説明

バスロケーションシステム

【課題】 バスターミナルに設置されたバスロケーション標識装置と中央装置との間に新たな通信線を敷設することなく、また、バスターミナル内での配管等の設置工事を要することなく、バスロケーション標識装置と中央装置との間で良好な情報の通信が可能なバスロケーションシステムを提供する。
【解決手段】 無線通信装置1は、ターミナルサーバ101と、内部用無線通信機102と、外部用無線通信機103とを備えている。内部用無線通信機102は、バスターミナル10の構造物10Aの内側に設置されたバスロケーション標識装置2と無線LAN等により無線通信することができる。外部用無線通信機103は、バスターミナル10の構造物10Aの外側の離れた位置に設置された中央装置3とMCA無線等により無線通信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路線バスの運行を管理して、路線バスの停留所およびバスターミナルに設置されたバスロケーション標識装置に路線バスの接近情報を表示することにより、利用者にバスの運行状況を報知することができるバスロケーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
路線バスの停留所に設置されたバスロケーション標識装置と、車載装置を搭載した路線バスと、バス運営会社の運行管理センターに設置される中央装置とを備え、中央装置が車載装置から路線バスの位置情報を取得してバスロケーション標識装置に送信し、バスロケーション標識装置がその位置情報に基づいて路線バスの接近情報を視覚可能に自己の表示パネルに表示するバスロケーションシステムが開示されている(特許文献1)。バスロケーション標識装置と車載装置には、それぞれMCA(Multi Channel Access)無線等に対応した無線機が備えられており、中央装置と停留所に設置されたバスロケーション標識装置との間、中央装置と車載装置と間では、それぞれ情報が無線通信される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−68792
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バスロケーション標識装置は、停留所に設置されるだけでなく、路線バスの発着の要となるバスターミナルにも設置される。バスターミナルには、多くの場合、風雨を防ぐための構造物が設置されており、この構造物は鉄骨や鉄筋コンクリートなどの電波を遮蔽するような建築材で構成されているため、この構造物の内側に特許文献1に記載されているような無線機を備えたバスロケーション標識装置を設置しても、当該バスロケーション標識装置と中央装置との間で安定した無線通信を行うことが困難であった。そこで、バスターミナルに設置されるバスロケーション標識装置については、中央装置との間に光ファイバや電話回線などの通信線が敷設され、中央装置との間で有線通信を行うのが一般的であった。
【0005】
しかしながら、バスロケーション標識装置と中央装置との間に通信線を敷設するには多大な費用を要するという問題点があった。
また、既に設置され運用されているバスターミナルに新たにバスロケーションシステムを導入する場合、バスターミナル内の機器室やMDF(Main Distribution Frame、配線盤)と、バスターミナル内に複数設置するバスロケーション標識装置との間に、通信線を敷設するための配管等のケーブル敷設ルートが用意されていないことが多いため、新たな配管等の設置工事をする必要があるが、かかる設置工事はバスターミナルの運用に多大な影響を与えるため、実施が困難という問題点があった。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を鑑みてなされたものであり、バスターミナルに設置されたバスロケーション標識装置と中央装置との間に新たな通信線を敷設することなく、また、バスターミナル内での配管等の設置工事を要することなく、バスロケーション標識装置と中央装置との間で良好な情報の通信が可能なバスロケーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るバスロケーションシステムは、バスターミナルの構造物に設置された無線通信装置と、前記構造物の内側に設置された1又は複数のバスロケーション標識装置と、前記構造物の外側でかつ当該構造物から離れた位置に設置された中央装置と、複数の路線バスに搭載された車載装置とを備えるバスロケーションシステムであって、前記構造物は、前記中央装置と前記バスロケーション標識装置との無線による通信を阻害する位置に設けられており、前記中央装置は、前記車載装置から前記路線バスの位置情報を取得する手段と、前記位置情報に基づいて前記路線バスの運行状況に係る情報を作成する手段と、前記運行状況に係る情報を前記無線通信装置に送信する手段とを備え、前記無線通信装置は、前記中央装置から前記運行状況に係る情報を無線により受信可能な外部用無線通信機と、受信した前記運行状況に係る情報をバスロケーション標識装置に無線により送信可能な内部用無線通信機とを備え、前記バスロケーション標識装置は、前記無線通信装置から前記運行状況に係る情報を受信する手段と、受信した前記運行状況に係る情報に基づいて前記路線バスの運行状況を表示する手段とを備えるものである(請求項1)
