説明

ハニカムフィルタ

【課題】直噴ガソリンエンジンの排気微粒子を効率良く除去でき、かつ圧損の増加が少ないウォールフロー型のハニカムフィルタを提供する。
【解決手段】一方の端面Aから他方の端面Bまで延びる流体の流路となる複数のセルが形成されるように配置された、多孔質の隔壁と、端面Aと端面Bの二つの端面におけるセルの端部のいずれか一方を交互に封止するように配置された目封止部と、を有するハニカムフィルタ1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムフィルタに関する。特に、直噴ガソリンエンジンからの排出ガスに含まれる微粒子及び有害ガス成分の浄化に好適に用いられるハニカムフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境に対する影響や資源節約の観点から、自動車の燃費低減が求められている。このような要求を満たすため、乗用車においても主流であるガソリンエンジンについて、燃料直噴型のエンジンとすることが進められている。また、燃費改善(燃費低減)が試みられている。一方、ガソリンエンジンの直噴化に伴い、従来の吸気ポート燃料噴射型のエンジンでは問題にならなかった、新たな問題が生じている。すなわち、ガソリン燃焼時にススなどの粒子状物質[PM(パティキュレートマター)]が発生するという問題が生じている。そこで、大気環境に対して配慮する観点から、大気中に粒子状物質を放出しないための何らかの対策が求められている。
【0003】
このような対策として、ディーゼルエンジンにおいて既に使用されている、ウォールフロー型フィルタを用いる案が考えられている。このウォールフロー型フィルタでは、多孔質隔壁セル構造の両端を交互に目封止したものであり、隔壁細孔に排ガスを通過させて粒子状物質(PM)を浄化させるものである。しかし、以下の(1)〜(4)の問題があった。
【0004】
(1)従来、ガソリンエンジンの排気処理に使用されている三元触媒コンバータまたはNOx吸蔵還元触媒に加え、上記フィルタを追加することは、排気系の圧力損失増加を招き、エンジン出力が過剰に低下してしまう。したがって、ガソリンエンジンとしての許容範囲を超えてしまう。
【0005】
(2)このようなエンジン出力の低下の対策として、ウォールフロー型フィルタの隔壁厚さを薄くして、圧力損失(以下、「圧損」と記す場合がある)を低減する方策が考えられてきた。しかし、ディーゼルエンジンと比較すると、ガソリンエンジンは、エンジンからのPM排出量が少ない。そのため、フィルタの隔壁表面上に、PMによる層(以下、「PM層」と記す場合がある)が形成され難い。すなわち、従来のディーゼルエンジンに用いられたフィルタのように、PM層によるPMの捕捉は期待できない。そのため、PM捕集効率は、隔壁基材のみに依存してしまう。つまり、隔壁が薄くなると、PM捕集効率が不十分になる問題があった。さらに、隔壁を薄くすると、径分布を持つ細孔の内、大きな細孔では、単純形状の貫通孔を形成してしまい、捕集効率を低下させることも一要因であった。
【0006】
(3)この対策として、PMの捕集効率を上げるために、ウォールフロー型フィルタの隔壁の細孔径を小さくする対策が考えられた。しかし、隔壁の細孔径を小さくすると、排ガスが隔壁を通過するときの通過抵抗が過大になり、圧力損失が増大するという問題があった。
【0007】
(4)さらに、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンとでは使用燃料が異なる。また、燃焼により生成される煤などのPMの粒子径、形状、成分も異なる。そのため、排ガス中のPMを捕集するための、ハニカムフィルタの最適な構成(特徴)も、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンとでは異なる。特に、ガソリンエンジンの排気温度は、ディーゼルエンジンの排気温度に比較して高い。そのため、フィルタに捕えられた、カーボン微粒子などのPMは燃焼して無くなってしまう。したがって、ディーゼルエンジン用フィルタのように、PM堆積時の圧損を低くすることよりも、ガソリンエンジン用フィルタでは、PMが堆積していない状態での初期圧損を低く抑える設計が必要となる。さらに、ガソリンエンジン用ハニカムフィルタでは、最高出力が重視される観点からも、フィルタの初期圧損を低くすることが強く求められる。
【0008】
ところで、両端を交互に目封止したウォールフロー型フィルタの初期圧損を生じさせる主な要因は、入口の縮流、出口での拡流による損失である。したがって、フィルタの、入口端面、及び出口端面での、ガス流速を低減させることが最も有効となる。そこで、端面を通過するガス流速を低減する手段として、端面を流れ方向に傾斜させることが考えられる。このような端面を傾斜させたものとしては、以下の特許文献1〜4に記載されたフィルタが提案されている。
【0009】
特許文献1では、入口端面である上端面と、出口端面である下端面の周縁部に、夫々傾斜面部を対向して形成し、上端面と下端面を平行にした、触媒担体が開示されている。
【0010】
特許文献2では、曲面形状に形成されている端面と、段差形状に形成されている端面を有するフィルタが示されている。
【0011】
特許文献3では、両端面が流れ方向に対して傾斜しているフィルタの例が示されている。
【0012】
特許文献4では、両端面が流れ方向に対し傾斜し、大きな傾斜角度を有しているフィルタの例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】実開平5−38317号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2010−0050874A1号明細書
【特許文献3】特開2008−136891号公報
【特許文献4】米国特許第6555492号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、特許文献1のフィルタでは、入口端面、及び出口端面の両端面が、平行な状態となるように、形成されている。そのため、傾斜面部の傾斜角度を大きくできない。すなわち、このような構造では、入口端面、出口端面での傾斜角度を大きくすると、金属缶内に十分に保持できなくなる問題が生じる。金属缶内への保持に必要なキャニング時の面圧を受ける側面積が小さくなってしまうからである。
【0015】
特許文献2のフィルタの端面を曲面にする例では、端面を通過する際のガス流速を低減する効果を得られる。しかし、フィルタの端面を曲面にする際の加工が複雑となる。さらに、製造コストの増加を招く問題がある。
【0016】
特許文献3のフィルタでは、端面同士が平行であるため、キャニングに必要な側面積を確保し難い。そのため、傾斜角度が制限されてしまい、特許文献1のフィルタと同様に、金属缶内に十分に保持できなくなる問題が生じる。
【0017】
特許文献4のフィルタでは、缶内への保持性を確保するため、複雑な構造を採用せざるを得ない。そのため、製造コストの増加や信頼性の問題が生じる。
