バスロケーションシステム及び表示装置
【課題】 表示装置が中央装置から無線で送信された路線バスの運行情報を直接受信できない場合であっても、表示装置が有線の回線を利用せずに運行情報を取得することができるバスロケーションシステムを提供する。
【解決手段】 中央装置１は、路線バス３が次に到着する停留所２０やそれ以降に到着する停留所２０に設置されている表示装置２宛に作成した運行情報を送信する。表示装置（親）２ａは、中央装置１から送信された表示装置（子）２ｂ宛の運行情報を無線で直接受信して、それを表示装置（子）２ｂに無線で直接送信し、表示装置（子）２ｂはその情報を無線で直接受信する。
【解決手段】 中央装置１は、路線バス３が次に到着する停留所２０やそれ以降に到着する停留所２０に設置されている表示装置２宛に作成した運行情報を送信する。表示装置（親）２ａは、中央装置１から送信された表示装置（子）２ｂ宛の運行情報を無線で直接受信して、それを表示装置（子）２ｂに無線で直接送信し、表示装置（子）２ｂはその情報を無線で直接受信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、路線バスの運行を管理して、路線バスの停留所に設置された表示装置に路線バスの運行状況を表示することにより、利用者にバスの運行状況を報知することができるバスロケーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
路線バスの停留所に設置された表示装置と、車載装置を搭載した路線バスと、バス運営会社の運行管理センターに設置される中央装置とを備えるバスロケーションシステムであって、中央装置が車載装置から路線バスの位置情報を取得し、これに基づいて当該路線バスの運行状況に係る運行情報を作成して表示装置に送信し、表示装置がこれを受信して路線バスの運行状況を視覚可能に自己の表示パネルに表示するバスロケーションシステムが開示されている（特許文献１）。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００３−６８７９２
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
表示装置は、通常バスの停留所に設置されるが、近くに高いビルなどが建っているために、中央装置から無線で送信された路線バスの運行情報を直接受信できない場合がある。この場合、バス事業者は表示装置を設置するのを断念するか、あるいは、中央装置と表示装置との間に有線の回線を敷設して、表示装置がこの有線の回線を介して中央装置から送信された運行情報を受信できるようにすることで対応するしかなかったが、後者の場合、多大な設置コストを要するという問題があった。
【０００５】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、表示装置が中央装置から無線で送信された路線バスの運行情報を直接受信できない場合であっても、表示装置が有線の回線を利用せずに運行情報を取得することができるバスロケーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明に係るバスロケーションシステムは、路線バスに搭載される車載装置と、前記車載装置が送信する前記路線バスの位置情報を受信する中央装置と、前記路線バスの停留所に設置され、前記路線バスの運行状況を表示する、複数の表示装置とを備えるバスロケーションシステムであって、前記中央装置は、受信した前記位置情報に基づいて前記路線バスの運行状況に係る運行情報を作成する手段と、前記運行情報を無線で送信する中央送信手段とを備え、前記複数の表示装置のうちの一の表示装置は、前記中央装置が送信した前記運行情報を受信する第一受信手段と、前記第一受信手段により受信した前記運行情報の全部又は一部を無線で送信する第一送信手段とを備え、前記複数の表示装置のうちの他の表示装置は、前記一の表示装置が送信した前記運行情報の全部又は一部を受信する第二受信手段を備え、前記第二受信手段により受信した前記運行情報の全部又は一部に基づいて前記路線バスの運行状況を表示するように構成されている（請求項１）。
【０００７】
第一発明によれば、前記他の表示装置は、建造物などの障害物のために中央装置から広域無線通信方式により送信された路線バスの運行情報を直接受信できない無線不感地帯に設置されている場合であっても、当該他の表示装置と狭域無線通信方式により通信可能な前記一の表示装置を介して、前記運行情報を取得することができる。
【０００８】
前記中央送信手段は、広域無線通信方式により送信するように構成されており、前記第一送信手段は、狭域無線通信方式により送信するように構成されていることが好ましい（請求項２）。
狭域無線通信方式のうち、無免許で使用可能であり、かつ、電波使用料が不要な無線ＬＡＮ等の特定小電力無線を用いれば、バス事業者にとって特に利便性が高い。
【０００９】
前記一の表示装置は、前記他の表示装置の近傍に設置されていても良いし（請求項３）、前記他の表示装置に対して、当該他の表示装置が設置されている道路を挟んで向かい側に設置されていても良い（請求項４）。
【００１０】
また、前記一の表示装置は、前記バスが走行する一の系統における上りと下りの停留所のうちの一方の第一停留所に設置されており、前記他の表示装置は、前記一の系統における上りと下りの停留所のうちの他方であって、前記第一停留所と同一の名称である第二停留所に設置されていても良い（請求項５）。
【００１１】
路線バスでは、通常、同じ名称の停留所が系統の上りと下りでそれぞれ１つずつ道路を挟んで向かい側に設置されている。
仮に、系統の上りと下りの停留所のうちの一方が、建造物などの障害物ために中央装置から送信された電波を直接受信することができない無線不感地帯に含まれる場合であっても、上りと下りの停留所の間にある道路には、通常、建造物などの障害物は存在していないため、上りと下りの停留所のうちの他方（すなわち、無線不感地帯に含まれる停留所に対して道路を挟んで向かい側にある停留所）においては、中央装置から送信された電波を障害物に遮られることなく直接受信できる場合がある。
