説明

バクテリオシンおよびシソ科植物からの抽出物を含有する組成物

本発明は(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物を含む組成物であって、(a)および(b)は異なり、この組成物はその組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、抗菌材料がナイシンから成る場合、この組成物はその組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、およびその組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺微生物作用または微生物静菌作用を示す組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
バクテリオシンはある細菌により産生することができる抗菌性タンパク質またはペプチドであり、密接に関連した細菌を死滅させるか、または成長を抑制することができる。乳酸菌によって産生されるバクテリオシンは、食品の保存能、および食物病原体の抑制能が大きく見込まれるので特に重要である(非特許文献1)。
【0003】
最も良く知られたバクテリオシンはナイシンであり、現在食品添加物として承認されているただ一つのバクテリオシンである。ナイシンは乳製品スタータカルチャー細菌Lactococcus lactis亜種lactisの発酵によって産生され、市販の抽出物Nisaplin(登録商標)天然抗菌剤(ダニスコ)として販売されている。ナイシンはほとんどのグラム陽性菌(例えばBacillus、Clostridium、Listeria、乳酸菌の種)に対して活性であり、バクテリオシンとしては異常に広い抗菌スペクトルを有する。ナイシンはグラム陰性菌、酵母、あるいは糸状菌に対しては一般に効果がない。ナイシンは世界的に食品保存添加物として認められているが、その使用レベルおよび承認された食品用途は厳しく制限され、国ごとに異なっている。
【0004】
以来、食品保存添加物として可能性のある例えば、ペディオシン、ラクチシン、サカシン、ラクトコッシン、エンテロシン(enterococin)、プランタリシン、ロイコシンなどのその他のバクテリオシンが発見されている。これらもグラム陽性菌に対して活性であるが、スペクトルは通常狭い。現在、それらの食品使用は、イン・サイチユで、すなわち食品内での産生株の成長によるバクテリオシン産生に限定されている。
【0005】
抗酸化剤は酸化的変性に感受性のある食品製品中で広く使用されている。抗酸化剤は食品医薬品局(21CFR 170.3)により、「酸化による変質、酸敗、あるいは変色を遅延させることにより食品を保存するために使用する物質」と定義されている。香辛料または植物抽出物を抗酸化剤として、および風味を与えるものとして食品中で使用することができる。ブチルヒドロキシアニソール(BHA)およびブチルヒドロキシトルエン(BHT)などの化学合成の抗酸化剤と比較した場合、上記のような抽出物の1つの利点は、それらが天然成分として認知されていることである。シソ科の植物はいくつかの公知のハーブ類を含んでいる。これらの植物由来の抽出物は、抗酸化剤を有し、ある場合には抗菌活性を有することが示されている(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。このような抽出物は、精油および樹脂油剤(風味および芳香に使用される精油含有物を含む抽出物)、あるいはフェノールジテルペン含有量が高く、風味誘発化合物が低濃度である「脱臭された」抽出物であってもよい。
【0006】
精油は植物材料の単純な水蒸気蒸留によって抽出される。ローズマリーおよびセージ中にある最も有効な抗酸化化合物は、カルノジン酸、カルノソール、およびローズマリー酸であることが報告されている(非特許文献5)。カルノジン酸、フェノールジテルペン(C2028)は、シソ科、特にローズマリーおよびセージ、あるいはタイムおよびマジョラムの植物の葉の中に自然に生じるものである。ローズマリーまたはセージの乾燥させた葉は、1.5〜2.5%カルノジン酸、および0.3〜0.4%のカルノソールを含んでいる(特許文献1)。カルノソールは、カルノジン酸の酸化による人工産物である(非特許文献6)。酸化は、空気中で葉を収穫し、それを空気中で乾燥放置させた場合に、あるいは葉を溶媒で抽出する場合に起こる。ロスマノールもカルノジン酸の酸化生成物である。
【0007】
微生物の成長を抑制するための植物材料の抽出物の使用は、当該分野において開示されている。このような開示の実例を挙げる。特許文献2は、カラー・ライ(colour lie)の延長し、かつ新鮮な肉、魚および鶏肉中の微生物の成長を抑制するシソ科バーブ抽出物およびホップ抽出物を開示する。非特許文献7では、ナイシンと併用して0.3mmol/リットルでカルバクロールおよびチモールを使用すると、相乗作用が観察されることが開示されている。特許文献3は、抗菌薬およびシソ科溶媒抽出物を含む一連の成分を有する化粧品に関する。特許文献4は、ティーツリー油およびタイム精油の混合を開示している。特許文献5では植物抽出物消毒薬について検討されている。特許文献6では、シソ科Scutellaria、好ましくは根(黄岑)由来の一つを含む植物抽出物の組み合わせを述べている。特許文献7では、チモールとオイゲノールとを含むプラークおよび歯肉炎用の経口組成物を開示している。
【0008】
食品安全性および食品の品質低下の予防は、特にインスタント食品、スープ、ソース、あるいはスナックなどのコンビニエンス食品の増加傾向のため世界的に常在する問題となっている。食品の腐敗は食品製造者において大きな経済的問題である。食品製造者は食べるのに安全な製品を供給することにより、公共の健康および安全性を保護する必要がある。このような食品はチルド貯蔵または室温貯蔵のいずれかにおいて、保証された貯蔵期限を有しなければならない。消費者は高品位のおいしい食品を好む―これは化学防腐剤、厳しい加熱法、およびその他の加工手段では達成することが困難である。食品安全性および保護は、より穏やかな加工および天然防腐剤を組み合わせたアプローチを使用する複合保存システムにより最も良好に達成される。異なる防腐手段で保存されていた食品中では食物媒介微生物の順応および成長が低下する。
【0009】
食品安全性、およびListeria monocytogenesなどの食品病原体の成長に関する多くの懸念がある。この特定の病原体は低温で成長することができ、補足的な防腐尺度として使用されることが多い。種々の防腐剤および貯蔵条件に順応することのできる食物病原体が時に見られるので、複数の防腐手段を組み合わせでおけば、個々の手段よりも良好な結果を得ることができる。
【0010】
保証された貯蔵期限をもち、便利で、安全で、健康的な、品質の良い天然食物製品の公的需要を満たし、経済的で、効果的な天然食品保存システムを開発する必要性が増している。ナイシンなどのバクテリオシンは、このような必要性を満たすのに役立つ防腐剤として、食品中で使用することができる。ナイシンはGRASをもち安全性が立証された天然の防腐剤である。食品中のバクテリオシン産生生物体の成長によって、イン・サイチユで産生されるのであればその他のバクテリオシンを保存に使用することができる。
【特許文献1】米国特許第6,231,896号明細書
【特許文献2】国際公開第02/069741号パンフレット
【特許文献3】特開2001−172159号公報
【特許文献4】国際公開第98/56395号パンフレット
【特許文献5】英国特許出願公開2,275,194号明細書
【特許文献6】米国特許第6,083,921号明細書
【特許文献7】米国特許第5,472,684号明細書
【非特許文献1】S.Wessels,B.Jelle,およびI.F.Nes,Danish Toxicology Centre,「Bacteriocins of the Lactic Acid Bacteria」,Denmark,1998
【非特許文献2】G.−J.E.NychasおよびP.N.Skandamis,「Antimicrobials from herbs and spices」,S.Roller編,「Natural Antimicrobials for the Minimal Processing of Foods」中,USA,CRC Press,2003,
【非特許文献3】E.J.SmidおよびL.G.M.Gorris,「Natural antimicrobials for food preservation」,M.S.Rahman編,「Handbook of Food Preservation」中,Marcel Dekker Inc.,New York.1999.
【非特許文献4】J.Loliger,「Natural Antioxidants」,J.AllenおよびR.Hamilton編,「Rancidity in Food」,New York,Elsevier Applied Science,1989年,pp 105−124
【非特許文献5】M.E.Cuvelier,H.RichardおよびC.Berset,「Antioxidative activity and phenolic composition of pilot−plant and commercial extracts of sage and rosemary」,JAOCS,1996年,第73巻,645−652
【非特許文献6】Wenkertら、J.Org.Chem.1965年,第30巻,2931
【非特許文献7】Periagoら,Food Science & Technology International,2001年,第7巻,487−492
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
規制および立法上の制約のため、保存または食品安全性を確保するために必要とされるバクテリオシンレベルが非経済的であったり、効果的なレベル未満であったりすることが判明する場合がある。バクテリオシンがイン・サイチユで産生される場合、得られたバクテリオシンレベルが必要とされる防腐効果を達成するのに十分ではない可能性もある。
【0012】
本発明は先行技術の問題点を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一態様において、本発明は(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物を含む組成物であって、(a)および(b)は異なり、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む組成物を提供する。
【0014】
一態様において、本発明は、材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または材料中の微生物を殺菌するためのプロセスを提供するものであって、このプロセスは(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物を含む材料と接触させるステップを含み、(a)および(b)は異なり、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む。
【0015】
一態様において、本発明は、材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または材料中の微生物を殺菌するため、(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物の使用を提供するものであって、(a)および(b)は異なり、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む。
【0016】
一態様において、本発明は、本明細書に規定されるような組成物を調製するためのキットを提供するものであって、このキットは、個別のパッケージあるいは容器の中に、(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物を含み、(a)および(b)は異なり、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含み、混合および/または接触および/または使用のための指示書を任意に含むキットを提供する。
【0017】
本発明の態様は、添付の特許請求の範囲で定義される。
【0018】
シソ科植物の仲間のうち、ローズマリーおよびセージは、食品中でカルノジン酸およびカルノソールなどのフェノールジテルペンのほか、ベツリン酸、オレアノール酸、およびウルソル酸などのフェノールトリテルペンなど他のフェノール化合物、ならびにローズマリー酸と主に関連する抗酸化活性を有する。抗菌活性はこれらの化合物のいくつかに起因し、それらの全ては、植物からの選択的抽出によって得ることができる。フェノールジテルペン、フェノールトリテルペン、およびローズマリー酸は、風味および芳香にしばしば使用される精油および樹脂油剤とは異なる。風味および匂いのレベルが高い精油は食品中での使用につながらない。当業者であれば、たやすく得られる殺菌または細菌に対する静菌効果をさらに提供するためにシソ科植物の仲間からの抗菌材料および抽出物の組み合わせを期待するだろう。一方、本明細書に記載されたインビトロの試験では、Rosmarinus officinalisの脱臭抽出物によるバクテリオシン活性の相乗的増強が立証された。このような活性の増強は、食品モデルにおいても、バクテリオシン(例えばナイシン)によるグラム陽性菌の殺菌および、その成長の抑制の増加とともに観察された。高濃度のフェノールジテルペンカルノソールおよびカルノジン酸を含むように特別に調製されたローズマリー抽出物でも、増強されたバクテリオシン活性が観察され、これらの化合物が相乗作用に重要な役割を果たしていることが示唆された。増強されたバクテリオシン活性がローズマリー酸でさらに認められた。
【0019】
本発明は、食料などの材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または材料中の微生物を殺菌するための成分の相乗効果的な組み合わせを提供する。この成分の組み合わせによれば、より低濃度の抗菌材料を使用しても効果的な作用が提供され、抗菌材料に対する耐性の発生を予防することができる。商売上の理由および規制のため、投与量の低下および/または耐性の発生の回避が要求される食品用途においてこれは特に重要である。
【0020】
簡単に参照することができるように、以下、適切な項目名をつけて本発明の上記態様およびさらなる態様について記載する。しかしながら、各項目における開示は、特定の各項目に必ずしも限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(好ましい態様)
(抗菌材料)
1つの好ましい態様において、抗菌材料はバクテリオシンである。
【0022】
バクテリオシンなどの抗菌材料は、食品中で防腐剤として使用することができる材料(バクテリオシン)から一般に選択されてもよい。
【0023】
抗菌材料はバクテリオシン、Lactococcus由来のバクテリオシン、Streptococcus由来のバクテリオシン、Pediococcus由来のバクテリオシン、Lactobacillus由来のバクテリオシン、Camobacterium由来のバクテリオシン、Leuconostoc由来のバクテリオシン、Enterococcus由来のバクテリオシン、およびこれらの混合物を含むランチオニンから選択されることが好ましい。
【0024】
好ましくは、抗菌材料は少なくともナイシンである。
【0025】
好ましくは、抗菌材料はナイシンから成る。
【0026】
ナイシンは、Lactococcus lactis亜種、lactis(これまでStreptococcus−lactisとして知られた)(米国特許第5573801号)に由来したランチオニン含有バクテリオシン(米国特許第5691301号)である。 本発明の好ましい態様において、本発明において使用されるバクテリオシンは少なくともナイシンである。
【0027】
米国特許第5573801号で記載されるように、ナイシンは、乳酸菌、Lactococcus lactis亜種lactis(これまでStreptococcus lactiN群として知られる)によって産生されたポリペプチドバクテリオシンである。
【0028】
