説明

バイアルキャップ187

バイアル容器のシールに使用されるが、ピペットが収容流体にアクセスできるようにするエラストマーのバイアルキャップは、バイアルに蓋をするための環状のフランジ部と、ピペットをバイアル容器へ容易に案内するための傾斜した円錐台部とを有する。管状シール部が、該円錐台部を取り囲み、挿入を容易にしつつ前記バイアル容器の内壁にしっかりと係合するように構成されている。ピペットによる貫通のために、中央フラップ部はその上面において溝により縁をきられ、フレックス部を有する。前記中央フラップ部は、前記溝の周縁で隔てられているが、前記フレックス部の上の溝においてヒンジで動き、取り除かれることはない。前記ピペットと前記中央フラップ部との直径の比は、流体の移送中に背圧および真空の状態に関する重大な問題が存在しないような比である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体容器と共に使用するためのキャップに関する。特に、本発明は、種々の容量および形状を有するバイアル容器を塞ぐキャップに関する。該バイアルキャップは、ピペット又はサンプリングチューブによる貫通を可能にさせ、以下に述べる従来のバイアルキャップに関する問題を回避することができる。
【背景技術】
【0002】
従来のバイアルキャップに共通する問題として、ピペット又はサンプリングチューブは、充填中に背圧を生じさせたり、バイアル容器からの吸引中に真空状態を生じさせたりする傾向がある。背圧または真空状態は、バイアル容器への又はバイアル容器からの流体の正確な移動に誤差を生じさせ得る。例えば、ピペット操作中にバイアル容器内で真空状態が生じると、バイアル容器から取り出される流体量は所望量よりも少なくなり得る。このような、バイアル容器からピペットへ又はその逆方向へ正確な量の流体を移動させるときの問題は、ピペットがバイアルキャップに嵌め込まれ、流体を加え始めるか又は封じ込められた流体をバイアル容器から引き抜くときに起こる。
【0003】
従来のバイアルキャップに関する別の問題は、対称性の欠如と、バイアル容器に覆い被さるフランジ部である。ロボット操作アームは、特定の径または幅を有するバイアル容器を掴むように設計されている。従来のバイアルキャップは、バイアル容器と共に利用されているとき、バイアル容器の外周を超えて延びるフランジ又は他の肢をしばしば有し、ロボット操作アームがバイアル容器を適切に掴めなくなることがある。このようなバイアルキャップによれば、運搬またはピペット操作を完遂できないことがある。
【0004】
従来のバイアルキャップの別の問題は、バイアルキャップが、その中央フラップ部へ導く浅い傾斜をしばしば有するために、ピペット操作中に損傷することである。該緩やかな傾斜があると、ピペットが中央フラップ部に達することなく、貫通できないバイアルキャップ部分に作用することがある。
【0005】
ピペットが中央フラップ部を貫通するときは別の問題が生じ得る。中央フラップ部は引き裂かれ、収容された流体内へ落下して、ピペット操作及び/又は汚濁の問題が生じ得る。
【0006】
ロボット操作アームに適合し、ピペット操作中に操作性を維持し、収容された流体内へ中央フラップ部が落下することを防止し、収容された流体の適正なピペットを妨げる背圧または真空状態を引き起こすことなく収容された流体が移動することを容易にすることができるバイアルキャップが求められている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、流体入りのバイアル容器を塞ぐように設計されたバイアルキャップに関する。
【0008】
本発明の一形態は、ロボット操作アーム及びピペット装置に適合するようにバイアル容器に嵌め込まれるバイアルキャップを提供することである。
【0009】
本発明の別の形態は、適当なテーパ状の外側円錐壁をバイアルキャップに設けることであり、これにより、ピペットの挿入中の操作性を維持しているときにバイアル容器内へのピペットの挿入が容易となる。
【0010】
本発明の別の形態は、充填中およびバイアル容器からの流体の除去中に生じる背圧および真空の問題を排除することである。
【0011】
