説明

ハイブリッド形のGSM/CDMAネットワークにおけるハンドオーバのための基地局の同期化

【課題】CDMAの基地局とTDMAの基地局の間のハンドオーバの候補をサーチする方法を提供する。
【解決手段】通信リンクは、移動局40と第1の基地局30の間の第1のエアーインターフェイス上に設定される。データは、第1の基地局との通信リンクを実質的に中断せずに、移動局40が第2のエアーインターフェイス上で第2の基地局36から受信した信号に応答して、移動局40から受信される。移動局40は、移動局40から受信したデータに応答して、第1の基地局30から第2の基地局36へハンドオーバされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね無線遠隔通信システム、とくに高度なセルラ電話ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
世界中の多くの国のセルラ電話ネットワークでは、Global System for Mobile (GSM(登録商標))の遠隔通信が使用されている。GSMはネットワークサービスの便利な有効範囲および標準を提供している。既存のGSMネットワークは時分割多重アクセス(time-division multiple access, TDMA)方式のディジタル通信技術に基づいている。TDMAを応用したセルラネットワークでは、各移動加入者ユニットは、所与の時間に単一の基地局のみと通信する。加入者が1つのセルから別のセルへ移動するとき、“ハンドオーバ(hand over, HO)”が行われ、TDMA方式では、加入者が通信している基地局は、その加入者とのリンクを中断して、新しい基地局が引き継ぐ。
【0003】
符号分割多重アクセス(code-division multiple access, CDMA)は、向上したディジタル通信技術であり、TDMAよりも無線バンド幅をより効率的に使用でき、さらに加えてセルラ電話の加入者と基地局との間のリンクはより確実で、フェージングしない。主要なCDMAの規格は、米国電気通信工業会(Telecommunications Industry Association, TIA)によって公布された、IS−95である。この規格は、“ソフトなハンドオーバ(soft handover)”(または“ハンドオフ(handoff)”)の機能を提供していて、1つのセルから別のセルへ移動するとき、加入者ユニットは一時的に2以上の基地局と同時に接触する。このソフトなハンドオーバは、符号分割方法によって可能になり、ハードなハンドオーバでは頻繁に発生する接続損失の可能性を低減する。
【0004】
ここでは参考文献として取上げているPCT特許出願第PCT/US96/20764号には、CDMAエアーインタフェイス(すなわち、基本無線周波数(RF)通信プロトコル)を使用して、GSMのネットワークサービスおよびプロトコルを実行する無線通信システムについて記載している。このシステムを使用して、既存のGSMネットワークのTDMA基地局(base stations, BSS)と加入者ユニットの少なくとも一部は、対応するCDMAの装置によって置換または補足される。このCDMAのBSSは、標準のGSMのA−インターフェイスを介してGSMの移動スイッチングセンタ(mobile switching center, MSC)と通信するようにされている。したがってGSMのネットワークサービスのコアが維持され、TDMAからCDMAへの切替えはユーザにトランスペアレントである。
【0005】
GSMとCDMAの両者の要素を取り入れた、ハイブリッド形セルラ通信ネットワークも、PCT特許発行第WO 95/24771号および第WO 96/21999号、並びにTscha、他による文献(“A Subscriber Signaling Gateway between CDMA Mobile Station and GSM Mobile Switching Center”, in Proceedings of the 2nd International Conference on Universal Personal Communications, Ottawa (1993), pp.181-185)に記載されており、これらはここでは参考文献として取り上げている。これらの発行は何れも、このようなハイブリッド形ネットワークにおいてどのように異なる基地局間で加入者ユニットを効率的にハンドオーバを行うかについての特定の問題を取扱っていない。
【0006】
同じく参考文献としてここで取り上げているPCT特許出願第PCT/US97/00926号も、ハイブリッドGSM/CDMAの遠隔通信システムにおけるCDMAのBSSとTDMAのBSSとのシステム間のハンドオーバ方法について記載している。GSM/TDMAのBSSは、CDMA技術にしたがってパイロットビーコン信号を発生する。電話呼中に、加入者ユニットは、パイロット信号を検出して、信号が検出されたことを基地局へ知らせる。次に加入者ユニットは、呼を中断せずに、CDMAのBSSからTDMAのBSSへハンドオーバされる。
【0007】
本発明の目的は、混在のTDMA/CDMAのセルラ通信ネットワークにおいて使用するための方法および装置を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、通信を中断せずに、TDMAとCDMAの基地局間で加入者ユニットのハンドオーバを可能にする改良された方法および装置を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、混在のGSM/CDMAのセルラ通信システムは、TDMAの基地局とCDMAの基地局の両者を含み、これらは移動スイッチングセンタ(mobile switching center, MSC)によって共同で制御される。このタイプのシステムは、上述のPCT特許出願において概ね記載されており、ここでは参考文献として取り上げている。このシステム内の加入者ユニットは、ここでは移動局(mobile station, MS)とも呼ばれており、TDMAとCDMAのエアーインタフェイス間で適切にスイッチングし、一方で好ましくは、両者のタイプのインターフェイス上でGSMのネットワークのプロトコルを使用することによって、両者のタイプの基地局と通信することができる。本発明の好ましい実施形態の特徴は、通信システムが、CDMAのBSSに加えて、既存のGSM/TDMAのインフラストラクチャに基づいていて、それ以外は既存のインフラストラクチャを実質的に変更していないことである。
【0010】
ハンドオーバが行われるときを判断するために、一方のタイプ(CDMAまたはTDMA)の現在の基地局と通信しているMSは、他方のタイプ(それぞれ、TDMAまたはCDMA)の基地局である別の基地局から発信されたRF信号を監視する。現在の基地局とMSとの間のメッセージのシーケンスによって、MSは、MSが新しい基地局に関する適切な同期化情報を獲得し、この情報について現在の基地局へ報告することができる。システムはこの情報を使用して、MSが新しい基地局とのエアーインタフェイスを設定できるようにし、このとき、MSとネットワークとの間の通信を実質的に中断せずにハンドオーバが行われる。
【0011】
この特許出願の文脈において、基地局間のこのようなハンドオーバは、“移動支援のハンドオーバ(mobile-assisted handover)”と呼ばれている。移動支援のハンドオーバは、この技術において使用されているGSMおよびCDMAのシステムにおいて使用され、移動局は、隣り合うセルへハンドオーバされる前にそのセル内の基地局トランシーバから受信される信号の強度について測定して、報告する。しかしながら、これまで提案されていたハイブリッドのGSM/CDMAシステムにおいて、移動局は所与の時間においてCDMAおよびTDMAの両者ではなく、何れか(あるいは上述のPCT特許出願第PCT/US97/00926号に記載されているような、TDMAの基地局と関係するCDMAのビーコン)から信号を受信でき、したがってこのタイプの支援を行うことができないと考えられる。本発明の原理にしたがって移動支援のハンドオーバを提供することによって、これまで可能であったよりも、より円滑で確実にハンドオーバを行うことができる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、MSは、このユニットが通信している基地局から受信した命令にしたがって、電話呼の途中でTDMAとCDMAとの間で動作をスイッチする。ハンドオーバが行われる前に、MSはTDMAの基地局とCDMAの基地局とから信号を受信し、MSが受信している信号に関して基地局へ報告する。こうして報告された情報は基地局制御装置(base station controller, BSC)へ報告され、BSCはこれを使用して、ハンドオーバを開始する。MSは単一の無線トランシーバを含んでおり、したがって所与の瞬間に、MSはTDMAおよびCDMAの両者ではなく、何れかの基地局と通信することができる。(しかしながらIS−95の原理にしたがって、既に記載したように、このユニットは一度に2以上のCDMAの基地局と通信することができる。)各GSM/TDMAの基地局は自身の同期化クロックをもち、このTDMAの基地局と通信中のMSはこのユニットと同期し、一方でCDMAの基地局は相互に実時間に同期することに注意すべきである。したがって、MSは、TDMAの基地局とCDMAの基地局との間でスイッチングする度に、電話呼を実質的に中断せずに、適切なクロック信号を獲得して、その動作を同期させる。
【0013】
いくつかの好ましい実施形態では、MSは、このユニットがGSM/TDMAの基地局へハンドオーバされると判断されるとき、CDMAの基地局と通信している。MSのトランシーバによるCDMAの伝送は、通常はGSMの標準にしたがって、このユニットがGSMの隣合う基地局の走査を行っている間、一時的に中断されて、TDMAの基地局を獲得して、同期する。CDMAの伝送は、通常は20ミリ秒長の単一のフレームの間中断されて、IS−95の標準にしたがってアイドル状態の時間スロットを生成する。TDMAの基地局が識別されて、適切なメッセージが交換された後で、基地局間のトラヒックチャンネルが開かれ、MSはTDMAの基地局へスイッチされ、一方でMSによって行われている電話呼の中断は実質的に極小化される。
【0014】
これらの好ましい実施形態以外の実施形態では、MSは、このユニットがCDMAの基地局へハンドオーバされると判断されるとき、MSは、TDMAの基地局と通信している。CDMAの基地局と同期するために、好ましくはTDMAの基地局から正確な時刻を受信することによって時刻を獲得し、このときGSMネットワークには時刻を生成して同報通信するのに必要な装置が備えられている。ネットワークは、GSMの標準にしたがって、セル同報通信システム(cell broadcast system, CBS)を含み、CBSを使用して、例えばグローバルポジショニングシステム(Global Positioning System, GPS)によって与えられるか、またはCDMAの基地局から送られた時刻を受信し、それをネットワークを介してMSへ同報通信することが好ましい。その代わりに、MSはTDMAの受信を一時的に中断して、CDMAの基地局の時刻を獲得して、それと同期をとる。したがってこのやり方でTDMAの時間スロットが失われることによって信号の一定の劣化が発生するが、TDMAからCDMAへの移動支援のハンドオーバは、これまで可能であったよりも、全体的により確実になり、MSのユーザは妨害され難くなる。
【0015】
TDMAおよびCDMAで使用する単一のトランシーバをもつMSを参照して好ましい実施形態をここに記載したが、本発明の原理は他のタイプの加入者ユニットおよびシステムのハードウエア、とくに、別個か、または一部のみが一体構成にされているTDMAおよびCDMAのトランシーバをもつ加入者ユニットを使用して、同様に応用できることが分かるであろう。
【0016】
本発明の好ましい実施形態にしたがって、第1のエアーインターフェイスにしたがって動作する第1のタイプの基地局と、第2のエアーインターフェイスにしたがって動作する第2のタイプの基地局とを含む移動無線遠隔通信システムにおいて、システム内で第1のタイプの第1の基地局から第2のタイプの第2の基地局へ移動局をハンドオーバする方法であって、
移動局と第1の基地局との間の第1のエアーインターフェイス上で通信リンクを設定することと、
第1の基地局との通信リンクを実質的に中断せずに、第2のエアーインターフェイス上で第2の基地局から移動局によって受信される信号に応答して移動局からデータを受信することと、
移動局から受信したデータに応答して第1の基地局から第2の基地局へ移動局をハンドオーバすることとを含む方法を提供する。
【0017】
データを受信することには、信号強度の測定値を受信することを含み、移動局をハンドオーバすることには、第1の基地局と第2の基地局とからの信号強度の測定値を比較することと、比較に応答して移動局をハンドオーバすることとを含むことが好ましい。データを受信することには、重み付け係数を信号強度の測定値に適用することを含み、重み付け係数を適用することには、システム内のネットワークの状態にしたがって係数を変化させることを含むことが好ましい。重み付け係数を適用することには、通信リンク上の重み付け係数を移動局へ送って、重み付け係数を測定値に適用することを含むことがさらに好ましい。
【0018】
データを受信することには、移動局が第2のエアーインターフェイス上で受信した信号をデコーディングすることに基づいて第2の移動局の識別を受信することを含むことが好ましい。
【0019】
好ましい実施形態では、システム内の第2のタイプの移動局の周波数のリストを第1の基地局か移動局へ送って、移動局がリスト内の周波数の信号を受信しようとする。
【0020】
移動局のハンドオーバには、第1の基地局からのハンドオーバコマンドを送信することを含むことが好ましい。好ましい実施形態では、移動局のハンドオーバには、ハンドオーバコマンドに応答して第2のエアーインターフェイス上で最初の送信を送ることを含み、この方法には、第2のエアーインターフェイス上で最初の送信を受信するのに失敗したとき、第1のエアーインターフェイス上で通信リンクを再び獲得することを含む。
【0021】
ハンドオーバコマンドの送信には、第1のエアーインターフェイス上で第2のエアーインターフェイスに関係するパラメータを要約した(encapsulate)コマンド(command, CMD)を送ることを含むことが好ましい。コマンドを送信することには、IS−95の標準にしたがって規定されたパラメータを要約したGSMの標準にしたがってコマンドを送信することを含み、要約されたパラメータにはIS−95の長いコードを含むことが最も好ましい。
【0022】
信号に応答して通信リンクを設定して、データを受信することには、リンクを設定して、移動局内の単一のRFトランシーバを使用して移動局において信号を受信することを含むことが好ましい。
【0023】
好ましい実施形態では、第1および第2のエアーインターフェイスの一方はTDMAインターフェイスを含み、他方のインターフェイスはCDMAインターフェイスを含み、TDMAのインターフェイスはGSMインターフェイスを含むことが好ましく、CDMAのインターフェイスはGSMのネットワークのメッセージを伝達するように構成されている。CDMAのインターフェイスはIS−95の標準に基づいていることが好ましい。
【0024】
通信リンクを設定することには、単一の無線資源管理プロトコル層を使用して、第1のエアーインターフェイスを管理することを含み、移動局をハンドオーバすることには、単一の無線資源管理プロトコル層を使用して、第2のエアーインターフェイスを管理することを含むことが好ましい。
