説明

バケットコンベア装置

【課題】 集積体を構成する複数の物品が扁平の袋状といった不安定な形状のものであっても、多数段積みした状態で綺麗にバケット内に収容し搬送・搬出すること
【解決手段】 少なくとも上方及び前面が開放された複数のバケット11と、そのバケットを循環移動させる移動手段(エンドレスチェーン12等)とを備え、複数の扁平状物品1が段積みされた集積体2をバケットの上方から投入し、バケットに収容された集積体をバケットの前面から搬出するバケットコンベア装置である。そして、バケットの両側壁51の内面側に、バケットの前後方向に延びる上り傾斜状の複数の溝54aを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バケットコンベア装置に関するもので、より具体的には、複数の扁平状物品等を段積み集積して構成される集積体をバケットで受け取ると共に、そのバケットに収容した状態で当該集積体を搬送する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を段済み集積して構成される集積体を搬送する搬送装置の一種として、バケットコンベア装置がある。この種のバケットコンベア装置は、断面U字状に形成されたバケットを複数用意し、そのバケットを所定の軌跡で回転するエンドレスチェーンに連結することで、当該バケットを公転移動させるようにする。
【0003】
バケットに対する集積体の供給並びに搬出は、例えば、上方並びに前後が開放した断面U字状のバケットに対し集積体を上方から落下供給し、また、バケットの前面を開放しておき、背後から押出しプッシャーなどによりバケット内に収容された集積体を前方に押し出すようにしている。係る構成のバケットコンベア装置として、従来特許文献1に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−159119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のこの種のバケットコンベア装置で搬送する集積体を構成する扁平状物品は、矩形箱体のように定形で安定して積み重ねることができる形状のものが多い。また、偏平状物品が袋状の場合、集積する数が2〜3個といった少ないものに用いられることはある。
【0006】
しかし、偏平な袋状で不安定な形状の偏平状物品を多数個(例えば10個)重ねるような集積体を従来のバケットに収容して搬送しようとした場合、以下に示す問題が生じる。すなわち、図9(a)に示すように、複数の偏平状物品1を段積みして形成される集積体2をバケット3の上方からそのバケット3内へ落下供給して投入した場合、図9(b)に示すように個々の偏平状物品1がバケット3内で大きく傾いた状態で収容されるおそれがある。これは、偏平状物品1は、水平状態を維持したまま落下することはなく、任意の方向に傾いた状態で落下する。そして、この種のバケット2は、ステンレスその他の金属プレートの適宜位置を折り曲げて形成されるため、空間を落下移動してきた偏平状物品1は、バケット3内に移行してもそのままスムーズにその斜めに傾斜した姿勢をほぼ維持しながら下降移動して底部に至る。そして、その上に次々と偏平状物品1が落下してくるとともに、個々の偏平状物品1もスムーズにバケット内を下降移動し、すぐ下に位置する偏平状物品1の上面に乗る。その結果、図示するように傾斜した状態のまま段積みされた姿勢となる。
【0007】
このように傾斜してしまうと、バケットから次段の搬送装置への搬出が適切に行われなかったり、仮に搬出できても集積体2が崩れた状態となり次段のシステムで姿勢を揃える工程・装置が必要となったり、搬送できなくなったりするおそれもある。
【0008】
さらに、偏平状物品1が、例えば使い捨てカイロなどの場合、袋体内で内容物が偏って厚さが不均一になることがある。そうすると、綺麗に段積みされないとともに、崩れやすくなるため、上記の問題がより顕著に発生する。
【0009】
