バスケット型錠剤用緩衝材
【課題】錠剤用容器の充填量の変化に伴って、特に錠剤上面と口上面との空間が小さい、形態で、且つ、口内径や胴内径の変化に対応できて、挿入取出しが容易であり共通性と汎用性のあるシンプルな錠剤用緩衝材であること。
【解決手段】合成樹脂材料の成型品であって、上部リング状中栓（１）とスリット（６）を隔てた複数の縦リブ（３）下部縁端と傾斜リブ４上部縁端はヒンジ部（３ａ）にて連結し、傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）にて連結して一体的に形成している構造とした。
【解決手段】合成樹脂材料の成型品であって、上部リング状中栓（１）とスリット（６）を隔てた複数の縦リブ（３）下部縁端と傾斜リブ４上部縁端はヒンジ部（３ａ）にて連結し、傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）にて連結して一体的に形成している構造とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は医薬品や食料品等の包装容器に収納された錠剤の品質を保証するため錠剤の上面に充填して使用される錠剤用緩衝材に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般に多数個の錠剤やカプセルを収納した広口容器に於いて、振動や衝撃的な作用によって錠剤相亙間又は容器の内壁との衝突現象によって錠剤の割れ、欠け等の破損するのを防止する為、モルトプレン、ポリエチレンフイルム、綿花等の緩衝材を容器上部に収納しているが充填作業中に塵埃物が付着し易くて衛生面的な面で問題がある。ユーザーの使用性、メーカーでの作業性、あるいは経済性において何らかの問題点を持ちながら使用されているのが現状である。特に規格硝子瓶に使用されているポリエチレンシートの緩衝材は、エンドーユーザーでポリエチレンシートの緩衝材を取り出す時に錠剤がシートに絡んで飛び出すという欠陥については、各製薬会社等に於いても具体的な解決策がなく未だにエンドーユーザー側での潜在的クレームとなっている。又、比較的大容量の容器に関しては、モルトプレンや合成樹脂材料で一体的に射出成型した緩衝材も有って実用化されているものもあるが、最近の規格された硝子瓶等に収納される錠剤は、錠剤の収納量が比較的多くなり容器の上部空間が極めて少ない状態になってきている。
【０００３】
現在実用化している大容量の広口容器用の成型製品の緩衝材に於いては、収納された錠剤面と容器内上部に空間が比較的に広くあって、容器に挿入する時、外部押え片が容器の口部に当たって上部方向に湾曲し、容器内に挿入すると胴部の広くなった部分で弾性的復元力によって反転し、外部押え片は水平面の放射状に復元して錠剤上面を押さえることが出来る錠剤用緩衝材が市販されている。
【０００４】
然しながら、これ等の特開平１０−７２０５）の立体式錠剤緩衝材、と 特開平９−２９０８６３平面式、錠剤緩衝材等は、規格された硝子瓶の包装形体から見て収納される錠剤上面と瓶内上部との空間が少なく現行の大型容器の成形製品の緩衝材の形態では、規格、瓶に挿入後、外部押え片は、弾性的復元力による反転する空間が無く外部押え片が瓶の口部に当たって上部方向に湾曲し窄んだ状態で瓶の口内頚長部に詰まって、押え片が錠剤上面を押えることが出来ず、錠剤用緩衝材の機能が失われる欠点がある。
【０００５】
従って、容器に充填される錠剤の収納量の大小に関係なく、また従来の大容量の広口容器用の緩衝材としても適合し、挿入と取出しが容易なものであって、シンプルに形成されてあって且つ衛生的であり経済的で普遍妥当性のある形態を有する緩衝材の開発が必要になっている現状である。
【特許文献】 特許第３１１６２７４号 （特開平１０−７２０５５） 特許第３２１１０８２号 （特開平９−２９０８６３）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