【0018】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、直噴ガソリンエンジンの排気微粒子を効率良く除去でき、かつ圧損の増加が少ないウォールフロー型のハニカムフィルタを提供することにある。また、キャニング時の面圧を受ける側面積を大きく取れ、金属缶へ十分に保持できるハニカムフィルタを提供する。特に、製造コストを低減でき信頼性を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、以下に示す、ハニカムフィルタが提供される。
【0020】
[1] 一方の端面Aから他方の端面Bまで延びる流体の流路となる複数のセルが形成されるように配置された、多孔質の隔壁と、前記端面Aと前記端面Bの二つの端面における前記セルの端部のいずれか一方を交互に封止するように配置された目封止部と、を有するハニカムフィルタであり、次の(1)、(2)、(3)を満足するハニカムフィルタ。
【0021】
(1)前記ハニカムフィルタの中心軸と同一軸上に中心軸を備え、前記端面A及び前記端面Bの外輪郭線から延伸させた位置に、前記中心軸に直交する仮想端面X及び仮想端面Yを備える、仮想の円柱ハニカム構造体を想定したとき、前記端面Aは仮想端面Xに対して傾斜し、前記端面Bは仮想端面Yに対して傾斜している。
【0022】
(2)前記仮想端面Xから前記端面Aへの傾斜方向と、前記仮想端面Yから前記端面Bへの傾斜方向がねじれた関係である。
【0023】
(3)前記端面Aと前記仮想端面Xとの角度αが10°以上35°以下、及び、前記端面Bと前記仮想端面Yとの角度βが10°以上35°以下である。
【0024】
[2] 流路長さが異なる複数の前記セルを備える[1]に記載のハニカムフィルタ。
【0025】
[3] 前記仮想端面Xから前記端面Aへの傾斜方向と、前記仮想端面Yから前記端面Bへの傾斜方向のねじれ角度が、90°±20°である[1]又は[2]に記載のハニカムフィルタ。
【0026】
[4] 前記端面A又は前記端面Bのいずれか一方の端面が、直線に見える位置から見た端面の長軸方向と、前記ハニカムフィルタの中心軸に直交する平面との成す角度γが、15°以下である[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0027】
[5] 前記端面A及び前記端面Bにおける長軸が、少なくとも一部の隔壁の方向と一致している[1]〜[4]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0028】
[6] 前記隔壁の厚さは、0.0508mm以上0.1651mm以下である[1]〜[5]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0029】
[7] 前記セル密度は、15.5セル/cm以上62.0セル/cm以下である[1]〜[6]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0030】
[8] 前記セルのセル断面開口率が76%以上91%以下である[1]〜[7]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0031】
[9] 前記隔壁における気孔率は35%以上45%未満である[1]〜[8]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0032】
[10] 前記隔壁における平均細孔径は2μm以上13μm未満である[1]〜[9]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0033】
[11] コージェライト、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、アルミナ、ムライトの群から選ばれる少なくとも1種からなる[1]〜[10]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、直噴ガソリンエンジンの排気微粒子を効率良く除去でき、かつ圧損の増加が少ないウォールフロー型のハニカムフィルタを提供できるといった優れた効果を奏することができる。また、入口端面(端面A)、出口端面(端面B)でのガス縮流、拡流による圧損を小さくでき、ハニカムフィルタ全体としての圧損を低減できる。特に、入口端面と出口端面の傾斜がねじれた関係になり、異なるセル流路長さを有するセルの集合体となる。そのため、セル流路内の流路圧力損失と、出入口での圧力損失の比率が異なるセルを有することができる。したがって、各セルへの流量配分が自動的になされ、ハニカムフィルタ全体の圧損を低減する効果を有する。
【0035】
また、キャニング時の面圧を受ける側面積を大きく取れ、金属缶内へ十分に保持されることができるハニカムフィルタを提供できる。とりわけ、製造コストを低減でき信頼性を向上させることができる。
【0036】
さらに、入口端面(端面A)及び出口端面(端面B)における長軸が、少なくとも一部の隔壁の方向と一致していることにより、セルの角部が鋭角で無くなる。そのため、セルの角部への応力を緩和させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1A】本発明に係るハニカムフィルタの一の実施形態を示す側面図であって、模式図である。
【図1B】本発明に係るハニカムフィルタの別の実施形態を示す側面図であって、模式図である。
【図2】図1Aのハニカムフィルタを説明する模式図である。
【図3】図1Bのハニカムフィルタを説明する模式図である。
【図4A】本発明に係るハニカムフィルタの端面の好適例を示す平面図であって、模式図である。
【図4B】ハニカムフィルタの端面の長軸が、セル角部の方向に相当し、セル角部が鋭角となった、端面の例を示す平面図であって、模式図である。
【図5A】本発明に係るハニカムフィルタを缶内に保持させた状態の一例を示す断面図であって、模式図である。
【図5B】本発明に係るハニカムフィルタを缶内に保持させた状態の別の例を示す断面図であって、模式図である。
【図6】従来のハニカムフィルタの端面及びセルを示す断面図であって、模式図である。
【図7】従来のハニカムフィルタの端面及びセルを示す断面図であって、模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明に係る要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明に係る実施形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
【0039】
[1]本発明におけるハニカムフィルタの構成:
本発明におけるハニカムフィルタは、図1A、図1B、図2、図4Aに示されるように、一方の端面Aから他方の端面Bまで延びる流体の流路となる複数のセル3が形成されるように配置された、多孔質の隔壁5と、前記端面Aと前記端面Bの二つの端面における前記セルの端部のいずれか一方を交互に封止するように配置された目封止部と、を有する。
【0040】
さらに、本発明におけるハニカムフィルタは、次の(1)、(2)、(3)を満足する。
【0041】
先ず、図2に示されるように、本発明におけるハニカムフィルタ1では、(1)前記ハニカムフィルタ1の中心軸と同一軸上に中心軸9を備え、前記端面A及び前記端面Bの外輪郭線から延伸させた位置に、前記中心軸9に直交する仮想端面X及び仮想端面Yを備える、仮想の円柱ハニカム構造体100を想定したとき、前記端面Aは仮想端面Xに対して傾斜し、前記端面Bは仮想端面Yに対して傾斜している。
