ハンマーグラブ
【課題】土砂の掴み量を増大し、効率良く掘削・排土作業を行えるようにする。
【解決手段】グラブ本体1にモンケン2を昇降自在に設け、グラブ本体1内の上部に定滑車3を、下部には可動枠4に動滑車5a,5bを設け、グラブ本体1の下端部にはシェル8,8を枢着し、グラブ本体1内に垂下した一本のワイヤー9を動滑車5a,5bから定滑車3に巻き掛け、定滑車3から下向きに延びるワイヤー9の終端部9boにワイヤー緊張用錘10を垂下連結し、ワイヤー9の始端部側9aとモンケン2とを連結部材11により上下一体移動可能に連結すると共に、連結部材11をグラブ本体1に上下相対移動可能に貫通支持させ、ワイヤー9の引き上げ操作により連結部材11を介してモンケン2が所定高さ上昇した位置でワイヤー終端部側9bをグラブ本体1に固定するストッパー12を設ける。
【解決手段】グラブ本体1にモンケン2を昇降自在に設け、グラブ本体1内の上部に定滑車3を、下部には可動枠4に動滑車5a,5bを設け、グラブ本体1の下端部にはシェル8,8を枢着し、グラブ本体1内に垂下した一本のワイヤー9を動滑車5a,5bから定滑車3に巻き掛け、定滑車3から下向きに延びるワイヤー9の終端部9boにワイヤー緊張用錘10を垂下連結し、ワイヤー9の始端部側9aとモンケン2とを連結部材11により上下一体移動可能に連結すると共に、連結部材11をグラブ本体1に上下相対移動可能に貫通支持させ、ワイヤー9の引き上げ操作により連結部材11を介してモンケン2が所定高さ上昇した位置でワイヤー終端部側9bをグラブ本体1に固定するストッパー12を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、場所打ち杭工法その他の基礎工事における掘削及び排土作業などに使用されるハンマーグラブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハンマーグラブとして、グラブ本体内の上部に定滑車を設け、下部にはグラブ本体に対し上下動する可動枠に動滑車を設けて、これらの滑車にワイヤーを巻き掛け、グラブ本体の下端部にはシェルを開閉自在に枢着すると共に、シェルの駆動端部を可動枠に枢支連結し、クレーンを巻き上げ操作してワイヤーを引き上げることにより、可動枠を上下動させてシェルを開閉駆動するようにしたものが知られている。
【0003】
このハンマーグラブの使用による掘削・排土作業においては、クレーンにより巻き上げ・巻き下げ操作される上記ワイヤーによって、シェルを開放させた状態でハンマーグラブを地上高く吊り上げて落下させ、地面への落下衝撃力で所定深さ貫入掘削した後、シェルの閉止動作により掘削土砂を掴み取り、シェルを閉じたままハンマーグラブを引き上げて所定の場所へ排土する、という操作を繰り返し行うようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように従来のハンマーグラブでは、ハンマーグラブを所要の高さ位置から地上に1回落下させて、その1回の衝撃力でシェルを地盤中に食い込ませて掘削した後、シェルを閉動して土砂を掴み取るようになっているから、必然的に1回毎の土砂の掘削排土量、即ち掴み容量が制限されると共に、地盤の硬さ等によってその掴み容量も大きく変わってくるという課題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みて、落下した際の衝撃力で仕事を行うグラブ本体側に対し独立して落下衝撃力を発生するモンケンを設けると共に、モンケンを何回でも所定高さから落下させることができるようにすることによって、従来のハンマーグラブよりも土砂の掴み容量を増大させて掘削・排土作業を効率良く行うことができるハンマーグラブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明のハンマーグラブは、グラブ本体1にモンケン2を落下時にグラブ本体1に対し衝撃力を負荷するように昇降自在に設け、グラブ本体1内の上部に定滑車3(3,48)を、下部にはグラブ本体1に対し上下動する可動枠4に動滑車5a,5bを夫々設け、グラブ本体1の下端部にはシェル8,8を開閉自在に枢着して、シェル8の駆動端部8oを可動枠4に枢支連結し、グラブ本体1内に上方より垂下した一本のワイヤー9を下部の動滑車5a,5bと上部の定滑車3(3,48)とに亘って巻き掛け、定滑車3から下向きに延びるワイヤー9の終端部9boにワイヤー緊張用錘10を垂下連結し、グラブ本体1内の上方より垂下するワイヤー始端部側9aとモンケン2とを連結部材11により上下一体移動可能に連結すると共に、この連結部材11をグラブ本体1に上下相対移動可能に貫通支持させ、ワイヤー9を引き上げ操作して連結部材11を介してモンケン2を上昇させる時に所定の上昇位置でワイヤー終端部側9bをグラブ本体1側に固定するストッパー12を設け、このストッパー12によりワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定されるまではシェル8の開放状態が維持され、ワイヤー終端部側9bがグラブ本体1に固定された状態でワイヤー9を更に引き上げることによってシェル8が閉動するようになっていることを特徴とする。
【0007】
請求項2は、請求項1に記載のハンマーグラブにおいて、前記モンケン2はグラブ本体1の外周に沿う筒形状に形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3は、請求項2に記載のハンマーグラブにおいて、前記筒形状のモンケン2は、グラブ本体1に昇降自在に套嵌されると共にグラブ本体1の下端部外周に周設したモンケン受け20に支持されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4は、請求項1〜3の何れかに記載のハンマーグラブにおいて、前記ワイヤー緊張用錘10は、棒状に形成され、グラブ本体1に設けたガイド孔35で昇降自在に支持案内されるようになっていることを特徴とする。
【0010】
請求項5は、請求項1〜4の何れかに記載のハンマーグラブにおいて、前記連結部材11は、グラブ本体1をその直径方向に貫通して、その両端部がモンケン2に連結されると共に、グラブ本体1の直径方向対称位置に夫々軸方向に設けたガイド溝29に支持案内されるようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、ワイヤー終端部側9bがストッパー12によりグラブ本体1側に固定されるまではシェル8の開放状態が維持され、ワイヤー9の終端部側9bがグラブ本体1に固定された状態でワイヤー9を更に引き上げることによってシェル8が閉動するようになっているから、ストッパー12によってワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定されるまでの間に、モンケン2を所定ストロークSa上昇させては落下させるという工程を複数回繰り返し行うことにより、グラブ本体1に対しモンケン2の落下時の衝撃力を何度も加えることができ、それによりシェル8,8を地盤中に十分に食い込ませることができて、掘削土砂の掴み容量を増大させ、掘削・排土作業を効率良く行うことができる。また、一本のワイヤー9によってモンケン2の落下操作とシェル8,8の開閉駆動を行わせるように構成しているため、構造が簡単となり、製作コストの低廉化及びメンテナンスの容易化を図ることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、モンケン2がグラブ本体1の外周に沿う筒形状形成されることにより、製作が容易となる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、筒形状のモンケン2が、グラブ本体1に昇降自在に套嵌されると共にグラブ本体1の下端部外周に周設したモンケン受け20に支持されるから、モンケン2が落下する時の落下衝撃力をグラブ本体1を通じてシェル8,8側に有効に負荷することができる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、ワイヤー緊張用錘10は、棒状に形成されていて、グラブ本体1に設けたガイド孔35で昇降自在に支持案内されるようになっているから、グラブ本体1内の比較的狭い空間部内において、その機能を有効に発揮できる。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、連結部材11は、グラブ本体1をその直径方向に貫通して、その両端部がモンケン2に連結されると共に、グラブ本体1の直径方向対称位置に夫々軸方向に設けたガイド溝29に支持案内されるようになっているから、製作及び組立てが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るハンマーグラブの縦断面図である。