従って、前記一の表示装置を、上りと下りの停留所のうちの一方の第一停留所に設置し、前記他の表示装置を、上りと下りの停留所のうちの他方であって、前記第一停留所と同一の名称である第二停留所に設置することにより、前記他の表示装置は、無線不感地帯に設置されている場合であっても、前記一の表示装置を介して、中央装置から送信された所定情報を取得することができる。
【００１２】
また、前記バスロケーションシステムに用いられる、前記一の表示装置（請求項６）や前記他の表示装置（請求項７）も非常に有用である。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、表示装置が中央装置から無線で送信された路線バスの運行情報を直接受信できない場合であっても、表示装置は有線の回線を利用せずに運行情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に係るバスロケーションシステムの概要を示す模式図である。
【図２】中央装置の構成を示すブロック図である。
【図３】表示装置（親）の構成を示すブロック図である。
【図４】表示装置（子）の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
実施の形態１
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１６】
〔システムの全体構成〕
図１は、本発明に係るバスロケーションシステムの概要を示す模式図である。バスロケーションシステムは、中央装置１、表示装置２、路線バス３、車載装置４などを含む。路線バス３の走行する道路上には連続して複数の停留所２０が存在しており、これらの停留所２０にはそれぞれ表示装置２が設置されている。
【００１７】
路線バス３には車載装置４が設置されており、この車載装置４はバス管理センター内に設置された中央装置１との間で無線により通信することができるようになっている。この場合、車載装置４は中央装置１と直接通信しなくても良く、路上に設置された光ビーコンなどの路上通信装置（図示せず）や表示装置２経由で中央装置１と情報をやりとりしても良い。
【００１８】
車載装置４は、ＧＰＳ等で取得した路線バス３の現在位置の情報に基づいて、当該路線バス３の現在位置、系統番号などを含むバス位置情報を作成し、所定の周期（例えば、１秒）ごとに中央装置１宛に送信する。
【００１９】
中央装置１は、路線バス３の車載装置４からバス位置情報を取得すると、このバス位置情報に基づいて当該路線バス３がその系統のどの停留所２０間を走行しているのかを把握し、当該路線バス３が直前に出発した停留所２０の識別コードなどを含む運行情報を作成する。
【００２０】
中央装置１は、上記の路線バス３が次に到着する停留所２０やそれ以降に到着する停留所２０に設置されている表示装置２宛に作成した運行情報を無線で送信する。
【００２１】
表示装置２には、路線バス３の運行状況を表示するための表示パネルが設けられており、系統ごとに次に到着する路線バス３がどの辺りを走行しているのかを表示することができるようになっている。
【００２２】
表示装置２は、中央装置１との間で運行情報を含む各種情報を直接無線で送受信する。表示装置２は、中央装置１から送信された運行情報を取得すると、この運行情報に基づいて表示パネルの運行状況の表示内容を更新し、系統ごとに路線バス３がどの辺りを走行しているかを利用者に提供する。
【００２３】
ところで、図１において、停留所２０ｂは中央装置１から送信された電波を直接受信することができない無線不感地帯に含まれている。従って、この停留所２０ｂに従来の表示装置２を設置しても、中央装置１から送信された運行情報を直接無線で受信することができない。
【００２４】
そこで、本発明に係るバスロケーションシステムにおいては、無線不感地帯に含まれる停留所２０ｂに表示装置（子）２ｂを設置し、この停留所２０ｂに対して道路Ｒを挟んで向かい側にある停留所２０ａに表示装置（親）２ａを設置することにより、表示装置（子）２ｂは表示装置（親）２ａ経由で中央装置１から送信された自己宛の運行情報を取得することができるようになっている。
【００２５】
すなわち、表示装置（親）２ａは、表示装置２に中央装置１と表示装置（子）２ｂとの間における情報の中継機能が付加されており、表示装置（子）２ｂは、表示装置２に表示装置（親）２ａとの間で情報を無線で送受信できる機能を付加されるとともに、中央装置１との間で情報を無線で送受信する機能を省かれている。そして、表示装置（親）２ａは、中央装置１から送信された表示装置（子）２ｂ宛の運行情報を無線で直接受信して、それを表示装置（子）２ｂに無線で直接送信し、表示装置（子）２ｂはその情報を無線で直接受信することができる。
【００２６】
これにより、表示装置（子）２ｂは、無線不感地帯に含まれる停留所２０ｂに設置されているにもかかわらず、中央装置１から送信された自己宛の運行情報を取得して、この運行情報に基づいて表示パネルの運行状況の表示内容を更新し、系統ごとに路線バス３がどの辺りを走行しているかを利用者に提供することができる。
【００２７】
もちろん、表示装置（親）２ａは、中央装置１から送信された運行情報を直接無線で受信して、この運行情報に基づいて表示パネルの運行状況の表示内容を更新し、系統ごとに路線バス３がどの辺りを走行しているかを利用者に提供することができる。
【００２８】
図１において、表示装置（子）２ｂが設置された停留所２０ｂは、系統の上りに設置された名称が「○○市役所 停留所」の停留所であり、表示装置（親）２ａが設置された停留所２０ａは系統の下りに設置された同じ名称「○○市役所 停留所」の停留所である。
【００２９】
路線バスでは、通常、同じ名称の停留所が系統の上りと下りでそれぞれ１つずつ道路を挟んで向かい側に設置されている。
仮に、系統の上りと下りの停留所のうちの一方が、建造物などの障害物のために中央装置１から送信された電波を直接受信することができない無線不感地帯に含まれる場合であっても、上りと下りの停留所の間にある道路には、通常、建造物などの障害物は存在していないため、上りと下りの停留所のうちの他方（すなわち、無線不感地帯に含まれる停留所に対して道路を挟んで向かい側にある停留所）においては、中央装置１から送信された電波を障害物に遮られることなく直接受信できる場合がある。
【００３０】
