バイオMEMSセンサ及び装置ならびにその方法
電子装置、機械、システム、並びに上記装置、機械、及び/またはシステムの作動及び製造方法は、対象に埋め込まれたハードウェアの共振周波数を測定するように構成されたワイヤレスセンサを備えている。種々実施例において、ハードウェアのひずみの一時的な測定は、上記センサの上記共振周波数の変化の監視を含んでいる。上記センサは、そのコンポーネントが生体親和性のある場合、オールオンチップレゾネータとして作動する、誘電的に電力を供給される装置として実現される。追加の装置、システム及び方法が開示されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、センサ及びその使用法、より詳しくは埋め込み可能なセンサに全般的に関連する。
【背景技術】
【0002】
整形外科に関する四肢の負傷は、米国及び世界中の地域社会に対して大きな医学的及び財政的な負担を引き起こす。米国では年約8百万の骨折が報告されており、そしてこれら骨折の約10%が適切に治癒されていない。血管に対する重大な障害を伴う負傷に関して、変形の骨治癒の割合は約50%である。ほとんどの共通する問題は骨癒合不能である。これら骨癒合不能は、修正するための直接コストと共に休業による生産性の低下のような関連コストの両方のために、大変費用がかかる。これらの費用は、もし早期の治癒の範囲で関連する問題が避けられ、もしくは取り組まれるならば、少なくとも50%は低減することができる。
【0003】
癒合不能に関する最も共通する治療は追加の手術である。これら外科手術の臨床的な成果は、骨折部位での繊維組織の蓄積の時間的経過のために最初の手術と2番目の手術との間の時間にネガティブに相関する。したがって、骨折部位の治療と療法の絶対に重要な早期の段階において骨治癒の過程(正常に対する異常)を判断するきわめて重要な臨床的な必要性が存在する。骨の“生物学的”治療、骨モルフォゲンたんぱく質(BMPs)またはBMPsの骨誘導(osteoinductive activities )を増強する他の成長因子の注入を活用する現在の方策は、早期の治癒の段階で骨の癒合不能を、大きくない切開により治療するために提案されている。しかしながら、補助の生物学的治療が必要であるか診断する能力は、現在利用できるものがない。
【0004】
骨の治癒の順序が損なわれる状態になる正確なメカニズムは十分に理解されていないが、これら癒合不能または偽関節(繊維癒合)の多くは、安定した、直接骨橋(結合組織性骨化)治癒経路により実施されない骨折状態が存在するときに、結果として生ずる。現在のところ、臨床医は通常レントゲン写真により視覚的に治癒を監視し、そして骨折部を手で曲げることによって機械的な癒合状態を検査することもある。残念ながら、異常骨折治癒の過程は、骨折部位の標準的なレントゲン写真情報が少量のミネラル化された組織のために識別することができない早期の期間において容易には診断されない。骨折治癒の手による評価は、治癒の早期の段階において診断ツールとしてやはり不適切である。したがって、問題のある骨折に対する整形外科の手法及び治療について重大な衝撃を与えるであろう、手術後の最初の6週以内の治癒の過程に関する診断情報を提供する新しい技術の必要性がある。本発明はこの必要性に向けられている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の実施例は、例として以下のような図を用いて説明され、そして添付図面の図に限定されるものではない:
【図1】対象に埋め込まれたハードウェア装置における変化を監視する方法の実施例の特徴を説明する。
【図2】対象に埋め込まれたハードウェア装置における変化を監視する方法の実施例の特徴を説明する。
【図3】生物学的対象に埋め込まれたハードウェア装置に脱着可能なワイヤレスセンサの実施例の特徴を説明する。
【図4】レゾネータ用の誘電体上のコイルの実施例を示す。
【図5】レゾネータ用のらせんコイルの実施例を示す。
【図6】分割リングレゾネータ構造の実施例を示す。
【図7】分割リングレゾネータのアレイを有するチップの実施例を示す。
【図8】入れ子式の分割リングレゾネータ構造の実施例を示す。
【図9】円形状らせんコイルレゾネータの実施例を示す。
【図10】レゾネータが吊り下げられている構造の実施例を示す。
【図11】単体の吊り下げレゾネータ装置の走査型電子顕微鏡視を示す。
【図12】三重構成の実施例を示す。
【図13】円形状らせんコイルを含む三重構成を有する構造の実施例を示す。
【図14】吊り下げコイルレゾネータを含む三重構成を有する構造の実施例を示す。
【図15】チップ上のレゾネータのアレイを示す。
【図16】チップ上のレゾネータのアレイを示す。
【図17】チップ上のレゾネータのアレイを示す。
【図18】生物学的対象内に埋め込み可能な装置の実施例を示す。
【図19】ハードウェアのひずみにおける変化を判定する監視システムの実施例を説明する。
【図20】誘電的に電力が供給されるセンサの実施例を示す。
【図21】図20のセンサの側面視を示し、物理的モデルの集中素子内部表現を含む。
【図22】図20のセンサのレゾネータの等価回路を示す。
【図23】センサ装置を製造するのに用いることができる製作プロセスフローの実施例を示す。
【図24】センサ装置を製造するのに用いることができる製作プロセスフローの実施例を示す。
【図25】センサ装置を製造するのに用いることができる製作プロセスフローの実施例を示す。
【図26】センサ装置を製造するのに用いることができる製作プロセスフローの実施例を示す。
【図27】センサ装置を製造するのに用いることができる製作プロセスフローの実施例を示す。
【図28】テープベースのフレキシブルセンサを製作する実施例を示す。
【図29】テープベースのフレキシブルセンサを製作する実施例を示す。
【図30】テープベースのフレキシブルセンサを製作する実施例を示す。
【図31】テープベースのフレキシブルセンサを製作する実施例を示す。
【図32】フレキシブルテープ基板上の最終製作構造を示す。
【図33】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図34】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図35】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図36】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図37】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図38】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図39】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図40】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図41】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図42】吊り下げレゾネータのシミュレーションを示す。
【図43】曲げ荷重の適用下での変形されるセンサ装置のひな形予想の例を示す。
【図44】制御された方法における引張り荷重の適用の例を示す。
【図45】変形なし(荷重なし)の及び異なる荷重の適用された下での2つのセンサ応答の間の相違を示す。
【図46】変形なし(荷重なし)の及び異なる荷重の適用された下での2つのセンサ応答の間の相違を示す。
【図47】変形なし(荷重なし)の及び異なる荷重の適用された下での2つのセンサ応答の間の相違を示す。
【図48】変形なし(荷重なし)の及び異なる荷重の適用された下での2つのセンサ応答の間の相違を示す。
【図49】荷重の関数としての共振振動数を示す。
【図50】200平方ミクロン未満のチップサイズ用に計算上シミュレートされたパラメータと共に、実験的に測定されたS21 パラメータ(デシベルにおける)を示す。
【図51】200平方ミクロン未満のチップサイズ用に計算上シミュレートされたパラメータと共に、実験的に測定されたS21 パラメータ(デシベルにおける)を示す。
【図52】長方形及び円形の形状を比較する実験結果を示す。
【図53】長方形及び円形の形状を比較する実験結果を示す。
【図54】長方形及び円形の形状を比較する実験結果を示す。
【図55】長方形及び円形の形状を比較する実験結果を示す。
【図56】分割リングレゾネータを説明する。
【図57】分割リングレゾネータを説明する。
【図58】分割リングレゾネータを説明する。
【図59】分割リングレゾネータを説明する。
【図60】分割リングレゾネータを説明する。
【図61】非入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図62】非入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図63】非入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図64】入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図65】入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図66】入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図67】埋め込まれたMEMSセンサに面するH&E 着色された組織の2倍イメージを示す。
【図68】埋め込まれたMEMSセンサに面するH&E 着色された組織の4倍イメージを示す。
【図69】シリコンベースのセンサの性能を示す。
【図70】図69に対応するシリコンベースのセンサ用の非線形エラーを示す。
【図71】図69に対応するシリコンベースのセンサ用の非線形エラーを示す。
【図72】テープベースのフレキシブルセンサの性能を示す。
【図73】テープベースのフレキシブルセンサの性能を示す。
【図74】テープベースのフレキシブルセンサの性能を示す。
【図75】テープベースのフレキシブルセンサの性能を示す。
【図76】テープベースのフレキシブルセンサの性能を示す。
【図77】システムの種々特徴の実施例の組立分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、本発明の種々実施例を実例として示す添付図面を引用している。これら実施例は、当業者がこれら及び他の実施例を実施できるように十分に詳細に説明されている。他の実施例を利用することができ、そして構造的な、論理的な、及び電気的な変更はこれら実施例に対してなすことができる。種々実施例は、必ずしも互いに排他的ものではなく、いくつかの実施例は1またはそれ以上の他の実施例と組合わされて新しい実施例を形成することができる。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意図において理解されるべきでない。
【0007】
種々実施例において、ワイヤレスセンサは、人及び動物を含む生物学的対象に埋め込まれたハードウェア装置のひずみを測定するように構成されている。ハードウェアのひずみの時間的測定は、センサの共振周波数の変化の監視を含む測定値を用いて行うことができる。センサは、同センサのコンポーネントが生体親和性である場合、オールオンチップレゾネータとして作動する、誘電的に電力を供給される装置として実現することができる。そのようなセンサは、種々の電子装置、機械、及びシステムと共に運転することができる。
【0008】
臨床実務においてかつ動物モデルによって、治癒は骨折復元力の度合い及び早期における埋め込み負荷に決定的に関連するということが知られている。有線式のひずみ計を用いた動物の研究は、治癒カルスと骨が、骨折治癒が進むにつれて、埋め込まれたハードウェアの負担が減り、負荷の割合の増大を呈することを明らかに示している。治癒の過程が異常ならば、この負荷の負担の漸進的な移転が変えられるかまたは存在しないことになる、つまり、治癒組織は、そのように負担する構造的または材料的な容量を有していないので、負荷の通常の割合を呈することができない。種々の実施例において、生体親和性のある、埋め込み可能なセンサが、埋め込みのひずみと治癒経路の関数としての骨の治癒との関係に影響を与える。
【0009】
これまで、骨埋め込みの負荷共有現象を利用することを求める多くのテクノロジーは、寸法において大き過ぎるものが検討されてきているが、関連する電力供給源の埋め込みを伴う。以前の研究は、腰部、背骨、及び肩における力の判定に成功している。しかしながら、比較的大きなサイズのセンサ及び関連するハードウェア(信号調整、変調、など)のために、以前の多くの遠隔測定システムは、関節交換コンポーネントまたは大きな内部固定筋の内側に埋め込まれていた。その結果は、これらの装置が骨埋め込み負荷の識別に有用となるデータを産出したが、しかしその装置は、大スケールの埋め込みには診断および/または予後のツールとして適切なものとなることができなかった。また、設計及び関連する相互接続性の複雑さのために、これらシステムの製造は、主としてカスタムベースでなされる。その結果として生じる費用は、それらの大規模な製造を正当化することはできない。
【0010】
種々実施例において、無線周波数(RF)ひずみセンサのデザインは、生物学的対象への埋め込み用のマイクロ電子メカニカルシステム(MEMS)を用いる特徴を備えている。センサは生物学的対象に埋め込み用の埋め込み可能なハードウェアに取り付けることができる。センサは、埋め込み可能な電力供給源なしに、誘電的に電力供給されるように構成することができる。センサは、埋め込まれたハードウェア上の表面曲げひずみを同センサが監視するように、該埋め込まれたハードウェア上に配置することができる。センサは、生体内の生物学的データを感知し伝達するために内部−外部の物理的接続が用いられないような、ワイヤレスセンサとして設計することができる。さらに、その装置の小型化は、そうでなければ不可能であろう応用例においてその使用を可能にする。そのようなバイオ−MEM センサは、電源供給源を組み込むことのない誘電的電源を用いる、電源を受動的に供給する装置として、そして現在の従来型の装置及び関連方法に関連する多くの問題点を軽減するような物理的サイズを有する装置として設計することができる。加えて、そのようなバイオ−MEM センサの構造は、現在の従来装置の製造よりも、きわめて大きなコスト効果を得られる製造規模での製造を可能にする。
【0011】
種々の実施例において、センサは、ハードウェア装置、すなわち骨折固定プレート後部脊髄茎スクリュー固定システム、脊髄椎体間固定装置、椎体置換装置、髄内ロッド/ネイル、同種異系移植骨折固定または椎体スペーサ、脊髄の運動維持システム(例えば椎間ディスク置換及び運動安定システム)、並びに頭蓋顔面の固定及び伸延骨形成ハードウェアシステムのような、整形外科または神経外科の装置の表面に取り付けられたワイヤレスひずみ計として本質的に作動し、それは患者に埋め込み可能である。この構成及び作用は、患者の血管システムに用いられる多くの他のワイヤレスセンサと対照的である。バイオMEMSは、該バイオMEMSの一体型回路のひずみが結果としてその共振周波数の変化が生じるように設計される。この周波数の変化を検出すると共に設定ひずみ−周波数の校正を実行することによって、ハードウェアのひずみの時間的変化は長期的に監視することができる。検出システムのコンポーネントは、電磁気フィールドを適用するインダクタまたは他の手段、埋め込み可能なセンサ、受信アンテナを含むことができる。埋め込み可能なセンサは、検出システムの“レゾネータ”として参照することができる。受信アンテナは、受信アンテナ/周波数分布アナライザ装置として実現することができる。インダクタは、センサに電流を誘導する交番外部磁気フィールドを産出する。センサは、センサが形成する回路の現在の構成に特有の形で関連する共振周波数を有している。センサの共振周波数はセンサが変形するに従って変化する。センサで発生される信号は、適用された電磁気フィールドに応答して、取り付けられた周波数分布分析のアンテナでセンサから受信することができ、またセンサによって形成された回路の共振周波数を判定するのに用いることができる。
【0012】
図1は対象に埋め込まれたハードウェアにおける変化を監視する方法の実施例の特徴を説明する。110で、ハードウェア上に配置されたセンサの共振周波数のシフトが判定される。センサは、生体親和性を有し、誘電的に電源が供給される装置として設計されている。センサの共振周波数は、交番磁気または電磁気フィールドにセンサをさらすことによって起こすことができる。120で、ハードウェアのひずみの時間的変化が判定されたシフトに基づいて判定される。時間的変化は、センサを交番磁気または電磁気フィールドにさらしたことに応答してセンサから信号が発生される場合に、同センサからの信号を分析することによって判定することができる。種々の実施例において、ハードウェアのひずみにおける時間的変化の判定に関して共振周波数の絶対値を用いることなく、共振周波数におけるシフトが用いられる。ハードウェアのひずみにおける時間的変化に基づいて、対象における変化を判定することができる。
【0013】
図2は、生物学的対象のような対象に埋め込まれたハードウェアにおける変化を監視する方法の実施例の特徴を説明する。210で、センサの共振周波数は、同センサが対象に埋め込まれたハードウェア上に配置された場合、判定される。センサは、電源に関して同センサが一体化された電源装置なしで非接触装置として駆動するような、電磁気フィールドによって誘電的に電源を供給することができる。センサは、対象に埋め込み可能なハードウェア装置に取り付けることができる。
【0014】
220で、センサの共振周波数のシフトは、異なる時期に適用される電磁気フィールドに応答して同センサからワイヤレス信号が発生される場合、同センサからのワイヤレス信号に基づいて判定される。これら電磁気フィールドは、埋め込まれたハードウェア装置上のひずみを判定する方法として構成されたセンサの読み出しのためのプローブとして作動する。種々実施例において、共振周波数におけるシフトは、センサに電力を供給するために用いられる付勢信号を考慮することなしに、センサからの信号から判定することができる。
【0015】
230で、ハードウェアの時間的変化が、共振周波数のシフトに基づいて判定される。ハードウェア装置のひずみにおける時間的変化は、同ハードウェアのひずみ−周波数校正を実行することによって判定することができる。ハードウェアのひずみにおける時間的変化は、同ハードウェア装置の表面ひずみを監視することから判定することができる。生物学的対象における変化は、ハードウェア装置のひずみにおける時間的変化に基づいて判定することができる。人に埋め込まれた骨折固定プレートに関して、これらの変化は、人の骨折した骨の治癒についての診断及び予後に用いられるように監視することができる。脊髄固定装置に関して、これらの変化は、癒合の進行の過程を判定するのに用いることができる。
【0016】
図3は、生物学的対象に埋め込み用のハードウェア303に取り付け可能なワイヤレスセンサ305の実施例の特徴を説明する。センサ305は、基板307、同基板307上に配置された誘電体320、及び同同誘電体320上に配置された導電コイル310を備え、導電体320及び導電コイル310がレゾネータとして配置されている。基板307はまたレゾネータの一部として構成することもできる。基板307、誘電体320、及び導電コイル310は、生物学的対象に埋め込み用のハードウェア303に取り付け可能な、生体親和性のある、誘電的に電源が供給される装置として構成される。やわらかい組織に挿入されたセンサ305の応答は、広範囲な力について適用される力に関して線形であることができる。
【0017】
誘電体320は、生体親和性のある電気絶縁材を含む固体材料とすることができる。誘電体320は、これに限定されないが、窒化シリコンを含むことができる。導電コイル310は生体親和性のある導電材を含む。導電コイル310は、これに限定されないが、ゴールドを含むことができる。導電コイル310は、誘電体320がコンデンサの一部を形成する場合、レゾネータを形成するインダクタ及びコンデンサの一部として設計することができる。基板307は、他の極板を形成する導電コイル310と共に、並びに導電コイル310及び基板307の間で接する誘電体320と共に、コンデンサの有効極板として作用することができる。その代わりに、1またはそれ以上の導電体をコンデンサの一部として用いることができる。例えば、導電層を基板307と誘電体320との間に配置することができる。導電層をコイル310と誘電体320の間に配置することができる。
【0018】
種々の実施例において、センサのレゾネータ機能は、インダクタンスを付与する図3の導電コイル310、及び誘電体320により定められるオンチップコンデンサのようなコイルによって行われる。この構成は、有効装置エリアを好ましくなく増大させ、かつ回路または装置の損失エネルギーに対する貯蔵エネルギーの比であるレゾネータの“Q−ファクタ”を減少させる外部コンデンサの使用というよりも、むしろ誘電体フィルムによるセンサのチューニングを考慮している。センサ305に関し、導電コイル及び誘電体の構造的なアレンジメントは、材料の選択と共に、最小回路スペーシングを伴う最大クォリティファクタのために設計するのに用いることができる。実施例は、Q−ファクタ配慮に基づきオールオンチップレゾネータとして履行される導体コイルのためのらせん形状を含んでいる。例えば、らせん形状のチップは、約7 GHz の共振周波数で作動する約50のQ−ファクタを備えた約500平方ミクロンのチップサイズでもって形成することができる。約50のQ−ファクタは、ハードウェアに取り付けられ本質的にひずみ計として機能するワイヤレスセンサとして、センサ305の作動を高めることができる、高Q−ファクタとして構成することができる。コイル用のらせん−コイルインダクタに基づく構造は、Q−ファクタを増加させるが、オンチップ上のコイル用の低減された面積を実現するのに用いることができる。
【0019】
種々実施例において、オンチップレゾネータは該チップ上に凹部を設けることなく実現することができる。そのようなセンサにおいて、自己同調式のらせんコイルベースの構造は、より高い運転周波数で改良された設計パラメータを用いて該チップ上に凹部を設けることなく使用される。例えば、シリコン上にオンチップレゾネータを使用して、200平方ミクロン未満のチップサイズに関してQ−ファクタを90よりも大きく上昇させることができる。かくして、外部同調コンデンサ及び/またはチップにおける凹部を用いる従来のレゾネータと比べて、格段に小さいサイズの高Qレゾネータを実現することができる。Q−ファクタのより増大は、センサの下のシリコンを除去する(エッチングする)ことによって得られる吊り下げ構造により達成することができる。2つのセンサが比較されるとき、レゾネータの特徴のすべてが同じ寸法であり、しかし一方の基板はエッチングされ(吊り下げ構造)、他方はそうでない(平面構造)場合、該吊り下げ装置は、該平面装置よりもQ−ファクタが10%の上昇を示す。
【0020】
ひずみセンサは、十分に大きな共振周波数シフトを産出するように構成されており、それによりひずみの小さな変化がセンサにより検出できる。そのような共振周波数シフトは、長方形のデザインに比べてより小さな空間でもってより高いQ−ファクタを可能にする等方性の円形状ひずみセンサでもって達成することができる。該円形状の構造は、その等方性の形状のために、相当に高い共振周波数シフト、例えば330メガヘルツに対し500メガヘルツを可能にする。この構造は、生体−埋め込みひずみセンサとして用いるこれらレゾネータの性能において、結果としてきわめて大きな改良になることができる。
【0021】
種々実施例において、ワイヤレス誘電式で電力を供給されるひずみセンサは、有効なメタマテリアル特性を呈する構造を用いることで実現することができる。メタマテリアルは、相互作用する電磁放射線の波長よりも小さい構造的特徴を有することによって、電磁波に影響を及ぼす。センサ用のメタマテリアルとして分割リングレゾネータ(SRR)構造を用いることによって、該センサは、正確なワイヤレスセンサとしての適切な特性である、高Q−ファクタ、共振時の高い透過吸収、高い共振周波数シフト、高い感度、及び大変良好な線形性を得ることができる。さらにセンサは、よりシャープな降下(dip)を備えた相当に低い共振周波数(50 Mhz乃至 1 GHz)を達成することができ、それは生物学的対象に関連する可能性がある、やわらかい組織の減衰の問題を伴う検出方法に有用である。ワイヤレスセンサから読み出された、遠隔測定で得られたひずみは、電気的接触の活用において用いられる商業的に入手可能な有線式ひずみセンサを用いて得られたものと同等であることがわかった。
【0022】
ワイヤレスセンサ装置の導電コイル用に種々の構造を用いることができる。実施例において、センサの作動周波数を下げるために、複合型分割リングレゾネータがコンパクトな入れ子式構造に組み込まれている。この入れ子式SRR センサは、感度の点において非入れ子式SRR センサよりも性能が優れている。この感度の向上は、非入れ子式SRR と比べて入れ子式SRR においてより多くのギャップの発生のために生じることができるものである。