【0025】
移動局からデータを受信することには、第1のエアーインターフェイスによってサービスされる第1の領域と、第2のエアーインターフェイスによってサービスされる第2の領域との間の重複領域を画定することと、移動局が重複領域内にあるときに、移動局をトリガして、データを受信することとを含むことがさらに好ましい。
【0026】
好ましい実施形態では、第1のエアーインターフェイスはCDMAのインターフェイスを含み、第2のエアーインターフェイスはGSM/TDMAのインターフェイスを含み、移動局からデータを受信することには、移動局をゲートして、CDMAの通信リンクを中断し、GSM/TDMAの信号を受信してデコードすることを含む。移動局をゲートすることには、IS−95のフレームの継続期間中にCDMAの通信を中断することを含み、データを受信することには、移動局によって信号のGSMの周波数の補正および同期チャンネルのデコーディングに基づいて第2の基地局の識別を受信することを含むことが好ましい。
【0027】
別の好ましい実施形態では、第1のエアーインターフェイスはGSM/TDMAのインターフェイスを含み、第2のエアーインターフェイスはCDMAのインターフェイスを含み、移動局からデータを受信することには、移動局を制御して、通信リンクを中断して、CDMA信号を受信してデコードすることを含む。
【0028】
データを受信することには、GSM/TDMAのインターフェイスを介して時刻情報を伝達することを含むことが好ましい。時刻情報を伝達することには、GSMのセル同報通信サービスを使用してシステムを介して時刻情報を同報通信することを含み、時刻情報を同報通信することには、システム内の第1のタイプの基地局と通信しているトランシーバから時刻および関係するGSMのフレーム番号を受信することを含むことがさらに好ましい。移動局はCDMA信号の同期チャンネルをデコードして、時刻または日付を求めることが好ましい。
【0029】
その代わりに、またはさらに加えて、データを受信することには、GSMのセル同報通信サービスメッセージを移動局へ伝達して、移動局が第2のタイプの基地局から信号のサーチを開始することを含む。GSMのセル同報通信サービスメッセージを移動局へ伝達することには、移動局が専用のモードで動作しているときに、移動局によって受信されるようにメッセージを伝達することを含むことが好ましい。
【0030】
移動局からデータを受信することには、移動局によってデコードされるCDMAのパイロットビームの識別を受信することを含むことが好ましい。この方法には、GSMの基地局として第2の基地局をマップして、ハンドオーバを制御することを含むことが好ましい。
【0031】
移動局を制御することには、移動局を制御して、第1のTDMAの時間スロット中にCDMA信号を受信して、次のTDMAの時間スロット中に信号をデコードして、一方でTDMAのインターフェイス上で基地局と通信して、基地局によって受信されるデータを生成することが好ましい。
【0032】
本発明の好ましい実施形態にしたがって、GSMの無線遠隔通信システム内の基地局へ時刻情報を伝達するための方法であって、
時刻情報をシステムへ入力することと、
システム上で情報を移動局へ同報通信することとを含む方法をさらに提供する。
【0033】
GSMの無線遠隔通信システムはセル同報通信システムを含み、時刻情報を同報通信することには、セル同報通信システム上で情報を同報通信することを含むことが好ましい。時刻情報を同報通信することには、移動局が専用のモードで動作しているときに、移動局によって受信されるようにメッセージを同報通信することを含むことが好ましい。
【0034】
時刻情報を同報通信することには、システムと通信しているトランシーバから時刻および関係するGSMのフレーム番号を受信することを含み、この方法には、時刻情報を使用して、移動局をCDMAの送信信号に同期させることを含む。
【0035】
好ましい実施形態では、この方法は、システム内の複数の基地局へ時刻情報を送信することに応答して、移動局の位置を判断することを含む。
【0036】
時刻を入力することには、時刻情報をもつトランシーバからセル同報通信センタへデータ呼を開くことを含むことが好ましく、データ呼を開くことには、GPSデバイスから時刻情報を受信することを含むことが好ましい。その代わりに、データ呼を開くことには、GSMシステムと関係するCDMAのセルから時刻情報を受信することを含む。
【0037】
本発明の好ましい実施形態にしたがって、第1の基地局のサブシステムと第2の基地局のサブシステムとを含むGSMの無線遠隔通信システムにおいて、これらのサブシステムの少なくとも一方はCDMAのエアーインターフェイスにしたがって動作し、第1の基地局のサブシステムから第2の基地局のサブシステムへ移動局をハンドオーバする方法であって、
CDMAのエアーインターフェイスにしたがってGSM/TDMAのサブシステムとして動作する第1および第2のサブシステムの少なくとも一方をマップすることと、
移動局と第1の基地局のサブシステムとの間に通信リンクを設定して、移動局が第1の基地局のサブシステムから第1の信号を受信することと、
第1の基地局のサブシステムとの通信リンクを実質的に中断せずに、第2の基地局のサブシステムから移動局によって受信される第2の信号に応答して移動局からデータを受信することと、
実質的に、第1および第2の基地局のサブシステムの両者がGSM/TDMAのサブシステムであるかのように、第1の信号と第2の信号の強度を比較することと、
信号の強度の比較に応答して第1の基地局のサブシステムから第2の基地局のサブシステムへ移動局をハンドオーバすることとを含む方法をさらに提供する。
【0038】
CDMAのエアーインターフェイスにしたがって動作するサブシステムの少なくとも一方をマップすることには、GSMの周波数および位置をサブシステムに割り当てることを含むことが好ましい。
【0039】
通信リンクを設定することおよび移動局をハンドオーバすることが、GSMのA−インターフェイスを介してシステム内の第1および第2のサブシステムと移動スイッチングセンタとの間でメッセージを伝達することを含むことがさらに好ましい。第1の基地局のサブシステムと第2の基地局のサブシステムの両者はCDMAのエアーインターフェイスにしたがって動作し、移動局をハンドオーバすることには、A−インターフェイスのプロトコルに実質的に違反せずに、A−インターフェイスを介して新しいIS−95の長いコードを伝達することを含むことが好ましい。
【0040】
移動局からデータを受信することには、重み付け係数を第2の信号へ適用することを含み、信号の強度を比較することには、重み付けされた信号を比較することを含み、重み付け係数を適用することには、重み付け係数を移動局へ伝達し、移動局が重み付け係数を第2の信号へ適用することを含むことが好ましい。重み付け係数を適用することには、システム内のネットワークの状態にしたがって係数を変化させることを含むことが好ましい。
【0041】
本発明の好ましい実施形態にしたがって、移動遠隔通信システムにおいて使用するための無線通信装置であって、
第1のエアーインターフェイスにしたがって第1の信号を送受信する第1のタイプの基地局と、
第2のエアーインターフェイスにしたがって第2の信号を送受信する第2のタイプの基地局と、
移動局であって、第1のエアーインターフェイス上で第1のタイプの基地局との通信リンクを維持する一方で、第2のタイプの基地局から第2のエアーインターフェイス上で第2の信号を受信し、かつ第2の信号に応答して第1のタイプの基地局へデータを送信し、送信されたデータに応答して移動局が第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバされる移動局とを含む無線通信装置をさらに提供する。
【0042】
移動局によって送られるデータには、信号強度の測定値を含み、第1の信号と第2の信号の信号強度の比較に応答して移動局がハンドオーバされることが好ましい。
【0043】
信号強度の測定値に重み付け係数が適用され、重み付け係数がシステム内のネットワークの状態にしたがって変化することが好ましい。重み付け係数が通信リンク上で移動局へ送られ、移動局が重み付け係数を測定値へ適用することが好ましい。
【0044】
移動局が第2の信号をデコードして、第2のタイプの基地局の識別を判断することがさらに好ましい。
【0045】
第1のタイプの基地局が、システム内の第2のタイプの基地局の周波数のリストを移動局へ送って、移動局がリスト内の周波数で第2の信号を受信しようとすることが好ましい。
【0046】
第1のタイプの基地局がハンドオーバのコマンドを移動局へ送って、移動局が第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバされることが好ましい。好ましい実施形態では、最初の送信はハンドオーバのコマンドに応答して第2のエアーインターフェイス上で送られ、第2のエアーインターフェイス上の最初の送信が正常に受信されないときは、移動局は第1のエアーインターフェイス上で通信リンクを再び獲得する。
【0047】
ハンドオーバコマンドは、第2のエアーインターフェイスに関係するパラメータを要約していることが好ましい。実質的にGSMの標準にしたがうコマンドは、IS−95の標準にしたがって規定されるパラメータを要約し、要約されたパラメータはIS−95の長いコードを含むことが最も好ましい。
【0048】
移動局は、第1のタイプの基地局と第2のタイプの基地局の両者と通信する単一のRFトランシーバを含むことがさらに好ましい。
【0049】
好ましい実施形態において、第1および第2のエアーインターフェイスの一方はTDMAのインターフェイスを含み、他方のインターフェイスはCDMAインターフェイスを含み、TDMAのインターフェイスはGSMインターフェイスを含むことが好ましく、CDMAインターフェイスはGSMネットワークメッセージを伝達するように構成されている。CDMAインターフェイスはIS−95の標準に基づいていることが好ましい。移動局は単一の無線資源管理プロトコル層を使用して、第1および第2のエアーインターフェイスの両者を管理することがさらに好ましい。
【0050】
第1のエアーインターフェイスによってサービスされる第1の領域と第2のエアーインターフェイスによってサービスされる第2の領域との間の重複領域内に移動局があるとき、基地局は、第2のエアーインターフェイス上で第2の信号を受信するように移動局をトリガすることが好ましい。
【0051】
好ましい実施形態では、第1のエアーインターフェイスはCDMAのインターフェイスを含み、第2のエアーインターフェイスはGSM/TDMAのインターフェイスを含み、第1のタイプの基地局は移動局をゲートして、通信リンクを中断し、GSM信号を受信して、デコードする。
【0052】
移動局は、IS−95のフレームの継続期間の間リンクを中断することが好ましい。
【0053】
移動局は、第2の信号を処理して、GSMの周波数補正および同期チャンネルの信号をデコードすることがさらに好ましい。
【0054】
別の好ましい実施形態では、第1のエアーインターフェイスはGSM/TDMAのインターフェイスを含み、第2のエアーインターフェイスはCDMAのインターフェイスを含み、第1のタイプの基地局は移動局を制御して、通信リンクを中断し、CDMA信号を受信して、デコードする。
【0055】
第1のタイプの基地局は、GSM/TDMAのインターフェイスを介して移動局へ時刻情報を伝達することが好ましい。装置はGSMのセル同報通信センタを含み、GSMのセル同報通信センタは、GSMのセル同報通信サービスを使用してシステムを介して移動局へ時刻情報を伝達し、GSMのセル同報通信センタは、システム内の第1のタイプの基地局と通信しているトランシーバから時刻情報および関係するGSMフレーム番号を受信することが好ましい。
【0056】
その代わりに、またはそれに加えて、移動局は、同期チャンネルのCDMA信号をデコードして、時刻を求める。
【0057】
GSMのセル同報通信センタは、セル同報通信サービスメッセージを移動局へ伝達して、移動局は第2の信号についてのサーチを開始し、移動局は専用モードで動作している一方で、セル同報通信サービスメッセージを受信することが好ましい。
【0058】
その代わりに、またはそれに加えて、移動局はCDMA信号を処理して、CDMAのパイロットビームを識別する。
【0059】
移動局は、第1のTDMAの時間スロット中にCDMAの信号を受信し、次のTDMAの時間スロット中に信号を処理して、一方でTDMAのインターフェイス上で基地局と通信して、基地局へ送信するためのデータを生成することが好ましい。
【0060】
本発明の好ましい実施形態にしたがって、セル同報通信センタを含むGSMの無線遠隔通信システムにおいて時刻情報を移動局へ伝達する装置であって、GSMのセル同報通信システムを使用して、移動局へ情報を同報通信する装置をさらに提供する。
【0061】
装置は、システムと通信しているトランシーバを含み、時刻および関係するGSMのフレーム番号をセル同報通信センタへ送信し、トランシーバはシステムを介してセル同報通信センタへのデータ呼を開き、時刻およびそれに関係するフレーム番号を伝達することが好ましい。
【0062】
移動局は、時刻情報を使用して、CDMAの送信信号に同期することが好ましい。
【0063】
移動局は、専用モードで動作している一方で、セル同報通信システムから情報を受信することがさらに好ましい。
【0064】
本発明の好ましい実施形態にしたがって、無線遠隔通信システムにおいて通信制御装置へ時刻情報を入力するための装置であって、
クロックソースから時刻情報を受信するクロック信号受信機と、
クロック信号受信機から時刻情報を受信し、システムを介して通信制御装置へのデータ呼を開いて、通信制御装置へ情報を伝達することを含む無線トランシーバを含む装置をさらに提供する。
【0065】
通信制御装置は、GSMのセル同報通信センタを含み、無線トランシーバはシステム内の基地局からGSMのフレーム番号を受信して、セル同報通信センタへ時刻情報と一緒にフレーム番号を伝達することが好ましい。
【0066】
クロック信号受信機はCDMAの通信セルから時刻情報を受信する無線受信機を含み、無線トランシーバは無線受信機を含むことが好ましい。
【0067】
その代わりに、クロック信号受信機はGPSデバイスを含む。
【0068】
さらに加えて、本発明の好ましい実施形態にしたがって、GSMの遠隔通信システムにおける移動無線遠隔通信のための装置であって、
移動局と、
第1および第2の信号を移動局へ送る第1および第2の基地局のサブシステムであって、第1および第2の基地局のサブシステムの少なくとも一方がCDMA信号であり、第1および第2の基地局のサブシステムの両者がGSMのシステム内でGSMの基地局のサブシステムとしてマップされる第1および第2の基地局のサブシステムとを含み、
実質的に、第1および第2の基地局のサブシステムがGSM/TDMAのエアーインターフェイスにしたがって動作されたように、移動局によって受信された第1および第2の信号の強度の比較に応答して、移動局が第1および第2のサブシステムからハンドオーバされる装置が提供される。
【0069】
CDMA信号を送信するサブシステムは、GSMの周波数とシステム内の位置とを割り当てられることが好ましい。メッセージは、システム内の第1および第2のサブシステムと移動スイッチングセンタとの間をGSMのA−インターフェイスを介して伝達され、第1および第2の信号の両者はCDMA信号を含むことがさらに好ましい。新しいIS−95のロングコードは第2のサブシステムからA−インターフェイスを介して第1のサブシステムへ伝達され、A−インターフェイスのプロトコルに実質的に違反せずに、移動局をハンドオーバすることが好ましい。
【0070】
移動局は、信号強度が比較される前に、重み付け係数を第2の信号へ適用することが好ましい。