【図2】(a) は図1のA−A線拡大断面図、(b) はB−B線拡大断面図、(c) はC−C線拡大断面図、(d) はD−D線拡大断面図である。
【図3】同ハンマーグラブの吊り下げ状態での縦断面図である。
【図4】同ハンマーグラブの使用においてモンケンが所定高さ上昇した状態の縦断面図である。
【図5】同ハンマーグラブの使用においてシェルが閉じた状態の縦断面図である。
【図6】(a) は同ハンマーグラブからモンケンを取り外した状態の縦断面図、(b) は連結部材を案内するガイド溝が見える方向から見たグラブ本体の側面図である。
【図7】ガイド滑車を取り付けている取付円板の平面図である。
【図8】ガイド滑車群と動滑車との位置関係を示す平面図である。
【図9】(a) は連結部材を示す正面図、(b) は平面図、(c) は側面図である。
【図10】モンケンを示すもので、(a) は正面図、(b) は(a) のE−E線断面図であり、(c) は(b) のF−F線断面図である。
【図11】(a) は他の実施形態によるハンマーグラブを示すもので、(b) は(a) のG−G線断面図、(c) はH−H線断面図、(d) はI−I線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、本発明に係るハンマーグラブは、図1及び図2に示すように、円筒状のグラブ本体1に円筒状のモンケン2を、その落下時にグラブ本体1に対し衝撃力を負荷するように昇降自在に套嵌し、グラブ本体1内の上部に定滑車3を、下部にはグラブ本体1に対し所定ストローク上下動する可動枠4に動滑車5a,5bを夫々設け、中間部にはガイドシーブ6,7a,7b(固定滑車)を設け、またグラブ本体1の下端部には一対のシェル8,8を開閉自在に枢着して、これらシェル8,8の駆動端部8o,8oを可動枠4に枢支連結し、そしてクレーン(図示省略)よりグラブ本体1内に垂下したワイヤー9を、ガイドシーブ6,7a,7bを介して2つの動滑車5a,5bに巻き掛けると共に、動滑車5bから上方の定滑車3に巻き掛けて、定滑車3から下向きに延びるワイヤー9の終端9boにワイヤー緊張用錘10を垂下連結し、またグラブ本体1内に上方より垂下するワイヤー9の始端部側9aの所要部とモンケン2とを連結部材11により上下方向一体移動可能に連結すると共に、この連結部材11をグラブ本体に対し上下方向相対移動可能に貫通支持させ、しかしてワイヤー9の引き上げ操作により連結部材11を介してモンケン2を上昇させる時にモンケン2の所定上昇位置でワイヤー9の終端部側9bをグラブ本体1側に固定するストッパー12を設け、このストッパーによってワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定されるまではシェル8,8の開放状態が維持され、ワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定された状態でワイヤー9を更に引き上げることによってシェル8が閉動するようにしたものである。
【0018】
上記ハンマーグラブの構造について更に詳しく説明すれば、定滑車3は、図1及び図2の(a) に示すように、グラブ本体1内の上部で軸芯位置から内周側へ寄った位置に取り付けられたブラケット13に支軸14によって軸支されている。動滑車5a,5bは、図1及び図2の(d) に示すように、グラブ本体1内の下部でグラブ本体1の内周面に沿って上下動自在に支持された可動枠4に支軸15により軸支されている。この可動枠4の下端部と一対のシェル8,8の駆動端部8o,8oとがリンク16,16により枢支連結されていて、可動枠4が図1に示すような下限位置にある時、シェル8,8が開放状態にあり、この下限位置から上動することにより、リンク16,16を介してシェル8,8が閉動するようになっている。
【0019】
図2の(c) 及び図7に示すように、円筒状グラブ本体1内の中間部にはガイドシーブ用のブラケット17が配設固定され、このブラケット17の本体枠17a上に取り付けられたシーブ枠47にガイドシーブ6が支軸18によって軸支され、本体枠17a内部に小径ガイドシーブ7aと大径7bとが支軸19によって軸支されている。ガイドシーブ用ブラケット17を円筒状グラブ本体1内の中間部に取り付ける場合、グラブ本体1が1本の連続した円筒体であれば、その内部中間部にブラケット17を取り付けることが非常に困難となるため、このグラブ本体1は、図1に示すように上部円筒体1aと下部円筒体1bとに分割形成して、その対向端部どうしを切り離し可能に連結した構成とし(その連結部を図1に1cで示す)、そうしてブラケット17は上下両円筒体1a,1bを連結する前に例えば下部円筒体1b内に上端側に取り付けて、その取付後に両円筒体1a,1bを連結するようにしている。
【0020】
前記モンケン2は、円筒状グラブ本体1の外周に沿う厚肉円筒状に形成され、グラブ本体1の外径より僅かに大きい内径及びグラブ本体1の長さの約2/3程度の長さを有する鉄製の重錘で、このグラブ本体1に昇降自在に套嵌されて、常時は、図1に示すように、グラブ本体1の下端部外周に周設されたモンケン受け20に支持されている。尚、図10の(a) はモンケン2の正面図、(b) は(a) のE−E線断面図、(c) は(b) のF−F線断面図で、これらの図から分かるように、モンケン2の中間部に開口窓31が周方向90°間隔おきに設けてあって、モンケン2の直径方向に対向する1対の開口窓31,31には夫々の下端面側に取付台座31aが突設され、この取付台座31aにネジ孔31bが設けてある。
【0021】
また図1に示すように、グラブ本体1の蓋体1oにはその中央部に、クレーン(図示省略)によって昇降操作されるセントラルチェーン21及びこれの下端部に垂下連結されたワイヤー9をグラブ本体1内に挿通案内するガイドスリーブ22が設けられている。セントラルチェーン21の下端部に連結されたワイヤー9は、図2の(a) から分かるように、グラブ本体1の軸芯に沿って垂下し、ブラケット17の上部側に設けられたガイドシーブ6からその下方の小径ガイドシーブ7aを経由して、可動枠4にある動滑車5a,5bの一方の動滑車5aに巻き掛けられた後、上向きに延びて大径ガイドシーブ7bに巻き掛けられ、そこから下方に延びて他方の動滑車5bに巻き掛けられ、この動滑車5bから上方の定滑車3に巻き掛けられて、この定滑車3から下向きに延びたワイヤー9の終端9boにワイヤー緊張用錘10が垂下連結されている。
【0022】