また、段積みされる個数が多いと、上側の偏平状物品1が下側の偏平状物品に対して相対的に移動しやすくなる。特に、バケットから集積体を搬出する際に、前方に滑り落ちて荷崩れを生じやすいといった各種の課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明のバケットコンベア装置は、(1)少なくとも上方及び前面が開放された複数のバケットと、そのバケットを循環移動させる移動手段とを備え、複数の偏平状物品が段積みされた集積体を前記バケットの上方から投入し、前記バケットに収容された前記集積体を前記バケットの前面から搬出するバケットコンベア装置であって、前記バケットの両側壁の内面側に、前記扁平状物品の側縁に当接し当該扁平状物品の落下を阻害する、前後方向に延びる複数の溝を設けるようにした。両側壁の内面に設ける溝は、実施形態のように溝を設けた板部材を取り付けても良いし側壁自体に溝を設けても良い。上方から投入された複数の物品が傾斜した状態のまま下降し、一部が先行して一方の側壁の内面に接触すると溝に当たる。この溝は、偏平状物品の落下を阻害しているので、スムーズな下降移動はできず、係る下降移動する際の偏平状物品に対する抵抗となり、偏平状物品の周縁のうち接触している側の移動速度が遅くなる。よって、傾きの程度が少なくなり、水平或いはそれに近い状態になる。さらに、偏平状物品の両側とも側壁の内面に接触すると、偏平状物品は全体的に溝の抵抗を受け、従来の溝のない場合に比べてゆっくりと下降移動して綺麗に段積みされる。なお、綺麗に段済みされるとは、全ての前記偏平状物品が完全に落下して積み重なっている状態を意味するだけでなく、落下途中で前記溝に引っ掛かり水平或いはそれに近い状態で停止して重なり合っている状態も含む。つまり、前記物品間に隙間があったとしても各物品が水平或いはそれに近い状態を維持していればよい。
【0011】
(2)前記溝部は、前記バケットの前面側の位置が高くなる上り傾斜に形成される構成とすると良い。このようにすると、段積みされた物品が前方に崩れ落ちようとしても、溝が上向きとなっているため、前記偏平状物品が前方に傾くことを抑制する。よって、搬出時の荷崩れもしにくい。
【0012】
(3)前記バケットは、奥側に前記集積体に接触して離脱を抑止するストッパ部材を設けるとともに、底面側の前記集積体を受ける部位は前記バケットの前面側の位置が高くなる上り傾斜に形成されるとよい。この傾斜角度は、(2)の傾斜角度と等しくするとより好ましいが、必ずしも一致する必要はない。このように底面側の前記集積体を受ける部位を上り傾斜にすると、バケット内に収容された集積体(偏平状物品)は、奥側に移動しようとする力が働くため、搬出時に前方に荷崩れすることを防止できる。また、バケットの循環移動の際に旋回して遠心力が働いても、集積体がバケットの前面から外に飛び出る可能性を抑制する。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、集積体を構成する複数の偏平状物品が扁平の袋状といった不安定な形状のものであっても、極端な偏りを生じることなく多数段積みした状態で綺麗にバケット内に収容し安定的に搬送・搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るバケットコンベア装置の好適な一実施形態を示す平面図である。
【図2】その正面図である。
【図3】その側面図を拡大して示した図である。
【図4】投入部を示す拡大図である。
【図5】バケットコンベア装置の搬送途中のバケット部分を示す拡大図である。
【図6】搬出部を示す拡大図(その1)である。
【図7】搬出部を示す拡大図(その2)である。
【図8】バケットコンベア装置の半円弧の搬送路を移動するバケット部分を示す拡大図であり、実線で示したのは集積体が収容されていないからの状態であり、二点鎖線で示したのは集積体を収容した状態である。
【図9】本発明の課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1〜図3は、本発明のバケットコンベア装置の一実施形態の全体図を示しており、図4以降は当該装置の適宜位置を拡大した図を示している。本実施形態の循環式のバケットコンベア装置10は、複数の偏平状物品1を段積みして形成される集積体2を上流側の装置より受け取り、搬送し、下流側の装置へ搬出するものである。偏平状物品1は、使い捨てカイロをピロー包装等して形成された偏平な包装体である。使い捨てカイロであるため内部に発熱体となる鉄粉が収納されているので、移動途中で係る鉄粉が偏り、偏平状物品1の形状が平坦でなく、部分的に膨らむこともある。もちろん、搬送対象となる偏平状物品1は、係る使い捨てカイロに限るものではなく、各種のものに適用できる。
【0016】
