説明

バイオトイレ装置

【課題】便器の使用頻度が高くなった場合でも攪拌用のモータが過負荷となるのを未然に防止し、継続して便器の使用を可能にするバイオトイレ装置を提供する。
【解決手段】便器12の使用を検知する便器使用検知手段22と、便器使用検知手段22からの信号に基づき便器12の使用頻度が平常時よりも高い場合は消化槽13内の温度を所定温度よりも高温に切替える運転温度切替手段30aとを備える。便器12の使用頻度が高い場合は消化槽13内が所定温度よりも高温となるため、消化槽13内における収納物2の水分の蒸発が促進され、収納物2が団塊状になることが回避される。そのため、便器12の使用頻度が高い場合でも、収納物2を攪拌するための駆動力は小さくて済み、攪拌用のモータ15の過負荷を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、微生物によって排泄物を分解させるバイオトイレ装置に関し、特に便器の使用頻度が高い場合でも消化槽内の収納物を攪拌するためのモータの過負荷を未然に防止するようにしたバイオトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオトイレ装置は、消化槽(処理槽)内でバイオ菌を繁殖させて排泄物の消滅処理を行うことから、排泄物を汲み取ることや下水に流す必要もないので、例えば原子力発電所内で使用されている。バイオトイレ装置では、バイオ菌の繁殖環境を維持するため消化槽内の温度を適度に調整する必要があり、ヒータによって消化槽内の温度を自動調整するようにした技術が知られている(例えば特許文献1参照。)。このバイオトイレ装置では、温度センサに基づきヒータをオン、オフさせて消化槽内のバイオチップの温度を所定の範囲内に保つとともに、排泄物とバイオチップとを攪拌羽根によって攪拌するようにしている。
【特許文献1】特開平10−257966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、原子力発電所においては、定期的に施設の点検が義務付けられており、定期点検時には原子力機器メーカーおよび電力会社の作業者が平常時よりも多く原子力発電所内に入ることから、バイオトイレ装置の便器の使用頻度が高くなる。そのため、排泄物とバイオチップとが混在した収納物を攪拌するための攪拌羽根を駆動するモータが過負荷となり、バイオトイレ装置が継続して使用できなくなるという問題があった。すなわち、バイオトイレ装置では、便器の使用頻度が高くなると、排泄物によって消化槽内の水分量が増加し、この水分量の増加に伴い消化槽内では収納物が攪拌によって団塊状になり、収納物を攪拌するための駆動力が著しく増大する。そのため、攪拌用のモータが過負荷状態になり、モータを流れる電流が増加してサーマルトリップという異常警報の発生や、攪拌機構の軸受が腐食するなど、バイオトイレ装置を継続して使用することができなくなるという問題があった。
【0004】
そこでこの発明は、便器の使用頻度が高くなった場合でも攪拌用のモータが過負荷となるのを未然に防止し、継続して便器の使用を可能にするバイオトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、バイオチップと便器からの排泄物を収納し前記排泄物を前記バイオチップによって消滅処理する消化槽と、前記バイオチップと前記排泄物とが混在した前記消化槽内の収納物を攪拌するためのモータと、前記消化槽内を所定温度に加熱し前記収納物を保温するヒータとを有するバイオトイレ装置であって、前記便器の使用を検知する便器使用検知手段と、前記便器使用検知手段からの信号に基づき前記便器の使用頻度が平常時よりも高い場合は前記消化槽内の温度を前記所定温度よりも高温に切替える運転温度切替手段と、を備えたことを特徴とするバイオトイレ装置である。
【0006】
この発明によれば、便器の使用頻度が高い場合は、消化槽内が所定温度よりも高温となるため消化槽内における収納物の水分の蒸発が促進され、収納物が団塊状になることが回避される。そのため、便器の使用頻度が高い場合でも、収納物を攪拌するための駆動力は小さくて済み、攪拌用のモータの過負荷が防止される。