【0008】
バスターミナルの構造物が中央装置とバスロケーション標識装置との無線による通信を阻害する位置に設けられていても、構造物の外側の離れた位置に設置されている中央装置から情報を無線により受信可能であり、かつ、構造物の内側に設置されているバスロケーション標識装置に情報を無線により送信可能である無線通信装置を備えることにより、中央装置からバスロケーション標識装置への情報の無線による送信が可能となる。従って、中央装置とバスロケーション標識装置との間に新たに通信線を敷設することなく、また、バスターミナル内での通信線用の配管等の設置工事を要することもなく、バスロケーション標識装置と中央装置との間で良好な情報の通信が可能となる。
【0009】
なお、バスターミナルの構造物は、中央装置とバスロケーション標識装置との無線による通信を阻害する位置に設けられている構造物であれば良く、例えば、路線バスの利用者を風雨から守るための構造物が挙げられる。この場合、構造物は、屋根材とそれを支える複数の柱や壁などから構成される独立した構造物であっても、ビルなどの建築物の一部が屋根の代わりとなっているような独立しない構造物であっても良い。
【0010】
前記外部用無線通信機は、前記バスターミナルの構造物の外側に設置された第1のアンテナを備え、前記内部用無線通信機は、前記バスターミナルの構造物の内側に設置された第2のアンテナを備えていることが好ましい(請求項2)。
【0011】
中央装置から情報を確実に受信するとともに、バスロケーション標識装置に情報を確実に送信することができるからである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バスターミナルの構造物の内側に設置されているバスロケーション標識装置とこの構造物の外側の離れた位置に設置されている中央装置との間に新たな通信線を敷設することなく、また、バスターミナル内での配管等の設置工事を要することなく、前記バスロケーション標識装置と中央装置との間で良好な情報の通信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るバスロケーションシステムの概要を示す模式図である。
【図2】バスロケーション標識装置の表示パネルの表示内容の一例を示す図である。
【図3】無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】バスロケーション標識装置の構成を示すブロック図である。
【図5】中央装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
〔システムの全体構成〕
図1は本発明に係るバスロケーションシステムの構成を示す模式図である。バスロケーションシステムは、バスターミナル10の構造物10Aに設置された無線通信装置1と、バスターミナル10の構造物10Aの内側に設置された1又は複数のバスロケーション標識装置2と、バスターミナル10の構造物10Aの外側でかつこの構造物10Aから離れた位置にあるバス運営会社の運行管理センターに設置された中央装置3と、複数の路線バス5に搭載された車載装置4などを備える。
【0016】
バスターミナル10の構造物10Aは、路線バス5の利用者を風雨から守るための構造物であり、屋根材とそれを支える複数の柱などから構成される独立した構造物である。もちろん、構造物10Aは、ビルなどの建築物の一部が屋根の代わりとなっているような独立しない構造物であっても良い。なお、図1は斜め上の視点から見た模式図であるが、その視点から構造物10Aの屋根材に隠れて直接見えない部分については点線で描いてある。
【0017】
バスターミナル10の構造物10Aは、バスロケーション標識装置2と中央装置3との無線による通信を阻害する位置に設けられており、また、鉄骨や鉄筋コンクリート等の電波を遮蔽する建築材から構成されているため、構造物10Aの外側から到来する電波は構造物10Aの内側には届かず、また、構造物10Aの内側から発信した電波は構造物10Aの外側には到達しない。
従って、バスターミナル10の構造物10Aの内側に設置されたバスロケーション標識装置2と構造物10Aの外側の離れた位置に設置された中央装置3とは安定して無線通信を行うことができない。
【0018】