バケットコンベア装置10は、多数のバケット11が、回転軸13aを中心に回転する一対のスプロケット13に掛け渡されて所定の軌跡で循環移動するエンドレスチェーン12に連結されて構成される。図1に示すように、エンドレスチェーン12は、スプロケット13の部分で半円弧上に回転し、それ以外の区間では直線上を移動する軌跡をとる。このエンドレスチェーン12ひいてはバケット11は、図1中、反時計周りで循環移動する。また、このバケットコンベア装置10は、間欠駆動する。
【0017】
バケット11(エンドレスチェーン12)が直線上を移動する区間の上方所定位置に、集積体2の投入装置20が設けられる。この投入装置20は、図3,図4に示すように、偏平状物品1を吸着した状態で1枚ずつ搬送する搬送装置21の下側に配置され、搬送装置21にて吸着さて搬送される偏平状物品1を1枚ずつ積層しながら受け取る上下開口したホッパー本体22と、そのホッパー本体22の底部を開閉する開閉底板23とを備える。開閉底板23は、ホッパー本体22の左右に配置され、それぞれ3枚の開閉底板23を120度間隔に回転体23aに取り付けた構成を採る。図示する閉塞状態では、左右それぞれ1枚の開閉底板23がホッパー本体22内に入り込んで、ポッパー本体22の底部を塞き、左右の開閉底板23の上に、偏平状物品1が積層配置される。
【0018】
集積体2を構成する所定数(例えば10個)の偏平状物品1がホッパー本体22内に収容されたならば、所定のタイミングで左右の開閉底板23は、それぞれ先端側が下降移動する方向に回転する。これにより、ホッパー本体22の底部は開放され、ホッパー本体22内の集積体2は落下する。図3,図4に示すように、ホッパー本体22の下方に空のバケット11が待機していると、落下した集積体2は、バケット11に投入されて収容される。
【0019】
また、搬送装置10からホッパー本体22への偏平状物品1への供給は、1個ずつ行うとともに、その落下距離も短くしていることから、図示のように綺麗に上下に断積みされた状態となる。
【0020】
図4,図5等に示すように、バケット11は、断面略U字状(底面が平板となっているため、略コ字状を90度回転させた状態)を基本構成としている。よって、底板52の左右両側縁から上方に折れ曲がるように一対の側壁51が起立形成される。さらに、底板52の奥側の中央には、ストッパ板53が起立形成される。これにより、バケット11内に収容された集積体2は、バケット11内での横方向の移動は側壁51で規制され、奥側への移動はストッパ板53で規制され、係る三方向への集積体2(偏平状物品1)のバケット11からの飛び出しは阻止される。
【0021】
一方、バケット11の上方並びに前方は開放しているので、上述したように上方からの集積体2の投入ができるとともに、後述するように前面側からの集積体2の搬出が行える。なお、このバケット11の前後は、バケットコンベア装置10における搬送方向と直交する方向に配置しているため、バケット11の側壁51は当該搬送方向の前後方向に位置することになる。よって、バケット11の搬送(間欠駆動)に伴い、慣性力により集積体2(偏平状物品1)が当該搬送方向に沿って前後方向に移動しようとしても、当該移動方向の先にはバケット11の側壁51が存在しているため集積体2はバケット11から離脱しない。
【0022】
また、周回するエンドレスチェーン12の内側(バケットコンベア装置10の中央側)にバケット11のストッパ板53が位置するようにしている。よって、バケット11の前面の開口部は、周回するエンドレスチェーン12の外側に位置するため、スプロケット13に沿って半円弧上を移動するバケット11内の集積体2(偏平状物品1)は、遠心力により回転中心から外側すなわちバケット11の前面開放側から外側に向けて付勢されるため、万が一外に飛び出てしまわないように、本実施形態では、係る半円弧の移動区間の外側にガイドプレート16を配置し、集積体2の離脱を抑制している(図1,図8等参照)。
【0023】
さらにバケット11は、底板51の下面奥側にて、L字プレート14を介してエンドレスチェーン12に連結される。また、底板51の下面前側には、ガイドレール機構15を連携させ、バケット11を安定した姿勢でエンドレスチェーン12の回転に伴って公転移動できるようにしている。これらの基本的な構成は、従来公知のものと同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0024】
