説明

ハイブリダイゼーションシステム

【課題】少量のサンプルから短時間でサンプルの注入、攪拌、洗浄/乾燥が行われ、ユーザーによる偏差が少ない、自動ハイブリダイゼーションシステムを提供する。
【解決手段】バイオチップ支持体およびサンプル投入口を備える第1カバーを含む少なくとも1つのハイブリダイゼーションチャンバを備えるチャンバ装置、前記ハイブリダイゼーションチャンバの両端に連結された1対のエアーチャンネル、前記1対のエアーチャンネルにそれぞれ設置された1対の弁、前記1対のエアーチャンネルが連結された統合エアーチャンネル、および前記統合エアーチャンネルに設置されたエアーポンプを有する攪拌装置、ならびに前記1対のエアーチャンネルの何れか一方に分岐弁を介して連結された流路、前記流路に連結されたフローポンプ、および前記フローポンプを基準に前記流路の反対側に設置された緩衝液投入口を有する洗浄/乾燥装置を備える、バイオチップのハイブリダイゼーションシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリダイゼーションシステムに係り、更に具体的には、サンプルの拡散、サンプルの攪拌、チップの洗浄、およびチップの乾燥などのバイオチップのハイブリダイゼーションのための操作が自動化されているハイブリダイゼーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオチップは、支持体上に分析される生体分子プローブを高密度で固定化させることにより形成されている。生体分子プローブとしては、DNA、蛋白質などが挙げられる。前記プローブがサンプル内の標的物質とハイブリダイズされているかどうかを検出することによって、遺伝子発現の特徴、遺伝子の欠陥、蛋白質の分布、反応の特徴などが分析されうる。バイオチップは、使用されるプローブの種類により、DNAチップ、蛋白質チップなどに分類される。さらに、プローブの固定化している形態により、固体支持体上に固定化されたマイクロアレイチップ、およびマイクロチャンネル上に固定化されたLOC(lab−on−a−chip)に分類される。バイオチップは、サンプル内の標的物質とプローブとの効果的なハイブリダイゼーション反応を実施するために、ハイブリダイゼーションチャンバ、攪拌システム、および洗浄/乾燥システムを必要とする。
【0003】
従来、図1のように、スライドガラスとカバーガラスとの間に形成されたハイブリダイゼーションチャンバ内で、手作業によりハイブリダイゼーション反応が行われている。これは、ユーザーによる実験条件の偏差を発生させ、16ないし17時間という長い試験時間、および100μlに至るまでのサンプルを必要とする。
【0004】
このような欠点を克服するために、ハイブリダイゼーション、洗浄、および乾燥を、自動的に実施するための自動化システムが開発されている。フラクチュエーションを用いた自動化システムの使用は、結果としてハイブリダイゼーションの効率を向上させ、ユーザーによる偏差を低減させ、2時間以下という短い試験時間、および50μl以下という少量のサンプルしか必要としない。
【0005】
図2Aおよび図2Bは、特許文献1に開示されている、Affymetrix社により開発された従来の自動ハイブリダイゼーションシステムの写真である。図2Aおよび図2Bに示すように、ハイブリダイゼーションチャンバは、流体移送システムによりポンプと連結されており、流体の循環によりハイブリダイゼーションが促進される。また、サンプルローディング、攪拌、洗浄、および乾燥が1つのシステムで実施される。しかし、このような装置においては、蠕動ポンプ、および循環流体流路を使用するため、大量のサンプルが必要となる。このため、16時間ハイブリダイゼーションが実施された後、DNAチップは洗浄され、ロータリーオーブンを用いて乾燥される。また、Affymetrix社から得られるチップのみがカートリッジとして使用される、すなわちこの装置は互換性がない。
【0006】
図3Aおよび図3Bは、特許文献2に開示されているTecan社により開発された従来の自動ハイブリダイゼーションシステムである。図3A及び図3Bに示すように、溶液の攪拌、およびスライドの乾燥はボード上で実施され、サンプルを投入した後、ハイブリダイゼーション、洗浄、および乾燥が自動的に行われる。ハイブリダイゼーションチャンバの両端に二つのチャンネルが連結されており、それぞれのチャンネルは、攪拌のための膜、およびチップ上のプローブと標的溶液との間のハイブリダイゼーションを促進するための二つのマイクロポンプを備える。しかし、このような装置においては、チャンバ内の効果的な攪拌のために、標的溶液をチャンバのカバーまで満たした後サンプルを混合するため、ハイブリダイゼーションチャンバがひどく汚染される。
【0007】
図4Aおよび図4Bは、Memorec社により開発された、従来の自動ハイブリダイゼーションシステムの写真および図である。図4Aおよび図4Bに示すように、サンプルを投入した後、ハイブリダイゼーション、洗浄、および乾燥が自動化されている。このハイブリダイゼーションシステムは、活発な循環を実施するために用いられるダイヤフラムポンプを備える。しかしこの場合、サンプルが循環されなければならないため、220μlに至るまでの多量のサンプルが必要とされる。
【0008】
図5Aおよび図5Bは、Biomicro社から入手できる、MAUIハイブリダイゼーションシステムの写真および図である。図5Aおよび図5Bに示すように、同一条件で4枚のチップが試験されうる。しかしこの場合、チップ上にパッチまたはガスケットを装着し、サンプル注入した後に、洗浄および乾燥を別々に行わなければならない。
【0009】
図6Aおよび図6Bは、特許文献3に開示されている、Genomic Solution社から入手できるハイブリダイゼーションシステムの写真および図であり、複数のチップ内の流体の流量および温度の制御が可能である。しかしこの場合、ハイブリダイゼーションシステムは、サンプルの拡散のための攪拌装置を備えていない。
【特許文献1】米国特許第6,391,623号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0013184号明細書