以上述べた従来の特許開平１０−７２０５５の錠剤用立体式緩衝材と特開平９−２９０８６３平面式錠剤用緩衝材は、容器内の錠剤の充填量の大小によって錠剤上面と口内径の頚長部との空間が異なり、広い空間の場合は容器の胴内径において外部押え片は弾性的復元作用によって略水平面に錠剤を押さえることが出来るが、狭い空間の場合は容器内で外径押え片が反転する空間が無く瓶の口部に当たって上部方向に湾曲し窪んだ状態で瓶の口内頚長部詰まって、水平面に錠剤を均一に押圧することが不可能である。
【０００７】
そこで本発明の緩衝材は、上記の緩衝材の欠点である、容器の錠剤充填量が多く口内径頚長部と錠剤上面の空間が少ない状態の包装形態であっても容易に挿入が出来て従来の成型製の緩衝材を使用している容器にも適応できるもので、形状的には、立体的でシンプルに形成された弾力性を有する合成樹脂材料による射出成型品であって、上部リング状中栓に一体的に連結されている複数の縦リブと傾斜リブと底部円盤から形成されてあり、複数の縦リブはスリットを隔てて等間隔に形成されていて、縦リブと傾斜リブにヒンジ部で連結し、傾斜リブの下部と底部円盤の周縁にヒンジ部を設けて、挿入後上部リング中栓が容器の口内径に嵌合されると、傾斜リブと底部円盤が錠剤押え用リブに変形して錠剤上面を隈なく押圧することができる画期的な特徴を有する緩衝材であって、錠剤用広口容器の形態が大容量の容器又、規格された小型硝子瓶等、に対応できるもので汎用性の高い経済的な錠剤用緩衝材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記の目的を達成するために、本発明に係る緩衝材にあっては、次のような解決手段を講じた。即ち、本発明では、容器の充填量の増減変化によって、口上面と錠剤上面の空間の大小に対応する為に、適当な弾力を有する合成樹脂材料による成型品であって上部リング状中栓（１）上面よりすこし下側の内壁面から斜めに円錐形リング状のリブ（２ａ）と取手部（２）が一体に形成されていて、上部リング状中栓（１）の下部からスリット（６）を隔て等間隔に形成された複数の縦リブ（３）の下部縁端と複数の傾斜リブ（４）の上部縁端はヒンジ部（３ａ）にて連結し、傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）にて連結して、一体的に形成されている構造とした。
【発明の効果】
【０００９】
以上説明したように本発明の錠剤用緩衝材は、容器の充填量の増減変化によって、口上面と錠剤上面の空間の大小に対応する為、又容器の口内径に容易に通過して挿入できる形体に形成されてあって、上部リング状中栓（１）の内径下部からスリット（６）を隔て等間隔に形成された複数の縦リブ（３）の下部縁端と複数の傾斜リブ（４）の上部縁端はヒンジ部（３ａ）にて連結し、傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）にて連結し、一体的に形成されている構造は、上部リング状中栓（１）が容器の内径に嵌合する外径部寸法より複数の縦リブの外径寸法が小さく形成されている形体であるから容器の口内径に干渉することなく常に挿入作業が容易である。 底部円盤（５）が錠剤上面に接触した時点で上部リング状中栓（１）の外径部が容器の口内径に嵌合される時に、縦リブ（３）が下部方向に湾曲すると、縦リブ（３）と傾斜リブ（４）と底部円盤（５）は連結されているヒンジ部（３ａ）とヒンジ部（４ａ）の弾性的な蝶番作用によって錠剤上面を押圧する形体に変化する。
【００１０】
本発明は、このような立体的、シンプルなバケット型の形体でありながら構成している各リブと底部円盤を連結さしている各ヒンジ部の機能によって、縦リブ、傾斜リブが錠剤上面の押さえリブに変化する機能を兼ね備えている革新的な特徴を有する緩衝材である。
【００１１】
。
バケット型緩衝材の取り出しについては、容器の口内径に軽嵌合されている上部リング状中栓（１）の上面よりすこし下側の内壁面から斜めに円錐形リング状のリブ（２ａ）と一体に形成されている取手部（２）の円周部の裏側を任意の位置から、人差し指等で引っ掛けて引き上げると容易に取り出すことが出来る。
