説明

ハンドル装置

【課題】ハンドルを建具に対しより容易に取り付け及び取り外しできるようにすると共に、このような機能が建具の外観にできる限り影響を与えないようにする。
【解決手段】建具1に取り付けられる本体7と、本体7を通じて前記建具1に着脱可能に取り付けられるハンドル8とを有している。本体7は、建具1の開閉方向xに沿った往復動可能に支持されると共にこの建具1における前記開閉方向xに直交する前端部1dに一部を臨ませたロック部材72と、このロック部材72の付勢部材73とを備えている。ハンドル8は建具1の開閉方向xに沿った面1b側から本体7内に差し込まれる差し込み部82を有している。差し込まれる差し込み部82により付勢部材73の付勢に抗してロック部材72が往動されると共に、この付勢によるこの差し込みの終了位置でのロック部材72の復動によってロック部材72が差し込まれた差し込み部82に係合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、横引き開閉の建具に備えられて、かかる建具のこの開閉操作に利用されるハンドル装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
横引き開閉の建具のこの開閉操作に利用される取っ手を、かかる建具に取り外し可能に取り付けさせるようにしたものとして、特許文献1に示されるものがある。この特許文献1のものでは、建具に取り付けられる台座に、取っ手に設けられた頭部と首部とからなる連結部のこの頭部を通す穴と頭部は通さないが首部は通す穴を連通状態に設けており、前者の穴に頭部を挿通させた後に後者の穴に首部が入る位置まで取っ手をスライドさせることで建具に取っ手を取り付けることができ、また、取り付けられた取っ手はこれと逆向きに取っ手をスライドさせることで建具から取り外せるようになっている。しかるに、この特許文献1のものにあっては、第一に、建具への取り付け及び取り外しに前記スライド操作を要すると共に、取り外し時には前記の穴を建具の表面あるいは裏面に目立った形で現せてしまうものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平7−4300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種のハンドル装置を構成するハンドルを建具に対しより容易に取り付け及び取り外しできるようにすると共に、このような機能が建具の外観にできる限り影響を与えないようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、ハンドル装置を、横引き開閉の建具に取り付けられる本体と、この本体を通じて前記建具に着脱可能に取り付けられるハンドルとを有しており、
前記本体は、前記建具の開閉方向に沿った往復動可能に支持されると共にこの建具における前記開閉方向に直交する前端部に一部を臨ませたロック部材と、このロック部材の付勢部材とを備えており、
前記ハンドルは前記建具の開閉方向に沿った面側から本体内に差し込まれる差し込み部を有しており、
差し込まれる差し込み部により前記付勢部材の付勢に抗してロック部材が往動されると共に、この付勢によるこの差し込みの終了位置でのロック部材の復動によってロック部材が差し込まれた差し込み部に係合されるようになっているものとした。
【0006】
かかる構成によれば、建具の開閉方向に沿った面側から本体内にハンドルの差し込み部を差し込むことで、建具にハンドルを容易に取り付けることができる。また、建具の前記前端部に臨んだロック部材の一部を利用して前記付勢部材の付勢に抗する向きにロック部材を往動させせることにより、このロック部材によるハンドルの差し込み部に対する係合を解いて、建具からハンドルを容易に取り外すことができる。かかるハンドルの取り外しに利用される前記ロック部材の一部は建具の前記前端部に位置されることから、かかる取り外し機能が建具の外観に与える影響を最小にできる特長を有している。
【0007】
前記ハンドルの差し込み部のその差し込み先端に頭部を備えさせると共に、ロック部材に、前記差し込み部の頭部の通過部と、この頭部により形成される前記差し込み部の顎部に対する係合穴部とを、通過部に係合穴部を連通させるようにして備えさせておけば、本体内への差し込み部の差し込みに伴って頭部を係合穴部の穴縁に当接させることで前記付勢部材の付勢に抗してロック部材を往動させるようにすることができると共に、差し込み終了位置でロック部材を復動させて前記顎部に係合穴部を係合させることができる。この場合には、前記ハンドルの差し込み部の頭部を、顎部に向かうに連れて次第に外径を大きくするように形成されておくことが、好ましい態様の一つとされる。