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバイオトイレ装置において、前記便器使用検知手段は、前記便器の使用者を非接触で検知するビームセンサから構成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のバイオトイレ装置において、前記運転温度切替手段は、前記便器の使用頻度に応じて前記ヒータの運転設定時間を可変とすることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のバイオトイレ装置において、前記運転温度切替手段は、前記便器の使用頻度に応じて前記ヒータの運転設定温度を可変とすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、便器の使用頻度が高い場合でも、攪拌用のモータが過負荷になるのを未然に防止できるので、サーマルトリップという異常警報の発生や、攪拌機構の軸受の腐食を回避することができる。これにより、長期間にわたり便器の継続使用ができ、高価なバイオトイレ装置を増設することなく、原子力施設の定期点検などによる人員の増加に十分対応することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、バイオトイレ装置の使用者を非接触で検知することができるので、使用回数確認のための使用者による特別な操作が不要となる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、便器の使用頻度に応じてヒータの運転設定時間を可変とすることができるので、便器の使用頻度が高くなった場合は、平常時に対してヒータの運転時間を長くすることにより、消化槽内を所定温度よりも上昇させることができ、収納物の水分を適度に保つことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、便器の使用頻度に応じてヒータの運転設定温度を可変とすることができるので、請求項3と同様に便器の使用頻度が高くなった場合は、平常時に対して消化槽内の設定温度を高くすることにより、収納物の水分を適度に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1ないし図5は、この発明の実施の形態1を示している。図1のバイオトイレ装置10は、微生物によって排泄物を分解し消滅処理する機能を有しており、排泄物を汲み取ることや下水に流す必要もないことから、例えば原子力発電所内で使用される。バイオトイレ装置10は、縦長のトイレハウス11を有しており、トイレハウス11の前面には開閉可能なドア11aが備えられている。使用者1は、ドアノブ11bを操作してドア11aを開閉することにより、トイレハウス11に出入り可能となっている。トイレハウス11内には、主として便器12、消化槽(処理槽)13、攪拌羽根14、モータ15、ヒータ16などが配設されている。トイレハウス11の下部側には、トイレハウス11内に電力を供給するための電源コード17が接続されている。
【0016】
図1に示すように、便器12の上面は使用者1が着座可能となっている。便器12の下方には、図2に示すように平面形状が円形に形成された消化槽13が配置されている。便器12側からの排泄物は、消化槽13内に落下するようになっている。消化槽13の内部には、排泄物とバイオチップ(図示略)とが混在した収納物2が収納されている。消化槽13内では、バイオチップのバイオ菌により排泄物が分解され消滅処理される。便器12の後方には、バイオチップを貯蔵するバイオチップ補給機37が設けられている。バイオチップ補給機37は、消化槽13にバイオチップを定期的に自動供給する機能を有している。
【0017】
消化槽13内には、収納物2を攪拌するための攪拌羽根14が配設されている。攪拌羽根14は、攪拌軸15aを介して攪拌用のモータ15に連結されている。攪拌羽根14は、攪拌軸15aの軸心に対して所定角度だけ傾斜して取付けられた円板状部材であり、モータ15によって消化槽13内を軸心周りに回転する。攪拌羽根14を駆動するモータ15は、後述する制御装置30からの指令により一定時間毎に動作するようになっている。
【0018】
消化槽13内には、消化槽13内の温度を検知する温度センサ31が設けられている。消化槽13の外周には、消化槽13内を加熱し排泄物とバイオチップが混在した収納物2を所定温度に保つヒータ16が設けられている。ヒータ16は、例えば電気ヒータから構成されている。図3に示すように、ヒータ16は、温度センサ31からの信号に基づき動作する温度調整手段35に接続されており、温度調整手段35よるオン、オフ制御によって消化槽13内を所定温度に加熱し収納物2を保温するようになっている。消化槽13の下側には、消化槽13の重量を検知するための重量検知センサ32が配置されている。重量検知センサ32としては、重量を電気信号に変換する歪ゲージが採用されている。消化槽13の側壁には、エアー供給口(図示略)が設けられており、エアー供給口から消化槽13の内部に空気を送り込むことにより、消化槽13内のバイオチップに含まれるバイオ菌を有効に働かせるようにしている。