本発明の別の形態は、収容された流体内へ中央フラップ部が落下することを防止する貫通可能なバイアルキャップを提供することである。
【0012】
簡潔に言えば、バイアルキャップは、バイアル容器をシールするためにエラストマー材料で製造され得る。前記エラストマー材料は、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、Alathon M5040(商標名)、又は、他の適切なポリマーを含んでもよい。前記バイアルキャップは、円筒形であってもよく、円筒の軸に一致した中心線に関して対称であってもよい。前記バイアルキャップの上面は、前記バイアルキャップの外周縁まで拡がる環状のフランジを有してもよい。前記フランジは、前記バイアル容器を覆ってもよいが、ロボット操作アームに干渉するほど拡がらなくてもよい。
【0013】
前記バイアルキャップは、ピペットによるバイアルキャップの貫通後に前記バイアル容器内に収容された流体にピペットがアクセスできるように設計されてもよい。前記バイアルキャップを破壊することなく前記バイアル容器内へピペットを容易に案内するために、傾斜した円錐台が設計されてもよい。前記傾斜は、前記フランジの上面から中央フラップ部の上面に向かって、前記フランジの上面に対して約40〜60度の角度で延びてもよい。
【0014】
前記中央フラップ部は、前記円錐台から引き離されるように設計された溝により取り囲まれてもよい。前記溝の周縁は、円形、楕円形または多角形であってもよい。前記溝の断面はU字形、V字形、または前記円錐台からの引き離しを容易にする他のあらゆる形状であってもよい。前記フレックス部における前記溝の下側のエラストマー材料の厚みは、前記溝の残りの外縁の下側のエラストマー材料の厚みよりも大きいため、前記溝は、フレックス部においてヒンジとしての機能を果たす。したがって、前記フレックス部の上側の前記溝によって、前記中央フラップ部は、邪魔にならない所へ曲がることができるが、前記ピペットが前記中央フラップ部を貫通し、前記円錐台から前記残りの溝を引き離すときに除去されて前記収容された流体内に落下することがない。前記貫通するピペットと前記中央フラップ部の径の比は、収容された流体の移送中において背圧および真空の状態が防止されるように設計されてもよい。
【0015】
前記円錐台を取り囲む管状シールは、前記バイアル容器内に容易に挿入でき、外面により前記バイアル容器の内壁に係合するように設計されてもよい。前記管状シールは、テーパ部と帯部と円筒部とを含む外径面を有するように円筒状に形成されてもよい。前記テーパ部により前記バイアル容器内へ前記バイアルキャップを滑らかに挿入することができ、前記帯部により前記バイアルキャップを前記バイアル容器の内壁面に係合することができ、前記円筒部により前記バイアル容器の端部と前記バイアルキャップとがぴったりと嵌り合うことができる。バイアルキャップの前記帯部は、挿入部とフラット部と出口部とを更に有し、これにより、前記バイアルキャップを前記バイアル容器に係合することができる利点がある。また、前記管状シールの延長された外側表面に沿って複数の帯部を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の原理に従って作られた典型的なバイアルキャップの上面斜視図である。
【図1A】前記バイアルキャップの底面斜視図である。
【図2】前記バイアルキャップの平面図である。
【図2A】前記バイアルキャップの底面図である。
【図3】図1の前記バイアルキャップの断面図である。
【図4】典型的なバイアルキャップ及び挿入されたピペットの断面図である。
【図5】底面が平らな2mlのバイアル容器を示す上面斜視図である。
【図5A】底面が丸みのある2mlのバイアル容器を示す上面斜視図である。
【図5B】1ドラムのバイアル容器を示す上面斜視図である。
【図5C】2ドラムのバイアル容器を示す上面斜視図である。
【図5D】底面が平らな12mm×100mmのバイアル容器を示す上面斜視図である。
【図5E】底面が丸みのある12mm×100mmのバイアル容器と、嵌め込まれた典型的なバイアルキャップを示す上面斜視図である。