【0071】
本発明の好ましい実施形態にしたがって、CDMAおよびTDMAの基地局を含む無線遠隔通信システムにおいて使用するための移動局であって、
CDMAの基地局およびTDMAの基地局と通信する単一の移動無線トランシーバと、
移動トランシーバによって送信される信号をコード化して、それによって受信した信号をデコードするモデムユニットであって、信号をCDMAの基地局と通信するためにCDMA用にコード化し、TDMAの基地局と通信するためにTDMA用にコード化するモデムユニットとを含む移動局をさらに提供する。
【0072】
モデムユニットは、GSMの無線インターフェイス層プロトコルにしたがって信号をコード化することが好ましい。
【0073】
移動局は、移動局と、CDMAの基地局およびTDMAの基地局の一方との間に存在する通信リンクを実質的に中断せずに、CDMAの基地局およびTDMAの基地局の他方から信号を受信して、処理することがさらに好ましい。
【0074】
本発明の好ましい実施形態にしたがって、セル同報通信サービスを含むGSM無線遠隔通信システムにおいて専用モードで動作する複数の移動局へメッセージを伝達する方法であって、
セル同報通信サービスにおいてメッセージを移動局へ同報通信することと、 移動局の専用モードの動作を実質的に終了せずに、移動局においてメッセージを受信することとを含む方法をさらに提供する。
【0075】
メッセージを同報通信することには、時刻情報を送ること、またはその代わりに、あるいはそれに加えて、サーチトリガメッセージを同報通信することを含むことが好ましい。
【0076】
さらに加えて、本発明の好ましい実施形態にしたがって、GSM遠隔通信システムにおける移動無線遠隔通信のための装置であって、
セル同報通信システム上でメッセージを同報通信するセル同報通信センタと、
専用のモード通信を実質的に終了せずに、専用モードで通信している一方でメッセージを受信する移動局とを含む装置を提供する。
【0077】
セル同報通信センタは時刻情報、またはその代わりに、あるいはそれに加えてサーチトリガメッセージを同報通信することが好ましい。
【0078】
本発明の好ましい実施形態にしたがって、CDMAの基地局とTDMAの基地局とを含む無線遠隔通信システムにおいて使用するための移動局であって、
CDMAの基地局とTDMAの基地局と通信する、少なくとも1つの移動無線トランシーバと、
少なくとも1つのトランシーバによって送信され、通信プロトコルスタックにしたがって受信される信号を処理するモデムユニットであって、信号はCDMAの基地局と通信するためにCDMA用にコード化され、TDMAの基地局と通信するためにTDMA用にコード化され、スタックはCDMAの基地局とTDMAの基地局の両者との通信を制御する単一の無線資源管理プロトコル層を含むモデムユニットとを含む移動局をさらに提供する。
【0079】
無線資源管理プロトコル層は、GSM無線インターフェイス層3RRのサブレイヤの機能のほぼ全てを実行することが好ましい。
【0080】
無線資源管理プロトコル層は、一方の基地局から他方の基地局への移動局のハンドオーバを制御することがさらに好ましい。
【0081】
さらに加えて、本発明の好ましい実施形態にしたがって、基地局のサブシステムを含むGSMの移動無線遠隔通信システムにおいて、基地局のサブシステムの少なくとも一部がCDMAのエアーインターフェイスにしたがって動作し、システム内の移動局と基地局のサブシステムとの通信を制御するための方法であって、
CDMAのエアーインターフェイス上で、移動局と基地局のサブシステムの一方との間で信号を送受信することと、
GSMの無線インターフェイス層3RRのサブレイヤの機能のほぼ全てを実行する無線資源管理通信プロトコル層を使用して送信および受信を制御することとを含む方法を提供する。
【0082】
システムはTDMAのエアーインターフェイスにしたがって動作する基地局のサブシステムをさらに含み、方法は、
TDMAのエアーインターフェイス上で、移動局と基地局のサブシステムの一方との間で信号を送信および受信することと、
送信および受信を制御することが、単一の無線資源管理通信プロトコル層を使用して、CDMAとTDMAのエアーインターフェイス上で信号の送信および受信を制御することをさらに含むことが好ましい。
【0083】
方法は、TDMAの基地局とCDMAの基地局との間で移動局をハンドオーバすることを含み、ハンドオーバが無線資源管理通信プロトコル層によって制御されることがさらに好ましい。
【0084】
本発明は、次に示す本発明の好ましい実施形態の詳細な説明を、添付の図面と一緒に参照することによって、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は本発明の好ましい実施形態にしたがって、ハイブリッドのGSM/CDMAセルラ通信システムを示す模式的なブロックダイヤグラムを示す。
【図2】図2は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図1のシステム内の移動局と基地局のサブシステムとの間の通信プロトコルを示す模式的なブロックダイヤグラムを示す。
【図3】図3は本発明の好ましい実施形態にしたがって、ハイブリッドのGSM/CDMAの移動局を示す模式的なブロックダイヤグラムを示す。
【図4】図4は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図1のシステムの素子間の通信プロトコルのスタックを示す模式的なブロックダイヤグラムを示す。
【図5】図5は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図1のシステム内のCDMAの基地局からGSMの基地局への移動局のハンドオーバを示す模式的なブロックダイヤグラムを示す。
【図6】図6は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図5のハンドオーバに関係する信号の流れを示す模式的なブロックダイヤグラムを示す。
【図7】図7は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図5のハンドオーバを実行する際に移動局によって使用される通信フレームを模式的に示すブロックダイヤグラムを示す。
【図8】図8は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図5のハンドオーバを実行する際に移動局によって使用される通信フレームを模式的に示すブロックダイヤグラムを示す。
【図9】図9は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図5のハンドオーバを実行する際の移動局の動作を模式的に示すフローチャートを示す。
【図10】図10は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図5のハンドオーバを実行する際の移動局の動作を模式的に示すフローチャートを示す。
【図11】図11は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図5のハンドオーバを実行する際のCDMAの基地局の動作を模式的に示すフローチャートを示す。
【図12】図12は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図5のハンドオーバを実行する際のCDMAの基地局の動作を模式的に示すフローチャートを示す。
【図13】図13は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図1のシステムにおいて時刻情報を供給することに関係する信号の流れを示す模式的なブロックダイヤグラムを示す。
【図14】図14は本発明の好ましい実施形態にしたがって、GSMの基地局からCDMAの基地局へ移動局をハンドオーバするための方法を理解するのに便利な、ハイブリッドのGSM/CDMAのセルラ通信システムにおけるセルを模式的に示す図を示す。
【図15】図15は本発明の好ましい実施形態にしたがって、GSMの基地局からCDMAの基地局への移動局のハンドオーバと関係する信号の流れを示す模式的なブロックダイヤグラムを示す。
【図16】図16は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図14のハンドオーバを実行する際の移動局の動作を模式的に示すフローチャートを示す。
【図17】図17は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図14のハンドオーバを実行する際の移動局の動作を模式的に示すフローチャートを示す。
【図18】図18は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図14のハンドオーバを実行する際のCDMA移動局の動作を模式的に示すフローチャートを示す。
【図19】図19は本発明の好ましい実施形態にしたがって、ハイブリッドのGSM/CDMAのセルラ通信システムにおけるCDMAの基地局間の移動局のハンドオーバを示す模式的なブロックダイヤグラムを示す。
【図20】図20は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図19のハンドオーバに関係する信号の流れを模式的に示す図を示す。
【図21】図21は本発明の好ましい実施形態にしたがって、図19のハンドオーバに関連して割り振られたCDMAのロングコードを示す模式的なブロックダイヤグラムを示す。
【図22】図22は開示されている方法および装置にしたがって実行されるハンドオーバ手続きを示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0086】
ハイブリッドのGSM/CDMAシステムの動作の概要
ここで図1を参照すると、図1は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、ハイブリッドのGSM/CDMAのセルラ通信システム20の模式的なブロックダイヤグラムである。システム20は、既に記載したように、GSMの通信標準に基づいて、公衆陸上移動ネットワーク(public land mobile network, PLMN)22を中心に構築されている。このようなネットワークのインフラストラクチャは既に存在していて、多くの国において一般的に使用されており、本発明は、既存のインフラストラクチャに対して大幅な変更を必要とせずに、このようなネットワークと関連してCDMAサービスを漸進的に取り入れることができるといった長所をもつ。PLMN22は、移動サービススイッチングセンタ(mobile-services switching center, MSC)24を(図1には分かり易くするために1つのみのMSCが示されているが)少なくとも1つ、または事に依ると多数含んでおり、MSCは地理的領域内でネットワークの動作を制御する。他の機能の中でもとくに、MSC24は、加入者ユニットの位置登録、および基地局間の加入者ユニットのハンドオーバ、さらに加えて公衆交換電話ネットワーク(public switched telephone network, PSTN)および/またはパケットデータネットワーク(packet data network, PDN)48へPLMN22をリンクすることに責務を負っている。PLMNはさらに、ネットワーク管理センタ(network management center, NMC)26およびセル同報通信センタ(cell broadcast center, CBC)28とを含む。これらの機能については別途記載する。
【0087】
システム20は複数の移動局(mobile station, MS)40を含み、MS40は無線電波リンク(wireless radio frequency(RF) link)上で複数の基地局のサブシステム(base station subsystem, BSS)30および32を介してPLMN22と許容セルラ通信周波数において通信する。MS40は加入者ユニットとしても知られており、実質的に標準のGSMのTDMAのシグナリングプロトコルを使用するGSMのBSS30と、別途記載するCDMAを応用した通信方法を使用するCDMAのBSS32との両者と通信することができる。さらに加えて、標準のGSMのシステムにおいて、移動局は通常はアイドルモードのときのみCBC28から同報通信を受信することができるが、MS40は、呼中にBSS30を介してこのような同報通信を受信することができ、これについては別途記載することにする。分かり易くするために、図1にはMS40、GSMのBSS30、およびCDMAのBSS32がそれぞれ1つのみ示されているが、実際には、システム20は通常はこれらの各システムの素子を複数含んでいることが分かるであろう。
【0088】
GSMのBSS30とCDMAのBSS32との両者は、MSC24と通信し、これによって制御される。GSMのBSS30とMSC24との間の通信は、実質的にGSMの標準にしたがっている。CDMAのBSS32はIS−95のCDMAの標準に関連して変更され、GSMの標準にしたがうPLMN22、とくにMSC24とGSM標準のA−インターフェイスを介して通信し、これについては図4(a)および図4(b)を参照して別途記載する。BSS32は、CBC28とも通信し、電波にのって同報通信されるメッセージを受信し、電波による動作およびメンテナンスセンタ(radio operation and maintenance center, OMC-R)38を含む。OMC−Rは、好ましくはGSMの12.XXシリーズの仕様(ここでは参考文献として取り上げている)に基づく情報モデルを使用して、GSM−標準のQ3のインターフェイス上でNMC26と通信する。選択的に、BSS32は、欧州電気通信標準化協会(European Telecommunications Standards Institute, ETSI)によって提案されている、一般パケットデータサービス(general packet data service, GPRS)50へリンクしてもよい。その代わりに、またはそれに加えて、BSS32はパケットデータを直接にPSTN/PDN48へ送信するために、好ましくはそこを通るインターネットへのリンクと接続されていてもよい(しかしながら、簡単にするために、図1にはこのような接続は示されていない)。
【0089】
CDMAのBSS32とMS40との間の通信は、CDMAの“エアーインターフェイス”に基づいており、CDMAの“エアーインターフェイス”は通常はCDMA通信のためのIS−95の標準にしたがっていることが好ましい。BSS32は基地局制御装置(base station controller, BSC)34を中心に構築されていて、BSC34は多数の基地局トランシーバ(base station transceiver, BTS)36を制御して、これと通信する。MS40が個々のによってサービスされる地理的領域またはセル内にあるとき、各BTSはMS40との間でRF信号を送受信する。電話呼中に、MSがCDMAのBTS36のセルを一方から他方へ移動するとき、CDMAの技術において知られているように、BTS間で“ソフトなハンドオーバ”(またはハンドオフ(handoff))が行われる。
【0090】