報告によるとナイシンは、ナイシン化合物A、B、C、D、およびEと呼ばれるいくつかの密接に関連した物質を表す集合名である(De Vuyst,L.and Vandamme,E.J.1994.Nisin,a lantibiotic produced by Lactococcus lactis subsp.lactis:properties,biosynthesis,fermentation and applications.In:Bacteriocins of lactic acid bacteria.Microbiology,Genetics and Applications.Eds.:De Vuyst and Vandamme.Blackie Academic and Professional,London)。ナイシンの構造および性質が、参照により本明細書に引用されたE.Lipinska,entitled “Nisin and Its Applications”,The 25th Proceedings of the Easter School in Agriculture Science at the University of Nottingham,1976,pp.103−130(1977)による文献でさらに考察されている。1969年に食品添加物に関するFAO/WHOジョイント専門委員会(FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives)は、ナイシンの純度および確認のための規格を設定した(FAOIWHO Joint Expert Committee on Food Additives.1969.Specifications for identity and purity of some antibiotics.12th Report.WHO Technical Report Series No.430)。この委員会は、ナイシンを広範な毒性試験に基づく安全で合法的な防腐剤として認定した。 ナイシンは食品添加物番号E234を有し、GRAS(一般に安全なものと認識されるGenerally Recognised As Safe)として認められている(Food and Drug Administration.1988.Nisin preparation:Affirmation of GRAS status as a direct human ingredient.Federal Regulations 53:11247)。国際活性単位(以後IU)は、0.001mgの国際ナイシン基準製剤として定義された。Nisaplin(登録商標)天然抗菌薬は、1g当たり百万IUを含むナイシン濃縮物の商品名であり、これはダニスコ社より市販されている。
【0029】
ナイシンは、長年にわたり安全で有効な食品用途に了承され許容された食品保存添加物である。ナイシンに関するいくつかの解説がある。例えば、Hurst 1981; 1983; Delves−Broughton,1990; De Vuyst and Vandamme,1994; Thomas et al.2000; Thomas & Delves−Broughton,2001。ナイシンは50年以上も前に発見され、最初の商用製剤はNisaplin(登録商標)であり、1953年に製造された。ナイシンは食品保存添加物として特に適切するいくつかの特徴を有する。その安全性を実証するため広範な毒性試験が行われた。ナイシンは熱に強く、酸に安定で、グラム陽性菌の広域スペクトルに対して有効である。それはグラム陰性菌、酵母、または糸状菌に対しては一般に無効であるが、キレート薬の存在下でグラム陰性菌および酵母に対する活性が報告されている(PCT/US8902625。国際公開第89/12399号)。ナイシンは、低温殺菌され、熱処理された食品(例えばプロセスチーズ、チーズ、低温殺菌されたミルク、乳製品デザート、クリーム、マスカルポーネ、および他の乳製品、セモリナ、タピオカなどのプディング、低温殺菌された液状卵、低温殺菌されたジャガイモ製品、大豆生成物、クランペット、ピクレット、フラップジャック、食肉加工品、飲料、スープ、ソース、インスタント食品、缶詰食品、野菜飲料など)、およびサラダドレッシング、ソース、マヨネーズ、ビール、ワイン、および他の飲料などの低酸性食品に有効な防腐剤である。
【0030】
加工食品と共に使用された場合、活性の多少の損失が予想されるが、これは例えば適用するナイシンの量を増加させることにより緩和される。報告によると、食料を保存するためのナイシンの有効量は25−500IU/gの範囲またはそれ以上である。その他の有効量は当業者において認識されるであろう。例えば50−400のIU/gレベルを利用してもよい。
【0031】
最初のバクテリオシン、ナイシンの発見以来、他の多くのバクテリオシンが現在見つかっている(Hoover,1993; Ray & Daeschel,1994; Axelsen,1998; Naidu,2000; Ray et al.2001; Ray & Miller,2003)。Pediococcus pentosaceus,P.acidilacticiまたはLactobacillus plantarumによって産生されたバクテリオシンペディオシンを本発明に使用してもよい。ナイシンのような、ペディオシンの異なる構造が報告されている。現在、ペディオシンおよび他のバクテリオシンは、食品添加物としては認められていないが、食品中の生産者生物体の成長の結果として、イン・サイチユでのバクテリオシンの産生によってそれらの抗菌活性を達成することができる。これがHOLDBAC(商標)リステリア(ダニスコ)などの商用保護培養の目的である。ナイシンと比較して、ペディオシンはより狭い抗菌スペクトルを有するが、その食品安全性、食品病原体Listeria monocytogenesを殺菌し、成長を防止またはコントロールする能力に多くの興味が持たれている(Ray & Miller,2000)。一般にdivercin、leucocin、mesentericin、sakacin、curvacin、bavaricin、acidocin、bifidocin、camobacteriocin、pisicocin、piscicolin、mundticin、enterocin、thermophilin、lacticin、plantaricin、lactococcin、divercin、diplococcin、mesenterocin、leuconosin、camosin、acidophilin、lactacin、brevicin、lactocin、helevticin、reutericin、propionicinと呼ばれるその他のバクテリオシンを本発明に使用してもよい。
【0032】
(抽出物)
本明細書に述べるように抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量の中のカルボンを含む。
【0033】
抗菌材料がナイシンから成る場合の1つの好ましい態様において、組成物は、該組成物に対して0.05重量%未満、該組成物に対して好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のカルバクロールを含む。
【0034】
1つの好ましい態様において、組成物は、該組成物に対して0.05重量%未満、該組成物に対して好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のカルバクロールを含む。
【0035】
抗菌材料がナイシンから成る場合の1つの好ましい態様において、組成物は、該組成物に対して10重量%未満、該組成物に対して好ましくは7重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.75重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のカルボンを含む。
【0036】
1つの好ましい態様において、組成物が、該組成物に対して10重量%未満、該組成物に対して好ましくは7重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.75重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のカルボンを含む。
【0037】
抗菌材料がナイシンから成る場合の1つの好ましい態様において、組成物は、該組成物に対して15重量%未満、該組成物に対して好ましくは10重量%未満、好ましくは7重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.75重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のチモールを含む。
【0038】
1つの好ましい態様において、組成物は、該組成物に対して15重量%未満、該組成物に対して好ましくは10重量%未満、好ましくは7重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.75重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満好ましくは0.004重量%未満の量のチモールを含む。
【0039】
抗菌材料がナイシンから成る場合の1つの好ましい態様において、組成物は、該組成物に対して15重量%未満、該組成物に対して好ましくは10重量%未満、好ましくは7重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.75重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のオイゲノールを含む。
【0040】
1つの好ましい態様において、組成物は、該組成物に対して15重量%未満、その組成物に対して好ましくは10重量%未満、好ましくは7重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.75重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のオイゲノールを含む。
【0041】
抗菌材料がナイシンから成る場合の1つの好ましい態様において、組成物は、該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、およびその組成物に対してその組成物に対して15重量%未満(その組成物に対して好ましくは10重量%未満、好ましくは7重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.75重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満)の量のカルボンおよびチモールの各々を含む。
【0042】
1つの好ましい態様において、組成物は、該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、およびそれぞれが該組成物に対して15重量%未満(該組成物に対して好ましくは10重量%未満、好ましくは7重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.75重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満)の量のカルボンおよびチモールを含む。
【0043】
抗菌材料がナイシンから成る場合の1つの好ましい態様において、組成物は、該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、およびそれぞれが該組成物に対して15重量%未満(その組成物に対して好ましくは10重量%未満、好ましくは7重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.75重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満)の量のカルボン、チモール、およびオイゲノールを含む。
【0044】
1つの好ましい態様において、組成物は、該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、およびそれぞれが該組成物に対して15重量%未満(その組成物に対して好ましくは10重量%未満、好ましくは7重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.75重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満)の量のカルボン、チモール、およびオイゲノールを含む。
【0045】
抗菌材料がナイシンから成る場合の1つの好ましい態様において、組成物は、それぞれが抽出物に対して1重量%未満の量のカルバクロールおよびカルボンを含む。抗菌材料がナイシンから成る場合は、組成物は、それぞれが抽出物に対して0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のカルバクロールおよびカルボンを含むことが好ましい。
【0046】
抗菌材料がナイシンから成る場合の1つの好ましい態様において、組成物は、それぞれが抽出物に対して1重量%未満の量のカルバクロール、カルボン、およびチモールを含む。抗菌材料がナイシンから成る場合は、組成物は、それぞれが抽出物に対して0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のカルバクロール、カルボン、およびチモールを含むことが好ましい。
【0047】
抗菌材料がナイシンから成る場合の1つの好ましい態様において、組成物は、それぞれが抽出物に対して1重量%未満の量のカルバクロール、カルボン、チモール、およびオイゲノールを含む。抗菌材料がナイシンから成る場合は、組成物は、それぞれが抽出物に対して0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のカルバクロール、カルボン、チモール、およびオイゲノールを含むことが好ましい。
【0048】
1つの好ましい態様において、組成物は、それぞれが抽出物に対して1重量%未満の量のカルバクロールおよびカルボンを含む。抗菌材料がナイシンから成る場合は、組成物は、それぞれが抽出物に対して0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のカルバクロールおよびカルボンを含むことが好ましい。
【0049】
1つの好ましい態様において、組成物は、それぞれが抽出物に対して1重量%未満の量のカルバクロール、カルボン、およびチモールを含む。抗菌材料がナイシンから成る場合は、組成物は、それぞれが抽出物に対して0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のカルバクロール、カルボン、およびチモールを含むことが好ましい。
【0050】
1つの好ましい態様において、組成物は、それぞれが抽出物に対して1重量%未満の量のカルバクロール、カルボン、チモール、およびオイゲノールを含む。抗菌材料がナイシンから成る場合は、組成物は、それぞれが抽出物に対して0.075重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、好ましくは0.04重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、好ましくは0.01重量%未満、好ましくは0.004重量%未満の量のカルバクロール、カルボン、チモール、およびオイゲノールを含むことが好ましい。
【0051】
本発明に使用される抽出物は、シソ科の植物より得られるか、または得ることのできるものである。
【0052】
一態様において、本発明に使用される抽出物は、シソ科の植物より得られる。
【0053】
当業者には当然のことであるが、用語「抽出物」あるいは「複数の抽出物」は植物全体から単離される植物の任意の成分を意味する。
【0054】
一態様において、本発明に使用される抽出物はシソ科の植物より得ることができる。当業者には当然のことであるが、植物より得ることができる抽出物は植物から得てもよいし、あるいは植物から単離され、同定され、さらに例えば化学合成、または酵素的産生による代用源から得てもよい。例えば、その抽出物は真核性または原核生物の発酵によって、遺伝子操作プロセスによって産生されてもよい。本願出願者は、シソ科の植物中に存在する生成物が抗菌材料(好ましくはバクテリオシン)の活性を相乗的に増強させることを認識していた。これらの生成物は任意のソースから得られ、本発明の範囲以内に含まれるであろう。