【特許文献3】米国特許第6,432,696号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、少量のサンプルから短時間でサンプルの注入、攪拌、および洗浄/乾燥が行われ、ユーザーによる偏差が少ない、自動ハイブリダイゼーションシステムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、前記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究した結果、閉鎖系でポンプおよび弁を制御することにより、効果的な自動化ハイブリダイゼーションシステムの具現が可能であるということを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明の課題を解決するために、本発明は、バイオチップ支持体、およびサンプル投入口を備える第1カバーを含む少なくとも1つのハイブリダイゼーションチャンバを備えるチャンバ装置と、前記ハイブリダイゼーションチャンバの両端に連結された1対のエアーチャンネル、前記1対のエアーチャンネルにそれぞれ設置された1対の弁、前記1対のエアーチャンネルが連結された統合エアーチャンネル、および前記統合エアーチャンネルに設置されたエアーポンプを有する攪拌装置と、前記1対のエアーチャンネルの何れか一方に分岐弁を介して連結された流路、前記流路に連結されたフローポンプ、および前記フローポンプを基準に前記流路の反対側に設置された緩衝液投入口を有する洗浄/乾燥装置と、を備えるバイオチップのハイブリダイゼーションシステムを提供する。
【0013】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記バイオチップを形成する支持体上に固定化された生体分子は、好ましくは、DNA、RNA、PNA(Peptide Nucleic Acid:ペプチド核酸)、LNA(Locked Nucleic Acid:ロックト核酸)、ペプチド、および蛋白質からなる群より選択されるが、これらに限定されるものではない。支持体は、ガラス、シリコン、プラスチックなどの固体基質が好ましい。バイオチップは、必要ならば外部の会社から入手できる。バイオチップは、本発明によるハイブリダイゼーションシステムのカバーを開いた後、バイオチップの支持体上に設置される。
【0014】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記カバーの1つの端は、他の端の動作によりハイブリダイゼーションチャンバが開閉されうるように、ヒンジにより支持体と連結されている。
【0015】
本発明のハイブリダイゼーションシステムは、前記第1カバーのサンプル投入口を覆うキャップを備えた第2カバーを更に備えうる。
【0016】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記第2カバーの1つの端は、前記第2カバーの他の端の動作によりサンプル投入口が開閉されるように、ヒンジによって前記第1カバーと連結しうる。
【0017】
本発明のハイブリダイゼーションシステムは、前記キャップと接触するサンプル投入口の上部側、または前記サンプル投入口と接触する前記キャップの下部側に空気排出口を備えうる。
【0018】
本発明のハイブリダイゼーションシステムは、カバーの下面と一体化され、前記ハイブリダイゼーションチャンバを取り囲む密閉要素を、さらに備えうる。
【0019】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記密閉要素は、前記ハイブリダイゼーションチャンバの内側に形成された凸部およびハイブリダイゼーションチャンバの外側に形成された凹部を備えうる。
【0020】
本発明のハイブリダイゼーションシステムは、前記ハイブリダイゼーションチャンバの下部に設置されたヒーターを備えうる。
【0021】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記ハイブリダイゼーションチャンバは、ペルチェ素子を用いて加熱または冷却されうる。
【0022】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記ハイブリダイゼーションチャンバの末端に連結されたエアーチャンネルは、前記サンプル投入口の側壁に連結されうる。
【0023】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記エアーチャンネルまたは流路は、断面が円形であり、断面が半円形である溝を備えた上部および下部の基板を重ね合わせて、形成されうる。
【0024】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記上部の基板または下部の基板と一体化し、前記上部の基板または前記下部の基板の溝を取り囲む密閉要素をさらに備えうる。
【0025】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記密閉要素は、エアーチャンネルまたは流路の内側の凸部、およびエアーチャンネルまたは流路の外側の凹部を備えうる。
【0026】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいては、前記1対の弁のうち、1つを開いて、他の1つを閉じた状態でエアーポンプへ空気を送り、開いていた弁を閉じ、閉じていた弁を開いてエアーポンプから空気を抜き、開いた弁及び閉じた弁の状態を変えずにエアーポンプへ空気を送り、閉じていた弁を開き、開いていた弁を閉じてエアーポンプから空気を抜くことを含む工程を繰り返して、前記ハイブリダイゼーションチャンバ内の溶液を攪拌しうる。
【0027】
本発明のハイブリダイゼーションシステムに備えられる攪拌装置は、従来のハイブリダイゼーションチャンバ内の溶液の循環による攪拌とは異なり、チャンバ内の溶液が、エアーチャンネル内の空気の流動により、前記エアーチャンネルの両端が閉鎖された系で攪拌されることを特徴とする。したがって、従来とは異なり、多量のサンプルを必要とせず、少量のサンプルでもハイブリダイゼーション反応を行えるという長所がある。