【図6】別の実施形態のバイアルキャップを示す側面図である。
【図7】流体移送システムを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明者は、従来のバイアルキャップでは、収容された流体の移送中における真空ロック及び背圧と、バイアルキャップの一部による収容された流体の汚濁とを含む問題に悩まされることを見出した。本発明は、現在のデザインの欠陥を克服するためのバイアルキャップの性能及び有用性を改善することができ、技術上の全般的な改良を提供することができる特徴を一体化する。
【0018】
バイアルキャップは、選択されるバイアル容器及びピペットの大きさによって、種々の大きさを有し得る。本明細書では例示的に寸法が提供されるが、変更可能であることは言うまでもない。図1〜図5Eは、一実施形態に係るバイアルキャップ50を示す。図1は、バイアルキャップ50の上面斜視図である。該バイアルキャップは、傾斜した外側円錐壁面21に接する環状上面11を有し、その中心にある上面42を囲む溝(チャンネル)41に接するように狭まっている。これらの特徴の平面図として図2も参照されたい。図1Aにおいて、底面斜視図は、フランジの底面13から垂直に延びる外側面31を示す。図2Aは、図1Aに示された特徴の底面図である。上述の特徴の相互関係を示す統一図が、図2の断面図である図3に示されている。図3は、フランジ10と、円錐台20と、管状シール30と、中央フラップ部40との特徴を含む、バイアルキャップ50の特徴を表示する。
【0019】
図3に示すように、フランジ10は環状であり、バイアルキャップ50の周縁に配置されている。前記フランジの底面13は、管状シール30の前記外側面の円筒部32から外側へ拡がっている。フランジ10は、バイアル容器の壁の厚みの上で拡がり、カバーのように作用する。バイアル容器の壁の上方におけるフランジ10の対称性および拡張は、ロボット操作アームとの干渉の可能性を低減する。ロボット操作アームは、特定の直径または幅のバイアル容器を掴むように設計されている。バイアルキャップは、バイアル容器の外縁を超えて拡がるフランジ又は他の肢を有さないため、バイアル容器を掴むためのロボット操作アームの能力を改良する。
【0020】
フランジ10は、円錐台20と、管状シール30とにつながっている。例えば図3に示すように、管状シール30は円筒形であり、フランジ10の底面13と内側円錐基部22とから管状シールの底面36に向かって延びる。前記管状シールの内側面35は、円筒状で、前記フランジの上面11に垂直であるが、管状シールの外側面31は長さ方向に沿った別々の位置で傾斜を変化させている。管状シールの前記外側面のテーパ部34は、例えば、底面36で始まり、バイアル容器への挿入を容易にするためにバイアルキャップの中心線から離れる方向にテーパ状となっていてもよい。該テーパ部34により、バイアル容器へのバイアルキャップの滑らかな挿入が可能となる。
【0021】
前記外側面31は、前記管状シールの前記外側面の帯部33に出くわしたときに再び傾斜を変化させる。図3において、帯部33は、底面36におけるテーパ部34の外径よりも広い。帯部33の挿入傾斜部33aは、傾斜がテーパ部34よりも大きくなるように増大し、帯部33が、傾斜が管状シールの前記外側面の円筒部32に略平行であるフラット部33bに入るまで、傾斜が減少する。例えば図3に示すように、帯部33は、傾斜が減少する出口傾斜部33cに入り、前記管状シールの前記外側面の円筒部32で終結する。
【0022】
本発明の別の実施形態では、例えば図6に示すように、管状シール30の延長された外側面31に沿って、複数の帯部33が設けられている。管状シール30外側面31の延長される長さは、長さ方向に沿って、追加の帯部に適合するために必要である。複数の帯部33は、バイアルキャップ50とバイアル容器との間に追加的な係合を提供し得る。
【0023】
例えば図3に示すように、管状シール30の外側面31の円筒部32は、前記管状シールの内側面35に平行に延び、テーパ部34の最初の外径と同じ直径を有してもよい。円筒部32は、フランジ10の底面13に垂直であり、該底面で終結してもよい。円筒部32により、バイアル容器の口とバイアルキャップ50との間でぴったりとした嵌め込みが可能になる。