【００１２】
バケット型緩衝材の形態は、シンプルな縦リブや傾斜リブと底部円盤の形状で籠のような形態で有るので容器に挿入された場合は、錠剤は、縦リブと連結している傾斜リブと底部円盤の内側には、錠剤が飛込まない形体になっている。
【００１３】
従来の立体的又は平面的な緩衝材は、弾力性を有する合成樹脂材料の低密度ポリエチレン等で成型されているので複雑な形状では、運送時、や移動される時、に変形の心配があるが、本発明のバケット式緩衝材はリング状中栓付の籠状の形体であるため変形する要素が極めて少ない為に、外観の品質管理が容易である。
【００１４】
本発明の緩衝材は、複数の縦リブ、傾斜リブ等がシンプルな形体でありながら、錠剤の大きさや形状の変化、容器の口内径や胴内径の変化、錠剤の充填量による容器の上部の空間量の変化に効果的にフレキシビリティーに対応でき、汎用性が高く経済的にも顕著な効果がある、革新的な画期的特徴を有する錠剤用緩衝材であります。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【００１６】
図１〜図８は本発明の錠剤用緩衝材の第１の実施の形態に係り、図１は図２のイーイ線に沿った断面図である第２図は第１図の緩衝材の底面図で上部リング状中栓（１）と底部円盤（５）と傾斜リブ（４）がスリット（６）を隔てて複数等間隔で縦リブ（３）に連結している図である
第３図は第１図の緩衝材の外観図で上部リング状中栓（１）の外観と複数の縦リブ（３）の下部縁端と複数の傾斜リブ（４）の上部縁端にヒンジ部（３ａ）で連結し傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）で連結し、縦リブと傾斜リブはスリット（６）にて等間隔に形成している外観図である
第４図は緩衝材の上部リング状中栓（１）上面より少し下側の内壁面から斜めに円錐形リング状リブ（２ａ）と取手部（２）を示して上面から観たスリット（６）傾斜リブ（４）と底部円盤（５）を示した平面図である。
第５図は本発明のバケット式緩衝材を容器内に挿入し底部円盤（５）が錠剤上面に接触した状態の断面図である。第６図はバケット式緩衝材を上部リング状中栓（１）の外径と容器の内径が軽嵌合した状態を示す。第７図はバケット式緩衝材を取手部（２）を指にて引き上げて取り出す状態を示す断面図である。第８図はバケット式緩衝材を挿入してキャップＤを装着した断面図である
【００１７】
図１、図２ に示すように符号Ａは本発明に係る緩衝材を示すもので、適当な弾力性を有する合成樹脂材料によって一体的に成型されている。
前記バケット式緩衝材Ａは、上部リング状中栓（１）上面よりすこし下側の内壁面から斜めに円錐形リング状のリブ（２ａ）と取手部（２）が一体に形成されていて、上部リング状中栓（１）の下部からスリット（６）を隔て等間隔に形成された複数の縦リブ（３）の下部縁端と複数の傾斜リブ（４）の上部縁端はヒンジ部（３ａ）にて連結し、傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）にて連結し、一体的に形成されているバスケット型緩衝材である。
【００１８】
而して前記、上部リング状中栓（１）は緩衝材Ａを容器Ｂ内の錠剤Ｃ上面に挿入した時、例えば複数の縦リブ（３）や、複数の傾斜リブ（４）がヒンジ部（３ａ）とヒンジ部（４ａ）の弾性的蝶番の効果により湾曲や屈曲をして押圧する時、上部リング状中栓（１）が容器の口上面から浮き上がらないように、口内径と上部リング状中栓（１）は軽嵌合するように形成されている。
【００１９】
図３、に示す外観図はバケット式緩衝材の上部リング状中栓（１）や縦リブ（３）傾斜リブ（４）ヒンジ部（３ａ）（４ａ）位置とスリット（６）と底部円盤の側面を示す図である。
図４、に示す外観平面図は、取手部（２）が上部リング状中栓（１）の内壁円周上にフランジ状に形成されているから、任意の位置から指先部で取り出せる形体を示す図である。