【0028】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記攪拌装置の弁は、複数のハイブリダイゼーションチャンバへの空気の供給を制御するための分岐弁でありうる。前記分岐弁は、複数のチャンネルに連結されている。この場合、各チャンネルは独立して開閉されうる。
【0029】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記分岐弁の例としては、デッドボリュームの少ない電磁弁が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0030】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記統合エアーチャンネルは、エアーポンプ内に含まれうる。この場合、1つのエアーポンプから2本のエアーチャンネルが出ている。
【0031】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記エアーポンプは、電気的な信号により前記エアーチャンネル内の空気の圧力を上昇または下降させうるいかなるポンプでも用いられうる。好ましくは、前記エアーポンプは、マイクロメーターの単位で体積が調節されうるステッピングモータ方式のマイクロポンプである。
【0032】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記洗浄/乾燥装置の流路は、分岐弁を介して前記攪拌装置のエアーチャンネルに連結され、前記エアーチャンネルは、サンプル注入口の側壁に連結されうる。
【0033】
本発明のハイブリダイゼーションシステムは、前記洗浄/乾燥装置の流路に、前記分岐弁を介して連結している乾燥用のエアーラインをさらに備えうる。
【0034】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいては、前記エアーラインを介して例えば窒素(N)ガスが供給されうる。
【0035】
本発明のハイブリダイゼーションシステムにおいて、前記フローポンプは、電磁操作マイクロポンプでありうる。しかし、電気的な信号を用いることにより、前記エアーチャンネル内の流体の流れを引き起こすことが可能ないかなるポンプもまた、使用されうる。
【0036】
本発明のハイブリダイゼーションシステムは、複数の緩衝液の供給を制御でき、前記フローポンプを基準に前記洗浄/乾燥装置の流路の反対側に設置されている複数の緩衝液投入口と連結している、分岐弁をさらに備えうる。
【0037】
本発明のハイブリダイゼーションシステムはさらに、弁の開閉、ポンプの作動、およびヒーターの温度を自動制御するコンピュータ中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、およびシステムの作動状態を表示するモニタを備えうる。
【0038】
本発明の他の実施形態によれば、本発明のハイブリダイゼーションシステムは、前記上部の基板および前記下部の基板のうちの1つの表面に連結し、前記上部の基板または下部の基板により形成されたスペースを取り囲み、スペースの内側の凸部およびスペースの外側の凹部を含む一体型の密閉要素を備えうる。
【0039】
前記スペースは、LOCまたはMEMS(Micro Electro Mechanical System)等に一般的に使用されるチャンバまたはチャンネルでありうる。しかし、前記上部の基板および下部の基板を重ね合わせることにより形成されるいかなるスペースもまた、使用されうる。
【0040】
一体型の前記密閉要素は、圧縮時に変形しうるいかなる柔軟なポリマーからも構成され得、好ましくは、シリコン材料から構成されうる。
【0041】
一体型の前記密閉要素において、前記凸部は、スペースの内側に傾斜していてもよく、前記上部の基板および前記下部の基板が重なり合うとき、凸部の変形が、凸部に隣接した凹部によって吸収される。
【0042】
本発明によれば、前記上部の基板及び前記下部の基板のうちのいずれかが、凸部および凹部を有する。従来、上部の基板および下部の基板のそれぞれが凹部を有し、それゆえ、ゴム製のOリングが必要とされてきた。しかし、本発明によれば、マイクロチャンネルまたはチャンバを製造する工程は単純化され、マイクロチャンネルおよびチャンバの汚染は防止されうる。さらに、前記密閉要素および基板の一体化は、分離および洗浄のしやすさに貢献する。
【0043】
本発明のハイブリダイゼーションシステムは、チップに対して標的溶液を効果的に拡散させるために用いられうる。標的溶液が、チップに固定化されているプローブに対して効果的に結びつくように、マイクロポンプは2つの方向に交互に空気を送り、弁を閉鎖系内で制御する。
【0044】
本発明において、マイクロアレイまたはLOCなどへの使用に適するように、弁およびポンプのサイズは、数ないし数十μmに小型化されうる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によるハイブリダイゼーションシステムは、少量のサンプルでも攪拌が可能であり、ポンプおよび弁の操作のみで、閉鎖系内でのサンプルの混合が可能であるため、短時間でサンプルの注入、攪拌、および洗浄/乾燥が行われ、ユーザーによる偏差が少ない、自動ハイブリダイゼーションシステムの提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0047】
図7は、本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムの概略図である。図7に示すように、本発明のハイブリダイゼーションシステムは、チャンバ装置10、攪拌装置20、および洗浄/乾燥装置30を備える。チャンバ装置10は、バイオチップ12のための支持体、およびサンプル投入口を有するカバーを含む少なくとも1つのハイブリダイゼーションチャンバ11を備える。攪拌装置20は、ハイブリダイゼーションチャンバ11の両端に連結された1対のエアーチャンネル21および21’、前記エアーチャンネルにそれぞれ設置された1対の弁22および22’、前記1対のエアーチャンネルが連結された統合エアーチャンネル24、及び前記統合エアーチャンネルに設置されたエアーポンプ25を備える。洗浄/乾燥装置30は、エアーチャンネル21’に分岐弁27を介して連結された流路31、前記流路31に連結されたフローポンプ32、および前記フローポンプ32を基準にして前記流路31の反対側に設置された緩衝液投入口33を備える。