【0023】
種々実施例において、センサの基板はフレキシブルな基板であることが可能である。フレキシブルば基板の例は真空テープである。フレキシブルな基板の使用は、シリコン基板の使用と比較して、ワイヤレスセンサをより感度よくかつ線形性にすることができる。テープベースのフレキシブルなメタマテリアルセンサは、同じ形状のシリコンベースのセンサとの比較において、相当に低減された非線形性エラーでもって格段に改良された感度レベルを呈することができる。
【0024】
センサに誘電的に接続されるコイルは、種々実施例にしたがって構成することができる。図4は、誘電体420上のコイル410の実施例を示す。コイル410及び誘電体420は、センサが人または動物の埋め込み用に用いられる場合、生体親和性のある材料で構成することができる。そのような生体親和性のある材料は、これに限定されることなく、ゴールド及び窒化シリコンを含む。実験において、図4のコイル構造を有するバイオMEMSセンサは、リアルタイムに該埋め込み可能なプレート上のひずみを監視するように、硬質エポキシ樹脂を用いて埋め込み可能なプレートに取り付けられる。固定された装置は、埋め込み可能なプレート上のひずみを測定するひずみセンサとして作動する。センサは、圧縮セットアップにおいて、該セットアップにより適用される100-300kgf の荷重範囲において最小115 kgf 及び最大276 kgf の特徴付けをされた。外部荷重が115 kgf から276 kgfに増加すると、共振は、より大きな周波数へシフトすることが観察された。特徴付けにおいて、ヤング率3.14 GPaのキャストポリアミドが埋め込み可能なプレートとして用いられた。図4のコイルを使用したバイオMEMSとして0.306 MHz/kgf の感度レベルが得られた。
【0025】
図5は、らせんコイル510の実施例を示す。らせんコイル510は、少なくとも2回旋回する連続コイルである長方形らせんコイルとして設計することができる。正方形は、オンチップレゾネータとして195 x 195 ミクロンの外寸を有することができる。シリコン上のそのようなオンチップレゾネータは、93.81 のQ−ファクタで約15 GHzで運転することができる。他の寸法を用いることができる。例えば、540 x 540 の寸法の正方形は、148 MHz の3-dB帯域幅( Δf)及び47.10 のQ−ファクタをもつ6.97ギガヘルツの共振周波数を有することができる。520 x 520 の寸法の正方形は、178 MHz の3-dB帯域幅( Δf)及び38.48 のQ−ファクタをもつ7.12ギガヘルツの共振周波数を有することができる。
【0026】
図6は、分割リングレゾネータ構造610 の実施例を示す。分割リングレゾネータ構造610 は、正方形の内側に正方形を包含している。外側の正方形における一側のギャップ及び内側の正方形における他側のギャップが存在する。
【0027】
図7は、分割レゾネータ712-1 ...712-N のアレイ710 を有するチップの実施例を示す。各分割レゾネータ712-1 ...712-N は、正方形の内側に正方形を包含することができる。各分割レゾネータ712-1 ...712-N は、各辺が長さ2. 22 mmの外側正方形及び各辺が長さ1.5 mmの内側正方形を有することができる。アレイ710 は、図7に示されるようにこれらの正方形の5 X 5 アレイから構成することができる。5 X 5 アレイSRR 構造は、200 マイクロひずみ 未満の低非線形エラーと共に109 kHz/kgf (5.148 kHz/マイクロひずみ) の感度をもたらすことができる。アレイ710 は、N が5以外の整数である場合にN X N として実現することができる。
【0028】
図8は入れ子式SRR 構造810の実施例を示す。入れ子式SRR 構造810は多くの分割リングレゾネータを備えている。この実施例において、各SRR は同じ幅を有することができそして共通のベースを共有することができるが、しかしそれぞれの高さは異なることができる。また、各SRR のベースの反対側は、そこにギャップを有することができる。入れ子式SRR 構造810は、ベースの長方形が1.8 mmの高さがあり得る場合、1つのレゾネータから隣のレゾネータで0.8 mmの高さの違いを有することができる。入れ子式SRR 構造810は他の寸法を有して実現することができる。図8において、入れ子式SRR 構造810は20回の旋回を有することができる。入れ子式SRR 構造810は20回以外の旋回を有することもできる。
【0029】
図9は円形状らせんコイルレゾネータ910の実施例を示す。円形状らせんコイルレゾネータ910は、少なくとも2回旋回して形成される連続コイルとすることができる。それは2回の旋回以外の旋回数でもって構成することもできる。円形状らせんコイルレゾネータ910は、340 ミクロンの外形を有することができる。それは340 ミクロン以外の長さを有することもできる。
【0030】
図10は、レゾネータ1010が吊り下げられる構造の実施例を示す。吊り下げ構造は、レゾネータ1010の共振周波数シフトの上昇を助けることができる。シリコンのような、チップを製作するのに用いられる硬質の生体親和性のある基板でもって、基板がエッチングを施されて該吊り下げ構造を得ることができる。単一の吊り下げ装置は、単一の平面装置(平らな装置)の基板をエッチングすることにより得ることができる。単一の平面装置及び単一の吊り下げ装置の両方に荷重を適用したときに、該単一の吊り下げ装置は、単一の平面装置よりも、より高い共振周波数シフト及びQ−ファクタをもたらすことができる。図11は単体の吊り下げ装置の走査型電子顕微鏡(SEM )視を示す。
【0031】
表1は、同じコイル形状を用いた図10に示されるような吊り下げ(エッチングされた)構造で製作されたセンサと、図5の平面(エッチングされていない)センサに関する予備データを示す。1960 N, 2940 N, 及び 3920 N の荷重での予備データは、吊り下げ構造を用いる共振周波数シフトは、エッチングが施されていない(平面)センサと比較して、それぞれ59%, 71%, and 45% 増加する。さらに、単一クォリティファクタは、吊り下げ構造を使用することによってほぼ9%上昇される。
【0032】
【表1】
【0033】
図12は三重構成を有するセンサ構造の実施例を示す。三重構成は、横並びに配置された3つのセンサのように、3つの長方形コイルを配置することができる。外側のセンサは、中央のセンサ1210の送信アンテナ1214及び受信アンテナ1216として作動する。三重構成の個々のコイルは、ここに取り上げたコイルのいずれかと類似してまたはまったく同じに構成することができる。
【0034】
図13は円形状らせんコイルを含む三重構成を有する構造の別の実施例を示す。該構造は、3つの円形状らせんコイル1310、1314及び1316を備えている。円形状らせんコイル1314及び1316は、中央のセンサ1310の送信機及び受信機として作動することができる。その代わりに、円形状らせんコイル1310、1314及び1316は、センサレゾネータとしてそれぞれ作動する。
【0035】
図14は三重構成を有する構造の別の実施例を示す。該構造は、3つの吊り下げ長方形コイル1410、1414及び1416を備えている。らせんコイル1414及び1416は、中央のらせんセンサ1410の送信機及び受信機として作動することができる。その代わりに、円形状らせんコイル1410、1414及び1416は、センサレゾネータとしてそれぞれ作動する。
【0036】
図15−17はチップ上のレゾネータの様々なアレイを示す。図15は、比較的大きく離れた4つの円形状らせんコイルレゾネータを示す。図16は、多数の円形状らせんコイルレゾネータを有するアレイを示す。アレイ構造においてレゾネータの数の増加につれて、固定サイズの基板にとってレゾネータ間の間隔が減少する。図17は、多数の円形状らせんコイルレゾネータ及び長方形コイルレゾネータを有するアレイを示す。図17に示されるようなハイブリッドレゾネータアレイは、多数の円形状らせんコイルを有する1つの長方形らせんコイルに限定されるものでない。センサは、個々のタイプの数が変わり得る、多数の異なるタイプのレゾネータを備えることができる。
【0037】
図18は生物学的対象内に埋め込み可能な装置1800の実施例を示す。装置1800は、整形外科ハードウェア装置1803及びセンサ装置1805を備えている。センサ装置1805は、基板1807、同基板1807を覆うように配置された誘電体1820、及び同誘電体1820上に配置された導電コイル1810を備えている。基板1807はハードウェア装置1803上に配置することができる。誘電体1820及び導電コイル1810はレゾネータとして構成されている。基板1807も誘電体1820及び導電コイル1810と共にレゾネータとして構成することができる。硬質の生体親和性のある誘電体が誘電体1820に用いることができる。基板1807、誘電体1820、及び導電コイル1810は、生体親和性のある、誘電的に電力が供給されるセンサ1805として構成し、または組み立てることができる。ハードウェア装置1803及びセンサ装置1805は、人または動物のような生物学的対象に埋め込み、対象の状態を監視することが可能である。ハードウェア装置が対象における骨折の治癒に応用される場合、センサ装置1805により検出される該ハードウェア装置のひずみの変化が、対象の骨折の治癒における変化を判定するのに用いることができる。
【0038】
センサ装置1805は、例えばエポキシ材1804を用いて該ハードウェア装置に取り付けることができる。誘電体1820用の硬質の生体親和性のある材料は、窒化シリコンを、これに限定されることなく、含むことができる。導電コイル1810用の硬質の生体親和性のある材料は、ゴールドを、これに限定されることなく、含むことができる。生体親和性の特性に加え、センサ装置1805用の材料の選択は、キャパシタンス的及び誘電子特性に基づくことができる。センサ装置1805はここに説明したセンサの種々実施例に類似したまたは同一のものとすることができる。テープベースのフレキシブルセンサの形で構成されるセンサ装置1805に関しては、テープが自身のエポキシ樹脂または他の取り付け材料もしくは他の取り付け具を有することができるので、外部エポキシ樹脂は使用する必要がない。
【0039】
図19は、ハードウェアのひずみの変化を判定するための監視システム1900の実施例を示す。監視システム1900は、電磁気フィールドを発生するように作動するソース1915、受信機1925、スペクトルアナライザ1935、及びアナライザ1945を備えている。ソース1915は、生物学的対象1901に埋め込まれたハードウェア1903に取り付けまたは一体のセンサ1905に電力を供給する電磁気フィールドを発生する。電磁気フィールドにより電力を供給されるセンサ1905は、監視システム1900用のひずみ計として用いられる、生体親和性のある、誘電的に電力を供給される装置である。センサ1905は、ここに説明した種々実施例のセンサと類似のものとすることができる。
【0040】
受信機1925は、異なる時点で電磁気フィールドにより励磁されるセンサ1905に応答して発生される、センサ1905からの信号を受信するように作動する。スペクトルアナライザ1935は、受信信号からセンサ1905の共振周波数を判定するように作動する。アナライザ1945は、時間の経過によるセンサ1905の共振周波数のシフトに基づいて、ハードウェアのひずみの一時的な変化を判定するように作動する。ハードウェアのひずみの変化の測定は、同ハードウェアのひずみ−周波数の校正に基づいて実行することができる。埋め込み前に実行されたひずみ−周波数の校正からのデータは、アナライザ1945によりアクセス可能なメモリに記憶することができる。ハードウェアのひずみの一時的な変化に基づいて、アナライザ1945は生物学的対象における変化を判定するように作動することができる。
【0041】
監視システム1900は、監視システムのプロセッサにより実行されるときに、監視システムに多くのオペレーションを実行させる指令を記憶する機械可読媒体を備えることができる。これらオペレーションは、センサ1905の励磁の制御、センサ1905の共振周波数の判定の指示と、異なる時点で適用される電磁気プローブ信号/電磁気フィールドに応答してワイヤレス信号がセンサ1905から発生される場合、センサ1905からのワイヤレス信号に基づいてセンサ1905の共振周波数のシフトの判定の制御と、共振周波数のシフトに基づくハードウェアのひずみの一時的な変化の判定の制御とを、これらに限定されることなく、含んでいる。機械可読媒体は、生物学的対象の骨折の治癒を表すデータを発生する指令を含んでおり、そのデータは骨折に関連する生物学的対象に埋め込まれたハードウェアのひずみの一時的な変化に基づいている。機械可読媒体は、指令を含むデータを記憶するあらゆる形式のものとすることができる。例えば、機械可読媒体はコンピュータ可読媒体とすることができる。機械可読媒体は監視システムと別体であっても構わない。機械可読媒体は、異なるシステムで使用することができる独立型の装置とすることができる。
【0042】
適切な誘電的に電源を供給されるセンサ回路を設計するために、インダクタ用のコイル形状が用いられかつ伝送線体系が応用されてレゾネータとしてこの構造を作る。人に埋め込まれるひずみ計としてこれらレゾネータを使用するために、その設計は、種々の設計上のトレードオフとの関連で、ユニットひずみ当たり最大の可能な共振周波数シフトを備えた生体親和性のある材料を用いて、高品質のRF信号を得ることに向けられている。そのようなレゾネータの設計において、多くのパラメータが考慮される。そのファクタは、基板効果、誘電体の厚さ、誘電体の材料、メタルの選択、メタル層の厚さ、ラインの幅及び間隔、旋回数、並びに合計チップ面積を含む。このアプローチは、センサのフィルムキャパシタンスをLC(インダクタンス−キャパシタンス)タンク回路キャパシタンスとして活用する。種々実施例において、センサの共振周波数の監視される変化のメインドライバは、インダクタンスの変化をターゲットにするのと対照に、キャパシタンス変化である。センサは、基板と比較的高いヤング率(硬さ)をもつメタル層とを有するので、共振周波数シフトは主にコンデンサ面積、それゆえキャパシタンス全体の変化による。
【0043】
図20は、誘電的に電力を供給されるセンサ2005の実施例を示す。図21は、図20のセンサ2005のサイドビューを示し、物理的モデルの集中素子内部表現を含む。図22は、センサ2005のレゾネータの等価回路を示す。装置を作るために、以下の設計パラメータが考慮される:コイルの外側の寸法である長さ(Lc ) 及び幅 (W c );トータルコイル長(l) ;トータルコイル幅(w) ;ライン間隔(s) ;旋回数(N) ;コイル厚さ(t) ;並びに基板とゴールドのメタル層(tfilm). との間の誘電性の薄いフィルムの厚さ。形状的な設計パラメータL c 、W c 、N 、 w、及び sは、コイルの内径を定める。これら装置のパラメータは、図22に示される集中素子モデル用のパラメータを計算するのに用いられる。ここで、 LS 及び RS はそれぞれコイルのインダクタンス及び抵抗に対応する。C filmは基板とコイルとの間のキャパシタンスを表す。C Si及び RSiはそれぞれ基板のキャパシタンスと抵抗である。C s はコイル区分間のキャパシタンスを示す。コイルの抵抗(RS ) は、入射電磁波が浸透できる深さである表皮厚さδの関数であり、そこにおいてR s 及びδは、以下の等式で与えられる:
【数1】
そこで:
【数2】
C film及びC s は、古典的な平行板コンデンサの式を用いて計算される:
【数3】
【数4】
そこで、εo 及びεr は材料誘電率係数である。基板効果を表すC si及び Rsiは以下の式を用いて計算される:
【数5】
【数6】
そこで、C sub = 1.6 x 10-10 F/cm2 及び Gsub = 0.4/Ω-cm2は適切なパラメータから経験的に導かれる。キャパシタンス及び抵抗回路コンバージョンCp及び Rp はそれぞれ上述の計算されるパラメータを用いて求められる:
【数7】
【数8】
上式は、適用された荷重及び関連する変形の結果としてのセンサの形状の変化に起因する、理論的に予想されるキャパシタンスシフトを判定するのに用いることができる。埋め込み可能なハードウェア上に取り付けられたセンサでもって、適用された荷重がハードウェアから伝達される。これら式はまた、例えば層コンポーネントの厚さを変更するような設計変更のモデルを作ること、及びシステムのキャパシタンスを最適化することに関してロバストシステムを備えることができる。
【0044】
上式はキャパシタンスの変化を計算する手段を提供するが、このシフトが検出可能な度合いは回路の品質ファクタ(Q−ファクタ)として定量化される。
全体のレゾネータQ−ファクタは以下のとおり与えられる:
【数9】
そこで、Δf は最大振幅の半分の幅、f0は共振周波数である。上述の式は、実験的な特徴付けからレゾネータの品質ファクタを引き出すのに有用であるが、エネルギを蓄えまたは消散するエレメントについての、高品質のオンチップレゾネータを設計するのに有用な情報を提供するものではない。したがって、インダクタのQ−ファクタの定義はLCタンク回路全体の代わりに利用される。インダクタに関しては、磁気フィールドに蓄えられるエネルギのみが関与する。したがって、インダクタに関する最大品質ファクタ(Qind ) は、ピーク磁気フィールドとピーク電気フィールドの差が最大値であるとき、到達できる。この定義によって、エネルギを蓄えまた消散するエレメントが確実なものとなり、そして設計が改善される。Q ind に関する代わりのフォームは次のように与えられる:
【数10】
上述の式は、Q ind がその構造の自身の共振周波数でゼロであるということを明らかにしている。古典的なLC回路に関するこの周波数は、以下の等式で与えられる:
【数11】
レゾネータの品質ファクタ(Qres ) は、インダクタ及びコンデンサ(Qc ) の品質ファクタの組合せにより得られる:
【数12】
Q c i は、ひとたび材料系統が選択されると、構造上の設計変更により広く影響されるものでない。他方、Q ind , は形状設計のみならず材料の選定にも依存する。したがって、より良い Qind のために古典的な共振の定義及び設計技術を用いることによって、小さいオンチップレゾネータのためのレゾネータQ−ファクタは最大化に向けて設計することができる。
【0045】
Q ind を最適化するために、パラメータがQ ind を計算するのに用いられる等価集中回路モデルを単純化することによりスタートすることができる。回路をLC回路と平行にするように変換すると共に上述のすべての式を組合せて、Q ind は以下のように表すことができる:
【数13】
Q ind に関する上述の関係式を解析することにより、インダクタンス品質ファクタの寄与の判定において異なる役割を有する、該等式の2つの部分が存在することが証明される: (1)主に全体的な到達可能な(最大)Q−ファクタに影響を及ぼす基板ロスファクタ(SLF) ;及び (2)主に共振周波数に影響を及ぼす自己共振ファクタ(SRF) :
【数14】
【数15】
これらの等式を用いて、センサの全体形状は、ピーク幅の半分で割った最大振幅として定義されるピークシャープネスの測定が最小回路間隔で行われる、品質ファクタ("Q−ファクタ")の最適化に向けて設計することができる。
【0046】
生体に埋め込み可能なセンサ用の材料は、生体親和性を備える基準の下で選択される。基板材料としてヒ化ガリウム(GaAs)の使用はセンサのQ−ファクタを高めるであろうが、シリコン(Si)は、そのより良好な生体親和性特性のために使用することができる。種々の実施例において、高い抵抗を有するSi基板を用いることができる。誘電体層の選定は、キャパシタンスとQ−ファクタに影響を及ぼす。窒化シリコン(Si3N4) は、比較的高い誘電率(高さ8.0 )及び低ロスファクタを有し、また生体親和性があることが報告されている。Si3N4 よりも低い弾性(ヤング)率の特徴を有するいくつかの誘電体があるが、しかしそれらは、結果として低いQ−ファクタとなる、より高いロス及びより低い誘電率を有しており、共振周波数の変化は Si3N4よりも格段に低く計算される。その結果、高いQ−ファクタ、小さい寸法、及び共振周波数の高いシフト間のトレードオフを考慮して、Si3N4 を誘電体層として用いることができる。アルミニウム(Al)及び銅(Cu)がMEM の装置においてメタルコンポーネントとして最も頻繁に利用されているけれども、これらの材料は非生体親和性であるとして広く認識されている。これらの材料の代わりに、ゴールド(Au)をコイルのメタル層として用いることができる。
【0047】
高Q−ファクタ及び小さい可能な寸法のようなセンサの設計上の制約は、マテリアル層の厚さ及びセンサの全体の製作を決定するときに、考慮される。一つのアプローチは、このエレメントを寄生キャパシタンスとして考慮するのとは対照的に、タンク回路キャパシタンスから得ることができるキャパシタンスの最大化に向けて設計することである。キャパシタンスの設計に関するファクタは、誘電体フィルムの厚さ、メタル層の寸法、コイルの旋回数、及びチップの面積/寸法を含む。モデリングに基づいて、約0.1μm の誘電体フィルム厚さ(tfilm) が用いられる。他の厚さを用いることもできる。
【0048】
基板の影響に関し、基板ロスの最小化は、システムにおいて基板が主要な損失の大きいコンポーネントであるので、Q ind 及びQmaxの大幅な増加を達成するために重要である。シリコン基板に関して、低損失のため、高いR si (高抵抗基板) が用いられる。しかしながら、完全に非導電である基板は、メタル層と基板との間に平行板型コンデンサの形成を妨げ、それはオンチップレゾネータには適切ではないであろう。一実施例において、5 -10 Ωの基板が選択されており、それは過度のロスを防ぐのに十分な抵抗であるが、第2の平行板型コンデンサとして役目をするのになお十分な導電性がある。
【0049】
誘電体の薄いフィルムの影響に関し、誘電体層もまた高Qファクタの設計に重要なファクタである。LC回路のC として役目をする、メタルと基板との間のコンデンサを最適化するために、高い誘電率を備えた誘電体が適切である。他方、ロスを最小化するために、低ロス誘電体が適切である。誘電率8 及びロスタンジェント5 x10 -4の Si3N4が、誘電体フィルムとして適切な選定であり得る。
【0050】
フィルム厚さの影響に関し、誘電体層(tfilm) の厚さは高Qファクタのレゾネータを設計するための別の有効なパラメータである。選択された誘電体層の厚さは、レゾネータの目標共振周波数に依存することができる。
【0051】
メタル層パラメータの影響に関し、メタル層の厚さはQ ind を決定するのにやはり大変重要である。該メタルがより厚くなると、Q ind 及びQ max がより高くなる。0.1 μm のメタルの厚さが、CMOSの製法における特別な製造工程の使用に限定するために選択される。薄い層にもかかわらず、基板ロスを十分に低減することにより、高いQ ind が達成される。その場合、メタルの厚さの増大はさらにQ−ファクタに影響するであろうが、低過ぎる基板抵抗を備えた構造におけるもの程に重大ではない。
【0052】
メタル層の寸法に関し、高性能センサを実現するために、メタル層の厚さは、幅の増大はQ−ファクタ及び共振周波数の増大をもたらすので、重要な設計問題となり得るが、しかしこれは本質的な全体の面積(及び寸法)の増大に関連する。さらに、メタル間隔は装置の性能に影響を及ぼす。より小さい間隔は、共振周波数を増大させ、そしてよりコンパクトなチップに導く。しかしながら、増大された幅及び減少された間隔は、全体のQ−ファクタを減少させる寄生効果につながる。
【0053】
旋回数の影響に関し、サイズを小さく保ちながらQ ind を増大するために、旋回数(N) を減少することができる。これは、自己共振周波数をより高く押し上げて、ネットインダクタンスを減少させる。種々実施例において、旋回数は完全なコイルを生じるように2に設定される。しかしながら、より多いまたは少ない旋回数のコイルを使用することができ、それはコイル構造の校正に依存し得る。
【0054】
面積の影響に関し、チップのサイズは、共振周波数及びQ ind を調整するのに重要な役割を果たす。全体面積の減少は、改善されたQ−ファクタ及びより高い共振周波数に結び付く。また、より小さな内径はQ−ファクタ及び共振周波数を増大する。しかしながら、内径を該間隔よりも小さい程度まで減少させることは、追加の寄生効果を引き起こす。
【0055】
内径の影響に関し、もしすべての他の設計パラメータが固定されている場合、内径の増大は面積を増大させる。これは共振周波数及びそれゆえにQ ind を増大させる。したがって、より小さな内径はQ ind 及び共振周波数を高める。しかしながら、内径は同内径を間隔s の厚さまで減少させるだけのために選択することができ、なぜならばこの値よりも低く減少させることは、Q ind に大きく影響しかつ下げる寄生キャパシタンスを引き起こすためである。
【0056】