【００２０】
図５に示す断面図は、バケット式緩衝材が容器Ｂに挿入した状態であって容器の口内径を通過する複数の縦リブ（３）とヒンジ部（３ａ）連結している傾斜リブ（４）の外径寸法は干渉することなく容易に挿入作業が出来て錠剤上面に底部円盤（５）が接触して上部リング状中栓（１）が容器の内径に軽嵌合する前工程を示す図である。
【００２１】
上記に示すバケット式緩衝材の形体が、容器内に挿入する時に干渉する形状がなく挿入が作業が容易であり、作業効率が向上する効果がある。
【００２２】
図６に示す断面図は、バケット式緩衝材が容器Ｂに挿入し上部リング状中栓（１）の外径が容器Ｂの口内径部に軽嵌合する時の縦リブ（３）が湾曲して連結部のヒンジ部（３ａ）が蝶番作用で傾斜リブ（４）が錠剤上面側に屈曲し、傾斜リブの下部縁端が底部円盤（５）の周縁部と連結しているヒンジ部（４ａ）の蝶番作用で平面状態に開くような形体に変化し、縦リブ（３）と傾斜リブ（４）と底部円盤（５）の形状が一体的に錠剤の押さえの形体に変化する画期的な機能を有する緩衝材である。
【００２３】
図７に示す断面図は、バケット式緩衝材の取手部（２）を指にて引き上げて取り出す状態を示す断面図である。この取出し用取手部（２）は上部リング状中栓（１）の内壁円周上にフランジ状に形成されているから、任意の位置から指先部で取り出せる形体であるから、従来のアンダーカットや舌片状の取出し形体より、取出しが容易である。
第８図はバケット式緩衝材を挿入してキャップＤを装着した断面図である。
容器の内径に軽嵌合された、上部リング状中栓（１）は容器の口上面より浮き上がらない形体である。キャップＤを閉じた時、上部リング状中栓（１）の上縁部がキャップのパッキング面に接触しない状態であるから、緩衝材に対する、共周りや捩じれの損傷等のトラブルが発生しないので、品質管理が効果的に実施できる画期的な特徴をのある緩衝材を示している。
本発明の実施の形体及び実施例を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない、状況に応じて且つ効果を有する範囲内で適時変更して実施できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【００２４】
本発明は、医薬品の錠剤用容器や健康保健剤の錠剤用容器等に又一般錠剤用容器の内容物に対して未だ従来の緩衝材にない画期的な商品を製造販売し産業分野で有意義に活用し、普遍的に拡大して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本発明に係る錠剤用緩衝材の一実施例を示すもので、図２のイーイ線に沿った断面図である。
【図２】上記緩衝材の底面図である。
【図３】上記緩衝材の外観図である。
【図４】上記緩衝材の平面図である。
【図５】上記緩衝材の容器に挿入する状態を示す断面図である。
【図６】上記緩衝材の容器の口内径に上部リング状中栓の外径が嵌合した状態を示し、錠剤上面を押圧した状態を示す断面図。
【図７】上記の緩衝材を容器から取り出す状態を示す断面図。
【図８】上記の緩衝材を容器内に装着した状態を示す断面図。
【符号の説明】
【００２６】
１ 上部リング状中栓 ４ａ ヒンジ部 Ａ 緩衝材
２ 取手部 ５ 底部円盤 Ｂ 容 器
２ａ 円錐形リング状のリブ ６ スリット Ｃ キャップ
３ａ ヒンジ部
４ 傾斜リブ
【技術分野】
【０００１】