しかしながらシステム20のサービス領域には、CDMAの有効範囲をもたない(すなわち、システム20のサービス領域内にCDMAのBTS36がない)か、または有効範囲が弱いあるいは輻輳しているものもある。MS40が電話呼中にこのような領域内に移動するとき、MSは呼を中断せずに、CDMAのBTSから、GSMのBSS30と関係するBTSへハンドオーバされる。同様に、MS40が、呼中にGSMのBSS30のみによってサービスされる領域からCDMAのBTS36のセルへ移動するとき、MSはGSMからCDMAのBSSへハンドオーバされることが好ましい。CDMAからGSM/TDMAのサービスへ、およびGSM/TDMAからCDMAのサービスへ、並びにCDMAのBSS32の一方から他方へこのようなハンドオーバを実行する方法については別途記載する。このような方法、および図1に示したシステム20のアーキテクチャによって、MS40は、システム20によってサービスされる、TDMAの領域内でサービスを損わずに、CDMAのサービスが行われている領域内で、CDMAのサービスの恩恵を受けることができる。高レベルのGSMのネットワークプロトコルがシステム全体で確認され、より低いレベルのRFのエアーインターフェイスのみが移行中に変えられるので、CDMAの領域とTDMAの領域との間の移行はMS40のユーザには実質的にトランスペアレントである。
【0091】
図2は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、MS40とBSS30および32との間の通信プロトコルのスタックを模式的に示すブロックダイヤグラムである。MS40は、GSMのUmインターフェイス上でGSMのBSS30と通信し、GSMのUmインターフェイスは標準のTDMAのエアーインターフェイスに基づいているので、MS40に適応するために、BSS30またはGSMのレイヤ1およびレイヤ2の標準のインターフェイスプロトコルの変更は実質的に必要ない。MS40は、ある特定の変更を行ったCDMAのIS−95のエアーインターフェイスに基づいて、CDMAのUmインターフェイス上でCDMAのBSS32と通信する。この技術において知られている加入者ユニットは、GSMのUmインターフェイスまたはCDMAのUmインターフェイスの両者ではなく、何れか一方において動作することができる。
【0092】
これらのインターフェイスの両者を維持するために、MS40はモバイル装置(mobile equipment, ME)42を含み(図1参照)、ME42は、2つの無線トランシーバ、すなわちTDMAの動作のために構成された無線トランシーバおよびCDMAの動作のために構成された無線トランシーバか、またはTDMAとCDMAとの間で動的にスイッチできる単一のトランシーバの何れかを含まなければならない。MEはモバイル端末(mobile termination, MT)を含み、MTは、音声またはデータ、あるいはこの両者の入出力のための端末装置(terminal equipment, TE)46を支援している。さらに加えて、MS40は、GSMの標準にしたがって、加入者識別モジュール(subscriber identity modules, SIM)44を含む。
【0093】
図3は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、MS40がME42内に単一の無線トランシーバを含んでいることを示す模式的なブロックダイヤグラムである。MS40はモデムユニット59を中心に構築されていて、モデムユニット59はTDMAとCDMAの両者の信号を生成して処理することができるDSPのコア60を含んでいる。コア60はASICデバイスを含み、ASICデバイスはGSMのタイミング論理64およびGSMのハードウエアのアクセラレータ(GSM hardware accelerator, GSM HW加速部(GSM HW ACCELERATION))(またはDSP)62によって支援されるスタンドアローン形のCDMAの送信/受信処理部と、さらに加えてSIMのためのポート44とを含む。コア60は入力を受け取り、出力をTE46へ送る。この場合に、TE46はオーディオマイクロフォンおよびスピーカとして表わされており、コア60は、この技術において知られているように、D/AおよびA/Dの変換と、さらに加えて可聴信号に対するボコーディング機能を行う。GSMまたはCDMAのボコーディングは、MS40がGSMのBSS30またはCDMAのBSS32と接触しているか、否かに依存して適用される。コア60は、さらに加えて、またはその代わりに、ファックスデバイスのような、ディジタルデータの入力/出力を行うTE46と協働するように構成されていてもよい。
【0094】
コア60は、TDMAまたはCDMAの何れかのフォーマットのディジタルデータを混在信号出力デバイス66へ出力する。デバイス66は、RF送信機68へ入力するために、データを処理して、アナログのベースバンドの形態に変換する。送受切換え器70はアンテナを介してGSMまたはCDMAの基地局へ生成されたRF信号を適切に伝達する。基地局から受信された信号は、送受切換え器70によってRF受信機72および混在信号入力デバイス74を介して、ベースバンドの変換およびAGC機能を行って、コア60へ送られる。送信機68、受信機72、および混在信号デバイス66および74はコア60によって制御されることが好ましい。
【0095】
MS40によるRFの送信および受信は、既存のGSM装置、とくにBSS30との互換性のために、GSMの900または1800メガヘルツのバンド内における周波数で行われることが好ましい。MS40が図3に示した単一のトランシーバのみを含み、GSMのバンドで動作すると仮定すると、システム20におけるCDMAシステムもこの周波数範囲内で動作するように適切に構成されなければならない。
【0096】
図2を参照すると、MS40が物理的に1つのトランシーバを含んでいても、2つのトランシーバを含んでいても、MS40は、向かい合っているGSMのBSS30およびCDMAのBSS32のそれぞれと動作するために、プロトコルスタック内の2つのインターフェイスのレイヤ1および2を支援しなければならない。MS40とCDMAのBSS32との間のCDMAのエアーインターフェイスは、標準のIS−95のプロトコル上で動作するCDMAのレイヤ1と、IS−95の動作を変更して、GSMのネットワークサービスの必要に適応するGSM−CDMAのレイヤ2とを含む。GSM−CDMAのレイヤ2は、メッセージの順序付け、優先順位、および断片化、並びに通信の中断および再開のような機能を含んでおり、これは通常はCDMAのIS−95ではなく、標準のGSMのレイヤ2によって支援される。向かい合っているGSMのBSS30、エアーインターフェイスのレイヤ1および2は、実質的に変更せずに、GSMの標準にしたがっている。
【0097】
標準のGSMのプロトコルは、第3の無線インターフェイスのレイヤ(third Radio Interface Layer, RIL3)を含んでおり、RIL3は、GSMのレイヤ1およびレイヤ2の上にあって、3つのサブレイヤを含んでいる。これらの3つのRIL3のサブレイヤの中の最も下のサブレイヤは、無線資源(Radio Resource, RR)管理層であり、上に位置する移動管理(Mobile Management, MM)および接続管理(Connection Management, CM)のサブレイヤを支援している。GSMのBSS30内のRIL3のサブレイヤは、GSM標準に対して実質的に変更されず、同様にGSMのMMおよびCMのサブレイヤもMS40において実質的に変更されずに維持される。CMのサブレイヤは呼の処理のためにシグナリング、GSMの補足的なサービス、およびショートメッセージサービス(short message service, SMS)を支援する。MMのサブレイヤは、MS40の位置付け、認証、および暗号化キーの管理のために要求されるシグナリングを支援する。
【0098】
MMおよびCMのサブレイヤを支援するために、GSM−CDMAのRRのサブレイヤは、MS40およびBSS32のプロトコルスタックに取り入れられている。GSM−CDMAのRRのサブレイヤは、無線資源の管理、並びにMS40とBSS30および32との間の無線リンクの維持を行っており、MS40のプロトコルスタック内の2つのGSMとCDMAの下位のレイヤ(レイヤ1および2)の存在に“気付いている”。GSM−CDMAのRRのサブレイヤは、MSスタック内の適切な下位のレイヤを呼出し、通信しているBSSから受取る指令に依存して、GSMのUmのインターフェイス上のBSS30の標準のRIL3−RRのサブレイヤか、またはCDMAのUmのインターフェイス上のBSS32のGSM−CDMAのRRのサブレイヤの何れかと通信する。MMおよびCMのサブレイヤは、BSS32によって処理されないが、下に位置するCDMAのエアーインターフェイスレイヤに実質的にトランスペアレントなやり方で処理するために、MS40とMSC24との間を中継される。MSのスタック内のRRのサブレイヤも、レイヤ1と2とにおいて規定されている対応するエアーインターフェイス間のハンドオーバを制御し、MSC24とBSSとからの指令のもとで、ハンドオーバのためのセルの選択を支援する。
【0099】
いずれのエアーインターフェイスが使用されているかに関わらず、GSM−CDMAのRRのサブレイヤは、その上に位置する標準のGSMのRIL3−MMおよびCMのサブレイヤを支援する。RRのサブレイヤは、GSMの仕様の04.07および04.08(ここでは参考文献として取り上げている)によって規定される完全な無線資源管理機能を提供することが好ましい。“RR”のレイヤ自体は、CDMAのIS−95標準によって規定されないが、ここに記載されているGSM−CDMAのRRのサブレイヤも同様に、完全なIS−95の無線資源機能を保持している。
【0100】
GSMの標準にしたがって、RRのサブレイヤの機能は、アイドルモードの動作と専用モードのサービス(すなわち、通話中に行われるサービス)とを含む。RRのサブレイヤのアイドルモードの動作には、GSMとCDMAのセル間、並びにCDMAのセルの対とGSMのセルの対との間における自動的なセル選択およびアイドル状態のハンドオーバを含み、セル変更の表示はGSMの標準によって特定される。アイドルモード中にRRのサブレイヤは、GSMおよびCDMAの標準によって特定される同報通信のチャンネル処理、およびRR接続の設定も行う。
【0101】
専用モードでは、RRのサブレイヤは次のサービス、すなわち、
・ルート設定サービス、サービス要求、メッセージの転送、およびGSMの標準によって特定される実質的に全ての他の機能と、
・別途記載するハードなハンドオーバ、およびCDMA−対−CDMAのソフトなおよび“よりソフトな”ハンドオーバを含む専用チャンネルの変更(すなわち、ハンドオーバ)と、
・伝送モード、チャンネルのタイプ、およびコーディング/デコーディング/トランスコーディングモードを含むRRチャンネルのためのモード設定と、
・IS−95の仕様に基づくMSパラメータの管理と、
・GSMの仕様に基づくMSの階級値の管理とを行う。
【0102】
当業者には、RRのサブレイヤの上述の特徴は、要約書のみによって記載されており、追加詳細および特徴は発行されたGSMおよびCDMAの仕様に基づいて追加されることが分かるであろう。
【0103】
図4(a)は、本発明の好ましい実施形態にしたがうMS40と、CDMAのBSS32と、GSMのMSC24との間のシグナリングインターフェイスにおいて使用されるプロトコルスタックを模式的に示したブロックダイヤグラムである。これらのインターフェイスは、CDMAのエアーインターフェイス上でMS40がGSMのMSC24と通信できるようにしている。これらのインターフェイスの動作、とくにこれらのインターフェイスを通るメッセージの流れは、上述の特許出願第PCT/US96/20764号により詳しく記載されており、ここではこれを参考文献として取り上げている。MS40がGSMのBSS30とMSC24と通信しているとき、プロトコルスタックは、実質的に変更せずにGSM標準にしたがっている。
【0104】
既に記載したように、MS40はCDMAのUmのインターフェイス上でCDMAのBSS32と信号を交換し、MSとBSSのプロトコルスタックは、GSM−CDMAのRRのサブレイヤおよびレイヤ2とを含むように変更される。図4(a)には、中継層が、BSS32のプロトコルスタック内に明らかに示されており、中継層がは、MS40とMSC24との間のRIL3−CMおよびMMのシグナリングをBSS32によってあまり処理せずに伝達する。Umのインターフェイス内に含まれている他のレイヤについては、図2を参照して既に記載した。
【0105】
CDMAのBSS32は、標準の、実質的に変更されていないGSMのA−インターフェイス上でGSMのMSC24と通信する。このインターフェイスは、この技術において知られているように、好ましくはGSMの08.08の標準にしたがって、GSMのSS7およびBSSのアプリケーションパート(BSS Application Part, BSSAP)のプロトコルに基づいている。BSSAPはMSC24とBSS32との間の手続きを支援し、この手続きは単一の呼および資源管理に関係する情報の解釈および処理、並びにMSC24とMS40との間の呼の制御および移動性の管理メッセージの転送を必要とする。BSS32は、MSC24へ送るために、BSSとMS40との間で交換されるCDMAのレイヤ1、GSM−CDMAのレイヤ2、およびRRのプロトコルを適切なSS7およびBSSAPのプロトコルへ、またはこの逆に変換する。
【0106】
CDMAのBSC34は標準のA−インターフェイスを使用してGSMのMSC24と通信するので、CDMAのBSS32をGSMのシステム20へ追加できるようにするために、コアのGSMのMSCを変更する必要は実質的にない。さらに加えて、GSM/TDMAのBSS30とCDMAのBSS32の両者はA−インターフェイス上で実質的に同じやり方でMSC24と通信するので、MSC24はこれらの間の識別において相違があることを認識する必要はない。BSS32のBTS36と関係するセルはGSM/TDMAのセルと実質的に同じやり方でMSC24によってマップされ、GSMの標準にしたがって、GSMの絶対無線周波数のチャンネル番号(absolute radio frequency channel number, ARFCN)および基地局識別コード(base station identity code, BSIC)の値を割り当てられる。MSC24の観点から、GSMのBSS30とCDMAのBSS32との間、またはさらに2つの異なるCDMAのBSS間におけるハンドオーバは、従来のGSM/TDMAを応用したシステムにおける2つのGSMのBSS間のハンドオーバと相違しない。CDMAセルのBSICは、システム20内において従来のGSMセルと区別できるように割り当てられる。
【0107】
図4(b)は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、MS40とMSC24との間でCDMAのBSS32を介して音声データを伝達することに関係するプロトコルスタックを模式的に示すブロックダイヤグラムである。MS40とBSS32との間の音声データはCDMAのボコーダによって符号化およびデコードされ、CDMAのボコーダにはこの技術において知られている標準のIS−95のボコーダのプロトコルを含んでもよい。BSS32はCDMAのレイヤ1をGSMのE1のTDMA信号へ変換し、A−インターフェイスの標準要件にしたがって、CDMAのボコード(vocode)されたデータをPCMのA−法圧伸音声データ(A-law companded voice data)へ変換する。したがってMS40がGSM/TDMAモードで動作していても、BSS32とMS40との間のデータがCDMA方式で符号化されることとは実質的に関係なく、MSC24はMS40との間でBSS32を介して音声データを送受信する。
【0108】
CDMAからTDMAへの基地局のハンドオーバ