【0042】
次に、図2に示されるように、本発明におけるハニカムフィルタ1では、(2)前記仮想端面Xから前記端面Aへの傾斜方向と、前記仮想端面Yから前記端面Bへの傾斜方向がねじれた関係である。
【0043】
さらに、図2に示されるように、本発明におけるハニカムフィルタ1では、(3)前記端面Aと仮想端面Xとの角度αが10°以上35°以下、及び、前記端面Bと仮想端面Yとの角度βが10°以上35°以下である。
【0044】
このような構成により、本発明におけるハニカムフィルタでは、入口端面、出口端面での面積当たりのガス流量を小さくできる。そのため、入口端面、出口端面でのガス縮流、ガス拡流による圧損を小さくでき、ハニカムフィルタ全体として、圧損を低減できる。
【0045】
一方、従来のフィルタでは、図6に示されるように、入口端面107でのガス縮流による圧損と、出口端面109におけるガス拡流による圧損が、圧損の大きな比率を占める。そのため、入口端面107でのガス縮流による圧損と、出口端面109におけるガス拡流における圧損を削減するために、たとえば、図7に示されるように端面に傾斜を持たせたハニカムフィルタが登場している。しかし、図7に示されるハニカムフィルタでは、入口端面109と出口端面111とが平行になるよう構成されている。そのため、弾性マット等の面圧で、缶体内にハニカムフィルタを保持する際に、その面圧を受けられる面積が減少し過ぎてしまう。したがって、従来のフィルタは、缶体内に十分に保持し難いハニカムフィルタとなっていた。或いは、従来のフィルタは、圧損低減がし難く耐久性の劣るハニカムフィルタとなっていた。
【0046】
以下、更に、本発明のハニカムフィルタの特徴的構成について、図面を参照しながら説明する。
【0047】
[1−1]一方の端面A及び他方の端面B:
(前記端面A及び前記端面Bの傾斜)
本発明におけるハニカムフィルタでは、前記ハニカムフィルタの中心軸と同一軸上に中心軸を備え、前記端面A及び前記端面Bの外輪郭線から延伸させた位置に、前記中心軸に直交する仮想端面X及び仮想端面Yを備える、仮想の円柱ハニカム構造体を想定したとき、前記端面Aは仮想端面Xに対して傾斜し、前記端面Bは仮想端面Yに対して傾斜している。このように構成されることにより、端面A(入口端面)への、流入ガスの流速を低下させることができる。さらに、端面B(出口端面)からの、流出ガスの流速を低下させることができる。したがって、端面A(入口端面)でのガス縮流による圧損、及び、端面B(出口端面)でのガス拡流による圧損を、低減できる。その結果、ハニカムフィルタ全体の圧損を低減することができる。
【0048】
さらに、前述のように、端面A及び端面Bを傾斜させることによって、ハニカムフィルタを金属缶内に安定的に保持しやすくなる。
【0049】
ここで、「前記ハニカムフィルタの中心軸と同一軸上に中心軸を備え」とは、本発明のハニカムフィルタにおける中心軸と同一軸上に、(仮想の円柱ハニカム構造体の)中心軸を備えることを意味する。すなわち、本発明のハニカムフィルタにおける中心軸の両端を、さらに、その外側方向へ延伸させた中心軸(以下、適宜「仮想中心軸」という)を備える。そして、その仮想中心軸が、本発明のハニカムフィルタにおける中心軸と、同一軸上にあることを意味する。また、「前記端面A及び前記端面Bの外輪郭線から延伸させた位置」とは、本発明のハニカムフィルタの端面A及び端面Bの外輪郭線を、仮想中心軸に沿って、端面A及び端面Bの外輪郭線の、外側方向へ延伸させた位置を意味する。また、「外輪郭線」とは、端面を囲み、端面と外部とを区分けする境界線を意味する。また、「前記中心軸に直交する仮想端面X及び仮想端面Yを備える」とは、(仮想の円柱ハニカム構造体)の仮想中心軸に対して、或いは、本発明のハニカムフィルタの中心軸に対して、直交する仮想端面X及び仮想端面Yを備えることを意味する。また、「仮想の円柱ハニカム構造体を想定したとき、前記端面Aは仮想端面Xに対して傾斜し」とは、仮想端面Xを備える仮想の円柱ハニカム構造体を想定したとき、本発明のハニカムフィルタの端面Aが仮想端面Xを基準にして傾斜していることを意味する。同様に、「仮想の円柱ハニカム構造体を想定したとき、前記端面Bは仮想端面Yに対して傾斜している」とは、仮想端面Yを備える仮想の円柱ハニカム構造体を想定したとき、本発明のハニカムフィルタの端面Bが仮想端面Yを基準にして、傾斜していることを意味する。
【0050】
具体的に、図2及び図3に示されるハニカムフィルタ1(1A,1B)を参照しながら、説明する。ここで、図2に示されるハニカムフィルタ1(1A)は、図1Aに示されるハニカムフィルタ1(1A)に、さらに、仮想の円柱ハニカム構造体100を示した説明図であり、側面図を模式的に示している。同様に、図3に示されるハニカムフィルタ1(1B)は、図1Bに示されるハニカムフィルタ1(1B)に、さらに、仮想の円柱ハニカム構造体100を示した説明図であり、側面図を模式的に示している。
【0051】
図2に示されるように、本発明のハニカムフィルタ1(1A)の中心軸9と同一軸上に延伸させた中心軸9を引き、端面A及び端面Bの外輪郭線から延伸させた位置に、中心軸9に直交する仮想端面X及び仮想端面Yを描く。これにより、「仮想の円柱ハニカム構造体100」が描かれる。このような「仮想の円柱ハニカム構造体100」を想定したとき、本発明のハニカムフィルタ1では、端面Aが仮想端面Xに対して傾斜し、前記端面Bは仮想端面Yに対して傾斜している。すなわち、図2では、仮想端面X及び仮想端面Yは、中心軸9に対して直交し傾斜していない。そのため、「仮想の円柱ハニカム構造体100」を側面方向から見た場合には、その仮想端面の表面を見ることができない。したがって、図2では、仮想端面Xの端面表面が描かれず、仮想端面Xの側面方向を示す直線(符号11参照)が描かれている。同様に、仮想端面Yの端面表面が描かれず、仮想端面Yを示す直線が描かれている。なお、符号11は、側面方向から見た、中心軸9に直交する平面を示している。
【0052】
一方、本発明におけるハニカムフィルタ1では、前記端面Aは仮想端面Xに対して傾斜している。そのため、側面方向からみた場合にも、端面表面を見ることができる。そのため、端面Aの表面が見えるように図示されている。なお、前記端面Bは仮想端面Yに対して傾斜しているが、図2では、「端面Bが直線に見える位置」、すなわち、端面Bの輪郭線が直線に見える位置で描かれている。そのため、端面Bの表面が見えないため、端面Bが直線で図示されている。なお、図3に示されるハニカムフィルタも同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0053】
(ねじれた関係)
本発明におけるハニカムフィルタでは、(2)前記仮想端面Xから前記端面Aへの傾斜方向と、前記仮想端面Yから前記端面Bへの傾斜方向がねじれた関係にある。すなわち、仮想端面Xから前記端面Aへの傾斜方向と、前記仮想端面Yから前記端面Bへの傾斜方向が、互いにずれている。このような「ねじれた関係」であることにより、流路長さが異なる複数のセルを備えるセルの集合体が形成されることになる。そのため、セル流路内の流路圧力損失と、出入口での圧力損失の比率が異なるセルを、本発明におけるハニカムフィルタは有することになる。したがって、各セルへの流量配分が自動的になされ、ハニカムフィルタ全体としての圧損を低減する効果を得ることができる。
