バイオセンサーおよび作製方法
平滑な高品質のエッジを有する電極素子を備えた電気化学バイオセンサである。当該平滑なエッジが電極、電極とレースおよびコンタクトパッド間にギャップを画定する。本発明によって達成されたエッジの顕著な平滑性により、ギャップをきわめて小さくすることができ、これが正確な検査、迅速化、単一のバイオセンサに包装し得る多くの異なった機能を提供するという顕著な利点をもたらす。さらに本発明は、発明性を有するバイオセンサのための全電極パターンが、電極パターンや、形成するために除去しなければならない導電性材料の量に関して複雑でない、全体でナノ秒で形成できる新規なバイオセンサ製造方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連明細書との相互参照]
本明細書は、それぞれ、そのすべてが参考文献によって本明細書に組込まれている、2001年4月24日に出願された、米国特許明細書番号第09/840,843号の一部継続出願であり、2002年10月4日に出願された、米国特許明細書番号第10/264,891号の一部継続出願であり、2003年6月20日に出願された、米国特許明細書番号第10/601,144号の一部継続出願であり、2003年6月20日に出願された、米国特許明細書番号第60/480,397号に対する優先権を主張している。
【0002】
[技術分野]
本発明は、バイオセンサーを作製する方法、よりとりわけ、レーザー切断によって形成された、電極の組をもつバイオセンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
電気化学的バイオセンサーは、よく知られており、生物学的試料、とりわけ血液からの種々の検体の濃度を決定するために使用されてきた。そのような電気化学的バイオセンサーの例は、参考文献によって本明細書に組込まれている、米国特許第5,413,690号、第5,762,770号、および第5,798,031号、および第6,129,823号にて記述されている。
【0004】
電気化学的バイオセンサーが、可能な限り小さな試料を用いて、検体を解析可能であることが望ましく、したがって、可能な限り、電極を含む、その一部のサイズを最小化することが必要である。以下で記載するように、スクリーンプリンティング、レーザースクリービング、およびフォトリソグラフィ技術が、最小化電極を形成するために使用されてきた。
【0005】
スクリーンプリンティング技術によって形成された電極は、電気的に伝導性で、スクリーン印刷可能である組成物より形成される。さらに、スクリーンプリンティングは、一般的に、およそ75μmまたはそれ以上のギャップ幅、または特徴サイズをもつ、構造およびパターンの信頼性ある形成を可能にする、ウェット化学技術である。
【0006】
レーザースクリービングは、伝導性表面物質内の個々の線をエッチング処理するか、またはスクライブするために、そして、電極および他の望ましい組成を形成する、残余伝導性物質間の絶縁ギャップを提供するために、248nmの照明波長の、フッ化物クリプトンエキシマーレーザーのような、高出力エキシマーレーザーを通常用いる技術である。このスクリービングは、レーザービームを、切断されるべき表面を通して移動させることによって実施される。スクリービングビームは、一般的に、相対的に小さく、収束サイズおよび形態をもち、製品に関して望ましい特徴よりもより小さく、したがって、製品の形成は、ラスタリング技術を必要とする。そのような技術は、複合電極パターンが、表面上にて形成されるべきである場合に、時間がかかりうる。さらに、得られたエッジの正確さが限定される。このスクリービング技術は、金属、ポリマー、および生物学的物質を切断するために使用されてきた。そのような系は、当業者によく知られており、それぞれが、参考文献によって本明細書に組込まれている、米国特許第5,287,451号、第6,004,441号、第6,258,229号、第6,309,526号、国際特許第WO00/73785号、第WO00/73788号、第WO01/36953号、第WO01/75438号、および欧州特許第1 152 239号にて記述されている。正確な電極エッジ、種々の特徴サイズを可能にし、ラスタリングを使用せずに、高速/ハイスループット様式で形成可能である、電極を形成する新規の方法をもつことが望ましい。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、滑らかな、高品質エッジをもつ電極要素を含む電気化学的バイオセンサーを提供する。これらの滑らかなエッジは、電極、電極トレースおよびコンタクトパッド間のギャップを画定している。本発明で達成される顕著なエッジの滑らかさによって、ギャップは非常に小さい可能性があり、その利点を以下で記述している。さらに、本発明は、電極パターンの複雑さ、または形成するために切断されなければならない伝導性物質の量にかかわらず、本発明のバイオセンサーのための全電極パターンが、すべていっぺんに、ナノ秒内で形成されうる、新規バイオセンサー産出方法を提供する。
【0008】
その1つの形態において、本発明は、その上に形成された、第一および第二電極要素を含むベース基板を含む、バイオセンサーを提供する。第一および第二電極要素は、そのあいだのギャップを画定している、第一および第二のそれぞれのエッジをもつ。ギャップは、幅および長さをもつ。第一エッジは、その第一エッジの望んだ、または理想的な形態、および局在に相当する、第一「理論線(theoretical line)」から、第一距離によって間隔があけられている。この第一距離は、実際に産出されたエッジが、望んだ理論線のように滑らか、または完全ではないので、ギャップの長さにそって変化する。第一距離の標準偏差は、ギャップの全長にわたって、約6μmより小さい。バイオセンサーはまた、少なくとも部分的に、ベース基板をカバーしている試薬、およびベース基板をオーバーレイし、付着する1つまたはそれ以上の層を含む。1つまたはそれ以上の層は、共同して、試料受け取りチャンバー、およびバイオセンサーのためのカバーを形成し、試薬と電極両方の少なくとも1つの位置が、チャンバー内に配置される。
【0009】
以上で記述した本発明のバイオセンサーの関連形態において、理論線からの、エッジの実際または現実の偏差は、ギャップの全長にそって、約6μm以内である。言い換えれば、実際産出されたエッジと、理論線(エッジが完全な場合)間の距離は、ギャップにそって距離を測定した場合でも、6μm以内である。より好ましくは、現実の偏差は、約4μm以内であり、もっとも好ましくは、約2μ以内である。このもっとも好ましい形態にて、電気的成分の接触無しで、電極を約5μmほど近くに配置し、したがって短くすることが可能である。同様に、電極のような電気的特徴の幅は、約10μmほど小さい可能性がある。詳細を以下に記載するように、順に本発明によって許容された電極成分の近い配置によって、より複数の電極要素が可能になり、したがって、より小さな領域で、より大きな機能性が可能になる。
【0010】
エッジの滑らかさ、または品質が、隣接エッジが、たとえば、2つの電極間のギャップのような、互いに近くに配置される場合に、バイオセンサーの領域でもっとも重要である。本発明の好ましい観点において、以上で記載した第一エッジのように、第二エッジが、ギャップの長さにそって変化する、第二距離によって、第二理論線より配置される。第一および第二理論線はしたがって、そのあいだの「理論ギャップ(theoretical gap)」を画定する。産出工程が完全であり、エッジが、互いに直線および平行で意図される場合、理論ギャップ幅は、その長さにそって一定である。第一および第二エッジの理論からの偏差は、それぞれのエッジのみで算出されるよりも、実際のギャップ幅にて、より大きな偏差を産出するように化合されうる。本発明の好ましい形態において、第二距離の標準偏差は、ギャップの全長にそって、約6μm以内である。より好ましくは、第一および第二距離両方の標準偏差は、約2μm以内であり、より好ましくは、約1μm以内である。
【0011】
本発明の他の好ましい形態において、本発明は、伝導性物質の少なくとも10%、より好ましくは、伝導性物質の少なくとも50%、もっとも好ましくは、伝導性物質の少なくとも90%を除去することが含まれる。伝導性物質は、好ましくは、広領域レーザー切断によって除去され、これにより、相対的に大きな割合の伝導性層が、非常に迅速に、ベース基板より除去され、電極パターンを形成可能である。たとえば、好ましい形態において、バイオセンサーのための、全電極パターンは、約0.25秒間、より好ましくは、約50ナノ秒以内、もっとも好ましくは約25ナノ秒以内で、広範囲レーザー切断によって形成される。
【0012】
以上で言及したように、本発明の方法によってまた、同様のバイオセンサー内で、異なる特徴サイズをもっている、2つまたはそれ以上の電極の組の配置が可能である。さらに、以上で言及したように、特徴サイズは、非常に小さく、互いに近くに配置可能である。
【0013】
他の形態において、本発明は、上述した非常に望ましい滑らかなエッジをもつ、電極パターンをもつバイオセンサーを、マス産出するための、効果的で、迅速な方法を提供する。本方法において、その上に金属伝導性層をもつベース基板物質のウェブが提供される。電極パターンのイメージが、レーザー器具にて、金属伝導性層上に投影され、イメージに相当する電極パターンが、ベース基板物質上で、レーザー切断によって形成される。レーザー器具またはベース基板物質のウェブのいずれか、(または両方)が移動し、この工程が、繰り返されて、ベース基板物質のウェブに沿った、空間間隔にて、多くの電極パターンが産出される。試薬が、ベース基板物質のウェブ上に沈着し、少なくとも部分的に、複数の電極パターンの、各電極パターンをカバーする。少なくとも1つの、カバー層のウェブ、またはスペーシング層が、ベース基板物質のウェブ上でラミネート加工され、それによって、各バイオセンサーに関して、カバーと試料受け取り溝が形成される。ついで、得られたラミネート加工された層のウェブを、個々のバイオセンサーに切断する。
【0014】
好ましい形態において、レーザー器具によって投影されたイメージは、1つのバイオセンサーに関する、完全な電極パターンであり、各バイオセンサーに関する、完全な電極パターンは、単一のレーザーイメージで、単一段階にて形成される。他の好ましい形態において、1つ以上の全電極パターンが、すべていっぺんに形成され、すなわち、イメージは、2つまたはそれ以上のバイオセンサーに関するパターンが含まれる。
【0015】
他の好ましい形態において、電極パターンには、異なる特徴サイズの、少なくとも2つの電極の組が含まれる。この例には、検体濃度を測定するための1組の電極と、バイオセンサーが、試料流体の適切な用量を受け取ったかかどうか、またいつしたかを検出するための他の組の電極が含まれる。本発明のバイオセンサーはまた、バイオセンサー同定、較正またはバイオセンサーに関連した他の情報のような、他の特徴を提供している電極要素も含みうる。
【0016】
本発明のマス産出工程1つの利点は、スクリーンプリンティング、リトグラフィー、ラステリングなどによって、電極パターンを形成することに必要な先行技術よりも、非常に迅速であることである。本発明によって使用された、レーザー切断工程で、バイオセンサーに関する全電極パターンは、すべて一度に、ナノ秒内に、単一段階として、形成可能である。このことにより、個々のバイオセンサーが、最終的に、60メーター/分またはそれ以上の速度で、切断される、物質の連続ウェブを処理可能である。
【0017】
本発明は、先行技術工程よりも非常に迅速なだけでなく、そのエッジが、先行技術のバイオセンサーよりも、非常によいエッジ品質である、電極パターンをもつバイオセンサーを提供する。エッジ品質は、電極空間配置が近くなるので、非常に重要になる。一般的に、試験結果の正確さが、試料サイズを減少させ、より迅速な試験を提供するので、近い電極空間配置が望ましい。さらに、電極要素のより高い品質と、関連機能を、単一バイオセンサーに内にパック可能である。
【0018】
本発明の産出方法のまた他の利点は、電気的に伝導性層の大きな割合を、全て一度に、基体異質から除去可能であることである。反対に、先行技術のラステリング工程は、伝導性物質の薄い層のみを、ゆっくりとスクライブし、除去する平行化レーザービームを用いており、本発明と比較して、非常に長く、そして多用途な工程である。
【0019】
まさに言及したものに関連する他の利点は、本発明の製造工程が、本発明のバイオセンサー中で産出された、電極パターンの形態およびバリエーションにおいて、大きな自由度を提供することである。非対称性または異方性の電極パターンは、本発明の製造工程では、問題を示さない。さらに、電極パターンが、マスクによって形成されたレーザーイメージによって、ベース基板上に好ましく投影されるので、先行技術の工程によって発生する、電極パターンのサイズ、形態、数、ギャップ幅などのような制限が減少する。比較することによって、ラステリング工程は、典型的に、互いに関して、90度の方向である、軸に対する、焦点レーザービームの移動に制限される。得られるパターンは、典型的には、互いに平行または垂直に方向付けられる同様の幅の薄層に限定される。さらに、器具内で分離シグナルを運ぶために使用される、分離しているが、接着している伝導性金属板が、版間の分離距離が、非常に小さく、シグナルの分解および版間の境界となる時に、伝導性に結合可能である。単離されたトレース間のより伝導性の物質の除去を可能にする方法が、したがって、そのような境界を最小化することにおいて、利点であり得る。
【0020】
以下の画定を、本明細書および請求項にわたって使用する。
【0021】
本明細書で使用するところの、用語「電気的に伝導性の物質(electrically conductive material)」は、電気の伝導体である物質からなる層を意味し、その非限定例には、純粋な金属または合金が含まれる。
【0022】
本明細書で使用するところの、用語「電気的に絶縁な物質(electrically insulative material)」は、電気の不導体を意味する。
【0023】
本明細書で使用するところの、用語「電極(electrode)」は、電荷を収集または放射し、電子の運動を制御する伝導体を意味する。電極には、共通の電気的トレースおよび/またはコンタクトパッドに連結した、1つまたはそれ以上の要素が含まれうる。
【0024】
本明細書で使用するところの、用語「電気的組成物(electrical component)」は、電気的機能性をもつ、バイオセンサーの構成部分を意味する。
【0025】
本明細書で使用するところの、用語「電極システム(electrode system)」は、少なくとも1つの電極、電気的トレース、および測定器具に要素を連結するコンタクト、を含む、電気的成分を意味する。
【0026】
本明細書で使用するところの、用語「電極要素(electrode element)」は、電極システムの構成部分を意味する。電極要素の特異的非限定例には、電極、コンタクトパッドおよび電極トレースが含まれる。
【0027】
本明細書で使用するところの、用語「電極組(electrode set)」は、バイオセンサー応答を測定するために、互いに協力する、少なくとも2つの電極の組である。
【0028】
本明細書で使用するところの、用語「パターン(pattern)」は、1つまたはそれ以上の意図的に形成されたギャップのデザインを意味し、その非限定例は、コンタクト幅をもっている、単一直線ギャップである。用語「パターン」には、天然の、意図的ではない欠陥は含まれない。
【0029】
本明細書で使用するところの、用語「絶縁パターン(insulative pattern)」は、電気的に絶縁の物質(類)内、またはあいだに位置している、1つまたはそれ以上の意図して形成されたギャップの設計を意味する。電気的に伝導性の物質が、1つまたはそれ以上のギャップを形成しうることが好ましい。
【0030】
本明細書で使用するところの、用語「伝導性パターン(conductive pattern)」は、電気的に伝導性の物質(類)内、またはあいだに位置している、1つまたはそれ以上の意図して形成されたギャップの設計を意味する。電気的に絶縁性の暴露された物質が1つまたはそれ以上のギャップを形成しうることが好ましい。
【0031】
本明細書で使用するところの、用語「微小電極アレイ(microelectrode array)」は、大部分が、球状に拡散された特徴をもつ、微小電極の一群を意味する。
【0032】
本明細書で使用するところの、用語「巨大電極アレイ(macroelectrode array)」は、大部分が、放射状に拡散された特徴をもつ、巨大電極の一群を意味する。
【0033】
本明細書で使用するところの、用語「電極パターン(electrode pattern)」は、電極の組内の特異的に、またはバイオセンサー内の一般的に、電極の要素間に位置する、意図的に形成されたギャップの、相対配座を意味する。「電極パターン」の非限定例には、バイオセンサー応答を測定するために使用される、微小電極アレイ、巨大電極アレイ、またはそれらの組み合わせの任意の配座が含まれる。「電極パターン」はまた、バイオセンサー上で形成される、全ての電気的成分の形態および配座を意味しうる。
【0034】
本明細書で使用するところの、用語「特徴サイズ(feature size)」は、パターン中でみられる、ギャップまたは空間の、もっとも小さな寸法である。たとえば、絶縁パターン中、特徴サイズは、電気的に絶縁の物質(類)内またはあいだに見られる、電気的に伝導性のギャップのもっとも小さな寸法である。しかしながら、パターンが、伝導性パターンの場合、特徴サイズは、電気的に伝導性の物質(類)内またはあいだに見られる、電気的に絶縁のギャップのもっとも小さな寸法である。したがって、伝導性パターン内で、特徴サイズは、接着要素の相当するエッジ間の、もっとも短い距離を表す。
【0035】
本明細書で使用するところの、用語「インターレース(interlaced)」は、電極の要素が、互いに関して、織り合わされる、電極パターンである。特定の実施形態において、インターレース電極パターンは、要素を電極を含み、互いに相互挟合する。もっとも簡単な形態において、インターレース要素には、一組の要素をもつ第一電極と、第一電極の要素の対内で受けられる単一要素をもつ第二電極が含まれる。
【0036】
本明細書で使用するところの、用語「切断する(ablating)」は物質の除去を意味する。用語「切断する」は、物質を失う、弱くする、または部分的に除く、を含むことを意味せず、区別される。
【0037】
本明細書で使用するところの、用語「広領域レーザー切断(broad field laser ablation)」は、形成されたパターンの特徴サイズより大きな寸法で、レーザービームをもつレーザーを用いる、基質からの物質の除去を意味する。広領域切断には、マスクの利用、パターンまたは他の器具中間レーザー供給源、および基質の利用が含まれる。レーザーは、マスクを通して投影され、後者が、基質上に投影され、衝突し、電極パターンのイメージを形成し、基質上に、電極パターンの全て、または一部を作り出す。広領域レーザー切断は同時に、基質の明らかな面積にわたって、パターンを作製する。広領域レーザー切断の利用によって、基質に関する、相対的に集中的なレーザービームの連続移動によって、スクライブする、または画定する、ラスタリングまたは他の同様の技術が必要なくなる。広領域レーザー切断のための工程の非限定例は、バイオセンサー210に関して以下で記述している。
【0038】
本明細書で使用するところの、用語「線(line)」は、先に決定された直線または曲線経路にそって、第一方向で、そして同様の経路に沿って、逆方向で、点移動することによって形成された、幾何学的な図を意味する。本文脈において、電極パターンには、伝導性物質の周辺を形成している線によって画定される、エッジをもつ種々の要素が含まれる。エッジの境界を定めているそのような線は、所定の形態をもち、これらのエッジの滑らかさが、所定の形態と比較して非常に高いことが、本発明の一つの特徴である。
【0039】
本明細書で使用するところの、「理論線(theoretical line)」は、製造工程が完璧であった場合に得られる、電極要素のエッジの、所定のまたは適切な形態および局在を意味する。ほとんどの場合、エッジが直線であれば、理論線は、エッジの平均局在と同一の空間をしめる。
【0040】
本明細書で使用するところの、用語「点(point)」は、局所以外の性質をもたない、無次元の幾何学的対象を意味する。
【0041】
電極要素のエッジの滑らかさ、または品質は、エッジの配置が、完全または適切なエッジを表す理論線とは異なる距離によって画定可能である。すなわち、エッジは、エッジの長さにそって変化する距離によって、理論線より間隔があく。この距離は、ゼロから最大値までの範囲である。エッジの品質または滑らかさを画定するための、1つの有用な方法は、エッジが、エッジの特定の長さにわたり、理論線から間隔があく、最大の距離を単に特定することである。
【0042】
エッジの滑らかさ、または品質は、エッジと、エッジの特定の長さにわたる理論線間の距離の、「標準偏差(standard deviation)」の点より特定されうる。標準偏差を計算するために、距離は、本明細書でさらに詳細に記述されるように、長さに沿って、分離した間隔で、測定されなければならない。距離の変化が、「d」と示され、データ点の数が、nとすると、距離の標準偏差は、{Σ(di)2/(n−1)}1/2として計算される。示した式は、由来する積分式を実際に近似するように、データ点の間隔が、互いに近くに位置するべきである。本明細書で表しているすべての標準偏差は、約20μm以内、好ましくはより近くで空間的に配置される、データ点を取ることによって測定される。
【0043】
本明細書使用するところの、電極要素のエッジにする場合の、用語「滑らかさ標準偏差(smoothness standard deviation)」は、エッジが、エッジの特定の長さにわたって、理論線より空間的に空く距離の標準偏差を意味する。電極要素間のギャップの品質は、1つのエッジに相当する理論線からのギャップを形成している、2つのエッジの個々の変化、または標準偏差に関して、表現可能である。
【0044】
本明細書で使用するところの、用語「生物学的流体(biological fluid)」には、検体が検出されうる、任意の体液、たとえば、間質液、皮膚液、汗、涙、尿、羊膜液、髄液および血液が含まれる。
【0045】
本明細書で使用するところの、用語「血液(blood)」には、全血、およびその細胞を含まない成分、すなわち血漿および血清が含まれる。
【0046】
本明細書で使用するところの、用語「ワーキング電極(working electrode)」は、検体または産物が、酸化還元メディエーターの助けで、または助けなしで、電気酸化または電気還元される、電極である。
【0047】
本明細書で使用するところの、用語「カウンター電極(counter electrode)」は、ワーキング電極と対であり、それを通して、ワーキング電極を通過する電流に対する兆候と、規模が同等で、反対である、電気化学的電流が通過する、電極を意味する。用語「カウンター電極」は、参照電極としても機能する、カウンター電極を含むことも意味する(すなわち、カウンター/参照、または補助電極)。
【0048】
本明細書で使用するところの、用語「電気化学的バイオセンサー(electrochemical biosensor)」は、電気化学的酸化、または還元反応の方法によって、バイオセンサー内で、検体の存在を検出する、および/または濃度を測定するために設計された器具を意味する。これらの反応が、検体の量または濃度に比例しうる、電気的シグナルに変換される。
【0049】
本発明のさらなる特徴が、本発明の達成するために公知である、最適な様式を例示している、好ましい実施形態の以下の詳細な記述を考慮することによって、当業者に明らかになるであろう。しかしながら、詳細な記述および特定の実施例は、本発明の実施形態を示唆している一方で、本発明の精神および目的の範囲内の種々の変化および改変が、この詳細な記述より、当業者に明らかになりうるので、例示の方法のみで与えられることが理解されるべきである。
【0050】
以下の図面は、本明細書の部分を形成し、本発明の特定の観点をさらに実証する意図がある。本発明は、本明細書に存在する特定の実施形態の詳細な記述と共に、これらの図面の1つまたはそれ以上を参照することによって、よりよく理解されうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明の原理の理解を促進する目的のために、参照を図面で例示した実施例に対して、ここで作製し、特定の言語を、本実施形態を記述するために使用する。それにもかかわらず、本発明の目的の制限は意図されていないことが理解されるであろう。本発明が関連する技術分野の当業者が通常予想するような、例示した器具における変化および改変、およびここで例示したような本発明の原理のさらなる適用が保護されることが望まれる。
【0052】
本発明にしたがったバイオセンサーが、その上に形成された電極パターンをもつ表面を提供し、前記電極パターンは、好ましくは、滑らかなエッジ品質をもつ。正確な品質が、バイオセンサー上に局在した、電気的成分のエッジのためにえられることが、本発明の特定の観点である。要素の滑らかな、または高いエッジ品質をもつことは、試験結果の、より大きな正確さ、精度および再現性に寄与可能である。さらに、滑らか、または高いエッジ品質によってまた、バイオセンサーの画定された表面面積上で、複数の電極アレイが形成可能である。要素のエッジ品質を増加させることによって、電極要素の数を増加させることが可能である、したがって、画定した表面面積における達成可能な機能性を増加させる。これらの機能には、たとえば、他の方法によることを含む、同一または異なる検体の同時測定のための、多重測定電極対、基礎測定電極に対して、訂正因子を提供するために使用した電極、用量適用、または試料充足性を検出するための電極、電極機能性をモニタするため、または欠陥トレースの検出または訂正を提供するための多重電極トレース、および上述の機能性に連結するための、または同定、較正、またはバイオセンサーに関連する他の情報のような、追加的な特徴を提供するための、多重コンタクトパッドが含まれうる。さらに、該バイオセンサーのために選択された機能性は、高いエッジ品質が、電気成分のより近い配置を可能にする場合に、より小さな空間で提供されうる。この全て、またはそれ以上を、相対的に迅速で、確実に、そして費用効率が高い様式で、可能にすることが、本発明の一つの特徴である。
【0053】
とりわけ、本発明のバイオセンサーは、滑らかであり、正確に局在した、エッジを含む電気的成分をもつ。滑らかなエッジの正確な局在化が、とりわけ、他の電気的成分の相当するエッジに関して、とりわけ、対となる要素に関連して、重要である。成分のエッジ品質および配置の重要性および程度は、成分の性質によって変化しうる。
【0054】
巨大電極に関して、エッジの滑らかさおよび配置が、巨大電極の利用によって得られた、電気化学的結果の品質のために重要である。そのような試験の精度の1つの因子は、各巨大電極の面積の再現性である。正確なエッジの滑らかさ、および配置を得ることによって、非常に正確である面積が産出される。巨大電極の利用における他の因子は、他に対する1つの電極の配置、たとえば、ワーキング要素(類)の位置に関係した、カウンター要素(類)の位置である。さらに、バイオセンサーが一般的に、測定電極のサイズおよび局在の再現性による、較正法に依存して操作されるので、そのような試験トリップのロットを一貫して産出する能力が、試験で達成された結果を増強可能である。
【0055】
同様に、エッジの滑らかさおよび配置が、微小電極から得た結果に寄与する。微小電極に関して、複数の微小要素の数および相対的に近い配置のために、問題が増幅されうる。貧しいエッジ品質は、微小電極の操作特徴に非常に影響を与え得、本発明が、この潜在的な問題を克服するのを助ける。さらに、接近して微小要素を配置することの利点は、定常状態動作の迅速な確率である。高いエッジ品質および正確なエッジ配置によって、要素のより近い配置、言い換えれば、定常状態操作のより早い達成が可能である。さらに、そのようなより近い配置によって、より多くの微小要素が、該空間中に配置可能である。
【0056】
第一の観点にて、本発明は、バイオセンサー上の、種々の電気的成分に対して、高い品質のエッジを提供する。エッジの品質は、エッジの理論的プロファイルに関連する、エッジの滑らかさ、または均質性に関連する。そのような本発明にしたがって形成された「滑らかな(smooth)」エッジの非限定例を、図21〜24に示している。
【0057】
1つの観点において、滑らかさは、エッジの所定の形態を画定している理論線に関連し、エッジ表面の偏差に、単純に関する。バイオセンサー上の任意の電気的成分が、意図した局在と、物理的実施形態によって、実際再現されない形態をもつことが望ましい。実際の成分のエッジが、理論的なものから変化する程度は、エッジの滑らかさの測定である。上述したように、エッジのこの滑らかさまたは品質が、エッジが特定の長さにわたって、理論線から間隔をあける変化距離に関して、表現可能である。この距離は、以下で詳細に記載するように、厳密に間隔をあけた間隔で測定可能であり、距離の標準偏差が計算可能である。さらに、特定の長さ上で達成される、距離の最大値はまた、意味のあるパラメータである。たとえば、電極が、たとえば10μmの所定の幅をもつギャップを形成するためである設計にて、製造工程が、ギャップの長さにわたり5μmより少ない(好ましくは非常に少ない)まで、変化しうる、エッジを産出可能でなければならない。さもなければ、電極は、少量、したがって短い回路でありうる。