形状ファクタは、組み込まれる電源を有していないワイヤレスとして作動可能な埋め込み可能な装置用のセンサの抵抗及びキャパシタンスを決定するのに用いることができる。図22に示されるR p は、図21にのコイルモデルの組み合わされた抵抗を表し、基板ロスを判定する有効なコンポーネントである。高抵抗シリコン基板でもって、R Siの値は高く、それは高いR p をもたらす。C p はセンサのキャパシタンスコンポーネントに対応し、そして自己共振ファクタについて重大な影響を有している。より低いC p は、ここに述べたようにひずみの変化の判定を助ける共振周波数を結果として増強する。シリコン及び窒化シリコン以外の生体親和性のある材料は、上述の等式において用いられる、それらの対応するパラメータと共に用いることができる。
【0057】
種々の製造プロセスが、骨と埋め込まれたハードウェアとの間の一時的荷重の移動プロフィールに関する情報を無線で伝える、誘電的に電力を供給されるセンサを構成するのに用いることができる。製造プロセスは、チップの大きさのセンサ用のコンポーネントに依存する。プロセスの変形は、コイル設計や基板がフレキシブルテープを含むかまたはテープなしで構成されているかのようなファクタに依存する。種々変形例において、製造プロセスは従来のMEM のプロセスを用いるマルチステップ手順である。センサは、マイクロ波適合した、写真製版の微細加工技術を用いてクリーンルーム環境で加工される。
【0058】
図23−27は、図20のセンサ2005のようなセンサ装置を製造するのに用いることができる製造プロセスフローの実施例を示す。このセンサにシリコン基板が設けられ、第1ステップは、図23に示されるように、第1のゴールド(Au)メタル層2322を敷設するためのシリコン基板2307上の標準的な写真製版及びリフトオフを備えている。プラズマ誘起化学蒸着法(PECVD) は、図24に示されるように窒化シリコン(Si3N4) 薄フィルム2320を堆積するのに用いることができる。他の堆積プロセスをSi3N4 薄フィルム2320を堆積するのに用いることができる。Si3N4 フィルム2320にパターンをつけるために、例えばフッ化水素酸でのウェットエッチングプロセスを用いて、第2の写真製版が実行されて垂直方向の相互結合領域をオープンする。続くAuメタライゼーションにおいて、相互結合層2324が図26に示されるように直立される。図27に示されるように、第3の写真製版及びAuメタライゼーションプロセスが、センサレゾネータを得るためにトップコイル2310を構成するのに用いることができる。
【0059】
図28−31は、テープベースのフレキシブルセンサの製造に関する実施例を説明している。図28はフレキシブルテープ基板として用いるバキュームテープ2807を示す。図29は、堆積が標準的なメタライゼーション技術を使用できる場合、フレキシブルテープ基板上に堆積される薄いゴールド層を示す。プラズマ誘起化学蒸着法(PECVD)を用いて、図30に示されるように、Si3N4 の均一に薄い層2820が誘電体薄フィルムとして堆積させることができる。標準的な写真製版、メタル蒸着、及びリフトオフ技術を用いて、図31に示されるように、ゴールド層2810がセンサの製造を形成するように堆積することができる。
【0060】
バキュームテープ2807は、PECVD の下で発生する高温に耐えることができるので、用いることができる。テープベースのフレキシブルセンサとシリコンベースのセンサとの間の製造手順の違いは、バキュームテープ基板2807に堆積される第1のゴールド層2811を含む。第1のゴールド層2811は共振周波数でのセンサの吸収を増大し、それにより共振周波数で大きな吸収が見られる。しかしながら、シリコン基板でもって、シリコン自身が吸収し、特別なAu層なしでセンサを形成することができる。
【0061】
第1のゴールド層2811の堆積はまた、テープベースのフレキシブルセンサのSi3N4 の薄い層2820の両側上の第1及び最終ゴールド層2811,2810の間に形成されたコンデンサである、平行板式コンデンサを設ける。しかしながら、不純物を加えられた基板を備えたシリコン基板ベースのセンサに関しては、不純物を加えられたシリコンが導電性を有しているので、平行板式コンデンサが特別なAu層をなしで形成される。平行板式コンデンサは、荷重が適用されるときに、同平行板式コンデンサが変化し、そしてその結果、共振周波数が変化するので、センサにとって重要な機能である。図32はフレキシブルテープ基板3207上の最終製造構造を示す。図32に示される最終製造構造は、メタマテリアルセンサを含む。他の形状的な配置をフレキシブルテープ基板3207上に形成することができる。
【0062】
図33−41は吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。プロセスは、図33に示されるように、基板3307の選定をもって開始される。<100>配向を備えたn型の500 μm の厚さのシリコン基板3307が用いられる。他の材料及び/または導電タイプを基板として用いることができる。Si3N4 の薄いフィルム3321が、図34に示されるように、プラズマ誘起化学蒸着法を用いて堆積することができる。他の堆積プロセス及び他の誘電体を用いることができる。他の厚さを用いることができる。
【0063】
図35はSi3N4 の薄フィルム上に敷設された第1のメタル層3311を示す。接触層として形成される第1のメタル層3311は、厚さ0.1 μm のAuで形成することができる。他の厚さを採用すること及び/または他の誘電体を実施することが可能である。図36は後で堆積される誘電体フィルム3320を示す。誘電体フィルム3320は0.1μm の厚さのSi3N4 の薄フィルムとすることができる。
【0064】
図37は、パターニング及びHF付のウェットエッチングプロセスを用いた例のために開けられた垂直方向の相互接続領域3339の形成後のフィルム3320を示す。図38は、相互接続3313及びトップコイル構成3310を形成するゴールドメタライゼーションの実行後の構造を示す。厚さ0.8 μm のSi3N4 フィルム3323は、図39に示されるように、堆積することができる。窒化シリコンフィルム3323は、図40に示されるように、パターンされそしてHFによりエッチングされる。図41は、例えば水酸化カリウム(KOH) を用いて、吊り下げ式センサ3305を形成するようにシリコンにエッチングした後の構造を示す。
【0065】
Si3N4 の薄フィルムは接触メタル層を保護するように初めに形成されると共に、シリコンはエッチングされる。KOH はまたメタル層をエッチングするので、第1及び第3のSi3N4 層はエッチング抑制層として用いられる。第2のSi3N4 層は第1のSi3N4 層と共にセンサレゾネータ3305用の誘電体層として作用する。濃度30パーセントのKOH溶液の使用は、シリコンエッチングの化学反応速度論のシミュレーションから期待されるように、エッチング速度1.1 μm/min をもたらす。70分後、深さ77μm がエッチングされる。図42は吊り下げ式レゾネータのシミュレーションを示す。台形4221-1, 4221-2, 4221-3, 4221-4, 4221-5, 及び221-6 は、Si3N4 が欠落している領域を表す。KOH 溶液はこれらの領域を通してシリコンをエッチングする。単一の吊り下げ式の装置の関連するSEM イメージが図11に示される。
【0066】
分析及び数的なモデルは、該装置に誘導される機械的摂動の関数としてセンサの性能をシミュレートするのに用いることができる。モデリングの取り組みは、2つの相互に依存したコンポーネントを伴う結合された電気機械の分析の使用を含む。第1のステップは、センサに作用された荷重から結果として生じる装置のひずみプロファイルを計算する機械的分析を伴う。第2は、物理的寸法の変化を与えられるセンサの共振周波数のシフトを計算する電気的分析である。異なる曲げ荷重が適用されたときに、例えば有限要素のソフトウェアパッケージと共に、シミュレーションにおいて関連する形状的なファクタを考慮に入れて、装置に生じるひずみを予測することができる。図43は、曲げ荷重が適用された下で、結果として生じる変位フィールドから、変形される装置のモデル予想の例を示す。該シミュレーションから、C filmの値を修正して、誘電体フィルムの面積が変化することを監視できる。これら寸法の変化に基づき、上述の等式を用いて、らせんコイル(Ls ) のインダクタンスを計算することができる。
【0067】
ハードウェアに取り付けられたセンサは、機械的かつ電磁気的なコンポーネントを含む実験的なセットアップを用いてテストすることができる。機械的な装置が図44に示されるような制御された方法でテンション荷重の適用を可能にする。そのような適用は、異なる装置形状に適用される荷重に応答する共振周波数シフトを調査する一連の物理的実験を実行するのに備えるものである。実験的な特徴は、運動的に拘束されたシリコン基板の下に位置された超微細調整ねじでもって点荷重の適用からなり、制御可能な方法で荷重を制御しそして修正する。荷重の適用前及び後で、マイクロ波プローブと共にスペクトルアナライザを用いて、S21 パラメータが測定される。S21 パラメータは、RF信号の効率の測定であり、そして入射パワー(入力)当りの伝達波の出力密度(本質的には出力)として計算される。
【0068】
キャストポリアミドスティックを試験用に用いることができ、センサが硬質のエポキシ樹脂を用いてその上に固定される。2つの孔を有する埋め込み可能なスティックは、固定ねじを用いることによってセットアップにおいて固定される。荷重は、該固定されたスティックを引っ張るセットアップのピストンを用いて適用される。適用された荷重はやはり図44に示されるように荷重計により追跡される。この装置を用いることによって、300 kgf まで荷重を適用することができる。より高い荷重を適用できる他の試験装置を用いることができる。
【0069】
RFの特徴付けに関し、図44のアンテナは特徴付けにおけるノイズを低減するように同じアースを備えた同軸プローブで製作されている。室内の振動により生じる雑多なノイズを無視できるレベルまで低減できるバルンを用いることができる。図44のセットアップにおいて、これらプローブの長さは2.5 cmに設定することができる。センサは操作する波長に比較してサイズが非常に小さいので、伝導スペクトルを測定するセンサと同等のサイズを備える規格のアンテナを用いることはかなり困難である。図44のセットアップにおいて、これらのプローブはセンサから0.5 cm離れて設置されている。この構成において、最良の信号はプローブがセンサと平行であるときに得られる。種々の配置において、これらの距離のパラメータは、校正プロセス及び特徴付けプロセスを通じて固定される。校正の目的に関し、センサが取り付けられるハードウェアである、スティックの送信は、該スティックにセンサを取り付けない状態で測定される。その後で、該スティクにセンサを取り付けた状態で荷重なしで、次いで機械式装置でもって適用される外部荷重を変化させて、同じ測定が繰り返される。センサがない場合に関して測定された、関連する伝導スペクトルは、適用される荷重の関数として保持される。
【0070】
実験において、異なる形状の2つのセンサ、センサ1及びセンサ2が製造され、特徴付けされた。表2は、これら2つの異なるセンサの形状に関するパラメータの値を示す。L C 及び WC はそれぞれ装置の全体の長さ及び全体の幅を表し; N は旋回数; wは各コイルの幅; s はコイル間の間隔; t film及び tmetal はそれぞれ誘電体フィルムの厚さ及びメタルの厚さを表し; そして理論値L s 及び数値のL s はそれぞれ分析及びシミュレーションモデルからのインダクタンス値を表す。
【0071】
【表2】
【0072】
図45−48は、変形なし(荷重なし)及び異なる適用荷重の下でのセンサ1及び2のセンサレスポンスの違いを示す。図45及び47(共振周波数領域での図45の拡大視を表す)に示されるように、センサ1に関し、共振周波数は、荷重を適用する前に、関連するQ−ファクタ59.98 と共に11.48 GHz であると測定された。1960 Nの適用荷重の下で、共振周波数は240 MHz シフトされた。同じセンサでもって、2940 N及び3920 Nの適用は、それぞれ結果として荷重なしの構成に対し、300 MHz 及び330 MHz の共振周波数シフトが生じた。適用荷重と共に共振周波数シフトの増大に付随して、センサのQ−ファクタも、3920 Nの適用荷重で測定された76.00 のQ−ファクタによって証明 されるように増大した。これらの発見は、図46及び48(共振周波数領域での図46の拡大視を表す)において説明されるようにセンサ2でも同様に証明される。要するに、適用荷重が増大すると、共振周波数は増大する(つまり、図45−48に示されるように右に向けてシフトする)。
【0073】
図49は荷重の関数としての共振周波数を説明する。その荷重は生理学上の荷重を表すのに適切であり得る。図49は、共振周波数シフトが、平均体重の半分よりも小さい、333 N 位の低い荷重で検出可能であること、及びセンサレスポンスが333N-2750Nの力の範囲において極度に線形(r2 = 0.996)であることを明らかに示している。
【0074】
種々の実施例において、生体MEMSセンサとして用いることができる生体親和性のあるレゾネータは、コイル用のメタル層としてゴールドと共に基板としてシリコンを含むことができる。レゾネータの誘電体薄フィルムとして生体親和性のある窒化シリコン(Si3N4) は、マイクロ波周波数レンジにおいて低ロスタンジェント(5 x10-4位の低さ) 及び高誘電率(8 位の高さ)の特徴を有している。低ロスタンジェントはロスを格段に低減すると共に、高誘電率は誘電体フィルムのキャパシタンスを増大する。メタル幅(w) 及びメタルライン(s) 間の間隔の両方の増大は、インダクタ(Qind ) のQ−ファクタを増大するが、また両方とも基板チップ上に占める横の面積を増大する。これら2つのファクタは、最小チップサイズ用の最高Q−ファクタを得るように最適化に向けて設計するように選定される。
【0075】
高Q−ファクタは、オールオンチップ、小型マイクロ波レゾネータを得るためのオンチップチューニングに関し、コイルと基板との間の誘電体薄フィルムのキャパシタンスを用いることによって達成される。外部コンデンサの代わりに高誘電体コンデンサを用いることによって、コイル用のらせん状インダクタ構成が、キャビティレゾネータが用いられるような方法で、利用される。かくして、高Q−ファクタが、キャビティレゾネータの研究と同じように、しかし小さいチップ面積を犠牲にすることなしに、得ることができる。種々実施例において、センサは2つの異なるアプローチ:すなわち、らせん状インダクタ構成及びキャビティレゾネータ設計技術、を効果的に組合せることができる。さらに、ロスを低減しかるQ−ファクタを高めるファクタを考慮し、例えば7 GHzのような選択された共振周波数での最大化に向けて設計されたQ−ファクタを有して、ロスが最小化に向けて設計される。生体親和性のあるレゾネータセンサ用のパラメータは、該センサが7 Ghz 以外の共振周波数を有する種々のコイル構成に関して選択することができる。
【0076】
200 平方ミクロン未満のチップサイズに関しては、図50−51が数的にシミュレートされたパラメータに沿って実験的に測定されたS21 パラメータ(デシベルにおける)を示す。これらの図は、実験的結果と理論的結果との間で非常によく一致していることを示す。特に、実験的な及び理論的な共振周波数(f0)及びレゾネータQ−ファクタの間に一致が存在する。ここで、レゾネータQ−ファクタが出力パワーにおける降下を調べることによる実験的な結果から計算される。図50にS21 の最小点が示され、それはf0に対応する。出力における30 dB よりも大きな強い降下が観察される。実験データからレゾネータQ−ファクタを計算するために、共振周波数よりも高い3 デシベルのS21 パラメータを有するそれらの周波数が用いられる。図51に関し、98.77 の理論上のQ−ファクタとの比較において、Δf が160 MHz であるときに、93.81 のQ−ファクタを産する。両方の共振周波数は15 GHz付近である。理論上の計算と実験データは非常によく一致している。種々実施例において、完全なオンチップレゾネータは、同完全なオンチップレゾネータが遠隔測定検出の実用化に用いられるように、高Q−ファクタ及び出力における強い降下を生じることができる。
【0077】
種々実施例において、レゾネータの測定される共振周波数のシフトの増大に役立つ、レゾネータの吊り下げ構造を用いることができる。チップの製造にシリコン基板が用いられる場合、吊り下げ構造を得るためにエッチングすることができる。基板と誘電体の一部を除去するのにウェットエッチングプロセスを用いることができる。他のエッチングプロセスも実行することができる。基板にエッチングすることによって、基板ロスの減少があります。その結果、シリコン抵抗(Rsi) の増大及びシリコンキャパシタンス(Csi) の減少があります。それゆえに、全体の結果は平行抵抗(Rp ) の増大です。基板ロスファクタに工学的な技術を適用することによって、より高いQ−ファクタを得ることができる。より高いR si及びより低い Csiのために、より低い平行キャパシタンス(Cp ) があり;それゆえより高い自己共振ファクタが、単一の平面装置を有する場合と比べて同じ周波数で得ることができる。かくして、共振周波数はより高くもなる。これらの効果を組み合わせて、より高いQ−ファクタ及びより高い共振周波数の両方がシリコンの除去でもって得られる。
【0078】
基板をエッチングすることにより、より高い共振周波数のシフトもある。これは2つの局面から実験される。基板のエッチングの結果、ひずみの拡大がより高い。エッチングされた基板でもって、ひずみが最初に基板に生じ次いで誘電体及びメタル層に渡るので、より高いひずみがあり、そしてその結果としてより大きなキャパシタンスの変化がある。したがって、より高いf0シフトがある。同じ荷重が単一の変面装置と単一の吊り下げ装置に適用された場合、それらが同じ共振周波数を有すると仮定し、誘電体及びメタル層のより高いひずみの結果として、より高い共振周波数シフト( Δf0) が該単一の吊り下げ装置に存在する。第2に、同じ相対シフト( Δf0/f0 ) を有する2つのチップが存在する場合、より高いf0を有するチップは、より高いΔf0も有する。かくして、エッチングされた基板を有しかつより高いf0を有するチップは、またより高いΔf0を有する。
【0079】
種々実施例において、3つの並んだセンサからなる三重構成を用いることができる。個々のセンサは、ここに論じたあらゆるレゾネータ構造により実現することができる。外側のセンサは、中央のセンサの送信及び受信アンテナとして機能する。表3−6は、共振周波数(表3)、共振周波数シフト(表4)、Q−ファクタ(表5)、及び感度(表6)に関して、4つのチップ、すなわち平面構造及び吊り下げ構造を備えた単一の構成及び三重構成の比較を示す。
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
種々実施例において、同じ全体の寸法を有する長方形と比べて、効果的に全面積を低減する円形を用いることができる。かくして、円形の構造は、より小さいフィルムキャパシタンス及びコイルインダクタンスが達成され、より高いf0をもたらす。また、円形構造には、より低いコイル抵抗、より低いロス、より高い基板抵抗、及びより低い基板キャパシタンスが存在する。これは、より高い基板ロスファクタ及びより高い自己共振ファクタをもたらす。結果として、円形においてより小さい間隔及びより高いf0でもって、より高いQ−ファクタを得ることができる。
【0085】
共振周波数シフトの増加は、2つの観点からアプローチすることができる。第1は、等方性の形状のため、あらゆる方向に等しく影響を及ぼす。しかしながら、長方形の形状において、片側だけに著しく影響する(一時に一側のみに影響を及ぼす)、選択的な、非等方性の変形がある。加えて、円形の場合におけるキャパシタンスの変化は、変形が全体の形状を変化するように作用するので、同じ開始初期キャパシタンスを有する長方形の場合のものよりも高くなることができる。したがって、関連する共振周波数シフトもより大きくなることができる。次に、たとえ等しい周波数シフトレシオ(相対シフト)が存在しても、該周波数シフトは、より高いf0をもつので、円形の形状においてより高くなることができる。これら2つの局面が組合せられると、円形の場合の、よりはるかに高いシフトを得ることができる。長方形及び円形装置ならびにそれらの三重構成、より高い共振周波数及び円形の形状用のより高いQ−ファクタのための、シミュレーティングS21 パラメータは、やはり得られる。このように、より優れた性能は、円形構造により成し遂げることができる。
【0086】
長方形及び円形形状を比較する実験結果が図52−55に示される。図52−55は、単一の長方形、単一の円形、三重長方形、及び三重円形形状用の、作動周波数の関数としてのS21 ( デシベルで) を表す。各図の挿入図から分かるように、共振周波数シフト(右方向に見える)は、長方形よりも両方の構成(単一及び三重)の円形形状が、はるかにより大きくなることができる。各図の挿入図において、荷重なしで共振周波数が最も低く、そして、1960 N and 2940 N の荷重で共振周波数がそれぞれ右方向にシフトしながら、3920 Nの荷重で共振周波数が最も高い。
【0087】
表7に、長方形及び円形の形状に関する共振周波数の変化が表されている。結果として生じる共振周波数の増大は、すべての円形装置形状について、より高い。面積の減少は線形ではなくかつキャパシタンスは共振周波数に線形に比例していないので、結果として生じる周波数の増大は予想されるように非線形である。加えて、周波数シフトは、長方形の場合に比べて円形の場合に、はるかによりので、円形の場合に関して、より高い相対シフト及びより高い感度が表7に観られる。
【0088】
【表7】
【0089】
表7はまた、比較的小さいチップサイズにもかかわらず高いと観察される、Q−ファクタデータを提示している。これらQ−ファクタは、より小さい面積を有する円形の場合において特により高い。Q−ファクタは、荷重の大きさがより低いC filmのために増大されると、増大される。Q−ファクタはまた、長方形の場合に比べて円形の遠隔測定の(三重の)場合に増大する。
【0090】
種々実施例において、ひずみセンサは、機械的変形に対してより感度の高い、メタマテリアルベースのRF-MEMS ひずみセンサによって実現することもできる。分割リングレゾネータを用いて、他のRF構造に比較してユニット面積当り、より低い共振周波数を達成することができ、骨折治癒を含む、やわらかい組織における生体埋め込み型検出を可能にする。5 ×5 SRR 構造において、ワイヤレスセンサは、低い非線形エラーを有する高い感度をもたらす。
【0091】
SRR 形状は、その追加のギャップのために、らせんの場合に比べて、より高い感度にすることができる。これらのギャップは、荷重が適用されたときに変化する、追加のキャパシタンスを生じることができる。したがって、らせんコイル形状よりもSRR の感度を高くすることができる。加えて、電気フィールド密度がギャップにおいて大幅により高くなり、それでこれらのギャップは強い共振を得るために重要である。荷重が適用されるとき、これらのギャップが変化し、そしてそれゆえに共振周波数が変化する。これは、らせんコイル形状に比較してSRRsにおいてより高い感度をもたらす。また、これらギャップの結果として、SRRsは、らせん構造に比較して、より高い降下とより高いQ−ファクタをもたらす。これは、共振周波数の遠隔測定及び監視をより容易にすることが可能である。結果として、SRR センサは、らせんコイルセンサよりも線形を増大することができる。また、これらのギャップのために、生体埋め込みへの応用に役立つ、ユニット面積当り、より低い共振周波数が存在する。したがって、SRR 構造におけるギャップのため、らせんコイル構造に比較して、より高いQ−ファクタ、より高い降下、より高い感度、より良好な線形、及びユニット面積当り、より低い共振周波数を得ることができる。
【0092】
図56−60は、異なる分割リング式レゾネータを説明する。図56は、1つの旋回のSRR を示す。図57は2つの旋回を有するSRR を示す。図58は4つの旋回を有するSRR を示す。図59は入れ子式のSRR 構造を示す。図60は櫛形構造を有するSRR を示す。
【0093】
これらSRR 構造は、遠隔測定の検出における感度を大幅に強化するために、単一のチップ上にコンパクトな入れ子式メタマテリアルベースのひずみセンサを形成するように組合せることができる。この構造は、非入れ子式SRR の構造と比較して、かなり多いギャップを特徴としている。これは、非入れ子式SRR の構造と比較して、結果として生じる入れ子式SRR の作動共振周波数を減少させる。さらに、外部荷重がハードウェアに適用されるとき、入れ子式SRR センサのキャパシタンスは、非入れ子式SRR よりも大きく変化させることができ、結果的に電磁波出力のより大きなシフトを生じる。これは、検出に関して該入れ子式SRR を非入れ子式よりもより高感度にすることを可能にする。
【0094】
