説明

ハロポリマー用の添加剤

1)少なくとも1種の熱加工性半結晶質ハロポリマーと、2)1)の0.01〜10重量%の間の量の、式Q−O−[A−B]−[A−B’]z’−A−Q’(I)の1種以上の(パー)フルオロポリエーテルポリマーの添加剤とを含む高分子組成物。
(式中、A=−(X)−O−A’−(X’)−であり、ここで、A’はパーフルオロポリエーテル鎖であり、X、X’=−CF−、−CFCF−、−CF(CF)−であり、a、b=0または1であり、Bは式−[(CR−CR(CR−CRj’]−(Ia)の1種以上のオレフィン(ここで、前記オレフィンの少なくとも1種はラジカル経路により単独重合可能である)に由来し、ここで、j=1〜30であり、j’=0〜29であり、但し、2<(j+j’)<30であり、R〜R=ハロゲン、H、C〜C(パー)ハロアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cオキシ(パー)フルオロアルキルであり、B’=(Ia)であるが、R〜Rの少なくとも1つは、BのR〜Rとは異なる意味を有し、そして2≦(j+j’)<30であり、z≧2であり、z’は0または整数であり、z、z’は、(I)の数平均分子量が500〜500,000の間であるような値であり、Q、Q’=C〜Cパーフルオロアルキル、C〜Cアルキルまたは官能性末端基である)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された加工性、特に押出においてより低い圧力および/またはより低いトルクを有する高分子組成物であって、ポリマーが半結晶質熱加工性である組成物に関する。
【0002】
詳しくは、本発明は、交互ブロック−A−B−A−B−A−ポリマー(式中、Aはパーフルオロポリエーテルブロックであり、Bはハロゲン化オレフィンおよび/または水素添加オレフィンに由来する反復単位から形成されたブロックである)を添加剤として含有する熱加工性半結晶質(ハロ)ポリマーの組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
MFAおよびPFA、PVDF(VDFホモポリマー)のようなパーフルオロアルキルビニルエーテルとのECTFEコポリマー、TFEコポリマーのような熱加工性半結晶質ハロポリマーは先行技術において知られている。これらのポリマーは、押出成形または射出成形によって製造品を製造するために一般に用いられて、例えば、パイプ、フィルム、塗料などを製造している。知られているように、ポリマーの分子量が高ければ高いほど、製造品の機械的特性は良好になる。しかし、分子量がより高くなるにつれて、ポリマーの溶融粘度が増加し、溶融ポリマーの加工における困難を引き起こす。実際のところ、高粘度を有するポリマーの押出は、押出機ダイを顕著に圧力増加させる。これらの厳しい条件下で、ポリマーは劣化し得るおよび/または表面欠陥および/または大塊を有する製造品を生じさせ得る。
【0004】
これらの欠点を克服するために先行技術において、加工性を改善できる添加剤が一般に用いられている。しかし、熱加工性半結晶質ポリマーのために工業的に用いられる添加剤は半結晶質ハロゲン化ポリマーのために機能しない。
【0005】
特にフルオロエラストマーのための非熱加工性ポリマーの加工助剤として用いられる添加剤のクラスも知られている。しかし、高い熱安定性は、工業的に用いられる添加剤のこのクラスに対して求められない。実際、フルオロエラストマーのための添加剤は、熱加工性半結晶質ハロポリマーの押出において用いられない。知られている通り、後者は、フルオロエラストマーに比べて、一般には200℃より高い高温で押し出される。フルオロエラストマーは、押出機内の焼けを避けるために、150℃未満、特に100℃未満の温度で一般に加工される。上で示した添加剤のように、より低い温度でのポリマーの押出のために用いられる多くの添加剤は、高い蒸発にさらされるか、または劣化を被る。後者の現象は製造品の望まない変色に導く。例えば、破損(割れ、泡など)および粗さ、縞のような表面欠陥のような製造品自体の欠陥が起き得る。上述した事は、押出が少なくとも250℃の遙かにより高い温度で行われる熱加工性半結晶質(パー)フルオロポリマーに関してより明白である。
【0006】
半結晶質ポリマーのために添加剤に求められるもう1つの特性は、機械的特性のようなポリマー自体の特性を他方で変えずに加工性を改善することが可能でなければならないことである。
【0007】
添加剤の選択において考慮されるべきもう1つのパラメータは、高分子母材と混合するための容易さである。実際のところ、高剪断押出機は、高分子母材中で良好な添加剤分布を得るために一般に用いられる。しかし、添加剤を添加する前にポリマー粉末に関して一般に行われるポリマーの造粒が低剪断押出機内で行われることに留意しなければならない。これは不都合である。同じ押出機、特に低剪断タイプを用いることが賢明であろう。
【0008】
従って、以下の特性の組み合わせを示す熱加工性半結晶質ポリマーのために利用可能な添加剤を有する必要性が感じられた。
− 好ましくは200℃より高い、より好ましくは250℃より高い高温での高い熱安定性
− 流速の実質的な低下なしで押出中にダイ圧力および/または押出機スクリューのトルクを減少させる能力
− 低剪断押出機を用いた時でさえも半結晶質ポリマー中の添加剤の実質的に均一な分布
− 少ない量で用いる時でさえも有効な添加剤
− ポリマーの特性、特に機械的特性を実質的に変えない
【0009】
出願人は、技術的問題を解決する特定の添加剤を驚くべきことに且つ意外にも見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第3,624,250号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、
1)熱加工性半結晶質ハロポリマーと、
2)1)の0.01〜10重量%の、式(I)
Q−O−[A−B]−[A−B’]z’−A−Q’ (I)
の1種以上の(パー)フルオロポリエーテルポリマーによって形成された添加剤と
を含む高分子組成物である。
式中、
− A=−(X)−O−A’−(X’)−であり、
ここで、A’は、(CFO)、(CFCFO)、(CFCFCFO)、(CFCFCFCFO)、(CF(CF)O)、(CF(CF)CFO)、(CFCF(CF)O)から選択された1個以上の反復単位を含むパーフルオロポリエーテル鎖であり、66〜50,000の間の数平均分子量を有し、
X、X’は互いに同じかまたは異なり、−CF−、−CFCF−、−CF(CF)−から選択され、
a、bは互いに同じかまたは異なり、0または1に等しい整数であり、但し、末端基Q−O−に連結されたブロックAがa=1を有し、末端基Q’に連結されたブロックAがb=0を有することを条件とし、
− Bは式
−[(CR−CR(CR−CRj’]− (Ia)
の1種以上のオレフィン(ここで、前記オレフィンの少なくとも1種はラジカル経路により単独重合可能である)に由来する単位から形成されたブロックであり、
ここで、jは1〜30の整数であり、j’は0〜29の整数であり、但し、(j+j’)が2より大きく且つ30より小さいことを条件とし、
、R、R、R、R、R、R、Rは互いに同じかまたは異なり、ハロゲン、好ましくはF、Cl;H;C〜C(パー)ハロアルキル(ここで、ハロゲンは好ましくはF、Clである);任意にO、N、Sのようなヘテロ原子を含有するC〜Cアルキル;C〜Cオキシ(パー)フルオロアルキルから選択され、前記置換基R〜Rは1つ以上の官能基を任意に含有し、
− B’は1種以上のオレフィンに由来するブロックであり、式(Ia)を有するが、ブロックBの置換基R〜Rとは異なる置換基R〜Rの中の少なくとも1つを有し、(j+j’)は2以上で且つ30未満であり、
− zは2より大きい整数であるか、または2に等しく、z’は0または整数であり、z、z’は、式(I)のポリマーの数平均分子量が500〜500,000の間、好ましくは1,000〜80,000、なおより好ましくは5,000〜60,000であるような値であり、
− QおよびQ’は互いに同じかまたは異なり、炭素原子数1〜3のパーフルオロアルキル末端基(1個のフッ素原子は1個の塩素原子または水素原子によって置換されていることが可能である)、C〜C非フッ素化アルキル、または官能性末端基−(CFW)−Dq−Tk(式中、W=F、CFであり、kは1〜4の範囲であり、好ましくは1または2の整数であり、qは0または1に等しく、Dは橋架け基である)から選択される。
【0012】
好ましくは、成分1)および成分2)の合計は100重量%である。
【0013】
熱加工性半結晶質ポリマーは、第2の溶融温度および/または10℃/分の加熱速度でASTM D3418に準拠した示差走査熱分析(DSC)で1J/gより高い、好ましくは4J/gより高い、より好ましくは8J/gより高いポリマーg当たりの第2の融解熱(エンタルピー)を有する。好ましいポリマーは、ポリマーに応じて異なる温度で5kgの荷重によりASTM D−1238に準拠して測定して50g/10分未満、好ましくは10g/10分未満、より好ましくは5g/10分未満のメルトフローインデックスを有する高い分子量を有する。例えば、前記温度は、ECTFEポリマーに関しては275℃、VDFポリマーに関しては230℃、ETFEポリマーに関しては300℃、TFE過フッ素化結晶質コポリマーに関しては372℃である。
【0014】
成分1)は、例えば、
− 任意に非ハロゲン化オレフィンの存在下での1種以上のF原子および/またはCl原子含有オレフィンモノマーの重合
− H含有フッ素化オレフィンモノマーと過フッ素化オレフィンモノマーの重合
によって得られる。
【0015】
フッ素原子および/または塩素原子含有オレフィンモノマーの例は、C〜Cパーフルオロオレフィン、C〜C水素添加フルオロオレフィン、C〜Cクロロフルオロオレフィンおよび/またはC〜Cブロモフルオロオレフィン、パーフルオロアルキルビニルエーテルCF=CFOX(式中、Xは、C〜Cパーフルオロアルキル、1個以上のエーテル基を有するC〜Cパーフルオロアルキルである)、パーフルオロジオキソールである。
【0016】
非ハロゲン化オレフィンの例は、炭素原子数2〜8のオレフィン、例えば、エチレン、プロピレン;メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレートのようなアクリルモノマー;酢酸ビニルのようなビニルモノマーである。
【0017】