【0048】
図7において、チャンバ装置10は、4つのハイブリダイゼーションチャンバ11を有し、スライド#1ないし#4は、バイオチップの機能を果たし、それぞれハイブリダイゼーションチャンバ11の支持体上に配置されている。ハイブリダイゼーションチャンバ11は、前記支持体上のカバーを押すことにより形成されている。前記ハイブリダイゼーションチャンバ11は、バイオチップの形状により長方形であってもよく、エアーチャンネル21および21’を通して注入される空気によって、ハイブリダイゼーションチャンバ11に圧力が均一に加えられるように流線型であることが好ましい。サンプルは、マイクロピペットを用いてカバーに備えられたサンプル投入口を通して手動でロードされるが、自動サンプル投入装置を用いてロードすることも可能である。ロードされたサンプルに含まれる標的分子は、ハイブリダイゼーションチャンバ11内のバイオチップに設置されたプローブとハイブリダイズされる。
【0049】
本実施形態の攪拌装置20のエアーチャンネル21および21’に設置された弁22および22’は、ハイブリダイゼーションチャンバ11への空気の供給を制御するための分岐弁でありうる。本実施形態では、スライド#1ないし#4に空気を供給するために、4方向の分岐を備える弁が前記分岐弁として使用されうる。ハイブリダイゼーションチャンバ11に含まれるサンプルは、弁22および22’が交互に開閉されたときにエアーポンプ25から空気を抜くおよびエアーポンプ25へ空気を送ることにより、拡散されうる。具体的には、ハイブリダイゼーションチャンバ11に含まれるサンプルは、次の操作を繰り返すことにより攪拌される:弁22を開いて、弁22’を閉じた状態でエアーポンプ25へ空気を送り、弁22を閉じ、弁22’を開いてエアーポンプ25から空気を抜き、弁22および弁22’の状態を変えずに、エアーポンプ25へ空気を送り、弁22を開き、弁22’を閉じてエアーポンプ25から空気を抜く。ハイブリダイゼーションチャンバ11に含まれる溶液は、これらの操作を繰り返すことにより混合されうる。エアーポンプ25と隣接した弁23は、3方向の分岐を有する弁であり、発生した出口圧力の所定量を、エアーポンプ25からエアーチャンネル21および21’へ送る連結部の役割を果たし、弁26は、ハイブリダイゼーションチャンバ11、ならびにエアーチャンネル21および21’の圧力を外部に放出する。
【0050】
洗浄/乾燥装置30の流路31は、第1分岐弁27を通してエアーチャンネル21’に連結されている。本実施形態では、第1分岐弁27は、4方向の分岐を有する弁である。詳細には、第1分岐弁27は、ハイブリダイゼーションチャンバに連結している流路、エアーポンプ25に連結している流路、前記流路31、および排出口とそれぞれ連結している4方向の分岐を有する。したがって、洗浄/乾燥装置30の流路31は、エアーチャンネル21’を介してハイブリダイゼーションチャンバ11に連結されている。この場合、攪拌用の空気、洗浄用の緩衝液、および乾燥用の空気は、1つの流路、すなわちエアーチャンネル21’を通して通過しうる。乾燥空気を供給するエアーライン37は、第1分岐弁27に直接連結されるか、または洗浄/乾燥装置の流路31に設置されている第2分岐弁36を介して、前記第1分岐弁27と間接的に連結されうる。前記第2分岐弁36は、ハイブリダイゼーションチャンバに連結している流路、緩衝液に連結される流路、およびエアーライン37に連結している流路にそれぞれ連結する3方向の分岐を有する弁である。前記エアーライン37を介してNガスが供給されうる。
【0051】
前記フローポンプを基準にして、前記洗浄/乾燥装置30の流路31の反対側には、緩衝液投入口33が緩衝液容器34と連結されて設置されている。緩衝液容器34は、ハイブリダイゼーションシステムの内部または外部に位置しうる。緩衝液容器34がシステムの外部に位置する場合には、緩衝液投入口33が、ハイブリダイゼーションシステムに形成された緩衝液ライン入口を介して外側へ連結される。好ましくは、前記流路31と緩衝液投入口33との間に、第3分岐弁35をさらに備えうる。第3分岐弁35は、複数の緩衝液投入口33に連結され、複数の緩衝液の供給を制御する。第3分岐弁35は、6個の緩衝液容器34から緩衝液を受け取る、6方向の分岐を有する弁でありうる。
【0052】
図8Aは、本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムの側面の透視図である。図8Aに示すように、ヒンジ112によって本体400に連結されている第1カバー110は、フック111によって閉じられている。ヒンジ122によって第1カバー110に連結されている第2カバー120は、フック121から離れている。サンプルは、マイクロピペット15を用いて、サンプル投入口13を通してハイブリダイゼーションチャンバ11に投入される。前記第2カバー120は、第1カバー110のサンプル投入口13を覆うキャップ14を備える。前記ハイブリダイゼーションチャンバ11の下部には、ヒーター410が備えられている。本体400は、攪拌装置(図示せず);第1分岐弁27、第2分岐弁36、および第3分岐弁35を備える洗浄/乾燥装置;緩衝液容器と連結され、システムの外側に設置される緩衝液ライン投入口450;本体400の内部に発生する熱を除去するエアーファン430;およびエアーポンプ440を備えている。また、本体400の斜めの外面には、システムの作動状態を表示する液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)モニタ420が備えられている。
【0053】
図8Bは、図8Aに示しているハイブリダイゼーションシステムの平面図である。図8Bに示すように、4つのハイブリダイゼーションチャンバ11を備えるチャンバ装置がハイブリダイゼーションシステムの左側下部に設置されており、システムの作動状態を表示するLCDモニタ420は、ハイブリダイゼーションシステムの右側に設置されており、複数の緩衝液ライン投入口450は、ハイブリダイゼーションシステムの外側に設置されている。
