ハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトル及び飲料ボトル用ハンドリング装置
【課題】
冷水及び／又は温水を供給するための飲料サーバに取付けて使用されるミネラルウォーター等が収容された飲料ボトルに関し、飲料注出口が上方になっている重たい飲料ボトルを飲料サーバの上部に飲料注出口が下方になる状態で載置するに際し、簡単な操作でもって、かつあまり力も要せず、女性や年配者等非力な者でも楽に操作し得るハンドリング装置及び該ハンドリング装置を備えた飲料ボトルを提供すること。
【解決手段】ボトル本体の重心より低い位置の胴周部に装着された固定ベルトと、該固定ベルトに直接又は該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定されたハンドル回動支持部材を介して取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対して回動自在となされているハンドリング装置及び該ハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトルである。
冷水及び／又は温水を供給するための飲料サーバに取付けて使用されるミネラルウォーター等が収容された飲料ボトルに関し、飲料注出口が上方になっている重たい飲料ボトルを飲料サーバの上部に飲料注出口が下方になる状態で載置するに際し、簡単な操作でもって、かつあまり力も要せず、女性や年配者等非力な者でも楽に操作し得るハンドリング装置及び該ハンドリング装置を備えた飲料ボトルを提供すること。
【解決手段】ボトル本体の重心より低い位置の胴周部に装着された固定ベルトと、該固定ベルトに直接又は該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定されたハンドル回動支持部材を介して取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対して回動自在となされているハンドリング装置及び該ハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトルである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、通常、飲食店、事務所、ホテル、一般家庭等に設置され、冷水及び／又は温水を供給するための飲料サーバに取付けて使用されるミネラルウォータ等の飲料水を収容した飲料ボトルに関し、特に、飲料サーバへの取付け作業が容易なハンドリング装置を備えた飲料ボトル及び飲料ボトル用ハンドリング装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、ミネラルウォータ等の飲料水を冷却及び／又は加熱して供給するための飲料サーバが知られている。この種の飲料サーバは、図１に示すように、ミネラルウォータが収容され、サーバ本体に飲料注出口を下方に向けて着脱自在に装着される飲料ボトルと、該飲料ボトルから供給された飲料を冷却及び／又は加熱し、冷水及び／又は温水を任意に取り出すようになされた飲料サーバ本体から構成されている。（例えば、特許文献１及び２参照）
【０００３】
ところで、飲料水が収容された飲料ボトルは保管安定面から飲料注出口を上方に向けて保管されているため、該飲料ボトルを飲料サーバに取付ける場合には、例えば、１２リットルや場合によっては２０リットルという重たい飲料ボトルを抱え上げ、かつ飲料注出口側が下方になるように飲料ボトルを反転（以下、反転とは、飲料ボトルの上部の注出口が下方になるように回動する作用を言う）させて飲料サーバの上方に載置させる必要がある。女性や年配者等非力な者には不安定な状態での重労働な作業であり、腰を痛めたり、途中で飲料ボトルを落とし、足の上に落下した場合には重大な事故にもなりかねない。そこで、飲料ボトルに持ち手を取付け、持ち上げ作業をやり易くする提案（例えば、特許文献３参照）もあるが、依然として重たい飲料ボトルを反転させ、かつ飲料サーバの上部に載置させる必要のある操作作業の抜本的改善にはなっていない。
【特許文献１】特開２００２−３７３９８号公報
【特許文献２】特開２００５−９６７９６号公報
【特許文献３】特開２００３−５４５６５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しょうとする課題】
【０００４】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、簡単な操作でもって飲料ボトルを飲料サーバに取付けることが出来るようにしたハンドリング装置を備えた飲料ボトル及び飲料ボトル用ハンドリング装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、前記目的を達成するためのもので、請求項１に係る発明は、ボトル本体の重心より低い位置の胴周部に装着された固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされているハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトルである。
【０００６】
請求項２の発明は、請求項１記載の飲料サーバ用飲料ボトルにおいて、前記ハンドルが、固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられていることを特徴とするものである。
【０００７】
請求項３の発明は、請求項１および２記載の飲料サーバ用飲料ボトルにおいて、前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されたハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【０００８】
請求項４の発明は、請求項１および２記載の飲料サーバ用飲料ボトルにおいて、前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回転自在に取付けられたハンドル支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【０００９】
請求項５の発明は、請求項１および２記載の飲料サーバ用飲料ボトルにおいて、前記ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回動自在に取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【００１０】
請求項６の発明は、ボトル本体の胴周部に装着される固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされている飲料ボトル用ハンドリング装置である。
【００１１】
請求項７の発明は、請求項６記載の飲料ボトル用ハンドリング装置において、前記ハンドルが、固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられていることを特徴とするものである。
【００１２】
