説明

バイオセンサ形成方法

【課題】必要とする量の抗体を電極上に均一に固定できるバイオセンサの形成方法を提供する。
【解決手段】プレート上に作用電極と少なくとも1つ以上の対極とを形成する電極形成工程と、前記電極上に注入口を持つ電極カバーを設置する電極カバー設置工程と、前記注入口から抗体を含む緩衝液を前記電極上に充填する抗体載置工程と、前記抗体を載せたプレートを揺動させながら前記作用電極に所定の電圧を所定時間印加する電圧印加工程と、
前記電圧印加工程の後に前記プレートを洗浄する第1の洗浄工程と、前記プレートを乾燥する第1の乾燥工程と、からなるバイオセンサ形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオセンサのチップ製造方法に関するもので、特にタンパク質の固定化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
所定の検体を免疫反応により検出しようとする場合、ELISA(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay)法や表面プラズモン共鳴(SPR)法等の測定法で使用しているように、一般的に検体に対して特異的結合性能を示す抗体が必要となる。さらにSPR等でもあるようにチップでの測定を実現させようとすると、チップ内の所定部位へ該抗体を固定する必要があり、チップ内の所定部位が金である場合はS−S結合などの共有結合による固定方法や、その他樹脂類では疎水結合、イオン結合などの物理吸着法が主なものとして挙げられる。
【0003】
まず共有結合法においては、チップ上のカルボキシル基とタンパク質のアミノ基とを縮合剤を介して結合させる方法や、チップ上のカルボキシル基をチオール化しS−S結合させる方法などがあり、タンパク質は強固にチップ上に固定化される。一旦固定化したタンパク質は以後安定してチップに結合し、繰り返し使用することも可能であるが、上述したようにチップ固定部位の表面処理や抗体の末端処理がかなり重要である。さらに、N T A - N i ( I I ) 錯体による固定化法とアミンカップリング法を併用することで、H i s - t a タンパク質を強度に固定化する手法なども開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、物理吸着法においては、抗体が持つ負電荷とチップ上の固定部位が持つ正電荷がお互いに引き寄せられるイオン結合や、抗体とチップ上の固定部位とが持つ疎水基が結合する疎水結合などがあり、物質本来の性能を生かした方法であり簡便な操作で実施できる。
【特許文献1】特開2004−170195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成のうち、共有結合法では、電極上に露出している活性基が時間とともに減少するため、電極上に抗体を固定する際には短時間に行う必要があり、抗体を電極上に均一に固定することが難しい。また、物理吸着法では、金電極表面が負に帯電しているため、多くの抗体が負に帯電していることから金電極表面への抗体の固定が難しい。以上のように、従来の方法では、必要な量の抗体を電極上に均一に固定できないという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、必要とする量の抗体を電極上に均一に固定できるバイオセンサの形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するために、本発明のバイオセンサ形成方法は、プレート上に作用電極と少なくとも1つ以上の対極とを形成する電極形成工程と、前記電極上に注入口を持つ電極カバーを設置する電極カバー設置工程と、前記注入口から抗体を含む緩衝液を前記電極上に充填する抗体載置工程と、前記抗体を載せたプレートを揺動させながら前記作用電極に所定の電圧を所定時間印加する電圧印加工程と、前記電圧印加工程の後に前記プレートを洗浄する第1の洗浄工程と、前記プレートを乾燥する第1の乾燥工程と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のバイオセンサの形成方法によれば、必要とする所定量の抗体を電極上に均一に固定できる。また、熟練技術を要することなく簡便な方法で、短時間、且つ安価に電極上に抗体を固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明のバイオセンサ形成方法の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1におけるバイオセンサの形成方法について説明する。