【0058】
種々の電気的成分に関してのように、成分の該部分が、「滑らか」である程度は変化しうる。特に、測定電極に関して、要素の特定のエッジが、他よりもより重要であることが好ましい。たとえば、カウンターおよびワーキング電極の特定のエッジが、互いに隣接し、互いに近くに配置され、他は異なる。また、特定のエッジが、試料受け取りチャンバー内に局在されるが、他は異なる。第一の観点において、本発明は、全ての測定電極のエッジに対して、滑らかなエッジを提供することに関する。他の観点において、本発明は、とりわけ試料受け取りチャンバー内に局在する測定電極のエッジに対して、より好ましくは、互いに隣接する測定要素のエッジに対して、滑らかなエッジを提供する。本文脈中、「隣接エッジ(adjacent edges)」は、カウンター要素のエッジが、カウンター電極が対になる、ワーキング電極の要素のエッジに、最も近くに、すなわち隣接しているという事実に関する。
【0059】
先に示したように、本発明は、一つの観点において、厳密に決定された面積をもつ、巨大電極を提供することに関する。提供された面積の所定の精度は、電極を画定しているエッジの品質によって決定されるように、巨大電極の絶対的なサイズに依存して変化可能である。したがって、エッジの滑らかさが改善されるので、実際の電極によって占領された面積と、所定の面積間の差が減少する。
【0060】
巨大電極のスペーシングはまた、本発明から利益を得ることができる。たとえば、250μmまで離れて間隔をあけられる巨大電極に関して、ギャップを形成しているエッジが、好ましくは、エッジの全長にわたって、約4μm以内の滑らかさ標準偏差をもち、100μmまで、間隔を開けられる要素に関して、標準偏差は、好ましくは約2μm以内である。
【0061】
微小電極に関しては、所定の滑らかさが異なりうる。たとえば、50μmまで間隔をあけられる微小要素に対して、隣接エッジは、約6μm以内、好ましくは2μm以内、そしてもっとも好ましくは、約1μm以内の滑らかさ表面偏差をもつ。微小要素が、約10μmまで間隔があく場合、滑らかさ標準偏差は、好ましくは約1μm以内であり、より好ましくは、約0.5μm以内である。一般的に、微小電極に対する、滑らかさ標準偏差は、好ましくは、隣接微小要素(すなわち特徴サイズ)間のギャップの幅の、約5%以内、より好ましくは、特徴サイズの約2%以内である。
【0062】
他の電気的成分が、そのような成分の近い配置を促進するために、滑らかなエッジを提供可能であることがまた、本発明の観点である。そのような他の成分は、好ましくは、約6μm以内、より好ましくは約2μm以内の、滑らかさ標準偏差をもつ。
【0063】
本発明はまた、互いに、そして全バイオセンサーに関して、電気的成分の正確な配置を提供する。成分の相対的配置は、少なくとも部分的には、マスク、または電気的成分に対する正確なパターンをもつ他の器具を介して実施される、広領域レーザー切断の利用によって達成される。したがって、成分の相対配置は、ラステリングレーザーの、またはラステリングレーザーに関する基質の、制御移動に依存しない。さらに、この隣接エッジの正確な配置はさらに、エッジの滑らかさに対する、近い許容値によって増強される。
【0064】
したがって、さらなる観点において、本発明は、正確に制御されるギャップまたは特徴をもつ、電気的成分を提供する。さらにとりわけ、電気的成分は、隣接エッジ間のギャップに関して、理論的配座で設計され、一方で、物理的実施形態は、変化および不規則性をもちうる。本発明は、非常に均質な隣接エッジ間のギャップを提供する。とりわけ、本発明は、「均質ギャップ(uniform gap)」を提供し、これは、ギャップを画定している各エッジに対する、滑らかさ標準偏差が、約6μ以内である、ギャップとして画定される。好ましくは、ギャップを画定している両方のエッジの滑らかさ標準偏差は、約2μm以内であり、より好ましくは、約1μm以内である。
【0065】
本発明のバイオセンサーが、試料流体中の検体を査定するためのシステム内での使用に好適であることが十分理解される。バイオセンサーに加えて、システムは、メーター(示していない)が含まれ、標的検体に関して、試料流体を評価するための方法が提供される。評価は、検体の存在を検出することから、検体の濃度を決定することまでの範囲であり得る。検体および試料流体は、試験システムが適切である任意のものでありうる。例示の目的のためのみに、好ましい実施形態が、検体がグルコースであり、試料流体が血液または間質液であるように記述されている。しかしながら、本発明は、明らかに目的において限定されない。
【0066】
試料流体中の検体の決定のための、本発明のバイオセンサーと共に使用するのに好適なメーターの非限定例が、参考文献にて本明細書にそれぞれ組み込まれている開示物である、米国特許第4,963,814号、第4,999,632号、第4,999,582号、第5,243,516号、第5,352,351号、第5,366,609号、第5,405,511号および第5,438,271号にて開示されている。好適なメーター(示していない)には、バイオセンサーの電極との連結、および検体の濃度に相当する電気化学的シグナルを評価するための回路が含まれうる。メーターにはまた、試料流体が、バイオセンサーによって受け取られたかどうか、および試料流体の量が、試験するために十分であるかどうか、を決定する電気的成分が含まれうる。メーターは、典型的には、保存され、検体の結果を表示し、または分離器具へデータを提供する。
【0067】
システムの部分を形成する、本発明のバイオセンサーは、検体に対して、定量的または定性的いずれかの示唆を提供可能である。1つの実施形態において、バイオセンサーは、メーターと共同して、試料流体中の検体の存在を単純に示唆する。バイオセンサーおよびメーターはまた、試料流体中の検体の量または濃度の読み取りも提供しうる。好ましい実施形態において、検体濃度の非常に正確で、的確な読み取りが得られることが、本発明の1つの特徴である。
【0068】
バイオセンサーは、広範囲の検体の決定のために有用である。たとえば、バイオセンサーは、検体の存在を査定するために使用可能である、好適な化学反応とともに使用することに、簡単に適合される。もっとも好ましくは、バイオセンサーが、生物学的流体中の検体の試験のために、配置され、使用される。システムに対する相応の改変が、当業者に明らかであろう。説明の目的のために、そして、とくに好ましい実施形態において、システムを、生物学的流体中のグルコースの検出に関して記述する。
【0069】
バイオセンサーはまた、広範囲の試料流体で有用であり、生物学的流体中の検体の検出のために、好ましく使用される。さらに、バイオセンサーは、試験のためのシステムの統合性を確認するために、従来の様式で使用される、参照流体と連結して有用である。
【0070】
好ましい実施形態において、バイオセンサーを、グルコースの試験のために利用される。この例での試料流体には、とりわけ、たとえば、フィンガーチップまたは許可された他の部位(たとえば前腕、手のひら、上腕、ふくらはぎ、もも)から得た、新鮮なキャピラリー血液、新鮮な静脈血、およびシステムで、またはシステムのために、供給された対照溶液が含まれうる。流体は、任意の様式で、獲得され、バイオセンサーに伝達されうる。たとえば、血液試料は、ランセットによってのように、皮膚に刻むことによって、ついで、バイオセンサーを、皮膚表面に現れる流体と接触させることによって得ることが可能である。バイオセンサーが、非常に小さな流体試料とともに有用であることが、本発明の1つの観点である。したがって、試験のために必要な流体の用量を産出するために、皮膚にわずかに刻みを入れることが、必要であり、そのような方法での痛みまたは考慮が、最小化されるか、または除去可能であることが望ましい特徴である。
【0071】
本発明の実施形態にしたがった、バイオセンサー210は、共通の平面表面上に、異なる特徴サイズをもつ、2つの電極パターンをもち、したがって、流体中の検体の正確な測定が可能となる。図1で示すように、バイオセンサー210は、基体またはベース基板212、前記基体212上に位置した、伝導性物質216、スペーサー214、およびカバー218を含む。カバー218およびスペーサー214は、基体212と共同して、試料流体のための入り口221をもつ、試料受け取りチャンバー220(図9)、および試験検体の存在下、電気化学的シグナルを産出するための薬剤264を画定する。バイオセンサー210は試験ストリップとして形成され、特に、試料受け取りチャンバー220に対して開口するエッジまたは面を提供するラミネート構造を有する試験ストリップとして形成される。図2および9で示したように、試薬264が、試料受け取りチャンバー220によって暴露され、またチャンバー220内に位置する、ワーキング電極に、電気化学的シグナルを提供する。グルコース検出のような、好ましい環境において、試薬には、酵素、および任意にメディエーターが含まれうる。
【0072】
バイオセンサー210の基体212には、反対のエッジ224、226、および末端224、226間に伸びる側面228、230を画定する、エッジ222が含まれる。基体212はまた、伝導性物質216を支持する最上表面232と、反対の底表面234をもつ(図8および9)。実例として、基体212は、40mmの長さ、および10mmの幅をもつ。しかしながら、これらの値が、単に例示であり、基体212の寸法は、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0073】
基体212は、絶縁物質から形成される基質であり、伝導性物質216から形成された電極間の、電気的連結は提供しない。好適な絶縁物質の非限定例には、ガラス、セラミックスおよびポリマーが含まれる。好ましくは、基体は、柔らかいポリマーであり、UV中で強力な吸収をもつ。好適な物質の非限定例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリイミドフィルムが含まれる。好適なフィルムは、それぞれ、E.I.duPont de Nemours, Wilmington, Delaware,USA(「duPont」)からのMELINEX(登録商標)、KALADEX(登録商標)およびKAPTON(登録商標)、およびUBE Industries Ltd., Japanからのポリイミドフィルム、UPILEX(登録商標)として市販されている。好適な物質は、Techmi-Met Advanced Depositions, Inc. Windsor, Connecticut, USAによる、<5%のlot C.V.内の、50±4nm金でコートされる、10ミル厚MELINEX(登録商標)329またはKAPTON(登録商標)から選択される。基体212が、伝導性物質216で前コートされたものを購入してよいか、または本開示物にしたがって、スパッタリングまたは蒸発沈着によってコートしてよいことが理解される。伝導性物質の厚さは、本開示物にしたがって変化可能であることが理解される。
【0074】
スペーサー214は、例示的に、末端224に隣接する基体212の最上表面232上に位置する。スペーサー214は、基体212に面する上表面236および下表面238(図9)をもつ。ここで図2を参照すると、スペーサー214は、エッジ240、242、244、246をもつ。例示的に、スペーサー214は、約6mmの長さ、約10mmの幅、および約4milの高さをもつ。しかしながら、これらの値は、単に例示であること、およびバイオセンサーが、スペーサーなしで形成しうること、およびスペーサー214の寸法が、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0075】
スペーサー214は、絶縁物質から形成され、伝導性物質216から形成された電極間で、電気的連結を提供しない。好適な絶縁物質の非限定例には、ガラス、セラミックス、ポリマー、フォトイメージ可能カバーレイ物質およびフォトレジストが含まれ、その非限定例は、参考文献によって、本明細書に組み込まれている開示物である、2002年10月4日に出願された、米国特許明細書番号第10/264,891号にて開示されている。例示的に、スペーサー214は、4mil MELINEX(登録商標)ポリエステルフィルムからなり、全血試料との使用に好ましい。しかしながら、試料が血漿または血清の場合、1〜2milフィルムが、本開示物にしたがった使用のために好ましいことが理解される。しかしながら、これらの値は、単に例示であること、およびスペーサー214の組成物および寸法が、試料受け取りチャンバーの所定の高さにしたがって変化しうることが理解される。
【0076】
スリットまたは空間248は、スペーサー214中に形成され、エッジ242に向かって、エッジ240から伸張する。スリット248は、試料受け取りチャンバー220の、少なくとも長さおよび幅を画定し、エッジ249によって画定される。例示的に、スリット248は、5mmの長さ、1mmの幅、および0.1mmの高さをもつが、本開示物にしたがって、種々の長さおよび幅をもちうる。さらに、スリットのエッジ249がまた、本開示物にしたがって曲がるか、角度がつきうる。
【0077】
図1で示したように、カバー218が、スペーサー214の上表面236上に位置する。カバー218は、基体212に面する、第一表面250と、第二表面252(図9)をもつ。さらに、カバー218は、エッジ254、256、258、260をもつ。図1で示すように、カバー218は、スリット248の長さ以下の長さをもつ。例示的に、カバー218は、約4mmの長さ、約10mmの幅、および約0.1mmの高さをもつ。しかしながら、これらの値が単に例示的であること、バイオセンサーがカバー無しで形成されてよいこと、およびカバー218の寸法が、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0078】
カバー218は、例示的に、スペーサーの近くで、親水性接着層をもつ、透明な物質からなる。カバー218のために好適な物質の非限定例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロライド、ポリイミド、ガラス、またはポリエステルが含まれる。カバー218のために好ましい物質は、100μmポリエステルである。好ましい接着物は、ペンシルベニア州グレンロックのアドヘジブス リサーチ社(Adhesives Research Inc.)から市販されている、MA−55親水性コーティングをもつ、ARCare 8586である。さらに、カバーが、本開示物にしたがって、作製されることが理解される。
【0079】
カバー218および基体212と共に、スペーサー214中のスリット248が、試料受け取りチャンバー220を形成し(図9)、バイオセンサー210の使用者からの試験されるべき流体へ、試薬264を暴露するように働く。この試料受け取りチャンバー220は、キャピラリーチャンネルとして働き得、流体を、開口部221から、伝導性物質216の検出領域上へ、そして空間262へ向かって、試験されるべき流体を導く。バイオセンサーが、本開示物にしたがって、スペーサー無しで形成されうること、およびスペーサーおよびカバーに加えて、またはこれらの代わりに、種々の誘電体物質が、本開示物にしたがって、伝導性物質の選択した部分のみを暴露する、基体212をカバーしうることが理解される。さらに、存在する場合に、チャンネル220の寸法が、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0080】
図2は、第一電極組266および第二電極組268、およびそれぞれ、相当するトレース279、277およびコンタクトパッド278、282を含む電極システムを画定している、伝導性物質216を例示している。伝導性物質216は、純粋な金属または合金、または金属製コンダクターである他の物質を含みうる。好ましくは、伝導性物質は、電極を形成するために使用するレーザー、および迅速で正確な処理を可能にする厚さの波長において、透過性である。非限定例には、アルミニウム、炭素、銅、クロミウム、金、酸化インジウム鉛(ITO)、パラジウム、白金、銀、酸化鉛/金、チタン、これらの混合物、これらの要素の合金または金属製化合物が含まれる。好ましくは、伝導性物質には、貴金属または合金またはその酸化物が含まれる。もっとも好ましくは、伝導性物質には、金、パラジウム、アルミニウム、チタン、白金、ITOおよびクロミウムが含まれる。伝導性物質は、厚さにして、約10nm〜80nm、より好ましくは、30nm〜70nmの範囲である。図1〜3、6および8〜9は、50nm金フィルムをもつバイオセンサー210を例示している。伝導性物質の厚さは、金属およびバイオセンサーの利用に関連する他の因子の伝達可能特性に依存することが理解される。
【0081】
例示的に、伝導性物質216を、組266、268を含む、2つの電極システムに切断する。これらのシステムを形成することにおいて、伝導性物質216を、基体212の表面積の少なくとも5%より除去し、より好ましくは、基体212の表面積の少なくとも約50%、もっとも好ましくは、基体212の表面積の少なくとも約90%から除去する。図2で示すように、基体212上に残っている伝導性物質216のみが、電極システムの少なくとも一部分を形成する。
【0082】
例示されてはいないが、得られるパターン化伝導性物質を、追加金属層で、コートまたはプレート可能であることが理解される。たとえば、伝導性物質は、銅であり得、ついでレーザーによって、電極パターンに切断し、続いて、銅を、チタン/タングステン層で、ついで金層でプレートして、所定の電極を形成してよい。好ましくは、伝導性物質の単一層を使用し、基体212上に横たわる。一般的には必要ではないが、本技術分野でよく知られているように、クロミウムニッケルまたはチタンのような、種または補助層を用いることによって、基体への伝導性物質の接着を増強可能である。好ましい実施形態において、バイオセンサー210は、金、パラジウム、白金またはITOの単一層をもつ。
【0083】
図2および9で示したように、バイオセンサー210には、試料受け取りチャンバー220内に、少なくとも1つのワーキング電極と、1つのカウンター電極を含む、電極システムが含まれる。試料受け取りチャンバー220は、チャンバーに入る試料流体がワーキング電極とカウンター電極両方との電気的コンタクト中に配置されるように、設定される。このことによって、電流が、電極間で流れ、検体またはその産物の電気酸化または電気還元に影響を与えることが可能である。
【0084】
ここで図3を参照して、電極システムの第一電極組266は、2つの電極270、272を含む。例示的に、電極270は、ワーキング電極であり、電極272は、カウンター電極である。電極270、272はそれぞれ、コネクティングトレース279を介して、コンタクトパッド278と連絡する、単一要素またはフィンガー280を含む(図2で示している)。電極270、272の電極フィンガー280は共同して、巨大電極アレイとして形成された電極パターンを画定する。本明細書以下で記載するように、電極270、272が、本開示物にしたがって、それぞれ1つ以上のフィンガーを含みうることが理解される。さらに、電極または電極フィンガーの形態、サイズおよび相対配座が、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0085】
図2で示したように、第二電極組268は、2つの電極274、276を含む。例示的に、電極274はワーキング電極であり、電極276はカウンター電極である。さらに、電極274、276はそれぞれ、コネクティングトレース277を介して、コンタクトパッド282と連絡して、5つの電極要素またはフィンガー284をもつ。ここで図3を参照にして、電極フィンガー284が共同して、インタートレース巨大電極アレイとして形成された電極パターンを画定する。5つの電極フィンガー284が例示されているが、電極274、276の要素が、本開示物にしたがって、5つ以上または5つ以下の電極フィンガーで形成可能であることが理解される。さらに、電極または電極フィンガーの形態、サイズおよび相対配座が、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0086】
図2で例示したような、電極組266、268の寸法に関する値は、単一の特異的な実施形態に関してであり、これらの値が、特定の使用のために必要性によって選択されうることが理解される。たとえば、電極組の長さは、基体の長さまでの、任意の長さであり得、基体上の電極組の方向に依存している。さらに、電極組と連絡した、伝導性トレースの幅は、変化し得、その非限定例は、約0.4〜約5mmであることが理解される。それぞれのコンタクトパッドの幅が変化し得、その非限定例は、約1mm〜約5mmであることが理解される。図2で示した電極パターンは、対称であるが、必要ではなく、通常ではない、または非対称パターン(または電極形態)が、本開示物にしたがって可能である。さらに、基体212上の電極組の数は変化して、したがって、それぞれの基体212は、たとえば1〜1000電極組、好ましくは2〜20電極組、より好ましくは2〜3電極組を含みうる。
【0087】
再び図3の第一電極組266を参照として、各電極フィンガー280は、インナーエッジ281、アウターエッジ283、および反対の第三および第四エッジ285、287によって画定される。各エッジ218、283、285、287は、滑らかなエッジ品質をもつ。先に述べたように、電極270、272のエッジ品質は、第一および第二点間に伸長している理論線からのエッジの偏差によって画定される。偏差の以下の記述が、バイオセンサー210の電極270、272の各エッジに適用可能である。しかしながら、明確化目的のために、電極270のエッジ281のみを本明細書以下で記載する。
【0088】
図3で示したように、電極270のエッジ281は、基体212上に局在した点289、291間に伸長する。点289、291は、インナーエッジ281の反対の末端に局在し、電極280間のギャップ286の全長を表す。点289、291が、本開示物にしたがって、所定のエッジの長さに依存して、互いに関連して、種々の位置、および種々の距離で位置しうることが理解される。しかしながら、対象の長さは、典型的には、隣接エッジの滑らかさが、通常この全長にわたりもっとも重要であるので、ギャップが伸長する全長である。
【0089】
図4は、点289、291間で実際伸長する理論線293を例示している。すなわち、線293は、電極を形成する工程が完璧である場合にえられうる、理想の、または所定のエッジを表している。しかしながら、線293の長さにそった任意の該点において、エッジ281は、距離「di」によって、理論線293より、いずれかの距離で間隔があく。距離diは、たとえば、図4中、距離d1、d2、d3およびd4を参照して示すように、測定される場所に依存して、ゼロから最大値まで変化する。線293の長さ上のこの距離の標準偏差は、本開示物にしたがって、約6μm以下であり、滑らかなエッジ品質をもつエッジが作製される。好ましい実施形態において、理論線293からのエッジ281の標準偏差は、2μm以下であり、もっとも好ましくは、1.0μm以下である。平均または理論からの標準偏差の例を、図10で例示している。
【0090】
図10で例示したエッジ品質は、Metric 6.21ソフトウェアを備える、ドイツ連邦共和国、ガルブセンのLPKFレーザー エレクトロニック社(LPKF Laser Electronic GmbH)から市販されている、Micro−Measureシステムを用いて測定された。Metricソフトウェアによって、PC上での、ビデオイメージの表示および測定が可能である。測定は、イメージをキャプチャし、ついで、イメージ上の10μmグリッドをソフトウェアが配置することを許容することによって実施した。グリッドを、測定の目的のために、電極構造を移動することによって、エッジとアラインする。(イメージの物理的倍率によって、エッジを、グリッドと平行に垂直にアラインした。)ソフトウェアを用いて、グリッド線から、電極エッジへの測定が、点−点工程を用いて、線250μm長の長さにそって、10μm間隔で作製された。ビデオスクリーンへの、効果的ビデオ倍率は、575Xであった(対物Q750を作製する)。ビデオ倍率=ビデオスクリーン上で実際の測定された「スケール長(Scale length)」(μm)/スケール値(μm)。たとえば、115000μm/200μm=575X。
【0091】
本発明の原理を用いて形成された電気的パターンの1つの解析において、エッジの平均からの偏差を、ビデオスクリーンに対する効果的倍率=470×で、イリノイ州、オーロラのミツトヨ アメリカ社(Mitutoyo America Corporation)から市販されている、QVH−606 PRO Vision Measuring System(コンピュータ制御非接触測定系)を用いて測定した。標準偏差は、少なくとも250μmの長さに対して、0.69μmの平均間隔での測定から計算した。他の設定:リング照射(Intensity 89、Position 60)、エッジ検出(エッジスロープ=Falling、エッジ検出TH=169、THS=18.5、THR=0.5、スキャン間隔=1)。平均値からの標準偏差は約2μm以下であった。
【0092】
図4を再び参照に、線293は、例示的に直線である。しかしながら、線293の形態は、エッジの長さにわたる線293からのエッジ281の距離の標準偏差が、約6μm以下である限り、曲線または角度をなしてよい。
【0093】
図3で示したように、電極フィンガー280は、電極ギャップ286によって互いに分離され、電極組266の電極パターンの特徴サイズに相当する。図3で示した電極ギャップ286は、2つの直線エッジ281によって形成されたように示される。しかしながら、言及したように、エッジ281の配置は、エッジの長さにそって変化する距離によって、理論値293(図4)から変化する。例示的に、バイオセンサー210において、最上表面232の電気的に不活性な物質が、長さ290に沿って、電極フィンガー280間で暴露される。しかしながら、最上表面232が暴露されるかわりに、基体が、物質でコートされて良く、または参考文献によって本明細書で組み込まれている開示物である、2000年11月1日に出願された米国特許明細書番号第09/704,145号で、現在米国特許第6,540,890号で開示されたように、凹所が、電極間に形成可能である。
【0094】
図3および5で示したように、電極フィンガー280のインナーエッジ281が、数字290で例示した、等しい長さをもち、電極ギャップ286によって互いに分離され、その長さはまた、長さ290によって表される。ギャップ286を画定している2つのエッジ281が完全ではないので、ギャップ286は事実、図5で示したように、ギャップ292a〜292dに関連して示したように、その長さにわたって、幅および配置が変化しうる。ギャップ286を画定している2つのエッジの偏差が、同一の方向である場合、少なくとも部分的に、幅偏差に関しては、互いをキャンセルする傾向であり、図5の参照数字292cと292dに関して例示したように、ギャップの配置での正味シフトを引き起こす。理論ギャップは、エッジ281に関連した2つの理論線293によって画定可能である。ギャップの品質または理論ギャップからのその偏差は、それを画定している2つの個々のエッジの品質に関して得意化可能である。好ましくは、ギャップ286を画定している両方のエッジの滑らかさの標準偏差は、6μm以下であり、好ましくは2.0μm以下、もっとも好ましくは1μm以下である。
【0095】
電極の要素274、276を画定している、電極フィンガー284を、図3および6で例示している。しかしながら、明確化の目的のために、これらの電極フィンガー284のうちの3つのみを、図6で例示しているように、本明細書で以下に述べる。各電極フィンガー284は、第一エッジ296および第二エッジ297によって画定する。さらに、隣接フィンガー284は、それぞれ空間的に離れた、第三および第四エッジ298、299をもつ。フィンガー284のこれらのエッジ296、297、298、299はまた、滑らかなエッジ品質をもちうる。電極270、272に関して先に記述したように、電極274、276のエッジ品質は、第一および第二点間に伸長している線からの、それぞれのエッジの偏差によって画定される。以下の偏差の記述は、バイオセンサー210の電極フィンガー284のそれぞれのエッジに適用される。しかしながら、明確化の目的のために、電極フィンガー284の1つのエッジ296のみを本明細書の以下において述べる。
【0096】
電極フィンガー284のエッジ296は、基体212上に局在する第一および第二点301、302間で伸長する。図7で示したように、理論線300は、実際点301、302間で伸長し、典型的に、エッジ296および297によって形成されたギャップの長さである。線300からのエッジ296の変化している距離の標準偏差は、本開示物にしたがって、約6μm以下であり、滑らかなエッジ品質をもつエッジを作製する。好ましい実施形態において、理論線300からのエッジ296の標準偏差は、約2μm以下であり、もっとも好ましくは1.0μm以下である。例示的に、線300は直線である。しかしながら、線300の形態は、曲線または角度をなしてよいことが理解される。また、表面232上の第一および第二局所300、301の特定の位置が、最も重要な長さが、典型的には、これらの近くに配置された電極フィンガー間のギャップの全長であるけれども、本開示物にしたがって変化してよいことが、理解される。