そして、このワイヤー9は、始端部側9aの所要部で、即ち、図1に示すようにセントラルチェーン21から垂下されてガイドシーブ6に通される手前側部位で、連結部材11によりモンケン2と連結されて、モンケン2と上下方向に一体的に上下動し得るようになっている。この連結部材11は、図1,図2及び図9に示すように、中央部を屈曲させて、その片面側に凹段部24を形成し、この凹段部24には複数のネジ孔25を設けると共に、凹段部24の中央部にワイヤー9が嵌合する断面半円状の凹溝24aを設け、また板状本体23の両端下部にボルト挿通孔26a付き取付片26を固着し、そしてまた凹段部24には、内側面中央部に断面半円状の凹溝27aを形成したワイヤー挟み板27を対面させて、ボルト挿通孔27bから挿通したボルト28を凹段部24側のネジ孔25にねじ込むようになっている。
【0023】
この連結部材11の取付けにあたっては、ワイヤー始端部側9aの所要部に、板状本体23の凹段部24の凹溝24aとワイヤー挟み板27の凹溝27aとを嵌合させた状態で、ワイヤー挟み板27のボルト挿通孔27bからボルト28を板状本体23の凹段部24のネジ孔25にねじ込んで固定する一方、板状本体23の両端部を、図6の(b) に示すようにグラブ本体1の直径方向両側部に設けられた軸方向に延びるガイド溝29,29の夫々の下端部の広口部30,30から、モンケン2に設けられた直径方向に対向する1対の開口窓部31,31に突入させ、連結部材11の各取付片26のボルト挿通孔26aからモンケン2の開口窓部31の取付台座31aに設けてあるネジ孔31b(図10参照)にボルト32(図2の(b) 参照)をねじ込むことによって、ワイヤー始端部側9aの所要部とモンケン2とを互いに上下方向に一体的に移動可能に連結することができる。また、連結部材11の両端部分は、グラブ本体1に設けられた軸方向に延びるガイド溝29,29に貫通支持されるため、グラブ本体1に対し上下方向に相対移動することができる。
【0024】
また、グラブ本体1のガイド溝29に貫通支持される板状本体23の両端部には、図1、図6の(b) 及び図9に示すように、ガイド溝29の開口端面と摺接する部分に耐摩耗性及び摺動性に優れた材料からなる当て板33が装着されている。
【0025】
また、ワイヤー緊張用錘10は、定滑車3に巻き掛けられたワイヤー9の終端9boにコネクター34を介して垂下連結された棒状体であって、ガイドシーブ用ブラケット17の支持壁部17bに開口されたガイド孔35に挿通されて支持案内されている。そして、このワイヤー緊張用錘10の下端部に、前記ガイド孔35よりも十分に径大の鍔からなるストッパー12が形成されていて、ワイヤー始端部側9aの引き上げ操作により連結部材11を介してモンケン2が所定高さまで上昇した位置で、このストッパー12が支持壁部17bのガイド孔35周辺部に当接して、ワイヤーの終端部側9bをグラブ本体1に対し固定するようになっている。このワイヤー緊張用錘10は円柱状の棒状に形成されているが、円柱状に限らず、角柱状などに形成されてもよい。
【0026】
上記のように構成されるハンマーグラブの作用について、図3〜図5を中心として他の図面をも参照しながら説明すると、図3は、図1と同様に、クレーンから垂下される昇降操作用のセントラルチェーン21によって空中に吊り下げられた状態のハンマーグラブを示す。図3に示すような吊り下げ状態において、可動枠4が下動限位置にあって、シェル8,8は開放されており、グラブ本体1に套嵌されたモンケン2は、その自重でモンケン受け20に支持された下限位置にあり、またワイヤー9の始端部側9aを引張しているセントラルチェーン21は、ガイドスリーブ22内に突入作動したロック爪36によりロックされ、従ってグラブ本体1内のワイヤー9は、終端部側9bに垂下連結されたワイヤー緊張用錘10によって緊張状態を維持している。
【0027】
図3に示すような吊り下げ状態からハンマーグラブを掘削すべき地盤に向けて落下させると、シェル8,8が開放状態で地盤中に食い込む。この時、グラブ本体1上部のガイドスリーブ22内でセントラルチェーン21をロックしているロック爪36がロック解除されて、クレーン側での巻き上げ・巻き下げ操作によるワイヤー9の引き上げ・引き下げが可能な状態となるから、この状態でクレーン側での巻き上げ操作によりセントラルチェーン21を介してワイヤー9の始端部側9aを引き上げると、連結部材11を介してワイヤー始端部側9aと一体移動可能に連結されているモンケン2が上昇していく。即ち、この時は、ワイヤー終端部側9bはグラブ本体1に対し固定されておらず、動滑車5a,5bはワイヤー9を通過させるだけで可動枠4を下限位置に停止させた状態にあるから、ワイヤー9の引き上げにより、これに連動してモンケン2が上昇することになる。
【0028】
こうしてモンケン2が図1及び図3の実線図示位置から図4に示す位置までストロークSa上昇すると、ワイヤー緊張用錘10下端のストッパー12が、図4に示すようにブラケット17の支持壁部17bに当たって、ワイヤー終端部側9bがグラブ本体1に固定される。ここでワイヤー始端部側9aを更に引き上げると、動滑車5a,5bにより可動枠4が上動してシェル8,8が閉動することになるから、シェル8,8の開放状態を維持するために、ストッパー12がブラケット17の支持壁部17bに当たった時点で、クレーン側でのワイヤー巻き下げ操作によりワイヤー9を緩めると、モンケン2がモンケン受け20上に落下して、その落下衝撃力によりシェル8、8が地盤中に更に食い込んでいく。モンケン2の落下後、再びワイヤー9を引き上げて、モンケン2を所定のストロークSa上昇させ、その上昇位置でワイヤー9を緩めてモンケン2を落下させる、という上記操作を複数回繰り返すことによって、シェル8,8を地盤中に十分に食い込ませて掘削することができる。
【0029】
上記のようなモンケン2の落下操作を所定ストロークSa間で複数回繰り返してシェル8,8を地盤中に十分に食い込ませた後、モンケン2が図1及び図3の実線で示す下限位置にある状態から、ワイヤー9の引き上げ操作を行うと、ストッパー12がブラケット17の支持壁部17bに当たってワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定されるまではシェル8の開放状態が維持されるが、図4に示すようにワイヤー終端部側9bがグラブ本体1に固定された状態から更にワイヤー9を引き上げていくと、このワイヤー9により動滑車5a,5bを介して可動枠4が下限位置から上限位置へと上動し始める。この時、可動枠4は、並設された2つの動滑車5a,5bによりワイヤー始端部側9a側の引き上げ力の4倍の力で引き上げられる。この可動枠4の上動によって、シェル8,8は徐々に閉止動作を開始し、地盤中に十分に食い込んで掘削した多量の土砂を取り込み、そうして可動枠4が図5に示すような上限位置に到達し、モンケン2が図5の図示位置及び図1の最上段の仮想線図示位置に到達した時に、シェル8,8は完全閉止となる。尚、図1及び図5において、Sbはシェル8,8が全開状態から完全閉止状態に至るまでのモンケン2の昇降ストロークを示す。
【0030】
上記のようにシェル8,8が土砂を取り込んで閉止した後は、図示は省略するが、クレーンからクラウン昇降ワイヤーに吊持されて降りてくる周知のクラウンにより、グラブ本体1の上端部にあるガイドスリーブ22を掴んでグラブ本体1を吊持した状態でハンマーグラブを所定の排土場所まで移動させ、そこでワイヤー9を巻き下げると、可動枠4が下動してシェル8,8が開放され、排土されることになる。排土後は、更にワイヤー9を巻き下げることによって、モンケン2を下限位置へ下ろし、それから少しだけワイヤー9を引き上げることによって、グラブ本体1をクラウンから解放させる。
【0031】