【0011】
本実施の形態1におけるバイオセンサの形成方法の最初の工程は、プレート上に電極を形成する電極形成工程である。電極形成工程では、まず図1(a)に示すように厚さ0.7mmのガラス板2上へメタルマスク3を所定の位置へ設置する。これは電極および周辺の接続パターンを形成するためであり、不要な部分にチタンおよび金が吸着しないよう工夫している。ガラス板2とメタルマスク3の密着性を上げるため、メタルマスク3を磁性体材料とし、ガラス板2をメタルマスク3と磁石板等で挟みこむ方法も有効である。
【0012】
次に図1(b)に示すようにスパッタリングを行なう。メタルマスク3を通過した部分に電極が形成されるが、本実施例では、ガラス板2と金の密着性を向上させるためチタンを一旦成膜した後、その上に更に金を成膜した。膜の厚みとしては、チタンが数十nm程度で、金が数百nmである。以上の工程の後、メタルマスク3を取り除くと図1(c)に示すガラス板2上に金の電極を形成した電極プレート1が完成する。また、電極材料としては、金の他、パラジウムや白金を用いてもよい。
【0013】
パターンを形成するその他の方法としては、プレート全体に金やパラジウムを成膜させたのち不要な部分をレーザー光で除去する方法や、ウェットエッチングと呼ばれる方法で、同様にプレート全体に金やパラジウムを成膜させたのちレジスト膜によりマスクを形成し、金やパラジウムが露出した部分をヨウ素などの薬液により溶解、除去したのちレジスト膜を剥離液で全て除去する方法もある。ウェットエッチング法を用いると、微細な電極形状が作製できる。
【0014】
次に図2を用いて、電極プレート1に作製した電極パターンと、その作用について説明する。本実施例では、3個の電極を設けてあり、Aが作用電極で、BおよびCが対極である。作用電極Aが後述する電圧印加工程において抗体が固定される電極であり、本実施例では、直径3mmの円形とした。また、対極BおよびCが作用電極Aへ電圧を印加するための電極であり、本実施例では、作用電極Aを中心に3mmほど離した位置に1mm×5mmの長方形としたものを作製した。なお各々の電極は、パターンによりプレートの一端の端子部9へ配線されている。これは、このバイオセンサを専用の測定システムへ接続するために設けられている。
【0015】
次の工程は電極カバー設置工程である。この工程は、次の抗体載置工程で抗体を含む溶液が飛散乾燥せず、抗体を作用電極A上に固定するために行なう。本実施例では、図3(a)に示すように、電極が形成された電極プレート1上に作用電極Aとその左右の対極B及びCとの上に中央部がカットされた厚さ1mmのシリコンシート4を載せる。シリコンシート4の中央部の孔は、作用電極Aとその左右の対極B及びCとが露出出来る程度の孔であれば良い。その後、作用極B及びCに対応する位置に孔を設けたカバーガラス5をシリコンシート4上に載せる。本実施例では、カバーガラス5に設けた孔は、φ2mm角の孔とし、これをサンプル注入口とした。図3(b)が、電極カバー設置工程後のバイオセンサ6を示す斜視図である。
【0016】
図4に図3(b)の斜視図の断面図を示す。この図を用いて、バイオセンサ6の内部構成を説明する。電極プレート1上に密着したシリコンシート4とカバーガラス5により上面両端のサンプル注入口のみが開放された空間が形成されている。この空間には、電極プレート1上に形成した作用電極A、対極B及びCが露出している。こうして、本電極カバー設置工程によりバイオセンサ6の外形が完成する。
【0017】
次に抗体載置工程へ移る。抗体載置工程では、図5(a)に示すように任意の検体に対して特異的に結合する抗体を含んだ緩衝液8を定量充填装置7によりサンプル注入口からバイオセンサ6内部へ充填する。図5(b)に緩衝液8充填後のバイオセンサ6の内部断面図を示す。図に示すように、カバーガラス5とシリコンシート4とに囲まれた空間に抗体を含んだ緩衝液が満たされるため、作用電極A、対極BおよびCは緩衝液8に浸漬された状態となる。本実施例では、血中に存在するTNF−αの検出を目的としたバイオセンサ6を作製したため、抗TNF−α抗体を10μg/mL含んだリン酸緩衝液をサンプル注入口から50マイクロリットル充填した。このときの抗体濃度は、1μg/mLから100μg/mLの範囲が望ましい。