そこで、本発明に係るバスロケーションシステムは、バスターミナル10の構造物10Aの内側に設置されたバスロケーション標識装置2と、構造物10Aの外側の離れた位置に設置された中央装置3との間の無線通信を中継する機能を有する無線通信装置1を備えることにより、前記バスロケーション標識装置2と中央装置3との間の無線通信を可能としている。
【0019】
具体的には、無線通信装置1はバスターミナル10の構造物10Aの内側と外側にそれぞれアンテナ1021とアンテナ1031を備えることにより、構造物10Aの内側に設置されたバスロケーション標識装置2とはアンテナ1021により無線で通信を行い、構造物10Aの外側の離れた位置に設置された中央装置3とはアンテナ1031により無線で通信を行い、バスロケーション標識装置2と中央装置3との間の無線通信を中継する。
【0020】
路線バス5に搭載されている車載装置4は中央装置3との間で各種情報を無線にて通信することができるようになっている。この場合、車載装置4は中央装置3と直接通信しなくても良く、路上に設置した光ビーコンなどの路上通信装置(図示せず)やバスロケーション標識装置2経由で中央装置3と情報をやりとりしても良い。
【0021】
バスロケーション標識装置2には、路線バス5の運行状況を表示するための表示パネル204が設けられており、系統ごとに次に到着する路線バス5がどの辺りを走行しているのかを表示することができるようになっている。
【0022】
なお、路線バス5は、バスターミナル10以外にも、道路上に連続して存在する複数の停留所(不図示)にも停車する。これらの停留所にもそれぞれバスロケーション標識装置2が設置されている。
〔システム全体の動作〕
【0023】
車載装置4は、GPS等で取得した路線バス5の現在位置の情報に基づいて、当該路線バス5の現在位置、系統番号などを含むバス位置情報を作成し、所定の周期(例えば、1秒)ごとに中央装置3宛に送信する。
【0024】
中央装置3は、路線バス5の車載装置4からバス位置情報を取得すると、このバス位置情報に基づいて当該路線バス5がその系統のどの停留所間(又はどのバスターミナル10と停留所との間)を走行しているのかを把握し、当該路線バス5が直前に出発した停留所(又はバスターミナル10)の識別コードなどを含む表示情報を作成する。
【0025】
中央装置3は、上記の路線バス5が次に到着する停留所(又はバスターミナル10)やそれ以降に到着する停留所(又はバスターミナル10)に設置されているバスロケーション標識装置2宛に作成した表示情報を送信する。
【0026】
表示情報の送信先がバスターミナル10に設置されているバスロケーション標識装置2である場合、当該バスロケーション標識装置2はこの表示情報を安定して受信することができないため、中央装置3は表示情報をバスターミナル10に設置されている無線通信装置1宛に送信する。
【0027】
無線通信装置1は、中央装置3から送信された表示情報を受信すると、この表示情報をバスロケーション標識装置2に送信する。
【0028】
バスロケーション標識装置2は、無線通信装置1から表示情報を受信すると、この情報に基づいて表示パネル204の運行状況の表示内容を更新し、系統ごとに路線バス5がどの辺りを走行しているかを利用者に提供する。
【0029】
図2はバスロケーション標識装置の表示パネルの表示内容の一例を示す図である。この例によれば、系統1の路線バス5は、2つ前の停留所と1つ前の停留所との間を走行中であり、系統2の路線バス5は、3つ前の停留所と2つ前の停留所との間を走行中であることが示されている。
【0030】
[無線通信装置]
図3は無線通信装置の構成を示すブロック図である。無線通信装置1は、ターミナルサーバ101と、内部用無線通信機102と、外部用無線通信機103とを備えており、これらは電気的に接続されている。
【0031】
内部用無線通信機102は、バスターミナル10の構造物10Aの内側に設置されたバスロケーション標識装置2と無線LAN等により無線通信することができ、図1に示すように、自己が備えるアンテナ1021はバスターミナル10の構造物10Aの内側であって、バスロケーション標識装置2と安定して通信できる位置に設置されている。
【0032】
内部用無線通信機102は、バスロケーション標識装置2から情報を無線で受信すると、その情報をターミナルサーバ101に出力する。
また、内部用無線通信機102は、ターミナルサーバ101から情報を受け取ると、その情報をバスロケーション標識装置2に送信する。
【0033】
外部用無線通信機103は、バスターミナル10の構造物10Aの外側の離れた位置に設置された中央装置3とMCA無線等により無線通信することができ、図1に示すように、自己が備えるアンテナ1031はバスターミナル10の構造物10Aの外側に設置されている。
【0034】