【0055】
本発明は、ともに食品システムにおけるグラム陽性菌のコントロールを増強する効果を示すナイシンなどのバクテリオシン、およびローズマリー(Rosmarinus officinalis)およびサルビヤ(Salvia officinalis)などのシソ科植物の仲間の組み合わせの使用を含む。本発明における相乗作用に関係するこの抽出物は、(カルノゾールおよびカルノゾール酸などの)フェノールジテルペン含有量、(ウルソル酸、ベツリン酸、およびオレアノール酸などの)フェノールトリテルペン含有量、またはローズマリー酸含有量を増加させるために、選択的に抽出されたシソ科植物の仲間の抽出物(「脱臭された抽出物」)を指すことが好ましい。脱臭された抽出物は、その高濃度のフェノールジテルペン含有量(例えば3.5重量%以上)、および低濃度(1重量%未満)の風味または芳香剤として使用される植物精油および樹脂油剤からの風味誘発化合物によって区別することができる。精油は植物材料の単純な水蒸気蒸留によって一般に抽出される。
【0056】
精油は、植物より抽出された香りまたは風味を有する植物中の種々の精油を含む。精油は一般にモノテルペンを含むことが多いテルペノイドである。例えば、選択的に抽出されるか、または脱臭されたものとして表すこともでき抗酸化剤型のローズマリー抽出物は、>3.5%のフェノールジテルペンを含むが精油では1重量%未満である。非選択的な風味抽出物は10〜30重量%の精油、および2〜>3.5重量%のフェノールジテルペン含有量を有する。
【0057】
精油は蒸留またはクロマトグラフィー分離などの物理的な分離プロセスによって植物または植物部分から得られた揮発性エーテル分画として一般に説明される。また、精油は「原則として芳香を有し、アルコールに可溶で、水にいくぶん可溶性であり、エステル、アルデヒド、ケトン、およびテルペン類の混合物から成る群として説明されてきた。精油は水を含む蒸留装置によって一般に得られ、蒸留物から分離されるオイルは通常元となる植物から特定される非常に特徴的な匂いを有する。得られた有機化合物の混合物は、錬金術の時代に植物のエッセンスであると考えられ、このため用語が「精油」と呼ばれる。
【0058】
1つの好ましい態様において、この抽出物は脱臭された抽出物である。この(脱臭された)抽出物は1.0〜70重量%のフェノールジテルペン、好ましくは3.5〜70重量%フェノールジテルペンおよび1重量%未満の精油を含むことが好ましい。
【0059】
1つの好ましい態様において、この抽出物はフェノールジテルペン、フェノールトリテルペン、およびローズマリー酸から選択される。
【0060】
1つの好ましい態様において、この抽出物はフェノールジテルペンであるか、またはフェノールジテルペンを含む。フェノールジテルペンは、カルノジン酸、カルノソール、およびメチルカルノジン酸から選択されることが好ましい。フェノールジテルペンはカルノジン酸およびカルノソールから選択されることが好ましい。
【0061】
1つの好ましい態様において、フェノールジテルペン、およびフェノールトリテルペン、およびローズマリー酸の総量は、抽出物に対して1.0重量%よりも多い。1つの好ましい態様において、フェノールジテルペンおよびフェノールトリテルペン、およびローズマリー酸の総量は、組成物に対して1.0重量%よりも多い。
【0062】
1つの好ましい態様において、フェノールジテルペン、およびフェノールトリテルペン、およびローズマリー酸の総量は、抽出物に対して3.5重量%よりも多い。1つの好ましい態様において、フェノールジテルペンおよびフェノールトリテルペン、およびローズマリー酸の総量は、その組成物に対して3.5重量%よりも多い。
【0063】
1つの好ましい態様において、フェノールジテルペンの量は、抽出物に対して1.0重量%よりも多く、例えば5.0重量%よりも多く、10.0重量%よりも多く、20.0重量%よりも多く、25.0重量%よりも多い。1つの好ましい態様において、フェノールジテルペンの量は、組成物に対して1.0重量%よりも多い。
【0064】
1つの好ましい態様において、フェノールジテルペンの量は、抽出物に対して3.5重量%よりも多い。1つの好ましい態様において、フェノールジテルペンの量は、組成物に対して3.5重量%よりも多い。
【0065】
1つの好ましい態様において、フェノールジテルペンの量は、組成物に対して1.0重量%よりも多く、好ましくは2.0重量%よりも多く、好ましくは3.0重量%よりも多く、好ましくは3.5重量%よりも多く、好ましくは5.0重量%よりも多く、好ましくは10.0重量%よりも多く、好ましくは20.0重量%よりも多く、好ましくは40.0重量%よりも多く、好ましくは50.0重量%よりも多い。
【0066】
1つの好ましい態様において、フェノールジテルペンの量は、組成物に対して2.3重量%などの2.0〜2.5重量%である。
【0067】
1つの好ましい態様において、フェノールジテルペンの量は、組成物に対して4.2重量%などの4.0〜4.5重量%である。
【0068】
1つの好ましい態様において、フェノールジテルペンの量は、抽出物に対して1.0重量%よりも多く、好ましくは2.0重量%よりも多く、好ましくは3.0重量%よりも多く、好ましくは3.5重量%よりも多く、好ましくは5.0重量%よりも多く、好ましくは10.0重量%よりも多く、好ましくは20.0重量%よりも多く、好ましくは40.0重量%よりも多く、好ましくは50.0重量%よりも多い。
【0069】
非常に好ましい1つの態様において、抽出物は1つ以上のフェノールトリテルペンを含む。フェノールトリテルペンはベツリン酸、オレアノール酸、およびウルソル酸から選択されることが好ましい。
【0070】
1つの好ましい態様では、フェノールトリテルペンであるかまたはフェノールトリテルペンを含む。フェノールトリテルペンはベツリン酸、オレアノール酸、およびウルソル酸から選択されることが好ましい。
【0071】
1つの好ましい態様において、フェノールトリテルペンの量は、抽出物に対して3.5重量%よりも多い。1つの好ましい態様において、フェノールトリテルペンの量は、組成物に対して3.5重量%よりも多い。
【0072】
1つの好ましい態様において、抽出物はローズマリー酸であるか、またはローズマリー酸を含む。
【0073】
1つの好ましい態様において、ローズマリー酸の量は、抽出物に対して3.5重量%よりも多い。1つの好ましい態様において、ローズマリー酸の量は、組成物に対して3.5重量%よりも多い。
【0074】
1つの好ましい態様において、抽出物は該抽出物に対して1重量%未満の量の風味誘発化合物および/または精油を含む。1つの好ましい態様において、抽出物は組成物に対して1重量%未満の量の風味誘発化合物および/または精油を含む。
【0075】
一般に風味誘発化合物および/または精油は、カンフル、ベルベノン、ボルネオール、およびα−テルピネオールである。
【0076】
1つの好ましい態様において、抽出物中に存在するカンフルの総量は、抽出物に対して1重量%未満(好ましくは0.2重量%、より好ましくは0.その組成物に対して15重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満)である。
【0077】
1つの好ましい態様において、抽出物中に存在するベルベノンの総量は、抽出物に対して1重量%未満(好ましくは0.2重量%、より好ましくは0.その組成物に対して15重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満)である。
【0078】
1つの好ましい態様において、抽出物中に存在するボルネオールの総量は、抽出物に対して1重量%未満(好ましくは0.2重量%、より好ましくは0.その組成物に対して15重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満)である。
【0079】
1つの好ましい態様において、抽出物中に存在するα−テルピネオールの総量は、抽出物に対して1重量%未満(好ましくは0.2重量%、より好ましくは0.その組成物に対して15重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満)である。
【0080】
1つの好ましい態様において、抽出物中に存在するカンフル、ベルベノン、ボルネオール、およびα−テルピネオールの総量は、抽出物に対して1重量%未満(好ましくは0.2重量%、より好ましくは0.その組成物に対して15重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満)である。
【0081】
1つの好ましい態様において、抽出物は、抽出物に対して1重量%未満の植物精油および/または樹脂油剤を含む。1つの好ましい態様において、抽出物は組成物に対して1重量%未満の植物精油および/または樹脂油剤を含む。
【0082】
1つの好ましい態様において、抽出物は、抽出物に対して1重量%未満の精油を含む。1つの好ましい態様において、抽出物は組成物に対して1重量%未満の精油を含む。
【0083】
1つの好ましい態様において、シソ科の植物が、ローズマリー、セージ、オレガノ、マジョラム、ミント、バルム、香辛料、およびタイムから選択される。1つの好ましい態様において、シソ科の植物は、ローズマリー、セージ、オレガノ、マジョラム、ミント、バルム、および香辛料から選択される。これらの名称は、当然ながらこれらの名称がついた公知植物の種および変種にすべてを対象とすることが理解されるであろう。
【0084】
1つの好ましい態様において、シソ科の植物が、ローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)、サルビア(Salvia officinalis L.)、オレガノ(Origanum vulgare L.)、マジョラム(Origanum marjorana L.)、ミント(Mentha spp.)、バルム(Melissa officinalis L.)、香辛料(Satureia hortensis)、タイム(Thymus vulgaris L.)から選択される。
【0085】
1つの好ましい態様において、シソ科の植物が、ローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)、サルビア(Salvia officinalis L.)、オレガノ(Origanum vulgare L.)、マジョラム(Origanum marjorana L.)、ミント(Mentha spp.)、バルム(Melissa officinalis L.)、香辛料(Satureia hortensis)から選択される。
【0086】
1つの好ましい態様において、シソ科の植物が、ローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)、サルビア(Salvia officinalis L.)、マジョラム(Origanum marjorana L.)、ミント(Mentha spp.)、バルム(Melissa officinalis L.)、香辛料(Satureia hortensis)から選択される。
【0087】
1つの好ましい態様において、シソ科の植物がローズマリーである。
【0088】
さらに好ましい態様では、フェノールジテルペン、フェノールトリテルペン、およびローズマリー酸が化学合成によって得られる。
【0089】
したがってさらに好ましい態様では、本発明は、以下のものを提供する。
【0090】
・(a)抗菌材料、および(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、およびローズマリー酸(好ましくはカルノジン酸およびカルノソール)から選択される化合物を含む組成物。
【0091】
・微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するプロセス。このプロセスは材料と(a)バクテリオシン、および(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、およびローズマリー酸(好ましくはカルノジン酸およびカルノソール)から選択される化合物とを接触させるステップを含む。
【0092】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するために、(a)抗菌材料、および(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸およびローズマリー酸(好ましくはカルノジン酸およびカルノソール)から選択される化合物の使用。
【0093】
(微生物)
本明細書で述べるように、本発明は材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌することができる。これは、細菌などの微生物を本発明の組成物と接触させて存在させることにより微生物を緩慢にさせ、または停止させるか、あるいは微生物を死滅させることによるものである。
【0094】
一態様において、殺微生物効果または微生物に対する静菌効果を提供する量の抗菌材料および/またはその抽出物が存在する。
【0095】
一態様において、殺微生物効果または微生物に対する静菌効果を提供する量のバクテリオリシンおよび抽出物が存在する。
【0096】
一態様において、殺微生物または微生物に対する静菌の相乗効果を提供する量のバクテリオシンおよび抽出物が存在する。
【0097】
一態様において、微生物に対する静菌の相乗効果を提供する量のバクテリオシンおよび抽出物が存在する。
【0098】
さらに好ましい態様では、この殺微生物効果または微生物に対する静菌効果は、殺菌効果または細菌に対する静菌効果である。
【0099】
殺菌効果または細菌に対する静菌効果は、グラム陽性菌とグラム陰性菌に関して有用である。好ましくは、殺菌または細菌に対する静菌効果はグラム陽性菌に関する。
【0100】
好ましい態様では、殺菌効果または細菌に対する静菌効果が、Bacillus species,Bacillus subtilis,Bacillus cereus,Listeria species,Listeria monocytogenes,lactic acid bacteria,lactic acid spoilage bacteria,Lactobacillus species,Staphylococcus aureus,Clostridium species,C.sporogenes,C.tyrobutyricumなどの食品の品質低下または食品媒介疾患に関連したグラム陽性菌から選択される生物に関連する。
【0101】
好ましい態様では、キレート薬と併用した本発明の殺菌効果または細菌に対する静菌効果が、酵母、糸状菌、およびEscherichia coli、Salmonella種、およびPseudomonas種などのグラム陰性菌などの食品の品質低下または食品媒介疾患に関連したその他の微生物から選択される生物に関連する。
【0102】
好ましい態様では、殺菌効果または細菌に対する静菌効果が、Bacillus cereus 204,B.cereus Campden,B.cereus NCTC2599,B.subtilis Campden,Clostridium sporogenes strain Campden,Clostridium sporogenes strain 1.221,Clostridium sporogenes NCIMB1793,Listeria monocytogenes 272,L.monocytogenes NCTC12426,L monocytogenes S23,Lactobacillus sake 272,Escherichia coli S15,E.coli CRA109,Salmonella Typhimunum S29,Pseudomonas fluorescens 3756から選択される生物に関連する。
【0103】
好ましい態様では、殺菌効果または細菌に対する静菌効果が、Listeria monocytogenesに関する。
【0104】
(食料)