図61−63及び図64−66に、異なるセットの相対伝導スペクトル(デシベルで)が、片対数目盛にセンサがない場合に関して、非入れ子式SRR 及び入れ子式SRR についてそれぞれ表されている。図61は、異なるレベルの荷重の下での非入れ子式SRR の相対伝導スペクトルを示し、図62は適用された荷重と共に観察される伝導シフトを拡大ズームしている。荷重なしの下で、作動周波数は約 530 MHzである。荷重の適用により、作動周波数は図61及び62に見られるように低減する。荷重の適用により、キャパシタンスは増大される。図63は、作動周波数vs. 適用荷重を説明する。
【0095】
図64は、異なるレベルの適用荷重に関する入れ子式SRR 構造の伝導スペクトルを示し、その拡大された伝導シフトを図65に示す。ここで、作動周波数は荷重なしの下で非入れ子式SRR よりも大幅に小さい。図66は適用された荷重の関数としての作動周波数の変化をプロットしている。入れ子式SSR (図66)の感度は、非入れ子式SRR (図63)と比較し、該入れ子式SRR に用いられる多様なギャップの結果として、はるかに低減することができる。
【0096】
シリコン、窒化シリコン、及びゴールドを用いるセンサは、ニュージーランド白うさぎを用いた研究の結果、生体親和性があることが証明されている。これら動物に6ヶ月間埋め込んだ後で、組織反応は生じなかった。センサ材料及びAl2O3 のコントロール材料の両方のための埋め込み物を取り囲みかつ覆っている組織は、半定量的な得点法に従い内部及び外部の組織障害の証拠により巨視的に評価された。各埋め込み物はその後、組織を取り囲む無傷の外皮と共に取り外され、そして10%中性緩衝ホルマリン液で24時間固定された。固定の後、各埋め込み物は組織外皮から取り外され、そして組織標本はルーチン的に処理され、パラフィンに包埋され、切断され、そして該センサ及びコントロール材料に対応する細部及び組織の半定量的評価のためにヘマトキシリン及びエオシン(H&E) で着色された。巨視的評価は、観察者の先入観を避けるように処理グループに対して目隠しされた、単一の病理学会認定病理学者によって実行された。
【0097】
回復期の間に、外科手術から結果として生じる合併症もなく、手術後の感染症の証拠もなく、そして6ヶ月の生存期間において死亡もなかった。これらセンサ材料近傍の組織の全体の試験は、試験材料に対する外部または内部の組織障害として現れる、有害な反応の可視的形跡を示さなかった。埋め込まれた材料を取り囲む筋肉組織に、感染症または炎症は観察されなかった。組織学のスライドの試験は、異常なマクロファージまたはリンパ球の細胞活動のないことを確認し、また試験及びコントロール材料の一般毒性スコアはゼロであった。図67及び68は、埋め込まれたMEMSセンサ付近のH&E 着色組織の2X及び4Xのイメージを示す。
【0098】
アンテナとセンサとの間のスペースを満たすやわらかい組織に直面しているセンサがよく示されている。やわらかい組織において、作動周波数は荷重なしの状態で約475 MHz であり、それは何もないスペースの入れ子式SRR よりも低い。これは、やわらかい組織が非常に高い誘電率約500 MHz を有しているためであり、そしてこれが共振周波数を低減させる。入れ子式SRR センサはまた、4 kHz/kgf の高い感度レベルを呈しており、なぜならばそのやわらかい組織が、低い周波数でのその高い誘電率のため、何もないスペースと比較して、より多く電磁波を集中させるからである。その結果、荷重の下での機械的変形は、より作動周波数に強く影響を及ぼし、それはやわらかい組織において良好な感度をもたらす。
【0099】
センサは、荷重なしの状態で約100 MHz 乃至 6 GHzの共振周波数の範囲で設計されそして試験された。生物学的な環境での使用には、低から中のMHz の範囲で作動することが好ましい。その上、生理学的な応用には、荷重なしの状態で50 MHz乃至2 GHz の共振周波数を生じるセンサを製作することがさらに好ましい。固有振動数が例えば6 GHz のように高い場合、センサが埋め込まれていないときセンサからのRF信号は(荷重なし、または荷重が作用しても)検出できるが、RF信号は、この作動周波数でやわらかい組織において消失されるので、(荷重なし、または荷重が作用しても)検出できない。もし作動周波数が低から中のMHz の範囲にあるならば、信号(及び荷重により結果として生じる信号のシフト)が容易に検出される。作動共振周波数を下げることは、やわらかい組織のバックグラウンド吸収を下げると共に、磁気フィールド侵入深さを増大する。やわらかい組織においてセンサから十分な信号を受けるのに要求される磁気フィールド侵入深さに応じて、作動共振周波数の範囲はsub-GHz 、あるいはlow GHz とすることができる。作動共振周波数がさらに下がるに従い、バックグラウンドロスがさらに下がる。しかしこれは、そのような低い周波数で作動できるサイズのセンサのコスト上昇を生じる。この点に関し、要求される作動範囲は100 MHz 以下、好ましくは50 MHzとなる。生理学的荷重範囲は、0-3000N (3000 平均的な人間の体重750 N の約4倍) である。
【0100】
やわらかい組織媒体は、共振周波数が下がるので、検出応用に有利である。種々実施例において、やわらかい組織とセンサのアンテナとの間の大きなスペースが避けられる。もしやわらかい組織とアンテナとの間に何もない十分なスペースがあるならば、アンテナ信号は低減する。
【0101】
バキュームテープのようなフレキシブルな基板の使用は、シリコン基板の使用と比べて、ワイヤレスセンサのより高い感度及び線形をもたらすことができる。テープベースのフレキシブルセンサとシリコンベースのセンサとの間の製造上の相違は、バキュームテープ基板の上に第1のゴールド層の堆積を含む。第1のゴールド層は、共振周波数での吸収を増大し、共振周波数での高い降下がある。しかしながら、シリコン基板でもって、シリコン自身は特別なゴールド層なしで吸収を増大する。第1ゴールド層の堆積はまたテープベースのフレキシブルセンサの第1及び最終ゴールド層間に誘電体を有する平行板を形成する。シリコンベースのセンサに関し、ドープされたシリコン基板を用いることができるので、特別なゴールド層なしで平行板コンデンサを形成することができる。さらに、シリコンベースのセンサに関し、センサをハードウェアに固定するために硬質エポキシ樹脂を用いることができる。テープベースのフレキシブルセンサに関し、テープが自身のエポキシ樹脂または他の固定材を有しているので、特別なエポキシ樹脂は不要である。
【0102】
図69−70は、シリコンベースのセンサの性能を示し、検査されるひずみのすべての場合において10dBを超える伝導降下(transmission dip)を示している。感度が図69に示される。この図において、Δf0は荷重なしの共振周波数に関する共振周波数のシフトとして用いられており、そしてF は適用された荷重として用いられている。図70及び71は非線形エラーを示す。
【0103】
図72は、テープベースフレキシブルセンサのS21 パラメータを示し、検査されるひずみの異なる場合において伝導スペクトラが10dBを越える降下を示している。図73はΔf0対F を示す。そのとき、ハードウェアとして用いられるキャストポリアミドテストスティックのヤング率を用いて、マイクロひずみ が判定されそして図74にΔf0としてプロットされる。図75に示されるように80 マイクロひずみよりも小さい非線形エラーがあり、そして図76に見ることができるように、3%よりも小さい非線形エラーがある。全体として、テープベースフレキシブルセンサにおいては、シリコンベースセンサと比較して、より高い感度及びより良好な線形を得ることができる。
【0104】
種々実施例において、誘電的に電力を供給されるワイヤレスセンサは、人体に埋め込まれたハードウェアのひずみを監視するのに用いることができる。1 cm2 よりも小さい横方向の面積を有する、誘電的に電力を供給されるワイヤレスセンサは、約500 MHz の共振周波数で作動することができる。そのようなセンサは、やわらかい組織に直面して4 kHz/kgf までの感度を有することができる。種々実施例において、誘電的に電力を供給されるワイヤレスセンサは、このセンサを優れたバイオMEMs装置とする、生体親和性のある材料で構成される。
【0105】
図77は、システム7700の実施例の種々特徴のブロックダイアグラムを示す。システム7700は、人のような生物学的対象に埋め込まれる誘電的に電力を供給されるセンサのプロービングを制御するように構成することができる。この制御されたプロービングは、ハードウェアが同ハードウェアに取り付けられたセンサを有する場合、対象に埋め込まれたハードウェアのひずみの変化を監視するのに用いることができる。人の踵の骨折のように、治癒プロセスの補助のための埋め込まれたプレートは、ハードウェアにおけるひずみの後の変化と共に、より少ないストレスを受ける。ハードウェアのひずみの変化により、センサのキャパシタンス構造の変化があり、センサの1つのレゾネータまたは複数のレゾネータの共振周波数のシフトによって示される。システム7700は、時間経過によるセンサの励磁を調整するために、共振周波数データの収集を管理するために、適切なパラメータ、校正データ、及び収集データを含む関連データを蓄積するために、ならびにハードウェアにより支持された荷重及び骨折した踵の骨により支持された荷重の変化に関して収集された共振周波数データを分析するために用いることができる。システム7700は図19の監視システムを含むことができる。
【0106】
システム7700は、コントローラ7705、バス7715、メモリ7725、装置7735、及び端末装置7745を備えることができる。システム7700は、例えばシステム7700の個々のコンポーネントを一緒に連結したり、あるいは従来技術を用いている1つまたは多数のユニットと一体にしたり、種々の方法で形成することができる。バス7715は、システム7700の種々コンポーネント間に誘電体を設けることができる。実施例において、バス7715は、アドレスバス、データバス、及びコントロールバスを備え、それぞれ個々に構成されている。変形例において、バス7715は、1つ以上のアドレス、データ、またはコントローラを備える共通の導電ラインを有しており、その使用はコントローラ7705により調整される。
【0107】
装置7735は、対象に埋め込まれたハードウェア上のセンサに対して電磁気的な励振を発生するプローブを備えることができる。励振はセンサに電源投入する。装置7735はまた、該励振に応答してセンサからの電磁信号を受信する受信機を備えることができる。装置7735は、センサから受信した信号の共振周波数を判定する電気回路を備えることができる。センサは、ここに説明した種々実施例に従って実現することができる。
【0108】
メモリ7725は、データを記憶しかつ受け取るための、そしてシステム7700のオペレーションの指令を記憶しかつ受け取るためのあらゆる形式のメモリを備えることができる。メモリ7725は、磁気メモリ、取り外し可能なメモリ、及びあらゆるすべての形式の半導体ベースメモリを、これらに限定されることなく、備えることができる。メモリ7725は、指令を記憶する機械可読媒体として設計することができ、システム7700により実行されるときに、対象の骨折の治癒の監視及び分析を管理するオペレーションをシステム7700に実行させる。指令はコントローラ7705により処理される。実施例において、コントローラ7705はプロセッサを備えている。
【0109】
種々実施例において、端末装置または装置7745がバス7715に接続されている。端末装置7745は、キーボード、ディスプレイ、撮像装置、印刷装置、ワイヤレス装置、ワイヤレスインタフェイス(例えばワイヤレストランシーバ)、追加のストレージメモリ、及びコントローラ7705またはシステム7700の他のコンポーネントと一緒に操作するコントロール装置を備えることができる。
【0110】
バス7715は、Ethernet(登録商標)、USB 、またはFireWireBus のようなコミュニケーションインタフェイスを備え、または同コミュニケーションインタフェイス 7715 に接続することができ、それは、電子ネットワーク、インターネットのようなパブリックネットワーク、または会社のローカルエリアネットワーク(LAN )あるいはワイドエリアネットワーク(WAN )のようなプライベートネットワーク、またはバーチャルプライベートネットワークとコミュニケートするのに用いることができる。他のコンピュータシステムも、センサから得られた結果を、遠隔監視、観察、及び分析をも可能にするように、このシステムにリンクすることが可能である。ワイヤレスコミュニケーションシステムも用いることができる。
【0111】
さらにまた、ここに開示されたシステム及びネットワークが、当技術分野の熟練者により、ここにさらに説明されたその方法、システム及びソフトウェアを実行すると共に、本発明を実行するのに必要なコンピュータデータ及び電子信号を提供するようにプログラムを組まれかつ構成されることが認められるべきである。
【0112】
具体的な実施例が埋め込み可能なハードウェアに関連する典型的な実施例を参照してここに例証しかつ説明したが、前述した実施例及び技術を、例えば構造物におけるストレスの検出のような他の監視または診断の目的に用いることができることは、当技術における通常の技術者により理解されるであろう。本発明の範囲及び趣旨の中の開示から当技術における通常の技術者により達成可能な変更や均等のものは、本発明のさらなる実施例として含まれるべきものである。上述の説明は、例証することを意図し、制限的ではないこと、及びここに言葉使いまたは専門用語は説明の目的で用いられていることを理解するべきである。したがい、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲に述べられたように定義されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本出願は、センサ及びその使用法、より詳しくは埋め込み可能なセンサに全般的に関連する。
【背景技術】
【0002】
整形外科に関する四肢の負傷は、米国及び世界中の地域社会に対して大きな医学的及び財政的な負担を引き起こす。米国では年約8百万の骨折が報告されており、そしてこれら骨折の約10%が適切に治癒されていない。血管に対する重大な障害を伴う負傷に関して、変形の骨治癒の割合は約50%である。ほとんどの共通する問題は骨癒合不能である。これら骨癒合不能は、修正するための直接コストと共に休業による生産性の低下のような関連コストの両方のために、大変費用がかかる。これらの費用は、もし早期の治癒の範囲で関連する問題が避けられ、もしくは取り組まれるならば、少なくとも50%は低減することができる。
【0003】
癒合不能に関する最も共通する治療は追加の手術である。これら外科手術の臨床的な成果は、骨折部位での繊維組織の蓄積の時間的経過のために最初の手術と2番目の手術との間の時間にネガティブに相関する。したがって、骨折部位の治療と療法の絶対に重要な早期の段階において骨治癒の過程(正常に対する異常)を判断するきわめて重要な臨床的な必要性が存在する。骨の“生物学的”治療、骨モルフォゲンたんぱく質(BMPs)またはBMPsの骨誘導(osteoinductive activities )を増強する他の成長因子の注入を活用する現在の方策は、早期の治癒の段階で骨の癒合不能を、大きくない切開により治療するために提案されている。しかしながら、補助の生物学的治療が必要であるか診断する能力は、現在利用できるものがない。
【0004】
骨の治癒の順序が損なわれる状態になる正確なメカニズムは十分に理解されていないが、これら癒合不能または偽関節(繊維癒合)の多くは、安定した、直接骨橋(結合組織性骨化)治癒経路により実施されない骨折状態が存在するときに、結果として生ずる。現在のところ、臨床医は通常レントゲン写真により視覚的に治癒を監視し、そして骨折部を手で曲げることによって機械的な癒合状態を検査することもある。残念ながら、異常骨折治癒の過程は、骨折部位の標準的なレントゲン写真情報が少量のミネラル化された組織のために識別することができない早期の期間において容易には診断されない。骨折治癒の手による評価は、治癒の早期の段階において診断ツールとしてやはり不適切である。したがって、問題のある骨折に対する整形外科の手法及び治療について重大な衝撃を与えるであろう、手術後の最初の6週以内の治癒の過程に関する診断情報を提供する新しい技術の必要性がある。本発明はこの必要性に向けられている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の実施例は、例として以下のような図を用いて説明され、そして添付図面の図に限定されるものではない:
【図1】対象に埋め込まれたハードウェア装置における変化を監視する方法の実施例の特徴を説明する。
【図2】対象に埋め込まれたハードウェア装置における変化を監視する方法の実施例の特徴を説明する。
【図3】生物学的対象に埋め込まれたハードウェア装置に脱着可能なワイヤレスセンサの実施例の特徴を説明する。
【図4】レゾネータ用の誘電体上のコイルの実施例を示す。
【図5】レゾネータ用のらせんコイルの実施例を示す。
【図6】分割リングレゾネータ構造の実施例を示す。
【図7】分割リングレゾネータのアレイを有するチップの実施例を示す。
【図8】入れ子式の分割リングレゾネータ構造の実施例を示す。
【図9】円形状らせんコイルレゾネータの実施例を示す。
【図10】レゾネータが吊り下げられている構造の実施例を示す。
【図11】単体の吊り下げレゾネータ装置の走査型電子顕微鏡視を示す。
【図12】三重構成の実施例を示す。
【図13】円形状らせんコイルを含む三重構成を有する構造の実施例を示す。
【図14】吊り下げコイルレゾネータを含む三重構成を有する構造の実施例を示す。
【図15】チップ上のレゾネータのアレイを示す。
【図16】チップ上のレゾネータのアレイを示す。
【図17】チップ上のレゾネータのアレイを示す。
【図18】生物学的対象内に埋め込み可能な装置の実施例を示す。
【図19】ハードウェアのひずみにおける変化を判定する監視システムの実施例を説明する。
【図20】誘電的に電力が供給されるセンサの実施例を示す。
【図21】図20のセンサの側面視を示し、物理的モデルの集中素子内部表現を含む。
【図22】図20のセンサのレゾネータの等価回路を示す。
【図23】センサ装置を製造するのに用いることができる製作プロセスフローの実施例を示す。
【図24】センサ装置を製造するのに用いることができる製作プロセスフローの実施例を示す。
【図25】センサ装置を製造するのに用いることができる製作プロセスフローの実施例を示す。
【図26】センサ装置を製造するのに用いることができる製作プロセスフローの実施例を示す。
【図27】センサ装置を製造するのに用いることができる製作プロセスフローの実施例を示す。
【図28】テープベースのフレキシブルセンサを製作する実施例を示す。
【図29】テープベースのフレキシブルセンサを製作する実施例を示す。
【図30】テープベースのフレキシブルセンサを製作する実施例を示す。
【図31】テープベースのフレキシブルセンサを製作する実施例を示す。
【図32】フレキシブルテープ基板上の最終製作構造を示す。
【図33】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図34】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図35】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図36】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図37】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図38】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図39】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図40】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図41】吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。
【図42】吊り下げレゾネータのシミュレーションを示す。
【図43】曲げ荷重の適用下での変形されるセンサ装置のひな形予想の例を示す。
【図44】制御された方法における引張り荷重の適用の例を示す。
【図45】変形なし(荷重なし)の及び異なる荷重の適用された下での2つのセンサ応答の間の相違を示す。
【図46】変形なし(荷重なし)の及び異なる荷重の適用された下での2つのセンサ応答の間の相違を示す。
【図47】変形なし(荷重なし)の及び異なる荷重の適用された下での2つのセンサ応答の間の相違を示す。
【図48】変形なし(荷重なし)の及び異なる荷重の適用された下での2つのセンサ応答の間の相違を示す。
【図49】荷重の関数としての共振振動数を示す。
【図50】200平方ミクロン未満のチップサイズ用に計算上シミュレートされたパラメータと共に、実験的に測定されたS21 パラメータ(デシベルにおける)を示す。
【図51】200平方ミクロン未満のチップサイズ用に計算上シミュレートされたパラメータと共に、実験的に測定されたS21 パラメータ(デシベルにおける)を示す。
【図52】長方形及び円形の形状を比較する実験結果を示す。
【図53】長方形及び円形の形状を比較する実験結果を示す。
【図54】長方形及び円形の形状を比較する実験結果を示す。
【図55】長方形及び円形の形状を比較する実験結果を示す。
【図56】分割リングレゾネータを説明する。
【図57】分割リングレゾネータを説明する。
【図58】分割リングレゾネータを説明する。
【図59】分割リングレゾネータを説明する。
【図60】分割リングレゾネータを説明する。
【図61】非入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図62】非入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図63】非入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図64】入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図65】入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図66】入れ子式の分割リングレゾネータ用の相対透過スペクトラ(デシベルにおける)を示す。
【図67】埋め込まれたMEMSセンサに面するH&E 着色された組織の2倍イメージを示す。
【図68】埋め込まれたMEMSセンサに面するH&E 着色された組織の4倍イメージを示す。
【図69】シリコンベースのセンサの性能を示す。
【図70】図69に対応するシリコンベースのセンサ用の非線形エラーを示す。
【図71】図69に対応するシリコンベースのセンサ用の非線形エラーを示す。
【図72】テープベースのフレキシブルセンサの性能を示す。
【図73】テープベースのフレキシブルセンサの性能を示す。
【図74】テープベースのフレキシブルセンサの性能を示す。
【図75】テープベースのフレキシブルセンサの性能を示す。
【図76】テープベースのフレキシブルセンサの性能を示す。
【図77】システムの種々特徴の実施例の組立分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、本発明の種々実施例を実例として示す添付図面を引用している。これら実施例は、当業者がこれら及び他の実施例を実施できるように十分に詳細に説明されている。他の実施例を利用することができ、そして構造的な、論理的な、及び電気的な変更はこれら実施例に対してなすことができる。種々実施例は、必ずしも互いに排他的ものではなく、いくつかの実施例は1またはそれ以上の他の実施例と組合わされて新しい実施例を形成することができる。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意図において理解されるべきでない。
【0007】
種々実施例において、ワイヤレスセンサは、人及び動物を含む生物学的対象に埋め込まれたハードウェア装置のひずみを測定するように構成されている。ハードウェアのひずみの時間的測定は、センサの共振周波数の変化の監視を含む測定値を用いて行うことができる。センサは、同センサのコンポーネントが生体親和性である場合、オールオンチップレゾネータとして作動する、誘電的に電力を供給される装置として実現することができる。そのようなセンサは、種々の電子装置、機械、及びシステムと共に運転することができる。
【0008】
臨床実務においてかつ動物モデルによって、治癒は骨折復元力の度合い及び早期における埋め込み負荷に決定的に関連するということが知られている。有線式のひずみ計を用いた動物の研究は、治癒カルスと骨が、骨折治癒が進むにつれて、埋め込まれたハードウェアの負担が減り、負荷の割合の増大を呈することを明らかに示している。治癒の過程が異常ならば、この負荷の負担の漸進的な移転が変えられるかまたは存在しないことになる、つまり、治癒組織は、そのように負担する構造的または材料的な容量を有していないので、負荷の通常の割合を呈することができない。種々の実施例において、生体親和性のある、埋め込み可能なセンサが、埋め込みのひずみと治癒経路の関数としての骨の治癒との関係に影響を与える。