本発明はこの点に着目してなされたものであり、停留所２０が中央装置１から送信された情報を直接無線で受信することができない無線不感地帯に含まれる場合には、この停留所２０に表示装置（子）２ｂを設置し、当該停留所２０に対して道路を挟んで向かい側にあり、かつ、当該停留所２０と同一の名称で、系統の上り／下りの別が異なる停留所２０に表示装置（親）２ａを設置することにより、表示装置（子）２ｂは表示装置（親）２ａを介して中央装置１と各種情報をやりとりすることができる。
【００３１】
〔中央装置１〕
図２は中央装置の構成を示すブロック図である。中央装置１は、中央装置ＣＰＵ１０１、中央装置メモリ１０２、中央装置ハードディスク１０３、中央装置通信制御部１０４などを備える。
【００３２】
中央装置ＣＰＵ１０１は、中央装置１の全体を制御するとともに、各種の演算処理を行う。
中央装置メモリ１０２は、中央装置ＣＰＵ１０１が演算した各種の演算処理の結果などを記憶する。
中央装置ハードディスク１０３は、中央装置ＣＰＵ１０１が各種の演算処理を実行するためのコンピュータプログラムや、中央装置通信制御部１０４が車載装置４から受信した路線バス５の位置情報、系統ごとの各停留所の位置情報を含む路線情報などの各種の情報等を記憶する。
【００３３】
中央装置通信制御部１０４には、アンテナ１０５１を備えた無線機１０５が接続されており、中央装置１は、この無線機１０５を介して、表示装置２、表示装置（親）２ａ、車載装置４とＭＣＡ（Multi Channel Access）無線等の広域無線通信方式により各種の情報をやりとりすることができる。
【００３４】
具体的には、中央装置通信制御部１０４は、無線機１０５を介して、車載装置４からバス位置情報などの各種の情報を受信する。
また、中央装置通信制御部１０４は、無線機１０５を介して、中央装置ＣＰＵ１０１が作成した運行情報などの各種情報を表示装置２、表示装置（親）２ａに送信する。
さらに、中央装置通信制御部１０４は、表示装置（子）２ｂ宛の各種情報については、無線機１０５を介して、表示装置（親）２ａに送信する。
【００３５】
〔表示装置（親）２ａ〕
図３は、表示装置（親）の構成を示すブロック図である。表示装置（親）２ａは、表示装置ＣＰＵ２０１、表示装置メモリ２０２、表示装置ＲＯＭ２０３、表示装置通信制御部２０４ａ、表示パネル制御部２０５などを備える。
【００３６】
表示装置ＣＰＵ２０１は、表示装置（親）２ａの全体を制御するとともに、各種の演算処理を行う。
表示装置メモリ２０２は、表示装置ＣＰＵ２０１が演算した各種の演算処理の結果や、表示装置通信制御部２０４ａが受信した運行情報などの各種の情報等を記憶する。
表示装置ＲＯＭ２０３には、表示装置ＣＰＵ２０１が各種の演算処理を実行するためのコンピュータプログラムが記憶されている。
【００３７】
表示装置通信制御部２０４ａには、アンテナ２０６１を備えた無線機２０６が接続されており、表示装置（親）２ａは、この無線機２０６を介して、中央装置１とＭＣＡ無線等の広域無線通信方式により各種の情報をやりとりすることができる。
また、表示装置通信制御部２０４ａには、アンテナ２０７１を備えた無線ＬＡＮ機器２０７が接続されており、表示装置（親）２ａは、この無線ＬＡＮ機器２０７を介して、表示装置（子）２ｂと狭域無線通信方式（通信距離が数百ｍ以内の無線通信方式）である無線ＬＡＮにより各種の情報をやりとりすることができる。
【００３８】
具体的には、表示装置通信制御部２０４ａは、無線機２０６を介して、中央装置１から送信された自己宛の運行情報などの各種情報をＭＣＡ無線等により直接受信する。
また、表示装置通信制御部２０４ａは、無線機２０６を介して、中央装置１から送信された表示装置（子）２ｂ宛の運行情報などの各種情報をＭＣＡ無線等により直接受信し、その情報を無線ＬＡＮ機器２０７を介して、表示装置（子）２ｂに無線ＬＡＮにより直接送信する。
【００３９】
さらに、表示装置通信制御部２０４ａは、無線機２０６を介して、中央装置１に各種情報をＭＣＡ無線等により直接送信する。
また、表示装置通信制御部２０４ａは、無線ＬＡＮ機器２０７を介して、表示装置（子）２ｂから送信された中央装置１宛の各種情報を無線ＬＡＮにより直接受信し、その情報を無線機２０６を介して、中央装置１にＭＣＡ無線等により直接送信する。
【００４０】
なお、表示装置通信制御部２０４ａは、中央装置１と表示装置（親）２ａとの間の通信プロトコル（以下、通信プロトコルＡという）と、表示装置（親）２ａと表示装置（子）２ｂとの間の通信プロトコル（以下、通信プロトコルＢという）とが異なる場合には、適宜プロトコル変換を実行する。
【００４１】
表示パネル制御部２０５には、表示パネル２０８が接続されている。
表示パネル制御部２０５は、表示パネル２０８を制御して、表示パネル２０８に路線バス３の運行状況を表示する。
【００４２】
〔表示装置（子）２ｂ〕
図４は、表示装置（子）の構成を示すブロック図である。表示装置（子）２ｂは、表示装置ＣＰＵ２０１、表示装置メモリ２０２、表示装置ＲＯＭ２０３、表示装置通信制御部２０４ｂ、表示パネル制御部２０５などを備える。
【００４３】
表示装置通信制御部２０４ｂには、アンテナ２０７１を備えた無線ＬＡＮ機器２０７が接続されており、表示装置（子）２ｂは、この無線ＬＡＮ機器２０７を介して、表示装置（親）２ａと狭域無線通信方式である無線ＬＡＮにより各種の情報をやりとりすることができる。
【００４４】
具体的には、表示装置通信制御部２０４ｂは、無線ＬＡＮ機器２０７を介して、中央装置１から送信され、表示装置（親）２ａで中継された自己宛の運行情報などの各種情報を、無線ＬＡＮにより直接受信する。
また、表示装置通信制御部２０４ｂは、無線ＬＡＮ機器２０７を介して、中央装置１宛の各種情報を表示装置（親）２ａに無線ＬＡＮにより直接送信する。
【００４５】
表示装置ＣＰＵ２０１、表示装置メモリ２０２、表示装置ＲＯＭ２０３、表示パネル制御部２０５、無線ＬＡＮ機器２０７、表示パネル２０８については、表示装置（親）２ａと同じであるので、記載を省略する。
【００４６】