以上説明したようなハンマーグラブによれば、ワイヤー終端部側9bがストッパー12によってグラブ本体1側に固定されるまではシェル8の開放状態が維持され、ワイヤー9の終端部側9bがグラブ本体1側に固定された状態でワイヤー9を更に引き上げることによってシェル8が閉動するようになっているから、ストッパー12によりワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定されるまでの間に、モンケン2を所定ストロークSa上昇させては落下させるという工程を複数回繰り返し行うことによって、グラブ本体1に対しモンケン2の落下時の衝撃力を何度も加えることができ、それによりシェル8,8を地盤中に十分に食い込ませることができて、掘削土砂の掴み容量を増大させ、掘削・排土作業を効率良く行うことができる。
【0032】
また、このハンマーグラブによれば、一本のワイヤー9によってモンケン2の落下操作とシェル8,8の開閉駆動を行わせるように構成しているため、構造が簡単となり、製作コストの低廉化及びメンテナンスの容易化を図ることができる。
【0033】
またこのハンマーグラブでは、モンケン2がグラブ本体1の外周に沿う筒形状、例えば円筒形状に形成されることにより、製作が容易となる。
【0034】
また、この筒形状のモンケン2は、グラブ本体1に昇降自在に套嵌されると共にグラブ本体1の下端部外周に周設したモンケン受け20に支持されているから、モンケン2が落下する時の落下衝撃力をグラブ本体1を通じてシェル8,8側に有効に負荷することができる。
【0035】
また、ワイヤー緊張用錘10は、棒状に形成されていて、グラブ本体1に設けたガイド孔35で昇降自在に支持案内されるようになっているから、グラブ本体1内の比較的狭い空間部内において、その機能を有効に発揮することができる。
【0036】
また、モンケン2とワイヤー始端部側9aとを連結する連結部材11は、グラブ本体1をその直径方向に貫通して、その両端部がモンケン2に連結されると共に、グラブ本体1の直径方向対称位置に夫々軸方向に設けたガイド溝29に支持案内されるようになっているから、製作及び組立てが容易となる。
【0037】
図11の(a) はハンマーグラブの他の実施形態を示す。ここに示すハンマーグラブは、上述した先の実施形態のハンマーグラブと概ね同じ構造であるが、下記の点で相違する。即ち、グラブ本体1内には、先の実施形態のグラブ本体1の中間部に設けてあったガイドシーブ6,7a,7bが無く、その代りに、可動枠4上にブラケット37を取り付けて、これにガイドシーブ38,39を上下二段に軸架し、グラブ本体1内の上部には2つの定滑車3,48を並設し、そしてセントラルチェーン21からグラブ本体1の軸芯に沿って垂下したワイヤー9を、ブラケット37に軸架された上段側ガイドシーブ39の一側部から下段側ガイドシーブ38との間に通してこの下段側ガイドシーブ38の他側部(上段側ガイドシーブ39とは反対側の側部)を通過させて、可動枠4の一方の動滑車5aに巻き掛けると共に、この動滑車5aから上方に延ばして上部側の定滑車48に巻き掛けた後、下方へ延ばして可動枠4の他方の動滑車5bに巻き掛け、この動滑車5bから上方へ延ばして上部側の定滑車3に巻き掛け、この定滑車3から下向きに延びたワイヤー9の終端9boにワイヤー緊張用錘10を垂下連結させると共に、このワイヤー終端部側9bには定滑車3の手前側にストッパー取付用の棒体40をその両端部のコネクター34,42によって介装し、この棒体40の上端側にストッパー12を設けている。
【0038】
また、ワイヤー緊張用錘10及びストッパー取付用の棒体40は、グラブ本体1内の上部側に配設された支持壁板41に設けてあるガイド孔35,44によって昇降自在に支持案内されるようになっており、そして棒体40を支持案内するガイド孔44の上端部にはストッパー12が当接するストッパー受け43が設けられている。
【0039】
ワイヤー9の始端部側9aとモンケン2とを連結する連結部材11については、ワイヤー始端部側9aとの連結方法は、先の実施形態と同じ構造であるため説明を省略するが、連結部材11とモンケン2との連結方法は、板状本体23の両端部を、グラブ本体1の直径方向両側部に設けられた軸方向に延びるガイド溝29,29の夫々の下端部の広口部30,30(図6の(b) 参照)から、モンケン2の直径方向両側部に設けられた夫々一対のリブ45,45間に突入させて、ピン46で固定するようにしている。尚、この図11に示すモンケン2は、上部側円筒体2aと下部側円筒体2bとを、両円筒体2a,2b間に周方向に間隔をおいて介在する複数のリブ45,49により一体に連結した構造となっており、板状本体23の端部をリブ45に固定する上記ピン46は、リブ45とリブ49との空間部を利用して差し込むようになっている。
【0040】
この図11に示すハンマーグラブの作用については、先の実施形態のハンマーグラブとほとんど同じで、このハンマーグラブを同図の吊り下げ状態から落下させると、シェル8,8が開放状態で地盤中に食い込む。この状態からワイヤー9の始端部側9aを引き上げると、連結部材11を介してワイヤー始端部側9aと一体移動可能に連結されているモンケン2が上昇する。モンケン2が所定ストローク上昇すると、ストッパー取付用棒体40の上端部にあるストッパー12が、支持壁板41のストッパー受け43に当接して、ワイヤー終端部側9bがグラブ本体1に固定されるから、ストッパー12がストッパー受け43に当たった時点で、ワイヤー9を緩めると、モンケン2がグラブ本体1側のモンケン受け20上に落下して、その落下衝撃力によりシェル8、8が地盤中に更に食い込む。この後、上記の操作を複数回繰り返すことにより、シェル8,8を地盤中に十分に食い込ませて掘削することができる。
【0041】
また、この図11に示すハンマーグラブは、前記したようにグラブ本体1内の中間部にガイドシーブが設けられていないため、先の実施形態のハンマーグラブのグラブ本体1のように上部円筒体1aと下部円筒体1bとに分割して形成する必要がなく、グラブ本体1の全体を1本の円筒体によって形成できる。
【符号の説明】
【0042】
1 グラブ本体
2 モンケン
3 定滑車
4 可動枠
5a,5b 動滑車
6,7a,7b ガイドシーブ
8 シェル
9 ワイヤー
9a ワイヤー始端部側
9b ワイヤー終端部側
10 ワイヤー緊張用錘
11 連結部材
12 ストッパー
【技術分野】
【0001】
本発明は、場所打ち杭工法その他の基礎工事における掘削及び排土作業などに使用されるハンマーグラブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハンマーグラブとして、グラブ本体内の上部に定滑車を設け、下部にはグラブ本体に対し上下動する可動枠に動滑車を設けて、これらの滑車にワイヤーを巻き掛け、グラブ本体の下端部にはシェルを開閉自在に枢着すると共に、シェルの駆動端部を可動枠に枢支連結し、クレーンを巻き上げ操作してワイヤーを引き上げることにより、可動枠を上下動させてシェルを開閉駆動するようにしたものが知られている。
【0003】
