説明

ハロゲンランプ、加熱装置、ハロゲンランプ製造方法

【課題】複数のフィラメントを非接触状態で共通のバルブ内に構成しつつ、振動や衝撃でも強靭な封止部の得られるハロゲンランプを実現する。
【解決手段】石英ガラス製バルブ11内にフィラメント12,13を収容し、フィラメント12の両端には金属箔161,162の一端を、金属箔161,162の他端にはアウターリード181,182をそれぞれ溶接する。フィラメント13の両端には金属箔171,172の一端を、金属箔171,172の他端にはアウターリード191,192をそれぞれ溶接する。金属箔161,171に位置するバルブ11を減圧封止法で形成された封止部151を、金属箔162,172に位置するバルブ11を減圧封止法で形成された封止部152をそれぞれ形成する。フィラメント12と13は、これらをバルブ11内での位置決めするとともに、複数配設された絶縁性で耐熱性のアンカー14で支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば複写機の定着用として使用される放射透過性バルブの内部に電気抵抗発熱体を備え、特に封止部が減圧により形成されたハロゲンランプ、加熱装置、ハロゲンランプ製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機の定着用に使用されるハロゲンランプの封止部には、封止用の金属箔の酸化や箔切れを防止し、ガスの封入等に用いるチップ管を必要としない減圧法による封止が考えられている。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特開平9−320547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した特許文献1の技術は、耐熱性ガラス製のバルブの封止部をバーナーで減圧させながら封止している。これで得られたハロゲンランプは、封止の肉厚を同じような厚さにすることができることから封止部強度を強くすることができる。
【0004】
しかしながら、複数本のハロゲンランプを使用する場合は、取り付け作業が本数だけかかるばかりか、取り付けるスペースもその分必要となる、という問題があった。
【0005】
この発明の目的は、複数のフィラメントを同一のバルブに形成することを可能として非接触状態で共通のバルブ内に構成しつつ、高い性能を有する封止部を実現したハロゲンランプ、このランプを用いた加熱装置、ハロゲンランプ製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、この発明のハロゲンランプでは、耐熱性ガラス製のバルブ内の長手方向に電気的に非接触状態で配置されたタングステン製の第1および第2のフィラメントと、前記第1および第2のフィラメントのそれぞれの両端にそれぞれ接続した一端が接続された金属箔と、前記金属箔のそれぞれの他端に接続した電力供給用のアウターリードと、前記金属箔の部分と前記バルブと同材料のスリーブを配置した状態で前記バルブを減圧封止方法により封止した封止部と、前記第1および第2のフィラメントの位置決めおよび絶縁を行うための絶縁性の支持部材と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
この発明の加熱装置では、上下に配置され少なくとも一方は加熱される第1および第2のローラと、前記第1または第2のローラ内に配置された請求項1〜7のいずれかに記載のハロゲンランプと、予めトナーが転写された複写紙が、前記第1および第2のローラとの間を移動させて前記トナーを定着させる手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
この発明のヒータランプの製造方法では、第1のフィラメントの両端に、インナーリード、金属箔、アウターリードをそれぞれ直列状態に接続する工程と、第2のフィラメントの両端に、インナーリード、金属箔、アウターリードをそれぞれ直列状態に接続する工程と、それぞれの前記金属箔に位置させた状態で耐熱性ガラス製のスリーブを配置させる工程と、前記第1および第2のフィラメントの長手方向の複数箇所に耐熱性で絶縁性のアンカーを取り付ける工程と、前記工程で直列接続された前記第1および第2のフィラメント等を前記スリーブと前記アンカーとともに、耐熱性ガラス製の円筒状バルブ内に収容する工程と、前記バルブ内を減圧させた状態で、前記金属箔および前記スリーブをバーナーで焼成させ封止を行う工程と、前記工程で形成された封止部分から外側のバルブおよび前記バルブの外側に位置するアウターリードを適当な長さにカットする工程と、からなることを特徴とする。