以上のように、本発明に係るバスロケーションシステムにおいては、停留所２０が中央装置１から送信された情報を直接無線で受信することができない無線不感地帯に含まれる場合には、当該停留所２０に対して道路を挟んで向かい側にあり、かつ、当該停留所２０と同一の名称であり、系統の上り／下りの別が異なる停留所２０に、中央装置１との間での情報の中継機能を備えた表示装置（親）２ａを設置し、前記の無線不感地帯に含まれる停留所２０には、その表示装置（親）２ａとの間で情報を無線で送受信する機能を備えた表示装置（子）２ｂを設置する。これにより、表示装置（子）２ｂは、無線不感地帯に含まれる停留所２０に設置されているにもかかわらず、表示装置（親）２ａを介して、中央装置１との間で各種情報をやりとりすることができる。
【００４７】
なお、上述の実施形態においては、無線不感地帯に含まれる停留所２０には表示装置（子）２ｂを設置し、当該停留所２０に対して道路を挟んで向かい側にあり、かつ、当該停留所２０と同一の名称であり、系統の上り／下りの別が異なる停留所２０には表示装置（親）２ａを設置する構成であったが、これに限定されない。
系統によっては上りと下りで同一の名称の停留所２０が設置されていない場合もある。このような場合には、無線不感地帯に含まれる停留所２０に対して道路を挟んで向かい側に停留所２０が設置されていれば、この停留所２０に表示装置（親）２ａを設置する構成であっても良い。また、無線不感地帯に含まれる停留所２０に対して道路を挟んで向かい側に停留所２０が設置されていないが、無線不感地帯に含まれる停留所２０の近傍に停留所２０が設置されている場合には、この停留所２０に表示装置（親）２ａを設置する構成であっても良い。
つまり、無線不感地帯に含まれる停留所２０に設置された表示装置（子）２ｂと無線で直接情報を送受信でき、かつ、中央装置１から送信された電波を直接受信できるのであれば、どの停留所２０に表示装置（親）２ａを設置しても良く、例えば、無線不感地帯に含まれる停留所２０と別の系統の停留所２０に設置しても良いし、無線不感地帯に含まれる停留所２０と同じ系統の１つ先又は１つ前の停留所２０に設置しても良い。
【００４８】
また、上述の実施形態においては、表示装置（親）２ａと表示装置（子）２ｂとは各種の情報を無線ＬＡＮにより直接やりとりする構成であったが、これに限定されず、無免許で使用可能であり、かつ、電波使用料が不要な、無線ＬＡＮ以外の特定小電力無線を用いる構成であっても良い。また、通信環境などの問題により、表示装置（親）２ａと表示装置（子）２ｂとが無線ＬＡＮ等の特定小電力無線を用いて通信できない場合には、その他の無線を用いて両者が通信する構成であっても良い。
【００４９】
また、上述の実施形態においては、中央装置１から表示装置（親）２ａに対し表示装置（子）２ｂ宛の運行情報を送信し、表示装置（親）２ａは受信した運行情報の全部を表示装置（子）２ｂに送信する構成であったが、これに限定されない。中央装置１から表示装置（親）２ａに対し、表示装置（親）２ａ宛の運行情報と表示装置（子）２ｂ宛の運行情報をセットにした情報を送信し、表示装置（親）２ａは受信した情報のうちの一部である表示装置（子）宛の運行情報のみを取り出して、表示装置（子）２ｂに送信する構成であっても良い。
【００５０】
また、上述の実施形態においては、表示装置（子）２ｂは、中央装置１との間で情報を無線で送受信する無線機２０６を備えない構成であったが、表示装置（親）２ａと構成を共通にするために、無線機２０６を備える構成であっても良い。
【００５１】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【００５２】
１ 中央装置、 １０１ 中央装置ＣＰＵ、 １０２ 中央装置メモリ、 １０３ 中央装置ハードディスク、 １０４ 中央装置通信制御部、 １０５ 無線機、 １０５１ アンテナ
２ 表示装置、 ２ａ 表示装置（親）２ａ 表示装置（子）、 ２０１ 表示装置ＣＰＵ、 ２０２ 表示装置メモリ、 ２０３ 表示装置ＲＯＭ、 ２０４ａ、２０４ｂ 表示装置通信制御部、 ２０５ 表示パネル制御部、 ２０６ 無線機、 ２０６１ アンテナ、 ２０７ 無線ＬＡＮ機器、 ２０７１ アンテナ、 ２０８ 表示パネル
２０、２０ａ、２０ｂ 停留所
３ 路線バス、 ４ 車載装置、 Ｒ 道路
【技術分野】
【０００１】
本発明は、路線バスの運行を管理して、路線バスの停留所に設置された表示装置に路線バスの運行状況を表示することにより、利用者にバスの運行状況を報知することができるバスロケーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
路線バスの停留所に設置された表示装置と、車載装置を搭載した路線バスと、バス運営会社の運行管理センターに設置される中央装置とを備えるバスロケーションシステムであって、中央装置が車載装置から路線バスの位置情報を取得し、これに基づいて当該路線バスの運行状況に係る運行情報を作成して表示装置に送信し、表示装置がこれを受信して路線バスの運行状況を視覚可能に自己の表示パネルに表示するバスロケーションシステムが開示されている（特許文献１）。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００３−６８７９２
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
表示装置は、通常バスの停留所に設置されるが、近くに高いビルなどが建っているために、中央装置から無線で送信された路線バスの運行情報を直接受信できない場合がある。この場合、バス事業者は表示装置を設置するのを断念するか、あるいは、中央装置と表示装置との間に有線の回線を敷設して、表示装置がこの有線の回線を介して中央装置から送信された運行情報を受信できるようにすることで対応するしかなかったが、後者の場合、多大な設置コストを要するという問題があった。