本発明の組成物、プロセス、および使用により、材料中の微生物の成長を防止および/または阻害されるか、および/または微生物を殺菌することができる。しかしながら、食料の腐敗および汚染に関連した問題、および食料中の本発明の特定の有効性を考慮すると、組成物が食料であるか、あるいは組成物が食料に添加されることが好ましい。当業者には当然のことであるが、本発明の組成物が食料である場合、必須である(a)抗菌材料および(b)シソ科の植物から得られるか、あるいは得ることのできる抽出物の成分が、既に食料中に存在している。それらは1つ以上の手段によって提供されてもよい。例えば、それらはバクテリオシンおよび抽出物を含む組成物の形態で添加されてもよい。2つの成分(バクテリオシンおよび前述の抽出物)を食料に連続して加えてもよい。1つのさらなる態様では、1つ以上の成分が食料中のイン・サイチユで形成されてもよい。例えば、バクテリオシンは、乳製品スタータカルチャー細菌Lactococcus lactis亜種lactisの発酵による食料中のイン・サイチユで形成される。
【0105】
一態様において、本発明の組成物は食料への追加に適した保護剤組成物である。
【0106】
多くの食料は本発明により保護される。代表的な食料は、生肉、調理済みの肉、生の鶏肉製品、調理された鶏肉製品、生鮮シーフード製品、調理されたシーフード製品、インスタント食品、パスタソース、低温殺菌されたスープ、マヨネーズ、サラダドレッシング、水中油型乳剤、マーガリン、低脂肪スプレッド、油中水型乳剤、乳製品、チーズスプレッド、プロセスチーズ、乳製品デザート、フレーバーミルク、クリーム、発酵乳製品、チーズ、バター、練乳製品、アイスクリームミックス、大豆製品、低温殺菌された液状卵、ベーカリー製品、菓子製品、果実製品、および脂肪ベースの食品、または水含有フィリングである。
【0107】
(追加成分)
本発明の組成物、あるいは本発明で使用される組成物は1つ以上の追加成分を含んでもよい。しかしながら、いくつかの態様において、(食料への添加に適する)本発明の保護剤組成物は、追加成分を含まず、あるいは実質的に組成物の特性に影響を及ぼす追加成分を含まない。これらの態様において、本発明は、以下のものを提供する。
【0108】
・(a)バクテリオシン、および(b)シソ科の植物から得られるか、あるいは得ることのできる抽出物を実質的に含む組成物であって、(a)および(b)が異なる組成物。
【0109】
・(a)バクテリオシン、および(b)シソ科の植物から得られるか、あるいは得ることのできる抽出物を含む組成物であって、(a)および(b)が異なる組成物。
【0110】
・(a)バクテリオシン、および(b)シソ科の植物から得られる、あるいは得ることのできる抽出物を実質的に含む組成物であって、(a)および(b)が異なる組成物。抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む。
【0111】
・(a)バクテリオシン、および(b)シソ科の植物から得られる、あるいは得ることのできる抽出物を含む組成物であって、(a)および(b)が異なる組成物。抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む。
【0112】
1つの好ましい態様において、組成物は乳化剤をさらに有する。この乳化剤は、ポリソルベート(例えばツイーン80、ツイーン20)として知られるポリオキシ−エチレンソルビタンエステル(E432−E436)、モノグリセリド、ジグリセリド、モノ−ジグリセリドの酢酸エステル、モノ−ジグリセリドの酒石酸エステル、およびモノ−ジグリセリドのクエン酸エステルから選択されることが好ましい。
【0113】
1つの好ましい態様において、組成物はキレート剤をさらに有する。このキレート剤は、EDTA、クエン酸、モノフォスフェート、ジフォスフェート、トリフォスフェート、およびポリフォスフェートから選択されることが好ましい。
【0114】
さらに適切なキレート剤が米国特許第5573801号に開示され、カルボン酸、ポリカルボン酸、アミノ酸、およびフォスフェートを含む。特に、以下の化合物およびそれらの塩が有用である。
【0115】
酢酸、アデニン、アジピン酸、ADP、アラニン、β−アラニン、アルブミン、アルギニン、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、ATP、安息香酸、酪酸、カゼイン、シトラコン酸、クエン酸、システイン、Dehydracetic酸、デスフェリ−フェリクリシン、デスフェリ−フェリクロム、デスフェリ−フェリオキサミンE、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ジメチルグリオキシム、O,O−ジメチルプルプロガリン、EDTA、ギ酸、フマル酸、グロブリン、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリシン、グリコール酸、グリシルグリシン、グリシルサルコシン、グアノシン、ヒスタミン、ヒスチジン、3−ヒドロキシフラボン、イノシン、イノシン3リン酸、鉄遊離のフェリクロム、イソ吉草酸、イタコン酸、コウジ酸、乳酸、ロイシン、リジン、マレイン酸、リンゴ酸、メチオニン、サリチル酸メチル、ニトリロ三酢酸(NTA)、オルニチン、正リン酸塩、シュウ酸、オキシステアリン、Bフェニルアラニン・リン酸、Phytate、ピメリン酸、ピバリン酸、ポリリン酸塩、プロリン、プロピオン酸、プリン、ピロリン酸、ピルビン酸、リボフラビン、サリチルアルデヒド、Salicyclic酸、サルコシン、セリン、ソルビトール、コハク酸、酒石酸、テトラメタリン酸、チオ硫酸塩、スレオニン、トリメタフォスフェート、トリフォスフェート、トリプトファン、ウリジン二リン酸、ウリジン三リン酸、n−吉草酸、バリン、キサントシン
上記の金属イオン封鎖剤の多くは、その塩形態で食品加工に有用であり、一般にナトリウム、カリウム、あるいはカルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類塩、または第四級アンモニウム塩である。例えば食品系のコーティングにおいて、pH値を調整するか、あるいは選択的に金属イオンを導入または吸収するために多価の金属イオン封鎖化合物が好ましく用いられる。キレート剤に関するほかの情報は、T.E.Furia(Ed.),CRC Handbook of Food Additives,2nd Ed.,pp.271−294(1972,Chemical Rubber Co.),and M.S.Peterson and A.M.Johnson(Eds.),Encyclopaedia of Food Science,pp.694−699(1978,AVI Publishing Company,Inc.)で開示され、これらの文献はともに参照によって本明細書に引用されている。
【0116】
用語「キレート剤」は金属と配位錯体を形成することができる有機または無機化合物と定義される。本明細書に使用される用語「キレート剤」では、シクロデキストリンなどの分子包接化合物をさらに含む。このキレート剤は無機または有機物でもよく、有機物が好ましい。
【0117】
好ましいキレート剤は哺乳類に無毒で、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその塩(特に、そのジ−およびトリ−ナトリウム塩)などのアミノポリカルボン酸およびその塩、およびクエン酸などのヒドロカルボン酸およびその塩を含む。しかしながら、酢酸、ギ酸、乳酸、酒石酸、およびそれらの塩などの非クエン酸および非クエン酸塩ヒドロカルボキシル酸キレート剤も、本発明に有用と考えられる。
【0118】
上述のように、用語「キレート剤」は、金属イオン封鎖剤の異名として本明細書に定義され使用され、またシクロデキストリンなどの分子包接化合物を含むものとしてさらに定義される。シクロデキストリンは、ドーナツ環状に整列された6つ、7つ、あるいは8つのグルコースモノマーを有する環状炭水化物分子であり、それぞれα、β、またはγシクロデキストリンと呼ばれる。本明細書で使用されるようにシクロデキストリンは、未修飾および修飾されたシクロデキストリンモノマーおよびポリマーの両方を指す。シクロデキストリン分子包接化合物は、American Maize−Products of Hammond,Ind.より市販されている。シクロデキストリンは、J.SzejtliによるInclusion Compounds,Vol.Ill(Academic Press,1984)の331−390ページ、11章、タイトル“Industrial Applications of Cyclodextrin”で述べており、この章は参照により本明細書に引用される。
【0119】
キレート剤は、バクテリオシンの抗菌活性および/または抗菌スペクトルを増強するものが好ましい。キレート剤は、グラム陰性菌および他の微生物に関するバクテリオシンの抗菌活性および/または抗菌スペクトルを増強するものがさらに好ましい。
【0120】
1つの好ましい態様において、組成物はさらに溶菌酵素を有する。溶菌酵素はリゾチームであることが好ましい。
【0121】
(プロセス)
本明細書の1つの態様で述べたように、本発明は材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセスを提供する。このプロセスは、(a)抗菌材料および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物と材料とを接触させるステップを含み、(a)および(b)は異なり、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む。
【0122】
一態様において、バクテリオシンおよび抽出物がともに材料に添加される。
【0123】
一態様において、バクテリオシンと抽出物が連続して材料に添加される。
【0124】
したがって、本発明は、1つの態様によれば食品系などの一連の材料に添加してもよい防腐/保護剤組成物を提供し、別の態様によれば食品などの材料に連続して加えてもよい2つの別個の製品の組み合わせを提供する。
【0125】
一態様において、抽出物は材料に添加される。
【0126】
一態様において、バクテリオシンが材料に添加される。
【0127】
一態様において、抽出物は材料中のイン・サイチユで形成される。
【0128】
一態様において、バクテリオシンは材料中のイン・サイチユで形成される。バクテリオシンがナイシンである場合、バクテリオシンが乳製品スタータカルチャー細菌Lactococcus lactis亜種lactisの発酵による食料中のイン・サイチユで形成されることが好ましい。
【0129】
(さらに好ましい態様)
本明細書の1つの態様で述べたように、本発明は材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセスを提供する。このプロセスは、(a)抗菌材料および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物と材料とを接触させるステップを含み、(a)および(b)は異なり、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む。
【0130】
本発明の一態様において、材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するための(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られる、あるいは得ることのできる抽出物の使用を提供する。(a)および(b)は異なり、抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、およびその組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む。
【0131】
本発明のいくつかのさらに好ましい態様を以下に示す。
【0132】
・(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)シソ科の植物から得られた抽出物を含む組成物。組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0133】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセス。このプロセスは、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシンおよび(b)シソ科の植物から得られた抽出物と材料とを接触させるステップを含み、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0134】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するための(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られる、あるいは得ることのできる抽出物の使用。この組成物は該組成物に対して1.0重量%よりの多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0135】
・(a)バクテリオシン、および(b)ローズマリー、セージ、タイム、ミント、バルム、香辛料、およびオレガノから選択されるシソ科の植物から得られた抽出物を含む組成物であって、(a)および(b)が異なる組成物。
【0136】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセス。このプロセスは、(a)バクテリオシンおよび(b)ローズマリー、セージ、タイム、ミント、バルム、香辛料、およびオレガノから選択されるシソ科の植物から得られた抽出物と材料とを接触させるステップを含み、(a)および(b)が異なる。
【0137】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)バクテリオシン、および(b)ローズマリー、セージ、タイム、ミント、バルム、香辛料、およびオレガノから選択されるシソ科の植物から得られた抽出物の使用であって、(a)および(b)が異なる使用。
【0138】
・(a)バクテリオシン、および(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、およびローズマリー酸から選択される化合物を含む組成物。
【0139】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセス。このプロセスは、(a)バクテリオシンおよび(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、およびローズマリー酸から選択される化合物と材料とを接触させるステップを含む。
【0140】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)バクテリオシン、および(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、およびローズマリー酸から選択される化合物の使用。
【0141】
・(a)バクテリオシンおよび(b)カルノジン酸を含む組成物。
【0142】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセスであって、(a)バクテリオシン、および(b)カルノジン酸と材料とを接触させるステップを含むプロセス。
【0143】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)バクテリオシンおよび(b)カルノジン酸の使用。
【0144】
・(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)ローズマリー、セージ、タイム、ミント、バルム、香辛料、およびオレガノから選択されるシソ科の植物から得られる、あるいは得ることのできる抽出物を含む組成物。組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0145】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセス。このプロセスは、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)ローズマリー、セージ、タイム、ミント、バルム、香辛料、およびオレガノから選択されるシソ科の植物から得られる、あるいは得ることのできる抽出物と材料とを接触させるステップを含み、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0146】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)ローズマリー、セージ、タイム、ミント、バルム、香辛料、およびオレガノから選択されるシソ科の植物から得られる、あるいは得ることのできる選択的に抽出される抽出物の使用。組成物は該組成物に対して1.0重量%よりの多い量のフェノールジテルペンを含み、さらにの組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0147】