【0019】
図2に示すように、消化槽13の外周には、消化槽13内のバイオチップの下限レベルを検知するための下限レベル計33が配設されている。下限レベル計33は、発光部33aと受光部33bとを有している。消化槽13の側壁には、下限レベル計33を取付けるための透明板からなる一対の通過窓が互いに対向して形成されている。下限レベル計33は、発光部33aから照射されたレーザ光33cは通過窓を介して受光部33bで受光するようになっており、レーザ光33cが受光されたか否かにより、バイオチップの下限レベルが検知されることになる。
【0020】
トイレハウス11内の消化槽13と隣接する位置には、水を貯留する給水槽21が配置されている。給水槽21からは、給水手段としての開閉弁(電磁弁)36を介して定期的に消化槽13へ給水が行われる。消化槽13の上部には、上方に延びる排気ダクト18が連結されている。排気ダクト18の途中には、消化槽13からの粉塵などを捕捉するフィルタ装置20と排気の湿度を検知する湿度センサ34が設けられている。湿度センサ34は、消化槽13内の湿度を間接的に検知する機能を有している。排気ダクト18におけるフィルタ装置20の下流端部は、トイレハウス11の頂部に設けられた排気口19に接続されている。
【0021】
トイレハウス11内には、制御装置30が設けられている。制御装置30には、図3に示すように、温度センサ31、重量検知センサ32、下限レベル計33、湿度センサ34からの信号が入力されている。制御装置30からは、温度調整手段35、開閉弁36、バイオチップ補給機37へ動作指令信号が出力される。
【0022】
トイレハウス11の内壁面には、便器12を使用する使用者1を検知するための便器使用検知手段22が取付けられている。便器使用検知手段22は、便器12の使用者1を非接触で検知するビームセンサから構成されている。図2に示すように、便器使用検知手段22は、トイレハウス11の一方の内壁面に設けられた発光部22aと、トイレハウス11の他方の内壁面に設けられた受光部22bとを有している。便器使用検知手段22は、発光部22aから受光部22bに向けて複数の光ビーム22cを照射するようになっており、発光部22aから受光部22bに向かう光ビーム22cが使用者1によって遮断されることにより、トイレハウス11内の使用者1を検出する機能を有している。便器使用検知手段22は、図3に示すように、制御装置30の運転温度切替手段30aに接続されている。運転温度切替手段30aは、便器使用検知手段22からの信号に基づき便器12の使用頻度が平常時よりも高い場合は、消化槽13内の温度を所定温度よりも高温に切替える機能を有している。
【0023】
図5は、運転温度切替手段30aによるヒータ16の通電制御の一例を示している。運転温度切替手段30aは、便器12の使用頻度に応じてヒータ16の運転設定時間を可変とするように構成されており、便器12の使用頻度が高い場合は平常時に対してヒータ16への通電時間を長くする。運転温度切替手段30aは、図5に示すように、便器12の使用頻度が低い平常時は、ヒータ16を時間T1だけオンとした後、時間T2をオフとし、その後、ヒータ16を時間T3だけオンとし、その後ヒータ16を時間T4だけオフとする。このように、便器12の使用頻度が高くならない平常時は、消化槽13内の温度を所定温度(例えば30℃)に保つための通電制御を行われる。図5におけるヒータ16のオン、オフ制御は、オン時間についてはT1=T3であり、オフ時間についてはT2=T4となる。そして、便器12の使用頻度が高くなると、ヒータ16のオン時間はT5に設定され、平常時のオン時間T1、T3よりも長くなる。これにより、消化槽13内の温度を所定温度よりも高温とすることが可能となっている。
【0024】
つぎに、実施の形態1におけるバイオトイレ装置10の作用について説明する。
【0025】
消化槽13のバイオチップに含まれるバイオ菌を有効に働かせるためには、適正な温度と水分が必要であり、そのため消化槽13内はヒータ16による加熱と給水槽21からの給水によって、バイオ菌に対して最適な環境が形成されている。消化槽13内に収容されるバイオチップの適正レベルは、少なくとも下限レベルを超えるようになっており、これによって排泄物は十分な量のバイオチップにより確実に消滅処理される。
【0026】
この実施の形態1においては、便器12の使用頻度が高くなると消化槽13内の温度を高温にするための制御が行われるが、まず便器12の使用頻度が高くない平常時における制御動作について説明する。