【0097】
図3を再び参照して、電極フィンガー284は、電極ギャップ288によって互いに分離され、これは、電極組268の電極パターンの特徴サイズに相当する。電極ギャップ288は、フィンガー284の隣接エッジ296、297間の幅に関する。ギャップ288を画定している2つのエッジが完璧ではないので、ギャップ288は、事実、その長さにわたって、位置および配置が変化する。例示的に、バイオセンサー210では、基体212の電気的に絶縁物質が、長さ303に沿って、電極フィンガー284間で暴露される。しかしながら、最上表面232が暴露されるのではなく、基体が、物質でコート可能であり、または参考文献によって本明細書で組み込まれている開示物である、2000年11月1日に出願された米国特許明細書番号第09/704,145号で、現在米国特許第6,540,890号で開示されたように、凹所を、電極間に形成可能である。
【0098】
電極268の電極パターンの特徴サイズに相当する、電極ギャップ288は、電極組266の電極パターンの特徴サイズとは異なる。例示的に、特徴サイズ、または電極フィンガー284間のギャップ288は、約1μm〜約100μmを含む、約100μmまたはそれ以下、より好ましくは、約17μm〜約50μmを含む、75μmまたはそれ以下の幅をもつ。微小電極アレイに対する電極ギャップは変化可能であることが理解される。たとえば、電極ギャップは、本開示物にしたがって、1μm以下であり得ることが理解される。達成可能ギャップのサイズは、光学の品質、レーザーの長さ、およびマスク領域のウインドウサイズに依存する。
【0099】
図3で例示したように、ギャップ288は、電極フィンガー284の反対エッジ296、297の長さ303に沿った幅をもつ。ギャップ286のように、ギャップ286の品質、または理論ギャップからのその偏差が、それを画定している2つの個々のエッジの品質に関して特性化可能である。好ましくは、両方のエッジ画定ギャップ286の滑らかさ標準偏差は、6μm以下であり、好ましくは2.0μm以下であり、もっとも好ましくは、1μm以下である。
【0100】
図9をここで参照して、電極フィンガー284は、試薬264でカバーされ、特定の検体のための、電気化学的プローブを提供するために使用しうる。開始試薬は、反応物または試薬の成分であり、しばしば、リボンまたはリールへの適用前に、液体形態で、または電極のシート上のキャピラリーチャンネル中で、一緒に化合される。ついで液体が蒸発し、固体形態中で試薬を残す。特定の試薬の選択は、測定されるべき特定の検体または検体類に依存するが、本発明では重要ではない。種々の試薬組成物が、当業者によく知られている。基体上の試薬に関する配置選択が、変化し、バイオセンサーの意図する使用に依存する。さらに、試薬を基体上に適用するための技術が変化して良いことが理解される。たとえば、フィンガー上へスクリーン印刷された試薬をもつことが、本開示物の目的の範囲内である。
【0101】
ヒト血液試料中のグルコースの測定のための、可欠試薬の非限定例には、62.2mg 酸化ポリエチレン(100〜900キロダルトンの平均分子量)、3.3mg NATROSOL 250M、41.5mg AVICEL RC−591F、89.4mg 一塩基性リン酸カリウム、157.9mg 二塩基性リン酸カリウム、437.3mg フェリシアニドカリウム、46.0mg コハク酸ナトリウム、148.0mg テレハロース、2.6mg TRITON X−100界面活性剤、および試薬のグラムあたり2,000〜9,000ユニット酵素活性が含まれる。試薬は、12.5mgコエンザイムPQQおよび1.21ミリオンユニットの、キノタンパク質グルコースデヒドロゲナーゼのアポ酵素からの酵素溶液として調製し、キノタンパク質グルコースデヒドロゲナーゼの溶液を形成する。この試薬はさらに、参考文献にて、本明細書にて組み込まれている開示物である、米国特許第5,997,817号にて開示されている。
【0102】
試料中のヘマトクリットの測定のための、可欠試薬の非限定例には、可逆性電気活性化合物(それぞれ、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム(「フェリシアニド」)、およびヘキサシアノ鉄(II)カリウム(「フェロシアニド」)、電解質(リン酸緩衝カリウム)および微晶質性物質(Avicel RC−591F−88%微晶質性セルロースと12%カルボキシルメタルナトリウムのブレンドセルロースは、FMC社より入手可能)の酸化および還元型が含まれる。乾燥前の試薬内の成分の濃度は、以下のようである。400ミリモーラー(mM)フェリシアニド、55mM フェロシアニド、400mMリン酸カリウム、および2.0%(質量:用量)Avicel。ヘマトクリットアッセイのための試薬のさらなる記述は、参考文献によって本明細書に組み込まれている開示物である、米国特許第5,385,846号で見られる。
【0103】
本発明のバイオセンサー中の特定の検体を測定する時に使用しうる酵素および培地の非限定例を、表1で以下に列記する。
【0104】
【表1】
【0105】
表1で示した例のいくつかにおいて、少なくとも1つの追加的酵素を、反応触媒として使用する。また、表1で示した例のいくつかは、追加メディエーターを利用して良く、メディエーターの酸化形態への電子輸送を促進する。追加的メディエーターは、メディエーターの酸化形態よりも少ない量で、試薬に提供されうる。以上のアッセイを記述する一方で、電流、電荷、インピーダンス、コンダクタンス、電位または他の電気化学的に示唆される試料の特性が、本開示物にしたがったバイオセンサーで、試料中の検体の濃度に正確に比例しうることが意図される。
【0106】
本発明のバイオセンサーとの使用のために好適である可欠試薬の他の非限定例は、ニトロソアニリン試薬であり、PQQ−GDHおよびパラ−ニトロソ−アニリン メディエーターが含まれる。ニトロソアニリン試薬の調製のためのプロトコールは、参考文献にて本明細書に組み込まれた開示物である、2003年10月17日に出願された、表題「AP相角度測定を用いる、検体検出のためのシステムと方法(System And Method For Analyte Measurement Using AC Phase Angle Measurement)」、米国特許明細書番号第10/688,312号で記述されたものと、すべての観点で同一である。分散および乾燥前の、試薬量比較は、表2で列記したようである。
【0107】
【表2】
【0108】
本開示物との使用のために好適な、コート可能な試薬は、表3で示したようなものである。
【0109】
【表3】
【0110】
バイオセンサー210は、例示的に、それぞれ図17〜18および19で示した、2つの器具10、10’を用いて製造される。他に記述しない限り、器具10、10’は、同様の様式で共同する。まず図17を参照として、バイオセンサー210は、幅にして約40nmである、80nm金ラミネートをもつ、リボンまたはウェブ20のロールを、カスタムフィット広領域レーザー切断器具10内に、供給することによって、製造される。器具10は、レーザー光12のビームを産出するレーザー供給源、クロミウムプレート化石英マスク14、および光学16を含む。例示した光学16が単一レンズである一方で、光学16は、好ましくは、共同して、ベース基板20のウェブ上へ投射される、先に決定された形態またはイメージ中に光12を作製する、種々のレンズであることが理解される。
【0111】
好適な切断器具10(図17〜18)の非限定例は、ドイツ連邦共和国、ゲッチンゲンのランバダ フィシック アクチェン ゲゼルシャフト(Lambda Physik AG)から市販されている、LPX−400、LPX−300またはLPX−200レーザーシステム、およびコロラド州、スプリングスのインターナショナル フォトツール カンパニー(International Phototool Company)から市販されている、クロムメッキされた石英マスクを組み込む、ドイツ連邦共和国、ガルブセンのLPKFレーザーエレクトロニック社(LPKF Laser Electronic GmbH)から市販されている、カスタム化MicrolineLaser 200−4レーザーシステムである。
【0112】
MicrolineLaser 200−4レーザーシステム(図17〜18)に関して、レーザー供給源11は、LPX−200 KrF−UV−レーザーである。しかしながら、より高い波長UVレーザーを、本開示物にしたがって使用可能であることが理解される。レーザー供給源11は、600mJのパルスエネルギー、および50Hzのパルス繰り返し振動数をもつ、248nmで働く。レーザービーム12の強度は、誘電体ビームアテニュエーターによって、3〜92%の間で無限に調節可能である(示していない)。ビームプロファイルは、27×15mm2(0.62sq.インチ)およびパルス期間25nsである。マスク14上のレイアウトは、均一的に、光学要素ビームエクステンダー、ホモジナイザーおよび領域リンクによって投影される(示していない)。ホモジナイザーの性能は、エネルギープロファイルを測定することによって決定されてきた。イメージング光学16は、リボン20上へ、マスク14の構造を写す。イメージング非は、2:1であり、一方で、広範囲を除去可能であり、他方で、エネルギー密度を、適用したクロミウムマスクの切断点以下に維持することが可能である。2:1のイメージングを例示する一方で、任意の数の他の比が、所定の設計要求に依存して、本開示物にしたがって、可能であることが理解される。リボン20は、矢印25で示したように移動して、複数の連続して、切断されるべきレイアウト区画を許容する。
【0113】
マスク14の位置、リボン20の移動、およびレーザーエネルギーはコンピュータ制御される。図17で示すように、レーザービーム12が、切断されるべきリボン20上に投影される。マスク14の透明な領域またはウインドウ18を通過する光12が、リボン20より金属を切断する。マスク14のクロミウムコート領域は、レーザー光12をブロックし、これらの領域の切断を防止し、結果として、リボン20表面上に金属化構造ができる。ここで図18を参照すると、電気的成分の完全構造には、第二マスク14’を通した、追加的切断段階が必要となりうる。光学および切断されるべき電気的成分のサイズに依存して、単一の切断段階のみ、または2つ以上の切断段階が、本開示物にしたがって必要であり得ることが理解される。さらに、複数のマスクの代わりに、複数の領域を、本開示物にしたがって、同様のマスク上に形成しうることが理解される。
【0114】
とりわけ、好適な切断器具10’(図19)の第二の非限定例は、ドイツ連邦共和国、ゲッチンゲンのランバダ フィシック社(Lambda Physik AG)から市販されている、Lambda STEEL(安定エネルギーエキシマーレーザー)レーザーシステム、およびコロラド州、スプリングスのインターナショナル フォトツール カンパニー(International Phototool Company)から市販されている、クロムメッキされた石英マスクを組み込む、ドイツ連邦共和国、ガルブゼンのLPKFレーザー エレクトロニック社(LPKF Laser Electronic GmbH)から市販されている、カスタム化レーザーシステムである。本レーザーシステムは、308nmの波長にて、1000mJパルスエネルギーまでを特徴とする。さらに、本レーザーシステムは、100Hzの振動度をもつ。器具10’は、図17および18で示したような、2つのパスをもつバイオセンサーを産出するために形成されうるが、好ましくは、その光学は、25ns単独パス中、10×40mmパターンの形成を可能にする。
【0115】
特定の理論に結びつける意図はないが、マスク14、14’、14”を通るパルスまたはビーム12が、リボン20上の表面232の1μm以下内に切断される、と信じられている。ビーム12の光子は、金属/ポリマー境界線にて、光子分解と、化学結合の急速な分解を引き起こすのに十分なエネルギーをもつ。この急速な化学結合分解が、吸収領域内の突然の圧力増加を引き起こし、金属(金属フィルム216)を、ポリマー基体表面から押し出す。典型的なパルス期間は、約20〜25ナノ秒であり、金属の相互作用が非常に迅速におこり、伝導性物質216のエッジと、周辺の構造への熱の障害が最小化される。得られた電気組成物のエッジは、本発明で意図されたように、高いエッジ品質と、正確な配置をもつ。
【0116】
リボン20から金属を除去する、または切断するために使用した蛍光エネルギーは、リボン20がそこより形成される金属、基体物質への金属フィルムの接着、金属フィルムの厚さ、およびおそらく、ベース基板上へフィルムを配置するために使用した工程、すなわちサポーティングおよび蒸発沈着、に依存する。KALADEX(登録商標)上の金のための蛍光レベルは、約100〜約120mJ/cm2のポリイミド上、または約60〜約120mJ/cm2のMELINEX(登録商標)上、約50〜約90mJ/cm2の範囲である。上記のものよりも低いまたは高い蛍光レベルが、本開示物にしたがった、他の基体物質に適切であり得ることが理解される。
【0117】
リボン20の面積のパターン化は、マスク14、14’を用いることによって達成される。各マスク14、14’は、例示的に、形成されるべき、電極成分パターンの、先に決定された一部の、正確な二次元例示を含む、マスク領域22を含む。図17は、コンタクトパッドおよびトレースの一部を含む、マスク領域22を例示している。図18で示したように、第二マスク14’は、トレースの第二の相当する部分、およびフィンガーを含む電極パターンを含む。先に記述したように、切断されるべき面積のサイズに依存して、マスク14が、各バイオセンサーのために全電極パターンの完全な例示(図19)、または、本開示物にしたがって、図17および18で例示されたようなものとは異なる部分的パターンを含みうる。好ましくは、本発明の1つの観点において、試験ストリップ上の、電気的組成物の全パターンが、一度に切断される、すなわち、広領域が、試験ストリップの全サイズを意図する(図19)か、または2つまたはそれ以上の試験ストリップの全サイズさえ意図されていない。あるいは、図17で例示したように、全バイオセンサーの部分を連続して切断する。
【0118】
マスク14を本明細書以下で記載するが、他に示唆しない限り、この記載は、同様にマスク14’、14”に適用することが理解される。図17を参照して、クロムで保護した、マスク領域22の面積24が、リボン20へのレーザービーム12の投射を阻害する。マスク領域22中の透明の面積またはウインドウ18によって、レーザービーム12が通過可能になり、リボン20の先に決定した面積に衝突可能になる。図17で示したように、マスク領域22の透明な面積18は、そこより、伝導性物質216が除去されるべきである、リボン20の面積に相当する。
【0119】
さらに、マスク領域22は、線30で示した長さと、線32で示した幅をもつ。LPX−200の2:1のイメージング比を考えると、マスクの長さ30が、得られた長さ34の2倍の長さであり、マスクの幅32が、リボン20上の得られたパターンの幅36の2倍の幅であること、が理解される。光学16は、リボン20に溝をつける、レーザービーム12のサイズを減少させる。マスク領域22の相対寸法と、得られるパターンは、本開示物にしたがって変化可能であることが理解される。マスク14’(図18)を、電気的組成物の二次元例示を完全にするために使用する。
【0120】
図17の参照を続けると、レーザー切断器具10において、エキシマーレーザー供給源11が、ビーム12を放射し、これが、石英上クロムマスク14を通過する。マスク領域22によって、ビームの他の部分が、部分のイメージの形態にて、または全ての電極パターンを通過させる一方で、反射されるべきレーザービーム12の部分を引き起こす。言い換えると、マスク14を通過するレーザービームのイメージまたは部分が、レーザービーム12が衝突した金フィルム上でパターンを作り出す。リボンまたはウェブ20は、器具10に関して安定であり得るか、または器具10を通して、ロール上で連続して動くことが理解される。したがって、リボン20の移動の非限定速度は、約0m/分〜約100m/分、より好ましくは、約30m/分〜約60m/分であり得る。リボン20の移動の速度は、選択された器具10によってのみ限定され、本開示物にしたがって、レーザー供給源11のパルス期間に依存して、100m/分を大きく越えうる。
【0121】
一旦マスク14のパターンがリボン20上で形成されると、リボンを巻き戻し、器具10に再び供給し、これは、マスク14’である(図18)。レーザー器具10が、あるいは、本開示物にしたがって、連続して位置しうることが理解される。段階および繰り返し工程の詳細な記述は、参考文献によって、本明細書に組み込まれた開示物である、2003年6月20日に出願された、表題「解析センサーに関する器具および方法(Devices And Methods Relating To Analyte Sensors)」の米国特許明細書番号第60/480,397号で見ることができる。したがって、マスク14、14’を用いることによって、広面積のウェブまたはリボン20が、基体の基質上の複雑な電極パターンおよび他の電気的成分の経済的な作製、電極要素の正確なエッジ、および基体物質からの、金属製フィルムのより多くの量の除去を可能にするために、同一のマスク面積中の複数マスク領域22を含む工程を繰り返してパターン化が可能である。
【0122】
図20は、図17および18で例示したものとは異なる電極パターンをもつけれども、本開示物にしたがって形成された、電極組リボン124の非限定略図である。リボン124には、複数のパネル120を含み、それぞれが、複数の電極システム116を含む。各システムには、2つの電極が含まれ、両方が標識され104、センシング領域110をもつ。また、電極組リボン124を形成するために、レーザー切断に適用する、本来の金属製ラミネートリボン12も示される。リボン122の幅は、レーザー切断システム10、10’に適合するように選択され、たとえば、40〜0.4インチ(1.2m〜10.25mm)でありうる。リボンは、任意の長さでよく、所定の数の電極組、および/またはリボンの取り扱いおよび輸送の簡便さに基づいて選択される。各個々のパネルのサイズは、リボン上に都合良く適合するように選択され、したがって、各パネルは、1〜1000電極組、好ましくは2〜20電極組を含みうる。
【0123】
一旦、完全な電極パターンが作製されたならば、リボン20を、任意の数の公知の市販された方法を用いて、スペーサーおよびカバーに連結しうることが理解される。製造の好適な方法の非限定例は、参考文献にて本明細書に組み込まれている開示物である、2003年6月20日に出願された、表題「解析センサーに関する器具および方法(Devices And Methods Relating To Analyte Sensors)」の米国特許明細書番号第60/480,397号で見ることができる。しかしながら、要約すると、試薬フィルムが、リボン上に配置され、通常、インライン乾燥システムで乾燥させることが理解される。処理の速度は、名目上、1分あたり30〜38メーターであり、試薬のレオロジーに依存する。バイオセンサー210のために好適な試薬は以上にて記述されているが、好ましい試薬を表2で示している。
【0124】
物質を、電極パターンが、基体の場合に、リールの長さに対して直角であるように、連続リール中で処理する。一旦基体がコートされたならば、スペーサー物質を、コートされたリボン20上にラミネートする。ラミネートの前に、スペーサー物質、しかしながら、スペーサー物質の一部分を除去し、それによって、スリットが形成される。パンチング工程を、スペーサーの必要ない部分を除去するために使用する。金型組が、スリットの形態を決定する。得られたスリットスペーサーが、基体上へのリールリール工程内に配置される。ついでカバーが、リールリール工程を用いて、スペーサー上にラミネートされる。ついで、バイオセンサーが、スリッティングおよびカッティングの方法によって、物質の得られたリールから産出可能である。
【0125】
スペーサー内のスリットが、好ましくは、基体とカバー間の空間を満たすキャピラリーを形成する。スペーサー上の疎水性接着が、スペーサー下で、試薬内に流すことから、試験試料を防止し、したがって、充填空間が、試験チャンバー容量を画定する。チャンバー容量は、バイオセンサーの適用に依存して、本開示物にしたがって変化可能であることが理解される。好適な充填容量の非限定な詳細の記述が、以上で言及した、米国特許明細書番号第60/480,397号で見られる。
【0126】
上述したように、バイオセンサー210は、共通平面表面上に、異なる特徴サイズをもっている2つの電極パターンをもち、したがって、その表面上で、複数の機能を達成する。好ましくは、電極組266は、第一の先に画定された特徴サイズをもつ、マクロ電極アレイとして形成された、電極パターンをもつ。好適な巨大電極アレイの機能性の非限定例は、ヘマトクリットレベル補正であり、これは、参考文献によって本明細書に組み込まれている開示物である、2003年10月17日に出願された、表題「AC相角度測定を用いる、検体検出のためのシステムおよび方法(System And Method For Analyte Measurement Using AC Phase Angle Measurement)」の、米国特許明細書番号第10/688,312号で記述されている。
【0127】
さらに、使用しているあいだ、試験メーター(示していない)が、1つの電極に電圧をかけ、先に言及した米国特許明細書番号第10/688,312号にて記述されたように、シグナルを得るために、他の電極における、電流応答を測定することが理解される。
【0128】
電極組268は、第二の先に画定された特徴サイズをもつ、インターレース微小電極アレイとして形成された、電極パターンをもつ。好適な微小電極アレイの機能性の非限定例は、グルコース推測であり、これはまた、参考文献によって本明細書に組み込まれている開示物である、米国特許明細書番号第10/688,312号に記述されている。さらに、使用しているあいだ、試験メーター(示していない)が、1つの電極に電圧をかけ、先に言及した米国特許明細書番号第10/688,312号にて記述されたように、シグナルを得るために、他の電極における、電流応答を測定することが理解される。
【0129】
使用の際に、ユーザーがバイオセンサー210の開口部221に、そのランスで刻まれた指を配置する。液体試料(全血)が、指より開口部221に流れる。液体試料を、キャピラリー活性を介して、試料受け取りチャンバー220に移し、電極組266の要素のフィンガー280を通過する。続いて、液体試料が、試料受け取りチャンバー220をとおって、空間262へ、そして、電極組268の要素のフィンガー284上に位置する、試薬264とかかわって流れる。上述したように、ヘマトクリット訂正値を、フィンガー280との、液体試料の相互作用より決定し、液体試料/試薬混合液の、フィンガー284との相互作用より、グルコースが決定される。ヘマトクリットおよびグルコース測定機能を、バイオセンサー210に関して記述するが、電極パターンが、本開示物にしたがって、複数の機能性のために使用しうることが理解される。
【0130】
記述された工程および製品には、とりわけ診断器具中での使用のための、使い捨てバイオセンサーが含まれる。しかしながら、任意の生物学的、環境または他の試料中の検体の測定のような、非診断使用のための電気化学バイオセンサーが含まれる。さらに、バイオセンサーの種々の使用および利用可能な機能が、本開示物にしたがって、それ自身で、または互いに組み合わせで存在しうることが理解される。
【0131】
図11〜16を参照して、以下に述べるように、それぞれの開示されたバイオセンサーが、210にしたがって以上で記述したものと同様の様式で、ユーザーの立場から操作される。さらに、バイオセンサーの同様の要素が、同様に番号づけられる。
【0132】
図11をここで参照して、バイオセンサー310が、基体212上に位置する伝導性物質216のパターンを除いて、バイオセンサー210と同様の様式で、形成および製造される。バイオセンサー310の伝導性物質216が、第一電極システム366と、第二電極システム368を画定する。電極システム366、368は、基体212上の、コネクティングトレース377、379と、コンタクトパッド378、383の得られるパターンを除いて、バイオセンサー210のシステムと同様である。トレース377、379およびパッド378、383が、本開示物にしたがって、種々の形態およびサイズを取りうることが理解される。
【0133】
図12で示したように、バイオセンサー510が、基体212上に位置する伝導性物質216のパターンを除いて、バイオセンサー210と同様の様式で、形成および製造される。電極組268に加えて、バイオセンサー510の伝導性物質216が、第一電極組566を画定する。電極組566は、電極の要素によって形成されたインターレース電極パターンの配置を除いて、組366と同様である。
【0134】
とりわけ、第一電極組566が、1つの電極フィンガー581を含む要素をもつワーキング電極、および2つの電極フィンガー580を含む要素をもつカウンター電極を含む。フィンガー580、581が、互いに共同して、約250μmの特徴サイズまたはギャップ幅をもつ、巨大電極アレイとして配置された、インターレース電極パターンを作製する。電極580、581はそれぞれ、約250μmの電極幅をもつ。組266で、前述の十のとおり、電極およびギャップ幅は、本開示物にしたがって変化可能である。
【0135】
バイオセンサー210に関して、上述したように、第一および第二電極組566、268は、異なる特徴サイズをもち、バイオセンサー510上に、異なる機能を作り出すために使用される。第一電極組566の好適な機能の非限定例は、ヘマトクリットレベルに関する、訂正因子を決定することのためである。測定法は、バイオセンサー210に関して、上述したとおりである。
【0136】
ここで図13を参照して、バイオセンサー610が、基体212上に位置する伝導性物質216のパターンを除いて、バイオセンサー210と同様の様式で形成される。上述したような、第一電極組566に加えて、バイオセンサー610の伝導性物質216が、組566から空間的に離れている、第二電極組668を画定する。
【0137】
電極組668は、電極の要素中のインターレース電極パターンのパターンを除いて、組268と同様である。とりわけ、第二電極組668は、ワーキング電極とカウンター電極を含み、それぞれが、3つの電極フィンガー661を含む要素をもつ。フィンガー661が、互いに共同し、約50μmの特徴サイズまたはギャップ幅をもつ、微小電極アレイとして配置された、インターレース電極パターンを画定し、これは、組566の電極パターンの特徴サイズよりも小さい。電極661はそれぞれ、約50μmの電極幅をもつ。組268で前述したように、電極およびギャップ幅が、本開示物にしたがって、変化可能である。
【0138】
さらに、バイオセンサー610は、試薬664を含む。試薬664は、試薬264と同様であり、基体212上に適用されたようなその幅のみが異なる。とりわけ、試薬664が、電極フィンガー661を越えて伸長する。第二電極組668の好適な機能性の非限定例は、グルコース決定機能性である。測定方法は、バイオセンサー210に関して前述したようである。
【0139】
図14で示したように、バイオセンサー710が、基体212上に位置した伝導性物質216のパターンを除いて、バイオセンサー210と同様の様式で形成される。バイオセンサー710の伝導性物質216が、前述のとおりの第一電極組366と、第二電極組768を画定する。電極768は、電極の要素によって形成された、インターレース電極パターンのパターンを除いて、組268と同様である。とりわけ、第二電極組768に、ワーキング電極およびカウンター電極が含まれ、それぞれ、5つの電極フィンガー770を含む要素をもつ。フィンガー770は互いに共同して、約30μmの特徴サイズまたはギャップ幅をもつ微小電極アレイとして配置された、インターレース電極パターンを画定し、組366の電極パターンの特徴サイズよりも小さい。電極フィンガー770はそれぞれ、約50μmの電極幅をもつ。組266で前述したように、電極およびギャップ幅は、本開示物にしたがって変化可能である。第二電極組668の好適な機能性の非限定例は、グルコース決定機能性である。測定方法は、バイオセンサー210に関して前述したとおりである。
【0140】
さらに、バイオセンサー710は、当業者に良く知られている種々の分散方法の任意によって、フィンガー770上に分散される試薬364を含む。試薬364は、好ましくは、表3で列記された試薬である。さらに、その非限定例が前述した種々の試薬が、本開示物にしたがって使用されてよいということが理解される。
【0141】
図15は、本開示物にしたがったバイオセンサー1310を例示している。バイオセンサー1310は、基体212、カバー1118およびスペーサー1114上に位置する、伝導性物質216の配座を除いて、バイオセンサー210と同様の様式で形成される。カバー1118およびスペーサー1114は、図15で示したように、基体212に関するそれらの寸法を除いて、カバー218およびスペーサー214と同様である。バイオセンサー1310の伝導性物質216は、第一電極組1366および第二電極組1368を画定する。第一電極組1366は、ワーキング電極およびカウンター電極を含み、それぞれが、5つの電極フィンガー1370をもつ。フィンガー1370は互いに共同して、約17μmの特徴サイズまたはギャップ幅をもつ微小電極アレイとして形成された、インターレース電極パターンを画定する。電極フィンガー1370はそれぞれ、約20μmの電極幅をもつ。