【0009】
また、この発明のヒータランプの製造方法では、第1のフィラメントの両端に、インナーリード、金属箔、アウターリードをそれぞれ直列状態に接続する工程と、第2のフィラメントの両端に、インナーリード、金属箔、アウターリードをそれぞれ直列状態に接続する工程と、それぞれの前記金属箔に位置させた状態で耐熱性ガラス製のスリーブを配置させる工程と、前記第1および第2のフィラメント間の長手方向に耐熱性で絶縁性の絶縁基板を配置する工程と、前記工程で直列接続された前記第1および第2のフィラメント等を前記スリーブ、前記絶縁基板とともに、耐熱性ガラス製の円筒状バルブ内に支持する工程と、前記バルブ内を減圧させた状態で、前記金属箔および前記スリーブをバーナーで焼成させ封止を行う工程と、前記工程で形成された封止部分から外側のバルブおよび前記バルブの外側に位置するアウターリードを適当な長さにカットする工程と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、複数のフィラメントを絶縁性、耐熱性の非接触部材を配置したことによって、振動や衝撃に強く、減圧による封止としたことにより共通のバルブに形成された複数のフィラメントを点灯させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1、図2は、この発明のハロゲンランプに関する一実施形態について説明するための、図1は構成図、図2は図1の要部の拡大図である。
【0013】
図1、図2において、100は管型白熱電球の一種であるハロゲンランプである。ハロゲンランプ100は、例えば定着用等のヒータとして多用され、放射透過性を有する石英ガラス製等の円筒状の共通のバルブ11内に2灯を構成したものである。バルブ11は、肉厚が1mm程度で外径が8〜10mm程度で、内部には耐熱性金属の電気抵抗線の一例であるタングステン製のフィラメント12,13が熱源として同心状に収容される。このフィラメント12,13は、バルブ11内で軸方向に複数配設された絶縁性で耐熱性の例えば石英ガラス製のアンカー14により、バルブ11に対する同心状態が保持される。アンカー14は、フィラメント12,13をバルブ11内に位置決めするとともに、これらを非接触状態で支持する役目を果たす絶縁性支持部材を構成する。
【0014】
図2に示すように、アンカー14はフィラメント12を支持するための支持孔141とフィラメント13を支持するための支持孔142がそれぞれ形成され、アンカー14は、フィラメント13をバルブ11内に収納させる前に予めフィラメント12,13を貫通させて支持する。
【0015】
さらに、バルブ11内には、微量のハロゲン物質たとえば臭素Brや塩素Clとの混合物とともに、アルゴンArや窒素N等の不活性ガスが、常温25℃で約0.9×10Pa(パスカル)の圧力で封入してある。バルブ11の軸方向の両端は、減圧封止による封止部151,152が形成される。封止部151内にはバルブ11と膨張係数が近似した導電性の例えばモリブデンで形成された矩形箔状の金属箔161,171をそれぞれ埋設している。封止部152内には矩形箔状の金属箔162,172を、それぞれ埋設している。
【0016】
フィラメント12,13は、封止部151,152との間でテンションが付加された状態で支持することで、アンカー14間で撓むことを防止している。
【0017】
金属箔161の一端には、一端がフィラメント12に接続されたインナーリード121の他端が、金属箔162の一端には、一端がフィラメント12に接続されたインナーリード122の他端がそれぞれ接続される。金属箔161の他端は、電力を供給するためのアウターリード181に、金属箔162の他端は、電力を供給するためのアウターリード182にそれぞれ接続する。
【0018】
同じように、金属箔171の一端には、一端がフィラメント13に接続されたインナーリード131の他端が、金属箔172の一端には、一端がフィラメント13に接続されたインナーリード132の他端がそれぞれ接続される。金属箔171の他端は、電力を供給するためのアウターリード191に、金属箔172の他端は、電力を供給するためのアウターリード192にそれぞれ接続する。
【0019】
減圧による封止方法は、封止部以外で一旦ランプを封止し、封止部を含むランプ内部を減圧した状態で、モリブデン箔を気密封止させるものである。この封止方法は、石英ガラスの肉厚がピンチシールによる封止方法のように偏ることがないことから封止部の強度を向上させることができる。