【0009】
これまで、骨埋め込みの負荷共有現象を利用することを求める多くのテクノロジーは、寸法において大き過ぎるものが検討されてきているが、関連する電力供給源の埋め込みを伴う。以前の研究は、腰部、背骨、及び肩における力の判定に成功している。しかしながら、比較的大きなサイズのセンサ及び関連するハードウェア(信号調整、変調、など)のために、以前の多くの遠隔測定システムは、関節交換コンポーネントまたは大きな内部固定筋の内側に埋め込まれていた。その結果は、これらの装置が骨埋め込み負荷の識別に有用となるデータを産出したが、しかしその装置は、大スケールの埋め込みには診断および/または予後のツールとして適切なものとなることができなかった。また、設計及び関連する相互接続性の複雑さのために、これらシステムの製造は、主としてカスタムベースでなされる。その結果として生じる費用は、それらの大規模な製造を正当化することはできない。
【0010】
種々実施例において、無線周波数(RF)ひずみセンサのデザインは、生物学的対象への埋め込み用のマイクロ電子メカニカルシステム(MEMS)を用いる特徴を備えている。センサは生物学的対象に埋め込み用の埋め込み可能なハードウェアに取り付けることができる。センサは、埋め込み可能な電力供給源なしに、誘電的に電力供給されるように構成することができる。センサは、埋め込まれたハードウェア上の表面曲げひずみを同センサが監視するように、該埋め込まれたハードウェア上に配置することができる。センサは、生体内の生物学的データを感知し伝達するために内部−外部の物理的接続が用いられないような、ワイヤレスセンサとして設計することができる。さらに、その装置の小型化は、そうでなければ不可能であろう応用例においてその使用を可能にする。そのようなバイオ−MEM センサは、電源供給源を組み込むことのない誘電的電源を用いる、電源を受動的に供給する装置として、そして現在の従来型の装置及び関連方法に関連する多くの問題点を軽減するような物理的サイズを有する装置として設計することができる。加えて、そのようなバイオ−MEM センサの構造は、現在の従来装置の製造よりも、きわめて大きなコスト効果を得られる製造規模での製造を可能にする。
【0011】
種々の実施例において、センサは、ハードウェア装置、すなわち骨折固定プレート後部脊髄茎スクリュー固定システム、脊髄椎体間固定装置、椎体置換装置、髄内ロッド/ネイル、同種異系移植骨折固定または椎体スペーサ、脊髄の運動維持システム(例えば椎間ディスク置換及び運動安定システム)、並びに頭蓋顔面の固定及び伸延骨形成ハードウェアシステムのような、整形外科または神経外科の装置の表面に取り付けられたワイヤレスひずみ計として本質的に作動し、それは患者に埋め込み可能である。この構成及び作用は、患者の血管システムに用いられる多くの他のワイヤレスセンサと対照的である。バイオMEMSは、該バイオMEMSの一体型回路のひずみが結果としてその共振周波数の変化が生じるように設計される。この周波数の変化を検出すると共に設定ひずみ−周波数の校正を実行することによって、ハードウェアのひずみの時間的変化は長期的に監視することができる。検出システムのコンポーネントは、電磁気フィールドを適用するインダクタまたは他の手段、埋め込み可能なセンサ、受信アンテナを含むことができる。埋め込み可能なセンサは、検出システムの“レゾネータ”として参照することができる。受信アンテナは、受信アンテナ/周波数分布アナライザ装置として実現することができる。インダクタは、センサに電流を誘導する交番外部磁気フィールドを産出する。センサは、センサが形成する回路の現在の構成に特有の形で関連する共振周波数を有している。センサの共振周波数はセンサが変形するに従って変化する。センサで発生される信号は、適用された電磁気フィールドに応答して、取り付けられた周波数分布分析のアンテナでセンサから受信することができ、またセンサによって形成された回路の共振周波数を判定するのに用いることができる。
【0012】
図1は対象に埋め込まれたハードウェアにおける変化を監視する方法の実施例の特徴を説明する。110で、ハードウェア上に配置されたセンサの共振周波数のシフトが判定される。センサは、生体親和性を有し、誘電的に電源が供給される装置として設計されている。センサの共振周波数は、交番磁気または電磁気フィールドにセンサをさらすことによって起こすことができる。120で、ハードウェアのひずみの時間的変化が判定されたシフトに基づいて判定される。時間的変化は、センサを交番磁気または電磁気フィールドにさらしたことに応答してセンサから信号が発生される場合に、同センサからの信号を分析することによって判定することができる。種々の実施例において、ハードウェアのひずみにおける時間的変化の判定に関して共振周波数の絶対値を用いることなく、共振周波数におけるシフトが用いられる。ハードウェアのひずみにおける時間的変化に基づいて、対象における変化を判定することができる。
【0013】
図2は、生物学的対象のような対象に埋め込まれたハードウェアにおける変化を監視する方法の実施例の特徴を説明する。210で、センサの共振周波数は、同センサが対象に埋め込まれたハードウェア上に配置された場合、判定される。センサは、電源に関して同センサが一体化された電源装置なしで非接触装置として駆動するような、電磁気フィールドによって誘電的に電源を供給することができる。センサは、対象に埋め込み可能なハードウェア装置に取り付けることができる。
【0014】
220で、センサの共振周波数のシフトは、異なる時期に適用される電磁気フィールドに応答して同センサからワイヤレス信号が発生される場合、同センサからのワイヤレス信号に基づいて判定される。これら電磁気フィールドは、埋め込まれたハードウェア装置上のひずみを判定する方法として構成されたセンサの読み出しのためのプローブとして作動する。種々実施例において、共振周波数におけるシフトは、センサに電力を供給するために用いられる付勢信号を考慮することなしに、センサからの信号から判定することができる。
【0015】
230で、ハードウェアの時間的変化が、共振周波数のシフトに基づいて判定される。ハードウェア装置のひずみにおける時間的変化は、同ハードウェアのひずみ−周波数校正を実行することによって判定することができる。ハードウェアのひずみにおける時間的変化は、同ハードウェア装置の表面ひずみを監視することから判定することができる。生物学的対象における変化は、ハードウェア装置のひずみにおける時間的変化に基づいて判定することができる。人に埋め込まれた骨折固定プレートに関して、これらの変化は、人の骨折した骨の治癒についての診断及び予後に用いられるように監視することができる。脊髄固定装置に関して、これらの変化は、癒合の進行の過程を判定するのに用いることができる。
【0016】
図3は、生物学的対象に埋め込み用のハードウェア303に取り付け可能なワイヤレスセンサ305の実施例の特徴を説明する。センサ305は、基板307、同基板307上に配置された誘電体320、及び同同誘電体320上に配置された導電コイル310を備え、導電体320及び導電コイル310がレゾネータとして配置されている。基板307はまたレゾネータの一部として構成することもできる。基板307、誘電体320、及び導電コイル310は、生物学的対象に埋め込み用のハードウェア303に取り付け可能な、生体親和性のある、誘電的に電源が供給される装置として構成される。やわらかい組織に挿入されたセンサ305の応答は、広範囲な力について適用される力に関して線形であることができる。
【0017】
誘電体320は、生体親和性のある電気絶縁材を含む固体材料とすることができる。誘電体320は、これに限定されないが、窒化シリコンを含むことができる。導電コイル310は生体親和性のある導電材を含む。導電コイル310は、これに限定されないが、ゴールドを含むことができる。導電コイル310は、誘電体320がコンデンサの一部を形成する場合、レゾネータを形成するインダクタ及びコンデンサの一部として設計することができる。基板307は、他の極板を形成する導電コイル310と共に、並びに導電コイル310及び基板307の間で接する誘電体320と共に、コンデンサの有効極板として作用することができる。その代わりに、1またはそれ以上の導電体をコンデンサの一部として用いることができる。例えば、導電層を基板307と誘電体320との間に配置することができる。導電層をコイル310と誘電体320の間に配置することができる。
【0018】
種々の実施例において、センサのレゾネータ機能は、インダクタンスを付与する図3の導電コイル310、及び誘電体320により定められるオンチップコンデンサのようなコイルによって行われる。この構成は、有効装置エリアを好ましくなく増大させ、かつ回路または装置の損失エネルギーに対する貯蔵エネルギーの比であるレゾネータの“Q−ファクタ”を減少させる外部コンデンサの使用というよりも、むしろ誘電体フィルムによるセンサのチューニングを考慮している。センサ305に関し、導電コイル及び誘電体の構造的なアレンジメントは、材料の選択と共に、最小回路スペーシングを伴う最大クォリティファクタのために設計するのに用いることができる。実施例は、Q−ファクタ配慮に基づきオールオンチップレゾネータとして履行される導体コイルのためのらせん形状を含んでいる。例えば、らせん形状のチップは、約7 GHz の共振周波数で作動する約50のQ−ファクタを備えた約500平方ミクロンのチップサイズでもって形成することができる。約50のQ−ファクタは、ハードウェアに取り付けられ本質的にひずみ計として機能するワイヤレスセンサとして、センサ305の作動を高めることができる、高Q−ファクタとして構成することができる。コイル用のらせん−コイルインダクタに基づく構造は、Q−ファクタを増加させるが、オンチップ上のコイル用の低減された面積を実現するのに用いることができる。
【0019】
種々実施例において、オンチップレゾネータは該チップ上に凹部を設けることなく実現することができる。そのようなセンサにおいて、自己同調式のらせんコイルベースの構造は、より高い運転周波数で改良された設計パラメータを用いて該チップ上に凹部を設けることなく使用される。例えば、シリコン上にオンチップレゾネータを使用して、200平方ミクロン未満のチップサイズに関してQ−ファクタを90よりも大きく上昇させることができる。かくして、外部同調コンデンサ及び/またはチップにおける凹部を用いる従来のレゾネータと比べて、格段に小さいサイズの高Qレゾネータを実現することができる。Q−ファクタのより増大は、センサの下のシリコンを除去する(エッチングする)ことによって得られる吊り下げ構造により達成することができる。2つのセンサが比較されるとき、レゾネータの特徴のすべてが同じ寸法であり、しかし一方の基板はエッチングされ(吊り下げ構造)、他方はそうでない(平面構造)場合、該吊り下げ装置は、該平面装置よりもQ−ファクタが10%の上昇を示す。
【0020】
ひずみセンサは、十分に大きな共振周波数シフトを産出するように構成されており、それによりひずみの小さな変化がセンサにより検出できる。そのような共振周波数シフトは、長方形のデザインに比べてより小さな空間でもってより高いQ−ファクタを可能にする等方性の円形状ひずみセンサでもって達成することができる。該円形状の構造は、その等方性の形状のために、相当に高い共振周波数シフト、例えば330メガヘルツに対し500メガヘルツを可能にする。この構造は、生体−埋め込みひずみセンサとして用いるこれらレゾネータの性能において、結果としてきわめて大きな改良になることができる。
【0021】
種々実施例において、ワイヤレス誘電式で電力を供給されるひずみセンサは、有効なメタマテリアル特性を呈する構造を用いることで実現することができる。メタマテリアルは、相互作用する電磁放射線の波長よりも小さい構造的特徴を有することによって、電磁波に影響を及ぼす。センサ用のメタマテリアルとして分割リングレゾネータ(SRR)構造を用いることによって、該センサは、正確なワイヤレスセンサとしての適切な特性である、高Q−ファクタ、共振時の高い透過吸収、高い共振周波数シフト、高い感度、及び大変良好な線形性を得ることができる。さらにセンサは、よりシャープな降下(dip)を備えた相当に低い共振周波数(50 Mhz乃至 1 GHz)を達成することができ、それは生物学的対象に関連する可能性がある、やわらかい組織の減衰の問題を伴う検出方法に有用である。ワイヤレスセンサから読み出された、遠隔測定で得られたひずみは、電気的接触の活用において用いられる商業的に入手可能な有線式ひずみセンサを用いて得られたものと同等であることがわかった。
【0022】
ワイヤレスセンサ装置の導電コイル用に種々の構造を用いることができる。実施例において、センサの作動周波数を下げるために、複合型分割リングレゾネータがコンパクトな入れ子式構造に組み込まれている。この入れ子式SRR センサは、感度の点において非入れ子式SRR センサよりも性能が優れている。この感度の向上は、非入れ子式SRR と比べて入れ子式SRR においてより多くのギャップの発生のために生じることができるものである。
【0023】
種々実施例において、センサの基板はフレキシブルな基板であることが可能である。フレキシブルば基板の例は真空テープである。フレキシブルな基板の使用は、シリコン基板の使用と比較して、ワイヤレスセンサをより感度よくかつ線形性にすることができる。テープベースのフレキシブルなメタマテリアルセンサは、同じ形状のシリコンベースのセンサとの比較において、相当に低減された非線形性エラーでもって格段に改良された感度レベルを呈することができる。
【0024】
センサに誘電的に接続されるコイルは、種々実施例にしたがって構成することができる。図4は、誘電体420上のコイル410の実施例を示す。コイル410及び誘電体420は、センサが人または動物の埋め込み用に用いられる場合、生体親和性のある材料で構成することができる。そのような生体親和性のある材料は、これに限定されることなく、ゴールド及び窒化シリコンを含む。実験において、図4のコイル構造を有するバイオMEMSセンサは、リアルタイムに該埋め込み可能なプレート上のひずみを監視するように、硬質エポキシ樹脂を用いて埋め込み可能なプレートに取り付けられる。固定された装置は、埋め込み可能なプレート上のひずみを測定するひずみセンサとして作動する。センサは、圧縮セットアップにおいて、該セットアップにより適用される100-300kgf の荷重範囲において最小115 kgf 及び最大276 kgf の特徴付けをされた。外部荷重が115 kgf から276 kgfに増加すると、共振は、より大きな周波数へシフトすることが観察された。特徴付けにおいて、ヤング率3.14 GPaのキャストポリアミドが埋め込み可能なプレートとして用いられた。図4のコイルを使用したバイオMEMSとして0.306 MHz/kgf の感度レベルが得られた。
【0025】
図5は、らせんコイル510の実施例を示す。らせんコイル510は、少なくとも2回旋回する連続コイルである長方形らせんコイルとして設計することができる。正方形は、オンチップレゾネータとして195 x 195 ミクロンの外寸を有することができる。シリコン上のそのようなオンチップレゾネータは、93.81 のQ−ファクタで約15 GHzで運転することができる。他の寸法を用いることができる。例えば、540 x 540 の寸法の正方形は、148 MHz の3-dB帯域幅( Δf)及び47.10 のQ−ファクタをもつ6.97ギガヘルツの共振周波数を有することができる。520 x 520 の寸法の正方形は、178 MHz の3-dB帯域幅( Δf)及び38.48 のQ−ファクタをもつ7.12ギガヘルツの共振周波数を有することができる。
【0026】
図6は、分割リングレゾネータ構造610 の実施例を示す。分割リングレゾネータ構造610 は、正方形の内側に正方形を包含している。外側の正方形における一側のギャップ及び内側の正方形における他側のギャップが存在する。
【0027】
図7は、分割レゾネータ712-1 ...712-N のアレイ710 を有するチップの実施例を示す。各分割レゾネータ712-1 ...712-N は、正方形の内側に正方形を包含することができる。各分割レゾネータ712-1 ...712-N は、各辺が長さ2. 22 mmの外側正方形及び各辺が長さ1.5 mmの内側正方形を有することができる。アレイ710 は、図7に示されるようにこれらの正方形の5 X 5 アレイから構成することができる。5 X 5 アレイSRR 構造は、200 マイクロひずみ 未満の低非線形エラーと共に109 kHz/kgf (5.148 kHz/マイクロひずみ) の感度をもたらすことができる。アレイ710 は、N が5以外の整数である場合にN X N として実現することができる。
【0028】
図8は入れ子式SRR 構造810の実施例を示す。入れ子式SRR 構造810は多くの分割リングレゾネータを備えている。この実施例において、各SRR は同じ幅を有することができそして共通のベースを共有することができるが、しかしそれぞれの高さは異なることができる。また、各SRR のベースの反対側は、そこにギャップを有することができる。入れ子式SRR 構造810は、ベースの長方形が1.8 mmの高さがあり得る場合、1つのレゾネータから隣のレゾネータで0.8 mmの高さの違いを有することができる。入れ子式SRR 構造810は他の寸法を有して実現することができる。図8において、入れ子式SRR 構造810は20回の旋回を有することができる。入れ子式SRR 構造810は20回以外の旋回を有することもできる。
【0029】
図9は円形状らせんコイルレゾネータ910の実施例を示す。円形状らせんコイルレゾネータ910は、少なくとも2回旋回して形成される連続コイルとすることができる。それは2回の旋回以外の旋回数でもって構成することもできる。円形状らせんコイルレゾネータ910は、340 ミクロンの外形を有することができる。それは340 ミクロン以外の長さを有することもできる。
【0030】
図10は、レゾネータ1010が吊り下げられる構造の実施例を示す。吊り下げ構造は、レゾネータ1010の共振周波数シフトの上昇を助けることができる。シリコンのような、チップを製作するのに用いられる硬質の生体親和性のある基板でもって、基板がエッチングを施されて該吊り下げ構造を得ることができる。単一の吊り下げ装置は、単一の平面装置(平らな装置)の基板をエッチングすることにより得ることができる。単一の平面装置及び単一の吊り下げ装置の両方に荷重を適用したときに、該単一の吊り下げ装置は、単一の平面装置よりも、より高い共振周波数シフト及びQ−ファクタをもたらすことができる。図11は単体の吊り下げ装置の走査型電子顕微鏡(SEM )視を示す。
【0031】
表1は、同じコイル形状を用いた図10に示されるような吊り下げ(エッチングされた)構造で製作されたセンサと、図5の平面(エッチングされていない)センサに関する予備データを示す。1960 N, 2940 N, 及び 3920 N の荷重での予備データは、吊り下げ構造を用いる共振周波数シフトは、エッチングが施されていない(平面)センサと比較して、それぞれ59%, 71%, and 45% 増加する。さらに、単一クォリティファクタは、吊り下げ構造を使用することによってほぼ9%上昇される。
【0032】
【表1】
【0033】
図12は三重構成を有するセンサ構造の実施例を示す。三重構成は、横並びに配置された3つのセンサのように、3つの長方形コイルを配置することができる。外側のセンサは、中央のセンサ1210の送信アンテナ1214及び受信アンテナ1216として作動する。三重構成の個々のコイルは、ここに取り上げたコイルのいずれかと類似してまたはまったく同じに構成することができる。
【0034】
図13は円形状らせんコイルを含む三重構成を有する構造の別の実施例を示す。該構造は、3つの円形状らせんコイル1310、1314及び1316を備えている。円形状らせんコイル1314及び1316は、中央のセンサ1310の送信機及び受信機として作動することができる。その代わりに、円形状らせんコイル1310、1314及び1316は、センサレゾネータとしてそれぞれ作動する。
【0035】
図14は三重構成を有する構造の別の実施例を示す。該構造は、3つの吊り下げ長方形コイル1410、1414及び1416を備えている。らせんコイル1414及び1416は、中央のらせんセンサ1410の送信機及び受信機として作動することができる。その代わりに、円形状らせんコイル1410、1414及び1416は、センサレゾネータとしてそれぞれ作動する。
【0036】
図15−17はチップ上のレゾネータの様々なアレイを示す。図15は、比較的大きく離れた4つの円形状らせんコイルレゾネータを示す。図16は、多数の円形状らせんコイルレゾネータを有するアレイを示す。アレイ構造においてレゾネータの数の増加につれて、固定サイズの基板にとってレゾネータ間の間隔が減少する。図17は、多数の円形状らせんコイルレゾネータ及び長方形コイルレゾネータを有するアレイを示す。図17に示されるようなハイブリッドレゾネータアレイは、多数の円形状らせんコイルを有する1つの長方形らせんコイルに限定されるものでない。センサは、個々のタイプの数が変わり得る、多数の異なるタイプのレゾネータを備えることができる。
【0037】
図18は生物学的対象内に埋め込み可能な装置1800の実施例を示す。装置1800は、整形外科ハードウェア装置1803及びセンサ装置1805を備えている。センサ装置1805は、基板1807、同基板1807を覆うように配置された誘電体1820、及び同誘電体1820上に配置された導電コイル1810を備えている。基板1807はハードウェア装置1803上に配置することができる。誘電体1820及び導電コイル1810はレゾネータとして構成されている。基板1807も誘電体1820及び導電コイル1810と共にレゾネータとして構成することができる。硬質の生体親和性のある誘電体が誘電体1820に用いることができる。基板1807、誘電体1820、及び導電コイル1810は、生体親和性のある、誘電的に電力が供給されるセンサ1805として構成し、または組み立てることができる。ハードウェア装置1803及びセンサ装置1805は、人または動物のような生物学的対象に埋め込み、対象の状態を監視することが可能である。ハードウェア装置が対象における骨折の治癒に応用される場合、センサ装置1805により検出される該ハードウェア装置のひずみの変化が、対象の骨折の治癒における変化を判定するのに用いることができる。
【0038】
センサ装置1805は、例えばエポキシ材1804を用いて該ハードウェア装置に取り付けることができる。誘電体1820用の硬質の生体親和性のある材料は、窒化シリコンを、これに限定されることなく、含むことができる。導電コイル1810用の硬質の生体親和性のある材料は、ゴールドを、これに限定されることなく、含むことができる。生体親和性の特性に加え、センサ装置1805用の材料の選択は、キャパシタンス的及び誘電子特性に基づくことができる。センサ装置1805はここに説明したセンサの種々実施例に類似したまたは同一のものとすることができる。テープベースのフレキシブルセンサの形で構成されるセンサ装置1805に関しては、テープが自身のエポキシ樹脂または他の取り付け材料もしくは他の取り付け具を有することができるので、外部エポキシ樹脂は使用する必要がない。
【0039】
図19は、ハードウェアのひずみの変化を判定するための監視システム1900の実施例を示す。監視システム1900は、電磁気フィールドを発生するように作動するソース1915、受信機1925、スペクトルアナライザ1935、及びアナライザ1945を備えている。ソース1915は、生物学的対象1901に埋め込まれたハードウェア1903に取り付けまたは一体のセンサ1905に電力を供給する電磁気フィールドを発生する。電磁気フィールドにより電力を供給されるセンサ1905は、監視システム1900用のひずみ計として用いられる、生体親和性のある、誘電的に電力を供給される装置である。センサ1905は、ここに説明した種々実施例のセンサと類似のものとすることができる。
【0040】
受信機1925は、異なる時点で電磁気フィールドにより励磁されるセンサ1905に応答して発生される、センサ1905からの信号を受信するように作動する。スペクトルアナライザ1935は、受信信号からセンサ1905の共振周波数を判定するように作動する。アナライザ1945は、時間の経過によるセンサ1905の共振周波数のシフトに基づいて、ハードウェアのひずみの一時的な変化を判定するように作動する。ハードウェアのひずみの変化の測定は、同ハードウェアのひずみ−周波数の校正に基づいて実行することができる。埋め込み前に実行されたひずみ−周波数の校正からのデータは、アナライザ1945によりアクセス可能なメモリに記憶することができる。ハードウェアのひずみの一時的な変化に基づいて、アナライザ1945は生物学的対象における変化を判定するように作動することができる。
【0041】