図5は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、システム20を詳細に示す模式的なブロックダイヤグラムであり、CDMAのBSS32からGSMのBSS30へのMS40の移動支援のハンドオーバ方法を理解するのに有益である。図1とは異なり、ここではBSS30が詳しく示されており、BSC77と複数のBTS78および80とを含んでいる。図5には、BSS32と関係するBTSの1つ、ここではBTS76から、BSS30のBTS78へのハンドオーバが示されている。BSS32は、図1を参照して記載したように、GSM−CDMAのBSC34およびBTS36も含んでいる。
【0109】
このようなハンドオーバが望ましい位置にMS40があると判断されるとき、CDMAのBTS76からTDMAのBTS78へのハンドオーバは、BSS32によって開始されることが好ましい。この情況は、BTS76から受信される信号が弱いときか、またはMS40がCDMAの有効範囲の縁端部に到達していることが分かっているときか、またはCDMAチャンネル上のトラヒックが多いときに生じる。その代わりに、BSS32はMS40に、BTS78(または他のGSMのBTS)から信号を求めるように、そうするための特定の圧力とは無関係にときどき命令してもよい。
【0110】
図6は信号の流れを模式的に示すダイヤグラムであり、本発明の好ましい実施形態にしたがって、図5のハンドオーバプロセスにおけるMS40と、BSS30、32と、MSC24との間で伝達される信号を示す。BSC34はMS40に命令して、隣り合うGSMのBTSに対するゲート式のサーチを開始し、MS40はBTS76との通信を短い期間の間中断して、TDMA信号をサーチして受信する。MS40はIS−95標準で動作し、IS−95標準では、CDMAの送信を20ミリ秒の時間期間の間アイドル状態にし、この時間期間の間CDMAの音声通信を実質的に中断せずにGSMのTDMAの近隣の走査を行うことができることが好ましい。20ミリ秒のフレーム中のMS40による送信は、IS−95の標準によってセクション6.6.6.2.8によって規定されている活動化/非活動化機構を使用して中断されることが最も好ましい。その代わりに、このようなアイドル状態の期間は、他のCDMA標準のもとでも同様に取り入れることができる。またその代わりに、既に記載したように、MS40は、この目的のために同時に使用できる別個のTDMAとCDMAのトランシーバを含んでもよい。
【0111】
BSC34は、BTS78および80と関係するような、隣り合うGSMのTDMAのセルの周波数のリストをMS40に与えることが好ましい。MS40はリスト上のセルの周波数のみでサーチするので、このようなリストは、BTS78をサーチして、見付けるのに必要な時間を低減するのに有益である。リストは、MS40が1つのセルから別のセルへ移動するときに更新され、TDMAとCDMAの基地局間のハンドオーバ中は維持される。
【0112】
MS40は、BTS78の周波数で信号を受信するとき、GSMの周波数補正(frequency correction, FCCH)および同期化(synchronization, SCH)のチャンネルの信号をデコードすることを試みる。このデコーディングを完了するには、ゲーティングされたCDMAのアイドル状態の期間のいくつかを費やす。デコーディングに成功すると、MS40は、TDMA信号の電力レベルを判断して、それをGSMのセルの識別と一緒にBSS32へ報告する。電力レベルを判断するために、MS40は1期間における信号電力の平均をとって、MSの移動およびチャンネルのフェーディングの影響を低減することが好ましい。TDMAの電力レベルの判断および報告は、MS40がコマンドを受信した後で、継続的に反復されることが好ましい。
【0113】
GSMの標準にしたがって、MS40によって監視される各セルの電力レベルは、少なくとも5秒ごとに判断され、対応するSCHは少なくとも30秒ごとにデコードされる。電力レベルは、セルの全てについてBSS32によって与えられる隣り合うセルのリスト上で判断される。MSはSCHをデコードし、最良の信号を送出したセルのみの電力レベルを報告することが好ましい。上述のセルからMSによって受信された信号についての最後の報告または他の変更の後で、判断された電力レベルが変更されているときのみ、MSはBSS32に報告することが最も好ましい。
【0114】
この情報に基づいて、BSSはハンドオーバが行われるか、否かおよびハンドオーバが行われるときを判断する。BSS32は、適切なときに、MSC24へのハンドオーバ要求を開始する。MSCはGSMのBSS30へハンドオーバ要求を伝達し、GSMのBSS30は要求に肯定応答する。次にGSMのBSS30はRRのハンドオーバコマンドをMSC24およびCDMAのBSS32を介してMS40へ伝達し、BSS30とMSとの間で新しいトラヒックチャンネル(traffic channel, TCH)が開かれる。この時点でハンドオーバは完了し、MS40はBTS78へ切換えられる。実質的にGSMのメッセージング標準にしたがってハンドオーバの成功がMSC24へ報告され、次に、MSCは適切な“クリア”コマンドをCDMAのBSS32へ発行し、CDMAのBSS32は“クリア完了”メッセージで応答する。
【0115】
新しいトラヒックチャンネルは、受諾されたGSMのハンドオーバ方法にしたがって、非同期のハンドオーバモードで開かれ、GSMのBSS30はこのようなハンドオーバを受諾するように構成されていることが好ましい。MS40は、ハンドオーバコマンドによって示されているように、GSMのBSS30の主要な専用制御チャンネル(dedicated control channel, DCCH)上でハンドオーバアクセスバーストでRRのハンドオーバコマンドに応答することが好ましい。次にMSは待機して、GSM標準の04.08において規定されているように、TCH上でBSS30から適切な物理的情報メッセージを受信し、ハンドオーバを完了する。IS−95標準のT3124のタイマにしたがって、物理的な情報が所定の時間期間内、好ましくは320ミリ秒以内で受信されないときは、MSはCDMAのBSS32への接続を再開することを試みる。
【0116】
GSMのBTS78からの信号がCDMAのBTS76の信号よりも強くなるたびに、ハンドオーバを開始する決定をすることができるが、別の基準が適用されることが好ましい。例えば、CDMAチャンネルは通常GSMチャンネルよりも、よりよい送信品質を与えるので、GSM信号が所定の重み付け係数だけCDMA信号よりも強いときのみ、ハンドオーバが開始されることが好ましい。係数はシステム20において予めプログラムされているか、またはMS40のユーザによって設定されてもよい。係数は、MSの地理的位置およびシステム内のCDMAおよびTDMAのチャンネル上の相対的なトラヒック量のパラメータに応答して、動的に調整されてもよい。
【0117】
図7および8は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、TDMAのセルの電力をデコードして監視するためにMS40によってそれぞれ使用されるIS−95Bフレーム81および87の構造を模式的に示すブロックダイヤグラムである。監視フレーム81および87は、480ミリ秒内の1つのみの監視フレームの繰返し数で、正規のCDMA通信フレーム82によって割込まれる。IS−95B標準では、監視フレームは20ミリ秒または40ミリ秒の監視期間をもつことができる。所望であれば、より長い継続期間を使用してもよい。より短い(20ミリ秒)のフレームを選択すると、MS40とBSS32との間で同時に実行されるCDMAの呼においてデータを損失する可能性は低減するが、1周期のデコーディングおよび監視を完了するのに必要な時間長は増加する。
【0118】
図7は、監視フレーム81を示しており、監視フレーム81を使用して、目的とする特定のTDMAのセルにおけるFCCHおよびSCHを獲得する。最初の時間間隔83において、MS40は、通常は、適切な位相ロックループ(phase-locked loop, PLL)をTDMAのセルの周波数に調節することによって、受信機の周波数を調節する。次の時間間隔84では、MSは、通常は自動利得制御(automatic gain control, AGC)を使用して、TDMAセルから受信した信号に対する受信機の利得を調節する。PLLおよびAGCを調節する適切な方法は、この技術においてよく知られている。時間間隔83および84は、各継続期間において約1ミリ秒であることが好ましい。続いて、フレーム81の全継続期間が20ミリ秒であるか、または40ミリ秒であるかに依存して約15または35ミリ秒の間、既に記載したように、獲得したCDMAセルのFCCHおよびSCHがデコードされる。次のCDMAフレーム82の準備において、MS40は周波数を以前の(CDMA)の設定に再び調節して、最後の時間間隔86においてCDMAのBTS76と再び同期させる。
【0119】
図8は、目的とするTDMAセルの電力レベルを測定するのに使用される監視フレーム87を示している。このような各セルにおいて、MS40の周波数は、既に記載したように、最初の時間間隔83に調節される。セルの電力レベルは、対応するエネルギ測定の時間間隔88の間に判断され、時間間隔88は約1.4ミリ秒の継続期間をもつことが好ましい。図8に示した例では、フレーム87の継続期間には20ミリ秒が採用されており、この電力レベルではこのフレーム中に7つの異なるセルを判断することができる。その代わりに、40ミリ秒のフレームが使用されるときは、このフレーム中に15までの異なるセルの電力レベルが判断される。
【0120】
図示されていない代わりの実施形態では、1つの監視フレームは2以上の部分に分割され、一方の部分はFCCHおよびSCHを獲得するためのフレームであり、他方はエネルギを測定するためのフレームである。さらに別の実施形態は、IS−95またはIS−95QのCDMA標準に基づいていてもよい。
【0121】
図9、10、11、および12は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、図5および6に示したハンドオーバを実行することに関係する動作を、状態機械の形態で模式的に示したフローチャートである。図9および10は、MS40の状態を示しており、図11および12はGSM−CDMAのBSS32の状態を示している。図9ないし12において、実線は、既に記載したIS−95のゲーティングを使用して実行されるプロセスを表わしており、MSの受信はCDMAとTDMAの間でスイッチする。点線は、MSがCDMA/TDMAで同時に動作できるときに可能な交互の状態の遷移を示しており、通常は(図3に示した単一のトランシーバのMSとは異なり)MSは2つの無線トランシーバをもつことが必要である。GSM−TDMAのBSS30の状態については、GSM標準に実質的にしたがっており、これはこの技術において知られているので、記載していない。
【0122】
ハンドオーバプロセスの途中でMS40とBSS30とBSS32との間で伝達される一定のメッセージは、図中のBSS32およびMS40の関連する状態を接続する線に沿って示されている。これらのメッセージは、標準のIS−95またはGSMメッセージの一般的な形態をとり、変更されるか、または補足されるか、あるいはこの両者が適切に行われて、ハイブリッドのGSM−CDMAシステム20において伝達される必要のある追加の情報を伝えることが好ましい。一定の例示的なメッセージおよびメッセージのフォーマットが本明細書に記載されているが、当業者には明らかなように、関連するIS−95およびGSM標準の制約内で、メッセージフィールドの実質的に適切な割り当てを使用することができる。
【0123】
ハンドオーバプロセスの始めに、MS40はMSの状態100およびBSSの状態130においてCDMAのトラヒックチャンネル(traffic channel, TCH)上でBSS32と通信する。BSSは、ゲーティングパラメータを含むゲーティングコマンドのサーチを発行し、状態134でゲーティングの完了を待つ。MS40は状態102においてパラメータを検査する。MSがパラメータを支援するように構成されていないときは、MSはゲーティング拒絶メッセージを発行する。パラメータが支援されているときは、MSはゲーティング完了メッセージを発行し、IS−95のゲーティング状態104に入る。ゲーティング停止コマンドが受信されるときは、MS40は状態100に戻る。
【0124】
ゲーティング完了メッセージが受信されると、BSS32はIS−95のゲーティング状態136に入り、MS40に命令して、隣り合うセルの監視を始める。(既に記載したように、MSがCDMA/TDMAの動作を同時にできるとき、この場合はMSは状態100から直接に状態106に入り、ゲーティング状態104および136は必要ない。)次にBSSは状態132に入り、監視が完了するのを待つ。MSは状態106において監視コマンドのパラメータを検査する。MS40は、コマンド監視パラメータを支援することを確認すると、GSM監視状態108に入り、既に記載したように、隣り合うセルの信号強度を定期的にデコードして、判断する。同様に、隣り合うセルの監視し始めたことについての確認をMSから受信すると、BSS32は各GSM監視状態138に入る。
【0125】
MS40は、隣り合うセルを監視し、パイロット強度測定メッセージ(pilot strength measurement message, PSMM)の形態でBSS32の結果を報告し続ける。ハンドオーバトリガ状態が設定されるとき、すなわちBSS32からMS40によって受信される信号が隣り合うセルの1つよりも十分に弱いとき、BSSはMSC24に、ハンドオーバが要求され、待機状態140に入ることを示す。GSM標準にしたがってGSMタイマT7によって判断されることが好ましいハンドオーバコマンドが、所定の期間内に受信されないときは、BSSは状態138に戻る。ハンドオーバコマンドがMSCから受信されるときは、BSS32はRIL3−RRのハンドオーバコマンドをMS40へ送り、別の待機状態142に入り、ここでBSS32はMSからのコマンドについてのレイヤ2(Layer 2, L2)の肯定応答(acknowledgment, ACK)を待つ。BSS32は状態138においてもハンドオーバコマンドをMSへ受信し、この場合にBSS32はRIL3−RRのハンドオーバコマンドをMS40へ送って、状態142に入ることに注意すべきである。
【0126】
MS40は、RIL3−RRのハンドオーバコマンドを受信すると、状態110においてハンドオーバコマンドのパラメータを検査する。MS40は、ハンドオーバコマンドのパラメータを支援するとき、L2の肯定応答をBSS32へ送って、CDMAの中断状態112に入る。パラメータが支援されないときは、MS40はハンドオーバ失敗メッセージを発行し、状態108へ戻る。この場合か、または肯定応答が、好ましくはGSMのタイマT8によって判断される所定の時間期間内に受信されないときは、BSS32はハンドオーバ失敗メッセージをMSC24へ送って、状態138に戻る。
【0127】
パラメータが支援され、ハンドオーバコマンドが、MSをGSM−TDMAのBSS30へハンドオーバすることを示していると仮定すると、MSはハンドオーバアクセスメッセージを送って、状態120においてBSS30からの物理的な情報を待つ。(ハンドオーバコマンドが、MSを別のCDMAのBSSへハンドオーバすると指定しているときは、図19および20を参照して別途記載するように、MSは状態114に入る。)その間にBSS32は状態144において“クリア”のコマンドを待ち、一方で“クリア要求”メッセージをMSC24へ定期的に送る。
【0128】
物理的な情報が受信されると、ハンドオーバは正常に完了し、MS40はGSMのトラヒックチャンネル通信状態124へ入る。BSS32はクリアコマンドを受信すると、状態148に入り、ここでBSS32はMS40との通信チャンネルに割り振られた無線資源(air resource)を解放し、“クリア完了”メッセージを送る。BSSはSCCP解放状態150に入り、ここでBSSはMSC24と通信するのに使用される呼資源を解放し、次に終了状態152においてMS40との接続を終了する。