【0018】
濃度が1μg/mL未満では、抗体が作用電極Aに吸着する量が少なく、本バイオセンサ6を用いた検出を行なった時に検出感度が不足した。一方、100μg/mLを超えると、作用電極A上へ抗体が積層される。そのため、作用電極Aに電圧を印加して発光させる電気化学発光検出では、積層された抗体のため検出感度が不足する。これは電気化学発光検出法に特有の問題であり、電極より距離をおいた部分で抗原抗体反応が起き、さらに電圧印加による発光検出するためのルテニウム錯体等の標識剤が電気2重層の外へ位置し発光量が減少するためである。これは、蛍光検出で測定する場合は、考慮しなくても良く、濃度100μg/mL以上であっても蛍光検出による測定は出来る。
【0019】
また、緩衝液にリン酸緩衝液を用いるのは、生体内環境に最も近いためであり、その他抗体の非特異吸着を防止するため界面活性剤を添加してもよい。
【0020】
次に電圧印加工程を説明する。まず対極B,Cに対し作用電極Aへ接点部9を介して1Vの電圧を印加する。これは、抗体は緩衝液8の環境下では通常負に帯電しているのを利用し、作用電極Aを正の電圧を帯びさせて抗体を電気泳動により作用電極Aに吸着させる。
【0021】
本実施例では、電極間に1Vを印加したが、これは電極配置パターン及び抗体が含まれる緩衝液の種類により、適宜選択すれば良い。電極間の距離が長い場合には、印加電圧を高くする必要があるが、あまり高くすると緩衝液中存在する水の電気分解により気泡が発生し抗体の固定が行なえないので注意が必要である。また緩衝液に塩が多く含まれると、電極自体が酸化反応により溶出してしまうので宜しくない。一方、印加電圧が低いと、電極への抗体吸着力が低下するため、抗体の固定に長い時間を要する。そうすると、抗体の活性が低下して、作用電極Aに抗体が固定できなくなる。またそれに伴い、電極以外の部分への吸着量が増す結果となり、バイオセンサとして望ましくない。
【0022】
以上の理由により、本実施の形態1では、印加電圧を1Vとし、印加時間は2時間とした。 本実施例では、電圧印加に直流電源を用いて電極間に直流電圧を投入したが、新たに参照電極を設け3電極法にてポテンシオスタットを用い印加する方法でも良い。
【0023】
また電圧印加と同時に図6(a)、(b)、及び(c)に示す傾きとなるようにバイオセンサ全体を揺動させ、内部に保持された抗体を含む緩衝液8を攪拌させた。図6(b)が通常の水平状態であり、図6(a)は水平状態に対して約10度傾いた状態である。また図6(c)は(a)とは逆方向に約10度傾いた状態である。本実施例では、図6(a)から(b)(c)さらには(b)(a)の順番で等速に揺動させ、これを繰り返した。この繰り返し時間(周期)を約4秒とした。
【0024】
攪拌させる目的は、電極表面に均一に抗体を固定するためである。攪拌しないと、電圧印加により電極側面方向から多くの抗体が引き寄せられるため作用電極Aの両端に抗体が多く固定される。図7(a)は、攪拌を行なっていない場合の電極への抗体固定状態を表すものであり、白い部分が、抗体が固定されている部分で、黒い部分は抗体が存在しない部分である。本実施例のように攪拌した場合は、図7(b)に示すように全体的に斑なく固定され、必要とする所定量の抗体を電極上に均一に固定できる。
【0025】
電圧印加工程後、第1の洗浄工程を行う。第1の洗浄工程は、作用電極Aに固定されていない不要な抗体を除去するためのものであって、リン酸緩衝液や蒸留水等で洗い流す。
【0026】
本実施例では、図8に示すように直径1mmの吐出口を持つノズル12から吹き出す10℃の蒸留水をカバーガラス5に設けられたサンプル注入口より10秒間注入した。このときに、研磨処理や超音波洗浄等は、固定された抗体をも取り除いてしまうので、絶対におこなってはならない。
【0027】
次工程の第1の乾燥工程は、第1の洗浄工程でバイオチップ6内に残留した蒸留水を除去するための工程である。本実施例では、図9に示すように第1の洗浄工程と同様にカバーガラス5に設けられたサンプル注入口より窒素を先端が直径1ミリ程度のノズル10を使用し2kgf/cmの圧力でバイオセンサ6内部へ向けて10秒間吹き付けた。以上の工程を経て、バイオセンサ6は完成する。
【0028】
ここで、前述した電極形成工程の後、時間をおいて電極カバー設置工程へ移る場合には、電極プレート1に設けられた作用電極A、対極BおよびC表面へのゴミの付着や酸化膜の発生が問題となる。これを防止するためには、電極形成工程後に第2の洗浄工程および第2の乾燥工程を行えば良い。