好ましいモノマーは、C〜Cパーフルオロオレフィンのようなテトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、ヘキサフルオロイソブテン;C〜C水素添加フルオロオレフィンの中で、フッ化ビニル(VF)、フッ化ビニリデン(VDF)、トリフルオロエチレン、パーフルオロアルキルエチレンCH=CH−R(式中、Rは、C〜Cパーフルオロアルキルである);C〜Cクロロフルオロオレフィンおよび/またはC〜Cブロモフルオロオレフィンの中で、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)およびブロモトリフルオロエチレン;パーフルオロビニルエーテルCF=CFOX(式中、XはC〜Cパーフルオロアルキルである)の中で、トリフルオロメチルまたはペンタフルオロプロピルを挙げることが可能であり、X=1個以上の末端基を有するC〜Cパーフルオロアルキルの時、例えば、パーフルオロ−2−プロポキシ−プロピルを挙げることが可能であり;パーフルオロジオキソールの中で、2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール(TTD)を挙げることが可能である。
【0018】
より好ましい半結晶質ハロポリマーは、
(a)1種以上の他のコモノマー、例えば、パーフルオロアルキルエチレンCH=CH−R(式中、Rは、C〜C、好ましくはCパーフルオロアルキルである)を0.1〜30モル%の間の量で、一般的には0.1〜10モル%の間の量で任意に含有するエチレン、および/またはプロピレンおよび/またはイソブチレンとのTFEコポリマー。例えば、米国特許第3,624,250号および米国特許第4,513,129号参照
(b)例えば、ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、アクリルモノマーのような1種以上のコモノマーを一般に0.1〜15モル%の間の量で任意に含有するポリフッ化ビニリデン
(c)パーフルオロジオキソール、パーフルオロアルキルビニルエーテル、エチレン、アクリルモノマーのような1種以上のコモノマーを一般に0.1〜10モル%の間の量で任意に含有するポリクロロトリフルオロエチレン、例えば、米国特許第6,342,569号参照
(d)エチレン(E)、任意にEに加えて、またはEに代えてプロピレンまたはイソブチレンとクロロトリフルオロエチレン(CTFE)のポリマーであって、1種以上の他のコモノマー、例えば、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロポリビニルエーテルまたは1種以上のアクリルモノマー、例えば、n−ブチルアクリレートをE+CTFEの合計量を基準にして0.1〜30モル%の間、好ましくは0.1〜15モル%の間の量で任意に含有する前記ポリマー、例えば、米国特許第6,107,393号参照
(e)ポリ塩化ビニル(PVC)ポリマー、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、これらのポリマーは、好ましくはエチレン、酢酸ビニル、アクリルモノマーまたはメタクリルモノマーから選択された1種以上のモノマーを任意に含有する。
(f)ヘキサフルオロプロペン;およびパーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテルのようなパーフルオロアルキルビニルエーテルから選択された0.1〜10モル%の間の量の1種以上のフッ素化モノマーとのTFEポリマー、例えば、米国特許第5,463,006号参照
である。
【0019】
クラスa)において、EとのTFEポリマーは好ましい。
【0020】
クラス(b)において、VDFホモポリマーおよびVDF/HFPコポリマー(HFPは1〜10モル%の量である)は好ましい。
【0021】
クラス(d)において、好ましいECTFEコポリマーは、
(a)10〜70モル%、好ましくは30〜90モル%のエチレン
(b)30〜90モル%、好ましくは45〜65モル%のCTFE
を含有し、モノマー(a)および(b)の合計量を基準にして好ましくは0.1〜10モル%、より好ましくは0.2〜5モル%の量で1種以上のフッ素化コモノマー(c1)および/または水素添加コモノマー(c2)を任意に含有する。
【0022】
フッ素化コモノマー(c1)の中で、米国特許第5,597,880号に記載されたもののような(パー)フルオロアルキルビニルエーテル、(パーフルオロブチルエチレンのような)パーフルオロアルキルエチレン、(パー)フルオロジオキソール;フッ化ビニリデン(VdF)を挙げることが可能である。これらのコモノマー(c1)の中で、式CF=CFO−Cのパーフルオロポリビニルエーテルは好ましい。
【0023】
好ましくは、ハロゲン化コモノマー(c2)は一般式
CH=CH−(CH−R(A)
を有する。式中、R=−ORまたは(O)CO(O)であり、式中、tおよびpは0.1に等しい整数であり、Rは、好ましくはOまたはNであるヘテロ原子および/または塩素原子を任意に含有する可能な時に直鎖または分岐のアルキルタイプ、またはシクロアルキル、のC原子数1〜20のC〜C20水素化基であり、Rは、好ましくはOH、COOH、エポキシド、エステルおよびエーテルから選択された一種以上の官能基を任意に含有する。Rは二重結合を任意に任意に含有するか、またはRはHであり、nは0〜10の間の整数である。好ましくは、Rは水酸化物タイプの官能基を含有するC原子数1〜10のアルキルタイプであり、nは0〜5の間の整数である。
【0024】
(A)の好ましい成分(c2)は、例えば、クラス
1)一般式CH=CH−CO−O−Rを有するアクリルモノマー
(式中、Rは上述した意味を有する)例えば、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、アクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、(ヒドロキシ)−エチルヘキシルアクリレートなどを挙げることが可能である。
2)一般式CH=CH−O−Rを有するビニルエーテルモノマー
(式中、Rは上述した意味を有する)例えば、プロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ビニル−4−ヒドロキシブチルエーテルなどを挙げることが可能である。
3)一般式CH=CH−O−CO−Rを有するカルボン酸のビニルモノマー
(式中、Rは上述した意味を有する)例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニル−2−エチルヘキサノエートなどを挙げることが可能である。
4)一般式CH=CH−(CH−COOHを有する不飽和カルボン酸
(式中、nは上述した意味を有する)例えば、酢酸ビニルなど。
から選択される。
【0025】
コモノマー(c2)として、n−ブチルアクリレートは好ましい。
【0026】
パーフルオロアルキルビニルエーテル、好ましくはプロピルモノマーまたはアクリルモノマー、好ましくはn−ブチルアクリレートはコモノマー(c1)、(c2)として特に好ましい。
【0027】
ECTFEのメルトインデックスは、好ましくは少なくとも0.01、より好ましくは少なくとも0.05、なおより好ましくは少なくとも0.1g/10分である。ECTFEのメルトインデックスは、好ましくは多くとも100、より好ましくは多くとも50、なおより好ましくは多くとも20g/10分である。ECTFEのメルトインデックスは、275℃で5kgの荷重により行われる修正試験ASTM1238に準拠して測定される。ECTFEコポリマーは、好ましくは少なくとも150℃および高くとも265℃の融点を有する。融点は、ASTM D3418に準拠して10℃/分の加熱速度による示差走査熱分析(DSC)によって決定される。
【0028】
クラス(f)において、好ましいコポリマーは、
− 2〜5重量%のパーフルオロプロピルビニルエーテルまたは
− 0.1〜3重量%の間の量でパーフルオロプロピルビニルエーテルを任意に含有する2〜11重量%のパーフルオロメチルビニルエーテル
とのTFEである。
【0029】
好ましいクラスは(a)、(b)、(d)であり、(d)はより好ましい。後者において、コポリマーE/CTFE、またはフッ素化コモノマー(c2)を含有するECTFEコポリマーは好ましい。
【0030】
式(I)の成分2)において、(j+j’)は2より大きく且つ5より小さいことが可能であるか、または(j+j’)は5以上30以下であることが可能である。後者の(j+j’)は好ましい。より好ましくは、成分2)は、10℃/分の加熱速度によりASTM D3418に準拠したDSCで1J/ポリマーgより高い第2の融解エンタルピー(ΔH)を有する。ここで、第2の融解エンタルピー(ΔH)の計算は、50℃〜200℃の間で近似的に行われる。第2の融解ΔHが1J/gより高い時、成分2)は、一般に室温で固体であり、ゴム弾性特性を全く示さない。
【0031】
式(I)において、QおよびQ’は、−CF、−C5、−C、−CFH、−CFCFH、−CFHCF、−CFCl、−CCl、−CH、−C、−Cであることが可能である。成分2)の橋架け基Dは、二価または多価、好ましくは三価基である。二価Dの例は、任意にヘテロ原子を含有する直鎖脂肪族型−(CHm’−(式中、m’は1〜20の整数である)の基である。三価Dの例は、任意にヘテロ原子を含有する(アルキレン)脂環式基、(アルキレン)芳香族基であることが可能である。結合Dは、特にCHCHO、CHCH(CH)O、(CHO、(CHOタイプの反復単位を含有する直鎖および分岐のポリアルキレンオキシ鎖であることが可能である。Dにおいて、脂環式基の炭素原子の数は、3〜20、好ましくは4〜6の範囲であり、芳香族の炭素原子の数は、6〜20、好ましくは6〜12の範囲である。基Dは、任意に、上で定義された通り脂肪族基、脂環式基および芳香族基を互いの間で組み合わせることにより形成され得る。
【0032】
橋架け基Dは、炭素結合または−O−、−CONR−(式中、Rは、H、C〜C15アルキル、C〜C15脂環式基またはC〜C15芳香族基、−C(O)O−、−COS−、−CO−、1個のヘテロ原子、またはトリアジン基、または互いに同じかまたは異なる2個以上のヘテロ原子を含有する5〜6個の原子の芳香族ヘテロ環式基の意味を有する)によってパーフルオロポリエーテル鎖のパーフルオロメチレン基に連結され得る。
【0033】
成分2)の基Tは、例えば、−SH、−SR’、−NR’、−SiR’3−d(式中、LはOR’基であり、dは0〜3の間の整数である)、−CN、−NCO、−CH=CH
【化1】