【0129】
しかしながら、MS40が、GSMのT3124のタイマが切れることによって与えられる特定の時間期間内で物理的な情報を受信しないときは、MSは状態122に入り、ここでMSはCDMAのBSS32を再び獲得して、状態100へ戻ることを試みる。ハンドオーバ失敗メッセージがBSS32へ発行されると、BSS32は対応するCDMA再獲得状態146に入る。再獲得に失敗すると、BSS32はクリア要求を発行し、状態144へ戻り、BSS32はここから、既に記載したように、状態152へ最終的に抜けることができる。MSはアイドル状態126に変わる。
【0130】
TDMAからCDMAへの基地局のハンドオーバ
図13は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、システム内の関連するGSMのBSCおよびBTSへ時刻を与えることに関係するシステム20(図1参照)における信号の流れを示した模式的なブロックダイヤグラムである。時刻はGSM標準によって要求されていないので、通常はシステム20内のGSMのBSSはこの情報について知らされない。一方で、信号の識別およびデコーディング、およびセル間のソフトなハンドオーバには、CDMAの基地局が同期することが必要であるので、IS−95の標準には、このようなCDMAの基地局が同期することが要求される。したがって、TDMAのBTS78からCDMA76へのMS40の移動支援のハンドオーバには(これは図5に示されているが、ハンドオーバの矢印は反対である)、システム20によって時刻が与えられることが必要である。
【0131】
図13の方法では、PLTN22の標準の部分であるCBC28を使用することによって、MSC24またはGSMのBSS30またはBTS78および80におけるハードウエアまたはソフトウエアを変更する必要なく、システム20に時刻を与え、システム上で時刻を同報通信することができる。普通は、CBC28はGSMのインターフェイス標準03.41および03.49にしたがってセル同報通信サービス(cell broadcast service, CBS)を提供し、システム20内の規定されていない地理的領域に対して否定応答された一般的な短いメッセージを同報通信することができる。メッセージは、スタンドバイモード、またはアイドルモードにおいて、すなわちMSが電話呼に関係していないときにMS40によって受信される。しかしながら時刻情報を与えるために、MS40が、GSM標準によって規定されているようにアイドルモードであるときだけでなく、MSが(呼自体からデータを失う犠牲を払う可能性があるが)専用モード、すなわち電話呼中であるときも、MS40はCBSメッセージを受信できることが好ましい。CBSを使用して、時刻情報をMS40へ与えることが、とくに、図3に示したように、MSが1台のみの無線送信機および受信機を含むときは望ましく、2台の無線機が使用されていて、一方がCDMA用に使用されていて、他方がTDMA用に使用されているときは、CDMAの無線機は時刻を受信し、TDMAの無線機は電話呼を受信するのに使用される。
【0132】
本発明の好ましい実施形態では、CBSのメッセージは、図6を参照して既に記載したように、MS40によって隣り合うセルについてサーチを開始するのにも使用される。
【0133】
グローバルポジショニングシステム(global positioning system, GPS)の受信機161を装備した特定のMS160は、時刻を必要としているシステム20のGPS/TDMAのセル内に位置付けられている。図13では、MS160は受信機161から時刻を受信し、GSM標準にしたがってBTS78によって送られる同期信号に基づいて、並行するTDMAのフレーム番号の識別と時刻とを関係付ける。その代わりに、MS160はCDMAのBSSから時刻を受信するように構成されていてもよく、この場合はGPS受信機161は必要ない。MS160はBTS78、BSC77、MSC24、およびPSTN/PDN48を介してCBC28へデータ呼を開き、CBCへ現在の時刻およびフレーム番号についてのセルの識別および対応を送る。その代わりに、MS160はGSMのSMSを使用するといった他の適切な方法によって情報を伝達してもよい。次にCBC28はCBS上でこの情報をセルへ送り、MS40はGSM/TDMAのモードで動作しているときでも時刻を受信する。したがって、MS40がCDMAのBTS76へハンドオーバされるときでも、CDMAのBTSから同期/時刻情報を獲得する必要はなく、ハンドオーバをより迅速で円滑に進めることができる。
【0134】
時刻をシステム20に取り入れると、CDMAのハンドオーバへ接続しなくても、システムのGSMの部分自体において有益である。例えば、MS40が異なるGSMのBTS78および80へ時刻を送ることができ、MSからBTSの各々へのタイミング遅延を測定して、MSの位置を判断するのに使用することができる。
【0135】
図14は、ネットワーク20におけるGSM/TDMAのセル162とCDMAのセル164とを重ね合せた模式的なマップであり、本発明の実施形態にしたがって、GSMのBTS78からCDMAのBTS76への移動支援のハンドオーバの態様を示している。システム20のオペレータは、MS40が図14に示したセル1−5の何れかの中に位置しているとき、TDMA/CDMAのハンドオーバが行われることが分かるであろう。したがって、CBC28は、これらのセルにおいて全てのデュアルモードの(GSM/CDMA)のMSへCBSメッセージを同報通信し、CBSメッセージには次の情報および指令、すなわち、
・CDMA信号についてサーチを開始する(サーチトリガ)MS、
・重なり合っていて、かつ隣り合っているセルにおけるCDMAのBTSの周波数、
・GSMのMSC24にしたがう、CDMAのセル94のGSMのマッピング、
・時刻を供給するのに他の方法も使用できるが、好ましくはMS90から求められる現在のTDMAのフレーム番号で時刻を識別すること、および、
・オプションとして、既に記載したように、TDMAの信号と比較するためにCDMAの信号強度を逓倍する係数を含む。
【0136】
セル6ないし10ではこのようなメッセージを同報通信する必要はない。さらに、デュアルモードのMSのみがこのメッセージを受信して、解釈するようにプログラムされていて、一方で普通のGSM/TDMAのMSはそれを無視することが分かるであろう。従来技術において提案されているハイブリッドのGSM/CDMAシステムとは異なり、CBSメッセージはデュアルモードのMSをトリガして、イネーブルして、CDMAのBSSの1つへハンドオーバするのを助けるために、情報を集めて、GSMのBSS30およびMSC24へ供給する。
【0137】
図15は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、BTS78からBTS76へ移動支援のハンドオーバと関係するシステム20における信号の流れを示すブロックダイヤグラムである。既に図13を参照して記載したように、ハンドオーバは、サーチのトリガおよび他の情報の送信で始まる。サーチのトリガは、MS40はGSMのセル1ないし5の1つの中にあるとき(図14参照)、または他の予めプログラムされた状態に応答して、BTS78によって定期的に送られる。
【0138】
トリガを受信するとき、MS40はBTS78でTDMAのトラヒックをオフにスイッチし、短い期間の間、好ましくは約5ミリ秒の間、受信機を適切なCDMAの周波数へ同調させる。次に、MSは、BTS78との通信を再開した後で、MSが受信したCDMA信号をデコードして、MSが、例えばBTS76から受信した、BTSのパイロットビームを識別することを試みる。既に記載したように、CDMAのBTS76は、それがGSM−TDMAのBTSであるかのように、システム20内にマップされる。したがってMS40は、(上述の関連するCDMA/TDMAの重み付けによって選択的に逓倍される)BTS76から受信した信号の電力を示す報告メッセージを、BTS76のGSMシステムのマップ識別と一緒に、GSMのBTS78へ送信する。GSMのBSS30とMSC24の観点から、この場合にMS40によって送信されるメッセージと、普通のGSMの近隣の走査の結果として送られるメッセージとは実質的な相違しない。
【0139】
この測定および報告プロセスは、MS40をBTS76へハンドオーバするとBSS30が判断するまで行われる。この点において、BSS30は、ハンドオーバが要求されていることを示すMSC24へメッセージを伝達する。MSC24はBSS32へハンドオーバ要求を送り、BSS32はMSC24を介してBSS30へ肯定応答を送る。BSS32はハードウエアおよびソフトウエアの資源を、MS40で開かれる通信トラヒックチャンネルへ割り振り、ナルのデータをMSへ送り始め、チャンネルを開く。GSMのBSS30はハンドオーバコマンド、好ましくはRIL3−RRのコマンドをMS40へ送り、このコマンドはCDMAのBTS76でCDMAの通信チャンネルを開くために必要とされるIS−95のパラメータを要約している。このようなメッセージ内に含まれているパラメータは、図20および21aないしdを参照して別途記載される。次に新しいトラヒックチャンネルが開かれ、ハンドオーバを完了し、BSS30は古いTDMAのトラヒックチャンネルを解放する。
【0140】
上述のプロセスでは、高速度、高信頼性、かつ呼中のハンドオーバが行われている間のサービスの中断を最低限にするといった条件で、GSM/TDMAのBSS30からCDMAのBSS32へ移動支援のハンドオーバを行うことができる。このハンドオーバのために、システム20内のGSMのセルは時刻情報を受信し、CDMAのセルは、ハードウエアの犠牲を最低限にして、かつ既存のGSMシステムの素子を再びプログラムする必要を実質的になくして、GSMのシステムへマップされる。
【0141】
同様のTDMA−CDMAのハンドオーバのプロセスは、GSMのBSS30において時刻情報がなくても実行することができる。この場合に、MS40がBTS76と関係するパイロットチャンネル信号を獲得した後で、MS40はBTSのCDMAの同期化チャンネルに同調してデコードし、時刻を求めなければならない。この処理には約480ミリ秒かかり、呼中の音声サービスに顕著であるが、それでも許容可能な割込みが生成される。さらにその代わりに、同様のハンドオーバプロセスは、2つのトランシーバをもつMSを使用して行うことができ、既に記載したように、この2つのトランシーバの一方はTDMA用であり、他方はCDMA用である。
【0142】
図16、17、および18は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、図15に示されたハンドオーバを行う際のMS40およびBSS32の動作を状態機械の形態で模式的に示したフローチャートである。図16および17はMS40を示しており、図18はBSS32を示している。BSS30は、この技術において知られているように、実質的にGSM標準にしたがって動作する。
【0143】
MS40は初期状態170から始まり、ここではMSはGSMのトラヒックチャンネル(traffic channel, TCH)上でBSSと関係する一定のセルにおいてBSS30と通信している。MSが新しいセルへ移動するとき、MSは状態172に入り、ここではMSはCBC28からメッセージを受信して、読取る。(例えば、この領域内にはCDMAのBSSがないために)CDMAのBSSへの可能なハンドオーバのためにMS40を準備するCBCメッセージがないとき、MSはGSMのTCHの状態174へ戻り、ここからMSは別のGSM−TDMAのBSSへハンドオーバされる。
【0144】
MS40は適切なCBCメッセージによって促されるとき、オーバーレイ状態176に入り、ここでMS40は上述のように時刻を獲得し、パイロット強度測定メッセージ(pilot strength measurement messages, PSMM)をBSS30へ送る。標準のGSM−TDMAの動作では、通常は120ミリ秒ごとに使用可能な6ミリ秒のフリーの時間スロットがある。これらのフリーの時間スロットの間、MS40はTDMAの送信を中断して、BSS32と関係するような隣り合うGSM−CDMAのセルのパイロットビームをサーチする。パイロットビームがないときは、MSは状態180へ進み、ここでMS40は周波数を調節して、適切なGSMの周波数補正チャンネル(frequency correction channel, FCCH)を探索する試行をする。その代わりに、パイロットビームが見付かったときは、MSは状態182に入り、ここでMS40は要求に応じて周波数を調節し、CDMA信号の強度を測定する。次のスロット中に、MS40は、現在のGSM−TDMAのトラヒックチャンネル上で通信している一方で、CDMAのパイロットビームをデコードして、パイロットビームが関係しているセルを識別することを試みる。その結果はBSS30へ報告される。
【0145】
既に記載したように、MS40によって報告される結果に基づいて、適切なときに、MSC24はハンドオーバ要求をBSS32へ伝達する。BSSは準備状態190に入り、ここでBSSは資源を割り振り、長いコードを割り当て、ハンドオーバの準備においてSCCPをMSCと接続する。適切な肯定応答メッセージをMSCへ送った後で、BSS32は状態191に入り、ここでBSS32はナルの順方向のトラヒックフレームをMS40へ送り、MSから逆トラヒックを受信するのを待つ。しかしながらBSSは、資源の割り振りに失敗すると、ハンドオーバの失敗を報告して、終了状態197へ進む。
【0146】
BSS32から肯定応答メッセージ内に要約されたパラメータに基づいて、RIL3−RRのハンドオーバコマンドのメッセージはGSM−TDMAのBSS30からMS40へ送られ、BSS32と関係するGSM−CDMAの宛先セルを識別し、必要なハンドオーバパラメータを伝達する。MS40は状態183に入り、ここでMSはハンドオーバパラメータが支援されていることを確認し、確認に成功すると、状態184においてGSM−TDMAの動作を中断する。(確認に失敗すると、MSは失敗を報告して、状態176へ戻る。)次にMSは状態185に入り、ここではMSは所定数、好ましくはBSS32からIS−95のカウンタN11によって判断された数の“適切な”フレームを受信するのを待つ。適切なフレームが受信されると、MSは、ハンドオーバコマンドメッセージ内のNUM PREAMBLEパラメータによって特定されている多数のプリアンブルフレーム(すなわち、トラヒックチャンネルを設定するのに使用される短いダミーフレーム)をBSSへ送り、サービスオプション調節フレーム186に入る。BSS32はプリアンブルフレームを検出し、CDMAのトラヒックチャンネルが設定されたことをMSCへ報告し、その後でBSSは状態192へ入り、ここでMS40はハンドオーバの完了を待つ。
【0147】
MS40およびBSS32が通信を設定できないときは、BSS32へのハンドオーバは打ち切られ、MS40およびBSS32はさらに前の状態へ戻る。MS40は状態188においてGSMのBSS30を再び獲得することを試行し、これが成功すると、GSMのTCH状態170へ戻る。再獲得に失敗すると、MSはアイドル状態189へ進む。何れの場合においても、BSS32はクリアコマンドを受信し、状態193においてBSS32がMS40へ割り振った全ての資源を解放し、その後でBSS32は終了状態197へ進む。
【0148】