【0029】
第2の洗浄工程は、電極プレート1上に設けられた作用電極Aの表面を1ミクロン以下の微粒子により研磨した後、電極プレート1を蒸留水に浸して約10分間超音波洗浄する。さらにその後、電極プレート1をエタノール等の有機溶媒に浸して約10分間超音波洗浄を行ない油分などの成分を除去する。研磨については、作用電極Aの状態によっては不要となる場合もあり、さらには超音波洗浄時に使用する溶液としては、硫酸と過酸化水素水の混合液を用いたピラニア洗浄でも同様の効果が期待できる。
【0030】
次に行なう第2の乾燥工程は、作用電極A上の水分、アルコール分等を除去するための工程であって、第1の乾燥工程と同様の操作を行なうが、第1の乾燥工程時には設置されているシリコンシート4およびカバーガラス5が存在しないので作用電極Aを中心に吹き付け乾燥させる。なお、80℃程度の乾燥炉へ投入し自然乾燥させる方法でもよい。
【0031】
以下、本実施の形態1において作製したバイオセンサによる測定の具体例を説明する。測定対象となるサンプルは腫瘍マーカーとして知られているTNFαとし、血中濃度を測定した。まず、遠心力により血液から血漿成分を抽出し、次に抽出した血漿をリン酸緩衝液と等倍量で希釈し、バイオセンサ6内部へ充填する。充填後、4℃にて約2時間静置して冷水にて洗浄し、作用電極A上に固定された抗体に結合しなかった検体を除去した。洗浄後、ルテニウム錯体が修飾された抗TNFα抗体を充填し、約2時間静置した。
【0032】
TNFαが存在する場合、図10に示すようなサンドイッチ反応が形成される。20が作用電極A上に固定された第1の抗TNF−α抗体であり、21がTNF−αである。23が電圧印加により発光する特性を持つルテニウム錯体22を修飾した第2の抗TNF−α抗体となる。2時間経過後、再度冷水もしくはリン酸緩衝液により洗浄し、トリエチルアミン等を含んだ電解液を充填した。その後、作用電極Aに電圧を印加し、光電子増倍管でルテニウム錯体から発せられる光子量を検出出来た。この光子量より、TNFαの量を算出することができた。
【0033】
以上のように本実施の形態におけるバイオセンサを形成することで、電極上へ均一に抗体を固定することができ、それに伴い生体内試料の定量測定も可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明にかかるバイオセンサの形成方法は、必要とする所定量の抗体を電極上に均一に斑なく固定できる効果を有し、精度のよい免疫測定を行なうためのバイオセンサ用チップ製造方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】(a)本発明の実施の形態1におけるバイオセンサに使用するガラス板とメタルマスクを示す斜視図(b)本発明の実施の形態1におけるバイオセンサに使用するガラス板とメタルマスクを密着させた状態を示す斜視図(c)本発明の実施の形態1における電極プレートを示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における電極プレート上に形成された電極パターンを示す平面図
【図3】(a)本発明の実施の形態1における電極カバー載置工程前の電極プレート、シリコンシートおよびカバーガラスを示す斜視図(b)本発明の実施の形態1における電極カバー載置工程後の電極プレート、シリコンシートおよびカバーガラスを示す斜視図
【図4】本発明の実施の形態1におけるバイオセンサの内部構成を示す断面図
【図5】(a)本発明の実施の形態1におけるバイオセンサへ緩衝液を充填している状態を示す断面図(b)本発明の実施の形態1におけるバイオセンサへ緩衝液を充填完了した状態を示す断面図
【図6】(a)本発明の実施の形態1におけるバイオセンサへ緩衝液を充填した状態で10度傾けた状態を示す断面図(b)本発明の実施の形態1におけるバイオセンサへ緩衝液を充填した状態で静置した状態を示す断面図(c)本発明の実施の形態1におけるバイオセンサへ緩衝液を充填した状態で10度傾けた状態を示す断面図
【図7】(a)本発明の実施の形態1における電圧印加工程において攪拌を行なわなかった場合の電極への抗体固定状態を示す平面図(b)本発明の実施の形態1における電圧印加工程において攪拌を行なった場合の電極への抗体固定状態を示す平面図