【０００５】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、表示装置が中央装置から無線で送信された路線バスの運行情報を直接受信できない場合であっても、表示装置が有線の回線を利用せずに運行情報を取得することができるバスロケーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明に係るバスロケーションシステムは、路線バスに搭載される車載装置と、前記車載装置が送信する前記路線バスの位置情報を受信する中央装置と、前記路線バスの停留所に設置され、前記路線バスの運行状況を表示する、複数の表示装置とを備えるバスロケーションシステムであって、前記中央装置は、受信した前記位置情報に基づいて前記路線バスの運行状況に係る運行情報を作成する手段と、前記運行情報を無線で送信する中央送信手段とを備え、前記複数の表示装置のうちの一の表示装置は、前記中央装置が送信した前記運行情報を受信する第一受信手段と、前記第一受信手段により受信した前記運行情報の全部又は一部を無線で送信する第一送信手段とを備え、前記複数の表示装置のうちの他の表示装置は、前記一の表示装置が送信した前記運行情報の全部又は一部を受信する第二受信手段を備え、前記第二受信手段により受信した前記運行情報の全部又は一部に基づいて前記路線バスの運行状況を表示するように構成されている（請求項１）。
【０００７】
第一発明によれば、前記他の表示装置は、建造物などの障害物のために中央装置から広域無線通信方式により送信された路線バスの運行情報を直接受信できない無線不感地帯に設置されている場合であっても、当該他の表示装置と狭域無線通信方式により通信可能な前記一の表示装置を介して、前記運行情報を取得することができる。
【０００８】
前記中央送信手段は、広域無線通信方式により送信するように構成されており、前記第一送信手段は、狭域無線通信方式により送信するように構成されていることが好ましい（請求項２）。
狭域無線通信方式のうち、無免許で使用可能であり、かつ、電波使用料が不要な無線ＬＡＮ等の特定小電力無線を用いれば、バス事業者にとって特に利便性が高い。
【０００９】
前記一の表示装置は、前記他の表示装置の近傍に設置されていても良いし（請求項３）、前記他の表示装置に対して、当該他の表示装置が設置されている道路を挟んで向かい側に設置されていても良い（請求項４）。
【００１０】
また、前記一の表示装置は、前記バスが走行する一の系統における上りと下りの停留所のうちの一方の第一停留所に設置されており、前記他の表示装置は、前記一の系統における上りと下りの停留所のうちの他方であって、前記第一停留所と同一の名称である第二停留所に設置されていても良い（請求項５）。
【００１１】
路線バスでは、通常、同じ名称の停留所が系統の上りと下りでそれぞれ１つずつ道路を挟んで向かい側に設置されている。
仮に、系統の上りと下りの停留所のうちの一方が、建造物などの障害物ために中央装置から送信された電波を直接受信することができない無線不感地帯に含まれる場合であっても、上りと下りの停留所の間にある道路には、通常、建造物などの障害物は存在していないため、上りと下りの停留所のうちの他方（すなわち、無線不感地帯に含まれる停留所に対して道路を挟んで向かい側にある停留所）においては、中央装置から送信された電波を障害物に遮られることなく直接受信できる場合がある。
従って、前記一の表示装置を、上りと下りの停留所のうちの一方の第一停留所に設置し、前記他の表示装置を、上りと下りの停留所のうちの他方であって、前記第一停留所と同一の名称である第二停留所に設置することにより、前記他の表示装置は、無線不感地帯に設置されている場合であっても、前記一の表示装置を介して、中央装置から送信された所定情報を取得することができる。
【００１２】
また、前記バスロケーションシステムに用いられる、前記一の表示装置（請求項６）や前記他の表示装置（請求項７）も非常に有用である。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、表示装置が中央装置から無線で送信された路線バスの運行情報を直接受信できない場合であっても、表示装置は有線の回線を利用せずに運行情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に係るバスロケーションシステムの概要を示す模式図である。
【図２】中央装置の構成を示すブロック図である。
【図３】表示装置（親）の構成を示すブロック図である。
【図４】表示装置（子）の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
実施の形態１
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１６】
〔システムの全体構成〕
図１は、本発明に係るバスロケーションシステムの概要を示す模式図である。バスロケーションシステムは、中央装置１、表示装置２、路線バス３、車載装置４などを含む。路線バス３の走行する道路上には連続して複数の停留所２０が存在しており、これらの停留所２０にはそれぞれ表示装置２が設置されている。
【００１７】
路線バス３には車載装置４が設置されており、この車載装置４はバス管理センター内に設置された中央装置１との間で無線により通信することができるようになっている。この場合、車載装置４は中央装置１と直接通信しなくても良く、路上に設置された光ビーコンなどの路上通信装置（図示せず）や表示装置２経由で中央装置１と情報をやりとりしても良い。
【００１８】
車載装置４は、ＧＰＳ等で取得した路線バス３の現在位置の情報に基づいて、当該路線バス３の現在位置、系統番号などを含むバス位置情報を作成し、所定の周期（例えば、１秒）ごとに中央装置１宛に送信する。
【００１９】
中央装置１は、路線バス３の車載装置４からバス位置情報を取得すると、このバス位置情報に基づいて当該路線バス３がその系統のどの停留所２０間を走行しているのかを把握し、当該路線バス３が直前に出発した停留所２０の識別コードなどを含む運行情報を作成する。
【００２０】
中央装置１は、上記の路線バス３が次に到着する停留所２０やそれ以降に到着する停留所２０に設置されている表示装置２宛に作成した運行情報を無線で送信する。
【００２１】
表示装置２には、路線バス３の運行状況を表示するための表示パネルが設けられており、系統ごとに次に到着する路線バス３がどの辺りを走行しているのかを表示することができるようになっている。
【００２２】
表示装置２は、中央装置１との間で運行情報を含む各種情報を直接無線で送受信する。表示装置２は、中央装置１から送信された運行情報を取得すると、この運行情報に基づいて表示パネルの運行状況の表示内容を更新し、系統ごとに路線バス３がどの辺りを走行しているかを利用者に提供する。
【００２３】