−COR’、−OCN、−N(R’)CN、
【化2】

−CHO、−CH(OCH、−C(OCH)=NH、−C(NH)=NH、−CH(OH)CHOH、−CH(CHOH)、−CH(COOH)、−CH(COOR’)、−CH(CHNH、−NH、−NHR’、−N(R’)、−CH(CN)、−CH(CHOCHCH=CH、−C(OH)CF、−OH、−CHOH;−COY(Y=OH、OR’、CF、NH、NHR’、NR’R’’、ハロゲン)(式中、R’、R’’は、アルキル、脂環式基または芳香族基であり、R’、R’’は任意にフッ素を含有することが可能である)であることが可能であり;Tは、任意に縮合された1つ以上の芳香族環から形成されたアリール基、例えば、アルキル、ニトロのような1つ以上の基で任意に置換されているトリアジン、ピリジン、キノリン、ベンゾチアゾール、または例えば、ホスファゼン、ジオキサンのようなヘテロ環式基であることも可能である。
【0034】
成分2)において、Bは、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、(パー)フルオロビニルエーテルなどのようなラジカル経路により単独重合不能な他のオレフィンの任意の存在下でラジカル経路により単独重合可能な1種以上のオレフィン、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)、エチレン(E)、フッ化ビニリデン(VDF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)に由来する。
【0035】
ブロックB’は、ラジカル経路により単独重合可能なまたは単独重合不能な1種以上のオレフィンに由来する。Bのために指示されるオレフィンは、ブロックB’を得るためにも用いることが可能である。B’のために好ましいオレフィンは、Bの好ましいオレフィンである。
【0036】
過フッ素化オレフィンに由来する単位を含有するBブロックおよびB’ブロックは好ましい。これらのオレフィンの例は、TFE、TFEとHFPの混合物である。好ましい他のB、B’ブロックは、ラジカル経路により単独重合可能な少なくとも1種のオレフィン、例えば、TFE、および少なくとも非過フッ素化オレフィン、例えば、エチレン、フッ化ビニリデン(VDF)に由来する単位を含有するブロックである。B’が存在しない(z’=0)ポリマー(I)はより好ましい。
【0037】
ブロックBがTFEから形成される式(I)の化合物は特に好ましい。
【0038】
Bは、R〜R置換基が1つ以上の官能基、例えば、−Tkのために定義された基、好ましくはOH、CN、COOR、COX(式中、X=OR、OH、NR’ R’’、ハロゲンであり;R、R’、R’’はC〜Cアルキルである)を含有する時、官能側基を任意に含有することが可能である。しかし、R〜R中の官能基として、ポリマー成分1)の押出温度で分解しない官能基は好ましい。
【0039】
ブロックB、B’の合計重量は、ポリマー(I)の合計重量の一般に70%未満である。
【0040】
成分2)において、A’は、好ましくは、300〜10,000の間、より好ましくは500〜5,000の間の数平均分子量を有する。Aは、好ましくは、構造
(1)−(X)O−[(CFO)(CFCFO)(CFCFCFO)(CFCFCFCFO)−](X’)
(式中、
X、X’は互いに同じかまたは異なり、−CF−、−CFCF−であり、
a、bは上で定義された通りであり、
m、n、p、qは、nが0とは異なる時、m/nが0.1と10との間であるように、0を含む整数であり、(p+q)/(n+m+p+q)は0と0.05との間であり、(n+m+p+q)は0とは異なる)
(2)−(X)O−[(CFO)(CFCFO)(CFCFCFO)(CFCFCFCFO)(CF(CF)O)(CFCF(CF)O)]−(X’)
(式中、
X、X’は互いに同じかまたは異なり、−CF−、−CF(CF)−、−CFCF−であり、
a、bは上で定義された通りであり、
m、n、p、q、u、vは、(v+m)が0とは異なる時、(p+q)/(v+m)が0と0.05との間であるように、0を含む整数であり、(n+m+u)が0とは異なる時、v/(n+m+u)が50未満である)
から選択される。好ましくは、Q、Q’末端基は、C〜Cパーフルオロアルキル基、C〜Cアルキル基、−CFHである。
【0041】
成分2)として、ポリマー
Q−O−[A−B]−A−Q’ (I)
は特に好ましい。
式中、
Q、Q’は、−CF、−CFCl、−CFCFCl、−CFHから選択され、
Bは−[CF−CF(式中、jは5より大きい)であり、
A=−(CF)O−[(CFO)(CFCFO)(CFCFCFO)(CFCFCFCFO)−](CF−であり、
ここで、m、n、p、qは、nが0とは異なる時にm/nが0.1〜10の間であるように0を含む整数であり、
(p+q)/(n+m+p+q)は0〜0.05の間であり、Aの分子量は500〜3,000の間であり、zは2〜40の間である。
【0042】
本発明の組成物は、半結晶質ハロポリマーを基準にして改善された加工性、押出におけるより低い圧力および/またはより低いトルクを意外にも且つ驚くべきことに示す。より低いトルク、等しい流量は、より低いエネルギー消費しか必要としないので有益である。より低いダイ圧力は、高い機械的特性を有する物品を得る標準低剪断押出機においても非常に粘性の材料の押出を可能にするので有益である。
【0043】
成分2)は高温で安定であり、200℃より高くとも安定である。添加剤の劣化現象(煙または粒体中の炭素残渣の発生)および/または半結晶質ポリマー成分1)の変色は観察されなかった。
【0044】
成分2)の好ましい量は、0.05%〜5%、好ましくは0.1%〜3%よりなる。
【0045】
本発明の組成物は、例えば、回転ブレンドにおいて、または押出機において直接成分1)と2)を混合し、任意に造粒してペレットを得、その後、ブレンドを押し出して最終物品を得ることにより調製される。組成物を押出機内で混合することが可能である。好ましくは、成分1)および2)は、固体形態、好ましくは粉末形態を取っている。押出によって、パイプ、フィルム、シート、ケーブル、フィラメントなどを得る。製造品も射出成形、ブロー成形、圧縮成形、熱成形などによって得ることが可能である。
【0046】
成分2)は、半結晶質ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン(PP)、高い密度および低い密度を有するポリエチレン(PE)、例えば、ブタジエン、ノルボルネンのようなジエンモノマーを任意に含有するエチレンコポリマー、プロピレンコポリマーのために添加剤として用いることも可能である。実施例参照。同様に、この場合、より低いトルクが得られた。
【0047】
成分2)は、例えば、以下の工程を含む方法により過酸化物パーフルオロポリエーテルから出発することにより調製することが可能である。
(a)0.1〜4の間、好ましくは0.1〜3.5の間の、パーフルオロポリエーテル過酸化物100g中の活性酸素(分子量=16)のgとして定義される過酸化物含有率(PO)を有する単位(CFO)、(CFCFO)、(CFCFCFO)、(CFCFCFCFO)、(CF(CF)O)、(CF(CF)CFO)、(CFCF(CF)O)の少なくとも1種を含む過酸化物パーフルオロポリエーテルを、
ラジカル経路により単独重合不能な1種以上のオレフィンの任意の存在下でラジカル経路により単独重合可能な少なくとも1種のオレフィンと、
125℃〜280℃の間の温度および1バール〜50絶対バールの間の圧力で、
前記オレフィンのモルと前記パーフルオロポリエーテルの過酸化物単位のモル(−O−O−結合のモル)との間の比1〜100の範囲で、前もって決定されたPOを有するポリマーを得るまでオレフィンを供給することによって反応させる工程
(b)オレフィンの供給を停止し、過酸化物分の除去まで(a)において得られたポリマーを処理する工程
(c)酸末端基の中和反応により、または末端基の官能化反応によって(b)において得られたポリマーを処理し、式(I)のポリマーを得る工程。
【0048】
合成中、ポリマー(I)の種々の分子が互いに異なるjおよびj’を有する高分子混合物が得られる。結果として、最終高分子混合物の平均値(j+j’)は分数であることも可能である。
【0049】
工程(a)において、任意にラジカル経路により単独重合可能なオレフィンを用いることが可能である。オレフィンの合計モルとパーフルオロポリエーテルの過酸化物単位のモル(−O−O−結合のモル)との間の比は、好ましくは1〜50の間、より好ましくは1〜25の間である。工程a)における温度は、好ましくは180℃〜230℃の間である。工程a)における圧力は、好ましくは1〜10絶対バールの間である。
【0050】
工程(a)は、任意に、フッ素化溶媒の存在下で行うことが可能である。後者の量は、溶媒+過酸化物パーフルオロポリエーテルの合計重量を基準にして1〜50重量%の間、好ましくは5〜30重量%の過酸化物パーフルオロポリエーテル含有率を有するような量である。好ましくは、溶媒は、工程a)の反応温度で過酸化物パーフルオロポリエーテルを可溶化し、工程a)の反応において形成されるラジカル種、例えば、(パー)フルオロアルキルラジカルまたはパーフルオロオキシアルキルラジカルに向けて反応性ではない。溶媒は、好ましくは、パーフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、パーフルオロポリエーテルおよびヒドロフルオロエーテル、より好ましくは、Galden(登録商標)などのパーフルオロポリエーテル、およびH−Galden(登録商標)などのヒドロフルオロポリエーテルから選択される。工程a)において溶媒を用いる時、出発過酸化物パーフルオロポリエーテルは5に及びさえする活性酸素(PO)含有率を有することが可能である。
【0051】
出発過酸化物パーフルオロポリエーテルは、(CF(CF)O)、(CF(CF)CFO)、(CFCF(CF)O)、(CFO)から選択された単位のみを含有することが可能である。一般に、過酸化物パーフルオロポリエーテルの末端基は、任意に1個以上の塩素原子、好ましくは1個のCl原子、またはフッ化アシル、フルオロホルメートおよびケトンのような官能性末端基を含有するC〜C(パー)フルオロアルキルである。過酸化物パーフルオロポリエーテルは、好ましくは、以下のクラスから選択される。