請求項８の発明は、請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置において、前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されるハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【００１３】
請求項９の発明は、請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置において、前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回転自在に取付けられるハンドル支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【００１４】
請求項１０の発明は、請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置において、前記ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押させ部材との間で挟持されて回動自在に取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１５】
請求項１の発明に係る飲料サーバ用飲料ボトルでは、ボトル本体の重心より低い位置の胴周部に装着された固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされているハンドリング装置を備えているので、飲料ボトルを飲料サーバに取付ける場合、一対のハンドルを持って飲料ボトルを持ち上げた際に、飲料ボトルは不安定となり自重により反転し飲料ボトルの注出口が下方に位置した状態となる。その結果、その状態のままで飲料ボトルを少し持ち上げただけで容易に飲料サーバの上部に載置することができる。したがって、非力な女性や年配者でもあまり力を要せずに簡単に操作することができるので取付け作業が非常に楽となる。
【００１６】
請求項２の発明に係る飲料サーバ用飲料ボトルでは、請求項１記載のハンドリング装置において、ハンドルが、固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられた構成であるので、請求項１の発明の効果に加え、一対のハンドルを持って飲料ボトルを持ち上げた際に、固定ベルトと押さえ部材間の摩擦抵抗によりハンドリング装置が飲料ボトルの胴周部でずれる恐れがなく、安定して操作を行なうことが出来る。
【００１７】
請求項３の発明に係る飲料サーバ用飲料ボトルでは、請求項１および２記載のハンドリング装置において、ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されたハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに回動自在に取付けられた構成であるので、請求項１および／又は２の発明の効果に加え、ハンドルの回動操作が非常にスムーズとなり、操作がやり易い。
【００１８】
請求項４の発明に係る飲料サーバ用飲料ボトルでは、請求項１および２記載のハンドリング装置において、ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回転自在に取付けられたハンドル支持部材を介して固定ベルトに回動自在に取付けられた構成であるので、請求項１および／又は２の発明の効果に加え、ハンドルの回動操作がスムーズである。
【００１９】
請求項５の発明に係る飲料サーバ用飲料ボトルでは、請求項１および２記載のハンドリング装置において、ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに回動自在に取付けられた構成であるので、請求項１および／又は２の発明の効果に加え、ハンドリング装置の構造が簡単であり、部品点数も少ないので、安価に製造することが出来る。
【００２０】
請求項６の発明に係る飲料ボトル用ハンドリング装置では、ボトル本体の胴周部に装着される固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされているので、飲料ボトルを飲料サーバに取付ける場合には、このハンドリング装置を飲料注出口を上方に向けて保管されている飲料ボトルの重心より低い位置の胴周部に装着させて使用し、使用に当たっては、一対のハンドルを持って飲料ボトルを持ち上げた際に、飲料ボトルは不安定となり自重により反転し、飲料ボトルの注出口が下方に位置した状態となる。その結果、その状態のままで飲料ボトルを少し持ち上げるだけで容易に飲料サーバの上部に載置させることができる。したがって、非力な女性や年配者でもあまり力を要せずに簡単に操作することができるので取付け作業が非常に楽になる。又、このハンドリング装置を事務所等に常時備え付けておけば、いつでも持ち込まれた飲料ボトルに装着して使用できるので便利である。
【００２１】
請求項７の発明に係る飲料ボトル用ハンドリング装置によれば、請求項６記載のハンドリング装置において、ハンドルが固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられた構成であるので、請求項６の発明の効果に加え、ハンドリング装置を飲料ボトルに装着した後、一対のハンドルを持って飲料ボトルを持ち上げた際に、固定ベルトと押さえ部材間の摩擦抵抗によりハンドリング装置が飲料ボトルの胴周部でずれる恐れがなく、安定して操作を行なうことが出来る。
【００２２】
請求項８の発明に係る飲料ボトル用ハンドリング装置によれば、請求項６および７記載のハンドリング装置において、ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されるハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに対し回動自在に取付けられた構成であるので、請求項６および／又は７の発明の効果に加え、このハンドリング装置を使用して飲料ボトルを飲料サーバの上部に載置するに当たり、ハンドルの回動操作が非常にスムーズとなり、操作がやり易い。
【００２３】
請求項９の発明に係る飲料ボトル用ハンドリング装置によれば、請求項６および７記載のハンドリング装置において、ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回動自在に取付けられるハンドル支持部材を介して固定ベルトに対し回動自在に取付けられた構成であるので、請求項６および／又は７の発明の効果に加え、このハンドリング装置を使用して飲料ボトルを飲料サーバの上部に載置するに当たり、ハンドルの回動操作がスムーズであり、操作がやり易い。
【００２４】
請求項１０の発明に係る飲料ボトル用ハンドリング装置によれば、請求項６および７記載のハンドリング装置において、ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに対し回動自在に取付けられた構成であるので、請求項６および／又は７の発明の効果に加え、ハンドリング装置の構造が簡単であり、部品点数も少ないので、安価に製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本発明の範囲は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【００２６】