【0020】
アンカー14に形成された支持孔141,142は、これに変えてフィラメント12,13への取り付けを容易にするために、アンカー14の縁からの切り欠きにし、この切り欠きから直接フィラメント12,13を係合させるものであっても構わない。また、アンカー14は、バルブ11の適宜位置に外部からバーナー等の加熱手段を用いて変形させ、バルブ11の軸方向を自由に移動しないようにしても構わない。
【0021】
ところで、図3に示すように、封止部151,152を形成する前の金属箔161,171の位置するバルブ11の内側には、バルブ11と同材料のスリーブ31を金属箔161に、スリーブ33を金属箔171にそれぞれ配置し、バルブ11とスリーブ31,33を溶解させる。これにより、バルブ11のみにより減圧封止した場合に比して肉厚の厚い減圧封止部151を形成している。
【0022】
円筒状スリーブ31(32〜34)は、図4に示すように、底部41を有するものを用い、底部41に貫通孔42を設ける。スリーブ31の外径は、バルブ11の内径よりもやや小さい程度とし、貫通孔42はアウターリード161まで貫通可能とするとともに、金属箔151の幅方向の長さよりも小さい孔径とする。これによりスリーブ31は、金属箔161を収納する格好となる。なお、金属箔152に位置するスリーブ32〜34も同様な構成とする。
【0023】
なお、図3では封止部151側のみを示しているが、金属箔162,172側にもスリーブ(32,34)をそれぞれ配置し、バルブ11とスリーブ(32,34)を溶解させる。これにより、バルブ11のみにより減圧封止した場合に比して肉厚の厚い減圧封止部152が形成される。
【0024】
この実施形態では、共通のバルブ内に2本のフィラメントを構成したことにより、別体の2本のハロゲンランプを使用する場合に省スペース化を実現することができる。また、2本分を減圧による共通の封止部にするとともに、スリーブにより封止部のガラスの肉厚を厚くでき、封止部分のガラス量が少なくて扁平になったり、金属箔がずれたりすることを抑えることが可能となる。
【0025】
さらに、絶縁性、耐熱性の非接触部材のアンカーとしたことにより、2本のフィラメント同士の接触を防ぎ、振動や衝撃に強く小径かつ強度の強い封止部を形成することが可能となる。
【0026】
なお、封止部を肉厚とするためのスリーブはバルブ内に配置したが、封止部となる位置のバルブの外側にあっても構わない。また、フィラメントの2本の例を挙げたが3本以上でも実現可能である。
【0027】
図5〜図7は、上記したハロゲンランプの封止部に、口金を取着した状態について説明するためのもので、図5は構成図、図6は口金の正面図、図7は図6の右側面図を示している。
【0028】
図5に示すように、封止部151,152には例えばセラミック製の口金51,52が取り付けられる。口金51,52は、図6、図7に示すように封止部を嵌合するための嵌合部511とアウターリードを挿入するための挿入孔512,513から構成される。
【0029】
図8、図9は、この発明のハロゲンランプに関する他の実施形態について説明するための、図8は構成図、図9は図8のI−I’断面図である。なお、上記した実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付しここでの説明は省略する。
【0030】
この実施形態は、石英ガラス製のアンカーに変えて、例えば耐熱性、絶縁性のセラミック製の絶縁基板81を用い、フィラメント12と13を電気的に分離するための仕切るようにしたものである。絶縁基板81は、封止部151,152の形成時に合わせ、両端を埋設させることにより支持する。絶縁基板81は、フィラメント12,13をバルブ11内に位置決めするとともに、フィラメント12,13を非接触状態で支持する役目を果たす絶縁性支持部材を構成する。
【0031】
この実施形態は、上記した実施形態の効果に加え、アンカーを必要としないことから、フィラメントの構成を簡素化することが可能となる。なお、アンカーが必要な場合においても、絶縁基板に支持用の部材を立て、この部材によりフィラメントを支持することもできる。
【0032】
上記したこの発明のハロゲンランプでは、インナーリードとの間で発光するフィラメントで図示されているが、図10に示すように、発光部101と非発光部102を交互に形成することで配光を調整しても構わない。また、フィラメント12,13の形状を変え、所望の配光を得ることも可能である。