本発明は医薬品や食料品等の包装容器に収納された錠剤の品質を保証するため錠剤の上面に充填して使用される錠剤用緩衝材に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般に多数個の錠剤やカプセルを収納した広口容器に於いて、振動や衝撃的な作用によって錠剤相亙間又は容器の内壁との衝突現象によって錠剤の割れ、欠け等の破損するのを防止する為、モルトプレン、ポリエチレンフイルム、綿花等の緩衝材を容器上部に収納しているが充填作業中に塵埃物が付着し易くて衛生面的な面で問題がある。ユーザーの使用性、メーカーでの作業性、あるいは経済性において何らかの問題点を持ちながら使用されているのが現状である。特に規格硝子瓶に使用されているポリエチレンシートの緩衝材は、エンドーユーザーでポリエチレンシートの緩衝材を取り出す時に錠剤がシートに絡んで飛び出すという欠陥については、各製薬会社等に於いても具体的な解決策がなく未だにエンドーユーザー側での潜在的クレームとなっている。又、比較的大容量の容器に関しては、モルトプレンや合成樹脂材料で一体的に射出成型した緩衝材も有って実用化されているものもあるが、最近の規格された硝子瓶等に収納される錠剤は、錠剤の収納量が比較的多くなり容器の上部空間が極めて少ない状態になってきている。
【０００３】
現在実用化している大容量の広口容器用の成型製品の緩衝材に於いては、収納された錠剤面と容器内上部に空間が比較的に広くあって、容器に挿入する時、外部押え片が容器の口部に当たって上部方向に湾曲し、容器内に挿入すると胴部の広くなった部分で弾性的復元力によって反転し、外部押え片は水平面の放射状に復元して錠剤上面を押さえることが出来る錠剤用緩衝材が市販されている。
【０００４】
然しながら、これ等の特開平１０−７２０５）の立体式錠剤緩衝材、と 特開平９−２９０８６３平面式、錠剤緩衝材等は、規格された硝子瓶の包装形体から見て収納される錠剤上面と瓶内上部との空間が少なく現行の大型容器の成形製品の緩衝材の形態では、規格、瓶に挿入後、外部押え片は、弾性的復元力による反転する空間が無く外部押え片が瓶の口部に当たって上部方向に湾曲し窄んだ状態で瓶の口内頚長部に詰まって、押え片が錠剤上面を押えることが出来ず、錠剤用緩衝材の機能が失われる欠点がある。
【０００５】
従って、容器に充填される錠剤の収納量の大小に関係なく、また従来の大容量の広口容器用の緩衝材としても適合し、挿入と取出しが容易なものであって、シンプルに形成されてあって且つ衛生的であり経済的で普遍妥当性のある形態を有する緩衝材の開発が必要になっている現状である。
【特許文献】 特許第３１１６２７４号 （特開平１０−７２０５５） 特許第３２１１０８２号 （特開平９−２９０８６３）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
以上述べた従来の特許開平１０−７２０５５の錠剤用立体式緩衝材と特開平９−２９０８６３平面式錠剤用緩衝材は、容器内の錠剤の充填量の大小によって錠剤上面と口内径の頚長部との空間が異なり、広い空間の場合は容器の胴内径において外部押え片は弾性的復元作用によって略水平面に錠剤を押さえることが出来るが、狭い空間の場合は容器内で外径押え片が反転する空間が無く瓶の口部に当たって上部方向に湾曲し窪んだ状態で瓶の口内頚長部詰まって、水平面に錠剤を均一に押圧することが不可能である。
【０００７】
そこで本発明の緩衝材は、上記の緩衝材の欠点である、容器の錠剤充填量が多く口内径頚長部と錠剤上面の空間が少ない状態の包装形態であっても容易に挿入が出来て従来の成型製の緩衝材を使用している容器にも適応できるもので、形状的には、立体的でシンプルに形成された弾力性を有する合成樹脂材料による射出成型品であって、上部リング状中栓に一体的に連結されている複数の縦リブと傾斜リブと底部円盤から形成されてあり、複数の縦リブはスリットを隔てて等間隔に形成されていて、縦リブと傾斜リブにヒンジ部で連結し、傾斜リブの下部と底部円盤の周縁にヒンジ部を設けて、挿入後上部リング中栓が容器の口内径に嵌合されると、傾斜リブと底部円盤が錠剤押え用リブに変形して錠剤上面を隈なく押圧することができる画期的な特徴を有する緩衝材であって、錠剤用広口容器の形態が大容量の容器又、規格された小型硝子瓶等、に対応できるもので汎用性の高い経済的な錠剤用緩衝材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記の目的を達成するために、本発明に係る緩衝材にあっては、次のような解決手段を講じた。