【0008】
前記ハンドル装置を前記建具の表面側に取り付けられるハンドルと建具の裏面側に取り付けられるハンドルを備えるものとすると共に、前記本体が建具の表面側に取り付けられるハンドルの差し込み部に対するロック部材と、建具の裏面側に取り付けられるハンドルの差し込み部に対するロック部材とを有するものとすれば、これらのハンドルを、前記本体を通じて同時に建具に取り付けることができる。この場合には、建具の表面側に取り付けられるハンドルの差し込み部に対するロック部材における建具の前端部に臨んだ一部、及び建具の裏面側に取り付けられるハンドルの差し込み部に対するロック部材における建具の前端部に臨んだ一部の、いずれか一方の上方に他方が位置されるようにしてをくことが、好ましい態様の一つとされる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、ハンドル装置を構成するハンドルは、建具に取り付けられた本体内にハンドルの差し込み部を差し込むだけで容易に取り付けることができ、また、建具の前端部に臨んだロック部材の一部の操作によって前記付勢部材の付勢に抗してロック部材を往動させることで容易に取り外すことができる。ロック部材の前記一部は建具の前端部に位置され、また、ハンドルを取り外した状態においても建具の開閉方向に沿った面には前記差し込み部の差し込みのための必要最小限の大きさの穴が表れるだけであるので、このような機能が建具の外観にできる限り影響を与えないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は両引き戸にハンドル装置を取り付けた様子を示した斜視図である。
【図2】図2は引き戸におけるハンドル装置の取り付け箇所の斜視図である。
【図3】図3は図2における右側のハンドルを取り外した状態を示した斜視図である。
【図4】図4はハンドルを差し込み部の突きだし側から見た斜視図である。
【図5】図5はハンドル装置を構成する前後のハンドルと、上下の本体とを、本体を構成するベースからこのベースの一面側を塞ぐカバーを取り外した状態で示した斜視図である。
【図6】図6は本体を構成する各部材を分離させた状態で示した斜視図である。
【図7】図7は本体をその一面側からカバーを取り外した状態で示した斜視図である。
【図8】図7におけるA−A線位置での断面図である。
【図9】図9は本体をその一面側からカバーを取り外した状態で示した斜視図である。
【図10】図10は図9におけるB−B線位置での断面図である。
【図11】図11は図7及び図8の状態から本体を構成する二個のロック部材の一方をハンドルの差し込み部に対する係合を解く位置までこのロック部材の一部を押圧して移動させた様子を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1〜図11に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかるハンドル装置6は、横引き開閉の建具1に備えられて、かかる建具1のこの開閉操作に利用されるものである。かかるハンドル装置6は、典型的には、引き戸や引き込み戸に備えられて、これらの開閉操作に利用されるものである。図示の例では、かかるハンドル装置6を、両引き戸の開閉操作に利用した例を示している。図中符号2は壁、符号3は出入り口、符号4は戸枠、符号5は戸枠の戸当たり部、符号1aは引き戸を示している。
【0012】
かかるハンドル装置6は、前記建具1に取り付けられる本体7と、この本体7を通じて前記建具1に着脱可能に取り付けられるハンドル8とを有している。
図示の例では、本体7は、建具1の前端側(閉じ操作のときに先に位置される側、引き戸であれば戸先側)であってその上下方向略中程の位置において、建具1に内蔵されるようになっている。図示の例では、二個の本体7、7を上下に間隔を開けて建具1に内蔵させている。建具1の開閉方向xに沿った面1b(表面及び裏面)にはそれぞれ、本体7内の空間に後述する本体7のカバー71に設けた穴71aを通じて連通した貫通孔1cが形成されている。また、建具1の開閉方向xに直交する前端部1d、図示の例では引き戸1aにおける戸当たり部5に突き当たる戸先部には、建具1内の本体7の収納空間1e(彫り込み)に連通した開放部1fが形成されており、本体7はこの開放部1fを通じて建具1の前端部1dにその一部を臨ませている。
【0013】