ところで、図１において、停留所２０ｂは中央装置１から送信された電波を直接受信することができない無線不感地帯に含まれている。従って、この停留所２０ｂに従来の表示装置２を設置しても、中央装置１から送信された運行情報を直接無線で受信することができない。
【００２４】
そこで、本発明に係るバスロケーションシステムにおいては、無線不感地帯に含まれる停留所２０ｂに表示装置（子）２ｂを設置し、この停留所２０ｂに対して道路Ｒを挟んで向かい側にある停留所２０ａに表示装置（親）２ａを設置することにより、表示装置（子）２ｂは表示装置（親）２ａ経由で中央装置１から送信された自己宛の運行情報を取得することができるようになっている。
【００２５】
すなわち、表示装置（親）２ａは、表示装置２に中央装置１と表示装置（子）２ｂとの間における情報の中継機能が付加されており、表示装置（子）２ｂは、表示装置２に表示装置（親）２ａとの間で情報を無線で送受信できる機能を付加されるとともに、中央装置１との間で情報を無線で送受信する機能を省かれている。そして、表示装置（親）２ａは、中央装置１から送信された表示装置（子）２ｂ宛の運行情報を無線で直接受信して、それを表示装置（子）２ｂに無線で直接送信し、表示装置（子）２ｂはその情報を無線で直接受信することができる。
【００２６】
これにより、表示装置（子）２ｂは、無線不感地帯に含まれる停留所２０ｂに設置されているにもかかわらず、中央装置１から送信された自己宛の運行情報を取得して、この運行情報に基づいて表示パネルの運行状況の表示内容を更新し、系統ごとに路線バス３がどの辺りを走行しているかを利用者に提供することができる。
【００２７】
もちろん、表示装置（親）２ａは、中央装置１から送信された運行情報を直接無線で受信して、この運行情報に基づいて表示パネルの運行状況の表示内容を更新し、系統ごとに路線バス３がどの辺りを走行しているかを利用者に提供することができる。
【００２８】
図１において、表示装置（子）２ｂが設置された停留所２０ｂは、系統の上りに設置された名称が「○○市役所 停留所」の停留所であり、表示装置（親）２ａが設置された停留所２０ａは系統の下りに設置された同じ名称「○○市役所 停留所」の停留所である。
【００２９】
路線バスでは、通常、同じ名称の停留所が系統の上りと下りでそれぞれ１つずつ道路を挟んで向かい側に設置されている。
仮に、系統の上りと下りの停留所のうちの一方が、建造物などの障害物のために中央装置１から送信された電波を直接受信することができない無線不感地帯に含まれる場合であっても、上りと下りの停留所の間にある道路には、通常、建造物などの障害物は存在していないため、上りと下りの停留所のうちの他方（すなわち、無線不感地帯に含まれる停留所に対して道路を挟んで向かい側にある停留所）においては、中央装置１から送信された電波を障害物に遮られることなく直接受信できる場合がある。
【００３０】
本発明はこの点に着目してなされたものであり、停留所２０が中央装置１から送信された情報を直接無線で受信することができない無線不感地帯に含まれる場合には、この停留所２０に表示装置（子）２ｂを設置し、当該停留所２０に対して道路を挟んで向かい側にあり、かつ、当該停留所２０と同一の名称で、系統の上り／下りの別が異なる停留所２０に表示装置（親）２ａを設置することにより、表示装置（子）２ｂは表示装置（親）２ａを介して中央装置１と各種情報をやりとりすることができる。
【００３１】
〔中央装置１〕
図２は中央装置の構成を示すブロック図である。中央装置１は、中央装置ＣＰＵ１０１、中央装置メモリ１０２、中央装置ハードディスク１０３、中央装置通信制御部１０４などを備える。
【００３２】
中央装置ＣＰＵ１０１は、中央装置１の全体を制御するとともに、各種の演算処理を行う。
中央装置メモリ１０２は、中央装置ＣＰＵ１０１が演算した各種の演算処理の結果などを記憶する。
中央装置ハードディスク１０３は、中央装置ＣＰＵ１０１が各種の演算処理を実行するためのコンピュータプログラムや、中央装置通信制御部１０４が車載装置４から受信した路線バス５の位置情報、系統ごとの各停留所の位置情報を含む路線情報などの各種の情報等を記憶する。
【００３３】
中央装置通信制御部１０４には、アンテナ１０５１を備えた無線機１０５が接続されており、中央装置１は、この無線機１０５を介して、表示装置２、表示装置（親）２ａ、車載装置４とＭＣＡ（Multi Channel Access）無線等の広域無線通信方式により各種の情報をやりとりすることができる。
【００３４】
具体的には、中央装置通信制御部１０４は、無線機１０５を介して、車載装置４からバス位置情報などの各種の情報を受信する。
また、中央装置通信制御部１０４は、無線機１０５を介して、中央装置ＣＰＵ１０１が作成した運行情報などの各種情報を表示装置２、表示装置（親）２ａに送信する。
さらに、中央装置通信制御部１０４は、表示装置（子）２ｂ宛の各種情報については、無線機１０５を介して、表示装置（親）２ａに送信する。
【００３５】
〔表示装置（親）２ａ〕
図３は、表示装置（親）の構成を示すブロック図である。表示装置（親）２ａは、表示装置ＣＰＵ２０１、表示装置メモリ２０２、表示装置ＲＯＭ２０３、表示装置通信制御部２０４ａ、表示パネル制御部２０５などを備える。
【００３６】
表示装置ＣＰＵ２０１は、表示装置（親）２ａの全体を制御するとともに、各種の演算処理を行う。
表示装置メモリ２０２は、表示装置ＣＰＵ２０１が演算した各種の演算処理の結果や、表示装置通信制御部２０４ａが受信した運行情報などの各種の情報等を記憶する。
表示装置ＲＯＭ２０３には、表示装置ＣＰＵ２０１が各種の演算処理を実行するためのコンピュータプログラムが記憶されている。
【００３７】
表示装置通信制御部２０４ａには、アンテナ２０６１を備えた無線機２０６が接続されており、表示装置（親）２ａは、この無線機２０６を介して、中央装置１とＭＣＡ無線等の広域無線通信方式により各種の情報をやりとりすることができる。
また、表示装置通信制御部２０４ａには、アンテナ２０７１を備えた無線ＬＡＮ機器２０７が接続されており、表示装置（親）２ａは、この無線ＬＡＮ機器２０７を介して、表示装置（子）２ｂと狭域無線通信方式（通信距離が数百ｍ以内の無線通信方式）である無線ＬＡＮにより各種の情報をやりとりすることができる。
