ノックアウト構造およびノックアウト付装置
【課題】 ノックアウトを小さな力で簡単に抜くことができるノックアウト構造を提供する。
【解決手段】 ノックアウト構造2は、壁部2aと、壁部2aの貫通孔2bを閉塞するように設けられるノックアウト2cと、そのノックアウト2cと壁部2a側とを連結する連結部2dと、コネクタ101をノックアウト2c側に螺進させるようそのコネクタ101のねじ部1aが螺合可能な螺合部2eとを備える。そこで、螺合部2eに螺合したコネクタ101をノックアウト2c側に螺進させることで、コネクタ101の先端面押圧部1bが、ノックアウト2cを徐々に押圧して連結部2dを破断し、ノックアウト2cを抜く。
【解決手段】 ノックアウト構造2は、壁部2aと、壁部2aの貫通孔2bを閉塞するように設けられるノックアウト2cと、そのノックアウト2cと壁部2a側とを連結する連結部2dと、コネクタ101をノックアウト2c側に螺進させるようそのコネクタ101のねじ部1aが螺合可能な螺合部2eとを備える。そこで、螺合部2eに螺合したコネクタ101をノックアウト2c側に螺進させることで、コネクタ101の先端面押圧部1bが、ノックアウト2cを徐々に押圧して連結部2dを破断し、ノックアウト2cを抜く。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、壁部の貫通孔を閉塞するノックアウト部分のノックアウト構造、およびそのノックアウト構造を備えたノックアウト付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば配線ボックスにおいて、配線挿通用の貫通孔を閉塞する閉塞部(ノックアウト)を除去するにあたって、プラスドライバが用いられた(例えば、特許文献1参照)。この配線ボックスにあっては、閉塞部に、工具係止部が設けられており、閉塞部を除去する際には、プラスドライバの先端部を工具係止部に係止させて、そのプラスドライバを介して閉塞部に衝撃力を加えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−54989
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の配線ボックスにあっては、閉塞部(ノックアウト)に、工具係止部が設けられるものの、閉塞部を除去する際には、その閉塞部に衝撃力という大きな力を加えなければならなかった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ノックアウトを小さな力で簡単に抜くことができる、ノックアウト構造およびノックアウト付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るノックアウト構造およびノックアウト付装置は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係るノックアウト構造は、壁部と、前記壁部の貫通孔を閉塞するように設けられるノックアウトと、前記ノックアウトと前記壁部側とを連結する連結部と、貫通体を前記ノックアウト側に螺進させるようその貫通体のねじ部が螺合可能な螺合部とを備える。そこで、前記螺合部に螺合した前記貫通体を前記ノックアウト側に螺進させることで、前記貫通体の先端面押圧部が、前記ノックアウトを徐々に押圧して前記連結部を破断し、前記ノックアウトを抜く。このノックアウト構造によると、ノックアウトを抜くにあたって、貫通体を螺進させてその貫通体の先端面押圧部でノックアウトを徐々に押圧することで、このノックアウトを小さな力で簡単に抜くことができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明に係るノックアウト構造は、請求項1に記載のノックアウト構造において、前記壁部には、内側が前記貫通孔となる筒が設けられ、その筒の内部に前記ノックアウトが設けられ、かつ、その筒の内周面または外周面に、前記螺合部が設けられている。
【0008】
また、請求項3に記載の発明に係るノックアウト構造は、請求項1または2に記載のノックアウト構造において、前記ノックアウトの周回りの一部には、前記貫通体の前記先端面押圧部に押圧される突起が設けられている。
【0009】
また、請求項4に記載の発明に係るノックアウト構造は、請求項3に記載のノックアウト構造において、前記突起は、前記ノックアウトの周回りに並ぶように複数設けられ、それら突起は、前記貫通体の螺進に伴って、前記ノックアウトの周回りの一方向の順に前記先端面押圧部が押圧するように、その高さが設定されている。
【0010】
また、請求項5に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項1または2に記載のノックアウト構造を有するノックアウト付部材と、前記貫通体とからなる。
【0011】
また、請求項6に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項5に記載のノックアウト付装置において、前記ノックアウトと前記貫通体には、前記先端面押圧部が、前記ノックアウトの周回りの一部を部分的に押圧する、部分押圧手段が設けられている。こうして、部分押圧手段により、ノックアウトの周回りの一部を部分的に押圧することで、その押圧される側から、連結部は、順に破断される。このため、この部分押圧手段によって、ノックアウトを一層小さな力で抜くことができる。
【0012】
また、請求項7に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項6に記載のノックアウト付装置において、前記部分押圧手段は、前記ねじ部と前記螺合部との螺合の軸心回りにその軸心と直交するように形成された、前記先端面押圧部と、前記ノックアウトの周回りの一部に突出して、前記先端面押圧部に押圧される、突起とからなる。
【0013】
また、請求項8に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項7に記載のノックアウト付装置において、前記突起は、前記ノックアウトの周回りに並ぶように複数設けられ、それら突起は、前記貫通体の螺進に伴って、前記ノックアウトの周回りの一方向の順に前記先端面押圧部が押圧するように、その高さが設定されている。
【0014】
また、請求項9に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項6に記載のノックアウト付装置において、前記部分押圧手段は、前記ねじ部と前記螺合部との螺合の軸心回りにその軸心と直交するように形成された、前記先端面押圧部と、前記軸心に対して傾斜するように形成されて、前記先端面押圧部に押圧される、前記ノックアウトの被押圧面とからなる。
【0015】
また、請求項10に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項6ないし9のいずれか1項に記載のノックアウト付装置において、前記連結部は、前記ノックアウトの周回り方向の一部が厚肉に形成されて、その厚肉部分が、前記ノックアウトが抜かれた後にも破断されることなく前記ノックアウトと前記壁部側とを繋げるものである。これにより、ノックアウトが抜かれたときに、そのノックアウトが不用意に飛んで人に当たったり隙間に入り込んだりすることがない。
【0016】
また、請求項11に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項6ないし9のいずれか1項に記載のノックアウト付装置において、前記ノックアウト付部材は、前記貫通体の螺進に伴い、前記部分押圧手段によって前記ノックアウトの周回りの一部が部分的に押圧されて、その押圧された側から破断される連結部の残された部分を支点とした回動により傾く、前記ノックアウトが、所定の角度を越えて傾くのを阻止する、阻止部を有する。こうして、阻止部により、ノックアウトが所定の角度を越えて傾くのを阻止することで、貫通体の先端面押圧部の押圧力が、連結部の破断されていない一部分に集中し、連結部の全体を確実に破断することができる。
【0017】
また、請求項12に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項5ないし11のいずれか1項に記載のノックアウト付装置において、前記ノックアウト付部材は、配線ボックスまたは配電函であって、前記貫通孔は、配線材の導入孔となっている。
【0018】