ここで本実施形態では、一対の側壁51の内側対向面に、バケット11の前後方向に延びる溝54aを備えた板部材54を取り付けている。この溝54aは、バケット11の前面側が高くなるように傾斜させている。この傾斜角度は、3度とした。係る溝54aは、上下に短いピッチで多数形成した。また、一対の板部材54の間隔は、偏平状物品1の幅に比べて若干狭く設定している。これにより、バケット11内に収容された集積体2(偏平状物品1)は、その左右両端が側壁51に接触し、その接触抵抗により前後方向に移動し難くなり、バケット11の前面から外への離脱がし難くなる。
【0025】
さらに、底板52の上面には、バケット11の前後方向に延びるように配置された細長矩形状のベース台55が4本平行に設けられている。ベース台55の上面には、前後に並ぶように多数のローラ56が回転自在に設けられている。さらに、ベース台55の上面が、バケット11の前面側が高くなるように傾斜させている。そしてその傾斜角度は、溝54aの傾斜角度と一致させている。各ローラ56の回転軸は、ベース台55の長手方向と直交する方向に揃えている。よって、ベース台55の上に乗った偏平状物品1は、長手方向に沿って移動する際にローラ56が回転してその移動を補助する。さらに、本実施形態では、ベース台55の上面をバケット11の前面側が高くなるように傾斜させているため、ベース台55(ローラ56)上に乗った偏平状物品1は、その傾斜に沿って下降すなわち、バケット11の奥側に移動しようとする力が働く。よって、偏平状物品1は、バケット11の前面から外への離脱がし難くなる。
【0026】
図6,図7に示すように、バケットコンベア装置10の搬送路上の適宜位置に、集積体2の搬出装置30を設けている。この搬出装置30は、投入装置20を設けたバケット11(エンドレスチェーン12)が直線上を移動する区間と反対側の直線上の区間の適宜位置に配置している。この搬出装置30は、バケット11内に収容された集積体2を、バケット11の前面側開放部位より外側に搬出するとともに、次段の搬送装置41に供給するものである。
【0027】
そして、搬出装置30は、一対のスプロケット33,33′間に掛け渡されたエンドレスチェーン32の所定位置に、複数のプッシャー板31が取り付けられて構成される。エンドレスチェーン32ひいてはプッシャー板31は、垂直平面内で、バケット11が直線上を移動する区間におけるバケット11の搬送方向と直交する方向に移動する。
【0028】
さらに、一対のスプロケット33は、バケットコンベア装置10のエンドレスチェーン12の内側と、エンドレスチェーン12の外側(バケット11の前面)の適宜位置に設けられるとともに、当該外側に設置されるスプロケット33′の方が高い位置に設置される。これにより、スプロケット33側からスプロケット33′に向けて移動するプッシャー板31は、バケット11の奥側(エンドレスチェーン12の内側)からバケット11内に進入し、そのままバケット11内を前面に向けて上昇しながら移動し当該前面より外側に至る。
【0029】
また、プッシャー板31は、二股状に分岐しており、バケット11のストッパ板53を避けてバケット11内に進入可能としている。さらに、バケット11内を移動中のプッシャー板31の先端は、ベース台55に対向する部位がベース台55に設けたローラ56の上端と近接し、ベース台55に対向しない部位(隣接するベース台55の間)がローラ56の上端よりも下方に突出するように凹凸となっている。よって、集積体2は、プッシャー板31に押されてバケット11の前面より搬出され、さらに、ベース台55に対向しない部位がローラ56の上端よりも下側を移動することで、ローラ56の上に接触している偏平状物品1も確実に前方へ押し出すことができる。
【0030】
一方、搬送装置40は、搬送面が上方に傾斜しているベルトコンベア41をベースとし、搬入側の上方には搬出されてきた集積体2の上面を抑える抑えローラ43が配置されている。ベルトコンベア41の搬送面は、搬出位置にあるバケット11のベース台55(ローラ56)で形成されるバケット11内での集積体2の搬送面の延長線上に配置される。これにより、プッシャー板31により押されてバケット11から搬出された集積体2は、そのままスムーズに搬送装置40のベルトコンベア41の搬送面上に移り変わる。さらにプッシャー板31は、搬送装置40の搬入側の所定位置までさらに前進移動するように設定しており、バケット11から搬出されて次段の搬送装置40上に移し替えられた集積体2を一定区間さらに搬送し、搬送装置40への移送を確実に行うようにしている。
【0031】
[投入処理]