外部用無線通信機103は、中央装置3から情報を無線で受信すると、その情報をターミナルサーバ101に出力する。
また、外部用無線通信機103は、ターミナルサーバ101から情報を受け取ると、その情報を中央装置3に送信する。
【0035】
ターミナルサーバ101は、無線通信装置1とバスロケーション標識装置2との間の通信プロトコル(以下、通信プロトコルAという)と、無線通信装置1と中央装置3との間の通信プロトコル(以下、通信プロトコルBという)とが異なる場合には、内部用無線通信機101から受け取った情報を通信プロトコルBに変換して、外部用無線通信機103に出力し、外部用無線通信機103から受け取った情報を通信プロトコルAに変換して、内部用無線通信機102に出力する。
【0036】
一方、通信プロトコルAと通信プロトコルBとが同じ場合には、ターミナルサーバ101は、内部用無線通信機101から受け取った情報をそのまま外部用無線通信機103に出力し、外部用無線通信機103から受け取った情報をそのまま内部用無線通信機102に出力する。
【0037】
なお、通信プロトコルAと通信プロトコルBとが同じ場合であって、使用する周波数帯域が同じ場合には、内部用無線通信機102からバスロケーション標識装置2への情報の送信と、外部用無線通信機103から中央装置3への情報の送信とを同時に行うと、両者が干渉を起こすおそれがあるため、時間をずらして送信する、あるいは、異なる周波数チャネルを用いて送信するなどの処理を行うことが望ましい。
【0038】
[バスロケーション標識装置]
図4はバスロケーション標識装置の構成を示すブロック図である。バスロケーション標識装置2は、本体装置201と、ターミナルサーバ202と、無線通信機203と、表示パネル204とを備えており、本体装置201とターミナルサーバ202と無線通信機203とは電気的に接続されており、本体装置201と表示パネル204とは電気的に接続されている。
【0039】
無線通信機203は、無線通信装置1の内部用無線通信機102と無線LAN等により無線通信することができ、図1に示すように、自己が備えるアンテナ2031は本体装置201の上部であって、無線通信装置1の内部用無線通信機102と安定して通信できる位置に設置されている。
【0040】
無線通信機203は、無線通信装置1から情報を無線で受信すると、その情報をターミナルサーバ202に出力する。
また、無線通信機203は、ターミナルサーバ202から情報を受け取ると、その情報を無線通信装置1に送信する。
【0041】
ターミナルサーバ202は、バスロケーション標識装置2と無線通信装置1との間の通信プロトコルAと、本体装置201内の通信プロトコル(以下、通信プロトコルCという)とが異なる場合には、無線通信機203から受け取った情報を通信プロトコルCに変換して、本体装置201に出力し、本体装置201から受け取った情報を通信プロトコルAに変換して、無線通信機203に出力する。
【0042】
表示パネル204は、路線バス5の運行状況を表示するものであり、系統ごとに次に到着する路線バス5がどの辺りを走行しているのかを表示することができるようになっている。
【0043】
本体装置201は、標識装置CPU2011、標識装置メモリ2012、標識装置ROM2013、通信制御部2014、表示パネル制御部2015などを備える。
標識装置CPU2011は、本体装置201の全体を制御するとともに、各種の演算処理を行う。
標識装置メモリ2012は、標識装置CPU2011が演算した各種の演算処理の結果や、通信制御部2014が受信した表示情報などの各種の情報等を記憶する。
ROM2013には、標識装置CPU2011が各種の演算処理を実行するためのコンピュータプログラムが記憶されている。
通信制御部2014は、ターミナルサーバ202との間の情報の通信を制御する。
表示パネル制御部2015は、表示パネル204を制御して、表示パネル204に路線バスの運行状況を表示する。
【0044】
[中央装置]
図5は中央装置の構成を示すブロック図である。中央装置3は、中央装置CPU301、中央装置メモリ302、中央装置ハードディスク303、通信インタフェース304、無線通信機305などを備える。
【0045】
中央装置CPU301は、中央装置3の全体を制御するとともに、各種の演算処理を行う。
中央装置メモリ302は、中央装置CPU301が演算した各種の演算処理の結果などを記憶する。
中央装置ハードディスク303は、中央装置CPU301が各種の演算処理を実行するためのコンピュータプログラムや、通信インタフェース304が車載装置4から受信した路線バス5の位置情報、系統ごとの各停留所の位置情報を含む路線情報などの各種の情報等を記憶する。
通信インタフェース304は、無線通信機305と接続されており、無線通信機305との間で情報をやりとりする。
【0046】