【0033】
また、図11に示すように異なる発光領域を有するフィラメント12,13’を切り替えて使用することにより、例えば一方をA4サイズの用紙用に、他方をA3サイズの用紙用に切り替えて使用したり、一方のみ使用したりすることにより省電力への切り替えにも対応可能となる。
【0034】
次に、図12、図13を用いてこの発明のハロゲンランプの製造方法に関する一実施形態について説明する。図12、図13は、図8、図9のハロゲンランプの製造方法について示している。
【0035】
まず、図12(a)において、フィラメント12の両端に、インナーリード121,122、金属箔161,162、それにアウターリード181,182とその先端に一体的にアンカー123,124をそれぞれ直列に接続した状態のものを用意する。フィラメント13の両端に、インナーリード131,132、金属箔171,172、それにアウターリード191,192とその先端に一体的にアンカー125,126をそれぞれ直列に接続した状態のものを用意する。
【0036】
金属箔161,162はスリーブ31,32内に収容させ。スリーブ31,32はそれぞれ金属箔161,162に挿入するまでには、アンカー123,124等の弾性に抗して貫通孔42を通過させている。金属箔171,172はスリーブ33,34内に収容させ。スリーブ33,34はそれぞれ金属箔171,172に挿入するまでには、アンカー123,124等の弾性に抗して貫通孔42を通過させている。
【0037】
フィラメント12の一端とインナーリード121、金属箔161、アウターリード181を直列に接続する箇所とフィラメント12の他端とインナーリード122、金属箔162、アウターリード182を直列に接続する箇所は、それぞれを例えばスポット溶接により結合させる。同様に、フィラメント13の一端とインナーリード131、金属箔171、アウターリード191を直列に接続する箇所とフィラメント13の他端とインナーリード132、金属箔172、アウターリード192を直列に接続する箇所は、それぞれを例えばスポット溶接により結合させる。
【0038】
フィラメント12と13との間には、耐熱性、絶縁性のセラミック製の絶縁基板81を配置する。絶縁基板81の仮の保持には言及しないが、一端がアンカー123なるアンカーでバルブ内を圧接させる状態の他端に吊り下げの状態にしてある。
【0039】
図12(b)では、図12(a)において直列に接続して一体化されたフィラメント12等を、例えば予め一端が封止された石英ガラス製のバルブ11に収納する。このときアンカー123,124で直列接続されたフィラメント12等をバルブ11内に直線的に配置して維持するようにする。さらに、図12(a)において直列に接続して一体化されたフィラメント13等を、例えば予め一端が封止された石英ガラス製のバルブ11に収納する。このときアンカー125,126で直列接続されたフィラメント13等をバルブ11内に直線的に配置して維持するようにする。直列接続されたフィラメント12等や13等は同時にバブル11内に収容させる。
【0040】
さらに、ハロゲンガス500Torrを封入して、一旦仮排気を行った後、バルブ11の開放端側の減圧封止を行っている。そして封止部151となる部分にバーナー127で一定の火力で焼成し、バルブ11を一定の回転数で回転させてスリーブ31,33を加えた太さの封止部151を形成する。このとき同時に絶縁基板81の一端を封止部151に埋設させる。
【0041】
図12(c)では、図12(b)の状態を上下反転させ、封止部152となる部分にバーナー127を一定の火力で焼成し、バルブ11を回転させてスリーブ32,34を加えた太さの封止部152を形成する。このとき同時に絶縁基板81の他端を封止部152に埋設させる。
【0042】
図13(d)において、封止部151,152を残したバルブ11の両開口側を例えばレーザー等の手段でカットするとともに、アンカー123〜126およびアウターリード181,182それに191,192は適当な長さに残した状態でカットすることで、図13(e)のハロゲンランプ100が完成される。
【0043】
なお、図1〜図4で説明したこの発明のハロゲンランプの製造方法の場合は、絶縁基板81に変えて図12(a)の工程の中で、複数のアンカー14をフィラメント12,13の長手方向に適宜取り付ければよい。
【0044】
このハロゲンランプ製造方法では、スリーブより追加される肉厚に基づき、複数のフィラメントの備えた確実な減圧封止を実現することができる。さらに、複数のフィラメント同志の絶縁性を確保することができる。