(II)Xo−O(CFCFO)(CFO)(O)−Xo’
(式中、
XoおよびXo’は互いに同じかまたは異なり、−CFCl、−CFCFCl−CF、−CFCF、−CFCOF、−COFであり、
r、sおよびtは、数平均分子量が一般に400〜150,000、好ましくは500〜80,000の範囲内であるような整数であり、r/sは0.1〜10の間であり、sは0とは異なり、tは、POが上で定義された範囲内であるような整数である)
式(II)の過酸化物パーフルオロポリエーテルは、米国特許第3,715,378号、米国特許第4,451,646号、米国特許第5,258,110号、米国特許第5,744,651号の教示に従うことにより、テトラフルオロエチレンのオキシ重合によって調製することが可能である。
(III)X1−O(CFCFO)(CFO)(CF(CF)O)(CFCF(CF)O)(O)−X1’
(式中、
X1およびX1’は互いに同じかまたは異なり、−CFCl、−CFCFCl、−CFCF、−CF、−C、−CF(CF)COF、−COFであり、
r、s、t、u、vは、数平均分子量が500〜150,000、好ましくは700〜80,000の範囲内にあるような整数であり、rは0であることも可能であり、v/(r+s+u)は100未満、好ましくは50未満であり、tは前記POが上で定義された範囲内にあるような数である)
式(III)の過酸化物パーフルオロポリエーテルは、米国特許第5,000,830号、米国特許第3,493,530号の教示に従うことにより、任意にテトラフルオロエチレンと混合してパーフルオロプロペンのオキシ重合によって調製することが可能である。
(IV)X2−O(CFCFO)(CFO)(CF(CFCFO)(O)−X2’
(式中、
X2およびX2’は互いに同じかまたは異なり、−CFCOF、−COFであり、
w=1または2であり、
r、s、tおよびkは、数平均分子量が700〜100,000、好ましくは700〜80,000の範囲内にあるような整数であり、r/sは0.2〜10の間であり、k/(r+s)は0.05未満であり、tは前記POが上で定義された通りであるような整数である)
式(IV)の過酸化物パーフルオロポリエーテルは、米国特許出願第2005/0192413号の教示により得ることが可能である。
【0052】
過酸化物パーフルオロポリエーテルは、好ましくはクラス(II)および(III)、より好ましくはクラス(II)のものである。
【0053】
過酸化物パーフルオロポリエーテルを工程(a)の前に過酸化物結合の部分反応に供して、前もって決められた平均分子量に到達することが可能である、および/または本明細書に参照により援用される米国特許第4,451,646号、米国特許第3,847,978号で報告された教示によるPd、Pt、Ruなどの触媒の存在下で好ましくは水素による化学還元によって、もしくは本明細書に参照により援用される米国特許第3,715,378号で報告された事による熱処理によって、過酸化物単位(PO)の含有率を調節することが可能である。熱処理は、例えば、100℃〜250℃の間の温度で行うことが可能である。熱処理の代案として、任意に例えばハロゲン化溶媒のような不活性溶媒の存在下で、UV線を用いる光化学処理を行うことが可能である。
【0054】
工程(a)において、オレフィンと過酸化物単位(PO)との間の比は、最終ポリマー(I)中のオレフィン単位の百分率の関数である。一般に、比は、反応混合物中のオレフィンの溶解度、温度、圧力、オレフィンの反応性および他のオレフィンの存在に応じても異なる。非常に反応性のオレフィンを用いる時、モル比は好ましくは50未満である。温度および圧力が液相におけるオレフィンの高い濃度を有することを可能にする時、同じことが起こる。
【0055】
工程(a)は、バッチ条件、半バッチ条件または連続条件下で行うことが可能である。バッチ法において、過酸化物PFPEおよびオレフィンは、反応器が始動する前に反応器に供給される。半バッチ法において、過酸化物PFPEは、反応器が始動する前に反応器に供給される一方で、オレフィンまたはオレフィンの混合物は、反応中に連続的に供給される。逆方法も用いることが可能である。連続法において、過酸化物PFPEおよびオレフィンは連続的に供給され、同時に反応混合物を反応器から取り出す。
【0056】
連続法または半バッチ法におけるオレフィンの供給は、流速を一定にしてまたは一定にせずに行うことが可能である。後者の場合、供給は、オレフィンの合計モルと過酸化物単位(−O−O−結合のモル)のモルとの間の比が上の範囲である条件で、傾斜的に、段階的になどであることが可能である。
【0057】
半バッチまたはバッチを用いる時、例えば、所定の温度、例えば180℃から出発し、230℃に到達する温度傾斜を用いることにより反応を行うことが好ましい。傾斜の最高温度に到達する時間は、一般に3〜8時間である。
【0058】
より多くのオレフィンを工程(a)で用いる時、逐次方法または逐次方法でない方法で、こうしたオレフィンを供給することが可能である。この場合、式(I)のポリマーはブロックB’を含有する。
【0059】
工程(a)において、POは、以下で報告される方法により決定される。
【0060】
工程(a)は、一般に−100℃〜+100℃の間、好ましくは−80℃〜+80℃の間、より好ましくは−60℃〜+60℃の間の温度で好ましくは200〜350nmの間よりなる波長を有するUV線の存在下で行うことが可能である。この実施形態において、オレフィンのモルと過酸化物単位のモル(−O−O−結合のモル)との間の比は、好ましくは1〜75の間である。UVに対して透明な溶媒は、好ましくは、この実施形態において用いられる。溶媒の例は、溶媒がUVに対して透明である限り、(a)下で記載された溶媒である。圧力は、バッチ法または半バッチ法を用いることにより、好ましくは、5絶対バール未満である。
【0061】
工程(b)は、工程(a)において得られたポリマーの過酸化物分を完全に除去するために行われる。過酸化物分の完全な除去は、実施例のキャラクタリゼーションにおいて示された決定方法を用いることにより分析限界より下である。
【0062】
工程(b)は、光化学経路または熱経路によって行うことが可能である。後者は好ましく、例えば、過酸化物分の消滅まで200℃〜280℃、好ましくは220〜250℃の温度でa)において得られた混合物を加熱することにより行われる。例えば、本明細書に参照により援用される米国特許第3,715,378号明細書およびEP第1,454,938号明細書を参照すること。工程(b)をUV線の存在下で光化学経路によって行う場合、温度は、好ましくは−100℃〜+100℃の間である。
【0063】
あるいは、工程(b)において、(a)において得られたポリマーの過酸化物分は、残留過酸化物分の完全な除去まで還元剤による化学還元反応によって減らすことが可能である。例えば、本明細書に参照により援用される米国特許第4,451,646号および米国特許第3,847,978号を参照すること。化学還元は、例えば、任意に溶媒の存在下で、−30℃〜250℃の間の温度で、任意に触媒、例えば、Pd、Pt、Ru、メタノール、エタノール、イソプロパノールのような第一アルコールまたは第二アルコール、LiH、KH、AlHのような単純な水素化物、またはLiAlH、NaBHなどの錯体水素化物、もしくはSO、HI、アルカリ金属塩の存在下で水素として還元剤を用いることにより行うことが可能である。
【0064】
(b)において行われた化学還元は、減少した各過酸化物結合ごとに2つの官能性末端基の形成につながる。従って、工程(a)において得られた混合物のPOが高ければ高いほど、化学還元(b)後に得られたポリマーの官能価は高い。これは、工程(a)において得られた混合物のPO値がポリマー(I)の所望の官能価fを決定することを意味する。官能価は、分子のための官能性末端基Q、Q’の数を意味する。
【0065】
官能性末端基を得ることを望まない時、すなわち、f=0の時、0、一般には0.05未満、好ましくは0.02未満、より好ましくは0.01未満に近いPOを有するポリマー(I)を得るまで工程(a)を行い、そして熱処理または光化学処理によって後で工程(b)を行うことが好ましい。
【0066】
工程(c)において、例えば、フッ化アシル、ケトンのような酸末端基は、種々の方法による中和に供される。例えば、GB第1,226,566号明細書に記載されたフッ素化反応、米国特許第5,969,192号明細書に記載された脱カルボキシル化、米国特許第6,982,173号明細書または米国特許出願第2004/0192974号明細書に記載されたアルキル化反応を挙げることが可能である。前記特許は本明細書に参照により援用される。中和のために選択される反応は、工程(a)において用いられたオレフィンに応じて主として異なる。過フッ素化オレフィンの場合、好ましくは元素フッ素によりフッ素化を行うことが好ましい。水素添加オレフィンの場合、脱カルボキシル化反応またはアルキル化反応は好ましい。
【0067】
フッ素化反応のために、(b)において得られた生成物を工程(c)の前に加水分解に供することが好ましい。このようにして、フッ化アシル末端基は−COOH末端基に変換される。フッ素化後、−CF、−C、−C、−CFCl、−CClは末端基として得られる。工程(c)において脱カルボキシル化を用いる時、−COOH末端基は、−CFH、−CFCFH、−CF(CF)Hに変換され、得られたポリマーの終端末端基Q、Q’は、任意に−CF、−C、−C、−CFCL、−CClに加えて−CFH、−CFCFH、−CF(CF)Hである。アルキル化反応を用いる時、フッ化アシル末端基は、−CH、−C、Cに変換され、終端末端基Q、Q’は、任意に−CF、−C、−Cに加えて−CH、−C、Cである。
【0068】
あるいは、例えば、以後に記載される反応物または反応条件を用いることにより(b)において得られたポリマーを既知の反応による1つ以上の官能化反応に供することにより工程(c)を行うことが可能であり、よって以下の官能性末端基−D−Tを有するポリマー(I)を得る。
【0069】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【表1−13】