・(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、およびローズマリー酸から選択される化合物を含む組成物。組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0148】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセス。このプロセスは、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、およびローズマリー酸から選択される化合物と材料とを接触させるステップを含み、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよびその組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0149】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、およびローズマリー酸から選択される化合物の使用。組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0150】
・(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシンおよび(b)カルノジン酸を含む組成物。
【0151】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセスであって、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシンおよび(b)カルノジン酸と材料とを接触させるステップを含むプロセス。
【0152】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシンおよび(b)カルノジン酸の使用。
【0153】
・(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)ローズマリー、セージ、タイム、ミント、バルム、香辛料、およびオレガノから選択されるシソ科の植物から得られる抽出物を含む組成物。バクテリオシンおよび抽出物は、殺菌または細菌に対する静菌の相乗効果を提供する量を有し、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0154】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセス。このプロセスは、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)ローズマリー、セージ、タイム、ミント、バルム、香辛料、およびオレガノから選択されるシソ科の植物から得られる抽出物と材料とを接触させるステップを含み、バクテリオシンおよび抽出物が殺菌または細菌に対する静菌の相乗効果を提供する量を有し、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0155】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するための、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)ローズマリー、セージ、タイム、ミント、バルム、香辛料、およびオレガノから選択されるシソ科の植物から得られる抽出物の使用。バクテリオシンおよび抽出物は、殺菌または細菌に対する静菌の相乗効果を提供する量を有し、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0156】
・(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、およびローズマリー酸から選択される化合物を含む組成物。バクテリオシンおよび抽出物は、殺菌または細菌に対する静菌の相乗効果を提供する量を有し、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0157】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセス。このプロセスは、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、およびローズマリー酸から選択される化合物と材料とを接触させるステップを含み、バクテリオシンおよび抽出物は、殺菌または細菌に対する静菌の相乗効果を提供する量を有し、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0158】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、およびローズマリー酸から選択される化合物の使用。バクテリオシンおよび抽出物が殺菌または細菌に対する静菌の相乗効果を提供する量を有し、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0159】
・(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)カルノジン酸から選択される化合物を含む組成物。バクテリオシンおよび抽出物は、殺菌または細菌に対する静菌の相乗効果を提供する量を有する。
【0160】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するが、および/または微生物を殺菌するためのプロセス。このプロセスは、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)カルノジン酸から選択される化合物と材料とを接触させるステップを含み、バクテリオシンおよび抽出物は、殺菌または細菌に対する静菌の相乗効果を提供する量を有する。
【0161】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)カルノジン酸から選択される化合物の使用。バクテリオシンおよび抽出物は、殺菌または細菌に対する静菌の相乗効果を提供する量を有する。
【0162】
・(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)シソ科の植物から得られる抽出物を含む組成物。組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.04重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して0.04重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0163】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセス。このプロセスは、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)シソ科の植物から得られる抽出物と材料とを接触させるステップを含み、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.04重量%未満の量のカルバクロール、およびその組成物に対して0.04%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0164】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)バクテリオシンがナイシンであるバクテリオシン、および(b)シソ科の植物から得られる抽出物の使用。組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、さらに組成物は該組成物に対して0.04重量%未満の量のカルバクロールおよび該組成物に対して0.04%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする。
【0165】
本発明のさらに広い態様を以下に規定する。
【0166】
・(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物を含む組成物。、(a)および(b)は異なり、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含む。
【0167】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセス。このプロセスは、(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物と材料とを接触させるステップを含み、(a)および(b)は異なり、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含む。
【0168】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物の使用。(a)および(b)は異なり、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含む。
【0169】
・本明細書に規定されるような組成物を調製するためのキット。このキットは(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物を含み、(a)および(b)は異なり、組成物は該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含む。
【0170】
・(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物を含む組成物。(a)および(b)は異なり、抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む。
【0171】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセス。このプロセスは、(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物を材料とを接触させるステップを含み、(a)および(b)は異なり、抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、およびその組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む。
【0172】
・材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物の使用。(a)および(b)は異なり、抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む。
【0173】
・本明細書に規定されるような組成物を調製するためのキット。このキットは、個別のパッケージあるいは容器の中に、(a)抗菌材料、および(b)シソ科の植物から得られるあるいは得ることのできる抽出物を含み、(a)および(b)は異なり、抗菌材料がナイシンから成る場合、組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含み、混合および/または接触および/または使用のための指示書を任意に含む。
【0174】
本発明は、以下、添付図を単に参照しつつ実施例によってさらに詳細に記載される。
【実施例】
【0175】
(有効性の実験的証拠)
本明細書に記載されたインビトロの試験は、ナイシンと>3.5%のフェノールジテルペンを含むRosmarinus officinalis抽出物との相乗作用を示し、これはナイシンの効果を有意に増加させるものである。この増強された活性は、食品モデル中でも観察され、ナイシンによるグラム陽性菌の殺菌および成長の抑制が増えていた。実験的研究は、フェノールジテルペンカルノジン酸およびカルノソールがこの相乗作用に関与することをさらに実証した。さらに、結果から、この相乗効果はフェノールジテルペンで観察されたそれほど強くないが、ローズマリー酸もナイシン活性をさらに増強することがわかった。
【0176】
(I)ナイシン、および脱臭されたローズマリー抽出物の相乗作用のインビトロ試験)
材料:GUARDIAN(商標)ローズマリー抽出物09(ダニスコ)(GRE09)。これは4%のフェノールジテルペンおよび<1%の精油を含み、ローズマリー葉より抽出され、担体ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸塩(ツイーン80)およびプロピレングリコールと組み合わされた水分散性の脱臭されたローズマリー抽出物である。1×10IU/gの力価のナイシンの市販抽出物:Nisaplin(登録商標)天然抗菌薬(ダニスコ)。
【0177】
試験菌株:Bacillus cereus 204,B.cereus Campden,B.cereus NGTC2599,B.subtilis Campden,Listeria monocytogenes 272,L monocytogenes NCTC12426,L.monocytogenes S23,Lactobacillus sake 272,Escherichia coil S15,E.coil CRA109,Salmonella Typhimurium S29,Pseudomonas fluorescens 3756。
【0178】
微生物生育曲線分析の方法 100,000ppmのGRE09溶液を水で調製し、フィルター滅菌した(0.2μm)。さらに滅菌済み脱イオン水で1,250〜20,000ppmの希釈液を調製した。ブレーンハートインフュージョンブロス(Oxoid)を調製し、次のGRE09試験溶液が得られるようにGRE09原液を加えた:125、250、500、750、1000、1250、1500、2000ppm。10,000のIU/mlナイシン溶液を調製し、フィルタ滅菌し、さらに一連の原液を調製した。その後、一連のナイシン濃度をブレーンハートインフュージョンブロス中で調製した。完全に自動化された微生物生育分析装置を使用し、微生物生育曲線を測定した(ソフトウェアBioLink v5.30をインストールしたPCに接続したMicrobiology Reader Bioscreen C分析装置、Labsystem Oy、フィンランド)。試験は1プレート当たり100ウェルの容量のハニカム2(HG2)マイクロタイター/キュベットプレート中で調製した。このウェルに270μlの調製培地が導入され、30μlの微生物懸濁液を10CFU(コロニー形成単位)/mlのレベルで接種した。インキュベーション時間と温度は、供試生物に適切な条件とした。この試験により測定すべき化合物において適切な試験レベルで化合物を測定することが可能となった。続いて、同様な手順を使用してローズマリー抽出物およびナイシンを共に試験した。上述のようにナイシン溶液をブロス中で50〜1000IU/mlで調製した。上述のようにGRE09溶液を250、500、および1000ppmで調製した。すでに述べたように、これらのすべての試験レベルの組み合わせをバイオスクリーン中で調製し、試験を行った。
【0179】
結果:ナイシン単独、ローズマリー抽出物GRE09単独、および2つの組み合わせにおけるバイオスクリーン中での30℃、48時間後の最小発育阻止濃度を表1に示す。最小発育阻止は、30℃、48時間後において細菌を完全に阻止することのできる最小濃度とした。全てのグラム陽性菌に対してナイシンとローズマリー抽出物GRE09との間で相乗作用が観察されたが、グラム陰性菌に対しては有意な効果は観察されなかった。これはナイシン単独、GRE09単独、および2つの組み合わせのMICレベルを示すデータのカラムの比較することにより、この表から判定できる。組み合わせたときのレベルを示すカラムは、グラム陽性菌(Bacillus,Listeria)では単独の2つよりもはるかに低いレベル示すが、グラム陰性菌(E.coli,Salmonella)ではそれが認められない。