【0054】
さらに、本発明のハニカムフィルタでは、前述のような「ねじれた関係」を有することから、荷重を受ける面積を十分に確保できる。すなわち、金属缶内にハニカムフィルタをキャニングする際に、ハニカムフィルタの側面側から受ける荷重に、十分に対応できる。言い換えれば、前述のような「ねじれた関係」を有することから、本発明のハニカムフィルタでは、押し抜き荷重を増加させることができる。
【0055】
ここで、「前記仮想端面Xから前記端面Aへの傾斜方向」とは、仮想端面Xを基準にした際に、端面Aが傾斜している方向を意味する。同様に、「前記仮想端面Yから前記端面Bへの傾斜方向」とは、仮想端面Yを基準にした際に、端面Bが傾斜している方向を意味する。また、「ねじれた関係」とは、端面Aが傾斜している方向と、端面Bが傾斜している方向が、ずれている関係を有していることを意味する。この「ねじれた関係」を言い換えれば、端面Aに法線を引いた際の方向と、端面Bに法線を引いた際の方向が、ずれている関係といえる。
【0056】
たとえば、図2、図3に示されるように、本発明のハニカムフィルタでは、入口端面である端面Aの法線7Aと、出口端面である他方の端面Bの法7Bが、ずれている。そのため、端面Aと端面Bは、平行な位置に形成されていない。なお、符号8Aは、端面Aに対する接線を示している。同様に、符号8Bは、端面Bに対する接線を示している。
【0057】
(角度αと角度β)
さらに、本発明におけるハニカムフィルタでは、前記端面Aと仮想端面Xとの角度αが10°以上35°以下、及び、前記端面Bと仮想端面Yとの角度βが10°以上35°以下である。このように構成されることにより、端面A(入口端面)への、流入ガスの流速を十分に低下させる効果を得ることができる。同様に、端面B(出口端面)からの、流出ガスの流速を十分に低下させる効果を得ることができる。したがって、端面A(入口端面)でのガス縮流による圧損、及び、端面B(出口端面)でのガス拡流による圧損、を十分に低減できる。その結果、ハニカムフィルタ全体の圧損を低減できる。さらに、ハニカムフィルタを金属缶内へ保持させるために、必要なキャニング時の面圧を受ける、側面積を大きくとれる効果も得られる。
【0058】
一方、端面Aと仮想端面Xとの角度αが、10°未満である場合には、端面A(入口端面)への、流入ガスの流速を十分に低下させ難い。同様に、端面Bと仮想端面Yとの角度βが、10°未満である場合には、端面B(出口端面)からの、流出ガスの流速を十分に低下させ難い。そのため、端面A(入口端面)へのガス縮流による圧損、及び、端面B(出口端面)からのガス拡流による圧損、を十分に低減できない。
【0059】
また、端面Aと仮想端面Xとの角度αが、35°超である場合には、端面A(入口端面)への、流入ガスの流速を低下させ過ぎてしまう虞がある。さらに、端面A(入口端面)へ、排ガスの流入を過度に妨げることになり、端面Aに応力が集中し、圧損を十分に低減できない。同様に、端面Bと仮想端面Yとの角度βが、35°超である場合には、端面B(出口端面)からの、流出ガスの流速を低下させ過ぎてしまう虞がある。さらに、端面B(出口端面)からの、排ガスの流出を妨げ易くなり、下流端面に応力が集中し、圧損を十分に低減できない。
【0060】
好ましくは、本発明におけるハニカムフィルタでは、前記端面Aと仮想端面Xとの角度αが15°以上30°以下、及び、前記端面Bと仮想端面Yとの角度βが15°以上30°以下である。さらに、端面A(入口端面)でのガス縮流による圧損、及び、端面B(出口端面)でのガス拡流による圧損、を確実に低減できる。その結果、ハニカムフィルタ全体の圧損を確実に低減できる。
【0061】
具体的に、図2及び図3に示されるハニカムフィルタ1(1A,1B)を参照しながら、説明する。図2に示されるように、本発明におけるハニカムフィルタ1の端面Aでは、前記端面Aと仮想端面Xとの角度αが10°以上35°以下に形成されている。すなわち、平面11を基準にした際に、「角度α」の分だけ端面Aが傾斜している。そのため、端面Aの表面が仮想端面Xから開いた(離れた)状態となり、側面方向から見た際に、一方の端面Aの表面を見ることができる。また、図2で示されるように、平面13を基準にした際に、「角度β」の分だけ、端面Bが傾斜している。そのため、側面方向から見た際に、端面Bの表面が中心軸方向に傾いた状態(端面Bの表面が平面13から離れた状態)となっている。
【0062】
なお、図2では、端面Aの両側を通る仮想線21,25を結んだ、端面A全体を通る面が描かれている。また、仮想線23は、端面Aの中心を通るように線引きされている。更に、前述の仮想線21,23,25を、90°傾斜(直交)させて、前述の端面A全体を通る面に直交する平面が描かれている。そして、端面A全体を通る面と、端面A全体を通る面に直交する平面とを備える、直方体の一部が示されている。この直方体の一部は、端面Aの傾きを説明するために示したものである。なお、図2では、本発明のハニカムフィルタ1が斜視図的に描かれているように見えるが、前述のように、模式的に示す側面図である。
【0063】
さらに、前記仮想端面Xから前記端面Aへの傾斜方向と、前記仮想端面Yから前記端面Bへの傾斜方向のねじれ角度が、90°±20°であることが好ましい。ねじれ角度が90°±20°であると、圧損低減効果を得ることができる。且つ、押し抜き荷重を増加させることができる。
【0064】
(角度γ)
さらに、前記端面A又は前記端面Bのいずれか一方の端面が、直線に見える位置から見た端面の長軸方向と、前記ハニカムフィルタの中心軸に直交する平面と、の成す角度γが、15°以下であることが好ましい。このように構成されることにより、端面A(入口端面)への、流入ガスの流速を確実に低下させることができる。同様に、端面B(出口端面)からの、流出ガスの流速を確実に低下させることができる。そのため、端面A(入口端面)でのガス縮流による圧損、及び、端面B(出口端面)でのガス拡流による圧損を、十分に低減でき、ハニカムフィルタ全体の圧損を低減できる。
【0065】
ここで、「前記端面A又は前記端面Bのいずれか一方の端面が、直線に見える位置」とは、端面A又は端面Bの輪郭線が直線に見える位置を意味する。また、「直線に見える位置から見た端面の長軸方向」とは、端面A又は端面Bの輪郭線が直線に見える位置から見た、その端面の最も長さが長い方向を意味する。なお、いずれか一方の端面が、端面Aの場合には、入口端面であり、いずれか一方の端面が、端面Bの場合には、出口端面である。なお、図2、図3では、いずれか一方の端面は端面Bである。
【0066】
さらに、「直線に見える位置から見た端面の長軸方向と、前記ハニカムフィルタの中心軸に直交する平面と、の成す角度γ」とは、直線に見える位置から見た端面の最も長さが長い方向であって端面全体を通る面と、ハニカムフィルタの中心軸に直交する平面との、成す角度をγとすることを意味する。たとえば、図2では、「ハニカムフィルタの中心軸に直交する平面」は、端面Aを含む面と同一面であり、仮想線21,23,25により描かれる直方体27の一部を構成する平面と同じになる。そのため、端面Aから傾斜していないため、図2における角度γは0°となる。一方、図3では、「ハニカムフィルタの中心軸に直交する平面」は、ハニカムフィルタ1の中心軸9に直交する平面15にあたる。したがって、図3で示される端面Aは、平面15を基準にして中心軸側に傾いているため、端面Aと平面15とのなす角度γは、0°より大きな角度を有することになる。ただし、角度γは、15°以下であることが好ましい。なお、図3では、平面15の奥行きを省略して図示したものである。