図１は、飲料サーバ（Ａ）の上部にミネラルウォータ等の飲料水が収容された飲料ボトル（Ｂ）が載置された状態を示すものである。飲料サーバ（Ａ）には、飲料ボトル（Ｂ）から供給された飲料を加熱及び冷却する各飲料貯蔵タンク（図示略）が内臓されており、加熱及び冷却された飲料を任意に取り出すための給水口（Ｃ）が備わっている。飲料サーバ（Ａ）の上部は、飲料ボトル（Ｂ）が安定よく載置されるように凹状に窪んでいる。飲料ボトル（Ｂ）には、例えば、１２リットルや２０リットル等の所定量のミネラルウォータが収容されており、上部首部にはキャップが施されている。使用に際しては、この飲料ボトル（Ｂ）を持ち上げ、かつキャップが施された注出口が下方になるように反転させ、この状態で飲料サーバ（Ａ）の上部の凹状部に飲料ボトル（Ｂ）を載置するようにしている。なお、飲料ボトル（Ｂ）の上部首部に施すキャップには種々のタイプのものがあるが、一般的には、内弁を備えており、飲料サーバ（Ａ）に載置した際に、飲料サーバ（Ａ）に設けられている突出状の連通管により内弁が押し上げられて飲料ボトル（Ｂ）内の飲料が飲料サーバ（Ａ）内に供給されるようになっている。この飲料ボトル（Ｂ）を飲料サーバ（Ａ）に取付ける場合に、従来は、飲料ボトル（Ｂ）を抱きかかえるようにして持ち上げながら、かつ落とさないようにして飲料ボトル（Ｂ）を反転させて飲料サーバ（Ａ）の上部に載置させているので、かなりの力を要し、取付け操作が非常に大変であった。
【００２７】
図２及び図３は、本発明にかかるハンドリング装置（２）を備えた飲料ボトル（１）を示すものである。飲料ボトル（１）は、ミネラルウォータ等の飲料が収容される例えば、１２リットル入りの大きさで、上部首部にはキャップ（３）が施されており、該飲料ボトル（１）の重心より低い位置の胴周部（４）にはハンドリング装置（２）が装着されている。ハンドリング装置（２）は、布製の固定ベルト（５）と該固定ベルト（５）に対向する位置に取付けられた一対のハンドル（６）（６）から構成されている。固定ベルト（５）の両端部にはそれぞれ雌型バックル（７）と雄型バックル（８）が設けられており、雌型バックル（７）に雄型バックル（８）を差し込み嵌合させることにより、固定ベルト（５）を飲料ボトル（１）の胴周部（４）に装着されるようになっている。固定ベルト（５）を飲料ボトル（１）に装着した後、該固定ベルト（５）の締付け力が緩い場合には、ベルト端部（９）を引張って強固に締付けるようになっている。一対のハンドル（６）（６）は、固定ベルト（５）とその外側に固着された短冊状の布製の押さえ部材（１１）間に挟持されて固定されているハンドル回動支持部材（１０）（１０）を介して取付けられている。このハンドリング装置（２）において、ハンドル回動支持部材（１０）（１０）は、固定ベルト（５）と押さえ部材（１１）間に挟持されているので、ハンドル回動支持部材（１０）（１０）に取付けられている一対のハンドル（６）（６）を持って飲料ボトル（１）を持ち上げた際に、固定ベルト（５）および押さえ部材（１１）が布製であるためその摩擦抵抗により飲料ボトル（１）の胴周部（４）でずれる心配がないので操作を安定して行なうことができる。この詳細構造は、後述する図６にて説明する。
【００２８】
図４及び図５は、本発明の変形例を示すハンドリング装置（２２）を備えた飲料ボトル（１）を示すものである。この変形例において、図２（図３）に示す先の実施例と異なる点は、固定ベルト（５）によるハンドル回動支持部材（１０）（１０）の固定の仕方が異なるのみである。この変形例では、ハンドル回動支持部材（１０）（１０）は固定ベルト（５）のみにより固定されており、該ハンドル回転支持部材（１０）（１０）の裏面が飲料ボトル（１）の胴周面に直接接するようになっている。その他の構造は先の実施例と同じなので同一のものは同一符号を付し、説明は省略する。
【００２９】
図６から図８は、固定ベルト（５）によるハンドル（６）（２６）（３６）の取付け方法の種々の例を示すものである。
【００３０】
図６はハンドル（６）が固定ベルト（５）により固定されたハンドル回動支持部材（１０）を介して取付けられた例を示すものである。同図において、固定ベルト（５）と押さえ部材（１１）間に挟持されて固定されたハンドル回動支持部材（１０）の一方の面に形成された球状凹面（１２）にハンドル取付け部材（１３）の一方の球体部（１４）が回動自在に嵌め込まれており、他方に形成されているネジ部（１５）にハンドル（６）の雌ネジ部が螺着されて取付けられている。ハンドル（６）は、合成樹脂製又は木製で中実状に形成されている。ハンドル（６）はハンドル回動支持部材（１０）に対しハンドル取付け部材（１３）が回動自在であるため、固定ベルト（５）に対し回動自在となされている。なお、ハンドル回動支持部材（１０）は固定ベルト（５）と押さえ部材（１１）間での挟持力の強さ加減によっては回転することも可能であり、この場合には、ハンドル（６）はハンドル回動支持部材（１０）に対してと、ハンドル回動支持部材（１０）自体の回転との２箇所において回転することになる。押さえ部材（１１）に開けられた挿通孔（１９）の縁にはリング状の補強金具（１６）が圧着されている。
【００３１】
図７はハンドル（２６）が固定ベルト（５）に回転自在に取付けられたハンドル支持金具（１７）を介して取付けられた例を示すものである。同図において、ハンドル支持金具（１７）の軸部（１８）が押さえ部材（１１）に開けられた挿通孔（１９）に挿通され、その一端部に形成された拡大頭部（２０）が固定ベルト（５）と押さえ部材（１１）間に挟持され、かつ回転自在に取付けられている。ハンドル支持金具（１７）の軸部（１８）の他端部は中空状で複数個に分割されており、先端部にはテーパー部（２１）が形成されている。ハンドル（２６）は中空状に成形されており、このハンドル（２６）をハンドル支持金具（１７）に取付けるには、ハンドル（２６）の端部に形成されている内方折曲縁（２２）をハンドル支持金具（１７）の先端テーパー部（２１）に押込むことにより、テーパー部（２１）を縮径させ、テーパー部（２１）を乗越えて段部（２３）にて固定される。この場合には、ハンドル（２６）はハンドル支持金具（１７）が回転自在に取付けられているために、固定ベルト（５）に対し回転自在となされているが、ハンドル支持金具（１７）に対しても回転作用が働くことがある。
【００３２】
図８はハンドル（３６）を固定ベルト（５）に直接取付けられた例を示すものである。同図において、中実状のハンドル（３６）の一端部に形成された拡大頭部（２４）が押さえ部材（１１）の挿通孔（１９）に挿通され、固定ベルト（５）と押さえ部材（１１）間に挟持され、かつ回転自在に取付けられている。押さえ部材（１１）の挿通孔（１９）には図６及び図７の実施例と同様にリング状の補強金具（１６）が圧着されている。
【００３３】
上記飲料ボトル（１）はポリカーボネート樹脂製の中空容器により成形されているが、他の樹脂、例えばＰＥＴ製でも可能である。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐衝撃性、透明性等において特に優れているので好ましく使用される。中空容器の成形は、先ず第１の金型でプレフォームを射出成形し、次いで第２の金型で所定温度に加熱しながら空気あるいは不活性ガスを用いてブロー成形する方法により製造される。なお、飲料ボトル（１）の胴周部の上下には粗面化された膨出部（２５）（２５）が形成されている。これは、飲料ボトル（１）の製造工程や輸送中において飲料ボトル（１）同士が衝突して生じる傷等の発生を目立たなくするためである。