即ち、本発明では、容器の充填量の増減変化によって、口上面と錠剤上面の空間の大小に対応する為に、適当な弾力を有する合成樹脂材料による成型品であって上部リング状中栓（１）上面よりすこし下側の内壁面から斜めに円錐形リング状のリブ（２ａ）と取手部（２）が一体に形成されていて、上部リング状中栓（１）の下部からスリット（６）を隔て等間隔に形成された複数の縦リブ（３）の下部縁端と複数の傾斜リブ（４）の上部縁端はヒンジ部（３ａ）にて連結し、傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）にて連結して、一体的に形成されている構造とした。
【発明の効果】
【０００９】
以上説明したように本発明の錠剤用緩衝材は、容器の充填量の増減変化によって、口上面と錠剤上面の空間の大小に対応する為、又容器の口内径に容易に通過して挿入できる形体に形成されてあって、上部リング状中栓（１）の内径下部からスリット（６）を隔て等間隔に形成された複数の縦リブ（３）の下部縁端と複数の傾斜リブ（４）の上部縁端はヒンジ部（３ａ）にて連結し、傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）にて連結し、一体的に形成されている構造は、上部リング状中栓（１）が容器の内径に嵌合する外径部寸法より複数の縦リブの外径寸法が小さく形成されている形体であるから容器の口内径に干渉することなく常に挿入作業が容易である。 底部円盤（５）が錠剤上面に接触した時点で上部リング状中栓（１）の外径部が容器の口内径に嵌合される時に、縦リブ（３）が下部方向に湾曲すると、縦リブ（３）と傾斜リブ（４）と底部円盤（５）は連結されているヒンジ部（３ａ）とヒンジ部（４ａ）の弾性的な蝶番作用によって錠剤上面を押圧する形体に変化する。
【００１０】
本発明は、このような立体的、シンプルなバケット型の形体でありながら構成している各リブと底部円盤を連結さしている各ヒンジ部の機能によって、縦リブ、傾斜リブが錠剤上面の押さえリブに変化する機能を兼ね備えている革新的な特徴を有する緩衝材である。
【００１１】
。
バケット型緩衝材の取り出しについては、容器の口内径に軽嵌合されている上部リング状中栓（１）の上面よりすこし下側の内壁面から斜めに円錐形リング状のリブ（２ａ）と一体に形成されている取手部（２）の円周部の裏側を任意の位置から、人差し指等で引っ掛けて引き上げると容易に取り出すことが出来る。
【００１２】
バケット型緩衝材の形態は、シンプルな縦リブや傾斜リブと底部円盤の形状で籠のような形態で有るので容器に挿入された場合は、錠剤は、縦リブと連結している傾斜リブと底部円盤の内側には、錠剤が飛込まない形体になっている。
【００１３】
従来の立体的又は平面的な緩衝材は、弾力性を有する合成樹脂材料の低密度ポリエチレン等で成型されているので複雑な形状では、運送時、や移動される時、に変形の心配があるが、本発明のバケット式緩衝材はリング状中栓付の籠状の形体であるため変形する要素が極めて少ない為に、外観の品質管理が容易である。
【００１４】
本発明の緩衝材は、複数の縦リブ、傾斜リブ等がシンプルな形体でありながら、錠剤の大きさや形状の変化、容器の口内径や胴内径の変化、錠剤の充填量による容器の上部の空間量の変化に効果的にフレキシビリティーに対応でき、汎用性が高く経済的にも顕著な効果がある、革新的な画期的特徴を有する錠剤用緩衝材であります。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【００１６】
図１〜図８は本発明の錠剤用緩衝材の第１の実施の形態に係り、図１は図２のイーイ線に沿った断面図である第２図は第１図の緩衝材の底面図で上部リング状中栓（１）と底部円盤（５）と傾斜リブ（４）がスリット（６）を隔てて複数等間隔で縦リブ（３）に連結している図である