【0067】
なお、この角度γの一部を成す「直線に見える位置から見た端面の長軸方向」は、「端面内最長距離方向」といえる。すなわち、「端面内最長距離方向」は、直線に見える位置から見た際に、見える端面(端面Aの表面又は端面Bの表面)の、最も長さが長い方向である。
【0068】
なお、図2、図3の符号33は、ハニカムフィルタを正面方向から見た際の、端面Aを示している。同様に、図2、図3の符号35は、ハニカムフィルタを裏面方向から見た際の、端面Bをしている。
【0069】
さらに、前記端面A及び前記端面Bにおける長軸が、少なくとも一部の隔壁の方向に対して、20°以下の傾きであることが好ましく、端面A及び前記端面Bにおける長軸が、少なくとも一部の隔壁の方向と一致していることがより好ましい。このように構成されることにより、セル角部への応力が集中し難くなり、熱応力による割れ(クラック)を防止することができる。一方、端面A及び端面Bにおける長軸が、セル角部の方向に相当すると、セル角部が鋭角となる。そのため、セル角部に応力が集中しやすくなり、熱応力による割れ(クラック)を生じやすい。特に、端面A及び端面Bにおける長軸が、少なくとも一部の隔壁の方向と一致していると、確実に、セル角部への応力が分散でき、熱応力による割れ(クラック)を防止しやすくなる。
【0070】
ここで、「セル角部」とは、セルを構成する隔壁と隔壁の交差部を意味する。たとえば、図4A、図4Bの、丸で囲まれるセル角部15,17を挙げることができる。
【0071】
たとえば、図4Aに示される端面では、長軸A−A’が、少なくとも一部の隔壁の方向と一致している。そのため、セル角部15への応力が集中し難くなり、熱応力による割れ(クラック)を、有効に防止できる。一方、図4Bに示される端面では、長軸B−B’が、セル角部の方向に相当する。そのため、セル角部17が鋭角となっている。したがって、図4Bに示される端面では、セル角部17に応力が集中し、熱応力による割れ(クラック)を生じる虞がある。
【0072】
ここで、図4Aは、本発明のハニカムフィルタの端面Aの一例を示した模式図である。また、図4Bは、長軸が、隔壁方向に対して垂直である端面の例を示す模式図である。なお、端面Bについては上記端面Aと同様であるため、図を省略する。
【0073】
[2]その他の構成:
本発明のハニカムフィルタのその他の構成としては、以下のような構成であることが好ましい。
【0074】
(隔壁の厚さ)
隔壁の厚さは、0.0508mm以上0.1651mm以下であることが好ましい。このような所望の隔壁の厚さにすることにより、圧損を低く維持しつつPM捕集効率を高く維持できる。より好ましくは、0.075mm以上0.150mm以下であり、さらに好ましくは、0.127mm以下である。一方、隔壁の厚さが0.0508mm以下では、捕集効率が低下し好ましくない。また、隔壁の厚さが0.1651mm超では、圧損を許容範囲に抑えられる設計仕様が存在しないため、好ましくない。
【0075】
ここで、本明細書において「隔壁の厚さ」は、ハニカムフィルタの一方の端面(或いは他方の端面)を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、観察視野に含まれる任意に選択した隔壁(10箇所)について厚さを測定し、平均値として算出した値である。
【0076】
さらに、セル密度は、15.5セル/cm以上62.0セル/cm以下であることが好ましい。所望のセル密度にすることにより、圧損を低く維持しつつPM捕集効率を高く維持できる。より好ましくは、30.0セル/cm以上62.0セル/cm以下であり、圧損低減の観点からは、39.0セル/cm以下であることが更に好ましい。一方、15.5セル/cm未満では、強度が不十分となって好ましくない。また、62.0セル/cm超では圧損が許容範囲を超えてしまうため、好ましくない。
【0077】
ここで、本明細書において、「セル密度」は、ハニカムフィルタの一方の端面(或いは他方の端面)を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、観察視野に含まれる任意に選択した領域中に存在するセルの数を測定することによって算出した値である。
【0078】
さらに、前記セルのセル断面開口率が76%以上91%以下であることが好ましい。所望のセル断面開口率にすることにより、圧損を低く維持しつつPM捕集効率を高く維持できる。さらに、セル断面開口率が83%以上91%以下であることが好ましい。一方、セル断面開口率が76%未満では、圧損が生じやすくなり好ましくない。また、セル断面開口率が91%超では、強度が不足し好ましくない。
【0079】
ここで、本明細書において、「セル断面開口率」とは、セルの連通方向に垂直な断面における、隔壁の断面積とセルの開口面積の総和との合計に対する、セルの開口面積の総和の割合である。
【0080】
さらに、隔壁における気孔率は35%以上45%未満であることが好ましい。このような所望の気孔率にすることにより、圧損を低く維持しつつPM捕集効率を高く維持できる。より好ましくは、隔壁における気孔率が36%以上43%未満であることであり、さらに好ましくは、隔壁における気孔率が37%以上42%未満である。一方、隔壁における気孔率が35%未満であると、圧損を低く維持することができない。また、隔壁における気孔率が45%以上であると、PM捕集効率が低減するため好ましくない。
【0081】
ここで、本明細書において、「隔壁における隔壁の気孔率」は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
【0082】
さらに、隔壁における平均細孔径は2μm以上13μm未満であることが好ましい。このように所望の気孔率にすることにより、圧損を低く維持しつつPM捕集効率を高く維持できる。より好ましくは、隔壁における平均細孔径が4μm以上12μm未満であり、さらに好ましくは、6μm以上11μm未満である。一方、隔壁における平均細孔径が2μm未満であると、圧損を低く維持できない。また、隔壁における平均細孔径が13μm以上であると、PM捕集効率が低下する。
【0083】
ここで、本明細書において、「隔壁における平均細孔径」は、水銀ポロシメータで測定した値である。
【0084】
(ハニカムフィルタの材料)
ハニカムフィルタの材料としては、エンジン排気の高温度で使用されることから、耐熱性に優れたセラミックスであることが好ましい。特に、この観点から、コージェライト、ムライト、アルミナ、アルミニウムタイタネート、炭化珪素、窒化珪素が好ましい。さらに、耐熱衝撃割れの観点から、熱膨張の低いコージェライト、アルミニウムタイタネートが好適である。
【0085】
(熱膨張係数)
熱膨張係数としては、1.0×1.0−6/℃未満であることが好ましく、0.8×1.0−6/℃未満であることがより好ましい。さらに、炭化珪素、窒化珪素等、熱膨張係数が1.0×1.0−6/℃を超える材料を用いる場合には、断面の小さな角柱形状に分割することが好ましい。また、材料本体より強度、ヤング率の小さな接合材料によって接合するセグメント構造にすることが好ましい。このようにすることで、ハニカムフィルタへの熱応力を緩和できるためである。