【００３４】
次に本発明に係るハンドリング装置（２）及び該ハンドリング装置（２）を備えた飲料ボトル（１）の操作方法および作用について説明する。ミネラルウォータが収容された飲料ボトル（１）を飲料サーバ（Ａ）に取付ける場合に、まず飲料ボトル（１）の重心より下方の胴周部（４）にハンドリング装置（２）を装着する。この際、固定ベルト（５）の一方の雌型バックル（７）に他方の雄型バックル（８）を差し込んで嵌合した後、固定ベルト（５）の締付け力が弱い場合には、ベルト端部（９）を持って強固に締付ける。その後、図９（イ）に示す如く、一対のハンドル（６）（６）を持って飲料ボトル（１）を持ち上げる。持ち上げた際、ハンドリング装置（２）は飲料ボトル（１）の重心より低い位置に装着されているので、図９（ロ）に示す如く、飲料ボトル（１）は自重により反転し、キャップ（３）が施されている注出口側が下方に位置した状態となり、この状態において飲料ボトル（１）を飲料サーバ（Ａ）の高さまで持ち上げて飲料サーバ（Ａ）の上部に載置する。飲料サーバ（Ａ）への取付け後は、飲料ボトル（１）に装着されているハンドリング装置（２）は雌型バックル（７）と雄型バックル（８）との係合を解除するために押しボタンを押して取り外す。勿論、ハンドリング装置（２）を装着した状態で使用に供してもよい。なお、飲料ボトル（１）を持ち上げる際に、予め飲料ボトル（１）を寝かした状態にしておき、その状態から持ち上げると、持ち上げると同時に飲料ボトル（１）が反転し、図９（ロ）に示すような状態となるため操作がやり易くなる。なお、他のハンドリング装置（２２）の操作および作用も同様である。
【００３５】
上記実施形態において、固定ベルト（５）として、飲料ボトル（１）への装着、脱着手段に雌型バックル（７）と雄型バックル（８）を使用したが、この手段に限らず単にベルトを締付け得るタイプのものであっても良い。又、ハンドル（６）（２６）（３６）を固定ベルト（５）に取付け手段として種々の変形例が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【００３６】
本発明は、飲食店、事務所、一般家庭等に設置され、冷水及び／又は温水を供給するための飲料サーバに取付けて使用されるミネラルウォータ等の飲料水が収容された飲料ボトルに利用でき、重たい飲料ボトルを簡単な操作でもって、かつあまり力も要せず、非力な女性や年配者でも楽に取付け作業をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３７】
【図１】 飲料サーバの上部に飲料ボトルを載置した状態を模式的に画いた正面図
【図２】 本発明の第１実施例に係るハンドリング装置を備えた飲料ボトルの正面図
【図３】 図２に示すハンドリング装置を備えた飲料ボトルの平面図
【図４】 本発明の第２実施例に係るハンドリング装置を備えた飲料ボトルの正面図
【図５】 図４に示すハンドリング装置を備えた飲料ボトルの平面図
【図６】 本発明におけるハンドルの取付け構造の第１実施例を示す断面図
【図７】 本発明におけるハンドルの取付け構造の第２実施例を示す断面図
【図８】 本発明におけるハンドルの取付け構造の第３実施例を示す断面図
【図９】 （イ）は本発明に係るハンドリング装置を備えた飲料ボトルの操作状態（持ち上げる状態）を示す模式図で、（ロ）は（イ）の状態から飲料ボトルが反転した状態を示す模式図
【符号の説明】
【００３８】
Ａ・・・飲料サーバ
Ｂ・・・飲料ボトル
Ｃ・・・給水口
１・・・飲料ボトル
２，２２・・・ハンドリング装置
３・・・キャップ
４・・・飲料ボトルの胴周部
５・・・固定ベルト
６，２６，３６・・・ハンドル
７・・・雌型バックル
８・・・雄型バックル
９・・・ベルト端部
１０・・・ハンドル回動支持部材
１１・・・押さえ部材
１２・・・ハンドル回動支持部材の球状凹面
１３・・・ハンドル取付け部材
１４・・・ハンドル取付け部材の球体部
１５・・・ハンドル取付け部材のネジ部
１６・・・補強金具
１７・・・ハンドル支持部材
１８・・・ハンドル支持部材の軸部
１９・・・押さえ部材の挿通孔
２０・・・ハンドル支持部材の拡大頭部
２１・・・ハンドル支持部材の先端テーパー部
２２・・・ハンドルの内方折曲縁
２３・・・ハンドル支持部材の段部
２４・・・ハンドルの拡大頭部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、通常、飲食店、事務所、ホテル、一般家庭等に設置され、冷水及び／又は温水を供給するための飲料サーバに取付けて使用されるミネラルウォータ等の飲料水を収容した飲料ボトルに関し、特に、飲料サーバへの取付け作業が容易なハンドリング装置を備えた飲料ボトル及び飲料ボトル用ハンドリング装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、ミネラルウォータ等の飲料水を冷却及び／又は加熱して供給するための飲料サーバが知られている。この種の飲料サーバは、図１に示すように、ミネラルウォータが収容され、サーバ本体に飲料注出口を下方に向けて着脱自在に装着される飲料ボトルと、該飲料ボトルから供給された飲料を冷却及び／又は加熱し、冷水及び／又は温水を任意に取り出すようになされた飲料サーバ本体から構成されている。（例えば、特許文献１及び２参照）
【０００３】
ところで、飲料水が収容された飲料ボトルは保管安定面から飲料注出口を上方に向けて保管されているため、該飲料ボトルを飲料サーバに取付ける場合には、例えば、１２リットルや場合によっては２０リットルという重たい飲料ボトルを抱え上げ、かつ飲料注出口側が下方になるように飲料ボトルを反転（以下、反転とは、飲料ボトルの上部の注出口が下方になるように回動する作用を言う）させて飲料サーバの上方に載置させる必要がある。女性や年配者等非力な者には不安定な状態での重労働な作業であり、腰を痛めたり、途中で飲料ボトルを落とし、足の上に落下した場合には重大な事故にもなりかねない。そこで、飲料ボトルに持ち手を取付け、持ち上げ作業をやり易くする提案（例えば、特許文献３参照）もあるが、依然として重たい飲料ボトルを反転させ、かつ飲料サーバの上部に載置させる必要のある操作作業の抜本的改善にはなっていない。
【特許文献１】特開２００２−３７３９８号公報
【特許文献２】特開２００５−９６７９６号公報
【特許文献３】特開２００３−５４５６５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しょうとする課題】
【０００４】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、簡単な操作でもって飲料ボトルを飲料サーバに取付けることが出来るようにしたハンドリング装置を備えた飲料ボトル及び飲料ボトル用ハンドリング装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、前記目的を達成するためのもので、請求項１に係る発明は、ボトル本体の重心より低い位置の胴周部に装着された固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされているハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトルである。