また、請求項13に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項11に記載のノックアウト付装置において、前記ノックアウト付部材は、配線ボックスまたは配電函であって、前記貫通孔は、配線材の導入孔となっている。そして、前記ノックアウト付部材は、その側壁または底壁の内面側に、前記貫通体の螺進による進行方向に対して傾斜して、前記貫通孔から導入された前記配線材を前記ノックアウト付部材の中央側に案内する、案内面を有し、その案内面が前記阻止部を兼ねる。こうして、案内面が阻止部を兼ねることで、別途阻止部を設ける必要がない。
【0019】
また、請求項14に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項5ないし13のいずれか1項に記載のノックアウト付装置において、前記貫通体は、前記ねじ部が前記螺合部にねじ込まれることで、前記ノックアウトを抜くとともに、前記ノックアウト付部材に取付け固定される、取着体である。こうして、ノックアウト付部材に取付け固定される取着体を、ノックアウトを抜くための貫通体として利用することで、別途貫通体を設ける必要がない。
【0020】
また、請求項15に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項14に記載のノックアウト付装置において、前記取着体は、鞘管が接続されるコネクタからなる。
【発明の効果】
【0021】
この発明に係るノックアウト構造およびノックアウト付装置によれば、貫通体のねじ部が螺合可能な螺合部を設け、貫通体を螺進させてノックアウトを徐々に押圧することで、このノックアウトを小さな力で簡単に抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施の形態の、ノックアウト付部材の斜視図である。
【図2】同じく、ノックアウト付部材の底面図である。
【図3】同じく、図2におけるA−A線による断面図である。
【図4】同じく、ノックアウト付部材の螺合部にコネクタをねじ込む途中の状態を示す断面図である。
【図5】同じく、ノックアウト付部材の螺合部へのコネクタのねじ込みを進めた状態を示す断面図である。
【図6】同じく、ノックアウト付部材の螺合部へのコネクタのねじ込みが完了した状態を示す断面図である。
【図7】この発明の第1の変形形態の、ノックアウト付部材の底面図である。
【図8】同じく、図7におけるB−B線による断面図である。
【図9】同じく、ノックアウト付部材の螺合部へのコネクタのねじ込みが完了した状態を示す断面図である。
【図10】この発明の第2の変形形態の、ノックアウト付部材の斜視図である。
【図11】同じく、ノックアウト付部材の底面図である。
【図12】同じく、図11におけるC−C線による断面図である。
【図13】同じく、図11におけるD−D線による断面図である。
【図14】同じく、ノックアウト付部材の螺合部にコネクタをねじ込む途中の状態を示す断面図である。
【図15】同じく、ノックアウト付部材の螺合部へのコネクタのねじ込みを進めた状態を示す断面図である。
【図16】同じく、ノックアウト付部材の螺合部へのコネクタのねじ込みが完了した状態を示す断面図である。
【図17】この発明の第3の変形形態の、ノックアウト付部材の螺合部にコネクタをねじ込む途中の状態を示す断面図である。
【図18】この発明の第4の変形形態の、ノックアウト付部材の螺合部にコネクタをねじ込む途中の状態を示す断面図である。
【図19】この発明の第5の変形形態の、ノックアウト付部材の螺合部にコネクタをねじ込む途中の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明に係るノックアウト構造およびノックアウト付装置を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1〜図6は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、貫通体であって、ねじ部1aを備える。2は、ノックアウト構造である。3は、ノックアウト付部材であって、前記ノックアウト構造2を有する。4は、ノックアウト付装置であって、前記ノックアウト付部材3と前記貫通体1とからなる。
【0025】
ここで、ノックアウト構造2は、壁部2aと、その壁部2aの貫通孔2bを閉塞するように設けられるノックアウト2c(閉塞部)と、そのノックアウト2cと壁部2aとを連結する連結部2dと、貫通体1をノックアウト2c側に螺進させるようにその貫通体1のねじ部1aが螺合可能な螺合部2eとを備える。そして、このノックアウト構造2では、螺合部2eに螺合した貫通体1をノックアウト2c側に螺進させることで、貫通体1の先端面押圧部1bが、ノックアウト2cを徐々に押圧して連結部2dを破断し、ノックアウト2cを抜くことにより、前記貫通孔2bの閉塞が解除されるようになっている(図4〜図6参照)。
【0026】
詳細には、ノックアウト2cと貫通体1には、貫通体1の先端面押圧部1bが、ノックアウト2cの周回りの一部を部分的に押圧する、部分押圧手段5が設けられている。この部分押圧手段5は、ねじ部1aと螺合部2eとの螺合の軸心6回りにその軸心6と直交するように形成された、前記先端面押圧部1bと、ノックアウト2cの板面の周回りの一部に突出して、先端面押圧部1bに押圧される、突起2fとからなる。より詳細には、前記突起2fは、ノックアウト2cの周回りに並ぶように複数設けられ、それら突起2f、2fは、貫通体1の螺進に伴って、ノックアウト2cの周回りの一方向の順に先端面押圧部1bが押圧するように、その高さが設定されている。
【0027】
具体的には、ノックアウト付部材3は、配線ボックス301であって、前記貫通孔2bは、配線材の導入孔となっている。ここで、配線ボックス301が、特にコンクリート埋設されるものであると、ノックアウト2cは、トロ防止用となるが、配線ボックス301は、このようなコンクリート埋設されるものに限定されない。この配線ボックス301となるノックアウト付部材3は、直方体形状であって、前面が開放する箱形形状をしている。そして、このノックアウト付部材3の例えば上壁3aおよび下壁3bが、ノックアウト2cが設けられる前記壁部2aとなっている。図示実施の形態においては、ノックアウト付部材3は、壁部2aとなっている上壁3aおよび下壁3bと、左右の側壁3c、3cと、底壁3dとを有する。また、左右の側壁3c、3cの上下の端部には、それら左右の側壁3c、3cが外方に膨出するようにして形成された膨出部3e、3eが設けられている。
【0028】
この壁部2aには、内側が前記貫通孔2bとなる筒2gが設けられて、その筒2gの内部にノックアウト2cが設けられる。詳細には、筒2gは、円筒状に形成され、壁部2aの外方であってその壁部2aに対して直交する方向に突出している。そして、ノックアウト2cは、筒2gの奥端に、壁部2aの延長上に設けられており、その内側面は、壁部2aの内壁面と面一となっている。このノックアウト2cは、円形形状であって、その中央部分2hが、一定の肉厚となり、周縁部分2iが、外周側ほど徐々に薄肉となって、薄板状に形成された前記連結部2dに続いている。
【0029】
ノックアウト2cにおける前記突起2fは、ノックアウト2cの表側であって、ノックアウト2cの周縁部分2iに、例えば二つ設けられ、これら二つの突起2f、2fは、高さが相対的に高い第1突起2jと、相対的に低い第2突起2kとからなる。
【0030】
そして、貫通体1の前記ねじ部1aは、雄ネジからなり、ノックアウト付部材3の前記螺合部2eは、雌ネジからなり、その螺合部2eが、筒2gの内周面であって、ノックアウト2cよりも手前側(外方側)に形成されている。図示実施の形態においては、この螺合部2eは、一周分のねじ山が、三つに分断されるようにして形成される。
【0031】
また、貫通体1は、ねじ部1aが螺合部2eにねじ込まれることで、ノックアウト2cを抜くとともに、ノックアウト付部材3に取付け固定される、取着体となっている。特に、図示実施の形態においては、この取着体、つまりは貫通体1は、鞘管7が接続されるコネクタ101からなる(図6参照)。このコネクタ101は、長手方向に貫通する筒形状をしており、一方側が、ノックアウト付部材3への取付部1cとなり、この取付部1cの外周面に、前記ねじ部1aとしての雄ネジが形成される。この取付部1cは、ノックアウト付部材3の筒2gの内側に挿入されるものであって、この取付部1cの先端面が、前記先端面押圧部1bとなる。そして、コネクタ101は、他方側が、鞘管7が接続される鞘管接続部1dとなっている。