【0142】
第二電極組1368は、ワーキング電極とカウンター電極をもち、それぞれ、3つの電極フィンガー1371をもつ。電極フィンガー1371は、互いに共同して、約10μmの特徴サイズまたはギャップ幅をもつ微小電極アレイとして形成された、インターレース電極パターンを画定する。電極フィンガー1371は、それぞれ約20μmの電極幅をもつ。組266に関して前述したように、フィンガー1370および1371の電極およびギャップ幅は、本開示物にしたがって変化しうる。
【0143】
試薬264が、電極組1368の電極フィンガー1371を越えて伸長する。第一電極組1366の好適な機能性の非限定例には、バイオセンサー210に関して前述したような、ヘマトクリット訂正が含まれる。同様に、第二電極組1368の好適な機能性の非限定例は、バイオセンサー210に関して前述したような、グルコース予測を決定するために使用される。電極組1366および1368のための測定方法はまた、バイオセンサー210に関連して前述したとおりである。
【0144】
図16は、バイオセンサー1510を例示している。バイオセンサー1510は、試薬1564を除いて、バイオセンサー210と同一である。試薬364は、図14のバイオセンサー710に関して前述したような、電極フィンガー284上に分散される。
【0145】
図21〜24は、本発明の原理を用いて形成された、電気的パターンの写真である。図21は、まずベース基板をカバーしている伝導性物質の10%を除去することによって、その上に形成された電気的パターンをもつ、ベース基板の写真である。本実施形態において、伝導性物質は金である。パターンが、レーザーの単一パルスで形成された。
【0146】
図22は、ベース基板をまずカバーしている伝導性物質の20%を除去することによって、その上に形成された電気的パターンをもつベース基板の写真である。本実施例において、伝導性物質は金であり、ギャップ幅は、示したように、およそ20μmである。パターンは、レーザーの単一パルスで形成された。
【0147】
図23は、ベース基板をまずカバーしている伝導性物質の50%を除去することによって、その上に形成された電気的パターンをもつベース基板の写真である。本実施例において、伝導性物質は金であり、ギャップ幅は、示したように、およそ20μmである。パターンは、レーザーの単一パルスで形成された。
【0148】
図24は、ベース基板をまずカバーしている伝導性物質の90%を除去することによって、その上に形成された電気的パターンをもつベース基板の写真である。本実施例において、伝導性物質は金であり、ギャップ幅は、示したように、およそ250μmである。パターンは、レーザーの単一パルスで形成された。
【0149】
いくつかの産出実施を、本発明にしたがって、バイオセンサーの電気的パターンが産出可能である、非常にはやい速度で実証されるように行った。多くの実施には、表4で示したように、2つの異なる特徴サイズをもつ電極パターンを含んだ。図21〜24は、これもまた表4で示したように、電極構造の選択した1つをとった写真である。パターンを作製するために使用したマスクには、表4で列記した「構造1」と「構造2」両方が含まれた。約25ナノ秒の単一レーザーパルスを使用して、パターンを形成した。示したように、長いウェブ(約450mまたはそれ以上)の物質を、電気的パターンが形成されたような、制御速度にて、レーザー切断器具下で通した。
【0150】
【表4】
【0151】
上記表4から見ることができるように、本発明によって具体化された本方法は、迅速なマス産出によく適応する。
【0152】
本発明は、好ましい実施形態に関して詳細に記述されているが、以下の請求項にて記述され、画定されたように、本発明の目的および意思内で、変異および改変が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明のバイオセンサーの透視図である。
【図2】図1のバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図3】巨大電極アレイおよび微小電極アレイを示している、図1のバイオセンサーの拡大平面図である。
【図4】エッジの所定の形態および配置を示している、理論線または理想線からの、電極要素のエッジの偏差のダイアグラムである。
【図5】ギャップを形成している2つの個々のエッジ内の偏差から得られる、ギャップ偏差および配置の偏差のダイアグラムである。
【図6】図3の微小電極アレイの拡大切片である。
【図7】エッジの所定の形態および配置を示している、理論線または理想線からの、電極要素のエッジの偏差のダイアグラムである。
【図8】図1の線8−8にそってとった、交差切片を例示している。
【図9】図1の線9−9にそってとった、交差切片を例示している。
【図10】図3の微小電極アレイの電極エッジの、平均または理論からの偏差を示しているグラフである。
【図11】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図12】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図13】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図14】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図15】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図16】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図17】本発明での使用に好適な切断器具の図である。
【図18】第二マスクを示している図17のレーザー切断器具の図である。
【図19】本発明での使用に好適な切断器具の図である。
【図20】本発明の電極組リボンの略図である。
【図21】そこより、10%の伝導性物質が除去された、金伝導性層でまずコートされた、バイオセンサー基質を例示している写真である。
【図22】約20μmのギャップ幅を含む電極パターンをもち、そこで基体をまずカバーしている伝導性物質のおよそ20%が、除去されて、電気的パターンを形成する、バイオセンサー基質を例示している写真である。
【図23】約20μmのギャップ幅を含む電極パターンをもち、そこで基体をまずカバーしている伝導性物質のおよそ50%が、除去されて、電気的パターンを形成する、バイオセンサー基質を例示している写真である。
【図24】約250μmのギャップ幅を含む電極パターンをもち、そこで基体をまずカバーしている伝導性物質のおよそ90%が、除去されて、電気的パターンを形成する、バイオセンサー基質を例示している写真である。
【技術分野】
【0001】
[関連明細書との相互参照]
本明細書は、それぞれ、そのすべてが参考文献によって本明細書に組込まれている、2001年4月24日に出願された、米国特許明細書番号第09/840,843号の一部継続出願であり、2002年10月4日に出願された、米国特許明細書番号第10/264,891号の一部継続出願であり、2003年6月20日に出願された、米国特許明細書番号第10/601,144号の一部継続出願であり、2003年6月20日に出願された、米国特許明細書番号第60/480,397号に対する優先権を主張している。
【0002】
[技術分野]
本発明は、バイオセンサーを作製する方法、よりとりわけ、レーザー切断によって形成された、電極の組をもつバイオセンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
電気化学的バイオセンサーは、よく知られており、生物学的試料、とりわけ血液からの種々の検体の濃度を決定するために使用されてきた。そのような電気化学的バイオセンサーの例は、参考文献によって本明細書に組込まれている、米国特許第5,413,690号、第5,762,770号、および第5,798,031号、および第6,129,823号にて記述されている。
【0004】
電気化学的バイオセンサーが、可能な限り小さな試料を用いて、検体を解析可能であることが望ましく、したがって、可能な限り、電極を含む、その一部のサイズを最小化することが必要である。以下で記載するように、スクリーンプリンティング、レーザースクリービング、およびフォトリソグラフィ技術が、最小化電極を形成するために使用されてきた。
【0005】
スクリーンプリンティング技術によって形成された電極は、電気的に伝導性で、スクリーン印刷可能である組成物より形成される。さらに、スクリーンプリンティングは、一般的に、およそ75μmまたはそれ以上のギャップ幅、または特徴サイズをもつ、構造およびパターンの信頼性ある形成を可能にする、ウェット化学技術である。
【0006】
レーザースクリービングは、伝導性表面物質内の個々の線をエッチング処理するか、またはスクライブするために、そして、電極および他の望ましい組成を形成する、残余伝導性物質間の絶縁ギャップを提供するために、248nmの照明波長の、フッ化物クリプトンエキシマーレーザーのような、高出力エキシマーレーザーを通常用いる技術である。このスクリービングは、レーザービームを、切断されるべき表面を通して移動させることによって実施される。スクリービングビームは、一般的に、相対的に小さく、収束サイズおよび形態をもち、製品に関して望ましい特徴よりもより小さく、したがって、製品の形成は、ラスタリング技術を必要とする。そのような技術は、複合電極パターンが、表面上にて形成されるべきである場合に、時間がかかりうる。さらに、得られたエッジの正確さが限定される。このスクリービング技術は、金属、ポリマー、および生物学的物質を切断するために使用されてきた。そのような系は、当業者によく知られており、それぞれが、参考文献によって本明細書に組込まれている、米国特許第5,287,451号、第6,004,441号、第6,258,229号、第6,309,526号、国際特許第WO00/73785号、第WO00/73788号、第WO01/36953号、第WO01/75438号、および欧州特許第1 152 239号にて記述されている。正確な電極エッジ、種々の特徴サイズを可能にし、ラスタリングを使用せずに、高速/ハイスループット様式で形成可能である、電極を形成する新規の方法をもつことが望ましい。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、滑らかな、高品質エッジをもつ電極要素を含む電気化学的バイオセンサーを提供する。これらの滑らかなエッジは、電極、電極トレースおよびコンタクトパッド間のギャップを画定している。本発明で達成される顕著なエッジの滑らかさによって、ギャップは非常に小さい可能性があり、その利点を以下で記述している。さらに、本発明は、電極パターンの複雑さ、または形成するために切断されなければならない伝導性物質の量にかかわらず、本発明のバイオセンサーのための全電極パターンが、すべていっぺんに、ナノ秒内で形成されうる、新規バイオセンサー産出方法を提供する。
【0008】
その1つの形態において、本発明は、その上に形成された、第一および第二電極要素を含むベース基板を含む、バイオセンサーを提供する。第一および第二電極要素は、そのあいだのギャップを画定している、第一および第二のそれぞれのエッジをもつ。ギャップは、幅および長さをもつ。第一エッジは、その第一エッジの望んだ、または理想的な形態、および局在に相当する、第一「理論線(theoretical line)」から、第一距離によって間隔があけられている。この第一距離は、実際に産出されたエッジが、望んだ理論線のように滑らか、または完全ではないので、ギャップの長さにそって変化する。第一距離の標準偏差は、ギャップの全長にわたって、約6μmより小さい。バイオセンサーはまた、少なくとも部分的に、ベース基板をカバーしている試薬、およびベース基板をオーバーレイし、付着する1つまたはそれ以上の層を含む。1つまたはそれ以上の層は、共同して、試料受け取りチャンバー、およびバイオセンサーのためのカバーを形成し、試薬と電極両方の少なくとも1つの位置が、チャンバー内に配置される。
【0009】
以上で記述した本発明のバイオセンサーの関連形態において、理論線からの、エッジの実際または現実の偏差は、ギャップの全長にそって、約6μm以内である。言い換えれば、実際産出されたエッジと、理論線(エッジが完全な場合)間の距離は、ギャップにそって距離を測定した場合でも、6μm以内である。より好ましくは、現実の偏差は、約4μm以内であり、もっとも好ましくは、約2μ以内である。このもっとも好ましい形態にて、電気的成分の接触無しで、電極を約5μmほど近くに配置し、したがって短くすることが可能である。同様に、電極のような電気的特徴の幅は、約10μmほど小さい可能性がある。詳細を以下に記載するように、順に本発明によって許容された電極成分の近い配置によって、より複数の電極要素が可能になり、したがって、より小さな領域で、より大きな機能性が可能になる。
【0010】
エッジの滑らかさ、または品質が、隣接エッジが、たとえば、2つの電極間のギャップのような、互いに近くに配置される場合に、バイオセンサーの領域でもっとも重要である。本発明の好ましい観点において、以上で記載した第一エッジのように、第二エッジが、ギャップの長さにそって変化する、第二距離によって、第二理論線より配置される。第一および第二理論線はしたがって、そのあいだの「理論ギャップ(theoretical gap)」を画定する。産出工程が完全であり、エッジが、互いに直線および平行で意図される場合、理論ギャップ幅は、その長さにそって一定である。第一および第二エッジの理論からの偏差は、それぞれのエッジのみで算出されるよりも、実際のギャップ幅にて、より大きな偏差を産出するように化合されうる。本発明の好ましい形態において、第二距離の標準偏差は、ギャップの全長にそって、約6μm以内である。より好ましくは、第一および第二距離両方の標準偏差は、約2μm以内であり、より好ましくは、約1μm以内である。
【0011】
本発明の他の好ましい形態において、本発明は、伝導性物質の少なくとも10%、より好ましくは、伝導性物質の少なくとも50%、もっとも好ましくは、伝導性物質の少なくとも90%を除去することが含まれる。伝導性物質は、好ましくは、広領域レーザー切断によって除去され、これにより、相対的に大きな割合の伝導性層が、非常に迅速に、ベース基板より除去され、電極パターンを形成可能である。たとえば、好ましい形態において、バイオセンサーのための、全電極パターンは、約0.25秒間、より好ましくは、約50ナノ秒以内、もっとも好ましくは約25ナノ秒以内で、広範囲レーザー切断によって形成される。
【0012】
以上で言及したように、本発明の方法によってまた、同様のバイオセンサー内で、異なる特徴サイズをもっている、2つまたはそれ以上の電極の組の配置が可能である。さらに、以上で言及したように、特徴サイズは、非常に小さく、互いに近くに配置可能である。
【0013】
他の形態において、本発明は、上述した非常に望ましい滑らかなエッジをもつ、電極パターンをもつバイオセンサーを、マス産出するための、効果的で、迅速な方法を提供する。本方法において、その上に金属伝導性層をもつベース基板物質のウェブが提供される。電極パターンのイメージが、レーザー器具にて、金属伝導性層上に投影され、イメージに相当する電極パターンが、ベース基板物質上で、レーザー切断によって形成される。レーザー器具またはベース基板物質のウェブのいずれか、(または両方)が移動し、この工程が、繰り返されて、ベース基板物質のウェブに沿った、空間間隔にて、多くの電極パターンが産出される。試薬が、ベース基板物質のウェブ上に沈着し、少なくとも部分的に、複数の電極パターンの、各電極パターンをカバーする。少なくとも1つの、カバー層のウェブ、またはスペーシング層が、ベース基板物質のウェブ上でラミネート加工され、それによって、各バイオセンサーに関して、カバーと試料受け取り溝が形成される。ついで、得られたラミネート加工された層のウェブを、個々のバイオセンサーに切断する。
【0014】
好ましい形態において、レーザー器具によって投影されたイメージは、1つのバイオセンサーに関する、完全な電極パターンであり、各バイオセンサーに関する、完全な電極パターンは、単一のレーザーイメージで、単一段階にて形成される。他の好ましい形態において、1つ以上の全電極パターンが、すべていっぺんに形成され、すなわち、イメージは、2つまたはそれ以上のバイオセンサーに関するパターンが含まれる。
【0015】
他の好ましい形態において、電極パターンには、異なる特徴サイズの、少なくとも2つの電極の組が含まれる。この例には、検体濃度を測定するための1組の電極と、バイオセンサーが、試料流体の適切な用量を受け取ったかかどうか、またいつしたかを検出するための他の組の電極が含まれる。本発明のバイオセンサーはまた、バイオセンサー同定、較正またはバイオセンサーに関連した他の情報のような、他の特徴を提供している電極要素も含みうる。
【0016】
本発明のマス産出工程1つの利点は、スクリーンプリンティング、リトグラフィー、ラステリングなどによって、電極パターンを形成することに必要な先行技術よりも、非常に迅速であることである。本発明によって使用された、レーザー切断工程で、バイオセンサーに関する全電極パターンは、すべて一度に、ナノ秒内に、単一段階として、形成可能である。このことにより、個々のバイオセンサーが、最終的に、60メーター/分またはそれ以上の速度で、切断される、物質の連続ウェブを処理可能である。
【0017】
本発明は、先行技術工程よりも非常に迅速なだけでなく、そのエッジが、先行技術のバイオセンサーよりも、非常によいエッジ品質である、電極パターンをもつバイオセンサーを提供する。エッジ品質は、電極空間配置が近くなるので、非常に重要になる。一般的に、試験結果の正確さが、試料サイズを減少させ、より迅速な試験を提供するので、近い電極空間配置が望ましい。さらに、電極要素のより高い品質と、関連機能を、単一バイオセンサーに内にパック可能である。
【0018】
本発明の産出方法のまた他の利点は、電気的に伝導性層の大きな割合を、全て一度に、基体異質から除去可能であることである。反対に、先行技術のラステリング工程は、伝導性物質の薄い層のみを、ゆっくりとスクライブし、除去する平行化レーザービームを用いており、本発明と比較して、非常に長く、そして多用途な工程である。
【0019】
まさに言及したものに関連する他の利点は、本発明の製造工程が、本発明のバイオセンサー中で産出された、電極パターンの形態およびバリエーションにおいて、大きな自由度を提供することである。非対称性または異方性の電極パターンは、本発明の製造工程では、問題を示さない。さらに、電極パターンが、マスクによって形成されたレーザーイメージによって、ベース基板上に好ましく投影されるので、先行技術の工程によって発生する、電極パターンのサイズ、形態、数、ギャップ幅などのような制限が減少する。比較することによって、ラステリング工程は、典型的に、互いに関して、90度の方向である、軸に対する、焦点レーザービームの移動に制限される。得られるパターンは、典型的には、互いに平行または垂直に方向付けられる同様の幅の薄層に限定される。さらに、器具内で分離シグナルを運ぶために使用される、分離しているが、接着している伝導性金属板が、版間の分離距離が、非常に小さく、シグナルの分解および版間の境界となる時に、伝導性に結合可能である。単離されたトレース間のより伝導性の物質の除去を可能にする方法が、したがって、そのような境界を最小化することにおいて、利点であり得る。
【0020】
以下の画定を、本明細書および請求項にわたって使用する。
【0021】
本明細書で使用するところの、用語「電気的に伝導性の物質(electrically conductive material)」は、電気の伝導体である物質からなる層を意味し、その非限定例には、純粋な金属または合金が含まれる。
【0022】
本明細書で使用するところの、用語「電気的に絶縁な物質(electrically insulative material)」は、電気の不導体を意味する。
【0023】
本明細書で使用するところの、用語「電極(electrode)」は、電荷を収集または放射し、電子の運動を制御する伝導体を意味する。電極には、共通の電気的トレースおよび/またはコンタクトパッドに連結した、1つまたはそれ以上の要素が含まれうる。
【0024】
本明細書で使用するところの、用語「電気的組成物(electrical component)」は、電気的機能性をもつ、バイオセンサーの構成部分を意味する。
【0025】
本明細書で使用するところの、用語「電極システム(electrode system)」は、少なくとも1つの電極、電気的トレース、および測定器具に要素を連結するコンタクト、を含む、電気的成分を意味する。
【0026】
本明細書で使用するところの、用語「電極要素(electrode element)」は、電極システムの構成部分を意味する。電極要素の特異的非限定例には、電極、コンタクトパッドおよび電極トレースが含まれる。
【0027】
本明細書で使用するところの、用語「電極組(electrode set)」は、バイオセンサー応答を測定するために、互いに協力する、少なくとも2つの電極の組である。
【0028】
本明細書で使用するところの、用語「パターン(pattern)」は、1つまたはそれ以上の意図的に形成されたギャップのデザインを意味し、その非限定例は、コンタクト幅をもっている、単一直線ギャップである。用語「パターン」には、天然の、意図的ではない欠陥は含まれない。
【0029】
本明細書で使用するところの、用語「絶縁パターン(insulative pattern)」は、電気的に絶縁の物質(類)内、またはあいだに位置している、1つまたはそれ以上の意図して形成されたギャップの設計を意味する。電気的に伝導性の物質が、1つまたはそれ以上のギャップを形成しうることが好ましい。
【0030】
本明細書で使用するところの、用語「伝導性パターン(conductive pattern)」は、電気的に伝導性の物質(類)内、またはあいだに位置している、1つまたはそれ以上の意図して形成されたギャップの設計を意味する。電気的に絶縁性の暴露された物質が1つまたはそれ以上のギャップを形成しうることが好ましい。
【0031】
本明細書で使用するところの、用語「微小電極アレイ(microelectrode array)」は、大部分が、球状に拡散された特徴をもつ、微小電極の一群を意味する。
【0032】
本明細書で使用するところの、用語「巨大電極アレイ(macroelectrode array)」は、大部分が、放射状に拡散された特徴をもつ、巨大電極の一群を意味する。
【0033】
本明細書で使用するところの、用語「電極パターン(electrode pattern)」は、電極の組内の特異的に、またはバイオセンサー内の一般的に、電極の要素間に位置する、意図的に形成されたギャップの、相対配座を意味する。「電極パターン」の非限定例には、バイオセンサー応答を測定するために使用される、微小電極アレイ、巨大電極アレイ、またはそれらの組み合わせの任意の配座が含まれる。「電極パターン」はまた、バイオセンサー上で形成される、全ての電気的成分の形態および配座を意味しうる。
【0034】
本明細書で使用するところの、用語「特徴サイズ(feature size)」は、パターン中でみられる、ギャップまたは空間の、もっとも小さな寸法である。たとえば、絶縁パターン中、特徴サイズは、電気的に絶縁の物質(類)内またはあいだに見られる、電気的に伝導性のギャップのもっとも小さな寸法である。しかしながら、パターンが、伝導性パターンの場合、特徴サイズは、電気的に伝導性の物質(類)内またはあいだに見られる、電気的に絶縁のギャップのもっとも小さな寸法である。したがって、伝導性パターン内で、特徴サイズは、接着要素の相当するエッジ間の、もっとも短い距離を表す。
【0035】
本明細書で使用するところの、用語「インターレース(interlaced)」は、電極の要素が、互いに関して、織り合わされる、電極パターンである。特定の実施形態において、インターレース電極パターンは、要素を電極を含み、互いに相互挟合する。もっとも簡単な形態において、インターレース要素には、一組の要素をもつ第一電極と、第一電極の要素の対内で受けられる単一要素をもつ第二電極が含まれる。
【0036】
本明細書で使用するところの、用語「切断する(ablating)」は物質の除去を意味する。用語「切断する」は、物質を失う、弱くする、または部分的に除く、を含むことを意味せず、区別される。
【0037】
本明細書で使用するところの、用語「広領域レーザー切断(broad field laser ablation)」は、形成されたパターンの特徴サイズより大きな寸法で、レーザービームをもつレーザーを用いる、基質からの物質の除去を意味する。広領域切断には、マスクの利用、パターンまたは他の器具中間レーザー供給源、および基質の利用が含まれる。レーザーは、マスクを通して投影され、後者が、基質上に投影され、衝突し、電極パターンのイメージを形成し、基質上に、電極パターンの全て、または一部を作り出す。広領域レーザー切断は同時に、基質の明らかな面積にわたって、パターンを作製する。広領域レーザー切断の利用によって、基質に関する、相対的に集中的なレーザービームの連続移動によって、スクライブする、または画定する、ラスタリングまたは他の同様の技術が必要なくなる。広領域レーザー切断のための工程の非限定例は、バイオセンサー210に関して以下で記述している。
【0038】
本明細書で使用するところの、用語「線(line)」は、先に決定された直線または曲線経路にそって、第一方向で、そして同様の経路に沿って、逆方向で、点移動することによって形成された、幾何学的な図を意味する。本文脈において、電極パターンには、伝導性物質の周辺を形成している線によって画定される、エッジをもつ種々の要素が含まれる。エッジの境界を定めているそのような線は、所定の形態をもち、これらのエッジの滑らかさが、所定の形態と比較して非常に高いことが、本発明の一つの特徴である。
【0039】
本明細書で使用するところの、「理論線(theoretical line)」は、製造工程が完璧であった場合に得られる、電極要素のエッジの、所定のまたは適切な形態および局在を意味する。ほとんどの場合、エッジが直線であれば、理論線は、エッジの平均局在と同一の空間をしめる。
【0040】
本明細書で使用するところの、用語「点(point)」は、局所以外の性質をもたない、無次元の幾何学的対象を意味する。
【0041】
電極要素のエッジの滑らかさ、または品質は、エッジの配置が、完全または適切なエッジを表す理論線とは異なる距離によって画定可能である。すなわち、エッジは、エッジの長さにそって変化する距離によって、理論線より間隔があく。この距離は、ゼロから最大値までの範囲である。エッジの品質または滑らかさを画定するための、1つの有用な方法は、エッジが、エッジの特定の長さにわたり、理論線から間隔があく、最大の距離を単に特定することである。
【0042】
エッジの滑らかさ、または品質は、エッジと、エッジの特定の長さにわたる理論線間の距離の、「標準偏差(standard deviation)」の点より特定されうる。標準偏差を計算するために、距離は、本明細書でさらに詳細に記述されるように、長さに沿って、分離した間隔で、測定されなければならない。距離の変化が、「d」と示され、データ点の数が、nとすると、距離の標準偏差は、{Σ(di)2/(n−1)}1/2として計算される。示した式は、由来する積分式を実際に近似するように、データ点の間隔が、互いに近くに位置するべきである。本明細書で表しているすべての標準偏差は、約20μm以内、好ましくはより近くで空間的に配置される、データ点を取ることによって測定される。
【0043】
本明細書使用するところの、電極要素のエッジにする場合の、用語「滑らかさ標準偏差(smoothness standard deviation)」は、エッジが、エッジの特定の長さにわたって、理論線より空間的に空く距離の標準偏差を意味する。電極要素間のギャップの品質は、1つのエッジに相当する理論線からのギャップを形成している、2つのエッジの個々の変化、または標準偏差に関して、表現可能である。
【0044】
本明細書で使用するところの、用語「生物学的流体(biological fluid)」には、検体が検出されうる、任意の体液、たとえば、間質液、皮膚液、汗、涙、尿、羊膜液、髄液および血液が含まれる。
【0045】
本明細書で使用するところの、用語「血液(blood)」には、全血、およびその細胞を含まない成分、すなわち血漿および血清が含まれる。
【0046】
本明細書で使用するところの、用語「ワーキング電極(working electrode)」は、検体または産物が、酸化還元メディエーターの助けで、または助けなしで、電気酸化または電気還元される、電極である。
【0047】
本明細書で使用するところの、用語「カウンター電極(counter electrode)」は、ワーキング電極と対であり、それを通して、ワーキング電極を通過する電流に対する兆候と、規模が同等で、反対である、電気化学的電流が通過する、電極を意味する。用語「カウンター電極」は、参照電極としても機能する、カウンター電極を含むことも意味する(すなわち、カウンター/参照、または補助電極)。