【0070】
上の反応の多くは古典的有機化学に属する。本明細書に参照により援用される特に米国特許第3,810,874号および「Organic functional group preparations」,S.Sandler and W.Karo、Second Edision,New York,Academic Press,1968〜72を参照すること。
【0071】
より詳しくは、終端−CHOHを有する式(I)の成分(2)は、米国特許第6,509,509号の教示に従うことにより、非プロトン性極性溶媒の中で、例えば、対応するエステルの、例えば、リチウムアルミニウム水素化物または水素化硼素ナトリウムのような還元剤による還元によって調製することが可能である。あるいは、米国特許出願第2004/0230080号に従い対応するカルボン酸の水素による触媒還元によって調製することが可能である。
【0072】
1個を上回る末端アルコール官能基を有する式(I)の成分2)は、例えば、Tonelli,Gavezzotti,Strepparola,J.Fluorine Chem.,95(1999)−51−70の公表に従い−CHOH末端基のグリシドールとの反応によって調製することが可能である。
【0073】
−CHOHを有する式(I)のポリマーは、ハロアルカン、もしくはクロロベンジル誘導体またはクロロナフチル誘導体との求核反応において用いて、芳香族終端を得ることが可能である。この目的に対して、本明細書に参照により援用される、Tonelli,Gavezzotti,Strepparola,J.Fluorine Chem.,95(1999)−51−70、米国特許第4,757,145号および米国特許第4,721,795号を参照すること。
【0074】
溶媒を工程(a)において用いる時、好ましくは真空下での蒸留による溶媒蒸発後ポリマー(I)を回収する任意の工程(d)を工程(c)の後に続けることが可能である。
【0075】
本発明のもう1つの更なる実施形態は、成分3)として更なる添加剤を含む上の高分子組成物によって表される。驚くべきことに且つ意外なことに、この実施形態の組成物は、成分2)および3)に相当する相乗効果を示し、ダイ圧力およびトルクの遙かにより顕著な低下をもたらす。
【0076】
本発明の更なる目的は、
1)上で定義されたような熱加工性半結晶質ハロポリマー、
2)1)の0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%の間、より好ましくは0.1〜3重量%の、上で定義されたような式(I)の添加剤、
3)1)の0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜6重量%、より好ましくは0.5〜3重量%の、成分3)が成分1)とは異なることを条件とし、ポリマーの第2の溶融温度より30℃(±2℃)高い温度で1秒−1(剪断速度)で測定された1×10Pa・秒より低い動的粘度を有する少なくとも0.5モル%の量の1種以上の過(ハロ)フッ素化モノマーとTFEのコポリマー
を含む高分子組成物である。好ましくは、1)、2)、3)の量の合計は100重量%である。
【0077】
成分3)は、好ましくは2000Pa・秒未満、より好ましくは700未満の動的粘度を有する。動的粘度は、サンプルに歪み伸びを加えるアクチュエータおよび平行板を用いることによりサンプル内部に発生した得られた歪みを測定するトランスジューサを用いることにより、制御伸びレオメータで一般に測定される。
【0078】
パー(ハロ)フルオロモノマーは、好ましくは、
− C〜Cパーフルオロオレフィン、例えば、ヘキサフルオロプロピレン
− 塩素−および/または臭素−および/または沃素C〜Cパー(ハロ)フルオロオレフィン、例えば、クロロトリフルオロエチレン
− 式CF=CFORf(式中、Rfは、C〜Cパー(ハロ)フルオロアルキル、例えば、CF、C、Cである)を有するパー(ハロ)フルオロアルキルビニルエーテル
− 式CF=CFOX01(式中、X01は、1個以上のエーテル結合を有するC〜C12パー(ハロ)フルオロ−オキシアルキル、例えば、パーフルオロ−2−プロポキシ−プロピルである)のパー(ハロ)フルオロ−オキシアルキルビニルエーテル
− 式CF=CFOFORf4(式中、Rf4は、C〜Cパー(ハロ)フルオロアルキル、例えば、CF、C、Cまたは1個以上のエーテル基を有するC〜Cパー(ハロ)フルオロオキシアルキル、例えば、CFO−C−である)のパー(ハロ)フルオロ−メトキシ−アルキルビニルエーテル
− 式
【化3】