【0054】
図8Cは、本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムの正面図である。図8Cに示すように、第1カバー110は、本体400の上に設置されており、ヒーター410は、ハイブリダイゼーションシステムの下部に設置されており、システムの作動状態を表示するLCDモニタ420は、ハイブリダイゼーションシステムの右側上部に設置されており、ポンプの動作およびヒーター410の温度を自動的に制御するコンピュータ中央処理装置460は、本体400の下部に設置されており、電気を供給する電源470が本体400の下部に設置されている。
【0055】
図9は、図8Aに示したハイブリダイゼーションシステムを備える製品の一例を示す写真である。ハイブリダイゼーションシステムのサイズは、最大で30×30×25(単位cm)となり、$7,500以下のコストで量産されうる。さらに、ハイブリダイゼーションシステムはPCとの接続が可能である;ハイブリダイゼーションシステムは、他のハイブリダイゼーションシステムと接続可能である:ハイブリダイゼーションシステムは、それ自身が独立して作動できるようにコントローラおよびLCDモニタを備える;同時に4枚の試験チップが用いられうる;ハイブリダイゼーションシステムは、0〜80℃の温度で作動しうる;ハイブリダイゼーションのための攪拌は、ポンプを用いて行われる;洗浄は、ポンプを用いて発生する流体の流れを用いて行われる;乾燥のために、エアーブローが用いられる。
【0056】
図10Aは、図8Aに示したハイブリダイゼーションシステム内のハイブリダイゼーションチャンバ11の水平断面図である。図10Aに示したように、ハイブリダイゼーションチャンバ11は、ハイブリダイゼーションチャンバの両端に形成されたサンプル投入口13を介して、エアーチャンネル21および21’に連結されている。エアーチャンネル21および21’は、ヒンジと同じ方向に配置され、それによりカバーの開閉を可能にしている。図10Bは、図10Aに示した太線に沿って抜き出した水平断面図であり、密閉要素113を示す図面である。図10Bによれば、ハイブリダイゼーションチャンバの支持体の上に固定化されたバイオチップ12は、第1カバー110によって覆われている。ヒーター410は、ハイブリダイゼーションチャンバ11の下部に設置されている。密閉要素113は、第1カバー110と一体化され、第1カバー110の下面に設置されており、ハイブリダイゼーションチャンバ11の密閉要素113は、ハイブリダイゼーションチャンバ11の内側の凸部113aおよびハイブリダイゼーションチャンバ111の外側の凹部113bを備える。前記密閉要素113は、圧縮時に変形しうるいかなる柔軟なポリマーからも構成されうるが、好ましくは、シリコン材料から構成されうる。
【0057】
図11Aないし図11Cは、密閉要素113の作用の様子を示す図面である。図11Aないし図11Cに示すように、支持体上に固定化されているハイブリダイゼーションチャンバのバイオチップ12は、第1カバー110によって覆われる。最初は、第1カバー110は完全に閉じられず、前記密閉要素113の凸部113aは変形していない(図11A参照)。この際、ハイブリダイゼーションチャンバ11の高さは、本来のチャンバの高さ0.2mmと凸部の高さ0.5mmとの合計で0.7mmとなる。次に、第1カバー110が完全に閉じられると、前記凸部113aが圧縮されて変形する(図11B参照)。前記凸部113aの変形は、隣接した凹部113bにより吸収される。この際、ハイブリダイゼーションチャンバ11の高さは、本来のハイブリダイゼーションチャンバの高さである0.2mmとなる。その後、ハイブリダイゼーションチャンバ11は圧縮されて0.15mmの高さとなり、サンプルの量を低減できる(図11C参照)。
【0058】
図12Aは、図8Aに示したハイブリダイゼーションシステムのエアーチャンネル21および21’の水平断面図である。図12Aに示したように、ハイブリダイゼーションチャンバ11は、その両端に形成されたサンプル投入口13を介して、エアーチャンネル21および21’と連結されている。エアーチャンネル21および21’は、ヒンジと同じ方向に配置され、それによりカバーの開閉を可能にしている。図12Bないし図12Dは、図12Aに示した太線に沿って抜き出した水平断面図であり、密閉要素213を示す図面である。図12Bに図示したように、断面が円形であるチャンネルまたは流路は、断面が半円形である溝を備えた上部の基板220および下部の基板210を重ね合わせることにより形成される。上部の基板220および下部の基板210と一体化した密閉要素213は、上部の基板220および下部の基板210の外側に形成される。前記密閉要素213は、チャンネルまたは流路の内側に形成された凸部213a、およびチャンネルまたは流路の外側に形成された凹部213bを備える。前記密閉要素213は、圧縮時に変形しうるいかなる柔軟なポリマーからも構成されうるが、好ましくは、シリコン材料から構成されうる。図12Cは、上部の基板220が、下部の基板210と完全には合わさっていない状態である。図12Dは、上部の基板220が下部の基板210と完全に合わさっている状態であり、前記凸部213aが圧縮されて変形している。凸部213aの変形が隣接した凹部213bにより吸収されて、結果としてエアーチャンネル21が形成される。
【0059】