【0024】
円錐台20は、フランジ10の上面11と管状シール30とからバイアルキャップ50の中央フラップ部40に向かって下方へ延設されている。円錐台20の外側円錐壁面21の傾斜により、ピペット又はサンプリングチューブは中央フラップ部に向かって案内される。外側円錐壁面の傾斜は、フランジ10の上面11から前記中央フラップ部の上面に向かって、フランジ10の上面11に対して40〜60度の角度で延びる。例えば図3及び図1Aに示すように、内側円錐壁面23は外側円錐壁面21と略平行に延び、内側円錐基部22で始まって内側円錐水平部24で終結する。
【0025】
中央フラップ部40は、溝41とフレックス部45とを有する。例えば図3に示すように、フレックス部45は、中央フラップ部40の底面43までの内側円錐壁面23の延長である。底面43は、その上に配置された溝の周縁および内側円錐水平部24の形状に従った種々の形状を有してもよい。例えば、フレックス部45は、図1A及び図2Aに示すキーストーン状のフレックス部のような形状を有してもよい。中央フラップ部40には、面取りした面44が設けられてもよい。面取りした面44は、その上にある内側円錐水平部24に達するまで一定の角度で底面43から下方へ傾斜してもよい。
【0026】
前記中央フラップ部の上面42は、前記フランジの上面11よりも下側に配置され、例えば図1、2及び3に示すように、溝41によって囲まれてもよい。溝41の周縁は、例えば、円形、楕円形または多角形であってもよい。溝41の断面は、U字形、V字形、又は、前記円錐台から引き離すのを容易にする他の形状であってもよい。溝41の断面寸法は、極少量のミリメートルで測定され、内側円錐水平部24は、溝41の底よりも極少量のミリメートル下側に配置されてもよい。例えば図3に示すように、溝41と、その下側の内側円錐水平部24との深さの差は、溝41の周縁に沿って中央フラップ部40の厚みを低減するのに役立ち、これにより、ピペットが、円錐台20から突出するように中央フラップ部40を容易に押すことができる。
【0027】
しかしながら、フレックス部45の上において、溝41は、引き剥がしの特徴に代えてヒンジのように作用する。フレックス部45において溝41の下側にあるバイアルキャップ材料は、前記溝の周縁の残り部分の下側の材料と比較して厚く、これにより、溝41の残りと比較して裂けることに抵抗することができる。フレックス部45の上の溝41はヒンジのように作用し、これにより、ピペットにより与えられる力が、例えば、前記溝の周縁の残り部分に沿って、前記円錐台から中央フラップ部40を引き離す。したがって、前記引き離された中央フラップ部40は、ピペットにより与えられる力のおかげで、フレックス部45の上のヒンジ態様の溝41下方へ曲がるが、中央フラップ部40は、取り除かれず、バイアル容器の中に落下しない。図面の図4は、挿入されたピペットPとともにバイアルキャップの断面図においてフレックス部45を示す。中央フラップ部40の直径は、例えば、そのようなバイアル容器とともに使用される前記挿入されたピペットPの直径よりも50%大きくてもよい。その結果として、バイアル容器は、ピペット操作中の背圧または真空状態に関する重大な問題を経験しない。
【0028】
図5−5Eは、バイアルキャップが嵌め込まれるいくつかの種類のバイアル容器を示す。該バイアル容器は大きさ及び形状に幅があるが、図面は、同じ大きさの開口部を有するバイアル容器を示す。図5Eはさらに、バイアル容器に嵌め込まれたバイアルキャップ50を示す。バイアル容器に嵌め込まれる複数のバイアルキャップは、ロボット操作アームによって操作され、且つ/又は、ロボット操作されるとともに前記中央フラップ部を貫通するピペットを受けるということが想定されている。
【0029】
バイアル容器へのバイアルキャップの結合は、例えば図5Eの結合のように、部分的または完全に流体で満たされるか、又は、真空を創出するように完全に空にされるシールされた管部材60を提供する。管部材60は、前述したようにピペット操作において貫通されるときまで最初の圧力状態を維持する。