(式中、Rf3A、Rf4A、Rf5A、Rf6Aは互いに同じかまたは異なり、独立して、フッ素、任意に1個以上の酸素原子を含む1つのC〜Cパーフルオロアルキル、例えば、−CF、−C、−C、−OCF、−OCFCFOCFである)
のパー(ハロ)フルオロジオキソール
から選択される。
【0079】
好ましい成分3)は、TFEと以下のモノマーの1種以上とのコポリマーによって表される。
− 式CF=CFORfr(式中、Rfrは、C〜Cパーフルオロアルキル、例えば、−CF、−C、−Cである)を有するパーフルオロアルキルビニルエーテル
− 式CF=CFOXo(式中、Xoは、1個以上のエーテル基を有するC〜C12パーフルオロオキシアルキル、例えば、パーフルオロ−2−プロポキシ−プロピルである)のパーフルオロオキシアルキルビニルエーテル
− C〜Cパーフルオロオレフィン、例えば、ヘキサフルオロプロピレン
− 式
【化4】

(式中、Rf3A、Rf4A、Rf5A、Rf6Aは互いに同じかまたは異なり、独立して、フッ素、任意に1個以上の酸素原子を含む1つのC〜Cパーフルオロアルキル基、例えば、−CF、−C、−C、−OCF、−OCFCFOCF、好ましくは、上で記載された1つのパー(ハロ)フルオロジオキソールであり、ここで、Rf3AおよびRf4Aはフッ素原子であり、Rf5AおよびRf6Aはパーフルオロメチル基(−CF)[パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(FDD)]であり、またはここで、Rf3A、Rf5A、Rf6Aはフッ素原子であり、Rf4Aはパーフルオロメトキシ基(−OCF)[2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソールまたはパーフルオロメトキシ−ジオキソール(MDO)]である)
のパー(ハロ)フルオロジオキソール。
【0080】
なおより好ましい成分3)は、式CF=CFORfr(式中、Rfrは、C〜Cパーフルオロアルキル、例えば、、−C、−C、より好ましくは−CFである)の少なくとも1種のパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)から誘導された単位を含むTFEコポリマーである。TFE/PAVEコポリマーは、他のパー(ハロ)フルオロモノマー、特に、上で記載されたパーフルオロ−オキシアルキルビニルエーテルおよび/またはC〜Cパーフルオロオレフィン(例えば、ヘキサフルオロプロピレン)および/または上で記載されたパー(ハロ)フルオロジオキソールも含有することが可能である。
【0081】
好ましい成分3)はTFE/PAVEコポリマーから本質的になる。
【0082】
TFE/PAVEコポリマーは、ポリマーの特性を実質的に変えない終端末端として他の「部分」、欠陥を含むことが可能である。TFE/PAVEは、好ましくは250℃未満の溶融温度および280℃の温度および1rad・秒−1の剪断速度で測定して、10Pa・秒未満、より好ましくは8Pa・秒未満、なおより好ましくは6Pa・秒未満の動的粘度を有する。動的粘度は、1rad・秒−1で「複素粘度、rf」を決定するためのPractice ASTM D4065で報告された式に従うことにより、ASTM D4440に準拠してここで決定される。動的粘度は、前に記載された方法によって一般に測定される。
【0083】
好ましくは、成分3)は、TFEおよびMVEから誘導された単位から本質的になるコポリマーである。より好ましくは、このコポリマーは、
− MVEから誘導された単位:3〜25モル%、好ましくは5〜20モル%、より好ましくは8〜18%、なおより好ましくは10〜15モル%および
− TFEから誘導された単位:97〜75モル%、好ましくは95〜80%、より好ましくは92〜82%、なおより好ましくは90〜85モル%
から本質的になる。
【0084】
成分1)、2)、3)を含むこの実施形態において、成分1)は、好ましくは、1種以上の水素添加コモノマーおよび/またはフッ素化コモノマーを任意に含有する、エチレン(E)とクロロトリフルオロエチレン(CTFE)および/またはテトラフルオロエチレン(TFE)のコポリマーである。特に好ましい組成物は、
(a)エチレン(E):35〜65%、好ましくは45〜55%、より好ましくは48〜52モル%
(b)クロロトリフルオロエチレン(CTFE)(ECTFEポリマーに関して)および/またはテトラフルオロエチレン(TFE)(ETFEポリマーに関して):65〜35%、好ましくは55〜45%、より好ましくは52〜48モル%
であり、成分(a)および(b)の合計量を基準にして好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.2〜5%の量で(c1)、(c2)下で上で示された水素添加コモノマーおよび/またはフッ素化コモノマーを任意に含む。
【0085】
成分1)のポリマーの中で、追加のフッ素化コモノマー(c1)を含有するECTFEまたはECTFEはより好ましい。
【0086】
好ましくは、成分2)は、1種以上の過フッ素化オレフィン、より好ましくはTFEに由来するブロックを有し、(j+j’)は5より大きい。成分Q、Q’が官能性末端基である時、好ましくは、成分Q、Q’は芳香族基を含有せず、Tk、Tk’はC、O、H、F原子のみを含有し、より好ましくは、酸素はOH形態を取っている。
【0087】
この実施形態の組成物は、例えば、以下の通り調製することが可能である。
I)成分2)を成分3)と混合する工程、
II)I)において得られたブレンドを溶融し、均質化し、冷却する工程、
III)粉末を得るまでII)において得られた固体ブレンドを粉砕する工程、
IV)III)において得られた粉末に成分1)を添加し、混合し、押し出す工程。
【0088】
出願人は、工程III)において得ることができる粉末形態下での2)+3)の固体ブレンドが、特に成分2)が室温で蝋状固体または非常に粘性の液体である時、成分1)との混合工程において非常に有益であることを見出した。
【0089】
より詳しくは、
I)成分2)と成分3)をクイックミキサー内で粉末形態において混合する工程
II)供給装置と押出機ダイとの間で温度分布180〜250℃を有する二軸スクリュー押出機内にI)において得られたブレンドを押し出し、その後、生成物を押し出す工程
III)II)において得られた押出物を室温で粉砕し、粉体混合物を得る工程、
IV)III)における粉末混合物をクイックミキサーまたは回転ブレンド内でペレットまたは粉末、好ましくは粉末形態を取った成分1)と混合し、その後、ブレンドを押し出す工程。
【0090】
III)において得られた粉末混合物の粒子は、少なくとも好ましくは80重量%、より好ましくは90重量%に関して1000μm未満のサイズを有する。これらの実施形態において得られた組成物は、上で定義されたような製造品を得るために用いられる。
【0091】
本発明の限定ではない例示的な幾つかの実施例を続ける。
【実施例】
【0092】
キャラクタリゼーション
化合物(I)を特性分析するために用いられる方法は以下である。
【0093】
NMR
NMRスペクトルは、19F−NMR分析の内部標準としてCFClおよびH−NMR分析のための標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いることによりVariant Mercury200MHz分光分析計を用いることにより記録した。ヘキサフルオロベンゼンもサンプルのための溶媒として用いる。NMR測定は、式(I)の化合物のポリオレフィンブロックB、B’の数平均長さ、z、z’指数および数平均分子量を決定することを可能にする。
【0094】
DSC
Tgおよび溶融温度のような熱転移は、以下のプロセスを用いることによりPerkin Elmer(登録商標)DSC−2C計器により決定した。80℃分−1で20℃から−170℃に冷却し、窒素流れ下で−170℃から350℃に20℃分−1で加熱する。
【0095】
メルトフローインデックス
ASTM D−1238方法を用いることにより測定した。
【0096】
熱重量分析
10℃/分の速度で加熱することにより、30℃〜750℃の間の温度範囲において窒素中で動的手順により行う。
【0097】
過酸化物含有率(PO)の決定
過酸化物含有率の分析は、以下の方法に従い沃素滴定によって行った。サンプルの秤量済み量(数グラム)を約20mlのGalden(登録商標)ZT130に溶解させる。イソプロピルアルコール中5%w/wで1mlの氷酢酸および30mlの沃化ナトリウム溶液を添加する。得られた懸濁液を15分にわたり攪拌下で放置し、白金電極および基準電極を備えた電位差滴定のためのMettler(登録商標)DL40装置を用いることにより、過酸化物との反応から生じた沃素を既知の力価を有するチオ硫酸ナトリウムの水溶液で滴定する。PO決定のための感度限界は0.0002である。
【0098】
式(I)の成分2)の調製
実施例1
TFEからのセグメントを含有する添加剤(I)の調製
温度ゾンデ、メカニカル攪拌、窒素および/またはテトラフルオロエチレン付加物のためのバブル入口を備えた1リットルのガラスフラスコ内に、600gのGalden(登録商標)HT230および式
Xo−O(CFCFO)(CFO)(O)−Xo’
(式中、XoおよびXo’は、−CF(29%)、−CFCl(13%)、−CFCFCl(20%)、−COF(24%)、−CFCOF(14%)であり、数平均分子量は5.8・10に等しく、r/s=1.25およびt/(r+s)=0.0077ならびに0.13に等しいPO[活性酸素(MW=16)g/パーフルオロポリエーテル過酸化物100gとして定義される]を有する)を有するクラス(A)の過酸化物パーフルオロポリエーテル300gを導入する。
【0099】
反応混合物を攪拌下および窒素流れ(1Nlh−1)下で190℃に至るまで加熱する。この温度は、窒素の供給を閉じる温度であり、8.5Nlh−1に等しい流速でテトラフルオロエチレン(TFE)の供給を開放する温度である。
【0100】
混合物を攪拌下で190℃で15時間にわたり維持し、その後、200℃にもっていき、この温度で1.5時間にわたり維持し、最後に、1時間にわたり210℃に上げる。
【0101】
供給された合計TFEモルと初期に供給された過酸化物単位のモルとの間の比は7に等しい。
【0102】
TFE供給を中断し、窒素1Nlh−1の供給を開放し、温度を230℃に至るまで上げ、3時間にわたり一定で保持する。
【0103】
熱処理の終わりに、混合物を室温に至るまで冷却したままにする。混合物は時間において分離しない均質溶液という結果になる。
【0104】
180℃で攪拌下で維持された反応混合物内で、水で飽和させた窒素(10Nlh−1)を4時間にわたって泡立たせ、その終わりに、無水窒素(10Nlh−1)による処理を30分にわたり行った後、常に攪拌下でフッ素(合計7時間にわたり4Nlh−1、T=170℃)による処理に通す。フッ素化の終わりに、窒素(10Nlh−1)を30分にわたり装置の脱気のために供給する。
【0105】
混合物のアリコートを抜き取り、酸度測定に供する。酸度は方法の感度限界より低い結果になる。
【0106】
10−1ミリバールでの真空下での蒸留(キアーにおける最高T=230℃)によって、溶媒Galden(登録商標)HT230を除去し、生成物330gを得、それを19F−NMR分析によって特性分析し、構造
Q−O−[A−B]−A−Q’ (I)
を確認する。
式中、
Q、Q’はCFから形成された約70%モルのためである一方で、残り部分は、CFCl、CFCFClであり、
Bは−[CFCFであり、式中、jは6.7に等しい数平均値を有し、従って、セグメントBの数平均長さは13.5個の炭素原子であり、
A=−(CF)O−[(CFO)(CFCFO)(CFCFCFO)(CFCFCFCFO)−](CF−であり、
m/nの値=1.08、p/n=0.014、q/n=0.020、(p+q)/(p+q+n+m)=0.016であり、AがQ’に連結される時b=0であり、すべての他の場合b=1であり、
(CFCFCFO)単位および(CFCFCFCFO)単位は、オレフィンの存在しない状態で過酸化物パーフルオロポリエーテル(PFPE)の熱処理中に発生する単位に前記単位の合計量が実質的に似ているので、過酸化物単位の分解中に形成されたアルキルラジカルの再結合から発生すると仮定される。
【0107】
式(I)の化合物中のパーフルオロカーボンセグメントBの重量%は21.4%に等しい。ポリマーの数平均分子量は、6.4・10に等しい結果になり、それから指数z=20の平均値を計算する。
【0108】
DSC分析は、−113℃に等しいTgを示している。DSCでの分析は、50〜200℃の間の温度範囲における計算を行うことにより3.1J/gの融解ΔHを示している。
【0109】
TGA分析は、得られたポリマーが305℃で1%に等しい重量による損失を有することを示している。362℃で、ポリマーは2%の重量損失を有する。
【0110】
実施例2
ポリマーエチレン/クロロトリフルオロエチレンとの間でブレンド(E/CTFE)、45/55モル)を調製した。ブレンドは、275℃および5kgの荷重で1g/10分のメルトフローインデックスおよび室温で5時間にわたり回転ブレンドを用いることにより実施例1の添加剤の2重量%を有し、ペレット形態を取って222℃の第2の溶融温度(Tmll)および34.8J/gに等しい第2の融解エンタルピー(ΔH)を有する。
【0111】
18mmの直径を有するHastelloy C−266コニカル二軸スクリュー低剪断押出機内に得られた混合物を導入する。
【0112】
押出機内の温度分布は、押出機ヘッドにおいて200℃〜276℃以下の範囲である。得られた圧力データ対流速データを表1に示している。
【0113】
【表2】

【0114】
その後、サンプルを機械的試験に供し、弾性率、降伏応力、降伏点歪み、破断点応力、破断点歪みに関連しているその結果を表3で報告している。
【0115】
実施例3(比較)
実施例2を繰り返したが、ECTFEのみを用いている。
【0116】
得られた圧力データ対流速データを表2に示している。
【0117】
【表3】

【0118】
その後、サンプルを機械的試験に供し、弾性率、降伏応力、降伏点歪み、破断点応力、破断点歪みに関連しているその結果を表3で報告している。
【0119】
【表4】

【0120】
実施例2および実施例3(比較)のデータの比較は、流速が同じであるけれども、押出機ダイにおいて測定された圧力がポリマー自体を基準にして本発明の組成物に関して遙かにより低い結果になることを示している。トルクも同じ向上を示している。更に、添加剤がECTFEポリマー中で2重量%で存在するにもかかわらず押出機における滑り現象は観察されなかった。
【0121】
表3のデータは、本発明の添加剤、成分2)が添加剤のないポリマーの機械的特性を変えずに圧力および/またはトルクを減少させるのに有効であることを示している。
【0122】
実施例4
5kgの荷重により190℃で0.44g/10’のメルトフローインデックスを有し、室温で実施例2の添加剤0.6重量%を含有するペレットにおける高密度ポリエチレンブレンド(HDPE Eltex(登録商標))を調製した。
【0123】
18mmの直径を有するHastelloy C−266コニカル二軸スクリュー押出機に得られた混合物を供給する。押出機内の温度分布は、押出機ヘッドにおいて100℃〜195℃以下の範囲である。得られたトルクデータ対流速データを表4に示している。
【0124】
【表5】

【0125】
実施例5(比較)
実施例4を繰り返したが、ポリエチレンのみを用いた。得られたトルクデータ対流速データを表5で報告している。
【0126】
【表6】

【0127】
実施例4と実施例5(比較)のデータの比較は、流速が実質的に等しいけれども、トルクが、添加剤のないポリマー自体を基準にして本発明の組成物に関してより低い結果になることを示している。
【0128】
実施例6
混合物2)+3)の調製
205.9℃の第2の溶融温度、6.279J/gの第2の融解(ΔH)を有し、280℃および1Rad・秒−1の剪断速度で測定して5Pa・秒の動的粘度を有するTFE/MVEコポリマー(MVE13モル%およびTFE87モル%を含有する)から形成された成分3)4840gを40リットルHenschelミキサーに導入する。3分にわたり攪拌下で混合物を維持することにより、実施例1の添加剤から形成された成分2)660gを300rpmの攪拌下でミキサーに供給する。その後、約200℃の均一温度分布を有する二軸スクリュー押出機内に得られた混合物を押し出す。得られた押出生成物を集め、その後、FRITCH(PULVERISETTE14)ミル内で粉砕し、以下の粒子サイズを有する粉末混合物を得る(篩いデータ)
− 保持 850μ:0.0%
− 保持 500μ:1.2%
− 保持 355μ:5.3%
− 保持 250μ:8.5%
− 保持 106μ:26.7%
− 保持 45μ:36.0%
− 通過 45μ:22.3%
【0129】
これらのデータをGRADEX2000装置により得た。
【0130】
こうして得られた混合物は、12重量%の成分2)および88重量%の成分3)から形成される。
【0131】
混合物1)+2)+3)の調製
− ペレット形態を取った実施例2のエチレン/クロロトリフルオロエチレン(E/CTFE、45/55モル)98.53重量%
− 室温で5時間にわたり回転ブレンド内で成分を混合することにより以前に調製された混合物2)+3)1.47重量%
から形成された組成物を調製した。
【0132】
18mmの直径を有するHastelloy C−266コニカル二軸スクリュー低剪断押出機に得られた混合物(ECTFE98.53%、0.18%の成分2)、1.29%の成分3))を導入した。
【0133】
押出機内の温度分布は、押出機ヘッドにおいて200℃〜276℃以下の範囲である。得られた圧力データ対流速データを表6において示している。
【0134】
【表7】