図13Aは、図8Aに示したハイブリダイゼーションシステムのサンプル投入口13、ならびにエアーチャンネル21および21’の水平断面図である。ハイブリダイゼーションチャンバ11は、その両端に形成されたサンプル投入口13を介してエアーチャンネル21および21’と連結されている。エアーチャンネル21および21’は、ヒンジと同じ方向に配置され、それによりカバーの開閉を可能にしている。図13Bは、図13Aに示した太線に沿って切り取った断面図であり、第1カバー110および第2カバー120の拡大図である。図13Bに示したように、第1カバー110にサンプル投入口13が形成され、前記サンプル投入口13は、第2カバー120に形成されたキャップ14により閉じられる。エアーチャンネル21は、サンプル投入口13の側壁に連結されて、最終的にハイブリダイゼーションチャンバ11の末端に連結される。空気排出口14bはサンプル投入口13の上部の一部に形成される。前記空気排出口14bは、キャップ14の上部の下面14aが第1カバー110の上面に接触し、サンプル投入口13内へキャップの先端14cが挿入されると、サンプル注入口内の空気圧を減少させる役割を果たす。したがって、空気圧によるハイブリダイゼーションチャンバ11内に含まれるサンプルの移動が防止されうる。前記キャップの先端14cは、サンプル投入口の側面と離れている。それゆえ、洗浄後に残留した緩衝液は、毛管現象によりキャップの先端14cとサンプル投入口13との間に形成されたスペースへ漏れうる。よって、残留緩衝液によるハイブリダイゼーションチャンバの汚染が防止されうる。スペースが形成されない場合、残留緩衝液は、乾燥工程の際に、ハイブリダイゼーションチャンバ11の中へ漏れ、ハイブリダイゼーションチャンバが汚染される。
【0060】
図13Cは、図8Aに示したハイブリダイゼーションシステムのパッキング装置の一例を示す図である。図13Cに示したように、パッキング装置は、キャップ14と接触するサンプル投入口13の上部側面に形成された空気排出口14bを備えている。空気排出口14bは、サンプル投入口13の側壁の上面から所定の深さの溝状に形成されている。空気排出口14bは、キャップ14がサンプル投入口13に挿入されると、キャップ14の体積により発生する空気圧を、矢印の方向に放出しうる。
【0061】
図13Dは、図8Aに示したハイブリダイゼーションシステムのパッキング装置の一例を示す図である。図13Dに示したように、空気排出口14bは、チャンバの上部のカバーに形成されるサンプル投入口13と接触する、キャップ14の下端の側面に形成されている。空気排出口14bは、キャップ14がサンプル投入口13に挿入されると、キャップ14の体積により発生する空気圧を、矢印の方向に放出しうる。サンプル投入口13は、キャップ14の上部の下面14aとサンプル投入口13が密着することにより密封される。キャップ14の上部の下面14aの直径はサンプル投入口13の直径より大きい。
【実施例】
【0062】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。これらの実施例は、単に、本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例により制限されるものと解釈されてはならない。
【0063】
実施例:本発明によるハイブリダイゼーションシステムの適用実験
本発明のハイブリダイゼーションシステムを用いてハイブリダイズされたMODY3チップと、従来のカバーガラスおよびスライドガラスを用いたハイブリダイゼーションの方法を用いてハイブリダイズされたMODY3チップとを比較した。実験に使用したプローブは、下記の表1の通りである。
【0064】
【表1】

【0065】
まず、MODY3に対応するプローブを基板上に固定化し、マイクロアレイを形成した。詳細には、分子量10000のポリエチレングリコール(PEG)、0.025Mの炭酸ナトリウム緩衝液(pH10)、およびホルムアミドを1:1:2の質量比で混合した溶液に、野生型プローブ(WP)または変異プローブ(MP)を加えた。得られた溶液をシリコンウェハの上に、バイオロボットプリンタ(Model PixSys 500、米国カリフォルニア州、Cartesian Technologies社から入手できる。)を用いてスポットした。その後、37℃で4時間、ウェットインキュベータで放置した。このとき、背景ノイズは、スポットされていないシリコンウェハの部分が適切な反応を受け、それによってウェハの表面に結合しているアミノ基に負電荷を与えるように制御された。そのため、シリコンウェハへの付着は防止された。得られたシリコンウェハを乾燥器に入れた。標的核酸(配列番号9)の本体または両端は、Cy3−dUTPで蛍光標識された。前記標的核酸のハイブリダイゼーション条件は、0.1%6×SSPET(Triton X−100を0.1%含むリン酸−エチレンジアミン四酢酸緩衝液)溶媒に溶解させた、187nMの標的核酸およびマイクロアレイを、37℃で16時間反応させた。それとは別に、0.1%6×SSPET(Triton X−100を0.1%含むリン酸−エチレンジアミン四酢酸緩衝液)溶媒に溶解させた187nMの標的核酸およびマイクロアレイを、本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムを用いてハイブリダイズさせた。チップのそれぞれは、0.05%6×SSPET、および0.05%3×SSPET(Triton X−100を0.05%含むリン酸−エチレンジアミン四酢酸緩衝液)でそれぞれ5分間洗浄し、5分間常温で乾燥させた後にアクソンのスキャナー(モデル GenePix 4000B、米国カリフォルニア州、Axon Instrument社製)を用いてスキャンさせた。スキャニングデータは、GenePix Pro 3.0(米国カリフォルニア州、Axon Instrument社から入手した。)を使用して分析され、比率成分および強度成分が得られた。表2は、実施した2つの実験条件を比較した表である。
【0066】
【表2】

【0067】
スポット強度の平均、PM/MM比(PerfectMatch/MissMatch比)、および変動係数(CV)は、従来の方法により20枚のテストチップを試験し、本発明のハイブリダイゼーションシステムにより20枚のテストチップを試験することにより求めた。その実験結果を、表3に示す。
【0068】
【表3】

【0069】
表3に示すように、本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムを用いたときのほうが、従来の方法を用いたときよりも、スポット強度のCVおよびPM/MM比のCVが非常に小さいことが分かる。
【0070】