【0027】
バイオチップの水分量の算出は、つぎのように行われる。制御装置30には、適正レベルのバイオチップが消化槽13に収納された際の消化槽重量(W)が設定されており、制御装置30は、重量検知センサ32からの検知重量(W2)と消化槽重量(W)とに基づきバイオチップ中の水分量を算出する。湿度センサ34で検知される検知湿度は、消化槽13中の水分量が多くなると高くなることから、制御装置30は、検出湿度(H1)および水分量に応じて消化槽13内の水分が過剰であるか否かを判定する。制御装置30には、予め水分量の下限値および上限値が設定されており、算出した水分量が上限値を超えた状態で、かつ検出湿度(H1)が設定湿度(H)以上であると、水分過剰であると判定する。そして、水分過剰である場合は、制御装置30は温度調整手段35を介してヒータ16の通電制御を行い消化槽13内の水分を蒸発させる。
【0028】
つぎに、制御装置30は、検出湿度(H1)および水分量に応じて消化槽13内の水分が少ないか否かを判定する。制御装置30は、算出した水分量が下限値を下回った場合で、かつ検出湿度(H1)が設定湿度(H)未満であると、消化槽13内の水分が少ないと判定する。そして、制御装置30は水分が少ないと判定すると、開閉弁36を開いて消化槽13への給水を行う。
【0029】
制御装置30は、バイオチップ補給機37を制御し、バイオチップを消化槽13に補給することになるが、この補給は下限レベル計33で検知されるレベルに応じて行われる。バイオチップのレベルが下限レベル未満となると、発光部33aからレーザ光33cは受光部33bで受光されることになる。受光部33bでレーザ光33cが受光されバイオチップのレベルが下限値未満となると、制御装置30はバイオチップ補給機37を制御し、バイオチップを消化槽13に補給する。そして、制御装置30は、発光部33aからのレーザ光33cが受光部33bで受光されなくなるまで、バイオチップ補給機37によって消化槽13にバイオチップを補給する。
【0030】
このように、バイオトイレ装置10においては、制御装置30に入力される各種センサからの信号に基づき、消化槽13の内部環境を制御するようにしているので、消化槽13内のバイオ菌の繁殖環境が適正に維持でき、排泄物の消滅処理は確実に行われる。また、消化槽13内へのバイオチップの補給や給水は自動で行われるので、人手による維持管理がほとんど不要となり、バイオトイレ装置10の維持管理が容易となる。
【0031】
上述のように、便器12の使用頻度が少ない平常時には、制御装置30は温度センサ31からの検出温度に応じてヒータ16の通電制御を行い、消化槽13内は所定温度に維持されるが、便器12の使用頻度が高くなった場合は、攪拌用のモータ15の過負荷を考慮したヒータ16の通電制御が行われる。
【0032】
図4は、攪拌用のモータ15の過負荷を考慮したヒータ16の通電制御の手順を示している。図4のステップS1においては、便器12の使用者1の検知が便器使用検知手段22によって行われる。ここで、便器1の使用者1の検知はビームセンサにより非接触で行われるので、使用回数確認のための使用者1による特別な操作は不要となる。つぎに、ステップS2に進み、便器12の使用回数の累計を算出する。便器12の使用回数の累計が算出されると、ステップS3で便器12の使用頻度が高いか否か判断される。つまり、ここでは単位時間当たりの便器12の使用回数が算出され、平常時における便器12の使用回数との比較を行う。ステップS3において、便器12の使用頻度が高くないと判定された場合は、ステップS4に進み、消化槽13内は平常時と同様に所定温度に維持される。
【0033】
ステップS3において、便器12の使用頻度が高いと判断された場合は、ステップS5に進み、消化槽13内は所定温度よりも高温に切替えられる。すなわち、運転温度切替手段30aは、図5に示すように、ヒータ16への通電の時間T1、T3を時間T5に変更して消化槽13内を高温に切替える。これにより、消化槽13内における収納物2の水分の蒸発が促進され、収納物2が団塊状になることが回避される。そのため、収納物2を攪拌する駆動力は小さくて済み、攪拌用のモータ15の過負荷が防止される。また、バイオチップは温度80℃程度までの使用に耐えうるので、消化槽13内の所定温度30℃よりも高くしてもバイオチップの機能への影響は少ない。
【0034】
このように、便器12の使用頻度が高い場合でも、攪拌用のモータ15が過負荷になるのを未然に防止でき、サーマルトリップという異常警報の発生や、攪拌機構の軸受の腐食を回避することができる。これにより、長期間にわたり便器12の継続使用ができ、高価なバイオトイレ装置10を増設することなく、原子力施設の定期点検などによる人員の増加に十分対応することができる。