【００３８】
具体的には、表示装置通信制御部２０４ａは、無線機２０６を介して、中央装置１から送信された自己宛の運行情報などの各種情報をＭＣＡ無線等により直接受信する。
また、表示装置通信制御部２０４ａは、無線機２０６を介して、中央装置１から送信された表示装置（子）２ｂ宛の運行情報などの各種情報をＭＣＡ無線等により直接受信し、その情報を無線ＬＡＮ機器２０７を介して、表示装置（子）２ｂに無線ＬＡＮにより直接送信する。
【００３９】
さらに、表示装置通信制御部２０４ａは、無線機２０６を介して、中央装置１に各種情報をＭＣＡ無線等により直接送信する。
また、表示装置通信制御部２０４ａは、無線ＬＡＮ機器２０７を介して、表示装置（子）２ｂから送信された中央装置１宛の各種情報を無線ＬＡＮにより直接受信し、その情報を無線機２０６を介して、中央装置１にＭＣＡ無線等により直接送信する。
【００４０】
なお、表示装置通信制御部２０４ａは、中央装置１と表示装置（親）２ａとの間の通信プロトコル（以下、通信プロトコルＡという）と、表示装置（親）２ａと表示装置（子）２ｂとの間の通信プロトコル（以下、通信プロトコルＢという）とが異なる場合には、適宜プロトコル変換を実行する。
【００４１】
表示パネル制御部２０５には、表示パネル２０８が接続されている。
表示パネル制御部２０５は、表示パネル２０８を制御して、表示パネル２０８に路線バス３の運行状況を表示する。
【００４２】
〔表示装置（子）２ｂ〕
図４は、表示装置（子）の構成を示すブロック図である。表示装置（子）２ｂは、表示装置ＣＰＵ２０１、表示装置メモリ２０２、表示装置ＲＯＭ２０３、表示装置通信制御部２０４ｂ、表示パネル制御部２０５などを備える。
【００４３】
表示装置通信制御部２０４ｂには、アンテナ２０７１を備えた無線ＬＡＮ機器２０７が接続されており、表示装置（子）２ｂは、この無線ＬＡＮ機器２０７を介して、表示装置（親）２ａと狭域無線通信方式である無線ＬＡＮにより各種の情報をやりとりすることができる。
【００４４】
具体的には、表示装置通信制御部２０４ｂは、無線ＬＡＮ機器２０７を介して、中央装置１から送信され、表示装置（親）２ａで中継された自己宛の運行情報などの各種情報を、無線ＬＡＮにより直接受信する。
また、表示装置通信制御部２０４ｂは、無線ＬＡＮ機器２０７を介して、中央装置１宛の各種情報を表示装置（親）２ａに無線ＬＡＮにより直接送信する。
【００４５】
表示装置ＣＰＵ２０１、表示装置メモリ２０２、表示装置ＲＯＭ２０３、表示パネル制御部２０５、無線ＬＡＮ機器２０７、表示パネル２０８については、表示装置（親）２ａと同じであるので、記載を省略する。
【００４６】
以上のように、本発明に係るバスロケーションシステムにおいては、停留所２０が中央装置１から送信された情報を直接無線で受信することができない無線不感地帯に含まれる場合には、当該停留所２０に対して道路を挟んで向かい側にあり、かつ、当該停留所２０と同一の名称であり、系統の上り／下りの別が異なる停留所２０に、中央装置１との間での情報の中継機能を備えた表示装置（親）２ａを設置し、前記の無線不感地帯に含まれる停留所２０には、その表示装置（親）２ａとの間で情報を無線で送受信する機能を備えた表示装置（子）２ｂを設置する。これにより、表示装置（子）２ｂは、無線不感地帯に含まれる停留所２０に設置されているにもかかわらず、表示装置（親）２ａを介して、中央装置１との間で各種情報をやりとりすることができる。
【００４７】
なお、上述の実施形態においては、無線不感地帯に含まれる停留所２０には表示装置（子）２ｂを設置し、当該停留所２０に対して道路を挟んで向かい側にあり、かつ、当該停留所２０と同一の名称であり、系統の上り／下りの別が異なる停留所２０には表示装置（親）２ａを設置する構成であったが、これに限定されない。
系統によっては上りと下りで同一の名称の停留所２０が設置されていない場合もある。このような場合には、無線不感地帯に含まれる停留所２０に対して道路を挟んで向かい側に停留所２０が設置されていれば、この停留所２０に表示装置（親）２ａを設置する構成であっても良い。また、無線不感地帯に含まれる停留所２０に対して道路を挟んで向かい側に停留所２０が設置されていないが、無線不感地帯に含まれる停留所２０の近傍に停留所２０が設置されている場合には、この停留所２０に表示装置（親）２ａを設置する構成であっても良い。
つまり、無線不感地帯に含まれる停留所２０に設置された表示装置（子）２ｂと無線で直接情報を送受信でき、かつ、中央装置１から送信された電波を直接受信できるのであれば、どの停留所２０に表示装置（親）２ａを設置しても良く、例えば、無線不感地帯に含まれる停留所２０と別の系統の停留所２０に設置しても良いし、無線不感地帯に含まれる停留所２０と同じ系統の１つ先又は１つ前の停留所２０に設置しても良い。
【００４８】
また、上述の実施形態においては、表示装置（親）２ａと表示装置（子）２ｂとは各種の情報を無線ＬＡＮにより直接やりとりする構成であったが、これに限定されず、無免許で使用可能であり、かつ、電波使用料が不要な、無線ＬＡＮ以外の特定小電力無線を用いる構成であっても良い。また、通信環境などの問題により、表示装置（親）２ａと表示装置（子）２ｂとが無線ＬＡＮ等の特定小電力無線を用いて通信できない場合には、その他の無線を用いて両者が通信する構成であっても良い。
【００４９】
また、上述の実施形態においては、中央装置１から表示装置（親）２ａに対し表示装置（子）２ｂ宛の運行情報を送信し、表示装置（親）２ａは受信した運行情報の全部を表示装置（子）２ｂに送信する構成であったが、これに限定されない。中央装置１から表示装置（親）２ａに対し、表示装置（親）２ａ宛の運行情報と表示装置（子）２ｂ宛の運行情報をセットにした情報を送信し、表示装置（親）２ａは受信した情報のうちの一部である表示装置（子）宛の運行情報のみを取り出して、表示装置（子）２ｂに送信する構成であっても良い。
【００５０】
また、上述の実施形態においては、表示装置（子）２ｂは、中央装置１との間で情報を無線で送受信する無線機２０６を備えない構成であったが、表示装置（親）２ａと構成を共通にするために、無線機２０６を備える構成であっても良い。
【００５１】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【００５２】