【0180】
(表1:ナイシンおよびローズマリー抽出物GRE09の相乗作用試験)
【0181】
【表1−1】

【0182】
【表1−2】

(II)食品中でのナイシンおよびローズマリー抽出物GRE09相乗作用の実証)
(A)Listeria monocytogenesに対する相乗作用)
試験化合物:0.1%、0.5%のGRE09、Nisaplin(登録商標)(ダニスコ)。
試験株:反応混液をL.monocytogenes菌株NCTC12426、NCTC5105、NCC FSM60、およびCRA3930により調製した。ブレインハートインフュージョン寒天培地上で一晩Listeria株を成長させ、続いて30℃、一晩ブロスへ接種した。ある量の各ブロスを互いに混合し、約10CFU/mlの細胞濃度を有する菌株の反応混液を得た。
【0183】
培地:チルド低温殺菌チキンスープが野菜、乳製品、および家禽肉を含む様々な食品成分の良好な混合物であるので、これを食品モデルとして使用した。これはチキン、クリーム、野菜、粉末、および調味料の添加を含むチキンストックで構成された。pHは6.12であった。ナイシンおよびローズマリー抽出物GRE09の添加後、スープを80℃のコア温度で2分間低温殺菌した。Listeria反応混液を10CFU/mlに希釈し、スープ試験液に接種し、約10CFU/g(成長抑制試験テスト)および10CFU/ml(殺菌試験)の最終細胞数を得た。後者の試験は25℃で2時間インキュベートされ、続いて生菌数算定により試験し、殺菌活性の程度を評価した。成長試験では通常サンプリングにより8℃でインキュベートし、静菌作用を評価した。
【0184】
結果。ローズマリー抽出物GRE09単独では、0.5%でListeria殺菌活性を示さなかった。ナイシンでは、2時間後250IU/gでListeria菌数の1ログの低下を示したが、24時間後の成長は軽微な遅延のみであった(図1)。これらのレベルでの2つの試験生成物の組み合わせの比較では、2時間後にListeria菌数の2〜3ログの低下を引き起こした。24時間後、これらの細胞はその最初の接種レベルまで回復してはいなかった。試験液が豊富な食品モデルであり、インキュベーション温度が室温であり、かつ細菌数が多いので、任意の防腐システムに対する非常に苛酷な試験であった。したがって、任意の増強されたナイシン活性は相乗作用の良好な指標であった。
【0185】
細菌発育阻止試験のためのインキュベーションは43日間であった。この結果を図2および表2に示す。ナイシン/ローズマリー相乗作用は、Listeria反応混液に対する食品モデル中でも再度明瞭に実証された。例えば、Listeria菌の成長は100IU/mlナイシンの存在下で13日後、0.1%GRE09の存在下では10日後に10CFU/mlに達したが、これらの2つの成分の組み合わせの存在下でははるかに長い期間である34日後に達した。同様に、Listeria菌成長は100IU/mlナイシンの存在下で13日後、0.5%のGRE09の存在下で20日後に10CFU/mlに達した。この2つの成分の組み合わせでは、試験期間が終了するまで成長が観察されなかった。
【0186】
(表2.チルドチキンスープ中のListeria菌の発育阻止のまとめ(試験期間43日))
【0187】
【表2】

試験期間中、(a)Nisaplin(100IU/ml)+0.5%GRE09、(b)Nisaplin(250IU/ml)+0.1%GRE09、および(c)Nisaplin(250IU/ml)+0.5%GRE09では、いかなる総生菌数も100cfu/gをこえることはなかった。
【0188】
(B)Bacillus cereusに対する相乗作用)
試験株:Bacillus胞子の反応混液は、Bacillus cereus strain 204,Bacillus cereus strain 199,B.cereus strain Campden,and B.cereus strain ABC 4/9を使用する種菌として調製した。
【0189】
試験化合物の添加は上述のように調製されたチキンスープで行った。スープを70℃で2分間低温殺菌し、冷却し、Bacillus cereus胞子の反応混液の約10CFU/gで接種した。インキュベーションは56日間とした。結果を図3に示し、表3にまとめる。ナイシンとローズマリー抽出物GRE09との間の静菌相乗作用は明白であった。例えば、25IU/mlナイシンの存在下で13日後、300ppmのGRE09の存在下で10日後に腐敗(すなわち10CFU/ml)した。これらの両方の成分の存在下では、試験終了まで(56日)腐敗の発生は認められなかった。
【0190】
(表3.Bacillus cereus胞子を接種したチルドチキンスープ試験結果のまとめ(試験期間70日))
【0191】
【表3】

(C)Clostridium sporogenesに対する相乗作用)
試験株:Clostridium胞子の反応混液を、Clostridium sporogene系統Campden、Clostridium sporogenes 1.221、およびClostridium sporogenes NCIMB1793を使用する種菌として調製した。
【0192】
試験化合物の添加は上述のように調製されたチキンスープで行った。このスープを70℃で2分間低温殺菌し、滅菌済み試験管に移した。これらに2.2×10CFU/gのレベルで、熱衝撃を行ったClostridium sporogenes胞子の反応混液を接種し、続いて寒天を含む管で栓をすることにより嫌気条件を作り出した。試料を37℃でインキュベートし、毎日(ガスプラグの吹き出し、および特異なクロストリジウムの芳香により観察される)ガス生成をチェックした。27日間の培養期間における結果を表4に示す。例えば、50IU/mlナイシンおよび300ppmGRE09の併用効果により27日間(試験期間)成長を阻害し、相乗作用が明瞭に認められた。一方、個別の成分では両者とも2日間(対照群と同じ)クロストリジウムの成長を阻害した。
【0193】
(表4.37℃でインキュベートし、Clostridium sporogenes胞子を接種したチルドチキンスープ試験結果のまとめ(試験期間27日))
【0194】
【表4−1】

【0195】
【表4−2】

(III)脱臭され、選択的に抽出された種々のローズマリー抽出物およびローズマリー酸によるインビトロの相乗作用の実証)
上述のようにバイオスクリーンCアナライザーを使用して、試験培地中のListeria monocytogenesおよびB.cereus系統の成長曲線を分析した。30℃、24時間後に単独または併用で使用した試験化合物について、最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。結果を表5に示す。試験化合物は、ナイシン(ダニスコのNisaplin(登録商標))、精製ローズマリー酸(RA、Sigma)、および一連の脱臭されたローズマリー抽出物を含む。これらを有機溶剤またはCOのいずれかを用いる選択された抽出により調製し、28%のフェノールジテルペン(28RE、ダニスコ)を含む抽出物、および6%のローズマリー酸(6RA、ダニスコ)を含むローズマリー抽出物を得た。精製ローズマリー酸と結合したナイシンの組み合わせ(RA;これは、低pHレベルが一つの原因であると思われる)、6%ローズマリー酸(6RA)を含むローズマリー抽出物とナイシンとの組み合わせ、ならびに28%フェノールジテルペンおよび<1%の精油(28RE)を含む脱臭されたローズマリー抽出物とナイシンとの組み合わせにおいてナイシン活性の増強が明瞭であった。ツイーン80による既知のナイシン相乗作用も観察された。別の担体プロピレングリコールはナイシン活性を増強しなかった。前述のように、ナイシン単独、他の試験化合物、および2つを併用した場合のMICレベルを比較することにより相乗作用を観察することができる(表5を参照)。
【0196】
(表5.試験培地中の30℃での成長後MIC)
【0197】
【表5−1】

【0198】
【表5−2】

(IV)食品中の種々の脱臭されたローズマリー抽出物成分によるナイシン活性の相乗作用の実証)
試験株:Listeria monocytogenes株272、CRA3930、およびNCTC12426
前述のように、チキンスープモデルを使用した。以下の試料を試験した:GRE09、28%あるいは70%のフェノールジテルペン(RE28およびRE70、ダニスコ)を含む脱臭されたローズマリー抽出物、6%ローズマリー酸(6RA、ダニスコ)を含むる水溶性ローズマリー抽出物、および精製ローズマリー酸(RA、Sigma)。適切にスープへの添加を行った。スープを低温殺菌し(70℃/2分)、pH値を記録し、続いてスープに前述のように調製されたListeria細胞の反応混液を接種した。この試験液を20℃でインキュベートし、20℃で0、2、4、および24時間後に生菌数算定を行った。最初のListeriaレベルは1.3×10CFU/mlであった。2つのナイシンレベル、および異なる時間で試験を繰り返し行った。添加なしのスープのpHはpH6.20〜6.06であった。0.1%のローズマリー酸を添加すると、pH5.75までわずかにpHが低下した。6%のRAを添加はすると、スープpHはpH5.75〜5.78となった。0.5%RE28を添加すると、スープpHはpH5.98となった。0.5%RE70を添加すると、pH6.10となった。0.5%GRE09を添加すると、スープpHはpH6.02〜6.09となった。
【0199】
図4および5に示す結果は、試験された脱臭抽出物およびローズマリー酸はすべてナイシンとの相乗作用に寄与し、Listeria細胞殺菌が達成されることを示している。これはいくつかの添加により引き起こされたpHの低下に帰着させることはできなかった。ツイーン80による追加的な相乗作用がGRE09中で観察された。この結果は、試験された抽出物のうちの2つに28および70%で存在する抗酸化化合物であるカルノソールおよびカルノジン酸が、Listeria monocytogenesに対するナイシンの殺菌および成長抑制性活性を相乗的に増強させることを示している。ローズマリー酸によるナイシン相乗作用は明瞭であるが、それほど強くはない。
【0200】
(V)フェノールジテルペン含むローズマリー抽出物を含むナイシンブレンドを使用した種々の食品系におけるナイシンの成長抑制性活性の相乗的増強の実証)
(A)低温殺菌されたチキンスープ試験)
方法:ナイシン(ダニスコのNisaplin(登録商標))、28%フェノールジテルペン(RE28)を含むローズマリー抽出物、およびローズマリー抽出物を含むナイシンブレンドの種々の添加物を50IU/mgのレベルで、さらに4.2%フェノールジテルペンを、他の防腐剤を含まない市販のチキンスープに添加した。化合物の添加後、スープ(pH5.8)を70℃、2分間のコア温度で低温殺菌した。スープを室温まで冷却し、Listeria monocytogenes菌株またはBacillus cereus胞子のいずれかの固定相細胞の反応混液を接種した。菌株反応混液は、L.monocytogenes菌株NCIMB12426、菌株358、菌株272、菌株CRA3930を含む。B.cereus反応混液は菌株204、199、ABC4/9、および3.046を含む。最初の接種レベルは約102〜103CFU/gであった。Bacillus試験は15℃でインキュベートし、Listeria試験は8℃でインキュベートした。微生物学的分析は定期的な間隔で行った(ミルク・プレート・カウント寒天、オクスフォードListeria選択寒天)。
【0201】
結果:細菌数が10CFU/gに達するまでの時間として示された結果を表5にまとめる。全データを図6および7に示する。結果はローズマリー抽出物単独ではBacillusに対する活性がなく、Listeriaに対してごくわずかな活性を有することが分かった。ローズマリー抽出物は、ナイシンの成長抑制性活性を有意に増強した。
【0202】
(表5.低温殺菌されたチキンスープ中におけるListeriaおよびBacillusに対するナイシン/フェノールジテルペン相乗作用を実証する結果のまとめ)
【0203】
【表6】

(B)低温殺菌された肉パスタソース試験)
方法:ソースは、脂肪のない牛ひき肉(50%)、トマトおよびジュース(48.9%)、デンプン(0.5%)、塩(0.4%)およびショ糖(0.2%)より調製された。褐色になるまで牛肉を5分間油で炒め、続いて乾燥した成分を加え、次にジュースを含むトマトを混合した。ソースを10分間煮込み、冷やしてから滑らかになるまでブレンドする。最終pHは5.13であった。添加物はナイシン、ローズマリー抽出物、およびブレンドで作られた。2分間80℃のコア温度でソースを低温殺菌した。低温殺菌後、Listeria monocytogenes菌株(上述のように)の混液を接種し、試験液を8℃でインキュベートした。
【0204】
結果:結果を細菌数が10CFU/gに達するまでに要する時間として表6にまとめる。ローズマリー抽出物単独では、Bacillusに対する活性がなく、Listeriaに対してわずかに活性であることを示す。ローズマリー抽出物は、ナイシンの成長抑制性活性を有意に増強した。
【0205】
(表6.8℃で低温殺菌されたミートソース中のListeriaに対するナイシン/フェノールジテルペン相乗作用を示す結果のまとめ)
【0206】
【表7】

(C)カルボナーラパスタソース試験)
方法:クリーム、スモーク・ベーコン、チーズ、マスカルポーネ、バター、デンプン、タマネギ、ニンニクピューレを含む市販のチルド低温殺菌されたソースを使用した。タンパク質7g、炭水化物6g、脂肪17g。試験化合物の添加物は低温殺菌(70℃のコア温度で10分)前に調製した。ソースを一旦冷却後接種を行った。試料は定期的に微生物数の分析を行った。
結果:これらを図8および9に示す。前述のように、フェノールジテルペン含有抽出物(8.4ppm)は、Listeria細胞およびBacillus胞子に対するナイシン成長抑制性活性を相乗的に増強した。ローズマリー抽出物単独では活性を示さなかった。
【0207】
(VI)フェノールジテルペン含むローズマリー抽出物を有するナイシンブレンドを使用する食品系におけるナイシンの殺菌活性の相乗的増強の検証)
方法:希釈したチキンスープ(pH6.2)を上記のように調製し、2つのバッチに分割し、1つのバッチを塩酸でpH4.5に調整した。ナイシン、ローズマリー抽出物、およびブレンドの適切な添加物を作製し、続いてこのスープを低温殺菌した。10CFU/gの初期種菌を与えるまでListeria菌株の混液を接種した。0および2時間後に微生物学的分析により生細胞をカウントした。
【0208】
試験ブレンドは、1)100IU/gナイシン+ローズマリー抽出物30ppm(すなわち8.4フェノールジテルペン)、および2)150IU/gナイシン+ローズマリー抽出物45ppm(すなわち12.6フェノールジテルペン)を含む。
結果:結果は、フェノールジテルペンを含むローズマリー抽出物の存在により、特に酸性条件が高いと(図10)ナイシンの殺菌活性を相乗的に増強する(図10および11)ことが分かった。ローズマリー抽出物単独では有意な殺菌効果は認められなかった。
【0209】
(参考文献)
(バクテリオシン+ローズマリーの組合せ)
JP 07−03955およびJP 3042573 (Asam Kasei KK, Lion Corp)
JP 3040282 (Asam Kasei KK)
(ナイシン+Tween 80の相乗効果)
Jung,D.−S,Bodyfelt,F.W.およびDaeschel,M.1992.Influence of fat and emulsifiers on the efficacy of nisin in inhibiting Listeria monocytogenes in fluid milk. Journal of Dairy Science 75:387−393
(精油とナイシンとの間の相乗効果)
Pol,I.E.,Krommer,J.,およびSmid,E.2002.Bioenergetic consequences of nisin combined with carvacrol towards Bacillus cereus. Innovative Food Science and Emerging Technologies 3:55−61.