ハンドル8は、前記建具1の開閉方向xに沿った面1b側から本体7内に差し込まれる差し込み部82を有している。図示の例では、かかるハンドル8は、上下方向に長い棒状をなす把持部80と、この把持部80の長さ方向に直交する向きにこの把持部80から突き出すように設けられた脚部81とを有している。脚部81は上下に箇所にそれぞれ設けられている。そして、上下の脚部81の突きだし端にそれぞれ、前記差し込み部82が形成されている。図示の例では、上側の脚部81は前記貫通孔1cを通じて上側の本体7内に差し込まれ、下側の脚部81は前記貫通孔1cを通じて下側の本体7内に差し込まれるようになっている。
【0014】
図示の例では、建具1の表面側に取り付けられるハンドル8と、建具1の裏面側に取り付けられるハンドル8とが、前記のように建具1に内蔵される本体7を通じて同時に建具1に取り付けられるようになっている。
【0015】
また、前記本体7は、前記建具1の開閉方向xに沿った往復動可能に支持されると共にこの建具1における前記開閉方向xに直交する前端部1dに一部72aを臨ませたロック部材72と、このロック部材72の付勢部材73とを備えている。そして、前記のように差し込まれる差し込み部82により前記付勢部材73の付勢に抗してロック部材72が往動されると共に、この付勢によるこの差し込みの終了位置でのロック部材72の復動によってロック部材72が差し込まれた差し込み部82に係合されるようになっている。
【0016】
これにより、この実施の形態にかかるハンドル装置6にあっては、建具1の開閉方向xに沿った面1b側から本体7内にハンドル8の差し込み部82を差し込むことで、建具1にハンドル8を容易に取り付けることができる。また、建具1の前記前端部1dに臨んだロック部材72の一部72aを利用して前記付勢部材73の付勢に抗する向きにロック部材72を往動させせることにより、このロック部材72によるハンドル8の差し込み部82に対する係合を解いて、建具1からハンドル8を容易に取り外すことができる。かかるハンドル8の取り外しに利用される前記ロック部材72の一部72aは建具1の前記前端部1dに位置されることから、かかる取り外し機能が建具1の外観に与える影響を最小にできる特長を有している。
【0017】
この実施の形態にあっては、ハンドル8の差し込み部82はその差し込み先端に頭部82bを有していると共に、ロック部材72は前記差し込み部82の頭部82bの通過部72dと、この通過部72dに連通してこの頭部82bにより形成される前記差し込み部82の顎部82cに対する係合穴部72fとを備えている。
【0018】
図示の例では、ハンドル8の差し込み部82は、短寸円柱状の基部82aと、截頭円錐状をなす頭部82bと、この基部82aと頭部82bとの間に亘る頸部82dとを備えている。従って、かかるハンドル8の差し込み部82の頭部82bは、その顎部82cに向かうに連れて次第に外径を大きくするように形成されている。また、頭部82bよりも基部82aは太く、基部82aの外径は建具1に形成された貫通孔1cの穴径と略等しく、さらに、脚部81の突きだし端からの基部82aの突きだし寸法が建具1の表面及び裏面を構成する板材の厚さと略等しくなるようにしてある。
【0019】
また、この実施の形態にあっては、本体7は、建具1の表面側に取り付けられるハンドル8の差し込み部82に対するロック部材72と、建具1の裏面側に取り付けられるハンドル8の差し込み部82に対するロック部材72とを有している。
【0020】
また、この実施の形態にあっては、建具1の表面側に取り付けられるハンドル8の差し込み部82に対するロック部材72における建具1の前端部1dに臨んだ一部72a、及び建具1の裏面側に取り付けられるハンドル8の差し込み部82に対するロック部材72における建具1の前端部1dに臨んだ一部72aの、いずれか一方の上方に他方が位置されるようになっている。
【0021】
図示の例では、本体7は、ベース70と、二枚のカバー71、71と、二個のロック部材72、72と、前記付勢部材73を構成する二個の圧縮コイルバネ73a、73aとから構成されている。(図6)
【0022】
ベース70は、上辺部70a及び下辺部70bと、この上辺部70aの奥端と下辺部70bの奥端間に亘る奥辺部70cとを備えている。上辺部70aの前端から上方に向けて、また、下辺部70bの前端からは下方に向けて、それぞれ耳部70dが延設されている。ベース70は、上辺部70aの前端と下辺部70bの前端との間で前方に開放されている。本体7は建具1に形成された、前記収納空間1eに、このベース70の奥辺部70c側を先にして納められ、耳部70dを使ってこの建具1の前端部1dに固定されるようになっている。
【0023】