このハンマーグラブの使用による掘削・排土作業においては、クレーンにより巻き上げ・巻き下げ操作される上記ワイヤーによって、シェルを開放させた状態でハンマーグラブを地上高く吊り上げて落下させ、地面への落下衝撃力で所定深さ貫入掘削した後、シェルの閉止動作により掘削土砂を掴み取り、シェルを閉じたままハンマーグラブを引き上げて所定の場所へ排土する、という操作を繰り返し行うようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように従来のハンマーグラブでは、ハンマーグラブを所要の高さ位置から地上に1回落下させて、その1回の衝撃力でシェルを地盤中に食い込ませて掘削した後、シェルを閉動して土砂を掴み取るようになっているから、必然的に1回毎の土砂の掘削排土量、即ち掴み容量が制限されると共に、地盤の硬さ等によってその掴み容量も大きく変わってくるという課題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みて、落下した際の衝撃力で仕事を行うグラブ本体側に対し独立して落下衝撃力を発生するモンケンを設けると共に、モンケンを何回でも所定高さから落下させることができるようにすることによって、従来のハンマーグラブよりも土砂の掴み容量を増大させて掘削・排土作業を効率良く行うことができるハンマーグラブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明のハンマーグラブは、グラブ本体1にモンケン2を落下時にグラブ本体1に対し衝撃力を負荷するように昇降自在に設け、グラブ本体1内の上部に定滑車3(3,48)を、下部にはグラブ本体1に対し上下動する可動枠4に動滑車5a,5bを夫々設け、グラブ本体1の下端部にはシェル8,8を開閉自在に枢着して、シェル8の駆動端部8oを可動枠4に枢支連結し、グラブ本体1内に上方より垂下した一本のワイヤー9を下部の動滑車5a,5bと上部の定滑車3(3,48)とに亘って巻き掛け、定滑車3から下向きに延びるワイヤー9の終端部9boにワイヤー緊張用錘10を垂下連結し、グラブ本体1内の上方より垂下するワイヤー始端部側9aとモンケン2とを連結部材11により上下一体移動可能に連結すると共に、この連結部材11をグラブ本体1に上下相対移動可能に貫通支持させ、ワイヤー9を引き上げ操作して連結部材11を介してモンケン2を上昇させる時に所定の上昇位置でワイヤー終端部側9bをグラブ本体1側に固定するストッパー12を設け、このストッパー12によりワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定されるまではシェル8の開放状態が維持され、ワイヤー終端部側9bがグラブ本体1に固定された状態でワイヤー9を更に引き上げることによってシェル8が閉動するようになっていることを特徴とする。
【0007】
請求項2は、請求項1に記載のハンマーグラブにおいて、前記モンケン2はグラブ本体1の外周に沿う筒形状に形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3は、請求項2に記載のハンマーグラブにおいて、前記筒形状のモンケン2は、グラブ本体1に昇降自在に套嵌されると共にグラブ本体1の下端部外周に周設したモンケン受け20に支持されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4は、請求項1〜3の何れかに記載のハンマーグラブにおいて、前記ワイヤー緊張用錘10は、棒状に形成され、グラブ本体1に設けたガイド孔35で昇降自在に支持案内されるようになっていることを特徴とする。
【0010】
請求項5は、請求項1〜4の何れかに記載のハンマーグラブにおいて、前記連結部材11は、グラブ本体1をその直径方向に貫通して、その両端部がモンケン2に連結されると共に、グラブ本体1の直径方向対称位置に夫々軸方向に設けたガイド溝29に支持案内されるようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、ワイヤー終端部側9bがストッパー12によりグラブ本体1側に固定されるまではシェル8の開放状態が維持され、ワイヤー9の終端部側9bがグラブ本体1に固定された状態でワイヤー9を更に引き上げることによってシェル8が閉動するようになっているから、ストッパー12によってワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定されるまでの間に、モンケン2を所定ストロークSa上昇させては落下させるという工程を複数回繰り返し行うことにより、グラブ本体1に対しモンケン2の落下時の衝撃力を何度も加えることができ、それによりシェル8,8を地盤中に十分に食い込ませることができて、掘削土砂の掴み容量を増大させ、掘削・排土作業を効率良く行うことができる。また、一本のワイヤー9によってモンケン2の落下操作とシェル8,8の開閉駆動を行わせるように構成しているため、構造が簡単となり、製作コストの低廉化及びメンテナンスの容易化を図ることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、モンケン2がグラブ本体1の外周に沿う筒形状形成されることにより、製作が容易となる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、筒形状のモンケン2が、グラブ本体1に昇降自在に套嵌されると共にグラブ本体1の下端部外周に周設したモンケン受け20に支持されるから、モンケン2が落下する時の落下衝撃力をグラブ本体1を通じてシェル8,8側に有効に負荷することができる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、ワイヤー緊張用錘10は、棒状に形成されていて、グラブ本体1に設けたガイド孔35で昇降自在に支持案内されるようになっているから、グラブ本体1内の比較的狭い空間部内において、その機能を有効に発揮できる。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、連結部材11は、グラブ本体1をその直径方向に貫通して、その両端部がモンケン2に連結されると共に、グラブ本体1の直径方向対称位置に夫々軸方向に設けたガイド溝29に支持案内されるようになっているから、製作及び組立てが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るハンマーグラブの縦断面図である。
【図2】(a) は図1のA−A線拡大断面図、(b) はB−B線拡大断面図、(c) はC−C線拡大断面図、(d) はD−D線拡大断面図である。
【図3】同ハンマーグラブの吊り下げ状態での縦断面図である。
【図4】同ハンマーグラブの使用においてモンケンが所定高さ上昇した状態の縦断面図である。
【図5】同ハンマーグラブの使用においてシェルが閉じた状態の縦断面図である。
【図6】(a) は同ハンマーグラブからモンケンを取り外した状態の縦断面図、(b) は連結部材を案内するガイド溝が見える方向から見たグラブ本体の側面図である。
【図7】ガイド滑車を取り付けている取付円板の平面図である。
【図8】ガイド滑車群と動滑車との位置関係を示す平面図である。
【図9】(a) は連結部材を示す正面図、(b) は平面図、(c) は側面図である。
【図10】モンケンを示すもので、(a) は正面図、(b) は(a) のE−E線断面図であり、(c) は(b) のF−F線断面図である。
【図11】(a) は他の実施形態によるハンマーグラブを示すもので、(b) は(a) のG−G線断面図、(c) はH−H線断面図、(d) はI−I線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、本発明に係るハンマーグラブは、図1及び図2に示すように、円筒状のグラブ本体1に円筒状のモンケン2を、その落下時にグラブ本体1に対し衝撃力を負荷するように昇降自在に套嵌し、グラブ本体1内の上部に定滑車3を、下部にはグラブ本体1に対し所定ストローク上下動する可動枠4に動滑車5a,5bを夫々設け、中間部にはガイドシーブ6,7a,7b(固定滑車)を設け、またグラブ本体1の下端部には一対のシェル8,8を開閉自在に枢着して、これらシェル8,8の駆動端部8o,8oを可動枠4に枢支連結し、そしてクレーン(図示省略)よりグラブ本体1内に垂下したワイヤー9を、ガイドシーブ6,7a,7bを介して2つの動滑車5a,5bに巻き掛けると共に、動滑車5bから上方の定滑車3に巻き掛けて、定滑車3から下向きに延びるワイヤー9の終端9boにワイヤー緊張用錘10を垂下連結し、またグラブ本体1内に上方より垂下するワイヤー9の始端部側9aの所要部とモンケン2とを連結部材11により上下方向一体移動可能に連結すると共に、この連結部材11をグラブ本体に対し上下方向相対移動可能に貫通支持させ、しかしてワイヤー9の引き上げ操作により連結部材11を介してモンケン2を上昇させる時にモンケン2の所定上昇位置でワイヤー9の終端部側9bをグラブ本体1側に固定するストッパー12を設け、このストッパーによってワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定されるまではシェル8,8の開放状態が維持され、ワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定された状態でワイヤー9を更に引き上げることによってシェル8が閉動するようにしたものである。
