである答案ファイルに変換するステップと、
上記演習課題ファイルに含まれる上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報と、上記答案ファイルに含まれる上記各仮想デバイスの設定情報とを比較して、上記比較の結果を出力し又は表示するステップとを実行することを特徴とするネットワーク構築演習装置。
【請求項2】
上記第1の記憶手段は、(a)上記ネットワーク構築演習装置の全体の動作を制御するためのオペレーティングシステムのプログラムと、(b)パケットデータを用いて通信を行う通信機器を仮想的に実現するための仮想デバイスの機能を実行する仮想デバイスプログラムとをさらに格納し、
上記ネットワーク構築演習装置は、上記仮想プログラムを実行したときに、上記仮想デバイスの機能を実行するために必要な実行プログラムとそれを実行するために必要なデータとを格納する第2の記憶手段をさらに備え、
上記演習課題ファイルは、上記各仮想デバイスの設定情報に誤りがあり演習課題となる演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報と、上記各仮想デバイス間の接続情報とをさらに含み、
上記制御手段は、上記設定情報ファイルを生成するステップを実行する前に、上記オペレーティングシステムのプログラムを実行し、上記演習課題ファイルに含まれる上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報及び上記各仮想デバイス間の接続情報に基づいて、上記オペレーティングシステム上で、上記各仮想デバイス毎に上記仮想デバイスプログラムを実行することにより、上記各仮想デバイスが動作するように、上記各仮想デバイスの機能を実行するために必要な実行プログラムとそれを実行するために必要なデータとを上記第2の記憶手段に格納し、これにより、上記演習用仮想ネットワークを構築するステップを実行し、
上記設定情報ファイルを生成するステップは、上記学習者により、上記入力手段から、上記各仮想デバイスの設定項目毎に、上記演習課題に対する解答として入力される設定情報を設定するための設定コマンドを実行することにより、上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報を変更するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1記載のネットワーク構築演習装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記演習用仮想ネットワークを構築するステップを実行する前に、上記指導者により上記入力手段から入力される(a)上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報及び上記各仮想デバイス間の接続情報と、(b)上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報とに基づいて、上記演習課題ファイルを自動的に生成して上記第1の記憶手段に格納するステップを実行することを特徴とする請求項2記載のネットワーク構築演習装置。
【請求項4】
上記オペレーティングシステムのプログラムはリナックス(登録商標)であり、
上記仮想デバイスプログラムはユーザモードリナックスであることを特徴とする請求項2又は3記載のネットワーク構築演習装置。
【請求項5】
上記比較の結果を出力し又は表示するステップは、上記各仮想デバイス毎に、上記各設定項目に対応するタグを階層的に比較することにより、上記演習課題ファイルに含まれる上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報と、上記答案ファイルに含まれる上記各仮想デバイスの設定情報とを比較することを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載のネットワーク構築演習装置。
【請求項6】
上記演習課題ファイル及び上記答案ファイルは、XML(eXtensible Markup Language)形式で生成されたことを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載のネットワーク構築演習装置。
【請求項7】
上記各仮想デバイスの機能は、ルーティング機能又はパケットデータの送受信機能であることを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか1つに記載のネットワーク構築演習装置。
【請求項8】
パケットデータを用いて通信を行うパケット交換ネットワークを構築する演習を行うネットワーク構築演習装置のための制御方法であって、
上記ネットワーク構築演習装置は、
所定の演習課題の正答となる複数の仮想デバイスの設定項目毎の設定情報を含む演習課題ファイルを格納する第1の記憶手段と、
上記ネットワーク構築演習装置の動作を制御する制御手段と、
学習者又は指導者により入力される指示コマンド及びデータを入力するための入力手段とを備え、
上記演習課題ファイルは、仮想デバイスの設定情報を設定項目毎にタグ付けして階層的に記述したテキストファイルであり、
上記制御方法は、
上記学習者により、上記入力手段から、上記各仮想デバイスの設定項目毎に、上記演習課題に対する解答として入力される設定情報を設定するための設定コマンドに基づいて、上記各仮想デバイス毎に当該仮想デバイスの設定情報を含む設定情報ファイルを生成するステップと、