【0048】
本明細書で使用するところの、用語「電気化学的バイオセンサー(electrochemical biosensor)」は、電気化学的酸化、または還元反応の方法によって、バイオセンサー内で、検体の存在を検出する、および/または濃度を測定するために設計された器具を意味する。これらの反応が、検体の量または濃度に比例しうる、電気的シグナルに変換される。
【0049】
本発明のさらなる特徴が、本発明の達成するために公知である、最適な様式を例示している、好ましい実施形態の以下の詳細な記述を考慮することによって、当業者に明らかになるであろう。しかしながら、詳細な記述および特定の実施例は、本発明の実施形態を示唆している一方で、本発明の精神および目的の範囲内の種々の変化および改変が、この詳細な記述より、当業者に明らかになりうるので、例示の方法のみで与えられることが理解されるべきである。
【0050】
以下の図面は、本明細書の部分を形成し、本発明の特定の観点をさらに実証する意図がある。本発明は、本明細書に存在する特定の実施形態の詳細な記述と共に、これらの図面の1つまたはそれ以上を参照することによって、よりよく理解されうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明の原理の理解を促進する目的のために、参照を図面で例示した実施例に対して、ここで作製し、特定の言語を、本実施形態を記述するために使用する。それにもかかわらず、本発明の目的の制限は意図されていないことが理解されるであろう。本発明が関連する技術分野の当業者が通常予想するような、例示した器具における変化および改変、およびここで例示したような本発明の原理のさらなる適用が保護されることが望まれる。
【0052】
本発明にしたがったバイオセンサーが、その上に形成された電極パターンをもつ表面を提供し、前記電極パターンは、好ましくは、滑らかなエッジ品質をもつ。正確な品質が、バイオセンサー上に局在した、電気的成分のエッジのためにえられることが、本発明の特定の観点である。要素の滑らかな、または高いエッジ品質をもつことは、試験結果の、より大きな正確さ、精度および再現性に寄与可能である。さらに、滑らか、または高いエッジ品質によってまた、バイオセンサーの画定された表面面積上で、複数の電極アレイが形成可能である。要素のエッジ品質を増加させることによって、電極要素の数を増加させることが可能である、したがって、画定した表面面積における達成可能な機能性を増加させる。これらの機能には、たとえば、他の方法によることを含む、同一または異なる検体の同時測定のための、多重測定電極対、基礎測定電極に対して、訂正因子を提供するために使用した電極、用量適用、または試料充足性を検出するための電極、電極機能性をモニタするため、または欠陥トレースの検出または訂正を提供するための多重電極トレース、および上述の機能性に連結するための、または同定、較正、またはバイオセンサーに関連する他の情報のような、追加的な特徴を提供するための、多重コンタクトパッドが含まれうる。さらに、該バイオセンサーのために選択された機能性は、高いエッジ品質が、電気成分のより近い配置を可能にする場合に、より小さな空間で提供されうる。この全て、またはそれ以上を、相対的に迅速で、確実に、そして費用効率が高い様式で、可能にすることが、本発明の一つの特徴である。
【0053】
とりわけ、本発明のバイオセンサーは、滑らかであり、正確に局在した、エッジを含む電気的成分をもつ。滑らかなエッジの正確な局在化が、とりわけ、他の電気的成分の相当するエッジに関して、とりわけ、対となる要素に関連して、重要である。成分のエッジ品質および配置の重要性および程度は、成分の性質によって変化しうる。
【0054】
巨大電極に関して、エッジの滑らかさおよび配置が、巨大電極の利用によって得られた、電気化学的結果の品質のために重要である。そのような試験の精度の1つの因子は、各巨大電極の面積の再現性である。正確なエッジの滑らかさ、および配置を得ることによって、非常に正確である面積が産出される。巨大電極の利用における他の因子は、他に対する1つの電極の配置、たとえば、ワーキング要素(類)の位置に関係した、カウンター要素(類)の位置である。さらに、バイオセンサーが一般的に、測定電極のサイズおよび局在の再現性による、較正法に依存して操作されるので、そのような試験トリップのロットを一貫して産出する能力が、試験で達成された結果を増強可能である。
【0055】
同様に、エッジの滑らかさおよび配置が、微小電極から得た結果に寄与する。微小電極に関して、複数の微小要素の数および相対的に近い配置のために、問題が増幅されうる。貧しいエッジ品質は、微小電極の操作特徴に非常に影響を与え得、本発明が、この潜在的な問題を克服するのを助ける。さらに、接近して微小要素を配置することの利点は、定常状態動作の迅速な確率である。高いエッジ品質および正確なエッジ配置によって、要素のより近い配置、言い換えれば、定常状態操作のより早い達成が可能である。さらに、そのようなより近い配置によって、より多くの微小要素が、該空間中に配置可能である。
【0056】
第一の観点にて、本発明は、バイオセンサー上の、種々の電気的成分に対して、高い品質のエッジを提供する。エッジの品質は、エッジの理論的プロファイルに関連する、エッジの滑らかさ、または均質性に関連する。そのような本発明にしたがって形成された「滑らかな(smooth)」エッジの非限定例を、図21〜24に示している。
【0057】
1つの観点において、滑らかさは、エッジの所定の形態を画定している理論線に関連し、エッジ表面の偏差に、単純に関する。バイオセンサー上の任意の電気的成分が、意図した局在と、物理的実施形態によって、実際再現されない形態をもつことが望ましい。実際の成分のエッジが、理論的なものから変化する程度は、エッジの滑らかさの測定である。上述したように、エッジのこの滑らかさまたは品質が、エッジが特定の長さにわたって、理論線から間隔をあける変化距離に関して、表現可能である。この距離は、以下で詳細に記載するように、厳密に間隔をあけた間隔で測定可能であり、距離の標準偏差が計算可能である。さらに、特定の長さ上で達成される、距離の最大値はまた、意味のあるパラメータである。たとえば、電極が、たとえば10μmの所定の幅をもつギャップを形成するためである設計にて、製造工程が、ギャップの長さにわたり5μmより少ない(好ましくは非常に少ない)まで、変化しうる、エッジを産出可能でなければならない。さもなければ、電極は、少量、したがって短い回路でありうる。
【0058】
種々の電気的成分に関してのように、成分の該部分が、「滑らか」である程度は変化しうる。特に、測定電極に関して、要素の特定のエッジが、他よりもより重要であることが好ましい。たとえば、カウンターおよびワーキング電極の特定のエッジが、互いに隣接し、互いに近くに配置され、他は異なる。また、特定のエッジが、試料受け取りチャンバー内に局在されるが、他は異なる。第一の観点において、本発明は、全ての測定電極のエッジに対して、滑らかなエッジを提供することに関する。他の観点において、本発明は、とりわけ試料受け取りチャンバー内に局在する測定電極のエッジに対して、より好ましくは、互いに隣接する測定要素のエッジに対して、滑らかなエッジを提供する。本文脈中、「隣接エッジ(adjacent edges)」は、カウンター要素のエッジが、カウンター電極が対になる、ワーキング電極の要素のエッジに、最も近くに、すなわち隣接しているという事実に関する。
【0059】
先に示したように、本発明は、一つの観点において、厳密に決定された面積をもつ、巨大電極を提供することに関する。提供された面積の所定の精度は、電極を画定しているエッジの品質によって決定されるように、巨大電極の絶対的なサイズに依存して変化可能である。したがって、エッジの滑らかさが改善されるので、実際の電極によって占領された面積と、所定の面積間の差が減少する。
【0060】
巨大電極のスペーシングはまた、本発明から利益を得ることができる。たとえば、250μmまで離れて間隔をあけられる巨大電極に関して、ギャップを形成しているエッジが、好ましくは、エッジの全長にわたって、約4μm以内の滑らかさ標準偏差をもち、100μmまで、間隔を開けられる要素に関して、標準偏差は、好ましくは約2μm以内である。
【0061】
微小電極に関しては、所定の滑らかさが異なりうる。たとえば、50μmまで間隔をあけられる微小要素に対して、隣接エッジは、約6μm以内、好ましくは2μm以内、そしてもっとも好ましくは、約1μm以内の滑らかさ表面偏差をもつ。微小要素が、約10μmまで間隔があく場合、滑らかさ標準偏差は、好ましくは約1μm以内であり、より好ましくは、約0.5μm以内である。一般的に、微小電極に対する、滑らかさ標準偏差は、好ましくは、隣接微小要素(すなわち特徴サイズ)間のギャップの幅の、約5%以内、より好ましくは、特徴サイズの約2%以内である。
【0062】
他の電気的成分が、そのような成分の近い配置を促進するために、滑らかなエッジを提供可能であることがまた、本発明の観点である。そのような他の成分は、好ましくは、約6μm以内、より好ましくは約2μm以内の、滑らかさ標準偏差をもつ。
【0063】
本発明はまた、互いに、そして全バイオセンサーに関して、電気的成分の正確な配置を提供する。成分の相対的配置は、少なくとも部分的には、マスク、または電気的成分に対する正確なパターンをもつ他の器具を介して実施される、広領域レーザー切断の利用によって達成される。したがって、成分の相対配置は、ラステリングレーザーの、またはラステリングレーザーに関する基質の、制御移動に依存しない。さらに、この隣接エッジの正確な配置はさらに、エッジの滑らかさに対する、近い許容値によって増強される。
【0064】
したがって、さらなる観点において、本発明は、正確に制御されるギャップまたは特徴をもつ、電気的成分を提供する。さらにとりわけ、電気的成分は、隣接エッジ間のギャップに関して、理論的配座で設計され、一方で、物理的実施形態は、変化および不規則性をもちうる。本発明は、非常に均質な隣接エッジ間のギャップを提供する。とりわけ、本発明は、「均質ギャップ(uniform gap)」を提供し、これは、ギャップを画定している各エッジに対する、滑らかさ標準偏差が、約6μ以内である、ギャップとして画定される。好ましくは、ギャップを画定している両方のエッジの滑らかさ標準偏差は、約2μm以内であり、より好ましくは、約1μm以内である。
【0065】
本発明のバイオセンサーが、試料流体中の検体を査定するためのシステム内での使用に好適であることが十分理解される。バイオセンサーに加えて、システムは、メーター(示していない)が含まれ、標的検体に関して、試料流体を評価するための方法が提供される。評価は、検体の存在を検出することから、検体の濃度を決定することまでの範囲であり得る。検体および試料流体は、試験システムが適切である任意のものでありうる。例示の目的のためのみに、好ましい実施形態が、検体がグルコースであり、試料流体が血液または間質液であるように記述されている。しかしながら、本発明は、明らかに目的において限定されない。
【0066】
試料流体中の検体の決定のための、本発明のバイオセンサーと共に使用するのに好適なメーターの非限定例が、参考文献にて本明細書にそれぞれ組み込まれている開示物である、米国特許第4,963,814号、第4,999,632号、第4,999,582号、第5,243,516号、第5,352,351号、第5,366,609号、第5,405,511号および第5,438,271号にて開示されている。好適なメーター(示していない)には、バイオセンサーの電極との連結、および検体の濃度に相当する電気化学的シグナルを評価するための回路が含まれうる。メーターにはまた、試料流体が、バイオセンサーによって受け取られたかどうか、および試料流体の量が、試験するために十分であるかどうか、を決定する電気的成分が含まれうる。メーターは、典型的には、保存され、検体の結果を表示し、または分離器具へデータを提供する。
【0067】
システムの部分を形成する、本発明のバイオセンサーは、検体に対して、定量的または定性的いずれかの示唆を提供可能である。1つの実施形態において、バイオセンサーは、メーターと共同して、試料流体中の検体の存在を単純に示唆する。バイオセンサーおよびメーターはまた、試料流体中の検体の量または濃度の読み取りも提供しうる。好ましい実施形態において、検体濃度の非常に正確で、的確な読み取りが得られることが、本発明の1つの特徴である。
【0068】
バイオセンサーは、広範囲の検体の決定のために有用である。たとえば、バイオセンサーは、検体の存在を査定するために使用可能である、好適な化学反応とともに使用することに、簡単に適合される。もっとも好ましくは、バイオセンサーが、生物学的流体中の検体の試験のために、配置され、使用される。システムに対する相応の改変が、当業者に明らかであろう。説明の目的のために、そして、とくに好ましい実施形態において、システムを、生物学的流体中のグルコースの検出に関して記述する。
【0069】
バイオセンサーはまた、広範囲の試料流体で有用であり、生物学的流体中の検体の検出のために、好ましく使用される。さらに、バイオセンサーは、試験のためのシステムの統合性を確認するために、従来の様式で使用される、参照流体と連結して有用である。
【0070】
好ましい実施形態において、バイオセンサーを、グルコースの試験のために利用される。この例での試料流体には、とりわけ、たとえば、フィンガーチップまたは許可された他の部位(たとえば前腕、手のひら、上腕、ふくらはぎ、もも)から得た、新鮮なキャピラリー血液、新鮮な静脈血、およびシステムで、またはシステムのために、供給された対照溶液が含まれうる。流体は、任意の様式で、獲得され、バイオセンサーに伝達されうる。たとえば、血液試料は、ランセットによってのように、皮膚に刻むことによって、ついで、バイオセンサーを、皮膚表面に現れる流体と接触させることによって得ることが可能である。バイオセンサーが、非常に小さな流体試料とともに有用であることが、本発明の1つの観点である。したがって、試験のために必要な流体の用量を産出するために、皮膚にわずかに刻みを入れることが、必要であり、そのような方法での痛みまたは考慮が、最小化されるか、または除去可能であることが望ましい特徴である。
【0071】
本発明の実施形態にしたがった、バイオセンサー210は、共通の平面表面上に、異なる特徴サイズをもつ、2つの電極パターンをもち、したがって、流体中の検体の正確な測定が可能となる。図1で示すように、バイオセンサー210は、基体またはベース基板212、前記基体212上に位置した、伝導性物質216、スペーサー214、およびカバー218を含む。カバー218およびスペーサー214は、基体212と共同して、試料流体のための入り口221をもつ、試料受け取りチャンバー220(図9)、および試験検体の存在下、電気化学的シグナルを産出するための薬剤264を画定する。バイオセンサー210は試験ストリップとして形成され、特に、試料受け取りチャンバー220に対して開口するエッジまたは面を提供するラミネート構造を有する試験ストリップとして形成される。図2および9で示したように、試薬264が、試料受け取りチャンバー220によって暴露され、またチャンバー220内に位置する、ワーキング電極に、電気化学的シグナルを提供する。グルコース検出のような、好ましい環境において、試薬には、酵素、および任意にメディエーターが含まれうる。
【0072】
バイオセンサー210の基体212には、反対のエッジ224、226、および末端224、226間に伸びる側面228、230を画定する、エッジ222が含まれる。基体212はまた、伝導性物質216を支持する最上表面232と、反対の底表面234をもつ(図8および9)。実例として、基体212は、40mmの長さ、および10mmの幅をもつ。しかしながら、これらの値が、単に例示であり、基体212の寸法は、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0073】
基体212は、絶縁物質から形成される基質であり、伝導性物質216から形成された電極間の、電気的連結は提供しない。好適な絶縁物質の非限定例には、ガラス、セラミックスおよびポリマーが含まれる。好ましくは、基体は、柔らかいポリマーであり、UV中で強力な吸収をもつ。好適な物質の非限定例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリイミドフィルムが含まれる。好適なフィルムは、それぞれ、E.I.duPont de Nemours, Wilmington, Delaware,USA(「duPont」)からのMELINEX(登録商標)、KALADEX(登録商標)およびKAPTON(登録商標)、およびUBE Industries Ltd., Japanからのポリイミドフィルム、UPILEX(登録商標)として市販されている。好適な物質は、Techmi-Met Advanced Depositions, Inc. Windsor, Connecticut, USAによる、<5%のlot C.V.内の、50±4nm金でコートされる、10ミル厚MELINEX(登録商標)329またはKAPTON(登録商標)から選択される。基体212が、伝導性物質216で前コートされたものを購入してよいか、または本開示物にしたがって、スパッタリングまたは蒸発沈着によってコートしてよいことが理解される。伝導性物質の厚さは、本開示物にしたがって変化可能であることが理解される。
【0074】
スペーサー214は、例示的に、末端224に隣接する基体212の最上表面232上に位置する。スペーサー214は、基体212に面する上表面236および下表面238(図9)をもつ。ここで図2を参照すると、スペーサー214は、エッジ240、242、244、246をもつ。例示的に、スペーサー214は、約6mmの長さ、約10mmの幅、および約4milの高さをもつ。しかしながら、これらの値は、単に例示であること、およびバイオセンサーが、スペーサーなしで形成しうること、およびスペーサー214の寸法が、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0075】
スペーサー214は、絶縁物質から形成され、伝導性物質216から形成された電極間で、電気的連結を提供しない。好適な絶縁物質の非限定例には、ガラス、セラミックス、ポリマー、フォトイメージ可能カバーレイ物質およびフォトレジストが含まれ、その非限定例は、参考文献によって、本明細書に組み込まれている開示物である、2002年10月4日に出願された、米国特許明細書番号第10/264,891号にて開示されている。例示的に、スペーサー214は、4mil MELINEX(登録商標)ポリエステルフィルムからなり、全血試料との使用に好ましい。しかしながら、試料が血漿または血清の場合、1〜2milフィルムが、本開示物にしたがった使用のために好ましいことが理解される。しかしながら、これらの値は、単に例示であること、およびスペーサー214の組成物および寸法が、試料受け取りチャンバーの所定の高さにしたがって変化しうることが理解される。
【0076】
スリットまたは空間248は、スペーサー214中に形成され、エッジ242に向かって、エッジ240から伸張する。スリット248は、試料受け取りチャンバー220の、少なくとも長さおよび幅を画定し、エッジ249によって画定される。例示的に、スリット248は、5mmの長さ、1mmの幅、および0.1mmの高さをもつが、本開示物にしたがって、種々の長さおよび幅をもちうる。さらに、スリットのエッジ249がまた、本開示物にしたがって曲がるか、角度がつきうる。
【0077】
図1で示したように、カバー218が、スペーサー214の上表面236上に位置する。カバー218は、基体212に面する、第一表面250と、第二表面252(図9)をもつ。さらに、カバー218は、エッジ254、256、258、260をもつ。図1で示すように、カバー218は、スリット248の長さ以下の長さをもつ。例示的に、カバー218は、約4mmの長さ、約10mmの幅、および約0.1mmの高さをもつ。しかしながら、これらの値が単に例示的であること、バイオセンサーがカバー無しで形成されてよいこと、およびカバー218の寸法が、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0078】
カバー218は、例示的に、スペーサーの近くで、親水性接着層をもつ、透明な物質からなる。カバー218のために好適な物質の非限定例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロライド、ポリイミド、ガラス、またはポリエステルが含まれる。カバー218のために好ましい物質は、100μmポリエステルである。好ましい接着物は、ペンシルベニア州グレンロックのアドヘジブス リサーチ社(Adhesives Research Inc.)から市販されている、MA−55親水性コーティングをもつ、ARCare 8586である。さらに、カバーが、本開示物にしたがって、作製されることが理解される。
【0079】
カバー218および基体212と共に、スペーサー214中のスリット248が、試料受け取りチャンバー220を形成し(図9)、バイオセンサー210の使用者からの試験されるべき流体へ、試薬264を暴露するように働く。この試料受け取りチャンバー220は、キャピラリーチャンネルとして働き得、流体を、開口部221から、伝導性物質216の検出領域上へ、そして空間262へ向かって、試験されるべき流体を導く。バイオセンサーが、本開示物にしたがって、スペーサー無しで形成されうること、およびスペーサーおよびカバーに加えて、またはこれらの代わりに、種々の誘電体物質が、本開示物にしたがって、伝導性物質の選択した部分のみを暴露する、基体212をカバーしうることが理解される。さらに、存在する場合に、チャンネル220の寸法が、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0080】
図2は、第一電極組266および第二電極組268、およびそれぞれ、相当するトレース279、277およびコンタクトパッド278、282を含む電極システムを画定している、伝導性物質216を例示している。伝導性物質216は、純粋な金属または合金、または金属製コンダクターである他の物質を含みうる。好ましくは、伝導性物質は、電極を形成するために使用するレーザー、および迅速で正確な処理を可能にする厚さの波長において、透過性である。非限定例には、アルミニウム、炭素、銅、クロミウム、金、酸化インジウム鉛(ITO)、パラジウム、白金、銀、酸化鉛/金、チタン、これらの混合物、これらの要素の合金または金属製化合物が含まれる。好ましくは、伝導性物質には、貴金属または合金またはその酸化物が含まれる。もっとも好ましくは、伝導性物質には、金、パラジウム、アルミニウム、チタン、白金、ITOおよびクロミウムが含まれる。伝導性物質は、厚さにして、約10nm〜80nm、より好ましくは、30nm〜70nmの範囲である。図1〜3、6および8〜9は、50nm金フィルムをもつバイオセンサー210を例示している。伝導性物質の厚さは、金属およびバイオセンサーの利用に関連する他の因子の伝達可能特性に依存することが理解される。
【0081】
例示的に、伝導性物質216を、組266、268を含む、2つの電極システムに切断する。これらのシステムを形成することにおいて、伝導性物質216を、基体212の表面積の少なくとも5%より除去し、より好ましくは、基体212の表面積の少なくとも約50%、もっとも好ましくは、基体212の表面積の少なくとも約90%から除去する。図2で示すように、基体212上に残っている伝導性物質216のみが、電極システムの少なくとも一部分を形成する。
【0082】
例示されてはいないが、得られるパターン化伝導性物質を、追加金属層で、コートまたはプレート可能であることが理解される。たとえば、伝導性物質は、銅であり得、ついでレーザーによって、電極パターンに切断し、続いて、銅を、チタン/タングステン層で、ついで金層でプレートして、所定の電極を形成してよい。好ましくは、伝導性物質の単一層を使用し、基体212上に横たわる。一般的には必要ではないが、本技術分野でよく知られているように、クロミウムニッケルまたはチタンのような、種または補助層を用いることによって、基体への伝導性物質の接着を増強可能である。好ましい実施形態において、バイオセンサー210は、金、パラジウム、白金またはITOの単一層をもつ。
【0083】
図2および9で示したように、バイオセンサー210には、試料受け取りチャンバー220内に、少なくとも1つのワーキング電極と、1つのカウンター電極を含む、電極システムが含まれる。試料受け取りチャンバー220は、チャンバーに入る試料流体がワーキング電極とカウンター電極両方との電気的コンタクト中に配置されるように、設定される。このことによって、電流が、電極間で流れ、検体またはその産物の電気酸化または電気還元に影響を与えることが可能である。
【0084】
ここで図3を参照して、電極システムの第一電極組266は、2つの電極270、272を含む。例示的に、電極270は、ワーキング電極であり、電極272は、カウンター電極である。電極270、272はそれぞれ、コネクティングトレース279を介して、コンタクトパッド278と連絡する、単一要素またはフィンガー280を含む(図2で示している)。電極270、272の電極フィンガー280は共同して、巨大電極アレイとして形成された電極パターンを画定する。本明細書以下で記載するように、電極270、272が、本開示物にしたがって、それぞれ1つ以上のフィンガーを含みうることが理解される。さらに、電極または電極フィンガーの形態、サイズおよび相対配座が、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0085】
図2で示したように、第二電極組268は、2つの電極274、276を含む。例示的に、電極274はワーキング電極であり、電極276はカウンター電極である。さらに、電極274、276はそれぞれ、コネクティングトレース277を介して、コンタクトパッド282と連絡して、5つの電極要素またはフィンガー284をもつ。ここで図3を参照にして、電極フィンガー284が共同して、インタートレース巨大電極アレイとして形成された電極パターンを画定する。5つの電極フィンガー284が例示されているが、電極274、276の要素が、本開示物にしたがって、5つ以上または5つ以下の電極フィンガーで形成可能であることが理解される。さらに、電極または電極フィンガーの形態、サイズおよび相対配座が、本開示物にしたがって変化しうることが理解される。
【0086】
図2で例示したような、電極組266、268の寸法に関する値は、単一の特異的な実施形態に関してであり、これらの値が、特定の使用のために必要性によって選択されうることが理解される。たとえば、電極組の長さは、基体の長さまでの、任意の長さであり得、基体上の電極組の方向に依存している。さらに、電極組と連絡した、伝導性トレースの幅は、変化し得、その非限定例は、約0.4〜約5mmであることが理解される。それぞれのコンタクトパッドの幅が変化し得、その非限定例は、約1mm〜約5mmであることが理解される。図2で示した電極パターンは、対称であるが、必要ではなく、通常ではない、または非対称パターン(または電極形態)が、本開示物にしたがって可能である。さらに、基体212上の電極組の数は変化して、したがって、それぞれの基体212は、たとえば1〜1000電極組、好ましくは2〜20電極組、より好ましくは2〜3電極組を含みうる。
【0087】
再び図3の第一電極組266を参照として、各電極フィンガー280は、インナーエッジ281、アウターエッジ283、および反対の第三および第四エッジ285、287によって画定される。各エッジ218、283、285、287は、滑らかなエッジ品質をもつ。先に述べたように、電極270、272のエッジ品質は、第一および第二点間に伸長している理論線からのエッジの偏差によって画定される。偏差の以下の記述が、バイオセンサー210の電極270、272の各エッジに適用可能である。しかしながら、明確化目的のために、電極270のエッジ281のみを本明細書以下で記載する。
【0088】
図3で示したように、電極270のエッジ281は、基体212上に局在した点289、291間に伸長する。点289、291は、インナーエッジ281の反対の末端に局在し、電極280間のギャップ286の全長を表す。点289、291が、本開示物にしたがって、所定のエッジの長さに依存して、互いに関連して、種々の位置、および種々の距離で位置しうることが理解される。しかしながら、対象の長さは、典型的には、隣接エッジの滑らかさが、通常この全長にわたりもっとも重要であるので、ギャップが伸長する全長である。
【0089】
図4は、点289、291間で実際伸長する理論線293を例示している。すなわち、線293は、電極を形成する工程が完璧である場合にえられうる、理想の、または所定のエッジを表している。しかしながら、線293の長さにそった任意の該点において、エッジ281は、距離「di」によって、理論線293より、いずれかの距離で間隔があく。距離diは、たとえば、図4中、距離d1、d2、d3およびd4を参照して示すように、測定される場所に依存して、ゼロから最大値まで変化する。線293の長さ上のこの距離の標準偏差は、本開示物にしたがって、約6μm以下であり、滑らかなエッジ品質をもつエッジが作製される。好ましい実施形態において、理論線293からのエッジ281の標準偏差は、2μm以下であり、もっとも好ましくは、1.0μm以下である。平均または理論からの標準偏差の例を、図10で例示している。