しかしながらハンドオーバが正常に完了すると仮定すると、BSS32は、MS40の状態186に対応するサービスオプション調節状態194に入る。サービス要求がBSS32によって発行され、BSSは待機状態195においてMS40からサービス応答を待つ。サービス応答が受信されると、MS40およびBSS32はそれぞれのCDMAのトラヒックチャンネル(traffic channel, TCH)の状態187および196へ入り、呼はCDMAチャンネル上で正常に継続する。
【0149】
CDMA基地局からCDMA基地局へのハンドオーバ
図19は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、システム20内の2つの異なるCDMAのBSS201と203との間のハンドオーバを模式的に示したブロックダイヤグラムである。BSS201は、BSC202と複数のBTS206および208を含み、BSS203はBSC204と複数のBTS210および212を含む。BSS201および203は、BSS32(図1に示され、かつ既に記載されている)に実質的に類似していて交換可能であり、GSMのA−インターフェイスを介してGSMのMSC24と通信する。図19において、MS40は、MSC24の制御のもとでのBTS208からBTS210へのハンドオーバの途中に示されている。ハンドオーバは2つのCDMAのBSSの間で行われるが、システムの観点から、これは2つのGSMのBSS間のハンドオーバであり、BTS208と210とはそれぞれGSMのセルとしてMSC24によってマップされる。
【0150】
図20は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、ハンドオーバの途中における図19に示したシステム20の素子間の信号の流れを示す模式的なダイヤグラムである。ハンドオーバを開始する前に、BSS201はサーチトリガをMS40へ発行し、実質的に既に記載したように、MS40は、好ましくはIS−95のゲーティングを使用して、隣り合うセルのCDMAの送信周波数をサーチする。MS40が、BTS208よりも高い電力レベルでBTS210から信号を受信していることをBSS201へ報告するときに、ハンドオーバがトリガされる。
【0151】
MS40から報告を受信すると、BSS201はハンドオーバ要求メッセージをMSC24へ送って、ハンドオーバのために要求される新しいセルの割り当てとしてBTS210のGSMのセルの識別を特定する。メッセージは通常はGSM標準にしたがっている。MSとBSSとの間のCDMAのデータ通信レートは、IS−95標準にしたがって、8キロビット/秒(レート設定1)または14.4キロビット/秒(レート設定2)の何れかであり、このデータは、このメッセージ内でそれぞれGSMのハーフレートおよびフルレートのトラヒックチャンネルとしてIS−95のデータレートを示すことによって伝達されることが好ましい。GSMのトラヒックチャンネルがBSS203へ伝達されるとき、BSSはレートを解釈して、適切なIS−95のデータレートを選択する。
【0152】
MSC24はBSS203へハンドオーバ要求を送り、BSS203はRIL3−RRのハンドオーバコマンドメッセージを要約した肯定応答をMSCへ送ることによって応答し、これはBSS201へ送られる。したがって、BSS201と203との間で送られるメッセージの全てはA−インターフェイスの要求にしたがい、IS−95と関係するCDMAのパラメータは、CDMAからGSMへのフルレートのボコーダにおいて対応するGSMパラメータ、例えばボコーダのタイプ13KのQCELPの識別にマップされる。ハンドオーバの要求、肯定応答、およびコマンドは、実質的に変更せずにMSC24によって送られる。
【0153】
ハンドオーバコマンドを受信した後で、古いBSS201はRRのハンドオーバコマンドメッセージをMS40へ送り、MS40は新しいBSS203へハンドオーバする。MS40へのメッセージには、IS−95標準にしたがって、ハンドオーバに必要なCDMAのパラメータが要約されており、次にこのパラメータを例示的に示す。
【0154】
・新しい長いコードであって、共通の有効範囲において使用される新しい長いコードのマスク値が互いに可能な限り離れていて、この有効範囲内にある2つのMSが同じマスクをもたないようなやり方で、新しい長いコードは使用可能な数のプールからBSS203によって割り振られることが好ましい。長いコードのマスクの割り振りについての例示的な方式は、図21aないし21dを参照して別途記載される。標準のIS−95のセルラシステムにおいて、MSの長いコードのマスクは固定され、ハンドオーバの途中において新しいBSへ伝達されるが、GSMの標準では、長いコードのマスクを新しいBS203へ伝達するのに使用できるメッセージが与えられない。したがってBS203が新しい長いコードのマスクを割り振って、別途記載されているように、好ましくはRRのハンドオーバコマンドにおいて、BS201を介してMS40へ送られることが必要である。
【0155】
・公称の電力レベルパラメータであって、好ましくは、IS−95の標準によって特定されるような、NOM PWRおよびNOM PWR EXTであり、開ループ電力推定においてMS40によって使用される補正係数を与え、これによってMSがBS203へ送られる信号の電力レベルを設定する公称の電力レベルパラメータ。
【0156】
・フレームのオフセットであって、好ましくは1.25ミリ秒のステップにおいて、システム20のシステムのタイミングに関連して、MS40との間で送受信される順方向および逆方向のトラヒックチャンネルの遅延を示すパラメータ。フレームのオフセットはハンドオーバコマンドメッセージにおいてBSS201からBSS203へ送られる。遅延が取り入れられる時間を示すために、オプションのACTIVE TIMEパラメータをさらに含んでもよい。
【0157】
・コードチャンネルであって、同様にBSS201からBSS203へ送られて、IS−95標準にしたがって、BSS203からMS40へ順方向のトラヒックチャンネルをコード化するのに使用されるウオルシュ関数を示すコードチャンネル。
【0158】
・レイヤ2の肯定応答の番号付けであって、好ましくは、ハンドオーバコマンドメッセージ内で特定される時間において、MS40内のプロトコルレイヤ2による肯定応答の処理をリセットするのにBSSによって使用されるレイヤ2の肯定応答の番号付け。
【0159】
・順方向トラヒックチャンネルの電力制御パラメータであって、順方向チャンネルエラー統計を報告するために、MS40によって行われるTOT FRAMESおよびBSD FRAMESのカウントをリセットするためにBSSによって使用される順方向トラヒックチャンネルの電力制御パラメータ。
【0160】
・プリアンブル数であって、図17を参照して既に記載したように、MSがN11の適切なフレームを受信した後で、MS40によってBSS203へ送られるプリアンブルフレームの数を示すプリアンブル数。
【0161】
・セルの新しいバンドクラス(周波数範囲)および(この範囲内の)周波数であって、MS40が現在割り当てられているBSS203と関係するセルの新しいバンドクラス(周波数範囲)および(この範囲内の)周波数。
【0162】
上述で挙げたパラメータは、網羅的ではなく、ハンドオーバのコマンドメッセージにおいて伝達される情報の単なる代表的なサンプルであることを意図されている。メッセージ内には同様に他のIS−95のパラメータも含まれていてもよい。より一般的に、当業者は、上述のハンドオーバコマンドによって例示された方法であって、システム20内のエアーインターフェイスの一方(GSM/TDMAまたはCDMA)の上で送られるメッセージ内で、エアーインターフェイスの他方と関係するデータを伝達する方法が、他のタイプのメッセージおよびデータを伝達するための同様のやり方においてどのように使用できるかが分かるであろう。
【0163】
RRのハンドオーバコマンドがMS40へ送られた後で、BSS203とMS40との間で新しいトラヒックチャンネルが設定される。チャンネルを設定するために、BSS203はトラヒックチャンネルのフレームをMS40へ送り、MS40は、ハンドオーバコマンドメッセージによって特定される適切な数のプリアンブルフレームで応答する。次にハンドオーバの成功は、実質的にGSMのメッセージング標準にしたがって、MSC24へ報告され、その後でMSCは適切な“クリア”コマンドを古いBSS201へ送り、BSSは“クリア完了”メッセージで応答する。
【0164】
図21(a)ないし図21(d)は、本発明の好ましい実施形態にしたがって、図19に示されているハンドオーバと関連して、BSS203によって割り振られている42−ビットの長いコードのマスクを模式的に示すブロックダイヤグラムである。図21(a)はアクセスチャンネルにおいて使用するためのマスク220を示しており、図21(b)はページングチャンネルにおいて使用するためのマスク222を示しており、図21(c)は基本の(順方向および逆方向の)トラヒックチャンネルにおいて使用するためのマスク224を示しており、図21(d)は補足的な(順方向および逆方向の)トラヒックチャンネルにおいて使用するためのマスク226を示している。このような補足チャンネルは、例えば、IS−95B標準によって特定されるような、マルチチャンネルの中程度のデータレート(multi-channel medium data rate, MDR)において使用される。
【0165】
アクセスチャンネルマスク220は、アクセスチャンネル番号(access channel number, ACN)228、ページングチャンネル番号(paging channel number, PCN)230、BSS203の基地局識別番号(base station identification number(ID), BASE ID)232、およびパイロットビームのオフセット(pilot beam offset, PILOT PN)234を含むことが好ましく、これらの全ては実質的にIS−95の仕様にしたがって割り当てられている。ページングチャンネル番号およびパイロットビームのオフセットは、ページングチャンネルのマスク222内に同様に含まれている。
【0166】
トラヒックチャンネルマスク224および226は、公開されている(open)長いコードのマスクのフォーマットを表わしている。トラヒックチャンネルマスク224および226は、基地局ID232と、BSS203へ割り当てられたプールから選択されるユニークな16ビットの番号236とを含むことが好ましい。プール番号236は、既に記載されているように、2つのMSが同じ長いロングコードのマスクをもつことができるように割り当てられている。呼の安全性をより高めるために、マスク224および226の代わりに、専用の(private)長いコードのマスクを使用してもよい。GSMの暗号化コードKcを使用するこのようなマスクの生成については、例えば1998年10月21日に出願された特許出願(“Encryption Support in a Hybrid GSM/CDMA Network”)に記載されていて、この特許出願は、本特許出願の譲受人に譲渡され、ここでは参考文献として取り上げている。
【0167】
図19に示されているハンドオーバを実行する際のBSS201およびBSS203の動作は、それぞれ図11、12、および18によって示した動作に実質的に類似した状態機械によって模式的に表した。このハンドオーバにおけるMS40の動作は、BSS201とのCDMAの通信が中断される状態112までは、図9および10に示されている動作に非常に似ている。MS40がCDMAのBSS203と新しいトラヒックチャンネルを設定しているとき、MS40は、図17に示されている状態185、186、および187に相当する状態114、116、および118を通る。MS40が、状態114であるときに、新しいトラヒックチャンネルを獲得するのに失敗する場合、MS40は状態122を進み、ここではMS40は古いBSS201を再び獲得することを試みる。
【0168】
既に記載した方法は、主として、MSC24の制御下における2つの異なるBSS201と203との間のハードなハンドオーバに関係する。システム20はさらに、IS−95標準にしたがって、図19に示されているように、単一のBSCと関係するBTS、例えばBTS206および208間におけるMS40のソフトなハンドオーバも可能にしていることが好ましい。選択的に、MSC204とはほぼ無関係の接続(図示されていない)によって、BSC202がBSC204へ適切にリンクされることが好ましいとき、BTS208からBTS210へのソフトなBSS間のハンドオーバを行うこともできる。このような場合に、BSS203は、ハンドオーバが行われ、MS40の新しい位置が適切に登録されたことをMSC24に知らせる。
【0169】
GSMシステムから送られている電力量の測定を試みるときに存在する問題の1つは、GSMシステムのタイミングを判断しなければならないことである。例えば、第三世代のCDMAシステム、すなわち一般的には“3G”システムとして知られているシステムに与えられているようなCDMAのマルチキャリア(Multicarrier, MC)のエアーインターフェイスを使用して、システムからGSMシステムのようなGSMシステムへハンドオーバするのを試みるとき、電力測定が行われて、報告される前に、GSMシステムのタイミングを判断しなければならない。その1つの理由は、GSMにおいて使用されている周波数再使用方式によって、測定を行うMSが、基地局識別コード(Base Station Identity Code, BSIC)が送られる時間中に、同期チャンネル(Synchronization Channel)を読み取れることが必要であるからである。このようなBSICは、(約46ミリ秒ごとに)だいたい10のGSMフレームを送られる。GSMの工業標準要件にしたがって、MSは、測定された各GSM信号について、測定された平均電力レベル(measured average power level, RXLEV)と一緒に、BSICへ報告しなければならない。タイミングを判断する方法の1例として、MCの基地局(MC base station, MC-BS)からMS40へ情報、例えば同期化チャンネルがGSM−BSSによって送られる瞬間をユニークに識別するGSMのフレーム番号を供給することによってタイミングを判断することができる。1つのGSM−BSS内の特定の時間において有効なフレーム番号は、同じシステムの他のGSM−BSSにおいて有効である番号と同じではないことに注意すべきである。これは、GSMのMSがTDMAのアイドル期間に隣り合うセルを監視できるようにするために意図的に行われている。したがって、GSMのフレーム番号は各GSM−BSSにおいて常に異なる。
【0170】
現在開示している方法および装置の1つの実施形態にしたがって、与えられる情報には、
(1)CDMAの時間、
(2)サーチされるGSMチャンネルの数の指標、
(3)受信した信号強度の閾値、および、
(4)サーチされる各チャンネルに関連する情報を含む。
【0171】
開示している方法および装置の1つの実施形態において、各チャンネルに関連する情報は、
(1)サーチされるチャンネルを含む周波数バンド、
(2)(GSM通信システムに関係する工業標準において規定されている“AFRCN”のような)サーチされるチャンネルの周波数、
(3)(GSM通信システムに関係する工業標準において規定されている基地局識別コード(Base Station Identification Code, BSIC)のような)チャンネルと関係する識別コード、
(4)識別されたCDMAの時間において送られる(GSM通信システムに関係する工業標準によって規定されているGSMのフレーム番号のような)フレーム番号、および、
(5)識別されたCDMA時間において送られるフレームの特定の部分を含む。
【0172】