【０００６】
請求項２の発明は、請求項１記載の飲料サーバ用飲料ボトルにおいて、前記ハンドルが、固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられていることを特徴とするものである。
【０００７】
請求項３の発明は、請求項１および２記載の飲料サーバ用飲料ボトルにおいて、前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されたハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【０００８】
請求項４の発明は、請求項１および２記載の飲料サーバ用飲料ボトルにおいて、前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回転自在に取付けられたハンドル支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【０００９】
請求項５の発明は、請求項１および２記載の飲料サーバ用飲料ボトルにおいて、前記ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回動自在に取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【００１０】
請求項６の発明は、ボトル本体の胴周部に装着される固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされている飲料ボトル用ハンドリング装置である。
【００１１】
請求項７の発明は、請求項６記載の飲料ボトル用ハンドリング装置において、前記ハンドルが、固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられていることを特徴とするものである。
【００１２】
請求項８の発明は、請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置において、前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されるハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【００１３】
請求項９の発明は、請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置において、前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回転自在に取付けられるハンドル支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【００１４】
請求項１０の発明は、請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置において、前記ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押させ部材との間で挟持されて回動自在に取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１５】
請求項１の発明に係る飲料サーバ用飲料ボトルでは、ボトル本体の重心より低い位置の胴周部に装着された固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされているハンドリング装置を備えているので、飲料ボトルを飲料サーバに取付ける場合、一対のハンドルを持って飲料ボトルを持ち上げた際に、飲料ボトルは不安定となり自重により反転し飲料ボトルの注出口が下方に位置した状態となる。その結果、その状態のままで飲料ボトルを少し持ち上げただけで容易に飲料サーバの上部に載置することができる。したがって、非力な女性や年配者でもあまり力を要せずに簡単に操作することができるので取付け作業が非常に楽となる。
【００１６】
請求項２の発明に係る飲料サーバ用飲料ボトルでは、請求項１記載のハンドリング装置において、ハンドルが、固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられた構成であるので、請求項１の発明の効果に加え、一対のハンドルを持って飲料ボトルを持ち上げた際に、固定ベルトと押さえ部材間の摩擦抵抗によりハンドリング装置が飲料ボトルの胴周部でずれる恐れがなく、安定して操作を行なうことが出来る。
【００１７】
請求項３の発明に係る飲料サーバ用飲料ボトルでは、請求項１および２記載のハンドリング装置において、ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されたハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに回動自在に取付けられた構成であるので、請求項１および／又は２の発明の効果に加え、ハンドルの回動操作が非常にスムーズとなり、操作がやり易い。
【００１８】
請求項４の発明に係る飲料サーバ用飲料ボトルでは、請求項１および２記載のハンドリング装置において、ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回転自在に取付けられたハンドル支持部材を介して固定ベルトに回動自在に取付けられた構成であるので、請求項１および／又は２の発明の効果に加え、ハンドルの回動操作がスムーズである。
【００１９】
請求項５の発明に係る飲料サーバ用飲料ボトルでは、請求項１および２記載のハンドリング装置において、ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに回動自在に取付けられた構成であるので、請求項１および／又は２の発明の効果に加え、ハンドリング装置の構造が簡単であり、部品点数も少ないので、安価に製造することが出来る。
【００２０】
請求項６の発明に係る飲料ボトル用ハンドリング装置では、ボトル本体の胴周部に装着される固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされているので、飲料ボトルを飲料サーバに取付ける場合には、このハンドリング装置を飲料注出口を上方に向けて保管されている飲料ボトルの重心より低い位置の胴周部に装着させて使用し、使用に当たっては、一対のハンドルを持って飲料ボトルを持ち上げた際に、飲料ボトルは不安定となり自重により反転し、飲料ボトルの注出口が下方に位置した状態となる。その結果、その状態のままで飲料ボトルを少し持ち上げるだけで容易に飲料サーバの上部に載置させることができる。したがって、非力な女性や年配者でもあまり力を要せずに簡単に操作することができるので取付け作業が非常に楽になる。又、このハンドリング装置を事務所等に常時備え付けておけば、いつでも持ち込まれた飲料ボトルに装着して使用できるので便利である。
【００２１】