監視システム1900は、監視システムのプロセッサにより実行されるときに、監視システムに多くのオペレーションを実行させる指令を記憶する機械可読媒体を備えることができる。これらオペレーションは、センサ1905の励磁の制御、センサ1905の共振周波数の判定の指示と、異なる時点で適用される電磁気プローブ信号/電磁気フィールドに応答してワイヤレス信号がセンサ1905から発生される場合、センサ1905からのワイヤレス信号に基づいてセンサ1905の共振周波数のシフトの判定の制御と、共振周波数のシフトに基づくハードウェアのひずみの一時的な変化の判定の制御とを、これらに限定されることなく、含んでいる。機械可読媒体は、生物学的対象の骨折の治癒を表すデータを発生する指令を含んでおり、そのデータは骨折に関連する生物学的対象に埋め込まれたハードウェアのひずみの一時的な変化に基づいている。機械可読媒体は、指令を含むデータを記憶するあらゆる形式のものとすることができる。例えば、機械可読媒体はコンピュータ可読媒体とすることができる。機械可読媒体は監視システムと別体であっても構わない。機械可読媒体は、異なるシステムで使用することができる独立型の装置とすることができる。
【0042】
適切な誘電的に電源を供給されるセンサ回路を設計するために、インダクタ用のコイル形状が用いられかつ伝送線体系が応用されてレゾネータとしてこの構造を作る。人に埋め込まれるひずみ計としてこれらレゾネータを使用するために、その設計は、種々の設計上のトレードオフとの関連で、ユニットひずみ当たり最大の可能な共振周波数シフトを備えた生体親和性のある材料を用いて、高品質のRF信号を得ることに向けられている。そのようなレゾネータの設計において、多くのパラメータが考慮される。そのファクタは、基板効果、誘電体の厚さ、誘電体の材料、メタルの選択、メタル層の厚さ、ラインの幅及び間隔、旋回数、並びに合計チップ面積を含む。このアプローチは、センサのフィルムキャパシタンスをLC(インダクタンス−キャパシタンス)タンク回路キャパシタンスとして活用する。種々実施例において、センサの共振周波数の監視される変化のメインドライバは、インダクタンスの変化をターゲットにするのと対照に、キャパシタンス変化である。センサは、基板と比較的高いヤング率(硬さ)をもつメタル層とを有するので、共振周波数シフトは主にコンデンサ面積、それゆえキャパシタンス全体の変化による。
【0043】
図20は、誘電的に電力を供給されるセンサ2005の実施例を示す。図21は、図20のセンサ2005のサイドビューを示し、物理的モデルの集中素子内部表現を含む。図22は、センサ2005のレゾネータの等価回路を示す。装置を作るために、以下の設計パラメータが考慮される:コイルの外側の寸法である長さ(Lc ) 及び幅 (W c );トータルコイル長(l) ;トータルコイル幅(w) ;ライン間隔(s) ;旋回数(N) ;コイル厚さ(t) ;並びに基板とゴールドのメタル層(tfilm). との間の誘電性の薄いフィルムの厚さ。形状的な設計パラメータL c 、W c 、N 、 w、及び sは、コイルの内径を定める。これら装置のパラメータは、図22に示される集中素子モデル用のパラメータを計算するのに用いられる。ここで、 LS 及び RS はそれぞれコイルのインダクタンス及び抵抗に対応する。C filmは基板とコイルとの間のキャパシタンスを表す。C Si及び RSiはそれぞれ基板のキャパシタンスと抵抗である。C s はコイル区分間のキャパシタンスを示す。コイルの抵抗(RS ) は、入射電磁波が浸透できる深さである表皮厚さδの関数であり、そこにおいてR s 及びδは、以下の等式で与えられる:
【数1】
そこで:
【数2】
C film及びC s は、古典的な平行板コンデンサの式を用いて計算される:
【数3】
【数4】
そこで、εo 及びεr は材料誘電率係数である。基板効果を表すC si及び Rsiは以下の式を用いて計算される:
【数5】
【数6】
そこで、C sub = 1.6 x 10-10 F/cm2 及び Gsub = 0.4/Ω-cm2は適切なパラメータから経験的に導かれる。キャパシタンス及び抵抗回路コンバージョンCp及び Rp はそれぞれ上述の計算されるパラメータを用いて求められる:
【数7】
【数8】
上式は、適用された荷重及び関連する変形の結果としてのセンサの形状の変化に起因する、理論的に予想されるキャパシタンスシフトを判定するのに用いることができる。埋め込み可能なハードウェア上に取り付けられたセンサでもって、適用された荷重がハードウェアから伝達される。これら式はまた、例えば層コンポーネントの厚さを変更するような設計変更のモデルを作ること、及びシステムのキャパシタンスを最適化することに関してロバストシステムを備えることができる。
【0044】
上式はキャパシタンスの変化を計算する手段を提供するが、このシフトが検出可能な度合いは回路の品質ファクタ(Q−ファクタ)として定量化される。
全体のレゾネータQ−ファクタは以下のとおり与えられる:
【数9】
そこで、Δf は最大振幅の半分の幅、f0は共振周波数である。上述の式は、実験的な特徴付けからレゾネータの品質ファクタを引き出すのに有用であるが、エネルギを蓄えまたは消散するエレメントについての、高品質のオンチップレゾネータを設計するのに有用な情報を提供するものではない。したがって、インダクタのQ−ファクタの定義はLCタンク回路全体の代わりに利用される。インダクタに関しては、磁気フィールドに蓄えられるエネルギのみが関与する。したがって、インダクタに関する最大品質ファクタ(Qind ) は、ピーク磁気フィールドとピーク電気フィールドの差が最大値であるとき、到達できる。この定義によって、エネルギを蓄えまた消散するエレメントが確実なものとなり、そして設計が改善される。Q ind に関する代わりのフォームは次のように与えられる:
【数10】
上述の式は、Q ind がその構造の自身の共振周波数でゼロであるということを明らかにしている。古典的なLC回路に関するこの周波数は、以下の等式で与えられる:
【数11】
レゾネータの品質ファクタ(Qres ) は、インダクタ及びコンデンサ(Qc ) の品質ファクタの組合せにより得られる:
【数12】
Q c i は、ひとたび材料系統が選択されると、構造上の設計変更により広く影響されるものでない。他方、Q ind , は形状設計のみならず材料の選定にも依存する。したがって、より良い Qind のために古典的な共振の定義及び設計技術を用いることによって、小さいオンチップレゾネータのためのレゾネータQ−ファクタは最大化に向けて設計することができる。
【0045】
Q ind を最適化するために、パラメータがQ ind を計算するのに用いられる等価集中回路モデルを単純化することによりスタートすることができる。回路をLC回路と平行にするように変換すると共に上述のすべての式を組合せて、Q ind は以下のように表すことができる:
【数13】
Q ind に関する上述の関係式を解析することにより、インダクタンス品質ファクタの寄与の判定において異なる役割を有する、該等式の2つの部分が存在することが証明される: (1)主に全体的な到達可能な(最大)Q−ファクタに影響を及ぼす基板ロスファクタ(SLF) ;及び (2)主に共振周波数に影響を及ぼす自己共振ファクタ(SRF) :
【数14】
【数15】
これらの等式を用いて、センサの全体形状は、ピーク幅の半分で割った最大振幅として定義されるピークシャープネスの測定が最小回路間隔で行われる、品質ファクタ("Q−ファクタ")の最適化に向けて設計することができる。
【0046】
生体に埋め込み可能なセンサ用の材料は、生体親和性を備える基準の下で選択される。基板材料としてヒ化ガリウム(GaAs)の使用はセンサのQ−ファクタを高めるであろうが、シリコン(Si)は、そのより良好な生体親和性特性のために使用することができる。種々の実施例において、高い抵抗を有するSi基板を用いることができる。誘電体層の選定は、キャパシタンスとQ−ファクタに影響を及ぼす。窒化シリコン(Si3N4) は、比較的高い誘電率(高さ8.0 )及び低ロスファクタを有し、また生体親和性があることが報告されている。Si3N4 よりも低い弾性(ヤング)率の特徴を有するいくつかの誘電体があるが、しかしそれらは、結果として低いQ−ファクタとなる、より高いロス及びより低い誘電率を有しており、共振周波数の変化は Si3N4よりも格段に低く計算される。その結果、高いQ−ファクタ、小さい寸法、及び共振周波数の高いシフト間のトレードオフを考慮して、Si3N4 を誘電体層として用いることができる。アルミニウム(Al)及び銅(Cu)がMEM の装置においてメタルコンポーネントとして最も頻繁に利用されているけれども、これらの材料は非生体親和性であるとして広く認識されている。これらの材料の代わりに、ゴールド(Au)をコイルのメタル層として用いることができる。
【0047】
高Q−ファクタ及び小さい可能な寸法のようなセンサの設計上の制約は、マテリアル層の厚さ及びセンサの全体の製作を決定するときに、考慮される。一つのアプローチは、このエレメントを寄生キャパシタンスとして考慮するのとは対照的に、タンク回路キャパシタンスから得ることができるキャパシタンスの最大化に向けて設計することである。キャパシタンスの設計に関するファクタは、誘電体フィルムの厚さ、メタル層の寸法、コイルの旋回数、及びチップの面積/寸法を含む。モデリングに基づいて、約0.1μm の誘電体フィルム厚さ(tfilm) が用いられる。他の厚さを用いることもできる。
【0048】
基板の影響に関し、基板ロスの最小化は、システムにおいて基板が主要な損失の大きいコンポーネントであるので、Q ind 及びQmaxの大幅な増加を達成するために重要である。シリコン基板に関して、低損失のため、高いR si (高抵抗基板) が用いられる。しかしながら、完全に非導電である基板は、メタル層と基板との間に平行板型コンデンサの形成を妨げ、それはオンチップレゾネータには適切ではないであろう。一実施例において、5 -10 Ωの基板が選択されており、それは過度のロスを防ぐのに十分な抵抗であるが、第2の平行板型コンデンサとして役目をするのになお十分な導電性がある。
【0049】
誘電体の薄いフィルムの影響に関し、誘電体層もまた高Qファクタの設計に重要なファクタである。LC回路のC として役目をする、メタルと基板との間のコンデンサを最適化するために、高い誘電率を備えた誘電体が適切である。他方、ロスを最小化するために、低ロス誘電体が適切である。誘電率8 及びロスタンジェント5 x10 -4の Si3N4が、誘電体フィルムとして適切な選定であり得る。
【0050】
フィルム厚さの影響に関し、誘電体層(tfilm) の厚さは高Qファクタのレゾネータを設計するための別の有効なパラメータである。選択された誘電体層の厚さは、レゾネータの目標共振周波数に依存することができる。
【0051】
メタル層パラメータの影響に関し、メタル層の厚さはQ ind を決定するのにやはり大変重要である。該メタルがより厚くなると、Q ind 及びQ max がより高くなる。0.1 μm のメタルの厚さが、CMOSの製法における特別な製造工程の使用に限定するために選択される。薄い層にもかかわらず、基板ロスを十分に低減することにより、高いQ ind が達成される。その場合、メタルの厚さの増大はさらにQ−ファクタに影響するであろうが、低過ぎる基板抵抗を備えた構造におけるもの程に重大ではない。
【0052】
メタル層の寸法に関し、高性能センサを実現するために、メタル層の厚さは、幅の増大はQ−ファクタ及び共振周波数の増大をもたらすので、重要な設計問題となり得るが、しかしこれは本質的な全体の面積(及び寸法)の増大に関連する。さらに、メタル間隔は装置の性能に影響を及ぼす。より小さい間隔は、共振周波数を増大させ、そしてよりコンパクトなチップに導く。しかしながら、増大された幅及び減少された間隔は、全体のQ−ファクタを減少させる寄生効果につながる。
【0053】
旋回数の影響に関し、サイズを小さく保ちながらQ ind を増大するために、旋回数(N) を減少することができる。これは、自己共振周波数をより高く押し上げて、ネットインダクタンスを減少させる。種々実施例において、旋回数は完全なコイルを生じるように2に設定される。しかしながら、より多いまたは少ない旋回数のコイルを使用することができ、それはコイル構造の校正に依存し得る。
【0054】
面積の影響に関し、チップのサイズは、共振周波数及びQ ind を調整するのに重要な役割を果たす。全体面積の減少は、改善されたQ−ファクタ及びより高い共振周波数に結び付く。また、より小さな内径はQ−ファクタ及び共振周波数を増大する。しかしながら、内径を該間隔よりも小さい程度まで減少させることは、追加の寄生効果を引き起こす。
【0055】
内径の影響に関し、もしすべての他の設計パラメータが固定されている場合、内径の増大は面積を増大させる。これは共振周波数及びそれゆえにQ ind を増大させる。したがって、より小さな内径はQ ind 及び共振周波数を高める。しかしながら、内径は同内径を間隔s の厚さまで減少させるだけのために選択することができ、なぜならばこの値よりも低く減少させることは、Q ind に大きく影響しかつ下げる寄生キャパシタンスを引き起こすためである。
【0056】
形状ファクタは、組み込まれる電源を有していないワイヤレスとして作動可能な埋め込み可能な装置用のセンサの抵抗及びキャパシタンスを決定するのに用いることができる。図22に示されるR p は、図21にのコイルモデルの組み合わされた抵抗を表し、基板ロスを判定する有効なコンポーネントである。高抵抗シリコン基板でもって、R Siの値は高く、それは高いR p をもたらす。C p はセンサのキャパシタンスコンポーネントに対応し、そして自己共振ファクタについて重大な影響を有している。より低いC p は、ここに述べたようにひずみの変化の判定を助ける共振周波数を結果として増強する。シリコン及び窒化シリコン以外の生体親和性のある材料は、上述の等式において用いられる、それらの対応するパラメータと共に用いることができる。
【0057】
種々の製造プロセスが、骨と埋め込まれたハードウェアとの間の一時的荷重の移動プロフィールに関する情報を無線で伝える、誘電的に電力を供給されるセンサを構成するのに用いることができる。製造プロセスは、チップの大きさのセンサ用のコンポーネントに依存する。プロセスの変形は、コイル設計や基板がフレキシブルテープを含むかまたはテープなしで構成されているかのようなファクタに依存する。種々変形例において、製造プロセスは従来のMEM のプロセスを用いるマルチステップ手順である。センサは、マイクロ波適合した、写真製版の微細加工技術を用いてクリーンルーム環境で加工される。
【0058】
図23−27は、図20のセンサ2005のようなセンサ装置を製造するのに用いることができる製造プロセスフローの実施例を示す。このセンサにシリコン基板が設けられ、第1ステップは、図23に示されるように、第1のゴールド(Au)メタル層2322を敷設するためのシリコン基板2307上の標準的な写真製版及びリフトオフを備えている。プラズマ誘起化学蒸着法(PECVD) は、図24に示されるように窒化シリコン(Si3N4) 薄フィルム2320を堆積するのに用いることができる。他の堆積プロセスをSi3N4 薄フィルム2320を堆積するのに用いることができる。Si3N4 フィルム2320にパターンをつけるために、例えばフッ化水素酸でのウェットエッチングプロセスを用いて、第2の写真製版が実行されて垂直方向の相互結合領域をオープンする。続くAuメタライゼーションにおいて、相互結合層2324が図26に示されるように直立される。図27に示されるように、第3の写真製版及びAuメタライゼーションプロセスが、センサレゾネータを得るためにトップコイル2310を構成するのに用いることができる。
【0059】
図28−31は、テープベースのフレキシブルセンサの製造に関する実施例を説明している。図28はフレキシブルテープ基板として用いるバキュームテープ2807を示す。図29は、堆積が標準的なメタライゼーション技術を使用できる場合、フレキシブルテープ基板上に堆積される薄いゴールド層を示す。プラズマ誘起化学蒸着法(PECVD)を用いて、図30に示されるように、Si3N4 の均一に薄い層2820が誘電体薄フィルムとして堆積させることができる。標準的な写真製版、メタル蒸着、及びリフトオフ技術を用いて、図31に示されるように、ゴールド層2810がセンサの製造を形成するように堆積することができる。
【0060】
バキュームテープ2807は、PECVD の下で発生する高温に耐えることができるので、用いることができる。テープベースのフレキシブルセンサとシリコンベースのセンサとの間の製造手順の違いは、バキュームテープ基板2807に堆積される第1のゴールド層2811を含む。第1のゴールド層2811は共振周波数でのセンサの吸収を増大し、それにより共振周波数で大きな吸収が見られる。しかしながら、シリコン基板でもって、シリコン自身が吸収し、特別なAu層なしでセンサを形成することができる。
【0061】
第1のゴールド層2811の堆積はまた、テープベースのフレキシブルセンサのSi3N4 の薄い層2820の両側上の第1及び最終ゴールド層2811,2810の間に形成されたコンデンサである、平行板式コンデンサを設ける。しかしながら、不純物を加えられた基板を備えたシリコン基板ベースのセンサに関しては、不純物を加えられたシリコンが導電性を有しているので、平行板式コンデンサが特別なAu層をなしで形成される。平行板式コンデンサは、荷重が適用されるときに、同平行板式コンデンサが変化し、そしてその結果、共振周波数が変化するので、センサにとって重要な機能である。図32はフレキシブルテープ基板3207上の最終製造構造を示す。図32に示される最終製造構造は、メタマテリアルセンサを含む。他の形状的な配置をフレキシブルテープ基板3207上に形成することができる。
【0062】
図33−41は吊り下げ構造におけるセンサの成形方法の実施例を説明する。プロセスは、図33に示されるように、基板3307の選定をもって開始される。<100>配向を備えたn型の500 μm の厚さのシリコン基板3307が用いられる。他の材料及び/または導電タイプを基板として用いることができる。Si3N4 の薄いフィルム3321が、図34に示されるように、プラズマ誘起化学蒸着法を用いて堆積することができる。他の堆積プロセス及び他の誘電体を用いることができる。他の厚さを用いることができる。
【0063】
図35はSi3N4 の薄フィルム上に敷設された第1のメタル層3311を示す。接触層として形成される第1のメタル層3311は、厚さ0.1 μm のAuで形成することができる。他の厚さを採用すること及び/または他の誘電体を実施することが可能である。図36は後で堆積される誘電体フィルム3320を示す。誘電体フィルム3320は0.1μm の厚さのSi3N4 の薄フィルムとすることができる。
【0064】
図37は、パターニング及びHF付のウェットエッチングプロセスを用いた例のために開けられた垂直方向の相互接続領域3339の形成後のフィルム3320を示す。図38は、相互接続3313及びトップコイル構成3310を形成するゴールドメタライゼーションの実行後の構造を示す。厚さ0.8 μm のSi3N4 フィルム3323は、図39に示されるように、堆積することができる。窒化シリコンフィルム3323は、図40に示されるように、パターンされそしてHFによりエッチングされる。図41は、例えば水酸化カリウム(KOH) を用いて、吊り下げ式センサ3305を形成するようにシリコンにエッチングした後の構造を示す。
【0065】
Si3N4 の薄フィルムは接触メタル層を保護するように初めに形成されると共に、シリコンはエッチングされる。KOH はまたメタル層をエッチングするので、第1及び第3のSi3N4 層はエッチング抑制層として用いられる。第2のSi3N4 層は第1のSi3N4 層と共にセンサレゾネータ3305用の誘電体層として作用する。濃度30パーセントのKOH溶液の使用は、シリコンエッチングの化学反応速度論のシミュレーションから期待されるように、エッチング速度1.1 μm/min をもたらす。70分後、深さ77μm がエッチングされる。図42は吊り下げ式レゾネータのシミュレーションを示す。台形4221-1, 4221-2, 4221-3, 4221-4, 4221-5, 及び221-6 は、Si3N4 が欠落している領域を表す。KOH 溶液はこれらの領域を通してシリコンをエッチングする。単一の吊り下げ式の装置の関連するSEM イメージが図11に示される。
【0066】
分析及び数的なモデルは、該装置に誘導される機械的摂動の関数としてセンサの性能をシミュレートするのに用いることができる。モデリングの取り組みは、2つの相互に依存したコンポーネントを伴う結合された電気機械の分析の使用を含む。第1のステップは、センサに作用された荷重から結果として生じる装置のひずみプロファイルを計算する機械的分析を伴う。第2は、物理的寸法の変化を与えられるセンサの共振周波数のシフトを計算する電気的分析である。異なる曲げ荷重が適用されたときに、例えば有限要素のソフトウェアパッケージと共に、シミュレーションにおいて関連する形状的なファクタを考慮に入れて、装置に生じるひずみを予測することができる。図43は、曲げ荷重が適用された下で、結果として生じる変位フィールドから、変形される装置のモデル予想の例を示す。該シミュレーションから、C filmの値を修正して、誘電体フィルムの面積が変化することを監視できる。これら寸法の変化に基づき、上述の等式を用いて、らせんコイル(Ls ) のインダクタンスを計算することができる。
【0067】
ハードウェアに取り付けられたセンサは、機械的かつ電磁気的なコンポーネントを含む実験的なセットアップを用いてテストすることができる。機械的な装置が図44に示されるような制御された方法でテンション荷重の適用を可能にする。そのような適用は、異なる装置形状に適用される荷重に応答する共振周波数シフトを調査する一連の物理的実験を実行するのに備えるものである。実験的な特徴は、運動的に拘束されたシリコン基板の下に位置された超微細調整ねじでもって点荷重の適用からなり、制御可能な方法で荷重を制御しそして修正する。荷重の適用前及び後で、マイクロ波プローブと共にスペクトルアナライザを用いて、S21 パラメータが測定される。S21 パラメータは、RF信号の効率の測定であり、そして入射パワー(入力)当りの伝達波の出力密度(本質的には出力)として計算される。
【0068】
キャストポリアミドスティックを試験用に用いることができ、センサが硬質のエポキシ樹脂を用いてその上に固定される。2つの孔を有する埋め込み可能なスティックは、固定ねじを用いることによってセットアップにおいて固定される。荷重は、該固定されたスティックを引っ張るセットアップのピストンを用いて適用される。適用された荷重はやはり図44に示されるように荷重計により追跡される。この装置を用いることによって、300 kgf まで荷重を適用することができる。より高い荷重を適用できる他の試験装置を用いることができる。
【0069】
RFの特徴付けに関し、図44のアンテナは特徴付けにおけるノイズを低減するように同じアースを備えた同軸プローブで製作されている。室内の振動により生じる雑多なノイズを無視できるレベルまで低減できるバルンを用いることができる。図44のセットアップにおいて、これらプローブの長さは2.5 cmに設定することができる。センサは操作する波長に比較してサイズが非常に小さいので、伝導スペクトルを測定するセンサと同等のサイズを備える規格のアンテナを用いることはかなり困難である。図44のセットアップにおいて、これらのプローブはセンサから0.5 cm離れて設置されている。この構成において、最良の信号はプローブがセンサと平行であるときに得られる。種々の配置において、これらの距離のパラメータは、校正プロセス及び特徴付けプロセスを通じて固定される。校正の目的に関し、センサが取り付けられるハードウェアである、スティックの送信は、該スティックにセンサを取り付けない状態で測定される。その後で、該スティクにセンサを取り付けた状態で荷重なしで、次いで機械式装置でもって適用される外部荷重を変化させて、同じ測定が繰り返される。センサがない場合に関して測定された、関連する伝導スペクトルは、適用される荷重の関数として保持される。
【0070】
実験において、異なる形状の2つのセンサ、センサ1及びセンサ2が製造され、特徴付けされた。表2は、これら2つの異なるセンサの形状に関するパラメータの値を示す。L C 及び WC はそれぞれ装置の全体の長さ及び全体の幅を表し; N は旋回数; wは各コイルの幅; s はコイル間の間隔; t film及び tmetal はそれぞれ誘電体フィルムの厚さ及びメタルの厚さを表し; そして理論値L s 及び数値のL s はそれぞれ分析及びシミュレーションモデルからのインダクタンス値を表す。
【0071】
【表2】
【0072】
図45−48は、変形なし(荷重なし)及び異なる適用荷重の下でのセンサ1及び2のセンサレスポンスの違いを示す。図45及び47(共振周波数領域での図45の拡大視を表す)に示されるように、センサ1に関し、共振周波数は、荷重を適用する前に、関連するQ−ファクタ59.98 と共に11.48 GHz であると測定された。1960 Nの適用荷重の下で、共振周波数は240 MHz シフトされた。同じセンサでもって、2940 N及び3920 Nの適用は、それぞれ結果として荷重なしの構成に対し、300 MHz 及び330 MHz の共振周波数シフトが生じた。適用荷重と共に共振周波数シフトの増大に付随して、センサのQ−ファクタも、3920 Nの適用荷重で測定された76.00 のQ−ファクタによって証明 されるように増大した。これらの発見は、図46及び48(共振周波数領域での図46の拡大視を表す)において説明されるようにセンサ2でも同様に証明される。要するに、適用荷重が増大すると、共振周波数は増大する(つまり、図45−48に示されるように右に向けてシフトする)。