【0135】
実施例7(比較)
室温で5時間にわたり回転ブレンド内で成分を混合することにより、
− ペレット形態を取った実施例2のエチレン/クロロトリフルオロエチレン(E/CTFE、45/55モル)98.7重量%
− 粉末形態を取った成分3)1.3重量%
から形成された組成物を調製した。
【0136】
18mmの直径を有するHastelloy C−266コニカル二軸スクリュー低剪断押出機に得られた混合物を導入した。
【0137】
押出機内の温度分布は、押出機ヘッドにおいて200℃〜276℃以下の範囲である。得られた圧力データ対流速データを表7において示している。
【0138】
【表8】

【0139】
実施例8
室温で5時間にわたりロータリーブレンド内で成分を混合することにより、
− ペレット形態を取った実施例2のエチレン/クロロトリフルオロエチレン(E/CTFE、45/55モル)99.7重量%
− 粉末形態を取った実施例1の成分2)0.3重量%
から形成された組成物を調製した。
【0140】
18mmの直径を有するHastelloy C−266コニカル二軸スクリュー低剪断押出機に得られた混合物を導入した。
【0141】
押出機内の温度分布は、押出機ヘッドにおいて200℃〜276℃以下の範囲である。得られた圧力データ対流速データを表8において示している。
【0142】
【表9】

【0143】
実施例6のデータと実施例8のデータの比較は、成分3)の添加剤が、流速は同じであるけれども、約50%の圧力を更に下げることを可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)少なくとも1種の熱加工性半結晶質ハロポリマーと、
2)1)の0.01%〜10重量%の、式
Q−O−[A−B]−[A−B’]z’−A−Q’ (I)
の1種以上の(パー)フルオロポリエーテルポリマーから形成された添加剤と
を含む高分子組成物。
(式中、
A=−(X)−O−A’−(X’)−であり、
ここで、A’は、(CFO)、(CFCFO)、(CFCFCFO)、(CFCFCFCFO)、(CF(CF)O)、(CF(CF)CFO)、(CFCF(CF)O)から選択された1個以上の反復単位を含むパーフルオロポリエーテル鎖であり、X、X’は互いに同じかまたは異なり、−CF−、−CFCF−、−CF(CF)−であり、
a、bは互いに同じかまたは異なり、0または1に等しい整数であり、但し、Q−O−末端基に連結されたブロックAがa=1を有し、Q’末端基に連結されたブロックAがb=0を有することを条件とし、
Bは式
−[(CR−CR(CR−CRj’]− (Ia)
の1種以上のオレフィン(ここで、前記オレフィンの少なくとも1種はラジカル経路により単独重合可能である)に由来する単位から形成されたブロックであり、
ここで、jは1〜30の整数であり、j’は0〜29の整数であり、但し、(j+j’)が2より大きく且つ30より小さいことを条件とし、好ましくは、(j+j’)は5以上であり、
、R、R、R、R、R、R、Rは互いに同じかまたは異なり、ハロゲン、好ましくはF、Cl;H;C〜C(パー)ハロアルキル(ここで、ハロゲンは好ましくはF、Clである);任意にO、N、Sのようなヘテロ原子を含有するC〜Cアルキル;C〜Cオキシ(パー)フルオロアルキルから選択され、前記置換基R〜Rは1つ以上の官能基を任意に含有し、
B’は1種以上のオレフィンに由来するブロックであり、式(Ia)を有するが、ブロックBのR〜R置換基とは異なる意味を有するR〜R置換基の中の少なくとも1つを有し、(j+j’)は2以上で且つ30未満であり、好ましくは(j+j’)は5以上であり、
zは2より大きい整数であるか、または2に等しく、z’は0または整数であり、z、z’は、式(I)のポリマーの数平均分子量が500〜500,000の間、好ましくは1,000〜80,000、より好ましくは5,000〜60,000であるような値であり、
QおよびQ’は互いに同じかまたは異なり、炭素原子数1〜3の非官能性パーフルオロアルキル末端基(1個のフッ素原子は1個の塩素原子または水素原子によって置換されていることが可能である)、C〜C非フッ素化アルキル、官能性末端基−(CFW)−Dq−Tk(式中、W=F、CFであり、kは1〜4の範囲、好ましくは1または2の整数であり、qは0または1に等しく、Dは橋架け基である)から選択される)
【請求項2】
成分1)が、ASTM D1238に準拠して5kgの荷重により測定して50g/10分未満、好ましくは10g/10分未満、より好ましくは5g/10分未満のメルトフローインデックスを有する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分1)が
− 任意に非ハロゲン化オレフィンの存在下での1種以上のF原子および/またはCl原子含有オレフィンモノマーの重合
− 水素原子含有フッ素化オレフィンモノマーと過フッ素化オレフィンモノマーの重合
から得ることができるハロポリマーである請求項1〜2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記フッ素原子および/または塩素原子含有オレフィンモノマーが、C〜Cパーフルオロオレフィン、C〜C水素添加フルオロオレフィン、C〜Cクロロフルオロオレフィンおよび/またはC〜Cブロモフルオロオレフィン、パーフルオロアルキルビニルエーテルCF=CFOX(式中、Xは、C〜Cパーフルオロアルキル、1個以上のエーテル基を有するC〜Cパーフルオロオキシアルキルおよびパーフルオロジオキソールである)から選択され、前記非ハロゲン化オレフィンが、2〜8個の炭素原子を有するオレフィン、好ましくは、エチレン、プロピレン;アクリルモノマー、好ましくは、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、ビニルモノマー、好ましくは、酢酸ビニルから選択される請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記C〜Cパーフルオロオレフィンが、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、ヘキサフルオロイソブテンであり、前記C〜C水素添加フルオロオレフィンが、フッ化ビニル(VF)、フッ化ビニリデン(VDF)、トリフルオロエチレン、パーフルオロアルキルエチレンCH=CH−R(式中、Rは、C〜Cパーフルオロアルキルである)であり、C〜Cクロロフルオロオレフィンおよび/またはC〜Cブロモフルオロオレフィンがクロロトリフルオロエチレン(CTFE)およびブロモトリフルオロエチレンであり、パーフルオロビニルエーテルCF=CFOXにおいて、XがC〜Cパーフルオロアルキルである時、Xはトリフルオロメチルまたはペンタフルオロプロピルから選択されるか、またはX=C〜Cパーフルオロオキシアルキルの時、Xはパーフルオロ−2−プロポキシ−プロピルであり、前記パーフルオロジオキソールは、2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール(TTD)である請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記フルオロオレフィンをエチレン、プロピレン、イソブチレンから選択されたC〜C非フッ素化オレフィンと共重合させる請求項2〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
成分1)が、
(a)1種以上のコモノマー、好ましくはパーフルオロアルキルエチレンCH=CH−R(式中、Rは、C〜C、好ましくはCパーフルオロアルキルである)を0.1〜30モル%量で、一般には0.1〜10モル%の間の量において任意に含有するエチレン、および/またはプロピレンおよび/またはイソブチレンとのTFEコポリマー
(b)1種以上のコモノマー、好ましくは、ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、アクリルモノマーを一般に0.1〜15モル%の間の量で任意に含有するポリフッ化ビニリデン
(c)パーフルオロジオキソール、パーフルオロアルキルビニルエーテル、エチレン、アクリルモノマーのような1種以上のコモノマーを一般に0.1〜10モル%の間の量で任意に含有するポリクロロトリフルオロエチレン
(d)エチレン(E)、任意にEに加えて、またはEに代えてプロピレンまたはイソブチレンとクロロトリフルオロエチレン(CTFE)のポリマーであって、1種以上の他のコモノマー、例えば、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロポリビニルエーテル、アクリルモノマー、例えば、n−ブチルアクリレートをE+CTFEの合計量を基準にして0.1〜30モル%の間、好ましくは0.1〜15モル%の間の量で任意に含有する前記ポリマー
(e)ポリ塩化ビニル(PVC)ポリマー、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)であって、好ましくはエチレン、酢酸ビニル、アクリルモノマーまたはメタクリルモノマーから選択された1種以上のモノマーを任意に含有する前記ポリマー
(f)ヘキサフルオロプロペン;パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテルのようなパーフルオロアルキルビニルエーテルから選択された0.1〜10モル%の間の量の1種以上のフッ素化モノマーとのTFEポリマー
から選択される請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
成分1)が水素原子を含有するフルオロポリマー、好ましくは、クラス(a)、(b)、(d)のフルオロポリマー、より好ましくはクラス(d)のフルオロポリマーである請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
成分2)が5以上30以下の(j+j’)を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
成分2)が、ASTM D3418方法に準拠して1J/gより高い第2の融解エンタルピー(ΔH)を有する式(I)のポリマーである請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
成分2)のQおよびQ’が互いに同じかまたは異なり、−CF、−C、−C、−CFH、−CFCFH、−CFHCF、−CFCl、−CCl、−CH、−C、−Cである請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
成分2)の前記橋架け基Dが、直鎖脂肪族基−(CHm’−(式中、m’は1〜20の整数である)、(アルキレン)脂環式基、(アルキレン)芳香族基であり;Dが、アルキレン鎖中にまたはDが環式構造を含有する時環中にヘテロ原子を任意に含有することが可能であり;Dが、任意に、特にCHCHO、CHCH(CH)O、(CHO、(CHOタイプの反復単位を含有する直鎖と分岐の両方のポリアルキレンオキシ鎖であることが可能であり;前記橋架け基Dが、アミド、エステル、エーテル基、COO、スルフィド、イミン基を含有することが可能であり;D中の脂環式基の炭素原子の数が3〜20、好ましくは4〜6の範囲であり、芳香族基の炭素原子の数が6〜20、好ましくは6〜12の範囲であり;基Dが、任意に、上で定義された通り脂肪族基、脂環式基および芳香族基を互いの間で組み合わせることにより形成されることが可能であり;前記橋架け基Dが、炭素結合または−O−;−CONR−(式中、RはH、C〜C15アルキル、C〜C15脂環式基またはC〜C15芳香族基の意味を有する)、−C(O)O−;−COS−;−CO−;1個のヘテロ原子;またはトリアジン基、もしくは互いに同じかまたは異なる2個以上のヘテロ原子を含有する5または6個の原子を有するヘテロ環式芳香族基によってパーフルオロポリエーテル鎖のパーフルオロメチレン基に連結されることが可能である請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
成分2)の基Tが、−SH、−SR’、−NR’、−SiR’3−d(式中、LはOR’基であり、dは0〜3の間の整数である)、−CN、−NCO、−CH=CH
【化1】