【0018】
上記ハンマーグラブの構造について更に詳しく説明すれば、定滑車3は、図1及び図2の(a) に示すように、グラブ本体1内の上部で軸芯位置から内周側へ寄った位置に取り付けられたブラケット13に支軸14によって軸支されている。動滑車5a,5bは、図1及び図2の(d) に示すように、グラブ本体1内の下部でグラブ本体1の内周面に沿って上下動自在に支持された可動枠4に支軸15により軸支されている。この可動枠4の下端部と一対のシェル8,8の駆動端部8o,8oとがリンク16,16により枢支連結されていて、可動枠4が図1に示すような下限位置にある時、シェル8,8が開放状態にあり、この下限位置から上動することにより、リンク16,16を介してシェル8,8が閉動するようになっている。
【0019】
図2の(c) 及び図7に示すように、円筒状グラブ本体1内の中間部にはガイドシーブ用のブラケット17が配設固定され、このブラケット17の本体枠17a上に取り付けられたシーブ枠47にガイドシーブ6が支軸18によって軸支され、本体枠17a内部に小径ガイドシーブ7aと大径7bとが支軸19によって軸支されている。ガイドシーブ用ブラケット17を円筒状グラブ本体1内の中間部に取り付ける場合、グラブ本体1が1本の連続した円筒体であれば、その内部中間部にブラケット17を取り付けることが非常に困難となるため、このグラブ本体1は、図1に示すように上部円筒体1aと下部円筒体1bとに分割形成して、その対向端部どうしを切り離し可能に連結した構成とし(その連結部を図1に1cで示す)、そうしてブラケット17は上下両円筒体1a,1bを連結する前に例えば下部円筒体1b内に上端側に取り付けて、その取付後に両円筒体1a,1bを連結するようにしている。
【0020】
前記モンケン2は、円筒状グラブ本体1の外周に沿う厚肉円筒状に形成され、グラブ本体1の外径より僅かに大きい内径及びグラブ本体1の長さの約2/3程度の長さを有する鉄製の重錘で、このグラブ本体1に昇降自在に套嵌されて、常時は、図1に示すように、グラブ本体1の下端部外周に周設されたモンケン受け20に支持されている。尚、図10の(a) はモンケン2の正面図、(b) は(a) のE−E線断面図、(c) は(b) のF−F線断面図で、これらの図から分かるように、モンケン2の中間部に開口窓31が周方向90°間隔おきに設けてあって、モンケン2の直径方向に対向する1対の開口窓31,31には夫々の下端面側に取付台座31aが突設され、この取付台座31aにネジ孔31bが設けてある。
【0021】
また図1に示すように、グラブ本体1の蓋体1oにはその中央部に、クレーン(図示省略)によって昇降操作されるセントラルチェーン21及びこれの下端部に垂下連結されたワイヤー9をグラブ本体1内に挿通案内するガイドスリーブ22が設けられている。セントラルチェーン21の下端部に連結されたワイヤー9は、図2の(a) から分かるように、グラブ本体1の軸芯に沿って垂下し、ブラケット17の上部側に設けられたガイドシーブ6からその下方の小径ガイドシーブ7aを経由して、可動枠4にある動滑車5a,5bの一方の動滑車5aに巻き掛けられた後、上向きに延びて大径ガイドシーブ7bに巻き掛けられ、そこから下方に延びて他方の動滑車5bに巻き掛けられ、この動滑車5bから上方の定滑車3に巻き掛けられて、この定滑車3から下向きに延びたワイヤー9の終端9boにワイヤー緊張用錘10が垂下連結されている。
【0022】
そして、このワイヤー9は、始端部側9aの所要部で、即ち、図1に示すようにセントラルチェーン21から垂下されてガイドシーブ6に通される手前側部位で、連結部材11によりモンケン2と連結されて、モンケン2と上下方向に一体的に上下動し得るようになっている。この連結部材11は、図1,図2及び図9に示すように、中央部を屈曲させて、その片面側に凹段部24を形成し、この凹段部24には複数のネジ孔25を設けると共に、凹段部24の中央部にワイヤー9が嵌合する断面半円状の凹溝24aを設け、また板状本体23の両端下部にボルト挿通孔26a付き取付片26を固着し、そしてまた凹段部24には、内側面中央部に断面半円状の凹溝27aを形成したワイヤー挟み板27を対面させて、ボルト挿通孔27bから挿通したボルト28を凹段部24側のネジ孔25にねじ込むようになっている。
【0023】
この連結部材11の取付けにあたっては、ワイヤー始端部側9aの所要部に、板状本体23の凹段部24の凹溝24aとワイヤー挟み板27の凹溝27aとを嵌合させた状態で、ワイヤー挟み板27のボルト挿通孔27bからボルト28を板状本体23の凹段部24のネジ孔25にねじ込んで固定する一方、板状本体23の両端部を、図6の(b) に示すようにグラブ本体1の直径方向両側部に設けられた軸方向に延びるガイド溝29,29の夫々の下端部の広口部30,30から、モンケン2に設けられた直径方向に対向する1対の開口窓部31,31に突入させ、連結部材11の各取付片26のボルト挿通孔26aからモンケン2の開口窓部31の取付台座31aに設けてあるネジ孔31b(図10参照)にボルト32(図2の(b) 参照)をねじ込むことによって、ワイヤー始端部側9aの所要部とモンケン2とを互いに上下方向に一体的に移動可能に連結することができる。また、連結部材11の両端部分は、グラブ本体1に設けられた軸方向に延びるガイド溝29,29に貫通支持されるため、グラブ本体1に対し上下方向に相対移動することができる。
【0024】
また、グラブ本体1のガイド溝29に貫通支持される板状本体23の両端部には、図1、図6の(b) 及び図9に示すように、ガイド溝29の開口端面と摺接する部分に耐摩耗性及び摺動性に優れた材料からなる当て板33が装着されている。
【0025】
また、ワイヤー緊張用錘10は、定滑車3に巻き掛けられたワイヤー9の終端9boにコネクター34を介して垂下連結された棒状体であって、ガイドシーブ用ブラケット17の支持壁部17bに開口されたガイド孔35に挿通されて支持案内されている。そして、このワイヤー緊張用錘10の下端部に、前記ガイド孔35よりも十分に径大の鍔からなるストッパー12が形成されていて、ワイヤー始端部側9aの引き上げ操作により連結部材11を介してモンケン2が所定高さまで上昇した位置で、このストッパー12が支持壁部17bのガイド孔35周辺部に当接して、ワイヤーの終端部側9bをグラブ本体1に対し固定するようになっている。このワイヤー緊張用錘10は円柱状の棒状に形成されているが、円柱状に限らず、角柱状などに形成されてもよい。
【0026】
上記のように構成されるハンマーグラブの作用について、図3〜図5を中心として他の図面をも参照しながら説明すると、図3は、図1と同様に、クレーンから垂下される昇降操作用のセントラルチェーン21によって空中に吊り下げられた状態のハンマーグラブを示す。図3に示すような吊り下げ状態において、可動枠4が下動限位置にあって、シェル8,8は開放されており、グラブ本体1に套嵌されたモンケン2は、その自重でモンケン受け20に支持された下限位置にあり、またワイヤー9の始端部側9aを引張しているセントラルチェーン21は、ガイドスリーブ22内に突入作動したロック爪36によりロックされ、従ってグラブ本体1内のワイヤー9は、終端部側9bに垂下連結されたワイヤー緊張用錘10によって緊張状態を維持している。