１ 中央装置、 １０１ 中央装置ＣＰＵ、 １０２ 中央装置メモリ、 １０３ 中央装置ハードディスク、 １０４ 中央装置通信制御部、 １０５ 無線機、 １０５１ アンテナ
２ 表示装置、 ２ａ 表示装置（親）２ａ 表示装置（子）、 ２０１ 表示装置ＣＰＵ、 ２０２ 表示装置メモリ、 ２０３ 表示装置ＲＯＭ、 ２０４ａ、２０４ｂ 表示装置通信制御部、 ２０５ 表示パネル制御部、 ２０６ 無線機、 ２０６１ アンテナ、 ２０７ 無線ＬＡＮ機器、 ２０７１ アンテナ、 ２０８ 表示パネル
２０、２０ａ、２０ｂ 停留所
３ 路線バス、 ４ 車載装置、 Ｒ 道路
【特許請求の範囲】
【請求項１】
路線バスに搭載される車載装置と、
前記車載装置が送信する前記路線バスの位置情報を受信する中央装置と、
前記路線バスの停留所に設置され、前記路線バスの運行状況を表示する、複数の表示装置とを備えるバスロケーションシステムであって、
前記中央装置は、
受信した前記位置情報に基づいて前記路線バスの運行状況に係る運行情報を作成する手段と、
前記運行情報を無線で送信する中央送信手段とを備え、
前記複数の表示装置のうちの一の表示装置は、
前記中央装置が送信した前記運行情報を受信する第一受信手段と、
前記第一受信手段により受信した前記運行情報の全部又は一部を無線で送信する第一送信手段とを備え、
前記複数の表示装置のうちの他の表示装置は、
前記一の表示装置が送信した前記運行情報の全部又は一部を受信する第二受信手段を備え、
前記第二受信手段により受信した前記運行情報の全部又は一部に基づいて前記路線バスの運行状況を表示するように構成されている、
バスロケーションシステム。
【請求項２】
前記中央送信手段は、広域無線通信方式により送信するように構成されており、
前記第一送信手段は、狭域無線通信方式により送信するように構成されている、
請求項１に記載のバスロケーションシステム。
【請求項３】
前記一の表示装置は、前記他の表示装置の近傍に設置されている、
請求項１又は２に記載のバスロケーションシステム。
【請求項４】
前記一の表示装置は、前記他の表示装置に対して、当該他の表示装置が設置されている道路を挟んで向かい側に設置されている、
請求項１乃至３のいずれか１つに記載のバスロケーションシステム。
【請求項５】
前記一の表示装置は、前記バスが走行する一の系統における上りと下りの停留所のうちの一方の第一停留所に設置されており、
前記他の表示装置は、前記一の系統における上りと下りの停留所のうちの他方であって、前記第一停留所と同一の名称である第二停留所に設置されている、
請求項１乃至４のいずれか１つに記載のバスロケーションシステム。
【請求項６】
請求項１乃至５のいずれか１つに記載のバスロケーションシステムに用いられる、前記一の表示装置。
【請求項７】
請求項１乃至５のいずれか１つに記載のバスロケーションシステムに用いられる、前記他の表示装置。
【請求項１】
路線バスに搭載される車載装置と、
前記車載装置が送信する前記路線バスの位置情報を受信する中央装置と、
前記路線バスの停留所に設置され、前記路線バスの運行状況を表示する、複数の表示装置とを備えるバスロケーションシステムであって、
前記中央装置は、
受信した前記位置情報に基づいて前記路線バスの運行状況に係る運行情報を作成する手段と、
前記運行情報を無線で送信する中央送信手段とを備え、
前記複数の表示装置のうちの一の表示装置は、
前記中央装置が送信した前記運行情報を受信する第一受信手段と、
前記第一受信手段により受信した前記運行情報の全部又は一部を無線で送信する第一送信手段とを備え、
前記複数の表示装置のうちの他の表示装置は、
前記一の表示装置が送信した前記運行情報の全部又は一部を受信する第二受信手段を備え、
前記第二受信手段により受信した前記運行情報の全部又は一部に基づいて前記路線バスの運行状況を表示するように構成されている、
バスロケーションシステム。
【請求項２】
前記中央送信手段は、広域無線通信方式により送信するように構成されており、
前記第一送信手段は、狭域無線通信方式により送信するように構成されている、
請求項１に記載のバスロケーションシステム。
【請求項３】
前記一の表示装置は、前記他の表示装置の近傍に設置されている、
請求項１又は２に記載のバスロケーションシステム。
【請求項４】
前記一の表示装置は、前記他の表示装置に対して、当該他の表示装置が設置されている道路を挟んで向かい側に設置されている、
請求項１乃至３のいずれか１つに記載のバスロケーションシステム。
【請求項５】
前記一の表示装置は、前記バスが走行する一の系統における上りと下りの停留所のうちの一方の第一停留所に設置されており、
前記他の表示装置は、前記一の系統における上りと下りの停留所のうちの他方であって、前記第一停留所と同一の名称である第二停留所に設置されている、
請求項１乃至４のいずれか１つに記載のバスロケーションシステム。
【請求項６】
請求項１乃至５のいずれか１つに記載のバスロケーションシステムに用いられる、前記一の表示装置。
【請求項７】
請求項１乃至５のいずれか１つに記載のバスロケーションシステムに用いられる、前記他の表示装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１２−６４０６２（Ｐ２０１２−６４０６２Ａ）
【公開日】平成２４年３月２９日（２０１２．３．２９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２０８６６６（Ｐ２０１０−２０８６６６）
【出願日】平成２２年９月１７日（２０１０．９．１７）
【出願人】（０００００２１３０）住友電気工業株式会社 (12,747)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年３月２９日（２０１２．３．２９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年９月１７日（２０１０．９．１７）
【出願人】（０００００２１３０）住友電気工業株式会社 (12,747)
【Ｆターム（参考）】
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