Pol,I.E.およびSmid,E.J.1999.Combined action of nisin and carvacrol on Bacillus cereus and Listeria monocytogenes. Letters in Applied Microbiology 29:166−170.
Pol,I.E.2001.Improved applicability of nisin in novel combinations with other food preservation factors. Ph.D thesis Wageningen University,The Netherlands ISBN 90−5808−382−9
Periago,P.M.,Palop,A.,Fernandez,P.S.2001.Combined effect of nisin, carvacrol and thymol on the viability of Bacillus cemus treated vegetative cells. Food Science and Technology International 7:487−492.
(ローズマリーの抗菌活性)
Aureli,P.,Constantini,A.,およびZolea,S.1992. Antimicrobial activity of some plant essential oils against Listeria monocytogenes. Journal of Food Protection 55:344−348.
Azzouz,M.A.およびBullerman,L.B.1982.Comparative antimycotic effects of selected herbs, spices, plant components and commercial antifungal agents. Journal of Food Protection 45:1298−1301
Collins,M.A.,およびCharles,H.P.1987.Antimicrobial activity of Camosol and Ursolic acid:two anti−oxidant constituents of Rosmarinus officinalis L. Food Microbiology 4:311−315
Deans,S.G.およびRitchie,G.1987.Antibacterial activity of plant essential oils. International Journal of Food Microbiology 5:165−180.
Del Campo,J.,Amiot,M.−J.,およびNguyen−The,C.2000.Antimicrobial effect of Rosemary extracts. Journal of Food Protection.63:1359−1368.
Del Campo,J.,Amiot,M.−J.,Lapierre,C.,およびNguyen−The,C.1998.Antimicrobial activity of phenolic extracts from rosemary. 2nd International Electronic Conference on Synthetic Organic Chemistry(ECS)C−2),http://www.mdpi.org/ecsoc/,September 1−30,1998
Eiserle,R.J.1971 Gemini rising−a natural flavouring and stabilisation system for food. Food Prod.Dev.10:70−71
Farag,R.S.,Daw,Z.Y.,Hewedi,F.M.およびEl−Baroty,G.S.A.1989.Antimicrobial activity of some Egyptian spice essential oils. Journal of Food Protection 52:665−667
Farbood,M.I.,MacNeil,J.H.およびOstovar,K.1976. Effect of Rosemary spice extractive on growth of micro−organisms in meat. Journal of Milk Food Technology.39:675−679
MacNeil,J.H.,Dimick,P.S.,およびMast,M.G.1973.Use of chemical compounds and a rosemary spice extractive in quality maintenance of deboned poultry meat. Journal of Food Science 38:1080−1081
MacNeil,J.H.,およびMast,M.G.1973.Frankfurters without nitrates and nitrites. Food Prod.Dev.7:36−40
Pandit,V.A.およびShelef,L.A.1994.Sensitivity of Listeria monocytogenes to rosemary. Food Microbiology 11:57−63
Shelef,L.A.1983.Antimicrobial effects of spices. Journal of Food Safety 6:29−44
Shelef,L.A.,Naglik,O.A.,およびBogen,D.W.1980.Sensitivity of some common food−borne bacteria to the spices sage, rosemary and allspice. Journal of Food Science 45:1042−1044
Valero,M.およびSalmeron,M.C.2003.Antibacterial activity of 11 essential oils against Bacillus cereus in tyndallized carrot broth. International Journal of Food Microbiology 85:73−81
Zaika,L.L.1988.Spices and herbs: their antimicrobial activity and its determination. Journal of Food Safety 9:97−118
(セージの抗菌活性)
Akgul,A.およびKivanc,M.1989.Sensitivity of four foodbome moulds to essential oils from Turkish spices, herbs and citrus peel. J. Sci. Food Agric. 47:129−132
Aureli,P.,Constantini,A.,およびZolea,S.1992.Antimicrobial activity of some plant essential oils against Listeria monocytogenes. Journal of Food Protection 55:344−348
Azzouz,M.A.およびBullerman,L.B.1982.Comparative antimycotic effects of selected herbs, spices, plant components and commercial antifungal agents. Journal of Food Protection 45:1298−1301
Deans,S.G.およびRitchie,G.1987. Antibacterial activity of plant essential oils. International Journal of Food Microbiology 5:165−180
Farag,R.S.,Daw,Z.Y.,Hewedi,F.M.およびEl−Baroty,G.S.A.1989.Antimicrobial activity of some Egyptian spice essential oils. Journal of Food Protection 52:665−667
Haq,I.1982.Bull.Islamic Med.2:496
Ikram,M.およびHaq,I.1980.Screening of medicinal plants for antimicrobial activity. Part I. Fitoterapia 51:231−235.
Leslie,G.B.1978.Medita B 10: 3
Moujir,L.,Gutierrez−Navarro,A.M.,Andres,L.S.Luis,J.G.1993.Structure−antimicrobial activity relationships of abietane diterpenes from Salvia species. Phytochemistry 34:1493−1495
Ross,S.A.,El−Ketawi,N.E.およびMegalla,S.E.1980.Antimicrobial activity of some Eqyptian aromatic plants. Fitoterapla 51:201−205.
Shelef,L.A.,Naglik,O.A.,およびBogen,D.W.1980.Sensitivity of some common food−borne bacteria to the spices sage,rosemary and allspice. Journal of Food Science 45:1042−1044
(セージおよびローズマリー中のフェノールジテルペン)
Brieskorn,C.,およびH.J.Domling.1969.Carnosolsaure, der Wichtige Antioxidative Wirksame lnhaltsstoff des Rosmarin− und Salbeiblattes. Z.Leibensrnittel Unters. Forsch.41:10−16
Cuvelier,M.E.,Richard,H.,およびBerset,C.1996.Antioxidative activity and phenolic composition of pilot−plant and commercial extracts of sage and rosemary. JAOCS 73: 645−652
Ford,B.A.およびHill,V.A.2001.Chewing gum base stabilized with carnosic acid.およびUS 6231896 B1
Lamaison,J.−L,C.Petitjean−Freytet,およびA.Carnat.1991.Lamiace’es Me’dicinales a’ Proprie’te’s Antioxydantes, source Potentielles d’acide Rosmarinique. Pharm. Acta Helv. 66:185−188
Loliger,J.1989.Natural Antioxidants. Rancidity in Food,J.AllenおよびR.Hamilton編.Elsevier Applied Science,New York中,pp 105−124
Schuler,P.1990.Natural Antioxidants Exploited Commercially. Food Antioxidants,B.Hudson編.Elsevier Applied Science,New York.Pp.99−170中
(乳化剤およびキレート剤によるナイシンの増強)
US5217950
US5691301
(植物抽出物の抗菌活性:一般的な概説)
Nychas,G.−J.E.,Skandamis,P.N.2003.Antimicrobials from herbs and spices. Natural Antimicrobials for the Minimal Processing of Foods. S.Roller編.CRC Press.Washington,USA中.
Smid,E.J.およびGorris,L.G.M.1999.Natural antimicrobials for food preservation.Handbook of Food Preservation. M.S.Rahman編.Marcel Dekker Inc. New York中.
(溶菌酵素(リゾチーム)によるナイシンの増強)
US 5458876
EP 0427912
EP 0374823
(食品におけるナイシンの使用)
Thomas,L.V.,Clarkson,M.R.,Delves−Broughton,J.2000.Nisin. Natural food antimicrobials systems中.pp.463−524.CRC Press,Boca Raton,USA
Delves−Broughton,J.1990.Nisin and its use as a food preservative. Food Technology 44:100,102,104,106,108,111−112,117.
De Vuyst,De Vuyst,L.,およびVandamme,E.J.1994.Nisin, a lantibiotic produced by Lactococcus lactis subsp.lactis:properties, biosynthesis,fermentation and applications. Bacteriocins of lactic acid bacteria. Microbiology, Genetics and Applications中.De VuystおよびVandamme編.Blackie Academic and Professional.London.
Thomas,L.V.およびDelves−Broughton,J.2001.New advances in the application of the food preservative nisin. Research Advances in Food Science 2:11−22.
Hurst,A.1981.Nisin. Adv.Appl.Microbiol.27:85−123
Hurst,A.1983.Nisin and other inhibitory substances from lactic acid bacteria. Antimicrobials in Foods, eds. A.L.BranenおよびP.M.Davidson編中,pp 327−351.New York:Marcel Dekker.
(ナイシンの規制)
Turtall,A.およびDelves−Broughton,J.1998.International acceptance of nisin as a food preservative. Bull. Int. Dairy Fed. 329: 20−23
(バクテリオシン)
Naidu,A.S.(Ed.)2000.Natural Food Antimicrobial Systems. USA: CRC Press.
Ray,B.,およびMiller,K.W.2003.Bacteriocins other than nisin: the pediocin−like cystibiotics of lactic acid bacteria. Natural Antimicrobials for the Minimal Processing of Foods. Sibel Roller編.CRC Press,USA中.
Ray,B.およびDaeschel,M.A.1994.Bacteriocins of starter culture bacteria. In: Natural Antimicrobial Ssytems and Food Preservation. 1994. Ed: Dillon, V. M. and Board, R. G. CAB International, UK, pp 133−166.
Axelsen, L. 1998.Lactic acid bacteria:classification and physiology’. Salminen,S.およびvon Wright,A. Lactic Acid Bacteria.第2版.New York,Marcel Dekker中,pp 1−72.
Ray,B.,Miller,K.W.およびJain,M.K.2001.Bacteriocins of lactic acid bacteria. Indian Journal of Microbiology 41:1−21.
Hoover,D.G.1993.Bacteriocins with potential for use in foods. Antimicrobials in Foods.P.M.DavidsonおよびA.L.Branen編.Marcel Dekker, USA中.
Wessels,S.,Jelle,B.,およびNes,I.F.1998.Bacteriocins of the Lactic Acid Bacteria. Danish Toxicology Centre,Denmark.