上記各仮想デバイス毎に生成された設定情報ファイルを、上記各仮想デバイスの設定情報を対応する設定項目毎にタグ付けして階層的に記述したテキストファイルである答案ファイルに変換するステップと、
上記演習課題ファイルに含まれる上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報と、上記答案ファイルに含まれる上記各仮想デバイスの設定情報とを比較して、上記比較の結果を出力し又は表示するステップとを含み、
上記制御方法の各ステップは上記制御手段により実行されることを特徴とするネットワーク構築演習装置のための制御方法。
【請求項9】
上記第1の記憶手段は、(a)上記ネットワーク構築演習装置の全体の動作を制御するためのオペレーティングシステムのプログラムと、(b)パケットデータを用いて通信を行う通信機器を仮想的に実現するための仮想デバイスの機能を実行する仮想デバイスプログラムとをさらに格納し、
上記ネットワーク構築演習装置は、上記仮想プログラムを実行したときに、上記仮想デバイスの機能を実行するために必要な実行プログラムとそれを実行するために必要なデータとを格納する第2の記憶手段をさらに備え、
上記演習課題ファイルは、上記各仮想デバイスの設定情報に誤りがあり演習課題となる演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報と、上記各仮想デバイス間の接続情報とをさらに含み、
上記制御方法は、上記設定情報ファイルを生成するステップを実行する前に、上記制御手段により、上記オペレーティングシステムのプログラムを実行し、上記演習課題ファイルに含まれる上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報及び上記各仮想デバイス間の接続情報に基づいて、上記オペレーティングシステム上で、上記各仮想デバイス毎に上記仮想デバイスプログラムを実行することにより、上記各仮想デバイスが動作するように、上記各仮想デバイスの機能を実行するために必要な実行プログラムとそれを実行するために必要なデータとを上記第2の記憶手段に格納し、これにより、上記演習用仮想ネットワークを構築するステップを実行することをさらに含み、
上記設定情報ファイルを生成するステップは、上記学習者により、上記入力手段から、上記各仮想デバイスの設定項目毎に、上記演習課題に対する解答として入力される設定情報を設定するための設定コマンドを実行することにより、上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報を変更するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8記載のネットワーク構築演習装置の制御方法。
【請求項10】
上記制御手段は、上記演習用仮想ネットワークを構築するステップを実行する前に、上記指導者により上記入力手段から入力される(a)上記演習用仮想ネットワークにおける上記各仮想デバイスの設定情報及び上記各仮想デバイス間の接続情報と、(b)上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報とに基づいて、上記演習課題ファイルを自動的に生成して上記第1の記憶手段に格納するステップを実行することを特徴とする請求項9記載のネットワーク構築演習装置の制御方法。
【請求項11】
上記オペレーティングシステムのプログラムはリナックス(登録商標)であり、
上記仮想デバイスプログラムはユーザモードリナックスであることを特徴とする請求項9又は10記載のネットワーク構築演習装置の制御方法。
【請求項12】
上記比較の結果を出力し又は表示するステップは、上記各仮想デバイス毎に、上記各設定項目に対応するタグを階層的に比較することにより、上記演習課題ファイルに含まれる上記演習課題の正答となる上記各仮想デバイスの設定情報と、上記答案ファイルに含まれる上記各仮想デバイスの設定情報とを比較することを特徴とする請求項8乃至11のうちのいずれか1つに記載のネットワーク構築演習装置の制御方法。
【請求項13】
上記演習課題ファイル及び上記答案ファイルは、XML形式で生成されたことを特徴とする請求項8乃至12のうちのいずれか1つに記載のネットワーク構築演習装置の制御方法。
【請求項14】
上記各仮想デバイスの機能は、ルーティング機能又はパケットデータの送受信機能であることを特徴とする請求項8乃至13のうちのいずれか1つに記載のネットワーク構築演習装置の制御方法。
【請求項15】
請求項7乃至14のうちのいずれか1つに記載のネットワーク構築演習方法における各ステップを含むことを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−15633(P2012−15633A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148000(P2010−148000)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人情報処理学会発行の「第72(平成22年)全国大会 講演論文集(4)」及び「情報処理学会創立50周年記念(第72回)全国大会 言語処理学会第16回年次大会 大会共通講演論文集DVD」の4−677〜4−678頁において、2010年3月8日に発表した。
【出願人】(000125347)学校法人近畿大学 (389)
【Fターム(参考)】