【0032】
次に、以上の構成からなるノックアウト構造2およびノックアウト付装置4の作用効果について説明する。このノックアウト構造2とかノックアウト付装置4によると、ノックアウト付部材3の筒2gに、コネクタ101(取着体、貫通体1)のねじ部1aが螺合可能な螺合部2eを設け、ノックアウト2cを抜くにあたって、コネクタ101を螺進させてそのコネクタ101の先端面押圧部1bでノックアウト2cを徐々に押圧することで、このノックアウト2cを小さな力で簡単に抜くことができる。また、このノックアウト構造2は、従来のような衝撃による破断方式とは異なるため、連結部2dの破断が壁部2aの割れに進展する虞がない。
【0033】
また、部分押圧手段5により、先端面押圧部1bでノックアウト2cの板面の周回りの一部を部分的に押圧することで、その押圧される側から、連結部2dは、順に破断される(図4、図5参照)。このため、この部分押圧手段5によって、ノックアウト2cを一層小さな力で抜くことができる。なお、図示実施の形態においては、コネクタ101を螺合部2eにねじ込むことで、ノックアウト2cは、抜かれるとともに除去される(図6参照)。
【0034】
また、ノックアウト付部材3に取付け固定されるコネクタ101(取着体)を、ノックアウト2cを抜くための貫通体として利用することで、別途貫通体を設ける必要がなく、また、その貫通体でノックアウト2cを抜く作業が不要となる。
【0035】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、ノックアウト2cと壁部2a側とを連結する連結部2dは、図7〜図9に示すように、ノックアウト2cの周回り方向の一部が厚肉に形成されて、その厚肉部分2mが、ノックアウト2cが抜かれた後にも破断されることなくノックアウト2cと壁部2a側とを繋げてもよい。すなわち、図9に示すように、ノックアウト2cは、厚肉部分2mがヒンジとなって開いてもよい。これにより、ノックアウト2cが抜かれたときに、そのノックアウト2cが不用意に飛んで人に当たったり隙間に入り込んだりすることがない。ここで、ノックアウト2cは、邪魔にならなければ壁部2a側と繋がった状態のまま残してもよく、また、手で折り取るようにして除去してもよい。そして、ノックアウト2cを壁部2a側と繋がった状態のまま残すと、そのノックアウト2aは、ゴミになることがない。
【0036】
また、図10〜図16に示すように、ノックアウト付部材3は、コネクタ101(取着体、貫通体1)の螺進に伴い、既述の部分押圧手段5によってノックアウト2cの周回りの一部が部分的に押圧されて、その押圧された側から破断される連結部2dの残された部分を支点とした回動により傾く(つまり、コネクタ101の螺進による進行方向の側に傾く)、ノックアウト2cが、所定の角度を越えて傾くのを阻止する、阻止部3fを有してもよい。詳細には、ノックアウト付部材3は、配線ボックス301であって、貫通孔2bは、配線材の導入孔となっている。そして、配線ボックス301(ノックアウト付部材3)は、その側壁3cまたは底壁3d(図示実施の形態においては、側壁3c)の内面側に、コネクタ101(取着体、貫通体1)の螺進による進行方向に対して傾斜して、貫通孔2bから導入された配線材を配線ボックス301の中央側に案内する、案内面3gを有し、その案内面3gが前記阻止部3fを兼ねる。図示実施の形態においては、ノックアウト付部材3の左右の側壁3c、3cが上下の端部(つまり、壁部2aとしての上壁3aとか下壁3bの側の端部)にて外方に膨出した膨出部3e、3eの内面であって、側壁3cの中央寄りに位置する傾斜面である面3hが、前記案内面3gとなり、かつ、前記阻止部3fとなっている(図12、図13参照)。そして、この面3h(案内面3g)は、ノックアウト2cの奥側において、ノックアウト2cに対して部分的に覆い被さるように(つまり、コネクタ101の螺進による進行方向から見てノックアウト2cと部分的に重なるように)傾斜している。また、連結部2dは、ノックアウト2cの全周を壁部2a(上壁3a、下壁3b)側と連結するとともに、ノックアウト2cの周回り方向の一部が厚肉に形成されている。そして、ノックアウト2c(および筒2g)は、各壁部2a、2a(上壁3a、下壁3b)において、左右に2個並ぶように設けられており、それらノックアウト2c、2cの周回り方向における、壁部2a(上壁3a、下壁3b)の中央部P側に位置する一部が、厚肉に形成された厚肉部分2mとなっている(図11および図13〜図15参照)。
【0037】
そして、この図10〜図16に示す例にあっては、コネクタ101(取着体、貫通体1)の螺進に伴って、連結部2dが厚肉部分2mを残して破断されるとともに、ノックアウト2cが、厚肉部分2mを支点として、コネクタ101の螺進による進行方向側へと回動し、その回動により、初期位置(図示実施の形態においては、ノックアウト2cの内側面が壁部2aの内壁面と面一の状態にある位置)に対して傾く(図15参照)。すなわち、ノックアウト2cは、厚肉部分2mがヒンジとなって開き始める。そして、ノックアウト2cは、破断された側の周縁部が、阻止部3f(案内面3g)に当たって、それ以上傾くのが阻止される(つまり、ノックアウト2cが、前記周縁部が阻止部3fに当たった時の、壁部2aとのなす角度を越えて、傾くのが阻止される)。この状態で、さらにコネクタ101(取着体、貫通体1)を螺進させると、コネクタ101の先端面押圧部1bの、ノックアウト2cを押圧する押圧力が、厚肉部分2mに集中し、その結果、厚肉部分2mが破断される。こうして、連結部2dは、その全体が破断され、その後、抜かれたノックアウト2cは除去される(図16参照)。このように、阻止部3fにより、ノックアウト2cが所定の角度を越えて傾くのを阻止することで、コネクタ101(取着体、貫通体1)の先端面押圧部1bの押圧力が、連結部2dの破断されていない一部分(厚肉部分2m)に集中し、連結部2dの全体を確実に破断することができる。しかも、案内面3gが阻止部3fを兼ねることから、別途阻止部3fを設ける必要がない。なお、図示実施の形態においては、膨出部3eの内面における、側壁3cの中央寄りに位置する傾斜面である面3hが、案内面3gであり阻止部3fとなっているが、面3hを、壁部2aの壁面と平行となるように設ければ、この面3hは、阻止部3fであっても案内面3gとはならない。また、配線ボックス301(ノックアウト付部材3)は、底壁3dの内面側に、前記案内面を有し、その案内面が前記阻止部3fを兼ねてもよい。また、阻止部3fは、前記面3hとか前記案内面でなくてもよく、例えば、配線ボックス301(ノックアウト付部材3)の側壁3cや底壁3dの内面側に設けられた凸部とか突起物などであってもよい。
【0038】
また、ノックアウト2cに設けられる突起2j(2f)、2k(2f)は、貫通体1の螺進に伴って、ノックアウト2cの周回りの一方向の順に先端面押圧部1bが押圧するように、その高さが設定されているが、例えば、複数の突起2f、2fが、高さ違いにあって、その高さがノックアウト2cの周回りの一方向の順に並んでいなくともよい。
【0039】
また、ノックアウト2cには、第1突起2j(2f)と第2突起2k(2f)との複数の突起が設けられているが、例えば、第2突起2kは設けられず第1突起2jのみが設けられるというように、突起2fが、一つのみ設けられてもよい。
【0040】
また、部分押圧手段5は、上述の構成以外に、図17とか図18に示すように、ねじ部1aと螺合部2eとの螺合の軸心6回りにその軸心6と直交するように形成された、先端面押圧部1bと、軸心6に対して傾斜するように形成されて、先端面押圧部1bに押圧される、ノックアウト2cの被押圧面2nとからなってもよい。すなわち、図17に示す例では、ノックアウト2cの被押圧面2nが、軸心6と直交する壁部2aの壁面に対して、傾斜することで、その被押圧面2nが、前記軸心6に対して傾斜する。また、この場合には、図17に示す以外に、ノックアウト2cが、ノックアウト本体と、そのノックアウト本体とは別体の、被押圧面2nを形成する被押圧面形成体とから構成されてもよい。また、図18に示す例では、前記軸心6が、壁部2aの壁面に対して直交することなく傾斜することで、ノックアウト2cの被押圧面2nが、前記軸心6に対して傾斜することとなる。
【0041】