【0030】
例えば図7に示される、本発明に係る、管部材60(すなわち、バイアルキャップ50及びバイアル容器)を有する流体移送システム70と、ピペットPとについても検討する。流体移送システム70は、正確、且つ、流体の充填および除去中に生じ得る背圧及び真空を形成することなく、バイアル容器からピペットPへ又はその逆に流体を移送するために使用され得る。流体移送システム70は、ピペットPによる貫通のための適正な位置へ管部材60を移動させるためのロボット操作アーム71を有している。
【0031】
バイアルキャップ50は、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、Alathon M5040(商標名)、又は、他の適切なポリマーを含むエラストマー材料からなる。Alathon M5040(商標名)は、弾力性および耐汚染性にとって好ましい高密度のポリエチレンである。Alathon M5040(商標名)のバイアルキャップは、バイアルキャップ50を容易に大量生産できる単一部品にするために射出成形されてもよい。
【0032】
本発明の一実施形態において、フランジ10の上面11から管状シール30の底面36までの全体的な長さは約7.00mmである。フランジ部分10の外周縁は11.65mmであり、円錐台20の傾斜した外側円錐壁面21は、約7.85mmの外径と、約4.00mmの内径とを有する。外側円錐壁面21の傾斜は、フランジ20の上面11から中央フラップ部40の上面42に配置された溝41まで約48.4度傾いている。
【0033】
中央フラップ部40の上面42は、前記フランジの上面11の約2.90mm下側にあり、中央フラップ部40の底面43は、前記フランジの上面の約3.30mm下側に配置されている。前記上面42に配置された環状の溝41は、0.10mmの深さと0.15mmの幅とを有する断面U字形である。内側円錐水平部は、前記フランジの上面11よりも約3.00mm低く、溝41の底部の深さよりも僅かに低い深さを有し、これにより、溝周縁部41のほとんどは、その下側に低減された厚みを有する。中央フラップ部40は、溝周縁部41の約94%に沿って低減された厚みを有する。
【0034】
中央フラップ部40は円錐台20につながり、フランジ10と管状シール部30とに間接的につながっている。管状シール30の内側面35は約7.85mmの内径を有し、管状シール30の外側壁面31のテーパ部34の外径は底面36において約9.90mmである。したがって、管状シール30の厚みは、底面36において約2.05mmである。
【0035】
管状シール30の外壁面31は、テーパ部34で始まり帯部33と円筒部32とに進む特徴のある領域を有する。帯部33は、約2.00mmの長さであり、底面36から約2.80mm配置され、底面36においてテーパ部34の外径よりも約0.30mm広く拡がる。帯部33の他端は円筒部32で終結し、1.50mmの長さであり、フランジ10の底面13へ延びる。
【0036】
本発明は所定の好ましい実施形態について開示されているが、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱しなければ、記載された実施形態に対する多くの変更、修正及び変化が可能である。したがって、本発明は記載された実施形態に限定されず、請求項の言葉により定義される全ての範囲とこれと同等のものとを有することを目的とする。
【符号の説明】
【0037】
11:環状の上面、21:外側円錐壁面、22:内側円錐基部、23:内側円錐壁面、24:内側円錐水平部、30:管状シール、31:外側面、32:円筒部、33:帯部、34:テーパ部、41:溝、42:上面、43:底面、45:フレックス部、50:バイアルキャップ、60:管部材、70:流体移送システム、71:ロボット操作アーム、P:ピペット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ部と、
円錐台部と、
前記フランジ部と前記円錐台部とにつながり、且つ、前記円錐台部を取り囲むように構成された管状シール部と、
前記円錐台部につながる中央フラップ部と、を備え、