二枚のカバー71、71はそれぞれ方形の板状をなすように構成されている。二枚のカバー71、71の一方は、ベース70の表面側において、前記上辺部70aにカバー71の上辺を、下辺部70bにカバー71の下辺を、奥辺部70cにカバー71の奥辺を接しさせて、このベース70の表面側を覆うようにベース70に取り付けられる。また、二枚のカバー71、71の他方は、ベース70の裏面側において、前記上辺部70aにカバー71の上辺を、下辺部70bにカバー71の下辺を、奥辺部70cにカバー71の奥辺を接しさせて、このベース70の裏面側を覆うようにベース70に取り付けられる。
【0024】
二個のロック部材72、72はそれぞれ、ベース70内に前記往復動可能に納められた方形の板状をなす主体部72cを有している。二個のロック部材72、72の一方はベース70の表面側に位置されるカバー71の内面に主体部72cの外面を沿わせ、また二個のロック部材72、72の他方はベース70の裏面側に位置されるカバー71の内面に主体部72cの外面を沿わせるようにして、ベース70内に納められている。また、二個のロック部材72、72はそれぞれ、主体部72cの前辺及び奥辺にそれぞれこの主体部72cの内面との間に略直角の内隅を形成するようにして突き出す舌片部72bを有している。二個のロック部材72、72の一方の舌片部72bは主体部72cの下辺側に偏った位置に形成され、また、二個のロック部材72、72の他方の舌片部72bは主体部72cの上辺側に偏った位置に形成されている。
【0025】
かかる二個のロック部材72、72はそれぞれ、主体部72cの前辺に設けられた舌片部72bをベース70の開放箇所に臨ませている。二個のロック部材72、72において、かかる舌片部72bの形成位置は前記のように異なることから、ベース70の開放箇所において、一方のロック部材72の舌片部72bの下方に他方のロック部材72の舌片部72bが位置される。すなわち、図示の例では、かかる舌片部72bが前記ロック部材72の一部72aとして機能するようになっている。
【0026】
また、図示の例では、二個のロック部材72、72の主体部72cの奥辺に形成された舌片部72bと、ベース70の奥辺部70cの内面との間にそれぞれ、圧縮コイルバネ73aが介在されている。図示の例では、ベース70における二個のロック部材72、72の主体部72cの内面間に位置される箇所には、ベース70の奥辺部70cとの間に前記圧縮コイルバネ73aを収納できる間隔を開けて、このベース70の上辺部70aと下辺部70b間に亘る隔壁74が形成されている。二個のロック部材72、72は、かかる圧縮コイルバネ73aによって、前記主体部72cの奥辺に形成された舌片部72bを隔壁74の奥端面74aに接しさせ、かつ、主体部72cの前辺に形成された舌片部72bと隔壁74の前端面74bとの間に間隔を開けた位置に通常は位置づけられるようになっている。
【0027】
ロック部材72の主体部72cにはそれぞれ、前記通過部72dとなる穴72eが形成されていると共に、この通過部72dとなる穴72eには主体部72cの奥辺側において前記係合穴部72fが連通している。通過部72dとなる穴72eは頭部82bより大きく角穴状を呈している。係合穴部72fは頭部82bより小さいが前記頸部82dを通過させる大きさとなっている。具体的には、係合穴部72fは頸部82dの外径と略等しい仮想の円をこの円の接線に平行な線分をもって破断したような形状を有し、この破断側で通過部72dとなる穴72eに連通されている。また、前記カバー71及び隔壁74にはそれぞれハンドル8の差し込み部82の頭部82bを受け入れる穴71a、74cが形成されている。二枚のカバー71、71の穴71a、ロック部材72の通過部72d、および隔壁74の穴74cは、同軸上に配されるようになっており、建具1の表面側に取り付けられるハンドル8の差し込み部82の頭部82bはこの表面側から隔壁74の穴74cに入り込み、建具1の裏面側に取り付けられるハンドル8の差し込み部82の頭部82bはこの裏面側から隔壁74の穴74cに入り込むようになっている。これにより、本体7を構成するベース70の構造の簡素化及び本体7のコンパクト化が図られている。
【0028】