【0027】
図3に示すような吊り下げ状態からハンマーグラブを掘削すべき地盤に向けて落下させると、シェル8,8が開放状態で地盤中に食い込む。この時、グラブ本体1上部のガイドスリーブ22内でセントラルチェーン21をロックしているロック爪36がロック解除されて、クレーン側での巻き上げ・巻き下げ操作によるワイヤー9の引き上げ・引き下げが可能な状態となるから、この状態でクレーン側での巻き上げ操作によりセントラルチェーン21を介してワイヤー9の始端部側9aを引き上げると、連結部材11を介してワイヤー始端部側9aと一体移動可能に連結されているモンケン2が上昇していく。即ち、この時は、ワイヤー終端部側9bはグラブ本体1に対し固定されておらず、動滑車5a,5bはワイヤー9を通過させるだけで可動枠4を下限位置に停止させた状態にあるから、ワイヤー9の引き上げにより、これに連動してモンケン2が上昇することになる。
【0028】
こうしてモンケン2が図1及び図3の実線図示位置から図4に示す位置までストロークSa上昇すると、ワイヤー緊張用錘10下端のストッパー12が、図4に示すようにブラケット17の支持壁部17bに当たって、ワイヤー終端部側9bがグラブ本体1に固定される。ここでワイヤー始端部側9aを更に引き上げると、動滑車5a,5bにより可動枠4が上動してシェル8,8が閉動することになるから、シェル8,8の開放状態を維持するために、ストッパー12がブラケット17の支持壁部17bに当たった時点で、クレーン側でのワイヤー巻き下げ操作によりワイヤー9を緩めると、モンケン2がモンケン受け20上に落下して、その落下衝撃力によりシェル8、8が地盤中に更に食い込んでいく。モンケン2の落下後、再びワイヤー9を引き上げて、モンケン2を所定のストロークSa上昇させ、その上昇位置でワイヤー9を緩めてモンケン2を落下させる、という上記操作を複数回繰り返すことによって、シェル8,8を地盤中に十分に食い込ませて掘削することができる。
【0029】
上記のようなモンケン2の落下操作を所定ストロークSa間で複数回繰り返してシェル8,8を地盤中に十分に食い込ませた後、モンケン2が図1及び図3の実線で示す下限位置にある状態から、ワイヤー9の引き上げ操作を行うと、ストッパー12がブラケット17の支持壁部17bに当たってワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定されるまではシェル8の開放状態が維持されるが、図4に示すようにワイヤー終端部側9bがグラブ本体1に固定された状態から更にワイヤー9を引き上げていくと、このワイヤー9により動滑車5a,5bを介して可動枠4が下限位置から上限位置へと上動し始める。この時、可動枠4は、並設された2つの動滑車5a,5bによりワイヤー始端部側9a側の引き上げ力の4倍の力で引き上げられる。この可動枠4の上動によって、シェル8,8は徐々に閉止動作を開始し、地盤中に十分に食い込んで掘削した多量の土砂を取り込み、そうして可動枠4が図5に示すような上限位置に到達し、モンケン2が図5の図示位置及び図1の最上段の仮想線図示位置に到達した時に、シェル8,8は完全閉止となる。尚、図1及び図5において、Sbはシェル8,8が全開状態から完全閉止状態に至るまでのモンケン2の昇降ストロークを示す。
【0030】
上記のようにシェル8,8が土砂を取り込んで閉止した後は、図示は省略するが、クレーンからクラウン昇降ワイヤーに吊持されて降りてくる周知のクラウンにより、グラブ本体1の上端部にあるガイドスリーブ22を掴んでグラブ本体1を吊持した状態でハンマーグラブを所定の排土場所まで移動させ、そこでワイヤー9を巻き下げると、可動枠4が下動してシェル8,8が開放され、排土されることになる。排土後は、更にワイヤー9を巻き下げることによって、モンケン2を下限位置へ下ろし、それから少しだけワイヤー9を引き上げることによって、グラブ本体1をクラウンから解放させる。
【0031】
以上説明したようなハンマーグラブによれば、ワイヤー終端部側9bがストッパー12によってグラブ本体1側に固定されるまではシェル8の開放状態が維持され、ワイヤー9の終端部側9bがグラブ本体1側に固定された状態でワイヤー9を更に引き上げることによってシェル8が閉動するようになっているから、ストッパー12によりワイヤー終端部側9bがグラブ本体1側に固定されるまでの間に、モンケン2を所定ストロークSa上昇させては落下させるという工程を複数回繰り返し行うことによって、グラブ本体1に対しモンケン2の落下時の衝撃力を何度も加えることができ、それによりシェル8,8を地盤中に十分に食い込ませることができて、掘削土砂の掴み容量を増大させ、掘削・排土作業を効率良く行うことができる。
【0032】
また、このハンマーグラブによれば、一本のワイヤー9によってモンケン2の落下操作とシェル8,8の開閉駆動を行わせるように構成しているため、構造が簡単となり、製作コストの低廉化及びメンテナンスの容易化を図ることができる。
【0033】
またこのハンマーグラブでは、モンケン2がグラブ本体1の外周に沿う筒形状、例えば円筒形状に形成されることにより、製作が容易となる。
【0034】
また、この筒形状のモンケン2は、グラブ本体1に昇降自在に套嵌されると共にグラブ本体1の下端部外周に周設したモンケン受け20に支持されているから、モンケン2が落下する時の落下衝撃力をグラブ本体1を通じてシェル8,8側に有効に負荷することができる。
【0035】
また、ワイヤー緊張用錘10は、棒状に形成されていて、グラブ本体1に設けたガイド孔35で昇降自在に支持案内されるようになっているから、グラブ本体1内の比較的狭い空間部内において、その機能を有効に発揮することができる。
【0036】
また、モンケン2とワイヤー始端部側9aとを連結する連結部材11は、グラブ本体1をその直径方向に貫通して、その両端部がモンケン2に連結されると共に、グラブ本体1の直径方向対称位置に夫々軸方向に設けたガイド溝29に支持案内されるようになっているから、製作及び組立てが容易となる。
【0037】
図11の(a) はハンマーグラブの他の実施形態を示す。ここに示すハンマーグラブは、上述した先の実施形態のハンマーグラブと概ね同じ構造であるが、下記の点で相違する。即ち、グラブ本体1内には、先の実施形態のグラブ本体1の中間部に設けてあったガイドシーブ6,7a,7bが無く、その代りに、可動枠4上にブラケット37を取り付けて、これにガイドシーブ38,39を上下二段に軸架し、グラブ本体1内の上部には2つの定滑車3,48を並設し、そしてセントラルチェーン21からグラブ本体1の軸芯に沿って垂下したワイヤー9を、ブラケット37に軸架された上段側ガイドシーブ39の一側部から下段側ガイドシーブ38との間に通してこの下段側ガイドシーブ38の他側部(上段側ガイドシーブ39とは反対側の側部)を通過させて、可動枠4の一方の動滑車5aに巻き掛けると共に、この動滑車5aから上方に延ばして上部側の定滑車48に巻き掛けた後、下方へ延ばして可動枠4の他方の動滑車5bに巻き掛け、この動滑車5bから上方へ延ばして上部側の定滑車3に巻き掛け、この定滑車3から下向きに延びたワイヤー9の終端9boにワイヤー緊張用錘10を垂下連結させると共に、このワイヤー終端部側9bには定滑車3の手前側にストッパー取付用の棒体40をその両端部のコネクター34,42によって介装し、この棒体40の上端側にストッパー12を設けている。
【0038】