【0090】
図10で例示したエッジ品質は、Metric 6.21ソフトウェアを備える、ドイツ連邦共和国、ガルブセンのLPKFレーザー エレクトロニック社(LPKF Laser Electronic GmbH)から市販されている、Micro−Measureシステムを用いて測定された。Metricソフトウェアによって、PC上での、ビデオイメージの表示および測定が可能である。測定は、イメージをキャプチャし、ついで、イメージ上の10μmグリッドをソフトウェアが配置することを許容することによって実施した。グリッドを、測定の目的のために、電極構造を移動することによって、エッジとアラインする。(イメージの物理的倍率によって、エッジを、グリッドと平行に垂直にアラインした。)ソフトウェアを用いて、グリッド線から、電極エッジへの測定が、点−点工程を用いて、線250μm長の長さにそって、10μm間隔で作製された。ビデオスクリーンへの、効果的ビデオ倍率は、575Xであった(対物Q750を作製する)。ビデオ倍率=ビデオスクリーン上で実際の測定された「スケール長(Scale length)」(μm)/スケール値(μm)。たとえば、115000μm/200μm=575X。
【0091】
本発明の原理を用いて形成された電気的パターンの1つの解析において、エッジの平均からの偏差を、ビデオスクリーンに対する効果的倍率=470×で、イリノイ州、オーロラのミツトヨ アメリカ社(Mitutoyo America Corporation)から市販されている、QVH−606 PRO Vision Measuring System(コンピュータ制御非接触測定系)を用いて測定した。標準偏差は、少なくとも250μmの長さに対して、0.69μmの平均間隔での測定から計算した。他の設定:リング照射(Intensity 89、Position 60)、エッジ検出(エッジスロープ=Falling、エッジ検出TH=169、THS=18.5、THR=0.5、スキャン間隔=1)。平均値からの標準偏差は約2μm以下であった。
【0092】
図4を再び参照に、線293は、例示的に直線である。しかしながら、線293の形態は、エッジの長さにわたる線293からのエッジ281の距離の標準偏差が、約6μm以下である限り、曲線または角度をなしてよい。
【0093】
図3で示したように、電極フィンガー280は、電極ギャップ286によって互いに分離され、電極組266の電極パターンの特徴サイズに相当する。図3で示した電極ギャップ286は、2つの直線エッジ281によって形成されたように示される。しかしながら、言及したように、エッジ281の配置は、エッジの長さにそって変化する距離によって、理論値293(図4)から変化する。例示的に、バイオセンサー210において、最上表面232の電気的に不活性な物質が、長さ290に沿って、電極フィンガー280間で暴露される。しかしながら、最上表面232が暴露されるかわりに、基体が、物質でコートされて良く、または参考文献によって本明細書で組み込まれている開示物である、2000年11月1日に出願された米国特許明細書番号第09/704,145号で、現在米国特許第6,540,890号で開示されたように、凹所が、電極間に形成可能である。
【0094】
図3および5で示したように、電極フィンガー280のインナーエッジ281が、数字290で例示した、等しい長さをもち、電極ギャップ286によって互いに分離され、その長さはまた、長さ290によって表される。ギャップ286を画定している2つのエッジ281が完全ではないので、ギャップ286は事実、図5で示したように、ギャップ292a〜292dに関連して示したように、その長さにわたって、幅および配置が変化しうる。ギャップ286を画定している2つのエッジの偏差が、同一の方向である場合、少なくとも部分的に、幅偏差に関しては、互いをキャンセルする傾向であり、図5の参照数字292cと292dに関して例示したように、ギャップの配置での正味シフトを引き起こす。理論ギャップは、エッジ281に関連した2つの理論線293によって画定可能である。ギャップの品質または理論ギャップからのその偏差は、それを画定している2つの個々のエッジの品質に関して得意化可能である。好ましくは、ギャップ286を画定している両方のエッジの滑らかさの標準偏差は、6μm以下であり、好ましくは2.0μm以下、もっとも好ましくは1μm以下である。
【0095】
電極の要素274、276を画定している、電極フィンガー284を、図3および6で例示している。しかしながら、明確化の目的のために、これらの電極フィンガー284のうちの3つのみを、図6で例示しているように、本明細書で以下に述べる。各電極フィンガー284は、第一エッジ296および第二エッジ297によって画定する。さらに、隣接フィンガー284は、それぞれ空間的に離れた、第三および第四エッジ298、299をもつ。フィンガー284のこれらのエッジ296、297、298、299はまた、滑らかなエッジ品質をもちうる。電極270、272に関して先に記述したように、電極274、276のエッジ品質は、第一および第二点間に伸長している線からの、それぞれのエッジの偏差によって画定される。以下の偏差の記述は、バイオセンサー210の電極フィンガー284のそれぞれのエッジに適用される。しかしながら、明確化の目的のために、電極フィンガー284の1つのエッジ296のみを本明細書の以下において述べる。
【0096】
電極フィンガー284のエッジ296は、基体212上に局在する第一および第二点301、302間で伸長する。図7で示したように、理論線300は、実際点301、302間で伸長し、典型的に、エッジ296および297によって形成されたギャップの長さである。線300からのエッジ296の変化している距離の標準偏差は、本開示物にしたがって、約6μm以下であり、滑らかなエッジ品質をもつエッジを作製する。好ましい実施形態において、理論線300からのエッジ296の標準偏差は、約2μm以下であり、もっとも好ましくは1.0μm以下である。例示的に、線300は直線である。しかしながら、線300の形態は、曲線または角度をなしてよいことが理解される。また、表面232上の第一および第二局所300、301の特定の位置が、最も重要な長さが、典型的には、これらの近くに配置された電極フィンガー間のギャップの全長であるけれども、本開示物にしたがって変化してよいことが、理解される。
【0097】
図3を再び参照して、電極フィンガー284は、電極ギャップ288によって互いに分離され、これは、電極組268の電極パターンの特徴サイズに相当する。電極ギャップ288は、フィンガー284の隣接エッジ296、297間の幅に関する。ギャップ288を画定している2つのエッジが完璧ではないので、ギャップ288は、事実、その長さにわたって、位置および配置が変化する。例示的に、バイオセンサー210では、基体212の電気的に絶縁物質が、長さ303に沿って、電極フィンガー284間で暴露される。しかしながら、最上表面232が暴露されるのではなく、基体が、物質でコート可能であり、または参考文献によって本明細書で組み込まれている開示物である、2000年11月1日に出願された米国特許明細書番号第09/704,145号で、現在米国特許第6,540,890号で開示されたように、凹所を、電極間に形成可能である。
【0098】
電極268の電極パターンの特徴サイズに相当する、電極ギャップ288は、電極組266の電極パターンの特徴サイズとは異なる。例示的に、特徴サイズ、または電極フィンガー284間のギャップ288は、約1μm〜約100μmを含む、約100μmまたはそれ以下、より好ましくは、約17μm〜約50μmを含む、75μmまたはそれ以下の幅をもつ。微小電極アレイに対する電極ギャップは変化可能であることが理解される。たとえば、電極ギャップは、本開示物にしたがって、1μm以下であり得ることが理解される。達成可能ギャップのサイズは、光学の品質、レーザーの長さ、およびマスク領域のウインドウサイズに依存する。
【0099】
図3で例示したように、ギャップ288は、電極フィンガー284の反対エッジ296、297の長さ303に沿った幅をもつ。ギャップ286のように、ギャップ286の品質、または理論ギャップからのその偏差が、それを画定している2つの個々のエッジの品質に関して特性化可能である。好ましくは、両方のエッジ画定ギャップ286の滑らかさ標準偏差は、6μm以下であり、好ましくは2.0μm以下であり、もっとも好ましくは、1μm以下である。
【0100】
図9をここで参照して、電極フィンガー284は、試薬264でカバーされ、特定の検体のための、電気化学的プローブを提供するために使用しうる。開始試薬は、反応物または試薬の成分であり、しばしば、リボンまたはリールへの適用前に、液体形態で、または電極のシート上のキャピラリーチャンネル中で、一緒に化合される。ついで液体が蒸発し、固体形態中で試薬を残す。特定の試薬の選択は、測定されるべき特定の検体または検体類に依存するが、本発明では重要ではない。種々の試薬組成物が、当業者によく知られている。基体上の試薬に関する配置選択が、変化し、バイオセンサーの意図する使用に依存する。さらに、試薬を基体上に適用するための技術が変化して良いことが理解される。たとえば、フィンガー上へスクリーン印刷された試薬をもつことが、本開示物の目的の範囲内である。
【0101】
ヒト血液試料中のグルコースの測定のための、可欠試薬の非限定例には、62.2mg 酸化ポリエチレン(100〜900キロダルトンの平均分子量)、3.3mg NATROSOL 250M、41.5mg AVICEL RC−591F、89.4mg 一塩基性リン酸カリウム、157.9mg 二塩基性リン酸カリウム、437.3mg フェリシアニドカリウム、46.0mg コハク酸ナトリウム、148.0mg テレハロース、2.6mg TRITON X−100界面活性剤、および試薬のグラムあたり2,000〜9,000ユニット酵素活性が含まれる。試薬は、12.5mgコエンザイムPQQおよび1.21ミリオンユニットの、キノタンパク質グルコースデヒドロゲナーゼのアポ酵素からの酵素溶液として調製し、キノタンパク質グルコースデヒドロゲナーゼの溶液を形成する。この試薬はさらに、参考文献にて、本明細書にて組み込まれている開示物である、米国特許第5,997,817号にて開示されている。
【0102】
試料中のヘマトクリットの測定のための、可欠試薬の非限定例には、可逆性電気活性化合物(それぞれ、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム(「フェリシアニド」)、およびヘキサシアノ鉄(II)カリウム(「フェロシアニド」)、電解質(リン酸緩衝カリウム)および微晶質性物質(Avicel RC−591F−88%微晶質性セルロースと12%カルボキシルメタルナトリウムのブレンドセルロースは、FMC社より入手可能)の酸化および還元型が含まれる。乾燥前の試薬内の成分の濃度は、以下のようである。400ミリモーラー(mM)フェリシアニド、55mM フェロシアニド、400mMリン酸カリウム、および2.0%(質量:用量)Avicel。ヘマトクリットアッセイのための試薬のさらなる記述は、参考文献によって本明細書に組み込まれている開示物である、米国特許第5,385,846号で見られる。
【0103】
本発明のバイオセンサー中の特定の検体を測定する時に使用しうる酵素および培地の非限定例を、表1で以下に列記する。
【0104】
【表1】
【0105】
表1で示した例のいくつかにおいて、少なくとも1つの追加的酵素を、反応触媒として使用する。また、表1で示した例のいくつかは、追加メディエーターを利用して良く、メディエーターの酸化形態への電子輸送を促進する。追加的メディエーターは、メディエーターの酸化形態よりも少ない量で、試薬に提供されうる。以上のアッセイを記述する一方で、電流、電荷、インピーダンス、コンダクタンス、電位または他の電気化学的に示唆される試料の特性が、本開示物にしたがったバイオセンサーで、試料中の検体の濃度に正確に比例しうることが意図される。
【0106】
本発明のバイオセンサーとの使用のために好適である可欠試薬の他の非限定例は、ニトロソアニリン試薬であり、PQQ−GDHおよびパラ−ニトロソ−アニリン メディエーターが含まれる。ニトロソアニリン試薬の調製のためのプロトコールは、参考文献にて本明細書に組み込まれた開示物である、2003年10月17日に出願された、表題「AP相角度測定を用いる、検体検出のためのシステムと方法(System And Method For Analyte Measurement Using AC Phase Angle Measurement)」、米国特許明細書番号第10/688,312号で記述されたものと、すべての観点で同一である。分散および乾燥前の、試薬量比較は、表2で列記したようである。
【0107】
【表2】
【0108】
本開示物との使用のために好適な、コート可能な試薬は、表3で示したようなものである。
【0109】
【表3】
【0110】
バイオセンサー210は、例示的に、それぞれ図17〜18および19で示した、2つの器具10、10’を用いて製造される。他に記述しない限り、器具10、10’は、同様の様式で共同する。まず図17を参照として、バイオセンサー210は、幅にして約40nmである、80nm金ラミネートをもつ、リボンまたはウェブ20のロールを、カスタムフィット広領域レーザー切断器具10内に、供給することによって、製造される。器具10は、レーザー光12のビームを産出するレーザー供給源、クロミウムプレート化石英マスク14、および光学16を含む。例示した光学16が単一レンズである一方で、光学16は、好ましくは、共同して、ベース基板20のウェブ上へ投射される、先に決定された形態またはイメージ中に光12を作製する、種々のレンズであることが理解される。
【0111】
好適な切断器具10(図17〜18)の非限定例は、ドイツ連邦共和国、ゲッチンゲンのランバダ フィシック アクチェン ゲゼルシャフト(Lambda Physik AG)から市販されている、LPX−400、LPX−300またはLPX−200レーザーシステム、およびコロラド州、スプリングスのインターナショナル フォトツール カンパニー(International Phototool Company)から市販されている、クロムメッキされた石英マスクを組み込む、ドイツ連邦共和国、ガルブセンのLPKFレーザーエレクトロニック社(LPKF Laser Electronic GmbH)から市販されている、カスタム化MicrolineLaser 200−4レーザーシステムである。
【0112】
MicrolineLaser 200−4レーザーシステム(図17〜18)に関して、レーザー供給源11は、LPX−200 KrF−UV−レーザーである。しかしながら、より高い波長UVレーザーを、本開示物にしたがって使用可能であることが理解される。レーザー供給源11は、600mJのパルスエネルギー、および50Hzのパルス繰り返し振動数をもつ、248nmで働く。レーザービーム12の強度は、誘電体ビームアテニュエーターによって、3〜92%の間で無限に調節可能である(示していない)。ビームプロファイルは、27×15mm2(0.62sq.インチ)およびパルス期間25nsである。マスク14上のレイアウトは、均一的に、光学要素ビームエクステンダー、ホモジナイザーおよび領域リンクによって投影される(示していない)。ホモジナイザーの性能は、エネルギープロファイルを測定することによって決定されてきた。イメージング光学16は、リボン20上へ、マスク14の構造を写す。イメージング非は、2:1であり、一方で、広範囲を除去可能であり、他方で、エネルギー密度を、適用したクロミウムマスクの切断点以下に維持することが可能である。2:1のイメージングを例示する一方で、任意の数の他の比が、所定の設計要求に依存して、本開示物にしたがって、可能であることが理解される。リボン20は、矢印25で示したように移動して、複数の連続して、切断されるべきレイアウト区画を許容する。
【0113】
マスク14の位置、リボン20の移動、およびレーザーエネルギーはコンピュータ制御される。図17で示すように、レーザービーム12が、切断されるべきリボン20上に投影される。マスク14の透明な領域またはウインドウ18を通過する光12が、リボン20より金属を切断する。マスク14のクロミウムコート領域は、レーザー光12をブロックし、これらの領域の切断を防止し、結果として、リボン20表面上に金属化構造ができる。ここで図18を参照すると、電気的成分の完全構造には、第二マスク14’を通した、追加的切断段階が必要となりうる。光学および切断されるべき電気的成分のサイズに依存して、単一の切断段階のみ、または2つ以上の切断段階が、本開示物にしたがって必要であり得ることが理解される。さらに、複数のマスクの代わりに、複数の領域を、本開示物にしたがって、同様のマスク上に形成しうることが理解される。
【0114】
とりわけ、好適な切断器具10’(図19)の第二の非限定例は、ドイツ連邦共和国、ゲッチンゲンのランバダ フィシック社(Lambda Physik AG)から市販されている、Lambda STEEL(安定エネルギーエキシマーレーザー)レーザーシステム、およびコロラド州、スプリングスのインターナショナル フォトツール カンパニー(International Phototool Company)から市販されている、クロムメッキされた石英マスクを組み込む、ドイツ連邦共和国、ガルブゼンのLPKFレーザー エレクトロニック社(LPKF Laser Electronic GmbH)から市販されている、カスタム化レーザーシステムである。本レーザーシステムは、308nmの波長にて、1000mJパルスエネルギーまでを特徴とする。さらに、本レーザーシステムは、100Hzの振動度をもつ。器具10’は、図17および18で示したような、2つのパスをもつバイオセンサーを産出するために形成されうるが、好ましくは、その光学は、25ns単独パス中、10×40mmパターンの形成を可能にする。
【0115】
特定の理論に結びつける意図はないが、マスク14、14’、14”を通るパルスまたはビーム12が、リボン20上の表面232の1μm以下内に切断される、と信じられている。ビーム12の光子は、金属/ポリマー境界線にて、光子分解と、化学結合の急速な分解を引き起こすのに十分なエネルギーをもつ。この急速な化学結合分解が、吸収領域内の突然の圧力増加を引き起こし、金属(金属フィルム216)を、ポリマー基体表面から押し出す。典型的なパルス期間は、約20〜25ナノ秒であり、金属の相互作用が非常に迅速におこり、伝導性物質216のエッジと、周辺の構造への熱の障害が最小化される。得られた電気組成物のエッジは、本発明で意図されたように、高いエッジ品質と、正確な配置をもつ。
【0116】
リボン20から金属を除去する、または切断するために使用した蛍光エネルギーは、リボン20がそこより形成される金属、基体物質への金属フィルムの接着、金属フィルムの厚さ、およびおそらく、ベース基板上へフィルムを配置するために使用した工程、すなわちサポーティングおよび蒸発沈着、に依存する。KALADEX(登録商標)上の金のための蛍光レベルは、約100〜約120mJ/cm2のポリイミド上、または約60〜約120mJ/cm2のMELINEX(登録商標)上、約50〜約90mJ/cm2の範囲である。上記のものよりも低いまたは高い蛍光レベルが、本開示物にしたがった、他の基体物質に適切であり得ることが理解される。
【0117】
リボン20の面積のパターン化は、マスク14、14’を用いることによって達成される。各マスク14、14’は、例示的に、形成されるべき、電極成分パターンの、先に決定された一部の、正確な二次元例示を含む、マスク領域22を含む。図17は、コンタクトパッドおよびトレースの一部を含む、マスク領域22を例示している。図18で示したように、第二マスク14’は、トレースの第二の相当する部分、およびフィンガーを含む電極パターンを含む。先に記述したように、切断されるべき面積のサイズに依存して、マスク14が、各バイオセンサーのために全電極パターンの完全な例示(図19)、または、本開示物にしたがって、図17および18で例示されたようなものとは異なる部分的パターンを含みうる。好ましくは、本発明の1つの観点において、試験ストリップ上の、電気的組成物の全パターンが、一度に切断される、すなわち、広領域が、試験ストリップの全サイズを意図する(図19)か、または2つまたはそれ以上の試験ストリップの全サイズさえ意図されていない。あるいは、図17で例示したように、全バイオセンサーの部分を連続して切断する。
【0118】
マスク14を本明細書以下で記載するが、他に示唆しない限り、この記載は、同様にマスク14’、14”に適用することが理解される。図17を参照して、クロムで保護した、マスク領域22の面積24が、リボン20へのレーザービーム12の投射を阻害する。マスク領域22中の透明の面積またはウインドウ18によって、レーザービーム12が通過可能になり、リボン20の先に決定した面積に衝突可能になる。図17で示したように、マスク領域22の透明な面積18は、そこより、伝導性物質216が除去されるべきである、リボン20の面積に相当する。
【0119】
さらに、マスク領域22は、線30で示した長さと、線32で示した幅をもつ。LPX−200の2:1のイメージング比を考えると、マスクの長さ30が、得られた長さ34の2倍の長さであり、マスクの幅32が、リボン20上の得られたパターンの幅36の2倍の幅であること、が理解される。光学16は、リボン20に溝をつける、レーザービーム12のサイズを減少させる。マスク領域22の相対寸法と、得られるパターンは、本開示物にしたがって変化可能であることが理解される。マスク14’(図18)を、電気的組成物の二次元例示を完全にするために使用する。
【0120】
図17の参照を続けると、レーザー切断器具10において、エキシマーレーザー供給源11が、ビーム12を放射し、これが、石英上クロムマスク14を通過する。マスク領域22によって、ビームの他の部分が、部分のイメージの形態にて、または全ての電極パターンを通過させる一方で、反射されるべきレーザービーム12の部分を引き起こす。言い換えると、マスク14を通過するレーザービームのイメージまたは部分が、レーザービーム12が衝突した金フィルム上でパターンを作り出す。リボンまたはウェブ20は、器具10に関して安定であり得るか、または器具10を通して、ロール上で連続して動くことが理解される。したがって、リボン20の移動の非限定速度は、約0m/分〜約100m/分、より好ましくは、約30m/分〜約60m/分であり得る。リボン20の移動の速度は、選択された器具10によってのみ限定され、本開示物にしたがって、レーザー供給源11のパルス期間に依存して、100m/分を大きく越えうる。
【0121】
一旦マスク14のパターンがリボン20上で形成されると、リボンを巻き戻し、器具10に再び供給し、これは、マスク14’である(図18)。レーザー器具10が、あるいは、本開示物にしたがって、連続して位置しうることが理解される。段階および繰り返し工程の詳細な記述は、参考文献によって、本明細書に組み込まれた開示物である、2003年6月20日に出願された、表題「解析センサーに関する器具および方法(Devices And Methods Relating To Analyte Sensors)」の米国特許明細書番号第60/480,397号で見ることができる。したがって、マスク14、14’を用いることによって、広面積のウェブまたはリボン20が、基体の基質上の複雑な電極パターンおよび他の電気的成分の経済的な作製、電極要素の正確なエッジ、および基体物質からの、金属製フィルムのより多くの量の除去を可能にするために、同一のマスク面積中の複数マスク領域22を含む工程を繰り返してパターン化が可能である。
【0122】
図20は、図17および18で例示したものとは異なる電極パターンをもつけれども、本開示物にしたがって形成された、電極組リボン124の非限定略図である。リボン124には、複数のパネル120を含み、それぞれが、複数の電極システム116を含む。各システムには、2つの電極が含まれ、両方が標識され104、センシング領域110をもつ。また、電極組リボン124を形成するために、レーザー切断に適用する、本来の金属製ラミネートリボン12も示される。リボン122の幅は、レーザー切断システム10、10’に適合するように選択され、たとえば、40〜0.4インチ(1.2m〜10.25mm)でありうる。リボンは、任意の長さでよく、所定の数の電極組、および/またはリボンの取り扱いおよび輸送の簡便さに基づいて選択される。各個々のパネルのサイズは、リボン上に都合良く適合するように選択され、したがって、各パネルは、1〜1000電極組、好ましくは2〜20電極組を含みうる。
【0123】
一旦、完全な電極パターンが作製されたならば、リボン20を、任意の数の公知の市販された方法を用いて、スペーサーおよびカバーに連結しうることが理解される。製造の好適な方法の非限定例は、参考文献にて本明細書に組み込まれている開示物である、2003年6月20日に出願された、表題「解析センサーに関する器具および方法(Devices And Methods Relating To Analyte Sensors)」の米国特許明細書番号第60/480,397号で見ることができる。しかしながら、要約すると、試薬フィルムが、リボン上に配置され、通常、インライン乾燥システムで乾燥させることが理解される。処理の速度は、名目上、1分あたり30〜38メーターであり、試薬のレオロジーに依存する。バイオセンサー210のために好適な試薬は以上にて記述されているが、好ましい試薬を表2で示している。
【0124】
物質を、電極パターンが、基体の場合に、リールの長さに対して直角であるように、連続リール中で処理する。一旦基体がコートされたならば、スペーサー物質を、コートされたリボン20上にラミネートする。ラミネートの前に、スペーサー物質、しかしながら、スペーサー物質の一部分を除去し、それによって、スリットが形成される。パンチング工程を、スペーサーの必要ない部分を除去するために使用する。金型組が、スリットの形態を決定する。得られたスリットスペーサーが、基体上へのリールリール工程内に配置される。ついでカバーが、リールリール工程を用いて、スペーサー上にラミネートされる。ついで、バイオセンサーが、スリッティングおよびカッティングの方法によって、物質の得られたリールから産出可能である。
【0125】
スペーサー内のスリットが、好ましくは、基体とカバー間の空間を満たすキャピラリーを形成する。スペーサー上の疎水性接着が、スペーサー下で、試薬内に流すことから、試験試料を防止し、したがって、充填空間が、試験チャンバー容量を画定する。チャンバー容量は、バイオセンサーの適用に依存して、本開示物にしたがって変化可能であることが理解される。好適な充填容量の非限定な詳細の記述が、以上で言及した、米国特許明細書番号第60/480,397号で見られる。
【0126】
上述したように、バイオセンサー210は、共通平面表面上に、異なる特徴サイズをもっている2つの電極パターンをもち、したがって、その表面上で、複数の機能を達成する。好ましくは、電極組266は、第一の先に画定された特徴サイズをもつ、マクロ電極アレイとして形成された、電極パターンをもつ。好適な巨大電極アレイの機能性の非限定例は、ヘマトクリットレベル補正であり、これは、参考文献によって本明細書に組み込まれている開示物である、2003年10月17日に出願された、表題「AC相角度測定を用いる、検体検出のためのシステムおよび方法(System And Method For Analyte Measurement Using AC Phase Angle Measurement)」の、米国特許明細書番号第10/688,312号で記述されている。
【0127】
さらに、使用しているあいだ、試験メーター(示していない)が、1つの電極に電圧をかけ、先に言及した米国特許明細書番号第10/688,312号にて記述されたように、シグナルを得るために、他の電極における、電流応答を測定することが理解される。
【0128】
電極組268は、第二の先に画定された特徴サイズをもつ、インターレース微小電極アレイとして形成された、電極パターンをもつ。好適な微小電極アレイの機能性の非限定例は、グルコース推測であり、これはまた、参考文献によって本明細書に組み込まれている開示物である、米国特許明細書番号第10/688,312号に記述されている。さらに、使用しているあいだ、試験メーター(示していない)が、1つの電極に電圧をかけ、先に言及した米国特許明細書番号第10/688,312号にて記述されたように、シグナルを得るために、他の電極における、電流応答を測定することが理解される。
【0129】
使用の際に、ユーザーがバイオセンサー210の開口部221に、そのランスで刻まれた指を配置する。液体試料(全血)が、指より開口部221に流れる。液体試料を、キャピラリー活性を介して、試料受け取りチャンバー220に移し、電極組266の要素のフィンガー280を通過する。続いて、液体試料が、試料受け取りチャンバー220をとおって、空間262へ、そして、電極組268の要素のフィンガー284上に位置する、試薬264とかかわって流れる。上述したように、ヘマトクリット訂正値を、フィンガー280との、液体試料の相互作用より決定し、液体試料/試薬混合液の、フィンガー284との相互作用より、グルコースが決定される。ヘマトクリットおよびグルコース測定機能を、バイオセンサー210に関して記述するが、電極パターンが、本開示物にしたがって、複数の機能性のために使用しうることが理解される。
【0130】