無線通信機305は、バスターミナル10の構造物10Aの外側に設置された無線通信装置1の外部用無線通信機103とMCA無線等により無線通信することができ、アンテナ3051を備えている。
【0047】
以上のように、本発明に係るバスロケーションシステムは、バスターミナルの風雨を防ぐための構造物の内側に設置されているバスロケーション標識装置との無線通信が可能であり、かつ、当該構造物の外側の離れた位置にある中央装置との無線通信が可能である無線通信装置を備えることにより、前記バスロケーション標識装置と中央装置との間における無線通信を可能としている。従って、バスロケーション標識装置と中央装置との間に新たに通信線を敷設することなく、また、バスターミナル内での通信線用の配管等の設置工事を要することもなく、バスロケーション標識装置と中央装置との間で良好な情報の通信が可能となる。
【0048】
また、前記無線通信装置は、バスターミナルの構造物の外側に設置された第1のアンテナを用いて中央装置と無線通信を行い、バスターミナルの構造物の外側に設置された第2のアンテナを用いてバスロケーション標識装置と無線通信を行うため、中央装置から情報を確実に受信するとともに、バスロケーション標識装置に確実に情報を送信することができる。
【0049】
上述の実施形態においては、バスロケーション標識装置2と中央装置3との無線による通信を阻害する位置に設けられている構造物10Aは、路線バス5の利用者を風雨から守るための構造物であったが、これに限定されることはない。例えば、バスターミナル10に設けられたモニュメントや時計台などの構造物であっても良い。
【0050】
上述の実施形態においては、無線通信装置1のターミナルサーバ101、内部用無線通信機102、外部用無線通信機103は、それぞれ別の筐体となっていたが、これらが1つの筐体に収まっている構成でも良い。
【0051】
また、バスロケーション標識装置2の本体装置201、ターミナルサーバ202、無線通信機203はそれぞれ別の筐体となっていたが、これらが1つの筐体に収まっている構成でも良い。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0053】
1 無線通信装置、101 ターミナルサーバ、102 内部用無線通信機、1021 アンテナ、103 外部用無線通信機、1031 アンテナ
2 バスロケーション標識装置、201 本体装置、2011 標識装置CPU、2012 標識装置メモリ、2013 標識装置ROM、2014 通信制御部、2015 表示パネル制御部、202 ターミナルサーバ、203 無線通信機、2031 アンテナ、204 表示パネル
3 中央装置、301 中央装置CPU、302 中央装置メモリ、303 中央装置ハードディスク、304 通信インタフェース、305 無線通信機、3051 アンテナ
4 車載装置、5 路線バス、10 バスターミナル、10A 構造物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスターミナルの構造物に設置された無線通信装置と、前記構造物の内側に設置された1又は複数のバスロケーション標識装置と、前記構造物の外側でかつ当該構造物から離れた位置に設置された中央装置と、複数の路線バスに搭載された車載装置とを備えるバスロケーションシステムであって、
前記構造物は、前記中央装置と前記バスロケーション標識装置との無線による通信を阻害する位置に設けられており、
前記中央装置は、
前記車載装置から前記路線バスの位置情報を取得する手段と、
前記位置情報に基づいて前記路線バスの運行状況に係る情報を作成する手段と、
前記運行状況に係る情報を前記無線通信装置に送信する手段とを備え、
前記無線通信装置は、
前記中央装置から前記運行状況に係る情報を無線により受信可能な外部用無線通信機と、
受信した前記運行状況に係る情報をバスロケーション標識装置に無線により送信可能な内部用無線通信機とを備え、
前記バスロケーション標識装置は、
前記無線通信装置から前記運行状況に係る情報を受信する手段と、
受信した前記運行状況に係る情報に基づいて前記路線バスの運行状況を表示する手段とを備える、
バスロケーションシステム。
【請求項2】
前記外部用無線通信機は、前記構造物の外側に設置された第1のアンテナを備え、
前記内部用無線通信機は、前記構造物の内側に設置された第2のアンテナを備える、請求項1に記載のバスロケーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−238017(P2011−238017A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108849(P2010−108849)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】