【図8】本発明の実施の形態1における第1の洗浄工程を示すバイオセンサの断面図
【図9】本発明の実施の形態1における第1の乾燥工程を示すバイオセンサの断面図
【図10】本発明の実施の形態1における電極上にて形成された抗原抗体のサンドイッチ反応を示すモデル図
【符号の説明】
【0036】
1 電極プレート
2 ガラス板
3 メタルマスク
4 シリコンシート
5 カバーガラス
6 バイオセンサ
7 定量充填装置
8 緩衝液
9 端子部
10 ノズル
12 ノズル
20 第1の抗TNF−α抗体
21 TNF−α
22 ルテニウム錯体
23 第2の抗TNF−α抗体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート上に作用電極と少なくとも1つ以上の対極とを形成する電極形成工程と、
前記電極上に注入口を持つ電極カバーを設置する電極カバー設置工程と、
前記注入口から抗体を含む緩衝液を前記電極上に充填する抗体載置工程と、
前記抗体を載せたプレートを揺動させながら前記作用電極に所定の電圧を所定時間印加する電圧印加工程と、
前記電圧印加工程の後に前記プレートを洗浄する第1の洗浄工程と、
前記プレートを乾燥する第1の乾燥工程と、からなるバイオセンサ形成方法。
【請求項2】
前記プレートは、ガラスもしくはポリカーボネートのいずれかの材料からなる請求項1に記載のバイオセンサ形成方法。
【請求項3】
前記電極形成工程は、
前記プレート上に形成する電極形状を形取ったマスクを設置するマスキング工程と、
前記マスクの設置面側へスパッタリングによりチタンを成膜するチタン成膜工程と、
前記マスクの設置面側へスパッタリングにより金を成膜する金成膜工程と、
前記マスクを前記プレートより取り除くマスク除去工程と、からなる請求項1に記載のバイオセンサ形成方法。
【請求項4】
前記電極形成工程は、
前記プレート上へスパッタリングによりチタンを成膜するチタン成膜工程と、
前記チタン成膜面へスパッタリングにより金を成膜する金成膜工程と、
前記金成膜面へマスクを設置するマスキング工程と、
前記マスキング工程でマスクされていない箇所を溶解して剥ぎ取る不要金属除去工程と、
前記マスクを全て取り除くマスク除去工程と、からなる請求項1に記載のバイオセンサ形成方法。
【請求項5】
前記電極形成工程の後に、
前記電極が形成されたプレートを洗浄する第2の洗浄工程と、
前記プレートを乾燥する第2の乾燥工程と、を備えた請求項1に記載のバイオセンサ形成方法
【請求項6】
前記第2の洗浄工程は、
前記プレートの電極表面を微粒子により研磨した後、前記プレートを蒸留水に浸して超音波洗浄し、その後前記プレートを有機溶媒に浸して超音波洗浄を行う請求項4に記載のバイオセンサ形成方法。
【請求項7】
前記第2の乾燥工程は、
空気もしくは窒素による吹きつけ乾燥、あるいは自然乾燥する請求項4に記載のバイオセンサ形成方法。
【請求項8】
前記マスキング工程で用いるマスキング部材は、前記電極部を含む所定の箇所以外への抗体の吸着を防止するためのものでシリコン系材料又はフッ素系材料である請求項1に記載のバイオセンサ形成方法。
【請求項9】
前記抗体載置工程で用いる緩衝液はリン酸緩衝液もしくは同様の目的を達する溶液であり、前記緩衝液の抗体濃度は所定の検体に対して結合し且つ凝集しない濃度である請求項1に記載のバイオセンサ形成方法。
【請求項10】
前記電圧印加工程における印加電圧は、負に帯電している抗体を特異的に前記作用電極に吸着させるために必要な電圧である請求項1に記載のバイオセンサ形成方法。
【請求項11】
前記電圧印加工程における印加電圧は、前記作用電極の周囲の溶液の電気分解を起こす電圧より低い正電圧とする請求項10に記載のバイオセンサ形成方法。
【請求項12】
前記第1の洗浄工程は、前記作用電極上へ固定されなかった抗体を除去するための洗い流し洗浄からなる請求項1に記載のバイオセンサ形成方法。
【請求項13】
前記第1の乾燥工程は、空気又は窒素による吹きつけ乾燥である請求項1に記載のバイオセンサ形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−174892(P2009−174892A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11258(P2008−11258)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)