記述された工程および製品には、とりわけ診断器具中での使用のための、使い捨てバイオセンサーが含まれる。しかしながら、任意の生物学的、環境または他の試料中の検体の測定のような、非診断使用のための電気化学バイオセンサーが含まれる。さらに、バイオセンサーの種々の使用および利用可能な機能が、本開示物にしたがって、それ自身で、または互いに組み合わせで存在しうることが理解される。
【0131】
図11〜16を参照して、以下に述べるように、それぞれの開示されたバイオセンサーが、210にしたがって以上で記述したものと同様の様式で、ユーザーの立場から操作される。さらに、バイオセンサーの同様の要素が、同様に番号づけられる。
【0132】
図11をここで参照して、バイオセンサー310が、基体212上に位置する伝導性物質216のパターンを除いて、バイオセンサー210と同様の様式で、形成および製造される。バイオセンサー310の伝導性物質216が、第一電極システム366と、第二電極システム368を画定する。電極システム366、368は、基体212上の、コネクティングトレース377、379と、コンタクトパッド378、383の得られるパターンを除いて、バイオセンサー210のシステムと同様である。トレース377、379およびパッド378、383が、本開示物にしたがって、種々の形態およびサイズを取りうることが理解される。
【0133】
図12で示したように、バイオセンサー510が、基体212上に位置する伝導性物質216のパターンを除いて、バイオセンサー210と同様の様式で、形成および製造される。電極組268に加えて、バイオセンサー510の伝導性物質216が、第一電極組566を画定する。電極組566は、電極の要素によって形成されたインターレース電極パターンの配置を除いて、組366と同様である。
【0134】
とりわけ、第一電極組566が、1つの電極フィンガー581を含む要素をもつワーキング電極、および2つの電極フィンガー580を含む要素をもつカウンター電極を含む。フィンガー580、581が、互いに共同して、約250μmの特徴サイズまたはギャップ幅をもつ、巨大電極アレイとして配置された、インターレース電極パターンを作製する。電極580、581はそれぞれ、約250μmの電極幅をもつ。組266で、前述の十のとおり、電極およびギャップ幅は、本開示物にしたがって変化可能である。
【0135】
バイオセンサー210に関して、上述したように、第一および第二電極組566、268は、異なる特徴サイズをもち、バイオセンサー510上に、異なる機能を作り出すために使用される。第一電極組566の好適な機能の非限定例は、ヘマトクリットレベルに関する、訂正因子を決定することのためである。測定法は、バイオセンサー210に関して、上述したとおりである。
【0136】
ここで図13を参照して、バイオセンサー610が、基体212上に位置する伝導性物質216のパターンを除いて、バイオセンサー210と同様の様式で形成される。上述したような、第一電極組566に加えて、バイオセンサー610の伝導性物質216が、組566から空間的に離れている、第二電極組668を画定する。
【0137】
電極組668は、電極の要素中のインターレース電極パターンのパターンを除いて、組268と同様である。とりわけ、第二電極組668は、ワーキング電極とカウンター電極を含み、それぞれが、3つの電極フィンガー661を含む要素をもつ。フィンガー661が、互いに共同し、約50μmの特徴サイズまたはギャップ幅をもつ、微小電極アレイとして配置された、インターレース電極パターンを画定し、これは、組566の電極パターンの特徴サイズよりも小さい。電極661はそれぞれ、約50μmの電極幅をもつ。組268で前述したように、電極およびギャップ幅が、本開示物にしたがって、変化可能である。
【0138】
さらに、バイオセンサー610は、試薬664を含む。試薬664は、試薬264と同様であり、基体212上に適用されたようなその幅のみが異なる。とりわけ、試薬664が、電極フィンガー661を越えて伸長する。第二電極組668の好適な機能性の非限定例は、グルコース決定機能性である。測定方法は、バイオセンサー210に関して前述したようである。
【0139】
図14で示したように、バイオセンサー710が、基体212上に位置した伝導性物質216のパターンを除いて、バイオセンサー210と同様の様式で形成される。バイオセンサー710の伝導性物質216が、前述のとおりの第一電極組366と、第二電極組768を画定する。電極768は、電極の要素によって形成された、インターレース電極パターンのパターンを除いて、組268と同様である。とりわけ、第二電極組768に、ワーキング電極およびカウンター電極が含まれ、それぞれ、5つの電極フィンガー770を含む要素をもつ。フィンガー770は互いに共同して、約30μmの特徴サイズまたはギャップ幅をもつ微小電極アレイとして配置された、インターレース電極パターンを画定し、組366の電極パターンの特徴サイズよりも小さい。電極フィンガー770はそれぞれ、約50μmの電極幅をもつ。組266で前述したように、電極およびギャップ幅は、本開示物にしたがって変化可能である。第二電極組668の好適な機能性の非限定例は、グルコース決定機能性である。測定方法は、バイオセンサー210に関して前述したとおりである。
【0140】
さらに、バイオセンサー710は、当業者に良く知られている種々の分散方法の任意によって、フィンガー770上に分散される試薬364を含む。試薬364は、好ましくは、表3で列記された試薬である。さらに、その非限定例が前述した種々の試薬が、本開示物にしたがって使用されてよいということが理解される。
【0141】
図15は、本開示物にしたがったバイオセンサー1310を例示している。バイオセンサー1310は、基体212、カバー1118およびスペーサー1114上に位置する、伝導性物質216の配座を除いて、バイオセンサー210と同様の様式で形成される。カバー1118およびスペーサー1114は、図15で示したように、基体212に関するそれらの寸法を除いて、カバー218およびスペーサー214と同様である。バイオセンサー1310の伝導性物質216は、第一電極組1366および第二電極組1368を画定する。第一電極組1366は、ワーキング電極およびカウンター電極を含み、それぞれが、5つの電極フィンガー1370をもつ。フィンガー1370は互いに共同して、約17μmの特徴サイズまたはギャップ幅をもつ微小電極アレイとして形成された、インターレース電極パターンを画定する。電極フィンガー1370はそれぞれ、約20μmの電極幅をもつ。
【0142】
第二電極組1368は、ワーキング電極とカウンター電極をもち、それぞれ、3つの電極フィンガー1371をもつ。電極フィンガー1371は、互いに共同して、約10μmの特徴サイズまたはギャップ幅をもつ微小電極アレイとして形成された、インターレース電極パターンを画定する。電極フィンガー1371は、それぞれ約20μmの電極幅をもつ。組266に関して前述したように、フィンガー1370および1371の電極およびギャップ幅は、本開示物にしたがって変化しうる。
【0143】
試薬264が、電極組1368の電極フィンガー1371を越えて伸長する。第一電極組1366の好適な機能性の非限定例には、バイオセンサー210に関して前述したような、ヘマトクリット訂正が含まれる。同様に、第二電極組1368の好適な機能性の非限定例は、バイオセンサー210に関して前述したような、グルコース予測を決定するために使用される。電極組1366および1368のための測定方法はまた、バイオセンサー210に関連して前述したとおりである。
【0144】
図16は、バイオセンサー1510を例示している。バイオセンサー1510は、試薬1564を除いて、バイオセンサー210と同一である。試薬364は、図14のバイオセンサー710に関して前述したような、電極フィンガー284上に分散される。
【0145】
図21〜24は、本発明の原理を用いて形成された、電気的パターンの写真である。図21は、まずベース基板をカバーしている伝導性物質の10%を除去することによって、その上に形成された電気的パターンをもつ、ベース基板の写真である。本実施形態において、伝導性物質は金である。パターンが、レーザーの単一パルスで形成された。
【0146】
図22は、ベース基板をまずカバーしている伝導性物質の20%を除去することによって、その上に形成された電気的パターンをもつベース基板の写真である。本実施例において、伝導性物質は金であり、ギャップ幅は、示したように、およそ20μmである。パターンは、レーザーの単一パルスで形成された。
【0147】
図23は、ベース基板をまずカバーしている伝導性物質の50%を除去することによって、その上に形成された電気的パターンをもつベース基板の写真である。本実施例において、伝導性物質は金であり、ギャップ幅は、示したように、およそ20μmである。パターンは、レーザーの単一パルスで形成された。
【0148】
図24は、ベース基板をまずカバーしている伝導性物質の90%を除去することによって、その上に形成された電気的パターンをもつベース基板の写真である。本実施例において、伝導性物質は金であり、ギャップ幅は、示したように、およそ250μmである。パターンは、レーザーの単一パルスで形成された。
【0149】
いくつかの産出実施を、本発明にしたがって、バイオセンサーの電気的パターンが産出可能である、非常にはやい速度で実証されるように行った。多くの実施には、表4で示したように、2つの異なる特徴サイズをもつ電極パターンを含んだ。図21〜24は、これもまた表4で示したように、電極構造の選択した1つをとった写真である。パターンを作製するために使用したマスクには、表4で列記した「構造1」と「構造2」両方が含まれた。約25ナノ秒の単一レーザーパルスを使用して、パターンを形成した。示したように、長いウェブ(約450mまたはそれ以上)の物質を、電気的パターンが形成されたような、制御速度にて、レーザー切断器具下で通した。
【0150】
【表4】
【0151】
上記表4から見ることができるように、本発明によって具体化された本方法は、迅速なマス産出によく適応する。
【0152】
本発明は、好ましい実施形態に関して詳細に記述されているが、以下の請求項にて記述され、画定されたように、本発明の目的および意思内で、変異および改変が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明のバイオセンサーの透視図である。
【図2】図1のバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図3】巨大電極アレイおよび微小電極アレイを示している、図1のバイオセンサーの拡大平面図である。
【図4】エッジの所定の形態および配置を示している、理論線または理想線からの、電極要素のエッジの偏差のダイアグラムである。
【図5】ギャップを形成している2つの個々のエッジ内の偏差から得られる、ギャップ偏差および配置の偏差のダイアグラムである。
【図6】図3の微小電極アレイの拡大切片である。
【図7】エッジの所定の形態および配置を示している、理論線または理想線からの、電極要素のエッジの偏差のダイアグラムである。
【図8】図1の線8−8にそってとった、交差切片を例示している。
【図9】図1の線9−9にそってとった、交差切片を例示している。
【図10】図3の微小電極アレイの電極エッジの、平均または理論からの偏差を示しているグラフである。
【図11】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図12】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図13】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図14】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図15】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図16】本発明の他の実施形態にしたがったバイオセンサーの分解組み立て図である。
【図17】本発明での使用に好適な切断器具の図である。
【図18】第二マスクを示している図17のレーザー切断器具の図である。
【図19】本発明での使用に好適な切断器具の図である。
【図20】本発明の電極組リボンの略図である。
【図21】そこより、10%の伝導性物質が除去された、金伝導性層でまずコートされた、バイオセンサー基質を例示している写真である。
【図22】約20μmのギャップ幅を含む電極パターンをもち、そこで基体をまずカバーしている伝導性物質のおよそ20%が、除去されて、電気的パターンを形成する、バイオセンサー基質を例示している写真である。
【図23】約20μmのギャップ幅を含む電極パターンをもち、そこで基体をまずカバーしている伝導性物質のおよそ50%が、除去されて、電気的パターンを形成する、バイオセンサー基質を例示している写真である。
【図24】約250μmのギャップ幅を含む電極パターンをもち、そこで基体をまずカバーしている伝導性物質のおよそ90%が、除去されて、電気的パターンを形成する、バイオセンサー基質を例示している写真である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上に形成された、第一および第二電極要素をもつベース基板、
そのあいだのギャップを画定している、第一および第二のそれぞれのエッジをもつ第一および第二電極要素であって、前記ギャップが、幅および長さをもつギャップの長さに沿って変化する第一距離によって第一理論線から離間された第一エッジ、
前記第一理論線が第一エッジの所定の形態および配置を画定しており、当該第一距離の標準偏差が、ギャップの全長にわたり約6μm以内であり、少なくとも部分的に、ベース基板をカバーしている試薬、および
ベース基板にオーバーレイし、かつ接着されている1または2以上の層であり、当該1または2以上の層が共同して試料受け取りチャンバーおよびカバーを形成し、少なくとも試薬の一部分および電極がチャンバー内に設けられてなるバイオセンサー。
【請求項2】
第一距離の標準偏差が、約2μm以内である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項3】
第一距離の標準偏差が、約1μm以内である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項4】
前記第二エッジがギャップの長さに沿って変化する第二距離によって、第二理論線より間隔があいており、前記第二理論線が第二エッジの所定の形態および配置を画定しており、そこで、第二距離の標準偏差が、ギャップの全長にわたり、約6μm以内である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項5】
第一距離および第二距離両方の標準偏差が約2μm以内である請求項4記載のバイオセンサー。
【請求項6】
第一距離および第二距離両方の標準偏差が約1μm以内である請求項4記載のバイオセンサー。
【請求項7】
前記ギャップ幅が約250μmまたはそれ以下である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項8】
前記ギャップ幅が約50μmである請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項9】
前記ギャップ幅が約20μmである請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項10】
前記電極要素が広領域レーザー切断によって形成される請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項11】
前記第一および第二電極要素が第一電極組を含み、電極の組の1つが、試料受け取りチャンバー内に位置する電極である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項12】
さらに、ベース基板上に形成された第二電極組を含み、前記第二電極組が、第一電極組とは異なる特徴サイズをもつ請求項11記載のバイオセンサー。
【請求項13】
前記第一および第二電極要素が第一および第二電極トレースを含む請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項14】
前記第一および第二電極要素が第一および第二コンタクトパッドを含む請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項15】
前記ギャップの長さが少なくとも0.1mmである請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項16】
前記ギャップの長さが少なくとも1mmである請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項17】
前記ギャップの長さが少なくとも1cmである請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項18】
前記ギャップの長さがバイオセンサーの長さの少なくとも三分の一である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項19】
前記ギャップの長さがバイオセンサーの長さの、少なくとも二分の一である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項20】
前記ギャップが試料受け取りチャンバー内に位置する請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項21】
前記電極要素がコンタクトパッドを含み、前記ギャップが、コンタクトパッド間で伸びる請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項22】
前記電極要素が電極トレースを含み、前記ギャップが電極トレース間で伸びる請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項23】
前記電極要素がワーキング電極およびカウンター電極を含み、前記ギャップが前記ワーキング電極と前記カウンター電極間で伸びる請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項24】
前記ギャップが試料受け取りチャンバーを越えて伸びる請求項23記載のバイオセンサー。
【請求項25】
ベース基板であって、該ベース基板上に第一および第二電極要素が形成されたベース基板、
第一および第二エッジをそれぞれ有し、該第一および第二エッジのあいだに幅および長さを有するギャップが画定されている第一および第二電極要素、
少なくとも部分的にベース基板をカバーしている試薬、および
ベース基板にオーバーレイし、かつ接着されている1または2以上の層
からなり、
前記1または2以上の層が試料受け取りチャンバーおよびカバーを形成するように共同し、少なくとも試薬の一部分および電極がチャンバー内に設けられ、
前記第一エッジがギャップの長さにそって変化する第一距離によって第一理論線から離間され、前記第一理論線が所定の形態および配置を画定し、該第一距離がギャップの全長にわたり約6μm以内であるバイオセンサー。
【請求項26】
第一距離の標準偏差が約2μm以内である請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項27】
第一距離の標準偏差が約1μm以内である請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項28】
前記第二エッジがギャップの長さに沿って変化する第二距離によって、第二理論線より間隔があいており、前記第二理論線が、第二エッジの所定の形態および配置を画定しており、第二距離の標準偏差がギャップの全長にわたり約6μm以内である請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項29】
第一距離および第二距離両方の標準偏差が、約4μm以内である請求項28記載のバイオセンサー。
【請求項30】
第一距離および第二距離両方の標準偏差が、約2μm以内である請求項28記載のバイオセンサー。
【請求項31】
前記電極要素が広領域レーザー切断によって形成される請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項32】
前記第一および第二電極要素が、第一電極組を含み電極の組の1つが、試料受け取りチャンバー内に位置する電極である請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項33】
さらに、ベース基板上に形成された第二電極組を含み、前記第二電極組が、第一電極組とは異なる特徴サイズをもつ請求項32記載のバイオセンサー。
【請求項34】
前記第一および第二電極要素が、一および第二電極トレースを含む請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項35】
前記第一および第二電極要素が第一および第二コンタクトパッドを含む請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項36】
ベース基板であって、該ベース基板上に電気的に伝導性物質の層をもつベース基板を設ける工程、
前記伝導性物質の一部分を取り除き、そのあいだに幅および長さをもつギャップを画定している、第一および第二のそれぞれのエッジをもつベース基板上に第一および第二電極要素を形成する工程、
少なくとも部分的に、基体をカバーしている試薬を設ける工程、および
1つまたはそれ以上の層を基体に接着させる工程であって、前記1つまたはそれ以上の層が、共同して、バイオセンサーの試料受け取りチャンバーおよびカバーを形成し、少なくとも一部分の試薬および電極をチャンバー内に設ける工程
とを含むバイオセンサーを作製する方法であって、
前記第一エッジが、ギャップの長さにそって変化する第一距離によって第一理論線から離間され、前記第一理論線が第一エッジの所定の形態および配置を画定しており、第一距離の標準偏差がギャップの全長にわたり約6μm以内である方法。
【請求項37】
さらに、少なくとも10%の伝導性物質を除去する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項38】
さらに、少なくとも50%の伝導性物質を除去する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項39】
さらに、少なくとも90%の伝導性物質を除去する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項40】
前記電気的に伝導性物質を広領域レーザー切断によって除去する請求項36記載の方法。
【請求項41】
前記第一および第二電極要素が第一電極組を含む請求項36記載の方法。
【請求項42】
さらに、第一電極組とは異なる特徴サイズをもつベース基板上に第二電極組を形成する工程を含み、前記第一電極組の電極の1つが試料受け取りチャンバー内に位置する電極であり、前記第二電極組の電極の1つが試料受け取りチャンバー内に設けられてなる請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記標準偏差が約2μm以内である請求項36記載の方法。
【請求項44】
前記標準偏差が約1μm以内である請求項36記載の方法。
【請求項45】
さらに、約0.25秒以下で電極要素を形成する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項46】
さらに、約50ナノ秒以下で電極要素を形成する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項47】
さらに、約25ナノ秒以下で電極要素を形成する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項48】
1つまたはそれ以上の層を基体に接着させる工程が、ベース基板上の試料受け取りチャンバーの境界線を画定する空間をもつスペーシング層をラミネート加工する工程、およびスペーシング層上のカバー層をラミネート加工する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項49】
さらに、試料受け取りチャンバーと連結したカバー層中で排出口を形成する工程を含む請求項48記載の方法。
【請求項50】
流体試料中の検体の存在または濃度を測定するために使用するバイオセンサーを形成する方法であって、
(a)電気的に伝導性の物質を、基体上に提供すること、
(b)広領域レーザー切断によって、前記電気的に伝導性の物質の一部分を除去し、基体上に、電極組を形成すること、
(c)基体を少なくとも部分的にカバーしている試薬を提供すること、および
(d)基体に1つまたはそれ以上の層を接着させることで、前記1つまたはそれ以上の層が共同して、バイオセンサーのために、試料受け取りチャンバーおよびカバーを形成する工程を含み、試薬層および電極組両方の少なくとも一部をチャンバー内に設けてなる方法。
【請求項51】
電極組がギャップを画定している第一および第二のそれぞれのエッジをもつ第一および第二電極を含み、前記ギャップが幅および長さをもち、前記第一エッジがギャップの長さにそって変化する第一距離によって第一理論線から離間され、前記第一理論線が第一エッジの所定の形態および配置を画定し、第一距離の標準偏差がギャップの全長にそって約6μm以内である請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記第一距離の標準偏差が約2μm以内である請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記第一距離の標準偏差が約1μm以内である請求項51記載の方法。
【請求項54】
電極組が異なる特徴サイズをもつ少なくとも2つの電極を含む請求項51記載の方法。
【請求項55】
電極組が、異なる特徴サイズをもつ少なくとも2つの電極を含む請求項50記載の方法。
【請求項56】
前記工程(c)が試薬によって、電極を少なくとも部分的にカバーする工程を含む請求項50記載の方法。
【請求項57】
さらに、少なくとも10%の伝導性物質を除去する工程を含む請求項50記載の方法。
【請求項58】
さらに、少なくとも50%の伝導性物質を除去する工程を含む請求項50記載の方法。
【請求項59】
さらに、少なくとも90%の伝導性物質を除去することを含む請求項50記載の方法。
【請求項60】
流体試料中の検体の濃度を測定するために使用するバイオセンサーを形成する方法であって、
(a)基体上に、電気的に伝導性の物質を提供すること、
(b)少なくとも10%の電気的に伝導性の物質を除去して、基体上に異なる特徴サイズをもつ少なくとも2つの電極組を形成すること、
(c)少なくとも部分的に基体をカバーする試薬を提供すること、および
(d)1つまたはそれ以上の層を基体に接着させることで、1つまたはそれ以上の層は、共同して、試料受け取りチャンバーを形成し、1つの電極組の少なくとも一部分を、チャンバー内に配置すること
を含む方法。
【請求項61】
さらに、少なくとも50%の伝導性物質を除去することを含む請求項60記載の方法。
【請求項62】
さらに、少なくとも90%の伝送性物質を除去することを含む請求項60記載の方法。
【請求項63】
前記電気的に伝導性の物質を広領域レーザー切断によって除去する請求項60記載の方法。
【請求項64】
電極組がギャップを画定している第一および第二のそれぞれのエッジをもつ第一および第二電極を含み、前記ギャップが幅および長さをもち、前記第一エッジがギャップの長さにそって変化する第一距離によって第一理論線から離間され、前記第一理論線が第一エッジの所定の形態および配置を画定し、第一距離の標準偏差がギャップの全長にそって約6μm以内である請求項60記載の方法。
【請求項65】
前記第一距離の標準偏差が約2μm以下である請求項64記載の方法。
【請求項66】
前記第一距離の標準偏差が約1μm以下である請求項64記載の方法。
【請求項67】
前記工程(c)が電極組を少なくとも部分的に試薬でカバーすることを含む請求項60記載の方法。
【請求項68】
複数のバイオセンサーを製造する方法であって、
(a)その上に形成された金属伝導性層をもつ、ベース基板物質のウェブを設けること、
(b)レーザー器具で、金属伝導性層上に、電極パターンのイメージを投影し、イメージに相当する電極パターンをベース基板物質のウェブ上でレーザー切断によって形成すること、
(c)レーザー器具およびベース基板物質のウェブの1つを動かし、長時間工程(b)を繰り返して、ベース基板物質のウェブにそった空間間隔にて、複数の電極パターンを産出すること、
(d)ベース基板上に試薬を沈着させ、前記試薬によって複数の電極パターンの各電極パターンを部分的にカバーすること、
(e)少なくとも1つのカバー層のウェブをラミネート加工するか、またはベース基板物質のウェブ上で層を配置することによって、カバーおよび試料受け取りチャンバーを形成すること、および
(f)少なくとも1つのカバー層、またはスペーシング層およびベース基板物質のウェブを通して切断して複数のバイオセンサーを形成すること
を含む方法。
【請求項69】