また、ワイヤー緊張用錘10及びストッパー取付用の棒体40は、グラブ本体1内の上部側に配設された支持壁板41に設けてあるガイド孔35,44によって昇降自在に支持案内されるようになっており、そして棒体40を支持案内するガイド孔44の上端部にはストッパー12が当接するストッパー受け43が設けられている。
【0039】
ワイヤー9の始端部側9aとモンケン2とを連結する連結部材11については、ワイヤー始端部側9aとの連結方法は、先の実施形態と同じ構造であるため説明を省略するが、連結部材11とモンケン2との連結方法は、板状本体23の両端部を、グラブ本体1の直径方向両側部に設けられた軸方向に延びるガイド溝29,29の夫々の下端部の広口部30,30(図6の(b) 参照)から、モンケン2の直径方向両側部に設けられた夫々一対のリブ45,45間に突入させて、ピン46で固定するようにしている。尚、この図11に示すモンケン2は、上部側円筒体2aと下部側円筒体2bとを、両円筒体2a,2b間に周方向に間隔をおいて介在する複数のリブ45,49により一体に連結した構造となっており、板状本体23の端部をリブ45に固定する上記ピン46は、リブ45とリブ49との空間部を利用して差し込むようになっている。
【0040】
この図11に示すハンマーグラブの作用については、先の実施形態のハンマーグラブとほとんど同じで、このハンマーグラブを同図の吊り下げ状態から落下させると、シェル8,8が開放状態で地盤中に食い込む。この状態からワイヤー9の始端部側9aを引き上げると、連結部材11を介してワイヤー始端部側9aと一体移動可能に連結されているモンケン2が上昇する。モンケン2が所定ストローク上昇すると、ストッパー取付用棒体40の上端部にあるストッパー12が、支持壁板41のストッパー受け43に当接して、ワイヤー終端部側9bがグラブ本体1に固定されるから、ストッパー12がストッパー受け43に当たった時点で、ワイヤー9を緩めると、モンケン2がグラブ本体1側のモンケン受け20上に落下して、その落下衝撃力によりシェル8、8が地盤中に更に食い込む。この後、上記の操作を複数回繰り返すことにより、シェル8,8を地盤中に十分に食い込ませて掘削することができる。
【0041】
また、この図11に示すハンマーグラブは、前記したようにグラブ本体1内の中間部にガイドシーブが設けられていないため、先の実施形態のハンマーグラブのグラブ本体1のように上部円筒体1aと下部円筒体1bとに分割して形成する必要がなく、グラブ本体1の全体を1本の円筒体によって形成できる。
【符号の説明】
【0042】
1 グラブ本体
2 モンケン
3 定滑車
4 可動枠
5a,5b 動滑車
6,7a,7b ガイドシーブ
8 シェル
9 ワイヤー
9a ワイヤー始端部側
9b ワイヤー終端部側
10 ワイヤー緊張用錘
11 連結部材
12 ストッパー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラブ本体にモンケンを落下時にグラブ本体に対し衝撃力を負荷するように昇降自在に設け、グラブ本体内の上部に定滑車を、下部にはグラブ本体に対し上下動する可動枠に動滑車を夫々設け、グラブ本体の下端部にはシェルを開閉自在に枢着して、シェルの駆動端部を可動枠に枢支連結し、グラブ本体内に上方より垂下した一本のワイヤーを下部の動滑車と上部の定滑車とに亘って巻き掛け、定滑車から下向きに延びるワイヤーの終端部にワイヤー緊張用錘を垂下連結し、ワイヤーの始端部側とモンケンとを連結部材により上下一体移動可能に連結すると共に、この連結部材をグラブ本体に上下相対移動可能に貫通支持させ、ワイヤーを引き上げ操作して連結部材を介してモンケンを上昇させる時に所定の上昇位置でワイヤー終端部側をグラブ本体側に固定するストッパーを設け、このストッパーによりワイヤー終端部側がグラブ本体側に固定されるまではシェルの開放状態が維持され、ワイヤー終端部側がグラブ本体側に固定された状態でワイヤーを更に引き上げることによってシェルが閉動するようにしてなるハンマーグラブ。
【請求項2】
前記モンケンはグラブ本体の外周に沿う筒形状に形成されている請求項1に記載のハンマーグラブ。
【請求項3】
前記筒形状のモンケンは、グラブ本体に昇降自在に套嵌されると共にグラブ本体の下端部外周に周設したモンケン受けに支持されている請求項2に記載のハンマーグラブ。
【請求項4】
前記ワイヤー緊張用錘は、棒状に形成され、グラブ本体に設けたガイド孔で昇降自在に支持案内されるようになっている請求項1〜3の何れかに記載のハンマーグラブ。
【請求項5】
前記連結部材は、グラブ本体をその直径方向に貫通して、その両端部がモンケンに連結されると共に、グラブ本体の直径方向対称位置に夫々軸方向に設けたガイド溝に支持案内されるようになっている請求項1〜4の何れかに記載のハンマーグラブ。
【請求項1】
グラブ本体にモンケンを落下時にグラブ本体に対し衝撃力を負荷するように昇降自在に設け、グラブ本体内の上部に定滑車を、下部にはグラブ本体に対し上下動する可動枠に動滑車を夫々設け、グラブ本体の下端部にはシェルを開閉自在に枢着して、シェルの駆動端部を可動枠に枢支連結し、グラブ本体内に上方より垂下した一本のワイヤーを下部の動滑車と上部の定滑車とに亘って巻き掛け、定滑車から下向きに延びるワイヤーの終端部にワイヤー緊張用錘を垂下連結し、ワイヤーの始端部側とモンケンとを連結部材により上下一体移動可能に連結すると共に、この連結部材をグラブ本体に上下相対移動可能に貫通支持させ、ワイヤーを引き上げ操作して連結部材を介してモンケンを上昇させる時に所定の上昇位置でワイヤー終端部側をグラブ本体側に固定するストッパーを設け、このストッパーによりワイヤー終端部側がグラブ本体側に固定されるまではシェルの開放状態が維持され、ワイヤー終端部側がグラブ本体側に固定された状態でワイヤーを更に引き上げることによってシェルが閉動するようにしてなるハンマーグラブ。
【請求項2】
前記モンケンはグラブ本体の外周に沿う筒形状に形成されている請求項1に記載のハンマーグラブ。
【請求項3】
前記筒形状のモンケンは、グラブ本体に昇降自在に套嵌されると共にグラブ本体の下端部外周に周設したモンケン受けに支持されている請求項2に記載のハンマーグラブ。
【請求項4】
前記ワイヤー緊張用錘は、棒状に形成され、グラブ本体に設けたガイド孔で昇降自在に支持案内されるようになっている請求項1〜3の何れかに記載のハンマーグラブ。
【請求項5】
前記連結部材は、グラブ本体をその直径方向に貫通して、その両端部がモンケンに連結されると共に、グラブ本体の直径方向対称位置に夫々軸方向に設けたガイド溝に支持案内されるようになっている請求項1〜4の何れかに記載のハンマーグラブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−149188(P2011−149188A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10632(P2010−10632)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(500214912)カトウ建機有限会社 (2)
【出願人】(390016458)三和機工株式会社 (19)
【出願人】(304027578)株式会社メック・エンタープライズ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(500214912)カトウ建機有限会社 (2)
【出願人】(390016458)三和機工株式会社 (19)
【出願人】(304027578)株式会社メック・エンタープライズ (2)
【Fターム(参考)】
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