【0035】
(実施の形態2)
図6は、この発明の実施の形態2を示しており、図5の変形例を示している。実施の形態1においては、便器12の使用頻度に応じてヒータ16の運転設定時間を可変としているが、実施の形態2においては、便器12の使用頻度に応じてヒータ16の運転設定温度を可変としている。図6に示すように、運転温度切替手段30aは、便器使用検知手段22からの信号に基づき、消化槽13内の温度を所定温度、第一の設定温度X1、第二の設定温度X2、第三の設定温度X3の四段階に切替えるようにしている。
【0036】
図6に示すように、便器12の使用頻度が少ない時間T7、T9では、消化槽13内は所定温度に維持されている。便器12の使用頻度が高くなるにつれて消化槽13内の設定温度が高くなり、時間T6では設定温度X1による温度制御が行われ、便器12の使用頻度が時間T6よりも高くなる時間T8では設定温度X2による温度制御が行われる。さらに、時間T8よりも便器12の使用頻度が高くなる時間T10では、設定温度X3による温度制御が行われる。このように、便器12の使用頻度に応じてヒータ16の運転設定温度を可変できるので、単位時間当たりの便器12の使用回数が多くなった場合でも、消化槽13内の収納物2の水分を最適な状態に維持することができ、攪拌用のモータ15の過負荷を未然に防止することが可能となる。
【0037】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1では、便器12の使用検知をビームセンサを用いて行う構成としているが、ドア11aの開閉に連動するスイッチやトイレハウス11の床に配置されたマットスイッチなど利用して検知する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1に係わるバイオトイレ装置の断面図である。
【図2】図1の装置の平面図である。
【図3】図1の装置における制御系を示すブロック図である。
【図4】図1の装置における消化槽の温度制御手順を示すフロー図である。
【図5】図1の装置におけるヒータの通電制御を示す特性図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係わるバイオトイレ装置におけるヒータの通電制御を示す特性図である。
【符号の説明】
【0039】
2 収納物
10 バイオトイレ装置
12 便器
13 消化槽
14 攪拌羽根
15 モータ
16 ヒータ
21 給水槽
22 便器使用検知手段
30 制御装置
30a 運転温度切替手段
31 温度センサ
32 重量検知センサ
33 下限レベル計
34 湿度センサ
35 温度調整手段
36 開閉弁
37 バイオチップ補給機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオチップと便器からの排泄物を収納し前記排泄物を前記バイオチップによって消滅処理する消化槽と、前記バイオチップと前記排泄物とが混在した前記消化槽内の収納物を攪拌するためのモータと、前記消化槽内を所定温度に加熱し前記収納物を保温するヒータとを有するバイオトイレ装置であって、
前記便器の使用を検知する便器使用検知手段と、
前記便器使用検知手段からの信号に基づき前記便器の使用頻度が平常時よりも高い場合は前記消化槽内の温度を前記所定温度よりも高温に切替える運転温度切替手段と、
を備えたことを特徴とするバイオトイレ装置。
【請求項2】
前記便器使用検知手段は、前記便器の使用者を非接触で検知するビームセンサから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のバイオトイレ装置。
【請求項3】
前記運転温度切替手段は、前記便器の使用頻度に応じて前記ヒータの運転設定時間を可変とすることを特徴とする請求項1に記載のバイオトイレ装置。
【請求項4】
前記運転温度切替手段は、前記便器の使用頻度に応じて前記ヒータの運転設定温度を可変とすることを特徴とする請求項1に記載のバイオトイレ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−297362(P2009−297362A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157126(P2008−157126)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】