【0073】
図49は荷重の関数としての共振周波数を説明する。その荷重は生理学上の荷重を表すのに適切であり得る。図49は、共振周波数シフトが、平均体重の半分よりも小さい、333 N 位の低い荷重で検出可能であること、及びセンサレスポンスが333N-2750Nの力の範囲において極度に線形(r2 = 0.996)であることを明らかに示している。
【0074】
種々の実施例において、生体MEMSセンサとして用いることができる生体親和性のあるレゾネータは、コイル用のメタル層としてゴールドと共に基板としてシリコンを含むことができる。レゾネータの誘電体薄フィルムとして生体親和性のある窒化シリコン(Si3N4) は、マイクロ波周波数レンジにおいて低ロスタンジェント(5 x10-4位の低さ) 及び高誘電率(8 位の高さ)の特徴を有している。低ロスタンジェントはロスを格段に低減すると共に、高誘電率は誘電体フィルムのキャパシタンスを増大する。メタル幅(w) 及びメタルライン(s) 間の間隔の両方の増大は、インダクタ(Qind ) のQ−ファクタを増大するが、また両方とも基板チップ上に占める横の面積を増大する。これら2つのファクタは、最小チップサイズ用の最高Q−ファクタを得るように最適化に向けて設計するように選定される。
【0075】
高Q−ファクタは、オールオンチップ、小型マイクロ波レゾネータを得るためのオンチップチューニングに関し、コイルと基板との間の誘電体薄フィルムのキャパシタンスを用いることによって達成される。外部コンデンサの代わりに高誘電体コンデンサを用いることによって、コイル用のらせん状インダクタ構成が、キャビティレゾネータが用いられるような方法で、利用される。かくして、高Q−ファクタが、キャビティレゾネータの研究と同じように、しかし小さいチップ面積を犠牲にすることなしに、得ることができる。種々実施例において、センサは2つの異なるアプローチ:すなわち、らせん状インダクタ構成及びキャビティレゾネータ設計技術、を効果的に組合せることができる。さらに、ロスを低減しかるQ−ファクタを高めるファクタを考慮し、例えば7 GHzのような選択された共振周波数での最大化に向けて設計されたQ−ファクタを有して、ロスが最小化に向けて設計される。生体親和性のあるレゾネータセンサ用のパラメータは、該センサが7 Ghz 以外の共振周波数を有する種々のコイル構成に関して選択することができる。
【0076】
200 平方ミクロン未満のチップサイズに関しては、図50−51が数的にシミュレートされたパラメータに沿って実験的に測定されたS21 パラメータ(デシベルにおける)を示す。これらの図は、実験的結果と理論的結果との間で非常によく一致していることを示す。特に、実験的な及び理論的な共振周波数(f0)及びレゾネータQ−ファクタの間に一致が存在する。ここで、レゾネータQ−ファクタが出力パワーにおける降下を調べることによる実験的な結果から計算される。図50にS21 の最小点が示され、それはf0に対応する。出力における30 dB よりも大きな強い降下が観察される。実験データからレゾネータQ−ファクタを計算するために、共振周波数よりも高い3 デシベルのS21 パラメータを有するそれらの周波数が用いられる。図51に関し、98.77 の理論上のQ−ファクタとの比較において、Δf が160 MHz であるときに、93.81 のQ−ファクタを産する。両方の共振周波数は15 GHz付近である。理論上の計算と実験データは非常によく一致している。種々実施例において、完全なオンチップレゾネータは、同完全なオンチップレゾネータが遠隔測定検出の実用化に用いられるように、高Q−ファクタ及び出力における強い降下を生じることができる。
【0077】
種々実施例において、レゾネータの測定される共振周波数のシフトの増大に役立つ、レゾネータの吊り下げ構造を用いることができる。チップの製造にシリコン基板が用いられる場合、吊り下げ構造を得るためにエッチングすることができる。基板と誘電体の一部を除去するのにウェットエッチングプロセスを用いることができる。他のエッチングプロセスも実行することができる。基板にエッチングすることによって、基板ロスの減少があります。その結果、シリコン抵抗(Rsi) の増大及びシリコンキャパシタンス(Csi) の減少があります。それゆえに、全体の結果は平行抵抗(Rp ) の増大です。基板ロスファクタに工学的な技術を適用することによって、より高いQ−ファクタを得ることができる。より高いR si及びより低い Csiのために、より低い平行キャパシタンス(Cp ) があり;それゆえより高い自己共振ファクタが、単一の平面装置を有する場合と比べて同じ周波数で得ることができる。かくして、共振周波数はより高くもなる。これらの効果を組み合わせて、より高いQ−ファクタ及びより高い共振周波数の両方がシリコンの除去でもって得られる。
【0078】
基板をエッチングすることにより、より高い共振周波数のシフトもある。これは2つの局面から実験される。基板のエッチングの結果、ひずみの拡大がより高い。エッチングされた基板でもって、ひずみが最初に基板に生じ次いで誘電体及びメタル層に渡るので、より高いひずみがあり、そしてその結果としてより大きなキャパシタンスの変化がある。したがって、より高いf0シフトがある。同じ荷重が単一の変面装置と単一の吊り下げ装置に適用された場合、それらが同じ共振周波数を有すると仮定し、誘電体及びメタル層のより高いひずみの結果として、より高い共振周波数シフト( Δf0) が該単一の吊り下げ装置に存在する。第2に、同じ相対シフト( Δf0/f0 ) を有する2つのチップが存在する場合、より高いf0を有するチップは、より高いΔf0も有する。かくして、エッチングされた基板を有しかつより高いf0を有するチップは、またより高いΔf0を有する。
【0079】
種々実施例において、3つの並んだセンサからなる三重構成を用いることができる。個々のセンサは、ここに論じたあらゆるレゾネータ構造により実現することができる。外側のセンサは、中央のセンサの送信及び受信アンテナとして機能する。表3−6は、共振周波数(表3)、共振周波数シフト(表4)、Q−ファクタ(表5)、及び感度(表6)に関して、4つのチップ、すなわち平面構造及び吊り下げ構造を備えた単一の構成及び三重構成の比較を示す。
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
種々実施例において、同じ全体の寸法を有する長方形と比べて、効果的に全面積を低減する円形を用いることができる。かくして、円形の構造は、より小さいフィルムキャパシタンス及びコイルインダクタンスが達成され、より高いf0をもたらす。また、円形構造には、より低いコイル抵抗、より低いロス、より高い基板抵抗、及びより低い基板キャパシタンスが存在する。これは、より高い基板ロスファクタ及びより高い自己共振ファクタをもたらす。結果として、円形においてより小さい間隔及びより高いf0でもって、より高いQ−ファクタを得ることができる。
【0085】
共振周波数シフトの増加は、2つの観点からアプローチすることができる。第1は、等方性の形状のため、あらゆる方向に等しく影響を及ぼす。しかしながら、長方形の形状において、片側だけに著しく影響する(一時に一側のみに影響を及ぼす)、選択的な、非等方性の変形がある。加えて、円形の場合におけるキャパシタンスの変化は、変形が全体の形状を変化するように作用するので、同じ開始初期キャパシタンスを有する長方形の場合のものよりも高くなることができる。したがって、関連する共振周波数シフトもより大きくなることができる。次に、たとえ等しい周波数シフトレシオ(相対シフト)が存在しても、該周波数シフトは、より高いf0をもつので、円形の形状においてより高くなることができる。これら2つの局面が組合せられると、円形の場合の、よりはるかに高いシフトを得ることができる。長方形及び円形装置ならびにそれらの三重構成、より高い共振周波数及び円形の形状用のより高いQ−ファクタのための、シミュレーティングS21 パラメータは、やはり得られる。このように、より優れた性能は、円形構造により成し遂げることができる。
【0086】
長方形及び円形形状を比較する実験結果が図52−55に示される。図52−55は、単一の長方形、単一の円形、三重長方形、及び三重円形形状用の、作動周波数の関数としてのS21 ( デシベルで) を表す。各図の挿入図から分かるように、共振周波数シフト(右方向に見える)は、長方形よりも両方の構成(単一及び三重)の円形形状が、はるかにより大きくなることができる。各図の挿入図において、荷重なしで共振周波数が最も低く、そして、1960 N and 2940 N の荷重で共振周波数がそれぞれ右方向にシフトしながら、3920 Nの荷重で共振周波数が最も高い。
【0087】
表7に、長方形及び円形の形状に関する共振周波数の変化が表されている。結果として生じる共振周波数の増大は、すべての円形装置形状について、より高い。面積の減少は線形ではなくかつキャパシタンスは共振周波数に線形に比例していないので、結果として生じる周波数の増大は予想されるように非線形である。加えて、周波数シフトは、長方形の場合に比べて円形の場合に、はるかによりので、円形の場合に関して、より高い相対シフト及びより高い感度が表7に観られる。
【0088】
【表7】
【0089】
表7はまた、比較的小さいチップサイズにもかかわらず高いと観察される、Q−ファクタデータを提示している。これらQ−ファクタは、より小さい面積を有する円形の場合において特により高い。Q−ファクタは、荷重の大きさがより低いC filmのために増大されると、増大される。Q−ファクタはまた、長方形の場合に比べて円形の遠隔測定の(三重の)場合に増大する。
【0090】
種々実施例において、ひずみセンサは、機械的変形に対してより感度の高い、メタマテリアルベースのRF-MEMS ひずみセンサによって実現することもできる。分割リングレゾネータを用いて、他のRF構造に比較してユニット面積当り、より低い共振周波数を達成することができ、骨折治癒を含む、やわらかい組織における生体埋め込み型検出を可能にする。5 ×5 SRR 構造において、ワイヤレスセンサは、低い非線形エラーを有する高い感度をもたらす。
【0091】
SRR 形状は、その追加のギャップのために、らせんの場合に比べて、より高い感度にすることができる。これらのギャップは、荷重が適用されたときに変化する、追加のキャパシタンスを生じることができる。したがって、らせんコイル形状よりもSRR の感度を高くすることができる。加えて、電気フィールド密度がギャップにおいて大幅により高くなり、それでこれらのギャップは強い共振を得るために重要である。荷重が適用されるとき、これらのギャップが変化し、そしてそれゆえに共振周波数が変化する。これは、らせんコイル形状に比較してSRRsにおいてより高い感度をもたらす。また、これらギャップの結果として、SRRsは、らせん構造に比較して、より高い降下とより高いQ−ファクタをもたらす。これは、共振周波数の遠隔測定及び監視をより容易にすることが可能である。結果として、SRR センサは、らせんコイルセンサよりも線形を増大することができる。また、これらのギャップのために、生体埋め込みへの応用に役立つ、ユニット面積当り、より低い共振周波数が存在する。したがって、SRR 構造におけるギャップのため、らせんコイル構造に比較して、より高いQ−ファクタ、より高い降下、より高い感度、より良好な線形、及びユニット面積当り、より低い共振周波数を得ることができる。
【0092】
図56−60は、異なる分割リング式レゾネータを説明する。図56は、1つの旋回のSRR を示す。図57は2つの旋回を有するSRR を示す。図58は4つの旋回を有するSRR を示す。図59は入れ子式のSRR 構造を示す。図60は櫛形構造を有するSRR を示す。
【0093】
これらSRR 構造は、遠隔測定の検出における感度を大幅に強化するために、単一のチップ上にコンパクトな入れ子式メタマテリアルベースのひずみセンサを形成するように組合せることができる。この構造は、非入れ子式SRR の構造と比較して、かなり多いギャップを特徴としている。これは、非入れ子式SRR の構造と比較して、結果として生じる入れ子式SRR の作動共振周波数を減少させる。さらに、外部荷重がハードウェアに適用されるとき、入れ子式SRR センサのキャパシタンスは、非入れ子式SRR よりも大きく変化させることができ、結果的に電磁波出力のより大きなシフトを生じる。これは、検出に関して該入れ子式SRR を非入れ子式よりもより高感度にすることを可能にする。
【0094】
図61−63及び図64−66に、異なるセットの相対伝導スペクトル(デシベルで)が、片対数目盛にセンサがない場合に関して、非入れ子式SRR 及び入れ子式SRR についてそれぞれ表されている。図61は、異なるレベルの荷重の下での非入れ子式SRR の相対伝導スペクトルを示し、図62は適用された荷重と共に観察される伝導シフトを拡大ズームしている。荷重なしの下で、作動周波数は約 530 MHzである。荷重の適用により、作動周波数は図61及び62に見られるように低減する。荷重の適用により、キャパシタンスは増大される。図63は、作動周波数vs. 適用荷重を説明する。
【0095】
図64は、異なるレベルの適用荷重に関する入れ子式SRR 構造の伝導スペクトルを示し、その拡大された伝導シフトを図65に示す。ここで、作動周波数は荷重なしの下で非入れ子式SRR よりも大幅に小さい。図66は適用された荷重の関数としての作動周波数の変化をプロットしている。入れ子式SSR (図66)の感度は、非入れ子式SRR (図63)と比較し、該入れ子式SRR に用いられる多様なギャップの結果として、はるかに低減することができる。
【0096】
シリコン、窒化シリコン、及びゴールドを用いるセンサは、ニュージーランド白うさぎを用いた研究の結果、生体親和性があることが証明されている。これら動物に6ヶ月間埋め込んだ後で、組織反応は生じなかった。センサ材料及びAl2O3 のコントロール材料の両方のための埋め込み物を取り囲みかつ覆っている組織は、半定量的な得点法に従い内部及び外部の組織障害の証拠により巨視的に評価された。各埋め込み物はその後、組織を取り囲む無傷の外皮と共に取り外され、そして10%中性緩衝ホルマリン液で24時間固定された。固定の後、各埋め込み物は組織外皮から取り外され、そして組織標本はルーチン的に処理され、パラフィンに包埋され、切断され、そして該センサ及びコントロール材料に対応する細部及び組織の半定量的評価のためにヘマトキシリン及びエオシン(H&E) で着色された。巨視的評価は、観察者の先入観を避けるように処理グループに対して目隠しされた、単一の病理学会認定病理学者によって実行された。
【0097】
回復期の間に、外科手術から結果として生じる合併症もなく、手術後の感染症の証拠もなく、そして6ヶ月の生存期間において死亡もなかった。これらセンサ材料近傍の組織の全体の試験は、試験材料に対する外部または内部の組織障害として現れる、有害な反応の可視的形跡を示さなかった。埋め込まれた材料を取り囲む筋肉組織に、感染症または炎症は観察されなかった。組織学のスライドの試験は、異常なマクロファージまたはリンパ球の細胞活動のないことを確認し、また試験及びコントロール材料の一般毒性スコアはゼロであった。図67及び68は、埋め込まれたMEMSセンサ付近のH&E 着色組織の2X及び4Xのイメージを示す。
【0098】
アンテナとセンサとの間のスペースを満たすやわらかい組織に直面しているセンサがよく示されている。やわらかい組織において、作動周波数は荷重なしの状態で約475 MHz であり、それは何もないスペースの入れ子式SRR よりも低い。これは、やわらかい組織が非常に高い誘電率約500 MHz を有しているためであり、そしてこれが共振周波数を低減させる。入れ子式SRR センサはまた、4 kHz/kgf の高い感度レベルを呈しており、なぜならばそのやわらかい組織が、低い周波数でのその高い誘電率のため、何もないスペースと比較して、より多く電磁波を集中させるからである。その結果、荷重の下での機械的変形は、より作動周波数に強く影響を及ぼし、それはやわらかい組織において良好な感度をもたらす。
【0099】
センサは、荷重なしの状態で約100 MHz 乃至 6 GHzの共振周波数の範囲で設計されそして試験された。生物学的な環境での使用には、低から中のMHz の範囲で作動することが好ましい。その上、生理学的な応用には、荷重なしの状態で50 MHz乃至2 GHz の共振周波数を生じるセンサを製作することがさらに好ましい。固有振動数が例えば6 GHz のように高い場合、センサが埋め込まれていないときセンサからのRF信号は(荷重なし、または荷重が作用しても)検出できるが、RF信号は、この作動周波数でやわらかい組織において消失されるので、(荷重なし、または荷重が作用しても)検出できない。もし作動周波数が低から中のMHz の範囲にあるならば、信号(及び荷重により結果として生じる信号のシフト)が容易に検出される。作動共振周波数を下げることは、やわらかい組織のバックグラウンド吸収を下げると共に、磁気フィールド侵入深さを増大する。やわらかい組織においてセンサから十分な信号を受けるのに要求される磁気フィールド侵入深さに応じて、作動共振周波数の範囲はsub-GHz 、あるいはlow GHz とすることができる。作動共振周波数がさらに下がるに従い、バックグラウンドロスがさらに下がる。しかしこれは、そのような低い周波数で作動できるサイズのセンサのコスト上昇を生じる。この点に関し、要求される作動範囲は100 MHz 以下、好ましくは50 MHzとなる。生理学的荷重範囲は、0-3000N (3000 平均的な人間の体重750 N の約4倍) である。
【0100】
やわらかい組織媒体は、共振周波数が下がるので、検出応用に有利である。種々実施例において、やわらかい組織とセンサのアンテナとの間の大きなスペースが避けられる。もしやわらかい組織とアンテナとの間に何もない十分なスペースがあるならば、アンテナ信号は低減する。
【0101】
バキュームテープのようなフレキシブルな基板の使用は、シリコン基板の使用と比べて、ワイヤレスセンサのより高い感度及び線形をもたらすことができる。テープベースのフレキシブルセンサとシリコンベースのセンサとの間の製造上の相違は、バキュームテープ基板の上に第1のゴールド層の堆積を含む。第1のゴールド層は、共振周波数での吸収を増大し、共振周波数での高い降下がある。しかしながら、シリコン基板でもって、シリコン自身は特別なゴールド層なしで吸収を増大する。第1ゴールド層の堆積はまたテープベースのフレキシブルセンサの第1及び最終ゴールド層間に誘電体を有する平行板を形成する。シリコンベースのセンサに関し、ドープされたシリコン基板を用いることができるので、特別なゴールド層なしで平行板コンデンサを形成することができる。さらに、シリコンベースのセンサに関し、センサをハードウェアに固定するために硬質エポキシ樹脂を用いることができる。テープベースのフレキシブルセンサに関し、テープが自身のエポキシ樹脂または他の固定材を有しているので、特別なエポキシ樹脂は不要である。
【0102】
図69−70は、シリコンベースのセンサの性能を示し、検査されるひずみのすべての場合において10dBを超える伝導降下(transmission dip)を示している。感度が図69に示される。この図において、Δf0は荷重なしの共振周波数に関する共振周波数のシフトとして用いられており、そしてF は適用された荷重として用いられている。図70及び71は非線形エラーを示す。
【0103】
図72は、テープベースフレキシブルセンサのS21 パラメータを示し、検査されるひずみの異なる場合において伝導スペクトラが10dBを越える降下を示している。図73はΔf0対F を示す。そのとき、ハードウェアとして用いられるキャストポリアミドテストスティックのヤング率を用いて、マイクロひずみ が判定されそして図74にΔf0としてプロットされる。図75に示されるように80 マイクロひずみよりも小さい非線形エラーがあり、そして図76に見ることができるように、3%よりも小さい非線形エラーがある。全体として、テープベースフレキシブルセンサにおいては、シリコンベースセンサと比較して、より高い感度及びより良好な線形を得ることができる。
【0104】
種々実施例において、誘電的に電力を供給されるワイヤレスセンサは、人体に埋め込まれたハードウェアのひずみを監視するのに用いることができる。1 cm2 よりも小さい横方向の面積を有する、誘電的に電力を供給されるワイヤレスセンサは、約500 MHz の共振周波数で作動することができる。そのようなセンサは、やわらかい組織に直面して4 kHz/kgf までの感度を有することができる。種々実施例において、誘電的に電力を供給されるワイヤレスセンサは、このセンサを優れたバイオMEMs装置とする、生体親和性のある材料で構成される。
【0105】
図77は、システム7700の実施例の種々特徴のブロックダイアグラムを示す。システム7700は、人のような生物学的対象に埋め込まれる誘電的に電力を供給されるセンサのプロービングを制御するように構成することができる。この制御されたプロービングは、ハードウェアが同ハードウェアに取り付けられたセンサを有する場合、対象に埋め込まれたハードウェアのひずみの変化を監視するのに用いることができる。人の踵の骨折のように、治癒プロセスの補助のための埋め込まれたプレートは、ハードウェアにおけるひずみの後の変化と共に、より少ないストレスを受ける。ハードウェアのひずみの変化により、センサのキャパシタンス構造の変化があり、センサの1つのレゾネータまたは複数のレゾネータの共振周波数のシフトによって示される。システム7700は、時間経過によるセンサの励磁を調整するために、共振周波数データの収集を管理するために、適切なパラメータ、校正データ、及び収集データを含む関連データを蓄積するために、ならびにハードウェアにより支持された荷重及び骨折した踵の骨により支持された荷重の変化に関して収集された共振周波数データを分析するために用いることができる。システム7700は図19の監視システムを含むことができる。
【0106】
システム7700は、コントローラ7705、バス7715、メモリ7725、装置7735、及び端末装置7745を備えることができる。システム7700は、例えばシステム7700の個々のコンポーネントを一緒に連結したり、あるいは従来技術を用いている1つまたは多数のユニットと一体にしたり、種々の方法で形成することができる。バス7715は、システム7700の種々コンポーネント間に誘電体を設けることができる。実施例において、バス7715は、アドレスバス、データバス、及びコントロールバスを備え、それぞれ個々に構成されている。変形例において、バス7715は、1つ以上のアドレス、データ、またはコントローラを備える共通の導電ラインを有しており、その使用はコントローラ7705により調整される。
【0107】
装置7735は、対象に埋め込まれたハードウェア上のセンサに対して電磁気的な励振を発生するプローブを備えることができる。励振はセンサに電源投入する。装置7735はまた、該励振に応答してセンサからの電磁信号を受信する受信機を備えることができる。装置7735は、センサから受信した信号の共振周波数を判定する電気回路を備えることができる。センサは、ここに説明した種々実施例に従って実現することができる。
【0108】
メモリ7725は、データを記憶しかつ受け取るための、そしてシステム7700のオペレーションの指令を記憶しかつ受け取るためのあらゆる形式のメモリを備えることができる。メモリ7725は、磁気メモリ、取り外し可能なメモリ、及びあらゆるすべての形式の半導体ベースメモリを、これらに限定されることなく、備えることができる。メモリ7725は、指令を記憶する機械可読媒体として設計することができ、システム7700により実行されるときに、対象の骨折の治癒の監視及び分析を管理するオペレーションをシステム7700に実行させる。指令はコントローラ7705により処理される。実施例において、コントローラ7705はプロセッサを備えている。
【0109】
種々実施例において、端末装置または装置7745がバス7715に接続されている。端末装置7745は、キーボード、ディスプレイ、撮像装置、印刷装置、ワイヤレス装置、ワイヤレスインタフェイス(例えばワイヤレストランシーバ)、追加のストレージメモリ、及びコントローラ7705またはシステム7700の他のコンポーネントと一緒に操作するコントロール装置を備えることができる。
【0110】
バス7715は、Ethernet(登録商標)、USB 、またはFireWireBus のようなコミュニケーションインタフェイスを備え、または同コミュニケーションインタフェイス 7715 に接続することができ、それは、電子ネットワーク、インターネットのようなパブリックネットワーク、または会社のローカルエリアネットワーク(LAN )あるいはワイドエリアネットワーク(WAN )のようなプライベートネットワーク、またはバーチャルプライベートネットワークとコミュニケートするのに用いることができる。他のコンピュータシステムも、センサから得られた結果を、遠隔監視、観察、及び分析をも可能にするように、このシステムにリンクすることが可能である。ワイヤレスコミュニケーションシステムも用いることができる。