本発明を、実施例と関連させて説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形式や詳細における様々な変形がなされうるということは、当業者によって容易に理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、ハイブリダイゼーションシステムに関連した技術分野に好適に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】従来の技術である、手作業によりハイブリダイゼーションを行うときに用いられる、スライドガラスおよびカバーガラスの写真である。
【図2A】従来の技術である、Affymetrix社のハイブリダイゼーションシステムを示す写真である。
【図2B】従来の技術である、Affymetrix社のハイブリダイゼーションシステムを示す写真および図である。
【図3A】従来の技術である、Tecan社のハイブリダイゼーションシステムを示す写真である。
【図3B】従来の技術である、Tecan社のハイブリダイゼーションシステムを示す図面である。
【図4A】従来の技術である、Memorec社のハイブリダイゼーションシステムを示す写真である。
【図4B】従来の技術である、Memorec社のハイブリダイゼーションシステムを示す図である。
【図5A】従来の技術である、BioMicro社のMAUIハイブリダイゼーションシステムを示す写真である。
【図5B】従来の技術である、BioMicro社のMAUIハイブリダイゼーションシステムを示す図である。
【図6A】従来の技術である、Genomic solution社のハイブリダイゼーションシステムを示す写真である。
【図6B】従来の技術である、Genomic solution社のハイブリダイゼーションシステムを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムの概略図である。
【図8A】本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムの側面の透視図である。
【図8B】本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムの平面図である。
【図8C】本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムの正面図である。
【図9】図8Aに示した本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムを備える製品の一例を示す写真である。
【図10A】本発明の一実施形態であるハイブリダイゼーションシステムのハイブリダイゼーションチャンバの水平断面図である。
【図10B】図10Aに示した太線に沿って抜き出した水平断面図であり、密閉要素を示す図である。
【図11A】本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムが備えるハイブリダイゼーションチャンバの、密閉要素の作用の様子を示す図である。
【図11B】本発明の一実施形態であるハイブリダイゼーションシステムが備えるハイブリダイゼーションチャンバの、密閉要素の作用の様子を示す図である。
【図11C】本発明の一実施形態であるハイブリダイゼーションシステムが備えるハイブリダイゼーションチャンバの、密閉要素の作用の様子を示す図である。
【図12A】本発明の一実施形態であるハイブリダイゼーションシステムのエアーチャンネルの水平断面図である。
【図12B】図12Aに示した太線に沿って抜き出した水平断面図であり、密閉要素を示す図である。
【図12C】図12Aに示した太線に沿って抜き出した水平断面図であり、密閉要素を示す図である。
【図12D】図12Aに示した太線に沿って抜き出した水平断面図であり、密閉要素を示す図である。
【図13A】本発明の一実施形態であるハイブリダイゼーションシステムのサンプル投入口、およびエアーチャンネルの水平断面図である。
【図13B】図13Aに示した第1カバーおよび第2カバーの拡大図である。
【図13C】本発明の一実施形態であるハイブリダイゼーションシステムのパッキング装置の一例を示す概略図である。
【図13D】本発明の一実施形態によるハイブリダイゼーションシステムのパッキング装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0073】
10 チャンバ装置
11 ハイブリダイゼーションチャンバ
12 バイオチップ
13 サンプル投入口
14 キャップ
14a キャップの上部の下面
14b 空気排出口
14c キャップの先端
15 マイクロピペット
20 攪拌装置
21、21’ エアーチャンネル
22、22’、23、26 弁
24 統合エアーチャンネル
25 エアーポンプ
27 第1分岐弁
30 洗浄/乾燥装置
31 流路
32 フローポンプ
33 緩衝液投入口
34 緩衝液容器
35 第3分岐弁
36 第2分岐弁
37 エアーライン
110 第1カバー
111、121 フック
112 ヒンジ
113、213 密閉要素
113a ハイブリダイゼーションチャンバの内側の凸部
113b ハイブリダイゼーションチャンバの外側の凹部
120 第2カバー
210 下部の基板
213a 凸部
213b 凹部
220 上部の基板
400 本体
410 ヒーター
420 LCDモニタ
430 ファン
440 エアーポンプ
450 緩衝液ライン接続口
460 コンピュータ中央処理装置
470 電源
#1、#2、#3、#4 スライド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオチップ支持体、およびサンプル投入口を備える第1カバーを含む少なくとも1つのハイブリダイゼーションチャンバを備えるチャンバ装置と、
前記ハイブリダイゼーションチャンバの両端に連結された1対のエアーチャンネル、前記1対のエアーチャンネルにそれぞれ設置された1対の弁、前記1対のエアーチャンネルが連結された統合エアーチャンネル、および前記統合エアーチャンネルに設置されたエアーポンプを有する攪拌装置と、
前記1対のエアーチャンネルの何れか一方に分岐弁を介して連結された流路、前記流路に連結されたフローポンプ、および前記フローポンプを基準に前記流路の反対側に設置された緩衝液投入口を有する洗浄/乾燥装置と、
を備える、バイオチップのハイブリダイゼーションシステム。
【請求項2】