また、図示を省略するが、部分押圧手段5は、ねじ部1aと螺合部2eとの螺合の軸心6に対して傾斜するように形成された、先端面押圧部1bと、軸心6と直交するように形成されて、先端面押圧部1bに押圧される、ノックアウト2cの被押圧面2nとからなってもよい。
【0042】
また、ノックアウト付装置4には、部分押圧手段5を設けることなく、コネクタ101(取着体、貫通体1)の先端面押圧部1bが、ノックアウト2cの板面の周回りの全体を押圧するようにしてもよい。
【0043】
また、コネクタ101(取着体、貫通体1)のねじ部1aは、雄ネジからなり、ノックアウト付部材3の螺合部2eは、雌ネジからなるが、反対に、図19に示すように、コネクタ101(取着体、貫通体1)のねじ部1aが、雌ネジからなり、ノックアウト付部材3の螺合部2eが、雄ネジからなってもよい。ここで、コネクタ101における、ノックアウト付部材3への取付部1cは、ノックアウト付部材3の筒2gの外周に嵌まるように筒状に形成される。そして、その取付部1cの内周面に、雌ネジとなるねじ部1aが形成され、筒2gの外周面に、雄ネジとなる螺合部2eが形成される。また、コネクタ101には、筒2gの内側に挿入されるように、取付部1cの内側に内筒部1eを備えており、この内筒部1eの先端面が、前記先端面押圧部1bとなる。
【0044】
また、筒2gは、壁部2aの外方に突出しなくとも、内方に突出したり、外方と内方との両方に突出してもよい。そして、ノックアウト2cは、壁部2aの延長上でなくとも、壁部2aの延長上より手前側または奥側のずれた位置に設けられてもよく、また、壁部2aに対して傾斜してもよい。また、ノックアウト2cは、筒2gの先端に設けられても、その先端から内側に入った位置に設けられてもよい。さらに、螺合部2eが雌ネジであって、壁部2aが充分厚い場合には、筒2gを設けることなく、貫通孔2bに、ノックアウト2cと螺合部2eを設けてもよい。
【0045】
また、コネクタ101(取着体、貫通体1)の先端面押圧部1bは、ノックアウト2cを抜くことができるのであれば、壁部2aの延長上を通過するものに限ることはなく、通過しなくてもよい。すなわち、コネクタ101(取着体)にあっては、壁部2aの裏側に先端面押圧部1bが突出しない状態でノックアウト付部材3に取付け固定されてもよい。
【0046】
また、貫通体1となる取着体は、コネクタ101からならなくとも、ブッシング等からなってもよい。また、貫通体1は、取着体でなくとも、ノックアウト2cを抜いた後に取り外されるものであってもよい。
【0047】
また、貫通体1は、そのねじ部1aが、ノックアウト付部材3の外側から螺合部2eにねじ込まれるが、ノックアウト2cと螺合部2eとの並びを逆にしたりして、ノックアウト付部材3の内側からねじ込まれてもよい。
【0048】
また、連結部2dは、ノックアウト2cの全周を壁部2a側と連結する以外に、ノックアウト2cの周囲の何ヵ所かを壁部2a側と連結するように断続的に形成されてもよい。
【0049】
また、ノックアウト付部材3は、配線ボックス301の他、配電函等の、電気器具が収容される箱体とか、単に配線材が通る箱体であって、貫通孔2bは、配線材の導入孔となっていてもよい。ここで、配電函が、特に屋外で使用される露出配電函であると、ノックアウト2cは、雨水防止用となるが、配電函は、このような露出配電函に限定されない。
【0050】
また、ノックアウト付部材3は、配管ボックス301とか水栓ボックス等の箱体であって、貫通孔2bは、配管材の導入孔となっていてもよい。さらに、ノックアウト付部材3は、箱体からならなくとも、パネルとかプレート等の箱を構成しないものであってもよい。
【0051】
また、壁部2aの筒2gに替えて、ノックアウト2cを取り囲む、C字状の突出部とか複数の突起部とかを設け、その内面(内周面)あるいは外面(外周面)に、螺合部2eが形成されてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 貫通体
101 コネクタ
1a ねじ部
1b 先端面押圧部
2 ノックアウト構造
2a 壁部
2b 貫通孔
2c ノックアウト
2d 連結部
2e 螺合部
2f 突起
2g 筒
2m 厚肉部分
2n 被押圧面
3 ノックアウト付部材
301 配線ボックス
3c 側壁
3d 底壁
3f 阻止部
3g 案内面
4 ノックアウト付装置
5 部分押圧手段
6 軸心
7 鞘管
【技術分野】
【0001】
この発明は、壁部の貫通孔を閉塞するノックアウト部分のノックアウト構造、およびそのノックアウト構造を備えたノックアウト付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば配線ボックスにおいて、配線挿通用の貫通孔を閉塞する閉塞部(ノックアウト)を除去するにあたって、プラスドライバが用いられた(例えば、特許文献1参照)。この配線ボックスにあっては、閉塞部に、工具係止部が設けられており、閉塞部を除去する際には、プラスドライバの先端部を工具係止部に係止させて、そのプラスドライバを介して閉塞部に衝撃力を加えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−54989
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の配線ボックスにあっては、閉塞部(ノックアウト)に、工具係止部が設けられるものの、閉塞部を除去する際には、その閉塞部に衝撃力という大きな力を加えなければならなかった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ノックアウトを小さな力で簡単に抜くことができる、ノックアウト構造およびノックアウト付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るノックアウト構造およびノックアウト付装置は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係るノックアウト構造は、壁部と、前記壁部の貫通孔を閉塞するように設けられるノックアウトと、前記ノックアウトと前記壁部側とを連結する連結部と、貫通体を前記ノックアウト側に螺進させるようその貫通体のねじ部が螺合可能な螺合部とを備える。そこで、前記螺合部に螺合した前記貫通体を前記ノックアウト側に螺進させることで、前記貫通体の先端面押圧部が、前記ノックアウトを徐々に押圧して前記連結部を破断し、前記ノックアウトを抜く。このノックアウト構造によると、ノックアウトを抜くにあたって、貫通体を螺進させてその貫通体の先端面押圧部でノックアウトを徐々に押圧することで、このノックアウトを小さな力で簡単に抜くことができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明に係るノックアウト構造は、請求項1に記載のノックアウト構造において、前記壁部には、内側が前記貫通孔となる筒が設けられ、その筒の内部に前記ノックアウトが設けられ、かつ、その筒の内周面または外周面に、前記螺合部が設けられている。
【0008】
また、請求項3に記載の発明に係るノックアウト構造は、請求項1または2に記載のノックアウト構造において、前記ノックアウトの周回りの一部には、前記貫通体の前記先端面押圧部に押圧される突起が設けられている。
【0009】
また、請求項4に記載の発明に係るノックアウト構造は、請求項3に記載のノックアウト構造において、前記突起は、前記ノックアウトの周回りに並ぶように複数設けられ、それら突起は、前記貫通体の螺進に伴って、前記ノックアウトの周回りの一方向の順に前記先端面押圧部が押圧するように、その高さが設定されている。
【0010】
また、請求項5に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項1または2に記載のノックアウト構造を有するノックアウト付部材と、前記貫通体とからなる。
【0011】
また、請求項6に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項5に記載のノックアウト付装置において、前記ノックアウトと前記貫通体には、前記先端面押圧部が、前記ノックアウトの周回りの一部を部分的に押圧する、部分押圧手段が設けられている。こうして、部分押圧手段により、ノックアウトの周回りの一部を部分的に押圧することで、その押圧される側から、連結部は、順に破断される。このため、この部分押圧手段によって、ノックアウトを一層小さな力で抜くことができる。
【0012】