請求項７の発明に係る飲料ボトル用ハンドリング装置によれば、請求項６記載のハンドリング装置において、ハンドルが固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられた構成であるので、請求項６の発明の効果に加え、ハンドリング装置を飲料ボトルに装着した後、一対のハンドルを持って飲料ボトルを持ち上げた際に、固定ベルトと押さえ部材間の摩擦抵抗によりハンドリング装置が飲料ボトルの胴周部でずれる恐れがなく、安定して操作を行なうことが出来る。
【００２２】
請求項８の発明に係る飲料ボトル用ハンドリング装置によれば、請求項６および７記載のハンドリング装置において、ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されるハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに対し回動自在に取付けられた構成であるので、請求項６および／又は７の発明の効果に加え、このハンドリング装置を使用して飲料ボトルを飲料サーバの上部に載置するに当たり、ハンドルの回動操作が非常にスムーズとなり、操作がやり易い。
【００２３】
請求項９の発明に係る飲料ボトル用ハンドリング装置によれば、請求項６および７記載のハンドリング装置において、ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回動自在に取付けられるハンドル支持部材を介して固定ベルトに対し回動自在に取付けられた構成であるので、請求項６および／又は７の発明の効果に加え、このハンドリング装置を使用して飲料ボトルを飲料サーバの上部に載置するに当たり、ハンドルの回動操作がスムーズであり、操作がやり易い。
【００２４】
請求項１０の発明に係る飲料ボトル用ハンドリング装置によれば、請求項６および７記載のハンドリング装置において、ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに対し回動自在に取付けられた構成であるので、請求項６および／又は７の発明の効果に加え、ハンドリング装置の構造が簡単であり、部品点数も少ないので、安価に製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本発明の範囲は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【００２６】
図１は、飲料サーバ（Ａ）の上部にミネラルウォータ等の飲料水が収容された飲料ボトル（Ｂ）が載置された状態を示すものである。飲料サーバ（Ａ）には、飲料ボトル（Ｂ）から供給された飲料を加熱及び冷却する各飲料貯蔵タンク（図示略）が内臓されており、加熱及び冷却された飲料を任意に取り出すための給水口（Ｃ）が備わっている。飲料サーバ（Ａ）の上部は、飲料ボトル（Ｂ）が安定よく載置されるように凹状に窪んでいる。飲料ボトル（Ｂ）には、例えば、１２リットルや２０リットル等の所定量のミネラルウォータが収容されており、上部首部にはキャップが施されている。使用に際しては、この飲料ボトル（Ｂ）を持ち上げ、かつキャップが施された注出口が下方になるように反転させ、この状態で飲料サーバ（Ａ）の上部の凹状部に飲料ボトル（Ｂ）を載置するようにしている。なお、飲料ボトル（Ｂ）の上部首部に施すキャップには種々のタイプのものがあるが、一般的には、内弁を備えており、飲料サーバ（Ａ）に載置した際に、飲料サーバ（Ａ）に設けられている突出状の連通管により内弁が押し上げられて飲料ボトル（Ｂ）内の飲料が飲料サーバ（Ａ）内に供給されるようになっている。この飲料ボトル（Ｂ）を飲料サーバ（Ａ）に取付ける場合に、従来は、飲料ボトル（Ｂ）を抱きかかえるようにして持ち上げながら、かつ落とさないようにして飲料ボトル（Ｂ）を反転させて飲料サーバ（Ａ）の上部に載置させているので、かなりの力を要し、取付け操作が非常に大変であった。
【００２７】
図２及び図３は、本発明にかかるハンドリング装置（２）を備えた飲料ボトル（１）を示すものである。飲料ボトル（１）は、ミネラルウォータ等の飲料が収容される例えば、１２リットル入りの大きさで、上部首部にはキャップ（３）が施されており、該飲料ボトル（１）の重心より低い位置の胴周部（４）にはハンドリング装置（２）が装着されている。ハンドリング装置（２）は、布製の固定ベルト（５）と該固定ベルト（５）に対向する位置に取付けられた一対のハンドル（６）（６）から構成されている。固定ベルト（５）の両端部にはそれぞれ雌型バックル（７）と雄型バックル（８）が設けられており、雌型バックル（７）に雄型バックル（８）を差し込み嵌合させることにより、固定ベルト（５）を飲料ボトル（１）の胴周部（４）に装着されるようになっている。固定ベルト（５）を飲料ボトル（１）に装着した後、該固定ベルト（５）の締付け力が緩い場合には、ベルト端部（９）を引張って強固に締付けるようになっている。一対のハンドル（６）（６）は、固定ベルト（５）とその外側に固着された短冊状の布製の押さえ部材（１１）間に挟持されて固定されているハンドル回動支持部材（１０）（１０）を介して取付けられている。このハンドリング装置（２）において、ハンドル回動支持部材（１０）（１０）は、固定ベルト（５）と押さえ部材（１１）間に挟持されているので、ハンドル回動支持部材（１０）（１０）に取付けられている一対のハンドル（６）（６）を持って飲料ボトル（１）を持ち上げた際に、固定ベルト（５）および押さえ部材（１１）が布製であるためその摩擦抵抗により飲料ボトル（１）の胴周部（４）でずれる心配がないので操作を安定して行なうことができる。この詳細構造は、後述する図６にて説明する。
【００２８】
図４及び図５は、本発明の変形例を示すハンドリング装置（２２）を備えた飲料ボトル（１）を示すものである。この変形例において、図２（図３）に示す先の実施例と異なる点は、固定ベルト（５）によるハンドル回動支持部材（１０）（１０）の固定の仕方が異なるのみである。この変形例では、ハンドル回動支持部材（１０）（１０）は固定ベルト（５）のみにより固定されており、該ハンドル回転支持部材（１０）（１０）の裏面が飲料ボトル（１）の胴周面に直接接するようになっている。その他の構造は先の実施例と同じなので同一のものは同一符号を付し、説明は省略する。
【００２９】
図６から図８は、固定ベルト（５）によるハンドル（６）（２６）（３６）の取付け方法の種々の例を示すものである。
【００３０】
図６はハンドル（６）が固定ベルト（５）により固定されたハンドル回動支持部材（１０）を介して取付けられた例を示すものである。同図において、固定ベルト（５）と押さえ部材（１１）間に挟持されて固定されたハンドル回動支持部材（１０）の一方の面に形成された球状凹面（１２）にハンドル取付け部材（１３）の一方の球体部（１４）が回動自在に嵌め込まれており、他方に形成されているネジ部（１５）にハンドル（６）の雌ネジ部が螺着されて取付けられている。ハンドル（６）は、合成樹脂製又は木製で中実状に形成されている。ハンドル（６）はハンドル回動支持部材（１０）に対しハンドル取付け部材（１３）が回動自在であるため、固定ベルト（５）に対し回動自在となされている。なお、ハンドル回動支持部材（１０）は固定ベルト（５）と押さえ部材（１１）間での挟持力の強さ加減によっては回転することも可能であり、この場合には、ハンドル（６）はハンドル回動支持部材（１０）に対してと、ハンドル回動支持部材（１０）自体の回転との２箇所において回転することになる。押さえ部材（１１）に開けられた挿通孔（１９）の縁にはリング状の補強金具（１６）が圧着されている。