該中央フラップ部は、上面において溝に囲まれており、且つ、フレックス部を有するバイアルキャップ。
【請求項2】
前記フランジ部は環状であり、前記バイアルキャップの外側周縁まで拡がっている請求項1のバイアルキャップ。
【請求項3】
前記フランジ部の底面は、前記フランジ部の近傍において前記管状シール部の外径面を越えて拡がっている請求項2のバイアルキャップ。
【請求項4】
前記管状シール部は、内径面と前記外径面とを有するように円筒状に形成されている請求項1のバイアルキャップ。
【請求項5】
前記管状シール部の前記外径面は、異なる傾斜を備えた部分を有する請求項4のバイアルキャップ。
【請求項6】
前記外径面は、テーパ部と、帯部と、円筒部とを有する請求項5のバイアルキャップ。
【請求項7】
前記外径面は、テーパ部と、前記外径面に沿った複数の帯部と、円筒部とを有する請求項5のバイアルキャップ。
【請求項8】
前記テーパ部は、前記管状シール部の底面から、前記バイアルキャップの中心線から離れる方向へ傾斜している請求項6のバイアルキャップ。
【請求項9】
前記帯部は、挿入部と、フラット部と、出口部とを有する請求項6のバイアルキャップ。
【請求項10】
前記挿入部は、前記帯部を拡大することにより前記テーパ部よりも大きく傾斜しながら拡径し、前記フラット部に適合するように傾斜しながら縮径している請求項9のバイアルキャップ。
【請求項11】
前記フラット部は、傾斜の変化が無く、前記バイアルキャップの中心線からの距離が最も広い前記管状シール部の前記外径面の部分を表す請求項9のバイアルキャップ。
【請求項12】
前記出口部は、前記帯部の前記フラット部に等しい初期傾斜を有し、前記出口部が前記円筒部で終結するまで、傾斜しながら縮径している請求項11のバイアルキャップ。
【請求項13】
前記円筒部は、前記フランジ部の底面に垂直である請求項6のバイアルキャップ。
【請求項14】
前記円錐台部の外側円錐壁面は、前記フランジ部の上面から前記中央フラップ部の前記上面へ、前記フランジ部の前記上面に対して40度よりも大きく60度未満の角度で延びている請求項1のバイアルキャップ。
【請求項15】
前記円錐台部は、前記外側円錐壁面に略平行な内側円錐壁面を有する請求項14のバイアルキャップ。
【請求項16】
前記内側円錐壁面は、前記内側円錐壁面と前記管状シールの内径面との間に形成された内側円錐基部から、内側円錐水平部まで延びる請求項15のバイアルキャップ。
【請求項17】
前記溝の周縁は、円形、楕円形または多角形のいずれか1つである請求項1のバイアルキャップ。
【請求項18】
前記溝は、前記円錐台からの前記中央フラップ部の引き離しを容易にする断面形状を有する請求項1のバイアルキャップ。
【請求項19】
前記溝は、U字形またはV字形のいずれ1つの断面形状を有する請求項18のバイアルキャップ。
【請求項20】
前記フレックス部は、前記内側円錐壁面から前記中央フラップ部の底面へ、且つ、前記中央フラップ部に向かって拡がり、前記内側円錐水平部の端部により縁をつけられている請求項16のバイアルキャップ。
【請求項21】
前記中央フラップ部の前記底面から前記バイアルキャップの中心線から離れる角度で、且つ、前記内側円錐水平部に向かって、面取りした壁面が拡がっている請求項20のバイアルキャップ。
【請求項22】
前記内側円錐水平部に最も近い前記溝は、ピペットにより与えられる力が加わることにより前記円錐台部から前記中央フラップ部を分離可能である請求項21のバイアルキャップ。
【請求項23】
前記フレックス部の上における前記溝は、前記中央フラップ部が下方へ曲がり且つ前記バイアルキャップにつながったままになるように、前記フレックス部のためのヒンジの機能を果たす請求項22のバイアルキャップ。
【請求項24】
前記バイアルキャップは、エラストマー材料からなる請求項1のバイアルキャップ。
【請求項25】
前記エラストマー材料は高密度ポリエチレンである請求項24のバイアルキャップ。
【請求項26】
バイアルキャップと接触したバイアル容器を備え、
前記バイアルキャップは、
フランジ部と、
円錐台部と、
前記フランジ部と前記円錐台部とにつながり、且つ、前記円錐台部を取り囲むように構成された管状シール部と、