【0045】
図14、図15は、図1〜図4で説明したハロゲンランプに口金を取り付けした図5のハロゲンランプを用いたこの発明の加熱装置の一実施形態について説明するための、図14は概略的な構成図、図15は図14のII−II’断面図である。
【0046】
図14、図15において、200は加熱装置である。201はアルミニウムや鉄等の金属からなる円筒状の加熱ローラであり、加熱ローラ201の外周面には耐熱性の樹脂による被覆材202が被覆されている。加熱ローラ201の内部には、発熱源であるハロゲンランプ100が図1で説明した口金51,52を介して図示しない支持手段を用いてそれぞれ支持される。
【0047】
203は、加熱ローラ201と圧接して下方に対向配置されたアルミニウムや鉄等の金属からなる円筒状の加圧ローラである。加圧ローラ203の外周面には、例えばシリコンゴムによる弾性体層204が被覆されている。この弾性体層204の表面には、通過する紙が定着後に加圧ローラ203から離れやすくなるように、表面を平滑にする樹脂コーティングを形成してもよい。
【0048】
加圧ローラ203は、軸205を支持手段206を用いて回転自在に支持されている。また、加熱ローラ201の両端には回転ギア207が取り付けられ、これら回転ギア207とモータの回転軸に取り付けた回転ギアを噛み合わせて、モータを回転させることで、加熱ローラ201と加圧ローラ203を図15の矢印A,B方向にそれぞれ回転させることができる。
【0049】
加熱ローラ201のハロゲンランプ100が通電されると、加熱ローラ201が発熱してヒートアップ(昇温)する。そこで、図15の矢印A,B方向に加熱ローラ201と加圧ローラ203を回転させ、図示しない転写ドラムなどからトナーTが所定分布状態に転写された複写紙Pが、ヒートアップされた加熱ローラ201と加圧ローラ203間に送り込ませることで、複写紙Pおよび前の工程で塗布されたトナーT1が上下から加熱され、加熱されたトナーT2が溶融後複写紙P上に定着し、所定の文字や図柄などとして描かれる。
【0050】
上記した加熱装置では、加圧ローラ203も加熱ローラ201と同様の加熱ローラの構成にしても構わない。ランプ取付装置100に取り付けるハロゲンランプ100の数は、2灯(本)に限らず、3灯以上であってもよい。
【0051】
この実施形態では、共通のバルブ11内に複数のフィラメントを形成したことにより、複数のハロゲンランプを取り付けた場合に比べて省スペース化を図ることができる。また、封止を減圧封止にしたことにより、ハロゲンランプが機械的強度を向上させた状態で取り付け可能となる。
【0052】
なお、加熱装置の用途としては、複写機等の画像形成装置の定着用に用いたが、これに限らず、家庭用の電気製品、業務用や実験用の精密機器や化学反応用の機器等に装着して加熱や保温の熱源としても使用し同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明のハロゲンランプに関する一実施形態について説明するための構成図。
【図2】図1の要部の斜視図。
【図3】封止部を形成する前段階について説明するための説明図。
【図4】図3要部の拡大斜視図。
【図5】図1の構成に口金を取り付けた状態について説明するための構成図。
【図6】図5の口金について説明するための正面図。
【図7】図6の右側面図。
【図8】この発明のハロゲンランプに関する他の実施形態について説明するための構成図。
【図9】図8のI−I’断面図。
【図10】この発明のハロゲンランプに用いるフィラメントの他の例について説明するための説明図。
【図11】この発明のハロゲンランプに用いるフィラメントのもう一つの他の例について説明するための説明図。
【図12】この発明のハロゲンランプ製造方法に関する一実施形態の(a)〜(c)の工程について説明するための説明図。
【図13】この発明のハロゲンランプ製造方法に関する一実施形態の(d),(e)の工程について説明するための説明図。
【図14】この発明の加熱装置に関する一実施形態について説明するための概略的な構成図。
【図15】図14のII−II’断面図。
【符号の説明】
【0054】
100 ハロゲンランプ
11 バルブ
12,13,13’ フィラメント
121,122,131,132 インナーリード
14,123〜126 アンカー
141,142 支持孔
151,152 封止部
161,162,171,172 金属箔
181,182,191,192 アウターリード
31〜34 スリーブ
81 絶縁基板