【００３１】
図７はハンドル（２６）が固定ベルト（５）に回転自在に取付けられたハンドル支持金具（１７）を介して取付けられた例を示すものである。同図において、ハンドル支持金具（１７）の軸部（１８）が押さえ部材（１１）に開けられた挿通孔（１９）に挿通され、その一端部に形成された拡大頭部（２０）が固定ベルト（５）と押さえ部材（１１）間に挟持され、かつ回転自在に取付けられている。ハンドル支持金具（１７）の軸部（１８）の他端部は中空状で複数個に分割されており、先端部にはテーパー部（２１）が形成されている。ハンドル（２６）は中空状に成形されており、このハンドル（２６）をハンドル支持金具（１７）に取付けるには、ハンドル（２６）の端部に形成されている内方折曲縁（２２）をハンドル支持金具（１７）の先端テーパー部（２１）に押込むことにより、テーパー部（２１）を縮径させ、テーパー部（２１）を乗越えて段部（２３）にて固定される。この場合には、ハンドル（２６）はハンドル支持金具（１７）が回転自在に取付けられているために、固定ベルト（５）に対し回転自在となされているが、ハンドル支持金具（１７）に対しても回転作用が働くことがある。
【００３２】
図８はハンドル（３６）を固定ベルト（５）に直接取付けられた例を示すものである。同図において、中実状のハンドル（３６）の一端部に形成された拡大頭部（２４）が押さえ部材（１１）の挿通孔（１９）に挿通され、固定ベルト（５）と押さえ部材（１１）間に挟持され、かつ回転自在に取付けられている。押さえ部材（１１）の挿通孔（１９）には図６及び図７の実施例と同様にリング状の補強金具（１６）が圧着されている。
【００３３】
上記飲料ボトル（１）はポリカーボネート樹脂製の中空容器により成形されているが、他の樹脂、例えばＰＥＴ製でも可能である。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐衝撃性、透明性等において特に優れているので好ましく使用される。中空容器の成形は、先ず第１の金型でプレフォームを射出成形し、次いで第２の金型で所定温度に加熱しながら空気あるいは不活性ガスを用いてブロー成形する方法により製造される。なお、飲料ボトル（１）の胴周部の上下には粗面化された膨出部（２５）（２５）が形成されている。これは、飲料ボトル（１）の製造工程や輸送中において飲料ボトル（１）同士が衝突して生じる傷等の発生を目立たなくするためである。
【００３４】
次に本発明に係るハンドリング装置（２）及び該ハンドリング装置（２）を備えた飲料ボトル（１）の操作方法および作用について説明する。ミネラルウォータが収容された飲料ボトル（１）を飲料サーバ（Ａ）に取付ける場合に、まず飲料ボトル（１）の重心より下方の胴周部（４）にハンドリング装置（２）を装着する。この際、固定ベルト（５）の一方の雌型バックル（７）に他方の雄型バックル（８）を差し込んで嵌合した後、固定ベルト（５）の締付け力が弱い場合には、ベルト端部（９）を持って強固に締付ける。その後、図９（イ）に示す如く、一対のハンドル（６）（６）を持って飲料ボトル（１）を持ち上げる。持ち上げた際、ハンドリング装置（２）は飲料ボトル（１）の重心より低い位置に装着されているので、図９（ロ）に示す如く、飲料ボトル（１）は自重により反転し、キャップ（３）が施されている注出口側が下方に位置した状態となり、この状態において飲料ボトル（１）を飲料サーバ（Ａ）の高さまで持ち上げて飲料サーバ（Ａ）の上部に載置する。飲料サーバ（Ａ）への取付け後は、飲料ボトル（１）に装着されているハンドリング装置（２）は雌型バックル（７）と雄型バックル（８）との係合を解除するために押しボタンを押して取り外す。勿論、ハンドリング装置（２）を装着した状態で使用に供してもよい。なお、飲料ボトル（１）を持ち上げる際に、予め飲料ボトル（１）を寝かした状態にしておき、その状態から持ち上げると、持ち上げると同時に飲料ボトル（１）が反転し、図９（ロ）に示すような状態となるため操作がやり易くなる。なお、他のハンドリング装置（２２）の操作および作用も同様である。
【００３５】
上記実施形態において、固定ベルト（５）として、飲料ボトル（１）への装着、脱着手段に雌型バックル（７）と雄型バックル（８）を使用したが、この手段に限らず単にベルトを締付け得るタイプのものであっても良い。又、ハンドル（６）（２６）（３６）を固定ベルト（５）に取付け手段として種々の変形例が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【００３６】
本発明は、飲食店、事務所、一般家庭等に設置され、冷水及び／又は温水を供給するための飲料サーバに取付けて使用されるミネラルウォータ等の飲料水が収容された飲料ボトルに利用でき、重たい飲料ボトルを簡単な操作でもって、かつあまり力も要せず、非力な女性や年配者でも楽に取付け作業をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３７】
【図１】 飲料サーバの上部に飲料ボトルを載置した状態を模式的に画いた正面図
【図２】 本発明の第１実施例に係るハンドリング装置を備えた飲料ボトルの正面図
【図３】 図２に示すハンドリング装置を備えた飲料ボトルの平面図
【図４】 本発明の第２実施例に係るハンドリング装置を備えた飲料ボトルの正面図
【図５】 図４に示すハンドリング装置を備えた飲料ボトルの平面図
【図６】 本発明におけるハンドルの取付け構造の第１実施例を示す断面図
【図７】 本発明におけるハンドルの取付け構造の第２実施例を示す断面図
【図８】 本発明におけるハンドルの取付け構造の第３実施例を示す断面図
【図９】 （イ）は本発明に係るハンドリング装置を備えた飲料ボトルの操作状態（持ち上げる状態）を示す模式図で、（ロ）は（イ）の状態から飲料ボトルが反転した状態を示す模式図
【符号の説明】
【００３８】
Ａ・・・飲料サーバ
Ｂ・・・飲料ボトル
Ｃ・・・給水口
１・・・飲料ボトル
２，２２・・・ハンドリング装置
３・・・キャップ
４・・・飲料ボトルの胴周部
５・・・固定ベルト
６，２６，３６・・・ハンドル
７・・・雌型バックル
８・・・雄型バックル
９・・・ベルト端部
１０・・・ハンドル回動支持部材
１１・・・押さえ部材
１２・・・ハンドル回動支持部材の球状凹面
１３・・・ハンドル取付け部材
１４・・・ハンドル取付け部材の球体部
１５・・・ハンドル取付け部材のネジ部
１６・・・補強金具
１７・・・ハンドル支持部材
１８・・・ハンドル支持部材の軸部
１９・・・押さえ部材の挿通孔
２０・・・ハンドル支持部材の拡大頭部
２１・・・ハンドル支持部材の先端テーパー部
２２・・・ハンドルの内方折曲縁
２３・・・ハンドル支持部材の段部
２４・・・ハンドルの拡大頭部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ボトル本体の重心より低い位置の胴周部に装着された固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされているハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトル。
【請求項２】