また、請求項7に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項6に記載のノックアウト付装置において、前記部分押圧手段は、前記ねじ部と前記螺合部との螺合の軸心回りにその軸心と直交するように形成された、前記先端面押圧部と、前記ノックアウトの周回りの一部に突出して、前記先端面押圧部に押圧される、突起とからなる。
【0013】
また、請求項8に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項7に記載のノックアウト付装置において、前記突起は、前記ノックアウトの周回りに並ぶように複数設けられ、それら突起は、前記貫通体の螺進に伴って、前記ノックアウトの周回りの一方向の順に前記先端面押圧部が押圧するように、その高さが設定されている。
【0014】
また、請求項9に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項6に記載のノックアウト付装置において、前記部分押圧手段は、前記ねじ部と前記螺合部との螺合の軸心回りにその軸心と直交するように形成された、前記先端面押圧部と、前記軸心に対して傾斜するように形成されて、前記先端面押圧部に押圧される、前記ノックアウトの被押圧面とからなる。
【0015】
また、請求項10に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項6ないし9のいずれか1項に記載のノックアウト付装置において、前記連結部は、前記ノックアウトの周回り方向の一部が厚肉に形成されて、その厚肉部分が、前記ノックアウトが抜かれた後にも破断されることなく前記ノックアウトと前記壁部側とを繋げるものである。これにより、ノックアウトが抜かれたときに、そのノックアウトが不用意に飛んで人に当たったり隙間に入り込んだりすることがない。
【0016】
また、請求項11に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項6ないし9のいずれか1項に記載のノックアウト付装置において、前記ノックアウト付部材は、前記貫通体の螺進に伴い、前記部分押圧手段によって前記ノックアウトの周回りの一部が部分的に押圧されて、その押圧された側から破断される連結部の残された部分を支点とした回動により傾く、前記ノックアウトが、所定の角度を越えて傾くのを阻止する、阻止部を有する。こうして、阻止部により、ノックアウトが所定の角度を越えて傾くのを阻止することで、貫通体の先端面押圧部の押圧力が、連結部の破断されていない一部分に集中し、連結部の全体を確実に破断することができる。
【0017】
また、請求項12に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項5ないし11のいずれか1項に記載のノックアウト付装置において、前記ノックアウト付部材は、配線ボックスまたは配電函であって、前記貫通孔は、配線材の導入孔となっている。
【0018】
また、請求項13に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項11に記載のノックアウト付装置において、前記ノックアウト付部材は、配線ボックスまたは配電函であって、前記貫通孔は、配線材の導入孔となっている。そして、前記ノックアウト付部材は、その側壁または底壁の内面側に、前記貫通体の螺進による進行方向に対して傾斜して、前記貫通孔から導入された前記配線材を前記ノックアウト付部材の中央側に案内する、案内面を有し、その案内面が前記阻止部を兼ねる。こうして、案内面が阻止部を兼ねることで、別途阻止部を設ける必要がない。
【0019】
また、請求項14に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項5ないし13のいずれか1項に記載のノックアウト付装置において、前記貫通体は、前記ねじ部が前記螺合部にねじ込まれることで、前記ノックアウトを抜くとともに、前記ノックアウト付部材に取付け固定される、取着体である。こうして、ノックアウト付部材に取付け固定される取着体を、ノックアウトを抜くための貫通体として利用することで、別途貫通体を設ける必要がない。
【0020】
また、請求項15に記載の発明に係るノックアウト付装置は、請求項14に記載のノックアウト付装置において、前記取着体は、鞘管が接続されるコネクタからなる。
【発明の効果】
【0021】
この発明に係るノックアウト構造およびノックアウト付装置によれば、貫通体のねじ部が螺合可能な螺合部を設け、貫通体を螺進させてノックアウトを徐々に押圧することで、このノックアウトを小さな力で簡単に抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施の形態の、ノックアウト付部材の斜視図である。
【図2】同じく、ノックアウト付部材の底面図である。
【図3】同じく、図2におけるA−A線による断面図である。
【図4】同じく、ノックアウト付部材の螺合部にコネクタをねじ込む途中の状態を示す断面図である。
【図5】同じく、ノックアウト付部材の螺合部へのコネクタのねじ込みを進めた状態を示す断面図である。
【図6】同じく、ノックアウト付部材の螺合部へのコネクタのねじ込みが完了した状態を示す断面図である。
【図7】この発明の第1の変形形態の、ノックアウト付部材の底面図である。
【図8】同じく、図7におけるB−B線による断面図である。
【図9】同じく、ノックアウト付部材の螺合部へのコネクタのねじ込みが完了した状態を示す断面図である。
【図10】この発明の第2の変形形態の、ノックアウト付部材の斜視図である。
【図11】同じく、ノックアウト付部材の底面図である。
【図12】同じく、図11におけるC−C線による断面図である。
【図13】同じく、図11におけるD−D線による断面図である。
【図14】同じく、ノックアウト付部材の螺合部にコネクタをねじ込む途中の状態を示す断面図である。
【図15】同じく、ノックアウト付部材の螺合部へのコネクタのねじ込みを進めた状態を示す断面図である。
【図16】同じく、ノックアウト付部材の螺合部へのコネクタのねじ込みが完了した状態を示す断面図である。
【図17】この発明の第3の変形形態の、ノックアウト付部材の螺合部にコネクタをねじ込む途中の状態を示す断面図である。
【図18】この発明の第4の変形形態の、ノックアウト付部材の螺合部にコネクタをねじ込む途中の状態を示す断面図である。
【図19】この発明の第5の変形形態の、ノックアウト付部材の螺合部にコネクタをねじ込む途中の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明に係るノックアウト構造およびノックアウト付装置を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1〜図6は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、貫通体であって、ねじ部1aを備える。2は、ノックアウト構造である。3は、ノックアウト付部材であって、前記ノックアウト構造2を有する。4は、ノックアウト付装置であって、前記ノックアウト付部材3と前記貫通体1とからなる。
【0025】
ここで、ノックアウト構造2は、壁部2aと、その壁部2aの貫通孔2bを閉塞するように設けられるノックアウト2c(閉塞部)と、そのノックアウト2cと壁部2aとを連結する連結部2dと、貫通体1をノックアウト2c側に螺進させるようにその貫通体1のねじ部1aが螺合可能な螺合部2eとを備える。そして、このノックアウト構造2では、螺合部2eに螺合した貫通体1をノックアウト2c側に螺進させることで、貫通体1の先端面押圧部1bが、ノックアウト2cを徐々に押圧して連結部2dを破断し、ノックアウト2cを抜くことにより、前記貫通孔2bの閉塞が解除されるようになっている(図4〜図6参照)。
【0026】
詳細には、ノックアウト2cと貫通体1には、貫通体1の先端面押圧部1bが、ノックアウト2cの周回りの一部を部分的に押圧する、部分押圧手段5が設けられている。この部分押圧手段5は、ねじ部1aと螺合部2eとの螺合の軸心6回りにその軸心6と直交するように形成された、前記先端面押圧部1bと、ノックアウト2cの板面の周回りの一部に突出して、先端面押圧部1bに押圧される、突起2fとからなる。より詳細には、前記突起2fは、ノックアウト2cの周回りに並ぶように複数設けられ、それら突起2f、2fは、貫通体1の螺進に伴って、ノックアウト2cの周回りの一方向の順に先端面押圧部1bが押圧するように、その高さが設定されている。