127 バーナー
200 加熱装置
201 加熱ローラ
203 加圧ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱性ガラス製のバルブ内の長手方向に電気的に非接触状態で配置されたタングステン製の第1および第2のフィラメントと、
前記第1および第2のフィラメントのそれぞれの両端にそれぞれ接続した一端が接続された金属箔と、
前記金属箔のそれぞれの他端に接続した電力供給用のアウターリードと、
前記金属箔の部分と前記バルブと同材料のスリーブを配置した状態で前記バルブを減圧封止方法により封止した封止部と、
前記第1および第2のフィラメントの位置決めおよび絶縁を行うための絶縁性の支持部材と、を具備したことを特徴とするハロゲンランプ。
【請求項2】
前記支持部材は、前記バルブ内の長手方向の複数箇所に配置されるアンカーを兼用したことを特徴とする請求項1記載のハロゲンランプ。
【請求項3】
前記支持部材は、前記第1および第2のフィラメントの間に配置された絶縁性で耐熱性の絶縁基板であることを特徴とする請求項1記載のハロゲンランプ。
【請求項4】
前記絶縁基板の両端は、前記封止部に埋設させた状態で固着したことを特徴とする請求項3記載のハロゲンランプ。
【請求項5】
前記封止部は、該封止部の形成時に前記バルブと同材料のスリーブを用いて肉厚としたことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のハロゲンランプ。
【請求項6】
前記第1および第2のフィラメントは、配光が異なるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハロゲンランプ。
【請求項7】
前記異なる配光の前記第1および第2のフィラメントを切り替えて使用することを特徴とする請求項6記載のハロゲンランプ。
【請求項8】
上下に配置され少なくとも一方は加熱される第1および第2のローラと、
前記第1または第2のローラ内に配置された請求項1〜7のいずれかに記載のハロゲンランプと、
予めトナーが転写された複写紙が、前記第1および第2のローラとの間を移動させて前記トナーを定着させる手段とを具備したことを特徴とする加熱装置。
【請求項9】
第1のフィラメントの両端に、インナーリード、金属箔、アウターリードをそれぞれ直列状態に接続する工程と、
第2のフィラメントの両端に、インナーリード、金属箔、アウターリードをそれぞれ直列状態に接続する工程と、
それぞれの前記金属箔に位置させた状態で耐熱性ガラス製のスリーブを配置させる工程と、
前記第1および第2のフィラメントの長手方向の複数箇所に耐熱性で絶縁性のアンカーを取り付ける工程と、
前記工程で直列接続された前記第1および第2のフィラメント等を前記スリーブと前記アンカーとともに、耐熱性ガラス製の円筒状バルブ内に収容する工程と、
前記バルブ内を減圧させた状態で、前記金属箔および前記スリーブをバーナーで焼成させ封止を行う工程と、
前記工程で形成された封止部分から外側のバルブおよび前記バルブの外側に位置するアウターリードを適当な長さにカットする工程と、からなることを特徴とするヒータランプの製造方法。
【請求項10】
第1のフィラメントの両端に、インナーリード、金属箔、アウターリードをそれぞれ直列状態に接続する工程と、
第2のフィラメントの両端に、インナーリード、金属箔、アウターリードをそれぞれ直列状態に接続する工程と、
それぞれの前記金属箔に位置させた状態で耐熱性ガラス製のスリーブを配置させる工程と、
前記第1および第2のフィラメント間の長手方向に耐熱性で絶縁性の絶縁基板を配置する工程と、
前記工程で直列接続された前記第1および第2のフィラメント等を前記スリーブ、前記絶縁基板とともに、耐熱性ガラス製の円筒状バルブ内に支持する工程と、
前記バルブ内を減圧させた状態で、前記金属箔および前記スリーブをバーナーで焼成させ封止を行う工程と、
前記工程で形成された封止部分から外側のバルブおよび前記バルブの外側に位置するアウターリードを適当な長さにカットする工程と、からなることを特徴とするヒータランプの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−80149(P2010−80149A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245196(P2008−245196)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】