第３図は第１図の緩衝材の外観図で上部リング状中栓（１）の外観と複数の縦リブ（３）の下部縁端と複数の傾斜リブ（４）の上部縁端にヒンジ部（３ａ）で連結し傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）で連結し、縦リブと傾斜リブはスリット（６）にて等間隔に形成している外観図である
第４図は緩衝材の上部リング状中栓（１）上面より少し下側の内壁面から斜めに円錐形リング状リブ（２ａ）と取手部（２）を示して上面から観たスリット（６）傾斜リブ（４）と底部円盤（５）を示した平面図である。
第５図は本発明のバケット式緩衝材を容器内に挿入し底部円盤（５）が錠剤上面に接触した状態の断面図である。第６図はバケット式緩衝材を上部リング状中栓（１）の外径と容器の内径が軽嵌合した状態を示す。第７図はバケット式緩衝材を取手部（２）を指にて引き上げて取り出す状態を示す断面図である。第８図はバケット式緩衝材を挿入してキャップＤを装着した断面図である
【００１７】
図１、図２ に示すように符号Ａは本発明に係る緩衝材を示すもので、適当な弾力性を有する合成樹脂材料によって一体的に成型されている。
前記バケット式緩衝材Ａは、上部リング状中栓（１）上面よりすこし下側の内壁面から斜めに円錐形リング状のリブ（２ａ）と取手部（２）が一体に形成されていて、上部リング状中栓（１）の下部からスリット（６）を隔て等間隔に形成された複数の縦リブ（３）の下部縁端と複数の傾斜リブ（４）の上部縁端はヒンジ部（３ａ）にて連結し、傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）にて連結し、一体的に形成されているバスケット型緩衝材である。
【００１８】
而して前記、上部リング状中栓（１）は緩衝材Ａを容器Ｂ内の錠剤Ｃ上面に挿入した時、例えば複数の縦リブ（３）や、複数の傾斜リブ（４）がヒンジ部（３ａ）とヒンジ部（４ａ）の弾性的蝶番の効果により湾曲や屈曲をして押圧する時、上部リング状中栓（１）が容器の口上面から浮き上がらないように、口内径と上部リング状中栓（１）は軽嵌合するように形成されている。
【００１９】
図３、に示す外観図はバケット式緩衝材の上部リング状中栓（１）や縦リブ（３）傾斜リブ（４）ヒンジ部（３ａ）（４ａ）位置とスリット（６）と底部円盤の側面を示す図である。
図４、に示す外観平面図は、取手部（２）が上部リング状中栓（１）の内壁円周上にフランジ状に形成されているから、任意の位置から指先部で取り出せる形体を示す図である。
【００２０】
図５に示す断面図は、バケット式緩衝材が容器Ｂに挿入した状態であって容器の口内径を通過する複数の縦リブ（３）とヒンジ部（３ａ）連結している傾斜リブ（４）の外径寸法は干渉することなく容易に挿入作業が出来て錠剤上面に底部円盤（５）が接触して上部リング状中栓（１）が容器の内径に軽嵌合する前工程を示す図である。
【００２１】
上記に示すバケット式緩衝材の形体が、容器内に挿入する時に干渉する形状がなく挿入が作業が容易であり、作業効率が向上する効果がある。
【００２２】
図６に示す断面図は、バケット式緩衝材が容器Ｂに挿入し上部リング状中栓（１）の外径が容器Ｂの口内径部に軽嵌合する時の縦リブ（３）が湾曲して連結部のヒンジ部（３ａ）が蝶番作用で傾斜リブ（４）が錠剤上面側に屈曲し、傾斜リブの下部縁端が底部円盤（５）の周縁部と連結しているヒンジ部（４ａ）の蝶番作用で平面状態に開くような形体に変化し、縦リブ（３）と傾斜リブ（４）と底部円盤（５）の形状が一体的に錠剤の押さえの形体に変化する画期的な機能を有する緩衝材である。
【００２３】
図７に示す断面図は、バケット式緩衝材の取手部（２）を指にて引き上げて取り出す状態を示す断面図である。この取出し用取手部（２）は上部リング状中栓（１）の内壁円周上にフランジ状に形成されているから、任意の位置から指先部で取り出せる形体であるから、従来のアンダーカットや舌片状の取出し形体より、取出しが容易である。
第８図はバケット式緩衝材を挿入してキャップＤを装着した断面図である。