【0027】
具体的には、ノックアウト付部材3は、配線ボックス301であって、前記貫通孔2bは、配線材の導入孔となっている。ここで、配線ボックス301が、特にコンクリート埋設されるものであると、ノックアウト2cは、トロ防止用となるが、配線ボックス301は、このようなコンクリート埋設されるものに限定されない。この配線ボックス301となるノックアウト付部材3は、直方体形状であって、前面が開放する箱形形状をしている。そして、このノックアウト付部材3の例えば上壁3aおよび下壁3bが、ノックアウト2cが設けられる前記壁部2aとなっている。図示実施の形態においては、ノックアウト付部材3は、壁部2aとなっている上壁3aおよび下壁3bと、左右の側壁3c、3cと、底壁3dとを有する。また、左右の側壁3c、3cの上下の端部には、それら左右の側壁3c、3cが外方に膨出するようにして形成された膨出部3e、3eが設けられている。
【0028】
この壁部2aには、内側が前記貫通孔2bとなる筒2gが設けられて、その筒2gの内部にノックアウト2cが設けられる。詳細には、筒2gは、円筒状に形成され、壁部2aの外方であってその壁部2aに対して直交する方向に突出している。そして、ノックアウト2cは、筒2gの奥端に、壁部2aの延長上に設けられており、その内側面は、壁部2aの内壁面と面一となっている。このノックアウト2cは、円形形状であって、その中央部分2hが、一定の肉厚となり、周縁部分2iが、外周側ほど徐々に薄肉となって、薄板状に形成された前記連結部2dに続いている。
【0029】
ノックアウト2cにおける前記突起2fは、ノックアウト2cの表側であって、ノックアウト2cの周縁部分2iに、例えば二つ設けられ、これら二つの突起2f、2fは、高さが相対的に高い第1突起2jと、相対的に低い第2突起2kとからなる。
【0030】
そして、貫通体1の前記ねじ部1aは、雄ネジからなり、ノックアウト付部材3の前記螺合部2eは、雌ネジからなり、その螺合部2eが、筒2gの内周面であって、ノックアウト2cよりも手前側(外方側)に形成されている。図示実施の形態においては、この螺合部2eは、一周分のねじ山が、三つに分断されるようにして形成される。
【0031】
また、貫通体1は、ねじ部1aが螺合部2eにねじ込まれることで、ノックアウト2cを抜くとともに、ノックアウト付部材3に取付け固定される、取着体となっている。特に、図示実施の形態においては、この取着体、つまりは貫通体1は、鞘管7が接続されるコネクタ101からなる(図6参照)。このコネクタ101は、長手方向に貫通する筒形状をしており、一方側が、ノックアウト付部材3への取付部1cとなり、この取付部1cの外周面に、前記ねじ部1aとしての雄ネジが形成される。この取付部1cは、ノックアウト付部材3の筒2gの内側に挿入されるものであって、この取付部1cの先端面が、前記先端面押圧部1bとなる。そして、コネクタ101は、他方側が、鞘管7が接続される鞘管接続部1dとなっている。
【0032】
次に、以上の構成からなるノックアウト構造2およびノックアウト付装置4の作用効果について説明する。このノックアウト構造2とかノックアウト付装置4によると、ノックアウト付部材3の筒2gに、コネクタ101(取着体、貫通体1)のねじ部1aが螺合可能な螺合部2eを設け、ノックアウト2cを抜くにあたって、コネクタ101を螺進させてそのコネクタ101の先端面押圧部1bでノックアウト2cを徐々に押圧することで、このノックアウト2cを小さな力で簡単に抜くことができる。また、このノックアウト構造2は、従来のような衝撃による破断方式とは異なるため、連結部2dの破断が壁部2aの割れに進展する虞がない。
【0033】
また、部分押圧手段5により、先端面押圧部1bでノックアウト2cの板面の周回りの一部を部分的に押圧することで、その押圧される側から、連結部2dは、順に破断される(図4、図5参照)。このため、この部分押圧手段5によって、ノックアウト2cを一層小さな力で抜くことができる。なお、図示実施の形態においては、コネクタ101を螺合部2eにねじ込むことで、ノックアウト2cは、抜かれるとともに除去される(図6参照)。
【0034】
また、ノックアウト付部材3に取付け固定されるコネクタ101(取着体)を、ノックアウト2cを抜くための貫通体として利用することで、別途貫通体を設ける必要がなく、また、その貫通体でノックアウト2cを抜く作業が不要となる。
【0035】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、ノックアウト2cと壁部2a側とを連結する連結部2dは、図7〜図9に示すように、ノックアウト2cの周回り方向の一部が厚肉に形成されて、その厚肉部分2mが、ノックアウト2cが抜かれた後にも破断されることなくノックアウト2cと壁部2a側とを繋げてもよい。すなわち、図9に示すように、ノックアウト2cは、厚肉部分2mがヒンジとなって開いてもよい。これにより、ノックアウト2cが抜かれたときに、そのノックアウト2cが不用意に飛んで人に当たったり隙間に入り込んだりすることがない。ここで、ノックアウト2cは、邪魔にならなければ壁部2a側と繋がった状態のまま残してもよく、また、手で折り取るようにして除去してもよい。そして、ノックアウト2cを壁部2a側と繋がった状態のまま残すと、そのノックアウト2aは、ゴミになることがない。
【0036】
また、図10〜図16に示すように、ノックアウト付部材3は、コネクタ101(取着体、貫通体1)の螺進に伴い、既述の部分押圧手段5によってノックアウト2cの周回りの一部が部分的に押圧されて、その押圧された側から破断される連結部2dの残された部分を支点とした回動により傾く(つまり、コネクタ101の螺進による進行方向の側に傾く)、ノックアウト2cが、所定の角度を越えて傾くのを阻止する、阻止部3fを有してもよい。詳細には、ノックアウト付部材3は、配線ボックス301であって、貫通孔2bは、配線材の導入孔となっている。そして、配線ボックス301(ノックアウト付部材3)は、その側壁3cまたは底壁3d(図示実施の形態においては、側壁3c)の内面側に、コネクタ101(取着体、貫通体1)の螺進による進行方向に対して傾斜して、貫通孔2bから導入された配線材を配線ボックス301の中央側に案内する、案内面3gを有し、その案内面3gが前記阻止部3fを兼ねる。図示実施の形態においては、ノックアウト付部材3の左右の側壁3c、3cが上下の端部(つまり、壁部2aとしての上壁3aとか下壁3bの側の端部)にて外方に膨出した膨出部3e、3eの内面であって、側壁3cの中央寄りに位置する傾斜面である面3hが、前記案内面3gとなり、かつ、前記阻止部3fとなっている(図12、図13参照)。そして、この面3h(案内面3g)は、ノックアウト2cの奥側において、ノックアウト2cに対して部分的に覆い被さるように(つまり、コネクタ101の螺進による進行方向から見てノックアウト2cと部分的に重なるように)傾斜している。また、連結部2dは、ノックアウト2cの全周を壁部2a(上壁3a、下壁3b)側と連結するとともに、ノックアウト2cの周回り方向の一部が厚肉に形成されている。そして、ノックアウト2c(および筒2g)は、各壁部2a、2a(上壁3a、下壁3b)において、左右に2個並ぶように設けられており、それらノックアウト2c、2cの周回り方向における、壁部2a(上壁3a、下壁3b)の中央部P側に位置する一部が、厚肉に形成された厚肉部分2mとなっている(図11および図13〜図15参照)。
【0037】