開示されている方法および装置の代わりの実施形態において、ネットワークのカラーコードを識別するBSICの最初の3ビットは、サーチされるチャンネルの全てへ1回送られる。
【0173】
ハンドオーバを行うことができる適切な候補の局があるか、否かを判断するのに必要な時間量を低減するのに、この情報がどのように使用されるかについて次に記載する。
【0174】
図22は、ハンドオーバを行うのに有益であるか、否かをMC−BS1501が判断したいときに行われるプロセスを示すフローチャートを示している。図22に示されていて、別途記載されるプロセスは、MSへの通信を現在支援している信号が弱すぎるといった判断に応答して、または他のトリガイベントにおいて実行されることに注意すべきである。
【0175】
プロセスでは最初に、候補周波数サーチ要求メッセージ1503がMC−BS1501からMS1505へ送られる。開示されている方法および装置の1つの実施形態において、候補周波数サーチ要求メッセージは、表1ないし3に示されているフィールドを含む次に示す形式をもつ。
【0176】
表1
フィールド 長さ(ビット)
USE TIME 1
ACTION TIME 6
RESERVRD 1 4
CFSRM SEQ 2
SEARCH TYPE 2
SEARCH PERIOD 4
SEARCH MODE 4
MODE SPECIFIC LEN 8
モード特定フィールド(Mode-specific-fields) 8×MODE SPECIFIC LENALIGN TIMING 1
SEARCH OFFSET 0または6。
【0177】
この実施形態にしたがって、示されているフィールドの各々は、CDMA2000のシステムに対する工業基準によって規定される。しかしながら、開示されている方法および装置の1つの実施形態では、追加のサーチモードが規定されている。この追加のサーチモード要求では、GSMチャンネルをサーチする。
【0178】
サーチモードフィールドがGSMチャンネルについてサーチを要求するとき、次のフィールドが送られる。
【0179】
表2
フィールド 長さ(ビット)
SF TOTAL EC THRESH 5
SF TOTAL EC IO THRESH 5
GSM RXLEV THRESH 6
N COL CODE 0または3
BSIC VRRIF REQ
GSM T REF INCL 1
CDMA TIME 0または6
NYM GSM CHAN 6
次の組のフィールドは、サーチされる各チャンネルごとに1回反復される:
GSM FREQ BAND 3
ARFCN 10
BSIC VERIF REQ 1
GSM FRAME 0または19
GSM FRAME FRACT 0または19。
【0180】
表2に示したフィールドは、次のように規定される。
【0181】
SF TOTAL EC THRESH Serving Frequency total pilot E threshold(供給周波数の全パイロットEの閾値)
移動局が、GSMの周波数の定期的なサーチの手続きにおいて供給周波数の活動状態の組(Serving Frequency Active Set)の中のパイロットの全Eの測定値を使用しないとき、基地局はこのフィールドを‘11111’にセットするか、さもなければ基地局はこのフィールドを、
[(10×log10(total ec thresh)+120)/2]に設定する。なお、total ec threshは次の規則によって規定される。すなわち供給周波数の活動状態の組におけるパイロットの全Eがtotal ec threshよりも大きいときは、移動局はGSMの周波数を訪問しない。
【0182】
SF TOTAL EC IO THRESH Serving Frequency total pilot E/I threshold(供給周波数の全パイロットE/Iの閾値)
移動局が、GSMの周波数の定期的なサーチ手続きにおける供給周波数の活動状態の組においてパイロットの全E/Iの測定値を使用しないとき、基地局はこのフィールドを‘11111’に設定するか、さもなければ基地局はこのフィールドを、
[−20×log10(total ec io thresh)]
に設定する。なお、total ec io threshは次の規則によって規定される。すなわち、供給周波数の活動状態の組におけるパイロットの全E/Iがtotal ec io threshよりも大きいときは、移動局はGSMの周波数を訪問しない。
【0183】
GSM RXLEV THRESH GSM RXLEV Threshold(GSM RXLEVの閾値)
移動局は、基地局が報告することを許可される最低のGSM RXLEVにこのフィールドを設定する。GSM RXLEVは、GSM05.08のセクション8.1.4に規定されている。
【0184】
GSM T REF INCL GSM Time Reference Included(含まれているGSMの時間基準)
このフィールドは、GSMの時間基準がこのメッセージ内に含まれているか、否かを示している;
GSMの時間基準がこのメッセージ内で特定されているときは、基地局はこのフィールドを‘1’にセットする。さもなければ、基地局はこのフィールドを‘0’にセットする。
【0185】
CDMA TIME
MS−BSがMSにサーチすることを要求するGSM−BSSの各々によって送られるフレーム番号およびフレーム部分を、MS−BSが認識するCDMA時間における選択された点;
GSM T REF INCLが‘1’にセットされるとき、GSM FRAMEが参照される基地局は80ミリ秒の単位で(64を法とする)CDMAのシステム時間にこのフィールドを設定する。USE TIMEフィールドが‘0’に設定されたときは、基地局はこのフィールドを省く。
【0186】
NUM GSM CHAN Number of Frequency band(GSMチャンネルの数)
基地局はこのフィールドを、サーチするGSMのARFCNの数に設定する。
【0187】
GSM FREQ BAND GSM Frequency band(GSMの周波数バンド)。
【0188】
開示している方法および装置の1つの実施形態にしたがって、個々のGSMの周波数バンドを示すために送られる値を次に示す。
【0189】
表3
GSM周波数バンド(二値) GSM周波数バンド
000 P-GSM 900
001 E-GSM 900
010 R-GSM 900
011 DCS 1800
100 PCS 1900
【0190】
AFRCN Absolute Radio Frequency Channel Number(絶対無線周波数チャンネル番号)
基地局は、このフィールドを絶対無線周波数チャンネル番号に設定して、GSM05.05のセクション2において特定されているようにサーチする。
【0191】
BSIC VERIF REQ Base transceiver Station Identity Code verification required(基地局トランシーバ識別コードの確認要求)
基地局トランシーバ識別コードの確認が対応するAFRCNに対して要求されるとき、基地局はこのフィールドを‘1’に設定する。さもなければ基地局はこれを‘0’に設定する。
【0192】
BSIC Base transceiver Station Identity Code(基地局トランシーバ識別コード)
BSIC VERIF REQが1に設定されるとき、基地局はこのフィールドを、GSMチャンネルの基地局トランシーバ識別コードに設定して、GSM03.03のセクション4.3.2において特定されているようにサーチする。BSIC VERIF REQフィールドが‘0’に設定されるときは、基地局はこのフィールドを省く。
【0193】
GSM FRAME GSM Frame(GSMのフレーム)
関係するCDMAの時間フィールドで識別される時間において関係するチャンネル上で送られるフレームのGSMのフレーム番号;
GSM T REF INCLが‘1’に設定されるときは、GSM05.02のセクション3.3.2.2において特定されているように、基地局は、GSMの目標の基地局においてCDMA TIMEによって特定されている時間において有効なGSMのフレーム番号へこのフィールドを設定する。GSM T REF INCLのフィールドが‘0’に設定されるときは、基地局はこのフィールドを省く。
【0194】
GSM FRAME FRACT GSM Frame Fraction(GSMのフレーム部分)
関係するCDMAの時間フィールドにおいて識別される時間において関係するチャンネル上で送られるGSMのフレーム部分;
GSM T REF INCLが‘1’に設定されるときは、基地局は、GSMの目標の基地局において0ないし(2^9−1)の範囲でCDMA TIMEによって特定される時間において有効なGSMフレームの1/2^9の数へこのフィールドを設定する。GSMのフレームの継続期間は24/5200秒としてGSM05.02のセクション4.3.1において特定されている。GSM T REF INCLのフィールドが‘0’に設定されるときは、基地局はこのフィールドを省く。
【0195】
候補周波数サーチ要求メッセージ1503を受信するとき、MS1505は、MS1505に要求される時間量を推定して、要求されるサーチを実行することが好ましい。推定は、よく知られたやり方で行うことができる。推定は、候補周波数サーチ応答メッセージ1507においてMS−BCへ送られる。
【0196】
開示されている方法および装置の1つの実施形態にしたがって、MS−BC1501は、サーチを行うか、否か、およびサーチを行うときは、どのようにサーチを行うかを判断することによって候補周波数サーチ応答メッセージ1507に応答する。例えば、1つの実施形態では、MC−BS1501は候補周波数サーチ制御メッセージを送り、このメッセージにおいてMS1505が(制御メッセージ内で特定されている)所定の開始時間においてサーチを始めるか、およびサーチを1回行うか、継続的に行うか、または定期的に行うかを示す。
【0197】
MS1505は、受信した情報に基づいてサーチを行うことによって制御メッセージに応答する。MS1505は、GSMフレームの識別された部分が送られたときを識別するために与えられるタイミング情報(すなわち、CDMAの時間フィールドに与えられた値)を使用して、MS−BS1501がMS1505にサーチすることを要求した各GSM信号をサーチするときを判断する。
【0198】
MS1505は、GSM信号がBSICのような識別情報を送信するときのみ、各GSMをサーチすることが好ましい。次にMS1505は、信号品質を測定し、さらにMS1505がサーチすることを要求したチャンネルと関係するBSICとBSICとを比較することができる。整合するとき、MS1505は、MSがサーチすることを要求されたチャンネル上で送られる信号の品質(例えば、信号の電力量、信号対雑音比、または信号品質の他の測定)を報告する。
【0199】
MS1505は、MS1505がサーチすることを要求された各チャンネル上を送られる信号の品質を判断するとき、MS1505は候補周波数サーチ報告メッセージ1511を作成する。次に候補周波数サーチ報告メッセージ1511はMS1505からMC−BS1501へ送られる。制御メッセージの内容に依存して、MS1505は報告メッセージ1511を繰返し送ることができる。
【0200】
MS−BS1501は、ハンドオーバの状態が準備が整っていると判断すると、メッセージ1513をGSM−BSS1515へ送って、ハンドオーバを受諾するようにGSM−BSS1515を準備する。GSM−BS1515へメッセージを送るのに使用される1つの方法では、標準のGSMのハンドオーバメッセージ内に情報を要約する。ハンドオーバメッセージは、CDMAのタイミングに対してGSMのタイミングに相当なずれ(drift)がある場合に同期チャンネルを見付けるときに関するタイミング情報を含むことができる。このようなメッセージはこの技術において知られており、したがって本明細書では簡潔にするために記載しない。
【0201】
GSM−BSS1515がハンドオーバ準備メッセージ1513を受信すると、MC−MAPのGSMのハンドオーバコマンドメッセージ1517は従来のGSMの形式でMS1505へ送られる。MS1505およびGSM−BSSは本質的に従来のやり方でシステムの獲得およびアクセスメッセージ1519を交換する。MS1505はハンドオーバ完了メッセージ1521をGSM−BSS1515へ与える。GSM−BSS1515およびMC−BS1501はハンドオーバ完了メッセージ1523を交換する。
【0202】
当業者には、MS1505が、GSM−BSS1515から送られた信号を迅速に識別するとき、MS1505が、関心のある他のGSM−BSS1515によって送られる信号を監視するときを判断することができる。さらに、候補の周波数サーチ要求メッセージ1503は、MS1505がサーチすることを要求されている各チャンネルに関する情報を含むので、これらのチャンネルの各々に関係する信号は、いくつかの時間スロット(各時間スロットの継続期間は、0.5ミリ秒のみである)においてサーチを達成できる。したがって、現在開示されている方法および装置では、MS1505がCDMA信号を受信してからあまり長い時間をかけずに(合計で数ミリ秒のみで)、MS1505はハンドオーバの候補をサーチすることができる。
【0203】
上述の実施形態ではGSMシステムを参照したが、現在開示されている方法および装置は、適切に規定された時間スロット中に情報が送られるTDMAシステムに同様に応用されることに注意すべきである。
【0204】
これまで特定のハイブリッドのGSM/CDMAシステムに関して好ましい実施形態を記載してきたが、本発明の原理は他のハイブリッドの通信システムにおける移動支援のハンドオーバを実行にも同様に応用できることが分かるであろう。さらに加えて、好ましい実施形態はTDMAを応用した通信技術とCDMAを応用した通信基準とを参照したが、当業者には、上述の方法および原理がさらに、データのコード化および信号変調における他の方法に関しても使用できることが分かるであろう。本発明の技術的範囲は、上述の完全なシステムおよび通信プロセスだけでなく、種々の革新的なこれらのシステムの素子およびプロセス、並びにその組み合わせおよび副次的な組み合わせも含む。
【0205】
したがって上述の好ましい実施形態は例示的に記載したものであり、本発明の技術的範囲の全ては特許請求項のみによって制限されることが分かるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CDMAの基地局とTDMAの基地局の間のハンドオーバの候補をサーチする方法であって、
a)1)特定のTDMAの基地局によって送られる情報のフレームに関係する値と、
2)フレームの一部と関係する値と、
3)フレームおよびフレームの一部分が特定のTDMAの基地局によって送られた時を示す値とを含む候補のサーチ要求メッセージを受信するステップと、 b)受信した候補のサーチ要求メッセージ内に含まれる情報から、ハンドオーバの潜在的な候補を識別するのにかかる時間量を低減するために情報が送られるときを判断するステップとを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−229152(P2011−229152A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−97482(P2011−97482)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【分割の表示】特願2001−552659(P2001−552659)の分割
【原出願日】平成13年1月8日(2001.1.8)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】