【0086】
(目封止部の深さ)
目封止部の深さは、圧損低減の観点から、5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
【0087】
(目封止の方法)
目封止の方法としては、目封止材料を両端面から充填する方法が一般的である。ただし、充填によらずに、可塑性のある乾燥前の状態において、セル隔壁を治具により変形させ、セル開口を閉じる方法をとってもよい。
【0088】
(セル水力直径)
ハニカムフィルタのセル水力直径は全て同一である必要はない。入口端面で開口するセルと、出口端面で開口するセルとの、水力直径が異なってもよい。ガソリンエンジン用途においては、圧損低減の観点から、出口端面で開口するセルの水力直径を、入口端面で開口するセルの水力直径より大きくすることが好ましい。この場合の、水力直径としては、20〜45%が好ましい。
【0089】
ここで、本明細書において「セル水力直径」は、「4×(断面積)/(周長)」の式で計算される値である。ここで、「断面積」とは、セルの延びる方向に直交する断面におけるセルの面積のことであり、「周長」とは、セルの延びる方向に直交する断面における「セルの外周の長さ」のことである。
【0090】
(強度補強)
なお、ガソリンエンジンの、特にマニホルド直下に装着する場合には、マニホルドの酸化スケールや製造時の鋳型の残存物等が飛来して、フィルタ端面にエロージョンを引き起こすケースがある。この対策として、フィルタの端面近傍のみ、密度を上げて強度補強することが好ましい。たとえば、目封止後、コージェライトスラリーを端面近傍のみに含浸させ、その後、再焼成する方法が可能である。範囲としては、端面からの距離10mm以内とすることが好ましい。
【0091】
(触媒)
本発明のハニカムフィルタの、隔壁表面や、隔壁細孔の内面に、触媒を担持して使用してもよい。この触媒を担持する理由としては、酸化機能等を有する触媒を担持することにより、堆積したPMが燃焼除去され易くする効果を、ハニカムフィルタに持たせることが考えられる。たとえば、白金等の貴金属と、セリア等の酸素吸蔵能を有する成分とアルミナとからなる触媒を、ハニカムフィルタの体積あたり、5〜50g/Lの重量となるように、担持することが有効である。
【0092】
また、貴金属として、白金、ロジウム、パラジウム等を、セリア、ジルコニア、アルミナ等を含むウォシュコートに含有させた、三元触媒を担持してもよい。このようにすることで、ガソリンエンジンから排気される、一酸化炭素、ハイドロカーボン、窒素酸化物等も同時に浄化する機能を持たせることが可能となる。たとえば、ウォシュコートに十分な通気性を持たせ、隔壁表面に、ハニカムフィルタの体積あたり、5〜250g/Lの重量を担持させることが有効である。特に、ウォシュコートに十分な通気性を持たせるために、ウォシュコートの細孔特性として、隔壁と同程度の平均細孔径、気孔率を持たせることが好ましい。
【0093】
[3]ハニカムフィルタの作製方法:
本発明のハニカムフィルタは、例えば、以下のように製造することができる。ただし、以下に例に限定されるものではない。
【0094】
まず、坏土用材料としてコージェライト化原料を用意する。コージェライト化原料は、コージェライト結晶の理論組成となるように各成分を配合するため、シリカ源成分、マグネシア源成分、及びアルミナ源成分等を配合する。このうちシリカ源成分としては、石英、溶融シリカを用いることが好ましく、更に、このシリカ源成分の粒径を100〜150μmとすることが好ましい。
【0095】
マグネシア源成分としては、例えば、タルク、マグネサイト等を挙げることができる。これらの中でも、タルクが好ましい。タルクは、コージェライト化原料中37〜43質量%含有させることが好ましい。タルクの粒径(平均粒子径)は、5〜50μmであることが好ましく、10〜40μmであることが更に好ましい。また、マグネシア(MgO)源成分は、不純物としてFe、CaO、NaO、KO等を含有していてもよい。
【0096】
アルミナ源成分としては、不純物が少ないという点で、酸化アルミニウム及び水酸化アルミニウムの少なくともいずれか一種を含有するものが好ましい。また、コージェライト化原料中、水酸化アルミニウムは10〜30質量%含有させることが好ましく、酸化アルミニウムは0〜20質量%含有させることが好ましい。
【0097】
次に、コージェライト化原料に添加する坏土用材料(添加剤)を用意する。添加剤として、少なくともバインダと造孔材を用いる。そして、バインダと造孔材以外には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。
【0098】
造孔材としては、コージェライトの焼成温度以下において酸素と反応して酸化除去可能な物質、または、コージェライトの焼成温度以下の温度に融点を有する低融点反応物質等を用いることができる。酸化除去可能な物質としては、例えば、樹脂(特に、粒子状の樹脂)、黒鉛(特に、粒子状の黒鉛)等を挙げることができる。低融点反応物質としては、鉄、銅、亜鉛、鉛、アルミニウム、及びニッケルからなる群より選択される少なくとも一種の金属、これらの金属を主成分とする合金(例えば、鉄の場合には炭素鋼や鋳鉄、ステンレス鋼)、または、二種以上を主成分とする合金を用いることができる。これらの中でも、低融点反応物質は、粉粒状または繊維状の鉄合金であることが好ましい。更に、その粒径または繊維径(平均径)は10〜200μmであることが好ましい。低融点反応物質の形状は、球状、巻菱形状、金平糖状等が挙げられ、これらの形状であると、細孔の形状をコントロールすることが容易となるため好ましい。
【0099】
バインダとしては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。また、分散剤としては、例えば、デキストリン、ポリアルコール等を挙げることができる。また、界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸を挙げることができる。なお、添加剤は、一種単独または二種以上用いることができる。
【0100】
次に、コージェライト化原料100質量部に対して、バインダを3〜8質量部、造孔材を3〜40質量部、分散剤を0.1〜2質量部、水を10〜40質量部の割合で混合し、これら坏土用材料を混練し、坏土を調製する。
【0101】
次に、調製した坏土を、押出成形法、射出成形法、プレス成形法等でハニカム形状に成形し、生のハニカム成形体を得る。連続成形が容易であり、例えばコージェライト結晶を配向させることができることから、押出成形法を採用することが好ましい。押出成形法は、真空土練機、ラム式押出成形機、2軸スクリュー式連続押出成形機等の装置を用いて行うことができる。
【0102】
さらに、生のハニカム成形体の端面を適切な方向に、ワイヤカットなどによりカットし、端面の傾斜を整える。
【0103】
次に、ハニカム成形体を乾燥させて所定の寸法に調整してハニカム乾燥体を得る。ハニカム成形体の乾燥は、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等で行うことができる。なお、全体を迅速且つ均一に乾燥することができることから、熱風乾燥と、マイクロ波乾燥または誘電乾燥と、を組み合わせて乾燥を行うことが好ましい。