前記バイオチップ上に、DNA、RNA、PNA、LNA、ペプチド、および蛋白質からなる群より選択される生体分子が固定化されていることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項3】
前記第1カバーのサンプル投入口を覆うキャップを含む第2カバーを更に備えることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項4】
前記キャップと接触する前記サンプル投入口の上部の側面、端側、または前記サンプル投入口と接触する前記キャップの下部の側面に空気排出口をさらに備えることを特徴とする、請求項3に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項5】
前記第1カバーの下面と一体化され、前記ハイブリダイゼーションチャンバを取り囲む密閉要素をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項6】
前記密閉要素は、前記ハイブリダイゼーションチャンバの内側の凸部および前記ハイブリダイゼーションチャンバ外側の凹部を備えることを特徴とする、請求項5に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項7】
前記ハイブリダイゼーションチャンバの下部に設置されたヒーターをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項8】
前記ハイブリダイゼーションチャンバは、ペルチェ素子を用いて加熱または冷却されることを特徴とする、請求項7に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項9】
前記ハイブリダイゼーションチャンバの末端に連結された前記エアーチャンネルは、前記サンプル投入口の側壁と連結されることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項10】
前記エアーチャンネルまたは前記流路は断面が円形であり、断面が半円形である溝を備えた上部の基板および下部の基板が重ね合わさって、形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項11】
前記上部の基板または前記下部の基板と一体化し、前記上部の基板または前記下部の基板の溝を取り囲む密閉要素をさらに備えることを特徴とする、請求項10に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項12】
前記密閉要素は、エアーチャンネルまたは流路の内側の凸部、およびエアーチャンネルまたは流路の外側の凹部を備えることを特徴とする、請求項11に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項13】
前記2つの弁のうち、1つを開いて、他の1つを閉じた状態でエアーポンプへ空気を送り、開いていた弁を閉じ、閉じていた弁を開いてエアーポンプから空気を抜き、開いた弁および閉じた弁の状態を変えずに、エアーポンプへ空気を送り、閉じていた弁を開き、開いていた弁を閉じてエアーポンプから空気を抜くことを含む工程を繰り返すことによって、前記ハイブリダイゼーションチャンバ内の溶液を攪拌することを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項14】
前記攪拌装置の弁は、複数のハイブリダイゼーションチャンバへの空気の供給を制御するための分岐弁であることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項15】
前記洗浄/乾燥装置の流路は、分岐弁を介して前記攪拌装置のエアーチャンネルに連結され、前記エアーチャンネルは、サンプル注入口の側壁に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項16】
前記洗浄/乾燥装置の流路に、分岐弁を介して連結されている乾燥用のエアーラインをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項17】
複数の緩衝液の供給を制御し、前記洗浄/乾燥装置の流路の反対側に、複数の緩衝液投入口と連結されている分岐弁をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項18】
弁の開閉、ポンプの作動、およびヒーターの温度を自動制御するコンピュータ中央処理装置、ならびにシステムの作動状態を表示するモニタをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項19】
前記上部の基板および前記下部の基板のうちの1つの表面に連結し、前記上部の基板および前記下部の基板の重ね合わせにより形成されたスペースを取り囲み、スペースの内側の凸部およびスペースの外側の凹部を含む一体型の密閉要素を備えることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項20】
前記スペースは、チャンバまたはチャンネルであることを特徴とする、請求項19に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項21】
前記凸部は、前記スペースの内側に傾斜していることを特徴とする、請求項19に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項22】
前記密閉要素は、圧縮時に変形しうる、柔軟なポリマーから構成されていることを特徴とする、請求項19に記載のハイブリダイゼーションシステム。
【請求項23】
前記柔軟なポリマーは、シリコン材料であることを特徴とする、請求項22に記載のハイブリダイゼーションシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【公開番号】特開2006−162625(P2006−162625A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352708(P2005−352708)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】