前記ハンドルが、固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられていることを特徴とする請求項１記載のハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトル。
【請求項３】
前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されたハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項１および２記載のハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトル。
【請求項４】
前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回転自在に取付けられたハンドル支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項１および２記載のハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトル。
【請求項５】
前記ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回動自在に取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項１および２記載のハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトル。
【請求項６】
ボトル本体の胴周部に装着される固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされている飲料ボトル用ハンドリング装置。
【請求項７】
前記ハンドルが、固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられていることを特徴とする請求項６記載の飲料ボトル用ハンドリング装置。
【請求項８】
前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されるハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置。
【請求項９】
前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回転自在に取付けられるハンドル支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置。
【請求項１０】
前記ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押させ部材との間で挟持されて回動自在に取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置。
【請求項１】
ボトル本体の重心より低い位置の胴周部に装着された固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされているハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトル。
【請求項２】
前記ハンドルが、固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられていることを特徴とする請求項１記載のハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトル。
【請求項３】
前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されたハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項１および２記載のハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトル。
【請求項４】
前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回転自在に取付けられたハンドル支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項１および２記載のハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトル。
【請求項５】
前記ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回動自在に取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項１および２記載のハンドリング装置を備えた飲料サーバ用飲料ボトル。
【請求項６】
ボトル本体の胴周部に装着される固定ベルトと、該固定ベルトに取付けられた一対のハンドルとからなり、該ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされている飲料ボトル用ハンドリング装置。
【請求項７】
前記ハンドルが、固定ベルトと該固定ベルトに固着された押さえ部材との間で挟持されて固定ベルトに取付けられていることを特徴とする請求項６記載の飲料ボトル用ハンドリング装置。
【請求項８】
前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて固定されるハンドル回動支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置。
【請求項９】
前記ハンドルが、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押さえ部材との間で挟持されて回転自在に取付けられるハンドル支持部材を介して固定ベルトに取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置。
【請求項１０】
前記ハンドルの一端部が、固定ベルトに直接又は固定ベルトと押させ部材との間で挟持されて回動自在に取付けられることにより、ハンドルが固定ベルトに対し回動自在となされていることを特徴とする請求項６および７記載の飲料ボトル用ハンドリング装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２００９−１９６７０２（Ｐ２００９−１９６７０２Ａ）
【公開日】平成２１年９月３日（２００９．９．３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−７４５５０（Ｐ２００８−７４５５０）
【出願日】平成２０年２月２５日（２００８．２．２５）
【出願人】（５９６１６６２２１）新洸化成株式会社 (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年９月３日（２００９．９．３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年２月２５日（２００８．２．２５）
【出願人】（５９６１６６２２１）新洸化成株式会社 (1)
【Ｆターム（参考）】
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