ロック部材72は、前記圧縮コイルバネ73aの付勢により、前記往動前の状態では、カバー71及び隔壁74の穴71a、74cにおける奥側の穴縁よりも前方に前記係合穴部72fの穴縁を位置させた状態でかかる係合穴部72fをこれらの穴71a、74cに連通させるようになっている。(図7〜図10)これにより、本体7内に差し込まれたハンドル8の差し込み部82を差し込みきった状態において、この差し込み部82の前記顎部82cに係合穴部72fの穴縁が引っかかり、隔壁74の穴内に頭部82bを納めた差し込み部82の本体7内からの抜け出しが阻止され、本体7を介して建具1に対しハンドル8は取り付けられる。(図8、図10)この状態から、建具1の前端部1dに臨んだロック部材72の一部72a、すなわち前記主体部72cの舌片部72bを押圧操作すると、ロック部材72を前記付勢に抗してカバー71及び隔壁74の穴71a、74cにおける奥側の穴縁よりも前方に前記係合穴部72fの穴縁を位置させない位置まで往動させることができる。(図11)このロック部材72の往動により前記差し込み部82に対するロック部材72の係合が解かれて建具1からハンドル8を取り外すことが可能となる。図示の例では、建具1の表面及び裏面のいずれの側においても、上側に配される本体7とハンドル8の上側に位置される差し込み部82との係合を前記のように解くと共に、下側に配される本体7とハンドル8の下側に位置される差し込み部82との係合を前記のように解かない限り、建具1からハンドル8を取り外すことができないようになっている。建具1から取り外したハンドル8の差し込み部82を建具1に設けた前記貫通孔1cを通じて本体7内に差し込むと、この差し込み部82の頭部82bがカバー71及び隔壁74の穴71a、74cにおける奥側の穴縁よりも前方に位置させる前記係合穴部72fの穴縁に当接して前記圧縮コイルバネ73aの付勢に抗してロック部材72は往動され、この穴縁よりも先への頭部82bの入り込みが許容されると共に、この穴縁より先に頭部82bが入り込むと前記付勢によりロック部材72は復動され、差し込み部82の前記顎部82cに係合穴部72fの穴縁が再び引っかかる。これにより、建具1にワンタッチでハンドル8を取り付けることができるようになっている。図示の例では、前記のようにハンドル8の差し込み部82の頭部82bは、顎部82cに向かうに連れて次第に外径を大きくするように形成されていることから、この頭部82bの前記係合穴部72fのこの穴縁への当接により前記圧縮コイルバネ73aの付勢に抗してロック部材72はスムースに往動される。
【符号の説明】
【0029】
x 開閉方向
1 建具
1b 開閉方向xに沿った面
1d 前端部
7 本体
72 ロック部材
73 付勢部材
8 ハンドル
82 差し込み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横引き開閉の建具に取り付けられる本体と、この本体を通じて前記建具に着脱可能に取り付けられるハンドルとを有しており、
前記本体は、前記建具の開閉方向に沿った往復動可能に支持されると共にこの建具における前記開閉方向に直交する前端部に一部を臨ませたロック部材と、このロック部材の付勢部材とを備えており、
前記ハンドルは前記建具の開閉方向に沿った面側から本体内に差し込まれる差し込み部を有しており、
差し込まれる差し込み部により前記付勢部材の付勢に抗してロック部材が往動されると共に、この付勢によるこの差し込みの終了位置でのロック部材の復動によってロック部材が差し込まれた差し込み部に係合されるようになっていることを特徴とするハンドル装置。
【請求項2】
ハンドルの差し込み部はその差し込み先端に頭部を有していると共に、
ロック部材は、前記頭部の通過部と、この頭部により形成される前記差し込み部の顎部に対する係合穴部とを、通過部に係合穴部を連通させるようにして備えていることを特徴とする請求項1に記載のハンドル装置。
【請求項3】
建具の表面側に取り付けられるハンドルと建具の裏面側に取り付けられるハンドルとを備えていると共に、
本体は、建具の表面側に取り付けられるハンドルの差し込み部に対するロック部材と、建具の裏面側に取り付けられるハンドルの差し込み部に対するロック部材とを有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハンドル装置。
【請求項4】
建具の表面側に取り付けられるハンドルの差し込み部に対するロック部材における建具の前端部に臨んだ一部、及び建具の裏面側に取り付けられるハンドルの差し込み部に対するロック部材における建具の前端部に臨んだ一部の、いずれか一方の上方に他方が位置されるようになっていることを特徴とする請求項3に記載のハンドル装置。
【請求項5】
ハンドルの差し込み部の頭部は、顎部に向かうに連れて次第に外径を大きくするように形成されていることを特徴とする請求項2に記載のハンドル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−77461(P2012−77461A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221249(P2010−221249)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)