【0104】
次に、目封止部の原料を用意する。目封止部の材料(目封止用スラリー)は、隔壁(ハニカム乾燥体)と同じ坏土用材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。具体的には、セラミック原料、界面活性剤、及び水を混合し、必要に応じて焼結助剤、造孔材等を添加してスラリー状にし、ミキサー等を使用して混練することにより得ることができる。
【0105】
次に、ハニカム乾燥体の一方の端面のセル開口部の一部にマスクを施し、その端面を、目封止用スラリーが貯留された貯留容器中に浸漬して、マスクをしていないセルに目封止用スラリーを充填する。同様にして、ハニカム乾燥体の他方の端面のセル開口部の一部にマスクを施し、その端面を、目封止用スラリーが貯留された貯留容器中に浸漬して、マスクをしていないセルに目封止用スラリーを充填する。その後、乾燥させ、焼成することによって、ハニカム担体を得る。上記乾の条件は、ハニカム成形体を乾燥させる条件と同様の条件を採用することができる。また、上記焼成の条件は、コージェライト化原料を用いた場合には、通常、大気雰囲気下、1410〜1440℃の温度で3〜15時間とすることができる。
【0106】
[4]ハニカムフィルタのキャニング例:
例えば、図5A、図5Bに示されるように、本発明のハニカムフィルタの外周に、クッション材を巻きつける。そして、このクッション材37が巻付けられたハニカムフィルタを、缶体39内に圧入することにより、排ガス浄化装置を得ることが好ましい。前述のように、キャニング時の面圧を受ける側面積を大きく取れ、金属缶内へ確実に保持されることができる。一方、従来のハニカム構造体では、キャニングに必要な側面面積を確保できず、金属缶内にしっかり保持できなかった。或いは、収納容器に収納する際に破損したりすることがあった。
【0107】
なお、図5A、図5Bでは、ハニカムフィルタを、缶体39内に保持させた模式図である。なお、図5Aでは、缶体39の排ガス入口41と、缶体39の排ガス出口43の中心軸が、ハニカムフィルタの中心軸9と同一になるように形成された缶体を示している。一方、図5Bでは、缶体39の排ガス入口41と、ハニカムフィルタの中心軸9とが同一であるが、缶体39の排ガス出口45の中心軸がずれるように形成された缶体を示している。
【0108】
ここで、クッション材としては、たとえば、耐熱無機絶縁マット等を挙げることができる。このようなクッション材を用いて、金属缶体内にハニカムフィルタを収納すると、ハニカムフィルタが缶体内で移動することを防止することができる。
【0109】
なお、缶体は、公知方法で作製することができる。例えば、フェライト系ステンレスからなる板材料を、プレス加工して、溶接することによって作製することができる。缶体の形状、大きさ等の条件は、特に限定されるものではないが、自動車排ガス等の排ガス浄化用のハニカムフィルタを収納するために通常用いられるものを用いることができる。
【実施例】
【0110】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0111】
(ハニカムフィルタの作製方法)
コージェライト化原料として、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、及びシリカを使用し、コージェライト化原料100質量部に、造孔材を13質量部、分散媒を35質量部、有機バインダを6質量部、分散剤を0.5質量部、それぞれ添加し、混合、混練して坏土を調製した。分散媒として水を使用し、造孔材としては平均粒子径1〜10μmのコークスを使用し、有機バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用し、分散剤としてはエチレングリコールを使用した。なお、造孔材としては、発泡樹脂、吸水性樹脂等を用いることもできる。造孔材の粒子径と量を適宜コントロールすることにより、隔壁の細孔径と気孔率をコントロール可能である。
【0112】
次いで、所定の金型を用いて坏土を押出成形し、端面を適切な方向にワイヤカットし、セル形状が四角形で、全体形状が端面の傾いた円柱形(円筒形)のハニカム成形体を得た。そして、ハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥し、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させた後、ハニカム成形体の両端面を切断し、所定の寸法に整えた。
【0113】
次に、ハニカム成形体の一方の端面のセル開口部に、市松模様状に交互にマスクを施し、マスクを施した側の端部を、コージェライト化原料を含有する目封止スラリーに浸漬し、市松模様状に交互に配列された目封止部を形成した。他方の端部については、一方の端部において目封止されたセルについてマスクを施し、上記一方の端部に目封止部を形成したのと同様の方法で目封止部を形成した。
【0114】
その後、目封止部を形成したハニカム成形体を熱風乾燥機で乾燥し、更に、1410〜1440℃で、5時間、焼成することによって、ハニカムフィルタを得た。
【0115】
上記の製造方法により、直径105.7mm、長さ(端面中心間距離)115.4mmのハニカムフィルタを、表1に示されるような、色々な入口端面の角度α、出口端面の角度βで作製し、実施例1〜3、比較例1〜8のハニカムフィルタを得た。
【0116】
[押し抜き荷重の測定方法]
前述のようにして作製した実施例1〜3、比較例1〜8のハニカムフィルタについて、押し抜き試験を実施した。乾燥質量割合で、アルミナ繊維45%、無機質バインダ15%、バーミキュライト40%の混合物に水分添加し混練した加熱膨張性材料を、実施例1〜3、比較例1〜8のハニカムフィルタの外周面に塗布し、乾燥後に、巻き締めによりキャニングした試料を試作して、押し抜き試験を実施した。試験機に電気炉を取り付けて、キャニングした試料を電気炉内の治具にセットし、所定温度に保った状態で、実施例1〜3、比較例1〜8のハニカムフィルタの部分を、シリカ棒を介して押し抜く際の荷重を測定した。その結果を表1に示す。なお、押し抜き荷重が300N以上あれば、良好と判断される。
【0117】
[圧力損失の測定方法]:
排気量2.0リットルの直噴式ガソリンエンジンの台上試験において、まず、排気系に、前述のようにして作製した実施例1〜3、比較例1〜8のハニカムフィルタを搭載した排ガス浄化装置を夫々得る。さらに、得られた排ガス浄化装置を排気系に装着した後、上記同様のエンジンフルロード条件における圧力損失を測定する。その後、上記基準値に対して、圧力損失の増加量が9.2kPa以下である場合を合格とし、圧力損失の増加量が9.2kPa超である場合を不合格として評価した。その結果を表1に示す。
【0118】
なお、本実施例で作製したハニカムフィルタを備える排ガス浄化装置は、以下のように作製した。まず、厚さ2mmの仕切り板が配設された、流入口及び流出口を有する金属製(具体的には、フェライト系ステンレス製)の缶体を用意した。次に、得られたハニカムフィルタを上記缶体内に収納した。収納に際しては、セラミックス繊維を主成分とするマットでハニカムフィルタの外周をそれぞれ覆い、かつ、ハニカムフィルタが、入口端面が缶体の流入口側を向くとともに、出口端面が缶体の流出口側を向くようにして、ハニカムフィルタを缶体内に圧入して固定した。以上のようにして、排ガス浄化装置を作製した。