容器の内径に軽嵌合された、上部リング状中栓（１）は容器の口上面より浮き上がらない形体である。キャップＤを閉じた時、上部リング状中栓（１）の上縁部がキャップのパッキング面に接触しない状態であるから、緩衝材に対する、共周りや捩じれの損傷等のトラブルが発生しないので、品質管理が効果的に実施できる画期的な特徴をのある緩衝材を示している。
本発明の実施の形体及び実施例を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない、状況に応じて且つ効果を有する範囲内で適時変更して実施できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【００２４】
本発明は、医薬品の錠剤用容器や健康保健剤の錠剤用容器等に又一般錠剤用容器の内容物に対して未だ従来の緩衝材にない画期的な商品を製造販売し産業分野で有意義に活用し、普遍的に拡大して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本発明に係る錠剤用緩衝材の一実施例を示すもので、図２のイーイ線に沿った断面図である。
【図２】上記緩衝材の底面図である。
【図３】上記緩衝材の外観図である。
【図４】上記緩衝材の平面図である。
【図５】上記緩衝材の容器に挿入する状態を示す断面図である。
【図６】上記緩衝材の容器の口内径に上部リング状中栓の外径が嵌合した状態を示し、錠剤上面を押圧した状態を示す断面図。
【図７】上記の緩衝材を容器から取り出す状態を示す断面図。
【図８】上記の緩衝材を容器内に装着した状態を示す断面図。
【符号の説明】
【００２６】
１ 上部リング状中栓 ４ａ ヒンジ部 Ａ 緩衝材
２ 取手部 ５ 底部円盤 Ｂ 容 器
２ａ 円錐形リング状のリブ ６ スリット Ｃ キャップ
３ａ ヒンジ部
４ 傾斜リブ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
適当な弾力性を有する合成樹脂材料による成形品であって上部リング状中栓（１）上面よりすこし下側の内壁面から斜めに円錐形リング状のリブ（２ａ）と取手部（２）が、一体に形成されていて、上部リング状中栓（１）の下部からスリット（６）を隔て等間隔に形成された複数の縦リブ（３）の下部縁端と複数の傾斜リブ（４）の上部縁端はヒンジ部（３ａ）にて連結し、傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）にて連結して、一体的に形成されているバスケット型の錠剤用緩衝材。
【請求項１】
適当な弾力性を有する合成樹脂材料による成形品であって上部リング状中栓（１）上面よりすこし下側の内壁面から斜めに円錐形リング状のリブ（２ａ）と取手部（２）が、一体に形成されていて、上部リング状中栓（１）の下部からスリット（６）を隔て等間隔に形成された複数の縦リブ（３）の下部縁端と複数の傾斜リブ（４）の上部縁端はヒンジ部（３ａ）にて連結し、傾斜リブ（４）の下部縁端と底部円盤（５）の周縁部はヒンジ部（４ａ）にて連結して、一体的に形成されているバスケット型の錠剤用緩衝材。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２００９−２３７２７（Ｐ２００９−２３７２７Ａ）
【公開日】平成２１年２月５日（２００９．２．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２１１５７５（Ｐ２００７−２１１５７５）
【出願日】平成１９年７月１７日（２００７．７．１７）
【出願人】（５９２０６６５８３）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年２月５日（２００９．２．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年７月１７日（２００７．７．１７）
【出願人】（５９２０６６５８３）
【Ｆターム（参考）】
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