次に、上記の構成のバケットコンベア装置10の投入時の動作を説明する。上述したように、投入装置20のポッパー本体22内に所定数(10枚)の偏平状物品1が段積みされたならば開閉底板23を開く。これにより、ホッパー本体22内の偏平状物品1からなる集積体2が落下し、下方にある空のバケット11内に投入される。このとき、偏平状物品1は、斜めに傾斜した状態で落下し、偏平状物品1の周縁の一部が、板部材54の内側面に接触する。すると、板部材54の内面側には上下に多数の溝54aが形成されているため、係る偏平状物品の周縁の一部は、その溝54aに入ったりその溝54aから出て板部材54の上下の溝間の部分を乗り越えて再度次の溝54aに至ったりというように、当該溝54aを順次乗り越えながら下降移動する。よって、係る周縁の一部は下降移動に対する抵抗が大きくなり、その下降移動する際の移動速度が遅れて落ちてきた空間を移動中の周縁の他の部分の移動速度に比べて遅くなる。
【0032】
さらに、偏平状物品1の左右両側縁が、バケット11内の板部材54間に進入したならば、溝54aの抵抗を受けて従来の溝付きの板部材がないものに比べて全体的にゆっくりと下降移動する。よって、偏平状物品1は、ストンと一気に底板まで下降移動しないので水平或いはそれに近い状態となる。なお、本実施形態における溝54aは、投入時において、偏平状物品1の下降移動の際の抵抗となるが、収容された集積体2の各偏平状物品1の両側縁を保持する溝ではないので、図5中左側の2つのバケット11内に収容例を示したように同一高さ位置の溝54a内に偏平状物品1の両側縁が挿入されるとは限らず、さらには、偏平状物品1の側縁は、溝54a以外の部位に接触することもある。また、扁平状物品1の中には落下途中で溝54aに引っ掛かり、水平或いはそれに近い状態で停止するものもある。この場合、下側の扁平状物品1に上側の扁平状物品1の荷重が作用しなくなるため、偏りが助長されないという利点がある。
【0033】
[搬出処理]
バケット11が搬送装置40に対向する搬出位置に至ると、エンドレスチェーン12は一時停止する。この状態で搬出装置30が動作し、上述したようにプッシャー板31にて集積体2をバケット11の前面から前方へ押し出し、次段の搬送装置40へ移し替える。このとき、段積みされた偏平状物品1が落下する方向に力が発生したとしても、ベース台55(ローラ56)が上り傾斜状になっているとともに、溝54aを搬出方向に沿って上り傾斜としているために偏平状物品1が前方に傾くことが抑制され、偏平状物品1が前方へ滑り落ちることが抑制できる。よって、安定した搬出処理が行え、集積体2は、次段の搬送装置40へ搬出される。
【0034】
[変形例]
上述した実施形態では、溝54aを3度の上り傾斜としたが、その角度は任意であり、他の角度でも良い。また、傾斜するのではなく、水平にしても良い。
【符号の説明】
【0035】
1 偏平状物品
2 集積体
10 バケットコンベア装置
11 バケット
20 投入装置
30 搬出装置
40 搬送装置
51 側壁
52 底板
53 ストッパ板
54 板部材
55 ベース台
56 ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上方及び前面が開放された複数のバケットと、そのバケットを循環移動させる移動手段とを備え、複数の扁平状物品が段積みされた集積体を前記バケットの上方から投入し、前記バケットに収容された前記集積体を前記バケットの前面から搬出するバケットコンベア装置であって、
前記バケットの両側壁の内面側に、前記扁平状物品の側縁に当接し当該扁平状物品の落下を阻害する、前後方向に延びる複数の溝を設けたことを特徴とする特徴とするバケットコンベア装置。
【請求項2】
前記溝部は、前記バケットの前面側の位置が高くなる上り傾斜に形成されることを特徴とする請求項1に記載のバケットコンベア装置。
【請求項3】
前記バケットは、奥側に前記集積体に接触して離脱を抑止するストッパ部材を設けるとともに、底面側の前記集積体を受ける部位は前記バケットの前面側の位置が高くなる上り傾斜に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のバケットコンベア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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