【0119】
【表1】

【0120】
なお、表1中の、「端面中心間距離」とは、入口端面(端面A)の中心から、出口端面(端面B)の中心までの距離を意味する。また、「入口端面の傾斜角度(対流れ方向)」とは、ハニカムフィルタの中心軸に直交する平面と、入口端面(端面A)とのなす角度αを意味する。たとえば、表1中の比較例6では、「0°」を示しているが、これは、ハニカムフィルタの中心軸に直交する平面と、入口端面(端面A)とのなす角度αが傾斜していないことを意味する。また、「出口端面の傾斜角度(対流れ方向)」とは、ハニカムフィルタの中心軸に直交する平面と、入口端面(端面B)とのなす角度βを意味する。たとえば、表1中の比較例6では、「0°」を示しているが、これは、ハニカムフィルタの中心軸に直交する平面と、出口端面(端面B)とのなす角度βが傾斜していないことを意味する。また、「入口端面と出口端面のねじれ角度」とは、仮想端面Xから端面Aへの傾斜方向と、前記仮想端面Yから前記端面Bへの傾斜方向のねじれ角度を意味する。言い換えれば、入口端面(端面A)の法線と出口端面(端面B)の法線とのねじれの角度を意味する。たとえば、表1中の比較例2では、「0°」を示しているが、これは、ハニカムフィルタの入口端面(端面A)の法線と出口端面(端面B)の法線とのねじれがないこと、すなわち、入口端面(端面A)と出口端面(端面B)が、平行に形成されていることを意味する。
【0121】
(考察)
実施例1〜3と、比較例2〜4とを対比した。「圧損」については、実施例1〜3では、ねじれ角があることにより、流路長さが異なるセルの集合体となり、圧損低減効果があることが確認できた。「押し抜き荷重」については、実施例1〜3では、ねじれ角があることにより、側面の荷重を受ける面積が確保されるため、押し抜き荷重が増加することが確認できた。したがって、缶内にハニカムフィルタがしっかり保持される。
【0122】
さらに、実施例1と、比較例6〜8とを対比した。実施例1では、入口、出口端面がともに流れ方向に傾斜していることにより、目封止部(端面)での端面に流入するガス流速、端面から流出するガス流速が共に低下することが確認できた。すなわち、縮流圧損、及び拡流圧損が低減し、ハニカムフィルタ全体の圧損が低減することが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明に係るハニカムフィルタは、自動車、産業機械等の内燃機関、その他の燃焼機器等のうち、直噴ガソリンエンジンから排出ガスに含まれる微粒子および有害ガス成分の浄化に用いられるフィルタとして好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0124】
1、1A,1B:ハニカムフィルタ、3:セル、5:隔壁、7A,7B:法線、8A,8B:接線、9:中心軸、11:平面、13:平面、15:セル角部、17:セル角部、21:仮想線、23:仮想線、25仮想線、33:一方の端面(入口端面)、35:端面(出口端面)、37:クッション材、39:缶体(金属缶)、41:(缶体の)排ガス入口、43:(缶体の)排ガス出口、45:(缶体の)排ガス出口、100:仮想のハニカム構造体、105:目封止部、107:入口端面、109:出口端面、111:入口端面、113:出口端面、116:目封止部、A:端面(入口端面)、B:端面(出口端面)、X:仮想端面、Y:仮想端面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端面Aから他方の端面Bまで延びる流体の流路となる複数のセルが形成されるように配置された、多孔質の隔壁と、
前記端面Aと前記端面Bの二つの端面における前記セルの端部のいずれか一方を交互に封止するように配置された目封止部と、
を有するハニカムフィルタであり、次の(1)、(2)、(3)を満足するハニカムフィルタ。
(1)前記ハニカムフィルタの中心軸と同一軸上に中心軸を備え、前記端面A及び前記端面Bの外輪郭線から延伸させた位置に、前記中心軸に直交する仮想端面X及び仮想端面Yを備える、仮想の円柱ハニカム構造体を想定したとき、
前記端面Aは仮想端面Xに対して傾斜し、前記端面Bは仮想端面Yに対して傾斜している。
(2)前記仮想端面Xから前記端面Aへの傾斜方向と、前記仮想端面Yから前記端面Bへの傾斜方向がねじれた関係である。
(3)前記端面Aと前記仮想端面Xとの角度αが10°以上35°以下、及び、前記端面Bと前記仮想端面Yとの角度βが10°以上35°以下である。
【請求項2】
流路長さが異なる複数の前記セルを備える請求項1に記載のハニカムフィルタ。
【請求項3】
前記仮想端面Xから前記端面Aへの傾斜方向と、前記仮想端面Yから前記端面Bへの傾斜方向のねじれ角度が、90°±20°である請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
【請求項4】
前記端面A又は前記端面Bのいずれか一方の端面が、直線に見える位置から見た端面の長軸方向と、前記ハニカムフィルタの中心軸に直交する平面との成す角度γが、15°以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
【請求項5】
前記端面A及び前記端面Bにおける長軸が、少なくとも一部の隔壁の方向と一致している請求項1〜4のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
【請求項6】
前記隔壁の厚さは、0.0508mm以上0.1651mm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
【請求項7】
前記セル密度は、15.5セル/cm以上62.0セル/cm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
【請求項8】
前記セルのセル断面開口率が76%以上91%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
【請求項9】
前記隔壁における気孔率は35%以上45%未満である請求項1〜8のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
【請求項10】
前記隔壁における平均細孔径は2μm以上13μm未満である請求項1〜9のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
【請求項11】
コージェライト、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、アルミナ、ムライトの群から選ばれる少なくとも1種からなる請求項1〜10のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−187510(P2012−187510A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52947(P2011−52947)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】