−COR’、−OCN、−N(R’)CN、−(O)C−O−C(O)−、−CHO、−CH(OCH、−C(OCH)=NH、−C(NH)=NH、−CH(OH)CHOH、−CH(COOH)、−CH(COOR’)、−CH(CHOH)、−CH(CHNH、−NH、−NHR’、−N(R’)、−CH(CN)、−CH(CHOCHCH=CH、−C(OH)CF3、−OH、−CHOH;−COY(Y=OH、OR’、CF、NH、NHR’、NR’R’’、ハロゲン)(式中、R’、R’’は、アルキル、脂環式基または芳香族基であり、R’、R’’は任意にフッ素を含有することが可能である)であり;Tが、任意に縮合された1つ以上の芳香族環から形成されたアリール基、例えば、アルキル、ニトロのような1つ以上の基で任意に置換されているトリアジン、ピリジン、キノリン、ベンゾチアゾール、または例えば、ホスファゼン、ジオキサンのようなヘテロ環式基であることも可能である請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
成分2)の式(I)において、ブロックBが、任意にラジカル経路により単独重合不能な他のオレフィン、好ましくは、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、(パー)フルオロビニルエーテルの存在下で、ラジカル経路により単独重合可能な1種以上のオレフィン、好ましくは、テトラフルオロエチレン(TFE)、エチレン(E)、フッ化ビニリデン(VDF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)に由来する請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
成分2)において、ブロックB’が、ラジカル経路により単独重合可能なまたは単独重合不能な1種以上のオレフィンに由来し、好ましくは前記オレフィンがブロックBを得るために用いられたオレフィンである請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
成分2)において、BおよびB’が過フッ素化オレフィン、好ましくはTFEに由来する単位またはTFEとHFPの混合物に由来する単位を含有するか、またはB、B’が、ラジカル経路により単独重合可能な少なくとも1種の過フッ素化オレフィン、好ましくはTFE、および少なくとも1種の非過フッ素化オレフィン、例えば、エチレン、フッ化ビニリデン(VDF)に由来する単位を含有し、好ましくは、ポリマー(I)において、B’が存在しない(z’=0)請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
成分2)がTFEから形成されたブロックBを有する式(I)の化合物である請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
成分2)において、A’が66〜50,000の間、好ましくは300〜10,000の間、より好ましくは500〜5,000の間の数平均分子量を有する請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
成分2)において、Aが構造:
(1)−(X)O−[(CFO)(CFCFO)(CFCFCFO)(CFCFCFCFO)−](X’)
(式中、
X、X’は互いに同じかまたは異なり、−CF−、−CFCF−であり、
a、bは上で定義された通りであり、
m、n、p、qは、nが0とは異なる時、m/nが0.1と10との間であるように、0を含む整数であり、(p+q)/(n+m+p+q)は0と0.05との間であり、(n+m+p+q)は0とは異なる)
(2)−(X)O−[(CFO)(CFCFO)(CFCFCFO)(CFCFCFCFO)(CF(CF)O)(CFCF(CF)O)]−(X’)
(式中、
X、X’は互いに同じかまたは異なり、−CF−、−CF(CF)−、−CFCF−であり、
a、bは上で定義された通りであり、
m、n、p、q、u、vは、(v+m)が0とは異なる時、(p+q)/(v+m)が0と0.05との間であるように、0を含む整数であり、(n+m+u)が0とは異なる時、v/(n+m+u)が50未満である)
から選択される請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
成分2)の量が0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%である請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
成分1)と2)を混合し、ペレットを得るため任意に造粒し、そして押し出すことを含む請求項1〜20のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法。
【請求項22】
成分1)と2)を固体形態で、好ましくは粉末の形態で混合する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
半結晶質ハロポリマーのための添加剤としての請求項1〜20のいずれか一項に記載の式(I)のポリマーの使用。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか一項に記載の組成物から得ることができる製造品。
【請求項25】
押出によるパイプ、フィルム、シート、ケーブル、フィラメントから選択された請求項24に記載の製造品。
【請求項26】
成分1)をポリオレフィンで置き換える請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記ポリオレフィンがポリプロピレン(PP)、高い密度および低い密度を有するポリエチレン(PE)、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマーであって、ジエンモノマー、好ましくはブタジエン、ノルボルネンを任意に含有するものである請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
成分1)がポリオレフィンである請求項21〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記ポリオレフィンがポリプロピレン(PP)、高い密度および低い密度を有するポリエチレン(PE)、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマーであって、第3のジエンモノマー、好ましくはブタジエン、ノルボルネンを任意に含有するもの、から選択される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
成分1)がハロポリマーでなくポリオレフィンである請求項23に記載の使用。
【請求項31】
請求項29〜30のいずれか一項に記載の組成物から得ることができる製造品、
【請求項32】
パイプ、フィルム、シート、ケーブル、フィラメントの中から選択された請求項31に記載の製造品。
【請求項33】
3)1秒−1(剪断速度)およびポリマーの第2の溶融温度より30℃(±2℃)高い温度で測定して、1×10Pa・秒未満、好ましくは2000Pa・秒未満、より好ましくは700Pa・秒未満の動的粘度を有する、1)の0.01〜10重量%の、TFEと少なくとも0.5モル%の量の1種以上の過(ハロ)フッ素化モノマーとのコポリマー
を更に含むが、但し、成分3)は成分1)とは異なることを条件とする、請求項1〜29のいずれか一項に記載の高分子組成物。
【請求項34】
成分1)が、任意に1種以上の水素添加コモノマーおよび/またはフッ素化コモノマーを含有するエチレン(E)とクロロトリフルオロエチレン(CTFE)および/またはテトラフルオロエチレン(TFE)との熱加工性半結晶質コポリマーである請求項33に記載の高分子組成物。
【請求項35】
CTFEおよび/またはTFEとのEコポリマーが、
(a)35〜65モル%のエチレン(E)
(b)65〜35モル%のクロロトリフルオロエチレン(CTFE)および/またはテトラフルオロエチレン(TFE)
を含み、(a)と(b)の合計量を基準にして0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%の量の水素添加モノマーおよび/またはフッ素化モノマーを任意に含む請求項33〜34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
成分1)が、1種以上のフッ素化モノマーを含有するECTFEまたはECTFEコポリマーである請求項33〜35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
添加剤2)がTFEに由来するブロックBを有し、(j+j’)が5より大きい請求項33〜36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
成分3)が、TFEと、以下のモノマー:
− 式CF=CFORfr(式中、RfrはC〜Cパーフルオロアルキル、例えば、−CF、−C、−Cである)を有するパーフルオロアルキルビニルエーテル;
− 式CF=CFOXo(式中、Xoは1個以上のエーテル基を有するC〜C12パーフルオロ−オキシアルキル、例えば、パーフルオロ−2−プロポキシ−プロピルである)のパーフルオロ−オキシアルキルビニルエーテル;
− C〜Cパーフルオロオレフィン、例えば、ヘキサフルオロ−プロピレン;
− 式
【化2】

(式中、Rf3A、Rf4A、Rf5A、Rf6Aは互いに同じかまたは異なり、独立して、フッ素、任意に1個以上の酸素原子を含む1つのC〜Cパーフルオロアルキル基、例えば、−CF、−C、−C、−OCF、−OCFCFOCF、好ましくは、上で記載された1つのパー(ハロ)フルオロジオキソールであり、ここで、Rf3AおよびRf4Aはフッ素原子であり、Rf5AおよびRf6Aはパーフルオロメチル基(−CF)[パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(FDD)]であるか、またはここで、Rf3A、Rf5A、Rf6Aはフッ素原子であり、Rf4Aはパーフルオロメトキシ基(−OCF)[2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソールまたはパーフルオロメトキシ−ジオキソール(MDO)]である)
のパー(ハロ)フルオロジオキソール
の1種以上とのコポリマーである請求項33〜37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
成分3)が、式CF=CFORfr(式中、RfrはC〜Cパーフルオロアルキル、好ましくは、−CF、−C、−Cから選択され、より好ましくは−CFである)の少なくとも1種のパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)から誘導された単位を含むTFEコポリマーである請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
ポリマーTFE/PAVE、成分3)が、250℃未満の溶融温度および280℃の温度と1rad・秒−1の剪断速度で測定して10Pa・秒未満の動的粘度を有する請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記ポリマーが、
− MVEから誘導された単位3〜25モル%、好ましくは5〜20%、より好ましくは8〜18%、なおより好ましくは10〜15%、および
− TFEから誘導された単位97〜75モル%、好ましくは95〜80%、より好ましくは92〜82%、なおより好ましくは90〜85%
から本質的になるTFE/MVEコポリマーである請求項39〜40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
請求項33〜41のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法であって、
I)成分2)を成分3)と混合する工程と、
II)I)において得られたブレンドを溶融し、均質化し、冷却する工程と、
III)粉末を得るまでII)において得られた固体ブレンドを粉砕する工程と、
IV)III)において得られた粉末に成分1)を添加し、混合し、押し出す工程と
を含む方法。
【請求項43】
製造品、好ましくはパイプ、フィルム、シート、ケーブル、フィラメントの調製における請求項33〜41のいずれか一項に記載の組成物1)+2)+3)の使用。
【請求項44】
請求項33〜41のいずれか一項に記載の組成物から得ることができる製造品。
【請求項45】
粉末の形態を取った請求項33〜42のいずれか一項に記載の成分2)+3)の固体ブレンド。

【公表番号】特表2010−511086(P2010−511086A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538712(P2009−538712)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062999
【国際公開番号】WO2008/065164
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(508305960)ソルヴェイ・ソレクシス・エッセ・ピ・ア (53)
【Fターム(参考)】