(ペディオシン)
Ray,B.,およびMiller,K.W.2000.Pediocin. Natural Food Antimicrobial Systems,A.S.Naidu編.Pp.525−566.USA:CRC Press中
上記明細書で言及されたすべての刊行物は、本明細書中に参考として援用される。本発明の記載された方法およびシステムの種々の改変およびバリエーションは、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者に明らかである。本発明は、特定の好ましい実施形態と組合せて説明されてきたが、請求項に係る本発明は、このような特定の実施形態に過度に制限されるべきではないことが理解されるべきである。実際、化学、生物、食品科学または関連分野の当業者に自明でない、本発明を実施するために記載された様式の種々の改変は、添付の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0210】
【図1】図1は、選択的に抽出されたローズマリー抽出物により、25℃のチキンスープ中でのListeria monocytogenesに対するナイシンの殺菌活性が相乗的に増強されることを示すグラフである。
【図2】図2は、選択的に抽出されたローズマリー抽出物(GRE09)により、チルドチキンスープ中におけるListeria monocytogenes成長のナイシン制御が相乗的に増強されることをを示すグラフである。
【図3】図3は、選択的に抽出されたローズマリー抽出物によって、チルドチキンスープ中でのB.cereus胞子成長のナイシン制御が相乗的に増強されることを示すグラフである。最小検出限界は100cfu/gであった。試験期間全体にわたり、ナイシンおよびローズマリーの組み合わせを含む試料は、100cfu/g以下のBacillusカウントを示した。
【図4】図4は、20℃(最小検出限界100cfu/g)のチキンスープ中でのL.monocytogenesに対するナイシン、選択的に抽出されたローズマリー抽出物、およびローズマリー抽出物成分の併用効果を示すグラフである。
【図5】図5は、ローズマリーあるいはローズマリー酸の選択的に抽出された抽出物によって、室温下でのチキンスープ中のListeria monocytogenesに対するナイシン活性が相乗的に増強されることを示すグラフである。
【図6】図6は、ナイシンとフェノールジテルペン含有ローズマリー抽出物との間の相乗作用を示すグラフである。8℃でのL.monocytogenesの抑制。
【図7】図7は、ナイシンとフェノールジテルペン含有ローズマリー抽出物との間の相乗作用を示すグラフである。15℃でのB.cereusの抑制。
【図8】図8は、フェノールジテルペン含有ローズマリー抽出物により増強されたナイシンの成長抑制性活性を示すグラフである。8℃のカルボナーラソース中のL.monocytogenesの制御。
【図9】図9は、フェノールジテルペン含有ローズマリー抽出物により増強されたナイシンの成長抑制性活性を示すグラフである。15℃のカルボナーラソース中のB.cereus胞子の制御。
【図10】図10は、フェノールジテルペン含有ローズマリー抽出物により増強されたナイシンの20℃のチキンスープ中におけるL.monocytogenesに対する殺菌効果を示すグラフである。a)pH4.5。
【図11】図11は、フェノールジテルペン含有ローズマリー抽出物によって増強されたナイシンの20℃のチキンスープ中におけるL.monocytogenesに対する殺菌効果を示すグラフである。b)pH6.7。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1. (a)抗菌材料と、
(b)シソ科の植物から得られるかあるいは得ることのできる抽出物と
を含む組成物であって、(a)および(b)は異なり、
該組成物は、該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、
該抗菌材料がナイシンから成る場合、該組成物は該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含む、組成物。
【請求項2】
前記組成物が、該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロールを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、該組成物に対して0.04重量%未満の量のカルバクロールを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、該組成物に対して0.02重量%未満の量のカルバクロールを含むことを特徴とする請求項1、2、または3に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、該組成物に対して0.04重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、該組成物に対して0.02重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、該組成物に対して0.1重量%未満の量のチモールを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、該組成物に対して0.075重量%未満の量のチモールを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、該組成物に対して0.05重量%未満の量のチモールを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記抗菌材料がバクテリオシンであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記バクテリオシンが、ランチオニンを含むバクテリオシン、Lactococcus由来のバクテリオシン、Streptococcus由来のバクテリオシン、Pediococcus由来のバクテリオシン、Lactobacillus由来のバクテリオシン、Carnobacterium由来のバクテリオシン、Leuconostoc由来のバクテリオリシン、Enterococcus由来のバクテリオシンおよびこれらの混合物から選択される請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記バクテリオシンが少なくともナイシンであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記抽出物がシソ科の植物から得られることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記シソ科の植物が、ローズマリー、セージ、オレガノ、マジョラム、ミント、バルム、セイボリー、およびタイムから選択されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記シソ科の植物が、ローズマリー、セージ、オレガノ、マジョラム、ミント、バルム、およびセイボリーから選択されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記シソ科の植物がローズマリーであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、該組成物に対して2.0重量%より多い量のフェノールジテルペンを含むことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、該組成物に対して3.0重量%より多い量のフェノールジテルペンを含むことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、該組成物に対して3.5重量%より多い量のフェノールジテルペンを含むことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記フェノールジテルペンが、カルノジン酸、カルノソール、メチルカルノジン酸、およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
前記抽出物が、フェノールジテルペン、フェノールトリテルペン、およびローズマリー酸を含むか、またはこれらから選択されることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記抽出物がフェノールトリテルペンを含むことを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物に対するフェノールトリテルペンの量が3.5重量%よりも多いことを特徴とする請求項17に記載の組成物。
【請求項25】
前記フェノールトリテルペンが、ベツリン酸、オレアノール酸およびウルソル酸から選択されることを特徴とする請求項16、17、あるいは18に記載の組成物。
【請求項26】
前記抽出物がローズマリー酸を含むことを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物に対するローズマリー酸の量が3.5重量%よりも多いことを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項28】
フェノールジテルペン、フェノールトリテルペン、およびローズマリー酸の組み合わせた量が前記組成物に対して3.5重量%よりも多いことを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
前記抽出物が前記組成物に対して1重量%未満の量の風味誘発化合物および/または精油を含むことを特徴とする請求項1〜28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
前記抽出物が前記組成物に対して1重量%未満の量の精油を含むことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
前記抗菌材料および/または前記抽出物が殺微生物効果または微生物に対する静菌効果を提供する量で存在することを特徴とする請求項1〜30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
前記抗菌材料および前記抽出物が殺微生物効果または微生物に対する静菌効果を提供する量で存在することを特徴とする請求項1〜31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
前記抗菌材料および前記抽出物が殺微生物効果または微生物に対する静菌相乗効果を提供する量で存在することを特徴とする請求項1〜32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
前記抗菌材料および前記抽出物が微生物に対する静菌相乗効果を提供する量で存在することを特徴とする請求項1〜33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
前記殺微生物効果または微生物に対する静菌効果が、殺菌効果または細菌に対する静菌効果であることを特徴とする請求項31〜34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
前記殺菌効果または前記細菌に対する静菌効果が、グラム陽性菌に関することを特徴とする請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記殺菌効果または前記細菌に対する静菌効果が、Bacillus種、Clostridium種、Listeria monocytogenes、乳酸菌、およびLactobacillus種から選択される生物に関することを特徴とする請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記殺菌効果または前記細菌に対する静菌効果が、Listeria monocytogenesに関することを特徴とする請求項35〜37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
前記組成物が食料であることを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
前記組成物が、食料への添加に適する保護剤組成物であることを特徴とする請求項1〜39のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
前記食料が生肉、調理済みの肉、生の鶏肉製品、調理された鶏肉製品、生鮮シーフード製品、調理されたシーフード製品、インスタント食品、パスタソース、低温殺菌されたスープ、マヨネーズ、サラダドレッシング、水中油型乳剤、マーガリン、低脂肪スプレッド、油中水型乳剤、乳製品、チーズスプレッド、プロセスチーズ、乳製品デザート、フレーバーミルク、クリーム、発酵乳製品、チーズ、バター、練乳製品、アイスクリームミックス、大豆製品、低温殺菌された液状卵、ベーカリー製品、菓子製品、果実製品、および脂肪ベースの食品、または水含有フィリングから選択される請求項39または40に記載の組成物。
【請求項42】
前記組成物が乳化剤をさらに含むことを特徴とする請求項1〜41のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
前記乳化剤がポリソルベート、モノグリセリド、ジグリセリド、モノジグリセリドの酢酸エステル、モノジグリセリドの酒石酸エステル、およびモノジグリセリドのクエン酸エステルから選択されることを特徴とする請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
前記組成物がキレート剤をさらに含むことを特徴とする請求項1〜43のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項45】
前記キレート剤がEDTA、クエン酸、モノフォスフェート、ジフォスフェート、トリフォスフェート、およびポリフォスフェートから選択されることを特徴とする請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記キレート剤が前記抗菌材料の前記抗菌活性および/または抗菌スペクトルを増強することを特徴とする請求項44または45に記載の組成物。
【請求項47】
前記キレート剤がグラム陰性菌に対する前記抗菌材料の前記抗菌活性および/または抗菌スペクトルを増強することを特徴とする請求項44、45、あるいは46に記載の組成物。
【請求項48】
前記組成物が溶菌酵素をさらに含むことを特徴とする請求項1〜47のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項49】
前記溶菌酵素がリゾチームであることを特徴とする請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
請求項1に記載する組成物であって、
(a)抗菌材料がナイシンである前記抗菌材料と、
(b)シソ科の植物から得られた抽出物とを含み、前記抽出物がベツリン酸、オレアノール酸あるいはウルソル酸から選択されるフェノールトリテルペンであり、前記抗菌材料および前記抽出物が、殺菌または細菌に対する静菌の相乗効果を提供する量で存在することを特徴とする組成物。
【請求項51】
請求項1に記載する組成物であって、
(a)前記抗菌材料がナイシンである抗菌材料と、
(b)シソ科の植物から得られた抽出物とを含み、該抽出物がローズマリー酸であり、
該抗菌材料および該抽出物が殺菌または細菌に対する静菌の相乗効果を提供する量で存在することを特徴とする組成物。
【請求項52】
材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するためのプロセスであって、該プロセスが
(a)抗菌材料、および
(b)シソ科の植物から得られるかあるいは得ることのできる抽出物と該材料とを接触させるステップを含み、
(a)および(b)は異なり、
組成物が、該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、
該抗菌材料がナイシンから成る場合、該組成物が、該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とするプロセス。
【請求項53】
前記抗菌材料と前記抽出物とが前記材料に一緒に添加されることを特徴とする請求項52に記載のプロセス。
【請求項54】
前記抗菌材料と前記抽出物とが前記材料に連続して添加されることを特徴とする請求項52に記載のプロセス。
【請求項55】
前記バクテリオシンが前記材料に加えられることを特徴とする請求項52〜54のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項56】
前記バクテリオシンが前記材料中のイン・サイチユで形成されることを特徴とする請求項52に記載のプロセス。
【請求項57】
前記材料が食料であることを特徴とする請求項52〜56のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項58】
請求項2〜51のいずれか1項の特性によって特徴づけられた請求項52〜57のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項59】
材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するため、(a)抗菌材料および(b)シソ科の植物から得られるかあるいは得ることのできる抽出物の使用であって、(a)および(b)は異なり、前記組成物が該組成物に対して1.0重量%よりも多い量のフェノールジテルペンを含み、前記抗菌材料がナイシンから成る場合、前記組成物が該組成物に対して0.075重量%未満の量のカルバクロール、および該組成物に対して15重量%未満の量のカルボンを含むことを特徴とする使用。
【請求項60】
前記材料が食料であることを特徴とする請求項59に記載の使用。
【請求項61】
相乗的に、材料中の微生物の成長を防止および/または阻害するか、および/または微生物を殺菌するための請求項59または60に記載の使用。
【請求項62】
請求項2〜51のいずれか1つの特性によって特徴づけられた請求項59〜61のいずれか1項に記載の使用。
【請求項63】
請求項1〜51のいずれか1項に記載の組成物を調製するためのキットであって、前記キットが個別のパッケージあるいは容器中に、
(a)抗菌材料と、
(b)シソ科の植物から得られるかあるいは得ることのできる抽出物と
を含み、(a)および(b)は異なり、混合および/または接触および/または使用のための指示書を任意に含むことを特徴とするキット。
【請求項64】
実施例のいずれか1つを参照して実質的に本明細書中に記載されたような組成物。
【請求項65】
実施例のいずれか1つを参照して実質的に本明細書中に記載されたようなプロセス。
【請求項66】
実施例のいずれか1つを参照して実質的に本明細書中に記載されたような使用。
【請求項67】
実施例のいずれか1つを参照して実質的に本明細書中に記載されたようなキット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2007−503383(P2007−503383A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523669(P2006−523669)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003423
【国際公開番号】WO2005/018333
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(397060588)ダニスコ エイ/エス (67)
【Fターム(参考)】