そして、この図10〜図16に示す例にあっては、コネクタ101(取着体、貫通体1)の螺進に伴って、連結部2dが厚肉部分2mを残して破断されるとともに、ノックアウト2cが、厚肉部分2mを支点として、コネクタ101の螺進による進行方向側へと回動し、その回動により、初期位置(図示実施の形態においては、ノックアウト2cの内側面が壁部2aの内壁面と面一の状態にある位置)に対して傾く(図15参照)。すなわち、ノックアウト2cは、厚肉部分2mがヒンジとなって開き始める。そして、ノックアウト2cは、破断された側の周縁部が、阻止部3f(案内面3g)に当たって、それ以上傾くのが阻止される(つまり、ノックアウト2cが、前記周縁部が阻止部3fに当たった時の、壁部2aとのなす角度を越えて、傾くのが阻止される)。この状態で、さらにコネクタ101(取着体、貫通体1)を螺進させると、コネクタ101の先端面押圧部1bの、ノックアウト2cを押圧する押圧力が、厚肉部分2mに集中し、その結果、厚肉部分2mが破断される。こうして、連結部2dは、その全体が破断され、その後、抜かれたノックアウト2cは除去される(図16参照)。このように、阻止部3fにより、ノックアウト2cが所定の角度を越えて傾くのを阻止することで、コネクタ101(取着体、貫通体1)の先端面押圧部1bの押圧力が、連結部2dの破断されていない一部分(厚肉部分2m)に集中し、連結部2dの全体を確実に破断することができる。しかも、案内面3gが阻止部3fを兼ねることから、別途阻止部3fを設ける必要がない。なお、図示実施の形態においては、膨出部3eの内面における、側壁3cの中央寄りに位置する傾斜面である面3hが、案内面3gであり阻止部3fとなっているが、面3hを、壁部2aの壁面と平行となるように設ければ、この面3hは、阻止部3fであっても案内面3gとはならない。また、配線ボックス301(ノックアウト付部材3)は、底壁3dの内面側に、前記案内面を有し、その案内面が前記阻止部3fを兼ねてもよい。また、阻止部3fは、前記面3hとか前記案内面でなくてもよく、例えば、配線ボックス301(ノックアウト付部材3)の側壁3cや底壁3dの内面側に設けられた凸部とか突起物などであってもよい。
【0038】
また、ノックアウト2cに設けられる突起2j(2f)、2k(2f)は、貫通体1の螺進に伴って、ノックアウト2cの周回りの一方向の順に先端面押圧部1bが押圧するように、その高さが設定されているが、例えば、複数の突起2f、2fが、高さ違いにあって、その高さがノックアウト2cの周回りの一方向の順に並んでいなくともよい。
【0039】
また、ノックアウト2cには、第1突起2j(2f)と第2突起2k(2f)との複数の突起が設けられているが、例えば、第2突起2kは設けられず第1突起2jのみが設けられるというように、突起2fが、一つのみ設けられてもよい。
【0040】
また、部分押圧手段5は、上述の構成以外に、図17とか図18に示すように、ねじ部1aと螺合部2eとの螺合の軸心6回りにその軸心6と直交するように形成された、先端面押圧部1bと、軸心6に対して傾斜するように形成されて、先端面押圧部1bに押圧される、ノックアウト2cの被押圧面2nとからなってもよい。すなわち、図17に示す例では、ノックアウト2cの被押圧面2nが、軸心6と直交する壁部2aの壁面に対して、傾斜することで、その被押圧面2nが、前記軸心6に対して傾斜する。また、この場合には、図17に示す以外に、ノックアウト2cが、ノックアウト本体と、そのノックアウト本体とは別体の、被押圧面2nを形成する被押圧面形成体とから構成されてもよい。また、図18に示す例では、前記軸心6が、壁部2aの壁面に対して直交することなく傾斜することで、ノックアウト2cの被押圧面2nが、前記軸心6に対して傾斜することとなる。
【0041】
また、図示を省略するが、部分押圧手段5は、ねじ部1aと螺合部2eとの螺合の軸心6に対して傾斜するように形成された、先端面押圧部1bと、軸心6と直交するように形成されて、先端面押圧部1bに押圧される、ノックアウト2cの被押圧面2nとからなってもよい。
【0042】
また、ノックアウト付装置4には、部分押圧手段5を設けることなく、コネクタ101(取着体、貫通体1)の先端面押圧部1bが、ノックアウト2cの板面の周回りの全体を押圧するようにしてもよい。
【0043】
また、コネクタ101(取着体、貫通体1)のねじ部1aは、雄ネジからなり、ノックアウト付部材3の螺合部2eは、雌ネジからなるが、反対に、図19に示すように、コネクタ101(取着体、貫通体1)のねじ部1aが、雌ネジからなり、ノックアウト付部材3の螺合部2eが、雄ネジからなってもよい。ここで、コネクタ101における、ノックアウト付部材3への取付部1cは、ノックアウト付部材3の筒2gの外周に嵌まるように筒状に形成される。そして、その取付部1cの内周面に、雌ネジとなるねじ部1aが形成され、筒2gの外周面に、雄ネジとなる螺合部2eが形成される。また、コネクタ101には、筒2gの内側に挿入されるように、取付部1cの内側に内筒部1eを備えており、この内筒部1eの先端面が、前記先端面押圧部1bとなる。
【0044】
また、筒2gは、壁部2aの外方に突出しなくとも、内方に突出したり、外方と内方との両方に突出してもよい。そして、ノックアウト2cは、壁部2aの延長上でなくとも、壁部2aの延長上より手前側または奥側のずれた位置に設けられてもよく、また、壁部2aに対して傾斜してもよい。また、ノックアウト2cは、筒2gの先端に設けられても、その先端から内側に入った位置に設けられてもよい。さらに、螺合部2eが雌ネジであって、壁部2aが充分厚い場合には、筒2gを設けることなく、貫通孔2bに、ノックアウト2cと螺合部2eを設けてもよい。
【0045】
また、コネクタ101(取着体、貫通体1)の先端面押圧部1bは、ノックアウト2cを抜くことができるのであれば、壁部2aの延長上を通過するものに限ることはなく、通過しなくてもよい。すなわち、コネクタ101(取着体)にあっては、壁部2aの裏側に先端面押圧部1bが突出しない状態でノックアウト付部材3に取付け固定されてもよい。
【0046】
また、貫通体1となる取着体は、コネクタ101からならなくとも、ブッシング等からなってもよい。また、貫通体1は、取着体でなくとも、ノックアウト2cを抜いた後に取り外されるものであってもよい。
【0047】
また、貫通体1は、そのねじ部1aが、ノックアウト付部材3の外側から螺合部2eにねじ込まれるが、ノックアウト2cと螺合部2eとの並びを逆にしたりして、ノックアウト付部材3の内側からねじ込まれてもよい。
【0048】
また、連結部2dは、ノックアウト2cの全周を壁部2a側と連結する以外に、ノックアウト2cの周囲の何ヵ所かを壁部2a側と連結するように断続的に形成されてもよい。
【0049】
また、ノックアウト付部材3は、配線ボックス301の他、配電函等の、電気器具が収容される箱体とか、単に配線材が通る箱体であって、貫通孔2bは、配線材の導入孔となっていてもよい。ここで、配電函が、特に屋外で使用される露出配電函であると、ノックアウト2cは、雨水防止用となるが、配電函は、このような露出配電函に限定されない。
【0050】
また、ノックアウト付部材3は、配管ボックス301とか水栓ボックス等の箱体であって、貫通孔2bは、配管材の導入孔となっていてもよい。さらに、ノックアウト付部材3は、箱体からならなくとも、パネルとかプレート等の箱を構成しないものであってもよい。
【0051】
また、壁部2aの筒2gに替えて、ノックアウト2cを取り囲む、C字状の突出部とか複数の突起部とかを設け、その内面(内周面)あるいは外面(外周面)に、螺合部2eが形成されてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 貫通体
101 コネクタ
1a ねじ部
1b 先端面押圧部
2 ノックアウト構造
2a 壁部
2b 貫通孔
2c ノックアウト
2d 連結部
2e 螺合部
2f 突起
2g 筒
2m 厚肉部分
2n 被押圧面
3 ノックアウト付部材
301 配線ボックス
3c 側壁
3d 底壁
3f 阻止部
3g 案内面
4 ノックアウト付装置
5 部分押圧手段
6 軸心
7 鞘管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁部と、
前記壁部の貫通孔を閉塞するように設けられるノックアウトと、
前記ノックアウトと前記壁部側とを連結する連結部と、
貫通体を前記ノックアウト側に螺進させるようその貫通体のねじ部が螺合可能な螺合部とを備え、
前記螺合部に螺合した前記貫通体を前記ノックアウト側に螺進させることで、前記貫通体の先端面押圧部が、前記ノックアウトを徐々に押圧して前記連結部を破断し、前記ノックアウトを抜くことを特徴とするノックアウト構造。
【請求項2】
前記壁部には、内側が前記貫通孔となる筒が設けられ、その筒の内部に前記ノックアウトが設けられ、かつ、その筒の内周面または外周面に、前記螺合部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のノックアウト構造。
【請求項3】
前記ノックアウトの周回りの一部には、前記貫通体の前記先端面押圧部に押圧される突起が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載のノックアウト構造。
【請求項4】
前記突起は、前記ノックアウトの周回りに並ぶように複数設けられ、それら突起は、前記貫通体の螺進に伴って、前記ノックアウトの周回りの一方向の順に前記先端面押圧部が押圧するように、その高さが設定されていることを特徴とする、請求項3に記載のノックアウト構造。