前記工程(b)で形成された電極パターンが、バイオセンサーの1つに対する、完全な電極パターンを含み、それによって、各バイオセンサーに対する完全電極パターンが単一の工程で形成される請求項68記載の方法。
【請求項70】
工程(b)で形成された電極パターンに、部分的電極パターンが含まれ、前記イメージが、複数の同一または異なるイメージを含み、工程(b)および(c)を複数の電極パターンが、複数の完全な電極パターンを含むまで続け、そこで、各完全な電極パターンが、複数の形態で形成される請求項68記載の方法。
【請求項71】
工程(c)がベース基板のウェブの、連続移動を含む請求項68記載の方法。
【請求項72】
工程(c)が別個の増加でのベース基板のウェブの移動を含む請求項68記載の方法。
【請求項73】
工程(c)が少なくとも60メートル/分の速度でのベース基板のウェブの移動を含む請求項68記載の方法。
【請求項74】
電極パターンに異なる特徴的な大きさをもつ少なくとも2つの電極組が含まれる請求項68記載の方法。
【請求項75】
電極組がそのあいだのギャップを画定している第一および第二のそれぞれのエッジをもつ第一および第二電極を含み、前記ギャップが幅および長さをもち、前記第一エッジがギャップの長さにそって変化する第一距離によって、第一理論線から離間され、前記第一理論線が第一エッジの所定の形態および配置を画定し、第一距離の標準偏差がギャップの全長にそって約6μm以内である請求項68記載の方法。
【請求項76】
前記標準偏差が約2μm以内である請求項75記載の方法。
【請求項77】
前記標準偏差が約1μm以内である請求項75記載の方法。
【請求項78】
前記金属伝導性層に、金、白金、パラジウムおよびイリジウムからなる群より選択された、少なくとも1つの要素が含まれる請求項68記載の方法。
【請求項79】
段階(e)が、
ベース基板上に、スぺーシング層をラミネート加工することで前記スペーシング層がチャンバーの境界線を画定する空間をもち、かつスペーシング層上にカバーリング層をラミネート加工することを含む請求項68記載の方法。
【請求項80】
工程(b)で形成された各電極パターンが1秒以内に形成される請求項68記載の方法。
【請求項81】
工程(b)で形成された各電極パターンが0.25秒以内に形成される請求項68記載の方法。
【請求項82】
工程(b)で形成された各電極パターンが全て一度に形成される請求項68記載の方法。
【請求項83】
工程(b)で形成された各電極パターンが1つのバイオセンサーに対する全電極パターンを含み、各全電極パターンがすべて一度に形成される請求項68記載の方法。
【請求項84】
前記試薬が本質的に連続ストリップで適用される請求項68記載の方法。
【請求項85】
前記電極パターンが異方性である請求項68記載の方法。
【請求項86】
前記電極パターンが非対称である請求項68記載の方法。
【請求項87】
工程(b)で形成された電極パターンが1つのバイオセンサーに対する、完全電極パターンを含み、各バイオセンサーに対する完全電極パターンが単一の工程で形成され、前記方法がさらに、少なくとも500/分の速度で完全電気的パターンを形成することを含む請求項68記載の方法。
【請求項88】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも20%を除去することを含む請求項87記載の方法。
【請求項89】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも50%を除去する工程を含む請求項87記載の方法。
【請求項90】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも90%を除去する工程を含む請求項87記載の方法。
【請求項91】
工程(b)で形成された電極パターンが1つのバイオセンサーに対する完全電極パターンを含み、各バイオセンサーに対する完全電極パターンが単一の工程で形成され、前記方法がさらに、少なくとも1000/分の速度で完全電気的パターンを形成する工程を含む請求項68記載の方法。
【請求項92】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも20%を除去する工程を含む請求項91記載の方法。
【請求項93】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも50%を除去する工程を含む請求項91記載の方法。
【請求項94】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも90%を除去する工程を含む請求項91記載の方法。
【請求項95】
工程(b)で形成された電極パターンが1つのバイオセンサーに対する完全電極パターンを含み、各バイオセンサーに対する完全電極パターンが単一の工程で形成され、前記方法がさらに、少なくとも2000/分の速度で完全電気的パターンを形成する工程を含む請求項68記載の方法。
【請求項96】
電極パターンを形成する工程が金属伝導性層の少なくとも20%を除去する工程を含む請求項95記載の方法。
【請求項97】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも50%を除去する工程を含む請求項95記載の方法。
【請求項98】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも90%を除去する工程を含む請求項95記載の方法。
【請求項99】
工程(b)で形成された電極パターンが1つのバイオセンサーに対する完全電極パターンを含み、各バイオセンサーに対する完全電極パターンが単一の工程で形成され、前記方法がさらに、少なくとも3000/分の速度で完全電気的パターンを形成する工程を含む請求項68記載の方法。
【請求項100】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも20%を除去する工程を含む請求項99記載の方法。
【請求項101】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも50%を除去する工程を含む請求項99記載の方法。
【請求項102】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも90%を除去する工程を含む請求項99記載の方法。
【請求項1】
その上に形成された、第一および第二電極要素をもつベース基板、
そのあいだのギャップを画定している、第一および第二のそれぞれのエッジをもつ第一および第二電極要素であって、前記ギャップが、幅および長さをもつギャップの長さに沿って変化する第一距離によって第一理論線から離間された第一エッジ、
前記第一理論線が第一エッジの所定の形態および配置を画定しており、当該第一距離の標準偏差が、ギャップの全長にわたり約6μm以内であり、少なくとも部分的に、ベース基板をカバーしている試薬、および
ベース基板にオーバーレイし、かつ接着されている1または2以上の層であり、当該1または2以上の層が共同して試料受け取りチャンバーおよびカバーを形成し、少なくとも試薬の一部分および電極がチャンバー内に設けられてなるバイオセンサー。
【請求項2】
第一距離の標準偏差が、約2μm以内である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項3】
第一距離の標準偏差が、約1μm以内である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項4】
前記第二エッジがギャップの長さに沿って変化する第二距離によって、第二理論線より間隔があいており、前記第二理論線が第二エッジの所定の形態および配置を画定しており、そこで、第二距離の標準偏差が、ギャップの全長にわたり、約6μm以内である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項5】
第一距離および第二距離両方の標準偏差が約2μm以内である請求項4記載のバイオセンサー。
【請求項6】
第一距離および第二距離両方の標準偏差が約1μm以内である請求項4記載のバイオセンサー。
【請求項7】
前記ギャップ幅が約250μmまたはそれ以下である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項8】
前記ギャップ幅が約50μmである請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項9】
前記ギャップ幅が約20μmである請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項10】
前記電極要素が広領域レーザー切断によって形成される請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項11】
前記第一および第二電極要素が第一電極組を含み、電極の組の1つが、試料受け取りチャンバー内に位置する電極である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項12】
さらに、ベース基板上に形成された第二電極組を含み、前記第二電極組が、第一電極組とは異なる特徴サイズをもつ請求項11記載のバイオセンサー。
【請求項13】
前記第一および第二電極要素が第一および第二電極トレースを含む請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項14】
前記第一および第二電極要素が第一および第二コンタクトパッドを含む請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項15】
前記ギャップの長さが少なくとも0.1mmである請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項16】
前記ギャップの長さが少なくとも1mmである請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項17】
前記ギャップの長さが少なくとも1cmである請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項18】
前記ギャップの長さがバイオセンサーの長さの少なくとも三分の一である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項19】
前記ギャップの長さがバイオセンサーの長さの、少なくとも二分の一である請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項20】
前記ギャップが試料受け取りチャンバー内に位置する請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項21】
前記電極要素がコンタクトパッドを含み、前記ギャップが、コンタクトパッド間で伸びる請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項22】
前記電極要素が電極トレースを含み、前記ギャップが電極トレース間で伸びる請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項23】
前記電極要素がワーキング電極およびカウンター電極を含み、前記ギャップが前記ワーキング電極と前記カウンター電極間で伸びる請求項1記載のバイオセンサー。
【請求項24】
前記ギャップが試料受け取りチャンバーを越えて伸びる請求項23記載のバイオセンサー。
【請求項25】
ベース基板であって、該ベース基板上に第一および第二電極要素が形成されたベース基板、
第一および第二エッジをそれぞれ有し、該第一および第二エッジのあいだに幅および長さを有するギャップが画定されている第一および第二電極要素、
少なくとも部分的にベース基板をカバーしている試薬、および
ベース基板にオーバーレイし、かつ接着されている1または2以上の層
からなり、
前記1または2以上の層が試料受け取りチャンバーおよびカバーを形成するように共同し、少なくとも試薬の一部分および電極がチャンバー内に設けられ、
前記第一エッジがギャップの長さにそって変化する第一距離によって第一理論線から離間され、前記第一理論線が所定の形態および配置を画定し、該第一距離がギャップの全長にわたり約6μm以内であるバイオセンサー。
【請求項26】
第一距離の標準偏差が約2μm以内である請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項27】
第一距離の標準偏差が約1μm以内である請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項28】
前記第二エッジがギャップの長さに沿って変化する第二距離によって、第二理論線より間隔があいており、前記第二理論線が、第二エッジの所定の形態および配置を画定しており、第二距離の標準偏差がギャップの全長にわたり約6μm以内である請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項29】
第一距離および第二距離両方の標準偏差が、約4μm以内である請求項28記載のバイオセンサー。
【請求項30】
第一距離および第二距離両方の標準偏差が、約2μm以内である請求項28記載のバイオセンサー。
【請求項31】
前記電極要素が広領域レーザー切断によって形成される請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項32】
前記第一および第二電極要素が、第一電極組を含み電極の組の1つが、試料受け取りチャンバー内に位置する電極である請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項33】
さらに、ベース基板上に形成された第二電極組を含み、前記第二電極組が、第一電極組とは異なる特徴サイズをもつ請求項32記載のバイオセンサー。
【請求項34】
前記第一および第二電極要素が、一および第二電極トレースを含む請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項35】
前記第一および第二電極要素が第一および第二コンタクトパッドを含む請求項25記載のバイオセンサー。
【請求項36】
ベース基板であって、該ベース基板上に電気的に伝導性物質の層をもつベース基板を設ける工程、
前記伝導性物質の一部分を取り除き、そのあいだに幅および長さをもつギャップを画定している、第一および第二のそれぞれのエッジをもつベース基板上に第一および第二電極要素を形成する工程、
少なくとも部分的に、基体をカバーしている試薬を設ける工程、および
1つまたはそれ以上の層を基体に接着させる工程であって、前記1つまたはそれ以上の層が、共同して、バイオセンサーの試料受け取りチャンバーおよびカバーを形成し、少なくとも一部分の試薬および電極をチャンバー内に設ける工程
とを含むバイオセンサーを作製する方法であって、
前記第一エッジが、ギャップの長さにそって変化する第一距離によって第一理論線から離間され、前記第一理論線が第一エッジの所定の形態および配置を画定しており、第一距離の標準偏差がギャップの全長にわたり約6μm以内である方法。
【請求項37】
さらに、少なくとも10%の伝導性物質を除去する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項38】
さらに、少なくとも50%の伝導性物質を除去する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項39】
さらに、少なくとも90%の伝導性物質を除去する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項40】
前記電気的に伝導性物質を広領域レーザー切断によって除去する請求項36記載の方法。
【請求項41】
前記第一および第二電極要素が第一電極組を含む請求項36記載の方法。
【請求項42】
さらに、第一電極組とは異なる特徴サイズをもつベース基板上に第二電極組を形成する工程を含み、前記第一電極組の電極の1つが試料受け取りチャンバー内に位置する電極であり、前記第二電極組の電極の1つが試料受け取りチャンバー内に設けられてなる請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記標準偏差が約2μm以内である請求項36記載の方法。
【請求項44】
前記標準偏差が約1μm以内である請求項36記載の方法。
【請求項45】
さらに、約0.25秒以下で電極要素を形成する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項46】
さらに、約50ナノ秒以下で電極要素を形成する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項47】
さらに、約25ナノ秒以下で電極要素を形成する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項48】
1つまたはそれ以上の層を基体に接着させる工程が、ベース基板上の試料受け取りチャンバーの境界線を画定する空間をもつスペーシング層をラミネート加工する工程、およびスペーシング層上のカバー層をラミネート加工する工程を含む請求項36記載の方法。
【請求項49】
さらに、試料受け取りチャンバーと連結したカバー層中で排出口を形成する工程を含む請求項48記載の方法。
【請求項50】
流体試料中の検体の存在または濃度を測定するために使用するバイオセンサーを形成する方法であって、
(a)電気的に伝導性の物質を、基体上に提供すること、
(b)広領域レーザー切断によって、前記電気的に伝導性の物質の一部分を除去し、基体上に、電極組を形成すること、
(c)基体を少なくとも部分的にカバーしている試薬を提供すること、および
(d)基体に1つまたはそれ以上の層を接着させることで、前記1つまたはそれ以上の層が共同して、バイオセンサーのために、試料受け取りチャンバーおよびカバーを形成する工程を含み、試薬層および電極組両方の少なくとも一部をチャンバー内に設けてなる方法。
【請求項51】
電極組がギャップを画定している第一および第二のそれぞれのエッジをもつ第一および第二電極を含み、前記ギャップが幅および長さをもち、前記第一エッジがギャップの長さにそって変化する第一距離によって第一理論線から離間され、前記第一理論線が第一エッジの所定の形態および配置を画定し、第一距離の標準偏差がギャップの全長にそって約6μm以内である請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記第一距離の標準偏差が約2μm以内である請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記第一距離の標準偏差が約1μm以内である請求項51記載の方法。
【請求項54】
電極組が異なる特徴サイズをもつ少なくとも2つの電極を含む請求項51記載の方法。
【請求項55】
電極組が、異なる特徴サイズをもつ少なくとも2つの電極を含む請求項50記載の方法。
【請求項56】
前記工程(c)が試薬によって、電極を少なくとも部分的にカバーする工程を含む請求項50記載の方法。
【請求項57】
さらに、少なくとも10%の伝導性物質を除去する工程を含む請求項50記載の方法。
【請求項58】
さらに、少なくとも50%の伝導性物質を除去する工程を含む請求項50記載の方法。
【請求項59】
さらに、少なくとも90%の伝導性物質を除去することを含む請求項50記載の方法。
【請求項60】
流体試料中の検体の濃度を測定するために使用するバイオセンサーを形成する方法であって、
(a)基体上に、電気的に伝導性の物質を提供すること、
(b)少なくとも10%の電気的に伝導性の物質を除去して、基体上に異なる特徴サイズをもつ少なくとも2つの電極組を形成すること、
(c)少なくとも部分的に基体をカバーする試薬を提供すること、および
(d)1つまたはそれ以上の層を基体に接着させることで、1つまたはそれ以上の層は、共同して、試料受け取りチャンバーを形成し、1つの電極組の少なくとも一部分を、チャンバー内に配置すること
を含む方法。
【請求項61】
さらに、少なくとも50%の伝導性物質を除去することを含む請求項60記載の方法。
【請求項62】
さらに、少なくとも90%の伝送性物質を除去することを含む請求項60記載の方法。
【請求項63】
前記電気的に伝導性の物質を広領域レーザー切断によって除去する請求項60記載の方法。
【請求項64】
電極組がギャップを画定している第一および第二のそれぞれのエッジをもつ第一および第二電極を含み、前記ギャップが幅および長さをもち、前記第一エッジがギャップの長さにそって変化する第一距離によって第一理論線から離間され、前記第一理論線が第一エッジの所定の形態および配置を画定し、第一距離の標準偏差がギャップの全長にそって約6μm以内である請求項60記載の方法。
【請求項65】
前記第一距離の標準偏差が約2μm以下である請求項64記載の方法。
【請求項66】
前記第一距離の標準偏差が約1μm以下である請求項64記載の方法。
【請求項67】
前記工程(c)が電極組を少なくとも部分的に試薬でカバーすることを含む請求項60記載の方法。
【請求項68】
複数のバイオセンサーを製造する方法であって、
(a)その上に形成された金属伝導性層をもつ、ベース基板物質のウェブを設けること、
(b)レーザー器具で、金属伝導性層上に、電極パターンのイメージを投影し、イメージに相当する電極パターンをベース基板物質のウェブ上でレーザー切断によって形成すること、
(c)レーザー器具およびベース基板物質のウェブの1つを動かし、長時間工程(b)を繰り返して、ベース基板物質のウェブにそった空間間隔にて、複数の電極パターンを産出すること、
(d)ベース基板上に試薬を沈着させ、前記試薬によって複数の電極パターンの各電極パターンを部分的にカバーすること、
(e)少なくとも1つのカバー層のウェブをラミネート加工するか、またはベース基板物質のウェブ上で層を配置することによって、カバーおよび試料受け取りチャンバーを形成すること、および
(f)少なくとも1つのカバー層、またはスペーシング層およびベース基板物質のウェブを通して切断して複数のバイオセンサーを形成すること
を含む方法。
【請求項69】
前記工程(b)で形成された電極パターンが、バイオセンサーの1つに対する、完全な電極パターンを含み、それによって、各バイオセンサーに対する完全電極パターンが単一の工程で形成される請求項68記載の方法。
【請求項70】
工程(b)で形成された電極パターンに、部分的電極パターンが含まれ、前記イメージが、複数の同一または異なるイメージを含み、工程(b)および(c)を複数の電極パターンが、複数の完全な電極パターンを含むまで続け、そこで、各完全な電極パターンが、複数の形態で形成される請求項68記載の方法。
【請求項71】
工程(c)がベース基板のウェブの、連続移動を含む請求項68記載の方法。
【請求項72】
工程(c)が別個の増加でのベース基板のウェブの移動を含む請求項68記載の方法。
【請求項73】
工程(c)が少なくとも60メートル/分の速度でのベース基板のウェブの移動を含む請求項68記載の方法。
【請求項74】
電極パターンに異なる特徴的な大きさをもつ少なくとも2つの電極組が含まれる請求項68記載の方法。
【請求項75】
電極組がそのあいだのギャップを画定している第一および第二のそれぞれのエッジをもつ第一および第二電極を含み、前記ギャップが幅および長さをもち、前記第一エッジがギャップの長さにそって変化する第一距離によって、第一理論線から離間され、前記第一理論線が第一エッジの所定の形態および配置を画定し、第一距離の標準偏差がギャップの全長にそって約6μm以内である請求項68記載の方法。
【請求項76】
前記標準偏差が約2μm以内である請求項75記載の方法。
【請求項77】
前記標準偏差が約1μm以内である請求項75記載の方法。
【請求項78】
前記金属伝導性層に、金、白金、パラジウムおよびイリジウムからなる群より選択された、少なくとも1つの要素が含まれる請求項68記載の方法。
【請求項79】
段階(e)が、
ベース基板上に、スぺーシング層をラミネート加工することで前記スペーシング層がチャンバーの境界線を画定する空間をもち、かつスペーシング層上にカバーリング層をラミネート加工することを含む請求項68記載の方法。
【請求項80】
工程(b)で形成された各電極パターンが1秒以内に形成される請求項68記載の方法。
【請求項81】
工程(b)で形成された各電極パターンが0.25秒以内に形成される請求項68記載の方法。
【請求項82】
工程(b)で形成された各電極パターンが全て一度に形成される請求項68記載の方法。
【請求項83】
工程(b)で形成された各電極パターンが1つのバイオセンサーに対する全電極パターンを含み、各全電極パターンがすべて一度に形成される請求項68記載の方法。
【請求項84】
前記試薬が本質的に連続ストリップで適用される請求項68記載の方法。
【請求項85】
前記電極パターンが異方性である請求項68記載の方法。
【請求項86】
前記電極パターンが非対称である請求項68記載の方法。
【請求項87】
工程(b)で形成された電極パターンが1つのバイオセンサーに対する、完全電極パターンを含み、各バイオセンサーに対する完全電極パターンが単一の工程で形成され、前記方法がさらに、少なくとも500/分の速度で完全電気的パターンを形成することを含む請求項68記載の方法。
【請求項88】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも20%を除去することを含む請求項87記載の方法。
【請求項89】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも50%を除去する工程を含む請求項87記載の方法。
【請求項90】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも90%を除去する工程を含む請求項87記載の方法。
【請求項91】
工程(b)で形成された電極パターンが1つのバイオセンサーに対する完全電極パターンを含み、各バイオセンサーに対する完全電極パターンが単一の工程で形成され、前記方法がさらに、少なくとも1000/分の速度で完全電気的パターンを形成する工程を含む請求項68記載の方法。
【請求項92】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも20%を除去する工程を含む請求項91記載の方法。
【請求項93】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも50%を除去する工程を含む請求項91記載の方法。
【請求項94】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも90%を除去する工程を含む請求項91記載の方法。
【請求項95】
工程(b)で形成された電極パターンが1つのバイオセンサーに対する完全電極パターンを含み、各バイオセンサーに対する完全電極パターンが単一の工程で形成され、前記方法がさらに、少なくとも2000/分の速度で完全電気的パターンを形成する工程を含む請求項68記載の方法。
【請求項96】
電極パターンを形成する工程が金属伝導性層の少なくとも20%を除去する工程を含む請求項95記載の方法。
【請求項97】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも50%を除去する工程を含む請求項95記載の方法。
【請求項98】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも90%を除去する工程を含む請求項95記載の方法。
【請求項99】
工程(b)で形成された電極パターンが1つのバイオセンサーに対する完全電極パターンを含み、各バイオセンサーに対する完全電極パターンが単一の工程で形成され、前記方法がさらに、少なくとも3000/分の速度で完全電気的パターンを形成する工程を含む請求項68記載の方法。
【請求項100】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも20%を除去する工程を含む請求項99記載の方法。
【請求項101】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも50%を除去する工程を含む請求項99記載の方法。
【請求項102】
電極パターンを形成する工程が、金属伝導性層の少なくとも90%を除去する工程を含む請求項99記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2007−524076(P2007−524076A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517410(P2006−517410)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019553
【国際公開番号】WO2005/066616
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019553
【国際公開番号】WO2005/066616
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
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