前記円錐台部につながる中央フラップ部と、を備え、
該中央フラップ部は、上面において溝に囲まれており、且つ、フレックス部を有する管部材。
【請求項27】
前記フランジ部の底面は、前記フランジ部の近傍において前記管状シール部の外径面を越えて拡がっている請求項26に記載の管部材。
【請求項28】
前記管状シール部は、内径面と前記外径面とを有するように円筒状に形成されている請求項27に記載の管部材。
【請求項29】
前記外径面は、テーパ部と、帯部と、円筒部とを有する請求項28に記載の管部材。
【請求項30】
前記外径面は、テーパ部と、前記外径面に沿った複数の帯部と、円筒部とを有する請求項28に記載の管部材。
【請求項31】
前記テーパ部は、前記管状シール部の底面から、前記バイアルキャップの中心線から離れる方向へ傾斜している請求項29に記載の管部材。
【請求項32】
前記帯部は、挿入部と、フラット部と、出口部とを有する請求項29に記載の管部材。
【請求項33】
前記円筒部は、前記フランジ部の底面に垂直である請求項29に記載の管部材。
【請求項34】
前記バイアル容器は、前記管状シール部の前記外径面に接触するための口部の内壁面を有する請求項28に記載の管部材。
【請求項35】
前記バイアル容器は、前記バイアルキャップの前記帯部に接触するための口部の内壁面を有する請求項29に記載の管部材。
【請求項36】
前記バイアル容器とバイアルキャップとは、ピペット操作の遂行前において、密封された圧力状態を維持可能である請求項34に記載の管部材。
【請求項37】
前記バイアル容器とバイアルキャップとは、ピペット操作の遂行前において、密封された圧力状態を維持可能である請求項35に記載の管部材。
【請求項38】
管部材を掴み、該管部材を流体移送位置へ及び該流体移送位置から移動させるためのロボット操作アームと、
流体移送位置におけるピペットによる貫通後に流体を前記管部材へ及び前記管部材から移送するためのピペットと、を備え、
前記管部材は、バイアルキャップに接触するバイアル容器を含み、
前記バイアルキャップは、
フランジ部と、
円錐台部と、
前記フランジ部と前記円錐台部とにつながり、且つ、前記円錐台部を取り囲むように構成された管状シール部と、
前記円錐台部につながる中央フラップ部と、を備え、
該中央フラップ部は、上面において溝に囲まれており、且つ、フレックス部を有する流体移送システム。
【請求項39】
前記管状シール部は、内径面と外径面とを有するように円筒状に形成されている請求項38に記載の流体移送システム。
【請求項40】
前記外径面は、テーパ部と、帯部と、円筒部とを有する請求項39に記載の流体移送システム。
【請求項41】
前記外径面は、テーパ部と、前記外径面に沿った複数の帯部と、円筒部とを有する請求項39に記載の流体移送システム。
【請求項42】
前記帯部は、挿入部と、フラット部と、出口部とを有する請求項40に記載の流体移送システム。
【請求項43】
前記バイアル容器は、前記帯部に接触する内壁面を備えた口部を有する請求項42に記載の流体移送システム。
【請求項44】
前記バイアル容器とバイアルキャップとは、ピペット操作の遂行前において、密封された圧力状態を維持可能である請求項43に記載の流体移送システム。
【請求項45】
前記ロボット操作アームは、前記バイアル容器において前記管部材を保持可能であり、前記流体移送位置で前記バイアルキャップを位置合わせ可能である請求項44に記載の流体移送システム。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−506218(P2011−506218A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537896(P2010−537896)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【国際出願番号】PCT/SE2008/051425
【国際公開番号】WO2009/075637
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】