【請求項5】
請求項1または2に記載のノックアウト構造を有するノックアウト付部材と、前記貫通体とからなる、ノックアウト付装置。
【請求項6】
前記ノックアウトと前記貫通体には、前記先端面押圧部が、前記ノックアウトの周回りの一部を部分的に押圧する、部分押圧手段が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載のノックアウト付装置。
【請求項7】
前記部分押圧手段は、前記ねじ部と前記螺合部との螺合の軸心回りにその軸心と直交するように形成された、前記先端面押圧部と、前記ノックアウトの周回りの一部に突出して、前記先端面押圧部に押圧される、突起とからなることを特徴とする、請求項6に記載のノックアウト付装置。
【請求項8】
前記突起は、前記ノックアウトの周回りに並ぶように複数設けられ、それら突起は、前記貫通体の螺進に伴って、前記ノックアウトの周回りの一方向の順に前記先端面押圧部が押圧するように、その高さが設定されていることを特徴とする、請求項7に記載のノックアウト付装置。
【請求項9】
前記部分押圧手段は、前記ねじ部と前記螺合部との螺合の軸心回りにその軸心と直交するように形成された、前記先端面押圧部と、前記軸心に対して傾斜するように形成されて、前記先端面押圧部に押圧される、前記ノックアウトの被押圧面とからなることを特徴とする、請求項6に記載のノックアウト付装置。
【請求項10】
前記連結部は、前記ノックアウトの周回り方向の一部が厚肉に形成されて、その厚肉部分が、前記ノックアウトが抜かれた後にも破断されることなく前記ノックアウトと前記壁部側とを繋げることを特徴とする、請求項6ないし9のいずれか1項に記載のノックアウト付装置。
【請求項11】
前記ノックアウト付部材は、前記貫通体の螺進に伴い、前記部分押圧手段によって前記ノックアウトの周回りの一部が部分的に押圧されて、その押圧された側から破断される連結部の残された部分を支点とした回動により傾く、前記ノックアウトが、所定の角度を越えて傾くのを阻止する、阻止部を有することを特徴とする、請求項6ないし9のいずれか1項に記載のノックアウト付装置。
【請求項12】
前記ノックアウト付部材は、配線ボックスまたは配電函であって、前記貫通孔は、配線材の導入孔となっていることを特徴とする、請求項5ないし11のいずれか1項に記載のノックアウト付装置。
【請求項13】
前記ノックアウト付部材は、配線ボックスまたは配電函であって、前記貫通孔は、配線材の導入孔となっており、かつ、
前記ノックアウト付部材は、その側壁または底壁の内面側に、前記貫通体の螺進による進行方向に対して傾斜して、前記貫通孔から導入された前記配線材を前記ノックアウト付部材の中央側に案内する、案内面を有し、その案内面が前記阻止部を兼ねることを特徴とする、請求項11に記載のノックアウト付装置。
【請求項14】
前記貫通体は、前記ねじ部が前記螺合部にねじ込まれることで、前記ノックアウトを抜くとともに、前記ノックアウト付部材に取付け固定される、取着体であることを特徴とする、請求項5ないし13のいずれか1項に記載のノックアウト付装置。
【請求項15】
前記取着体は、鞘管が接続されるコネクタからなることを特徴とする、請求項14に記載のノックアウト付装置。
【請求項1】
壁部と、
前記壁部の貫通孔を閉塞するように設けられるノックアウトと、
前記ノックアウトと前記壁部側とを連結する連結部と、
貫通体を前記ノックアウト側に螺進させるようその貫通体のねじ部が螺合可能な螺合部とを備え、
前記螺合部に螺合した前記貫通体を前記ノックアウト側に螺進させることで、前記貫通体の先端面押圧部が、前記ノックアウトを徐々に押圧して前記連結部を破断し、前記ノックアウトを抜くことを特徴とするノックアウト構造。
【請求項2】
前記壁部には、内側が前記貫通孔となる筒が設けられ、その筒の内部に前記ノックアウトが設けられ、かつ、その筒の内周面または外周面に、前記螺合部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のノックアウト構造。
【請求項3】
前記ノックアウトの周回りの一部には、前記貫通体の前記先端面押圧部に押圧される突起が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載のノックアウト構造。
【請求項4】
前記突起は、前記ノックアウトの周回りに並ぶように複数設けられ、それら突起は、前記貫通体の螺進に伴って、前記ノックアウトの周回りの一方向の順に前記先端面押圧部が押圧するように、その高さが設定されていることを特徴とする、請求項3に記載のノックアウト構造。
【請求項5】
請求項1または2に記載のノックアウト構造を有するノックアウト付部材と、前記貫通体とからなる、ノックアウト付装置。
【請求項6】
前記ノックアウトと前記貫通体には、前記先端面押圧部が、前記ノックアウトの周回りの一部を部分的に押圧する、部分押圧手段が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載のノックアウト付装置。
【請求項7】
前記部分押圧手段は、前記ねじ部と前記螺合部との螺合の軸心回りにその軸心と直交するように形成された、前記先端面押圧部と、前記ノックアウトの周回りの一部に突出して、前記先端面押圧部に押圧される、突起とからなることを特徴とする、請求項6に記載のノックアウト付装置。
【請求項8】
前記突起は、前記ノックアウトの周回りに並ぶように複数設けられ、それら突起は、前記貫通体の螺進に伴って、前記ノックアウトの周回りの一方向の順に前記先端面押圧部が押圧するように、その高さが設定されていることを特徴とする、請求項7に記載のノックアウト付装置。
【請求項9】
前記部分押圧手段は、前記ねじ部と前記螺合部との螺合の軸心回りにその軸心と直交するように形成された、前記先端面押圧部と、前記軸心に対して傾斜するように形成されて、前記先端面押圧部に押圧される、前記ノックアウトの被押圧面とからなることを特徴とする、請求項6に記載のノックアウト付装置。
【請求項10】
前記連結部は、前記ノックアウトの周回り方向の一部が厚肉に形成されて、その厚肉部分が、前記ノックアウトが抜かれた後にも破断されることなく前記ノックアウトと前記壁部側とを繋げることを特徴とする、請求項6ないし9のいずれか1項に記載のノックアウト付装置。
【請求項11】
前記ノックアウト付部材は、前記貫通体の螺進に伴い、前記部分押圧手段によって前記ノックアウトの周回りの一部が部分的に押圧されて、その押圧された側から破断される連結部の残された部分を支点とした回動により傾く、前記ノックアウトが、所定の角度を越えて傾くのを阻止する、阻止部を有することを特徴とする、請求項6ないし9のいずれか1項に記載のノックアウト付装置。
【請求項12】
前記ノックアウト付部材は、配線ボックスまたは配電函であって、前記貫通孔は、配線材の導入孔となっていることを特徴とする、請求項5ないし11のいずれか1項に記載のノックアウト付装置。
【請求項13】
前記ノックアウト付部材は、配線ボックスまたは配電函であって、前記貫通孔は、配線材の導入孔となっており、かつ、
前記ノックアウト付部材は、その側壁または底壁の内面側に、前記貫通体の螺進による進行方向に対して傾斜して、前記貫通孔から導入された前記配線材を前記ノックアウト付部材の中央側に案内する、案内面を有し、その案内面が前記阻止部を兼ねることを特徴とする、請求項11に記載のノックアウト付装置。
【請求項14】
前記貫通体は、前記ねじ部が前記螺合部にねじ込まれることで、前記ノックアウトを抜くとともに、前記ノックアウト付部材に取付け固定される、取着体であることを特徴とする、請求項5ないし13のいずれか1項に記載のノックアウト付装置。
【請求項15】
前記取着体は、鞘管が接続されるコネクタからなることを特徴とする、請求項14に記載のノックアウト付装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−75303(P2012−75303A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32116(P2011−32116)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
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