【0111】
さらにまた、ここに開示されたシステム及びネットワークが、当技術分野の熟練者により、ここにさらに説明されたその方法、システム及びソフトウェアを実行すると共に、本発明を実行するのに必要なコンピュータデータ及び電子信号を提供するようにプログラムを組まれかつ構成されることが認められるべきである。
【0112】
具体的な実施例が埋め込み可能なハードウェアに関連する典型的な実施例を参照してここに例証しかつ説明したが、前述した実施例及び技術を、例えば構造物におけるストレスの検出のような他の監視または診断の目的に用いることができることは、当技術における通常の技術者により理解されるであろう。本発明の範囲及び趣旨の中の開示から当技術における通常の技術者により達成可能な変更や均等のものは、本発明のさらなる実施例として含まれるべきものである。上述の説明は、例証することを意図し、制限的ではないこと、及びここに言葉使いまたは専門用語は説明の目的で用いられていることを理解するべきである。したがい、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲に述べられたように定義されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に埋め込み可能な、ハードウェア装置に取り付けられるセンサ装置を用いるハードウェア装置の変化を監視する方法であって、該方法は以下のステップを備えている:
上記センサ装置から信号を受信するステップ;
期間中の受信信号に基づいて上記センサ装置の共振周波数のシフトを判定するステップ;及び
該期間中の上記センサ装置の共振周波数の該判定されたシフトに基づいて上記ハードウェア装置のひずみの一時的変化を判定するステップ。
【請求項2】
上記センサ装置から信号を発生するように上記センサ装置を交番磁気フィールドまたは電磁気フィールドにさらすステップをさらに備えている請求項1の方法。
【請求項3】
上記ハードウェア装置のひずみの上記一時的変化に基づいて上記対象における変化を判定するステップをさらに備えている請求項1の方法。
【請求項4】
交番磁気フィールドまたは電磁気フィールドでもって上記センサ装置に誘電的に電力を供給する;
上記センサ装置から信号を無線で送信するステップ;及び
上記センサ装置から上記無線で受信した信号に基づいて、該期間中の上記センサ装置の共振周波数における上記シフトを判定するステップを備え、
上記ハードウェア装置は生物学的対象に埋め込まれている請求項1の方法。
【請求項5】
上記センサ装置の共振周波数は、上記受信された信号をスペクトルアナライザに入力することによって判定され、
上記センサ装置は、荷重なしで50 MHz乃至 7 GHzの範囲の共振周波数を有するように構成されている請求項4の方法。
【請求項6】
上記ハードウェア装置のひずみの一時的変化に基づいて上記生物学的対象における変化を判定するステップをさらに備えている請求項4の方法。
【請求項7】
上記ハードウェアのひずみの一時的変化は、上記ハードウェア装置のひずみ−周波数校正を用いて判定される請求項4の方法。
【請求項8】
上記ハードウェア装置の表面曲げひずみを監視するステップをさらに備えている請求項4の方法。
【請求項9】
上記ハードウェア装置は骨折固定プレートを備え、上記センサは同骨折固定プレートの表面に取り付けられている請求項4の方法。
【請求項10】
基板;
上記基板の上に配置された誘電体;及び
上記誘電体の上に配置された少なくとも1つの導電コイルを備え、
上記誘電体及び導電コイルはレゾネータとして構成され、
上記基板、上記誘電体、及び上記導電コイルは、生物学的対象に埋め込まれる生体親和性のあるセンサ装置として構成され、そして
上記センサ装置は誘電的に電力を供給されるセンサ装置。
【請求項11】
上記基板はフレキシブルテープとして構成されている請求項10のセンサ装置。
【請求項12】
上記センサ装置は、上記基板と上記誘電体との間で上記基板及び上記誘電体に接触する導電層を備えている請求項10のセンサ装置。
【請求項13】
上記誘電体はシリコンから構成され、上記導電コイルはゴールドから構成されている請求項10のセンサ装置。
【請求項14】
上記レゾネータはメタマテリアルから構成されている請求項10のセンサ装置。
【請求項15】
上記導電コイルは、らせん、分割リング、または入れ子式分割リング形状の1つを有している請求項10のセンサ装置。
【請求項16】
上記らせん形状は少なくとも2つの旋回を有する連続長を有している請求項15のセンサ装置。
【請求項17】
上記入れ子式分割リング形状は、内側正方形及び外側正方形を備え、上記外側正方形は第1の割れ目を有すると共に上記内側正方形は第2の割れ目を有し、上記第1の割れ目は、上記第2の割れ目を有する上記内側正方形の長さに相対する上記第2の正方形の長さに沿っている請求項15のセンサ装置。
【請求項18】
上記センサ装置は入れ子式分割リング構造のアレイを備えている請求項17のセンサ装置。
【請求項19】
上記らせんコイル構造は少なくとも2つの旋回を有している請求項15のセンサ装置。
【請求項20】
上記入れ子式分割リング構造は、共通のベースサイドを有し、しかし異なる高さを有する複数の長方形を有し、それぞれの長方形は上記ベースサイドに相対するギャップを有している請求項15のセンサ装置。
【請求項21】
上記センサ装置は導電コイルのアレイを備えている請求項10のセンサ装置。
【請求項22】
上記導電コイルのアレイは少なくとも2つの異なるコイル形状を備えている請求項21のセンサ装置。
【請求項23】
上記レゾネータは吊り下げ式のレゾネータ構造を有している請求項10のセンサ装置。
【請求項24】
上記導電コイルは三重構造を有している請求項10のセンサ装置。
【請求項25】
上記三重構造の核レゾネータは、長方形らせんコイルレゾネータ、円形らせんコイルレゾネータ、吊り下げ式レゾネータ、または分割リングレゾネータの少なくとも1つである請求項24のセンサ装置。
【請求項26】
上記センサ装置が、荷重なしで50 MHz乃至7 GHz の範囲の共振周波数を有している請求項10のセンサ装置。
【請求項27】
ハードウェア装置;及び
上記ハードウェア装置に取り付け可能または同ハードウェア装置と一体のセンサ装置を備え、同センサ装置は、
基板;
上記基板の上に配置された誘電体;及び上記誘電体の上に配置された少なくとも1つの導電コイルを備え、
上記誘電体及び導電コイルはレゾネータとして構成され、
上記基板、上記誘電体、及び上記導電コイルは、生物学的対象に埋め込まれる生体親和性のあるセンサとして構成され、そして
上記センサ装置は誘電的に電力を供給される、
生物学的対象に埋め込み可能な装置。
【請求項28】
上記基板がエポキシ樹脂により上記ハードウェア装置に取り付け可能である請求項27の装置。
【請求項29】
上記ハードウェア装置が骨折固定プレートを備えている請求項27の装置。
【請求項30】
上記基板はフレキシブルテープとして構成されている請求項27の装置。
【請求項31】
上記誘電体が窒化シリコンで構成されそして上記導電コイルがゴールドで構成されている請求項27の装置。
【請求項32】
上記レゾネータはメタマテリアルで構成されている請求項27の装置。
【請求項33】
上記導電コイルは、らせん、分割リング、または入れ子式分割リング構造の1つを有している請求項27の装置。
【請求項34】
上記センサ装置が、荷重なしで50 MHz乃至 7 GHzに共振周波数を有するように構成されている請求項27の装置。
【請求項35】
上記装置はハードウェア装置及び上記ハードウェア装置に取り付け可能または同ハードウェア装置と一体のセンサ装置を含んでいる、生物学的対象に埋め込み可能な装置;
上記センサ装置に電力を供給する電磁気フィールドを発生するように構成された電磁気フィールドジェネレータ;
上記センサ装置が電磁気フィールドにより励起されたことに応答して発生された上記センサ装置からの信号を受信する受信機;
上記受信された信号から上記センサの共振周波数を判定する装置;及び
期間中の上記センサ装置の共振周波数におけるシフトに基づいて、上記ハードウェア装置のひずみの一時的変化を判定するアナライザを備えた監視システム。
【請求項36】
上記アナライザは、上記ハードウェア装置のひずみの一時的変化に基づいて、上記生物学的対象における変化を判定する請求項35の監視システム。
【請求項37】
以下を実行する指令のための、同監視システムのプロセッサにより実行可能な指令を記憶する機械可読記憶媒体をさらに備えた請求項35の監視システム:
上記センサ装置の共振周波数を判定すること;
上記センサ装置からの無線信号に基づいて上記センサ装置の共振周波数における上記シフトを判定し、上記無線信号は、適用された電磁プローブ信号に応答して上記センサ装置から発生されること;及び
上記期間中の上記センサ装置の共振周波数のシフトに基づいて上記ハードウェア装置におけるひずみの一時的変化を判定すること。
【請求項38】
機械可読媒体は、上記ハードウェア装置のひずみ−周波数校正のデータを記憶する指令を備えている請求項37の監視システム。
【請求項39】
機械可読媒体は、上記生物学的対象の骨折治癒を表すデータを発生する指令を備え、上記データは骨折に関連する上記生物学的対象に埋め込まれた上記ハードウェアのひずみにおける一時的変化に基づいている請求項37の監視システム。
【請求項40】
上記アナライザは、上記ハードウェア装置のひずみ−周波数校正のデータを記憶するメモリを備えている請求項35の監視システム。
【請求項41】
上記生物学的対象の骨折治癒を表すデータを記憶するメモリ装置をさらに備え、上記データは、骨折に関連する上記生物学的対象に埋め込まれた上記ハードウェア装置のひずみにおける一時的変化に基づいている請求項35の監視システム。
【請求項42】
対象に埋め込み可能なハードウェア装置を製造する方法であって、上記方法は以下のステップを備えている:
上記ハードウェア装置のひずみにおける変化を測定する生体親和性のあるセンサを製造するステップ;及び
上記生体親和性のあるセンサを配置するステップ。
【請求項43】
上記生体親和性のあるセンサは誘電的に電力を供給される請求項42の方法。
【請求項44】
上記センサが、荷重なしで50 MHz乃至 7 GHzの範囲の共振周波数を有するように構成されている請求項42の方法。
【請求項45】
上記製造するステップは、
誘電体を基板上に配置するステップ;
上記誘電体上に導電コイルを形成するステップを備え、
上記誘電体及び上記導電コイルは、磁気フィールドまたは電磁気フィールドでもって励起されたときに信号を出力するレゾネータとして構成されている請求項42の方法。
【請求項46】
基板;
上記基板の上に配置された誘電体;及び
上記誘電体の上に配置された少なくとも1つの導電コイルを備え、
上記誘電体及び上記導電コイルはレゾネータとして構成され、
上記センサは誘電的に電力を供給され、
上記センサ装置は同センサ装置の共振周波数に対応する信号を無線で出力し、及び
上記周波数は上記レゾネータに適用されたひずみに応答してシフトするセンサ装置。
【請求項47】
上記センサ装置が、荷重なしで50 MHz乃至 7 GHzの範囲の共振周波数を有するように構成されている請求項46のセンサ装置。
【請求項48】
構造メンバに取り付け可能なセンサ装置;
上記センサ装置に電力を供給する電磁気フィールドを発生するように構成された電磁気フィールドジェネレータ;
上記センサ装置が電磁気フィールドにより励起されたことに応答して発生された上記センサ装置からの信号を受信する受信機;
上記受信された信号から上記センサの共振周波数を判定する装置;及び
上記センサ装置の共振周波数におけるシフトに基づいて、上記センサ装置のひずみを判定するアナライザを備えた監視システム。
【請求項49】
上記センサ装置が、荷重なしで50 MHz乃至 7 GHzの範囲の共振周波数を有するように構成されている請求項48の監視システム。
【請求項1】
対象に埋め込み可能な、ハードウェア装置に取り付けられるセンサ装置を用いるハードウェア装置の変化を監視する方法であって、該方法は以下のステップを備えている:
上記センサ装置から信号を受信するステップ;
期間中の受信信号に基づいて上記センサ装置の共振周波数のシフトを判定するステップ;及び
該期間中の上記センサ装置の共振周波数の該判定されたシフトに基づいて上記ハードウェア装置のひずみの一時的変化を判定するステップ。
【請求項2】
上記センサ装置から信号を発生するように上記センサ装置を交番磁気フィールドまたは電磁気フィールドにさらすステップをさらに備えている請求項1の方法。
【請求項3】
上記ハードウェア装置のひずみの上記一時的変化に基づいて上記対象における変化を判定するステップをさらに備えている請求項1の方法。
【請求項4】
交番磁気フィールドまたは電磁気フィールドでもって上記センサ装置に誘電的に電力を供給する;
上記センサ装置から信号を無線で送信するステップ;及び
上記センサ装置から上記無線で受信した信号に基づいて、該期間中の上記センサ装置の共振周波数における上記シフトを判定するステップを備え、
上記ハードウェア装置は生物学的対象に埋め込まれている請求項1の方法。
【請求項5】
上記センサ装置の共振周波数は、上記受信された信号をスペクトルアナライザに入力することによって判定され、
上記センサ装置は、荷重なしで50 MHz乃至 7 GHzの範囲の共振周波数を有するように構成されている請求項4の方法。
【請求項6】
上記ハードウェア装置のひずみの一時的変化に基づいて上記生物学的対象における変化を判定するステップをさらに備えている請求項4の方法。
【請求項7】
上記ハードウェアのひずみの一時的変化は、上記ハードウェア装置のひずみ−周波数校正を用いて判定される請求項4の方法。
【請求項8】
上記ハードウェア装置の表面曲げひずみを監視するステップをさらに備えている請求項4の方法。
【請求項9】
上記ハードウェア装置は骨折固定プレートを備え、上記センサは同骨折固定プレートの表面に取り付けられている請求項4の方法。
【請求項10】
基板;
上記基板の上に配置された誘電体;及び
上記誘電体の上に配置された少なくとも1つの導電コイルを備え、
上記誘電体及び導電コイルはレゾネータとして構成され、
上記基板、上記誘電体、及び上記導電コイルは、生物学的対象に埋め込まれる生体親和性のあるセンサ装置として構成され、そして
上記センサ装置は誘電的に電力を供給されるセンサ装置。
【請求項11】
上記基板はフレキシブルテープとして構成されている請求項10のセンサ装置。
【請求項12】
上記センサ装置は、上記基板と上記誘電体との間で上記基板及び上記誘電体に接触する導電層を備えている請求項10のセンサ装置。
【請求項13】
上記誘電体はシリコンから構成され、上記導電コイルはゴールドから構成されている請求項10のセンサ装置。
【請求項14】
上記レゾネータはメタマテリアルから構成されている請求項10のセンサ装置。
【請求項15】
上記導電コイルは、らせん、分割リング、または入れ子式分割リング形状の1つを有している請求項10のセンサ装置。
【請求項16】
上記らせん形状は少なくとも2つの旋回を有する連続長を有している請求項15のセンサ装置。
【請求項17】
上記入れ子式分割リング形状は、内側正方形及び外側正方形を備え、上記外側正方形は第1の割れ目を有すると共に上記内側正方形は第2の割れ目を有し、上記第1の割れ目は、上記第2の割れ目を有する上記内側正方形の長さに相対する上記第2の正方形の長さに沿っている請求項15のセンサ装置。
【請求項18】
上記センサ装置は入れ子式分割リング構造のアレイを備えている請求項17のセンサ装置。
【請求項19】
上記らせんコイル構造は少なくとも2つの旋回を有している請求項15のセンサ装置。
【請求項20】
上記入れ子式分割リング構造は、共通のベースサイドを有し、しかし異なる高さを有する複数の長方形を有し、それぞれの長方形は上記ベースサイドに相対するギャップを有している請求項15のセンサ装置。
【請求項21】
上記センサ装置は導電コイルのアレイを備えている請求項10のセンサ装置。
【請求項22】
上記導電コイルのアレイは少なくとも2つの異なるコイル形状を備えている請求項21のセンサ装置。
【請求項23】
上記レゾネータは吊り下げ式のレゾネータ構造を有している請求項10のセンサ装置。
【請求項24】
上記導電コイルは三重構造を有している請求項10のセンサ装置。
【請求項25】
上記三重構造の核レゾネータは、長方形らせんコイルレゾネータ、円形らせんコイルレゾネータ、吊り下げ式レゾネータ、または分割リングレゾネータの少なくとも1つである請求項24のセンサ装置。
【請求項26】
上記センサ装置が、荷重なしで50 MHz乃至7 GHz の範囲の共振周波数を有している請求項10のセンサ装置。
【請求項27】
ハードウェア装置;及び
上記ハードウェア装置に取り付け可能または同ハードウェア装置と一体のセンサ装置を備え、同センサ装置は、
基板;
上記基板の上に配置された誘電体;及び上記誘電体の上に配置された少なくとも1つの導電コイルを備え、
上記誘電体及び導電コイルはレゾネータとして構成され、
上記基板、上記誘電体、及び上記導電コイルは、生物学的対象に埋め込まれる生体親和性のあるセンサとして構成され、そして
上記センサ装置は誘電的に電力を供給される、
生物学的対象に埋め込み可能な装置。
【請求項28】
上記基板がエポキシ樹脂により上記ハードウェア装置に取り付け可能である請求項27の装置。
【請求項29】
上記ハードウェア装置が骨折固定プレートを備えている請求項27の装置。
【請求項30】
上記基板はフレキシブルテープとして構成されている請求項27の装置。
【請求項31】
上記誘電体が窒化シリコンで構成されそして上記導電コイルがゴールドで構成されている請求項27の装置。
【請求項32】
上記レゾネータはメタマテリアルで構成されている請求項27の装置。
【請求項33】
上記導電コイルは、らせん、分割リング、または入れ子式分割リング構造の1つを有している請求項27の装置。
【請求項34】
上記センサ装置が、荷重なしで50 MHz乃至 7 GHzに共振周波数を有するように構成されている請求項27の装置。
【請求項35】
上記装置はハードウェア装置及び上記ハードウェア装置に取り付け可能または同ハードウェア装置と一体のセンサ装置を含んでいる、生物学的対象に埋め込み可能な装置;
上記センサ装置に電力を供給する電磁気フィールドを発生するように構成された電磁気フィールドジェネレータ;
上記センサ装置が電磁気フィールドにより励起されたことに応答して発生された上記センサ装置からの信号を受信する受信機;
上記受信された信号から上記センサの共振周波数を判定する装置;及び
期間中の上記センサ装置の共振周波数におけるシフトに基づいて、上記ハードウェア装置のひずみの一時的変化を判定するアナライザを備えた監視システム。
【請求項36】
上記アナライザは、上記ハードウェア装置のひずみの一時的変化に基づいて、上記生物学的対象における変化を判定する請求項35の監視システム。
【請求項37】
以下を実行する指令のための、同監視システムのプロセッサにより実行可能な指令を記憶する機械可読記憶媒体をさらに備えた請求項35の監視システム:
上記センサ装置の共振周波数を判定すること;
上記センサ装置からの無線信号に基づいて上記センサ装置の共振周波数における上記シフトを判定し、上記無線信号は、適用された電磁プローブ信号に応答して上記センサ装置から発生されること;及び
上記期間中の上記センサ装置の共振周波数のシフトに基づいて上記ハードウェア装置におけるひずみの一時的変化を判定すること。
【請求項38】
機械可読媒体は、上記ハードウェア装置のひずみ−周波数校正のデータを記憶する指令を備えている請求項37の監視システム。
【請求項39】
機械可読媒体は、上記生物学的対象の骨折治癒を表すデータを発生する指令を備え、上記データは骨折に関連する上記生物学的対象に埋め込まれた上記ハードウェアのひずみにおける一時的変化に基づいている請求項37の監視システム。
【請求項40】
上記アナライザは、上記ハードウェア装置のひずみ−周波数校正のデータを記憶するメモリを備えている請求項35の監視システム。
【請求項41】
上記生物学的対象の骨折治癒を表すデータを記憶するメモリ装置をさらに備え、上記データは、骨折に関連する上記生物学的対象に埋め込まれた上記ハードウェア装置のひずみにおける一時的変化に基づいている請求項35の監視システム。
【請求項42】
対象に埋め込み可能なハードウェア装置を製造する方法であって、上記方法は以下のステップを備えている:
上記ハードウェア装置のひずみにおける変化を測定する生体親和性のあるセンサを製造するステップ;及び
上記生体親和性のあるセンサを配置するステップ。
【請求項43】
上記生体親和性のあるセンサは誘電的に電力を供給される請求項42の方法。
【請求項44】
上記センサが、荷重なしで50 MHz乃至 7 GHzの範囲の共振周波数を有するように構成されている請求項42の方法。
【請求項45】
上記製造するステップは、
誘電体を基板上に配置するステップ;
上記誘電体上に導電コイルを形成するステップを備え、
上記誘電体及び上記導電コイルは、磁気フィールドまたは電磁気フィールドでもって励起されたときに信号を出力するレゾネータとして構成されている請求項42の方法。
【請求項46】
基板;
上記基板の上に配置された誘電体;及び
上記誘電体の上に配置された少なくとも1つの導電コイルを備え、
上記誘電体及び上記導電コイルはレゾネータとして構成され、
上記センサは誘電的に電力を供給され、
上記センサ装置は同センサ装置の共振周波数に対応する信号を無線で出力し、及び
上記周波数は上記レゾネータに適用されたひずみに応答してシフトするセンサ装置。
【請求項47】
上記センサ装置が、荷重なしで50 MHz乃至 7 GHzの範囲の共振周波数を有するように構成されている請求項46のセンサ装置。
【請求項48】
構造メンバに取り付け可能なセンサ装置;
上記センサ装置に電力を供給する電磁気フィールドを発生するように構成された電磁気フィールドジェネレータ;
上記センサ装置が電磁気フィールドにより励起されたことに応答して発生された上記センサ装置からの信号を受信する受信機;
上記受信された信号から上記センサの共振周波数を判定する装置;及び
上記センサ装置の共振周波数におけるシフトに基づいて、上記センサ装置のひずみを判定するアナライザを備えた監視システム。
【請求項49】
上記センサ装置が、荷重なしで50 MHz乃至 7 GHzの範囲の共振周波数を有するように構成されている請求項48の監視システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図70】
【図71】
【図75】
【図76】
【図77】
【図11】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図72】
【図73】
【図74】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図70】
【図71】
【図75】
【図76】
【図77】
【図11】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図72】
【図73】
【図74】
【公表番号】特表2012−501237(P2012−501237A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525295(P2011−525295)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/055772
【国際公開番号】WO2010/028077
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511038813)クリスチャン エム パットリッツ コンサルティング エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】Christian M. Puttlitz Consulting, LLC
【住所又は居所原語表記】3644 Blue Flax Ct., Fort Collins, Colorado 80521, United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/055772
【国際公開番号】WO2010/028077
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511038813)クリスチャン エム パットリッツ コンサルティング エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】Christian M. Puttlitz Consulting, LLC
【住所又は居所原語表記】3644 Blue Flax Ct., Fort Collins, Colorado 80521, United States of America
【Fターム(参考)】
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